説明

健康用具

【課題】マイナスイオンを発生させる健康用具であって、構成が複雑でなく、生産性が高く、コスト的にも有利である健康用具を提供する。
【解決手段】健康用具1は、クリーム状のシリコンとラジウムパウダとを混合させて固化して成るマイナスイオンを発生する素材11と、通気性があり前記素材11を包囲する包囲素材12とから成る。前記包囲素材12は、前記マイナスイオンを発生する素材11を包囲するナイロンのネット21と、前記ナイロンのネット21を包囲するさらし31と、前記さらし31を包囲するフランネル41とから成る。前記包囲素材12は、縫製によりマイナスイオンを発生する素材11の包囲を維持する。前記包囲素材12に、ベルト、貼付体、テープ、もしくは包帯の何れかから成る装着手段51を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイナスイオンを発生する素材を身体にあてがうことで健康増進を可能にし、患部の治癒にも好ましい影響を与える健康用具に関する。
【背景技術】
【0002】
マイナスイオンが不足した身体は、栄養の吸収が阻害されたり、血液がドロドロになったり、アレルギーやアトピーの原因ともなったりする。
しかし、マイナスイオンは、副交感神経の働きを助け、脈拍や血圧を下げ、精神状態を安定させて心肺機能を高めることが確認されている。
さらに、マイナスイオンは、弱アルカリ性の身体を作り、心と身体のリラックスに役立ち、肩こり、腰痛、筋肉痛をやわらげる効果や、疲労回復、発育増進の効果もあることが知られている。
【0003】
一方、従来においては、例えば、天然靱皮繊維を編んだ織物を炭化した織物炭化材層と、その織物炭化材層が固着された織物布の第1下地材と、ラドンなどの放射性物質を含む放射性物質層と、その放射性物質層が固着された織物布の第2下地材とを有する身体装着具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この身体装着具は、ラドンの放射性物質からの微弱な放射線によってマイナスイオンの効用を得るという点に特徴がある。
【0004】
【特許文献1】特開2005−218651号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の身体装着具は、特に、ラドンなどの放射性物質を含む放射性物質層を、織物布の第2下地材に固着する製作工程が必要であり、全体的に構成が複雑であって生産性が低く、生産上、コスト的にも不利であるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記従来の技術の問題点を解決し、マイナスイオンを発生させる健康用具であって、構成が複雑でなく、生産性が高く、コスト的にも有利である健康用具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、健康用具であって、マイナスイオンを発生する素材と、通気性があり前記素材を包囲する包囲素材とから成ることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、健康用具であって、クリーム状のシリコンとラジウムパウダとを混合させて固化して成るマイナスイオンを発生する素材と、通気性があり前記素材を包囲する包囲素材とから成ることを特徴とする。
【0009】
前記包囲素材は、前記マイナスイオンを発生する素材を包囲するナイロンのネットと、
前記ナイロンのネットを包囲するさらしと、前記さらしを包囲するフランネルとから成ることを特徴とする。
【0010】
前記包囲素材は、縫製により前記マイナスイオンを発生する素材の包囲を維持することを特徴とする。
【0011】
前記包囲素材に、ベルト、貼付体、テープ、もしくは包帯の何れかから成る装着手段を備えることを特徴とする。
【0012】
前記クリーム状のシリコンと前記ラジウムパウダとの混合比は、2:8であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、マイナスイオンを発生する素材を、通気性がある包囲素材で包囲する構成であるため、構成が複雑でなく、生産性が高く、コスト的にも有利である健康用具を実現する。
特に、前記包囲素材は、縫製によりマイナスイオンを発生する素材の包囲を維持するため、より生産性が高く、より生産コスト的にも有利である。
一方、本発明によれば、前記包囲素材に、ベルト、貼付体、テープ、もしくは包帯の何れかから成る装着手段を備えるため、より使い易く、利便性の面でもより好ましい効果を発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明に係る健康用具の実施の形態について説明する。図1は本実施の形態に係る健康用具1の基本構成を説明する断面図である。
本例の健康用具1は、マイナスイオンを発生する素材11を、通気性がある包囲素材12で包囲した構成である。
【0015】
マイナスイオンを発生する素材11は、クリーム状のシリコンに粉末状のラジウム(ラジウムパウダ)を混合させ、所定時間の経過後に例えば板状のゴム状に固化した固形物である(図1、図2参照)。
ラジウムパウダとシリコンの重量比率は2:8である。ただし、その重量比率は2:8に限定されず、その他、例えば、1:9、3:7、4:6、もしくは5:5等の重量比率を用いても良く、小数点以下の数値は任意である。
【0016】
通気性がある包囲素材12は、通気性があれば任意の素材を用いて良く、一例としてはマイナスイオンを発生する素材11を包囲するナイロンのネット21と、ナイロンのネット21を包囲するさらし31と、さらし31を包囲するフランネル41とから成る。
【0017】
即ち、マイナスイオンを発生する素材11は、まず、ナイロンのネット21で例えば巻かれる等して包囲される(図1、図3参照)。
【0018】
ナイロンのネット21で上記素材11を包囲する際、一つには、例えば、筒状に加工した一つのナイロンのネット21を用いて、その中に上記素材11を収容した後、筒状のナイロンのネット21の双方の開放口の縁側をミシンで縫製するという方法がある。
また、ナイロンのネット21で上記素材11を包囲する際、もう一つには、例えば、一つの開放口を有してポケット状に加工された一つのナイロンのネット21を用いて、その中に上記素材11を収容した後、ナイロンのネット21の一つの開放口の縁側をミシンで縫製するという方法がある。
一方、ナイロンのネット21で上記素材11を包囲する際、もう一つには、例えば、2枚のナイロンのネット21を用いて、上記素材11を図示上下から挟むように包囲させた後、2枚のナイロンのネット21の全周囲の縁側をミシンで縫製するという方法がある。
【0019】
ナイロンのネット21で包囲されたマイナスイオンを発生する素材11は、次いで、さらし31で例えば巻かれる等して包囲される(図1、図4参照)。さらし31は布地の一例である。
さらし31で包囲する場合、上記素材11を包囲したナイロンのネット21に巻き付ける以外にも、例えば、一枚のさらし31で折り畳んで包囲するという方法、もしくはポケット状に加工したさらし31内に収容するという方法がある。
【0020】
さらし31でさらに包囲されたマイナスイオンを発生する素材11は、次いで、フランネル41で包囲される(図1、図5参照)。
フランネル41とは、紡毛糸や梳毛糸、あるいは綿糸で平織りまたは綾織りにし、布面をやや毛羽立たせた柔らかな毛織物であり、例えば肌着に好適な素材である。
【0021】
フランネル41で包囲する際も、一つには、例えば、筒状に加工した一つのフランネル41を用いて、その中にさらし31で包囲された上記素材11を収容した後、筒状のフランネル41の双方の開放口の縁側をミシンで縫製するという方法がある。
また、フランネル41で包囲する際、もう一つには、例えば、一つの開放口を有してポケット状に加工された一つのフランネル41を用いて、その中にさらし31で包囲された上記素材11を収容した後、フランネル41の一つの開放口の縁側をミシンで縫製するという方法がある。尚、図5中の符号41aは糸の縫い目を概念的に示す。
一方、フランネル41で包囲する際、もう一つには、例えば、2枚のフランネル41を用いて、さらし31で包囲された上記素材11を図示上下から挟むように包囲させた後、2枚のフランネル41の全周囲の縁側をミシンで縫製するという方法がある。
【0022】
以上のように加工された本例の健康用具1は、身体に着用するため、例えば、縦5mm、横7mm、厚さ4mmのサイズ、縦8cm、横12cm、厚さ4mmのサイズ、縦14cm、横22cm、厚さ4mmのサイズ等が好適であるが、その他、任意のサイズに加工しても良いことは勿論である。
【0023】
本例の健康用具1は、包帯、もしくは靴下等の装着手段51で身体との間に保持して使用することが可能である(図6参照)。
また、本例の健康用具1は、包囲素材12の例えば最外層のフランネル41に、ベルト、貼付体、もしくはテープ等の装着手段51を装備(接着)することで(図6参照)、身体への装着を可能とする構成を採用しても良い。
ベルトを用いる場合、ベルトは、フランネル41に対する縫製や接着等によりあらかじめ装着しておくという態様がある。
【0024】
一方、装着手段51に貼付体や包帯等を用いる場合、貼付体や包帯は、健康用具1の周囲の領域にも存在する部分があり、その部分で健康用具1の身体への装着を安定させる。
特に貼付体は、身体に向う面が粘着層であり、粘着層からフィルム等を剥がすことで健康用具1の身体への装着(接着)を可能にする。あらかじめ貼付体とフィルムの接合内に健康用具1を挟持保持するという態様も好ましい。
また、貼付体やテープを用いる場合、本例の健康用具1は当然にシップ薬の揮発というような現象はなく、その貼付体やテープの交換で何度も使用することができる。ベルトや包帯等を用いる場合も同様である。
ただし、本例の健康用具1は、例えば身体の肩や腰等に使用する場合、上記マイナスイオンを発生する素材11がシリコンゴム状の形状変形自在の柔らかい固形物から成るので、下着等との間で保持することも可能である。
【0025】
本実施の形態の健康用具1は、マイナスイオンを発生する素材11を、通気性がある包囲素材12で包囲する構成であるため、構成が複雑でなく、生産性が高く、コスト的にも有利である。
特に、包囲素材12は、縫製によりマイナスイオンを発生する素材11の包囲を維持するため、より生産性が高く、よりコスト的にも有利である。
一方、包囲素材12に、ベルト、貼付体、テープ、包帯、靴下、下着等の装着手段51を用いることにより身体への装着を維持するため、より使用し易く、利便性の面でもより好ましい効果を得ることができる。
マイナスイオンを発生する素材11は、シリコンゴム状の形状変形自在の柔らかい固形物から成るため、身体の動き易さを阻害することがなく、この点からも利便性の面で好ましい効果を発揮する。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は、身体の健康増進や、患部治癒を可能にする健康用具の分野に利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態に係る健康用具の基本構成を示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る加工後のマイナスイオンを発生する素材の構成を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るナイロンのネット包囲時の健康用具の構成を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るさらし包囲時の健康用具の構成を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るフランネル包囲時の健康用具の構成を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る装着手段装着後の健康用具の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0028】
1 健康用具
11 マイナスイオンを発生する素材
12 包囲素材
21 ナイロンのネット
31 さらし
41 フランネル
51 装着手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
健康用具であって、
マイナスイオンを発生する素材と、
通気性があり前記素材を包囲する包囲素材と、
から成ることを特徴とする健康用具。
【請求項2】
健康用具であって、
クリーム状のシリコンとラジウムパウダとを混合させて固化して成るマイナスイオンを発生する素材と、
通気性があり前記素材を包囲する包囲素材と、
から成ることを特徴とする健康用具。
【請求項3】
前記包囲素材は、前記マイナスイオンを発生する素材を包囲するナイロンのネットと、
前記ナイロンのネットを包囲するさらしと、前記さらしを包囲するフランネルとから成ることを特徴とする請求項1または2に記載の健康用具。
【請求項4】
前記包囲素材は、縫製により前記マイナスイオンを発生する素材の包囲を維持することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の健康用具。
【請求項5】
前記包囲素材に、ベルト、貼付体、テープ、もしくは包帯の何れかから成る装着手段を備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の健康用具。
【請求項6】
前記クリーム状のシリコンと前記ラジウムパウダとの混合比は、2:8であることを特徴とする請求項2に記載の健康用具。












【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−55083(P2008−55083A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−238532(P2006−238532)
【出願日】平成18年9月4日(2006.9.4)
【出願人】(506300132)
【Fターム(参考)】