説明

側部車体構造

【課題】フロントサイドドアの前部にサブウインドウが設けられた車両の側部車体構造であって、このサブウインドウを通して広い可視範囲を確保することができる側部車体構造を提供する。
【解決手段】サブウインドウ10の枠部21が、インナパネル30と、アウタパネル40と、レインフォースメント50を接合して構成され、レインフォースメント50は、少なくとも枠部21の車両前方角部21aにおいて、枠部21の開口23を形成する接合フランジ53を車幅方向内側に変位させる屈曲部54を備え、この屈曲部54により車幅方向内側に変位した接合フランジ53が、インナパネル30の接合フランジ33と接合され、アウタパネル40は、少なくとも枠部21の車両前方角部21aにおいて、縁部が、レインフォースメント50とインナパネル30の接合フランジ53,33に対して、車幅方向外側且つ枠部開口23外側に位置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、側部車体構造に係り、特にフロントサイドドアの前部にサブウインドウが設けられた車両の側部車体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フロントピラーアッパ下方であってフロントドア前方に略三角形状のサブウインドウが設けられた側部車体構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。この側部車体構造では、サブウインドウの枠部は、インナパネルと、アウタパネルと、これらの間に挟まれたレインフォースメントとが互いに接合されることにより構成されている。具体的には、インナパネル,レインフォースメント,アウタパネルの各接合フランジが互いに接合されることにより、枠部開口が形成されている。乗員は、このサブウインドウの枠部開口を通して車外の可視範囲を確保することができる。
【0003】
【特許文献1】特開2000−103360号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記側部車体構造では、インナパネルとアウタパネルがこれらの間に内部空間を形成するように車幅方向に離間されており、インナパネル,アウタパネル及びレインフォースメントは、各接合フランジが互いに接近され接合されることにより、サブウインドウの枠部開口縁部が形成されている。このため、特に三角形状のサブウインドウの車両前方角部では、枠部開口縁部が枠部の中央側、すなわち車両後方側に位置してしまい、着座した乗員が枠部を通して車外を見たときの可視範囲が狭められてしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、フロントサイドドアの前部にサブウインドウが設けられた車両の側部車体構造であって、このサブウインドウを通して広い可視範囲を確保することができる側部車体構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明は、フロントサイドドアの前部にサブウインドウが設けられた車両の側部車体構造であって、サブウインドウの枠部が、インナパネルと、アウタパネルと、インナパネル及びアウタパネルの間に設けられたレインフォースメントと、を接合して構成され、レインフォースメントは、少なくとも枠部の車両前方角部において、枠部の開口を形成する接合フランジを車幅方向内側に変位させる屈曲部を備え、この屈曲部により車幅方向内側に変位した接合フランジが、インナパネルの枠部の開口を形成する接合フランジと接合され、アウタパネルは、少なくとも枠部の車両前方角部において、枠部の開口を形成する縁部が、レインフォースメントとインナパネルの接合フランジに対して、車幅方向外側且つ枠部開口外側に位置することを特徴としている。
【0007】
このように構成された本発明によれば、サブウインドウの枠部のうち、少なくとも車両前方角部において、インナパネルとレインフォースメントとの接合フランジを、アウタパネルの枠部開口を形成する縁部よりも車幅方向内側に位置させ、またアウタパネルの枠部開口を形成する縁部を、インナパネルとレインフォースメントとの接合フランジよりも、枠部外側に位置させている。これにより、車内から車外を見たときの見切り線を枠部の外側に位置させることができ、乗員の可視範囲を少なくとも車両前方側に拡大することができる。
【0008】
また、本発明において好ましくは、アウタパネルは、枠部の車両前方角部以外の部位において、枠部の開口を形成する接合フランジを有し、この接合フランジが、レインフォースメント又はインナパネルの少なくとも一方と接合されている。このように構成された本発明によれば、車両前方角部以外の枠部内縁部位では、アウタパネルもインナパネル,レインフォースメントと接合されることにより閉断面構造が形成され、剛性や遮音性能を確保することができる。
【0009】
また、本発明において好ましくは、枠部の車両前方角部には、アウタパネルとレインフォースメントとの間の車幅方向の間隔を埋める遮蔽部材が設けられる。このように構成された本発明によれば、アウタパネルとレインフォースメントとの間からの透過音を遮蔽して遮音性能を確保することができる。
【0010】
また、本発明において好ましくは、遮蔽部材が、塗装工程の際に加えられた熱によって発泡した発泡体を有する。このように構成された本発明によれば、発泡体により、遮音性能の確保と剛性の確保を達成することができる。
【0011】
また、本発明において好ましくは、レインフォースメントは、上側部材と下側部材とが連結して構成されており、遮蔽部材は、上側部材と下側部材の一方に形成された加工基準孔に第1係合部が係合される共に、他方に第2係合部が係合される。このように構成された本発明によれば、遮蔽部材の支持を簡単な構成で確実に行うことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の側部車体構造によれば、サブウインドウを通して広い可視範囲を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は側部車体構造を備えた車両の斜視図、図2は側部車体構造の側面図、図3は図2のIII−III線断面の斜視図、図4は図2のIV−IV線断面の斜視図、図5は図2のV−V線断面の斜視図、図6は図2のVI−VI線断面の斜視図、図7は遮蔽部材の取付け状態を示す斜視図である。
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係る側部車体構造1を有する車両2を車両前方右側から見た斜視図である。この車両2は、車体前部に設けられたエンジンルームが前後方向に短いミニバンタイプの車両であり、図示しないフロントサイドドアの前部でフロントフェンダ3の上部に、サブウインドウ10が設けられている。このサブウインドウ10に配置されたサブウインドウガラス11は、フロントピラー20の車両外側面に接着固定されており、ヘッドランプ4及びガーニッシュ5に連続するように一体的な外観を構成している。また、この車両2は、フロントピラー20の前端とボンネット6の車両外側後端との間であって、フロントウインドウガラス7及びガーニッシュ5に挟まれた部位に、サブピラー8が設けられている。
【0015】
図2は、車両2の側部車体構造1を車両外側から見た側面図である。図2では、フロントフェンダ3,ガーニッシュ5,サブウインドウガラス11等の図示を省略している。
フロントピラー20は、サブウインドウ10の枠部21と、フロントサイドドアのヒンジ部22を形成している。フロントピラー20には、車両前方に突出するようにカウルサイドレインフォースメントインナ60,カウルサイドレインフォースメントアウタ61及びホイールエプロンレインフォースメント62が接合されている。
【0016】
本実施形態では、枠部21は、車両側面視で略三角形状の開口23を形成しており、サブピラー8からフロントウインドウガラス7の側縁部に沿って車両後方且つ上方に斜めに延びる上枠部24と、上枠部24の先端部から車両後方に延びる下枠部25と、下枠部25の車両後端と上枠部24を連結する後枠部26とを有している。
【0017】
図3に示すように、フロントピラー20は、インナパネル30と、アウタパネル40と、これらのパネル間に配置されたレインフォースメント50とを有する。本実施形態のフロントピラー20では、図2に示すように、アウタパネル40は、枠部21の上枠部24及び後枠部26の上部を構成する上部アウタパネル41と、枠部21の上枠部24及び後枠部26の下部,下枠部25並びにヒンジ部22を構成する下部アウタパネル42からなる。
【0018】
また、レインフォースメント50も、枠部21の上枠部24及び後枠部26を構成する上部レインフォースメント51と、枠部21の下枠部25及びヒンジ部22を構成する下部レインフォースメント52からなる。上部レインフォースメント51と下部レインフォースメント52は、枠部21の車両前方の角部21aで接合されている。角部21aは、下枠部25の前端から車両後方に向けて斜め上方に延びる上枠部24の連結部位である。この連結部位では、図2に示すように、アウタパネル40の開口23を形成する縁部が円弧状に湾曲するように構成されている。
【0019】
図3に示すように、インナパネル30と、アウタパネル40と、レインフォースメント50は、枠部21の開口23を形成する縁部と、これらパネルの外形をなす縁部に、それぞれ接合フランジ33,43,53が形成されている。これら接合フランジ33,43,53は、上枠部24,下枠部25及び後枠部26で原則的に閉断面を形成するように、互いに接合されている。詳しくは、接合フランジ43は、原則的に接合フランジ53と接合フランジ33の少なくとも一方と接合されるように構成されている。
【0020】
また、アウタパネル40には、サブウインドウガラス11を取付けるための、接合面47が形成されている。この接合面47は、開口23の周縁部分が段差部48によって、アウタパネル40の外側意匠面46よりも車幅方向内側に変位された略三角形状の環状平面である。接合面47が車幅方向内側に変位しているので、サブウインドウガラス11を取付けたときに、サブウインドウガラス11の車両外側面と外側意匠面46等とが略面一となるようになっている。なお、開口23を形成する接合面47の縁部が、接合フランジ43に相当する。
【0021】
図4は、枠部21の角部21aにおける水平方向の断面図である。上述のように、インナパネル30と、アウタパネル40と、レインフォースメント50は、原則的に、枠部21の縁部では接合フランジ33,43,53が互いに接合されているが、角部21aは、この原則とは異なっている。すなわち、角部21aでは、インナパネル30とレインフォースメント50の接合フランジ33,53は、互いに接合されているが、アウタパネル40の枠部21を形成する縁部(接合フランジ43)は、レインフォースメント50,又はレインフォースメント50を介してインナパネル30と接合されていない。
【0022】
詳しくは、インナパネル30は、アウタパネル40の接合面47の位置まで車幅方向外側に延びておらず、接合フランジ33は、接合面47から車幅方向に所定間隔d1をあけて車幅方向内側に位置している。
【0023】
また、レインフォースメント50は、アウタパネル40の接合面47の位置まで車幅方向外側に延びておらず、レインフォースメント50には、接合面47の位置に至る所定間隔手前で、車幅方向内側且つ枠部21の中心部に向かって斜め方向に延びる屈曲部54が形成されている。接合フランジ53は、この屈曲部54の車幅方向内側の端部から接合面47によって形成される平面に沿って、枠部21の中心部に向かって延びるように形成されている。このように、接合フランジ53は、屈曲部54によって、車幅方向内側に変位されている。
【0024】
一方、アウタパネル40の接合フランジ43は、側面視で、インナパネル30とレインフォースメント50の接合フランジ33,53の端部よりも、枠部21の開口23の外側(図4では、車両前方)に位置している。詳しくは、アウタパネル40は、接合フランジ43の開口23を形成する縁部が、接合フランジ33,53の開口23を形成する縁部よりも、間隔d2だけ開口23の中心部から離れる方向に位置するように形成されている。屈曲部54は、接合面47の内側縁部よりも開口23の外側から折れ曲がりを開始しており、接合面47の内側縁部に向かうに連れて、屈曲部54と接合面47との車幅方向距離が大きくなっている。
【0025】
また、図5は、角部21aの上端付近における水平方向の断面図である。インナパネル30及びレインフォースメント50は、角部21aから離れるにしたがって、アウタパネル40の接合フランジ43と、接合フランジ33及び53とを車幅方向に隔てる間隔が、角部21aの中央部位における間隔d1よりも次第に小さくなるように構成されている。すなわち、本実施形態では、角部21aから離れると、レインフォースメント50に屈曲部54によって形成される車幅方向の段差がなくなっていき、接合フランジ33,53はアウタパネル40の接合フランジ43に車幅方向に接近していく。
【0026】
また、図5に示すように、アウタパネル40の接合フランジ43は、角部21aの上端部においても、接合フランジ33,53よりも枠部21の中心から離れる方向に変位されている。
そして、図6に示すように、角部21aから上側に外れた部位では、アウタパネル40の接合フランジ43と、インナパネル30の接合フランジ33及びレインフォースメント50の接合フランジ53が共に接合され、枠部21の内側縁部を形成する。
【0027】
本実施形態では、上述のようにアウタパネル40が、角部21aにおいて、レインフォースメント50と車幅方向に間隔d1だけ離間しているので、この隙間によって遮音性能及び剛性が低下してしまう。そこで、本実施形態では、この隙間を埋めるように、図7に示す遮蔽部材70が配置されている。
【0028】
この遮蔽部材70は、隙間を埋めるように上枠部24に沿って延びる樹脂製又は金属製の本体部71と、本体部71の車両前方の面(隙間の奥側の面)に配置された発泡体75(図4,図5参照)とからなる。発泡体75は、本体部71に塗布された発泡材料75aが発泡して形成されるものである。図7は、発泡材料75aが発泡する前の状態を示している。
本体部71の上端側には、隙間の奥に延びるように薄板状の係合部72が形成されており、この係合部72から車幅方向内側に向けて突起73が突出するように形成されている。また、本体部71には、下端側の途中から車幅方向内側に分岐する分岐係合部74が形成されている。
【0029】
上部レインフォースメント51には、加工基準孔51aが穿設されており、遮蔽部材70の突起73が、この加工基準孔51aに嵌め込まれる。
また、上部レインフォースメント51と下部レインフォースメント52は、角部21aで下部レインフォースメント52が上部レインフォースメント51の下端部を覆うように一部が重ねられ、この重なり部分で一体に接合されている。この重なり部分は、車両外側に面する部位に車幅方向の隙間が形成されており、この隙間に、遮蔽部材70の分岐係合部74が上側から差し込まれている。
【0030】
遮蔽部材70は、インナパネル30,レインフォースメント50及びアウタパネル40が一体に接合された後、係合部72及び分岐係合部74によってレインフォースメント50に取付けられる。このとき、遮蔽部材70は、本体部71に発泡材料75aが塗布された状態である。そして、塗装工程において、塗装を吹き付け後の加熱処理中の熱により、発泡材料75aが発泡し発泡体75が形成される。この発泡材料75aは、加熱による発泡処理によって、本体部71の車両前面から隙間を埋めるように隙間の奥側及び車両幅方向に体積を増加させて、発泡体75を形成する。
【0031】
次に本実施形態の側部車体構造1の作用を説明する。
本実施形態の側部車体構造1は、サブウインドウ10を形成する枠部21の車両前方の角部21aにおいて、レインフォースメント50の接合フランジ53が、屈曲部54により車幅方向内側に変位され、インナパネル30の接合フランジ33と接合されている。一方、アウタパネル40の接合フランジ43は、これら接合フランジ33,53と接合されることなく、これらの車幅方向外側に位置する。また、接合フランジ43の内側縁部は、接合フランジ33,53の内側縁部よりも、枠部21の開口23の中心部から離れる方向に位置するように形成されている。
【0032】
ここで、従来のように、アウタパネル40の接合フランジ43を接合面47から車幅方向内側に変位させるように折り曲げ加工し、接合フランジ53及び接合フランジ33と接合して閉断面を形成した場合、接合フランジ43を車幅方向内側に極端に変位させるように折り曲げ加工することは困難であるので、接合フランジ43は、傾斜面を介して変位させなければならない。これにより、接合フランジ43は、本実施形態の場合よりも枠部21の開口23の中心部に近い位置まで延びてしまう。したがって、角部21aにおいて、枠部21の開口23を通して車内から車外を視認可能な見切り線が車両後方に後退してしまい、可視範囲が狭くなってしまう。
【0033】
これに対して、本実施形態では、角部21aにおいて、アウタパネル40の接合フランジ43は、接合フランジ33,53と接合されることなく、車幅方向外側に間隔d1だけオフセットされているので、接合フランジ33,53の接合部位を従来よりも車両前方に位置させることができ、これにより、見切り線が後退することを抑制し、広い車外可視範囲を確保することができる。
【0034】
さらに、本実施形態では、接合フランジ43の内側縁部が、接合フランジ33,53の内側縁部よりも、枠部21の開口23の中心部から間隔d2だけ離れる方向(車両前方)に位置するように形成されているので、接合フランジ43の内側縁部によって遮られる見切り線が枠部21の外側に拡大され、より広い車外可視範囲を確保することができる。
【0035】
また、本実施形態では、角部21aにおいて、アウタパネル40の接合フランジ43がレインフォースメント50の接合フランジ53と接合されていないが、その他の枠部21内では接合フランジ53と接合フランジ33の少なくとも一方と接合されている。これにより、接合フランジ43が接合フランジ53,33と接合された部分では、閉断面構造を形成することができ、剛性及び遮音性能を確保することができる。
【0036】
また、本実施形態では、角部21aにおいても、アウタパネル40とレインフォースメント50との隙間を埋めるように、遮蔽部材70が配置されているので、遮蔽部材70を介して閉断面構造が形成され、剛性及び遮音性能を確保することができる。さらに、この遮蔽部材70は発泡体75を備えており、この発泡体75がアウタパネル40とレインフォースメント50の隙間を埋めるように配置されているので、アウタパネル40とレインフォースメント50との間からの透過音を遮蔽する遮音性能を向上させることができる。
【0037】
また、本実施形態では、遮蔽部材70は、係合部72が上部レインフォースメント51の加工基準孔51aに嵌め込まれ、分岐係合部74が上部レインフォースメント51と下部レインフォースメント52の重なり部分に形成された隙間に差し込まれており、簡単な構成で確実に遮蔽部材70をレインフォースメント50に取付けることができる。なお、下部レインフォースメント52に形成された加工基準孔に係合部を係止し、上部レインフォースメント51に他の係合部を係止して、遮蔽部材をレインフォースメントに取付けてもよい。
【0038】
なお、上記実施形態では、枠部21の車両前側の角部21aのみが、見切り線を枠部21の外側に拡大するように、側部車体構造1が構成されていたが、これに限らず、角部21a以外の部位においても、見切り線が枠部21の外側に拡大される構成としてもよい。例えば、そのような領域を上枠部24の長さ方向の中間位置に設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施形態における側部車体構造を備えた車両の斜視図である。
【図2】本発明の実施形態における側部車体構造の側面図である。
【図3】図2のIII−III線断面の斜視図である。
【図4】図2のIV−IV線断面の斜視図である。
【図5】図2のV−V線断面の斜視図である。
【図6】図2のVI−VI線断面の斜視図である。
【図7】本発明の実施形態における遮蔽部材の取付け状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0040】
1 側部車体構造
2 車両
10 サブウインドウ
11 サブウインドウガラス
20 フロントピラー
21 枠部
21a 角部
22 ヒンジ部
23 開口
30 インナパネル
33,43,53 接合フランジ
40 アウタパネル
41 上部アウタパネル
42 下部アウタパネル
47 接合面
50 レインフォースメント
51 上部レインフォースメント(上側部材)
51a 加工基準孔
52 下部レインフォースメント(下側部材)
54 屈曲部
70 遮蔽部材
71 本体部
72 係合部
73 突起
74 分岐係合部
75 発泡体
75a 発泡材料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロントサイドドアの前部にサブウインドウが設けられた車両の側部車体構造であって、
前記サブウインドウの枠部が、インナパネルと、アウタパネルと、前記インナパネル及びアウタパネルの間に設けられたレインフォースメントと、を接合して構成され、
前記レインフォースメントは、少なくとも前記枠部の車両前方角部において、前記枠部の開口を形成する接合フランジを車幅方向内側に変位させる屈曲部を備え、この屈曲部により車幅方向内側に変位した接合フランジが、前記インナパネルの前記枠部の開口を形成する接合フランジと接合され、
前記アウタパネルは、少なくとも前記枠部の車両前方角部において、前記枠部の開口を形成する縁部が、前記レインフォースメントと前記インナパネルの前記接合フランジに対して、車幅方向外側且つ前記枠部開口外側に位置することを特徴とする側部車体構造。
【請求項2】
前記アウタパネルは、前記枠部の車両前方角部以外の部位において、前記枠部の開口を形成する接合フランジを有し、この接合フランジが、前記レインフォースメント又は前記インナパネルの少なくとも一方と接合されていることを特徴とする請求項1に記載の側部車体構造。
【請求項3】
前記枠部の車両前方角部には、前記アウタパネルと前記レインフォースメントとの間の車幅方向の間隔を埋める遮蔽部材が設けられたことを特徴とする請求項1又は2に記載の側部車体構造。
【請求項4】
前記遮蔽部材が、塗装工程の際に加えられた熱によって発泡した発泡体を有することを特徴とする請求項3に記載の側部車体構造。
【請求項5】
前記レインフォースメントは、上側部材と下側部材とが連結して構成されており、
前記遮蔽部材は、前記上側部材と下側部材の一方に形成された加工基準孔に第1係合部が係合される共に、他方に第2係合部が係合されたことを特徴とする請求項3又は4に記載の側部車体構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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