説明

健康飲料粉末

【課題】
家庭で水性媒体と混合して短時間混合するだけで、アルコール含有の均一なのど越しの良い健康飲料を得ることができ、酒臭さ、機能性成分の分離などの不具合を生じることのない健康飲料粉末を提供する。
【解決手段】
アルコール粉末と、卵(全卵、卵白、卵黄)、生姜、蜂蜜、かりん、柚子、きんかん、レモン、黒砂糖、抹茶、紅茶、緑茶、ウーロン茶、麦茶、コラーゲン、葛、澱粉、ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、カルシウム、ケール(青汁)、イソフラボン、トウガラシ、コエンザイムQ10のうち少なくとも1つの機能性成分とを含有してなる健康飲料粉末によって達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭で加水するだけで簡便に飲用でき、健康効果が期待できるアルコール含有の健康飲料粉末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、清酒などの酒は百薬の長といわれ、体を温めたり、血行を促進したり、酒類に含まれるさまざまな醸造成分、エキス、微量栄養素によって滋養強壮効果があるといわれている。
しかし、酒類をそのまま飲用するのが苦手な人もおり、またそのままでは胃壁に対する刺激が強い。
そこで、酒類を含有する健康飲料としては、例えば、古来、玉子酒が知られている。玉子酒は清酒に卵、砂糖を加え、60℃程度まで加温しながら、静かに攪拌して作られる。
しかし、卵はアルコールや熱によって凝固し易く、家庭で作ると、卵が凝固分離して口ざわりが悪かったり、卵の生臭みが残りやすいという欠点がある。また、酒は60℃程度に加温しただけではアルコール臭が強く、お酒の苦手な人のためには、予め清酒を煮切っておくなどの手間がかかる。
そこで、本発明者らは、アルコール粉末と、卵などの機能性成分の粉末を用いた飲料にすれば、機能性成分が分離したり、アルコール臭がなく、飲みやすく簡便に利用し易い健康飲料粉末に出来るのではないかと想起し、本発明にいたった。
【0003】
ところで、アルコールを含有する粉末としては、たとえば酒類溶液に、水溶性多糖類(澱粉、可溶性澱粉、粉飴など)、好適にはCMC(繊維素グリコール酸ナトリウム、または、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩)、単糖類または複糖類を混合し、これを噴霧乾燥した含酒精固状物質が知られている(特許文献1)。しかし、この含酒精固状物質は酒類そのものを粉末化するための技術であって、アルコール粉末に機能性成分を添加したときの従来のアルコール含有健康飲料の欠点を解消する点については記載も示唆もない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公昭53−33676号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上のような事情に鑑みなされたものであって、その目的とするところは家庭で水性媒体と混合して短時間混合するだけで、アルコール含有の均一なのど越しの良い健康飲料を得ることができ、長期常温保存中にケーキングを生じることがなく、風味、色調が安定しており、加水したときに酒臭さ、機能性成分の分離などの不具合を生じることのない健康飲料粉末を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明における上記目的は、アルコール粉末と機能性成分とを含有してなる健康飲料粉末によって達成される。
【0007】
また、前記機能性成分が、卵(全卵、卵黄、卵白)、生姜、蜂蜜、かりん、柚子、きんかん、レモン、黒砂糖、抹茶、紅茶、緑茶、ウーロン茶、麦茶、コラーゲン、葛、澱粉、ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、
カルシウム、ケール(青汁)、イソフラボン、トウガラシ、コエンザイムQ10のうち少なくとも1つであることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、加水して短時間攪拌するだけで、酒臭さがなく、機能性成分の分離などの不具合がなく、お酒の苦手な人でも飲みやすい健康飲料とすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明を詳しく説明する。
本発明の健康飲料粉末は、アルコール粉末と機能性成分とを含有する。
なお、本発明において粉末は、粉状、顆粒状などの粉体を意味する。
【0010】
まず、アルコール粉末は、エタノール含有食品、酒類であり、粉末か、後述する粉体化方法などによって粉末化する場合は、液状のものを用いても良い。
アルコールとしては、食用エタノール、醸造酒(日本酒、ワイン、ビールなど)、蒸留酒(焼酎、ウイスキー、ブランデーなど)、混成酒(リキュール、梅酒など)、カクテル類などのアルコール類が挙げられる。これらは1種でも複数用いても良い。
特に、醸造酒は原料由来もしくは発酵で生じる栄養成分がそのまま含まれているので、さらに滋養強壮効果が期待でき、好適である。
上記アルコール類の粉末化方法は、特に限定するものではなく、例えば、特公昭53−33676号公報に記載の噴霧乾燥や、アルコール類と賦形剤とを造粒(押出し造粒、解砕造粒、湿式造粒など)したものなどの方法を適宜選択して用いればよい。
また、添加量は商品設計にあわせて適宜設定すればよいが、例えば、たまご酒や軽いカクテル飲料など低アルコール飲料の場合は、健康飲料粉末全体重量中、アルコール分換算で1重量%〜8重量%程度が望ましい。この範囲よりも少ないと、健康効果が得られにくく、逆にこの範囲よりも多いと酒臭さが感じられたり、加水したときの後述する機能性成分の分離が生じやすくなる傾向にある。
【0011】
次に、機能性成分としては、卵(全卵、卵白、卵黄)、生姜、蜂蜜、かりん、柚子、きんかん、レモン、黒砂糖、抹茶、紅茶、緑茶、ウーロン茶、麦茶、コラーゲン、葛、澱粉、ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、カルシウム、ケール(青汁)、イソフラボン、トウガラシ、コエンザイムQ10が挙げられ、これらは1種でも複数組み合わせても良い。
機能性成分の添加量は商品設計に合わせて適宜設定すればよい。
【0012】
本発明の健康飲料粉末には、飲み易さ、栄養補給の点で甘味料を用いることが好適である。
【0013】
甘味料としては、ブドウ糖、果糖などの単糖類、砂糖、乳糖、麦芽糖などの二糖類、オリゴ糖、粉末水あめなどの糖質甘味料や糖アルコール粉末などが挙げられる。これらは単独でも複数組み合わせて用いても良い。
甘味料の添加量は、商品設計に合わせて適宜設定すれば良いが、健康飲料粉末全体重量中、50重量%〜70重量%程度とすることが、アルコール風味のバランスの点で好適である。
【0014】
なお、本発明の健康飲料粉末には、上記原料のほかに、副原料としてリン酸カルシウム、粉末油脂、カルシウム成分、香料、色素、安定剤、ゲル化剤、乳化剤、調味料などの粉末を適宜単独又は複数組み合わせて用いても良い。
【0015】
次に、本発明の健康飲料粉末は、上記のアルコール粉末、機能性成分、好適には甘味料
や、必要に応じ副原料を粉体混合する、あるいは粉体混合後、造粒することにより調製すればよい。
もしくは、機能性成分が液状の場合は、上述した造粒後、乾燥して調製しても良い。
【0016】
上記のようにして調製された健康飲料粉末は、お湯などの水性媒体を加えて短時間攪拌するだけで健康飲料とすることができる。なお、水性媒体としては、上水道の水でよく、ミネラルウォーター、溶質が溶解した水溶液、果汁などを用いても良い。この中でも上水道の水が、溶解性の点で適している。また、飲用に際しては、温湯、熱湯で注いで溶解後そのまま飲用してもよく、あるいは一旦冷蔵庫などで冷やした冷たい飲料としても良い。
【実施例】
【0017】
以下、本発明を、実施例に基づき具体的に説明する。
【0018】
<実施例1>
<健康飲料粉末の調製>
表1の組成に基づき各原料の粉末を粉体混合し、調製した。
【0019】
【表1】

【0020】
<健康飲料の調製>
上記の通り調製した粉末12グラムをコップに入れて120ccの熱湯を注ぎ10秒間スプーンで攪拌し、ホット玉子酒を得た。これを専門パネラー5名で評価した結果、酒臭さがなく、お酒の苦手な人でも飲みやすく、また機能性成分の卵の分離もなく、飲みやすい健康飲料であった。また飲んだ後に体がじわじわと温まり、保温効果が持続する飲料であった。
【0021】
<実施例2>
<健康飲料粉末の調製>
表2の組成に基づき各原料の粉末を粉体混合し、調製した。
【0022】
【表2】

【0023】
<健康飲料の調製>
上記の通り調製した粉末12グラムをコップに入れて120ccの熱湯を注ぎ10秒間スプーンで攪拌し、ホットブランデーを得た。これを専門パネラー5名で評価した結果、酒臭さがなく、適度なブランデー風味があり、お酒の苦手な人でも飲みやすい健康飲料であった。また飲んだ後に体がじわじわと温まり、保温効果が持続する飲料であった。
【0024】
<実施例3>
<健康飲料粉末の調製>
表3の組成に基づき各原料の粉末を粉体混合し、調製した。
【0025】
【表3】

【0026】
<健康飲料の調製>
上記の通り調製した粉末12グラムをコップに入れて120ccの熱湯を注ぎ10秒間スプーンで攪拌し、ホット梅酒を得た。これを専門パネラー5名で評価した結果、酒臭さがなく、適度な梅酒風味があり、お酒の苦手な人でも飲みやすい健康飲料であった。また飲んだ後に体がじわじわと温まり、保温効果が持続する飲料であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルコール粉末と機能性成分とを含有してなる健康飲料粉末。
【請求項2】
前記機能性成分が、卵(全卵、卵黄、卵白)、生姜、蜂蜜、かりん、柚子、きんかん、レモン、黒砂糖、抹茶、紅茶、緑茶、ウーロン茶、麦茶、コラーゲン、葛、澱粉、ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、カルシウム、ケール(青汁)、イソフラボン、トウガラシ、コエンザイムQ10のうち少なくとも1つである請求項1記載の健康飲料粉末。

【公開番号】特開2013−48571(P2013−48571A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−187219(P2011−187219)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(393029974)クラシエフーズ株式会社 (64)
【出願人】(306018343)クラシエ製薬株式会社 (32)
【Fターム(参考)】