説明

健康測定機器

【課題】所望する健康データだけを送信する健康測定機器を提供する。
【解決手段】健康測定機器は、身体を測定して健康データを出力する測定手段と、1組以上の健康データを記憶する記憶手段と、上記記憶手段に記憶された1組以上の健康データを選択する選択手段と、健康測定データ中継装置にデータを送信する通信手段と、を備え、上記測定手段は、出力する健康データを上記記憶手段に送り、上記選択手段は、上記記憶手段に記憶されている1組以上の健康データの中から健康測定データ中継装置に送信する1組以上の健康データを選択し上記通信手段に送り、上記通信手段は、上記選択手段から送られた1組以上の健康データを健康測定データ中継装置に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、家庭などで測定した健康データを健康測定データ中継装置に送信する健康測定機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
家庭外で身体を測定しネットワーク上にあるデータサーバに健康データを送信し、健康データをデータサーバに記憶する健康測定システムで使用する健康測定機器は、スポーツジム、病院、公共施設などに設置されている。利用者が健康測定システムを利用するとき、測定時に利用者を識別し、測定およびデータ送信に対し課金するシステムになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−83055号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
家庭外で身体を測定する場合、徒歩など移動してきて測定するため、例えば、血圧が安静時血圧に達するまでに血圧が数回測定される。また、運動能力計や体力測定機器を使用して測定した場合、測定した複数の測定値の中から自分の満足いく測定値だけを選択して健康データとして送信したいという要求がある。
しかし、従来の健康測定システムでは測定の度に健康データが送信されてしまうので、安静時の血圧値および満足いく測定値以外の測定値も健康データとして送信されてしまい治療や健康管理のための正しいデータが得られないという問題がある。
また、測定の度に健康データが送信されるので、意図しない測定や送信に課金され、費用がかさむという問題がある。
【0005】
この発明の目的は、所望する健康データだけを送信する健康測定機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る健康測定機器は、身体を測定して健康データを出力する測定手段と、1組以上の健康データを記憶する記憶手段と、上記記憶手段に記憶された1組以上の健康データを選択する選択手段と、健康測定データ中継装置にデータを送信する通信手段と、
を備え、上記測定手段は、出力する健康データを上記記憶手段に送り、上記選択手段は、上記記憶手段に記憶されている1組以上の健康データの中から健康測定データ中継装置に送信する1組以上の健康データを選択し上記通信手段に送り、上記通信手段は、上記選択手段から送られた1組以上の健康データを健康測定データ中継装置に送信する。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係る健康測定機器の効果は、健康データを一旦記憶手段に記憶し、その後記憶手段に記憶されている健康データから健康データを選択し健康測定データ中継装置に送信するので、治療や健康管理に役立つ健康データだけを選択すれば、治療や健康管理に役立つ結果が得られるし、望まない健康データを選択しなければ、送信および記憶に係る費用を節約することである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による健康測定システムの構成図である。図2は、血圧計の斜視図である。
この発明の実施の形態による健康測定システムは、サービスプロバイダが提供するサービスを利用するためのシステムであり、このサービスは、家庭内外で測定した健康データをサービスプロバイダが設置するデータサーバ2に記憶することである。
また、この発明の実施の形態による健康測定システムは、図1に示すように、血圧、体重、体脂肪率などの健康データを測定するための血圧計、体重計、体脂肪計などの健康測定機器3、健康測定機器3で測定した健康データを収集しデータサーバ2に中継する健康測定データ中継装置としてのゲートウエイ4、健康データを記憶するデータサーバ2備える。
【0009】
また、この発明の実施の形態による健康測定システムでは、健康測定機器3とゲートウエイ4との間で無線5による通信が行われ、ゲートウエイ4とデータサーバ2との間でインターネット6を介する通信が行われる。
【0010】
図2は、この発明の実施の形態1による血圧計の斜視図である。図3は、この発明の実施の形態1による血圧計の制御部の機能ブロック図である。
この発明の実施の形態1による健康測定機器3として血圧計7を例にして説明する。
この発明の実施の形態1による血圧計7は、図2に示すように、測定した最高血圧値および最低血圧値、および記憶手段22に記憶されている最高血圧値および最低血圧値を表示する表示パネル11、血圧値を測定するための腕帯12、血圧測定を開始する電源・測定ボタン13、測定された測定値を記憶手段22に記憶するための書込ボタン14、記憶手段22に記憶されている測定値を表示パネル11に表示するための表示ボタン15、表示パネル11に表示された測定値から最高血圧値と最低血圧値の一組を選択するためのデータ選択ボタン16、測定者を識別する測定者識別情報を読み出す読出手段としてのICカード通信部17、ゲートウエイ4に健康データを送信する通信手段としての無線装置18を備える。
【0011】
また、この発明の実施の形態1による血圧計7は、血圧計7を制御する制御部19を備える。制御部19は、図3に示すように、腕帯12の空気量を調整し腕に加わる圧力を調整するとともに腕帯12に付けられた図示しないセンサにより検出された脈動から最高血圧値および最低血圧値を測定する測定手段21、最高血圧値および最低血圧値が記憶される記憶手段22、押されたデータ選択ボタン16に従って表示パネル11に表示されている測定値を選択して無線装置18に送る選択手段23を有する。
記憶手段22は、前回から過去に遡る所定の回数分の最高血圧値と最低血圧値が記憶されている。
【0012】
次に、血圧計7により血圧を測定しゲートウエイ4に送信する手順について説明する。
測定を開始するにあたって、腕帯12を腕に巻きつけ、血圧計7の電源・測定ボタン13を押すと血圧測定が開始される。
測定が終了すると、表示パネル11に最高血圧値と最低血圧値が表示される。
最高血圧値および最低血圧値が表示パネル11に表示されているとき、書込ボタン14を押すと、表示されている最高血圧値と最低血圧値が記憶手段22に記憶される。
次に、表示ボタン15を押すと、所定の回数分の最高血圧値と最低血圧値が表示パネル11に表示される。そして、所望の最高血圧値と最低血圧値に対応するデータ選択ボタン16を押すと、所望の最高血圧値と最低血圧値が一組として選択される。
ユーザは、ICカードをICカード通信部17にあて測定者識別情報を読み取らせる。
血圧計7は読み取った測定者識別情報と選択された一組の最高血圧値および最低血圧値とが対にして血圧計7の無線装置18からゲートウエイ4に送信する。
【0013】
次に、測定者識別情報に基づいて行うユーザ認証について説明する。
血圧計7は、読み取った測定者識別情報をゲートウエイ4に送信する。
ゲートウエイ4は、測定者識別情報をデータサーバ2に送信する。
データサーバ2は、受信した測定者識別情報から有効なユーザであるか検索し、その結果をユーザ認証情報としてゲートウエイ4に送信する。
ゲートウエイ4は、ユーザ認証情報を血圧計7に送信する。
血圧計7は、ユーザ認証情報を参照して健康データの送信の可否を判断する。送信が可のとき測定者識別情報と選択された一組の最高血圧値および最低血圧値とを対にしてゲートウエイ4に送信する。
ゲートウエイ4は、受信した測定者識別情報と一組の最高血圧値および最低血圧値とを対にしてデータサーバ2に送信する。
【0014】
なお、上述の実施の形態1による健康測定機器3として血圧計7を例に説明したが、血圧計7に限るものではなく、体温計、体脂肪計などにも本発明を適用することができる。体温計に適用した場合、体温が測定され、表示パネル11には測定した体温と低温および高温のトレンド値とが表示される。体脂肪計に適用した場合、体重と体脂肪率が測定され、表示パネル11には測定した体重と体脂肪率が表示される。
【0015】
この発明の実施の形態1による健康測定機器3は、測定値を一旦記憶手段22に記憶し、その後記憶手段22に記憶されている測定値から所望の測定値だけを選択しゲートウエイ4に送信するので、治療や健康管理に役立つ測定値だけを選択すれば、治療や健康管理に役立つ結果が得られるし、望まない測定値を選択しなければ、送信および記憶に係る費用を節約することができる。
【0016】
実施の形態2.
図4は、この発明の実施の形態2による血圧計の斜視図である。図5は、この発明の実施の形態2による血圧計の制御部の機能ブロック図である。
この発明の実施の形態2による血圧計7Bは、実施の形態1による血圧計7に選択された測定値をICカードに書き込む機能を追加したことが異なり、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記し説明は省略する。なお、このICカードは書込・読出がともにできるICカードである。
この発明の実施の形態2による血圧計7Bは、図4に示すように、選択された測定値を測定者識別情報が記憶される測定者識別媒体であるICカードに書き込むためのカード書込ボタン31を備える。
この発明の実施の形態2によるICカード通信部17Bは、ICカードから測定者識別情報を読み出すとともにICカードに測定値を書き込むことができる。
この発明の実施の形態2による選択手段23Bは、図5に示すように、ゲートウエイ4に健康データが送信できなかった場合、表示パネル11に送信が不可能であった旨表示する。そして、カード書込ボタン31が押されたら送信が不可能であった測定値をICカードに書き込む。
【0017】
この発明の実施の形態2による血圧計7Bは、課金状態により健康データの送信が不可能な場合、ICカードに健康データを保存することができるので、ICカードに保存された健康データを後で送信することにより健康データの欠落を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】この発明の実施の形態1による健康測定システムの構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1による血圧計の斜視図である。
【図3】この発明の実施の形態1による血圧計の制御部の機能ブロック図である。
【図4】この発明の実施の形態2による血圧計の斜視図である。
【図5】この発明の実施の形態2による血圧計の制御部の機能ブロック図である。
【符号の説明】
【0019】
2 データサーバ、3 健康測定機器、4 ゲートウエイ、5 無線、6 インターネット、7、7B 血圧計、11 表示パネル、12 腕帯、13 電源・測定ボタン、14 書込ボタン、15 表示ボタン、16 データ選択ボタン、17、17B ICカード通信部、18 無線装置、19 制御部、21 測定手段、22 記憶手段、23、23B 選択手段、31 カード書込ボタン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体を測定して健康データを出力する測定手段と、
1組以上の健康データを記憶する記憶手段と、
上記記憶手段に記憶された1組以上の健康データを選択する選択手段と、
健康測定データ中継装置にデータを送信する通信手段と、
を備え、
上記測定手段は、出力する健康データを上記記憶手段に送り、
上記選択手段は、上記記憶手段に記憶されている1組以上の健康データの中から健康測定データ中継装置に送信する1組以上の健康データを選択し上記通信手段に送り、
上記通信手段は、上記選択手段から送られた1組以上の健康データを健康測定データ中継装置に送信することを特徴とする健康測定機器。
【請求項2】
測定者識別媒体から測定者識別情報を読み出すとともに上記測定者識別媒体に健康データを書き込むカード通信手段を備え、
上記選択手段は、上記記憶手段に記憶されている健康データの中から測定者識別媒体に書き込む1組以上の健康データを選択することを特徴とする請求項1に記載の健康測定機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2008−229125(P2008−229125A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−74702(P2007−74702)
【出願日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【出願人】(000001960)シチズンホールディングス株式会社 (1,939)
【出願人】(591036457)三菱電機エンジニアリング株式会社 (419)
【Fターム(参考)】