説明

健康管理システム

【課題】通信機能を持たない健康機器を用いつつ、複数のサーバ装置を持つことが可能な健康管理システムを提供すること。
【解決手段】生体情報を管理、処理するためのサーバ装置と、ユーザが生体情報を計測する健康機器2と、健康機器2に挿入して使用する通信カード1から構成される健康管理システムにおいて、通信カード1に健康機器動作情報114及びサーバ装置接続情報112を格納し、健康機器動作情報114に従って健康機器2を動作させて生体情報を計測し、サーバ装置接続情報112に従って、健康機器2で計測した生体情報を通信カード1からサーバ装置へ転送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、健康機器によって計測した生体情報をサーバ装置で収集することでユーザの健康管理を行う、健康管理システムに関するものである。特に、通信機能を持つ通信カードを健康機器に挿入して、生体情報を集める健康管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の健康に対する関心の高まりによって、健康機器を用いてユーザの生体情報を計測し、計測した生体情報をサーバ装置で収集することで健康管理を行うシステムが登場してきている。
【0003】
特に、プライバシー保護やユーザニーズに合わせたきめ細かいサービス実施の観点から、ユーザ情報を含めたカードを利用した健康管理システムが提案されている。
【0004】
従来の技術として、健康機器が接続されたユーザ端末にIDが付与されたカードを挿入して、そのIDを用いてウェブサーバでユーザ認証を行い、健康機器で計測したユーザの生体情報をウェブサーバに送信することで、ユーザ毎に健康状態を管理する健康管理システムがあった(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
さらに、個人情報とサーバ装置への通信設定情報をカードに記憶しておき、そのカードを健康機器に挿入して健康機器の通信設定を行うことで、ユーザの生体情報をサーバ装置に集める健康管理支援システムがあった(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2006−119773号公報
【特許文献2】特開2005−168624号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記特許文献1に示す構成では、フィットネスクラブなどの限定された場所での使用を目的としており、予めネットワークに接続されているユーザ端末または健康機器が存在することが前提である。このため、一般で市販されているような通信機能を持たない健康機器を用いて、同様の健康管理システムを構築することができないという課題を有している。
【0007】
また、前記特許文献2に示す構成では、通信手段を有するのは健康機器である。このため、健康機器が複数存在する場合には、全ての健康機器にサーバ装置と通信するための通信手段を実装する必要がある。また、健康機器からサーバ装置への通信は、使用者によって固定されたカード内の接続情報のみで設定を行っている。このため、生体情報の宛先として複数のサーバ装置が存在する場合に、前記特許文献2に示す従来の健康管理システムでは対応することができないという課題を有している。
【0008】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、通信機能を持たない健康機器を用いつつ、複数のサーバ装置を持つことが可能な健康管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記従来の課題を解決するために、本発明の健康管理システムは、生体情報を管理、処理するためのサーバ装置と、ユーザが生体情報を計測する健康機器と、健康機器に挿入して使用する通信カードとから構成される健康管理システムにおいて、通信カードに健康機器動作情報及びサーバ装置接続情報を格納し、前記健康機器動作情報に従って健康機器を動作させて生体情報を計測し、前記サーバ装置接続情報に従って、健康機器で計測した生体情報を通信カードからサーバ装置へ転送することを特徴とする。
【0010】
本構成によって、通信カードの内部情報によって生体情報の宛先となるサーバ装置を決定することができると共に、通信カードを用いて健康機器の動作を設定することが可能となる。
【0011】
なお、その他の構成については、後述する実施の形態で述べる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の健康管理システムによれば、通信手段を持たない健康機器を用いて複数のサーバ装置宛に健康情報を送ることを可能とする。例えば、健康機器に通信カードとのインタフェースを実装し、通信カードには各サーバ装置への通信手段とサービス毎のサーバ宛先情報を記録し、健康機器に通信カードを挿入することで、健康機器で計測した生体情報の宛先となるサーバ装置への接続を確立することができる。
【0013】
また、通信カード内から健康機器へ動作情報を提供することで、ユーザやサービスに適するように健康機器を動作させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0015】
(実施の形態1)
(基本構成)
図1は、本発明の実施の形態1における健康管理システムの全体を示す図である。
【0016】
図1において、健康機器2は、ユーザの生体情報を計測するための装置である。例えば、体温、体重、血圧、血糖値などを計測する。これらは、ユーザが必要に応じて計測する場合や、常時ユーザが装着して計測する場合がある。また、健康機器2には、通信カード1を挿入するためのコネクタ、スロットが搭載されている。
【0017】
通信カード1は、健康機器2に接続、挿入されて利用されるカードであり、健康機器2で計測されるユーザの生体情報を、GW装置3との間で片方向、または双方向で通信するための装置である。
【0018】
通信カード1は、例えば、RS-232C、USB、SD、SDIO、コンパクトフラッシュ(登録商標)などのインタフェースを持ったカードが相当する。また、必要に応じて健康機器2で計測されたユーザの生体情報を蓄積する機能を持つ。
【0019】
通信カード1は、GW装置3と通信することにより、インターネットなどのWAN接続によるネットワーク5を介してサーバ装置4と通信する。なお、通信カード1がサーバ装置4と直接WAN通信を行える場合には、GW装置3を介さず直接通信しても良い。通信カード1がサーバ装置4と直接通信できない場合には、GW装置3との間でローカル通信し、GW装置3がサーバ装置4とWAN通信する。
【0020】
GW装置3は、中継装置であり、少なくとも通信カード1と通信するローカル通信機能と、サーバ装置4と通信するWAN通信機能を有する。
【0021】
ここで、ローカル通信とは、有線、無線の近距離通信のことを示す。有線通信としては、例えば、シリアルケーブル、USBなどが挙げられる。無線通信としては、例えば、無線LAN、Bluetooth、ZigBee、特定省電力無線などが挙げられる。
【0022】
ここで、WAN通信とは、例えば、有線通信では、光ファイバやADSLなどのリンクを用いたIP通信や専用線通信などが挙げられ、無線通信では、携帯電話やWiMAXなどのリンクを用いたIP通信や専用通信が挙げられる。
【0023】
サーバ装置4がIP通信機能を有している場合、健康機器2は以下の通信を行う。
通信カード1が直接IP通信機能を有している場合には、サーバ装置4のIPアドレスやポート番号などを指定して通信を行う。
【0024】
通信カード1が直接IP通信機能を有していない場合には、サーバ装置4のIPアドレスやポート番号などを指定した情報をサーバ装置接続情報として保持し、通信毎に、もしくは事前にGW装置3に通知する。通信カード1とGW装置3の間はローカル通信を行い、GW装置3とサーバ装置4との間はサーバ装置接続情報を参照してIP通信を行う。
【0025】
通信カード1は健康機器2に常時接続されている場合と、常時接続されていない場合とがある。前者の場合には、健康機器2で計測された生体情報は、リアルタイムに、もしくは所定のパターンによって送信される。後者の場合には、通信可能になるまで、健康機器2もしくは通信カード1内のメモリに生体情報が格納され、通信可能になった場合に送信される。
【0026】
なお、通信カード1は、大容量記憶メモリを持たせることで、例えばUSBメモリのような補助記憶装置として使用しても良い。
【0027】
(通信カードの格納情報と健康機器動作)
図2は、本発明の実施の形態1における通信カードと健康機器を示す図である。図2において、図1と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0028】
通信カード1は、情報蓄積部11に少なくとも健康機器動作情報114と、サーバ装置接続情報112を持つ。さらに、ユーザ情報113、情報蓄積動作情報115、サービス情報116を持っても良い。また、通信カード1は健康機器と通信を行うカード通信インタフェース部13と、GW装置3やサーバ装置とローカル通信またはWAN通信を行う外部通信インタフェース部12を持つ。通信カード1が大容量記憶メモリを備えており、補助記憶装置の働きをする場合には、情報蓄積部11は記憶メモリ内に存在しても良いし、ユーザからはアクセスすることのできない他の領域に存在しても良い。
【0029】
健康機器2は、通信カード1を挿入する通信カードスロット21を持ち、カード通信インタフェース部13によって通信カード1との通信を行う。センサ機能22は、ユーザをセンサによって計測するための機能であり、ユーザによる操作、もしくは所定のパターンの動作によって計測を行う。サービス実施機能23は、健康機器2のアプリケーションを実行する機能である。サービス選択機能25は、ユーザがメニューからサービスを選択したり、サービスのための操作を入力したりする機能である。サービス表示機能24は、サービスの情報を表示する機能であり、例えば画面へ計測データの履歴表示や、生体情報の解析結果出力などを行う。
【0030】
健康機器動作情報114は、通信カード1が挿入された健康機器2の動作パラメータなどを意味し、健康機器2のセンサ機能22などの動作パラメータを設定する情報である。例えば、体重計であれば、Kg、ポンドなどの計測単位、計測の上限、下限値などである。通信カード1は、このような健康機器動作情報114を1つ以上格納するものとする。
【0031】
なお、通信カード1は、健康機器2の属性に依存することなく、複数の健康機器動作情報114を格納しておき、健康機器2の種別に応じて、対応する健康機器動作情報114を健康機器2に提供しても良い。このとき、健康機器2内の健康機器情報117を通信カードの健康機器認識部14で認識することで、健康機器2の種別を判定する。健康機器情報117として、製品番号やシリアル番号、機器識別番号などが挙げられる。また、健康機器動作情報114は、ユーザで共通の場合もあるし、各ユーザ単位に調整されている場合もある。
【0032】
サーバ装置接続情報112は、サーバ装置4と接続するための設定情報である。例えば、サーバ装置4のIPアドレスやポート番号がそれに該当する。また、電話通信の場合には電話番号がそれに該当する。
【0033】
情報蓄積動作情報115は、通信カード1がGW装置3やサーバ装置4と通信できない場合や計測した生体情報を蓄積する時に用いる計測周期や蓄積周期などの情報である。通信カード1より健康機器2へ、情報蓄積動作情報115を通知すると、健康機器2は、計測周期や蓄積周期を変更する場合もある。また、健康機器2で計測した生体情報111の蓄積場所は、健康機器2の場合もあるし、通信カード1の情報蓄積部11に蓄積する場合もある。いずれの場合にも、通信可能になった場合には、蓄積されている生体情報を通信カード1より送信する。
【0034】
例えば、健康機器2がウェアラブル体温計の場合、計測周期とは、計測する時間単位などを示す。また、蓄積周期とは、計測した生体情報をどの時間単位で蓄積するかのルールなどを指す。例えば、1秒周期で体温が計測されているとき、体温データは同じ周期で蓄積される場合もあるし、通信カード1または健康機器2の搭載メモリなどのサイズに応じて、本体メモリ消費がN%以下であれば1秒周期で、それ以降は10秒周期で蓄積するなど、適応的に調整される場合もある。
【0035】
ユーザ情報113は、通信カード1を所有するユーザの情報である。例えば、メールアドレス、患者IDなど、本データを管理する団体が認識、識別可能な個人識別IDである。
【0036】
なお、ユーザ情報113は、健康機器2で設定されている場合もある。その場合、通信カード1もしくは健康機器2のどちらかのユーザ情報113を利用するか、両方を併記しても良い。
【0037】
サービス情報116は、健康機器にサービスを提供するアプリケーション情報であり、サービスメニューやコンテンツ、プログラムが該当する。なお、サービスの実施は、通信カード1から健康機器2にサービス情報を提供して健康機器2内で実行しても良い。また、サービス実施機能23が通信カード1内にある場合には、通信カード1内でサービスを実施して、健康機器2で結果を出力しても良い。
【0038】
(通信パケット)
通信カード1が、GW装置3やサーバ装置4と通信するための通信パケット15を例に示す。通信パケット15は、生体情報111、サーバ装置接続情報112、ユーザ情報113の一部または全部を含むパケットである。生体情報111は、健康機器2で計測されたデータのスカラ、もしくはベクトル量であり、それらを一つ以上含んだものである。なお、通信パケット15は、同期用のパケットとして使用することも可能であり、その場合には生体情報111を含まなくとも良い。
【0039】
通信カード1は、サーバ装置接続情報112を含んだ通信パケット15をGW装置3へ転送し、GW装置3がサーバ装置接続情報112を参照してデータを転送する。なお、通信カード1がサーバ装置4と直接通信することが可能である場合には、GW装置3を介さずに通信パケット15をサーバ装置4へ直接送信しても良い。
【0040】
(通信シーケンス)
図3は、本発明の実施の形態1における通信シーケンスの一例を示す図である。図3において、図1と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0041】
<ステップS1>
健康機器2のカードスロットへ通信カード1を挿入する。通信カード1のカード通信インタフェースによって健康機器との情報の送受信が可能となる。
【0042】
なお、健康機器2に通信カード1が付随して販売されるような場合には、予め通信カード1は健康機器2に挿入されており、本ステップを省略しても良い。
【0043】
<ステップS2>
通信カード1が健康機器2の情報を取得する。
【0044】
なお、予め通信カード1を挿入する健康機器2が特定されている場合には、本ステップは省略しても良い。
【0045】
<ステップS3>
ステップS2で取得した情報を用いて、健康機器2を識別する。通信カード1には、予め健康機器動作情報や情報蓄積動作情報などの健康機器2を操作するための情報が一つまたは複数個記録してあり、この識別結果に応じて情報を選択する。また、通信カード内に複数のサービス情報が存在する場合にも、健康機器の識別結果に応じて情報を選択する。
【0046】
なお、情報がユーザに依存したり、予めサービスが決定されていたりする場合には、健康機器の識別結果を必ず使用しなくとも良い。
【0047】
<ステップS4>
通信カード1に記録されている健康機器動作情報や情報蓄積動作情報を用いて、健康機器2の機能を設定する。さらに、通信カード1内にサービス情報が存在する場合には、健康機器2へサービス情報を送り、サービスを実行する。
【0048】
なお、健康機器の設定時には、健康機器2が通信カード1の挿入前に元々保持していた情報を用いて機能を設定しても良い。
【0049】
<ステップS5>
健康機器2が計測を行う。計測の方法としては、例えば体重計を用いる場合には、ユーザが体重計の上に乗ることで体重データを取得するなどの計測方法がある。また、常時接続されているウェアラブル体温計を用いる場合には、所定の時間パターンに合わせて定期的に体温データを取得するなどの計測方法がある。
【0050】
<ステップS6>
健康機器2によって計測された生体情報は、通信カード1内、もしくは健康機器2内に蓄積される。なお、通信カード1がすぐに通信を行う場合には、このステップS4を省略して生体情報を蓄積しなくとも良い。また、情報蓄積動作情報の設定によって、計測周期と蓄積周期が異なる場合もある。
【0051】
通信カード1がすぐに通信を開始しない場合には、ステップS3とステップS4を繰り返して計測を続けるか、通信開始まで待機するかのどちらかの処理を行う。
【0052】
<ステップS7>
通信カード1内には複数のサーバ装置接続情報が記録されており、健康機器2の識別や動作、実施サービスの内容、生体情報の値などに応じて宛先となるサーバ装置のサーバ装置接続情報を選択する。例えば、健康機器2が体重計ならばサーバ装置Aを宛先に設定し、血糖計であるならばサーバ装置Bに宛先を設定する、のように健康機器によって宛先となるサーバ装置4を選択する。また、生体情報が正常値範囲内にあるかどうかでサーバ装置4を変更することもあり、異常データならば異常データ用のサーバ装置4を宛先として設定する。
【0053】
<ステップS8>
通信カード1より、GW装置3へ通信パケットを送信する。通信パケット中には、計測した生体情報やユーザ情報、サーバ装置接続情報が含まれている。
【0054】
なお、通信カード1がサーバ装置4と直接接続できる場合には、サーバ装置4へ直接通信パケットを送信しても良い。さらに、通信カード1でサーバ装置との通信状況を判定して、通信状態が良好であるならばサーバ装置4へ直接送信する、通信状態が悪化しているならばGW装置3へ送信するというように切り替えても良い。
【0055】
<ステップS9>
GW装置3で、通信パケットに含まれるサーバ装置接続情報を参照して、通信パケットの宛先を判定する。なお、本ステップでは通信カード1から生体情報を送信する時に、サーバ装置接続情報を送信しているが、予め通信カード1よりサーバ装置接続情報をGW装置3に送り、サーバ装置4の宛先を設定しておいても良い。
【0056】
<ステップS10>
GW装置3は、サーバ装置4へ通信パケットを転送する。なお、GW装置3とサーバ装置4との間にルータなどの中継装置などがさらに存在する場合には、GW装置3でルータの経路情報を付加して、通信パケットを転送しても良い。
【0057】
<ステップS11>
サーバ装置4は、GW装置3または通信カード1からの通信パケットを受信すると、そこに含まれる生体情報やユーザ情報を蓄積していく。蓄積された情報は外部の機器からの操作で閲覧されたり、健康サービスを実施するためのデータとして使用されたりする。
【0058】
(通信カードの配布)
図4は、本発明の実施の形態1における通信カードの配布を示す図である。図4において、図1と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0059】
図4において、ユーザ宅7中には、体重計2a、血糖計2b、体温計2cの3つの健康機器がある。ユーザはこの3つの健康機器を用いた健康管理サービスを受けるものとする。
【0060】
ユーザがサービスを希望する場合、サービスを提供するアプリケーションサービスプロバイダ6(Application Service Provider:以下、ASPと記述)へ、サービスを申し込む。ASP6は、例えば医療保険会社がそれに当てはまり、ユーザの生体情報を収集してそれに見合った健康サービスや保険制度を適用したりする。
【0061】
ASP6には、サーバ装置4が存在し、ユーザ毎、もしくはサービス毎にユーザ情報や生体情報を管理している。ここで、ユーザのサービス申し込みがあると、その内容に従って通信カード1を発行する。ここでは、ユーザが3つの健康機器に対するサービスに申し込んでおり、3枚の通信カード1をユーザ宅7へ配布するものとする。
【0062】
ユーザ宅7では、体重計2a、血糖計2b、体温計2cのそれぞれの健康機器にASP6より配布された通信カード1を挿入して使用し、計測した生体情報をASP6のサーバ装置へと送る。
【0063】
このとき、各健康機器に使用する通信カード1は健康機器と特定せず、3枚の通信カード1と健康機器のどのような組合せでも動作するものとする。
【0064】
次に、ASPから配布される通信カードの例を示す。
【0065】
(配布される通信カードの例)
図5は、本発明の実施の形態1における配布される通信カードの例を示す図である。図5において、図2と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0066】
通信カード1の情報蓄積部11には、サーバ装置接続情報112、ユーザ情報113と、体重計設定情報118、血糖計設定情報119、体温計設定情報120が記録されている。
【0067】
体重計設定情報118は、通信カードが体重計の動作を設定するための情報であり、体重計用としての健康機器動作情報や、情報蓄積動作情報、サービス情報などが含まれている。同様にして、血糖計設定情報119、体温計設定情報120についても、それぞれの健康機器の動作を設定する情報を含んでいる。
【0068】
健康機器認識部14で、通信カード1が挿入された健康機器を認識すると、その結果に従って使用する設定情報を選択する。例えば、対象となる健康機器が体重計である場合には、体重計設定情報118が使用される。
【0069】
設定情報を使用して計測やサービスを行うと、宛先判定部16によって、複数のサーバ装置接続情報112から宛先となるサーバ装置が選択され、通信パケットとして送信する。
【0070】
なお、ここでは、ASPから配布された時点で通信カード1に健康機器の設定情報が含まれているが、例えば、設定情報はASPからダウンロードし、ユーザが購入した一般的な通信カード内にユーザ宅7で設定する方法でも良い。
【0071】
また、健康機器毎に通信カード1を配布しているが、ASPから配布される通信カードは1枚であり、健康機器にはそれを順番に挿入していくことで、通信カード1が健康機器の種別に合わせて動作しても良い。また、ASPから健康機器に通信カードが付属で同梱されてセットで送られてくる方法でも良い。
【0072】
(複数のユーザ情報を含む通信カード)
なお、ユーザ宅7においてユーザが複数存在する場合には、ユーザに応じて、健康機器動作情報、サーバ装置接続情報、情報蓄積動作情報、サービス情報のいずれかを選択しても良い。
【0073】
図6は、本発明の実施の形態1における複数のユーザ情報を含む通信カードの例を示す図である。図6において、図5と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0074】
通信カード1の情報蓄積部11には、複数のユーザ情報113と設定情報17a、設定情報17bが記録されている。設定情報17a、17bは、それぞれ体重計設定情報118、血糖計設定情報119、体温計設定情報120の少なくとも1つから構成され、ユーザ毎にカスタマイズされた情報である。
【0075】
例えば、ユーザ情報113に含まれているユーザが通信カードを使用すると、使用するユーザに対応するユーザ情報と、それに対応する設定情報17aが選択される。また、健康機器認識部14で健康機器の種別、例えば体重計、を取得することで、設定情報17aから対応する健康機器の設定情報である体重計設定情報118を選択する。この体重計設定情報118を用いて健康機器の設定を行う。さらに、体重計設定情報118にサービス情報が含まれている場合には、健康機器でサービスを実行する。
【0076】
また、ユーザに応じてサーバの宛先を選択する場合には、宛先判定部16で選択されたユーザ情報113に適したサーバ装置接続情報112を選択し、通信パケットに含める。このとき、通信パケット内に選択したユーザ情報113を含めても良い。
【0077】
(ユーザ毎の健康機器操作)
図7は、本発明の実施の形態1における使用ユーザ毎の健康機器の操作例を示す図である。
【0078】
図7に示す表はユーザA、ユーザBが体重計、血糖計、体温計を使用する場合の各健康機器動作を示している。
【0079】
例えば、ユーザAが体重計を使用する場合には、「0.5Kgの精度で計測を実施」、「40kg〜60kgまでを正常値として計測」というような動作を設定する。これに対して、ユーザBが体重計を使用する場合には、「1kgの精度で計測」、「50kg以上を正常値として計測」というように、ユーザAとは異なった動作を設定する。
【0080】
また、ユーザAが血糖計を使用する場合には「使用できない(メニューが表示されない)」となるが、ユーザBが使用すると「計測メニューを表示」というように、ユーザによって健康機器の使用、不使用を決定しても良い。
【0081】
また、ユーザAが体温計を使用する場合には、「10分間隔で計測」、「計測精度は0.5℃」という動作設定に対して、ユーザBが体温計を使用する場合には、「5分間隔で計測」、「計測精度は0.1℃」に加えて「体温データを蓄積」という動作設定である。このように、使用するユーザによっては、新たに健康機器動作を規定しても良い。
【0082】
以上の通り、ユーザ毎にカスタマイズされた測定情報によって、健康機器の動作やサービスを制御する。
【0083】
(健康機器のサービス追加例)
なお、通信カードのサービス情報を用いて、健康機器が本来持つサービスに新たにサービスを追加することも可能である。
【0084】
図8は、本発明の実施の形態1における血糖計へのサービス追加例を示す図である。図8において、図4と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0085】
図8において、通信カード1を挿入していない血糖計2bでユーザが選択可能なサービスメニューは、「1.血糖値計測」と「2.血糖値情報表示」の2つである。例えば、「1.血糖値計測」は、血糖値の計測を行うためのサービスであり、「2.血糖値情報表示」は、これまでに計測した血糖値の履歴を表示して確認ことができるサービスである。
【0086】
ここで、血糖計2bに通信カード1を挿入することで、通信カード内のサービス情報が実行される。その結果、「3.血糖値プロファイル」と「4.血糖値送信」のサービスメニューが新たに追加される。ここで、例えば、「3.血糖値プロファイル」は、これまでの血糖値の計測情報の履歴から、血糖値が正常な値を示しているかの判定を示す。また、「4.血糖値送信」は、通信カード1を用いて計測された血糖値の情報をサーバ装置へと送信するサービスである。
【0087】
(実施の形態2)
(GW装置へのGWカード適用:基本構成)
図9は、本発明の実施の形態2における健康管理システムの全体を示す図である。図9において、図1と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0088】
本発明の実施の形態2では、実施の形態1に対してGW装置にGWカードを挿入して使用するところが異なる。
【0089】
図9において、GWカード8はGW装置に接続、挿入されて使用されるカードであり、通信カード1と通信することでユーザの生体情報を収集したり、WAN通信によってサーバ装置4へ生体情報を送ったりするための装置である。
【0090】
GWカード8は、例えば、RS-232C、USB、SD、SDIO、コンパクトフラッシュ(登録商標)などのインタフェースを持ったカードが相当する。また、必要に応じて健康機器2の設定情報やユーザ情報、生体情報を蓄積する機能を持つ。
【0091】
GWカード8は、インターネットなどのWAN接続によるネットワーク5を介して通信カード1がサーバ装置4と通信するための機能を提供する。例えば、通信カード1が非IP通信機能を有しており、サーバ装置4がIP通信機能を有している場合には、GWカード8は非IP通信機能とIP通信用の設定情報を提供する。
【0092】
通信カード1からは、計測したユーザの生体情報と共に、サーバ装置接続情報が送られてくる。GWカード8は、サーバ装置接続情報を参照して宛先となるサーバ装置4を決定する。なお、GW装置にサーバ装置4の宛先判定機能が存在する場合には、サーバ装置接続情報をGW装置に提供し、GW装置でサーバ装置の宛先を判定しても良い。また、サーバ装置接続情報は、予め設定しておくことも可能であり、通信カード1から予め送られてきた情報を保持していたり、サーバ装置4からダウンロードして取得したりすることもある。
【0093】
なお、GWカード8は、大容量記憶メモリを持たせることで、例えばUSBメモリのような補助記憶装置として使用しても良い。
【0094】
(GWカードの格納情報とGW装置動作)
図10は、本発明の実施の形態2におけるGWカードとGW装置を示す図である。図10において、図9と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0095】
GWカード8は、情報蓄積部81に通信カード設定情報811と健康機器設定情報812を持つ。さらに、サービス情報813、ユーザ情報814、通信パケット815、サーバ装置接続情報816を持っても良い。また、GWカード8は、通信カードとローカル通信を行うローカル通信インタフェース部82と、GW装置とのインタフェースであるカード通信インタフェース部83を持つ。また、通信カードの探索を行うための通信カード探索機能84や、サーバ装置への宛先を判定するサーバ宛先判定機能85を持っても良い。なお、GWカード8が大容量記憶メモリを備えており、補助記憶装置の働きをする場合には、情報蓄積部81は記憶メモリ内に存在しても良いし、ユーザからはアクセスすることのできない他の領域に存在しても良い。
【0096】
GW装置3は、GWカード8を挿入するGWカードスロット31を持ち、カード通信インタフェース部83によってGWカード8との通信を行う。WAN通信インタフェース部32は、サーバ装置4とネットワークを介してWAN接続するためのインタフェースである。また、GWカード8は、通信カードとの通信情報を設定する通信設定機能35や、通信情報やサービス情報を入力する情報入力機能33、通信情報やサービス情報を表示する情報表示機能34を持っても良い。さらに、GWカード8がサーバ装置からサービス情報813をダウンロードする場合には、サービスダウンロード機能36を持っても良い。
【0097】
通信カード設定情報811は、GWカード8が通信カード1とローカル通信を行うための設定情報である。例えば、ローカル通信が無線によって行われるならば、通信カードのアドレス、周波数帯、使用チャンネルなどが該当する。
【0098】
健康機器設定情報812は、健康機器の動作を設定するための情報であり、健康機器動作設定情報や、計測周期や蓄積周期を設定する情報蓄積動作情報などを含む。
【0099】
GWカード8は、通信カード探索機能84からの探索を用いて、通信カード設定情報811と、健康機器設定情報812を収集する。収集した情報は情報表示機能34によってユーザに示され、情報入力機能33によって選択される。選択された通信情報は、通信設定機能35によってGWカード8に設定される。
【0100】
サービス情報813は、健康機器が使用するサービスやアプリケーションの情報である。GW装置3は、サービスダウンロード機能36によってサービス情報813をサーバ装置4より取得する。
【0101】
ユーザ情報814は、ユーザの識別情報や生体情報である。
通信パケット815は、通信カード1から送られてくるパケットであり、サーバ装置接続情報816を含む。通信パケット815は、サーバ宛先判定機能85によって宛先となるサーバ装置4を判定し、GW装置3のWAN通信インタフェース部32によってサーバ装置へと転送される。
【0102】
(サービス情報ダウンロードの通信シーケンスの一例)
図11は、本発明の実施の形態2におけるサービス情報ダウンロードの通信シーケンスの一例を示す図である。図11において、図9と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0103】
<ステップS1>
GWカード8より通信可能な通信カード1が存在するかを探索するため、GWカード8より全ての通信カードアドレスを指定したパケットをブロードキャストで送信する。送信するタイミングは、例えばGWカード8をGW装置3に挿入した時の初期化時などである。
【0104】
<ステップS2>
GWカード8からのブロードキャストパケットを受信した通信カード1は、GWカード8に応答する。応答パケットには、通信カード設定情報と通信カード1が挿入されている健康機器の健康機器設定情報を含める。このとき、通信カード1にGWカード8のアドレスなどの通信設定情報を記録しておいても良い。
【0105】
<ステップS3>
通信カード1からの応答パケットの情報として、通信カード設定情報と健康機器設定情報を内部メモリに記憶する。なお、健康機器情報はローカル通信によって通信カード1から取得する他に、WAN通信によってサーバ装置4から取得しても良い。
【0106】
<ステップS4>
GWカード8からGW装置に健康機器設定情報を送り、GW装置のサービスダウンロード機能を実行する。
【0107】
<ステップS5>
GW装置3より、健康機器設定情報に合わせたサービスのダウンロード要求をサーバ装置4に行う。なお、ステップS4とステップS5において、ダウンロード要求に用いる情報はユーザ情報や既にGWカード8内で取得しているサービス情報を用いても良い。
【0108】
<ステップS6>
サーバ装置4では、ユーザ毎もしくは健康機器毎にサービス情報を管理している。GW装置3からダウンロード要求を受け取ると、健康機器設定情報に合わせたサービス情報を探索し、GW装置3に応答する。なお、ここで用いるサーバ装置4は、ユーザの生体情報を用いるサーバ装置と同じ装置でも、異なった装置でも良い。
【0109】
<ステップS7>
GW装置よりGWカード8にサービス情報を転送し、GWカード8でサービス情報を記録する。記録されたサービス情報は、新たに健康機器2がつながった場合に利用することが可能となる。
【0110】
<ステップS8>
GWカード8より通信カード1へサービス情報を送る。通信カードで、健康機器設定情報に対応させてサービス情報を記録しておく。なお、GWカード8から通信カード1へのサービス情報の送信は、健康機器2へ計測動作を要求する場合の制御情報に含めて送るなど、計測時にまとめて行っても良い。
【0111】
<ステップS9>
通信カード1から通信カード1が挿入されている健康機器2へサービス情報を送り、健康機器2でサービスを実行する。なお、通信カード1でサービス情報を実行して、その結果を健康機器2に出力する方法でも良い。
【0112】
<ステップS10>
健康機器2でサービスや計測を実行する。計測やサービスはこれまでの実施の形態で述べた通りである。通信カード1に健康機器動作情報や情報蓄積動作情報が記録されている場合には、同様にして健康機器2の動作を制御する。
【0113】
<ステップS11>
健康機器2が計測によって取得した生体情報を通信カード1に送る。通信カード1がGWカード8と通信が確立できていない場合や、情報蓄積動作情報によって生体情報を蓄積する場合には、通信カード1もしくは健康機器2に生体情報を記録しておく。
【0114】
<ステップS12>
通信カード1よりGWカード8へ生体情報やサーバ装置接続情報を含めた通信パケットを送信する。
【0115】
<ステップS13>
GWカード8はサーバ装置接続情報を参照して、宛先となるサーバ装置4を決定する。宛先決定後にGW装置3のWAN通信インタフェース部を用いて通信パケットを転送する。なお、サーバ装置接続情報によって宛先を判定する機能はGW装置3に存在してもよい。
【0116】
(GWカードから複数の通信カードへの通信)
なお、通信カードを挿入した健康機器が複数存在するならば、ユーザの選択によって通信を行う健康機器を設定しても良い。
【0117】
図12は、本発明の実施の形態2におけるGWカードから複数の通信カードへの通信を示す図である。図12において、図9と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0118】
図12では、GWカード8を挿入したGW装置3が1台と、通信カード1を挿入した健康機器2が3台存在する。GWカード8は通信対象を探すために、探索を行う。各通信カード1は、GWカードからの探索を受信すると、応答を返信する。通信カードが複数ある場合には同時に応答を返信すると衝突が起こるため、時分割多重等のマルチアクセス方式を用いる。
【0119】
なお、GWカード8が予め通信カード1の情報を保持している場合には、探索パケットをブロードキャストで送るのではなく、探索パケットで通信カード1を指定して時間を変えて送ることで、応答パケットの衝突を回避しても良い。
【0120】
(健康機器の選択)
通信カード1からの応答がGWカード8によって集められると、GW装置3で応答に含まれる通信カードや健康機器の情報を表示して、ユーザに選択させる。
【0121】
図13は、本発明の実施の形態2におけるユーザによる健康機器の選択の一例を示す図である。
【0122】
図13において、GW装置3の画面には、応答によって集められた健康機器の情報が表示されており、使用する健康機器をユーザが選択することが可能である。例えば、図に示す通り、「体重計」、「血糖計」、「体温計」の3つの健康機器が表示されていると、ユーザはその中から使用する健康機器を選択することができる。ユーザが健康機器を選択すると、選択された健康機器に挿入されている通信カードへ設定情報を送り、サービスを開始する。
【0123】
なお、健康機器の情報の他、通信カードの情報を表示してユーザに選択させても良い。また、予めサービスなどで使用する健康機器が決定している場合や、通信カード選択アルゴリズムが決定している場合には、ユーザの選択を行わなくとも良い。
【0124】
(実施の形態3)
(通信カードを持ち運ぶ場合のサービス実施の一例)
これまでの実施の形態では、健康機器1つに対して1つの通信カードが割り当てられているが、複数の健康機器がある場合でも、1つの通信カードを用いても良い。
【0125】
図14は、本発明の実施の形態3における通信カードを持ち運ぶ場合のサービス実施の一例を示す図である。図14において、図4と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0126】
通信カード1には、予め設定情報が記録されている。サービス情報は、体重データと血糖データを取得して健康管理するためのサービス情報や健康機器の動作を設定する情報である。例えば、設定情報に、体重データと血糖データを収集するサービスが含まれているとする。
【0127】
通信カード1が体重計2aに挿入されている場合には、体重計2aで計測した体重データ131が通信カード1に記録される。この通信カード1を一旦抜いて持ち運び、血糖計2bに挿入する。血糖計2bでは、計測によって血糖データ132を通信カード1に記録する。このとき、設定情報の必要な体重データと血糖データが通信カード1内に揃ったため、通信パケットとして、サーバ装置4宛に送信する。
【0128】
このように、通信カード内に生体情報を一旦記録しておき、サービスの内容に関連させて、他の生体情報と共に通信パケットとして送信しても良い。このとき、通信カード内の生体情報の記録期間を生体情報の種別、もしくはサービス毎に決定しておき、記録期間が経過した生体情報は使用しなくとも良い。
【0129】
(実施の形態4)
(情報機器の利用)
図15は、本発明の実施の形態4における健康管理システムの全体を示す図である。図15において、図9と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0130】
本発明の実施の形態4では、実施の形態2に対して通信カードを挿入した情報機器を使用するところが異なる。
【0131】
図15において、情報機器9はユーザが所有している機器であり、例としては、携帯電話、PAD、携帯用のMP3プレイヤーやSDオーディオなどが挙げられる。情報機器9には、通信カード1を挿入するコネクタ、スロットが搭載されている。
【0132】
通信カード1を情報機器9に挿入すると、健康機器2で計測した生体情報を取得したり、GWカード8へ取得した生体情報を送信したりすることが可能となる。
【0133】
また、通信カード1のサービス情報を利用することで、情報機器が元から持つ機能に、新しくメニューと機能を追加する。
【0134】
(情報機器へのサービス追加例)
図16は、本発明の実施の形態4における情報機器へのサービス追加の一例を示す図である。図16において、図15と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0135】
図16で、情報機器9を例えばMP3ファイルやMPEGファイルを再生する携帯音楽プレイヤーとする。通信カード1を挿入していない場合の情報機器9のメニューは「1.Music」と「2.Video」である。例えば、「1.Music」は情報機器9でMP3を再生して音楽を聴くサービス、「2.Video」はMPEGファイルを再生して動画を視聴するサービスである。
【0136】
ここで、情報機器9に通信カード1を挿入すると、新たにメニューとして「3.健康機器設定」と「4.計測データ取得」が表示される。例えば、「3.健康機器設定」は、健康機器にアクセスして状態を設定するサービスであり、「4.計測データ取得」は、健康機器から計測データを取得するサービスである。このサービスに必要な情報は通信カード1から供給され、情報機器9内で実施される。
【0137】
<その他の実施形態例>
本発明における通信カードとGWカードは、挿入される機器に応じて様々な通信インタフェースを持つことがある。
【0138】
図17から図20に、本発明におけるその他の通信カードとGWカードの通信インタフェースの形態を示す。
【0139】
(1) GW装置に2枚のカードを挿入
図17は、本発明においてGW装置に通信カードとGWカードが挿入されている形態を示す図である。
【0140】
GW装置3に挿入されている通信カード1は、健康機器に挿入されている通信カードとPAN(Private Area Network)通信を行う。また、GW装置3に挿入されているGWカード8はWAN(Wide Area Network)通信によってサーバ装置と通信を行う。このとき、通信カード1が健康機器の設定や生体情報の収集を行い、GWカード8によって生体情報をサーバ装置へと転送する。
【0141】
このように、GW装置3に通信カード1とGWカードの2枚を挿すことによって、健康システムを構成しても良い。
【0142】
(2) GWカードに2つの通信インタフェースを実装
図18は、本発明においてGW装置に挿入されているGWカードがPAN通信とWAN通信のインタフェースを持つ形態を示す図である。
【0143】
GW装置3に挿入されているGWカード8は、2つの通信インタフェースを持ち、通信カードと通信する場合にはPAN通信で、サーバ装置と通信する場合にはWAN通信で行う。このように、GWカード8内に2つの通信インタフェースを実装しても良い。また、このGWカードを通信カードに置き換えても良い。
【0144】
(3) GW装置がPAN通信機能を保持
図19は、本発明においてGW装置がPAN通信機能を持つ形態を示す図である。
【0145】
GW装置3がPAN通信機能のみを持つ場合には、GWカード8にWAN通信インタフェースを実装することでサーバ装置と接続する。このように、GWカード8にWAN通信インタフェースを実装しても良い。
【0146】
(4) 健康機器にGWカードを挿入
図20は、本発明において健康機器にGWカードを挿入した形態を示す図である。
【0147】
GWカード8を健康機器2に挿入する場合には、GWカードのWAN通信機能を用いてサーバ装置と通信を行ってもよい。このとき、健康機器2で計測したユーザの生体情報は、GW装置を介さずにサーバ装置へと送られる。
【産業上の利用可能性】
【0148】
本発明にかかる健康管理システムは、健康機器に挿入する通信カードを有し、生体情報を収集するシステムとして有用である。また医療保険システム等の用途にも応用できる。
【図面の簡単な説明】
【0149】
【図1】本発明の実施の形態1における健康管理システムの全体を示す図
【図2】本発明の実施の形態1における通信カードと健康機器を示す図
【図3】本発明の実施の形態1における通信シーケンスの一例を示す図
【図4】本発明の実施の形態1における通信カードの配布を示す図
【図5】本発明の実施の形態1における配布される通信カードの例を示す図
【図6】本発明の実施の形態1における複数のユーザ情報を含む通信カードの例を示す図
【図7】本発明の実施の形態1における使用ユーザ毎の健康機器の操作例を示す図
【図8】本発明の実施の形態1における血糖計へのサービス追加例を示す図
【図9】本発明の実施の形態2における健康管理システムの全体を示す図
【図10】本発明の実施の形態2におけるGWカードとGW装置を示す図
【図11】本発明の実施の形態2におけるサービス情報ダウンロードの通信シーケンスの一例を示す図
【図12】本発明の実施の形態2におけるGWカードから複数の通信カードへの通信を示す図
【図13】本発明の実施の形態2におけるユーザによる健康機器の選択の一例を示す図
【図14】本発明の実施の形態3における通信カードを持ち運ぶ場合のサービス実施の一例を示す図
【図15】本発明の実施の形態4における健康管理システムの全体を示す図
【図16】本発明の実施の形態4における情報機器へのサービス追加の一例を示す図
【図17】本発明においてGW装置に通信カードとGWカードが挿入されている形態を示す図
【図18】本発明においてGW装置に挿入されているGWカードがPAN通信とWAN通信のインタフェースを持つ形態を示す図
【図19】本発明においてGW装置がPAN通信機能を持つ形態を示す図
【図20】本発明において健康機器にGWカードを挿入した形態を示す図
【符号の説明】
【0150】
1 通信カード
11 情報蓄積部
12 外部通信インタフェース部
13 カード通信インタフェース部
14 健康機器認識部
15 通信パケット
16 宛先判定部
17a,17b 設定情報
2 健康機器
21 通信カードスロット
22 センサ機能
23 サービス実施機能
24 サービス表示機能
25 サービス選択機能
3 GW装置
31 GWカードスロット
32 WAN通信インタフェース部
33 情報入力機能
34 情報表示機能
35 通信設定機能
36 サービスダウンロード機能
4 サーバ装置
5 ネットワーク
6 ASP
7 ユーザ宅
8 GWカード
81 情報蓄積部
82 ローカル通信インタフェース部
83 カード通信インタフェース部
84 通信カード探索機能
85 サーバ宛先判定機能
9 情報機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体情報を管理、処理するためのサーバ装置と、
ユーザが生体情報を計測する健康機器と、
健康機器に挿入して使用する通信カードとから構成される健康管理システムにおいて、
通信カードに健康機器動作情報及びサーバ装置接続情報を格納し、
前記健康機器動作情報に従って健康機器を動作させて生体情報を計測し、
前記サーバ装置接続情報に従って、健康機器で計測した生体情報を通信カードからサーバ装置へ転送する
ことを特徴とする健康管理システム。
【請求項2】
前記通信カードに、ユーザ毎にカスタマイズされた健康機器動作情報及びサーバ装置接続情報が複数個格納されており、
ユーザに応じて前記健康機器動作情報または前記サーバ装置接続情報を選択する
ことを特徴とする請求項1に記載の健康管理システム。
【請求項3】
前記通信カードに、健康機器の計測周期や生体情報の蓄積周期を調整するための情報蓄積動作情報が格納されており、
通信状態や健康機器の動作状態に応じて、健康機器の計測周期や生体情報の蓄積周期を調整する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の健康管理システム。
【請求項4】
前記通信カードに、健康機器毎にカスタマイズされた健康機器動作情報及び情報蓄積動作情報が複数個格納されており、
健康機器の種別に応じて前記健康機器動作情報または前記情報蓄積動作情報を選択する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の健康管理システム。
【請求項5】
前記通信カードに、ユーザが健康機器を操作するためのサービス情報が格納されており、
健康機器が前記サービス情報を前記通信カードより取得して実行する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の健康管理システム。
【請求項6】
前記通信カードに、ユーザが健康機器を操作するためのサービス情報が複数個格納されており、
健康機器が前記健康機器の種別や動作状況によってサービス情報を選択し、前記サービス情報を前記通信カードより取得して実行する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の健康管理システム。
【請求項7】
前記通信カードに、ユーザの生体情報が格納されており、
健康機器が実行するサービスで前記生体情報が関連していれば利用する
ことを特徴とする請求項5又は6記載の健康管理システム。
【請求項8】
前記通信カードに保持される生体情報は、情報の種別またはサービスの内容によって保持期限が設定されている
ことを特徴とする請求項7記載の健康管理システム。
【請求項9】
前記通信カードがサーバ装置と直接通信できない場合、健康機器で計測した生体情報をGW装置に転送し、GW装置がサーバ装置接続情報を参照して生体情報をサーバへ転送する
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の健康管理システム。
【請求項10】
前記通信カードと前記GW装置の通信が非IP通信で、前記GW装置と前記サーバ装置との通信がIP通信である
ことを特徴とする請求項9に記載の健康管理システム。
【請求項11】
前記通信カードが近距離無線通信インタフェースを搭載している場合には、GW装置と通信する
ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の健康管理システム。
【請求項12】
前記通信カードが遠距離無線通信インタフェースを搭載している場合には、サーバ装置と通信する
ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の健康管理システム。
【請求項13】
前記通信カードが近距離無線通信インタフェースと遠距離無線通信インタフェースを搭載している場合には、通信状況に応じてGW装置またはサーバ装置と通信する
ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の健康管理システム。
【請求項14】
前記通信カードは、大容量記憶メモリを具備し、
補助記憶装置としても使用できるコンボカードである
ことを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の健康管理システム。
【請求項15】
生体情報を管理、処理するためのサーバ装置と、
ユーザが生体情報を計測する健康機器と、
健康機器に挿入して使用する通信カードとから構成される健康管理システムにおいて、
健康機器動作情報及びサーバ装置接続情報を格納し、
前記健康機器動作情報に従って健康機器を動作させて生体情報を計測し、
健康機器で計測した生体情報を前記サーバ装置接続情報と共に送信する
ことを特徴とする通信カード。
【請求項16】
ユーザ毎にカスタマイズされた健康機器動作情報及びサーバ装置接続情報が複数個格納されており、
ユーザに応じて前記健康機器動作情報または前記サーバ装置接続情報を選択する
ことを特徴とする請求項15に記載の通信カード。
【請求項17】
健康機器の計測周期や生体情報の蓄積周期を調整するための情報蓄積動作情報が格納されており、
通信状態や健康機器の動作状態に応じて、健康機器の計測周期や生体情報の蓄積周期を調整する
ことを特徴とする請求項15又は16に記載の通信カード。
【請求項18】
健康機器毎にカスタマイズされた健康機器動作情報及び情報蓄積動作情報が複数個格納されており、
健康機器の種別に応じて前記健康機器動作情報または前記情報蓄積動作情報を選択する
ことを特徴とする請求項15又は16に記載の通信カード。
【請求項19】
ユーザが健康機器を操作するためのサービス情報が格納されており、
健康機器が前記サービス情報を前記通信カードより取得して実行する
ことを特徴とする請求項15〜18のいずれか1項に記載の通信カード。
【請求項20】
ユーザが健康機器を操作するためのサービス情報が複数個格納されており、
健康機器が前記健康機器の種別や動作状況によってサービス情報を選択し、前記サービス情報を前記通信カードより取得して実行する
ことを特徴とする請求項15〜19のいずれか1項に記載の通信カード。
【請求項21】
ユーザの生体情報が格納されており、
健康機器が実行するサービスで前記生体情報が関連していれば利用する
ことを特徴とする請求項20に記載の通信カード。
【請求項22】
前記保持される生体情報は、情報の種別またはサービスの内容によって保持期限が設定されている
ことを特徴とする請求項21に記載の通信カード。
【請求項23】
前記サーバ装置と直接通信できない場合に、健康機器で計測した生体情報をサーバ装置接続情報と共にGW装置に転送する
ことを特徴とする請求項15〜22のいずれか1項に記載の通信カード。
【請求項24】
近距離無線通信インタフェースを搭載している場合には、GW装置と通信する
ことを特徴とする請求項15〜23のいずれか1項に記載の通信カード。
【請求項25】
遠距離無線通信インタフェースを搭載している場合には、サーバ装置と通信する
ことを特徴とする請求項15〜23のいずれか1項に記載の通信カード。
【請求項26】
近距離無線通信インタフェースと遠距離無線通信インタフェースを搭載している場合には、通信状況に応じてGW装置またはサーバ装置と通信する
ことを特徴とする請求項15〜23のいずれか1項に記載の通信カード。
【請求項27】
大容量記憶メモリを具備し、
補助記憶装置としても使用できるコンボカードである
ことを特徴とする請求項15〜26のいずれか1項に記載の通信カード。
【請求項28】
生体情報を管理、処理するためのサーバ装置と、
ユーザが生体情報を計測する健康機器と、
健康機器に挿入して使用する通信カードと、
通信カードから生体情報を取得しサーバ装置へと送受信するGW装置と、
前記GW装置に挿入して使用するGWカードとから構成される健康管理システムにおいて、
通信カードに健康機器動作情報及びサーバ装置接続情報を格納し、
前記健康機器動作情報に従って健康機器を動作させて生体情報を計測し、
通信カードよりGWカードに前記生体情報を送信し、
GWカードで前記サーバ装置接続情報を参照して、サーバ装置に生体情報を転送する
ことを特徴とする健康管理システム。
【請求項29】
前記GWカードは、通信カードを探索する手段を備え、
前記GWカードが通信カード設定情報と健康機器設定情報を収集する
ことを特徴とする請求項28に記載の健康管理システム。
【請求項30】
前記GWカードは、ユーザが健康機器を操作するためのサービス情報をサーバ装置からダウンロードする手段を備え、
前記健康機器設定情報に応じてダウンロードするサービス情報を設定する
ことを特徴とする請求項28又は29に記載の健康管理システム。
【請求項31】
前記GWカードは、サーバ装置との遠距離通信手段を具備し、
前記GWカードを健康機器に挿入した場合に、健康機器で計測された生体情報をサーバ装置へと送る
ことを特徴とする請求項28〜30のいずれか1項に記載の健康管理システム。
【請求項32】
生体情報を管理、処理するためのサーバ装置と、
ユーザが生体情報を計測する健康機器と、
健康機器に挿入して使用する通信カードと、
通信カードから生体情報を取得しサーバ装置へと送受信するGW装置と、
前記GW装置に挿入して使用するGWカードと、
ユーザが携帯する情報端末と、
前記情報端末に挿入して使用する情報端末カードとから構成される健康管理システムにおいて、
通信カードに健康機器動作情報及びサーバ装置接続情報を格納し、
前記健康機器動作情報に従って健康機器を動作させて生体情報を計測し、
通信カードより情報端末カードに前記生体情報を送信し、
情報端末カードよりGWカードへ前記生体情報を転送し、
GWカードで前記サーバ装置接続情報を参照して、サーバ装置に生体情報を転送する
ことを特徴とする健康管理システム。
【請求項33】
前記情報端末は、通信カードを挿入するとサービス情報を取得し、新規にメニューを表示してサービスを実施する
ことを特徴とする請求項32に記載の健康管理システム。
【請求項34】
前記通信カードは、請求項15〜25に記載の通信カードである
ことを特徴とする請求項28〜33のいずれか1項に記載の健康管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2009−95570(P2009−95570A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−271850(P2007−271850)
【出願日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.ZIGBEE
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】