側溝用ブロック及びその上面開口部の形成方法
【課題】 ブロック上面における排水能力に優れるとともに、道路景観を向上させ、且つ、安全性を考慮した上面にスリット状開口部を有する側溝用ブロック及びその上面開口部の形成方法を提供する。
【解決手段】 内部に長手方向に沿う排水路4を有するブロック本体2の上面3を、長手方向と直交する幅方向に向けた傾斜面となし、該傾斜面をなす上面3の低部側端部3a近傍に長手方向に沿うスリット状の開口部5を断続又は連続して設け、該開口部5の全体、又は上記上面3に開口する略垂直状の上部開口部5aに連続する下部開口部5bを排水路4側に向けて斜降状をなして排水路4と連通することで側溝用ブロック1を形成する。
【解決手段】 内部に長手方向に沿う排水路4を有するブロック本体2の上面3を、長手方向と直交する幅方向に向けた傾斜面となし、該傾斜面をなす上面3の低部側端部3a近傍に長手方向に沿うスリット状の開口部5を断続又は連続して設け、該開口部5の全体、又は上記上面3に開口する略垂直状の上部開口部5aに連続する下部開口部5bを排水路4側に向けて斜降状をなして排水路4と連通することで側溝用ブロック1を形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、路上の雨水等、表面水を排水するために道路の路側や中央分離帯、歩車道の境界等に沿って道路に埋設される側溝用ブロック及びその上面開口部の形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の側溝用ブロックは、例えば内部に長手方向に沿う排水路を有するブロック本体の上面に、排水路の頂部に連通するスリット状の開口部が長手方向と直交する幅方向の略中央部に長手方向にわたって設けられ、且つ上記上面が幅方向の両端部から開口部に向かう下り勾配の傾斜面となされ、上記上面の開口部がそのまま開放されていたり、或いは開口部にグレーチングや有孔板等の通水用蓋が嵌め込まれ、路上の表面水がブロック本体上面に沿って開口部に導かれ、該開口部を介して内部の排水路に排水されるようになされている。
【特許文献1】 特開2000−355969号公報
【特許文献2】 特開2002−339444号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、かかる従来の側溝用ブロックは、スリット状の開口部がブロック本体上面の幅方向略中央部に設けられているため、横断勾配が付される道路幅員方向の端部に埋設施工されると、前記開口部から幅方向外側の傾斜面の勾配が上記道路横断勾配と逆勾配になってしまい、一連方向の排水勾配によって表面水を効率よく処理するという構造要件からすると、余り好ましいものではなかった。
又、道路幅員がブロック本体の全幅を含んで広くなされても、ブロック本体の幅員方向端部との間に上記傾斜面を介して手前に表出する前記開口部が目立ち、路面が区分されてすっきりと広く見えず、昨今の都市景観が重要視される中、道路景観面からも未だ不十分な問題点があった。
【0004】
又、開口部がブロック本体上面の幅方向略中央部に設けられていることから、上面開口部に蓋がある場合には、蓋が走行車両のタイヤによって踏まれやすく、その結果蓋ががたついて騒音を発したり、又、開口部から浮き上がったり、外れたり、損傷したり、或いはこれらに起因する事故が発生する危険性があるとともに、これらの防止対策を十分施しておく必要があり面倒であった。又、歩車道境界部で縁石を隣接させて側帯を構成するべく埋設施工された場合には、例えば歩行者が縁石を乗り越えて側帯(車道側)に足を踏み入れた際等、丁度着地位置付近に開口部が位置することとなって、開口部や蓋を踏んで靴の踵が引掛かったり、蓋上で滑ったり、或いは開口部や蓋につまずいたりする恐れがあり、安全性の面でも不十分な問題点があった。
本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、ブロック上面における排水能力に優れるとともに、道路景観を向上させ、且つ、安全性を考慮した上面にスリット状開口部を有する側溝用ブロック及びその上面開口部の形成方法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明の側溝用ブロックは、内部に長手方向に沿う排水路4を有するブロック本体2の上面3が、長手方向と直交する幅方向に向けた傾斜面となされ、該傾斜面をなす上面3の低部側端部3b近傍に長手方向に沿うスリット状の開口部5が断続又は連続して設けられ、該開口部5の全体、又は上記上面3に開口する略垂直状の上部開口部5aに連続する下部開口部5bが排水路4側に向けて斜降状をなして排水路4と連通されてなるものである。
【0006】
又、本発明の側溝用ブロックは、上記側溝用ブロックにおいて、ブロック本体2の上面3に開口部5と略並列状に長手方向に沿う流入孔5′が少なくとも1個設けられ、該流入孔5′が略垂直状をなして開口部5の排水路4側に向けて斜降状をなす部分に連通されてなる構成を採用することができる。
【0007】
又、本発明の側溝用ブロックは、上記流入孔5′を有する側溝用ブロックにおいて、流入孔5′がその開口基部5c′の長手方向一端又は両端に該長手方向に沿う導水溝5d′を連通して形成されるとともに、該導水溝5d′の底部が開口基部5c′側に向かって下降する傾斜面5e′となされ、上記開口基部5c′が開口部5,5bに連通されてなる構成を採用することができる。
【0008】
又、本発明の側溝用ブロックは、上記各側溝用ブロックにおいて、開口部5,5bが排水路4の底部から少なくとも所定高さh以上の位置で排水路4と連通されてなる構成を採用することができる。
【0009】
又、本発明の側溝用ブロックは、上記各側溝用ブロックにおいて、開口部5が上部開口部5aと下部開口部5bとからなり、上部開口部5aがその開口基部5cの長手方向一端又は両端に該長手方向に沿う導水溝5dを連通して形成されるとともに、該導水溝5dの底部が開口基部5c側に向かって下降する傾斜面5eとなされ、上記開口基部5cに下部開口部5bが連通されてなる構成を採用することができる。
【0010】
又、本発明の側溝用ブロックは、上記各側溝用ブロックにおいて、開口部5,5a、流入孔5′の上端縁の一部又は全体が段状をなすべく、上面3から凹陥する凹段部5fがその上端外側に連設されてなる構成を採用することができる。
【0011】
又、本発明の側溝用ブロックの上面開口部の形成方法は、外枠22両側の妻枠30間に排水路4形成用の内枠21が横架された上面開口型の型枠20内にコンクリート材料26を充填して側溝用ブロック1を製造するに際し、該側溝用ブロック1の上面3を形成する外枠22の底部型板23に、その端部近傍に長手方向に沿って上部開口部5a形成用の略垂直状の第一中子24を介して下部開口部5b形成用の第二中子25をその先端を内枠21に向けて上向き傾斜状に接続するとともに、上記先端を内枠21表面に近接させ、上記コンクリート材料26の硬化後に、第一、第二中子24,25を残して妻枠30、内枠21、外枠22及び底部型板23を脱型し、側溝用ブロック1内に残存せる第一中子24を底部型板23が存した側に外した後第二中子25を内枠21が存した側に外すか、又は、第一中子24を底部型板23側に外し、第二中子25を残して妻枠30、内枠21、外枠22及び底部型板23を脱型し、側溝用ブロック1内に残存せる第二中子25を内枠21が存した側に外すか、又は、第二中子25を残して妻枠30、内枠21、外枠22及び底部型板23とこれに固着した第一中子24を脱型した後、側溝用ブロック1内に残存せる第二中子25を内枠21が存した側に外すことを特徴とするものである。
【0012】
又、本発明の側溝用ブロックの上面開口部の形成方法は、外枠22両側の妻枠30間に排水路4形成用の内枠21が横架された上面開口型の型枠20内にコンクリート材料26を充填して側溝用ブロック1を製造するに際し、該側溝用ブロック1の上面3を形成する外枠22の底部型板23に、その端部近傍に長手方向に沿って上部開口部5a形成用の略垂直状の第一中子24及び第三中子31を介して下部開口部5b形成用の第二中子25をその先端を内枠21に向けて上向き傾斜状に接続するとともに、上記先端を内枠21表面に近接させ、上記コンクリート材料26の硬化後に、第二、第三中子25,31を残して妻枠30、内枠21、外枠22及び底部型板23とこれに固着した第一中子24を脱型し、側溝用ブロック1内に残存せる第二、第三中子25,31を内枠21が存した側に外すか、又は、第一、第二、第三中子24,25,31を残して妻枠30、内枠21、外枠22及び底部型板23を脱型し、側溝用ブロック1内に残存せる第一中子24を底部型板23が存した側に外した後、第二、第三中子25,31を内枠21が存した側に外すか、又は、第一中子24を底部型板23側に外し、第二、第三中子25,31を残して妻枠30、内枠21、外枠22及び底部型板23を脱型し、側溝用ブロック1内に残存せる第二、第三中子25,31を内枠21が存した側に外すことを特徴とするものである。
【0013】
又、本発明の側溝用ブロックの上面開口部の形成方法は、外枠22両側の妻枠30間に排水路4形成用の内枠21が横架された上面開口型の型枠20内にコンクリート材料26を充填して側溝用ブロック1を製造するに際し、該側溝用ブロック1の上面3を形成する外枠22の底部型板23に、その端部近傍に長手方向に沿って上部開口部5a形成用の略垂直状部32aを介して下部開口部5b形成用の傾斜状部32bが連設されてなる入れ子32、又は、底部型板23の端部近傍に長手方向に沿って上部開口部5a形成用の略垂直状部32aを介して下部開口部5b形成用の傾斜状部32bが連設されるとともに、略垂直状部32aに並列して底部型板23に接続すべき流入孔5′形成用の起立部32cが傾斜状部32bに連設されてなる入れ子32′を、その傾斜状部32bの先端を内枠21に向けて上向き傾斜状として接続するとともに、上記先端を内枠21表面に近接させ、上記コンクリート材料26の硬化後に、入れ子32又は32′を残して妻枠30、内枠21、外枠22及び底部型板23を脱型した後、側溝用ブロック1内に残存せる入れ子32又は32′を除去することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の側溝用ブロックは、ブロック本体の幅方向に傾斜面をなす上面の低部側端部近傍に長手方向に沿うスリット状の開口部が設けられているため、横断勾配が付されてなる道路幅員方向の端部に埋設施工された際、ブロック本体の上面低部側端部が、上記道路横断勾配と一連方向の勾配を有する前記傾斜面に連なって道路幅員方向の最端部に位置され、これに伴い開口部が道路幅員の最端部近傍、即ち、道路面とブロック本体の上面が一連方向の勾配をもって連設されることで表面水が流下集積する下り斜面の終点近傍に位置されて排水効率がよいとともに、開口部が目立たず、道路幅がすっきり広く見え、道路景観を向上させることができ、排水性及び都市景観を重視する場所等に好適に使用できる。
【0015】
又、上面の開口部が道路幅員方向の最端部付近に位置されることから、開口部が走行車両のタイヤに踏まれず、破損、損傷等することがなく、又、開口部に蓋が嵌め込まれても、蓋が走行車両のタイヤに踏まれるようなことがなく、従来のような蓋のがたつき、浮き上がり、外れ、損傷、或いはこれらに起因する事故発生の危険性等がなく、更に、歩車道境界部で縁石を隣接させて側帯を構成するべく埋設施工された場合にも、上面開口部が道路幅員方向の最端部付近で縁石のすぐ傍に位置されるため、歩行者が縁石を乗り越えて側帯(車道側)に足を踏み入れた際等、開口部や蓋を跨ぎ切ってこれらを踏まず、従来のように靴が引掛かったり、滑ったり、或いはつまずく恐れがなく、人及び車両に対する安全性を向上させることができる。
又、開口部の全体又はその下部開口部が排水路側に向けて斜降状をなして排水路と連通されているため、ブロック本体の上面に沿ってその低部側端部に片寄って流下集積せる表面水を、開口部内を経由させ排水路に向けて速やかに導くことができ、更に、開口部の上部開口部が略垂直状となされている場合には、上記表面水が上面から上部開口部内へ落下、流入する際の抵抗並びに損失を少なくせしめて表面水を上部開口部内に速やかに流下、流入させることができ、排水効率が更に高められる。
【0016】
又、本発明の側溝用ブロックは、ブロック本体の上面に開口部と略並列状に長手方向に沿う流入孔が少なくとも1個設けられ、該流入孔が略垂直状をなして開口部の排水路側に向けて斜降状をなす部分に連通されているため、上記した開口部の排水効果に加え、更に略垂直状の流入孔によってブロック本体上面の表面水を抵抗なく速やかに開口部内へ落下、流入させることができ、排水効率をより一層向上させることができる。
【0017】
又、本発明の側溝用ブロックは、流入孔がその開口基部の長手方向一端又は両端に該長手方向に沿う導水溝を連通して形成されるとともに、該導水溝の底部が開口基部側に向かって下降する傾斜面となされ、上記開口基部が開口部に連通されているため、導水溝によってブロック本体上面での流入孔の開口長さを長く、又、開口面積を広くして表面水の集水及び排水効率を更に高め、且つ、ブロック本体の長手方向において、上面での流入孔の開口長さよりも開口部と連通する孔本体をなす開口基部の長さを短くすることで、開口基部の占有割合を少なくして、流入孔を設けることによる断面欠損、強度損失を極力抑え、上載荷重が加わっても上面を構成する頂板やブロック本体の亀裂、破損等の発生防止を図ることができる。
【0018】
又、本発明の側溝用ブロックは、開口部の全体又はその下部開口部が排水路側に向けて斜降状をなして排水路の底部から少なくとも所定高さ以上の位置で排水路と連通されているため、排水路内における許容水深を上記所定高さ以下に設定可能となし、排水路内の流水を排水路に開口する開口部又は下部開口部の斜降側末端と接触させずに、流下損失、抵抗が伴うことなく排出でき、排水路内での排水性を損なうようなことがない。
更に、排水路内の流水が開口部又は下部開口部を逆流して上面側に噴出することを未然に防止できる。
【0019】
又、本発明の側溝用ブロックは、上部開口部がその開口基部の長手方向一端又は両端に該長手方向に沿う導水溝を連通して形成されるとともに、該導水溝の底部が開口基部側に向かって下降する傾斜面となされ、上記開口基部に下部開口部が連通されているため、導水溝によってブロック本体上面での開口長さを長く、又、開口面積を広くなされた上部開口部が表面水の集水及び排水効率を更に高め、且つ、上部開口部の開口基部に、該開口基部の長さとその長さを略合致せしめて下部開口部が連通されることで、ブロック本体の長手方向に沿う上部開口部の長さよりも導水溝の長さを含まない分だけ下部開口部の長さが短くなり、ブロック本体の長手方向において排水路と連通する開口部の占有割合を少なくして、開口部を設けることによる断面欠損、強度損失を極力抑え、上載荷重が加わっても上面を構成する頂板やブロック本体の亀裂、破損等の発生防止を図ることができる。
【0020】
又、本発明の側溝用ブロックは、開口部、流入孔の上端縁の一部又は全体が段状をなすべく、上面から凹陥する凹段部がその上端外側に連設されてなるため、上面において排水路と連通する開口部、開口部に連通する流入孔の開口度合を増大させることなく、その上縁で凹段部が集水域を広めると同時に、上面と開口部や流入孔との間で段状を呈することで上面の低部側端部近傍に集積する表面水に対して漏斗作用を奏し、開口部や流入孔内への表面水の流入、落下を促進せしめて排水効率を一層高めることができる。
更に、凹段部は上記導水溝と同様に、ブロック本体の上面に対する断面欠損、強度損失が小さいため、その強度維持に寄与することができる。
【0021】
又、本発明の側溝用ブロックの上面開口部の形成方法は、側溝用ブロックの上面を形成する外枠の底部型板に、その端部近傍に長手方向に沿って上部開口部形成用の略垂直状の第一中子を介して下部開口部形成用の第二中子をその先端を内枠に向けて上向き傾斜状に接続するとともに、上記先端を内枠表面に近接させ、型枠内のコンクリート材料の硬化後に、第一、第二中子を残して妻枠、内枠、外枠及び底部型板を脱型し、側溝用ブロック内に残存せる第一中子を底部型板が存した側に外した後第二中子を内枠が存した側に外すか、又は、第一中子を底部型板側に外し、第二中子を残して妻枠、内枠、外枠及び底部型板を脱型し、側溝用ブロック内に残存せる第二中子を内枠が存した側に外すか、又は、第二中子を残して妻枠、内枠、外枠及び底部型板とこれに固着した第一中子を脱型した後、側溝用ブロック内に残存せる第二中子を内枠が存した側に外すため、側溝用ブロックの上面にその長手方向に開口して内部の排水路に連通する屈曲した開口部、即ち、互いに方向性を異にする2つの開口の各先端が連結されて屈曲状を呈する開口部を、側溝用ブロックの製造時に無理なく容易に形成できるとともに、その形成時における作業性を向上させることができる。
更に、第二中子の先端は、内枠表面と当接することなくその表面に近接させるため、その上位に横架せる内枠と衝突等して位置ずれや損傷、破損することがなく、安定形状の下部開口部を常時形成できる。
【0022】
又、本発明の側溝用ブロックの上面開口部の形成方法は、側溝用ブロックの上面を形成する外枠の底部型板に、その端部近傍に長手方向に沿って上部開口部形成用の略垂直状の第一中子及び第三中子を介して下部開口部形成用の第二中子をその先端を内枠に向けて上向き傾斜状に接続するとともに、上記先端を内枠表面に近接させ、型枠内のコンクリート材料の硬化後に、第二、第三中子を残して妻枠、内枠、外枠及び底部型板とこれに固着した第一中子を脱型し、側溝用ブロック内に残存せる第二、第三中子を内枠が存した側に外すか、又は第一、第二、第三中子を残して妻枠、内枠、外枠及び底部型板を脱型し、側溝用ブロック内に残存せる第一中子を底部型板が存した側に外した後、第二、第三中子を内枠が存した側に外すか、又は、第一中子を底部型板側に外し、第二、第三中子を残して妻枠、内枠、外枠及び底部型板を脱型し、側溝用ブロック内に残存せる第二、第三中子を内枠が存した側に外すため、上記形成方法と同様に、側溝用ブロックの上面にその長手方向に開口して内部の排水路に連通する屈曲した開口部を、側溝用ブロックの製造時に無理なく容易に形成でき、その形成時の作業性の向上を図ることができ、第二中子の先端を内枠表面と当接することなくその表面に近接させるため、その上位に横架せる内枠と衝突等して位置ずれや損傷、破損することがなく、安定形状の下部開口部を常時形成できる。
更に、側溝用ブロックの上部開口部を略垂直状の第一中子及び第三中子によって、又、下部開口部を第二中子によって形成することで中子を小分けにして脱型に際して順次中子を外すため、脱型時における側溝用ブロックの開口部の損傷を防止でき、製造する側溝用ブロックの品質向上を図ることができる。
【0023】
又、本発明の側溝用ブロックの上面開口部の形成方法は、側溝用ブロックの上面を形成する外枠の底部型板に、その端部近傍に長手方向に沿って上部開口部形成用の略垂直状部を介して下部開口部形成用の傾斜状部が連設されてなる入れ子、又は、底部型板の端部近傍に長手方向に沿って上部開口部形成用の略垂直状部を介して下部開口部形成用の傾斜状部が連設されるとともに、略垂直状部に並列して底部型板に接続すべき流入孔形成用の起立部が傾斜状部に連設されてなる入れ子を、その傾斜状部の先端を内枠に向けて上向き傾斜状として接続するとともに、上記先端を内枠表面に近接させ、型枠内のコンクリート材料の硬化後に、入れ子を残して妻枠、内枠、外枠及び底部型板を脱型した後、側溝用ブロック内に残存せる入れ子を除去するため、上記形成方法と同様に、側溝用ブロックの上面にその長手方向に開口して内部の排水路に連通する屈曲した開口部、又は、該開口部に上記長手方向の開口に並列せる流入孔を付加してなる開口部を、側溝用ブロックの製造時に無理なく容易に形成でき、その形成時の作業性の向上が図れ、入れ子の先端を内枠表面と当接することなくその表面に近接させるため、その上位に横架せる内枠と衝突等して位置ずれや損傷、破損することがなく、安定形状の下部開口部を常時形成できる。
更に、側溝用ブロックの開口部、流入孔を形成すべく、略垂直状部に傾斜状部が連設されるか、又は上記傾斜状部に更に起立部が連設されてなる入れ子を用い、型枠からの脱型後、側溝用ブロック内に残存せる入れ子を除去するために、入れ子の材質を適宜選択することで、通常中子(繰り返し再使用する中子で、剛体からなるもの)では成形不能な形状(例えて、開口先端寸法に対してその奥部寸法が拡開した所謂アリ溝形状、逆勾配形状等)をも形成でき、成形形状が制約を受けないという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の側溝用ブロックの一実施の形態を示し、1は本実施形態の側溝用ブロックであって、横長状のコンクリート製ブロック本体2の内部に長手方向にわたって断面円形状の排水路4が貫設され、ブロック本体2の上面3が長手方向と直交する幅方向に向けた傾斜面となされ、該傾斜面をなす上面3の低部側端部3a近傍に、長手方向に沿ってスリット状の開口部5が断続して2箇所に設けられ、図1(ホ)に示す如く、開口部5の上記上面3に開口する略垂直状をなす上部開口部5aに連続された下部開口部5bが、排水路4側に向けて斜降状をなして排水路4の底部から所定高さh以上の位置、例えば本実施形態の場合には底部から頂部までの全体の約8割の高さ以上の位置で排水路4と連通されてなる。
【0025】
上記傾斜面をなす上面3は、図1(ホ)に示すように、詳しくは、幅方向の高部側端部3bから開口部5までが下り勾配の傾斜面となされ、開口部5から低部側端部3aまでが若干上り勾配の傾斜面となされ、開口部5が上面3の最低部に位置され、上面3の幅方向に沿って路面の雨水等、表面水を開口部5に導くべくなされている。
又、図2(イ)乃至(ニ)に示すように、開口部5は上部及び下部開口部5a,5bからなり、ブロック本体2の上面3にその長手方向に沿って開口する上部開口部5aは、その略中央の開口基部5cの長手方向両端に、該長手方向に沿ってそのまま延びることで上面3から凹陥する導水溝5dが連通されて形成され、開口基部5cの下位に排水路4と連通する下部開口部5bが連通されるとともに、上記導水溝5dの底部が夫々開口基部5c側(下部開口部5b側)に向かって下降する傾斜面5eとなされている。
【0026】
即ち、上部開口部5aは本来の排水用開口部をなす開口基部5cに凹状をなす導水溝5dが連通されることにより、ブロック本体2の上面3での開口長さを長く、又、開口面積を広くして表面水の集水及び排水効率を高めるようになされている。又、上部開口部5aの略中央の開口基部5c下位に、該開口基部5cの長さとその長さを略合致せしめて下部開口部5bが連通されることにより、ブロック本体2の長手方向に沿う上部開口部5aの長さよりも導水溝5dの長さを含まない分だけ下部開口部5bの長さが短くなされ、集水及び排水性を良好に保ちながらもブロック本体2の長手方向において排水路4と連通し、上面3を分割してその幅方向での頂板を片持梁状となす下部開口部5bの占有割合を極力抑え、ブロック本体2、特に、上面3を構成する頂板の十分な強度維持が図られている。
尚、上記図2において、上部開口部5aの開口基部5cの深さ(ブロック本体2の上面3から下部開口部5bの上端までの深さ)がそのままで、導水溝5dの溝深さが浅くなされてもよいし、又、導水溝5dの断面は略凹状、U状等適宜形状であればよいし、開口基部5cの両側の導水溝5dの長さも必ずしも等しくなくともよく、又、その片側にのみ導水溝5dを設けてもよい。
尚又、スリット状と称する上部開口部5aの上面開口幅(長手方向と直交する寸法)も適宜に設定されればよいが、該幅を9〜15mm程度に設定すると、車いすのキャスター、白杖の先端、ハイヒール等が落ち込まず安全上好ましい。
【0027】
又、図1(イ)、(ハ)及び(ニ)に示すように、ブロック本体2は、その長手方向両端面の下位両側に本体部分から突出するフランジ7が夫々設けられ、ブロック本体2の正面側にあるフランジ7部分と、該フランジ7の上下斜め対角線上に位置する本体部分には、ブロック連結用のボルト挿通孔8が設けられ、ボルト、ナット等の挿通とその締結作業を容易にすべくボルト挿通孔8と連設する凹所9が背面側の二方に形成されている。即ち、ブロック本体2は、施工時に排水路4を連通すべくその長手方向の端面同士が止水パッキン等を介して当接され、ボルト、ナット等により連結可能となされている。
【0028】
次に、本実施形態の側溝用ブロック1の施工例について説明すると、図3に示すように、道路幅員方向の端部、即ち、歩道と車道の境界部にあって、ブロック本体2の傾斜面をなす上面3の高部側端部3bが車道側に、又、低部側端部3aが歩道側で縁石12に隣接して埋設施工され、その結果上面3のスリット状の開口部5(上部開口部5a)が車道幅員方向の側帯最端部付近で縁石12のすぐ傍に位置される。勿論上述したように、複数の側溝用ブロック1の排水路4を連通すべく長手方向に隣接するブロック本体2はボルト、ナット等により互いに連結固定される。
【0029】
かかる側溝用ブロック1によれば、上面3の開口部5(上部開口部5a)が車道幅員方向の側帯最端部付近で縁石12のすぐ傍に位置されて目立たないとともに、道路の雨水等、表面水が、道路面に付される横断勾配と一連方向の勾配を有して道路面と連なってなるブロック本体2の上面3の幅方向に向けた傾斜面に沿ってその低部側に導かれて流下集水され、上面3の低部側端部3a近傍に開口する上部、下部開口部5a,5bを介して排水路4内に排水される。
この時、上部開口部5aが略垂直状をなすため、ブロック本体2の上面3上を流下集積した表面水が上部開口部5aの導水溝5d内や直接開口基部5c内へ落下、流入する際の抵抗並びに損失を少なくせしめて表面水の流入を速やかに行わせるとともに、導水溝5d及びその傾斜面5eに沿って下部開口部5b内に導かれて排水効率がよく、通常、上面3は道路縦断勾配に沿いその長手方向に傾斜して施工されるので導水溝5dの導水効果が顕著となる。
又、下部開口部5bが排水路4側に向け斜降状をなして排水路4と連通しているため、傾斜面をなす上面3に沿ってその低部側端部3a方向に片寄って流下集積せる表面水を上部開口部5aから取り込んで排水路4に向けて速やかに排水できる。
更に又、上記下部開口部5bは排水路4の底部から所定高さh以上の位置で排水路4と連通されているため、排水路4内における許容水深を上記所定高さh以下に設定することで、排水路4内の流水を排水路4に開口する下部開口部5bの斜降側末端と接触させずに流下損失、抵抗が伴うことなく排出でき、排水路4内での排水性を損なうことなくスムーズな排水を可能になすとともに、排水路4内の流水が開口部5を逆流して上面3側に噴出することを防止できる。
【0030】
図4は本発明の側溝用ブロックの他実施の形態を示し、本実施形態の側溝用ブロック1は、上記図1に示すものとその外郭形状は略同様であって、開口部5の形状、構造が上記のものと異なるものであり、同様部分は上記の説明を援用し、異なる部分について説明する。
本実施形態の側溝用ブロック1では、図4(ロ)に示すブロック本体2の上面3に長手方向に沿い断続するスリット状の開口部5が、図4(ホ)に示すように、その全体が排水路4側に向けて直線的に斜降状をなして排水路4の底部から所定高さh以上の位置で排水路4と連通されている。
即ち、開口部5はブロック本体2の長手方向と直交する開口幅が上面3から排水路4側に向かって漸次広くなされるとともに、長手方向に沿い所定開口長さを有してその全体が略一様に形成されている。
【0031】
本実施形態の側溝用ブロック1の施工についても図1の実施形態と同様である(図5参照)。又、かかる側溝用ブロック1でも、上記と同様に、側帯における開口部5の存在が目立たず、表面水が上面3の低部側端部3a側に速やかに集水されて該所近傍に開口する開口部5を介して排水路4内に排水され、開口部5は排水路4の底部から所定高さh以上の位置で排水路4と連通されているため、排水路4内での排水性を損なわず、又、上面3側への噴出を防止してスムーズに排水される。
【0032】
尚、本発明の側溝用ブロック1は上記実施形態のものに限定されることなく、本発明の意図する範囲内で種々の設計変更が可能である。
即ち、ブロック本体2は上記形状のものに限定されず、例えば図6(イ)乃至(ヘ)に示す如き外郭形状で排水路4を内在する横長の筒状体等、適宜形状で適宜長さを有し、少なくともその上面3が長手方向と直交する幅方向に向けた傾斜面に形成されていればよく、その傾斜面も上記(開口部5から低部側端部3aまでが上り勾配の傾斜面)以外に、図6(イ)、(ハ)及び(ホ)に示す如き幅一方向全体にわたる一様な傾斜面となされてもよいし、図6(ロ)に示すように(破線部を含む)、低部側端部3aと開口部5間が縁石状をなすべく上方に隆起されその上端面が、開口部5側へ斜降する比較的幅の広い傾斜面や略水平面となされてもよい。
上記ブロック本体2の内部の排水路4の断面形状も、上記実施形態や図6(イ)及び(ロ)に示す如き円形状に限定されず、図6(ハ)及び(ニ)に示す如き方形状、図6(ホ)に示す如き卵形状若しくは縦長だ円形状、図6(ヘ)に示す如き縦長円形状の他、欠円形状、多角形状等、適宜形状となされてもよい。
【0033】
又、開口部5は、その全体が排水路4側に向けて、その傾斜角度を限定することなく斜め真直ぐに斜降状をなして設けられる他、適宜湾曲や屈曲状等に斜降状をなしてもよく、特に上記実施形態や図6(ニ)、(ホ)及び(ヘ)に示すように、上部開口部5aが略垂直状をなし、これに連続する下部開口部5bが斜降状をなしていると、上記したようにブロック本体2の上面を流下した表面水を、流水落下に伴う抵抗及び損失を減衰せしめて上部開口部5a内に効率よく流下、流入させることができ、又、ブロック本体2、特に、上部開口部5aの上端で高部側端部3b側に位置する上面3の端縁が薄肉、鋭角状とならず、強度的な面でも好ましい。
上記斜降状をなす開口部5、下部開口部5bは、排水路4の底部から少なくとも所定高さh以上の位置で排水路4と連通されるのが好ましく、排水路4内が所定の水深(所定高さh以下)まで確保可能でその排水性を損なわなければよいとともに、上記所定高さhも排水路4の大きさや必要な排水量等によって適宜決められればよい。
【0034】
又、開口部5が上部開口部5aと下部開口部5bとからなる場合、上記実施形態では、下部開口部5bの長さがその両側に導水溝5dを有してブロック本体2の長手方向に沿う上部開口部5aの長さの略1/3程になされているが、かかる長さの比率は特に限定するものではなく、排水効率及びブロック本体2の強度面から適宜決められればよい。
又、上記と異なり、上部開口部5aをその導水溝5dをなくして略垂直状をなす開口基部5cのみとなし、これに傾斜状をなす下部開口部5bを連通して開口部5全体を屈曲状、即ち、上部開口部5aと下部開口部5bの上記長手方向に沿う長さを等しく一様となして開口部5全体を屈曲状としてもよい。
【0035】
又、開口部5は、ブロック本体2の傾斜面をなす上面3の低部側端部3a近傍や該低部側端部3a側に沿う縁石状等、隆起部の上面3との付根部近傍に長手方向に沿って設けられればよく、上記実施形態と図6(ロ)、(ニ)及び(ヘ)に示す如く上面3の最低部に位置されるのが排水性の面で好ましいが、図6(イ)、(ハ)及び(ホ)に示す如く一様な傾斜面の途中でその最低部(低部側端部3a)近傍に位置されてもよい。
更に、開口部5は、ブロック本体2の強度面から、長手方向に沿って断続して設けられるのが好ましい。例えば、図1(ロ)に示す如く長手方向に沿う開口部5と該開口部5間の閉塞部の長さが略等しくてもよいし、或いは開口部5に比し上記閉塞部の長さが長くてもよいし、或いは図7(イ)に示す如く逆に開口部5に比し閉塞部が短くて上記よりも開口部5の数が増えてもよく、いずれにしても排水性とブロック本体2、特に、上面3を構成する頂板の強度を考慮して、長手方向に適宜長さを有する開口部5が適宜間隔をあけて断続的に設けられればよい。
尚、開口部5は上記断続的な配置に限定されず、上面3を構成する頂板の強度が向上されることで、上面3の長手方向の全長又は図7(ロ)に示す如く略全長にわたって連続して設けられてもよい。
更に、上、下部開口部5a,5bからなる開口部5は、図7(ホ)に示す如く、上面3の長手方向に隣接する上部開口部5aどうしが直列状に連結されることにより、2個の開口部5が合体されて1個の開口部5が形成されてもよい。
【0036】
又、上面3の開口部5は前記スリット状(狭幅)で開放状態のままでもよいし、例えば図8(イ)に示す如く、開口部5(上部開口部5a)の相対する開口縁部に夫々凹状の蓋受部14を設け、開口部5に沿う細長状の通水用蓋10の両縁部を蓋受部14で支持してもよく、又、上記通水用蓋10としては、多数の透孔10aが穿設されてなる細長状有孔板や格子蓋、グレーチング等、適宜形状や構造のものが使用されればよい。
尚、断続又は連続する1つの開口部5が長手方向に長い場合等、通水用蓋10に代えて、上面3を構成する頂板の強度を保持、補強するための部材が、長手方向の適宜箇所で蓋受部14に支持されて相対する開口縁部間に設けられたり、或いは開口部5が開放状態で、その開口縁部間等に幅方向にわたる部材が、予めブロック本体2と一体をなして長手方向の適宜箇所に横架、植設されてもよく、これらの場合には開口部5の形成により分割された上面3(頂板)の連続性を回生でき、外力等が加わっても上記部材が有効に作用して上面3の強度保全を図ることができる。
【0037】
又、上面3における開口部5の形態は前記スリット状、即ち、一定の狭幅状であってもよいし、例えば図9及び図10に示すように、スリット状の開口部5,5aの上端縁の長手方向両末端部が段状をなすべく、上面3から凹陥する凹段部5fがその末端部外側に平面視略円形を呈して連設されてもよい。
しかして、上記凹段部5fは、本来の集排水孔をなす開口部5,5aの上端縁でその外側に膨出して上面3と連なる段状を形成するため、上面3における開口部5,5aの開口度合を増大させることなく、その上縁で上記凹段部5fが集水域を広めると同時に、上面3と開口部5,5aとの間で段状を形成することで、上面3上で凹段部5fの周辺に集積する表面水に対して上記段状が漏斗作用を奏し、開口部5,5a内への表面水の流入、落下を促進せしめて排水効率を一層高めることができる。
更に又、凹段部5fは上面3の最低部に臨み、ブロック本体2の長手方向に沿う開口部5,5aの両端部で平面視略円形に膨出して凹陥するため、開口部5,5aの集水作用、詳しくは、ブロック本体2の長手方向と直交若しくは適宜角度をなして斜めに道路面から上面3へ流入する表面水の集水作用に加えて、上面3の最低部近傍に集積して該所を長手方向に沿って流下する表面水をも上記凹段部5fで幅広く捕えてその漏斗作用をもって開口部5,5aへ効率よく流入、落下させることができる。
尚又、凹段部5fは、前記導水溝5dと同様に、ブロック本体2の上面3に対する断面欠損、強度損失が小さいために、その強度維持に寄与することができる。
【0038】
又、上記凹段部5fの平面形状及び連設位置は一例で適宜であればよく、例えて図11(イ)乃至(ニ)に示すように、開口部5,5aに対して単独的、連続的又は断続的、或いは対称的又は非対称的に種々平面形状の凹段部5fを連設してもよいし、図8(ロ)に示すように、通水用蓋10を支持する蓋受部14の上端部に上記凹段部5fを追設できる他、本発明の意図する範囲内で自由に設定可能である。
【0039】
又、ブロック本体2の上面3に形成された上記開口部5に加え、上面3に開口部5と略並列状に長手方向に沿う適宜長さを有する流入孔5′が少なくとも1個設けられ、該流入孔5′が略垂直状をなして開口部5の排水路4側に向けて斜降状をなす部分に連通されてもよく、この場合には流入孔5′によって更に排水効率を高めることができる利点がある。
例えば図12(イ)の左半部及び(ロ)に示すように、上記流入孔5′の形態は、長手方向に沿い開口部5(上部開口部5a)と略同長でスリット状となされ、略垂直状をなして開口部5の下部開口部5bに連通されてもよい。又、図12(イ)の右半部及び(ハ)に示すように、上記流入孔5′の形態は、長手方向に沿い開口部5(上部開口部5a)より短いスリット状、更に短い別のスリット状をなす2個のものが順次開口部5と略並列状に設けられ、各流入孔5′が略垂直状をなして夫々開口部5の下部開口部5bに連通されてもよい。
【0040】
又、図13(イ)の左半部及び(ロ)に示すように、スリット状の流入孔5′の上端縁の長手方向両末端部が段状をなすべく、上面3から凹陥する凹段部5fがその末端部外側に平面視略円形を呈して連設され、流入孔5′が略垂直状をなしてその全体が排水路4側に向けて斜降状をなす開口部5に連設されてもよい。この場合、凹段部5fの形態に関する点や凹段部5fによる効果は上記開口部5の凹段部5fにおけるものと同様である。
又、図13(イ)の右半部、(ハ)及び(ニ)に示すように、スリット状の流入孔5′が、その略中央の孔本体をなす開口基部5c′の長手方向両端に、該長手方向に沿う導水溝5d′を連通して形成されるとともに、該導水溝5d′の底部が開口基部5c′側に向かって下降する傾斜面5e′となされ、上記開口基部5c′が、その全体が排水路4側に向けて斜降状をなす開口部5に連設されてもよい。この場合も、流入孔5′の効果や導水溝5d′の形態については上記開口基部5c、導水溝5d、傾斜面5eを有する開口部5におけるものと同様である。
尚、流入孔5′を設けるにあたって、必ずしも図12及び図13に例示するものに限定されず、流入孔5′の形態が種々変更されてもよいことは勿論である。
【0041】
次に、本発明の側溝用ブロック1の開口部5、詳しくは上部開口部5aと下部開口部5bとからなる屈曲状をなす開口部5(例えば図2に示す開口部5)の形成方法についてその型枠構造とともに説明する。
図14及び図15に型枠20の全体を簡略化して示すように、型枠20は組立分解自在な上面開口型であって、例えば上記図1に示す側溝用ブロック1の外郭形状を形成する略箱形状でその両側が側溝用ブロック1の幅方向外側に開放可能なヒンジ式の外枠22と、該外枠22の長手方向両端を夫々閉塞する妻枠30との内部に、該両側の妻枠30間にわたり断面円形の排水路4形成用の略円筒状の内枠21が横架され、上面から型枠20内にコンクリート材料26を充填して側溝用ブロック1を製造するものである。
該側溝用ブロック1の製造時に上記開口部5を形成するために、側溝用ブロック1の上面3を形成する外枠22の底部型板23に、その幅方向端部近傍の所定位置にその長手方向に沿って、上部開口部5a形成用の略垂直状をなす第一中子24を介して下部開口部5b形成用の上向き傾斜状をなす第二中子25を組立分解自在に接続しておくものであり、以下これに関して詳述する。
【0042】
上記外枠22の底部型板23の第一中子24を取付ける部分には、図17(イ)及び(ロ)に示すように、上記上部開口部5aの開口縁に面取を施すための面取形成部23aが設けられ、該面取形成部23aは、後述する第一中子24の底面に略適合する細長状の平らな頂面を有して底部型板23の表面から山形状に若干突出している。又、該面取形成部23aの長手方向両端部にノックピン23bが略垂直状に貫通されて表面から突出され、長手方向を略3等分する2箇所にボルト孔23cが略垂直状に設けられている。
【0043】
第一中子24は、図18(イ)乃至(ニ)に示すように、上記図2に示す上部開口部5aの形状に適合する外郭形状を有する細長状で、その上面略中央部に凸部24a、長手方向両端部の底面に上記ノックピン23bと嵌合可能なピン孔24b、長手方向を略3等分する2箇所に上記ボルト孔23cと連通可能なボルト孔24cが略垂直状に夫々設けられている。
第二中子25は、図19(イ)乃至(ホ)に示すように、上記図2に示す下部開口部5bの形状に適合する外郭形状を有する板状で、断面山形状の頂面の一方の所定勾配で傾斜した上面に、その略中央部に第一中子24の凸部24aと嵌合可能な凹部25a、長手方向両端部に第一中子24のボルト孔24cと連通可能なボルト孔25bが夫々設けられている。
【0044】
しかして、図16(イ)及び(ロ)に示すように、外枠22の底部型板23に第一、第二中子24,25を接続するのであるが、その接続方法は、底部型板23の面取形成部23a上に第一中子24を略垂直状に位置させ、面取形成部23a上のノックピン23bに底面のピン孔24bを嵌合してボルト孔23c,24cを互いに連通させ、略水平状をなす第一中子24の略中央部上に第二中子25をその上面を下側に、且つ、略水平状にして第二中子25全体が傾斜状をなすべく位置させ、第一中子24の凸部24aに凹部25aを嵌合してボルト孔24c,25bを互いに連通させ、一方、底部型板23の下方からボルト27を上記ボルト孔23c,24c,25bに挿通することで互いに接続する。
上記接続に際して、図16(イ)に示すように、第二中子25はその先端(第一中子24側と反対側の上端部)を内枠21に向けて上向き傾斜状に接続するとともに、上記先端を内枠21の表面に近接させ、内枠21の表面との間に隙間を設けて位置させる。即ち、上記第二中子25の先端は、第一、第二中子24,25を組み付けた後に両妻枠30間に横架せる内枠21と衝突等して位置ずれや破損、損傷することがないため、型枠20内に常時安定した状態で組み付けられる。
【0045】
本発明方法は、上記のようにして第一、第二中子24,25を組み付けた上記型枠20内に充填したコンクリート材料26の硬化後、まず第一、第二中子24,25を残して脱型する。即ち、両妻枠30及び内、外枠21,22を分解するとともに、ボルト27を外して底部型板23と第一、第二中子24,25の接続を解き、製造した側溝用ブロック1を外枠22(底部型板23)から取り出すと、図20(イ)に示すように、側溝用ブロック1の内部に第一、第二中子24,25が残るとともに、第二中子25と内枠21が存した(排水路4)間とにコンクリート薄壁28が形成された状態となる。
次いで、図20(ロ)に示すように、第一中子24を側溝用ブロック1の上方(矢印方向、底部型板23が存した側)に外す。この第一中子24の外し方は、例えばボルト孔24cを利用して第一中子24にボルト止めした部分を引上げる機構を備えた脱型治具により第一中子24を引き上げる等、適宜の手段を採用すればよい。
次いで、図20(ハ)に示すように、側溝用ブロック1の上方から例えば棒状の治具29を第一中子24を外した跡に形成された上部開口部5aに挿入し、その下部先端を第二中子25の凹部25aに係合してやや斜め下方に押し込み、第二中子25を上記コンクリート薄壁28を突き破って内枠21が存した側(排水路4側)に外す。尚、この第二中子25を外す手段は、上記治具29の使用以外の方法、例えて図20(ニ)に示すように、排水路4にその支持脚部を当接するとともに、第二中子25と螺合せるハンドルの回転、締結力を引張力に置換して第二中子25を排水路4側から引き抜く回転ハンドル式治具29′による方法でもよいし、又、これら以外の方法でもよい。
【0046】
以上のようにして開口部5を形成するが、上記第一、第二中子24,25の形状や構造は一例であって、例えて、図21に示すように、第二中子25の斜降状態がきつく(水平に対する傾斜度合が大きく)なされ、その略垂直状をなす頂面と斜降状をなす傾斜面との連設屈折部25cを隅丸状に形成し、且つ、第一中子24と略水平状に当接する第二中子25の上面の幅を第一中子24の幅より広く形成すると、第一、第二中子24,25の接続に際する第二中子25の位置ずれが、その幅広分だけ許容されて相互の接続不備が生じ難く、又、第二中子25の内枠21方向への取り外し時に接触抵抗が減じられてスムーズな取り外しが行え、更に、当該第一、第二中子24,25によって形成される開口部5は、その屈曲部における開口幅が上部開口部5aより広くなされ、且つ、なだらかな円弧面を有して排水性がより向上するとともに、該所に土砂、ゴミ等が停滞しない等の作用を奏して好ましいが、これらに限定されることなく、所望の開口部5(上部、下部開口部5a,5b)の形状に適合するとともに、脱型を考慮した組立分解自在に接続可能な形状、構造であればよく、加えて、上記ノックピン23b、ピン孔24b、凸部24a、凹部25a等の嵌合部を設けると第一、第二中子24,25の組み付け、位置決めを簡略化でき好ましいが、かかる嵌合部は必ずしも設けられなくてもよいとともに、型枠20(内枠21、外枠22、底部型板23、妻枠30)についても側溝用ブロックに適合する形状となされればよい。
【0047】
要は、側溝用ブロック1の製造時に、外枠22の底部型板23の所定位置に、略垂直状をなす第一中子24を介して第二中子25をその先端を内枠21に向け上向き傾斜状に接続して上記先端を内枠21表面に近接させておき、脱型時に第一、第二中子24,25を残し、第一中子24を底部型板23が存した側に外した後、第二中子25を上記コンクリート薄壁28を突き破って内枠21が存した側に外せばよい。
尚、上記例では第一中子24を取付ける外枠22の底部型板23に面取形成部23aを設けているが、第一中子24の底部に予め上部開口部5aの開口縁の面取形成部を設けると、上記面取形成部23aを設ける必要がなく、更に第一中子24とは無関係に上記面取形成部23a自体を必ずしも設けなくともよい。
【0048】
更に、本発明方法は上記方法を変形した他の方法が採用されてもよく、その例について以下に述べる。
図22(イ)、(ロ)及び(ニ)の場合は、上記例と略同様でその一部を変更したものであって、側溝用ブロック1の製造時に、図22(イ)に示す如く、上記例と同様に外枠22の底部型板23の所定位置に、略垂直状をなす第一中子24を介して第二中子25をその先端を内枠21に向け上向き傾斜状に接続して上記先端を内枠21表面に近接させておくが、この時、予め第一中子24を底部型板23にその下側方向に取り外し可能に設けておき、脱型に際して、図22(イ)及び(ロ)に示す如く、まず第一中子24を底部型板23側に外す点で上記例と異なり、その後は図22(ニ)に示す如く、第二中子25を残して妻枠30、内枠21、外枠22及び底部型板23を脱型し、側溝用ブロック1内に残存せる第二中子25を上記例と同様に内枠21が存した側に外すものである。
又、図22(ハ)及び(ニ)の場合も、上記例と略同様でその一部を変更したものであって、上記図22(イ)及び(ロ)に示す例と異なる点は、図22(ハ)に示す如く予め第一中子24を底部型板23に固着しておき、脱型に際して、図22(ニ)に示す如く、第二中子25を残して妻枠30、内枠21、外枠22及び底部型板23とともに第一中子24を脱型する点であり、その後は側溝用ブロック1内に残存せる第二中子25を上記例と同様に内枠21が存した側に外すものである。
【0049】
又、図23(イ)乃至(ホ)の場合は、側溝用ブロック1の製造時に、図23(イ)に示す如く、外枠22の底部型板23の所定位置に、上部開口部5a形成用の略垂直状の第一中子24及び第三中子31を介して下部開口部5b形成用の第二中子25をその先端を内枠21に向けて上向き傾斜状に接続するとともに、上記先端を内枠21表面に近接させ、予め第一中子24を底部型板23に固着しておき、脱型に際して、図23(イ)及び(ロ)に示す如く、第二、第三中子25,31を残して妻枠30、内枠21、外枠22及び底部型板23とともに第一中子24を脱型し、図23(ロ)及び(ハ)に示す如く側溝用ブロック1内に残存せる第二中子25を内枠21が存した側に外し、続いて第三中子31を内枠21が存した側に外すものである。上記第三中子31は、第二中子25を外すと、図23(ニ)及び(ホ)に示す如く下部開口部5b内に落下(自重又は押圧等により)、回動したりすることで下部開口部5b内を通過するようにして、夫々内枠21が存した側に速やかに落下するようにしておくものである。
又、この場合のように第一、第二、第三中子24,25,31を使用する場合、上記の他、脱型に際して、第一、第二、第三中子24,25,31を残して妻枠30、内枠21、外枠22及び底部型板23を脱型し、既に説明したと同様に側溝用ブロック1内に残存せる第一中子24を底部型板23が存した側に外した後、第二、第二中子25,31を内枠21が存した側に外すか、又は、図22(イ)に示すと同様に第一中子24を底部型板23側に外し、第二、第三中子25,31を残して妻枠30、内枠21、外枠22及び底部型板23を脱型し、上記と同様に側溝用ブロック1内に残存せる第二、第三中子25,31を内枠21が存した側に外すようにしてもよい(図示省略)。
又、第一、第二、第三中子24,25,31を使用する場合、脱型に際して中子を小分けにして側溝用ブロック1の開口部5を損傷することなく脱型ができる利点がある。
【0050】
又、図24(イ)及び(ロ)の場合は、夫々、上記開口部5を形成する第一、第二中子24,25の代わりに屈折又は屈曲状の入れ子32を使用するものであって、夫々側溝用ブロック1の製造時に、上記例と略同様に外枠22の底部型板23の所定位置に、上部開口部5a形成用の略垂直状部32aを介して下部開口部5b形成用の傾斜状部32bが連設されてなる入れ子32を、その傾斜状部32bを先端を内枠21に向けて上向き傾斜状として接続するとともに、上記先端を内枠21表面に近接させておき(図示省略)、脱型に際して、入れ子32を残して妻枠30、内枠21、外枠22及び底部型板23を脱型した後、図24(イ)及び(ロ)に示す側溝用ブロック1内に残存せる入れ子32を除去するものである。
この場合、入れ子32としては、少なくとも型枠20内のコンクリート材料充填時の圧力に耐え得る硬度を有し、脱型に際して弾性変形して再使用可能、或いは破壊や変形、消滅して再使用不能となる材質のものを使用するものであって、例えば発泡スチロール等の弾性を有する合成樹脂、ゴム系等の弾性材料、中空弾性体等、弾性材料からなり主として再使用可能(破壊等により再使用不能ともなる場合もある)となされるか、或いはシエル芯、分解性や溶解性合成樹脂等からなり再使用不能(使い捨て)となされる。又、側溝用ブロック1内に残存せる入れ子32を除去する方法は、入れ子32を弾性変形させたり(再使用可能な場合)、破壊や変形、或いは液体(薬品を含む)や熱等で流失、分解、溶解させる等(再使用不能な場合)の適宜手段を採用すればよい。
又、図24(ハ)に示すように、入れ子32′を、上記開口部5及び流入孔5′を同時に形成しうる形状となすべく、略垂直状部32aに並列して起立部32cを傾斜状部32bに連設しておくこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】 本発明の側溝用ブロックの一実施の形態を示し、(イ)は正面図、(ロ)は平面図、(ハ)は背面図、(ニ)は左側面図、(ホ)は(イ)のA−A拡大断面図。
【図2】 (イ)は図1の側溝用ブロックの一部拡大平面図、(ロ)は(イ)のB−B一部断面図、(ハ)は(イ)のC−C断面図、(ニ)は(イ)のD−D断面図。
【図3】 図1の側溝用ブロックの施工例を示す断面図。
【図4】 本発明の側溝用ブロックの他実施の形態を示し、(イ)は正面図、(ロ)は平面図、(ハ)は背面図、(ニ)は左側面図、(ホ)は(イ)のE−E拡大断面図。
【図5】 図4の側溝用ブロックの施工例を示す断面図。
【図6】 (イ)乃至(ヘ)は夫々本発明の側溝用ブロックの他実施の形態を示す断面図。
【図7】 (イ)、(ロ)及び(ホ)は夫々本発明の側溝用ブロックの他実施の形態を示す一部平面図、(ハ)は(イ)及び(ロ)のF−F拡大断面図、(ニ)は(イ)及び(ロ)のG−G拡大断面図。
【図8】 (イ)及び(ロ)は夫々本発明の側溝用ブロックの他実施の形態を示す一部断面図。
【図9】 (イ)は本発明の側溝用ブロックの他実施の形態を示す一部平面図、(ロ)は(イ)のN−N拡大断面図、(ハ)は(イ)のP−P拡大断面図。
【図10】 (イ)は図9(ロ)のa部拡大図、(ロ)は図9(ハ)のC部拡大図、(ハ)は図9(イ)のb部拡大図。
【図11】 (イ)乃至(ニ)は夫々本発明に係る側溝用ブロックの開口部の他実施の形態を示す一部拡大平面図。
【図12】 (イ)は本発明の側溝用ブロックの他実施の形態を示す平面図、(ロ)は(イ)のQ−Q拡大断面図、(ハ)は(イ)のR−R拡大断面図。
【図13】 (イ)は本発明の側溝用ブロックの他実施の形態を示す平面図、(ロ)は(イ)のS−S拡大断面図、(ハ)は(イ)のT−T拡大断面図、(ニ)は(ハ)のU−U一部断面図。
【図14】 本発明の側溝用ブロックの上面開口部の形成方法における型枠の外観側面図。
【図15】 図14における型枠のM−M拡大断面図。
【図16】 (イ)は図15の型枠の要部を示す断面図、(ロ)は(イ)のH−H矢視図。
【図17】 図16の型枠における外枠の底部型板の要部を示し、(イ)は平面図、(ロ)は(イ)のI−I断面図。
【図18】 図16の型枠における第一中子を示し、(イ)は平面図、(ロ)は正面図、(ハ)は右側面図、(ニ)は(イ)のJ−J断面図。
【図19】 図16の型枠における第二中子を示し、(イ)は平面図、(ロ)は正面図、(ハ)は右側面図、(ニ)は(ロ)のK−K断面図、(ホ)は(ロ)のL−L断面図。
【図20】 (イ)乃至(ハ)は本発明の側溝用ブロックの上面開口部の形成工程の一部を示す要部断面図、(ニ)は他の形成工程を示す要部断面図。
【図21】 本発明の側溝用ブロックの他の開口部を形成する第一及び第二中子の要部拡大断面図。
【図22】 (イ)、(ロ)、(ニ)は本発明の側溝用ブロックの上面開口部の形成方法の他の例における形成工程を示す要部断面図、(ハ)及び(ニ)は本発明の側溝用ブロックの上面開口部の形成方法の更に他の例における形成工程を示す要部断面図。
【図23】 (イ)乃至(ホ)は本発明の側溝用ブロックの上面開口部の形成方法の更に他の例における形成工程を示す要部断面図。
【図24】 (イ)、(ロ)及び(ハ)は夫々本発明の側溝用ブロックの上面開口部の形成方法の更に他の例における形成工程の一部を示す要部断面図。
【符号の説明】
【0052】
1 側溝用ブロック
2 ブロック本体
3 上面
3a 低部側端部
3b 高部側端部
4 排水路
5 開口部
5′ 流入孔
5a 上部開口部
5b 下部開口部
5c,5c′ 開口基部
5d,5d′ 導水溝
5e,5e′ 傾斜面
5f 凹段部
6 通水孔
20 型枠
21 内枠
22 外枠
23 底部型板
24 第一中子
25 第二中子
26 コンクリート材料
30 妻枠
31 第三中子
32,32′ 入れ子
32a 垂直状部
32b 傾斜状部
32c 起立部
h 所定高さ
【技術分野】
【0001】
本発明は、路上の雨水等、表面水を排水するために道路の路側や中央分離帯、歩車道の境界等に沿って道路に埋設される側溝用ブロック及びその上面開口部の形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の側溝用ブロックは、例えば内部に長手方向に沿う排水路を有するブロック本体の上面に、排水路の頂部に連通するスリット状の開口部が長手方向と直交する幅方向の略中央部に長手方向にわたって設けられ、且つ上記上面が幅方向の両端部から開口部に向かう下り勾配の傾斜面となされ、上記上面の開口部がそのまま開放されていたり、或いは開口部にグレーチングや有孔板等の通水用蓋が嵌め込まれ、路上の表面水がブロック本体上面に沿って開口部に導かれ、該開口部を介して内部の排水路に排水されるようになされている。
【特許文献1】 特開2000−355969号公報
【特許文献2】 特開2002−339444号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、かかる従来の側溝用ブロックは、スリット状の開口部がブロック本体上面の幅方向略中央部に設けられているため、横断勾配が付される道路幅員方向の端部に埋設施工されると、前記開口部から幅方向外側の傾斜面の勾配が上記道路横断勾配と逆勾配になってしまい、一連方向の排水勾配によって表面水を効率よく処理するという構造要件からすると、余り好ましいものではなかった。
又、道路幅員がブロック本体の全幅を含んで広くなされても、ブロック本体の幅員方向端部との間に上記傾斜面を介して手前に表出する前記開口部が目立ち、路面が区分されてすっきりと広く見えず、昨今の都市景観が重要視される中、道路景観面からも未だ不十分な問題点があった。
【0004】
又、開口部がブロック本体上面の幅方向略中央部に設けられていることから、上面開口部に蓋がある場合には、蓋が走行車両のタイヤによって踏まれやすく、その結果蓋ががたついて騒音を発したり、又、開口部から浮き上がったり、外れたり、損傷したり、或いはこれらに起因する事故が発生する危険性があるとともに、これらの防止対策を十分施しておく必要があり面倒であった。又、歩車道境界部で縁石を隣接させて側帯を構成するべく埋設施工された場合には、例えば歩行者が縁石を乗り越えて側帯(車道側)に足を踏み入れた際等、丁度着地位置付近に開口部が位置することとなって、開口部や蓋を踏んで靴の踵が引掛かったり、蓋上で滑ったり、或いは開口部や蓋につまずいたりする恐れがあり、安全性の面でも不十分な問題点があった。
本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、ブロック上面における排水能力に優れるとともに、道路景観を向上させ、且つ、安全性を考慮した上面にスリット状開口部を有する側溝用ブロック及びその上面開口部の形成方法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明の側溝用ブロックは、内部に長手方向に沿う排水路4を有するブロック本体2の上面3が、長手方向と直交する幅方向に向けた傾斜面となされ、該傾斜面をなす上面3の低部側端部3b近傍に長手方向に沿うスリット状の開口部5が断続又は連続して設けられ、該開口部5の全体、又は上記上面3に開口する略垂直状の上部開口部5aに連続する下部開口部5bが排水路4側に向けて斜降状をなして排水路4と連通されてなるものである。
【0006】
又、本発明の側溝用ブロックは、上記側溝用ブロックにおいて、ブロック本体2の上面3に開口部5と略並列状に長手方向に沿う流入孔5′が少なくとも1個設けられ、該流入孔5′が略垂直状をなして開口部5の排水路4側に向けて斜降状をなす部分に連通されてなる構成を採用することができる。
【0007】
又、本発明の側溝用ブロックは、上記流入孔5′を有する側溝用ブロックにおいて、流入孔5′がその開口基部5c′の長手方向一端又は両端に該長手方向に沿う導水溝5d′を連通して形成されるとともに、該導水溝5d′の底部が開口基部5c′側に向かって下降する傾斜面5e′となされ、上記開口基部5c′が開口部5,5bに連通されてなる構成を採用することができる。
【0008】
又、本発明の側溝用ブロックは、上記各側溝用ブロックにおいて、開口部5,5bが排水路4の底部から少なくとも所定高さh以上の位置で排水路4と連通されてなる構成を採用することができる。
【0009】
又、本発明の側溝用ブロックは、上記各側溝用ブロックにおいて、開口部5が上部開口部5aと下部開口部5bとからなり、上部開口部5aがその開口基部5cの長手方向一端又は両端に該長手方向に沿う導水溝5dを連通して形成されるとともに、該導水溝5dの底部が開口基部5c側に向かって下降する傾斜面5eとなされ、上記開口基部5cに下部開口部5bが連通されてなる構成を採用することができる。
【0010】
又、本発明の側溝用ブロックは、上記各側溝用ブロックにおいて、開口部5,5a、流入孔5′の上端縁の一部又は全体が段状をなすべく、上面3から凹陥する凹段部5fがその上端外側に連設されてなる構成を採用することができる。
【0011】
又、本発明の側溝用ブロックの上面開口部の形成方法は、外枠22両側の妻枠30間に排水路4形成用の内枠21が横架された上面開口型の型枠20内にコンクリート材料26を充填して側溝用ブロック1を製造するに際し、該側溝用ブロック1の上面3を形成する外枠22の底部型板23に、その端部近傍に長手方向に沿って上部開口部5a形成用の略垂直状の第一中子24を介して下部開口部5b形成用の第二中子25をその先端を内枠21に向けて上向き傾斜状に接続するとともに、上記先端を内枠21表面に近接させ、上記コンクリート材料26の硬化後に、第一、第二中子24,25を残して妻枠30、内枠21、外枠22及び底部型板23を脱型し、側溝用ブロック1内に残存せる第一中子24を底部型板23が存した側に外した後第二中子25を内枠21が存した側に外すか、又は、第一中子24を底部型板23側に外し、第二中子25を残して妻枠30、内枠21、外枠22及び底部型板23を脱型し、側溝用ブロック1内に残存せる第二中子25を内枠21が存した側に外すか、又は、第二中子25を残して妻枠30、内枠21、外枠22及び底部型板23とこれに固着した第一中子24を脱型した後、側溝用ブロック1内に残存せる第二中子25を内枠21が存した側に外すことを特徴とするものである。
【0012】
又、本発明の側溝用ブロックの上面開口部の形成方法は、外枠22両側の妻枠30間に排水路4形成用の内枠21が横架された上面開口型の型枠20内にコンクリート材料26を充填して側溝用ブロック1を製造するに際し、該側溝用ブロック1の上面3を形成する外枠22の底部型板23に、その端部近傍に長手方向に沿って上部開口部5a形成用の略垂直状の第一中子24及び第三中子31を介して下部開口部5b形成用の第二中子25をその先端を内枠21に向けて上向き傾斜状に接続するとともに、上記先端を内枠21表面に近接させ、上記コンクリート材料26の硬化後に、第二、第三中子25,31を残して妻枠30、内枠21、外枠22及び底部型板23とこれに固着した第一中子24を脱型し、側溝用ブロック1内に残存せる第二、第三中子25,31を内枠21が存した側に外すか、又は、第一、第二、第三中子24,25,31を残して妻枠30、内枠21、外枠22及び底部型板23を脱型し、側溝用ブロック1内に残存せる第一中子24を底部型板23が存した側に外した後、第二、第三中子25,31を内枠21が存した側に外すか、又は、第一中子24を底部型板23側に外し、第二、第三中子25,31を残して妻枠30、内枠21、外枠22及び底部型板23を脱型し、側溝用ブロック1内に残存せる第二、第三中子25,31を内枠21が存した側に外すことを特徴とするものである。
【0013】
又、本発明の側溝用ブロックの上面開口部の形成方法は、外枠22両側の妻枠30間に排水路4形成用の内枠21が横架された上面開口型の型枠20内にコンクリート材料26を充填して側溝用ブロック1を製造するに際し、該側溝用ブロック1の上面3を形成する外枠22の底部型板23に、その端部近傍に長手方向に沿って上部開口部5a形成用の略垂直状部32aを介して下部開口部5b形成用の傾斜状部32bが連設されてなる入れ子32、又は、底部型板23の端部近傍に長手方向に沿って上部開口部5a形成用の略垂直状部32aを介して下部開口部5b形成用の傾斜状部32bが連設されるとともに、略垂直状部32aに並列して底部型板23に接続すべき流入孔5′形成用の起立部32cが傾斜状部32bに連設されてなる入れ子32′を、その傾斜状部32bの先端を内枠21に向けて上向き傾斜状として接続するとともに、上記先端を内枠21表面に近接させ、上記コンクリート材料26の硬化後に、入れ子32又は32′を残して妻枠30、内枠21、外枠22及び底部型板23を脱型した後、側溝用ブロック1内に残存せる入れ子32又は32′を除去することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の側溝用ブロックは、ブロック本体の幅方向に傾斜面をなす上面の低部側端部近傍に長手方向に沿うスリット状の開口部が設けられているため、横断勾配が付されてなる道路幅員方向の端部に埋設施工された際、ブロック本体の上面低部側端部が、上記道路横断勾配と一連方向の勾配を有する前記傾斜面に連なって道路幅員方向の最端部に位置され、これに伴い開口部が道路幅員の最端部近傍、即ち、道路面とブロック本体の上面が一連方向の勾配をもって連設されることで表面水が流下集積する下り斜面の終点近傍に位置されて排水効率がよいとともに、開口部が目立たず、道路幅がすっきり広く見え、道路景観を向上させることができ、排水性及び都市景観を重視する場所等に好適に使用できる。
【0015】
又、上面の開口部が道路幅員方向の最端部付近に位置されることから、開口部が走行車両のタイヤに踏まれず、破損、損傷等することがなく、又、開口部に蓋が嵌め込まれても、蓋が走行車両のタイヤに踏まれるようなことがなく、従来のような蓋のがたつき、浮き上がり、外れ、損傷、或いはこれらに起因する事故発生の危険性等がなく、更に、歩車道境界部で縁石を隣接させて側帯を構成するべく埋設施工された場合にも、上面開口部が道路幅員方向の最端部付近で縁石のすぐ傍に位置されるため、歩行者が縁石を乗り越えて側帯(車道側)に足を踏み入れた際等、開口部や蓋を跨ぎ切ってこれらを踏まず、従来のように靴が引掛かったり、滑ったり、或いはつまずく恐れがなく、人及び車両に対する安全性を向上させることができる。
又、開口部の全体又はその下部開口部が排水路側に向けて斜降状をなして排水路と連通されているため、ブロック本体の上面に沿ってその低部側端部に片寄って流下集積せる表面水を、開口部内を経由させ排水路に向けて速やかに導くことができ、更に、開口部の上部開口部が略垂直状となされている場合には、上記表面水が上面から上部開口部内へ落下、流入する際の抵抗並びに損失を少なくせしめて表面水を上部開口部内に速やかに流下、流入させることができ、排水効率が更に高められる。
【0016】
又、本発明の側溝用ブロックは、ブロック本体の上面に開口部と略並列状に長手方向に沿う流入孔が少なくとも1個設けられ、該流入孔が略垂直状をなして開口部の排水路側に向けて斜降状をなす部分に連通されているため、上記した開口部の排水効果に加え、更に略垂直状の流入孔によってブロック本体上面の表面水を抵抗なく速やかに開口部内へ落下、流入させることができ、排水効率をより一層向上させることができる。
【0017】
又、本発明の側溝用ブロックは、流入孔がその開口基部の長手方向一端又は両端に該長手方向に沿う導水溝を連通して形成されるとともに、該導水溝の底部が開口基部側に向かって下降する傾斜面となされ、上記開口基部が開口部に連通されているため、導水溝によってブロック本体上面での流入孔の開口長さを長く、又、開口面積を広くして表面水の集水及び排水効率を更に高め、且つ、ブロック本体の長手方向において、上面での流入孔の開口長さよりも開口部と連通する孔本体をなす開口基部の長さを短くすることで、開口基部の占有割合を少なくして、流入孔を設けることによる断面欠損、強度損失を極力抑え、上載荷重が加わっても上面を構成する頂板やブロック本体の亀裂、破損等の発生防止を図ることができる。
【0018】
又、本発明の側溝用ブロックは、開口部の全体又はその下部開口部が排水路側に向けて斜降状をなして排水路の底部から少なくとも所定高さ以上の位置で排水路と連通されているため、排水路内における許容水深を上記所定高さ以下に設定可能となし、排水路内の流水を排水路に開口する開口部又は下部開口部の斜降側末端と接触させずに、流下損失、抵抗が伴うことなく排出でき、排水路内での排水性を損なうようなことがない。
更に、排水路内の流水が開口部又は下部開口部を逆流して上面側に噴出することを未然に防止できる。
【0019】
又、本発明の側溝用ブロックは、上部開口部がその開口基部の長手方向一端又は両端に該長手方向に沿う導水溝を連通して形成されるとともに、該導水溝の底部が開口基部側に向かって下降する傾斜面となされ、上記開口基部に下部開口部が連通されているため、導水溝によってブロック本体上面での開口長さを長く、又、開口面積を広くなされた上部開口部が表面水の集水及び排水効率を更に高め、且つ、上部開口部の開口基部に、該開口基部の長さとその長さを略合致せしめて下部開口部が連通されることで、ブロック本体の長手方向に沿う上部開口部の長さよりも導水溝の長さを含まない分だけ下部開口部の長さが短くなり、ブロック本体の長手方向において排水路と連通する開口部の占有割合を少なくして、開口部を設けることによる断面欠損、強度損失を極力抑え、上載荷重が加わっても上面を構成する頂板やブロック本体の亀裂、破損等の発生防止を図ることができる。
【0020】
又、本発明の側溝用ブロックは、開口部、流入孔の上端縁の一部又は全体が段状をなすべく、上面から凹陥する凹段部がその上端外側に連設されてなるため、上面において排水路と連通する開口部、開口部に連通する流入孔の開口度合を増大させることなく、その上縁で凹段部が集水域を広めると同時に、上面と開口部や流入孔との間で段状を呈することで上面の低部側端部近傍に集積する表面水に対して漏斗作用を奏し、開口部や流入孔内への表面水の流入、落下を促進せしめて排水効率を一層高めることができる。
更に、凹段部は上記導水溝と同様に、ブロック本体の上面に対する断面欠損、強度損失が小さいため、その強度維持に寄与することができる。
【0021】
又、本発明の側溝用ブロックの上面開口部の形成方法は、側溝用ブロックの上面を形成する外枠の底部型板に、その端部近傍に長手方向に沿って上部開口部形成用の略垂直状の第一中子を介して下部開口部形成用の第二中子をその先端を内枠に向けて上向き傾斜状に接続するとともに、上記先端を内枠表面に近接させ、型枠内のコンクリート材料の硬化後に、第一、第二中子を残して妻枠、内枠、外枠及び底部型板を脱型し、側溝用ブロック内に残存せる第一中子を底部型板が存した側に外した後第二中子を内枠が存した側に外すか、又は、第一中子を底部型板側に外し、第二中子を残して妻枠、内枠、外枠及び底部型板を脱型し、側溝用ブロック内に残存せる第二中子を内枠が存した側に外すか、又は、第二中子を残して妻枠、内枠、外枠及び底部型板とこれに固着した第一中子を脱型した後、側溝用ブロック内に残存せる第二中子を内枠が存した側に外すため、側溝用ブロックの上面にその長手方向に開口して内部の排水路に連通する屈曲した開口部、即ち、互いに方向性を異にする2つの開口の各先端が連結されて屈曲状を呈する開口部を、側溝用ブロックの製造時に無理なく容易に形成できるとともに、その形成時における作業性を向上させることができる。
更に、第二中子の先端は、内枠表面と当接することなくその表面に近接させるため、その上位に横架せる内枠と衝突等して位置ずれや損傷、破損することがなく、安定形状の下部開口部を常時形成できる。
【0022】
又、本発明の側溝用ブロックの上面開口部の形成方法は、側溝用ブロックの上面を形成する外枠の底部型板に、その端部近傍に長手方向に沿って上部開口部形成用の略垂直状の第一中子及び第三中子を介して下部開口部形成用の第二中子をその先端を内枠に向けて上向き傾斜状に接続するとともに、上記先端を内枠表面に近接させ、型枠内のコンクリート材料の硬化後に、第二、第三中子を残して妻枠、内枠、外枠及び底部型板とこれに固着した第一中子を脱型し、側溝用ブロック内に残存せる第二、第三中子を内枠が存した側に外すか、又は第一、第二、第三中子を残して妻枠、内枠、外枠及び底部型板を脱型し、側溝用ブロック内に残存せる第一中子を底部型板が存した側に外した後、第二、第三中子を内枠が存した側に外すか、又は、第一中子を底部型板側に外し、第二、第三中子を残して妻枠、内枠、外枠及び底部型板を脱型し、側溝用ブロック内に残存せる第二、第三中子を内枠が存した側に外すため、上記形成方法と同様に、側溝用ブロックの上面にその長手方向に開口して内部の排水路に連通する屈曲した開口部を、側溝用ブロックの製造時に無理なく容易に形成でき、その形成時の作業性の向上を図ることができ、第二中子の先端を内枠表面と当接することなくその表面に近接させるため、その上位に横架せる内枠と衝突等して位置ずれや損傷、破損することがなく、安定形状の下部開口部を常時形成できる。
更に、側溝用ブロックの上部開口部を略垂直状の第一中子及び第三中子によって、又、下部開口部を第二中子によって形成することで中子を小分けにして脱型に際して順次中子を外すため、脱型時における側溝用ブロックの開口部の損傷を防止でき、製造する側溝用ブロックの品質向上を図ることができる。
【0023】
又、本発明の側溝用ブロックの上面開口部の形成方法は、側溝用ブロックの上面を形成する外枠の底部型板に、その端部近傍に長手方向に沿って上部開口部形成用の略垂直状部を介して下部開口部形成用の傾斜状部が連設されてなる入れ子、又は、底部型板の端部近傍に長手方向に沿って上部開口部形成用の略垂直状部を介して下部開口部形成用の傾斜状部が連設されるとともに、略垂直状部に並列して底部型板に接続すべき流入孔形成用の起立部が傾斜状部に連設されてなる入れ子を、その傾斜状部の先端を内枠に向けて上向き傾斜状として接続するとともに、上記先端を内枠表面に近接させ、型枠内のコンクリート材料の硬化後に、入れ子を残して妻枠、内枠、外枠及び底部型板を脱型した後、側溝用ブロック内に残存せる入れ子を除去するため、上記形成方法と同様に、側溝用ブロックの上面にその長手方向に開口して内部の排水路に連通する屈曲した開口部、又は、該開口部に上記長手方向の開口に並列せる流入孔を付加してなる開口部を、側溝用ブロックの製造時に無理なく容易に形成でき、その形成時の作業性の向上が図れ、入れ子の先端を内枠表面と当接することなくその表面に近接させるため、その上位に横架せる内枠と衝突等して位置ずれや損傷、破損することがなく、安定形状の下部開口部を常時形成できる。
更に、側溝用ブロックの開口部、流入孔を形成すべく、略垂直状部に傾斜状部が連設されるか、又は上記傾斜状部に更に起立部が連設されてなる入れ子を用い、型枠からの脱型後、側溝用ブロック内に残存せる入れ子を除去するために、入れ子の材質を適宜選択することで、通常中子(繰り返し再使用する中子で、剛体からなるもの)では成形不能な形状(例えて、開口先端寸法に対してその奥部寸法が拡開した所謂アリ溝形状、逆勾配形状等)をも形成でき、成形形状が制約を受けないという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の側溝用ブロックの一実施の形態を示し、1は本実施形態の側溝用ブロックであって、横長状のコンクリート製ブロック本体2の内部に長手方向にわたって断面円形状の排水路4が貫設され、ブロック本体2の上面3が長手方向と直交する幅方向に向けた傾斜面となされ、該傾斜面をなす上面3の低部側端部3a近傍に、長手方向に沿ってスリット状の開口部5が断続して2箇所に設けられ、図1(ホ)に示す如く、開口部5の上記上面3に開口する略垂直状をなす上部開口部5aに連続された下部開口部5bが、排水路4側に向けて斜降状をなして排水路4の底部から所定高さh以上の位置、例えば本実施形態の場合には底部から頂部までの全体の約8割の高さ以上の位置で排水路4と連通されてなる。
【0025】
上記傾斜面をなす上面3は、図1(ホ)に示すように、詳しくは、幅方向の高部側端部3bから開口部5までが下り勾配の傾斜面となされ、開口部5から低部側端部3aまでが若干上り勾配の傾斜面となされ、開口部5が上面3の最低部に位置され、上面3の幅方向に沿って路面の雨水等、表面水を開口部5に導くべくなされている。
又、図2(イ)乃至(ニ)に示すように、開口部5は上部及び下部開口部5a,5bからなり、ブロック本体2の上面3にその長手方向に沿って開口する上部開口部5aは、その略中央の開口基部5cの長手方向両端に、該長手方向に沿ってそのまま延びることで上面3から凹陥する導水溝5dが連通されて形成され、開口基部5cの下位に排水路4と連通する下部開口部5bが連通されるとともに、上記導水溝5dの底部が夫々開口基部5c側(下部開口部5b側)に向かって下降する傾斜面5eとなされている。
【0026】
即ち、上部開口部5aは本来の排水用開口部をなす開口基部5cに凹状をなす導水溝5dが連通されることにより、ブロック本体2の上面3での開口長さを長く、又、開口面積を広くして表面水の集水及び排水効率を高めるようになされている。又、上部開口部5aの略中央の開口基部5c下位に、該開口基部5cの長さとその長さを略合致せしめて下部開口部5bが連通されることにより、ブロック本体2の長手方向に沿う上部開口部5aの長さよりも導水溝5dの長さを含まない分だけ下部開口部5bの長さが短くなされ、集水及び排水性を良好に保ちながらもブロック本体2の長手方向において排水路4と連通し、上面3を分割してその幅方向での頂板を片持梁状となす下部開口部5bの占有割合を極力抑え、ブロック本体2、特に、上面3を構成する頂板の十分な強度維持が図られている。
尚、上記図2において、上部開口部5aの開口基部5cの深さ(ブロック本体2の上面3から下部開口部5bの上端までの深さ)がそのままで、導水溝5dの溝深さが浅くなされてもよいし、又、導水溝5dの断面は略凹状、U状等適宜形状であればよいし、開口基部5cの両側の導水溝5dの長さも必ずしも等しくなくともよく、又、その片側にのみ導水溝5dを設けてもよい。
尚又、スリット状と称する上部開口部5aの上面開口幅(長手方向と直交する寸法)も適宜に設定されればよいが、該幅を9〜15mm程度に設定すると、車いすのキャスター、白杖の先端、ハイヒール等が落ち込まず安全上好ましい。
【0027】
又、図1(イ)、(ハ)及び(ニ)に示すように、ブロック本体2は、その長手方向両端面の下位両側に本体部分から突出するフランジ7が夫々設けられ、ブロック本体2の正面側にあるフランジ7部分と、該フランジ7の上下斜め対角線上に位置する本体部分には、ブロック連結用のボルト挿通孔8が設けられ、ボルト、ナット等の挿通とその締結作業を容易にすべくボルト挿通孔8と連設する凹所9が背面側の二方に形成されている。即ち、ブロック本体2は、施工時に排水路4を連通すべくその長手方向の端面同士が止水パッキン等を介して当接され、ボルト、ナット等により連結可能となされている。
【0028】
次に、本実施形態の側溝用ブロック1の施工例について説明すると、図3に示すように、道路幅員方向の端部、即ち、歩道と車道の境界部にあって、ブロック本体2の傾斜面をなす上面3の高部側端部3bが車道側に、又、低部側端部3aが歩道側で縁石12に隣接して埋設施工され、その結果上面3のスリット状の開口部5(上部開口部5a)が車道幅員方向の側帯最端部付近で縁石12のすぐ傍に位置される。勿論上述したように、複数の側溝用ブロック1の排水路4を連通すべく長手方向に隣接するブロック本体2はボルト、ナット等により互いに連結固定される。
【0029】
かかる側溝用ブロック1によれば、上面3の開口部5(上部開口部5a)が車道幅員方向の側帯最端部付近で縁石12のすぐ傍に位置されて目立たないとともに、道路の雨水等、表面水が、道路面に付される横断勾配と一連方向の勾配を有して道路面と連なってなるブロック本体2の上面3の幅方向に向けた傾斜面に沿ってその低部側に導かれて流下集水され、上面3の低部側端部3a近傍に開口する上部、下部開口部5a,5bを介して排水路4内に排水される。
この時、上部開口部5aが略垂直状をなすため、ブロック本体2の上面3上を流下集積した表面水が上部開口部5aの導水溝5d内や直接開口基部5c内へ落下、流入する際の抵抗並びに損失を少なくせしめて表面水の流入を速やかに行わせるとともに、導水溝5d及びその傾斜面5eに沿って下部開口部5b内に導かれて排水効率がよく、通常、上面3は道路縦断勾配に沿いその長手方向に傾斜して施工されるので導水溝5dの導水効果が顕著となる。
又、下部開口部5bが排水路4側に向け斜降状をなして排水路4と連通しているため、傾斜面をなす上面3に沿ってその低部側端部3a方向に片寄って流下集積せる表面水を上部開口部5aから取り込んで排水路4に向けて速やかに排水できる。
更に又、上記下部開口部5bは排水路4の底部から所定高さh以上の位置で排水路4と連通されているため、排水路4内における許容水深を上記所定高さh以下に設定することで、排水路4内の流水を排水路4に開口する下部開口部5bの斜降側末端と接触させずに流下損失、抵抗が伴うことなく排出でき、排水路4内での排水性を損なうことなくスムーズな排水を可能になすとともに、排水路4内の流水が開口部5を逆流して上面3側に噴出することを防止できる。
【0030】
図4は本発明の側溝用ブロックの他実施の形態を示し、本実施形態の側溝用ブロック1は、上記図1に示すものとその外郭形状は略同様であって、開口部5の形状、構造が上記のものと異なるものであり、同様部分は上記の説明を援用し、異なる部分について説明する。
本実施形態の側溝用ブロック1では、図4(ロ)に示すブロック本体2の上面3に長手方向に沿い断続するスリット状の開口部5が、図4(ホ)に示すように、その全体が排水路4側に向けて直線的に斜降状をなして排水路4の底部から所定高さh以上の位置で排水路4と連通されている。
即ち、開口部5はブロック本体2の長手方向と直交する開口幅が上面3から排水路4側に向かって漸次広くなされるとともに、長手方向に沿い所定開口長さを有してその全体が略一様に形成されている。
【0031】
本実施形態の側溝用ブロック1の施工についても図1の実施形態と同様である(図5参照)。又、かかる側溝用ブロック1でも、上記と同様に、側帯における開口部5の存在が目立たず、表面水が上面3の低部側端部3a側に速やかに集水されて該所近傍に開口する開口部5を介して排水路4内に排水され、開口部5は排水路4の底部から所定高さh以上の位置で排水路4と連通されているため、排水路4内での排水性を損なわず、又、上面3側への噴出を防止してスムーズに排水される。
【0032】
尚、本発明の側溝用ブロック1は上記実施形態のものに限定されることなく、本発明の意図する範囲内で種々の設計変更が可能である。
即ち、ブロック本体2は上記形状のものに限定されず、例えば図6(イ)乃至(ヘ)に示す如き外郭形状で排水路4を内在する横長の筒状体等、適宜形状で適宜長さを有し、少なくともその上面3が長手方向と直交する幅方向に向けた傾斜面に形成されていればよく、その傾斜面も上記(開口部5から低部側端部3aまでが上り勾配の傾斜面)以外に、図6(イ)、(ハ)及び(ホ)に示す如き幅一方向全体にわたる一様な傾斜面となされてもよいし、図6(ロ)に示すように(破線部を含む)、低部側端部3aと開口部5間が縁石状をなすべく上方に隆起されその上端面が、開口部5側へ斜降する比較的幅の広い傾斜面や略水平面となされてもよい。
上記ブロック本体2の内部の排水路4の断面形状も、上記実施形態や図6(イ)及び(ロ)に示す如き円形状に限定されず、図6(ハ)及び(ニ)に示す如き方形状、図6(ホ)に示す如き卵形状若しくは縦長だ円形状、図6(ヘ)に示す如き縦長円形状の他、欠円形状、多角形状等、適宜形状となされてもよい。
【0033】
又、開口部5は、その全体が排水路4側に向けて、その傾斜角度を限定することなく斜め真直ぐに斜降状をなして設けられる他、適宜湾曲や屈曲状等に斜降状をなしてもよく、特に上記実施形態や図6(ニ)、(ホ)及び(ヘ)に示すように、上部開口部5aが略垂直状をなし、これに連続する下部開口部5bが斜降状をなしていると、上記したようにブロック本体2の上面を流下した表面水を、流水落下に伴う抵抗及び損失を減衰せしめて上部開口部5a内に効率よく流下、流入させることができ、又、ブロック本体2、特に、上部開口部5aの上端で高部側端部3b側に位置する上面3の端縁が薄肉、鋭角状とならず、強度的な面でも好ましい。
上記斜降状をなす開口部5、下部開口部5bは、排水路4の底部から少なくとも所定高さh以上の位置で排水路4と連通されるのが好ましく、排水路4内が所定の水深(所定高さh以下)まで確保可能でその排水性を損なわなければよいとともに、上記所定高さhも排水路4の大きさや必要な排水量等によって適宜決められればよい。
【0034】
又、開口部5が上部開口部5aと下部開口部5bとからなる場合、上記実施形態では、下部開口部5bの長さがその両側に導水溝5dを有してブロック本体2の長手方向に沿う上部開口部5aの長さの略1/3程になされているが、かかる長さの比率は特に限定するものではなく、排水効率及びブロック本体2の強度面から適宜決められればよい。
又、上記と異なり、上部開口部5aをその導水溝5dをなくして略垂直状をなす開口基部5cのみとなし、これに傾斜状をなす下部開口部5bを連通して開口部5全体を屈曲状、即ち、上部開口部5aと下部開口部5bの上記長手方向に沿う長さを等しく一様となして開口部5全体を屈曲状としてもよい。
【0035】
又、開口部5は、ブロック本体2の傾斜面をなす上面3の低部側端部3a近傍や該低部側端部3a側に沿う縁石状等、隆起部の上面3との付根部近傍に長手方向に沿って設けられればよく、上記実施形態と図6(ロ)、(ニ)及び(ヘ)に示す如く上面3の最低部に位置されるのが排水性の面で好ましいが、図6(イ)、(ハ)及び(ホ)に示す如く一様な傾斜面の途中でその最低部(低部側端部3a)近傍に位置されてもよい。
更に、開口部5は、ブロック本体2の強度面から、長手方向に沿って断続して設けられるのが好ましい。例えば、図1(ロ)に示す如く長手方向に沿う開口部5と該開口部5間の閉塞部の長さが略等しくてもよいし、或いは開口部5に比し上記閉塞部の長さが長くてもよいし、或いは図7(イ)に示す如く逆に開口部5に比し閉塞部が短くて上記よりも開口部5の数が増えてもよく、いずれにしても排水性とブロック本体2、特に、上面3を構成する頂板の強度を考慮して、長手方向に適宜長さを有する開口部5が適宜間隔をあけて断続的に設けられればよい。
尚、開口部5は上記断続的な配置に限定されず、上面3を構成する頂板の強度が向上されることで、上面3の長手方向の全長又は図7(ロ)に示す如く略全長にわたって連続して設けられてもよい。
更に、上、下部開口部5a,5bからなる開口部5は、図7(ホ)に示す如く、上面3の長手方向に隣接する上部開口部5aどうしが直列状に連結されることにより、2個の開口部5が合体されて1個の開口部5が形成されてもよい。
【0036】
又、上面3の開口部5は前記スリット状(狭幅)で開放状態のままでもよいし、例えば図8(イ)に示す如く、開口部5(上部開口部5a)の相対する開口縁部に夫々凹状の蓋受部14を設け、開口部5に沿う細長状の通水用蓋10の両縁部を蓋受部14で支持してもよく、又、上記通水用蓋10としては、多数の透孔10aが穿設されてなる細長状有孔板や格子蓋、グレーチング等、適宜形状や構造のものが使用されればよい。
尚、断続又は連続する1つの開口部5が長手方向に長い場合等、通水用蓋10に代えて、上面3を構成する頂板の強度を保持、補強するための部材が、長手方向の適宜箇所で蓋受部14に支持されて相対する開口縁部間に設けられたり、或いは開口部5が開放状態で、その開口縁部間等に幅方向にわたる部材が、予めブロック本体2と一体をなして長手方向の適宜箇所に横架、植設されてもよく、これらの場合には開口部5の形成により分割された上面3(頂板)の連続性を回生でき、外力等が加わっても上記部材が有効に作用して上面3の強度保全を図ることができる。
【0037】
又、上面3における開口部5の形態は前記スリット状、即ち、一定の狭幅状であってもよいし、例えば図9及び図10に示すように、スリット状の開口部5,5aの上端縁の長手方向両末端部が段状をなすべく、上面3から凹陥する凹段部5fがその末端部外側に平面視略円形を呈して連設されてもよい。
しかして、上記凹段部5fは、本来の集排水孔をなす開口部5,5aの上端縁でその外側に膨出して上面3と連なる段状を形成するため、上面3における開口部5,5aの開口度合を増大させることなく、その上縁で上記凹段部5fが集水域を広めると同時に、上面3と開口部5,5aとの間で段状を形成することで、上面3上で凹段部5fの周辺に集積する表面水に対して上記段状が漏斗作用を奏し、開口部5,5a内への表面水の流入、落下を促進せしめて排水効率を一層高めることができる。
更に又、凹段部5fは上面3の最低部に臨み、ブロック本体2の長手方向に沿う開口部5,5aの両端部で平面視略円形に膨出して凹陥するため、開口部5,5aの集水作用、詳しくは、ブロック本体2の長手方向と直交若しくは適宜角度をなして斜めに道路面から上面3へ流入する表面水の集水作用に加えて、上面3の最低部近傍に集積して該所を長手方向に沿って流下する表面水をも上記凹段部5fで幅広く捕えてその漏斗作用をもって開口部5,5aへ効率よく流入、落下させることができる。
尚又、凹段部5fは、前記導水溝5dと同様に、ブロック本体2の上面3に対する断面欠損、強度損失が小さいために、その強度維持に寄与することができる。
【0038】
又、上記凹段部5fの平面形状及び連設位置は一例で適宜であればよく、例えて図11(イ)乃至(ニ)に示すように、開口部5,5aに対して単独的、連続的又は断続的、或いは対称的又は非対称的に種々平面形状の凹段部5fを連設してもよいし、図8(ロ)に示すように、通水用蓋10を支持する蓋受部14の上端部に上記凹段部5fを追設できる他、本発明の意図する範囲内で自由に設定可能である。
【0039】
又、ブロック本体2の上面3に形成された上記開口部5に加え、上面3に開口部5と略並列状に長手方向に沿う適宜長さを有する流入孔5′が少なくとも1個設けられ、該流入孔5′が略垂直状をなして開口部5の排水路4側に向けて斜降状をなす部分に連通されてもよく、この場合には流入孔5′によって更に排水効率を高めることができる利点がある。
例えば図12(イ)の左半部及び(ロ)に示すように、上記流入孔5′の形態は、長手方向に沿い開口部5(上部開口部5a)と略同長でスリット状となされ、略垂直状をなして開口部5の下部開口部5bに連通されてもよい。又、図12(イ)の右半部及び(ハ)に示すように、上記流入孔5′の形態は、長手方向に沿い開口部5(上部開口部5a)より短いスリット状、更に短い別のスリット状をなす2個のものが順次開口部5と略並列状に設けられ、各流入孔5′が略垂直状をなして夫々開口部5の下部開口部5bに連通されてもよい。
【0040】
又、図13(イ)の左半部及び(ロ)に示すように、スリット状の流入孔5′の上端縁の長手方向両末端部が段状をなすべく、上面3から凹陥する凹段部5fがその末端部外側に平面視略円形を呈して連設され、流入孔5′が略垂直状をなしてその全体が排水路4側に向けて斜降状をなす開口部5に連設されてもよい。この場合、凹段部5fの形態に関する点や凹段部5fによる効果は上記開口部5の凹段部5fにおけるものと同様である。
又、図13(イ)の右半部、(ハ)及び(ニ)に示すように、スリット状の流入孔5′が、その略中央の孔本体をなす開口基部5c′の長手方向両端に、該長手方向に沿う導水溝5d′を連通して形成されるとともに、該導水溝5d′の底部が開口基部5c′側に向かって下降する傾斜面5e′となされ、上記開口基部5c′が、その全体が排水路4側に向けて斜降状をなす開口部5に連設されてもよい。この場合も、流入孔5′の効果や導水溝5d′の形態については上記開口基部5c、導水溝5d、傾斜面5eを有する開口部5におけるものと同様である。
尚、流入孔5′を設けるにあたって、必ずしも図12及び図13に例示するものに限定されず、流入孔5′の形態が種々変更されてもよいことは勿論である。
【0041】
次に、本発明の側溝用ブロック1の開口部5、詳しくは上部開口部5aと下部開口部5bとからなる屈曲状をなす開口部5(例えば図2に示す開口部5)の形成方法についてその型枠構造とともに説明する。
図14及び図15に型枠20の全体を簡略化して示すように、型枠20は組立分解自在な上面開口型であって、例えば上記図1に示す側溝用ブロック1の外郭形状を形成する略箱形状でその両側が側溝用ブロック1の幅方向外側に開放可能なヒンジ式の外枠22と、該外枠22の長手方向両端を夫々閉塞する妻枠30との内部に、該両側の妻枠30間にわたり断面円形の排水路4形成用の略円筒状の内枠21が横架され、上面から型枠20内にコンクリート材料26を充填して側溝用ブロック1を製造するものである。
該側溝用ブロック1の製造時に上記開口部5を形成するために、側溝用ブロック1の上面3を形成する外枠22の底部型板23に、その幅方向端部近傍の所定位置にその長手方向に沿って、上部開口部5a形成用の略垂直状をなす第一中子24を介して下部開口部5b形成用の上向き傾斜状をなす第二中子25を組立分解自在に接続しておくものであり、以下これに関して詳述する。
【0042】
上記外枠22の底部型板23の第一中子24を取付ける部分には、図17(イ)及び(ロ)に示すように、上記上部開口部5aの開口縁に面取を施すための面取形成部23aが設けられ、該面取形成部23aは、後述する第一中子24の底面に略適合する細長状の平らな頂面を有して底部型板23の表面から山形状に若干突出している。又、該面取形成部23aの長手方向両端部にノックピン23bが略垂直状に貫通されて表面から突出され、長手方向を略3等分する2箇所にボルト孔23cが略垂直状に設けられている。
【0043】
第一中子24は、図18(イ)乃至(ニ)に示すように、上記図2に示す上部開口部5aの形状に適合する外郭形状を有する細長状で、その上面略中央部に凸部24a、長手方向両端部の底面に上記ノックピン23bと嵌合可能なピン孔24b、長手方向を略3等分する2箇所に上記ボルト孔23cと連通可能なボルト孔24cが略垂直状に夫々設けられている。
第二中子25は、図19(イ)乃至(ホ)に示すように、上記図2に示す下部開口部5bの形状に適合する外郭形状を有する板状で、断面山形状の頂面の一方の所定勾配で傾斜した上面に、その略中央部に第一中子24の凸部24aと嵌合可能な凹部25a、長手方向両端部に第一中子24のボルト孔24cと連通可能なボルト孔25bが夫々設けられている。
【0044】
しかして、図16(イ)及び(ロ)に示すように、外枠22の底部型板23に第一、第二中子24,25を接続するのであるが、その接続方法は、底部型板23の面取形成部23a上に第一中子24を略垂直状に位置させ、面取形成部23a上のノックピン23bに底面のピン孔24bを嵌合してボルト孔23c,24cを互いに連通させ、略水平状をなす第一中子24の略中央部上に第二中子25をその上面を下側に、且つ、略水平状にして第二中子25全体が傾斜状をなすべく位置させ、第一中子24の凸部24aに凹部25aを嵌合してボルト孔24c,25bを互いに連通させ、一方、底部型板23の下方からボルト27を上記ボルト孔23c,24c,25bに挿通することで互いに接続する。
上記接続に際して、図16(イ)に示すように、第二中子25はその先端(第一中子24側と反対側の上端部)を内枠21に向けて上向き傾斜状に接続するとともに、上記先端を内枠21の表面に近接させ、内枠21の表面との間に隙間を設けて位置させる。即ち、上記第二中子25の先端は、第一、第二中子24,25を組み付けた後に両妻枠30間に横架せる内枠21と衝突等して位置ずれや破損、損傷することがないため、型枠20内に常時安定した状態で組み付けられる。
【0045】
本発明方法は、上記のようにして第一、第二中子24,25を組み付けた上記型枠20内に充填したコンクリート材料26の硬化後、まず第一、第二中子24,25を残して脱型する。即ち、両妻枠30及び内、外枠21,22を分解するとともに、ボルト27を外して底部型板23と第一、第二中子24,25の接続を解き、製造した側溝用ブロック1を外枠22(底部型板23)から取り出すと、図20(イ)に示すように、側溝用ブロック1の内部に第一、第二中子24,25が残るとともに、第二中子25と内枠21が存した(排水路4)間とにコンクリート薄壁28が形成された状態となる。
次いで、図20(ロ)に示すように、第一中子24を側溝用ブロック1の上方(矢印方向、底部型板23が存した側)に外す。この第一中子24の外し方は、例えばボルト孔24cを利用して第一中子24にボルト止めした部分を引上げる機構を備えた脱型治具により第一中子24を引き上げる等、適宜の手段を採用すればよい。
次いで、図20(ハ)に示すように、側溝用ブロック1の上方から例えば棒状の治具29を第一中子24を外した跡に形成された上部開口部5aに挿入し、その下部先端を第二中子25の凹部25aに係合してやや斜め下方に押し込み、第二中子25を上記コンクリート薄壁28を突き破って内枠21が存した側(排水路4側)に外す。尚、この第二中子25を外す手段は、上記治具29の使用以外の方法、例えて図20(ニ)に示すように、排水路4にその支持脚部を当接するとともに、第二中子25と螺合せるハンドルの回転、締結力を引張力に置換して第二中子25を排水路4側から引き抜く回転ハンドル式治具29′による方法でもよいし、又、これら以外の方法でもよい。
【0046】
以上のようにして開口部5を形成するが、上記第一、第二中子24,25の形状や構造は一例であって、例えて、図21に示すように、第二中子25の斜降状態がきつく(水平に対する傾斜度合が大きく)なされ、その略垂直状をなす頂面と斜降状をなす傾斜面との連設屈折部25cを隅丸状に形成し、且つ、第一中子24と略水平状に当接する第二中子25の上面の幅を第一中子24の幅より広く形成すると、第一、第二中子24,25の接続に際する第二中子25の位置ずれが、その幅広分だけ許容されて相互の接続不備が生じ難く、又、第二中子25の内枠21方向への取り外し時に接触抵抗が減じられてスムーズな取り外しが行え、更に、当該第一、第二中子24,25によって形成される開口部5は、その屈曲部における開口幅が上部開口部5aより広くなされ、且つ、なだらかな円弧面を有して排水性がより向上するとともに、該所に土砂、ゴミ等が停滞しない等の作用を奏して好ましいが、これらに限定されることなく、所望の開口部5(上部、下部開口部5a,5b)の形状に適合するとともに、脱型を考慮した組立分解自在に接続可能な形状、構造であればよく、加えて、上記ノックピン23b、ピン孔24b、凸部24a、凹部25a等の嵌合部を設けると第一、第二中子24,25の組み付け、位置決めを簡略化でき好ましいが、かかる嵌合部は必ずしも設けられなくてもよいとともに、型枠20(内枠21、外枠22、底部型板23、妻枠30)についても側溝用ブロックに適合する形状となされればよい。
【0047】
要は、側溝用ブロック1の製造時に、外枠22の底部型板23の所定位置に、略垂直状をなす第一中子24を介して第二中子25をその先端を内枠21に向け上向き傾斜状に接続して上記先端を内枠21表面に近接させておき、脱型時に第一、第二中子24,25を残し、第一中子24を底部型板23が存した側に外した後、第二中子25を上記コンクリート薄壁28を突き破って内枠21が存した側に外せばよい。
尚、上記例では第一中子24を取付ける外枠22の底部型板23に面取形成部23aを設けているが、第一中子24の底部に予め上部開口部5aの開口縁の面取形成部を設けると、上記面取形成部23aを設ける必要がなく、更に第一中子24とは無関係に上記面取形成部23a自体を必ずしも設けなくともよい。
【0048】
更に、本発明方法は上記方法を変形した他の方法が採用されてもよく、その例について以下に述べる。
図22(イ)、(ロ)及び(ニ)の場合は、上記例と略同様でその一部を変更したものであって、側溝用ブロック1の製造時に、図22(イ)に示す如く、上記例と同様に外枠22の底部型板23の所定位置に、略垂直状をなす第一中子24を介して第二中子25をその先端を内枠21に向け上向き傾斜状に接続して上記先端を内枠21表面に近接させておくが、この時、予め第一中子24を底部型板23にその下側方向に取り外し可能に設けておき、脱型に際して、図22(イ)及び(ロ)に示す如く、まず第一中子24を底部型板23側に外す点で上記例と異なり、その後は図22(ニ)に示す如く、第二中子25を残して妻枠30、内枠21、外枠22及び底部型板23を脱型し、側溝用ブロック1内に残存せる第二中子25を上記例と同様に内枠21が存した側に外すものである。
又、図22(ハ)及び(ニ)の場合も、上記例と略同様でその一部を変更したものであって、上記図22(イ)及び(ロ)に示す例と異なる点は、図22(ハ)に示す如く予め第一中子24を底部型板23に固着しておき、脱型に際して、図22(ニ)に示す如く、第二中子25を残して妻枠30、内枠21、外枠22及び底部型板23とともに第一中子24を脱型する点であり、その後は側溝用ブロック1内に残存せる第二中子25を上記例と同様に内枠21が存した側に外すものである。
【0049】
又、図23(イ)乃至(ホ)の場合は、側溝用ブロック1の製造時に、図23(イ)に示す如く、外枠22の底部型板23の所定位置に、上部開口部5a形成用の略垂直状の第一中子24及び第三中子31を介して下部開口部5b形成用の第二中子25をその先端を内枠21に向けて上向き傾斜状に接続するとともに、上記先端を内枠21表面に近接させ、予め第一中子24を底部型板23に固着しておき、脱型に際して、図23(イ)及び(ロ)に示す如く、第二、第三中子25,31を残して妻枠30、内枠21、外枠22及び底部型板23とともに第一中子24を脱型し、図23(ロ)及び(ハ)に示す如く側溝用ブロック1内に残存せる第二中子25を内枠21が存した側に外し、続いて第三中子31を内枠21が存した側に外すものである。上記第三中子31は、第二中子25を外すと、図23(ニ)及び(ホ)に示す如く下部開口部5b内に落下(自重又は押圧等により)、回動したりすることで下部開口部5b内を通過するようにして、夫々内枠21が存した側に速やかに落下するようにしておくものである。
又、この場合のように第一、第二、第三中子24,25,31を使用する場合、上記の他、脱型に際して、第一、第二、第三中子24,25,31を残して妻枠30、内枠21、外枠22及び底部型板23を脱型し、既に説明したと同様に側溝用ブロック1内に残存せる第一中子24を底部型板23が存した側に外した後、第二、第二中子25,31を内枠21が存した側に外すか、又は、図22(イ)に示すと同様に第一中子24を底部型板23側に外し、第二、第三中子25,31を残して妻枠30、内枠21、外枠22及び底部型板23を脱型し、上記と同様に側溝用ブロック1内に残存せる第二、第三中子25,31を内枠21が存した側に外すようにしてもよい(図示省略)。
又、第一、第二、第三中子24,25,31を使用する場合、脱型に際して中子を小分けにして側溝用ブロック1の開口部5を損傷することなく脱型ができる利点がある。
【0050】
又、図24(イ)及び(ロ)の場合は、夫々、上記開口部5を形成する第一、第二中子24,25の代わりに屈折又は屈曲状の入れ子32を使用するものであって、夫々側溝用ブロック1の製造時に、上記例と略同様に外枠22の底部型板23の所定位置に、上部開口部5a形成用の略垂直状部32aを介して下部開口部5b形成用の傾斜状部32bが連設されてなる入れ子32を、その傾斜状部32bを先端を内枠21に向けて上向き傾斜状として接続するとともに、上記先端を内枠21表面に近接させておき(図示省略)、脱型に際して、入れ子32を残して妻枠30、内枠21、外枠22及び底部型板23を脱型した後、図24(イ)及び(ロ)に示す側溝用ブロック1内に残存せる入れ子32を除去するものである。
この場合、入れ子32としては、少なくとも型枠20内のコンクリート材料充填時の圧力に耐え得る硬度を有し、脱型に際して弾性変形して再使用可能、或いは破壊や変形、消滅して再使用不能となる材質のものを使用するものであって、例えば発泡スチロール等の弾性を有する合成樹脂、ゴム系等の弾性材料、中空弾性体等、弾性材料からなり主として再使用可能(破壊等により再使用不能ともなる場合もある)となされるか、或いはシエル芯、分解性や溶解性合成樹脂等からなり再使用不能(使い捨て)となされる。又、側溝用ブロック1内に残存せる入れ子32を除去する方法は、入れ子32を弾性変形させたり(再使用可能な場合)、破壊や変形、或いは液体(薬品を含む)や熱等で流失、分解、溶解させる等(再使用不能な場合)の適宜手段を採用すればよい。
又、図24(ハ)に示すように、入れ子32′を、上記開口部5及び流入孔5′を同時に形成しうる形状となすべく、略垂直状部32aに並列して起立部32cを傾斜状部32bに連設しておくこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】 本発明の側溝用ブロックの一実施の形態を示し、(イ)は正面図、(ロ)は平面図、(ハ)は背面図、(ニ)は左側面図、(ホ)は(イ)のA−A拡大断面図。
【図2】 (イ)は図1の側溝用ブロックの一部拡大平面図、(ロ)は(イ)のB−B一部断面図、(ハ)は(イ)のC−C断面図、(ニ)は(イ)のD−D断面図。
【図3】 図1の側溝用ブロックの施工例を示す断面図。
【図4】 本発明の側溝用ブロックの他実施の形態を示し、(イ)は正面図、(ロ)は平面図、(ハ)は背面図、(ニ)は左側面図、(ホ)は(イ)のE−E拡大断面図。
【図5】 図4の側溝用ブロックの施工例を示す断面図。
【図6】 (イ)乃至(ヘ)は夫々本発明の側溝用ブロックの他実施の形態を示す断面図。
【図7】 (イ)、(ロ)及び(ホ)は夫々本発明の側溝用ブロックの他実施の形態を示す一部平面図、(ハ)は(イ)及び(ロ)のF−F拡大断面図、(ニ)は(イ)及び(ロ)のG−G拡大断面図。
【図8】 (イ)及び(ロ)は夫々本発明の側溝用ブロックの他実施の形態を示す一部断面図。
【図9】 (イ)は本発明の側溝用ブロックの他実施の形態を示す一部平面図、(ロ)は(イ)のN−N拡大断面図、(ハ)は(イ)のP−P拡大断面図。
【図10】 (イ)は図9(ロ)のa部拡大図、(ロ)は図9(ハ)のC部拡大図、(ハ)は図9(イ)のb部拡大図。
【図11】 (イ)乃至(ニ)は夫々本発明に係る側溝用ブロックの開口部の他実施の形態を示す一部拡大平面図。
【図12】 (イ)は本発明の側溝用ブロックの他実施の形態を示す平面図、(ロ)は(イ)のQ−Q拡大断面図、(ハ)は(イ)のR−R拡大断面図。
【図13】 (イ)は本発明の側溝用ブロックの他実施の形態を示す平面図、(ロ)は(イ)のS−S拡大断面図、(ハ)は(イ)のT−T拡大断面図、(ニ)は(ハ)のU−U一部断面図。
【図14】 本発明の側溝用ブロックの上面開口部の形成方法における型枠の外観側面図。
【図15】 図14における型枠のM−M拡大断面図。
【図16】 (イ)は図15の型枠の要部を示す断面図、(ロ)は(イ)のH−H矢視図。
【図17】 図16の型枠における外枠の底部型板の要部を示し、(イ)は平面図、(ロ)は(イ)のI−I断面図。
【図18】 図16の型枠における第一中子を示し、(イ)は平面図、(ロ)は正面図、(ハ)は右側面図、(ニ)は(イ)のJ−J断面図。
【図19】 図16の型枠における第二中子を示し、(イ)は平面図、(ロ)は正面図、(ハ)は右側面図、(ニ)は(ロ)のK−K断面図、(ホ)は(ロ)のL−L断面図。
【図20】 (イ)乃至(ハ)は本発明の側溝用ブロックの上面開口部の形成工程の一部を示す要部断面図、(ニ)は他の形成工程を示す要部断面図。
【図21】 本発明の側溝用ブロックの他の開口部を形成する第一及び第二中子の要部拡大断面図。
【図22】 (イ)、(ロ)、(ニ)は本発明の側溝用ブロックの上面開口部の形成方法の他の例における形成工程を示す要部断面図、(ハ)及び(ニ)は本発明の側溝用ブロックの上面開口部の形成方法の更に他の例における形成工程を示す要部断面図。
【図23】 (イ)乃至(ホ)は本発明の側溝用ブロックの上面開口部の形成方法の更に他の例における形成工程を示す要部断面図。
【図24】 (イ)、(ロ)及び(ハ)は夫々本発明の側溝用ブロックの上面開口部の形成方法の更に他の例における形成工程の一部を示す要部断面図。
【符号の説明】
【0052】
1 側溝用ブロック
2 ブロック本体
3 上面
3a 低部側端部
3b 高部側端部
4 排水路
5 開口部
5′ 流入孔
5a 上部開口部
5b 下部開口部
5c,5c′ 開口基部
5d,5d′ 導水溝
5e,5e′ 傾斜面
5f 凹段部
6 通水孔
20 型枠
21 内枠
22 外枠
23 底部型板
24 第一中子
25 第二中子
26 コンクリート材料
30 妻枠
31 第三中子
32,32′ 入れ子
32a 垂直状部
32b 傾斜状部
32c 起立部
h 所定高さ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に長手方向に沿う排水路(4)を有するブロック本体(2)の上面(3)が、長手方向と直交する幅方向に向けた傾斜面となされ、該傾斜面をなす上面(3)の低部側端部(3a)近傍に長手方向に沿うスリット状の開口部(5)が断続又は連続して設けられ、該開口部(5)の全体、又は上記上面(3)に開口する略垂直状の上部開口部(5a)に連続する下部開口部(5b)が排水路(4)側に向けて斜降状をなして排水路(4)と連通されてなる側溝用ブロック。
【請求項2】
ブロック本体(2)の上面(3)に開口部(5)と略並列状に長手方向に沿う流入孔(5′)が少なくとも1個設けられ、該流入孔(5′)が略垂直状をなして開口部(5)の排水路(4)側に向けて斜降状をなす部分に連通されてなる請求項1記載の側溝用ブロック。
【請求項3】
流入孔(5′)がその開口基部(5c′)の長手方向一端又は両端に該長手方向に沿う導水溝(5d′)を連通して形成されるとともに、該導水溝(5d′)の底部が開口基部(5c′)側に向かって下降する傾斜面(5e′)となされ、上記開口基部(5c′)が開口部(5),(5b)に連通されてなる請求項2記載の側溝用ブロック。
【請求項4】
開口部(5),(5b)が排水路(4)の底部から少なくとも所定高さ(h)以上の位置で排水路(4)と連通されてなる請求項1乃至3の何れかに記載の側溝用ブロック。
【請求項5】
開口部(5)が上部開口部(5a)と下部開口部(5b)とからなり、上部開口部(5a)がその開口基部(5c)の長手方向一端又は両端に該長手方向に沿う導水溝(5d)を連通して形成されるとともに、該導水溝(5d)の底部が開口基部(5c)側に向かって下降する傾斜面(5e)となされ、上記開口基部(5c)に下部開口部(5b)が連通されてなる請求項1乃至4の何れかに記載の側溝用ブロック。
【請求項6】
開口部(5),(5a)、流入孔(5′)の上端縁の一部又は全体が段状をなすべく、上面(3)から凹陥する凹段部(5f)がその上端外側に連設されてなる請求項2乃至5の何れかに記載の側溝用ブロック。
【請求項7】
外枠(22)両側の妻枠(30)間に排水路(4)形成用の内枠(21)が横架された上面開口型の型枠(20)内にコンクリート材料(26)を充填して側溝用ブロック(1)を製造するに際し、該側溝用ブロック(1)の上面(3)を形成する外枠(22)の底部型板(23)に、その端部近傍に長手方向に沿って上部開口部(5a)形成用の略垂直状の第一中子(24)を介して下部開口部(5b)形成用の第二中子(25)をその先端を内枠(21)に向けて上向き傾斜状に接続するとともに、上記先端を内枠(21)表面に近接させ、上記コンクリート材料(26)の硬化後に、第一、第二中子(24),(25)を残して妻枠(30)、内枠(21)、外枠(22)及び底部型板(23)を脱型し、側溝用ブロック(1)内に残存せる第一中子(24)を底部型板(23)が存した側に外した後第二中子(25)を内枠(21)が存した側に外すか、又は、第一中子(24)を底部型板(23)側に外し、第二中子(25)を残して妻枠(30)、内枠(21)、外枠(22)及び底部型板(23)を脱型し、側溝用ブロック(1)内に残存せる第二中子(25)を内枠(21)が存した側に外すか、又は、第二中子(25)を残して妻枠(30)、内枠(21)、外枠(22)及び底部型板(23)とこれに固着した第一中子(24)を脱型した後、側溝用ブロック(1)内に残存せる第二中子(25)を内枠(21)が存した側に外すことを特徴とする側溝用ブロックの上面開口部の形成方法。
【請求項8】
外枠(22)両側の妻枠(30)間に排水路(4)形成用の内枠(21)が横架された上面開口型の型枠(20)内にコンクリート材料(26)を充填して側溝用ブロック(1)を製造するに際し、該側溝用ブロック(1)の上面(3)を形成する外枠(22)の底部型板(23)に、その端部近傍に長手方向に沿って上部開口部(5a)形成用の略垂直状の第一中子(24)及び第三中子(31)を介して下部開口部(5b)形成用の第二中子(25)をその先端を内枠(21)に向けて上向き傾斜状に接続するとともに、上記先端を内枠(21)表面に近接させ、上記コンクリート材料(26)の硬化後に、第二、第三中子(25),(31)を残して妻枠(30)、内枠(21)、外枠(22)及び底部型板(23)とこれに固着した第一中子(24)を脱型し、側溝用ブロック(1)内に残存せる第二、第三中子(25),(31)を内枠(21)が存した側に外すか、又は、第一、第二、第三中子(24),(25),(31)を残して妻枠(30)、内枠(21)、外枠(22)及び底部型板(23)を脱型し、側溝用ブロック(1)内に残存せる第一中子(24)を底部型板(23)が存した側に外した後、第二、第三中子(25),(31)を内枠(21)が存した側に外すか、又は、第一中子(24)を底部型板(23)側に外し、第二、第三中子(25),(31)を残して妻枠(30)、内枠(21)、外枠(22)及び底部型板(23)を脱型し、側溝用ブロック(1)内に残存せる第二、第三中子(25),(31)を内枠(21)が存した側に外すことを特徴とする側溝用ブロックの上面開口部の形成方法。
【請求項9】
外枠(22)両側の妻枠(30)間に排水路(4)形成用の内枠(21)が横架された上面開口型の型枠(20)内にコンクリート材料(26)を充填して側溝用ブロック(1)を製造するに際し、該側溝用ブロック(1)の上面(3)を形成する外枠(22)の底部型板(23)に、その端部近傍に長手方向に沿って上部開口部(5a)形成用の略垂直状部(32a)を介して下部開口部(5b)形成用の傾斜状部(32b)が連設されてなる入れ子(32)、又は、底部型板(23)の端部近傍に長手方向に沿って上部開口部(5a)形成用の略垂直状部(32a)を介して下部開口部(5b)形成用の傾斜状部(32b)が連設されるとともに、略垂直状部(32a)に並列して底部型板(23)に接続すべき流入孔(5′)形成用の起立部(32c)が傾斜状部(32b)に連設されてなる入れ子(32′)を、その傾斜状部(32b)の先端を内枠(21)に向けて上向き傾斜状として接続するとともに、上記先端を内枠(21)表面に近接させ、上記コンクリート材料(26)の硬化後に、入れ子(32)又は(32′)を残して妻枠(30)、内枠(21)、外枠(22)及び底部型板(23)を脱型した後、側溝用ブロック(1)内に残存せる入れ子(32)又は(32′)を除去することを特徴とする側溝用ブロックの上面開口部の形成方法。
【請求項1】
内部に長手方向に沿う排水路(4)を有するブロック本体(2)の上面(3)が、長手方向と直交する幅方向に向けた傾斜面となされ、該傾斜面をなす上面(3)の低部側端部(3a)近傍に長手方向に沿うスリット状の開口部(5)が断続又は連続して設けられ、該開口部(5)の全体、又は上記上面(3)に開口する略垂直状の上部開口部(5a)に連続する下部開口部(5b)が排水路(4)側に向けて斜降状をなして排水路(4)と連通されてなる側溝用ブロック。
【請求項2】
ブロック本体(2)の上面(3)に開口部(5)と略並列状に長手方向に沿う流入孔(5′)が少なくとも1個設けられ、該流入孔(5′)が略垂直状をなして開口部(5)の排水路(4)側に向けて斜降状をなす部分に連通されてなる請求項1記載の側溝用ブロック。
【請求項3】
流入孔(5′)がその開口基部(5c′)の長手方向一端又は両端に該長手方向に沿う導水溝(5d′)を連通して形成されるとともに、該導水溝(5d′)の底部が開口基部(5c′)側に向かって下降する傾斜面(5e′)となされ、上記開口基部(5c′)が開口部(5),(5b)に連通されてなる請求項2記載の側溝用ブロック。
【請求項4】
開口部(5),(5b)が排水路(4)の底部から少なくとも所定高さ(h)以上の位置で排水路(4)と連通されてなる請求項1乃至3の何れかに記載の側溝用ブロック。
【請求項5】
開口部(5)が上部開口部(5a)と下部開口部(5b)とからなり、上部開口部(5a)がその開口基部(5c)の長手方向一端又は両端に該長手方向に沿う導水溝(5d)を連通して形成されるとともに、該導水溝(5d)の底部が開口基部(5c)側に向かって下降する傾斜面(5e)となされ、上記開口基部(5c)に下部開口部(5b)が連通されてなる請求項1乃至4の何れかに記載の側溝用ブロック。
【請求項6】
開口部(5),(5a)、流入孔(5′)の上端縁の一部又は全体が段状をなすべく、上面(3)から凹陥する凹段部(5f)がその上端外側に連設されてなる請求項2乃至5の何れかに記載の側溝用ブロック。
【請求項7】
外枠(22)両側の妻枠(30)間に排水路(4)形成用の内枠(21)が横架された上面開口型の型枠(20)内にコンクリート材料(26)を充填して側溝用ブロック(1)を製造するに際し、該側溝用ブロック(1)の上面(3)を形成する外枠(22)の底部型板(23)に、その端部近傍に長手方向に沿って上部開口部(5a)形成用の略垂直状の第一中子(24)を介して下部開口部(5b)形成用の第二中子(25)をその先端を内枠(21)に向けて上向き傾斜状に接続するとともに、上記先端を内枠(21)表面に近接させ、上記コンクリート材料(26)の硬化後に、第一、第二中子(24),(25)を残して妻枠(30)、内枠(21)、外枠(22)及び底部型板(23)を脱型し、側溝用ブロック(1)内に残存せる第一中子(24)を底部型板(23)が存した側に外した後第二中子(25)を内枠(21)が存した側に外すか、又は、第一中子(24)を底部型板(23)側に外し、第二中子(25)を残して妻枠(30)、内枠(21)、外枠(22)及び底部型板(23)を脱型し、側溝用ブロック(1)内に残存せる第二中子(25)を内枠(21)が存した側に外すか、又は、第二中子(25)を残して妻枠(30)、内枠(21)、外枠(22)及び底部型板(23)とこれに固着した第一中子(24)を脱型した後、側溝用ブロック(1)内に残存せる第二中子(25)を内枠(21)が存した側に外すことを特徴とする側溝用ブロックの上面開口部の形成方法。
【請求項8】
外枠(22)両側の妻枠(30)間に排水路(4)形成用の内枠(21)が横架された上面開口型の型枠(20)内にコンクリート材料(26)を充填して側溝用ブロック(1)を製造するに際し、該側溝用ブロック(1)の上面(3)を形成する外枠(22)の底部型板(23)に、その端部近傍に長手方向に沿って上部開口部(5a)形成用の略垂直状の第一中子(24)及び第三中子(31)を介して下部開口部(5b)形成用の第二中子(25)をその先端を内枠(21)に向けて上向き傾斜状に接続するとともに、上記先端を内枠(21)表面に近接させ、上記コンクリート材料(26)の硬化後に、第二、第三中子(25),(31)を残して妻枠(30)、内枠(21)、外枠(22)及び底部型板(23)とこれに固着した第一中子(24)を脱型し、側溝用ブロック(1)内に残存せる第二、第三中子(25),(31)を内枠(21)が存した側に外すか、又は、第一、第二、第三中子(24),(25),(31)を残して妻枠(30)、内枠(21)、外枠(22)及び底部型板(23)を脱型し、側溝用ブロック(1)内に残存せる第一中子(24)を底部型板(23)が存した側に外した後、第二、第三中子(25),(31)を内枠(21)が存した側に外すか、又は、第一中子(24)を底部型板(23)側に外し、第二、第三中子(25),(31)を残して妻枠(30)、内枠(21)、外枠(22)及び底部型板(23)を脱型し、側溝用ブロック(1)内に残存せる第二、第三中子(25),(31)を内枠(21)が存した側に外すことを特徴とする側溝用ブロックの上面開口部の形成方法。
【請求項9】
外枠(22)両側の妻枠(30)間に排水路(4)形成用の内枠(21)が横架された上面開口型の型枠(20)内にコンクリート材料(26)を充填して側溝用ブロック(1)を製造するに際し、該側溝用ブロック(1)の上面(3)を形成する外枠(22)の底部型板(23)に、その端部近傍に長手方向に沿って上部開口部(5a)形成用の略垂直状部(32a)を介して下部開口部(5b)形成用の傾斜状部(32b)が連設されてなる入れ子(32)、又は、底部型板(23)の端部近傍に長手方向に沿って上部開口部(5a)形成用の略垂直状部(32a)を介して下部開口部(5b)形成用の傾斜状部(32b)が連設されるとともに、略垂直状部(32a)に並列して底部型板(23)に接続すべき流入孔(5′)形成用の起立部(32c)が傾斜状部(32b)に連設されてなる入れ子(32′)を、その傾斜状部(32b)の先端を内枠(21)に向けて上向き傾斜状として接続するとともに、上記先端を内枠(21)表面に近接させ、上記コンクリート材料(26)の硬化後に、入れ子(32)又は(32′)を残して妻枠(30)、内枠(21)、外枠(22)及び底部型板(23)を脱型した後、側溝用ブロック(1)内に残存せる入れ子(32)又は(32′)を除去することを特徴とする側溝用ブロックの上面開口部の形成方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2007−92501(P2007−92501A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−315350(P2005−315350)
【出願日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【出願人】(000202408)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【出願人】(000202408)
【Fターム(参考)】
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