説明

健康診断ネットワークシステム、スクリーンセーバー制御方法、及びそのプログラム

【課題】 スクリーンセーバー起動中の患者端末にかかってきたテレビ電話への対応が容易な健康診断ネットワークシステムを提供する。
【解決手段】 患者端末101aのスクリーンセーバー制御手段202は、予め定められた一定時間内に入力手段211からの入力がなければ表示手段203の画面表示を自動的にスクリーンセーバー画面に切り換える。スクリーンセーバー制御手段202は、スクリーンセーバー画面の表示中にテレビ電話手段204が他の患者端末101b,101cまたは医師端末102から通話呼び出しを受信すると、スクリーンセーバー画面を自動的に終了し、テレビ電話手段204によるテレビ電話機能の実行に必要な画面を表示手段203に優先的に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医師や看護師などの医療関係者と、在宅あるいは医療機関内の患者との間で医療情報や生体情報の交信を行うことができる健康診断ネットワークシステムに関する。特に、本発明はこの健康診断ネットワークシステムが備える患者端末のスクリーンセーバー機能に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、患者端末と医師端末間で動画及び音声によるコミニュケーションが可能なテレビ電話機能を備えた健康診断ネットワークシステムが提供されている(特許文献1)。また、従来の健康診断ネットワークシステムでは、患者端末は、一定時間が経過すると自動的にスクリーンセーバーを起動する手段を備えている。
【0003】
【特許文献1】特開2002−83066号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の健康診断ネットワークシステムにおいては、スクリーンセーバーが起動中の患者端末に、他の患者端末、または医師端末からテレビ電話がかかると、呼び出し音と共に、スクリーンセーバー画面のバックグラウンドジョブとして呼び出し表示を行っている。そして、患者端末を操作するとスクリーンセーバーが初めて解除され、前記呼び出し画面が表示される。このような手順を知らない使用者にとっては、スクリーセーバー起動中のテレビ電話の呼び出しにどのように対応すればよいのかが分かりにくく、高齢者などに配慮したユニバーサルデザインの観点からは更に改善すべき点があった。特に、耳が遠い高齢者などの場合には、テレビ電話の呼び出しに気付かないおそれがある。
【0005】
また、スクリーンセーバー起動中に、設定時刻になると生体測定を促すスケジュール機能を備えたアプリケーションが起動した場合には、測定時刻のお知らせ音はするもののスクリーンセーバーは解除されない。そのため、耳が遠い高齢者などに測定時刻となったことを視覚的に訴えることができず、測定時刻にも関わらず測定を忘れることが考えられる。
【0006】
本発明は、従来の更に解決すべき点を解決するためになされたもので、スクリーンセーバー起動中の患者端末にかかってきたテレビ電話への対応が容易な健康診断ネットワークシステムを提供することを目的とする。また、本発明は患者端末でスクリーンセーバーが起動中であっても、使用者に対して定期的な測定時刻となったことを確実に知らせることができる健康診断ネットワークシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、生体測定を行うための複数の患者端末と、前記患者端末による生体測定の結果を閲覧するための医師端末とを備え、前記患者端末と前記医師端末が通信ネットワークを介して互いに接続されている健康診断ネットワークシステムにおいて、前記患者端末は、他の患者端末及び医師端末とリアルタイムでの画像及び音声の送受信を行うためのテレビ電話手段と、任意に設定した一定時間内に入力手段からの入力がなければ表示手段の画面表示を自動的にスクリーンセーバー画面に切り換え、かつ前記表示手段が前記スクリーンセーバー画面の表示中に前記テレビ電話手段が他の前記患者端末または前記医師端末から通話呼び出しを受信すると、前記スクリーンセーバー画面を自動的に終了し、前記テレビ電話手段によるテレビ電話機能の実行に必要な画面を前記表示手段に優先的に表示させるスクリーンセーバー制御手段とを備えた構成を有している。換言すれば、スクリーンセーバーが起動していても、テレビ電話を使用するアプリケーションが優先的に表示手段に表示される。従って、スクリーセーバー画面の表示中に他の患者端末や医師端末からテレビ電話の通話呼び出しを受信した場合であっても、患者端末の使用者は確実かつ簡単にテレビ電話による通話に必要な操作を行うことができる。また、患者端末の使用者が耳が遠い高齢者などの場合でも、テレビ電話の呼び出しに確実に気が付く。
【0008】
前記スクリーンセーバー制御手段は、前記テレビ電話手段による他の前記患者端末または前記医師端末との通話終了後、前記所定時間内に入力手段からの入力がなければ前記表示手段の画面表示を再度前記スクリーンセーバー画面に切り換えることが好ましい。これによって、テレビ電話による通話終了後、表示手段にその画面が表示された状態のまま入力手段を操作をしなかった場合に、表示手段の画面の焼き付きを防止できる。
【0009】
第2の発明は、生体測定を行うための患者端末と、前記患者端末による生体測定の結果を閲覧するための医師端末とを備え、前記患者端末と前記医師端末が通信ネットワークを介して互いに接続されている健康診断ネットワークシステムにおいて、前記患者端末は、設定時刻になると、少なくとも表示手段の画面表示を生体測定の実行を促す報知画面に切り換えることにより使用者に生体測定の実行を促すスケジュール制御手段と、任意に設定された所定時間内に入力手段からの入力がなければ前記表示手段の画面表示を自動的にスクリーンセーバー画面に切り換え、かつ前記表示手段がスクリーンセーバー画面を表示中に前記設定時刻になると、前記スクリーンセーバー画面を自動的に終了し、前記スケジュール制御手段による報知画面を前記表示手段に優先的に表示させるスクリーンセーバー制御手段とを備えた構成を有している。これによって、患者端末の前記スケジュール機能を備えたアプリケーションを優先的に表示手段に表示して制御することができ、スクリーセーバーの起動中であっても患者端末の使用者に生体情報を測定する時刻になったことを確実に知らせることができる。
【0010】
前記スケジュール制御手段は、前記生体測定が終了するまで前記スクリーセーバー制御手段によるスクリーンセーバー画面の表示を実行させないことが好ましい。これによって、生体測定が終了するまではスクリーンセーバーが起動しないので、耳が遠い高齢者などが仮に測定を促す報知音を聞き逃しても、生体測定を実行する時刻がきたことを視覚的に訴えることができ、測定のし忘れを防ぐことができる。
【0011】
第3の発明は、健康診断ネットワークシステムの患者端末におけるスクリーンセーバー制御方法において、前記スクリーンセーバーが起動中の前記患者端末に他の前記患者端末、または医師端末からテレビ電話がかかってきた際に、前記スクリーンセーバーを自動解除し、前記テレビ電話を使用するアプリケーションを優先的に表示手段に表示するスクリーンセーバー制御方法である。これによって、前記テレビ電話を使用するアプリケーションを優先的に表示するスクリーンセーバー制御方法を構築できる。
【0012】
前記スクリーンセーバー解除後、前記テレビ電話が終了すると、再び一定時間経過後に前記スクリーンセーバーが起動することが好ましい。これによって、テレビ電話による通話終了後、表示手段にその画面が表示された状態のまま操作をしなかった場合に、表示手段の画面の焼き付きを防止できる。
【0013】
第4の発明は、健康診断ネットワークシステムの患者端末におけるスクリーンセーバー制御方法において、前記スクリーンセーバーの起動中に、設定時刻になると生体測定を促すスケジュール機能を備えたアプリケーションが起動すると、前記スクリーンセーバーを自動解除し、前記スケジュール機能を備えたアプリケーションを優先的に表示手段に表示するスクリーンセーバー制御方法である。これによって、患者端末の前記スケジュール機能を備えたアプリケーションを優先的に表示できる。
【0014】
前記スケジュール機能は、生体測定が実行されない限り、前記スクリーンセーバーを起動させないことが好ましい。これによって、生体測定が終了するまではスクリーンセーバーが起動しないので、耳が遠い高齢者などが仮に測定を促すお知らせ音を聞き逃しても、生体測定を実行する時刻がきたことを視覚的に訴えることができ、測定のし忘れを防ぐことができる。
【0015】
第5の発明は、任意に設定された所定時間内に入力手段からの入力がなければ、患者端末の表示手段の画面表示を自動的にスクリーンセーバー画面に切り換える手順と、前記表示手段が前記スクリーンセーバー画面の表示中に前記患者端末が他の患者端末または医師端末からテレビ電話の通話呼び出しを受信すると、前記スクリーンセーバー画面を自動的に終了し、かつ前記テレビ電話の実行に必要な画面を前記表示手段に優先的に表示させる手順とをコンピューターに実行させるためのスクリーンセーバー制御プログラムである。
【0016】
第6の発明は、任意に設定された所定時間内に入力手段からの入力がなければ、患者端末の表示手段の画面表示を自動的にスクリーンセーバー画面に切り換える手順と、前記表示手段が前記スクリーセーバー画面を表示中に設定時刻になると、前記スクリーンセーバー画面を自動的に終了し、かつ生体測定の実効を促す報知画面を前記表示手段に優先的に表示させる手順とをコンピューターに実行させるためのスクリーンセーバー制御プログラムである。
【0017】
第5及び第6の発明のプログラムにより、CPU(マイコン)、RAM、ROM、記憶装置、I/Oなどを備えた電気情報機器、コンピューター、サーバーなどのハードリソースを協働させて、本発明の健康診断ネットワークシステムを容易に実現することができる。また、記録媒体への記録や通信回線を用いた配信により、プログラムの配布やインストール作業が簡単にできる。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、健康診断ネットワークシステムにおいて、任意に設定された所定時間内に入力手段からの入力がなければ表示手段の画面表示を自動的にスクリーンセーバー画面に切り換え、かつ表示手段が前記スクリーンセーバー画面の表示中にテレビ電話手段が他の前記患者端末または医師端末から通話呼び出しを受信すると、スクリーンセーバー画面を自動的に終了し、テレビ電話手段によるテレビ電話機能の実行に必要な画面を前記表示手段に優先的に表示させるスクリーンセーバー制御手段を患者端末に設けることにより、従来のように、呼び出し音と共に、スクリーンセーバーが起動したままで、スクリーンセーバー画面のバックグラウンドジョブとして呼び出し表示を行っている場合、患者端末の使用者がどのように対応したらよいか分からない、耳が遠い高齢者の場合にテレビ電話の通話呼び出しに気付かないなどの問題点が改善される。換言すれば、スクリーンセーバー起動中の患者端末にかかってきたテレビ電話への対応が容易である。
【0019】
また、任意に設定された所定時間内に入力手段からの入力がなければ表示手段の画面表示を自動的にスクリーンセーバー画面に切り換え、かつ表示手段がスクリーンセーバー画面を表示中に設定時刻になると、スクリーンセーバー画面を自動的に終了し、生体測定の実行を促す内容のスケジュール制御手段による報知画面を表示手段に優先的に表示させるスクリーンセーバー制御手段を患者端末に設けることにより、耳が遠い高齢者などにも生体測定の時刻がきたことを視覚的に訴えることができ、測定時刻にも関わらず、測定し忘れることを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態の健康診断ネットワークシステムについて、図面を用いて説明する。
【0021】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態における健康診断ネットワークシステムの構成図を図1に示す。
【0022】
図1において、健康診断ネットワークシステムは、生体情報の測定(生体測定)を行うための患者端末101a,101b,101c・・・、医師や看護師が生体測定により得られた生体情報を閲覧するための医師端末102、センターサーバー103、通信ネットワーク104から構成される。
【0023】
患者の人数分の複数の患者端末101a,101b,101c・・・がすべて通信ネットワーク104にてネットワーク接続されている。これらの患者端末101a〜103cは、通信ネットワーク104を介してセンターサーバー103へ接続され、測定した生体情報を通信ネットワーク104を介してセンターサーバー103へ伝送する。センターサーバー103は患者端末101a〜101cから受信した生体情報を蓄積する。医師端末102は患者端末101a〜101cと同様に通信ネットワーク104を介してセンターサーバー103に接続され、センターサーバー103に蓄積された生体情報を医師端末102で閲覧できる。また、医師端末102は閲覧した生体情報に基づいて患者に対するアドバイスを作成する機能を有し、作成されたアドバイスは通信ネットワーク104を介してセンターサーバー103に伝送される。センターサーバー103は医師端末102から受信したアドバイスを蓄積する。センターサーバー103から患者端末101a〜101cにアドバイスが例えばメールの形態で送信され、患者は患者端末101a〜101bで医師などからのアドバイスを閲覧できる。
【0024】
図2に第1の実施の形態の健康診断ネットワークシステムの詳細なブロック図を示す。この図2では、理解を容易にするために、実施の形態の特徴とは直接的には関係のない構成、すなわち前述の生体情報やアドバイスの伝送、蓄積、及び閲覧などの健康端末ネットワークシステムの一般的な機能を実現するための構成は図示していない。例えば、医師端末102については、後述する送受信手段209とテレビ電話手段208のみを図示し、センターサーバー103の内部の構成は図示していない。また、患者端末101aについても前述の一般的な機能を実現するための構成は図示していない。さらに、患者端末101b,101cは患者端末101aと同一構造であるが、後述するテレビ電話手段204と送受信手段205のみを図示している。
【0025】
患者端末101aは、計時手段201、スクリーンセーバー制御手段202、表示手段203、テレビ電話手段204、送受信手段205、バイタルセンサ210、入力手段211、スピーカ212、マイク213、及びカメラ214を備える。
【0026】
バイタルセンサ210の種類は特に限定されない。バイタルセンサ210には、例えば血糖計、血圧計、体温計、脈拍計、血中飽和酸素濃度計、体重計、体脂肪率計、聴診器、心電計などがある。
【0027】
表示手段203は、例えば液晶表示装置であり、その画面にバイタルセンサ210による測定方法や、前述の医師からのアドバイスなどを表示して患者の閲覧に供する。
【0028】
スピーカ212は後述する通話呼び出しの報知音などの音を出力する。
【0029】
入力手段211は、例えば表示手段203の液晶表示画面に重ねて配置されたタッチパネルからなり、患者の操作命令を入力するために使用される。
【0030】
送受信手段205は、通信ネットワーク104を介して、他の患者端末101b,101c、医師端末102、及びセンターサーバー103との情報の送信及び受信を実行する。
【0031】
スクリーンセーバー制御手段202は、計時手段201が計時している時刻を参照し、入力手段211からの入力が途絶えてから予め任意に設定した所定時間後に、スクリーンセーバーを起動させる。詳細には、スクリーンセーバー制御手段202は、所定時間内に入力手段211からの入力がなければ、表示手段203の画面表示をスクリーンセーバー画面(図4参照)に切り換える。表示手段203に同じ画面が長時間(例えば数時間)にわたって表示されると、画面の焼き付きが起きてしまう。スクリーンセーバーは、入力手段211からの入力がなくとも表示手段203の画面表示を規則的又は不規則に変化させ、それによって画面の焼き付けを防止する。スクリーンセーバーそのものは、一般的なパーソナルコンピュータで採用されているものと同様である。
【0032】
テレビ電話手段204は、他の患者端末101b,101c及び医師端末102とリアルタイムで動画像及び音声の送受信を行い、一般的なテレビ電話機能を実現する。詳細には、テレビ電話手段204は、カメラ214で撮影中の動画像やマイク213で集音中の音声を他の患者端末101b,101cや医師端末102にリアルタイムで送信する。同時に、テレビ電話手段204は、他の患者端末101b,101cや医師端末102から動画像や音声をリアルタイムで受信する。受信した動画像は表示手段203で表示され、受信した音声はスピーカ212で再生される。テレビ電話手段204による他の患者端末101b,101cや医師端末102とのリアルタイムでの動画像や音声の送受信は、送受信手段205を介して実行される。
【0033】
医師端末102も患者端末101a〜101cと同様に、患者端末101a〜101cとリアルタイムで動画像及び音声の送受信を行ってテレビ電話機能を実現するためのテレビ電話手段208を備える。医師端末102のテレビ電話手段208による患者端末101a〜101cとのリアルタイムでの動画像や音声の送受信は、送受信手段209を介して実行される。センターサーバー103は、患者端末101a〜101c及び医師端末102のうちのいずれかの端末から他の端末にテレビ電話による通話を試みた際の相手方の端末が話し中か否かの監視など、テレビ電話機能に関する患者端末101a〜101c及び医師端末102間の通信を管理するサーバーの役割を担っている。
【0034】
以上のように構成された第1の実施の形態の健康診断ネットワークシステムについて、スクリーンセーバーに関する患者端末101aの動作を図3のフローチャートを用いて詳細に説明する。
【0035】
スクリーンセーバー制御手段202は計時手段201を用いて、最後に入力手段211が操作された時点から計時を開始する(ステップS3−1)。ステップS3−2において一定時間、例えば20分が入力手段211が操作されていない状態で経過すると、スクリーンセーバー制御手段202は、スクリーンセーバーを起動する(ステップS3−3)。スクリーンセーバー起動までの時間は、スクリーンセーバー制御手段20が記憶している。図4はスクリーンセーバーの起動によって表示手段203に表示されるスクリーンセーバー画面の一例である。このスクリーンセーバー画面は、パーソナルコンピュータなどで採用されている一般的なものであり、「スクリーンセーバー」という文字が画面中を自動的に移動し続けることで、表示手段203の画面の焼き付きを防止する。なお、前記計時開始からスクリーンセーバー起動までの20分間という時間は一例である。入力手段211によりスクリーンセーバー起動までの時間を30分、60分などの異なる時間に任意に設定できる。
【0036】
次に、患者端末101aでスクリーンセーバー起動中に、別の患者端末101b,101cまたは医師端末102から、テレビ電話の通話呼び出しが行われたとする(ステップS3−4)。この通話呼び出しは、通信ネットワーク104を介して送受信手段205で受信され、テレビ電話手段204に通話呼び出しがあることが通知される。テレビ電話手段204は通話呼び出しがあると、テレビ電話機能の実行に必要な処理を開始する。換言すれば、患者端末101aが通話呼び出しを受信すると、テレビ電話のアプリケーションが起動される。
【0037】
テレビ電話手段204からスクリーンセーバー制御手段202に通話呼び出しがあることが通知されると、スクリーンセーバー制御手段202は自動的にスクリーンセーバーの解除を行う(ステップS3−6)。具体的には、スクリーンセーバー制御手段202は、表示手段203へのスクリーンセーバー画面の表示を中止する。また、スクリーンセーバー制御手段202は、スクリーンセーバー画面の表示中止と同時に、他の患者端末101b,101cまたは医師端末102からテレビ電話の通話要求が来ていることを患者に知らせるためのテレビ電話手段204による通話要求報知画面を、表示手段203に優先的に表示させる(ステップS3−7)。テレビ電話手段204は、通話要求報知画面の表示手段203への表示と併せて、スピーカ212により報知音(例えば電話が鳴っている音)を出力してもよい。
【0038】
図5は表示手段203に表示された通話要求報知画面の一例を示す。この例では、スクリーンセーバーの解除後、テレビ電話のアプリケーションの画面が直ちに表示手段203に表示されている。この通話要求報知画面では、カメラ214で撮影中の患者端末101aを使用している患者の動画像が「あなた」という表記の下側に表示されている。また、通話の相手方、すなわち他の患者端末101b,101cまたは医師端末102を操作中の者(他の患者または医師)の動画像が「○○さん」という表記の下側に表示される。代案としては、通話要求報知画面は、図5のような画面表示の一つ前の段階、すなわち相手方からの通話要求に応じるか否かを選択するための「はい」及び「いいえ」等のGUIを含むものでもよい。
【0039】
図5に示すような通話要求報知画面の場合には、患者端末101aの使用者は相手方とのテレビ電話による通話を直ちに開始できる(ステップS3−8)。一方、前述の代案のような通話要求報知画面の場合には、「はい」を選択することで、相手方とのテレビ電話による通話が可能となる。テレビ電話の終了後(ステップS3−9)、他の作業(例えば生体測定)のために患者端末101aをさらに操作する場合には、このフローチャートで示す処理は終了する。一方、患者端末101aの操作を行わない場合には、ステップS3−1に処理が戻り、計時手段201を使用した最後の入力手段211の操作後の経過時間の計時が再度開始される。その後、ステップS3−2〜ステップS3−9の処理が繰り返される。従って、再度の計時から一定時間内に入力手段211の操作が行われなければ、表示手段203の画面表示は再度スクリーンセーバー画面に切り換えられる(ステップS3−2,S3−3)。
【0040】
以上のように、本発明の第1の実施の形態の健康を管理する健康診断ネットワークシステムによれば、スクリーンセーバー制御手段202は、表示手段203がスクリーンセーバー画面を表示中にテレビ電話手段204が通話呼び出しを受信すると、スクリーンセーバー画面を自動的に終了し、テレビ電話手段204による通話要求報知画面を表示手段203に優先的に表示させる。換言すれば、スクリーンセーバーが起動していても、テレビ電話を使用するアプリケーションが優先的に表示手段203に表示される。従って、スクリーセーバー画面の表示中の患者端末101aが他の患者端末101b,101cや医師端末102からテレビ電話の通話呼び出しを受信した場合であっても、患者端末101aの使用者は確実かつ簡単にテレビ電話による通話に必要な操作を行うことができる。換言すれば、スクリーンセーバー画面のバックグラウンドジョブとして呼び出し表示を行うものの、呼び出し音だけでは使用者はどのように対応したらよいか分からないという従来の不具合は解消する。また、表示手段203の画面表示で通話要求があることが視覚的に表示されるので、患者端末の使用者が耳が遠い高齢者などの場合でも、テレビ電話の呼び出しに確実に気が付く。
【0041】
また、前述のようにスクリーンセーバー制御手段202は、テレビ電話の通話終了後、一定時間経過内に入力手段211が操作されなければ、表示手段203の画面表示を再度スクリーンセーバー画面に切り換える。これによって、テレビ電話による通話終了後に表示手段203にその画面が表示された状態のまま入力手段211を操作をしなかった場合であっても、表示手段203の画面の焼き付きを防止できる。
【0042】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態における健康診断ネットワークシステムのブロック図を図6にて示す。第1の実施形態と同一の要素については同一の符号を付している。
【0043】
第2の実施の形態の健康診断ネットワークシステムは、スケジュール制御手段701を備える。このスケジュール制御手段701は、計時手段201で計時されている時刻を参照し、予め設定された測定時刻となると、患者に対して特定のバイタルセンサ210での生体測定を促す測定時刻報知画面を表示手段203に表示する。
【0044】
測定時刻とその測定時刻に測定を行うバイタルセンサ210の種類(血圧、体重、血糖値などの測定項目)は医師端末102で設定される。詳細には、医師などが医師端末102のスケジュール入力手段702によって測定時刻と測定項目を入力し、入力された測定時刻と測定項目は医師端末102の送受信手段209によって通信ネットワーク104を介してセンターサーバー103に送信される。センターサーバー103は、医師端末102から受信した測定時刻と測定項目を記憶及び管理する。患者端末101aがセンターサーバー103にアクセスすると、センターサーバー103は通信ネットワーク104を介して測定時刻と測定項目を患者端末101aに送信する。測定時刻と測定項目は、患者端末101aの送受信手段205で受信され、スケジュール制御手段701で記憶される。
【0045】
以上のように構成された第2の実施の形態の健康診断ネットワークシステムについて、スクリーンセーバーに関する患者端末101aの動作を図7のフローチャートを用いて詳細に説明する。
【0046】
スクリーンセーバー制御手段202は計時手段201を用いて、最後に入力手段211が操作された時点から計時を開始する(ステップS7−1)。ステップS7−2において入力手段211が操作されていない状態で一定時間が経過すると、スクリーンセーバー制御手段202はスクリーンセーバーを起動し、表示手段203にスクリーンセーバー画面(図4参照)を表示させる(ステップS7−3)。
【0047】
次に、患者端末101aでスクリーンセーバー起動中に、前述の予め医師端末102のスケジュール入力手段702にて入力された測定時刻になると(ステップS7−4)、患者端末101aのスケジュール制御手段701は、表示手段203に測定時刻報知画面を表示させるための処理を開始する。また、スケジュール制御手段701はスクリーンセーバー制御手段202に測定時刻になったことを通知する。
【0048】
スケジュール制御手段701からスクリーンセーバー制御手段202に測定時刻となったことが通知されると、スクリーンセーバー制御手段202は、自動的にスクリーンセーバーの解除を行い、表示手段203への図4に示すようなスクリーンセーバー画面の表示を中止する(ステップS7−5)。また、スクリーンセーバー制御手段202は、スクリーンセーバー画面の表示中止と同時に、患者に測定時刻になったことを知らせるために表示手段203に測定時刻報知画面を優先的に表示させる(ステップS7−6)。スケジュール制御手段701は、測定時刻報知画面の表示手段203への表示と併せて、スピーカ212により報知音(例えばチャイム音)を出力してもよい。
【0049】
図8は表示手段203に表示された測定時刻報知画面の一例を示す。この例では、測定時刻となったことと、測定項目(体重と血圧)が文書で表示されている。ただし、測定時刻になったことと測定項目とが視覚的に認識可能である限り、測定時刻報知画面の形態は特に限定されない。
【0050】
図8の測定時刻報知画面を確認した患者端末101aの使用者が催促通りに生体測定を開始し(ステップS7−7)、すべての測定項目の測定が終了すると(ステップS7−8)、他の作業(例えばアドバイスの閲覧)のために患者端末101aをさらに操作するのであれば、このフローチャートで示す処理は終了する。一方、患者端末101aの操作を行わない場合には、ステップS7−1に処理が戻り、計時手段201を使用した最後の入力手段211の操作後の経過時間の計時が再度開始される。その後、ステップS7−2〜ステップS7−8の処理が繰り返される。従って、再度の計時から一定時間内に入力手段211の操作が行われなければ、表示手段203の画面表示は再度スクリーンセーバー画面に切り換えられる(ステップS7−2,S7−3)。
【0051】
表示手段203に測定時刻報知画面が表示されても、患者が患者端末101aから離れている、測定時刻報知画面を確認したにもかかわらず患者が生体測定を行うことを忘れてしまうなどの理由で生体測定が実行されない場合がある。この場合には、スクリーンセーバー制御手段202は、時間が経過しても表示手段203の画面表示をスクリーンセーバー画面(図4)に切り換えず、表示手段203の画面表示は測定報知画面(図8)で維持される。換言すれば、スクリーンセーバー制御手段202は、いったん測定報知画面が表示手段203に表示されると、生体測定が実行されるまでスクリーンセーバーを起動しない。
【0052】
以上のように、本発明の第2の実施の形態の健康を管理する健康診断ネットワークシステムによれば、スクリーンセーバー制御手段202は、表示手段203がスクリーンセーバー画面を表示中に測定時刻となると、スクリーンセーバー画面を自動的に終了し、スケジュール制御手段701による測定時刻報知画面を表示手段203に優先的に表示させる。換言すれば、スクリーンセーバーが起動していても、スケジュール機能を備えるアプリケーションが優先的に表示手段203に表示される。従って、スクリーンセーバー画面の表示中に測定時刻となった場合でも、患者端末101aの使用者に対して確実に測定時刻となったことを知らせることができる。換言すれば、表示手段203の画面表示はスクリーンセーバー画面のままで測定時刻の報知音が鳴るだけでは、患者端末101aの使用者は何の測定を行ったらよいのか分からない、耳が遠い高齢者などの場合に報知音だけでは測定時刻になったことに気づかないなどの従来の不具合は解消される。それと同時に、使用者が促された生体測定を行わない限り、スクリーンセーバー制御手段202はスクリーンセーバーを起動させないので、測定時刻にも関わらず、生体測定をし忘れるのを防ぐことができる。
【0053】
本発明は、前記第1及び第2の実施の形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、患者端末101a〜101cが、第1の実施の形態のテレビ電話手段204と第2の実施の形態のスケジュール制御手段701の両方を備え、図3のフローチャートを参照して説明した処理と図7のフローチャートを参照して説明した処理の両方を実行してもよい。
【0054】
以上のように、本発明にかかる健康診断ネットワークシステムは、一方の患者端末のスクリーンセーバー中にもう一方の患者端末、または医師端末からテレビ電話がかかってきた際に、スクリーンセーバーを自動解除し、前記テレビ電話を使用するアプリケーションを優先的に表示して制御するスクリーンセーバー機能を設けることにより、従来のように、呼び出し音と共に、スクリーンセーバー画面のバックグラウンドジョブとして呼び出し表示を行うだけでは、使用者がどのように対応したらよいかわからない、耳が遠い高齢者の場合には呼び出しに気づかないなどの不具合が改善される。また、スクリーンセーバー中に、設定時刻になると生体測定を促すスケジュール機能を備えたアプリケーションが起動した場合には、測定時刻のお知らせ音と共に、スクリーンセーバーを解除し、前記スケジュール機能のアプリケーションの表示を行うので、耳が遠い高齢者などにも視覚的に訴えることができ、測定時刻にも関わらず、生体測定をし忘れるのを防ぐという効果を有する。従って、本発明は、医師や看護師などの医療関係者と、在宅あるいは医療機関内の患者との間で医療情報や生体情報の交信を行うことができる健康診断ネットワークシステムのスクリーンセーバー機能として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の第1の実施の形態における健康診断ネットワークシステムの構成図。
【図2】本発明の第1の実施の形態における健康診断ネットワークシステムのブロック図。
【図3】本発明の第1の実施の形態における健康診断ネットワークシステムの動作説明のためのフローチャート。
【図4】本発明の第1の実施の形態における表示手段203のスクリーンセーバー画面の一例を示す図。
【図5】本発明の第1の実施の形態における表示手段203の通話呼び出し報知画面の一例を示す図。
【図6】本発明の第2の実施の形態における健康診断ネットワークシステムのブロック図。
【図7】本発明の第2の実施の形態における健康診断ネットワークシステムの動作説明のためのフローチャート。
【図8】本発明の第2の実施の形態における表示手段203の測定時刻報知画面の一例を示す図。
【符号の説明】
【0056】
101 患者端末
102 医師端末
103 センターサーバー
104 通信ネットワーク
201 計時手段
202 スクリーンセーバー制御手段
203 表示手段
204 テレビ電話手段
205 送受信手段
206 テレビ電話手段
207 送受信手段
208 テレビ電話手段
209 送受信手段
211 入力手段
212 スピーカ
213 マイク
214 カメラ
701 スケジュール制御手段
702 スケジュール入力手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体測定を行うための複数の患者端末と、前記患者端末による生体測定の結果を閲覧するための医師端末とを備え、前記患者端末と前記医師端末が通信ネットワークを介して互いに接続されている健康診断ネットワークシステムにおいて、
前記患者端末は、
他の患者端末及び医師端末とリアルタイムでの画像及び音声の送受信を行うためのテレビ電話手段と、
任意に設定した所定時間内に入力手段からの入力がなければ表示手段の画面表示を自動的にスクリーンセーバー画面に切り換え、かつ前記表示手段が前記スクリーンセーバー画面の表示中に前記テレビ電話手段が他の前記患者端末または前記医師端末から通話呼び出しを受信すると、前記スクリーンセーバー画面を自動的に終了し、前記テレビ電話手段によるテレビ電話機能の実行に必要な画面を前記表示手段に優先的に表示させるスクリーンセーバー制御手段と
を備えた健康診断ネットワークシステム。
【請求項2】
前記スクリーンセーバー制御手段は、前記テレビ電話手段による他の前記患者端末または前記医師端末との通話終了後、前記所定時間内に入力手段からの入力がなければ前記表示手段の画面表示を再度前記スクリーンセーバー画面に切り換える、請求項1に記載の健康診断ネットワークシステム。
【請求項3】
生体測定を行うための患者端末と、前記患者端末による生体測定の結果を閲覧するための医師端末とを備え、前記患者端末と前記医師端末が通信ネットワークを介して互いに接続されている健康診断ネットワークシステムにおいて、
前記患者端末は、
設定時刻になると、少なくとも表示手段の画面表示を生体測定の実行を促す報知画面に切り換えることにより使用者に生体測定の実行を促すスケジュール制御手段と、
任意に設定した所定時間内に入力手段からの入力がなければ前記表示手段の画面表示を自動的にスクリーンセーバー画面に切り換え、かつ前記表示手段がスクリーンセーバー画面を表示中に前記設定時刻になると、前記スクリーンセーバー画面を自動的に終了し、前記スケジュール制御手段による報知画面を前記表示手段に優先的に表示させるスクリーンセーバー制御手段と
を備えた健康診断ネットワークシステム。
【請求項4】
前記スケジュール制御手段は、前記生体測定が終了するまで前記スクリーセーバー制御手段によるスクリーンセーバー画面の表示を実行させない請求項3に記載の健康診断ネットワークシステム。
【請求項5】
健康診断ネットワークシステムの患者端末におけるスクリーンセーバー制御方法において、
前記スクリーンセーバーが起動中の前記患者端末に他の前記患者端末、または医師端末からテレビ電話がかかってきた際に、前記スクリーンセーバーを自動解除し、前記テレビ電話を使用するアプリケーションを優先的に表示手段に表示するスクリーンセーバー制御方法。
【請求項6】
前記スクリーンセーバー解除後、前記テレビ電話が終了すると、再び一定時間経過後に前記スクリーンセーバーが起動する請求項5に記載のスクリーンセーバー制御方法。
【請求項7】
健康診断ネットワークシステムの患者端末におけるスクリーンセーバー制御方法において、
前記スクリーンセーバーの起動中に、設定時刻になると生体測定を促すスケジュール機能を備えたアプリケーションが起動すると、前記スクリーンセーバーを自動解除し、前記スケジュール機能を備えたアプリケーションを優先的に表示手段に表示するスクリーンセーバー制御方法。
【請求項8】
前記スケジュール機能は、生体測定が実行されない限り、前記スクリーンセーバーを起動させない請求項7に記載のスクリーンセーバー制御方法。
【請求項9】
任意に設定した所定時間内に入力手段からの入力がなければ、患者端末の表示手段の画面表示を自動的にスクリーンセーバー画面に切り換える手順と、
前記表示手段が前記スクリーンセーバー画面の表示中に前記患者端末が他の患者端末または医師端末からテレビ電話の通話呼び出しを受信すると、前記スクリーンセーバー画面を自動的に終了し、かつ前記テレビ電話の実行に必要な画面を前記表示手段に優先的に表示させる手順と
をコンピューターに実行させるためのスクリーンセーバー制御プログラム。
【請求項10】
任意に設定した所定時間内に入力手段からの入力がなければ、患者端末の表示手段の画面表示を自動的にスクリーンセーバー画面に切り換える手順と、
前記表示手段が前記スクリーセーバー画面を表示中に設定時刻になると、前記スクリーンセーバー画面を自動的に終了し、かつ生体測定の実効を促す報知画面を前記表示手段に優先的に表示させる手順と
をコンピューターに実行させるためのスクリーンセーバー制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−246931(P2006−246931A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−63743(P2005−63743)
【出願日】平成17年3月8日(2005.3.8)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】