説明

側方流分析テスト・ストリップ内の流体の流れを制御するための構造

【課題】流体が最初にサンプルパッドからテスト・ストリップに入るときと、流体がテスト・ストリップ自体を通って移動するときの両方で流体の流れが制御されるように、流体検体計に使用されるテスト・ストリップを支持するためのシステムを提供する。
【解決手段】側方流分析テスト・ストリップ34内の流体の流れを制御するための構造において、側方流分析テスト・ストリップ34と、前記側方流分析テスト・ストリップ34に当接しているサンプルパッド32と、流体の流れを、前記サンプルパッド32から前記側方流分析テスト・ストリップ34へ向かわせるように配置されているピンチ壁とを備えている構造。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、側方流分析テスト・ストリップを通る流体の流れを改良するためのシステムに関する。本発明は、更に、流体検体試験計で用いられる使い捨てカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2004年5月4日出願の米国仮特許出願60/568,293号「分析計及び関連する分析計量カートリッジで使用するための流体制御機構」に関する優先権を請求し、同出願の開示内容全体を参考文献としてここに援用する。
【0003】
側方流分析テスト・ストリップは、多種多様な用途に広く用いられている。側方流分析テスト・ストリップを用いることに関する最も一般的な問題は、確実に、最適な量の流体サンプルがストリップを通って流れるようにすることである。具体的には、テスト・ストリップが完全に浸され(流体がテスト・ストリップの全長に亘って一杯になって流れる)だけの流体が、テスト・ストリップに確実に流れ込むようにすることが重要である。しかしながら、テスト・ストリップが溢れて(流体が毛管現象によってテスト・ストリップから滲み出して、装置内部の他の部分に達する)ことがないようにすることも重要である。
【0004】
更に、流体サンプルが、テスト・ストリップの側面又は中間部の何れかに沿ってより速く前進すること無く、平坦な先端部としてテスト・ストリップを通過するのが望ましい。更に、側方流分析テスト・ストリップに関する一般的な問題は、流体が、テスト・ストリップの上部又は底部表面に沿って流れ(又は単に集まり)、(従って、テスト・ストリップ自体の中で起こる反応を部分的に迂回する)ことである。最後に、流体のサンプルは、サンプル受け入れパッドからテスト・ストリップ上に飛び散り、望ましくない結果を生み出すこともある。具体的には、その様なテスト・ストリップへの飛散は、(テスト・ストリップからの毛管流れにより)溢れ出ることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5,837,546号明細書
【特許文献2】米国特許第5,945,345号明細書
【特許文献3】米国特許第5,580,794号明細書
【特許文献4】米国特許第5,837,546号明細書
【特許文献5】米国特許第5,945,345号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明によれば、流体が最初にサンプルパッドからテスト・ストリップに入るときと、流体がテスト・ストリップ自体を通って移動するときの両方で流体の流れが制御されるように、流体検体計に使用されるテスト・ストリップを支持するためのシステムが提供されている。この様に、本発明は、多くの既存の側方流分析処理システムに共通している上記の明白な欠点を克服する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
或る態様では、本流量制御システムは、少なくとも1つの側方流分析テスト・ストリップの入った使い捨てカートリッジ内に配置されている。使い捨てカートリッジは、再使用可能な流体検体試験計の中に入っており、計器が、側方流分析テスト・ストリップ内で実施される分析反応の結果を読み取るようになっている。
【0008】
本発明によれば、使い捨ての機械的カートリッジは、サンプル受け入れパッドからテスト・ストリップへの流体の流れの運動を所望の方式で制御し、テスト・ストリップを溢れさせること無く適切に浸した状態に維持するのを支援する流体制御機構を含んでいる。更に、使い捨ての機械的カートリッジは、テスト・ストリップ自体を通る流体の流れの運動を制御するのを支援する方式でテスト・ストリップを支持する流体制御機構を含んでいる。具体的には、本流体制御機構は、確実に、テスト・ストリップの上面又は底面に沿う毛管流体の流れを防ぎ、且つ流体がテスト・ストリップからカートリッジハウジング内の別の場所に滲み出すのを防ぎながら、流体流れがテスト・ストリップを通って側方に生じるようにする。更に、テスト・ストリップが異なる材料で作られた区画を有している場合、本流体制御機構は、テスト・ストリップの重なり部分を一体に均一に接触させて保持し、テスト・ストリップの様々な材料の部分の間で流体を搬送し易くすることができ、好都合である。
【0009】
或る態様では、本流体制御システムは、側方流分析テスト・ストリップと、側方流分析テスト・ストリップに当接するサンプルパッドと、サンプルパッドからの流体流れを側方流分析テスト・ストリップに向けるように配置されているピンチ壁と、を含んでいる。
【0010】
或る代表的な実施形態では、ピンチ壁は、サンプル受け入れパッドを圧縮するように配置されている。ピンチ壁は、サンプル受け入れパッドのサンプル受け入れ部をテスト・ストリップに隣接して配置されているサンプルパッドの部分から分離している第1部分と、サンプルパッドのサンプル受け入れ部を、テスト・ストリップから遠くに配置されているサンプルパッドの部分から分離している第2部分と、を含んでいる。本発明によれば、ピンチ壁の第1部分は、サンプル受け入れパッドを、サンプル受け入れパッドの第2部分ほどには圧縮しない。
【0011】
以下説明するように、本ピンチ壁の利点は、ピンチ壁が、サンプルパッドに受け入れられたサンプルの最初の部分をテスト・ストリップに向け、サンプルパッドに受け入れられたサンプルの流れの過剰部分をテスト・ストリップの外に向けることである。
【0012】
或る代表的な実施形態では、ピンチ壁の第1及び第2部分は、サンプル受け入れパッドのサンプル受け入れ部を一体に連続して取り囲んでいる。ピンチ壁は、サンプルパッド上に受け入れられた流体が、サンプル受け入れパッドのサンプル受け入れ部から、テスト・ストリップに隣接して配置されているサンプルパッドの部分に優先的に流れ、サンプル受け入れパッドのサンプル受け入れ部から、テスト・ストリップから遠くに配置されているサンプルパッドの部分にはそれほど流れないように、サンプル受け入れパッドを好適に圧縮する。言い換えれば、ピンチ壁は、サンプルパッド上に受け入れられた流体が、サンプル受け入れパッドのサンプル受け入れ部から、テスト・ストリップに隣接して配置されているサンプルパッドの部分には迅速に流れ、サンプル受け入れパッドのサンプル受け入れ部から、テスト・ストリップから遠くに配置されているサンプルパッドの部分にはゆっくりと流れるように、サンプル受け入れパッドを好適に圧縮する。
【0013】
別の態様では、本流体制御システムは、毛管の流れがテスト・ストリップから出ないようにしながら、テスト・ストリップを通るように流れを向けるように作られた側方流分析テスト・ストリップ支持システムを含んでいる。具体的には、このシステムは、側方流分析テスト・ストリップと、テスト・ストリップを圧縮するように配置されている上部支持構造と、テスト・ストリップの下に配置されている底部支持構造と、を含んでいる。上部及び底部支持構造は、それぞれ、テスト・ストリップの長さに沿って配置された複数の独立し間隔を空けて配置された支持リブを備えているのが望ましい。随意的に、支持リブは、テスト・ストリップを横断して伸張する。同様に随意的に、上部又は底部何れかの複数の支持リブは、それぞれ、テスト・ストリップの側部を超えて伸張することのない台であってもよい。
【0014】
これらの流体流量制御機構の利点は、それらの機構が、テスト・ストリップを通る均一な横方向流れを促すことである。つまり、流体は、テスト・ストリップの縁部に沿って(テスト・ストリップの中間部と比べて)早く進むことも遅く進むこともない。更に、本流体流量制御機構は、テスト・ストリップの上面又は底面に沿う毛管流体の流れを抑制する。(そのような流れは、テスト・ストリップの表面反射を変化させて、試験の読み値を変える)。
【0015】
別の態様では、流体制御システムは、側方流分析テスト・ストリップ内の流体の流れを制御するための構造において、第1材料で作られた第1部分と第2材料で作られた第2部分を有する側方流分析テスト・ストリップであって、第1部分の端部が第2部分の端部に重なっている、側方流分析テスト・ストリップと、側方流分析テスト・ストリップの第1部分と第2部分の重なっている端部を横切って伸張する第1支持リブと、側方流分析テスト・ストリップの第1部分と第2部分の重なっている端部の反対側を横切って伸張する第2支持リブと、を含んでいる、構造を含んでいる。
【0016】
別の態様では、本発明は、流体検体計で使用するための使い捨てカートリッジであって、少なくとも1つの光学呼掛孔を有するハウジングと、ハウジング内のサンプル受け入れパッドと、光学呼掛孔に隣接している側方流分析テスト・ストリップと、ハウジング内の防湿バリヤ(moisture barrier)とを含んでおり、防湿バリヤは水分がハウジングに進入するのを防ぎ、防湿バリヤは光学呼掛孔を覆っていて、テスト・ストリップがそれを通して光学的呼掛を行えるようにしている、使い捨てカートリッジを提供している。
【0017】
本発明は、様々な分析計と体液分析計量システムに見られるように、側方流分析テスト・ストリップと共に用いることができる。1つの好適な実施形態に過ぎないが、本システムは、ヘモグロビンAlc(HbAlc)計に用いられる。本発明の様々な態様では、分析対象の一滴の血液が、計器に入れられるか又はカートリッジに入れられ、そして計器に入れられる。
【0018】
上記課題を解決するための本願発明に係るサンプル受け入れパッドとテスト・ストリップの間の流体の流れの運動を制御するためのピンチ壁システムは、サンプル受け入れパッドと、前記サンプル受け入れパッドと接触しているテスト・ストリップと、前記サンプル受け入れパッドを圧縮するピンチ壁であって、前記ピンチ壁は、前記サンプル受け入れパッドのサンプル受け入れ部を、前記テスト・ストリップに隣接して配置されている前記サンプルパッドの部分から分離している第1部分と、前記サンプルパッドの前記サンプル受け入れ部を、前記テスト・ストリップから遠くに配置されている前記サンプルパッドの部分から分離している第2部分とを備えている、ピンチ壁とを備えており、前記ピンチ壁の前記第1部分が前記サンプル受け入れパッドを圧縮する程度は、前記サンプル受け入れパッドが前記第2部分を圧縮する程度より小さい。
【0019】
好ましくは、前記ピンチ壁の前記第1及び第2部分は、前記サンプル受け入れパッドの前記サンプル受け入れ部を一体に連続して囲んでいる。
また好ましくは、前記ピンチ壁は、前記サンプルパッド上に受け入れられた流体が、前記サンプル受け入れパッドの前記サンプル受け入れ部から、前記テスト・ストリップに隣接して配置されている前記サンプルパッドの前記部分に優先して流れ、前記サンプル受け入れパッドの前記サンプル受け入れ部から、前記テスト・ストリップから遠くに配置されている前記サンプルパッドの前記部分にはそれほど流れないように、前記サンプル受け入れパッドを圧縮する。
【0020】
また好ましくは、前記ピンチ壁の前記第1部分は、前記サンプル受け入れパッドの高さの60から90%を圧縮し、前記ピンチ壁の前記第2部分は、前記サンプル受け入れパッドの高さの2から30%を圧縮する。
【0021】
また好ましくは、前記ピンチ壁の前記第1部分は、前記サンプル受け入れパッドの高さの70から80%を圧縮し、前記ピンチ壁の前記第2部分は、前記サンプル受け入れパッドの高さの5から15%を圧縮する。
【0022】
また好ましくは、カートリッジ底部とカートリッジ上部とを備えているカートリッジを更に備えており、前記サンプル受け入れパッドと前記テスト・ストリップは、前記カートリッジ底部と前記カートリッジ上部の間に収容され、前記ピンチ壁は、前記カートリッジ上部から下向きに伸張している。
【0023】
また好ましくは、前記ピンチ壁の前記第2部分は、前記ピンチ壁の前記第1部分より高くなっている。
また好ましくは、前記カートリッジは、一回使用の使い捨てカートリッジである。
【0024】
また好ましくは、前記ピンチ壁システムは、一回使用の使い捨て計器内に配置されている。
また好ましくは、前記カートリッジの上部は、前記サンプル受け入れパッドの前記サンプル受け入れ部の上方に配置されているサンプル受け入れ孔を備えている。
【0025】
また好ましくは、前記テスト・ストリップは側方流分析テスト・ストリップである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】サンプルパッドと2つのテスト・ストリップを収容する使い捨てカートリッジの分解斜視図である。
【図2A】図1の使い捨てカートリッジの上部の上面図である。
【図2B】図1の使い捨てカートリッジの上部の底面図である。
【図3A】図1の使い捨てカートリッジの底部の底面図である。
【図3B】図1の使い捨てカートリッジの底部の上面図である。
【図3C】図3Bと同じであるが、サンプルパッドと一対のテスト・ストリップを含んでいる。
【図4】図2Bと図3Cの4−4線に沿う側断面図である(カートリッジの上部と底部の両方を互いに所定の関係に配し、本発明の流体流量制御機構を詳細に図示している)。
【図5】サンプル受け入れパッドと、テスト・ストリップと、ピンチ壁の概略図であり、本発明による、時間が経過するのに従って進行する流体の流れの運動を示している。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明は、側方流分析テスト・ストリップに流れ込み、通過する流体の流れを取り扱うための流体流量制御機構を提供する。ここに図示しているように、本発明は、流体検体試験計に挿入される使い捨てカートリッジに使用するのに理想的に適している。或る代表的な用途では、本カートリッジとテスト・ストリップは、ヘモグロビンAlc(HbAlc)の測定に使用するために作られている。しかしながら、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、他の流体サンプルで他の検体を検出するのにも使用できる。ここで理解頂けるように、体液検体という用語は、本発明に直接適用されるか希薄溶液として適用されるかに関わらず、血液、尿、汗、涙などの様なあらゆる体液、並びに身体組織の流体抽出物内の、ヘモグロビンAlc、コレステロール、トリグリセリド、アルブミン、クレアチニン、ヒトの絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)などの様な、分析対象のあらゆる物質を意味する。更に、本流体制御機構は、使い捨ての一回限り使用計器(即ち、中に、サンプル受け入れパッド、テスト・ストリップ、及び本流体制御機構を備えている流体検体計)にも使用することができる。
【0028】
図1には、使い捨てカートリッジ30を示している。カートリッジ30は上部40と底部20を有しており、両者は、サンプルパッド32と2つの側方流分析テスト・ストリップ34を間に挟んで一体に配置されている。カートリッジ30の設計は代表例に過ぎないものと理解頂きたい。従って、本発明は、1つ、又は3つ以上のテスト・ストリップ34を有するシステムを含め、この他の設計も包含している。
【0029】
作動時、流体サンプルは、上部40のサンプル受け入れ上部穴44からカートリッジ30に導入される。流体サンプルは、一滴の血液の場合もあるが、これに限定されるものではない。サンプルは、先ずサンプル受け入れパッド32上に受け入れられる。そこから、流体サンプルは、テスト・ストリップ34上に滲出する。次に各テスト・ストリップ34内で化学反応が起こり、それは、底部20の光学呼掛孔(optical interrogation apertures)21を通して、計器(図示せず)によって光学的に検出される。好適な実施形態では、テスト・ストリップ34は側方流分析テスト・ストリップであり、その上で発生する反応は、計器内の光学システム(例えば反射計)によって測定される。そのようなシステムの例は、米国特許第5,837,546号、第5,945,345号、及び第5,580,794号に記載されており、その全体を参考文献としてここに援用する。
【0030】
本流体制御機構は、(a)サンプル受け取りパッド32からテスト・ストリップ34上への流体の運動、及び(b)テスト・ストリップ34を通過する流体の運動、の両方の運動の制御を支援する。これらの流体制御機構とそれぞれの利点について、以下に詳しく説明する。
【0031】
図2Aと2Bは、以下のように、上部40を更に詳細に示している。先に述べたように、上部40は穴44を有しており、この穴を通して流体サンプルが導入される。ピンチ壁45は、上部40から下向きに伸張しており、第1部分45Aと第2部分45Bを有している。ピンチ壁45は、サンプル受け入れパッド32の上に直接着座するように配置されている。第1部分45Aは、上部40から、第2部分45Bが上部40から下向きに伸張している距離を越えて下向きに伸張している。(即ち、ピンチ壁部分45Aは、ピンチ壁部分45Bよりも高い)。その結果、上部40と底部20が一体に配置されると、第1部分45Aは、第2部分45Bがサンプルパッド32を圧縮する以上に、サンプルパッド32を圧縮する。部分45Aと45Bは、図示のように、一体となって穴44の回りに連続壁を形成する。図4に関連付けて後に説明するが、この機構は、サンプルパッド32からテスト・ストリップ34上への流体の流れの運動を好都合に制御するのに用いられる。
【0032】
図示の実施形態によれば、ピンチ壁は、サンプルパッドの上に配置されている。しかしながら、本発明は、そのように限定されるものではない。例えば、ピンチ壁を、サンプルパッドの下方に配置してもよい旨理解頂きたい。代わりに、ピンチ壁がサンプルパッドの上方と下方の両方に配置されるシステムも、本発明の範囲に含まれると考えられる。
【0033】
更に、上部40は、複数の下向きに突き出ている支持リブ46も含んでいる。支持リブ46は、上部40と底部20を一体に配置したとき、テスト・ストリップ34の上に配置される。支持リブ46は、テスト・ストリップ34を横断して伸張する。図4に関連付けて後に説明するが、支持リブ46は、テスト・ストリップ34を通る流体の流れを好都合に制御する支援を行うのに用いられる。
【0034】
理解頂けるように、支持リブ46は、台の形態である(即ち、支持リブ46の側縁部がチャンバ48の側縁部47に接触していない)のが望ましい。或る代表的な実施形態では、支持リブ46の幅は、テスト・ストリップ34の幅を超えない。従って、横断支持リブ46は、テスト・ストリップ34の側面を超えて伸張することはない。
【0035】
図3Aと3Bは、以下のように、底部20を更に詳細に示している。底部20は、サンプルパッド受け入れ部23(その中にサンプルパッド32が配置される)を有している。更に、底部20は、テスト・ストリップ34を受け入れる一対のチャンバ28を有している。底部20は、離れて配置されている三対のリブ22、24及び26を有している。テスト・ストリップ34は、支持リブ24と26の上に配置される。リブ22は、サンプル受け入れパッド32の端部に対面して、サンプル受け入れパッド32が各テスト・ストリップ34と接触する箇所に隣接して配置されている。支持リブ24と26は、図示のように台である(即ち、支持リブ24と26の側縁部はチャンバ28の側縁部27に接触していない)。或る代表的な実施形態では、支持リブ24と26の幅は、テスト・ストリップ34の幅を超えない。従って、横断支持リブ24と26は、テスト・ストリップ34の側部を超えて伸張することはない。或る実施形態では、一対の窪み25が、支持リブ26の両側に配置されている。この設計は、窪み25が支持リブ26の両側に分離部を形成し、この場所におけるテスト・ストリップ34からの毛管流体の流れが抑制されるようになっている点で特に好都合である。
【0036】
更に、ピン29が、各テスト・ストリップ34の一端を固定するために設けられている。具体的には、ピン29は、テスト・ストリップ34の各穴33に入り込む(図1)。各リブ22、24、26について更に詳細を、図4に関連付けて後に説明する。
【0037】
更に、サンプルパッド32がサンプルパッド受け入れ部分23内で動き回ることのないようにするため、複数のサンプルパッド前方付勢ピン31が、サンプルパッド32の後端に設けられている。
【0038】
図3Cは、底部20のサンプルパッド32とテスト・ストリップ34の位置を示している。理解頂けるように、流体サンプルは、(図示していない上部40の)穴44を通って滴下すると、直接サンプル受け入れパッド32上に受け取られる。そこから、サンプルは、各テスト・ストリップ34上に滲出する。更に、図3Cは、一対の自動開始リード線39を示している。自動開始リード線39は、サンプルパッド32上の流体サンプルの存在を検出する働きをする。従って、自動開始リード線39は、試験計の電子及び光学システムを起動させるのに用いられる。その結果、本システムは、流体サンプルがサンプルパッド32上で最初に検出されたときに起動される(即ち、「スイッチが入る」)。各自動開始リード線39の一端は、サンプルパッド32に接触している。各自動開始リード線39の他端は、窓19(図3B)に隣接して配置され、カートリッジ30を収容する試験計内の電気システム構成要素への電気的接点を形成している。
【0039】
図4は、図2Bと図3Cの4−4線に沿う断面図であり、カートリッジ30の上部40と底部20の間にサンプルパッド32とテスト・ストリップ34が収容されている状態を示している。図4は、以下のように作動する本発明の流れ制御機構を示している。
【0040】
流体サンプルの滴D(血液の滴などであるが、これに限定されない)は、上部40の穴44を通して導入される。すると、滴Dはサンプルパッド32に達する。或る実施形態では、サンプルパッド32は、2層の不織布吸収セルロース型の材料で作られている。しかしながら、サンプルパッド32は、他の適した材料で作ることもできる。本発明によれば、流体サンプルは、次いで、以下のように制御された様式でサンプルパッド32からテスト・ストリップ34へ滲出する。
【0041】
先に述べたように、ピンチ壁45Aは、上部40から下向きに、ピンチ壁45Bよりも遠くまで突き出ている。その結果、ピンチ壁45Aは、サンプルパッド32を、ピンチ壁45Bよりも強く圧縮する。或る代表的な実施形態では、ピンチ壁45Aはサンプル受け入れパッド32の高さの60から90%を圧縮し、ピンチ壁45Bはサンプル受け入れパッドの高さの2から30%を圧縮する。或る特定の実施形態では、ピンチ壁45Aはサンプル受け入れパッド32の高さの70から80%を圧縮し、ピンチ壁45Bはサンプル受け入れパッドの高さの5から15%を圧縮する。上記圧縮範囲は代表例に過ぎず、正確な圧縮範囲は、サンプルパッド材料の圧縮率次第であり、多孔質又は開放的な材料であるほど強い圧縮を必要とする。
【0042】
結果として、サンプルパッド32に(部分32Aで)受け入れられた流体は、(ピンチ壁部分45Aの下を流れるのに比べて)ピンチ壁部分45Bの底部の下の方が流れ易い。従って、滴Dが最初にサンプルパッド部分分32Aに到達する(又は数滴Dがチャンバ41を満たすか、部分的に満たす)と、流体は、先ずピンチ壁45Bの下を通過し、サンプルパッド部分32B(即ち、テスト・ストリップ34に隣接する部分)に流れる。流体サンプルは、そこからテスト・ストリップ34に滲出する。しかしながら、流体の運動の速度は、ピンチ壁45Bが在ることによって制御される。具体的には、ピンチ壁45Bが在ると、流体サンプルが、テスト・ストリップ34上に制御不能に簡単に溢れ出るのが防止され、即ち、カートリッジ30の内部で周囲に飛散又は漏出しないようになるので好都合である。
【0043】
チャンバ41内に存在する過剰な流体は、ピンチ壁45Aの下を、サンプルパッド32の後部32Cに比較的ゆっくり浸み出すので、流体の相当部分がサンプルパッド部分32Cに浸出する前に、テスト・ストリップ34を十分に浸すことができる。後部32Cは、チャンバ41内の過剰な流体を吸収する働きができるほど大きいのが望ましい。
【0044】
ピンチ壁45Aは、ピンチ壁45B以上にサンプルパッド32を圧縮するので、以下のように流体の流れが起こる。流体は、サンプルパッド部分32Aから32Bへ、そしてテスト・ストリップ34へと優先的に(即ち、速く)流れる。過剰な流体は、サンプルパッド部分32Aからゆっくりした速度で部分32Cへ流れる。その結果、テスト・ストリップ34を溢れさせるか、又は始めはテスト・ストリップ34に入る流体の流れが不十分であるというような危険を冒すこと無く、本発明では様々なサンプルの量を受け入れることができる。
【0045】
本発明の別の特徴は、以下のように、底部の支持リブ24及び26と上部の支持リブ46を使用することによって、テスト・ストリップ34を通る流体の流れを制御する能力である。
【0046】
好適な実施形態では、テスト・ストリップ34は、異なる材料で作られた部分を有している。例えば、テスト・ストリップ34は、白色マイラーの様なポリ(エチレンテルフタレート)(PET)で作られた一枚の裏当て材料シート34Aを含んでいる。流体は、裏当て材料34Aを貫いて流れることはない。そこに、セルロースアセテート部34B、ニトロセルロース部34C、及びナイロン部34Dが全て取り付けられている。見てお分かりのように、セルロースアセテート部34Bは、一端がサンプルパッド32に重なり合って接触しており、他端がニトロセルロース部分34Cに重なり合って接触している。やはり見てお分かりのように、ナイロン部34Dは、一端がニトロセルロース部分34Cの一端に重なっており、他端がサンプル吸収パッド34Eに重なっている。本発明の或る随意的実施形態では、HbAlcの測定はテスト・ストリップ部34Cで実行され、総Hbの測定はテスト・ストリップ部34Dで実行される。しかしながら、本テスト・ストリップの設計は、代表的な一例に過ぎないと理解頂きたい。従って、他の材料及び分析試験に代えることもできる。
【0047】
本発明によれば、(支持リブ46を備えた)上部支持構造と(リブ24と26を備えた)底部支持構造は、テスト・ストリップ34を通る流れの運動を制御するのに用いられる。具体的には、これらの支持リブは、毛管流れがテスト・ストリップ34の表面を横切り、又はテスト・ストリップ34から離れて装置のハウジングへ入る可能性を低減するやり方で、流れが、確実に、部分34B、34C、34Dを順次通過して部分34Eに入るようにする。
【0048】
お分かりのように、支持リブ46は互いに離れて配置されており、(a)テスト・ストリップ部34Bがサンプルパッド部分32Bに重なる位置と、(b)テスト・ストリップ部34Bがテスト・ストリップ部34Cに重なる位置と、(c)テスト・ストリップ部34Dがテスト・ストリップ部34Cに重なる位置で、支持を提供している。これらの位置で、上部支持リブ46は、様々なテスト・ストリップ部の重複している端部を押し付けて互いに接触させる。これによって、重複している各テスト・ストリップ部の間での流体の搬送がやり易くなる。更に、上部支持リブ46は間隔を空けて配置されており、テスト・ストリップ34の上を横断して伸張しているので、上部支持リブ46は、テスト・ストリップ34の上面に沿う潜在的な流体の流れを抑制する働きもする。
【0049】
また、上部支持リブ46は、テスト・ストリップ部34Cと34Dが孔21に曝されている位置で、テスト・ストリップ裏当て材料34Aの上にも設けられている。これらの2つの上部支持リブ46は、テスト・ストリップ部34Cと34Dを、中で起こる反応が光学システム50によって正確に呼掛されるような整列位置に保持するのを支援する。図示のように、第1光学検出器52はテスト・ストリップ部34Cで起こる反応を測定するのに用いられ、第2光学検出器54はテスト・ストリップ部34Dで起こる反応を測定するのに用いられる。或る好適な実施形態では、光学システム50は、使い捨てカートリッジ30を入れる再使用可能な反射計の中に配置されている。しかしながら、本発明は、これに限定されるものではない旨理解頂きたい。例えば、本発明は、代わりにテスト・ストリップ34が使い捨て流体検体計内に入っているシステム(即ち、光学システム50、サンプルパッド32、及びテスト・ストリップ34が、全て、一回限り使用の使い捨て流体検体計に組み込まれている)に使用してもよい。
【0050】
底部リブ22は、サンプルパッド32をテスト・ストリップ34Bに対して位置決めし易くするのに用いられる。好適な実施形態では、底部リブ22は、テスト・ストリップ部34Bに接触していない。リブ22は、好都合に流体ダムとして作用し、流体がサンプルパッド32から浸出してテスト・ストリップ34の下の区画へ入るのを妨ぐ。従って、リブ22と樋部34Aの表面の間にサンプル流体が溜まる可能性は最小になる。底部支持リブ24は、テスト・ストリップ34の重複部分34Bと34Cを一体に押し付けるのに用いられる。従って、底部支持リブ24は、(部分34Bと34Cを一体に緩やかに圧迫することによって)重複地点で部分34Bと34Cの間の接触を制御する。この様にして、支持リブ24は、着色ラテックスの様な拡散吸収材料が、セルロースアセテート部34Bからニトロセルロース部34Cへ搬送され易いようにする。これは、ラテックスが、テスト・ストリップ部34Bと34Cの間の重複部で滞るのを防ぐ。同様に、底部支持リブ26は、テスト・ストリップ34の重複部34Cと34Dを一体に押し付け、両者の間の流体の搬送をやり易くするのに用いられる。具体的には、支持リブ26は、サンプル流体からラテックスを濾過し、その後、浄化済み流体がニトロセルロース部34Cからナイロン部34Dへ搬送するのをやり易くする。底部支持リブ24と26は、一体となって、流体が、各重複しているテスト・ストリップ部の間で搬送され易くなるようにする。
【0051】
底部支持リブ24と26は、テスト・ストリップ34をカートリッジの内側表面から持ち上げ(即ち、底部20から離し)て(場合によっては、流体サンプルが、テスト・ストリップ基材を通るのではなく、樋34の底面上又はテスト・ストリップ34の間を薄膜としてカートリッジ30内へと移動する)「毛管迂回」流れの可能性を減らす。これによって、ラテックスがニトロセルロース部34Cとナイロン部34Dの間の重複部の濾過部位を迂回するのが、防止される。これによって、テスト・ストリップ部34Cと34Dの孔21を通して正しい読み取りが確実に行われるようになり、極めて好都合である。
【0052】
更に、底部支持リブ24と26は、上部支持リブ46と協働して、テスト・ストリップ34が上部チャンバ48(図2B)と底部チャンバ28(図3B)によって形成されている装置の部分に収容されるときには、テスト・ストリップ34が確実に整列位置に保持されるようにする。更に、テスト・ストリップ34の側部は、チャンバ28と48の側部と接触していない。更に、4つの丸いガイドピン37(図3C)をテスト・ストリップ34の縁部に接触させて、確実に、テスト・ストリップ34の縁部がチャンバ28と48の側部に接触しないようにしている。これは、流体がテスト・ストリップ34から滲み出してカートリッジの本体に入る毛管流体の流れが発生するのを防ぐ働きをする。
【0053】
テスト・ストリップ34の上部及び底部表面を横切って一杯に伸張している底部支持リブ24及び26と上部支持リブ46の更なる利点は、流体が確実にテスト・ストリップ34を通って均一に流れるようにしている点である。具体的には、流体は、テスト・ストリップの中間部に沿って(テスト・ストリップの縁部と比べて)早く又は遅く流れる傾向にはない。これは、テスト・ストリップ34内の左側/右側の流れの如何なる付勢も好都合に抑制する。
【0054】
図5は、サンプル受け入れパッド、テスト・ストリップ、及びピンチ壁の概略図であり、本発明による、時間が経過するにつれて進行する流体の流れ運動を示している。
流体サンプルは、先ず、上部の穴44を通り、サンプルパッド部分32A上に受け取られる。流体サンプルは、先ずサンプルパッド部分32Aに亘って広がり、A線に達する。更にチャンバ41を満たすと、流体サンプルは、B線に達し、次にC線に達する(図4のチャンバ41を満たすか、部分的に満たす)。先に述べたように、ピンチ壁45Bは、その下の流体サンプルの運動を部分的にしか抑制しない。その結果、流体は、ピンチ壁部45Bの下を浸出し始める。更にその結果、流体は、テスト・ストリップ34を横切る前端部が概ね平坦な状態で、テスト・ストリップ34に入る。具体的には、流体は、各テスト・ストリップ34の中間部に入るのと同時に、テスト・ストリップ34の左及び右の縁部に入る傾向がある。これによって、サンプルパッド32からテスト・ストリップ34上への、略一様な流れが実現される。その後、流体は、一様にテスト・ストリップ34を通って進み、成功裏にD線に達し、その後E線に達する。このとき、一対のテスト・ストリップ34の、流体サンプルと、テスト・ストリップに事前に埋め込まれたか又は被覆された試薬との間で並発反応が起こる。このとき、テスト・ストリップ34は、十分に浸されている(ピンチ壁45Bの下を通って連続して滲み出してきて、サンプルパッド部分32Bを十分に浸した状態に維持し、流体をテスト・ストリップ34に供給する)。
【0055】
サンプルパッド32のサンプル受け入れ部32A上の流体サンプルは、ゆっくりした速度でピンチ壁45Aの下を滲み出して、サンプルパッド部分32Cに浸み込む。先に述べたように、流体は、ピンチ壁45Bの下で(即ち、サンプルパッド部分32Aから32Bへ)は速く流れて、ピンチ壁45Aの下で(即ち、サンプルパッド部分32Aから32Cへ)はゆっくり流れる。結果的に、ピンチ壁45Aは「越流弁」として作動し、サンプルパッド部分32A上の過剰な流体が、テスト・ストリップ34から離れる方向に(即ち、サンプルパッド部分32Cへ)送られる。この作用は、テスト・ストリップ34が溢れるのを防ぐ。これは、テスト・ストリップ34上の流体は、過剰になると、(a)テスト・ストリップの上部又は底部表面又は縁部に沿って、又は(b)テスト・ストリップから出て、の何れかでカートリッジ30の他の内側部分に入る望ましくない毛管迂回流れを引き起こしかねないことを考えると、特に好都合である。
【0056】
各ピンチ壁部45Aと45Bの利点は、最初に流体をテスト・ストリップ34に向けることによって、テスト・ストリップ34を十分に浸して、樋の中の拡散吸収試薬を安定し制御された状態で放出できるようにすることである。この様に試薬を安定し制御された状態で放出すると、分析を極めて高い精度で行うことができる。ピンチ壁45Aと45Bは、協働してサンプルパッド32の部分32Bを十分に浸された状態に維持し、テスト・ストリップ34に供給する。これによって、十分なサンプルが確実に供給され、テスト・ストリップ34のセルロースアセテート部34Bからラテックスが安定して完全に放出され、その後、ラテックスが放出されてしまうと、越流手段によってテスト・ストリップ34の過剰に浸された状態が制御される。過剰に浸されたテスト・ストリップは、光り易く、その反射率を読み取る際に、ノイズの多い結果をもたらす。本発明は、この問題を克服又は相当に低減する。
【0057】
各種の随意的な実施形態では、支持リブ24又は26は、テスト・ストリップ34の様々な重複部を横切って非均一に締め付けて、流れを樋の縁部又は樋の中間部に向けるように形状が定められている。
【0058】
各種代表的な実施形態では、テスト・ストリップ34は、血液サンプルと反応して、血液サンプル内の選択した検体の量と相関関係のある物理的に検出可能な変化を生み出す試薬を備えている。テスト・ストリップ上の試薬は、血液サンプルと反応して、ヘモグロビンAlc(HbAlc)の濃度を表示するのが最も望ましい。ヘモグロビン検出システムの例は、米国特許第5,837,546号及び第5,945,345号に記載されており、それら全体を参考文献としてここに援用する。しかしながら、本発明は、その様な試薬及び反応を使用するのに限定されるものではないと理解頂きたい。他の分析の可能性も考えられ、全てが本発明の範囲に含まれるものとする。
【0059】
本発明の或る別の随意的な態様では、カートリッジ30のハウジング内に防湿バリヤ(moisture barrier)が設けられている。これは、図4に、孔21を覆う防湿バリヤとして点線で示されている。随意の防湿バリヤ60は、水分がカートリッジ30のハウジングに入るのを防ぎ、且つ、テスト・ストリップ34Cと34Dの光学的呼掛が通過できるようにしている。随意的な態様では、防湿バリヤ60は、特定の波長の光をフィルタリング(filter out)して、光学的呼掛性能を更に高めている。防湿バリヤを備えた密閉式カートリッジ30を使用すると、装置内に乾燥剤を配置する必要が無くなる。
【符号の説明】
【0060】
30 使い捨てカートリッジ
32 サンプルパッド
34 テスト・ストリップ
45 ピンチ壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
側方流分析テスト・ストリップ内の流体の流れを制御するための構造において、
側方流分析テスト・ストリップと、
前記側方流分析テスト・ストリップに当接しているサンプルパッドと、
流体の流れを、前記サンプルパッドから前記側方流分析テスト・ストリップへ向かわせるように配置されているピンチ壁とを備えている、構造。
【請求項2】
前記ピンチ壁は、
前記サンプル受け入れパッドの前記サンプル受け入れ部を、前記テスト・ストリップに隣接して配置されている前記サンプルパッドの部分から分離している第1部分と、
前記サンプルパッドの前記サンプル受け入れ部を、前記テスト・ストリップから遠くに配置されている前記サンプルパッドの部分から分離している第2部分と、を備えており、
前記ピンチ壁の前記第1部分は、前記サンプル受け入れパッドを、前記サンプル受け入れパッドの前記第2部分ほどには圧縮しない、請求項1に記載の構造。
【請求項3】
前記ピンチ壁の前記第1及び第2部分は、前記サンプル受け入れパッドの前記サンプル受け入れ部を一体に連続して取り囲んでいる、請求項1に記載の構造。
【請求項4】
前記ピンチ壁は、前記サンプルパッド上に受け入れられた流体が、前記サンプル受け入れパッドの前記サンプル受け入れ部から、前記テスト・ストリップに隣接して配置されている前記サンプルパッドの前記部分に優先して流れ、前記サンプル受け入れパッドの前記サンプル受け入れ部から、前記テスト・ストリップから遠くに配置されている前記サンプルパッドの前記部分にはそれほど流れないように、前記サンプル受け入れパッドを圧縮する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記ピンチ壁は、前記サンプルパッド上に受け入れられた流れを優先して前記テスト・ストリップに向かわせ、前記サンプルパッド上に受け入れられた過剰な流れを前記テスト・ストリップから外にそれ程には向かわせないように配置されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
流れをテスト・ストリップに送る一方で前記テスト・ストリップからの毛管流れを防ぐように作られた側方流分析テスト・ストリップ支持システムにおいて、
側方流分析テスト・ストリップと、
前記テスト・ストリップの上に配置されている上部支持構造と、
前記テスト・ストリップの下に配置されている底部支持構造とを備えており、
前記上部支持構造及び底部支持構造はそれぞれ、前記テスト・ストリップの長さに沿って配置された複数の独立し間隔を空けて設けられた支持リブを備えている、支持システム。
【請求項7】
前記支持リブは、前記テスト・ストリップを横断して伸張している、請求項6に記載の支持システム。
【請求項8】
前記上部又は底部支持構造の前記複数の支持リブは、それぞれ、前記テスト・ストリップの側部を越えて伸張することのない台である、請求項6に記載の支持システム。
【請求項9】
前記支持リブの少なくとも1つは、更に、
何れの側にも窪みを備えている、請求項6に記載の支持システム。
【請求項10】
前記テスト・ストリップと前記上部及び底部支持構造は、全てハウジングのチャンバ内に配置されており、前記チャンバは、前記テスト・ストリップを取り囲んでいるが、前記テスト・ストリップの側部は前記チャンバの側部に接触していない、請求項6に記載の支持システム。
【請求項11】
前記ハウジングは使い捨てカートリッジである、請求項10に記載の支持システム。
【請求項12】
前記側方流分析テスト・ストリップ支持システムは、一回使用の使い捨て計器内に配置されている、請求項6に記載の支持システム。
【請求項13】
前記上部又は底部支持構造何れかの前記複数の支持リブは、それぞれ、前記チャンバの側部に接触しない台である、請求項10に記載の支持システム。
【請求項14】
前記支持リブは、前記テスト・ストリップの側部に接触していない、請求項6に記載の支持システム。
【請求項15】
前記テスト・ストリップは、第1材料で作られた第1部分と、第2材料で作られた第2部分を備えており、前記第1部分の端部は前記第2部分の端部に重なっている、請求項6に記載の支持システム。
【請求項16】
前記支持リブの少なくとも1つは、前記テスト・ストリップの前記第1部分と前記第2部分の前記重なっている端部を押し付けて、互いに接触させるように配置されている、請求項15に記載の支持システム。
【請求項17】
前記上部支持構造からの前記支持リブの1つと、前記底部支持構造からの前記支持リブの1つは、前記テスト・ストリップの前記第1及び前記第2部分の前記重なっている端部の互いに反対側に配置されている、請求項16に記載の支持システム。
【請求項18】
前記側方流分析テスト・ストリップは、
第1部分と、
前記第1部分と重なって接触している第2部分と、
前記第2部分と重なって接触している第3部分と、を備えている、請求項15に記載の支持システム。
【請求項19】
前記第1部分はセルロースアセテートで作られており、前記第2部分はニトロセルロースで作られており、前記第3部分はナイロンで作られている、請求項18に記載の支持システム。
【請求項20】
側方流分析テスト・ストリップ内の流体の流れを制御するための構造において、
第1材料で作られた第1部分と第2材料で作られた第2部分とを有しており、前記第1部分の端部が前記第2部分の端部に重なっている、側方流分析テスト・ストリップと、
前記側方流分析テスト・ストリップの前記第1部分と前記第2部分の重なっている端部を横切って伸張している第1支持リブと、
前記側方流分析テスト・ストリップの前記第1部分と前記第2部分の重なっている端部の反対側を横切って伸張している第2支持リブとを備えている、構造。
【請求項21】
サンプル受け入れパッドから側方流分析テスト・ストリップへの流体の流れを制御するための構造において、
側方流分析テスト・ストリップと、
前記側方流分析テスト・ストリップに当接するサンプルパッドと、
流体の流れを、前記サンプルパッドから前記側方流分析テスト・ストリップへ向かわせるように配置されているピンチ壁と、
前記テスト・ストリップの上に配置されている上部支持構造と、
前記テスト・ストリップの下に配置されている底部支持構造とを備えており、
前記上部支持構造及び底部支持構造はそれぞれ、前記テスト・ストリップの長さに沿って配置された複数の独立し間隔を空けて設けられた支持リブを備えている、構造。
【請求項22】
前記ピンチ壁は、
前記サンプル受け入れパッドの前記サンプル受け入れ部を、前記テスト・ストリップに隣接して配置されている前記サンプルパッドの部分から分離している第1部分と、
前記サンプルパッドの前記サンプル受け入れ部を、前記テスト・ストリップから遠くに配置されている前記サンプルパッドの部分から分離している第2部分と、を備えており、
前記ピンチ壁の前記第1部分は、前記サンプル受け入れパッドを、前記サンプル受け入れパッドの前記第2部分ほどには圧縮しない、請求項21に記載の構造。
【請求項23】
流体検体計内で使用するための使い捨てカートリッジにおいて、
光学呼掛孔を有するハウジングと、
前記ハウジング内のサンプル受け入れパッドと、
前記光学呼掛孔に隣接している前記ハウジング内の側方流分析テスト・ストリップであって、前記サンプル受け入れパッドと接触している、側方流分析テスト・ストリップと、
前記ハウジング内の防湿バリヤであって、水分が前記ハウジングに進入するのを防ぎ、前記光学呼掛孔を覆っていて、前記光学呼掛孔を通して前記テスト・ストリップの光学呼掛を許容する、防湿バリヤとを備えている、使い捨てカートリッジ。
【請求項24】
前記防湿バリヤは、光の波長をフィルタリングして光学呼掛性能を高める、請求項23に記載の使い捨てカートリッジ。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−203267(P2011−203267A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−121324(P2011−121324)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【分割の表示】特願2007−511573(P2007−511573)の分割
【原出願日】平成17年5月4日(2005.5.4)
【出願人】(503106111)バイエル・ヘルスケア・エルエルシー (154)
【Fターム(参考)】