健診システム
【課題】より信頼性のある症例の候補を表示させることのできる健診システムの提供。
【解決手段】記録媒体に記録された問診プログラムに基づいて問診画面を順次表示させる手段と、
各問診画面に表示される複数の症状程度から少なくとも一つの回答を入力させる手段と、
表示された前記問診画面に対して挙げられる症例に対して前記回答における症状程度に応じた変換値を関連づける手段と、
前記変換値が関連づけられた各症例から候補として挙げられる症例を選択しそれを表示する手段とを備える。
【解決手段】記録媒体に記録された問診プログラムに基づいて問診画面を順次表示させる手段と、
各問診画面に表示される複数の症状程度から少なくとも一つの回答を入力させる手段と、
表示された前記問診画面に対して挙げられる症例に対して前記回答における症状程度に応じた変換値を関連づける手段と、
前記変換値が関連づけられた各症例から候補として挙げられる症例を選択しそれを表示する手段とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は健診システムに関する。
【背景技術】
【0002】
健診システムの態様として、患者自身が感じている身体の症状を聞き出し、医学診断学体系に当て嵌め、その症状から想定される疾患を列挙して示し、また、必要に応じて診療科目を示すようにした問診シミュレーションが実現されたものが知られている。
【0003】
そして、できるだけ多くの症状の組み合わせによって、可能性のある病気を多く列挙させた手法を採用させたものがたとえば下記特許文献1に開示されている。
【0004】
すなわち、問診画面を順次展開し、その画面から該当する問診回答を選択させ、これら各問診回答に対応した症状コードを記憶し、この記憶された症状コードと予め記憶された病名判定データとを比較して、推定される病名の判定が行えるものとなっている。
【0005】
このように構成された問診シュミレーションによれば、患者の病気についておおよその見当をつけることができ、これにより該病気の早期発見、早期治療ができるようになる。
【特許文献1】特開2002−169885号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に示した健診システムは、それにより推定される病名の判定において、その判定の要因(問診内容等)が充分絞り込めていないという指摘がなされるに至っている。
【0007】
たとえば複数の健診者において同様の結果が得られても、それぞれの健診者において要因が異なっていることから、前記結果に基づく診断の的確性において充分な信頼性に乏しいという見解があるからである。
【0008】
本発明の目的は、より信頼性のある症例の候補を表示させることのできる健診システムを提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、検査結果の経年変化および該検査結果に対する予防策を表示させることのできる健診システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0011】
(1)本発明による健診システムは、たとえば、記録媒体に記録された問診プログラムに基づいて問診画面を順次表示させる手段と、
各問診画面に表示される複数の症状程度から少なくとも一つの回答を入力させる手段と、
表示された前記問診画面に対して挙げられる症例に対して前記回答における症状程度に応じた変換値を関連づける手段と、
前記変換値が関連づけられた各症例から候補として挙げられる症例を選択しそれを表示する手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
(2)本発明による健診システムは、たとえば、(1)の構成を前提とし、候補として挙げられる前記症例は、その変換値が大きい順にランクづけされて表示されることを特徴とする。
【0013】
(3)本発明による健診システムは、たとえば、(1)の構成を前提とし、候補として挙げられた前記症例と類似する症例をもつ他の受診者の症例、それらの症例の経年変化を少なくとも表示する手段を備えたことを特徴とする。
【0014】
なお、本発明は以上の構成に限定されず、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【発明の効果】
【0015】
上述した健診システムによれば、より信頼性のある症例の候補を表示させることができるようになる。また、検査結果の経年変化および該検査結果に対する予防策を表示させることができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明による健診システムの実施例を図面を用いて説明をする。
【0017】
図1は、本発明による健診システムの一実施例を示す概略構成図である。
【0018】
図1において、該健診システムは、健診システムサーバ1、健診クライアント2、プリンタ3、カードリーダ4、OCR5、モダリティ6、臨床検査システム7、生理検査システム8、検体検査システム9、医用画像管理システム10、および放射線情報管理システム11等が、それぞれネットワーク12に接続され、このネットワーク12を介して、互いに健診情報等を送受信できるように構成されている。
【0019】
ここで、たとえば、健診システムサーバ1は、健診データを保管し健診クライアント2等を制御するようになっている。健診クライアント2は、健診結果の参照あるいは登録業務等を行うようになっている。モダリティ6は、たとえば、X線診断装置、X線CT装置、磁気共鳴イメージング装置、核医学装置、あるいは超音波装置等からなっている。医用画像管理システム10は、前記モダリティ6等によって取得された医用画像を取り込み保管するようになっている。プリンタ3は、作成されたカルテ、問診で選択された症状の項目、病気の解説文、外部から取り込んだ医療機関情報等を印刷するようになっている。
【0020】
図2は、前記健診システムを用いて健診をする手順の一実施例を示したフロー図である。
【0021】
図2において、基本的な流れは、まず、ステップS1にて問診票記入を行う。この問診票記入は、たとえば、前記健診クライアント2の記録媒体に記録された問診プログラムに基づいて表示装置に問診画面が順次表示され、各問診画面に表示される複数の症状程度から少なくとも一つの回答を入力するようになっている。次に、該問診票記入の内容に基づいて、ステップS2にて健診が開始され、ステップS3にて終了するようになっている。そして、前記健診の内容に基づいて、ステップS4にて検査結果が表示装置に表示されるようになっている。さらに、医師は該表示装置に表示された検査結果に基づいて、ステップS5にて受診者と面接を行いアドバイスを伝えるようになっている。
【0022】
そして、このような基本的な流れにおいて、まず、ステップS1における問診票記入にあって、ステップS2−1にて問診データの変換がなされるようになっており、このように変換された問診データはステップS2の健診において反映されるようになっている。なお、前記ステップS2−1における問診データ変換の態様については後述する。また、この場合、ステップS2−1における問診データ変換にあって操作者は変換値の設定ができるようになっている。
【0023】
また、ステップS2における診断開始にあって、ステップS3−1にて検査データの変換がなされるようになっており、このように変換された検査データはステップS4の検査結果表示において反映されるようになっている。なお、前記ステップS3−1における検査データ変換の態様については後述する。また、この場合、ステップS3−1における検査データ変換にあって操作者は変換値の設定ができるようになっている。
【0024】
さらに、ステップS3−1によって検査データ変換がなされることにより、それによって適切な症例集表示がステップS4−1によってなされ、また、類似受診者照会がステップS4−2によってなされるようになっている。これら症例集表示および類似受診者照会はステップ5における面接において反映されるようになっている。この場合、ステップS4−1における症例集表示およびステップS4−2における類似受診者照会にあって操作者はそれらのデータの表示の設定ができるようになっている。
【0025】
図3は、前記ステップS2−1において問診データ変換がなされる一態様を示した図である。図3(a)において、問診例1が示され、たとえばたばこを吸うことがあるという問診に対し、「全くない」、「あまりない」、「わからない」、「ややある」、「かなりある」の各選択枝が与えられ、それぞれ順に、たとえば0、0.20、0.50、0.80、1.00の変換値が割り振られるようになっている。この図3(a)の場合はたとえば「ややある」が選択されていることからその変換値は0.80に相当することになる。図3(b)は、前記問診例1に関連する症例(症例1、症例A、……、症例X)が予め与えられており、これらの症例において変換値0.80が割り振られることを示し、これにより、問診データの変換がなされるようになっている。
【0026】
図4は、前記ステップS2−1において問診データ変換がなされる他の態様を示した図である。図4(a)において問診例2が示され、その問診に対し、「全くない」、「あまりない」、「わからない」、「ややある」、「かなりある」の各選択枝が与えられている。この図4(a)の場合はたとえば「あまりない」が選択されていることからその変換値は0.20に相当することになる。図4(b)は、前記問診例2に関連する症例(症例1、症例B、……、症例Y)が予め与えられており、これらの症例において変換値0.20が割り振られることを示し、これにより、問診データの変換がなされるようになっている。
【0027】
そして、この場合、問診例1および問診例2においていずれも症例1が関連していることから、問診例1における症例1の変換値0.80に対し、問診例2における症例1の変換値0.20が加算され、結果として症例1の変換値は1.00となる。
【0028】
図5は、前記ステップS2−1において問診データ変換がなされる他の態様を示した図である。図5(a)において問診例3が示され、その問診に対し、「いいえ」、「はい」の各選択枝が与えられ、それぞれ順に、0、1.00の変換値が割り振られるようになっている。この図5(a)の場合は「はい」が選択されていることからその変換値は1.00に相当することになる。図5(b)は、前記問診例3に関連する症例(症例F、症例G、……、症例Z)が予め与えられており、これらの症例において変換値1.00が割り振られることを示し、これにより、問診データの変換がなされるようになっている。
【0029】
図6は、前記ステップS2−1において問診データ変換がなされる他の態様を示した図である。図6(a)において問診例4が示されている。この場合、上述した問診例と異なり、「該当するものを選んでください」という問診に対して該当する項目をチェックするという方法が採用されている。該項目として、たとえば、「夜眠れない」、「肩がこりやすい」、「目が疲れやすい」、……、等が挙げられ、これらは順次問診例4−1、4−2、4−3、……として対応づけられている。図6(a)の場合、問診例4−1として「夜眠れない」がチェックされ、図6(b)において、前記問診例4−1に関連する症例(症例L、症例M、……、症例N)が予め与えられ、これらの症例においてたとえば変換値0.50が割り振られていることを示し、これにより、問診データの変換がなされるようになっている。また、問診例4−2として「肩がこりやすい」がチェックされておらず、図6(b)において、前記問診例4−2に関連する症例(症例L、症例T)が予め与えられ、これらの症状においてたとえば変換値0.00が割り振られていることを示し、これにより、問診データの変換がなされるようになっている。
【0030】
図7は、前記ステップS2−1において問診データ変換がなされる他の態様を示した図である。図7(a)において、問診例5が示され、たとえば「お酒はどのくらい飲みますか」という問診に対して「飲まない」、「飲む」の回答を行うようになっているが、飲む場合には、その本数に至るまでの問診がなされるようになっている。そして、0本、1〜3本、4〜7本、7本以上の場合において、それぞれ、順次、たとえば、0.00、0.25、0.50、0.75、1.00が割り振られるようになっている。図7(b)において、前記問診例5に関連する症例(症例H、症例I、……、症例R)が予め与えられ、これらの症状においてたとえば変換値0.75、1.0、……、0.25が割り振られるようになっている。
【0031】
図8(a)は、図2に示すステップS3−1において検査データ変換がなされる一態様を示した図である。図8(a)は、たとえば胸部X線の検査における検査結果のデータを示すもので、その胸部X線の検査にともないう関連する症例(症例1、症例A、……、症例n)が挙げられ、また、それら各症例に対する基準値上限および基準値下限の値が示されている。各症例において検査結果の値が該症例の基準値上限および基準値下限の各値の間にあれば正常とされるが、たとえば図8(a)で示す実施例では前記基準値上限の値を上回った値140となっている。この場合、たとえば基準値の範囲からオーバした割合(20/120)、すなわち0.167を変換値として割り振るようになっている。そして、この場合、前記症例(症例1、症例A、……、症例n)に関しては、既に上述した問診(図3に示した問診)において変換値が付されており、それら各症例の変換値(図3(b)に示した変換値データを図8(b)に改めて示している)の0.80に、図8(b)で割り振られた前記変換値0.167が加算されるようになっており、結果としてたとえば症例1の変換値は0.967となるようになっている。
【0032】
なお、上述した実施例では、検査結果が基準値の上限を上回っていることから変換値は正(0.167)としたものである。しかし、検査結果が基準値の下限をしたまわっている場合には変換値は負とするようになっている。
【0033】
図9は、前記健診システムにおいて、候補として挙げられる各症例からさらに症例を絞り込み、それによって選択された症例に関する説明、原因、および対策等を表示装置に表示させる場合を示した説明図である。
【0034】
図9(a)は、各症例とそれら症例の変換値が対応づけられていることを示した図で、図9(b)は、前記各症例をその変換値が大きい方から順次並び替えた図を示している。すなわち、変換値が大きい症例にあって受診者にとって可能性の高い(疑いの濃い)症例を意味することになる。図9(c)は、図9(b)において上方にランキングされたいくつかの症例を選択し、それらを表示装置に表示するとともに、それらの症例のたとえば詳しい説明、該症例に至る一般的な原因、該症例に対する対策(予防対策を含む)等を表示していることを示している。この動作は前述した図2におけるステップS4−1におけるものである。この場合、図9(c)において選択される各症例は、図9(b)に示すように、たとえば操作者が閾値Xの値を操作卓を介して入力できるようにしておき、この閾値Xより大きな値の変換値を有する症例とするようにしてもよい。
【0035】
これによって可能性のある症例が絞り込まれ、たとえば医師は適切な症例を選択することができ、受診者に対し的確なアドバイスを伝えることができるようになる。
【0036】
図10は、前記健診システムにおいて、候補としてあげられた前記症例と類似する症例をもつ他の受診者の症例、それらの症例の経年変化を表示させる場合を示した説明図である。
【0037】
図10(a)は、例えば現時点で受診を行った者の各症例がその変換値が高い順にランキングされた表が表示され、さらに、これら各症例のうちたとえば上位から3つの症例(症例21、症例15、症例77)を候補として選択していることを示している。この場合、各症例の選択は、上記の数に限定されることはなく、1つであってもよく、また、全ての症例を選択するようにしてもよい。なお、図10(b)に示す表はたとえば前述の図9(b)に示すものと同じになっている。
【0038】
図10(b)は、上述のように、上位から症例21、症例15、症例77の順位でランキングされた各症例を選択した場合に、やはり上位から症例21、症例15、症例77の順位でランキングされた各症例をもつ他の受診者(受診者A、受診者B、受診者C)のデータ20A、20B、20Cがたとえば切換表示されるようになっていることを示している。
【0039】
該受診者A、受診者B、受診者Cのそれぞれのデータ20A、20B、20Cはいずれも、その受診者における各症例(症例21、症例15、症例77)のそれぞれの症状の経年変化がたとえばグラフによって表されたものとなっている。この動作は前述した図2におけるステップS4−2におけるものである。
【0040】
そして、図10(c)は、受診者Aのたとえば前記データ20Aとともに該受診者Aの前記各症例(症例21、症例15、症例77)のそれぞれの変換値を示す表21A、受診者Bのたとえば前記データ20Bとともに該受診者Bの前記各症例(症例21、症例15、症例77)のそれぞれの変換値を示す表21B、受診者Cのたとえば前記データ20Cとともに該受診者Cの前記各症例(症例21、症例15、症例77)のそれぞれの変換値を示す表21Cが表示されることを示している。
【0041】
この場合にあって、各受信者における各症例の変換値はそれぞれ異なっていることはいうまでもないが、現時点で受診を行った者の各症例との比較が容易にでき、現時点で受診を行った者の診断を的確に行うことができる。
【0042】
なお、図10では、図示していないが、前記受診者A、受診者B、受診者Cにおけるそれぞれの予防対策の内容を併せて表示するようにしてもよい。上位にランキングされた各症例が順位とともに同じことからそれらの予防対策は充分に参考とすることができるからである。
【0043】
図11は、前記健診システムを用いて健診をする手順の他の実施例を示したフロー図である。図11において、ステップSS1からSS6は前記健診クライアント2の動作の手順が示され、ステップSC1からSC4は健診者の動作の手順が示されている。
【0044】
まず、ステップSC1にて健診者は問診データを入力するようになっている。このデータの入力はマークシートによる問診、あるいはOCR等によって取り込まれるようになっている。健診クライアント2は、ステップSS1にて、問診データ変換がなされるようになっている。この問診データ変換は図2に示した問診データ変換の場合と同様な動作がなされるようになっている。
【0045】
ステップSC2にて検査データを入力するようになっている。このデータの入力は検査機器からの入力、記憶媒体からの入力、あるいは健診者自身の手入力であってもよい。健診クライアント2は、ステップSS2にて、検査データ変換がなされるようになっている。この検査データ変換は図2に示した検査データ変換の場合と同様な動作がなされるようになっている。
【0046】
そして、健診クライアント2は、ステップSS3にて、同じ症例に対して前記問診データ変換によって得られた変換値と前記検査データ変換によって得られた変換値との加算(合計)を行う。次に、健診クライアント2は、ステップSS4にて、健診者の各症例を抽出し、その変換値の大きい順に整列させるとともに、その整列順がほぼ等しい他の健診者(類似受診者)を検索する。そして、健診クライアント2は、ステップSS5にて、検索された各症例をランキング形式で表示する。この場合、参照データ表示設定によって、ステップSC3にて症例集表示がなされ類似受診者照会がなされるようになっている。健診者は、ステップSC4にて、これらの表示を参考にして医師との面接に付されることになる。
【0047】
なお、前記ステップSS5における症例の検索結果の表示は、ステップSS6にて変換補正値学習がなされ、問診データ変換設定および検査データ変換設定をそれぞれ介して、問診データ変換(ステップSS1)で算出された変換値および検査データ変換(ステップSS2)で算出された返還値が補正されるようになっている。
【0048】
図12は、図11のステップSS5、SC3において、表示装置における表示の一態様を示した説明図である。
【0049】
図12において、該表示装置の画面には、その表示領域21において、すでに行われたいくつかの検査(検査A、検査B、検査C、……)のそれぞれの結果(結果A、結果B、結果C、……)が表示されている。また、表示領域22において、検索された数名の類似受診者のそれぞれの経年変化におけるデータがたとえば折れ線グラフによって表示されている。これら類似受診者は、対象としている健診者に該当する各症例とほぼ同じ症例をもつ者として検索されたもので、それら類似受診者の情報等は表示領域23にて表示されるようになっている。表示領域24には、健診者のたとえばX線撮影像が表示されている。検査結果の資料ともなったX線撮影像は目視することによってその状況を把握し易く診断において充分な参考となるからである。なお、X線撮影像に限らず超音波断層像等であってもよい。表示領域25には、健診者における各症例が羅列して表示されるとともに、それら症例の説明、原因、対策等が表示されるようになっている。
【0050】
図13は、表示装置における表示の他の態様を示した説明図である。図13は、健診者の症例を表示する場合において、いくつかの疑いがある症例のうちから一の症例を表示するとともに、その説明、原因、対策を表示領域26に表示するようにしている。このようにした場合、該症例の説明、原因、対策を表示する領域を大きく確保でき、多くの情報を表示することができるようになる。また、表示領域27には当該健診者にとって疑いのあるいくつかの症例(症例21、症例15、……)がランクづけされて表示され、前記表示領域26に表示される症例はこの表示領域27に表示される複数の症例から選択されたものとなっている。さらに、表示領域28には、症例を文字選択によって特定することができ、これにより、特定された症例のより詳細な説明がたとえば前記表示領域26にて切り替わって表示されるようになっている。
【0051】
上述した各実施例はそれぞれ単独に、あるいは組み合わせて用いても良い。それぞれの実施例での効果を単独であるいは相乗して奏することができるからである。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明による健診システムの一実施例を示す概略構成図である。
【図2】本発明による健診システムを用いて健診をする手順の手順の一実施例を示すフロー図である。
【図3】本発明による健診システムにおいて問診データ変換がなされる一態様を示す図である。
【図4】本発明による健診システムにおいて問診データ変換がなされる他の態様を示す図である。
【図5】本発明による健診システムにおいて問診データ変換がなされる他の態様を示す図である。
【図6】本発明による健診システムにおいて問診データ変換がなされる他の態様を示す図である。
【図7】本発明による健診システムにおいて問診データ変換がなされる他の態様を示す図である。
【図8】本発明による健診システムにおいて検査データ変換がなされる一態様を示す図である。
【図9】本発明による健診システムにおいて表示される候補症例に関する説明、原因、および対策を示す図である。
【図10】本発明による健診システムにおいて表示される同じ症例をもつ他の受診者のデータを示す図である。
【図11】本発明による健診システムを用いて健診をする手順の手順の他の実施例を示すフロー図である。
【図12】本発明による健診システムの表示装置における表示の一態様を示した図である。
【図13】本発明による健診システムの表示装置における表示の他の態様を示した図である。
【符号の説明】
【0053】
1……健診システムサーバ、2……健診クライアント、3……プリンタ、4……カードリーダ、5……OCR、6……モダリティ、7……臨床検査システム、8……生理検査システム、9……検体検査システム、10……医用画像管理システム、11……放射線情報管理システム。
【技術分野】
【0001】
本発明は健診システムに関する。
【背景技術】
【0002】
健診システムの態様として、患者自身が感じている身体の症状を聞き出し、医学診断学体系に当て嵌め、その症状から想定される疾患を列挙して示し、また、必要に応じて診療科目を示すようにした問診シミュレーションが実現されたものが知られている。
【0003】
そして、できるだけ多くの症状の組み合わせによって、可能性のある病気を多く列挙させた手法を採用させたものがたとえば下記特許文献1に開示されている。
【0004】
すなわち、問診画面を順次展開し、その画面から該当する問診回答を選択させ、これら各問診回答に対応した症状コードを記憶し、この記憶された症状コードと予め記憶された病名判定データとを比較して、推定される病名の判定が行えるものとなっている。
【0005】
このように構成された問診シュミレーションによれば、患者の病気についておおよその見当をつけることができ、これにより該病気の早期発見、早期治療ができるようになる。
【特許文献1】特開2002−169885号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に示した健診システムは、それにより推定される病名の判定において、その判定の要因(問診内容等)が充分絞り込めていないという指摘がなされるに至っている。
【0007】
たとえば複数の健診者において同様の結果が得られても、それぞれの健診者において要因が異なっていることから、前記結果に基づく診断の的確性において充分な信頼性に乏しいという見解があるからである。
【0008】
本発明の目的は、より信頼性のある症例の候補を表示させることのできる健診システムを提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、検査結果の経年変化および該検査結果に対する予防策を表示させることのできる健診システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0011】
(1)本発明による健診システムは、たとえば、記録媒体に記録された問診プログラムに基づいて問診画面を順次表示させる手段と、
各問診画面に表示される複数の症状程度から少なくとも一つの回答を入力させる手段と、
表示された前記問診画面に対して挙げられる症例に対して前記回答における症状程度に応じた変換値を関連づける手段と、
前記変換値が関連づけられた各症例から候補として挙げられる症例を選択しそれを表示する手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
(2)本発明による健診システムは、たとえば、(1)の構成を前提とし、候補として挙げられる前記症例は、その変換値が大きい順にランクづけされて表示されることを特徴とする。
【0013】
(3)本発明による健診システムは、たとえば、(1)の構成を前提とし、候補として挙げられた前記症例と類似する症例をもつ他の受診者の症例、それらの症例の経年変化を少なくとも表示する手段を備えたことを特徴とする。
【0014】
なお、本発明は以上の構成に限定されず、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【発明の効果】
【0015】
上述した健診システムによれば、より信頼性のある症例の候補を表示させることができるようになる。また、検査結果の経年変化および該検査結果に対する予防策を表示させることができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明による健診システムの実施例を図面を用いて説明をする。
【0017】
図1は、本発明による健診システムの一実施例を示す概略構成図である。
【0018】
図1において、該健診システムは、健診システムサーバ1、健診クライアント2、プリンタ3、カードリーダ4、OCR5、モダリティ6、臨床検査システム7、生理検査システム8、検体検査システム9、医用画像管理システム10、および放射線情報管理システム11等が、それぞれネットワーク12に接続され、このネットワーク12を介して、互いに健診情報等を送受信できるように構成されている。
【0019】
ここで、たとえば、健診システムサーバ1は、健診データを保管し健診クライアント2等を制御するようになっている。健診クライアント2は、健診結果の参照あるいは登録業務等を行うようになっている。モダリティ6は、たとえば、X線診断装置、X線CT装置、磁気共鳴イメージング装置、核医学装置、あるいは超音波装置等からなっている。医用画像管理システム10は、前記モダリティ6等によって取得された医用画像を取り込み保管するようになっている。プリンタ3は、作成されたカルテ、問診で選択された症状の項目、病気の解説文、外部から取り込んだ医療機関情報等を印刷するようになっている。
【0020】
図2は、前記健診システムを用いて健診をする手順の一実施例を示したフロー図である。
【0021】
図2において、基本的な流れは、まず、ステップS1にて問診票記入を行う。この問診票記入は、たとえば、前記健診クライアント2の記録媒体に記録された問診プログラムに基づいて表示装置に問診画面が順次表示され、各問診画面に表示される複数の症状程度から少なくとも一つの回答を入力するようになっている。次に、該問診票記入の内容に基づいて、ステップS2にて健診が開始され、ステップS3にて終了するようになっている。そして、前記健診の内容に基づいて、ステップS4にて検査結果が表示装置に表示されるようになっている。さらに、医師は該表示装置に表示された検査結果に基づいて、ステップS5にて受診者と面接を行いアドバイスを伝えるようになっている。
【0022】
そして、このような基本的な流れにおいて、まず、ステップS1における問診票記入にあって、ステップS2−1にて問診データの変換がなされるようになっており、このように変換された問診データはステップS2の健診において反映されるようになっている。なお、前記ステップS2−1における問診データ変換の態様については後述する。また、この場合、ステップS2−1における問診データ変換にあって操作者は変換値の設定ができるようになっている。
【0023】
また、ステップS2における診断開始にあって、ステップS3−1にて検査データの変換がなされるようになっており、このように変換された検査データはステップS4の検査結果表示において反映されるようになっている。なお、前記ステップS3−1における検査データ変換の態様については後述する。また、この場合、ステップS3−1における検査データ変換にあって操作者は変換値の設定ができるようになっている。
【0024】
さらに、ステップS3−1によって検査データ変換がなされることにより、それによって適切な症例集表示がステップS4−1によってなされ、また、類似受診者照会がステップS4−2によってなされるようになっている。これら症例集表示および類似受診者照会はステップ5における面接において反映されるようになっている。この場合、ステップS4−1における症例集表示およびステップS4−2における類似受診者照会にあって操作者はそれらのデータの表示の設定ができるようになっている。
【0025】
図3は、前記ステップS2−1において問診データ変換がなされる一態様を示した図である。図3(a)において、問診例1が示され、たとえばたばこを吸うことがあるという問診に対し、「全くない」、「あまりない」、「わからない」、「ややある」、「かなりある」の各選択枝が与えられ、それぞれ順に、たとえば0、0.20、0.50、0.80、1.00の変換値が割り振られるようになっている。この図3(a)の場合はたとえば「ややある」が選択されていることからその変換値は0.80に相当することになる。図3(b)は、前記問診例1に関連する症例(症例1、症例A、……、症例X)が予め与えられており、これらの症例において変換値0.80が割り振られることを示し、これにより、問診データの変換がなされるようになっている。
【0026】
図4は、前記ステップS2−1において問診データ変換がなされる他の態様を示した図である。図4(a)において問診例2が示され、その問診に対し、「全くない」、「あまりない」、「わからない」、「ややある」、「かなりある」の各選択枝が与えられている。この図4(a)の場合はたとえば「あまりない」が選択されていることからその変換値は0.20に相当することになる。図4(b)は、前記問診例2に関連する症例(症例1、症例B、……、症例Y)が予め与えられており、これらの症例において変換値0.20が割り振られることを示し、これにより、問診データの変換がなされるようになっている。
【0027】
そして、この場合、問診例1および問診例2においていずれも症例1が関連していることから、問診例1における症例1の変換値0.80に対し、問診例2における症例1の変換値0.20が加算され、結果として症例1の変換値は1.00となる。
【0028】
図5は、前記ステップS2−1において問診データ変換がなされる他の態様を示した図である。図5(a)において問診例3が示され、その問診に対し、「いいえ」、「はい」の各選択枝が与えられ、それぞれ順に、0、1.00の変換値が割り振られるようになっている。この図5(a)の場合は「はい」が選択されていることからその変換値は1.00に相当することになる。図5(b)は、前記問診例3に関連する症例(症例F、症例G、……、症例Z)が予め与えられており、これらの症例において変換値1.00が割り振られることを示し、これにより、問診データの変換がなされるようになっている。
【0029】
図6は、前記ステップS2−1において問診データ変換がなされる他の態様を示した図である。図6(a)において問診例4が示されている。この場合、上述した問診例と異なり、「該当するものを選んでください」という問診に対して該当する項目をチェックするという方法が採用されている。該項目として、たとえば、「夜眠れない」、「肩がこりやすい」、「目が疲れやすい」、……、等が挙げられ、これらは順次問診例4−1、4−2、4−3、……として対応づけられている。図6(a)の場合、問診例4−1として「夜眠れない」がチェックされ、図6(b)において、前記問診例4−1に関連する症例(症例L、症例M、……、症例N)が予め与えられ、これらの症例においてたとえば変換値0.50が割り振られていることを示し、これにより、問診データの変換がなされるようになっている。また、問診例4−2として「肩がこりやすい」がチェックされておらず、図6(b)において、前記問診例4−2に関連する症例(症例L、症例T)が予め与えられ、これらの症状においてたとえば変換値0.00が割り振られていることを示し、これにより、問診データの変換がなされるようになっている。
【0030】
図7は、前記ステップS2−1において問診データ変換がなされる他の態様を示した図である。図7(a)において、問診例5が示され、たとえば「お酒はどのくらい飲みますか」という問診に対して「飲まない」、「飲む」の回答を行うようになっているが、飲む場合には、その本数に至るまでの問診がなされるようになっている。そして、0本、1〜3本、4〜7本、7本以上の場合において、それぞれ、順次、たとえば、0.00、0.25、0.50、0.75、1.00が割り振られるようになっている。図7(b)において、前記問診例5に関連する症例(症例H、症例I、……、症例R)が予め与えられ、これらの症状においてたとえば変換値0.75、1.0、……、0.25が割り振られるようになっている。
【0031】
図8(a)は、図2に示すステップS3−1において検査データ変換がなされる一態様を示した図である。図8(a)は、たとえば胸部X線の検査における検査結果のデータを示すもので、その胸部X線の検査にともないう関連する症例(症例1、症例A、……、症例n)が挙げられ、また、それら各症例に対する基準値上限および基準値下限の値が示されている。各症例において検査結果の値が該症例の基準値上限および基準値下限の各値の間にあれば正常とされるが、たとえば図8(a)で示す実施例では前記基準値上限の値を上回った値140となっている。この場合、たとえば基準値の範囲からオーバした割合(20/120)、すなわち0.167を変換値として割り振るようになっている。そして、この場合、前記症例(症例1、症例A、……、症例n)に関しては、既に上述した問診(図3に示した問診)において変換値が付されており、それら各症例の変換値(図3(b)に示した変換値データを図8(b)に改めて示している)の0.80に、図8(b)で割り振られた前記変換値0.167が加算されるようになっており、結果としてたとえば症例1の変換値は0.967となるようになっている。
【0032】
なお、上述した実施例では、検査結果が基準値の上限を上回っていることから変換値は正(0.167)としたものである。しかし、検査結果が基準値の下限をしたまわっている場合には変換値は負とするようになっている。
【0033】
図9は、前記健診システムにおいて、候補として挙げられる各症例からさらに症例を絞り込み、それによって選択された症例に関する説明、原因、および対策等を表示装置に表示させる場合を示した説明図である。
【0034】
図9(a)は、各症例とそれら症例の変換値が対応づけられていることを示した図で、図9(b)は、前記各症例をその変換値が大きい方から順次並び替えた図を示している。すなわち、変換値が大きい症例にあって受診者にとって可能性の高い(疑いの濃い)症例を意味することになる。図9(c)は、図9(b)において上方にランキングされたいくつかの症例を選択し、それらを表示装置に表示するとともに、それらの症例のたとえば詳しい説明、該症例に至る一般的な原因、該症例に対する対策(予防対策を含む)等を表示していることを示している。この動作は前述した図2におけるステップS4−1におけるものである。この場合、図9(c)において選択される各症例は、図9(b)に示すように、たとえば操作者が閾値Xの値を操作卓を介して入力できるようにしておき、この閾値Xより大きな値の変換値を有する症例とするようにしてもよい。
【0035】
これによって可能性のある症例が絞り込まれ、たとえば医師は適切な症例を選択することができ、受診者に対し的確なアドバイスを伝えることができるようになる。
【0036】
図10は、前記健診システムにおいて、候補としてあげられた前記症例と類似する症例をもつ他の受診者の症例、それらの症例の経年変化を表示させる場合を示した説明図である。
【0037】
図10(a)は、例えば現時点で受診を行った者の各症例がその変換値が高い順にランキングされた表が表示され、さらに、これら各症例のうちたとえば上位から3つの症例(症例21、症例15、症例77)を候補として選択していることを示している。この場合、各症例の選択は、上記の数に限定されることはなく、1つであってもよく、また、全ての症例を選択するようにしてもよい。なお、図10(b)に示す表はたとえば前述の図9(b)に示すものと同じになっている。
【0038】
図10(b)は、上述のように、上位から症例21、症例15、症例77の順位でランキングされた各症例を選択した場合に、やはり上位から症例21、症例15、症例77の順位でランキングされた各症例をもつ他の受診者(受診者A、受診者B、受診者C)のデータ20A、20B、20Cがたとえば切換表示されるようになっていることを示している。
【0039】
該受診者A、受診者B、受診者Cのそれぞれのデータ20A、20B、20Cはいずれも、その受診者における各症例(症例21、症例15、症例77)のそれぞれの症状の経年変化がたとえばグラフによって表されたものとなっている。この動作は前述した図2におけるステップS4−2におけるものである。
【0040】
そして、図10(c)は、受診者Aのたとえば前記データ20Aとともに該受診者Aの前記各症例(症例21、症例15、症例77)のそれぞれの変換値を示す表21A、受診者Bのたとえば前記データ20Bとともに該受診者Bの前記各症例(症例21、症例15、症例77)のそれぞれの変換値を示す表21B、受診者Cのたとえば前記データ20Cとともに該受診者Cの前記各症例(症例21、症例15、症例77)のそれぞれの変換値を示す表21Cが表示されることを示している。
【0041】
この場合にあって、各受信者における各症例の変換値はそれぞれ異なっていることはいうまでもないが、現時点で受診を行った者の各症例との比較が容易にでき、現時点で受診を行った者の診断を的確に行うことができる。
【0042】
なお、図10では、図示していないが、前記受診者A、受診者B、受診者Cにおけるそれぞれの予防対策の内容を併せて表示するようにしてもよい。上位にランキングされた各症例が順位とともに同じことからそれらの予防対策は充分に参考とすることができるからである。
【0043】
図11は、前記健診システムを用いて健診をする手順の他の実施例を示したフロー図である。図11において、ステップSS1からSS6は前記健診クライアント2の動作の手順が示され、ステップSC1からSC4は健診者の動作の手順が示されている。
【0044】
まず、ステップSC1にて健診者は問診データを入力するようになっている。このデータの入力はマークシートによる問診、あるいはOCR等によって取り込まれるようになっている。健診クライアント2は、ステップSS1にて、問診データ変換がなされるようになっている。この問診データ変換は図2に示した問診データ変換の場合と同様な動作がなされるようになっている。
【0045】
ステップSC2にて検査データを入力するようになっている。このデータの入力は検査機器からの入力、記憶媒体からの入力、あるいは健診者自身の手入力であってもよい。健診クライアント2は、ステップSS2にて、検査データ変換がなされるようになっている。この検査データ変換は図2に示した検査データ変換の場合と同様な動作がなされるようになっている。
【0046】
そして、健診クライアント2は、ステップSS3にて、同じ症例に対して前記問診データ変換によって得られた変換値と前記検査データ変換によって得られた変換値との加算(合計)を行う。次に、健診クライアント2は、ステップSS4にて、健診者の各症例を抽出し、その変換値の大きい順に整列させるとともに、その整列順がほぼ等しい他の健診者(類似受診者)を検索する。そして、健診クライアント2は、ステップSS5にて、検索された各症例をランキング形式で表示する。この場合、参照データ表示設定によって、ステップSC3にて症例集表示がなされ類似受診者照会がなされるようになっている。健診者は、ステップSC4にて、これらの表示を参考にして医師との面接に付されることになる。
【0047】
なお、前記ステップSS5における症例の検索結果の表示は、ステップSS6にて変換補正値学習がなされ、問診データ変換設定および検査データ変換設定をそれぞれ介して、問診データ変換(ステップSS1)で算出された変換値および検査データ変換(ステップSS2)で算出された返還値が補正されるようになっている。
【0048】
図12は、図11のステップSS5、SC3において、表示装置における表示の一態様を示した説明図である。
【0049】
図12において、該表示装置の画面には、その表示領域21において、すでに行われたいくつかの検査(検査A、検査B、検査C、……)のそれぞれの結果(結果A、結果B、結果C、……)が表示されている。また、表示領域22において、検索された数名の類似受診者のそれぞれの経年変化におけるデータがたとえば折れ線グラフによって表示されている。これら類似受診者は、対象としている健診者に該当する各症例とほぼ同じ症例をもつ者として検索されたもので、それら類似受診者の情報等は表示領域23にて表示されるようになっている。表示領域24には、健診者のたとえばX線撮影像が表示されている。検査結果の資料ともなったX線撮影像は目視することによってその状況を把握し易く診断において充分な参考となるからである。なお、X線撮影像に限らず超音波断層像等であってもよい。表示領域25には、健診者における各症例が羅列して表示されるとともに、それら症例の説明、原因、対策等が表示されるようになっている。
【0050】
図13は、表示装置における表示の他の態様を示した説明図である。図13は、健診者の症例を表示する場合において、いくつかの疑いがある症例のうちから一の症例を表示するとともに、その説明、原因、対策を表示領域26に表示するようにしている。このようにした場合、該症例の説明、原因、対策を表示する領域を大きく確保でき、多くの情報を表示することができるようになる。また、表示領域27には当該健診者にとって疑いのあるいくつかの症例(症例21、症例15、……)がランクづけされて表示され、前記表示領域26に表示される症例はこの表示領域27に表示される複数の症例から選択されたものとなっている。さらに、表示領域28には、症例を文字選択によって特定することができ、これにより、特定された症例のより詳細な説明がたとえば前記表示領域26にて切り替わって表示されるようになっている。
【0051】
上述した各実施例はそれぞれ単独に、あるいは組み合わせて用いても良い。それぞれの実施例での効果を単独であるいは相乗して奏することができるからである。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明による健診システムの一実施例を示す概略構成図である。
【図2】本発明による健診システムを用いて健診をする手順の手順の一実施例を示すフロー図である。
【図3】本発明による健診システムにおいて問診データ変換がなされる一態様を示す図である。
【図4】本発明による健診システムにおいて問診データ変換がなされる他の態様を示す図である。
【図5】本発明による健診システムにおいて問診データ変換がなされる他の態様を示す図である。
【図6】本発明による健診システムにおいて問診データ変換がなされる他の態様を示す図である。
【図7】本発明による健診システムにおいて問診データ変換がなされる他の態様を示す図である。
【図8】本発明による健診システムにおいて検査データ変換がなされる一態様を示す図である。
【図9】本発明による健診システムにおいて表示される候補症例に関する説明、原因、および対策を示す図である。
【図10】本発明による健診システムにおいて表示される同じ症例をもつ他の受診者のデータを示す図である。
【図11】本発明による健診システムを用いて健診をする手順の手順の他の実施例を示すフロー図である。
【図12】本発明による健診システムの表示装置における表示の一態様を示した図である。
【図13】本発明による健診システムの表示装置における表示の他の態様を示した図である。
【符号の説明】
【0053】
1……健診システムサーバ、2……健診クライアント、3……プリンタ、4……カードリーダ、5……OCR、6……モダリティ、7……臨床検査システム、8……生理検査システム、9……検体検査システム、10……医用画像管理システム、11……放射線情報管理システム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に記録された問診プログラムに基づいて問診画面を順次表示させる手段と、
各問診画面に表示される複数の症状程度から少なくとも一つの回答を入力させる手段と、
表示された前記問診画面に対して挙げられる症例に対して前記回答における症状程度に応じた変換値を関連づける手段と、
前記変換値が関連づけられた各症例から候補として挙げられる症例を選択しそれを表示する手段とを備えることを特徴とする健診システム。
【請求項2】
候補として挙げられる前記症例は、その変換値が大きい順にランクづけされて表示されることを特徴とする請求項1に記載の健診システム。
【請求項3】
候補として挙げられた前記症例と類似する症例をもつ他の受診者の症例、それらの症例の経年変化を少なくとも表示する手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の健診システム。
【請求項1】
記録媒体に記録された問診プログラムに基づいて問診画面を順次表示させる手段と、
各問診画面に表示される複数の症状程度から少なくとも一つの回答を入力させる手段と、
表示された前記問診画面に対して挙げられる症例に対して前記回答における症状程度に応じた変換値を関連づける手段と、
前記変換値が関連づけられた各症例から候補として挙げられる症例を選択しそれを表示する手段とを備えることを特徴とする健診システム。
【請求項2】
候補として挙げられる前記症例は、その変換値が大きい順にランクづけされて表示されることを特徴とする請求項1に記載の健診システム。
【請求項3】
候補として挙げられた前記症例と類似する症例をもつ他の受診者の症例、それらの症例の経年変化を少なくとも表示する手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の健診システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−315(P2008−315A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−172326(P2006−172326)
【出願日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【出願人】(000153498)株式会社日立メディコ (1,613)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【出願人】(000153498)株式会社日立メディコ (1,613)
【Fターム(参考)】
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