健康管理装置、健康管理制御プログラム、および記録媒体
【課題】ダイエットが成功した期間を自動で抽出してユーザに提示する装置を提供する。
【解決手段】本発明のダイエット分析装置10は、身体データを取得するデータ取得部104と、取得した身体データを記録するデータ記録部101と、データ記録部101に蓄積された連続する1以上の日にちに対応する1以上の身体データから移動平均データを作成し、この移動平均データの変動を分析して移動平均データの変動が予め定められた範囲内の変動である期間を抽出するダイエット分析部102と、ダイエット分析部102が抽出したダイエット成功期間を示す情報を表示する表示部103とを備えている。
【解決手段】本発明のダイエット分析装置10は、身体データを取得するデータ取得部104と、取得した身体データを記録するデータ記録部101と、データ記録部101に蓄積された連続する1以上の日にちに対応する1以上の身体データから移動平均データを作成し、この移動平均データの変動を分析して移動平均データの変動が予め定められた範囲内の変動である期間を抽出するダイエット分析部102と、ダイエット分析部102が抽出したダイエット成功期間を示す情報を表示する表示部103とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの身体状態の変動が特定の傾向にある期間をユーザに提示する健康管理装置、および健康管理制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今の健康に関する人々の関心の高まりおよび各種健康器具の発達に伴い、健康管理に関する様々なシステムが提案されている。例えば、特許文献1には、インターネット上で、ユーザが作成した健康に関する目標などの健康情報、体重計や血圧計など各種測定機器からのデータを取得し、ユーザの健康に関する目標と測定機器からの実績値とを比較および分析して、その結果からデータの異常値を検出し、異常値に関連する予め用意されたアドバイスを提供する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−262504号公報(2008年10月30日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザは健康管理の一環として食事内容の改善によるダイエットを実践する場合がある。しかしながら、食事内容の改善によってダイエットに成功しても、その後食事内容をさらに変更することによって、体重が急激に増加したり、あるいはある一定の時間をかけて徐々に体重が増加してきたりする場合がある。ユーザが体重の増加を実感して、再度、食事内容を改善しようとする際に、ダイエットに成功していた期間の食事内容を参考にするために、ダイエットに成功していた期間を知りたい場合がある。
【0005】
ユーザが体重の増加を実感して、以前ダイエットに成功した期間を探すには、非常に手間がかかる。具体的には、例えば、まず長期間記録した体重を折線グラフで表示させ、横軸の表示スケールを3ヶ月、半年、および1年と変更したり、日付の切替えを行うなどしたりして、体重トレンドグラフから、体重が減少傾向にある期間を目視で探す。体重トレンドグラフから体重が減少傾向にある期間を発見すると、今度は、横軸の表示スケールを1年から半年、3ヶ月、1ヶ月、および1週間と、日付が分かりやすいスケールまで変更する。そして、表示されている日付を切替えながら、自身が見つけた体重が減少傾向を示している期間まで遡り、具体的な日付を自分で探す必要がある。さらに、体重が減少傾向を示している期間が複数あった場合には、その作業を繰り返し行う必要があり、該当する期間の具体的な日付を探すには、非常に手間がかかる。
【0006】
また、上記特許文献1の技術は、ユーザの健康に対する目標と実績とを比較分析するものであって、ダイエット成功期間、例えばユーザの体重が減少傾向にある期間を自動で抽出するものではない。
【0007】
そこで、本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、蓄積されている身体データからダイエット成功期間を自動で抽出して、ダイエット成功期間がいつであるかをユーザに提示する健康管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る健康管理装置は、上記課題を解決するために、身体データを取得するデータ取得手段と、取得した上記身体データを記録するデータ記録手段と、上記データ記録手段に蓄積された連続する1以上の日にちに対応する1以上の上記身体データから分析用データを作成し、該分析用データの変動を分析して該分析用データの変動が予め定められた範囲内での変動である期間を抽出する分析手段と、上記分析手段が抽出した上記期間を示す情報を表示する表示手段とを備えている構成である。
【0009】
ここで「連続する1以上の日にちに対応する1以上の身体データから」とは、「連続する1以上の日にち」の中に対応する身体データが存在しない日がある場合、残りの日のそれぞれに対応する身体データを用いることを意図している。
【0010】
上記構成によれば、健康管理装置は、データ取得手段によってユーザの身体データを取得する。健康管理装置は、取得したユーザの身体データをデータ記録手段に記録する。このようにして蓄積した、連続する1以上の日にちに対応する1以上の身体データを用いて分析用データを作成する。健康管理装置は、分析用データの変動を分析して、この変動が予め定められた範囲内での変動を示している期間を抽出する。健康管理装置は、抽出された期間を示す情報を表示手段に表示する。これにより、蓄積されている身体データが特定の変動傾向にある期間を自動で抽出し、その期間をユーザに提示できる。
【0011】
例えば、身体データとして測定体重データを用いて、予め定められた範囲内での変動として体重が減少傾向を示すような変化範囲を規定することによって、ユーザが自身の身体データに基づくダイエット成功期間を容易に知ることができる。ユーザはダイエット成功期間を知ることができることにより、食事の内容を記録している自分の手帳や日記などを参照することによって、ダイエットが成功していたときの食事内容を知ることができ、その内容に基づくダイエットを再度実行することが可能となる。
【0012】
本発明の健康管理装置において、上記分析用データが、予め定められた日数の移動平均データであり、上記分析手段が、連続する上記移動平均データの変動が予め定められた範囲内での変動であるか否かを判定することによって、上記移動平均データの変動を分析する構成が可能である。
【0013】
また、本発明の健康管理装置では、上記分析手段が、さらに、上記期間における上記身体データの推移および最近の上記身体データの推移を上記表示手段に比較表示させる構成であってもよい。
【0014】
上記構成によれば、ダイエットが成功していた期間と最近との間でどのくらいの体重の差があったかを、ユーザは一目で確認できるようになる。これによって、ユーザに最近の状況を注意喚起することが可能になる。
【0015】
また、本発明の健康管理装置では、上記データ取得手段が、食事データをさらに取得し、上記データ記録手段が、取得した上記食事データをさらに記録し、上記分析手段が、上記期間における上記食事データの動向を、上記表示手段にさらに表示させることが好ましい。
【0016】
上記構成によれば、ユーザは、例えばダイエット成功期間を知るとともに、その期間における食事の動向も知ることができる。これにより、ユーザは、ダイエットが成功していたときの食事内容に基づくダイエットを手軽に再度実践することが可能となる。
【0017】
また、本発明の健康管理装置では、上記分析手段が、さらに、最近の上記食事データの動向を上記表示手段に表示させることが好ましい。
【0018】
上記構成によれば、ユーザは、例えばダイエットが成功していた期間における食事の動向とともに、最近の食事の動向も同時に知ることができる。これにより、ユーザは、ダイエット成功期間と最近との間で、食事の内容にどのような差があるかを一目で確認できるようになる。また、ユーザに、最近の状況を注意喚起できるようになる。
【0019】
ここで、本発明の健康管理装置は、上記取得手段が、朝食、昼食、夕食および間食の食事区分別に上記食事データを取得し、上記分析手段が、上記食事区分別に、上記期間における上記食事データの動向および最近の上記食事データの動向を上記表示手段に表示させる構成であってもよい。
【0020】
あるいは、本発明の健康管理装置は、上記取得手段が、食事カテゴリ別に上記食事データを取得し、上記分析手段が、上記食事カテゴリ別に、上記期間における上記食事データの動向および最近の上記食事データの動向を上記表示手段に表示させる構成であってもよい。
【0021】
なお、本明細書において「食事カテゴリ」とは、各食事品目を、主食および副食物に分類したものであり、さらに副食物を、野菜、肉類、および魚介類等に分類したものである。
【0022】
これらの構成によれば、いつ、何を、どのくらい食べていたか、具体的な食事の傾向を知ることができるようになる。
【0023】
本発明の健康管理装置において、上記食事データが、摂取カロリー、取った食事の栄養素および食事品目のうちの少なくとも何れか1つを示すデータであることができる。
【0024】
また、本発明の健康管理装置は、上記食事データが、取った食事の栄養素および食事品目のうちの少なくとも何れか一方を示すデータであり、上記記録手段には、食事バランスが良好であるか否かの判定基準を示す基準データが記録されており、上記分析手段が、上記基準データと上記期間の上記食事データとを参照して食事バランスが良好であるか否かを判定し、判定結果に基づき、上記期間における食事バランスが良好な日数を算出し、上記基準データと最近の上記食事データとを参照して食事バランスが良好であるか否かを判定し、判定結果に基づき、最近の食事バランスが良好な日数を算出し、食事バランスが良好なそれぞれの日数を上記表示手段に表示させる構成でもあり得る。
【0025】
上記構成によれば、例えばダイエット成功期間および最近の食事バランスの傾向をユーザが知ることができるため、より健康的なダイエットを実践することができる。
【0026】
また、本発明の健康管理装置は、上記食事データが、摂取カロリーを示すデータであり、上記記録手段には、予め定めた目標摂取カロリーを示す目標摂取カロリーデータが記録されており、上記分析手段が、上記目標摂取カロリーデータと上記期間の上記食事データとを比較し、上記目標摂取カロリーデータと最近の上記食事データとを比較し、それぞれの比較結果を上記表示手段に表示させる構成でもあり得る。
【0027】
上記構成によれば、例えばダイエット成功期間および最近の摂取カロリーを、目標摂取カロリーの観点から比較することができる。そのため、ユーザは、ダイエット成功期間における目標摂取カロリーの達成度を指標に、ダイエットを実践することができる。
【0028】
また、上記健康管理装置は、コンピュータによって実現してもよい。この場合、コンピュータを上記分析手段および上記データ取得手段として動作させることにより上記健康管理装置をコンピュータにおいて実現する健康管理制御プログラム、およびその健康管理制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0029】
以上のように、本発明に係る健康管理装置は、データ記録手段に蓄積された連続する1以上の日にちに対応する1以上の身体データから分析用データを作成し、該分析用データの変動を分析して該分析用データの変動が予め定められた範囲内の変動である期間を抽出する分析手段を備えている。
【0030】
そのため、身体の状態の変動が特定の傾向にある期間を自動で抽出し、ユーザにその期間に関する情報を提示できる。これにより、ユーザは、例えばダイエットが成功していた期間などを簡単に知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一実施形態におけるダイエット分析装置の構成を示すブロック図である。
【図2】体重データの値および移動平均データの値を表しているグラフを示す図である。
【図3】本発明の一実施形態におけるダイエット分析装置に表示される、ダイエット成功期間を表している表示内容を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態におけるダイエット分析装置に表示される、ダイエット成功期間を表している別の表示内容を示す図である。
【図5】本発明の別の実施形態におけるダイエット分析装置に表示される、ダイエット成功期間およびその期間の平均体重を表している表示内容を示す図である。
【図6】本発明のさらに別の実施形態におけるダイエット分析装置に表示される、ダイエット成功期間および最近の体重の推移を表している表示内容を示す図である。
【図7】本発明のさらに別の実施形態におけるダイエット分析装置に表示される、ダイエット成功期間および最近の摂取カロリーの動向を表している表示内容を示す図である。
【図8】本発明のさらに別の実施形態におけるダイエット分析装置に表示される、ダイエット成功期間および最近の食事品目の履歴を食事区分別に表している表示内容を示す図である。
【図9】本発明のさらに別の実施形態におけるダイエット分析装置に表示される、ダイエット成功期間および最近の食事品目の履歴を表している表示内容を示す図である。
【図10】本発明のさらに別の実施形態におけるダイエット分析装置に表示される、ダイエット成功期間および最近の食事内容の動向を食事カテゴリ別に表している表示内容を示す図である。
【図11】食事バランスガイドの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について、図1〜図5に基づいて説明すれば以下の通りである。
【0033】
はじめに、本実施の形態におけるダイエット分析装置(健康管理装置)の構成について、図1を参照して説明する。
【0034】
図1は、本実施の形態におけるダイエット分析装置の概略構成を示すブロック図である。
【0035】
図1に示すように、本実施の形態におけるダイエット分析装置10は、データ取得部(データ取得手段)104と、データ記録部(データ記録手段)101と、ダイエット分析部(分析手段)102、および表示部(表示手段)103を備えている。
【0036】
ダイエット分析装置10としては、例えば、携帯電話、スマートフォン、電子辞書および電子書籍などの携帯端末、ならびに、モニタを備えているパーソナルコンピュータおよびサーバ等の端末装置を用いることができる。
【0037】
(データ取得部)
データ取得部104は、体重等のユーザの身体データを取得するためのモジュールである。身体データの取得は、ダイエット分析装置10にキーボード等の手入力手段を設けてユーザの手入力によって取得する方法、ダイエット分析装置10に無線または有線通信手段を設けて、体重測定機器等から無線または有線通信によって取得する方法、および身体データを外部メモリに記録して、この外部メモリをダイエット分析装置10に接続して取得する方法などが挙げられる。身体データを外部メモリに記録して、この外部メモリをダイエット分析装置10に接続して取得する場合、外部メモリに記録されている身体データをダイエット分析装置10のデータ記録部101にコピーしてもよいし、接続した外部メモリをデータ記録部101としてもよい。身体データを取得する上記いずれの方法も周知の技術を用いて実現可能であるため、本明細書では、その詳細な説明を省略する。
【0038】
データ取得部104は、取得した身体データを、その身体データが測定(取得)された日にちと関連付けてデータ記録部101に記録する。
【0039】
身体データは、ダイエットが成功していたか否かを分析するために用いられる、ユーザの身体の状態を示すデータである。本実施の形態では、身体データとして、体重の測定値である体重データを用いているが、このほかにも、例えば、体脂肪率、筋肉率および腹囲等の測定値を示すデータを用いることも可能である。
【0040】
(データ記録部)
データ記録部101は、データ取得部104が取得した身体データおよびダイエット成功期間を抽出する際に用いられる条件を記録するものである。データ記録部101は、例えば、ハードディスク、フラッシュメモリ、およびRAM(Random Access Memory)などの記録装置を用いることができる。
【0041】
データ取得部104が取得した身体データは、その身体データが測定された日付と関連づけて、テーブルにまとめられて格納され得る。
【0042】
(ダイエット分析部)
ダイエット分析部102は、データ記録部101に記録および蓄積されている体重データを用いて体重が減少傾向を示している期間を抽出するためのモジュールである。ダイエット分析部102は、例えば中央処理ユニット(CPU:Central Processing Unit)などの装置を用いることができる。
【0043】
ここで、ダイエット分析部102が実行する処理について、具体的な例を参照して説明する。
【0044】
ダイエット分析部102では、まず、現在日の前日から360日遡った日数を「分析対象期間」として、この分析対象期間における体重データを参照して、移動平均15日間の移動平均データ(分析用データ)を作成する。例えば、現在日を2009年12月27日とした場合には、ダイエット分析部102は、分析対象期間は2009年1月1日〜2009年12月26日を分析対象期間とし、移動平均15日間のデータが作成される期間は、2009年1月15日〜2009年12月26日となる。なお本実施の形態では、分析対象期間を「現在日の前日から360日遡った日数」とし、移動平均データを作成するための日数を「15日間」としているがこれに限定されるものではなく、開発者およびユーザが適切だと判断した日数であれば何日であってもよい。
【0045】
次いで、ダイエット分析部102は、2009年1月15日の移動平均15日間のデータから分析を開始し、或る日の移動平均15日間のデータをターゲットデータとし、ターゲットデータの一つ前のデータである、その前日の移動平均15日間のデータを比較データとして、ターゲットデータが比較データと比べて所定の条件を満たすか否かを判定する。これを比較データが存在する全ての移動平均データに対して行ない、全ての判定結果に基づきダイエット成功期間を抽出する。
【0046】
具体的に説明すれば、まずダイエット分析部102は、2009年1月15日の移動平均15日間のデータの次のデータである2009年1月16日の移動平均15日間のデータをターゲットデータとし、ターゲットデータの一つ前のデータである2009年1月15日の移動平均15日間のデータを比較データとして、ターゲットデータと比較データとを比較して、ターゲットデータが比較データと比べて増加率0.1%未満の条件を満たすか否かを判定する。ターゲットデータが比較データと比べて増加率0.1%未満の条件を満たす場合には、ダイエット分析部102は、ダイエット成功と判定して、その判定結果をデータ記録部101に記録する。ここで「増加率0.1%未満」とは、ターゲットデータと比較データとが同じ値を示す場合、およびターゲットデータが比較データよりも小さい値を示す場合も含むものである。続いて、ターゲットデータおよび比較データを一つずつ現在日に近いデータにずらして、同様の判定を行う。すなわち、2009年1月17日の移動平均15日間のデータをターゲットデータとし、2009年1月16日の移動平均15日間のデータを比較データとして、同様の判定を行う。ダイエット分析部102は、この判定の処理を、ターゲットデータが2009年12月26日の移動平均15日間のデータとなるまで繰り返す。
【0047】
ダイエット分析部102は、データ記録部101に記録された全ての判定結果を参照して、30日間以上連続して上記の条件を満たしている期間の有無を調べ、見つけた場合にその期間を「ダイエット成功期間」として抽出する。なお本実施の形態では、「30日間」以上連続して条件を満たしている期間をダイエット成功期間として抽出しているが、30日間に限定するものではなく、開発者およびユーザが適切だと判断した日数であれば何日間であってもよい。例えば、「10日間」以上連続して条件を満たす場合と規定することもできる。なお、ダイエット成功期間を規定するための最低日数、移動平均データを作成する際の日数、および分析対象期間の日数は、予め定まっているものでもよく、あるいは、ユーザからの入力によって、適宜変更できるようにしてもよい。
【0048】
30日間連続して上記の条件を満たしている期間が複数存在する場合、ダイエット分析部102は、それぞれの期間を「ダイエット成功期間」として抽出、すなわち「ダイエット成功期間」を複数抽出してもよく、あるいは、他の条件を設定して何れか一つの期間を「ダイエット成功期間」として抽出してもよい。例えば、複数ある期間の中で最も小さい体重データを有している期間を、「ダイエット成功期間」として抽出することができる。さらに、最も小さい体重データを有している期間が複数ある場合には、例えば、当該期間の開始日が最も古い(現在日から最も離れている)日を含む期間を「ダイエット成功期間」として抽出するか、あるいは当該期間の開始日が最も新しい(現在日に最も近い)日を含む期間を「ダイエット成功期間」として抽出すればよい。
【0049】
図2は、体重の実測値と、15日間の移動平均データとを、日付を横軸にしてプロットしたグラフを示す図である。図2に示されるように、体重の実測値が日々増減を繰り返していたり、体重の実測値が得られなかった日があったりする場合であっても、移動平均データを用いることにより、時系列データが平滑化され、体重が減少している傾向にある期間を容易に見つけ出すことが可能となる。
【0050】
ダイエット分析部102は抽出した期間の情報を表示部103が表示可能な形式で、表示部103に出力する。
【0051】
ダイエット分析部102は、さらに、ダイエット成功期間における体重データを参照して、ダイエット成功期間における平均体重を算出することが可能である。平均体重を算出した場合には、表示部103が表示可能な形式で、抽出したダイエット成功期間の情報とともに、表示部103に出力する。
【0052】
一方、30日間連続して上記の条件を満たしている期間が存在しなかった場合には、ダイエット分析部102は、ダイエット成功期間が存在しなかったものと判定する。そして、「条件を満たすダイエット成功期間が存在しません」等の確認メッセージを表示部103に表示させるためのデータを表示部103に出力する。
【0053】
(表示部)
表示部103は、ダイエット分析部102から出力される各種情報をユーザに提示するためのインターフェースであり、LCD(液晶ディスプレイ)などの表示装置である。
【0054】
表示部103は、ダイエット分析部102によって抽出されたダイエット成功期間を、文字およびカレンダー等を用いてユーザに提示する。
【0055】
図3〜図5は、抽出されたダイエット成功期間を表示している表示部103の表示画面の一例を示す図である。図3は、ダイエット成功期間を文字のみで提示する例を示している。図4は、カレンダー表示によってダイエット成功期間を提示する例を示しており、ダイエット成功期間に該当する日がマーキングによって示されている。一方、図5は、ダイエット成功期間とあわせ、ダイエット成功期間の平均体重を提示している例を示している。
【0056】
以上のように、本実施の形態におけるダイエット分析装置10によれば、体重データから移動平均データを作成し、この移動平均データを分析して、その分析結果に基づいてダイエットが成功していた期間を自動で抽出する。そして、抽出した期間の情報を、表示部103を介してユーザに提示できる。
【0057】
上述のように従来の方法では、体重が減少傾向を示している期間の具体的な日付を探すには、非常に手間がかかるものであった。これに対して本実施の形態におけるダイエット分析装置10は、身体データを用いてダイエット成功期間を自動で抽出し、その期間を表示してユーザに提示することができるため、ユーザは手間を省くことができ、簡単にダイエット成功期間を知ることができる。ユーザはダイエット成功期間が分かれば、食事の内容を記録している自分の手帳や日記などを参照することによって、ダイエットが成功していたときの食事内容を知ることができ、その内容に基づくダイエットを再度実行することが可能となる。また、自身の生活の振返りを行えるようになり、行動変容につなげられ、自己分析をしやすくなる。
【0058】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施形態について、図6に基づいて説明すれば以下の通りである。なお、説明の便宜上、前述の実施の形態で用いたものと同じ機能を有する部材には同じ参照符号を付して、その説明を省略する。
【0059】
前述の実施の形態では、ダイエット分析装置10は、ダイエット成功期間、またはダイエット成功期間およびこの期間における平均体重を表示するものであったが、本実施の形態におけるダイエット分析装置10では、ダイエット成功期間を表示するとともに、ダイエット成功期間における体重の推移および最近の体重の推移を比較表示している。
【0060】
ここで「最近」とは、ダイエット成功期間として抽出された日数と同じ日数だけ、現在日(ここでは、現在日を2009年12月27日として説明する)の前日から遡った期間を表している。例えば、ダイエット成功期間として、2009年5月25日〜2009年6月23日の30日間が抽出された場合には、ダイエット分析装置10では、現在日の前日の2009年12月26日〜2009年11月27日の30日間を「最近」と規定する。ダイエット成功期間が複数抽出された場合には、ダイエット成功期間の日数が一番多い日数およびダイエット成功期間の日数が一番少ない日数の何れかを用いるものとし、どちらを用いるかは開発者またはユーザが適宜選択すればよい。ところで「最近」の定義はこれに限定されるものではない。例えば、現在日の前日から遡った期間ではなく、現在日から遡った期間であってもよい。また、ユーザにより指定された任意の日数だけ遡った期間であってもよい。
【0061】
ダイエット分析部102は、ダイエット成功期間を抽出した後、抽出した期間の日数に基づき、「最近」の期間を規定する。次いで、ダイエット成功期間における体重データおよび最近の体重データをデータ記録部101から抽出し、表示部103が比較表示可能な形式で、表示部103に出力する。このときに、前述の実施の形態と同様に、表示部103に、ダイエット成功期間および「最近」の期間を示す文字情報、ならびにそれぞれの期間における平均体重を表示させてもよい。
【0062】
図6は、それぞれの期間における体重の推移を比較表示している表示画面の内容を示す図である。図6に示すように、本実施の形態では、ダイエット成功期間における体重の推移および最近の体重の推移を、折れ線グラフで表した体重比較グラフ401として表示している。また、併せて、各期間における平均体重を示すことで、最近とダイエット成功期間との間でどのくらいの体重差があったかをユーザは一目で確認できるようになる。これによって、ユーザに最近の状況を注意喚起できるようになる。
【0063】
〔実施の形態3〕
本発明の他の実施形態について、図7に基づいて説明すれば以下の通りである。なお、説明の便宜上、前述の実施の形態で用いたものと同じ機能を有する部材には同じ参照符号を付して、その説明を省略する。
【0064】
前述の実施の形態2では、ダイエット分析装置10は、ダイエット成功期間およびその期間の体重データの推移を表示するものであったが、本実施の形態におけるダイエット分析装置10では、ユーザの摂取カロリーを示すデータ(以下、摂取カロリーデータと呼ぶ)をさらに取得して、ダイエット成功期間を表示するとともに、ダイエット成功期間における摂取カロリーの動向および最近の摂取カロリーの動向を比較表示している。
【0065】
本実施の形態におけるダイエット分析装置10におけるデータ取得部104は、ユーザの体重データのほかに、摂取カロリーデータ(食事データ)を取得し、取得した摂取カロリーデータをデータ記録部101に記録する。摂取カロリーデータの取得は、ダイエット分析装置10にキーボード等の手入力手段を設けてユーザの手入力によって取得する方法、および摂取カロリーデータを外部メモリに記録して、この外部メモリをダイエット分析装置10に接続して取得する方法などが挙げられる。摂取カロリーデータを外部メモリに記録して、この外部メモリをダイエット分析装置10に接続して取得する場合、外部メモリに記録されている摂取カロリーデータをダイエット分析装置10のデータ記録部101にコピーしてもよいし、接続した外部メモリをデータ記録部101としてもよい。摂取カロリーデータを取得する上記いずれの方法も周知の技術を用いて実現可能であるため、本明細書では、その詳細な説明を省略する。データ取得部104は、取得した摂取カロリーデータを、その摂取カロリーデータが示すカロリーを摂取した日付と関連付けてデータ記録部101に記録する。
【0066】
摂取カロリーデータは、朝食、昼食、夕食および間食の食事区分別に取得することも可能である。
【0067】
データ取得部104は、体重データを用いてダイエット成功期間を抽出する。ダイエット成功期間を抽出した後、抽出した期間の日数に基づき、「最近」の期間を規定する。なお、本実施の形態における「最近」の規定の仕方は、実施の形態2における場合と同様であるため、その説明を省略する。次いで、ダイエット成功期間における摂取カロリーデータおよび最近の摂取カロリーデータをデータ記録部101から抽出し、表示部103が比較表示可能な形式で、表示部103に出力する。このときに、表示部103に、ダイエット成功期間および「最近」の期間を示す文字情報、ならびにそれぞれの期間における平均摂取カロリーを表示させてもよい。
【0068】
図7は、それぞれの期間における摂取カロリーの動向を比較表示している表示画面の内容を示す図である。図7に示すように、本実施の形態では、ダイエット成功期間における摂取カロリーの動向および最近の摂取カロリーの動向を、折れ線グラフで表した摂取カロリー比較グラフ402として表示している。また、併せて、各期間における平均摂取カロリーを文字情報として示している。平均摂取カロリーの算出は、データ記録部101から抽出した摂取カロリーデータを参照して、ダイエット分析部102が実行している。
【0069】
以上により、ユーザは、最近とダイエット成功期間との間でどのくらいのカロリー摂取差があったかを一目で確認できるようになる。これによって、ユーザに最近の状況を注意喚起できるようになる。
【0070】
さらに、ダイエット分析装置10は、予め定められた目標摂取カロリーを示すデータ(以下、目標摂取カロリーデータ)をデータ記録部101に記録しておき、目標摂取カロリーも併せて表示部103に表示することも可能である。このとき、目標摂取カロリーに幅をもたせてもよい。図7では、目標摂取カロリーを「2200kcal」として、摂取カロリー比較グラフ402内に破線で表示させている。また、目標摂取カロリーに持たせた幅を図7において網かけで図示している。
【0071】
さらに、本実施の形態におけるダイエット分析装置10のダイエット分析部102は、目標摂取カロリーデータとダイエット成功期間の摂取カロリーデータとを比較し、目標摂取カロリーデータと最近の摂取カロリーデータとを比較し、それぞれの比較結果を表示部103に表示させることも可能である。例えば、目標摂取カロリーデータとダイエット成功期間における摂取カロリーデータとを参照してダイエット期間における目標摂取カロリーを達成した日数を算出し、目標摂取カロリーデータと最近の摂取カロリーデータとを参照して目標摂取カロリーを達成した最近の日数を算出して、目標摂取カロリーを達成したそれぞれの日数を表示部103に比較表示させることも可能である。ここで、「目標摂取カロリーを達成」とは、摂取カロリーが目標摂取カロリー以下であったことを意味している。あるいは、目標摂取カロリーデータと摂取カロリーデータとを参照して、目標摂取カロリーを達成した日数を算出する代わりに、目標摂取カロリーより過剰なカロリーを摂取している日数を比較表示するものであってもよい。
【0072】
比較表示の方法は、文字情報として表示してもよいし、カレンダーに色分けして比較表示してもよい。
【0073】
なお、本実施の形態では、ダイエット成功期間および最近の摂取カロリーの情報を比較表示させていたが、ダイエット成功期間における摂取カロリーの情報のみを表示させるものであってもよい。この点は、後述する他の実施の形態でも同様である。
【0074】
〔実施の形態4〕
本発明の他の実施形態について、図8〜図11に基づいて説明すれば以下の通りである。なお、説明の便宜上、前述の実施の形態で用いたものと同じ機能を有する部材には同じ参照符号を付して、その説明を省略する。
【0075】
前述の実施の形態3では、体重データのほかに摂取カロリーデータを取得して、ダイエット成功期間における摂取カロリーの動向および最近の摂取カロリーの動向を比較表示するものであったが、本実施の形態におけるダイエット分析装置10では、取った食事の品目を示すデータ(以下、食事メニューデータ)を取得し、ダイエット成功期間における取った食事品目の履歴および最近取った食事品目の履歴を比較表示している。
【0076】
本実施の形態におけるダイエット分析装置10におけるデータ取得部104は、ユーザの体重データのほかに、食事メニューデータ(食事データ)を取得する。食事メニューデータの取得は、前述の実施の形態3における摂取カロリーデータの取得と同様であるため、その説明を省略する。データ取得部104は、取得した食事メニューデータを、この食事メニューデータが示す食事を取った日付と関連付けてデータ記録部101に記録する。
【0077】
食事メニューデータは、朝食、昼食、夕食および間食の食事区分別に取得することも可能である。
【0078】
データ取得部104は、体重データを用いてダイエット成功期間を抽出した後、抽出した期間の日数に基づき、「最近」の期間を規定する。次いで、ダイエット成功期間における食事メニューデータおよび最近の食事メニューデータをデータ記録部101から抽出し、表示部103が比較表示可能な形式で、表示部103に出力する。
【0079】
図8は、それぞれの期間における食事メニューデータに基づき、それぞれの期間における各日にちに取った食事の品目(食事履歴)を、朝食、昼食、夕食および間食の食事区分別に比較表示している表示画面の内容を示す図であり、図8ではそのうち朝食について表示している状態を表している。図9は、それぞれの期間における朝食、昼食、夕食および間食すべての食事履歴を比較表示している表示画面の内容を示す図である。図8および図9に示すように、本実施の形態では、ダイエット成功期間における食事履歴および最近の食事履歴の両方を同時に表示している。例えば、図8に示される表示によれば、ユーザはダイエット成功期間のうちの5月25日および5月26日の朝食では、どのような品目を食事し、どの程度のカロリーを摂取したかが分かるとともに、最近のうちの11月27日および11月28日の朝食で、どのような品目を食事し、どの程度のカロリーを摂取したかが分かる。そのため、一目で各期間での食事内容の違い、摂取カロリーの違いを認識できる。表示部103に表示させる食事区分の切替えは、図8および図9に示されるように、各食事区分を示すアイコンおよび食事区分に分けないためのアイコン(図中、「全食」)を表示部103に表示させておき、そのアイコンの選択によって、切り替えるようにしている。なお、食事履歴を表示させる際、ダイエット成功期間における食事メニューデータのみならず、ダイエット成功期間開始前の数日(例えば7日間)の食事メニューデータを利用してもよい。
【0080】
食事メニューデータには、食事メニューデータに示される食事の各品目に対応させて、当該品目のカロリーの情報が含まれていてもよい。この場合にダイエット分析部102は表示部103に各品目を表示させる際に、カロリー情報も併せて表示させることができる。
【0081】
ダイエット分析部102は、取った食事の品目数である食事メニュー採用数を、食事区分別に、あるいは食事区分に分けないで、表示部103に表示させることもまた可能である。また、食事メニューの総数を示すデータが予めデータ記録部101に記録されている場合には、このデータをさらに用いて食事メニューの総数に対する採用率を算出し、その結果を表示部103に表示させることも可能である。また、ダイエット分析部102は、アルコール摂取の情報のみを比較表示させたり、高カロリーの食事だけを比較表示させたり、特定の食事品目を比較することで、食事傾向を示すこともできる。
【0082】
さらに、本実施の形態におけるダイエット分析装置10のデータ取得部104は、食事メニューデータを、食事カテゴリ別に取得することも可能である。データ取得部104が取得した食事メニューデータは、その食事を取った日付および食事カテゴリと関連付けて、テーブルにまとめられてデータ記録部101に格納され得る。
【0083】
この場合、ダイエット分析部102は、体重データを用いてダイエット成功期間を抽出し、抽出した期間の日数に基づき「最近」の期間を規定した後、それぞれの期間における食事メニューデータをデータ記録部101から抽出する。ダイエット分析部102は、抽出した食事メニューデータを参照して、参照した全データにおける主食および各副食物のそれぞれの総数を各期間毎に算出する。また、予め各食事カテゴリの食事メニュー(食事品目)の総数がデータ記録部101に記録されている場合には、ダイエット分析部102は、この食事メニューの総数に対してどの程度の食事メニューを取ったかを表す採用率を算出し、表示部103に結果を表示させる。
【0084】
図10は、それぞれの期間における主食および各副食物のそれぞれの食事傾向を比較表示している表示画面の内容を示す図である。図10に示すように、本実施の形態では、それぞれの期間における主食および各副食物のそれぞれの総数(採用数)を、比較テーブル601として表示している。図10では、データ記録部101に予め記録されている「主食」の食事メニューの総数が50であり、ダイエット成功期間における「主食」の食事メニュー採用数が33であり、最近の「主食」の食事メニュー採用数が25であり、それぞれ採用率が66%および50%であることが表示されている。図10に示される表示内容によれば、ダイエット成功期間では最近よりも多くの種類の「主食」を取っていたことが一目で分かり、自身の食事の偏りを知ることができる。これにより、ユーザはより健康的にダイエットを実践できるようになる。
【0085】
また、ダイエット成功期間および最近の食事履歴を食事カテゴリ別に比較表示するものであってもよい。これにより、より詳細に食事の傾向を知ることができる。
【0086】
以上のように本実施の形態によれば、ユーザは、ダイエット成功期間および最近に、「いつ(朝食、昼食、夕食、または間食)」、「何を」、「どのくらい」食べていたか、摂取したカロリーはどの程度であったか、具体的な食事の傾向を知ることができるようになる。したがって、ユーザに、最近の状況を注意喚起できるようになる。
【0087】
さらにそのほかの例として、データ取得部104が、体重データのほかに、摂取した食事の栄養素の情報を含むデータ(以下、栄養素データ)を取得するものであってもよい。栄養素の情報とは、カロリー、厚生労働省および農林水産省が規定している食事バランスのサービング値(SV値)、文部科学省が規定している五訂増補日本食品標準成分表を基に作成された食品成分情報、および日本糖尿病学会編集の刊行物「糖尿病食事療法のための食品交換表 第6版」中の表1〜表6の情報など、既存の栄養情報のことを表している。
【0088】
ダイエット分析部102は、ダイエット成功期間を抽出し、「最近」の期間を規定した後、データ取得部104が取得してデータ記録部101に記録された栄養素データ(食事データ)をデータ記録部101から抽出し、表示部103が比較表示可能な形式で、表示部103に出力する。
【0089】
さらに、ダイエット分析装置10は、食事バランスが良好であるか否かの判定基準を示す基準データがデータ記録部101に予め記録されており、ダイエット分析部102が、基準データとダイエット成功期間の栄養素データとを参照して食事バランスが良好であるか否かを判定し、判定結果に基づき、ダイエット成功期間における食事バランスが良好な日数を算出し、さらに基準データと最近の栄養素データとを参照して食事バランスが良好であるか否かを判定し、判定結果に基づき、最近の食事バランスが良好な日数を算出し、食事バランスが良好なそれぞれの日数を表示部103に表示させる構成であってもよい。
【0090】
食事バランスが良好であるか否かの判定は、例えば、或る日の栄養素データが示すユーザが摂取した栄養素が、基準データが示す基準値内にある場合に、その日を食事バランスが良好な日と判定することができる。基準値としては、例えば、厚生労働省がユーザ属性別に設けている「日本人の食事摂取基準」という基準値を用いることができる。
【0091】
あるいは、厚生労働省および農林水産省が共同で作成した食事バランスガイドを用いて、1日の食事内容を分析し食事バランスが良好な日であるかを判定してもよい。例えば、図11は、食事バランスガイドに含まれる「エネルギー別食事バランスガイドの適正範囲」のテーブルを示す図である。この適正範囲を示すテーブルおよび目標摂取カロリーデータをデータ記録部101に予め記録させておく。ダイエット分析部102は、適正範囲を示すテーブルおよび目標摂取カロリーデータを参照して、ユーザの各食事バランス(SV値)の適正範囲を算出する。ダイエット分析部102は、ユーザが入力した食事メニューデータから、1日の食事バランス(SV値)を算出する。なお、主食SV、副菜SV、主菜SV、果物SVおよび牛乳・乳製品SVなどは各食事メニューによって定まっているものであるため、データ記録部101にSV値を含む食事メニューリストを予め記録させておくことにより、食事メニューデータから、食事バランス(SV値)を容易に算出することができる。ダイエット分析部102は、算出した1日のSV値と図11に示すテーブルとを比較する。比較の結果、算出した1日のSV値が図11に示す適正範囲内であれば、食事バランスの良好な日と判定する。また、予め食事メニューに嗜好品フラグを付加することで、嗜好品を抽出することができ、図11に示す「嗜好品」のカロリーと比較することができる。
【0092】
同様にして、日本糖尿病学会編集の上記刊行物中の表1〜表6の情報を食事メニューに付加しておくことにより、上記刊行物中の表1〜表6の情報を用いて、食事バランスの良好な日であるかを判定することが可能である。
【0093】
(付記事項)
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0094】
例えば、健康管理装置10の各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0095】
すなわち、健康管理装置10は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを展開するRAM、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである健康管理装置10の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、健康管理装置10に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0096】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0097】
また、健康管理装置10を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明によれば、例えばダイエット成功期間を自動で抽出してユーザに提示する健康管理装置を提供することができる。そのため、健康管理を支援するための装置全般に適用可能である。
【符号の説明】
【0099】
10 ダイエット分析装置(健康管理装置)
101 データ記録部(データ記録手段)
102 ダイエット分析部(分析手段)
103 表示部(表示手段)
104 データ取得部(データ取得手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの身体状態の変動が特定の傾向にある期間をユーザに提示する健康管理装置、および健康管理制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今の健康に関する人々の関心の高まりおよび各種健康器具の発達に伴い、健康管理に関する様々なシステムが提案されている。例えば、特許文献1には、インターネット上で、ユーザが作成した健康に関する目標などの健康情報、体重計や血圧計など各種測定機器からのデータを取得し、ユーザの健康に関する目標と測定機器からの実績値とを比較および分析して、その結果からデータの異常値を検出し、異常値に関連する予め用意されたアドバイスを提供する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−262504号公報(2008年10月30日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザは健康管理の一環として食事内容の改善によるダイエットを実践する場合がある。しかしながら、食事内容の改善によってダイエットに成功しても、その後食事内容をさらに変更することによって、体重が急激に増加したり、あるいはある一定の時間をかけて徐々に体重が増加してきたりする場合がある。ユーザが体重の増加を実感して、再度、食事内容を改善しようとする際に、ダイエットに成功していた期間の食事内容を参考にするために、ダイエットに成功していた期間を知りたい場合がある。
【0005】
ユーザが体重の増加を実感して、以前ダイエットに成功した期間を探すには、非常に手間がかかる。具体的には、例えば、まず長期間記録した体重を折線グラフで表示させ、横軸の表示スケールを3ヶ月、半年、および1年と変更したり、日付の切替えを行うなどしたりして、体重トレンドグラフから、体重が減少傾向にある期間を目視で探す。体重トレンドグラフから体重が減少傾向にある期間を発見すると、今度は、横軸の表示スケールを1年から半年、3ヶ月、1ヶ月、および1週間と、日付が分かりやすいスケールまで変更する。そして、表示されている日付を切替えながら、自身が見つけた体重が減少傾向を示している期間まで遡り、具体的な日付を自分で探す必要がある。さらに、体重が減少傾向を示している期間が複数あった場合には、その作業を繰り返し行う必要があり、該当する期間の具体的な日付を探すには、非常に手間がかかる。
【0006】
また、上記特許文献1の技術は、ユーザの健康に対する目標と実績とを比較分析するものであって、ダイエット成功期間、例えばユーザの体重が減少傾向にある期間を自動で抽出するものではない。
【0007】
そこで、本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、蓄積されている身体データからダイエット成功期間を自動で抽出して、ダイエット成功期間がいつであるかをユーザに提示する健康管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る健康管理装置は、上記課題を解決するために、身体データを取得するデータ取得手段と、取得した上記身体データを記録するデータ記録手段と、上記データ記録手段に蓄積された連続する1以上の日にちに対応する1以上の上記身体データから分析用データを作成し、該分析用データの変動を分析して該分析用データの変動が予め定められた範囲内での変動である期間を抽出する分析手段と、上記分析手段が抽出した上記期間を示す情報を表示する表示手段とを備えている構成である。
【0009】
ここで「連続する1以上の日にちに対応する1以上の身体データから」とは、「連続する1以上の日にち」の中に対応する身体データが存在しない日がある場合、残りの日のそれぞれに対応する身体データを用いることを意図している。
【0010】
上記構成によれば、健康管理装置は、データ取得手段によってユーザの身体データを取得する。健康管理装置は、取得したユーザの身体データをデータ記録手段に記録する。このようにして蓄積した、連続する1以上の日にちに対応する1以上の身体データを用いて分析用データを作成する。健康管理装置は、分析用データの変動を分析して、この変動が予め定められた範囲内での変動を示している期間を抽出する。健康管理装置は、抽出された期間を示す情報を表示手段に表示する。これにより、蓄積されている身体データが特定の変動傾向にある期間を自動で抽出し、その期間をユーザに提示できる。
【0011】
例えば、身体データとして測定体重データを用いて、予め定められた範囲内での変動として体重が減少傾向を示すような変化範囲を規定することによって、ユーザが自身の身体データに基づくダイエット成功期間を容易に知ることができる。ユーザはダイエット成功期間を知ることができることにより、食事の内容を記録している自分の手帳や日記などを参照することによって、ダイエットが成功していたときの食事内容を知ることができ、その内容に基づくダイエットを再度実行することが可能となる。
【0012】
本発明の健康管理装置において、上記分析用データが、予め定められた日数の移動平均データであり、上記分析手段が、連続する上記移動平均データの変動が予め定められた範囲内での変動であるか否かを判定することによって、上記移動平均データの変動を分析する構成が可能である。
【0013】
また、本発明の健康管理装置では、上記分析手段が、さらに、上記期間における上記身体データの推移および最近の上記身体データの推移を上記表示手段に比較表示させる構成であってもよい。
【0014】
上記構成によれば、ダイエットが成功していた期間と最近との間でどのくらいの体重の差があったかを、ユーザは一目で確認できるようになる。これによって、ユーザに最近の状況を注意喚起することが可能になる。
【0015】
また、本発明の健康管理装置では、上記データ取得手段が、食事データをさらに取得し、上記データ記録手段が、取得した上記食事データをさらに記録し、上記分析手段が、上記期間における上記食事データの動向を、上記表示手段にさらに表示させることが好ましい。
【0016】
上記構成によれば、ユーザは、例えばダイエット成功期間を知るとともに、その期間における食事の動向も知ることができる。これにより、ユーザは、ダイエットが成功していたときの食事内容に基づくダイエットを手軽に再度実践することが可能となる。
【0017】
また、本発明の健康管理装置では、上記分析手段が、さらに、最近の上記食事データの動向を上記表示手段に表示させることが好ましい。
【0018】
上記構成によれば、ユーザは、例えばダイエットが成功していた期間における食事の動向とともに、最近の食事の動向も同時に知ることができる。これにより、ユーザは、ダイエット成功期間と最近との間で、食事の内容にどのような差があるかを一目で確認できるようになる。また、ユーザに、最近の状況を注意喚起できるようになる。
【0019】
ここで、本発明の健康管理装置は、上記取得手段が、朝食、昼食、夕食および間食の食事区分別に上記食事データを取得し、上記分析手段が、上記食事区分別に、上記期間における上記食事データの動向および最近の上記食事データの動向を上記表示手段に表示させる構成であってもよい。
【0020】
あるいは、本発明の健康管理装置は、上記取得手段が、食事カテゴリ別に上記食事データを取得し、上記分析手段が、上記食事カテゴリ別に、上記期間における上記食事データの動向および最近の上記食事データの動向を上記表示手段に表示させる構成であってもよい。
【0021】
なお、本明細書において「食事カテゴリ」とは、各食事品目を、主食および副食物に分類したものであり、さらに副食物を、野菜、肉類、および魚介類等に分類したものである。
【0022】
これらの構成によれば、いつ、何を、どのくらい食べていたか、具体的な食事の傾向を知ることができるようになる。
【0023】
本発明の健康管理装置において、上記食事データが、摂取カロリー、取った食事の栄養素および食事品目のうちの少なくとも何れか1つを示すデータであることができる。
【0024】
また、本発明の健康管理装置は、上記食事データが、取った食事の栄養素および食事品目のうちの少なくとも何れか一方を示すデータであり、上記記録手段には、食事バランスが良好であるか否かの判定基準を示す基準データが記録されており、上記分析手段が、上記基準データと上記期間の上記食事データとを参照して食事バランスが良好であるか否かを判定し、判定結果に基づき、上記期間における食事バランスが良好な日数を算出し、上記基準データと最近の上記食事データとを参照して食事バランスが良好であるか否かを判定し、判定結果に基づき、最近の食事バランスが良好な日数を算出し、食事バランスが良好なそれぞれの日数を上記表示手段に表示させる構成でもあり得る。
【0025】
上記構成によれば、例えばダイエット成功期間および最近の食事バランスの傾向をユーザが知ることができるため、より健康的なダイエットを実践することができる。
【0026】
また、本発明の健康管理装置は、上記食事データが、摂取カロリーを示すデータであり、上記記録手段には、予め定めた目標摂取カロリーを示す目標摂取カロリーデータが記録されており、上記分析手段が、上記目標摂取カロリーデータと上記期間の上記食事データとを比較し、上記目標摂取カロリーデータと最近の上記食事データとを比較し、それぞれの比較結果を上記表示手段に表示させる構成でもあり得る。
【0027】
上記構成によれば、例えばダイエット成功期間および最近の摂取カロリーを、目標摂取カロリーの観点から比較することができる。そのため、ユーザは、ダイエット成功期間における目標摂取カロリーの達成度を指標に、ダイエットを実践することができる。
【0028】
また、上記健康管理装置は、コンピュータによって実現してもよい。この場合、コンピュータを上記分析手段および上記データ取得手段として動作させることにより上記健康管理装置をコンピュータにおいて実現する健康管理制御プログラム、およびその健康管理制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0029】
以上のように、本発明に係る健康管理装置は、データ記録手段に蓄積された連続する1以上の日にちに対応する1以上の身体データから分析用データを作成し、該分析用データの変動を分析して該分析用データの変動が予め定められた範囲内の変動である期間を抽出する分析手段を備えている。
【0030】
そのため、身体の状態の変動が特定の傾向にある期間を自動で抽出し、ユーザにその期間に関する情報を提示できる。これにより、ユーザは、例えばダイエットが成功していた期間などを簡単に知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一実施形態におけるダイエット分析装置の構成を示すブロック図である。
【図2】体重データの値および移動平均データの値を表しているグラフを示す図である。
【図3】本発明の一実施形態におけるダイエット分析装置に表示される、ダイエット成功期間を表している表示内容を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態におけるダイエット分析装置に表示される、ダイエット成功期間を表している別の表示内容を示す図である。
【図5】本発明の別の実施形態におけるダイエット分析装置に表示される、ダイエット成功期間およびその期間の平均体重を表している表示内容を示す図である。
【図6】本発明のさらに別の実施形態におけるダイエット分析装置に表示される、ダイエット成功期間および最近の体重の推移を表している表示内容を示す図である。
【図7】本発明のさらに別の実施形態におけるダイエット分析装置に表示される、ダイエット成功期間および最近の摂取カロリーの動向を表している表示内容を示す図である。
【図8】本発明のさらに別の実施形態におけるダイエット分析装置に表示される、ダイエット成功期間および最近の食事品目の履歴を食事区分別に表している表示内容を示す図である。
【図9】本発明のさらに別の実施形態におけるダイエット分析装置に表示される、ダイエット成功期間および最近の食事品目の履歴を表している表示内容を示す図である。
【図10】本発明のさらに別の実施形態におけるダイエット分析装置に表示される、ダイエット成功期間および最近の食事内容の動向を食事カテゴリ別に表している表示内容を示す図である。
【図11】食事バランスガイドの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について、図1〜図5に基づいて説明すれば以下の通りである。
【0033】
はじめに、本実施の形態におけるダイエット分析装置(健康管理装置)の構成について、図1を参照して説明する。
【0034】
図1は、本実施の形態におけるダイエット分析装置の概略構成を示すブロック図である。
【0035】
図1に示すように、本実施の形態におけるダイエット分析装置10は、データ取得部(データ取得手段)104と、データ記録部(データ記録手段)101と、ダイエット分析部(分析手段)102、および表示部(表示手段)103を備えている。
【0036】
ダイエット分析装置10としては、例えば、携帯電話、スマートフォン、電子辞書および電子書籍などの携帯端末、ならびに、モニタを備えているパーソナルコンピュータおよびサーバ等の端末装置を用いることができる。
【0037】
(データ取得部)
データ取得部104は、体重等のユーザの身体データを取得するためのモジュールである。身体データの取得は、ダイエット分析装置10にキーボード等の手入力手段を設けてユーザの手入力によって取得する方法、ダイエット分析装置10に無線または有線通信手段を設けて、体重測定機器等から無線または有線通信によって取得する方法、および身体データを外部メモリに記録して、この外部メモリをダイエット分析装置10に接続して取得する方法などが挙げられる。身体データを外部メモリに記録して、この外部メモリをダイエット分析装置10に接続して取得する場合、外部メモリに記録されている身体データをダイエット分析装置10のデータ記録部101にコピーしてもよいし、接続した外部メモリをデータ記録部101としてもよい。身体データを取得する上記いずれの方法も周知の技術を用いて実現可能であるため、本明細書では、その詳細な説明を省略する。
【0038】
データ取得部104は、取得した身体データを、その身体データが測定(取得)された日にちと関連付けてデータ記録部101に記録する。
【0039】
身体データは、ダイエットが成功していたか否かを分析するために用いられる、ユーザの身体の状態を示すデータである。本実施の形態では、身体データとして、体重の測定値である体重データを用いているが、このほかにも、例えば、体脂肪率、筋肉率および腹囲等の測定値を示すデータを用いることも可能である。
【0040】
(データ記録部)
データ記録部101は、データ取得部104が取得した身体データおよびダイエット成功期間を抽出する際に用いられる条件を記録するものである。データ記録部101は、例えば、ハードディスク、フラッシュメモリ、およびRAM(Random Access Memory)などの記録装置を用いることができる。
【0041】
データ取得部104が取得した身体データは、その身体データが測定された日付と関連づけて、テーブルにまとめられて格納され得る。
【0042】
(ダイエット分析部)
ダイエット分析部102は、データ記録部101に記録および蓄積されている体重データを用いて体重が減少傾向を示している期間を抽出するためのモジュールである。ダイエット分析部102は、例えば中央処理ユニット(CPU:Central Processing Unit)などの装置を用いることができる。
【0043】
ここで、ダイエット分析部102が実行する処理について、具体的な例を参照して説明する。
【0044】
ダイエット分析部102では、まず、現在日の前日から360日遡った日数を「分析対象期間」として、この分析対象期間における体重データを参照して、移動平均15日間の移動平均データ(分析用データ)を作成する。例えば、現在日を2009年12月27日とした場合には、ダイエット分析部102は、分析対象期間は2009年1月1日〜2009年12月26日を分析対象期間とし、移動平均15日間のデータが作成される期間は、2009年1月15日〜2009年12月26日となる。なお本実施の形態では、分析対象期間を「現在日の前日から360日遡った日数」とし、移動平均データを作成するための日数を「15日間」としているがこれに限定されるものではなく、開発者およびユーザが適切だと判断した日数であれば何日であってもよい。
【0045】
次いで、ダイエット分析部102は、2009年1月15日の移動平均15日間のデータから分析を開始し、或る日の移動平均15日間のデータをターゲットデータとし、ターゲットデータの一つ前のデータである、その前日の移動平均15日間のデータを比較データとして、ターゲットデータが比較データと比べて所定の条件を満たすか否かを判定する。これを比較データが存在する全ての移動平均データに対して行ない、全ての判定結果に基づきダイエット成功期間を抽出する。
【0046】
具体的に説明すれば、まずダイエット分析部102は、2009年1月15日の移動平均15日間のデータの次のデータである2009年1月16日の移動平均15日間のデータをターゲットデータとし、ターゲットデータの一つ前のデータである2009年1月15日の移動平均15日間のデータを比較データとして、ターゲットデータと比較データとを比較して、ターゲットデータが比較データと比べて増加率0.1%未満の条件を満たすか否かを判定する。ターゲットデータが比較データと比べて増加率0.1%未満の条件を満たす場合には、ダイエット分析部102は、ダイエット成功と判定して、その判定結果をデータ記録部101に記録する。ここで「増加率0.1%未満」とは、ターゲットデータと比較データとが同じ値を示す場合、およびターゲットデータが比較データよりも小さい値を示す場合も含むものである。続いて、ターゲットデータおよび比較データを一つずつ現在日に近いデータにずらして、同様の判定を行う。すなわち、2009年1月17日の移動平均15日間のデータをターゲットデータとし、2009年1月16日の移動平均15日間のデータを比較データとして、同様の判定を行う。ダイエット分析部102は、この判定の処理を、ターゲットデータが2009年12月26日の移動平均15日間のデータとなるまで繰り返す。
【0047】
ダイエット分析部102は、データ記録部101に記録された全ての判定結果を参照して、30日間以上連続して上記の条件を満たしている期間の有無を調べ、見つけた場合にその期間を「ダイエット成功期間」として抽出する。なお本実施の形態では、「30日間」以上連続して条件を満たしている期間をダイエット成功期間として抽出しているが、30日間に限定するものではなく、開発者およびユーザが適切だと判断した日数であれば何日間であってもよい。例えば、「10日間」以上連続して条件を満たす場合と規定することもできる。なお、ダイエット成功期間を規定するための最低日数、移動平均データを作成する際の日数、および分析対象期間の日数は、予め定まっているものでもよく、あるいは、ユーザからの入力によって、適宜変更できるようにしてもよい。
【0048】
30日間連続して上記の条件を満たしている期間が複数存在する場合、ダイエット分析部102は、それぞれの期間を「ダイエット成功期間」として抽出、すなわち「ダイエット成功期間」を複数抽出してもよく、あるいは、他の条件を設定して何れか一つの期間を「ダイエット成功期間」として抽出してもよい。例えば、複数ある期間の中で最も小さい体重データを有している期間を、「ダイエット成功期間」として抽出することができる。さらに、最も小さい体重データを有している期間が複数ある場合には、例えば、当該期間の開始日が最も古い(現在日から最も離れている)日を含む期間を「ダイエット成功期間」として抽出するか、あるいは当該期間の開始日が最も新しい(現在日に最も近い)日を含む期間を「ダイエット成功期間」として抽出すればよい。
【0049】
図2は、体重の実測値と、15日間の移動平均データとを、日付を横軸にしてプロットしたグラフを示す図である。図2に示されるように、体重の実測値が日々増減を繰り返していたり、体重の実測値が得られなかった日があったりする場合であっても、移動平均データを用いることにより、時系列データが平滑化され、体重が減少している傾向にある期間を容易に見つけ出すことが可能となる。
【0050】
ダイエット分析部102は抽出した期間の情報を表示部103が表示可能な形式で、表示部103に出力する。
【0051】
ダイエット分析部102は、さらに、ダイエット成功期間における体重データを参照して、ダイエット成功期間における平均体重を算出することが可能である。平均体重を算出した場合には、表示部103が表示可能な形式で、抽出したダイエット成功期間の情報とともに、表示部103に出力する。
【0052】
一方、30日間連続して上記の条件を満たしている期間が存在しなかった場合には、ダイエット分析部102は、ダイエット成功期間が存在しなかったものと判定する。そして、「条件を満たすダイエット成功期間が存在しません」等の確認メッセージを表示部103に表示させるためのデータを表示部103に出力する。
【0053】
(表示部)
表示部103は、ダイエット分析部102から出力される各種情報をユーザに提示するためのインターフェースであり、LCD(液晶ディスプレイ)などの表示装置である。
【0054】
表示部103は、ダイエット分析部102によって抽出されたダイエット成功期間を、文字およびカレンダー等を用いてユーザに提示する。
【0055】
図3〜図5は、抽出されたダイエット成功期間を表示している表示部103の表示画面の一例を示す図である。図3は、ダイエット成功期間を文字のみで提示する例を示している。図4は、カレンダー表示によってダイエット成功期間を提示する例を示しており、ダイエット成功期間に該当する日がマーキングによって示されている。一方、図5は、ダイエット成功期間とあわせ、ダイエット成功期間の平均体重を提示している例を示している。
【0056】
以上のように、本実施の形態におけるダイエット分析装置10によれば、体重データから移動平均データを作成し、この移動平均データを分析して、その分析結果に基づいてダイエットが成功していた期間を自動で抽出する。そして、抽出した期間の情報を、表示部103を介してユーザに提示できる。
【0057】
上述のように従来の方法では、体重が減少傾向を示している期間の具体的な日付を探すには、非常に手間がかかるものであった。これに対して本実施の形態におけるダイエット分析装置10は、身体データを用いてダイエット成功期間を自動で抽出し、その期間を表示してユーザに提示することができるため、ユーザは手間を省くことができ、簡単にダイエット成功期間を知ることができる。ユーザはダイエット成功期間が分かれば、食事の内容を記録している自分の手帳や日記などを参照することによって、ダイエットが成功していたときの食事内容を知ることができ、その内容に基づくダイエットを再度実行することが可能となる。また、自身の生活の振返りを行えるようになり、行動変容につなげられ、自己分析をしやすくなる。
【0058】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施形態について、図6に基づいて説明すれば以下の通りである。なお、説明の便宜上、前述の実施の形態で用いたものと同じ機能を有する部材には同じ参照符号を付して、その説明を省略する。
【0059】
前述の実施の形態では、ダイエット分析装置10は、ダイエット成功期間、またはダイエット成功期間およびこの期間における平均体重を表示するものであったが、本実施の形態におけるダイエット分析装置10では、ダイエット成功期間を表示するとともに、ダイエット成功期間における体重の推移および最近の体重の推移を比較表示している。
【0060】
ここで「最近」とは、ダイエット成功期間として抽出された日数と同じ日数だけ、現在日(ここでは、現在日を2009年12月27日として説明する)の前日から遡った期間を表している。例えば、ダイエット成功期間として、2009年5月25日〜2009年6月23日の30日間が抽出された場合には、ダイエット分析装置10では、現在日の前日の2009年12月26日〜2009年11月27日の30日間を「最近」と規定する。ダイエット成功期間が複数抽出された場合には、ダイエット成功期間の日数が一番多い日数およびダイエット成功期間の日数が一番少ない日数の何れかを用いるものとし、どちらを用いるかは開発者またはユーザが適宜選択すればよい。ところで「最近」の定義はこれに限定されるものではない。例えば、現在日の前日から遡った期間ではなく、現在日から遡った期間であってもよい。また、ユーザにより指定された任意の日数だけ遡った期間であってもよい。
【0061】
ダイエット分析部102は、ダイエット成功期間を抽出した後、抽出した期間の日数に基づき、「最近」の期間を規定する。次いで、ダイエット成功期間における体重データおよび最近の体重データをデータ記録部101から抽出し、表示部103が比較表示可能な形式で、表示部103に出力する。このときに、前述の実施の形態と同様に、表示部103に、ダイエット成功期間および「最近」の期間を示す文字情報、ならびにそれぞれの期間における平均体重を表示させてもよい。
【0062】
図6は、それぞれの期間における体重の推移を比較表示している表示画面の内容を示す図である。図6に示すように、本実施の形態では、ダイエット成功期間における体重の推移および最近の体重の推移を、折れ線グラフで表した体重比較グラフ401として表示している。また、併せて、各期間における平均体重を示すことで、最近とダイエット成功期間との間でどのくらいの体重差があったかをユーザは一目で確認できるようになる。これによって、ユーザに最近の状況を注意喚起できるようになる。
【0063】
〔実施の形態3〕
本発明の他の実施形態について、図7に基づいて説明すれば以下の通りである。なお、説明の便宜上、前述の実施の形態で用いたものと同じ機能を有する部材には同じ参照符号を付して、その説明を省略する。
【0064】
前述の実施の形態2では、ダイエット分析装置10は、ダイエット成功期間およびその期間の体重データの推移を表示するものであったが、本実施の形態におけるダイエット分析装置10では、ユーザの摂取カロリーを示すデータ(以下、摂取カロリーデータと呼ぶ)をさらに取得して、ダイエット成功期間を表示するとともに、ダイエット成功期間における摂取カロリーの動向および最近の摂取カロリーの動向を比較表示している。
【0065】
本実施の形態におけるダイエット分析装置10におけるデータ取得部104は、ユーザの体重データのほかに、摂取カロリーデータ(食事データ)を取得し、取得した摂取カロリーデータをデータ記録部101に記録する。摂取カロリーデータの取得は、ダイエット分析装置10にキーボード等の手入力手段を設けてユーザの手入力によって取得する方法、および摂取カロリーデータを外部メモリに記録して、この外部メモリをダイエット分析装置10に接続して取得する方法などが挙げられる。摂取カロリーデータを外部メモリに記録して、この外部メモリをダイエット分析装置10に接続して取得する場合、外部メモリに記録されている摂取カロリーデータをダイエット分析装置10のデータ記録部101にコピーしてもよいし、接続した外部メモリをデータ記録部101としてもよい。摂取カロリーデータを取得する上記いずれの方法も周知の技術を用いて実現可能であるため、本明細書では、その詳細な説明を省略する。データ取得部104は、取得した摂取カロリーデータを、その摂取カロリーデータが示すカロリーを摂取した日付と関連付けてデータ記録部101に記録する。
【0066】
摂取カロリーデータは、朝食、昼食、夕食および間食の食事区分別に取得することも可能である。
【0067】
データ取得部104は、体重データを用いてダイエット成功期間を抽出する。ダイエット成功期間を抽出した後、抽出した期間の日数に基づき、「最近」の期間を規定する。なお、本実施の形態における「最近」の規定の仕方は、実施の形態2における場合と同様であるため、その説明を省略する。次いで、ダイエット成功期間における摂取カロリーデータおよび最近の摂取カロリーデータをデータ記録部101から抽出し、表示部103が比較表示可能な形式で、表示部103に出力する。このときに、表示部103に、ダイエット成功期間および「最近」の期間を示す文字情報、ならびにそれぞれの期間における平均摂取カロリーを表示させてもよい。
【0068】
図7は、それぞれの期間における摂取カロリーの動向を比較表示している表示画面の内容を示す図である。図7に示すように、本実施の形態では、ダイエット成功期間における摂取カロリーの動向および最近の摂取カロリーの動向を、折れ線グラフで表した摂取カロリー比較グラフ402として表示している。また、併せて、各期間における平均摂取カロリーを文字情報として示している。平均摂取カロリーの算出は、データ記録部101から抽出した摂取カロリーデータを参照して、ダイエット分析部102が実行している。
【0069】
以上により、ユーザは、最近とダイエット成功期間との間でどのくらいのカロリー摂取差があったかを一目で確認できるようになる。これによって、ユーザに最近の状況を注意喚起できるようになる。
【0070】
さらに、ダイエット分析装置10は、予め定められた目標摂取カロリーを示すデータ(以下、目標摂取カロリーデータ)をデータ記録部101に記録しておき、目標摂取カロリーも併せて表示部103に表示することも可能である。このとき、目標摂取カロリーに幅をもたせてもよい。図7では、目標摂取カロリーを「2200kcal」として、摂取カロリー比較グラフ402内に破線で表示させている。また、目標摂取カロリーに持たせた幅を図7において網かけで図示している。
【0071】
さらに、本実施の形態におけるダイエット分析装置10のダイエット分析部102は、目標摂取カロリーデータとダイエット成功期間の摂取カロリーデータとを比較し、目標摂取カロリーデータと最近の摂取カロリーデータとを比較し、それぞれの比較結果を表示部103に表示させることも可能である。例えば、目標摂取カロリーデータとダイエット成功期間における摂取カロリーデータとを参照してダイエット期間における目標摂取カロリーを達成した日数を算出し、目標摂取カロリーデータと最近の摂取カロリーデータとを参照して目標摂取カロリーを達成した最近の日数を算出して、目標摂取カロリーを達成したそれぞれの日数を表示部103に比較表示させることも可能である。ここで、「目標摂取カロリーを達成」とは、摂取カロリーが目標摂取カロリー以下であったことを意味している。あるいは、目標摂取カロリーデータと摂取カロリーデータとを参照して、目標摂取カロリーを達成した日数を算出する代わりに、目標摂取カロリーより過剰なカロリーを摂取している日数を比較表示するものであってもよい。
【0072】
比較表示の方法は、文字情報として表示してもよいし、カレンダーに色分けして比較表示してもよい。
【0073】
なお、本実施の形態では、ダイエット成功期間および最近の摂取カロリーの情報を比較表示させていたが、ダイエット成功期間における摂取カロリーの情報のみを表示させるものであってもよい。この点は、後述する他の実施の形態でも同様である。
【0074】
〔実施の形態4〕
本発明の他の実施形態について、図8〜図11に基づいて説明すれば以下の通りである。なお、説明の便宜上、前述の実施の形態で用いたものと同じ機能を有する部材には同じ参照符号を付して、その説明を省略する。
【0075】
前述の実施の形態3では、体重データのほかに摂取カロリーデータを取得して、ダイエット成功期間における摂取カロリーの動向および最近の摂取カロリーの動向を比較表示するものであったが、本実施の形態におけるダイエット分析装置10では、取った食事の品目を示すデータ(以下、食事メニューデータ)を取得し、ダイエット成功期間における取った食事品目の履歴および最近取った食事品目の履歴を比較表示している。
【0076】
本実施の形態におけるダイエット分析装置10におけるデータ取得部104は、ユーザの体重データのほかに、食事メニューデータ(食事データ)を取得する。食事メニューデータの取得は、前述の実施の形態3における摂取カロリーデータの取得と同様であるため、その説明を省略する。データ取得部104は、取得した食事メニューデータを、この食事メニューデータが示す食事を取った日付と関連付けてデータ記録部101に記録する。
【0077】
食事メニューデータは、朝食、昼食、夕食および間食の食事区分別に取得することも可能である。
【0078】
データ取得部104は、体重データを用いてダイエット成功期間を抽出した後、抽出した期間の日数に基づき、「最近」の期間を規定する。次いで、ダイエット成功期間における食事メニューデータおよび最近の食事メニューデータをデータ記録部101から抽出し、表示部103が比較表示可能な形式で、表示部103に出力する。
【0079】
図8は、それぞれの期間における食事メニューデータに基づき、それぞれの期間における各日にちに取った食事の品目(食事履歴)を、朝食、昼食、夕食および間食の食事区分別に比較表示している表示画面の内容を示す図であり、図8ではそのうち朝食について表示している状態を表している。図9は、それぞれの期間における朝食、昼食、夕食および間食すべての食事履歴を比較表示している表示画面の内容を示す図である。図8および図9に示すように、本実施の形態では、ダイエット成功期間における食事履歴および最近の食事履歴の両方を同時に表示している。例えば、図8に示される表示によれば、ユーザはダイエット成功期間のうちの5月25日および5月26日の朝食では、どのような品目を食事し、どの程度のカロリーを摂取したかが分かるとともに、最近のうちの11月27日および11月28日の朝食で、どのような品目を食事し、どの程度のカロリーを摂取したかが分かる。そのため、一目で各期間での食事内容の違い、摂取カロリーの違いを認識できる。表示部103に表示させる食事区分の切替えは、図8および図9に示されるように、各食事区分を示すアイコンおよび食事区分に分けないためのアイコン(図中、「全食」)を表示部103に表示させておき、そのアイコンの選択によって、切り替えるようにしている。なお、食事履歴を表示させる際、ダイエット成功期間における食事メニューデータのみならず、ダイエット成功期間開始前の数日(例えば7日間)の食事メニューデータを利用してもよい。
【0080】
食事メニューデータには、食事メニューデータに示される食事の各品目に対応させて、当該品目のカロリーの情報が含まれていてもよい。この場合にダイエット分析部102は表示部103に各品目を表示させる際に、カロリー情報も併せて表示させることができる。
【0081】
ダイエット分析部102は、取った食事の品目数である食事メニュー採用数を、食事区分別に、あるいは食事区分に分けないで、表示部103に表示させることもまた可能である。また、食事メニューの総数を示すデータが予めデータ記録部101に記録されている場合には、このデータをさらに用いて食事メニューの総数に対する採用率を算出し、その結果を表示部103に表示させることも可能である。また、ダイエット分析部102は、アルコール摂取の情報のみを比較表示させたり、高カロリーの食事だけを比較表示させたり、特定の食事品目を比較することで、食事傾向を示すこともできる。
【0082】
さらに、本実施の形態におけるダイエット分析装置10のデータ取得部104は、食事メニューデータを、食事カテゴリ別に取得することも可能である。データ取得部104が取得した食事メニューデータは、その食事を取った日付および食事カテゴリと関連付けて、テーブルにまとめられてデータ記録部101に格納され得る。
【0083】
この場合、ダイエット分析部102は、体重データを用いてダイエット成功期間を抽出し、抽出した期間の日数に基づき「最近」の期間を規定した後、それぞれの期間における食事メニューデータをデータ記録部101から抽出する。ダイエット分析部102は、抽出した食事メニューデータを参照して、参照した全データにおける主食および各副食物のそれぞれの総数を各期間毎に算出する。また、予め各食事カテゴリの食事メニュー(食事品目)の総数がデータ記録部101に記録されている場合には、ダイエット分析部102は、この食事メニューの総数に対してどの程度の食事メニューを取ったかを表す採用率を算出し、表示部103に結果を表示させる。
【0084】
図10は、それぞれの期間における主食および各副食物のそれぞれの食事傾向を比較表示している表示画面の内容を示す図である。図10に示すように、本実施の形態では、それぞれの期間における主食および各副食物のそれぞれの総数(採用数)を、比較テーブル601として表示している。図10では、データ記録部101に予め記録されている「主食」の食事メニューの総数が50であり、ダイエット成功期間における「主食」の食事メニュー採用数が33であり、最近の「主食」の食事メニュー採用数が25であり、それぞれ採用率が66%および50%であることが表示されている。図10に示される表示内容によれば、ダイエット成功期間では最近よりも多くの種類の「主食」を取っていたことが一目で分かり、自身の食事の偏りを知ることができる。これにより、ユーザはより健康的にダイエットを実践できるようになる。
【0085】
また、ダイエット成功期間および最近の食事履歴を食事カテゴリ別に比較表示するものであってもよい。これにより、より詳細に食事の傾向を知ることができる。
【0086】
以上のように本実施の形態によれば、ユーザは、ダイエット成功期間および最近に、「いつ(朝食、昼食、夕食、または間食)」、「何を」、「どのくらい」食べていたか、摂取したカロリーはどの程度であったか、具体的な食事の傾向を知ることができるようになる。したがって、ユーザに、最近の状況を注意喚起できるようになる。
【0087】
さらにそのほかの例として、データ取得部104が、体重データのほかに、摂取した食事の栄養素の情報を含むデータ(以下、栄養素データ)を取得するものであってもよい。栄養素の情報とは、カロリー、厚生労働省および農林水産省が規定している食事バランスのサービング値(SV値)、文部科学省が規定している五訂増補日本食品標準成分表を基に作成された食品成分情報、および日本糖尿病学会編集の刊行物「糖尿病食事療法のための食品交換表 第6版」中の表1〜表6の情報など、既存の栄養情報のことを表している。
【0088】
ダイエット分析部102は、ダイエット成功期間を抽出し、「最近」の期間を規定した後、データ取得部104が取得してデータ記録部101に記録された栄養素データ(食事データ)をデータ記録部101から抽出し、表示部103が比較表示可能な形式で、表示部103に出力する。
【0089】
さらに、ダイエット分析装置10は、食事バランスが良好であるか否かの判定基準を示す基準データがデータ記録部101に予め記録されており、ダイエット分析部102が、基準データとダイエット成功期間の栄養素データとを参照して食事バランスが良好であるか否かを判定し、判定結果に基づき、ダイエット成功期間における食事バランスが良好な日数を算出し、さらに基準データと最近の栄養素データとを参照して食事バランスが良好であるか否かを判定し、判定結果に基づき、最近の食事バランスが良好な日数を算出し、食事バランスが良好なそれぞれの日数を表示部103に表示させる構成であってもよい。
【0090】
食事バランスが良好であるか否かの判定は、例えば、或る日の栄養素データが示すユーザが摂取した栄養素が、基準データが示す基準値内にある場合に、その日を食事バランスが良好な日と判定することができる。基準値としては、例えば、厚生労働省がユーザ属性別に設けている「日本人の食事摂取基準」という基準値を用いることができる。
【0091】
あるいは、厚生労働省および農林水産省が共同で作成した食事バランスガイドを用いて、1日の食事内容を分析し食事バランスが良好な日であるかを判定してもよい。例えば、図11は、食事バランスガイドに含まれる「エネルギー別食事バランスガイドの適正範囲」のテーブルを示す図である。この適正範囲を示すテーブルおよび目標摂取カロリーデータをデータ記録部101に予め記録させておく。ダイエット分析部102は、適正範囲を示すテーブルおよび目標摂取カロリーデータを参照して、ユーザの各食事バランス(SV値)の適正範囲を算出する。ダイエット分析部102は、ユーザが入力した食事メニューデータから、1日の食事バランス(SV値)を算出する。なお、主食SV、副菜SV、主菜SV、果物SVおよび牛乳・乳製品SVなどは各食事メニューによって定まっているものであるため、データ記録部101にSV値を含む食事メニューリストを予め記録させておくことにより、食事メニューデータから、食事バランス(SV値)を容易に算出することができる。ダイエット分析部102は、算出した1日のSV値と図11に示すテーブルとを比較する。比較の結果、算出した1日のSV値が図11に示す適正範囲内であれば、食事バランスの良好な日と判定する。また、予め食事メニューに嗜好品フラグを付加することで、嗜好品を抽出することができ、図11に示す「嗜好品」のカロリーと比較することができる。
【0092】
同様にして、日本糖尿病学会編集の上記刊行物中の表1〜表6の情報を食事メニューに付加しておくことにより、上記刊行物中の表1〜表6の情報を用いて、食事バランスの良好な日であるかを判定することが可能である。
【0093】
(付記事項)
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0094】
例えば、健康管理装置10の各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0095】
すなわち、健康管理装置10は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを展開するRAM、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである健康管理装置10の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、健康管理装置10に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0096】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0097】
また、健康管理装置10を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明によれば、例えばダイエット成功期間を自動で抽出してユーザに提示する健康管理装置を提供することができる。そのため、健康管理を支援するための装置全般に適用可能である。
【符号の説明】
【0099】
10 ダイエット分析装置(健康管理装置)
101 データ記録部(データ記録手段)
102 ダイエット分析部(分析手段)
103 表示部(表示手段)
104 データ取得部(データ取得手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体データを取得するデータ取得手段と、
取得した上記身体データを記録するデータ記録手段と、
上記データ記録手段に蓄積された連続する1以上の日にちに対応する1以上の上記身体データから分析用データを作成し、該分析用データの変動を分析して該分析用データの変動が予め定められた範囲内での変動である期間を抽出する分析手段と、
上記分析手段が抽出した上記期間を示す情報を表示する表示手段とを備えていることを特徴とする健康管理装置。
【請求項2】
上記分析用データが、予め定められた日数の移動平均データであり、
上記分析手段が、連続する上記移動平均データの変動が予め定められた範囲内での変動であるか否かを判定することによって、上記移動平均データの変動を分析することを特徴とする請求項1に記載の健康管理装置。
【請求項3】
上記分析手段が、さらに、上記期間における上記身体データの推移および最近の上記身体データの推移を上記表示手段に比較表示させることを特徴とする請求項1または2に記載の健康管理装置。
【請求項4】
上記データ取得手段が、食事データをさらに取得し、
上記データ記録手段が、取得した上記食事データをさらに記録し、
上記分析手段が、上記期間における上記食事データの動向を、上記表示手段にさらに表示させることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の健康管理装置。
【請求項5】
上記分析手段が、さらに、最近の上記食事データの動向を上記表示手段に表示させることを特徴とする請求項4に記載の健康管理装置。
【請求項6】
上記取得手段が、朝食、昼食、夕食および間食の食事区分別に上記食事データを取得し、
上記分析手段が、上記食事区分別に、上記期間における上記食事データの動向および最近の上記食事データの動向を上記表示手段に表示させることを特徴とする請求項5に記載の健康管理装置。
【請求項7】
上記取得手段が、食事カテゴリ別に上記食事データを取得し、
上記分析手段が、上記食事カテゴリ別に、上記期間における上記食事データの動向および最近の上記食事データの動向を上記表示手段に表示させることを特徴とする請求項5に記載の健康管理装置。
【請求項8】
上記食事データが、摂取カロリー、取った食事の栄養素および食事品目のうちの少なくとも何れか1つを示すデータであることを特徴とする請求項4〜7の何れか1項に記載の健康管理装置。
【請求項9】
上記食事データが、取った食事の栄養素および食事品目のうちの少なくとも何れか一方を示すデータであり、
上記記録手段には、食事バランスが良好であるか否かの判定基準を示す基準データが記録されており、
上記分析手段が、
上記基準データと上記期間の上記食事データとを参照して食事バランスが良好であるか否かを判定し、判定結果に基づき、上記期間における食事バランスが良好な日数を算出し、
上記基準データと最近の上記食事データとを参照して食事バランスが良好であるか否かを判定し、判定結果に基づき、最近の食事バランスが良好な日数を算出し、
食事バランスが良好なそれぞれの日数を上記表示手段に表示させることを特徴とする請求項5に記載の健康管理装置。
【請求項10】
上記食事データが、摂取カロリーを示すデータであり、
上記記録手段には、予め定めた目標摂取カロリーを示す目標摂取カロリーデータが記録されており、
上記分析手段が、上記目標摂取カロリーデータと上記期間の上記食事データとを比較し、上記目標摂取カロリーデータと最近の上記食事データとを比較し、それぞれの比較結果を上記表示手段に表示させることを特徴とする請求項5に記載の健康管理装置。
【請求項11】
請求項1〜10の何れか1項に記載の健康管理装置を動作させる健康管理制御プログラムであって、コンピュータを上記分析手段および上記データ取得手段として機能させるための健康管理制御プログラム。
【請求項12】
請求項11に記載の健康管理制御プログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
身体データを取得するデータ取得手段と、
取得した上記身体データを記録するデータ記録手段と、
上記データ記録手段に蓄積された連続する1以上の日にちに対応する1以上の上記身体データから分析用データを作成し、該分析用データの変動を分析して該分析用データの変動が予め定められた範囲内での変動である期間を抽出する分析手段と、
上記分析手段が抽出した上記期間を示す情報を表示する表示手段とを備えていることを特徴とする健康管理装置。
【請求項2】
上記分析用データが、予め定められた日数の移動平均データであり、
上記分析手段が、連続する上記移動平均データの変動が予め定められた範囲内での変動であるか否かを判定することによって、上記移動平均データの変動を分析することを特徴とする請求項1に記載の健康管理装置。
【請求項3】
上記分析手段が、さらに、上記期間における上記身体データの推移および最近の上記身体データの推移を上記表示手段に比較表示させることを特徴とする請求項1または2に記載の健康管理装置。
【請求項4】
上記データ取得手段が、食事データをさらに取得し、
上記データ記録手段が、取得した上記食事データをさらに記録し、
上記分析手段が、上記期間における上記食事データの動向を、上記表示手段にさらに表示させることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の健康管理装置。
【請求項5】
上記分析手段が、さらに、最近の上記食事データの動向を上記表示手段に表示させることを特徴とする請求項4に記載の健康管理装置。
【請求項6】
上記取得手段が、朝食、昼食、夕食および間食の食事区分別に上記食事データを取得し、
上記分析手段が、上記食事区分別に、上記期間における上記食事データの動向および最近の上記食事データの動向を上記表示手段に表示させることを特徴とする請求項5に記載の健康管理装置。
【請求項7】
上記取得手段が、食事カテゴリ別に上記食事データを取得し、
上記分析手段が、上記食事カテゴリ別に、上記期間における上記食事データの動向および最近の上記食事データの動向を上記表示手段に表示させることを特徴とする請求項5に記載の健康管理装置。
【請求項8】
上記食事データが、摂取カロリー、取った食事の栄養素および食事品目のうちの少なくとも何れか1つを示すデータであることを特徴とする請求項4〜7の何れか1項に記載の健康管理装置。
【請求項9】
上記食事データが、取った食事の栄養素および食事品目のうちの少なくとも何れか一方を示すデータであり、
上記記録手段には、食事バランスが良好であるか否かの判定基準を示す基準データが記録されており、
上記分析手段が、
上記基準データと上記期間の上記食事データとを参照して食事バランスが良好であるか否かを判定し、判定結果に基づき、上記期間における食事バランスが良好な日数を算出し、
上記基準データと最近の上記食事データとを参照して食事バランスが良好であるか否かを判定し、判定結果に基づき、最近の食事バランスが良好な日数を算出し、
食事バランスが良好なそれぞれの日数を上記表示手段に表示させることを特徴とする請求項5に記載の健康管理装置。
【請求項10】
上記食事データが、摂取カロリーを示すデータであり、
上記記録手段には、予め定めた目標摂取カロリーを示す目標摂取カロリーデータが記録されており、
上記分析手段が、上記目標摂取カロリーデータと上記期間の上記食事データとを比較し、上記目標摂取カロリーデータと最近の上記食事データとを比較し、それぞれの比較結果を上記表示手段に表示させることを特徴とする請求項5に記載の健康管理装置。
【請求項11】
請求項1〜10の何れか1項に記載の健康管理装置を動作させる健康管理制御プログラムであって、コンピュータを上記分析手段および上記データ取得手段として機能させるための健康管理制御プログラム。
【請求項12】
請求項11に記載の健康管理制御プログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−258137(P2011−258137A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−134347(P2010−134347)
【出願日】平成22年6月11日(2010.6.11)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月11日(2010.6.11)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
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