説明

健康補助食品

【課題】人体に有用な必須アミノ酸8種類を含む各種アミノ酸及び、核酸関連物質、各種ミネラル、ビタミン類を豊富にかつバランスよく含有し、血液の流動性向上や、風邪による自覚症状、足腰の痛み、抗がん剤投与時の副作用、偏頭痛、肩こり、疲労回復、飛蚊症、冷え性に対して改善効果を有する健康補助食品を提供する。
【解決手段】冬虫夏草粉末と、食用酢粉末と、ローヤルゼリー粉末とを混合して成ることを特徴とする健康補助食品による。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冬虫夏草粉末及び食用酢粉末及びローヤルゼリー粉末のそれぞれを配合してなる健康補助食品に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、人間の体内においては、体細胞が分裂し新生した細胞が古い細胞と入れ替わることで体の機能が維持されると同時に、病気や怪我が治癒することが知られている。
また、体細胞を新生させたり、既にある体細胞の機能を維持するためには、栄養素として、炭水化物、タンパク質(アミノ酸)、脂質、ミネラル、ビタミンを摂取する必要があるのであるが、特に18種類のビタミンと、20種類のミネラル、そして8種類のアミノ酸からなる46種類の栄養素は、体内において合成することができないため外部から摂取する必要があった。
さらに、体細胞が新生する際に重要な核は、タンパク質ポリマーが螺旋状に連なったDNAやRNA等により構成され、さらに、このタンパク質ポリマーは複数種類のアミノ酸により構成されることが知られている。また、体内におけるエネルギーの輸送には、各種アミノ酸や核酸関連化合物、各種ミネラル、ビタミン類が関与しており、これらの栄養物質をバランスよく摂取することは、健康の増進や、生物が本来有している自然治癒力の増進に極めて有用である。
また、体を構成する最小単位であるアミノ酸を多く含有する食品としては、肉や魚等の動物性タンパク質、大豆等の植物性タンパク質、乳製品等様々な種類が知られているが、栄養素の吸収器官である小腸においてこれらのアミノ酸が好適に摂取されるためには、タンパク質がアミノ酸にまで分解されていることが望ましい。
【0003】
上述のような人体に有用でかつ必須な栄養素は、多種多様な食品からバランスよく摂取する必要があるが、毎食ごと多種類の食材を調理するのは極めて煩雑である。
このような事情に鑑み、近年、日常の食事で不足しがちな栄養素を、複数種類のアミノ酸をバランス良く含有する食品と、その他の食品とを組み合わせて体機能改善効果の高い栄養補助食品とする技術が開示されている。
具体的には、人体に有用なアミノ酸を多く含有する冬虫夏草やローヤルゼリー、黒酢又は香醋を配合した健康補助食品に関する発明がいくつか開示されている。
【0004】
例えば特許文献1には、「虚弱体質改善用組成物」という名称で、人参および阿膠を含み、黄精または冬虫夏草のいずれか1つまたは両者を含むことを特徴とする組成物に関する発明が開示されている。
一般に、昆虫の幼虫に菌類が寄生して形成される冬虫夏草は、人体に有用な各種アミノ酸やミネラル等を多く含有することが知られている。
また、人参には薬効成分であるサポニンが多く含有されており、赤血球の機能向上や、血管拡張作用、血小板凝集抑制効果に加え、抗動脈硬化作用や、 糖,脂質の代謝促進作用、脳中枢,自律神経調整作用、静穏作用、抗不安作用を有し、これらの作用が相まって、人体において、体温、血圧、脈拍、体の中の水分量、血液の成分などを中の水分量、血液の成分などを常に一定に保とうとする恒常性(ホメオスターシス)の促進が期待できる。
さらに、ロバの除毛した皮を煮詰めて作られるニカワの一種である阿膠は、不眠や舌質が紅・脈細数などの心血虚の症状に対して改善効果を有することが知られている。
したがって、上述のような成分を有する特許文献1に記載の発明によれば、虚弱体質改善用、滋養強壮用、抗疲労用、貧血改善用に有用であって、安全に適用できるという効果が期待できる。
【0005】
また、特許文献2には、「免疫賦活用組成物」という名称で、冬虫夏草を含有する免疫賦活作用組成物に関する発明が開示されている。
一般に、ミツバチが花粉や蜜を摂取して体内で消化・分解・生成して女王蜂の食餌として分泌するローヤルゼリーは、必須アミノ酸の全てを含む20種類以上のアミノ酸を含有し、加えて、各種ビタミン及びミネラルや、人体においてインスリンと同様に糖代謝を正常にする作用を有するデセン酸が含まれることが知られている。
よって、上述のようなローヤルゼリーに酵素処理を施し、免疫賦活作用を有する茸を含有させた特許文献2に記載の発明によれば、これらを個々に使用した場合に比べて相乗的に優れた免疫賦活効果を期待することができる。
【0006】
【特許文献1】特開2002−275086号公報
【特許文献2】特開2004−269422号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の従来技術である特許文献1に開示される「虚弱体質改善用組成物」によれば、人体に必須な46種類の栄養素のうち、アミノ酸類とミネラル類については潤沢に供給可能であるものの、生理活動を円滑に行なうために欠かせない必須の有機化合物であるビタミン類が体内に十分に供給されない可能性があり、ビタミン類については別途食品から摂取する必要があり、煩雑であった。
また、一般にミネラル類の一部は、単体では容易に体内に吸収されず、このようなミネラル類の摂取を補助するキレート作用を有する物質を、例えば、クエン酸等を含有する食品を摂取する必要があるのであるが、やはり煩雑であった。
【0008】
また、特許文献2記載の「免疫賦活用組成物」によれば、ローヤルゼリーと冬虫夏草を組み合わせることで、免疫賦活作用を期待することができ、加えて、人体に必須な46種類の栄養素のうち、アミノ酸類、ミネラル類、ビタミン類を潤沢に供給可能であるものの、特許文献1に記載の発明と同様に、ミネラル類の一部は、単体では容易に体内に吸収されないため、例えば、クエン酸等キレート作用を有する物質を別途食品から摂取する必要があり、やはり煩雑であった。
【0009】
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものであり、冬虫夏草粉末及び食用酢粉末及びローヤルゼリー粉末を配合してなり、人体に必須な46種類の栄養素のうちの約6割を一時に供給可能であり、しかも、体内に供給されたミネラル類の吸収を促進するキレート作用を有する物質を含有することで、血液の流動性向上や、風邪による自覚症状、足腰の痛み、抗がん剤投与時の副作用、偏頭痛、肩こり、疲労回復、飛蚊症、冷え性に対して改善効果を有する健康補助食品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明である健康補助食品は、冬虫夏草粉末と、食用酢粉末と、ローヤルゼリー粉末とを混合して成ることを特徴とするものである。
上記構成の健康補助食品は、人体に有用な多種類の栄養素の摂取を容易にするという作用を有する。
つまり、上記構成の健康補助食品を摂取することで、体内において合成することができない46種類の栄養素のうち、ビタミン類として、ビタミンB5(パントテン酸)、ビタミンB3(ナイアシン)、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンB2、ビタミンB1、ビタミンM(葉酸)、ビタミンH、コリン(レシチン)の前駆体であるアセチルコリンを、ミネラル類として、ヨウ素、銅、マンガン、亜鉛、鉄、マグネシウム、カルシウム、硫黄、リン、カリウム、ナトリウムを、アミノ酸類として、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、ロイシン、バリン、イソロイシン、スレオニン、トリプトファンを供給するという作用を有する。
また、上述のような必須栄養素に加えて、人体に有用なアミノ酸類である、アスパラギン酸、セリン、グルタミン酸、グルタミン、アラニン、システイン、チロシン、ヒスチジン、アルギニン、プロリンを供給するという作用を有する。
さらに、特に冬虫夏草を含有することにより人体に有用な核酸関連物質である、アデノシン、コルディセピン、2’−デオキシアデノシン、グアノシン、ヒポキサンチン、ウリジン、キチン又はキトサン、メラトニンを供給するという作用を有する。
加えて、食用酢粉末を含有することにより、体内へのミネラルの吸収を助けるキレート作用物質であるクエン酸や、クエン酸にもなる酢酸を供給するという作用を有する。
そして、これらの必須栄養素及び、人体に有用なアミノ酸や核関連物質、クエン酸や酢酸は、体内に取り込まれると、体細胞を新生させるための原料物質として直接又は間接的に利用されるだけでなく、体の生理機能を円滑にするという作用を有する。
この結果、細胞自身や、細胞により構成される組織や臓器の機能が活性化されるという作用を有する。
【0011】
請求項2記載の発明である健康補助食品は、請求項1記載の健康補助食品であって、冬虫夏草粉末60〜80重量%に対して、食用酢粉末及びローヤルゼリー粉末の合計が20〜40重量%となるようそれぞれを配合したことを特徴とするものである。
上記構成の健康補助食品によれば、請求項1記載の発明と同じ作用に加え、冬虫夏草粉末とそれ以外の成分である食用酢粉末及びローヤルゼリー粉末とを均質に混和し易くさせるという作用を有する。
また、冬虫夏草は、宿主である昆虫の側から見た場合、死に至る感染症の病原であり、このような感染症に対して昆虫は体内において免疫活性化物質や抗菌物質を合成して身を守ろうとするのに対し、寄生菌である冬虫夏草は毒素や免疫抑制物質を生産して対抗していると考えられる。従って、このような過程を経て成育した冬虫夏草には免疫機能を強化する成分や抗菌物質が含まれている。
このため、請求項2に記載の発明においては、冬虫夏草粉末を60〜80重量%含有することにより、免疫機能を強化する成分や抗菌物質を人体に供給するという作用を有する。
【0012】
請求項3記載の発明である健康補助食品は、請求項1記載の健康補助食品であって、冬虫夏草粉末65〜75重量%に対して、食用酢粉末を15〜25重量%、ローヤルゼリー粉末を5〜10重量%配合したことを特徴とするものである。
上記構成の健康補助食品によれば、請求項1記載の発明と同じ作用に加え、冬虫夏草粉末とそれ以外の成分である食用酢粉末及びローヤルゼリー粉末とを均質に混和し易くさせるという作用を有する。
また、人体に供給される、必須栄養素及び人体に有用なアミノ酸や核関連物質からなる栄養素の含有量のバランスを適正にして、これらによる相乗効果を発現させやすくするという作用を有する。
【0013】
請求項4記載の発明である健康補助食品は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の健康補助食品であって、冬虫夏草粉末と、前記食用酢粉末と、ローヤルゼリー粉末から成る混合物を粒状に形成したことを特徴とするものである。
上記構成の健康補助食品によれば、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の健康補助食品のそれぞれと同じ効果に加え、冬虫夏草粉末と、前記食用酢粉末と、ローヤルゼリー粉末の混合物から成る健康補助食品を粒状に形成することで摂取又は服用し易くするという作用を有する。
【0014】
請求項5記載の発明である健康補助食品は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の健康補助食品であって、粒状カプセル内に、冬虫夏草粉末と、前記食用酢粉末と、ローヤルゼリー粉末から成る混合物を封入したことを特徴とするものである。
上記構成の健康補助食品によれば、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の健康補助食品のそれぞれと同じ作用に加え、粒状カプセルは、冬虫夏草粉末と、前記食用酢粉末と、ローヤルゼリー粉末の混合物から発せられる臭気や食味を遮断して、摂取又は服用を一層容易にするという作用を有する。
さらに、粒状カプセルは、服用又は摂取後胃において栄養成分と胃酸が化学反応を起こして変性、失活するのを防止し、栄養成分を吸収器官である腸に直接とどけるという作用を有する。
【0015】
請求項6記載の発明である健康補助食品は、請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の健康補助食品であって、食用酢粉末は、香醋粉末又は黒酢粉末、あるいはこれらの混合物であることを特徴とするものである。
上記構成の健康補助食品によれば、請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の健康補助食品のそれぞれと同じ作用に加え、食用酢粉末として黒酢粉末又は香醋粉末、あるいはこれらの混合体を用いることで、体内に供給される有用なアミノ酸の種類を増やすという作用を有する。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明の請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の健康補助食品によれば、安全性が確認されている冬虫夏草、食用酢、ローヤルゼリーの3種類を混合することで、人体に有用な様々な物質を、すなわち、人体に必須な46種類の栄養素のうちの28種類を容易に供給することができるという効果を有する。
また、特に冬虫夏草を配合することで、人体の免疫機能を強化させる物質や抗菌作用を有する物質を体内に供給することができるという効果を有する。
さらに、ローヤルゼリーを配合することで、人体に必須なビタミン類の一部を供給することができるという効果を有する。また、ローヤルゼリーには、インスリンと似た作用を有するデセン酸が含まれているため、体内の糖代謝を正常にする効果も期待できる。
そして、食用酢を配合することで、キレート作用物質であるクエン酸や、クエン酸にもなる酢酸を体内に供給することができる。この結果、冬虫夏草やローヤルゼリーに含まれるミネラル類を効率良く体内に吸収させることができるという効果を有する。
なお、冬虫夏草やローヤルゼリーに含まれる亜鉛は、免疫機能を強化する上で特に重要な働きをしていることが明らかになっており、このような亜鉛と、冬虫夏草に含まれる核酸関連化合物、そして、ミネラル類の吸収を助けるクエン酸等を同時に摂取することで免疫機能を一層向上させるという優れた効果が期待できる。
この結果、各種アミノ酸類や核酸関連化合物、ミネラル類、ビタミン類が複合的に作用することで相乗的な体機能改善効果を期待できる。
すなわち、本発明の請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の健康補助食品を摂取又は服用することにより、風邪による自覚症状、足腰の痛み、抗がん剤投与時の副作用、偏頭痛、肩こり、疲労、飛蚊症、冷え性に対して改善効果が期待できる。
さらに、本発明の請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の健康補助食品を摂取又は服用することで、血液の流動性が高められるという効果が発揮される。よって、請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の健康補助食品を継続的に摂取又は服用することで脳血栓、脳梗塞、心筋梗塞等の生活習慣病を予防することができるという効果も期待できる。
【0017】
また、特に請求項2記載の発明によれば、冬虫夏草粉末、食用酢粉末及びローヤルゼリー粉末の3種類の粉末を容易に均質に混合することができるという効果を有する。この結果、請求項2記載の健康補助食品を製品とした場合に、高品質な製品を提供することができるという効果を有する。
さらに、特に請求項2記載の健康補助食品において、冬虫夏草を主成分にすることで、体内に免疫機能を強化させる成分や抗菌作用物質が多く供給されるため、各種潰瘍及び、ウイルス感染に対する抵抗力が高められるという優れた効果を期待できる。
さらに、上述のような成分により自然治癒力が高まることで、感染症や既往症等による自覚症状の改善も期待できる。
【0018】
また、特に請求項3記載の発明によれば、上述の請求項1記載の効果に加え、各種アミノ酸類や核関連物質、ミネラル類、ビタミン類の配合比率を適切にすることができるという効果を有する。
この結果、上述のような栄養物質による相乗効果が発揮され易くなるという効果が期待できる。
【0019】
また、特に請求項4記載の発明によれば、上述の請求項1記載の効果に加え、冬虫夏草粉末と、前記食用酢粉末と、ローヤルゼリー粉末から成る混合体を粒状体に形成することで本発明品の摂取又は服用が容易になると同時に、摂取量又は服用量の制御が容易になるという効果を有する。
【0020】
また、特に請求項5記載の発明によれば、請求項1乃至請求項4記載の発明と同じ効果に加え、冬虫夏草粉末と、前記食用酢粉末と、ローヤルゼリー粉末から成る混合体を粒状カプセル内に封入することにより、原料粉末から発せられる臭気や酸味、苦味等の食味を遮断することができるという効果を有する。
この結果、原料粉末に強い臭気や食味がある場合でも、請求項5記載の健康補助食品を容易に摂取又は服用することができるという効果を有する。
また、請求項5記載の健康補助食品を摂取又は服用した際に、胃において有効成分が胃酸に直接曝される時間を短くすることができるので、胃酸との化学反応により有効成分が変性したり失活したりするのを防止することができるという効果を有する。
この結果、請求項5記載の健康補助食品中の有効成分を、その効能を保ったまま体内に吸収させることができるという効果を有する。従って、有効成分による体機能改善効果を一層発揮され易くするという効果を有する。
【0021】
また、特に請求項6記載の発明によれば、請求項1乃至請求項4記載の発明と同じ効果に加え、食用酢粉末として黒酢又は香醋あるいはこれらの混合物を用いることで、多様な種類のアミノ酸やペプチドを体内に供給することができると同時に、食用酢粉末に含まれるクエン酸はキレート作用によりミネラル類の吸収を促進するので、請求項6記載の健康補助食品による体機能改善効果を一層高めることができるという優れた効果が発揮される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に、本発明の最良の実施の形態に係る健康補助食品の構成及び効果について図1乃至図8を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
本発明の実施の形態に係る健康補助食品は、冬虫夏草粉末と、食用酢粉末と、ローヤルゼリー粉末とを略均質に混合して成る混合物を、医薬品等に用いられる粒状カプセル内に封入したものである。
このように、有効成分をそれぞれ粉末にして、さらに、粒状カプセル内に封入することで、製造者は、計量及び混合を容易にし、使用者は本実施の形態に係る健康補助食品を摂取する際に、原料粉体から発せられる強い食味や臭気を気にすることなく服用することができるという効果を有する。
また、このことは本実施の形態に係る健康補助食品を継続的に摂取する場合の、需要者の負担を軽減することにもなり、本実施の形態に係る健康補助食品を容易に長期間摂取することができることで本実施の形態に係る健康補助食品による体機能改善効果を持続させることができるという効果を有する。
さらに、粒状カプセルは本実施の形態に係る健康補助食品に含有される有効成分が外気に接触して酸化等により劣化するのを防止するという効果も有する。
【0024】
(1)まず、本発明の実施の形態に係る健康補助食品の主成分である冬虫夏草について詳細に説明する。
本発明の実施の形態に係る健康補助食品の原料粉末の1つである冬虫夏草は、学名をコルディセプス・シネンシスといい、子のう菌バッカク菌科に属する薬用キノコである。
また、本実施の形態においては採取した冬虫夏草(菌子体)を十分に乾燥した後、粉砕したものを採用している。なお、冬虫夏草の乾燥及び粉砕の方法は、従来の方法が制限なく使用可能である。
【0025】
一般に冬虫夏草の特性は、冬虫夏草に含有されるアミノ酸の種類とその含有量により特徴づけられることが知られており、本実施の形態に係る冬虫夏草に含有されるアミノ酸の分析結果は以下の表1に示すとおりである。なお、比較対照を目的としてA社およびB社の冬虫夏草についても同様のアミノ酸分析を行い、表1にその結果を併せて示した。なお、この分析結果をグラフに示したものが図1である。
また、アミノ酸の分析作業は以下に示す手順で行なった。
まず、試料として冬虫夏草粉末0.1gを35mlの蒸留水で1時間超音波抽出した後、蒸留水を加えて50mlにした。その後、この冬虫夏草溶液をメンブレンフィルター,0.45μmでろ過した後、Ade分析に供した。なお、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を実施する際の条件は、分離カラム;Disopek SPD-120-ODS-BP(250×4.6mm,i.d.)、溶離液;CHCN/HO混液を用い、検出波長は260nmに設定した。また、この度のアミノ酸分析には、JLC-300 自動アミノ酸分析HPLCシステム(JEOL)を用いた。
【0026】
【表1】

【0027】
表1及び図1に示すように、本実施の形態に係る健康補助食品の原料粉末として使用される冬虫夏草は、体内において即効性の高いエネルギー源であるアスパラギン酸を特に多く含有量することを特徴とするものであり、具体的には冬虫夏草中におけるアスパラギン酸の含有量が8.0mg/g以上であることを特徴とするものである。本実施の形態においては、アスパラギン酸の含有量が高い冬虫夏草を主成分にすることで、本実施の形態に係る健康補助食品を摂取した際に、高い疲労回復効果を期待できる。
また、本実施の形態に係る健康補助食品は、冬虫夏草に含まれるアミノ酸の総量が多いことも重要な特徴である。すなわち、冬虫夏草に含有されるアミノ酸の総量が50mg/g以上の冬虫夏草を採用することで、多量のアミノ酸を効率よく体内へと供給することが可能となり、この結果、優れた体機能の改善効果が発揮されるのである。なお、表1中のmean Conc.及びS.Dはそれぞれ、平均濃度値、標準偏差値を示している。
【0028】
また、冬虫夏草の特性は、冬虫夏草に含有される核酸関連化合物の種類とその含有量によっても特徴づけられることが知られており、本実施の形態に係る冬虫夏草に含有される核酸関連物質の分析結果は以下の表2に示すとおりである。なお、比較対照としてA社,B社の冬虫夏草についても同様の核酸関連物質の分析を行い、その結果を表2に併せて示した。なお、この分析結果をグラフに示したものが図2である。なお、表2中のtraceは、対象となる物質が少量ながら検出されたことを意味している。
また、核酸関連化合物の分析作業は、本実施の形態に係る冬虫夏草0.1gを上述のアミノ酸の分析作業と同条件および同手順により実施した。
【0029】
【表2】

【0030】
上記表2及び図2に示すように、本実施の形態に係る健康補助食品の原料粉末として使用される冬虫夏草は、特有成分であるアデノシン、2’−デオキシアデノシン、グアノシン及びウリジンを多く含有することを特徴とするものであり、アデノシンの含有量が5.5mg/g以上、2’−デオキシアデノシンの含有量が0.1mg/g以上、グアノシンの含有量が5.5mg/g以上、ウリジンの含有量が8.0mg/g以上であることを特徴とするものである。
アデノシン、2’−デオキシアデノシン、グアノシン及びウリジンはいずれもDNAやRNAの構成単位であるヌクレオチドの原料物質であり、アデノシン、2’−デオキシアデノシン、グアノシン及びウリジンの含有量が高い冬虫夏草を主成分にすることで、本実施の形態に係る健康補助食品を摂取した際に、DNA又はRNAの形成に必要な物質が潤沢に体内に供給されることになり、体細胞の新生や回復効果が促進され、この結果、高い体機能の改善効果を期待できる。
また、アデノシンは単独で血管拡張作用も有することから、たとえば、以下に示す食用酢粉末に含有される即効性の高いエネルギー源であるアスパラギン酸等を迅速に体細胞に供給するという効果が発揮される。この結果、疲労回復効果が一層高まる。
さらに、先にも述べたように、冬虫夏草は、宿主である昆虫とその病原である冬虫夏草の免疫学的な攻防の産物であり、このような冬虫夏草には、人体の免疫機能を強化させる成分が多く含まれている。特に、コルディセピンは抗菌作用・免疫増強作用を有することが知られており、人体に極めて有用である。
このため、本実施の形態に係る健康補助食品に冬虫夏草を配合することで、人体の免疫機能を大幅に強化する物質を供給することができ、この結果、各種潰瘍及び、ウイルス感染に対する抵抗力を高めることができるという優れた効果を期待できる。
加えて、本実施の形態に係る冬虫夏草粉末は、必須栄養素46種類に挙げられる、必須アミノ酸のうちトリプトファンを除く7種類のアミノ酸と、必須ミネラル類20種類の内の10種類を、すなわち、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、カリウム、鉄、マンガン、亜鉛、リン、ヨウ素、硫黄(以下の表4を参照。)を含有しており、本実施の形態に係る健康補助食品において、ミネラル類の主供給源としても作用している。
【0031】
(2)次に、本発明の実施の形態に係る健康補助食品を構成する食用酢粉末について詳細に説明する。
本発明の実施の形態に係る健康補助食品の原料粉末の1つである食用酢粉末は、玄米や、玄米と麦芽の混合物に麹菌等を添加して屋外において常温で数ヶ月から数年熟成発酵させたものであり、特に、本実施の形態においては、上述のような原料及び工程により製造される黒酢や香醋を総称して食用酢と呼んでいる。
本実施の形態においては、上述のような食用酢を粉末状にしたものを使用している。なお、食用酢の粉末化方法は、従来の方法が制限なく使用可能である。
【0032】
また、食用酢粉末の特性も食用粉末に含有されるアミノ酸の種類とその含有量により特徴づけられることが知られており、本実施の形態に係る食用酢粉末に含有されるアミノ酸の分析結果は以下の表3に示すとおりである。なお、比較対照としてA社およびB社の食用酢粉末についても同様のアミノ酸分析を行い、表3にその結果を併せて示した。なお、この分析結果をグラフに示したものが図3である。
また、アミノ酸の分析作業は、上述の冬虫夏草中のアミノ酸分析作業手順と同じ方法に基づいて行なった。なお、試料として食用酢粉末0.1gを供試し、一連のアミノ酸分析工程において、ろ過工程は設けなかった。
【0033】
【表3】

【0034】
上記表3及び図3に示すように、本実施の形態に係る健康補助食品の原料粉末として使用される食用酢粉末は、必須アミノ酸であるトリプトファンを含有することを特徴とするものである。
このように、本実施の形態に係る健康補助食品に、トリプトファンを含有する食用酢粉末を添加することで、冬虫夏草粉末に含有されない必須アミノ酸の1つのトリプトファンを補うことができるという効果を有する。
この結果、本実施の形態に係る健康補助食品のアミノ酸の配合バランスを良くすることができるという効果を有する。
また、食用酢粉末には、酢酸やクエン酸が多く含まれている。
一般に、ミネラル類は、単独では体内に吸収されにくいという性質を有しているものの、クエン酸等のキレート作用を有する物質と一緒に摂取した場合には、これらのキレート作用によりミネラル類の体内への吸収率が高められる。
さらに、必須ミネラル類の一種である亜鉛は、人体において免疫機能を高めるのに重要な物質であることが知られており、体内において免疫機能が高められるためには、体内における亜鉛の濃度が一定以上に保たれていることが望ましい。
従って、本実施の形態に係る健康補助食品においては、特に食用酢粉末を添加することで、冬虫夏草粉末及び後述のローヤルゼリー粉末から供給されるミネラル類の体内へ吸収率を高めることができるという優れた効果が期待できるのである。
【0035】
(3)本発明の実施の形態に係る健康補助食品を構成するローヤルゼリー粉末について詳細に説明する。
ローヤルゼリーは、ミツバチが女王蜂を育てるために、花粉を体内で消化、分解、生成し、下咽頭腺と大あご腺から分泌される酸味の強い乳白色のクリーム状物質であり、必須栄養素46種類に挙げられる必須アミノ酸8種類全てと、必須ビタミン類18のうちの8種類及び、必須ビタミン類であるコリンの前駆体であるアセチルコリンを、すなわち、ビタミンB5(パントテン酸)、ビタミンB3(ナイアシン)、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンB2、ビタミンB1、ビタミンM(葉酸)、ビタミンH、アセチルコリン(コリン前駆体)と、必須ミネラル類20種類の内の7種類を、すなわち、リン、カルシウム、銅、マンガン、マグネシウム、鉄、亜鉛をそれぞれ含有しており、この他に人体に有用なアミノ酸としてアルギニン、ヒスチジン、チロシン、アラニン、グリシン、プロリン、セリン、タウリン、シスチン、アスパラギン酸、γ−アミノ酸、グルタミン酸、β−アラニン、オキシロプリンを含有している。
また、上述の栄養素の他に、特有成分としてピオプテリンや、インスリンと似た作用を有するデセン酸、若返りホルモンの類パチロンを含有している。
本実施の形態においては、このようなローヤルゼリーを従来技術により粉末化した物を原料粉体として採用している。
【0036】
上述のような成分を含有するローヤルゼリー粉末を本実施の形態に係る健康補助食品に加えることで、食用酢粉末と同様に、冬虫夏草粉末に含まれない必須アミノ酸の一種のトリプトファンを補うと同時に、冬虫夏草粉末や食用酢粉末からは十分に供給できないビタミン類を体内に供給するという作用を有する。
この結果、本実施の形態に係る健康補助食品を、必須栄養素46種類のうちのアミノ酸類と、ミネラル類と、ビタミン類のそれぞれを含んだ極めて栄養バランスの良いものにすることができるという効果を有する。
なお、本実施の形態に係るローヤルゼリー粉末には、ミツバチから分泌されるローヤルゼリーが制限なく使用可能である。
【0037】
このように、本実施の形態に係る健康補助食品は、冬虫夏草粉末にローヤルゼリー粉末を加えることで、ビタミン類を補うことができるという効果を有する。
また、特に食用酢粉末を加えることで、食用酢粉末に含まれるクエン酸のキレート作用により、冬虫夏草粉末やローヤルゼリー粉末中に含まれるミネラル類の吸収率を高めることができるという効果が発揮される。
さらに、本実施の形態に係る健康補助食品においては、冬虫夏草粉末と、食用酢粉末と、ローヤルゼリー粉末とを混合することにより、必須栄養素46種類のうち27種類(コリンの前駆体であるアセチルコリンを必須ビタミン類に含める場合には28種類)を含む極めて栄養バランスの良い健康補助食品にすることができる。
この結果、冬虫夏草粉末と、食用酢粉末と、ローヤルゼリー粉末に含有される成分が、相乗的に作用し合い、その結果、人体の免疫機能の向上効果や、体細胞の新生・回復効果の促進が期待できる。
よって、本実施の形態に係る健康補助食品が、冬虫夏草粉末及び、食用酢粉末及び、ローヤルゼリー粉末の3種類の健康食品により構成されることは、人体に必須な栄養素の摂取効率を高めると同時に、これらの相乗作用を最大にするという観点から極めて重要である。
【0038】
そして、上述のような3種類の原料粉末は、冬虫夏草粉末60〜80重量%に対して、食用酢粉末及びローヤルゼリー粉末の合計が20〜40重量%となるよう、さらに好適には、冬虫夏草粉末65〜75重量%に対して、食用酢粉末を25〜15重量%、ローヤルゼリー粉末を5〜10重量%配合することが望ましい。
このように、冬虫夏草粉末を主成分とすることで、冬虫夏草粉末に含有される特有成分、すなわち、核酸関連化合物による免疫機能の向上効果の顕著な発現を期待できる。本実施の形態に係る健康補助食品においては、冬虫夏草に含有される特有成分による免疫機能の向上効果が特に重要であり、本実施の形態に係る健康補助食品において、冬虫夏草粉末の含有量が60重量%よりも少ない場合には、上述のような効果が十分に発揮されない可能性がある。
また、ローヤルゼリー粉末及び食用酢粉末は、特に吸湿性が高く、食用酢粉末及びローヤルゼリー粉末の合計が40重量%を超える場合には、原料粉体同士を均質に混合できない可能性がある。
ゆえに、本実施の形態に係る健康補助食品の原料粉体のそれぞれは、上述のような割合で配合することが望ましい。
【0039】
なお、上述のような冬虫夏草粉末及び、食用酢粉末及び、ローヤルゼリー粉末を、特に、冬虫夏草粉末70重量%に対して、食用酢粉末20重量%、ローヤルゼリー粉末10重量%をそれぞれ配合して作成した本実施の形態に係る健康補助食品には、以下の表4に示すようなアミノ酸類、ミネラル類、ビタミン類、核酸関連化合物が含有されている。なお、表4には上述の各栄養素の効果についても併せて示した。
なお、食用酢粉末にはミネラル類や、ビタミン類も含まれているが、本実施の形態に係る健康補助食品において、これらの成分は顕著な特徴を有するものではないので詳細な分析結果については省略する。
【0040】
【表4】

【0041】
さらに、冬虫夏草粉末70重量%に対して、食用酢粉末20重量%、ローヤルゼリー粉末10重量%を配合して成る本実施の形態に係る健康補助食品における各種アミノ酸の含有量は、以下の表5に、また、核酸関連化合物の含有量は、以下の表6に示すとおりである。
なお、上記本実施の形態に係る健康補助食品中に含まれる各種アミノ酸及び、核酸関連化合物の分析方法は、上述の冬虫夏草の各種アミノ酸及び、核酸関連化合物の分析方法と同じ方法により行なった。
【0042】
【表5】

【0043】
【表6】

【0044】
上記表4〜6に示すように、本実施の健康補助食品は、アミノ酸類として必須アミノ酸8種類(スレオニン、メチオニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、フェニルアラニン、リジン、トリプトファン)に加え、アスパラギン酸、セリン、グルタミン酸、グルタミン、アラニン、システイン、チロシン、ヒスチジン、アルギニン、プロリンを含有し、ミネラル類として、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、カリウム、鉄、マンガン、亜鉛、リン、ヨウ素、硫黄を含有し、加えてビタミン類として、ビタミンB5(パントテン酸)、ビタミンB3(ナイアシン)、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンB2、ビタミンB1、ビタミンM(葉酸)、ビタミンH、アセチルコリン(コリン前駆体)を含有している。
さらに、核酸関連化合物として、アデノシン、2’―デオキシアデノシン、グアノシン、ヒポキサンチン、ウリジン、キチン又はキトサン、メラトニンを含有し、少量のコルディセピンも含有している。
従って、これらの成分が単独であるいは相乗的に作用することで、本実施の形態に係る健康補助食品を摂取した際に、以下に示すような様々な体機能改善効果が発揮されるのである。
【0045】
なお、本実施の形態に係る健康補助食品は、上述のような3種類の原料物質をそれぞれ粉末にし、その混合体を粒状カプセル内に封入したものであるが、必ずしも粒状カプセル内に封入する必要はなく、賦形剤や滑沢剤、あるいはこの両方を上述の混合物に添加して粒状に形成してもよい。この場合、粒状カプセルにかかるコストを削減できるため、需要者に製品を安価に提供できるという効果を有する。
また、上述の混合物を粉体のまま、あるいは、オブラート等に包んで摂取又は服用する場合には、有効成分を特に粒状に形成したり、粒状カプセル内に封入する手間を省くことができ、本実施の形態に係る健康補助食品を一層安価に需要者に提供できるという効果を有する。
なお、上述の3種類の原料物質を粉末とすることで、原料物質の計量、調合、保存、混合などが容易となり、その製造を容易にするとともに、時間的あるいは経済的な効率化を達成することが可能である。
【0046】
続いて、本実施の形態に係る健康補助食品を摂取又は服用した際の効果を実証する目的で行なった試験1〜5の結果を図4〜8を参照しながら詳細に説明する。
【0047】
(試験1)
本実施の形態に係る健康補助食品を摂取することによる血液の流動性向上効果を実証する目的で、以下に示すような試験1を行なった。
本試験では、血液検査において血液の流動性が低下していると診断された、つまり、血液がドロドロであると診断された20代から80代の被験者55人に対して、本実施の形態に係る健康補助食品として、上述のような特徴を有する冬虫夏草を70重量%、食用酢粉末を20重量%、ローヤルゼリー粉末を10重量%配合して均質に混合した後、粒状カプセル1粒当たり0.2gを封入したものを、2粒、又は4粒、又は6粒を水により摂取してもらい、摂取後30分経過後、又は1時間経過後に、それぞれの被験者から血液を採取して血液の流動性の変化を目視にて観察した。
図4は、上述のような手順で行なった試験1の結果を示す一覧表である。
図4に示すように、本実施の形態に係る健康補助食品を2粒摂取した被験者2人においては、2名とも摂取後1時間を経過しても血液の流動性に顕著な変化は認められなかった。また、本実施の形態に係る健康補助食品を4粒摂取した被験者46人のうち28人においては、摂取後30分が経過した時点で血液の流動性が正常になった。また、被験者46人のうち13人については摂取後1時間を経過して時点で血液の流動性が正常になった。つまり、本実施の形態に係る健康補助食品4粒摂取した場合には、被験者46人のうち41人に対して血液の流動性を正常にするという効果が認められた。
さらに、本実施の形態に係る健康補助食品を6粒摂取した場合には、被験者6人の内5人において、摂取してから30分後又は1時間後に血液の流動性が正常になるという効果が認められた。
なお、本実施の形態に係る健康補助食品を6粒摂取した後、30を経過しても血液の流動性が正常にならなかった被験者2人対して、さらに本実施の形態に係る健康補助食品を2粒追加して摂取してもらったところ、摂取後30分を経過した時点で2人の被験者の血液の流動性が正常になった。
【0048】
(試験2)
本実施の形態に係る健康補助食品を摂取することによる風邪の自覚症状改善効果を実証する目的で、以下に示すような試験2を行なった。
本試験では、風邪による自覚症状が認められる成人男性4人、成人女性7人、20代の男性2人、17歳男子2人、12歳の女子2人、5歳の女子2人、4歳の男子1人の計20人の被験者に、試験1で使用した健康補助食品と同じ健康補助食品をそれぞれ、成人男性と20代男性には1回当たり10粒づつ1日に2回、成人女性と17歳男子には1回当たり8〜10粒づつ1日に2回、12歳の女子は1回当たり3粒づつ1日に2回、5歳の女子と4歳の男子には1回当たり2粒づつ1日に2回摂取しもらい風邪による自覚症状の改善の有無についてアンケート調査を実施した。なお、15才以下の子供については保護者に、風邪による自覚症状の改善の有無についてアンケート調査を実施した。
図5は、上述のような手順で行なった試験2の結果を示す一覧表である。
図5に示すように、被験者に風邪による自覚症状が認められる場合であって、市販の風邪薬の服用では自覚症状が改善されない場合に、市販の風邪薬と併せて本実施の形態に係る健康補助食品を服用した場合には、被験者7人の全員において1日以内に自覚症状の改善が認められた。
また、市販の風邪薬を服用せずに、本実施の形態に係る健康補助食品のみを服用した被験者13人の全てにおいて、やはり、1日以内に自覚症状の改善が認められた。
【0049】
(試験3)
本実施の形態に係る健康補助食品を摂取することによる足腰の痛みの改善効果を実証する目的で、以下に示すような試験3を行なった。なお、図6中の記号において○は明らかな改善が認められたを、▲はやや改善したを、×は改善が認められなかったことをそれぞれ示している。
本試験では、足腰に痛みがある50代から70代の被験者22人に対し、1日当たり朝と夕方の2回ずつ、1回につき5粒の本実施の形態に係る健康補助食品(試験1に使用したものと同じもの)を1週間から1ヶ月間継続して摂取してもらい、足腰の痛みの改善状況についてアンケート調査を行った。
図6は、上述のような手順で行なった試験3の結果を示す一覧表である。
図6に示すように、本実施の形態に係る健康補助食品を摂取した被験者のうち5人については摂取開始後1週間で症状の改善が認められた。また、被験者9人については、摂取開始後2週間で症状の改善が認められた。さらに、被験者5人については、摂取開始後1ヶ月で症状の改善が認められた。また、被験者3人については、足腰の痛みの顕著な改善効果が認められなかった。
【0050】
(試験4)
本実施の形態に係る健康補助食品を摂取することによる抗がん剤投与時の副作用の軽減効果を実証する目的で、以下に示すような試験4を行なった。
本試験では、抗がん剤の投与による治療の際に、副作用による発熱、嘔吐、頭痛の症状が認められる40代から70代の被験者11人に、抗がん剤の投与1時間前に、本実施の形態に係る健康補助食品(試験1に使用したものと同じもの)を10粒摂取してもらい、抗がん剤投与の際に副作用による症状の有無についてアンケート調査を実施した。
図7は、上述のような手順で行なった試験4の結果を示す一覧表である。
図7に示すように、抗がん剤の投与1時間前に本実施の形態に係る健康補助食品を10粒摂取した場合、被験者11人全員において発熱、嘔吐、頭痛の症状は認められなかった。
【0051】
(試験5)
本実施の形態に係る健康補助食品を摂取することによる他の自覚症状の改善効果を実証する目的で、以下に示すような5種類の自覚症状を訴える被験者にそれぞれ継続して本実施の形態に係る健康補助食品(試験1に使用したものと同じもの)を所定の量、継続して摂取してもらい、それぞれの自覚症状の改善の有無についてアンケート調査を実施した。
図8は試験5の結果を示す一覧表である。
図8に示すように、偏頭痛の症状がある被験者7人に、本実施の形態に係る健康補助食品を、毎朝4〜5粒ずつ摂取してもらったところ、被験者7人中6人において、症状の改善が認められた。
また、肩こりの症状がある被験者50人に、本実施の形態に係る健康補助食品を、朝と夕の2回、4〜5粒ずつ継続して摂取してもらったところ、被験者50人中48人において、症状の改善が認められた。
また、疲労の症状がある被験者50人に、本実施の形態に係る健康補助食品を、毎朝4〜5粒ずつ摂取してもらったところ、被験者50人中42人において、症状の改善が認められた。
また、飛蚊症の被験者10人に、本実施の形態に係る健康補助食品を、1回当たり4〜5粒ずつを1日当たりに1回又は2回摂取してもらったところ、被験者10人中9人において、症状の改善が認められた。
また、冷え性の被験者10人に、本実施の形態に係る健康補助食品を、朝と夕の2回、3粒ずつ継続して摂取してもらったところ、被験者10人中8人において、摂取後1日で症状の改善が認められた。
【0052】
以上述べたように、安全性と効果が認められている冬虫夏草粉末と、食用酢粉末と、ローヤルゼリー粉末を混合して成る本実施の形態に係る健康補助食品を、一時に、あるいは定期的に継続して摂取することで、血液の流動性向上や、風邪による自覚症状、足腰の痛み、抗がん剤投与時の副作用、偏頭痛、肩こり、疲労回復、飛蚊症、冷え性に対して改善効果を期待することができる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明に係る請求項1乃至請求項6に記載された発明は、人体に有用な必須アミノ酸8種類を含む各種アミノ酸及び、核酸関連物質、各種ミネラル、ビタミン類を豊富にかつバランスよく含有する健康補助食品を提供することができ、サプリメントの製造の分野において利用の可能性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施の形態に係る健康補助食品に配合される冬虫夏草粉末に含まれるアミノ酸含有量を示すグラフである。
【図2】本発明の実施の形態に係る健康補助食品に配合される冬虫夏草粉末に含まれる核酸関連化合物の含有量を示すグラフである。
【図3】本発明の実施の形態に係る健康補助食品に配合される食用酢粉末に含まれるアミノ酸含有量を示すグラフである。
【図4】本実施の形態に係る健康補助食品を摂取することによる血液の流動性向上効果を実証する試験の結果を示す一覧表である。
【図5】本実施の形態に係る健康補助食品を摂取することによる風邪の自覚症状改善効果を実証する試験の結果を示す一覧表である。
【図6】本実施の形態に係る健康補助食品を摂取することによる足腰の痛みの改善効果を実証する試験の結果を示す一覧表である。
【図7】本実施の形態に係る健康補助食品を摂取することによる抗がん剤投与時の副作用の軽減効果を実証する試験の結果を示す一覧表である。
【図8】本実施の形態に係る健康補助食品を摂取することによる他の自覚症状の改善効果を実証する試験の結果を示す一覧表である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冬虫夏草粉末と、食用酢粉末と、ローヤルゼリー粉末とを混合して成ることを特徴とする健康補助食品。
【請求項2】
前記冬虫夏草粉末60〜80重量%に対して、前記食用酢粉末及び前記ローヤルゼリー粉末の合計が20〜40重量%となるようそれぞれを配合したことを特徴とする請求項1記載の健康補助食品。
【請求項3】
前記冬虫夏草粉末65〜75重量%に対して、前記食用酢粉末を15〜25重量%、前記ローヤルゼリー粉末を5〜10重量%配合したことを特徴とする請求項1記載の健康補助食品。
【請求項4】
前記冬虫夏草粉末と、前記食用酢粉末と、前記ローヤルゼリー粉末から成る混合物を粒状に形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の健康補助食品。
【請求項5】
粒状カプセル内に、前記冬虫夏草粉末と、前記食用酢粉末と、前記ローヤルゼリー粉末から成る混合物を封入したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の健康補助食品。
【請求項6】
前記食用酢粉末は、香醋粉末又は黒酢粉末、あるいはこれらの混合物であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の健康補助食品。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−67637(P2008−67637A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−248768(P2006−248768)
【出願日】平成18年9月13日(2006.9.13)
【出願人】(506310706)株式会社アミノ酸研究所 (1)
【Fターム(参考)】