説明

健康管理装置及び健康管理方法

【課題】蓄積された健康情報を企業で活用する方法を示し、勤務時間に健康管理意識を高める装置、また企業として個人の健康管理をサポートする健康管理装置を提供する。
【解決手段】健康管理装置は、利用者の健康情報を含む情報を格納するICカードに対して情報の読取り及び書込みを行うICカードリーダ・ライタと情報の読取りを行うICカードリーダとのいずれかに接続された端末及び設備と、これらに通信可能に接続される分散処理コンピュータと、これに通信可能に接続され、分散処理コンピュータを制御するホストコンピュータとを備える。端末及び設備と、分散処理コンピュータと、ホストコンピュータとの間でICカードの情報のやりとりを行うことにより、ICカードの情報で特定される利用者の健康状態を端末の操作により予め設定された基準値をもとに判定し、判定した利用者の健康状態に応じて設備の利用を制限可能に管理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、健康管理装置及び健康管理方法に係り、特にIC(Integrated Circuits:集積回路)チップ組込型のIC社員証カードを用いた企業健康管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術のICチップ個人情報記憶システムには、次のようなものがある。
【0003】
特許文献1には、ICタグが個人の健康管理にかかわる測定情報を取り込んで、人の集まる場所に設置された管理装置が、その測定情報を受信して記憶し、個人の健康管理のための情報を生成出力し、ICタグが管理装置に無線送信するとき、ICタグに付与されているIDを変更しながら電波を発信することでセキュリティを確保するヘルスケアシステムが開示されている。
【0004】
特許文献2には、体重測定、身長測定、血圧測定等の健康診断測定をデジタル測定し、取得した値をICカード用データに変換後、ICカードライタ部またはICカード専用のリーダ・ライタ内蔵アンテナを介して電磁誘導によって非接触ICカードにデータを書込む健康診断測定装置が開示されている。
【0005】
特許文献3では、自動計測器を利用した健康診断において、ICカードを使用して端末装置にかかる費用の軽減および端末装置における待ち時間の短縮を図るICカードによる健康診断データ収集システムが開示されている。この健康診断データ収集システムは、自動計測器により計測された計測データを端末装置を使用して収集するものであり、計測データの書込み及び読出しが可能なICカードと、このICカードにICカードターミナルを介して計測データを書込む計測データ書込み手段を含む自動計測器と、ICカードをICカードターミナルを介してICカード発行画面対応に発行するICカード発行手段及びICカードに書込まれた計測データを、ICカードターミナルを介してICカード取込み画面対応に取り込むICカード取込み手段を含む端末装置とを有する。
【0006】
特許文献4では、ICチップに記憶した個人情報の活用方法として、教室での出欠管理などを行う学生証ICカードによる学校管理装置が開示されている。この学校管理装置は、ICカードリーダ・ライタが接続された複数の端末と、端末に接続され、カ−ド発行管理システム、健康管理システム、食堂・自動販売機システム及び出欠管理システムを制御する1又は2以上の分散処理コンピュータと、分散処理コンピュ−タに接続され、分散処理コンピュ−タを制御するホストコンピュータとを備えている。
【0007】
特許文献5では、データ管理センタのデータベースに、ユーザの個人情報及び医療・健康情報と共にアクセス権限に対応していずれの情報を開示するかを規定する開示制御情報とを蓄積し、任意の端末からのアクセスに対してユーザ認証を行い、認証したユーザのアクセス権限に対して許容される範囲内でユーザの医療・健康情報を検索し、該当情報を抽出してアクセス元の端末に送信する医療・健康情報共有利用システムが開示されている。
【0008】
一方、近年、生活習慣病患者の増加に伴い、メタボリックシンドローム対策や健康管理に対する意識改善が叫ばれている。これに関し、厚生労働省では、2008年4月30日に、メタボリックシンドロームまたはその予備群に該当する40〜74歳が、1940万人(40歳以上の男性2人に1人、女性5人に1人に相当)にのぼると発表している。その対策に「健康日本21」として、メタボリックシンドロームの認知度を平成22年度までに80パーセント以上に向上することなどの数値目標を掲げている(非特許文献1参照)。
【0009】
また、2008年5月16日の毎月勤労統計調査「平成19年度分結果確報」では、日本人の1ヶ月の総実労働時間が平均150時間にものぼることが発表された(非特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2006−127161号公報
【特許文献2】特開2001−017395号公報
【特許文献3】特開平7−28905号公報
【特許文献4】特開平6−83843号公報
【特許文献5】特開2003−067506号公報
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】厚生労働省大臣官房健康局総務課生活習慣病対策室、「平成18年国民健康・栄養調査結果の概要」、[online]、平成20年4月30日、厚生労働省、報道発表資料、[平成21年2月2日検索]、インターネット<URL:http://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/04/h0430-2.html>
【非特許文献2】厚生労働省大臣官房統計情報部雇用統計課、「毎月勤労統計調査 平成19年度分結果確報」、「第2表 月間実労働時間及び出勤日数」、[online]、平成20年5月16日、厚生労働省、報道発表資料、[平成21年2月2日検索]、インターネット<URL:http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/19/19-2fr/mk19fr.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上述した特許文献1〜5では、個人情報をICチップへ書込む方法として有効活用されているが、それを健康管理の観点で利用する環境、設備を提供していなかった。また、特許文献1〜5では、健康情報についても個人情報として収集しているものの、活用していないため、健康管理に対する意識向上にもつながっていない。
【0013】
一方、上述した非特許文献1、2によると、メタボリックシンドロームの大半を占めるのは学生ではなく社会人であるため、彼らの1日の20%(150時間/30日/24時間)に相当する勤務時間に、健康管理意識の改善が行えれば、大きなメタボリックシンドローム対策になると考えられる。
【0014】
そこで、本発明の目的は、上述した課題を解決し、蓄積された健康情報を企業で活用する方法を示し、勤務時間に健康管理意識を高める装置、また企業として個人の健康管理をサポートする健康管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するため、本発明に係る健康管理装置は、利用者の健康情報を含む情報を格納するICカードに対して前記情報の読取り及び書込みを行うICカードリーダ・ライタと前記情報の読取りを行うICカードリーダとのいずれかに接続された端末及び設備と、前記端末及び設備に通信可能に接続される分散処理コンピュータと、前記分散処理コンピュータに通信可能に接続され、前記分散処理コンピュータを制御するホストコンピュータとを備え、前記端末及び設備と、前記分散処理コンピュータと、前記ホストコンピュータとの間で前記ICカードの情報のやりとりを行うことにより、前記ICカードの情報で特定される利用者の健康状態を前記端末の操作により予め設定された基準値をもとに判定し、判定した利用者の健康状態に応じて前記設備の利用を制限可能に管理することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、蓄積された健康情報を企業で活用する方法を示し、勤務時間に健康管理意識を高める装置、また企業として個人の健康管理をサポートする健康管理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態に係る健康管理装置の全体構成図である。
【図2】図1に示す健康管理装置のシステム関連図である。
【図3】図1及び図2に示す社員情報管理システムの概略説明図である。
【図4】図1及び図2に示す入退社管理システムの概略説明図である。
【図5】図1及び図2に示す健康情報測定システムの概略説明図である。
【図6】図1及び図2に示す健康管理システムの概略説明図である。
【図7】図1及び図2に示す健康状態判断システムの概略説明図である。
【図8】図1及び図2に示す個人端末管理システムの概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る健康管理装置及び健康管理方法の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
図1は、本実施の形態に係る健康管理装置であるIC社員証カードを用いた企業健康管理装置(以下、「健康管理装置」とする)の全体構成図である。図2は、社員情報、健康情報などの情報内容、あるいは各端末での操作項目などを記述した健康管理装置のシステム関連図である。
【0020】
まず、図1と図2を参照し、装置全体の構成を説明する。図1及び図2において、本実施の形態に係る健康管理装置は、有線ネットワーク及び無線ネットワークのいずれか一方又は両方で構成される企業内LAN(Local Area Network)、専用網、公衆網などの通信回線からなるネットワークNWに通信可能に接続された複数のノードから構成される。各ノードには、ホストコンピュータ01、分散処理コンピュータ02、複数の端末(個人端末03、社員管理端末04、労務管理端末05)、及び複数の設備(測定装置06、食堂メニュー選択装置(食堂メニュー選択システム)07、自動販売機08、エレベータ09、ICゲート装置10)が含まれる。
【0021】
ネットワークNW上の各ノードは、それぞれプロセッサ部(CPU:Central Processing Unit)、メモリ部、入出力部(ネットワークNWと通信可能な通信インタフェースを含む)などのコンピュータアーキテクチャに基づく構成要素を有し、プログラム制御で動作する。以下に説明する各ノードの機能の少なくとも一部は、プロセッサ部がメモリ部のプログラムの命令を実行することにより実現される。
【0022】
ホストコンピュータ01は、分散処理コンピュータ02の動作を制御する。分散処理コンピュータ02は、企業内で利用される複数の端末03〜05及び複数の設備06〜10とネットワークNWを介してそれぞれ通信可能に接続されている。分散処理コンピュータ02は、社員情報管理システム21、健康管理システム22、入退社管理システム23、健康情報測定システム24、健康状態判断システム25、個人端末管理システム26を有し、これらの動作を制御する。分散処理コンピュータ02は、ホストコンピュータ01にネットワークNWを介して通信可能に接続されている。
【0023】
複数の端末03〜05及び複数の設備06〜10のうち、社員管理端末04と、ICゲート装置10とには、それぞれICカードリーダ・ライタ41、101が接続される。また、測定装置06、食堂メニュー選択装置07、自動販売機08、エレベータ09には、それぞれICカードリーダ61、71、81、91が接続される。
【0024】
ICカードリーダ・ライタ41、101とICカードリーダ61、71、81、91は、挿入された社員(利用者)PSのICカード識別番号、社員番号、社員証発行記録、社員名、所属部署、健康状態(後述参照)が記録されたIC社員証カード(ICカード)11から、社員PSのICカード識別番号を読取り、読取ったICカード識別番号から社員PSを特定する手段(機能)を備える。このICカード識別番号を用いて、社員PSごとの情報として、分散処理コンピュータ02を経由してホストコンピュータ01に社員PSの社員情報(ICカード識別番号、社員番号、社員証発行記録、社員名、所属部署、住所などの情報)、健康情報(ICカード識別番号、身長、体重、体脂肪、血圧、心拍数、健康状態、通知受信情報などの情報)、勤務情報(ICカード識別番号、入退社情報、残業などの情報)が蓄積される。
【0025】
個人端末03は、企業内の各フロアに配置された社員PSの個人用の端末で、個人端末管理システム26との間の通信により、分散処理コンピュータ02及びホストコンピュータ01の処理を通じて、ログオン時に社員PSの健康情報を表示する。
【0026】
社員管理端末04は、企業内の総務部N1に配置された社員管理用の端末で、社員情報管理システム21との間の通信により、分散処理コンピュータ02及びホストコンピュータ01の処理を通じて、社員PSが携帯するIC社員証カード11の発行、破棄、再発行、IC社員証カード情報の照会や社員情報の更新を行う機能を有する。
【0027】
労務管理端末05も、企業内の総務部N1に配置された労務管理用の端末で、健康管理システム25との間の通信により、分散処理コンピュータ02及びホストコンピュータ01の処理を通じて、ホストコンピュータ01に蓄積された社員PSの社員情報、健康情報、勤務情報の照会、定期健康通知の照会、各種通知の発行、ホストコンピュータ01に蓄積される健康管理情報(健康状態判定基準値、基準値変更記録、通知発行記録、設備利用メッセージ(自動販売機メッセージ、エレベータメッセージ、食堂メッセージ、食堂お勧め(推奨)健康メニュー)などの情報)の入力・設定(健康状態判定基準値の設定、設備利用メッセージの設定、定期通知発行時間の設定など)を行う機能を有する。
【0028】
測定装置06は、健康測定センターN2に配置された健康情報測定システム24用の複数の設備で、社員PSの身長、体重、体脂肪、血圧、心拍数などを測定する装置(身長測定装置、体重測定装置、血圧測定装置、体脂肪測定装置など)である。
【0029】
食堂メニュー選択装置07、自動販売機08、エレベータ09の各社内設備は、健康状態判断システム25との間の通信により、分散処理コンピュータ02及びホストコンピュータ01の処理を通じて、社員PSの健康状態を判断して、その判断結果である社員PSの健康状態に沿った利用アナウンス情報のメッセージをディスプレイ表示する。
【0030】
ICゲート装置10は、入退社管理システム用の設備で、ICカードリーダ・ライタ101が接続され、社員PSの入退社時にそのICカードリーダ・ライタ101に挿入されたIC社員証カード11から社員PSの入退社情報を取得し、社員PS毎に入退社時間を管理し、IC社員証カード情報を更新する機能を有する。
【0031】
次に、図3〜図8を参照して、本実施の形態の動作について説明する。
【0032】
図3は、社員情報管理システム21の概略説明図である。
【0033】
総務部N1の社員管理端末04には、ICカードリーダ・ライタ41が接続されている。このICカードリーダ・ライタ41にIC社員証カード11を挿入して、IC社員証カード情報の読取り・書込みを行う。社員管理端末04は、入力手段と画面表示手段を備えており、分散処理コンピュータ02とネットワークNWを介して通信可能に接続されている。
【0034】
この状態で、分散処理コンピュータ02の制御する社員情報管理システム21により、社員管理端末04は、分散処理コンピュータ02と社員PSの社員情報及び画面情報のやりとりを行う(S11)。社員情報は、IC社員証カード11の発行の際に必要となる社員PSの社員番号、社員証発行記録、社員名、所属部署などのIC社員証カード情報と、社員PSの住所、年齢、性別などの個人情報である。また、画面情報は、社員管理端末04から社員情報の入力あるいは修正を行う際、また情報を照会する際に、社員管理端末04の画面上にあらわれるメッセージ等の情報である。
【0035】
分散処理コンピュータ02は、ホストコンピュータ01にネットワークNWを介して通信可能に接続されている。ホストコンピュータ01は、分散処理コンピュータ02により処理された社員情報の蓄積を行い、この社員情報を分散処理コンピュータ02との間でネットワークNWを介してやりとりする(S12)。
【0036】
以上の動作により、IC社員証カード11は、社員情報管理システム21により発行される。社員管理端末41に接続されたICカードリーダ・ライタ41にIC社員証カード11を挿入し、社員管理端末41の画面情報を見ながら必須事項を入力すると、入力された社員PSの社員情報は、分散処理コンピュータ02を経由して社員情報としてホストコンピュータ01に蓄積される。さらに入力した社員情報の一部は、社員管理端末41に接続されたICカードリーダ・ライタ41により、IC社員証カード11に書込まれる。社員PSの社員情報を更新したい場合には、社員管理端末41の画面情報を見ながら、社員管理端末41の操作により、分散処理コンピュータ02を経由してホストコンピュータ01に蓄積された社員情報を更新する。
【0037】
図4は、入退社管理システム23の概略説明図である。
【0038】
ICゲート装置10には、ICカードリーダ・ライタ101が接続されている。このICカードリーダ・ライタ101にIC社員証カード11を社員PSの入退社時に挿入することにより、ICゲート装置10が作動して社員PSの入社時間あるいは退社時間が決定される。社員PSの入退社情報は、入退社管理システム23を制御する分散処理コンピュータ02にネットワークNWを介して伝送される(S21)。
【0039】
分散処理コンピュータ02は、ホストコンピュータ01にネットワークNWを介して通信可能に接続されている。ホストコンピュータ01は、分散処理コンピュータ02により処理された社員PSの勤務情報の蓄積を行う(S22)。また、社員PSの退社時には、ICカードリーダ・ライタ101に挿入されたIC社員証カード11に、分散処理コンピュータ02の制御する入退社管理システム23により、ホストコンピュータ01に蓄積された社員PSの社員情報、健康情報から、最新のIC社員証カード情報を書込む(S23、S24)。
【0040】
以上の動作により、社員PSの入退社時にIC社員証カード11をICゲート装置10のICカードリーダ・ライタ101に挿入すると、社員PSの入退社情報が分散処理コンピュータ02を経由して勤務情報としてホストコンピュータ01に蓄積される。社員PSの退社時には、分散処理コンピュータ02を経由してホストコンピュータ01に蓄積された社員PSの社員情報、健康情報を呼出し、IC社員証カード11へ書込む。これによって、社員PSのIC社員証カード情報を最新に保つ。
【0041】
図5は、健康情報測定システム24の概略説明図である。
【0042】
健康診断センターN2の複数の測定装置06には、ICカードリーダ61が接続されている。このICカードリーダ61にIC社員証カード11を挿入して、社員PSの身長、体重、血圧など健康情報の測定を行う。社員PSの測定情報は、健康情報測定システム24を制御する分散処理コンピュータ02にネットワークNWを介して伝送される(S31)。分散処理コンピュータ02は、ホストコンピュータ01に接続されている。ホストコンピュータ01は、分散処理コンピュータ02により処理された健康情報の蓄積を行う(S32)。
【0043】
以上の動作により、IC社員証カード11を測定装置06のICカードリーダ61に挿入して使用すると、社員PSの測定情報が分散処理コンピュータ02を経由して健康情報としてホストコンピュータ01に蓄積される。
【0044】
図6は、健康管理システム22の概略説明図である。
【0045】
労務管理端末05は、入力手段と画面表示手段を備えており、分散処理コンピュータ02とネットワークNWを介して通信可能に接続されている。分散処理コンピュータ02の制御する健康管理システム22により、労務管理端末05は、分散処理コンピュータ02とネットワークNWを介して社員PSの健康管理情報および社員情報、勤務情報、健康情報、また画面情報のやりとりを行う(S41)。
【0046】
健康管理情報は、社員PSの健康状態の判定基準値、社内設備の利用メッセージ、あるいは各種通知の発行記録、定期通知の通知間隔などの情報である。画面情報は、労務管理端末05から健康管理情報の入力あるいは修正を行う際、また情報を照会する際に、労務管理端末05の画面上にあらわれるメッセージ等の情報である。また、健康管理システム22では、定期的に社員PSの健康情報と健康管理情報を比較し、健康情報の健康状態を更新する。
【0047】
分散処理コンピュータ02は、ホストコンピュータ01にネットワークNWを介して通信可能に接続されている。ホストコンピュータ01は、分散処理コンピュータ02により処理された社員PSの健康管理情報、健康情報の蓄積を行い、この健康管理情報、健康情報と社員情報、勤務情報を分散処理コンピュータ02との間でネットワークNWを介してやりとりする(S42)。
【0048】
以上の動作により、分散処理コンピュータ02を経由してホストコンピュータ01に蓄積された社員PSの社員情報、勤務情報、健康情報、健康管理情報を、労務管理端末05の操作によりその画面上に表示する。このとき、分散処理コンピュータ02の制御により、ホストコンピュータ01に蓄積された社員PSの各情報を併せてグラフ、表で照会でき、社員PSの勤務情報と健康情報を併せて社員PSの残業時間に対する健康状態の推移などとして照会できる。
【0049】
また、分散処理コンピュータ02の制御により、設定された基準値と比較して健康状態の良好でない社員PSの情報を、定期健康通知として定期的に労務管理端末05へ通知する。また、社員PSの健康状態を、設定された基準値に沿って、例えばA、B、C等の各段階に判定(評価)を行う。社員PSの健康状態は、定期的に更新される。
【0050】
担当者は、社員PSの定期健康通知や勤務情報、健康情報より、労務管理端末05の操作で個人端末03へ健康診断受診通知あるいは健康管理注意通知を発行する。基準値の更新も、画面情報を見ながら労務管理端末05の操作で行う。社員PSの健康状態、健康診断受診通知、健康管理注意通知、あるいは設定値変更情報は、分散処理コンピュータ02を経由してホストコンピュータ01に蓄積された社員PSの健康情報あるいは健康管理情報を更新する。
【0051】
図7は、健康状態判断システム25の概略説明図である。
【0052】
食堂メニュー選択装置07、自動販売機08、エレベータ09の各社内設備には、それぞれICカードリーダ71、81、91が接続されている。各社内設備07、08、09は画面表示手段であるディスプレイ72、82、92を備えており、分散処理コンピュータ02とネットワークNWを介して通信可能に接続されている。分散処理コンピュータ02の制御する健康状態判断システム25により、社内設備07〜設備09は、社員PSのIC社員証カード情報と健康管理情報をネットワークNWを介してやりとりする(S51)。
【0053】
健康状態判断システム25では、社員PSのIC社員証カード情報の健康状態に沿って、健康管理情報の設備利用メッセージから使用するメッセージを決定し、各社内設備07、08、09のディスプレイ72、82、92へ表示する(S52)。設備利用メッセージは労務管理端末05で、設備07、08、09ごと、健康状態ごとに設定できる。
【0054】
分散処理コンピュータ02は、ホストコンピュータ01にネットワークNWを介して通信可能に接続されている。分散処理コンピュータ02は、健康状態判断システム25によりホストコンピュータ01から社員PSの健康管理情報をネットワークNWを介して照会する(S53)。
【0055】
以上の動作により、IC社員証カード11を各社内設備07、08、09のICカードリーダ71、81、91に挿入すると、IC社員証カード11の健康状態を読取り、分散処理コンピュータ02の制御により、ホストコンピュータ01の健康管理情報から、社員の健康状態に応じた適切な利用アナウンス情報のメッセージが各社内設備07、08、09のディスプレイ72、82、92に表示される。
【0056】
例えば、健康状態Cと判定された社員が自動販売機08を使用する際にコーラなどのカロリーの高い商品を選択した場合、「高カロリー、高脂質を含む商品です。宜しいですか?」などの予め設定された利用アナウンス情報のメッセージが表示される。食堂メニュー選択装置07の使用時には、同様のアナウンスがなされ、且つお勧め(推奨)メニューが表示される。エレベータ09の使用時には、「歩いたほうが健康に良いですが、今回はエレベータを使用なさいますか?」などの利用アナウンス情報のメッセージが表示される。利用アナウンス情報のメッセージは、労務管理端末05にて入力され、健康管理システム22で設定され、ホストコンピュータ01に健康管理情報として蓄積される。
【0057】
図8は、個人端末管理システム26の概略説明図である。
【0058】
社員PSが利用する個人端末03は、入力手段と画面表示手段を備えており、分散処理コンピュータ02とネットワークNWを介して通信可能に接続されている。分散処理コンピュータ02の制御する個人端末管理システム26により、個人端末03は、分散処理コンピュータ02とネットワークNWを介して社員PSの社員情報、勤務情報、健康情報、また画面情報のやりとりを行う(S61)。
【0059】
画面情報は、個人端末03から社員PSの社員情報、勤務情報、健康情報を照会する際に、個人端末03の画面上にあらわれるメッセージ等の情報である。個人端末管理システム26では、ログインIDより社員PSを特定し、ログイン時に該当する社員PSの健康情報を表示する。
【0060】
分散処理コンピュータ02は、ホストコンピュータ01にネットワークNWを介して通信可能に接続されている。分散処理コンピュータ02は、個人端末管理システム26によりホストコンピュータ01から社員PSの社員情報、勤務情報、健康情報を、ネットワークNWを介して照会する(S62)。
【0061】
以上の動作により、個人端末03にログインすると、分散処理コンピュータ02の制御により、個人端末03に社員PSの健康情報が表示される。また、個人端末03の操作により、分散処理コンピュータ02を経由してホストコンピュータ01に蓄積された社員情報、勤務情報、健康情報の照会が行われる。
【0062】
以上により、本実施の形態によれば、次の効果が得られる。
【0063】
第1の効果は、生活習慣病やメタボリックシンドロームへの対策となることにある。その理由は、企業として健康管理を実施するため、勤務時間中に社員の健康管理意識を向上させられるからである。始業時に個人の端末へ健康情報が表示されるため、社員は日々自身の健康情報を把握することができる。また、自動販売機など社内設備利用時に、健康状態に応じた利用アナウンスを表示するため、社内生活の至る場所で健康管理を意識させることができる。さらに、企業側が健康情報を管理しているため、適時健康についての注意を促したり、健康診断を受けさせたりすることが可能となる。
【0064】
第2の効果は、厚生労働省が掲げた「健康日本21」(非特許文献1参照)への貢献となることにある。その理由は、第1の効果により生活習慣病やメタボリックシンドローム対策がなされるためである。2008年からはメタボ健診(特定健診・特定保健指導)が始まり、メタボリックシンドローム対象の社員が多い企業や、保健指導によって改善されない社員が多い企業などに対して、保険料の増額などの厳しい処置も検討されている。本実施の形態は、あわせてこちらへの対策にもなる。
【0065】
第3の効果は、社員の勤務情報と健康情報の関係性を、収集した情報の統計から把握できることにある。その理由は、総務部などで既に管理している勤務情報に、本実施の形態で収集した健康情報をあわせることで、残業時間ごとの健康状態を把握でき、その企業でどれくらいの残業時間がどれくらい健康状態に影響を及ぼすかがわかる。その統計値を企業の労務管理に役立てることもできる。
【0066】
第4の効果は、応用や発展、また他の設備、装置、システムとの併用が容易であることにある。その理由は、本実施の形態の健康管理に対する考え方が上記以外の様々な社内設備に応用できる汎用性を有するからである。
【0067】
例えば、通勤定期発行システムで、健康状態に応じて最寄駅では無く、数駅前までの通勤定期を発行し、その数駅分を健康管理のため徒歩通勤させるなどという応用方法が考えられる。また、社内設備で利用アナウンスを表示するだけで無く、社員の健康状態によって自動販売機のボタンを押下不可にして利用制限をかけるような発展方法も考えられる。他にも、非接触ICカードを用いるといったような発展も考えられる。さらに、社員証カードを用いていることで、食堂や売店での自動清算システム(特許文献4参照)など、社員証に属するようなカードの使用方法に関する装置・システムと併用することも可能である。これにより、社員証カードに機能を集約でき、携帯、管理を簡略化できる。
【0068】
第5の効果は、ICチップの携帯を社員に習慣付けさせる必要が無くなることにある。その理由は、既に携帯している社員証にICチップを付与してIC社員証カードとするためである。この場合、ICチップ付与後も、付与前の社員証の機能は全て継承するものとする。
【0069】
以上により、本実施の形態によれば、端末及び設備と、分散処理コンピュータと、ホストコンピュータとの間でIC社員証カードの情報のやりとりを行うことにより、IC社員証カードの情報で特定される社員の健康状態を端末の操作により予め設定された基準値をもとに判定し、判定した社員の健康状態に応じて設備の利用を制限可能に管理する構成としたため、蓄積された健康情報を企業で活用する方法を示し、勤務時間に健康管理意識を高める装置、また企業として個人の健康管理をサポートする健康管理装置を提供することができる。
【0070】
(他の実施の形態)
なお、上記実施の形態に係るIC社員証カードを用いた企業健康管理装置は、ICカードリーダ・ライタ、ICカードリーダが接続された複数の端末及び設備と、これらの端末及び設備に接続され、社員情報管理システム、健康管理システム、入退社管理システム、健康情報測定システム、健康状態判断システム、個人端末管理システムを制御する1又は2以上の分散処理コンピュータと、この分散処理コンピュータに接続され、分散処理コンピュータを制御するホストコンピュータとを備えた構成に適用した場合を説明しているが、本発明は必ずしもこれの構成に限定されるものではなく、以下のような構成であってもよい。
【0071】
例えば、上記構成に、企業として社員の健康管理をサポートする手段や、企業としての社員の生活習慣病対策、メタボリックシンドローム対策の手段(上記構成に適用可能であり、技術的に実現可能なものであれば、いずれの手段でもよい。)等を適宜付加したものであってもよい。
【0072】
また、社員のIC社員証カード情報の読取り・書込みを行うICカードリーダ・ライタが接続された端末と、この端末に接続され、社員の社員情報、画面情報のやりとりを行う社員情報管理システムを制御する分散処理コンピュータと、この分散処理コンピュータに接続され、社員の社員情報のやりとりを行うホストコンピュータとを備えた構成に適用してもよい。
【0073】
また、社員のIC社員証カード情報の読取り・書込みを行うICカードリーダ・ライタが接続された端末と、この端末に接続され、社員の社員情報、画面情報のやりとりを行う社員情報管理システムを制御する分散処理コンピュータと、この分散処理コンピュータに接続され、社員の社員情報のやりとりを行うホストコンピュータとを備えた構成に適用してもよい。
【0074】
また、社員のICカード識別番号の読取り、IC社員証カード情報の書込みを行うICカードリーダ・ライタを備えたICゲート装置と、このICゲート装置に接続され、社員の入退社情報、社員情報、健康情報(IC社員証カード情報の更新に必要な情報)のやりとりを行う入退社管理システムを制御する分散処理コンピュータと、この分散処理コンピュータに接続され、社員の勤務情報、社員情報、健康情報(IC社員証カード情報の更新に必要な情報)のやりとりを行うホストコンピュータとを備えた構成に適用してもよい。
【0075】
この構成では、さらに、退社時にICカードリーダ・ライタへ挿入されたIC社員証カードの記憶情報を、分散処理コンピュータを経由してホストコンピュータに蓄積された最新情報に更新書込みする手段を備えてもよい。
【0076】
また、社員のICカード識別番号の読取りを行うICカードリーダを備えた複数の測定装置(例えば、身長測定装置、体重測定装置、体脂肪測定装置、血圧測定装置など)と、この測定装置により測定された社員の健康情報のやりとりを行う健康情報測定システムを制御する分散処理コンピュータと、この分散処理コンピュータに接続され、社員の健康情報のやりとりを行うホストコンピュータとを備えた構成に適用してもよい。
【0077】
また、社員の社員情報、勤務情報、健康情報、健康管理情報および画面情報のやりとりを行う端末と、この端末に接続され、健康管理システムを制御する分散処理コンピュータと、この分散処理コンピュータに接続され、社員の社員情報、勤務情報、健康情報、健康管理情報のやりとりを行うホストコンピュータとを備えた構成に適用してもよい。
【0078】
この構成では、さらに、端末の画面操作によって健康状態の基準値を設定する手段と、設定された基準値と社員の健康情報から健康状態を段階評価して決定する手段とを備えてもよい。また、設定された健康状態に該当する社員の情報を定期的に端末へ伝送する手段と、画面操作によって社内の個人用端末へ健康診断受診通知あるいは健康管理注意通知を発行する手段とを備えてもよい。また、社内設備ごと、健康状態ごとの利用メッセージの設定手段を備えてもよい。さらに、ホストコンピュータに蓄積した情報より、健康情報と勤務情報をあわせて照会し、残業時間ごとの健康状態を把握する手段と、どれくらいの残業時間がどれくらい健康状態に影響を及ぼすか統計を取る手段とを備えてもよい。
【0079】
また、社員のICカード識別番号、健康状態の読取りを行うICカードリーダと、利用アナウンスを表示するディスプレイを備えた複数の社内設備(例えば、食堂メニュー選択装置、自動販売機、エレベータ)と、これらの設備に接続され、社員の健康情報、健康管理情報をやりとりし、利用アナウンス情報を表示する健康状態判断システムを制御する分散処理コンピュータと、この分散処理コンピュータに接続され、健康管理情報のやりとりを行うホストコンピュータとを備えた構成に適用してもよい。
【0080】
この構成では、さらに、社内設備の利用時に、IC社員証カードに記憶した社員の健康状態によって社内設備のディスプレイ上に利用アナウンス情報を表示する手段と、IC社員証カードに記憶した社員の健康状態によって社内設備の利用制限をかける手段との少なくとも一方を備えてもよい。
【0081】
また、社員の個人端末と、この個人端末に接続され社員情報、勤務情報、健康情報のやりとりを行う個人端末管理システムを制御する分散処理コンピュータと、この分散処理コンピュータに接続され、社員の社員情報、勤務情報、健康情報のやりとりを行うホストコンピュータとを備えた構成に適用してもよい。
【0082】
この構成では、さらに、個人端末で、ログイン時に社員の健康情報を表示する手段を備えてもよい。
【0083】
さらに、上記各構成の健康管理装置と、他の社員証カードに属するようなカードを用いた装置とを併用して使用する構成に適用してもよい。
【0084】
なお、上記の健康管理装置を構成するネットワーク上の各ノード(ホストコンピュータ01、分散処理コンピュータ02、端末03〜05)は、そのハードウェア及びソフトウェア構成は特に限定されるものではなく、上述した機能(手段)を実現可能なものであれば、いずれの構成でも適用可能である。例えば、機能毎に回路を独立させて構成したものでも、複数の機能を1つの回路にまとめて一体に構成したものでも、いずれのものであってもよい。或いは、全ての機能を主にソフトウェアの処理で実現するものでもあってもよい。また、少なくとも一部の機能を、プログラムコードを用いて実現する場合、かかるプログラムコード及びこれを記録する記録媒体は、本発明の範疇に含まれる。この場合、オペレーティングシステム等の他のソフトウェアと共同して上記機能が実現される場合は、それらのプログラムコードも含まれる。
【0085】
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施の形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明は、ICチップ組込型のICカードを用いた健康管理装置、システム、方法の用途に利用可能である。特に、本発明は、IC社員証カードを用いた企業健康管理装置、システム、方法の用途に利用可能である。
【符号の説明】
【0087】
01 ホストコンピュータ
02 分散処理コンピュータ
03 個人端末
04 社員管理端末
05 労務管理端末
07 食堂メニュー選択装置
08 自動販売機
09 エレベータ
10 ICゲート装置
11 IC社員証カード
21 社員情報管理システム
22 健康管理システム
23 入退社管理システム
24 健康情報測定システム
25 健康状態判断システム
26 個人端末管理システム
41、101 ICカードリーダ・ライタ
61、71、81、91 ICカードリーダ
NW ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の健康情報を含む情報を格納するICカードに対して前記情報の読取り及び書込みを行うICカードリーダ・ライタと前記情報の読取りを行うICカードリーダとのいずれかに接続された端末及び設備と、
前記端末及び設備に通信可能に接続される分散処理コンピュータと、
前記分散処理コンピュータに通信可能に接続され、前記分散処理コンピュータを制御するホストコンピュータとを備え、
前記端末及び設備と、前記分散処理コンピュータと、前記ホストコンピュータとの間で前記ICカードの情報のやりとりを行うことにより、前記ICカードの情報で特定される利用者の健康状態を前記端末の操作により予め設定された基準値をもとに判定し、判定した利用者の健康状態に応じて前記設備の利用を制限可能に管理することを特徴とする健康管理装置。
【請求項2】
前記ICカードは、前記利用者である社員が携帯するIC社員証カードであることを特徴とする請求項1記載の健康管理装置。
【請求項3】
前記端末は、前記IC社員証カードの情報の読取り及び書込みを行うICカードリーダ・ライタが接続された社員管理端末を有し、
前記分散処理コンピュータは、前記社員管理端末との間で前記社員の社員情報を含む情報のやりとりを行う社員情報管理システムを有し、
前記ホストコンピュータは、前記社員情報管理システムとの間で前記社員情報を含む情報のやりとりを行うことを特徴とする請求項2記載の健康管理装置。
【請求項4】
前記設備は、前記IC社員証カードの情報の読取り及び書込みを行うICカードリーダ・ライタを備えたICゲート装置を有し、
前記分散処理コンピュータとは、前記ICゲート装置との間で前記社員の入退社情報、社員情報、及び健康情報を含む情報のやりとりを行う入退社管理システムを有し、
前記ホストコンピュータは、前記入退社管理システムとの間で前記社員の勤務情報、社員情報、及び健康情報を含む情報のやりとりを行うことを特徴とする請求項2記載の健康管理装置。
【請求項5】
前記入退社管理システムは、前記社員の退社時に前記ICカードリーダ・ライタへ挿入された前記IC社員証カードの記憶情報を、前記ICゲート装置から前記分散処理コンピュータを経由して前記ホストコンピュータの蓄積された最新情報に更新書込みすることを特徴とする請求項4記載の健康管理装置。
【請求項6】
前記設備は、前記社員の健康状態を測定する測定装置を有し、
前記分散処理コンピュータは、前記測定装置との間で前記社員の測定情報のやりとりを行う健康情報測定システムを有し、
前記ホストコンピュータは、前記健康情報測定システムとの間で前記社員の測定情報を健康情報としてやりとりを行うことを特徴とする請求項2記載の健康管理装置。
【請求項7】
前記端末は、前記社員の社員情報、勤務情報、健康情報、健康管理情報及び画面情報のやりとりを行う労務管理端末を有し、
前記分散処理コンピュータは、前記労務管理端末との間で前記社員情報、勤務情報、健康情報、健康管理情報を含む情報のやりとりを行う健康管理システムを有し、
前記ホストコンピュータは、前記健康管理システムとの間で前記社員の社員情報、勤務情報、健康情報、及び健康管理情報を含む情報のやりとりを行うことを特徴とする請求項2記載の健康管理装置。
【請求項8】
前記健康管理システムは、前記労務管理端末の画面操作によって健康状態の基準値を設定し、設定された基準値と前記社員の健康情報とから健康状態を段階評価して決定することを特徴とする請求項7記載の健康管理装置。
【請求項9】
前記健康管理システムは、設定された健康状態の基準値に応じて、前記社員の情報を定期的に前記労務管理端末へ伝送し、前記労務管理端末の画面操作によって前記社員の個人端末へ健康診断受診通知あるいは健康管理注意通知を発行することを特徴とする請求項7記載の健康管理装置。
【請求項10】
前記設備は、複数の社内設備を有し、
前記健康管理システムは、前記社内設備ごとに健康状態ごとの利用メッセージを設定することを特徴とする請求項7記載の健康管理装置。
【請求項11】
前記健康管理システムは、前記ホストコンピュータに蓄積した情報に基づいて、前記社員の健康情報と勤務情報をあわせて照会し、残業時間ごとの健康状態を把握し、どれくらいの残業時間がどれくらい健康状態に影響を及ぼすか統計を取る処理を行うことを特徴とする請求項7記載の健康管理装置。
【請求項12】
前記設備は、前記IC社員証カードから前記社員のICカード識別番号及び健康情報を含む情報の読取りを行うICカードリーダと、利用アナウンス情報を表示するディスプレイとを備えた複数の社内設備を有し、
前記分散処理コンピュータは、前記複数の社内設備との間で前記社員の健康情報と、前記健康状態の基準値を含む健康管理情報とをやりとりする健康状態判断システムを有し、
前記ホストコンピュータは、前記健康状態判断システムとの間で前記健康管理情報のやりとりを行うことを特徴とする請求項2記載の健康管理装置。
【請求項13】
前記健康状態判断システムは、前記社内設備の利用時に、前記IC社員証カードに記憶した健康状態によって利用アナウンス情報を表示することを特徴とする請求項12記載の健康管理装置。
【請求項14】
前記健康状態判断システムは、前記社内設備の利用時に、前記IC社員証カードに記憶した健康状態によって前記社内設備の利用制限をかけることを特徴とする請求項12記載の健康管理装置。
【請求項15】
前記端末は、前記社員の個人端末を有し、
前記分散処理コンピュータは、前記個人端末との間で前記社員の社員情報、勤務情報、健康情報のやりとりを行う個人端末管理システムを有し、
前記ホストコンピュータは、前記個人端末管理システムとの間で前記社員情報、勤務情報、健康情報のやりとりを行うことを特徴とする請求項2記載の健康管理装置。
【請求項16】
前記個人端末管理システムは、前記個人端末のログイン時に前記社員の健康情報を表示させることを特徴とする請求項15記載の健康管理装置。
【請求項17】
前記設備は、前記ICカードと他のICカードとを併用して使用可能な設備を有することを特徴とする請求項1から16のいずれか1項に記載の健康管理装置。
【請求項18】
利用者の健康情報を含む情報を格納するICカードに対して前記情報の読取り及び書込みを行うICカードリーダ・ライタと前記情報の読取りを行うICカードリーダとのいずれかに接続された端末及び設備と、前記端末及び設備に通信可能に接続される分散処理コンピュータと、前記分散処理コンピュータに通信可能に接続され、前記分散処理コンピュータを制御するホストコンピュータとの間で、前記ICカードの情報のやりとりを行うことにより、前記ICカードの情報で特定される利用者の健康状態を前記端末の操作により予め設定された基準値をもとに判定し、
判定した利用者の健康状態に応じて前記設備の利用を制限可能に管理することを特徴とする健康管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−191677(P2010−191677A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−35279(P2009−35279)
【出願日】平成21年2月18日(2009.2.18)
【出願人】(000213301)中部日本電気ソフトウェア株式会社 (56)