説明

健康状態管理装置、健康状態管理方法、健康状態管理プログラム、健康情報管理システム

【課題】生体信号を取得する際の人体への負担を軽減し、且つ業務中のオペレータに健康状態を把握させ、オペレータの健康状態の改善を促すことが可能な健康情報管理システム、健康状態管理装置、健康状態管理方法、健康状態管理プログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、通常の執務における状態での人体の姿勢の変化、体温分布の変化、入力動作の履歴等の生体信号及び歩数情報、移動距離に関する情報を収集して解析し、オペレータの執務中における健康状態の管理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、執務中における人体の生体信号に基づき健康状態の管理を行う健康情報管理システム、健康状態管理装置、健康状態管理方法、健康状態管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータ(パーソナルコンピュータ)の普及に伴って、各種作業をコンピュータを使用して行うことが多くなっている。特にビジネスの分野では、OA(Office Automation)化が進み、コンピュータを使用した業務が増加している。
【0003】
そこで、企業のオフィス等では、オペレータの環境やデータを収集し、オペレータの活動状態等を把握し、コンピュータのオペレーション業務によるストレスを軽減するための様々な工夫がなされている。
【0004】
例えば特許文献1には、オペレータの手元に設けた発汗量検出センサ、温度検出センサ、オペレータの手首部分に巻いて使用する心拍数検出装置により、オペレータの健康状態を示す健康状態情報を取得するコンピュータシステムが記載されている。
【特許文献1】特開2005−122339号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1記載の発明では、オペレータの健康状態情報を取得するために、オペレータはオペレーション業務中に、発汗量検出センサ、温度検出センサに手を置き、手首に心拍数検出装置を装着しなければならない。このため、オペレータは、健康状態情報が測定されていることを意識せざるを得なくなり、結果として通常の業務における健康状態情報を取得することが困難となる。
【0006】
また特許文献1記載の発明は、オペレータの発汗量、体温、心拍数のみを検出するものであり、コンピュータの入力操作時間や操作時の姿勢等の執務と深い関連性を有する情報の取り扱いについては考慮されていない。
【0007】
本発明は、上記事情を鑑みて、これを解決すべくなされたものであり、生体信号を取得する際の人体への負担を軽減し、且つ業務中のオペレータに健康状態を把握させ、オペレータの健康状態の改善を促すことが可能な健康情報管理システム、健康状態管理装置、健康状態管理方法、健康状態管理プログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、以下の如き構成を採用した。
【0009】
本発明は、執務中における人体の生体信号を収集する収集装置と接続されており、前記収集装置が収集した生体信号に基づき執務中の人体の健康状態を管理する健康状態管理装置であって、健康状態を示す情報として推奨されるパターンが格納されたデータベースと、前記収集装置において収集される、前記収集装置の有する入力装置による前記入力履歴情報と、前記収集装置と通信を行う加重検出装置により検出される加重変化情報と、前記収集装置と通信を行う測定装置より測定される人体の温度分布情報と、を取得する収集情報取得手段と、人体に装着されており、人体の運動状況に関する情報を検出する検出装置と通信して前記運動状況に関する情報を受信する受信手段と、前記データベースに格納された前記推奨されるパターンと、前記収集情報取得手段により取得された前記生体信号と、前記受信手段により受信された前記運動状況に関する情報とに基づき、健康状態を解析する解析手段と、を有する構成とした。
【0010】
本発明は、執務中における人体の生体信号を収集する収集装置と接続されており、健康状態を示す情報として推奨されるパターンが格納されたデータベースを有し、前記収集装置が収集した生体信号に基づき執務中の人体の健康状態を管理する健康状態管理装置による健康状態管理方法であって、前記収集装置において収集される、前記収集装置の有する入力装置による前記入力履歴情報と、前記収集装置と通信を行う加重検出装置により検出される加重変化情報と、前記収集装置と通信を行う測定装置より測定される人体の温度分布情報と、を取得する収集情報取得手順と、人体に装着されており、人体の運動状況に関する情報を検出する検出装置と通信して前記運動状況に関する情報を受信する受信手順と、前記データベースに格納された前記推奨されるパターンと、前記収集情報取得手順により取得された前記生体信号と、前記受信手順により受信された前記運動状況に関する情報とに基づき、健康状態を解析する解析手順と、を有する方法とした。
【0011】
本発明は、執務中における人体の生体信号を収集する収集装置と接続されており、健康状態を示す情報として推奨されるパターンが格納されたデータベースを有し、前記収集装置が収集した生体信号に基づき執務中の人体の健康状態を管理する健康状態管理装置において実行される健康状態管理プログラムであって、前記健康状態管理装置に、前記収集装置において収集される、前記収集装置の有する入力装置による前記入力履歴情報と、前記収集装置と通信を行う加重検出装置により検出される加重変化情報と、前記収集装置と通信を行う測定装置より測定される人体の温度分布情報と、を取得する収集情報取得ステップと、人体に装着されており、人体の運動状況に関する情報を検出する検出装置と通信して前記運動状況に関する情報を受信する受信ステップと、前記データベースに格納された前記推奨されるパターンと、前記収集情報取得ステップにより取得された前記生体信号と、前記受信ステップにより受信された前記運動状況に関する情報とに基づき、健康状態を解析する解析ステップと、を実行させるプログラムとした。
【0012】
本発明は、執務中における人体の生体信号を収集する収集装置と、前記収集装置が収集した生体信号に基づき執務中の人体の健康状態を管理する健康状態管理装置と、が接続されて構成される健康状態管理システムであって、前記健康状態管理装置は、健康状態を示す情報として推奨されるパターンが格納されたデータベースと、前記収集装置において収集される、前記収集装置の有する入力装置による前記入力履歴情報と、前記収集装置と通信を行う加重検出装置により検出される加重変化情報と、前記収集装置と通信を行う測定装置より測定される人体の温度分布情報と、を取得する収集情報取得手段と、人体に装着されており、人体の運動状況に関する情報を検出する検出装置と通信して前記運動状況に関する情報を受信する受信手段と、前記データベースに格納された前記推奨されるパターンと、前記収集情報取得手段により取得された前記生体信号と、前記受信手段により受信された前記運動状況に関する情報とに基づき、健康状態を解析する解析手段と、を有する構成とした。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、生体信号を取得する際の人体への負担を軽減し、且つ業務中のオペレータに健康状態を把握させ、オペレータの健康状態の改善を促すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、通常の執務における状態での人体の姿勢の変化、体温分布の変化、入力動作の履歴等の生体信号及び歩数情報、移動距離に関する情報を収集して解析し、オペレータの執務中における健康状態の管理を行う。
(第一の実施形態)
以下に図面を参照して本発明の第一の実施形態について説明する。図1は、第一の実施形態のシステム構成を説明する図である。
【0015】
本実施形態の健康状態管理システム100は、収集装置200、管理サーバ300がネットワーク400を介して接続されている。
【0016】
本実施形態の収集装置200は、生体信号の一つである人体の姿勢の変化を検出するための加重検出装置210、人体の体温の分布を測定する測定装置220と通信を行うことが可能である。本実施形態の収集装置200は、加重検出装置210により検出される加重の変化に関する情報(以下、加重変化情報)、測定装置220により測定される体温の分布に関する情報(以下、温度分布情報)を収集する。また本実施形態の収集装置200は、後述する入力装置を備えており、入力装置による入力履歴の情報(以下、入力履歴情報)を収集する。
【0017】
本実施形態の管理サーバ300は、収集装置200により収集された情報を取得する。また管理サーバ300は、オペレータの体に装着された万歩計(登録商標)230により検出されたオペレータの歩数に関する情報(以下、歩数情報)を受信する。尚万歩計(登録商標)230は、オペレータが歩行中であるか静止中であるかを検出し、歩行中である場合にはオペレータの歩行数(歩数)を検出する。本実施形態の万歩計(登録商標)230は、無線通信機能を有しており、検出結果の情報を管理サーバ300へ送信する。
【0018】
また本実施形態の管理サーバ300は、オペレータが所持するGPS(Global Positioning System)機能を有する携帯端末240から送信される信号に基づき、オペレータの現在位置、移動距離等を求めることができる。
【0019】
管理サーバ300は、収集装置200により収集された情報、万歩計(登録商標)230から送信された歩数情報、携帯端末240から求められるオペレータの現在位置等の情報に基づき、オペレータの執務中における健康状態を管理する。
【0020】
図2は、本実施形態の収集装置200のハードウェア構成の一例を示す図である。収集装置200は、それぞれバスBで相互に接続されている入力装置21、出力装置22、ドライブ装置23、補助記憶装置24、メモリ装置25、演算処理装置26およびインターフェース装置27で構成される。
【0021】
入力装置21はキーボードやマウスなどで構成され、各種信号を入力するために用いられる。出力装置22はディスプレイ装置などで構成され、各種ウインドウやデータ等を表示するために用いられる。インターフェース装置27は、モデム、LANカードなどで構成されており、ネットワーク400に接続する為に用いられる。収集装置200は、インターフェース装置27を介してネットワーク400上の他の装置との情報の送受信を行う。
【0022】
本発明の収集プログラムは、収集装置200を制御する各種プログラムの少なくとも一部である。収集プログラムは例えば記録媒体28の配布やネットワーク400からのダウンロードなどによって提供される。収集プログラムを記録した記録媒体28は、CD−ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等の様に情報を光学的、電気的或いは磁気的に記録する記録媒体、ROM、フラッシュメモリ等の様に情報を電気的に記録する半導体メモリ等、様々なタイプの記録媒体を用いることができる。
【0023】
また、収集プログラムを記録した記録媒体28がドライブ装置23にセットされると、収集プログラムは記録媒体48からドライブ装置23を介して補助記憶装置24にインストールされる。ネットワーク400からダウンロードされた収集プログラムは、インターフェース装置27を介して補助記憶装置24にインストールされる。
【0024】
収集装置200は、インストールされた収集プログラムを格納すると共に、必要なファイル、データ等を格納する。メモリ装置25は、コンピュータの起動時に補助記憶装置24から収集プログラムを読み出して格納する。そして、演算処理装置26はメモリ装置25に格納された収集プログラムに従って、後述するような各種処理を実現している。
【0025】
図3は、管理サーバ300のハードウェア構成の一例を示す図である。管理サーバ300は、それぞれバスBで相互に接続されている入力装置31、出力装置32、ドライブ装置33、補助記憶装置34、メモリ装置35、演算処理装置36およびインターフェース装置37で構成される。
【0026】
入力装置31はキーボードやマウスなどで構成され、各種信号を入力するために用いられる。出力装置32はディスプレイ装置などで構成され、各種ウインドウやデータ等を表示するために用いられる。インターフェース装置37は、モデム、LANカードなどで構成されており、ネットワーク400に接続する為に用いられる。管理サーバ300は、インターフェース装置37を介してネットワーク400上の他の装置との情報の送受信を行う。
【0027】
本発明の管理プログラムは、管理サーバ300を制御する各種プログラムの少なくとも一部である。管理プログラムは例えば記録媒体38の配布やネットワーク400からのダウンロードなどによって提供される。管理プログラムを記録した記録媒体38は、CD−ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等の様に情報を光学的、電気的或いは磁気的に記録する記録媒体、ROM、フラッシュメモリ等の様に情報を電気的に記録する半導体メモリ等、様々なタイプの記録媒体を用いることができる。
【0028】
また、管理プログラムを記録した記録媒体38がドライブ装置33にセットされると、管理プログラムは記録媒体48からドライブ装置33を介して補助記憶装置34にインストールされる。ネットワーク400からダウンロードされた管理プログラムは、インターフェース装置37を介して補助記憶装置34にインストールされる。
【0029】
管理サーバ300は、インストールされた管理プログラムを格納すると共に、必要なファイル、データ等を格納する。メモリ装置35は、コンピュータの起動時に補助記憶装置34から管理プログラムを読み出して格納する。そして、演算処理装置36はメモリ装置35に格納された管理プログラムに従って、後述するような各種処理を実現している。
【0030】
次に図4を参照して本実施形態の収集装置200についてさらに説明する。図4は、収集装置200を説明する図である。
【0031】
本実施形態の収集装置200は、図4に示すように一般の机等に配置されてオペレータにより操作が行われるコンピュータにより実現される。よって本実施形態では、収集装置200を用いて文書作成、データ入力、プログラム作成等の通常の執務を行うことができる。
【0032】
本実施形態の収集装置200は、机50に設置され、椅子60に座ったオペレータにより操作される。収集装置200の操作は、主に入力装置21を構成するキーボード21a、ポインティングデバイスであるマウス21bにより行われる。キーボード21a、マウス21bによる操作の結果等は、出力装置(ディスプレイ)22に表示される。
【0033】
本実施形態の加重検出装置210は、オペレータにより加重の情報を検出し、検出した情報を無線通信にて収集装置200へ送信する。本実施形態の加重検出装置210は、机50上に設置される机上用加重検出装置210a、椅子60の座面61上に設置される座面用加重検出装置210bとから構成される。机上用加重検出装置210aは、例えば机50上に置かれるオペレータの肘、腕、手等による加重を検出する。机上用加重検出装置210aは、キーボード21aの手前に配置されることが好ましい。座面用加重検出装置210bは、オペレータが椅子60に座ったときのオペレータの臀部等による加重を検出する。
【0034】
本実施形態の測定装置220は、オペレータの体温の分布を測定し、測定結果の情報を無線通信により収集装置200へ送信する。本実施形態の測定装置220は、例えばサーモグラフィ等により実現することができる。測定装置220は、オペレータが椅子60に座ったときに、オペレータの上半身の体温分布が測定可能な位置に設置されることが好ましい。本実施形態の測定装置220は、収集装置200の有するディスプレイ22の台座部に配置した。尚測定装置220の配置位置はこれに限定されない。例えば測定装置220は、ディスプレイ22のベゼル部分に設置されても良い。
【0035】
また本実施形態の加重検出装置210、測定装置220は、収集装置200と無線通信を行うものとして説明したが、これに限定されない。加重検出装置210、測定装置220は、それぞれが有線で収集装置200と接続されていても良い。
【0036】
ここで図5を参照して本実施形態の加重検出装置210における加重の検出について説明する。図5は、加重検出装置210を説明する図である。図5(A)は、机上用加重検出装置210aを説明する図であり、図5(B)は、座面用加重検出装置210bを説明する図である。
【0037】
本実施形態の机上用加重検出装置210aは、例えば操作中のオペレータの腕等を支えるためのアームレストに圧力センサ群211aが内蔵されて構成される。
【0038】
机上用加重検出装置210aでは、オペレータが腕等を置くことが可能な面を面212aとした場合に、面212aを複数領域に分割し、分割された各領域毎に圧力センサ211を内蔵した。図5(A)で示す机上用加重検出装置210aは、面212aを8つの領域に分割し、分割された8つの領域毎に圧力センサ211が内蔵されている。机上用加重検出装置210aでは、机上のオペレータの腕等の位置の変化を、圧力センサ群211aを構成する圧力センサ211それぞれが検出する圧力の変化として検出することができる。したがって机上用加重検出装置210aは、オペレータの腕等が置かれた位置、及び加重の具合等を検出することができる。
【0039】
図5(B)に示すように、座面用加重検出装置210bも、机上用加重検出装置210aと同様の構成である。本実施形態の座面用加重検出装置210bは、例えば椅子60の座面61上に置かれるマットレス、クッション、座布団等に圧力センサ群213aが内蔵され構成されても良い。座面用加重検出装置210bでは、座面用加重検出装置210b上で座面となる面212bを4つの領域に分割し、分割された各領域毎に圧力センサ213を設けても良い。座面用加重検出装置210bでは、椅子60に座っているオペレータの姿勢の変化を、圧力センサ群213bを構成する圧力センサ213それぞれが検出する圧力の変化として検出することができる。
【0040】
尚本実施形態では、加重検出装置210は、机上用加重検出装置210aと座面用加重検出装置210bとから構成されるものとして説明したが、これに限定されない。例えば加重検出装置210は、椅子60の背もたれに配置されても良い。また加重検出装置210は、例えばオペレータが椅子60に座った際の足元に配置されても良い。
【0041】
次に、図6を参照して本実施形態の収集装置200、加重検出装置210、測定装置220の機能を説明する。図6は、収集装置200、加重検出装置210、測定装置220の機能を説明する図である。
【0042】
収集装置200は、収集開始検出部250、収集開始制御部255、入力履歴収集部260、加重情報収集部265、温度分布収集部270、送信部275、受信部280、表示制御部285を有する。
【0043】
収集開始検出部250は、各種情報の収集を開始するタイミングを検出する。具体的には例えば、収集開始検出部250は、収集装置200が起動したときを収集開始のタイミングとしても良い。また例えば収集開始検出部250は、予め設定された時刻になったときを収集開始のタイミングとして検出しても良い。予め設定された時刻とは、例えば就業時間の始まりの時刻等である。また収集開始検出部250は、例えば日付が変わった後に、初めて加重検出装置210により加重が検出されたときを収集開始のタイミングとして検出しても良い。
【0044】
収集開始制御部255は、収集開始検出部250により収集開始のタイミングが検出されると、入力履歴収集部260、加重情報収集部265、温度分布収集部270に情報の収集を開始させる。
【0045】
入力履歴収集部260は、キーボード21a、マウス21bによる入力履歴情報を収集する。本実施形態の入力履歴情報とは、キーボード21aが操作されているか否かを示す情報と、マウス21bが操作されているか否かを示す情報である。尚入力履歴情報には、キーボード21aのどのキーが操作されているかを示す情報が含まれても良い。また入力履歴情報には、マウス21bの操作の種類を示す情報が含まれていても良い。マウス21bの操作の種類とは、例えばポインタを動かす操作、クリックする操作、画面をスクロールする操作等である。
【0046】
加重情報収集部265は、加重検出装置210から送信される加重変化情報を収集する。加重変化情報とは、机上用加重検出装置210aの有する圧力センサ群211aにより検出される、圧力センサ群211aにかかる圧力の変化を示す情報を含む。より詳細には、加重変化情報は、圧力センサ群211aを構成する複数の圧力センサ211にかかる圧力の変化を示す情報を含む。
【0047】
また加重変化情報とは、座面用加重検出装置210bの有する圧力センサ群213aにより検出される、圧力センサ群213aにかかる圧力の変化を示す情報を含む。より詳細には、加重変化情報は、圧力センサ群213aを構成する複数の圧力センサ213にかかる圧力の変化を示す情報を含む。
【0048】
温度分布収集部270は、測定装置220により測定されたオペレータの体温分布を示す温度分布情報を収集する。
【0049】
送信部275は、入力履歴収集部260により収集された入力履歴情報、加重情報収集部265により収集された加重変化情報、温度分布収集部270により収集された温度分布情報を管理サーバ300へ送信する。尚本実施形態では、各収集部に収集された情報を、所定時間毎に管理サーバ300へ送信しても良い。
【0050】
受信部280は、管理サーバ300から送信される情報を受信する。管理サーバ300から送信される情報の詳細は後述する。
【0051】
表示制御部285は、受信部280により受信された情報に基づき、ディスプレイ22の表示を制御する。
【0052】
加重検出装置210は、圧力センサ群211a、213aが検出した加重変化情報を収集装置200へ送信する送信部213を有する。尚加重検出装置210の電源は、例えば電池等により供給されても良い。
【0053】
測定装置220は、オペレータの体温の分布を測定する温度分布測定部221と、温度分布測定部221により測定された温度分布情報を収集装置200へ送信する送信部222を有する。測定装置220は、例えば人体から放射される赤外線に基づき、人体の温度変化を赤外線量の変化として測定する。また本実施形態の測定装置220の電源は、電池等により供給されても良い。また本実施形態の測定装置220は、収集装置200と適切な手段で接続されており、収集装置200から電源が供給されても良い。
【0054】
次に、図7を参照して本実施形態の管理サーバ300の機能について説明する。図7は、管理サーバ300の機能を説明する図である。
【0055】
本実施形態の管理サーバ300は、データベース310、収集情報取得部320、収集情報蓄積部325、入力状況判定部330、姿勢変化判定部335、体温判定部340、運動状況判定部345、健康状態解析部350、健康状態情報格納部352、異常検出部353、送信部355、受信部360を有する。
【0056】
本実施形態のデータベース310は、例えば管理サーバ300の有する補助記憶装置34内に設けられる。データベース310には、健康状態を示す情報として推奨される推奨情報313、健康状態情報314、収集情報315が格納されている。
【0057】
推奨情報313は、基基準情報311、パターン情報312を含んでおり、健康状態情報314を求めるための解析において基準とされる情報である。健康状態情報314は、後述する健康状態解析部350による処理により解析された結果の情報である。収集情報315は、収集情報取得部320により取得された情報である。即ち収集情報315は健康状態解析部350による解析前の情報である。
【0058】
ここで図8を参照して推奨情報313について説明する。図8は、データベース310に格納された推奨情報313を説明する図である。図8(A)は、推奨情報313に含まれる基準情報311を説明する図であり、図8(B)は、推奨情報313に含まれるパターン情報314を説明する図である。尚健康状態情報314の詳細は後述する。
【0059】
本実施形態において基準情報311、パターン情報312は、医学情報に基づき厚生労働省等から推奨される情報であり、システム管理者等により予めデータベース310へ登録される。
【0060】
始めに図8(A)を参照して基準情報311について説明する。本実施形態の基準情報311は、入力状況判定部330による入力状況の判定、姿勢変化判定部335による姿勢変化の判定、体温判定部340による体温の判定、運動状況判定部345による運動状況の判定の基準となる情報である。
【0061】
例えば基準情報311は、入力状況おいて連続して入力作業が行われる時間(以下、連続入力時間)が2時間未満の場合はランクA、連続入力時間が3時間未満の場合はランクB、連続入力時間が4時間未満の場合はランクC、連続入力時間が4時間以上の場合はランクDと言うように、連続入力時間毎にランク分けするための基準となる情報を含む。また基準情報311は、入力状況の他にも、姿勢判定、体温、歩数、移動距離をそれぞれランク分けする基準となる情報を含む。
【0062】
次に図8(B)を参照して本実施形態のパターン情報312について説明する。本実施形態のパターン情報312は、基準情報311に基づき分けられるランクの組み合わせのパターンであり、健康状態を解析する際に用いられる。健康状態の解析の詳細は後述する。
【0063】
図7に戻って、各部の機能について説明する。
【0064】
収集情報取得部320は、収集装置200から送信される入力履歴情報、加重変化情報、温度分布情報を取得する。収集情報蓄積部325は、収集情報取得部320により取得された情報を収集情報315としてデータベース310へ格納して蓄積する。
【0065】
入力状況判定部330は、収集情報取得部320により取得された入力履歴情報に基づき、オペレータの入力作業の状況を判定する。例えば入力状況判定部330は、入力履歴情報により、キーボード21a又はマウス21bの何れか一方が連続して操作されている場合、入力作業の状況を「連続」と判定する。また入力状況判定部330は、キーボード21aとマウス21bが交互に連続して操作されている場合にも、入力作業の状況を「連続」と判定する。尚連続した操作とは、例えば前回の操作から所定期間以内に次の操作が行われる場合を示す。
【0066】
この所定期間は、システム管理者等により予め設定される。具体的には例えば、前回の操作から3秒以内に次の操作が行われた場合を連続した操作として設定できる。また入力作業に不慣れなオペレータの場合には、前回の操作から10秒以内に次の操作が行われた場合を連続した操作として設定しても良い。
【0067】
さらに入力状況判定部330は、断続的に連続した操作が行われる場合を「断続的」と判定する。具体的には例えば、10分間連続した操作が行われた後に、5分間操作がされず、その後再度15分間連続した操作が行われる、等である。本実施形態では、例えば断続的と判定する所定時間を予め設定しておき、連続した操作の間に、所定時間操作が行われない時間がある場合を「断続的」と判定しても良い。
【0068】
また本実施形態の入力状況判定部330は、予め設定された時間以上キーボード21a及びマウス21bの操作が行われない場合、「入力なし」と判定する。
【0069】
また本実施形態の入力状況判定部330は、データベース310に格納された推奨情報313に含まれる基準情報311に基づき、入力状況のランク分けを行う。具体的には例えば、入力状況判定部330は、連続入力時間が2時間未満の場合はランクAと判定する。また連続入力時間が3時間未満の場合はランクB、連続入力時間が4時間未満の場合はランクC、連続入力時間が4時間以上の場合はランクDと判定する。
【0070】
姿勢変化判定部335は、収集情報取得部320により取得された加重変化情報に基づき、オペレータの姿勢が変化したか否かを判定する。例えば姿勢変化判定部335は、予め設定された所定量の加重変化があった場合に、姿勢の変化ありと判定しても良い。
【0071】
また本実施形態の姿勢変化判定部335は、基準情報311に基づき姿勢の変化の状況(以下、姿勢変化状況)のランク付けを行う。例えば姿勢変化判定部335は、同じ姿勢でいる時間が連続して1時間未満の場合ランクA、同じ姿勢でいる時間が連続して2時間未満の場合ランクB、同じ姿勢でいる時間が連続して3時間未満の場合ラインC、同じ姿勢でいる時間が連続して3時間以上の場合ランクDと判定する。
【0072】
体温判定部340は、収集情報取得部320により取得された温度分布情報に基づき、オペレータの体温を判定する。例えば体温が高い場合には、オペレータが活発に活動している場合か、又は眠気を催している場合とわかる。また例えば体温が通常温度の場合には、オペレータは平常の状態でいることがわかる。
【0073】
また本実施形態の体温判定部340は、基準情報311に基づき、オペレータの体温のランク付けを行う。体温判定部340は、例えばオペレータの体温が36.5度未満の場合ランクA、体温が37.0℃未満の場合ランクB、体温が37.5℃未満の場合をランクC、体温が37.5℃以上の場合ランクDと判定する。
【0074】
運動状況判定部345は、受信部360により受信された歩数情報、オペレータの有する携帯端末240から送信されるオペレータの現在位置を示す情報(以下、位置情報)等に基づき、オペレータの運動状況を判定する。
【0075】
本実施形態の運動状況判定部345は、例えば歩数情報の示すオペレータの歩数が10000以上の場合ランクA、歩数が5000歩以上の場合ランクB、歩数が1000歩以上の場合ランクC、歩数が1000歩未満の場合ランクDと判定する。
【0076】
また本実施形態の運動状況判定部345は、移動距離が3km以上の場合ランクA、移動距離が1.5km以上の場合ランクB、移動距離が1.0km以上の場合ランクC、移動距離が1.0km未満の場合ランクDと判定する。
【0077】
尚上記各判定部(入力状況判定部330、姿勢変化判定部335、体温判定部340、運動状況判定部345)は、例えば予め設定された所定時間毎に、データベース310に蓄積された収集情報315を用いて判定を行っても良い。また各判定部は、判定結果をデータベース310に格納しても良い。
【0078】
健康状態解析部350は、入力状況判定部330、姿勢変化判定部335、体温判定部340、運動状況判定部345による判定結果と、データベース310に格納されたパターン情報314とに基づき、オペレータの健康状態を解析する。尚本実施形態では、健康状態解析部350は、各判定部による判定が行われる度に解析を行っても良い。また健康状態解析部350は、各判定部による判定のタイミングとは無関係に設定された所定時間毎に解析を行っても良い。
【0079】
例えば健康状態解析部350は、図8(B)のパターン1に示すように、入力状況判定部330、姿勢変化判定部335、体温変化判定部340による判定結果がすべてランクAの場合、オペレータの健康状態の解析結果を「良好」とする。また健康状態解析部350は、例えば図8(B)のパターン3に示すように、入力状況がランクCと判定された場合、休憩が必要であると判断し、オペレータの健康状態を「要休憩」とする。また図8(B)のパターン4に示すように、体温判定部340による判定結果がランクDである場合、何らかの理由によりオペレータが発熱しているものと判断し、オペレータの健康状態の解析結果を「要安静」とする。
【0080】
健康状態情報格納部352は、健康状態解析部350により解析された結果を健康状態情報314としてデータベース310へ格納する。データベース310において、健康状態情報314は、オペレータ毎に格納されているものとした。以下に図9を参照して健康状態情報314について説明する。図9は、健康状態情報314の一例を示す図である。
【0081】
図9は、オペレータAの執務中の健康状態を示す健康状態情報314の一例である。図9の例では、9:00〜11:00までの健康状態情報314は、健康情報解析部350によりパターン1と解析されている。よってこのときのオペレータAの健康状態は「良好」であることがわかる。
【0082】
また図9の例では、オペレータAの健康状態情報314は、パターン1からパターン2へ移行したことがわかる。またオペレータAの健康状態は、12:00にはパターン2からパターン1へ移行したことが分かる。よってオペレータAの健康状態は「良好」とわかる。さらにオペレータAの健康状態は、15:00にはパターン1からパターン3へ移行し、オペレータAの健康状態が「良好」から「要休憩」へ移行したことがわかる。またオペレータAの健康状態は、17:00には、パターン3からパターン4へ移行し、健康状態が「要休憩」から「要安静」へ移行したことが分かる。
【0083】
異常検出部353は、健康状態解析部350による解析結果である健康状態情報314に異常があるか否かを検出する。例えば本実施形態の異常検出部353は、健康状態が「要休憩」や「要安静」となった場合に異常を検出しても良い。また本実施形態の異常検出部353は、例えば健康状態情報の異常を検出すると、送信部355により異常検出の通知を収集装置200へ送信させる。
【0084】
具体的には異常検出部353は、例えば健康状態が「要休憩」となった場合、送信部355に対し「要休憩」を示す通知を収集装置200へ送信させる。また異常検出部353は、健康状態が「要安静」となった場合、送信部355に対し「要安静」を示す通知を収集装置200へ送信させる。
【0085】
また本実施形態の異常検出部353は、例えば各判定部による判定結果において、一つでもランクDと判定されたものがあれば、異常として検出しても良い。また本実施形態の異常検出部353は、例えば各判定部による判定結果において、二つ以上ランクCと判定されたものがあれば、異常として検出しても良い。本実施形態の異常検出部353において異常と検出する基準は、予めシステム管理者等により設定されていることが好ましい。
【0086】
送信部355は、異常検出部353による異常検出の通知を収集装置200へ送信する。また本実施形態の送信部355は、健康状態解析部350による解析結果を収集装置200へ送信しても良い。本実施形態の送信部355は、例えば健康状態解析部350による解析が行われる度に解析結果を収集装置200へ送信しても良い。また送信部355は、健康状態解析部350による解析のタイミングとは無関係に、予め設定された所定時間毎に解析結果の送信を行っても良い。尚健康状態解析部350による解析結果は、例えば健康状態情報314としてデータベース310へ格納されている。
【0087】
受信部360は、万歩計(登録商標)230、携帯端末240からの情報を受信する。尚本実施形態では、受信部360により受信された情報を収集情報315に含まれる情報とする。受信部360は、万歩計(登録商標)230から歩数情報を、携帯端末240から位置情報を受信すると、受信した情報を収集情報315としてデータベース310のへ格納する。
【0088】
次に、図10を参照して本実施形態の健康状態管理システム100の動作を説明する。図10は、第一の実施形態の健康状態管理システム100の動作を説明するフローチャートである。
【0089】
ステップS1001において、収集装置200の収集開始検出部250が収集開始を検出すると、ステップS1002に進み、収集開始制御部255は、入力履歴収集部260、に入力履歴情報の取得を開始させる。また収集開始制御部255は、加重情報収集部265により、加重検出装置210からの加重変化情報の収集を開始させる。また収集開始制御部255は、温度分布収集部270に、測定装置220により測定される温度分布情報の収集を開始させる。
【0090】
ステップS1002に続いてステップS1003に続き、送信部275は、収集した入力履歴情報、加重変化情報、温度分布情報を管理サーバ300へ送信する。ステップS1003に続いてステップS1004へ進み、管理サーバ300は、収集情報取得部320により送信された情報(入力履歴情報、加重変化情報、温度分布情報)を取得する。
【0091】
ステップS1004に続いてステップS1005へ進み、収集情報蓄積部325は、取得した情報を収集情報315としてデータベース310へ蓄積する。尚管理サーバ300において収集情報蓄積部325は、受信部360により受信された歩数情報及び位置情報も収集情報315としてデータベース310に蓄積している。
【0092】
ステップS1005に続いてステップS1006へ進み、各判定部は、前回の判定から所定時間経過した否かを判定する。ステップS1006において所定時間経過していた場合、ステップS1007へ進み、各判定部は判定を行う。具体的には入力状況判定部330は入力状況の判定を行い、入力状況のランク付けを行う。姿勢変化判定部335は、姿勢変化状況の判定を行い、姿勢変化状況のランク付けを行う。体温判定部340は、温度分布情報から体温のランク付けを行う。運動状況判定部345は、歩数情報、位置情報から運動状況の判定を行い、運動状況のランク付けを行う。
【0093】
ステップS1007に続いてステップS1008へ進み、健康状態解析部350は、各判定部の判定結果に基づき健康状態の解析を行う。ステップS1008に続いてステップS1009へ進み、健康状態情報格納部352は、健康状態解析部350による解析結果である健康状態情報314をデータベース310へ格納する。
【0094】
ステップS1009に続いてステップS1010へ進み、異常検出部353は、健康状態情報314に異常がないか否かを判定する。ステップS1010において健康状態情報314に異常がない場合、健康状態管理システム100は処理を終了する。ステップS1010において健康状態情報314に異常が検出された場合、ステップS1011へ進む。
【0095】
ステップS1011において、異常検出部353は、送信部355により異常を検出したことを示す通知を収集装置200へ送信させる。尚このとき異常検出部353は、検出された異常の種類に応じた内容の通知を送信させる。
【0096】
ステップS1011に続いてステップS1012に進み、収集装置200は、受信部280より、管理サーバ300から送信される通知を受信する。そして受信した通知の内容に基づいて、表示制御部285によりオペレータの健康状態の異常を示すメッセージ等をディスプレイ22へ表示させる。
【0097】
具体的には例えば、通知の内容が「要休憩」である場合には、表示制御部285は、収集装置200の操作を行うオペレータに対して休憩を促すメッセージをディスプレス22へ表示させる。または通知の内容が「要安静」である場合には、表示制御部285は、収集装置200の操作を行うオペレータに対して安静を促すメッセージをディスプレイ22に表示させる。
【0098】
このように、本実施形態の健康状態管理システム100によれば、執務中におけるオペレータの健康状態の変化を把握させ、健康状態の改善を促すことができる。
【0099】
尚上記した本実施形態の説明では、異常検出部353が異常を検出した場合に収集装置200へ異常を検出したことを示す通知が送信されるものとしたが、これに限定されない。例えば本実施形態では、異常検出部353が、オペレータの健康状態が「良好」であるときの健康状態情報と、健康状態解析部350による解析直後の健康状態情報とを比較して変化があった場合にこの変化を検出し、送信部355により収集装置200に対して健康状態の変化を示す通知を送信させても良い。この場合収集装置200では、表示制御部285により、通知の内容に基づくメッセージをディスプレイ22に表示させる。
【0100】
具体的には例えば、異常検出部353が、健康状態「良好」の場合と比較して姿勢の変化が少ないことを検出した場合、送信部355は、姿勢変化が少ないことを示す通知を収集装置200へ送信する。収集装置200は、この通知を受けて、通常時よりも姿勢の変化が少ないことをオペレータに通知するメッセージをディスプレイ22に表示させる。
【0101】
このようにすれば、オペレータに対し、健康状態の変化をより詳細に把握させることができ、オペレータの健康状態の改善を促すことができる。
【0102】
また本実施形態では、収集装置200は、通知を受け取った場合にディスプレイ22にメッセージを表示させるものとして説明したが、これに限定されない。例えば管理サーバ300は、オペレータの健康状態の異常を検出してから所定時間オペレータによる収集装置200の操作が継続された場合、収集装置200に対して電源遮断指示を送信しても良い。収集装置200は、この指示を受けると、自動的に電源遮断に必要な処理を行い、電源を遮断しても良い。尚電源遮断に必要な処理とは、例えば作業中のデータの保存処理、起動中のアプリケーションの終了処理等である。
【0103】
このようにすれば、オペレータの健康状態に異常が検出された状態でオペレータが業務を継続することを防止することができ、オペレータの健康状態の改善に貢献することができる。
【0104】
また本実施形態では、管理サーバ300のデータベース310内に、オペレータ毎の健康診断の診断結果情報を格納しておき、診断結果情報に基づき異常検出部353に健康状態の異常を検出させても良い。具体的には例えば、診断結果情報において尿酸値が高いオペレータの場合には、管理サーバ300の異常検出部353は所定時間毎に収集装置200へ、休憩を促す通知を送信しても良い。収集装置200は、この通知をうけて表示制御部285により休憩を促すメッセージをディスプレイ22へ表示させる。オペレータは、このメッセージを受けて、定期的にトイレに立つ等の健康状態の改善行為を行うことができる。
(第二の実施形態)
以下に図面を参照して本発明の第二の実施形態について説明する。本発明の第二の実施形態は、オペレータの摂取したカロリーに基づきオペレータの運動量が適切か否かを判定する機能を有する点が第一の実施形態と相違する。よって以下の第二の実施形態の説明では、第一の実施形態との相違点についてのみ説明し、第一の実施形態と同様の機能構成を有するものには第一の実施形態の説明で用いた符号と同様の符号を付与し、説明を省略する。
【0105】
図11は、第二の実施形態の健康状態管理システム100Aのシステム構成を説明する図である。
【0106】
本実施形態の健康状態管理システム100Aは、収集装置200、管理サーバ300A、メニュー管理サーバ500がネットワーク400を介して接続されている。
【0107】
本実施形態では、メニュー管理サーバ500においてオペレータが摂取した食事のメニュー(以下、メニュー情報)及びメニューに対応したカロリー(以下、カロリー情報)の管理を行う。本実施形態の管理サーバ300Aは、メニュー管理サーバ500からカロリー情報を取得し、オペレータの運動量の判定を行う。
【0108】
図12は、メニュー管理サーバ500の機能構成を説明する図である。
【0109】
本実施形態のメニュー管理サーバ500は、管理サーバ300Aと同様のハードウェア構成を有するものである。すなわち本実施形態のメニュー管理サーバ500は、演算処理装置とメモリ装置とを有し、メモリ装置に格納されたプログラムを演算処理装置が読み出して実行することにより、以下の機能を実現する。
【0110】
本実施形態のメニュー管理サーバ500は、例えば企業内の社員食堂等に配置される。また本実施形態のメニュー管理サーバ500は、社員毎のIDとパスワード等のユーザ情報が記録されたICカード等からユーザ情報を取得し、取得したユーザ情報と注文されたメニューとの対応付けを行うことが可能なレジスタ(図示せず)等と接続されていることが好ましい。
【0111】
本実施形態のメニュー管理サーバ500は、データベース510、メニュー情報取得部520、テーブル参照部530、格納制御部540を有する。
【0112】
データベース510は、例えばメニュー管理サーバ500の有する補助記憶装置(図示せず)内に構築されていても良い。データベース510は、食事情報511、カロリーテーブル512が格納されている。食事情報511には、ユーザ情報513、ユーザ情報513と対応したメニュー情報514、メニュー情報514と対応したカロリー情報515が含まれる。カロリーテーブル512は、メニューと、そのメニューのカロリーとが対応付けられたテーブルである。
【0113】
メニュー情報取得部520は、例えば上記したレジスタ等において、社員用のICカード等を翳した際にユーザ情報と対応付けられたメニュー情報を取得する。具体的には例えば、オペレータAがカレーライスを食堂で注文した場合には、オペレータAを特定するIDと、メニュー情報であるカレーライスとが対応付けられた情報がメニュー情報514となる。
【0114】
テーブル参照部530は、メニュー情報514に基づきカロリーテーブル512を参照し、メニュー情報514と対応したカロリー情報を取得する。尚カロリーテーブル512には、食堂で注文可能な全てのメニューと、全てのメニューのカロリーとが対応付けられていることが好ましい。
【0115】
格納制御部540は、メニュー情報取得部520、テーブル参照部530により取得された情報をデータベース510に格納する。具体的には格納制御部540は、メニュー情報取得部520により取得されたメニュー情報とユーザ情報と、テーブル参照部530により取得されたカロリー情報とを対応付けて、食事情報511としてデータベース510へ格納する。
【0116】
図13は、第二の実施形態の管理サーバ300Aの機能構成を説明する図である。本実施形態の管理サーバ300Aは、第一の実施形態で説明した管理サーバ300の有する各部に加え、カロリー情報取得部322、摂取カロリー判定部347を有する。
【0117】
カロリー情報取得部322は、メニュー管理サーバ500へアクセスし、データベース510から対応するオペレータのカロリー情報を取得する。摂取カロリー判定部347は、後述する基準情報311Aに基づき、オペレータのカロリー摂取量の過不足の度合いを判定する。
【0118】
尚対応するオペレータとは、例えば健康情報管理システム100Aにログインしているオペレータである。本実施形態では、オペレータが収集装置200の操作を開始する際に、収集装置200からIDとパスワード等を入力してログイン処理を行っても良い。この場合カロリー情報取得部322は、ログインしたオペレータのユーザ情報と対応したカロリー情報を取得する。
【0119】
本実施形態のデータベース310Aに格納された推奨情報313Aに含まれる基準情報311Aには、摂取カロリー判定部347によるカロリー摂取量の判定に用いられる情報が含まれる。この情報は、例えば一回の注文により摂取するカロリーの基準値等であり、摂取カロリーの過不足の有無や過不足の度合いを判定するための情報である。また本実施形態の推奨情報313Aに含まれるパターン情報312Aは、摂取カロリーの過不足の度合いを示す情報が含まれても良い。
【0120】
図14は、第二の実施形態の推奨情報313Aを説明する図である。図14(A)は、推奨情報313Aに含まれる基準情報311Aを説明する図であり、図14(B)は、推奨情報313Aに含まれるパターン情報314Aを説明する図である。
【0121】
図14(A)に示すように、本実施形態の基準情報311Aには、カロリーの過不足の度合いをランク付けするための基準値が含まれる。本実施形態のパターン情報312Aには、図14(B)に示すように、カロリーの過不足の度合いを示す情報が含まれる。
【0122】
本実施形態の健康状態解析部350Aは、運動状況判定部345による歩数、移動距離のランク付けと、摂取カロリー判定部347による摂取カロリーの過不足のランク付けの結果に基づき、オペレータの健康状態を解析する。具体的には例えば、健康情報解析部350Aは、摂取カロリー判定部347により、ランクDのカロリー過剰摂取と判定され、運動状況判定部345により歩数が1000歩未満のランクD、移動距離が1.0km未満のランクDとなってとき、健康状態を「要運動」と解析しても良い。
【0123】
このように本実施形態によれば、オペレータの運動状況と摂取カロリーとに基づき、オペレータに適度な運動を促すことができる。よって本実施形態によれば、オペレータに健康状態を把握させ、健康状態の改善を促すことができる。
【0124】
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】第一の実施形態のシステム構成を説明する図である。
【図2】収集装置200のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】管理サーバ300のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図4】収集装置200を説明する図である。
【図5】加重検出装置210を説明する図である。
【図6】、収集装置200、加重検出装置210、測定装置220の機能を説明する図である。
【図7】管理サーバ300の機能を説明する図である。
【図8】データベース310に格納された推奨情報313を説明する図である。
【図9】健康状態情報314の一例を示す図である。
【図10】第一の実施形態の健康状態管理システム100の動作を説明するフローチャートである。
【図11】第二の実施形態の健康状態管理システム100Aのシステム構成を説明する図である。
【図12】メニュー管理サーバ500の機能構成を説明する図である。
【図13】第二の実施形態の管理サーバ300Aの機能構成を説明する図である。
【図14】第二の実施形態の推奨情報313Aを説明する図である。
【符号の説明】
【0126】
100、100A 健康状態管理システム
200 収集装置
210 加重検出装置
220 測定装置
230 万歩計(登録商標)
240 携帯端末
300、300A 管理サーバ
310、310A、510 データベース
311、311A 基準情報
312、312A パターン情報
313、313A 推奨情報
314 健康状態情報
315 収集情報
400 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
執務中における人体の生体信号を収集する収集装置と接続されており、前記収集装置が収集した生体信号に基づき執務中の人体の健康状態を管理する健康状態管理装置であって、
健康状態を示す情報として推奨されるパターンが格納されたデータベースと、
前記収集装置において収集される、前記収集装置の有する入力装置による前記入力履歴情報と、前記収集装置と通信を行う加重検出装置により検出される加重変化情報と、前記収集装置と通信を行う測定装置より測定される人体の温度分布情報と、を取得する収集情報取得手段と、
人体に装着されており、人体の運動状況に関する情報を検出する検出装置と通信して前記運動状況に関する情報を受信する受信手段と、
前記データベースに格納された前記推奨されるパターンと、前記収集情報取得手段により取得された前記生体信号と、前記受信手段により受信された前記運動状況に関する情報とに基づき、健康状態を解析する解析手段と、を有する健康状態管理装置。
【請求項2】
前記入力履歴情報から前記入力装置による入力状況を判定する入力状況判定手段と、
前記加重変化情報から人体の姿勢の変化を判定する姿勢変化判定手段と、
前記温度分布情報から人体の体温を判定する温度判定手段と、
前記運動状況に関する情報から人体の運動量を判定する運動量判定手段と、を有する請求項1記載の健康状態管理装置。
【請求項3】
前記解析手段は、
前記入力状況判定手段により判定結果と、前記姿勢変化判定手段による判定結果と、前記温度判定手段による判定結果と、前記運動量判定手段による判定結果と、を用いて健康状態の解析を行う請求項2記載の健康状態管理装置
【請求項4】
執務中における人体の生体信号を収集する収集装置と接続されており、健康状態を示す情報として推奨されるパターンが格納されたデータベースを有し、前記収集装置が収集した生体信号に基づき執務中の人体の健康状態を管理する健康状態管理装置による健康状態管理方法であって、
前記収集装置において収集される、前記収集装置の有する入力装置による前記入力履歴情報と、前記収集装置と通信を行う加重検出装置により検出される加重変化情報と、前記収集装置と通信を行う測定装置より測定される人体の温度分布情報と、を取得する収集情報取得手順と、
人体に装着されており、人体の運動状況に関する情報を検出する検出装置と通信して前記運動状況に関する情報を受信する受信手順と、
前記データベースに格納された前記推奨されるパターンと、前記収集情報取得手順により取得された前記生体信号と、前記受信手順により受信された前記運動状況に関する情報とに基づき、健康状態を解析する解析手順と、を有する健康状態管理方法。
【請求項5】
執務中における人体の生体信号を収集する収集装置と接続されており、健康状態を示す情報として推奨されるパターンが格納されたデータベースを有し、前記収集装置が収集した生体信号に基づき執務中の人体の健康状態を管理する健康状態管理装置において実行される健康状態管理プログラムであって、
前記健康状態管理装置に、
前記収集装置において収集される、前記収集装置の有する入力装置による前記入力履歴情報と、前記収集装置と通信を行う加重検出装置により検出される加重変化情報と、前記収集装置と通信を行う測定装置より測定される人体の温度分布情報と、を取得する収集情報取得ステップと、
人体に装着されており、人体の運動状況に関する情報を検出する検出装置と通信して前記運動状況に関する情報を受信する受信ステップと、
前記データベースに格納された前記推奨されるパターンと、前記収集情報取得ステップにより取得された前記生体信号と、前記受信ステップにより受信された前記運動状況に関する情報とに基づき、健康状態を解析する解析ステップと、を実行させる健康状態管理プログラム。
【請求項6】
執務中における人体の生体信号を収集する収集装置と、前記収集装置が収集した生体信号に基づき執務中の人体の健康状態を管理する健康状態管理装置と、が接続されて構成される健康状態管理システムであって、
前記健康状態管理装置は、
健康状態を示す情報として推奨されるパターンが格納されたデータベースと、
前記収集装置において収集される、前記収集装置の有する入力装置による前記入力履歴情報と、前記収集装置と通信を行う加重検出装置により検出される加重変化情報と、前記収集装置と通信を行う測定装置より測定される人体の温度分布情報と、を取得する収集情報取得手段と、
人体に装着されており、人体の運動状況に関する情報を検出する検出装置と通信して前記運動状況に関する情報を受信する受信手段と、
前記データベースに格納された前記推奨されるパターンと、前記収集情報取得手段により取得された前記生体信号と、前記受信手段により受信された前記運動状況に関する情報とに基づき、健康状態を解析する解析手段と、を有する健康状態管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−3070(P2010−3070A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−160669(P2008−160669)
【出願日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】