説明

側溝蓋の吊り具

【課題】側溝溝に被せる側溝蓋を吊り上げる吊り具である。
【解決手段】吊り具は、操作体10に結合の軸体11に支持体12を取付け、前記軸体11に受け体13と昇降可能な押え体14を挿通し、前記押え体14と受け体13との間にバネ15を挿入して構成してあり、側溝蓋1の裏面側に雨水溝2を含む範囲に支持体12が回転可能な回転溝3が形成してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、道路の端部に設置のU字溝に被せる側溝蓋を設置したり、取り外したりすることに使用する側溝蓋の吊り具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、側溝蓋を吊り上げる装置として特許文献1がある。この特許文献1に開示の装置はクランプ金具、クランプ吊り金具、及び吊り上げ装置など、三つの機構を機能的かつコンパクトにまとめた装置である。
この吊り装置は、側溝蓋に形成されている雨水溝にクランプ金具を挿入して引っ掛けて、クランプ吊り金具を介して吊り上げ装置によって吊り上げ、且つ、移動可能になっている。
【0003】
【特許文献1】特開2001−295359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
側溝蓋は、一般に、使用する前段階において、積層状態でおかれていて、使用に当たって、1枚毎、側溝蓋を手で切り離し、搬送し、U字溝の上に載置している。このように、人手で作業を行うので、手を挟んだりして、その作業における安全面において課題がある。
また、特許文献1に開示の装置は、雨水溝にクランプ金具を挿入するものであるが、側溝蓋が積層状態のときには隙間がないためクランプ金具が機能しないという課題がある。
そこで、本願発明では、かかる課題を解消するための側溝蓋の吊り具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の側溝蓋の吊り具は、表面から裏面に貫通形成の雨水溝を介して側溝蓋を吊り上げるものであり、この吊り具は、操作体に結合の軸体の端部に支持体を取付け、前記軸体の上部に受け体を取り付けると共に軸体に昇降可能な押え体を挿通し、前記押え体と受け体との間にバネを挿入して構成してある。
また、側溝蓋の裏面側には、前記支持体を雨水溝に挿入した後に、その支持体が回転可能な回転溝が形成してある。
また、請求項2の吊り具は、回転溝内に、雨水溝に対して任意の角度で、回転停止溝が形成してあり、支持体がその回転停止溝内に挿入することによって、吊り具の操作体の回転が阻止されて、支持体が雨水溝から抜けることがなく、より安全に吊ることができる。
【発明の効果】
【0006】
本願発明の吊り具は、簡便な構成で、側溝蓋を安全に吊ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】U字溝の溝側蓋を積層の斜視図である。
【図2】側溝蓋の裏面の斜視図である。
【図3】吊り具の正面図である。
【図4】吊り具の操作準備段階の図である。
【図5】吊り具を雨水溝に挿入した側溝蓋の裏面図
【図6】吊り具を回転し、吊り上げ可能状態の側溝蓋の裏面図である。
【図7】吊り具を回転し、吊り上げ可能状態の側溝蓋の表面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本願発明の一実施の形態を図を参照して説明する。
図1は、断面U字状のU字溝の溝側蓋1であり、積層状態の斜視図である。図2は、側溝蓋の裏面の斜視図である。図3は吊り具の正面図である。図4〜図7は、吊り具を使用して側溝蓋を吊り上げる操作を示す図である。
【0009】
コンクリート製の側溝蓋1は、断面U字状のコンクリート製のU字溝の蓋として使用する。この側溝蓋1の中央において、前後2箇所に、細長い雨水溝2が表面から裏面に貫通して形成されている。
また、この側溝蓋1の裏面には、前記雨水溝2を含む範囲に、凹状の回転溝3が形成してある。尚、この回転溝3の口径は、後述する吊り具の支持体12の長さより大きく形成してあり、支持体12の回転が可能になっている。
【0010】
また、前記回転溝3の内側には、前記雨水溝2とは所定の角度で、凹状の回転停止溝5が形成されている。なお、本例の回転停止溝5は、雨水溝2に対して垂直に形成してある。また、この回転停止溝5は、後記で詳述する吊り具に付設の支持体12の長さより長く、且つ、支持体12がこの回転停止溝5に入ったとき、回転が阻止される深さの溝である。
なお、この回転停止溝5は、後記で詳述するが、必ずしも必要ではない。
【0011】
次に、図3の吊り具について説明すると、金属製の丸棒である操作体10の中央には、金属製の丸棒である軸体11が垂直に結合してあり、その軸体11の端部には支持体12が、前記操作体10と平行に取り付けてある。この支持体12は金属製の丸棒であり、前記雨水溝2から挿入した後に、回転溝3内で回転可能で、且つ、前記回転停止溝5に挿入可能である。
尚、前記支持体12の取付け方向は操作体10と平行の方が、操作体10を回転したとき支持体12の位置(方向)がわかりやすいので望ましいが、必ずしも平行である必要はない。
【0012】
また、前記軸体11の上部には、後述のバネ15の反発力を受ける円盤状の受け体13が固定して取り付けてある。また、軸体11には、昇降可能な円盤状の押え体14が挿通してあり、前記受け体13との間にバネ15が挿通してある。
【0013】
次に、図4から図7を参照して、図3に示す吊り具を使用して、側溝蓋1を吊り上げる操作について説明する。図4は吊り具の操作準備段階であり、図5は吊り具を雨水溝2に挿入した側溝蓋1の裏面図、図6は吊り具を回転し、吊り上げ可能状態の側溝蓋1の裏面図、図7は図6に相当する側溝蓋1の表面図であり、吊り上げ可能な状態の図である。
尚、吊り具を使用して側溝蓋1を吊り上げる操作の説明は片方のみであり、他方の吊り具も同様である。
【0014】
先ず、吊り具の操作体10を手に持って(図4)、支持体12を側溝蓋1に形成の雨水溝2から挿入すると、押え体14は側溝蓋1の表面に載置してバネ15を圧縮し、支持体12は側溝蓋の裏面に形成の回転溝3内に到る(図5)。
次に、操作体10を回転させて、支持体12を回転停止溝5に嵌合させ、操作体10から手を離すと、バネ15の反発力によって、回転停止溝5に嵌合状態の支持体12は、側溝蓋1の表面に載置した押え体14とで挟着状態になる。
そのため、操作体10は水平回転できない状態になり、支持体12が回転停止溝5から離脱して雨水溝2から抜けることがない(図6、図7)。
この状態の操作体10を図示しない昇降機で吊り上げても、支持体12の回転が阻止されていて、支持体12は雨水溝2から抜けることがないので、より安全に吊り上げることができる。
【0015】
なお、前記した吊り具が側溝蓋1に装着された状態から、吊り具を取り外すのは、先ず、操作体10を持って、下方向に押圧して、バネ15を圧縮させると、支持体12は回転停止溝5から離脱する。次に、操作体12を回転させて、支持体12を雨水溝2に合わせ、その後、引き上げることによって、吊り具を側溝蓋1から外すことができる。即ち、この状態の吊り具は、吊り具を下に押えない限り、雨水溝2から取り外すことができないので、持ち上げる操作をしても外れることがないので安全である。
【0016】
尚、前記側溝蓋1の裏面には、回転停止溝5が形成してあるが、バネ15が若干強い場合には、支持体12は蓋の裏面に強く挟着されて、支持体12の回転を困難にすることによって、支持体12が雨水溝2から抜けることを防止できるので、回転停止溝5は必ずしも必要がないし、吊り具を装着後、回転しないように注意しながら吊り上げることもできるので、回転停止溝5は必ずしも必要がない。
また、本願の吊り具は、側溝蓋に対するものであるが、吊り上げる対象物は側溝蓋に限定されないことはいうまでもない。
【符号の説明】
【0017】
1 側溝蓋
3 回転溝
5 回転停止溝
10 操作体
11 軸体
12 支持体
13 受け体
14 押え体
15 バネ



【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面から裏面に貫通形成の雨水溝を介して側溝蓋を吊り上げる吊り具であって、
前記吊り具を、
操作体に結合の軸体の端部に支持体を取付け、前記軸体の上部に受け体を取り付けると共に軸体に昇降可能な押え体を挿通し、前記押え体と受け体との間にバネを挿入して構成してあり、
側溝蓋の裏面側に、前記支持体が雨水溝に挿入後に回転可能な回転溝を形成することを特徴とする吊り具。
【請求項2】
請求項1の吊り具であって、
回転溝内に、雨水溝に対して任意の角度で、回転停止溝を形成することを特徴とする吊り具。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−108240(P2013−108240A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−252199(P2011−252199)
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【出願人】(502045884)株式会社赤羽コンクリート (8)
【Fターム(参考)】