説明

健康管理装置、およびナビゲーションシステム

【課題】
使用者が実際に食事を行う時点での消費熱量の導出精度を向上させ、摂取可能な食事に関する正確な情報を使用者に通知する。
【解決手段】
使用者の運動量に応じて使用者の摂取可能な食事を検索し、食事に関する情報を通知する健康管理装置において、店舗を特定する店舗名情報と、店舗が顧客に提供する食事のメニュー情報と、食事の熱量を示す補給熱量情報とを夫々対応づけて、食事情報502として記憶する記憶部500と、使用者が摂取可能な食事を検索する前に行った運動で消費した第1の消費熱量Qwと、使用者が検索の後に行う運動で消費する第2の消費熱量Qeとに基づいて使用者の第3の消費熱量Qtを導出する熱量導出部101と、記憶部500に記憶された食事情報502の中から、補給熱量情報が示す熱量が第3の消費熱量Qt以下の食事を提供する店舗の店舗名情報とメニュー情報とを抽出する抽出部と、抽出部により抽出された店舗名情報とメニュー情報とを通知する通知部200とを備えたことを特徴とする健康管理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、使用者が運動によって消費する消費熱量に応じて摂取可能な食事に関する情報を通知する健康管理装置及びそれを搭載したナビゲーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、運動によって消費する消費熱量と食事によって摂取する摂取熱量のバランスを取ることが、糖尿病などの生活習慣病や肥満の予防になると言われている。このため、従来から、消費熱量と摂取熱量のバランスを管理する健康管理システム(特許文献1)が提案されている。具体的には、使用者は、トレーニングジム等での所定の運動による消費熱量を健康管理センターに送る。そして、健康管理センターでは、消費熱量と摂取熱量に応じた食事を食材加工宅配センターに通知し、食材加工宅配センターでは通知された食事の材料を、使用者の自宅に送付することによって、使用者が通知された食事を行なえるようにする。
【特許文献1】特開2002−222265号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このような従来の健康管理装置は、トレーニングジム等での所定の運動により消費した熱量に基づいて摂取する食事が決められる。しかし、食事の種類を決めてから、使用者が実際に食事を行うまでに消費する熱量については考慮していないため、これを考慮すれば、摂取できる食事の情報を使用者には通知できないという欠点があった。
【0004】
本発明は、上記従来例の欠点に鑑み為されたものであり、使用者が実際に食事を行う時点での消費熱量の導出精度を向上させ、摂取可能な食事に関する正確な情報を使用者に通知することができる健康管理装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
また、本発明は、使用者が摂取可能な食事に関する正確な情報を通知することができるナビゲーションシステムを提供することを目的とするものである、
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、使用者の運動量に応じて前記使用者の摂取可能な食事を検索し、該食事に関する情報を通知する健康管理装置において、店舗を特定する店舗名情報と、前記店舗が顧客に提供する食事のメニュー情報と、前記食事の熱量を示す補給熱量情報とを夫々対応づけて、食事情報として記憶する記憶部と、前記使用者が摂取可能な食事を検索する前に行った運動で消費した第1の消費熱量と、前記使用者が前記検索の後に行う運動で消費する第2の消費熱量とに基づいて前記使用者の第3の消費熱量を導出する熱量導出部と、前記記憶部に記憶された前記食事情報の中から、前記補給熱量情報が示す熱量が前記第3の消費熱量以下の食事を提供する店舗の店舗名情報とメニュー情報とを抽出する抽出部と、前記抽出部により抽出された前記店舗名情報と前記メニュー情報とを通知する通知部とを備えたことを特徴とする健康管理装置である。
【0007】
このような健康管理装置では、使用者の運動量に応じて前記使用者の摂取可能な食事を検索し、検索の結果得られた摂取可能な食事に関する情報を通知するものである。そして、この検索をするときに、既に運動によって消費された第1の消費熱量だけでなく、前記使用者が前記検索の後に行う運動、例えば、店舗までの歩行運動によって消費する第2の消費熱量を考慮して使用者の第3の消費熱量を導出しているため、使用者が実際に食事を行う時点での消費熱量の導出精度が向上し、摂取可能な食事に関するより正確な情報を通知することが可能となる。
【0008】
本発明は、使用者の運動量に応じて前記使用者の摂取可能な食事を検索し、該食事に関する情報を通知する健康管理装置において、店舗を特定する店舗名情報と、前記店舗が顧客に提供する食事のメニュー情報と、前記食事の熱量を示す補給熱量情報とを夫々対応づけて、食事情報として記憶する記憶部と、食事の前記メニュー情報と、該メニュー情報が示す食事を提供する店舗の前記店舗名情報を入力するための入力部と、前記使用者が摂取可能な食事を検索する前に行った運動で消費した第1の消費熱量と、前記使用者が前記検索の後に行う運動で消費する第2の消費熱量とに基づいて前記使用者の第3の消費熱量を導出する熱量導出部と、前記記憶部に記憶された前記食事情報の中から、前記入力部によって入力された前記店舗名情報と前記メニュー情報とによって特定される食事の補給熱量情報を抽出する抽出部と、前記抽出部によって抽出された前記補給熱量情報が示す熱量と前記第3の消費熱量とを比較する比較部と、前記比較部の比較結果に応じた情報を通知する通知部とを備えたことを特徴とする健康管理装置である。
【0009】
このような健康管理装置では、使用者の運動量に応じて前記使用者の摂取可能な食事を検索し、検索の結果得られた摂取可能な食事に関する情報を通知するものである。そして、この検索をするときに、既に、これまでの運動によって消費された第1の消費熱量だけでなく、前記使用者が前記検索の後に行う運動、例えば、店舗までの歩行運動によって消費する第2の消費熱量を考慮して使用者の第3の消費熱量を導出しているため、使用者が実際に食事を行う時点での消費熱量の導出精度が向上し、摂取可能な食事に関するより正確な情報を通知することが可能となる。
【0010】
さらに、このような健康管理装置では、使用者は自由にメニュー情報や店舗名情報を入力することができ、入力したメニュー情報と店舗名情報とによって特定した食事の補給熱量情報が示す熱量と第3の消費熱量を比較して、比較結果に応じた情報、例えば、入力部によって入力された店舗名情報とメニュー情報によって特定される食事が摂取可能であるか否かを知らせる情報や、検索した食事が摂取不可である場合にどの程度運動すると良いかを示す情報を通知するので、使用者が摂取しようとする食事を運動量に応じて選択することを可能としながらも、摂取可能な食事に関する正確な情報を通知することが可能となる。
【0011】
また、上述の健康管理装置において、前記使用者の歩行運動における歩数を計数する歩数計数部を備え、前記第1の消費熱量は、前記歩数計数部により計数された歩数により算出された消費熱量である。
【0012】
また、上述の健康管理装置において、前記第2の消費熱量は、前記使用者が前記検索を行った位置から前記店舗まで歩行する際の消費熱量である。
【0013】
また、本発明のナビゲーションシステムは、使用者の現在位置から前記店舗までの経路を案内するナビゲーション装置と、上述の健康管理装置とを備え、前記熱量導出部は、前記経路に基づいて前記第2の消費熱量を算出することを特徴とする。この第2の消費熱量としては、例えば、店舗までの経路の道のりの長さに応じて、使用者がこの道のりを歩行するために消費するであろう熱量を第2の消費熱量として求めることができる。
【0014】
また、本発明のナビゲーションシステムは、使用者の現在位置から前記店舗までの経路を案内するナビゲーション装置と、上述の健康管理装置とを備え、前記熱量導出部は、前記経路に基づいて前記第2の消費熱量を算出し、前記通知部は、前記入力補給熱量情報が示す熱量が前記第3の消費熱量よりも大きい場合、前記入力店舗名情報の示す店舗までの迂回経路を通知することを特徴とする。この迂回経路としては、例えば、ナビゲーション装置が有する道路情報を用いて、使用者の現在位置から前記店舗までの経路より遠回りになる経路を迂回経路として探索することによって、得ることができる。さらに、上述のように通知部によって通知されるべき迂回経路の設定に関しては、使用者の現在位置から前記店舗までの道のりとしてこの迂回経路を歩行した場合の運動熱量を前記第2の消費熱量とした場合の前記第3の消費熱量が、入力補給熱量情報の示す熱量より大きくなるように設定することが可能である。
【発明の効果】
【0015】
本発明に依れば、使用者が実際に食事を行う時点での消費熱量の導出精度を向上させ、摂取可能な食事に関する正確な情報を通知することができる健康管理装置を提供することが可能となる。
【0016】
また、本発明に依れば、使用者が摂取可能な食事に関する正確な情報を通知することができるナビゲーションシステムを提供することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明では、使用者が摂取可能な食事の検索を行う前の運動によって消費する第1の消費熱量と、使用者が摂取可能な食事の検索を行った後の運動によって消費する第2の消費熱量とに基づいて導出される第3の消費熱量を使用する。第1の実施形態では、第3の消費熱量と食事の補給熱量とを比較して、摂取可能な食事を提供する店舗名情報とメニュー情報を通知する。第2の実施形態では、最初に使用者が摂取を希望する食事のメニュー情報とそのメニュー情報の食事を提供する店舗名情報とを入力して、入力したメニュー情報が示す食事の補給熱量と第3の消費熱量を比較して比較結果、具体的には、使用者が希望する食事が摂取可能であるか否か、否である場合にどの程度運動するとこの食事が摂取可能になるかを通知する。第1の実施形態、第2の実施形態それぞれ健康管理装置として用いる場合と、その健康管理装置を搭載したナビゲーションシステムとして用いる場合について述べる。
【実施例1】
【0018】
(第1の実施形態の健康管理装置)
実施例1では第1の実施形態における健康管理装置について述べる。この装置の詳細な構成について以下に図面を用いて説明する。
【0019】
図1に第1の実施形態の健康管理装置の構成図を示す。図1に示すように健康管理装置1は、熱量導出部101、店舗抽出部112とメニュー抽出部122とを有した抽出部102、表示部200、入力部300、歩数計数部400、記憶部500によって構成されている。
【0020】
入力部300は、テンキー、文字キー、矢印キーなどが配置されて構成されており、これらのキーを用いて、情報の入力が行われる。このとき、入力すべき情報としては、例えば、表示部200に表示される表示内容に従って、使用者が入力を行なうことができる。入力部300は、使用者によって、店舗名(入力店舗名情報)が入力されると、入力された入力店舗名情報を店舗抽出部112へ送出する。入力部は、現在位置情報が入力されると、入力された現在位置情報を熱量導出部101と店舗抽出部112へ送出する。また、入力部300は、使用者の年齢や性別、体重などの身体データが入力されると記憶部500に使用者の身体データを送出する。入力部300は、歩数計数部400で計数される歩数情報をリセットするための入力操作が使用者によってなされると、計数された歩数情報をリセットするリセット信号を歩数計数部400へ送出する。
【0021】
記憶部500は、図2(a)に示す構成の食事情報502を記憶しており、食事情報502を店舗抽出部112へ送出する。記憶部500は、入力部300より送出された使用者の身体データを記憶し、身体データを熱量導出部101に送出する。
【0022】
ここで、まず、記憶部500に記憶される食事情報502について以下に説明する。図2(a)に示されているように、食事情報502は、店舗名M01、即ち、店舗を特定する店舗名情報と、メニューM02、即ち、店舗が顧客に提供する食事のメニュー情報と、補給熱量M03(単位はKcal)、即ち、各メニューに対応する食事の熱量を示す補給熱量情報と、位置情報M04、即ち、店舗の住所情報を示す位置情報とが夫々対応づけてられて記憶されたものである。そして、これらの食事情報は、各店舗毎D01、D02、…に記憶されている。以下、各店舗別D01、D02、D03・・食事情報(店舗名M01、メニューM02、補給熱量M03、店舗位置情報M04)を店舗データと呼ぶことにする。加えて、補給熱量情報を補給熱量と呼ぶことにする。具体的には、店舗データD01が示す店舗の場合、店舗名M01が○○喫茶D01であり、メニューM02には、バニラアイス、プリン、チョコパフェがあり、それぞれのメニューの示す食事の補給熱量M03が100[Kcal]、200[Kcal]、500[Kcal]であることを示している。また、○○喫茶の位置情報M04としてその住所が○×市△△1−2であることを示している。尚、本実施例では説明の都合上、3つの店舗データD01〜D03を用いて説明するが、これに限られることはない。
【0023】
図1に基づいて、さらに、歩数計数部400などの説明を行う。
【0024】
歩数計数部400は、使用者の歩数をカウント(計数)し、計数した歩数の歩数情報を熱量導出部101に送出する。歩数計数部400は、リセット信号が入力された場合に、計数していた歩数を0にリセットする。使用者は、歩数計数部400の計数をリセットする入力操作を、例えば、食事を取る度にリセットするようにすると良い。歩数計数部400の歩数をカウントする手段は、計数した歩数情報を電気信号として取り出せるものであれば、その具体的な構成は問わない。例えば、振動センサーを用いて、使用者の歩行に合わせて起こる上下の振動を検知してカウントする手段や、加速度センサーを用いることで検知できる使用者が歩行するときの加速度を検知してカウントする手段など種々の手段が考えられる。
【0025】
抽出部102は、店舗抽出部112とメニュー抽出部122を用いて、記憶部に記憶された食事情報の中から、補給熱量が後述する第3の消費熱量以下の食事のメニュー情報と、そのメニュー情報が示す食事を提供する店舗の店舗名情報とを抽出する。
【0026】
店舗抽出部112は、記憶部500に記憶された食事情報502の中から、所定の条件の店舗データを抽出する。店舗抽出部112は、入力した現在位置情報と、食事情報502の店舗位置情報に基づいて、近隣の店舗に相当する店舗データを抽出して近隣食事情報として生成し、近隣食事情報を表示部200へ送出する。店舗抽出部112は、入力部300より送出された入力店舗名情報を含む店舗データ(以下、入力店舗データ)を近隣食事情報の中から抽出し、入力店舗データをメニュー抽出部122と表示部200と熱量導出部101へ送出する。入力店舗データの抽出は、近隣食事情報の店舗データの中から入力店舗名情報と一致する店舗名情報を有する店舗データを抽出することで行なう。
【0027】
ここで近隣とは、使用者が現在位置から歩行によってたどり着くことが可能な距離をさす。近隣の店舗に相当する店舗データを抽出するには、例えば、現在位置から所定距離の半径、例えば、5[Km]を抽出条件として、抽出条件の範囲に入る店舗を抽出する。例えば、5Kmであれば、通常1時間程度で歩行できる距離であるので、抽出条件とするには相応しいが、使用者の体力や身体情報に基づいて、調整できるうようにすることがこのましい。現在位置と店舗との距離は、現在位置の位置座標と店舗データの店舗の住所から判断できる店舗の位置座標とを比較することで求める。図2(b)は、食事情報502から抽出された近隣食事情報512を示す。ここでは、店舗情報502から店舗データD01、D02が近隣の店舗の店舗データとして判断されて抽出され近隣食事情報512を構成している。
【0028】
メニュー抽出部122は、熱量導出部101から送出される使用者が食事を行う時点での消費熱量(詳細は後述する)を入力し、入力店舗データの示す店舗が提供する食事の補給熱量と消費熱量を比較して、補給熱量が消費熱量以下の食事のメニュー情報を抽出する。ここで、抽出されたメニュー情報が示す食事が、使用者の運動量に応じて前記使用者が摂取可能な食事である。メニュー抽出部122は、抽出したメニュー情報を表示部200へ送出する。
【0029】
熱量導出部101は、入力店舗データの店舗位置情報と現在位置情報に基づいて、使用者の現在位置から入力店舗データが示す店舗までの距離に基づいて入力店舗距離を算出する。入力店舗距離は、使用者の現在地から店舗まで直線の経路で結ばれることは稀なので、その経路は直線距離よりも長くなることを考慮にいれて求める。具体的には、熱量導出部101は、入力店舗データの位置情報から入力された店舗の位置座標を算出し、現在位置の位置座標と店舗の位置座標とに基づいて直線距離を算出し、直線距離に所定の定数(例えば、1.4)を乗じて入力店舗距離を求める。この所定の定数の値としては、この例の場合前述のように1.4としているが、平均的或いは統計的な観点から定めることが出来る。熱量導出部101は、入力店舗距離の距離情報、歩数情報、身体データに基づいて、食事検索する前に行なった運動で消費する第1の消費熱量と、食事検索の後に行う運動で消費するであろう第2の消費熱量とを算出する。熱量導出部101は、第1、第2の消費熱量に基づいて、例えば、第1の消費熱量に第2の消費熱量を加えることによって、第3の消費熱量を導出する。熱量導出部101は、第3の消費熱量を、使用者が食事を行う時点での消費熱量としてメニュー抽出部122に送出する。
【0030】
ここで、前述した使用者が食事を行う時点での消費熱量(第3の消費熱量)を導出する方法について、具体的に以下に述べる。
【0031】
使用者が歩行するときの消費熱量は、歩数に比例するため、熱量をQ、歩数をP、歩数による重みをKp(Kpは正の数)とすると、熱量Qは、KpとPの積であるQ=KpPで求めることが出来る。また、さらに熱量は体重と比例して変化し、性別によっても変化するので体重による重みをKw(Kwは正の数)、性別による重みをKsとすると、KwとKsとKpとPの積であるQ=KwKsKpPで求めることが出来る。
【0032】
以下に、Kw、Ks、Kpの導出例について記載する。
【0033】
Kpは、事前に実験を行う事によってに求めることができる。具体的には、標準体重(例えば、60[Kg])の被験者を複数人集めて歩行運動させた場合に、横軸を歩数P、縦軸を歩数によって消費する熱量Qとしてプロットし、一次式によって近似する。このときの傾きがKpとなる。
【0034】
Kwは、消費熱量Qが体重に比例して増えることを利用する重み係数なので、Kw=W/Whで求めることができる。ここでWは使用者の体重であり、Whは標準体重である。
【0035】
Ksは、Kpと同様に事前に実験を行うことによって求めることができる。具体的には、標準体重の被験者を男性と女性それぞれ複数人集めて歩行運動させ、横軸を歩数P、縦軸を歩数によって消費する熱量Qとしてプロットし、男性、女性毎に一次式によって近似する。男性の実験結果における一次式の傾きをKpm、女性の実験結果における一次式の傾きをKpwとした時に、Ksは、男性の時に、Ks=Kpm/Kpとなり、女性の場合にKs=Kpw/Kpとなる。
【0036】
使用者が食事を行うまでの歩行により消費した第3の消費熱量Qtは、使用者が本発明の健康管理装置を用いて食事に関する情報を検索するまでに消費した第1の消費熱量Qw、即ち、歩数計数部400で計数された歩数に基づいて計算される熱量と、検索の後に使用者が歩行して消費するであろう第2の消費熱量Qeとの和で表すことが出来る。よって、Qt=Qw+Qe=KwKsKp(Pw+Pe)となる。ここで、Pwは、検索を行うまでに使用者が実際に歩行した歩数であり、Peは検索の後に使用者が現在位置から店舗まで歩行によって移動するために必要な歩数である。Peは、現在位置から店舗までの距離(入力店舗距離)をLとし、使用者の歩幅をWとすると、Pe=L/Wによって求めることが出来る。よって、使用者が食事を行うまでの歩行により消費した第3の消費熱量QtはQt=KwKsKp(Pw+L/W)によって求めることが出来る。尚、この第3の消費熱熱量を導出する際には、使用者の基礎代謝によって消費する熱量を加味することによってこの第3の消費熱量Qtを推定することもできる。例えば、前回の食事から次の食事までの時間やその時間帯の特性を考慮して推定できる基礎代謝によって消費するであろう熱量を前述の第1の消費熱量Qwと第2の消費熱量Qeに加えて第3の消費熱量Qtを推定することができる。あるいは、第1の消費熱量Qwと第2の消費熱量Qeとの算出において、既に基礎代謝による消費熱量が考慮されている場合には、別途基礎代謝による消費熱量を算出して加える必要はない。
【0037】
表示部200は、液晶ディスプレイや有機ELなどの表示装置が利用される。また、表示部200は、近隣食事情報512、入力店舗データなど、入力部300による入力に必要な情報を表示する。また、表示部200は、抽出部102より送出される入力店舗データ、メニュー情報など使用者の摂取可能な食事を表示することで通知部としての機能を果たす。
【0038】
図3に、実施例1の健康管理装置を使用した場合の表示部200の画面の遷移を示す。健康管理装置1の動作が開始されると、図3(a)に示すように、表示部200は、「現在位置を表示して下さい」なる表示を行って、使用者の現在位置情報を入力する画面を表示する。
【0039】
次に、使用者が入力部300によって現在位置情報を入力すると、店舗抽出部112は、現在位置情報と食事情報502に基づいて、食事情報502の中から近隣の店舗の店舗データを抽出し、抽出した店舗データを近隣食事情報512として生成する。このときに店舗抽出部112は、生成した近隣食事情報512を表示部200に送出し、表示部200は、「店舗を選択して下さい」なる表示を行なって、近隣食事情報512に含まれる店舗名情報を表示する(図3(b)参照)。ここでは、使用者が「○×市△△1−1」と入力したので、近隣の「○○喫茶」と「○×レストラン」の店舗名が近隣食事情報512の中から抽出されて表示されている。尚、現在位置情報の入力に際しては、使用者が位置する住所番地を直接入力することができる他、この入力部に地図情報を保存している場合には、この地図情報に基づく地図とポインタとを表示部300に重ねて表示した上で、使用者が入力部300の例えば矢印キーを操作して、現在位置を示した状態で、このとき前記ポインタが示す位置情報を現在位置情報として入力できるようにすることも可能である。
【0040】
次に、使用者は、表示部200を参照しつつ、入力部300を操作することで、近隣の店舗名の前に表示されているカーソルを動かして店舗を選択する。ここでは「○○喫茶」が選択されたものとする。選択された店舗名は入力店舗名情報として店舗抽出部112へ送出され、店舗抽出部112は、近隣食事情報512に含まれる店舗データから入力店舗データを抽出する。そして、店舗抽出部112は、入力店舗データを熱量導出部101とメニュー抽出部122へ送出する。
【0041】
この時点において現在位置情報と店舗の入力が完了し、健康管理装置1は、摂取可能な食事の検索を開始する。ここで検索とは、入力された情報から第3の消費熱量Qtを導出し、第3の消費熱量Qtと食事の熱量を示す補給熱量とを比較して、摂取可能な食事を提供する店舗名情報とメニュー情報を抽出する、即ち、使用者の摂取可能な食事を検索することを言う。
【0042】
摂取可能な食事の検索が開始されると、熱量導出部101は、抽出部102から入力店舗データを受け取り、入力店舗距離を算出する。そして、熱量導出部101には、記憶部500から身体データが、歩数計数部400から歩数情報がそれぞれ入力され、第3の消費熱量Qtの導出を開始する。熱量導出部101にて第3の消費熱量Qtが演算が完了すると、熱量導出部101はメニュー抽出部122へ第3の消費熱量Qtを送出する。そして、メニュー抽出部122は、入力店舗データの示す店舗が提供する食事の補給熱量と第3の消費熱量Qtとを比較して、補給熱量が第3の消費熱量Qt以下の食事のメニュー情報を抽出する。
【0043】
この時点で摂取可能な食事の検索が完了し、抽出されたメニュー情報は入力店舗データの店舗名情報と共に表示部300に送出されて表示される(図3(c)参照)。
【0044】
図3(c)は、第3の消費熱量Qtが300[Kcal]である場合の表示内容である。図3(c)に示されるように、表示部200には、補給熱量が消費熱量Qt以下の「バニラアイス(100[Kcal])」と「プリン(200[Kcal])」が表示され、補給熱量が消費熱量Qtより大きい、「チョコパフェ(500[Kcal])」が表示されていない。また、図3(c)に示すように、表示部200に、使用者が食事を行うまでの歩行により消費した第3の消費熱量Qtを表示させても良い。
【0045】
この様にすることで、食事検索前に行った運動(歩行運動)によって消費される第1の消費熱量Qwだけでなく、食事検索後に行なう運動(歩行運動)によって消費される第2の消費熱量Qeを考慮に入れて、使用者が食事を行うまでの運動(歩行運動)により消費した第3の消費熱量Qtを求める。そして、第3の消費熱量Qtに基づいて食事の摂取可能な店舗名情報(入力店舗データの店舗名情報)とメニュー情報を表示するようにしたので、使用者が実際に食事を行う時点での消費熱量の導出精度が向上し、摂取可能な食事に関する正確な情報を通知することができる。
【0046】
実施例1では、入力部300に現在位置情報を入力して熱量導出部101が入力店舗距離を導出していたが、入力部300で使用者が入力店舗距離を直接入力するようにしても良い。また、現在位置情報に替えて、入力店舗距離と関係のある情報、例えば、入力店舗距離と比例関係のある現在位置から店舗に到達するまでにかかる時間、現在位置から店舗までの歩数などの情報を入力部300に入力しても良い。この場合、予め記憶部500に前述の比例関係を記憶しておき、熱量導出部101は、比例関係に基づいて入力店舗距離を導出することとなる。
【0047】
実施例1では、近隣店舗情報512を抽出する際の現在位置から店舗までの距離の抽出条件を一定の値、例えば、5Kmにしていたが、使用者によって歩行でたどり着くことが可能な距離は異なるので、検索範囲を変更可能としても良い。例えば、使用者が入力部300に抽出条件の範囲を入力するようにしても良いし、予め歩行によってたどり着くことが可能な距離と相関のある身体データ、例えば、年齢などを記録しておき、身体データに応じて検索範囲を導出するようにしても良い。この様にすることで、体力のある使用者はより遠くの店舗まで選択することが可能となり、逆に、体力のない使用者は歩行でたどり着くことが不可能な店舗を予め店舗の選択時に除外することができるので、使用者の体力に合わせて店舗の選択が可能となる健康管理装置1を提供できる。
【0048】
また、実施例1では、摂取可能な食事のメニュー情報のみを表示したが、摂取不可能な食事のメニュー情報を同時に表示しても良い。この場合、摂取可能な食事のメニュー情報と摂取不可能なメニュー情報とが区別できるように、例えば、摂取可能な食事という表示と共に摂取可能な食事のメニューを表示し、摂取不可能な食事という表示と共に摂取不可能な食事のメニューを表示するなどして区別する。
【0049】
以上に述べました実施例1の健康管理装置1においては、使用者によって店舗名が入力される。そして、実施例1の健康管理装置1においては、入力された店舗まで使用者が歩行した場合に消費される第2の消費熱量Qeを考慮して、その店舗で食事できるメニューを使用者に通知することが出来る。この様な健康管理装置1を使用することによって、使用者は、好みのメニューを食事できることを動機付けとして、歩行運動の促進に取り組むことができる。
【実施例2】
【0050】
(第1の実施形態のナビゲーションシステム)
実施例2では、実施例1の健康管理装置を、従来のナビゲーション装置に適用したナビゲーションシステムについて述べる。実施例1では、使用者の現在位置情報を使用者が入力し、使用者の現在位置と店舗との距離を導出して第3の消費熱量Qtを求めたが、実施例2のナビゲーションシステムでは、ナビゲーションシステムによって使用者の現在位置を取得し、使用者の現在位置と店舗との直線の距離に基づくのではなく、使用者の現在位置から店舗までの経路から道のりを導出して、この道のりに基づいて第3の消費熱量Qtを求める。尚、本ナビゲーションシステムは可搬性を有しており、携帯して持ち運ぶことが出来る。
【0051】
図4は実施例2のナビゲーションシステムの構成図である。ナビゲーションシステム3は、図1に示すような実施例1の健康管理装置1と同様の健康管理装置10にナビゲーション装置2を追加して構成したものである。この場合の健康管理装置10は、基本的には、図1の構成と同じであるが、以下に詳述するように、入力部330、熱量導出部131、表示部230の動作が実施例1の場合と異なる。
【0052】
ナビゲーション装置2は、予め記憶されている地図データを表示部230に送出する。ナビゲーション装置2は、使用者の現在位置を示す現在位置情報を取得し、表示部230に送出する。ナビゲーション装置2は、目的地の位置情報が入力される。ナビゲーション装置2は、目的地の情報と、地図データと、現在位置情報に基づいて現在位置から目的地までの経路を導出し、入力部330と表示部230へ導出した経路の経路情報を送出する。ナビゲーション装置2は、現在位置とこの経路に基づいて、使用者に対して道案内を行う。
【0053】
図4の入力部330は、使用者からの入力を受け付けるだけではなく、ナビゲーション装置2から健康管理装置10へ送出される情報を入力するインタフェースとしての役割を果たす。具体的には、入力部330は、ナビゲーション装置2で導出された経路の経路情報を入力して、熱量導出部131へ送出する。
【0054】
熱量導出部131は、経路情報に基づいて第3の消費熱量Qtを導出する。第3の消費熱量Qtの導出は、経路情報に基づいて使用者の現在位置から入力された店舗までの道のりを算出し、この道のりを入力店舗距離として第2の消費熱量を算出する。そして、熱量導出部131は、実施例1に示すように、第1の消費熱量Qwに第2の消費熱量Qeを加えることで第3の消費熱量Qt導出する。
【0055】
表示部230は、健康管理装置10から送出される情報に加えてナビゲーション装置2から送出される情報を表示する。具体的に表示部は以下のナビゲーション装置2から送出される情報の表示を行う。表示部230は、地図データに基づいて地図を表示する。表示部230は、表示されている地図上の現在位置に対応する地点に現在位置を表示する。表示部230は、表示されている地図上の目的地の位置に対応する地点に目的地を表示する。表示部230は、表示されている地図上の使用者の現在位置から目的地までの経路の表示の仕方を変えて強調させる。
【0056】
以下に、実施例2のナビゲーションシステム3の動作について、引き続き説明する。図5は、ナビゲーションシステム3の表示部230の表示内容を示す。
【0057】
ナビゲーションシステム3は、動作を開始すると、図5(a)に示すように、表示部230に地図と使用者の現在位置を表示する。具体的には、ナビゲーション装置2には、GPS(Global Positioning System)が備えられており、使用者の現在の位置座標(現在位置情報)をこのGPSを用いて取得する。そして、地図データと現在位置情報を表示部230へ送出する。表示部230では、これらの情報が入力されると、地図を表示部230に表示した後に、表示部230に表示されている地図の位置座標に現在の位置座標を重ねて対応する場所に現在位置を表示する。このとき表示画面には、図5(a)に示されるように、カーソル201(矢印)と現在位置202(十字マーク)が表示される。カーソル201は入力部330の例えば十字キーを操作することで動作させることができる。
【0058】
次に、近隣の店舗をそれぞれ対応する地図の位置に表示する。具体的には、店舗抽出部112にて近隣の店舗に相当する店舗データを抽出して近隣食事情報512(図2(b)参照)を生成し表示部230へ送出する。表示部230では、近隣食事情報512の各店舗の位置情報を参照して、近隣の店舗をそれぞれ対応する地図の位置に表示する。図5(b)では、複数の近隣の店舗が黒丸印208、即ち、●印にて地図上に表示されている例を示している。
【0059】
次に、使用者にカーソル201を用いて近隣の店舗を選択させる。具体的には、使用者がカーソル201を近隣の店舗の黒丸印208に合わさると、店舗抽出部112は、カーソル201に合わさった黒丸印208が示す近隣の店舗(以後、入力店舗という)の店舗データを近隣食事情報512(図2(b)参照)から抽出し、入力店舗データとしてメニュー抽出部122と表示部230へ送出する。また、ナビゲーション装置2は、入力店舗の位置情報、地図データ、現在位置情報、に基づいて使用者の現在位置から入力店舗の位置までの経路を導出し、健康管理装1の入力部330を介して熱量導出部131へ導出した経路の経路情報を送出する。このとき経路情報は表示部230にも送出される。
【0060】
この時点において店舗の入力が完了し、健康管理装置1は、摂取可能な食事の検索を開始する。ここで検索とは、実施例1と同様に、入力された情報から第3の消費熱量Qtを導出し、第3の消費熱量Qtと食事の熱量を示す補給熱量とを比較して、摂取可能な食事を提供する店舗名情報とメニュー情報を抽出する、即ち、使用者の摂取可能な食事を検索することを言う。
【0061】
摂取可能な食事の検索が開始されると、熱量導出部131によって第3の消費熱量Qtを導出する。具体的には、熱量導出部131では、経路情報に基づいて経路の道のりを導出する。そして、熱量導出部131は、歩数情報と、身体データを入力し、経路の道のりと、歩数情報と、身体データに基づいて、第3の消費熱量Qtを導出する。導出された第3の消費熱量Qtは、メニュー抽出部112に送出される。第3の消費熱量Qtは、実施例1と同様の演算で求める。
【0062】
次に、メニュー抽出部122は、入力店舗データの入力店舗が提供する食事の補給熱量と第3の消費熱量Qtとを比較して、補給熱量が第3の消費熱量Qt以下の食事のメニュー情報を抽出して表示部230へ送出する。またこのときにメニュー抽出部122は、入力店舗データの店舗名情報も表示部230へ送出する。
【0063】
この時点で摂取可能な食事の検索が完了し、表示部230は、入力店舗の店舗名情報とメニュー抽出部122によって抽出されたメニュー情報と現在位置から入力店舗までの経路205を表示する(図5(c)参照)。この状態で、使用者によって、黒丸印208の店舗が選択された場合、例えば、黒丸印208にカーソル201が重なった状態で入力部330の決定ボタンを押す等を行った場合は、ナビゲーション装置2は、入力店舗までの道のりの案内を開始する。
【0064】
具体的には、表示部230は、入力店舗を星印209で表示し、図5(d)左上に示すような案内表示203をする。道のりの案内は、ナビゲーション装置2が、周期的に現在の座標位置を取得し、表示部230に示される現在位置を更新し、現在位置が交差点の近く、即ち、現在位置と交差点の位置との距離が所定の距離以下になった場合に案内表示203を表示部230に表示する。その後、ナビゲーション装置2は、現在位置から入力店舗までの距離が所定の距離以下になった場合に、店舗に到達したと判断し案内を終了する。また、このときに既に歩き終えた経路207については表示の仕方を変えるようにしても良い。図5(d)では、今後歩く予定の経路を実線で示し、既に歩き終えた経路207を点線で示している。
【0065】
この様にすることで、食事検索する前に行った運動(歩行運動)によって消費される第1の消費熱量Qwだけでなく、食事検索した後に行なう運動(歩行運動)によって消費される第2の消費熱量Qeを考慮に入れて、使用者が食事を行うまでの運動(歩行運動)により消費した第3の消費熱量Qtを求める。そして、第3の消費熱量Qtに基づいて食事の摂取可能な店舗名情報(入力店舗データの店舗名情報)とメニュー情報を表示するようにしたので、使用者が実際に食事を行う時点での消費熱量の導出精度が向上し、摂取可能な食事に関する正確な情報を通知することができる。
【0066】

また、実施例2では、表示部230に摂取可能な食事のメニュー情報のみを表示したが、摂取不可能な食事のメニュー情報を同時に表示しても良い。この場合、摂取可能な食事のメニュー情報と摂取不可能なメニュー情報とが区別できるように、例えば、摂取可能な食事のメニュー情報と摂取不可能なメニュー情報とで文字の色を変えたり、どちらか片方のメニュー情報にハッチングを行なうなどして表示の仕方を変えて区別する。
【0067】
以上に述べました実施例2のナビゲーションシステム3においては、使用者によって店舗が選択され、現在位置から選択された店舗までの経路を歩行した場合に消費される第2の消費熱量Qeが算出される。そして、実施例2のナビゲーションシステム3は、この第2の消費熱量Qeを考慮して、その店舗で食事できるメニューを使用者に通知することが出来る。この様なナビゲーションシステム3を使用することによって、使用者は、好みのメニューを食事できることを動機付けとして、歩行運動の促進に取り組むことができる。
【0068】
尚、本実施例のナビゲーション装置2は、使用者の現在位置を取得するためにGPSを用いたが、使用者の現在位置を取得できる装置であればどの様な装置を使用しても良く、例えば、携帯電話の電波を利用した位置確認システムなどを利用することも出来る。
【実施例3】
【0069】
(第2の実施形態の健康管理装置)
実施例3では、第2の実施形態における健康管理装置について述べる。この装置の詳細な構成について以下に、図6を用いて説明する。
【0070】
図6は、第2の実施形態の健康管理装置の構成図を示す。図6に示すように第2の実施形態の健康管理装置1aは、熱量導出部101a、抽出部102a、表示部200a、入力部300a、の動作が図1に示す実施例1の健康管理装置1と異なり、さらに、図1には無かった比較部103を有している。その他の構成については実施例1と同じなので同じ符号を使用している。
【0071】
図6の入力部300aでは、実施例1の入力部300aの動作に加えて、使用者が自身の摂取したい食事のメニュー情報を入力する場合に用いられる。このとき、メニュー情報は入力メニュー情報として抽出部102aへ送られる。
【0072】
抽出部102aは、記憶部500に記憶された食事情報502の中から、所定の条件の店舗データを抽出する。抽出部102aは、現在位置情報と、食事情報に基づいて、近隣の店舗に相当する店舗データを抽出して近隣食事情報512(図2(b)参照)として生成し、近隣食事情報512を表示部200aへ送出する。抽出部102aは、入力部より送出された入力店舗名情報を含む店舗データ(以下、入力店舗データと言う)を近隣食事情報512の中から抽出し、熱量導出部101aと表示部200aへ送出する。抽出部102aは、抽出した店舗データから入力メニュー情報に対応する食事の補給熱量を入力補給熱量として抽出し比較部103へ送出する。
【0073】
熱量導出部101aの動作は、第3の消費熱量Qtを比較部103へ送出する点で実施例1の熱量導出部101と異なり、そのほかの動作、例えば、第3の消費熱量Qtを第1の消費熱量Qwに第2の消費熱量Qeを加えて導出する事などについては実施例1の熱量導出部101と同様なので省略する。
【0074】
比較部103では、第3の消費熱量Qtと入力補給熱量を比較して比較結果に応じた情報を表示部200aに送出する。比較部103は、入力補給熱量と消費熱量Qtを比較して、入力補給熱量が消費熱量Qtより大きい場合は、入力補給熱量が消費熱量Qtより大きい旨を伝える情報と、入力補給熱量と消費熱量Qtの熱量の差、即ち、メニュー情報が示す食事を摂取可能になるまでに不足している不足熱量を示す情報と、不足熱量に相当する運動の情報、例えば、「歩行30分」などを示す運動メニューを比較結果として表示部200aに送出する。また、比較部103は、入力補給熱量と消費熱量Qtを比較して、補給熱量が消費熱量Qt以下の場合は、表示部200aに補給熱量が消費熱量Qt以下である旨を伝える情報を比較結果として送出する。
【0075】
表示部200aでは、抽出部102aより送出された情報に基づいて、入力したメニュー情報が示す食事が摂取可能であるか否かを表示する。具体的には、表示部200aは、補給熱量が消費熱量Qt以下の場合は、使用者が入力したメニュー情報が示す食事が摂取可能であることを表示する。また、表示部200aは、補給熱量が消費熱量Qtより大きい場合は、使用者が入力したメニュー情報が示す食事が摂取不可能であることと、摂取可能になるまでに不足している不足熱量と、その不足熱量に相当する運動メニューの情報を表示する。この様にすることで、健康管理装置1aは、使用者に摂取可能な食事を通知することができる。また、使用者が摂取出来ない食事について入力部に入力したとしても、その食事を摂取可能で無いことを通知するばかりでなく、その食事を摂取可能にするには、あとどの程度の運動を行えばよいかを示す運動メニューを通知することができる。従って、使用者は通知された運動を行なうことによって使用者が入力したメニュー情報が示す食事が摂取可能になる。
【0076】
図7に、実施例3の健康管理装置を使用した場合の画面の遷移を示す。健康管理装置1aが動作すると、図7(a)に示すように、表示部200aは、「現在位置を表示して下さい」なる表示を行って、使用者の現在位置情報を入力する画面を表示する。そして、使用者が入力部300aを用いて現在位置情報を入力すると、抽出部102aは、現在位置情報と食事情報502に基づいて、食事情報502の中から近隣の店舗の店舗データを抽出し、抽出した店舗データを近隣食事情報512(図2(b)参照)として生成する。このときに抽出部102aは、生成した近隣食事情報512の店舗名情報を表示部200aに送出する。次に、表示部200aは、「店舗を選択して下さい」なる表示を行って、近隣食事情報512に含まれる店舗名情報を表示する(図7(b)参照)。ここでは、使用者が「○×市△△1−1」と入力したので、近隣の「○○喫茶」と「○×レストラン」の店舗名が近隣食事情報512の中から抽出されて表示されている。
【0077】
次に、表示部200aは、「メニューを選択して下さい」なる表示を行って、実施例1と同様に、入力部300aを用いてカーソルを動かして使用者に店舗を選択させることによって入力店舗名情報を入力させる(図7(b)参照)。入力店舗名情報の入力が完了すると、抽出部102aは、近隣店舗情報に含まれる店舗データから入力店舗名情報が示す入力店舗データを抽出し、熱量導出部101aへ入力店舗データを送出する。また、抽出部102aは、入力店舗データのメニュー情報を抽出して表示部200aへ送出する。ここでは、図7(b)の状態で、使用者が入力部300aにより「○○喫茶」を選択したとする。この場合、表示部200aには、図7(c)に示すように、「メニューを選択して下さい」なる表示がされると共に、「○○喫茶」が提供する食事のメニュー情報、「バニラアイス」、「プリン」、「チョコパフェ」が表示される。
【0078】
次に、図7(c)に示されている「○○喫茶」が提供する食事のメニュー情報を使用者が表示部を確認しながら入力する。使用者は、カーソルを動かしてメニュー情報を選択することによってメニュー情報を入力メニュー情報として入力する。入力メニュー情報が入力されると、抽出部102aは、入力店舗データから入力メニュー情報が示す食事の補給熱量を抽出して比較部103へ送出する。
【0079】
この時点において現在位置情報、店舗名、メニューの入力が完了し、健康管理装置1aは、摂取可能な食事の検索を開始する。ここで検索とは、入力された情報から特定される食事の第3の消費熱量Qtを導出し、特定した食事が摂取可能か否かを判断する、即ち、使用者の摂取可能な食事を検索することを言う。
【0080】
摂取可能な食事の検索が開始されると、熱量導出部101aは、入力店舗データの位置情報を抽出し、抽出した入力店舗データの位置情報と現在位置情報とを比較して現在位置から入力店舗データが示す店舗までの距離に基づいて入力店舗距離を導出する。入力店舗距離は実施例1と同様の方法で求めることができる。そして、熱量導出部101aは、記憶部500から身体データを、歩数計数部400から歩数情報をそれぞれ入力して、第3の消費熱量Qtの導出を開始する。熱量導出部101aにて第3の消費熱量Qtが演算されると、熱量導出部101aは比較部103へ第3の消費熱量Qtを送出する。
【0081】
その後、比較部103は、入力補給熱量と第3の消費熱量Qtの比較を行い、比較結果を表示部200aへ送出する。尚、この時点で摂取可能な食事の検索が終了する。具体的には、入力補給熱量が第3の消費熱量Qt以下の場合は、表示部200aに補給熱量が消費熱量Qt以下である旨を伝える情報を比較結果として送出する。表示部200aはこれを受けて、使用者が入力した入力メニュー情報が示す食事が、摂取可能であることを表示する。図7(d)は、表示部200aの表示が図7(c)の状態において「バニラアイス」を使用者が選択し、且つ消費熱量Qtが「400[kcal]」の場合の表示結果を示している。表示部200aには「○○喫茶」の「バニラアイス(100[kcal])」が摂取可能であることが表示される。
【0082】
また、比較部103において、入力補給熱量が第3の消費熱量Qtよりも大きいと、判断された場合は、入力補給熱量が消費熱量Qtより大きい旨を伝える情報と、入力補給熱量と消費熱量Qtの熱量の差を示す情報と、不足熱量に相当する運動の情報を比較結果として表示部200aに比較結果として送出する。表示部200aは、比較結果を受け取ると、使用者の選択したメニュー情報が摂取不可であることと、不足熱量と、不足熱量に相当する運動メニューを表示する。図7(e)は、表示部200aの表示が図7(c)の状態において「チョコパフェ(500[kcal])」を使用者が選択し、且つ消費熱量Qtが「400[kcal]」の場合の表示結果を示している。表示部200aには、選択した食事が摂取不可であることと、不足熱量が「100[kcal]」であることと、「100[kcal]」に相当する運動メニューが「25分の歩行運動」であることが表示されている。
【0083】
この様にすることで、食事検索前に行った運動(歩行運動)によって消費される第1の消費熱量Qwと、食事検索後に行なう運動(歩行運動)によって消費される第2の消費熱量Qeを考慮に入れて、使用者が食事を行うまでの運動(歩行運動)により消費した第3の消費熱量Qtを求める。そして、第3の消費熱量Qtに基づいて使用者の選択したメニューが摂取可能であるか否かを判断するので、使用者が実際に食事を行う時点での消費熱量の導出精度が向上し、摂取可能な食事に関する正確な情報を通知することができる。
【0084】
また、使用者の選択した食事が摂取不可と判断された場合は、不足分の運動を示す運動メニューを通知するので、使用者はその運動を行なうことで選択した食事が摂取可能となる。
【0085】
以上に述べました実施例3の健康管理装置1aにおいては、店舗名とメニューを入力することによって、使用者がこれから、その店舗まで歩行した場合に消費される第2の消費熱量Qeが算出される。この第2の消費熱量Qeを考慮して、入力されたメニューの食事について摂取可能か否かを通知することが出来る。また、摂取不可である場合には、この後、歩行運動をどの程度すれば、摂取可能となるかを通知することが出来る。この様な健康管理装置1を使用することによって、使用者は、好みのメニューを食事できることを動機付けとして、歩行運動の促進に取り組むことができる。
【実施例4】
【0086】
(第2の実施形態のナビゲーションシステム)
実施例4では、実施例3の健康管理装置を、従来のナビゲーション装置に適用したナビゲーションシステムについて述べる。実施例3では、使用者の現在位置情報を使用者が入力し、使用者の現在位置と店舗との距離を導出して第3の消費熱量Qtを求めたが、実施例4のナビゲーションシステムでは、ナビゲーションシステムによって使用者の現在位置を取得し、使用者の現在位置と店舗との間の直線距離に基づくのではなく、使用者の現在位置から店舗までの実際の経路から道のりを導出して、この道のりに基づいて第3の消費熱量Qtを求める。尚、本ナビゲーションシステムは可搬性を有しており、携帯して持ち運ぶことが出来る。
【0087】
実施例4の健康管理装置を以下に、図8に基づいて、説明する。
【0088】
図8は実施例4のナビゲーションシステムの構成図である。ナビゲーションシステム3aは、図6に示した実施例3の健康管理装置1aと同様の健康管理装置10aにナビゲーション装置2aを追加して構成したものである。この場合の健康管理装置10aは、基本的には、図6の構成と同じであるが、以下に詳述するように、入力部330a、熱量導出部131a、表示部230aの動作が実施例3の場合と異なる。
【0089】
図8の入力部330aは、使用者からの入力を受け付けるだけではなく、ナビゲーション装置2aから健康管理装置10aへ送出される情報を入力するインタフェースとしての役割を果たす。具体的には、この入力部330aは、ナビゲーション装置2aで導出された経路の経路情報を入力して、熱量導出部131aへ送出する。
【0090】
熱量導出部131aは、経路情報に基づいて第3の消費熱量Qtを導出する。第3の消費熱量Qtの導出は、経路情報に基づいて使用者の現在位置から入力された店舗までの道のりを算出し、この道のりを入力店舗距離として第2の消費熱量Qeを算出する。そして、熱量導出部131aは、実施例1に示すように、第1の消費熱量Qwに第2の消費熱量Qeを加えることで第3の消費熱量Qtを導出する。
【0091】
表示部230aは、健康管理装置10aから送出される情報に加えてナビゲーション装置2aから送出される情報を表示する。具体的に表示部230aは以下のナビゲーション装置2aから送出される情報の表示を行う。表示部230aは、地図データに基づいて地図を表示する。表示部230aは、表示されている地図上の現在位置に対応する地点に現在位置情報に基づいて現在位置を表示する。表示部230aは、表示されている地図上の目的地の位置に対応する地点に目的地の位置を表示する。表示部230aは、表示されている地図上に使用者の現在位置から目的地までの経路を強調して表示する。
【0092】
ナビゲーション装置2aは実施例2のナビゲーション装置2の動作に加えてさらに、迂回経路を導出することができる。
【0093】
以下に、図8に示す実施例4の健康管理装置10aにナビゲーション装置2を追加した場合の動作を図9を参照しつつ以下に説明する。図9は、実施例4のナビゲーションシステムの表示部の表示内容を示す。
【0094】
図8のナビゲーションシステム3は、動作を開始すると、ナビゲーション装置2が使用者の現在の位置座標(現在位置情報)を取得し、地図を表示部230aに表示した後に、表示部230aに表示されている地図の位置座標と現在の位置座標とを比較して対応する場所に使用者の現在位置を表示する。このとき表示画面には、図9(a)に示されるように、カーソル201(矢印)と現在位置202(十字マーク)が表示される。カーソル201は入力部330aの十字キー等を操作することで動作させることができる。
【0095】
次に、近隣の店舗をそれぞれ対応する地図の位置に表示する。具体的には、抽出部102aにて近隣の店舗に相当する店舗データを抽出して近隣食事情報512(図2(b)参照)を生成し表示部230aへ送出する。表示部230aでは、近隣食事情報512の各店舗の位置情報を参照して、近隣の店舗をそれぞれ対応する地図の位置に表示する。
【0096】
次に、使用者にメニュー情報を選択させるために、使用者がカーソル201を操作して近隣の店舗の黒丸印208に合わせた時に、カーソル201に合わさった黒丸印208が示す近隣の店舗(以後、入力店舗という)の店舗名とメニュー情報を表示させる(図9(b)参照)。使用者が黒丸印208にカーソル201が合わされたか否かを判断するには、カーソル201の先端の画面上の座標が黒丸印208の画面上の座標と一致したかどうかで判断する。座標が一致した場合にカーソル201が黒丸印208に合わされた状態と判断し、座標が一致していない場合にカーソル201が黒丸印208に合わされていない状態であると判断する。カーソル201が黒丸印208に合わされた状態と判断した場合は、近隣食事情報512(図2(b)参照)からカーソル201が合わされた黒丸印208が示す店舗の店舗データを参照して店舗名とメニュー情報を表示する。
【0097】
次に、表示部230aに表示されたメニュー情報を使用者が選択して入力する。入力は、メニューリスト204のメニュー情報が反転表示されるようになっており、入力部330aの決定ボタンが押されることで、反転表示されているメニュー情報が選択される。このときに選択された店舗の店舗名とメニュー情報はそれぞれ入力店舗名情報と入力メニュー情報として抽出部102aに送出される。尚、メニュー情報を反転表示するようにしているが、アンダーラインや矢印等を用いてメニュー情報を選択するようにしても良い。
【0098】
次に、抽出部102aは、入力店舗名情報を含む店舗データ(以下、入力店舗データと言う)を近隣食事情報512(図2(b)参照)の中から抽出し、抽出した店舗データから入力メニュー情報に対応する食事の補給熱量を入力補給熱量として抽出し比較部103へ送出する。また、このときナビゲーション装置2は、入力店舗データの位置情報、現在位置情報、地図データに基づいて使用者の現在位置から入力店舗までの経路を導出し、入力部330aを介して経路の経路情報を熱量導出部131aと表示部230aに送出する。
【0099】
この時点において店舗名、メニューの入力が完了し、健康管理装置1は、摂取可能な食事の検索を開始する。ここで検索とは、実施例3と同様に、入力された情報から特定される食事の第3の消費熱量Qtを導出し、特定した食事が摂取可能か否かを判断することを言う。
【0100】
摂取可能な食事の検索が開始されると、熱量導出部131aにて、経路の経路情報から使用者の現在位置から入力店舗までの道のり(以下、入力店舗距離)を算出し、入力店舗距離に基づいて第3の消費熱量Qtを導出し、比較部103へ第3の消費熱量Qtを送出する。
【0101】
次に、比較部103にて第3の消費熱量Qtと入力補給熱量を比較して比較結果に応じた情報を表示部230aに送出する。尚、この時点で摂取可能な食事の検索が終了する。具体的には、比較部103にて、入力補給熱量が消費熱量Qt以下であると判断された場合は、入力補給熱量が消費熱量Qt以下である旨を伝える情報を送出する。この情報を受け取ると、表示部230aでは、選択した店舗を星印209に変更し、現在位置から選択した店舗までの経路205を表示する(図9(c)参照)。
【0102】
また、比較部103にて、入力補給熱量が消費熱量Qtより大きいと判断された場合は、表示部230aに迂回経路206を表示する。具体的には、比較部103は、入力補給熱量が消費熱量Qtより大きい旨を伝える情報を表示部230aに送出と共に、入力補給熱量と消費熱量Qtとの熱量の差を消費するための歩行運動距離をナビゲーション装置2aに送出する。歩行運動距離は、Qs=KwKsKp(Ls/W)の式を用いて算出できる。ここでQsは入力補給熱量と消費熱量Qtの熱量の差であり、Lsは歩行運動距離である。ナビゲーション装置2aでは歩行運動距離を受け取ると、現在の経路205の道のりに歩行運動距離を追加した道のりの経路を迂回経路206として導出し表示部230aへ送出する。この様にすることで、使用者の現在位置から店舗までの経路より遠回りになる経路を迂回経路206として探索できる。また、迂回経路206は、現在の経路205の道のりに歩行運動距離を追加した道のりよりも長い道のりの経路の中から最も短い経路を迂回経路として探索する。尚、この時に、最も短い経路だけでなく、いくつか短い経路を表示部230aに表示させて使用者に迂回経路として選択させるようにしても良い。
【0103】
表示部230aでは、これらの情報を受け取ると、選択した店舗を星印209に変更し、現在位置から選択した店舗までの迂回経路206を表示する(図9(d)参照)。
【0104】
経路205あるいは迂回経路206が表示されると、ナビゲーション装置2は、入力店舗までの道のりの案内を開始する。道のりの案内は、ナビゲーション装置2が、周期的に現在の座標位置を取得し、表示部230aに示される現在位置を更新し、現在位置が交差点の近く、即ち、現在位置と交差点の位置との距離が所定の距離以下になった場合に案内表示203を表示部230aに送出して行う。その後、ナビゲーション装置2は、現在位置から入力店舗までの距離が所定の距離以下になった場合に、店舗に到達したと判断し案内を終了する。また、このときに既に歩き終えた経路207については表示を変えるようにしても良い。図9(e)では、今後歩く予定の経路を実線で示し、既に歩き終えた経路207を点線で示している。
【0105】
この様にすることで、食事検索前に行った運動(歩行運動)によって消費される第1の消費熱量Qwと、食事検索後に行なう運動(歩行運動)によって消費される第2の消費熱量Qeを考慮に入れて、使用者が食事を行うまでの運動(歩行運動)により消費した第3の消費熱量Qtを求める。そして、第3の消費熱量Qtに基づいて使用者の選択したメニューが摂取可能であるか否かを判断するので、使用者が実際に食事を行う時点での消費熱量の導出精度が向上し、摂取可能な食事に関する正確な情報を通知することができる。
【0106】
また、使用者の選択した食事が摂取不可と判断された場合は、迂回経路を通知するので、使用者はその迂回経路を歩行することで選択した食事が摂取可能となることが分かる。
【0107】
以上に述べました実施例4のナビゲーションシステム3aにおいては、使用者が店舗と食事のメニュー選択することによって、現在位置から店舗までの経路を導出される。これによって、同経路をたどって使用者がその店舗まで歩行した場合に消費される第2の消費熱量Qeが算出される。この第2の消費熱量Qeを考慮して、使用者が選択したメニューの食事について摂取可能か否かを通知する。また、摂取不可である場合には、どの様な経路を歩行すると選択されたメニューが摂取可能となるかを通知することが出来る。この様な健康管理装置1を使用することによって、使用者は、好みのメニューを食事できることを動機付けとして、歩行運動の促進に取り組むことができる。
【0108】
以上、本発明の実施形態について詳説したが、本発明は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
【0109】
例えば、本実施例については使用者が歩行を行なう場合について述べたが、自転車等の使用者が運動して熱量を消費する乗り物に乗っているような場合についても適用できる。この様な場合、消費熱量Qtを導出するときの係数(Kp)をそれぞれの乗り物に応じた係数にすることで対応できる。また、歩行する場合と乗り物に乗る場合とでモードを切り替えるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】第1の実施形態の健康管理装置の構成図である。
【図2】食事情報のメモリー構成の一部を示す図である。
【図3】実施例1の健康管理装置を使用した場合の画面の遷移を示す図である。
【図4】実施例2のナビゲーションシステムの構成図である。
【図5】実施例2のナビゲーションシステムを使用した場合の画面の遷移を示す図である。
【図6】第2の実施形態の健康管理装置の構成図である
【図7】実施例3の健康管理装置を使用した場合の画面の遷移を示す図である。
【図8】実施例4のナビゲーションシステムの構成図である。
【図9】実施例4のナビゲーションシステムを使用した場合の画面の遷移を示す図である。
【符号の説明】
【0111】
1 健康管理装置
2 ナビゲーション装置
3 ナビゲーションシステム
100 制御部
101 熱量導出部
102 抽出部
112 店舗抽出部
122 メニュー抽出部
103 比較部
200 表示部
300 入力部
400 歩数計数部
500 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の運動量に応じて前記使用者の摂取可能な食事を検索し、該食事に関する情報を通知する健康管理装置において、
店舗を特定する店舗名情報と、前記店舗が顧客に提供する食事のメニュー情報と、前記食事の熱量を示す補給熱量情報とを夫々対応づけて、食事情報として記憶する記憶部と、
前記使用者が摂取可能な食事を検索する前に行った運動で消費した第1の消費熱量と、前記使用者が前記検索の後に行う運動で消費する第2の消費熱量とに基づいて前記使用者の第3の消費熱量を導出する熱量導出部と、
前記記憶部に記憶された前記食事情報の中から、前記補給熱量情報が示す熱量が前記第3の消費熱量以下の食事を提供する店舗の店舗名情報とメニュー情報とを抽出する抽出部と、
前記抽出部により抽出された前記店舗名情報と前記メニュー情報とを通知する通知部とを備えたことを特徴とする健康管理装置。
【請求項2】
使用者の運動量に応じて前記使用者の摂取可能な食事を検索し、該食事に関する情報を通知する健康管理装置において、
店舗を特定する店舗名情報と、前記店舗が顧客に提供する食事のメニュー情報と、前記食事の熱量を示す補給熱量情報とを夫々対応づけて、食事情報として記憶する記憶部と、
食事の前記メニュー情報と、該メニュー情報が示す食事を提供する店舗の前記店舗名情報を入力するための入力部と、
前記使用者が摂取可能な食事を検索する前に行った運動で消費した第1の消費熱量と、前記使用者が前記検索の後に行う運動で消費する第2の消費熱量とに基づいて前記使用者の第3の消費熱量を導出する熱量導出部と、
前記記憶部に記憶された前記食事情報の中から、前記入力部によって入力された前記店舗名情報と前記メニュー情報とによって特定される食事の補給熱量情報を抽出する抽出部と、
前記抽出部によって抽出された前記補給熱量情報が示す熱量と前記第3の消費熱量とを比較する比較部と、
前記比較部の比較結果に応じた情報を通知する通知部とを備えたことを特徴とする健康管理装置。
【請求項3】
前記使用者の歩行運動における歩数を計数する歩数計数部を備え、
前記第1の消費熱量は、前記歩数計数部により計数された歩数により算出された消費熱量であることを特徴とする請求項1又は2に記載の健康管理装置。
【請求項4】
前記第2の消費熱量は、前記使用者が前記検索を行った位置から前記店舗まで歩行する際の消費熱量であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の健康管理装置。
【請求項5】
使用者の現在位置から前記店舗までの経路を案内するナビゲーション装置と、
請求項1乃至4の何れかに記載の健康管理装置とを備え、
前記熱量導出部は、前記経路に基づいて前記第2の消費熱量を算出することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項6】
使用者の現在位置から前記店舗までの経路を案内するナビゲーション装置と、
請求項2に記載の健康管理装置とを備え、
前記熱量導出部は、前記経路に基づいて前記第2の消費熱量を算出し、
前記通知部は、前記抽出部によって抽出された前記補給熱量情報が示す熱量が前記第3の消費熱量よりも大きい場合、前記入力店舗名情報の示す店舗までの迂回経路を通知することを特徴とするナビゲーションシステム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−160754(P2010−160754A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−3824(P2009−3824)
【出願日】平成21年1月9日(2009.1.9)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】