説明

側壁イメージ転写からパターンを作る改善された方法

【課題】実施の容易な、側壁イメージ転写により部分的に定義されるパターンを生成する方法を提供する。
【解決手段】基板1には、第1の材料2の層と、第1のエッチングマスク4と、カバリング層3と、第2のエッチングマスクとが設けられている。カバリング層3は、覆われた主領域と、覆われていない副領域とを有する。カバリング層3の副領域は、第2のエッチングマスクを介して部分的にエッチングされ、突出パターンが形成される。第3のエッチングマスクを定義する突出パターンの周囲に、横スペーサが形成される。第2のエッチングマスクは除去される。カバリング層3は、第3のエッチングマスクを用いてエッチングされ、カバリング層3における突出パターンが形成され、第1のエッチングマスク4および第1の材料2が露出される。第1の材料2の層は、エッチングされ、第1の材料2から作られるパターンが形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の材料から作られるパターンを生成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路の、例えば消費および/または動作周波数に関する、性能の継続的な改善は、その構成要素のサイズの一定の減少および増加する密度を、不可避的にもたらす。性能が常に改善される装置を製造するために、小さな寸法のパターンを設計する新たな技術が、生み出されてきた。
【0003】
トランジスタのサイズの縮小は、特に、小寸法のパターンの、高い密度の定義において困難をもたらすが、異なるフォトリソグラフィレベルの互いに対する位置合わせに関する制約も、増加させる。増加する密度のパターンを形成するために、フォトリソグラフィおよびエッチング機器は、継続的に改善される必要がある。フォトリソグラフィ機器の技術的制約における、この高まる増加は、もはや現在の機器に適合しない。
【0004】
代わりの開発の道は、マスキング材料を堆積することによる、必要とされるパターンの幅および/または長さの定義に存する。このやり方では、パターンの横寸法の少なくとも1つが、フォトリソグラフィでは定義されず、マスキング材料の事前定義された厚さの堆積によって定義される。
【0005】
図1に示すように、基板1は、第1の材料2で作られた層により覆われており、第1の材料自体は、カバリング層3によって覆われる。カバリング層3の上に、任意の適切な技術により、エッチングマスク4が形成される。
【0006】
図2に示すように、カバリング層3は、例えばプラズマにより、エッチングマスク4を通してエッチングされ、後者を、エッチングマスク4のパターンにおいて再現する。
【0007】
エッチング化学材料は、第1の材料2を破損したり、エッチングマスク4のパターンを修正したりせずに、カバリング層3の一部を除去するために、エッチングマスクに関して、および第1の材料2に関して選択的に選ばれる。
【0008】
第1の材料2に関する選択性を失うことは、特に、物理化学特性の劣化および第1の材料の厚さの減少をもたらし、その後のステップの満足のいく達成にとって有害である。
【0009】
エッチング化学材料は、カバリング層3において、エッチングマスク4のパターンを忠実に再現するために、可能な限り異方性に選択される。
【0010】
このエッチングステップは、エッチングマスク4のパターンから定義される、カバリング材料3のパターンを形成する。
【0011】
図3に示されるように、カバリング層3がひとたびパターニングされると、第1のエッチングマスク4は除去される。
【0012】
図4に示すように、マスキング材料5が堆積され、次いで、エッチングされて、1つまたは複数の横スペーサを形成する。マスキング材料5は、共形の態様で堆積され、異方性エッチングされて、カバリング材料3のパターンの側壁に局所化される。
【0013】
堆積される材料の厚さは、マスキング材料5のパターンの寸法の1つを定義する。この寸法は、プラズマエッチングステップで減少される。このようにして、フォトリソグラフィステップは、パターンの位置を定義し、横スペーサの形成ステップは、これらのパターンの横寸法の少なくとも1つを定義する。
【0014】
ここで再び、マスキング材料5のエッチングは、異方性が高く、第1の材料2およびカバリング材料3に関して選択的な化学材料を使用する。
【0015】
図5に示すように、横スペーサがひとたび形成されると、カバリング材料3は除去され、スペーサが、第2のエッチングマスク6を形成する。
【0016】
図6に示すように、側壁イメージ転写技術によって得られた第2のエッチングマスク6は、第2のカバリング材料7によって覆われる。第3のエッチングマスク8が、第2のカバリング材料7の上に形成される。
【0017】
図7に示すように、第2のカバリング材料7は、第2のエッチングマスク6および第1の材料2に到達するまで、第3のエッチングマスク8を用いてエッチングされる。
【0018】
第1の材料2は、次いで、第2のエッチングマスク6(マスキング材料5で作られたスペーサ)と、第3のエッチングマスク8とを用いて、図8に示すようにエッチングされ、第1の材料のパターンを形成する。第1の材料2のパターンのデザインは、第2のエッチングマスク6および第3のエッチングマスク8のデザインの組み合わせに対応する。
【0019】
この実施方法は、方法の異なるステップにわたって広がる、多数の技術的制約が関係するため、使用が非常に困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
実施の容易な、側壁イメージ転写により部分的に定義されるパターンを生成する方法を、提供する必要があることが認められている。
【課題を解決するための手段】
【0021】
この要件は、
−第1のエッチングマスクと、カバリング層と、第2のエッチングマスクと、により覆われた第1の材料の層が設けられた基板を供給するステップであって、カバリング層は、第2のエッチングマスクにより覆われた主領域と、覆われていない副領域と、を有する、ステップと、
−カバリング層の副領域を、第2のエッチングマスクを用いて部分的にエッチングし、カバリング層に突出パターンを形成するステップと、
−マスキング材料を堆積およびエッチングして、第3のエッチングマスクを定義する突出パターンの周囲に、横スペーサを形成するステップと、
−第2のエッチングマスクを除去するステップと、
−第3のエッチングマスクを用いて、カバリング層をエッチングし、カバリング層における突出パターンを形成し、かつ、第1のエッチングマスクおよび第1の材料を露出させるステップと、
−カバリング層と第1のエッチングマスクとを用いて、第1の材料の層をエッチングし、第1の材料のパターンを形成するステップと、
を含む方法により、容易に満たされる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
他の利点および特徴は、非限定の例の目的だけのために与えられ、添付の図面において表される、以下の本発明の特定の実施形態の説明から、より明らかとなるであろう。
【図1】図1は、第1の方法の実施の連続するステップを、断面図で概略的に表している。
【図2】図2は、第1の方法の実施の連続するステップを、断面図で概略的に表している。
【図3】図3は、第1の方法の実施の連続するステップを、断面図で概略的に表している。
【図4】図4は、第1の方法の実施の連続するステップを、断面図で概略的に表している。
【図5】図5は、第1の方法の実施の連続するステップを、断面図で概略的に表している。
【図6】図6は、第1の方法の実施の連続するステップを、断面図で概略的に表している。
【図7】図7は、第1の方法の実施の連続するステップを、断面図で概略的に表している。
【図8】図8は、第1の方法の実施の連続するステップを、断面図で概略的に表している。
【図9】図9は、第2の方法の実施の連続するステップを、断面図で概略的に表している。
【図10】図10は、第2の方法の実施の連続するステップを、断面図で概略的に表している。
【図11】図11は、第2の方法の実施の連続するステップを、断面図で概略的に表している。
【図12】図12は、第2の方法の実施の連続するステップを、断面図で概略的に表している。
【図13】図13は、第2の方法の実施の連続するステップを、断面図で概略的に表している。
【図14】図14は、第2の方法の実施の連続するステップを、断面図で概略的に表している。
【図15】図15は、第2の方法の実施の連続するステップを、断面図で概略的に表している。
【図16】図16は、第2の方法の実施の連続するステップを、断面図で概略的に表している。
【図17】図17は、図12に関する代わりの実施形態を、断面図で概略的に表している。
【図18】図18は、他の代わりの実施形態の断面図を、概略的に表している。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図9に示すように、基板1は、第1の材料2の層により覆われた支持体を備える。第1の材料2の層は、第1のエッチングマスク4と、カバリング層3とにより覆われる。
【0024】
支持体は、例えば、1つまたは複数の保護層で覆われた活性要素を有する半導体材料から作られる基板である。支持体は、また、導電性または電気絶縁性材料により形成することもでき、その表面に、パターンが形成される。有利なやり方では、支持体の主表面は、電気絶縁性材料の1つまたは複数の層によって形成される。支持体の主表面は、第1の材料2の層によって覆われる。
【0025】
第1の材料2は、電気絶縁性または導電性とすることができる。有利なやり方では、基板が、主表面に絶縁層を有する半導体タイプである場合、第1の材料は、導電性とし、例えば、厚さが有利に10および50nmの間であり、TiN、BN、TaN、AlNから作られる。
【0026】
第1のエッチングマスク4は、第1の材料2の層の上に形成される。第1のエッチングマスク4は、第1の材料2の上に、主領域Aと、副領域Bとを定義する。主領域Aは、第1のエッチングマスク4によって直接覆われており、副領域Bは、カバリング層3によって直接覆われる。エッチングマスク4のデザインは、任意の形状とすることができ、必要とされるパターンに応じて定義される。第1のエッチングマスク4は、第1の材料2の層と、カバリング層3との間に配置され、第1の材料2と、主領域A内のカバリング層3との間の直接接触を防止する。
【0027】
第1のエッチングマスク4は、例えば、酸化ケイ素(silicon oxide)、窒化ケイ素(silicon nitride)、または、酸化ケイ素と窒化ケイ素の混合物または積層物である。第1のエッチングマスクは、第1の材料2とカバリング層3との間のその位置に、その成分の性質が適合する限り、他の材料で形成することもできる。
【0028】
有利なやり方では、カバリング層3は、反射防止特性を備えており、その後の第2のエッチングマスク6の形成を容易にする。例として、カバリング材料3は、化学気相蒸着またはスピンコーティングにより堆積される、炭素質の材料である。例えば、用いられる材料は、式CxHyによって表され、これは、ほぼ水素化された炭素材料を生じる。
【0029】
図10に示すように、第2のエッチングマスク6は、カバリング層3の上に形成される。第2のエッチングマスク6は、また、カバリング層3の上に主領域Cおよび副領域Dを定義する。主領域Cは、第2のエッチングマスク6により覆われており、副領域Dは、露出され、よって解放された状態である。第2のエッチングマスク6のデザインは、任意の形状にすることができ、第1のエッチングマスク4のデザインに関連して、必要とされるパターンに応じて定義される。第1および第2のエッチングマスク4および6は、カバリング層3によって、分離されている。
【0030】
第2のエッチングマスク6は、例えば、異なる性質のフォトレジストまたは材料である。特定の実施形態において、第2のエッチングマスク6は、酸化ケイ素(silicon oxide)、窒化ケイ素(silicon nitride)、または、酸化ケイ素と窒化ケイ素の積層物または他の材料で作られる。第2のエッチングマスク6が樹脂でない場合、エッチングステップが後に続く、フォトリソグラフィステップを用いて、その形状を定義すると有利である。第2のエッチングマスク6は、また、ハードマスクとも呼ばれる。
【0031】
図11に示すように、任意の適切な技術により、第2のエッチングマスク6を用いてカバリング材料3がエッチングされる。カバリング層3のエッチングは、部分的である。解放された状態にあるカバリング材料3の部分は、部分的にエッチングされ、カバリング層3における突出パターンを形成する。この部分的エッチングは、異なる厚さの領域によって表される。第2のエッチングマスク6によって覆われた主領域Cにおいて、厚さは変えられず、厚い領域を表す。覆われていない副領域Dにおいて、カバリング層3は、部分的に除去されており、これは、層3の薄い領域に対応する。
【0032】
第2のエッチングマスク6のデザインは、カバリング層3において、第2のエッチングマスク6を通して再現されており、デザインの外形は、垂直またはほぼ垂直の側壁によって形成されており、薄い領域を厚い領域に接続する。カバリング層3のエッチングは、カバリング材料の厚さの一部のみに行われ、側壁の高さは、カバリング層3の厚さよりも小さい。
【0033】
カバリング層3は、よって、パターニングされ、異なる厚さを有する領域を形成し、これは、カバリング材料3の連続するフィルム上に、カバリング材料の層における突出パターンの存在をもたらす。
【0034】
有利なやり方では、第1の材料2および第1のエッチングマスク4は、カバリング層3により完全に覆われる。
【0035】
有利なやり方では、エッチング時間を加え、またはもとの位置での反射率測定によってエッチング厚さを制御して、プラズマによるエッチングが行われる。
【0036】
図12に示すように、次いで、マスキング材料5が、アセンブリ上に、共形または可能な限り共形に堆積され、カバリング層3および第2のエッチングマスク6を覆う。共形の堆積では、垂直壁に堆積される厚さは、水平壁に堆積される厚さと同じである。ひとたび、マスキング材料5が堆積されると、マスキング材料は、任意の適切な技術、好ましくは異方性のプラズマエッチングによってエッチングされ、横スペーサすなわち側壁スペーサ(“側壁”とも呼ばれる)を形成する。エッチングは、マスキング材料5を、カバリング層3に定義される垂直壁に局所化することを可能にする。このようにして、エッチングステップの後に、マスキング材料5が、カバリング材料3の側壁を覆う横スペーサを形成する。
【0037】
図13に示すように、第2のエッチングマスク6が除去され、表面に、カバリング材料3と、マスキング材料5から作られるスペーサとが残される。マスキング材料5から作られるスペーサは、第3のエッチングマスク8を形成する。第3のエッチングマスク8のデザインは、横スペーサの位置を加える第2のエッチングマスク6のデザインによって、部分的に定義される。第3のエッチングマスク8のデザインは、また、堆積されたマスキング材料5の厚さおよびエッチングされた厚さからも定義され、横スペーサを定義する。
【0038】
図14に示すように、カバリング層3は、第3のエッチングマスク8を用いてエッチングされ、カバリング層3における突出パターンを形成する。覆われていない領域、すなわち第3のエッチングマスク8に覆われていない領域において、エッチングは完全になされ、第1の材料2または第1のエッチングマスク4に到達する。カバリング材料3は、第2のエッチングマスク6によって最初に覆われた領域の下、および第2の領域D内の横スペーサで覆われていない位置で、除去される。
【0039】
カバリング材料3のパターンは、薄い領域に形成され、それらの厚さは、カバリング材料3の部分的エッチングが行われた際に定義されていた。カバリング材料3のパターンは、第3のエッチングマスク8のデザインを再現する。
【0040】
この実施形態は、第3のエッチングマスク8の定義においてより大きな柔軟性を提示するため、特に有利である。堆積は、完全な共形であることはなく、エッチングは、完全な共形であることはない。これは、従来技術においては、結果として、横スペーサの形状が、機器の技術的可能性により、または、他の技術的ステップにより課される最小厚さ制約により制限されることをもたらす。従来技術において、カバリング層の厚さは、横スペーサの高さを与える。
【0041】
本ケースでは、薄い領域と厚い領域の間の厚さの差と、第2のエッチングマスク6の厚さとが、横スペーサの高さを加える。次いで、カバリング材料3における沈み込みの深さを調節し、共形または可能な限り共形の堆積を得ることを可能にする、マスキング材料5の堆積を得る。同様のやり方で、横スペーサの高さにおけるこの柔軟性は、より効率的なエッチング方法を得ることを可能にする。カバリング材料3の部分的エッチングを行うことは、必要とされる形状を有する横スペーサの作製において、追加的な自由の度合いを得ることを可能にする。カバリング材料3の厚さは、よって、リソグラフィが形成される際の反射率を最小化するように、独立して選択することができる。
【0042】
カバリング層3の部分的エッチングを行うことは、解放された平面を形成するカバリング層3により覆われた第1の材料2および第1のエッチングマスク4を残す。これはまた、第3のエッチングマスク8において、寄生パターンの形成を防止する。第1のエッチングマスク4の上でカバリング層3を完全にエッチングし、第1のエッチングマスク4および隣接するカバリング層3の解放面が、覆われていない領域において平面を形成することを保証することにより、同じ結果が得られる。
【0043】
第1のエッチングマスク4は、カバリング材料3によって覆われているため、第1のエッチングマスク4と、第1の材料2との間で、寄生ステップがない。寄生横スペーサは、よって、このステップのレベルでは形成されない。
【0044】
カバリング材料3の部分的エッチングは、カバリング材料の堆積の前に存在する表面凹凸を、平滑化すること、例えば、基板1および/または第1の材料2の層での表面マスクワーク、ならびに第1の材料2および第1のエッチングマスク4の間の表面マスクワークを可能にする。
【0045】
カバリング層3の厚さは、第2のエッチングマスク6の定義ステップでの下部の層およびパターンの効果を制限するように、選択される。これは、次いで、下部の層の効果をマスキングするのに十分な厚さのカバリング層3を使用することを可能にする。カバリング層3の厚さは、2つのステップでエッチングされるため、制約ではなくなる。第1の部分的エッチングは、第3のエッチングマスク8を、最良の条件下で定義することを可能にする。第2の完全なエッチングは、最終マスクを用いて、定義されるべき第1の材料2をエッチングすることを可能にする。
【0046】
さらに、第1のエッチングマスク4が、従来のやり方、すなわち横スペーサの転写以外の技術で作製される場合、大きな幅を有するパターンを、得ることができる。次に、第2のエッチングマスク6を、第1のエッチングマスクに対して位置合わせすることが、容易である。従来技術では、第1のエッチングマスク4は側壁イメージ転写技術によって得られ、この技術は、その後のフォトリソグラフィレベルの位置合わせを困難にする、小さなサイズのパターンを課す。さらに、最も重要な寸法を定義する第2のエッチングマスクが、重要なトポグラフィ上に作られ、これは、平坦化材料の使用を必要とする。この大きなトポグラフィは、リソグラフィの反射率の不均衡を誘発し、この不均衡は、必要とされる解像度を得るためには有害である。このトポグラフィは、また、下にあるパターンの密度に応じた局部温度差も誘発し、局部温度差は、パターンの最終寸法を修正する。さらに、第2のカバリング材料7(図7)に転写されるパターンは、高いアスペクト比(幅と高さの比)を有し、高いアスペクト比は、これらのパターンに対する強度の問題をもたらす。
【0047】
述べられた方法とは異なり、最も重要な寸法を定義する第1のエッチングマスク4は、トポグラフィなしに表面に作られ、側壁イメージ転写技術によって形成されるエッチングマスクよりも、小さな厚さを提供する。第2のエッチングマスク6に対する、第1のエッチングマスク4の効果は、よって減少される。
【0048】
図15に示すように、第1のエッチングマスク4およびカバリング層に形成されたパターンは、第1の材料2のエッチングに用いられる第4のエッチングマスクを形成する。第4のエッチングマスクのデザインは、第1のエッチングマスク4および第3のエッチングマスク8のソリッド領域の追加に対応する。カバリング材料のエッチングが、等方性成分を含む場合、あるいは、トリミングステップが、パターンのサイズを減少するか、または最小のパターンを消滅させる場合、差が存在することがある。
【0049】
図16に示すように、第4のエッチングマスクを通して、よって第1のエッチングマスク4およびカバリング材料3のパターンを通して、第1の材料2のパターンが形成される。
【0050】
図17に示される代わりの実施形態では、第2のエッチングマスク6は、マスキング材料5が堆積される前、および横スペーサが形成される前に除去される。横スペーサの高さは、カバリング材料3における沈み込みの深さから定義され、これは、先の実施形態と同じ動作のマージンを残す。この変形は、第2のエッチングマスク6の材料とカバリング材料3の間で、エッチングの選択性のみを必要とするため、特に有利であり、これは、材料の選択における制約を緩和する。
【0051】
横スペーサが形成された後に、第2のエッチングマスク6が除去される場合、エッチング選択性は、第2のエッチングマスク6の材料とカバリング材料3の間だけでなく、第2のエッチングマスク6の材料とマスキング材料5の間でも、保証しなければならない。
【0052】
第3のエッチングマスク8を形成する横スペーサは、前と同じやり方で形成され、第3のエッチングマスク8を、前と同様に用いて、カバリング材料3をエッチングする。最終的な構造は、先の実施形態の図16に示すものと同様である。
【0053】
このようにして、カバリング材料3のエッチングは、第3のエッチングマスク8に関する、カバリング材料3の選択的エッチングを用いて行われる。第3のエッチングマスク8は、次いで、カバリング材料3に関して選択的に除去される。マスキング材料5は、次いで、カバリング材料3に関して選択的に除去され、横スペーサを形成する。最後に、カバリング材料3は、マスキング材料5に関して選択的に除去され、この第3のエッチングマスク8のデザインを再現する。
【0054】
この特定の実施形態は、各エッチングステップが、少ない数の材料で行われるため、非常に有利である。基板の表面には、除去されるべき材料および保持されるべき材料のみが存在する。従来技術のように、2つの保持されるべき材料が存在する状態で、除去されるべき材料は無い。これは、エッチングを行うために使用できる方法および/または最もロバストなエッチング方法において、より大きな選択の自由をもたらす。
【0055】
有利なやり方で、カバリング層3の薄い領域および厚い領域において、第1のエッチングマスク4は、カバリング材料3によって覆われている。カバリング材料により、第1のエッチングマスク4を全体的に覆うことは、エッチングステップにおいて、可視の材料の数を制限することを可能にし、これにより、エッチング化学の開発および調整を容易にする。
【0056】
好適な実施形態において、第1のエッチングマスク4は、エッチングステップが後に続くフォトリソグラフィステップを用いて、直接得られる。第1のエッチングマスク4のデザインは、フォトレジストマスクのデザインから、直接来るものである。フォトリソグラフィにより定義されるデザインからの、この直接の定義は、異なる大きさの領域を、容易に形成することを可能にし、これは、有利には、スペーサにより第3のエッチングマスク8に定義されるものよりも、著しく大きな寸法を有する領域である。この実施形態では、例えば少なくとも数ミクロンの、大きなサイズの位置合わせパターンが、第1のエッチングマスク4に形成される。この大きなパターンは、第1のエッチングマスク4により定義されるものに関する、第2のエッチングマスク6のフォトリソグラフィレベルの容易な位置合わせを可能にする。従来技術では、フォトリソグラフィレベルは反転され、横スペーサの転写により得られるエッチングマスクは、フォトリソグラフィにより得られるエッチングマスクの前に形成される。リソグラフィステップのこの配置は、小寸法のパターンの高い密度を有する領域を用いて、より困難な位置合わせを行う必要があることを意味する。この方法は、したがって、使用される2つのフォトリソグラフィレベルのより良い位置合わせおよび/またはよりロバストな位置合わせ方法を得ることを可能にする。
【0057】
図18に示す例のように、第1のエッチングマスク4を、従来のやり方で形成する。基板1には、追加のマスキング層9および追加のエッチングマスク10により覆われた第1の材料2の層が設けられる。追加のカバリング層(図示せず)を用いて、追加のエッチングマスク10が形成される際の、基板1の影響を減少することができる。追加のカバリング層および追加のマスキング層9がエッチングされ、マスキング層9は、第1のエッチングマスク4を形成する。追加のエッチングマスク10および追加のカバリング層が除去され、表面に第1のエッチングマスク4のみが残される。
【0058】
他の実施形態において、第1のエッチングマスク4は、例えば横スペーサによる転写を用いて、用いられるフォトリソグラフィレベルのデザインから間接的に得ることができる。
【0059】
また、第3のエッチングマスク8を用いてカバリング材料3がエッチングされた後に、横スペーサの転写によって、追加のエッチングマスクを生成することも可能である。方法は、次いで、第1の材料2に存在する方法が第1のエッチングマスク4であることを考慮し、上述したものと同じである。
【0060】
第2のエッチングマスク6が、フォトリソグラフィによって、カバリング材料3上に形成される場合、これは、特にカバリング材料3の選択および使用可能な厚さに関して、特定の制約を課す。これらの制約の目的は、反射率および下部の層の光学的影響の問題を減少させることにより、フォトリソグラフィステップを容易にすることである。これらの制約は、カバリング層3の厚さを増やして、第2のエッチングマスク6の形成を容易にする効果を有する。上に示したように、カバリング層3は、横スペーサの定義を可能にする必要があり、これは、課されたプロファイルに適合する方法を得るための、アクセス可能な材料の範囲および/または使用可能な厚さの範囲を制限する。
【0061】
その厚さの一部にわたる、カバリング材料3のエッチングは、これらの制約を、少なくとも部分的に緩和することを可能にする。フォトリソグラフィステップは、カバリング材料3の特定の厚さにわたって行われる。この厚さは、フォトリソグラフィステップを容易にするように選択される。カバリング材料3の層が、次いでエッチングされ、厚い領域および薄い領域を形成し、この厚さの差を用いて、選択される寸法比を有する横スペーサの定義を容易にする。スペーサの定義は、より大きな材料の選択がアクセス可能となることから、容易となり、薄い領域と厚い領域の間の厚さの差の選択を柔軟にすることにより、共形の堆積を得る難しさを、部分的に除去する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の材料(2)で作られるパターンを生成する方法であって、
第1のエッチングマスク(4)と、カバリング層(3)と、第2のエッチングマスク(6)とにより覆われた第1の材料(2)の層が設けられた基板(1)を供給するステップであって、前記カバリング層(3)は、前記第2のエッチングマスク(6)により覆われた主領域(C)と、覆われていない副領域(D)と、を有する、ステップと、
前記カバリング層(3)の副領域(D)を、前記第2のエッチングマスク(6)を用いて部分的にエッチングし、前記カバリング層(3)に突出パターンを形成するステップと、
マスキング材料(5)を形成およびエッチングして、第3のエッチングマスク(8)を定義する前記突出パターンの周囲に、横スペーサを形成するステップと、
前記第2のエッチングマスク(6)を除去するステップと、
前記第3のエッチングマスク(8)を用いて、前記カバリング層(3)をエッチングし、前記カバリング層(3)における突出パターンを形成し、かつ、前記第1のエッチングマスク(4)および前記第1の材料(2)を露出させるステップと、
前記カバリング層(3)と前記第1のエッチングマスク(4)とを用いて、前記第1の材料(2)の層をエッチングし、前記第1の材料(2)で作られるパターンを形成するステップと、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第1のエッチングマスク(4)の形成は、
追加のマスキング層(9)と、追加のエッチングマスク(10)と、により覆われた前記第1の材料(2)の層が設けられた基板(1)を供給するステップと、
前記追加のマスキング層(9)をエッチングし、前記第1のエッチングマスク(4)を形成するステップと、
前記追加のエッチングマスク(10)を除去するステップと、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第3のエッチングマスク(8)を定義する突出パターンの周囲に前記横スペーサが形成される前に、前記第2のエッチングマスク(6)は除去される、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−138570(P2012−138570A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260794(P2011−260794)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(510225292)コミサリア ア レネルジー アトミック エ オ ゼネルジー アルテルナティブ (97)
【氏名又は名称原語表記】COMMISSARIAT A L’ENERGIE ATOMIQUE ET AUX ENERGIES ALTERNATIVES
【住所又は居所原語表記】Batiment Le Ponant D,25 rue Leblanc,F−75015 Paris, FRANCE
【Fターム(参考)】