説明

偽像低減装置、レーダ装置、偽像低減方法、および偽像低減プログラム

【課題】画像処理により偽像を低減する偽像低減装置を提供する。
【解決手段】偽像低減処理部17は、自船に最も近く、物標と判断できる程度の高いエコーレベル(所定のしきい値以上のエコーレベル)を有するエコーの反射物(鏡)とする。偽像低減処理部17は、物標のエコー画像を細線化し、線画像に変換する。偽像低減処理部17は、このようにして得られた線画像の端点を2点抽出し、反射物をこの2点の座標で表すベクトルとして設定する。偽像低減処理部17は、自船の位置と上記端点(端点Aおよび端点B)を結ぶ直線(ラインAおよびラインB)を設定する。そして、反射物の直線とラインA、ラインBで囲まれた領域を偽像領域とする。偽像低減処理部17は、以上の処理を行った後、偽像領域内のエコーレベルを低減する(顔像輝度値を下げる)処理を行い、偽像を低減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、エコー信号を処理する方法に関し、特に偽像低減処理に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、レーダ装置では、発射した電磁波が物標(第1の物標)で自船とは異なる方向に反射され、さらに別の物標(第2の物標)で反射され、第1の物標を経て自船に受信されることがある。この場合、あたかも自船から見て第1の物標の後方に第2の物標が存在するように偽像として検出されてしまう(特許文献1,2,3を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−170165号公報
【特許文献2】特開平8−82671号公報
【特許文献3】特開平4−54478号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
偽像は、レーダ画像において不要であるため、除去する必要がある。したがって、この発明は、画像処理により偽像を低減する偽像低減装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の偽像低減方法は、電磁波を送信してエコー信号を受信するアンテナから前記エコー信号を入力し、エコーレベルに応じた画像データを生成する測定ステップと、前記画像データから検出した物標に所定の反射物を設定する反射物設定ステップと、前記画像データにおいて、電磁波の送信位置から前記反射物に至るまでの距離および角度に応じて、偽像領域を設定する偽像領域設定ステップと、設定した偽像領域内にてエコーレベル低減処理を行う低減処理ステップと、を実行することを特徴とする。
【0006】
反射物は、例えば、物標のエコー画像を細線化し、線画像に変換することで設定できる。エコー画像を細線化して得られた線画像の端点を2点抽出し、反射物をこの2点の座標で表すベクトルとして設定する。そして、偽像領域設定手段では、自船の位置と上記端点を結ぶ直線で結び、これらの直線で囲まれたを領域を偽像領域とする。そして、低減処理手段で偽像領域内のエコーレベルを低減する(顔像輝度値を下げる)処理を行い、偽像を低減する。
【0007】
なお、反射物を設定する手法は、例えば、自船に最も近く、物標と判断できる程度の高いエコーレベル(所定のしきい値以上のエコーレベル)を有する物標を反射物(鏡)とする手法を用いる。また、各物標に対応するエコー信号について、送信位置に最も近い物標を中心とする円周上の各位置におけるエコー信号との相関値を求め、当該相関値が所定の閾値以上である場合に、当該送信位置に最も近い物標を反射物として設定する手法であってもよい。また、各建造物の位置および高さ情報を含む地図データを入力し、各物標の位置において、地図データに含まれる高さ情報が所定の高さ以上である場合、当該物標を反射物とする手法であってもよい。
【0008】
また、上記発明の低減処理は、前記偽像領域内の各物標のエコーレベルと、前記反射物を対称軸とする位置のエコーレベルとに基づいて、偽像領域内の各物標のエコーレベルの低減量を設定する態様であってもよい。
【0009】
この場合において、偽像領域内のエコーレベルが前記反射物を対称軸とする位置のエコーレベルより高い場合、これらエコーレベルの差が小さいほど、前記低減量を大きくすることがより望ましい。
【0010】
つまり、エコーレベル低減処理は、領域内の全てのエコーを消す処理であってもよいが、各エコーレベル(各画素の輝度値)に応じた重み付け低減処理であってもよい。すなわち、偽像領域内のエコーレベルが対称位置のエコーレベルよりも低い場合は、偽像領域内のエコーが偽像である可能性が高いとして、エコー画像を消す処理を行う。一方で、偽像領域内のエコーレベルが対称位置のエコーレベルよりも高い場合、偽像領域内のエコーレベルと対称位置のエコーレベルの差が小さいほど、低減量を大きくする態様とする。つまり、偽像領域内のエコーレベルと対称位置のエコーレベルの差が小さい場合、反射物の設定誤差や電磁波の送受信変動等により、偶発的に偽像領域内のエコーレベルが高くなったとして、画素輝度値を大きく下げるが、偽像領域内のエコーレベルと対称位置のエコーレベルの差が大きい場合、真のエコーである可能性が高いとして、エコーレベル(画素輝度値)をあまり下げない態様とする。これにより、偽像領域内に存在する真のエコーをある程度残すことができる。
【発明の効果】
【0011】
この発明の偽像低減方法によれば、画像処理によりある領域の偽像を一括して低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態のレーダ装置の構成を示すブロック図である。
【図2】偽像低減処理をレーダ画面上で説明する図である。
【図3】反射物の設定態様を示した図である。
【図4】境界の処理を示す図である。
【図5】レベル比較処理を示す図である。
【図6】実際のエコー画像を示した図である。
【図7】反射物の設定態様の他の例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明の画像処理装置を内蔵したレーダ装置の構成を示すブロック図である。レーダ装置は、例えば船舶に設置され、自船の周囲に電磁波を送受信し、他船等の物標を探知する装置である。
【0014】
同図において、レーダ装置は、アンテナ11、受信部12、A/D変換器13、スイープメモリ14、画像データ生成部15、画像メモリ16、偽像低減処理部17、および表示器18を備えている。
【0015】
アンテナ11は、自船の周囲の各方位に電磁波を送信し、エコー信号を受信する。受信部12は、アンテナ11で受信したエコー信号のレベル(エコーレベル)に応じた値をA/D変換器13に出力する。A/D変換器13は、入力されたアナログ値のエコー信号をデジタル変換し、測定データとしてスイープメモリ14に出力する。
【0016】
スイープメモリ14は、測定1周期分(自船の周り360度分)の測定データを記憶する。各測定データは、極座標系の座標(方位および距離)と対応付けられ、スイープデータとして記憶されている。アンテナ11は、所定角度毎にパルス状に電磁波を送受信するため、スイープデータは、アンテナ11の各送受信角度について、所定サンプル毎の離散値として記憶される。
【0017】
画像データ生成部15は、スイープメモリ14に記憶されている極座標系の各サンプルのスイープデータを、自船の位置を原点とした直交座標系に変換して、各サンプルのエコーレベルに応じた階調の画素輝度値として出力する。この直交座標系の各座標の画素輝度値が画像データとして画像メモリ16に記憶される。
【0018】
表示器18では、画像メモリ16に記憶されている画像データがレーダ画像(エコー画像)としてユーザに表示される(図5を参照)。なお、本実施形態では、背景色が黒で、画素輝度値が高い画素ほど白く表示される例を示すが、逆に、背景色が白で、画素輝度値が高い画素ほど黒く表示されるようにしてもよい。また、カラー画像として表示される態様であってもよい。
【0019】
偽像低減処理部17は、画像メモリ16から画像データを入力し、エコー画像の偽像を低減する処理を行う。以下、偽像低減処理部17の処理内容について説明する。
【0020】
図2(A)は、偽像低減処理を行う前の画像データを表示器18に表示した場合の模式図である。同画像における中心位置は、自船の位置(レーダ装置における電磁波の送信位置)である。同画像は、上方向を北方位とするものである。
【0021】
同図(A)に示すように、アンテナ11から発射した電磁波は、自船南方の物標(第1の物標)で自船とは異なる方向に反射され、自船北東方向の3つの別の物標(第2の物標)で反射され、第1の物標を経てアンテナ11にエコー信号として受信される。したがって、第1の物標のさらに南東方向に第2の物標が存在するように偽像(3つのエコー)として検出されてしまう。
【0022】
偽像低減処理部17は、物標と判断できる程度の高いエコーレベル(所定のしきい値以上のエコーレベル)を有する各物標について、所定の反射物を設定する。例えば、自船に最も近く、かつ所定のしきい値以上のエコーレベルを有する物標を反射物(鏡)とする。すなわち、同図(A)において、自船南方の第1の物標を反射物とする。反射物は、以下の様にして直線として近似して設定する。
【0023】
まず、図3(A)に示すように、偽像低減処理部17は、物標のエコー画像を細線化し、線画像に変換する。細線化の手法はどの様なものであってもよいが、例えば、最終的に残る線が元の画像の中心位置になるように、画像の周囲から順に2値化して画像幅を狭めていく手法をとる。
【0024】
偽像低減処理部17は、このようにして得られた線画像の端点を2点抽出し、反射物をこの2点の座標で表すベクトルとして設定する。
【0025】
なお、同図(B)に示すように、細線化した画像が複数の直線により形成される場合、それぞれの直線について端点を設定し、複数の反射物を設定すればよい。また、細線化した画像が曲線である場合は、同図(C)に示すように、線形補間(折れ線近似)を行ってもよい。
【0026】
そして、偽像低減処理部17は、自船の位置(電磁波の送信位置)から、設定した反射物に至るまでの距離および角度に応じて、偽像領域を設定する。すなわち、偽像低減処理部17は、図2(B)に示すように、自船の位置(電磁波の送信位置)と上記端点(端点Aおよび端点B)を結ぶ直線(ラインAおよびラインB)を設定する。そして、同図(C)に示すように、反射物の直線とラインA、ラインBで囲まれた領域を偽像領域とする。
【0027】
なお、反射物は、上記のように自船に最も近い物標に限るものではない。例えば、予め各建造物の高さ情報(海抜)が含まれた地図データを入力し、所定のしきい値以上のエコーレベルを有し、かつそのエコーが検出された位置において地図データに含まれる高さ情報が所定の高さ以上であるエコーを反射物とする態様であってもよい。この場合、地図データに基づいて物標の形状を正確に割り出すことができるため、自船に最も近い建造物の最前縁の直線を反射物として設定すればよい。
【0028】
また、地図データに存在せず、高いエコーレベルを示す他船等は、全て反射物として設定してもよい。
【0029】
さらに、図7に示すように、各物標に対応するエコー信号について、反射物の可能性が高い物標を中心とする円周上の各位置との相関値を求めてもよい。つまり、同図(A)に示すように、ある方位に複数の物標(エコーAおよびエコーB)が検出された場合、最も近いエコーAが反射物で、それ以遠のエコーBは偽像である可能性が高いため、自船に最も近いエコーAを中心とする円周上の各位置について、エコーBとの相関値を求める。例えば、エコーAを原点とする各方位のエコーレベルについて、ある区間(エコーBが検出された方位について、所定の閾値以上エコーレベルが検出された区間)の相関係数を求める。自船に最も近い物標(エコーA)が反射物であり、その物標を中心とする円周上に真のエコーと偽像が存在すると、相関値の高い位置が存在することになる。したがって、偽像低減処理部17は、所定の閾値以上の相関値を示す位置が存在した場合、エコーAを反射物、エコーBを偽像、エコーCを真のエコーとし、図2(B)に示したように物標(エコーA)を細線化して偽像領域を設定する。
【0030】
なお、図7(B)に示すように、エコーBおよびエコーCから等距離の位置に対称軸を設定し、この対称軸を通る直線のうち、同図(C)に示すように、エコーAに含まれる位置(所定の閾値以上のエコーレベルを有する位置)に端点Aおよび端点Bを設定し、反射物の直線を設定してもよい。
【0031】
以上のような図7に示した手法は、反射物が他船である場合に好適である。特に、エコーの形状が真円に近い形状である場合も、反射物を直線に近似することができる。
【0032】
次に、偽像低減処理部17は、偽像領域の境界をぼかす処理を行う。このぼかし処理は、偽像低減処理による境界が目立って視覚的に違和感が生じることを防止するために行う。例えば、図4(A)のように、FIRフィルタによる周辺平均化処理(畳み込み演算)を行うことにより実現する。ただし、FIRフィルタによる画像処理は負荷が高いため、例えば同図(B)に示すようなバイリニア補間(画像を縮小してからぼかし処理を行い、後に拡大する処理)を行ってもよい。
【0033】
偽像低減処理部17は、以上の処理を行った後、偽像領域内のエコーレベルを低減する(顔像輝度値を下げる)処理を行い、偽像を低減する。そして、画像メモリ16の画像データを偽像低減後の画像データに更新し、表示器18に表示させる。
【0034】
なお、エコーレベル低減処理は、領域内の全ての画素輝度値を0とする処理であってもよいが、図5に示すような画素輝度値に応じた重み付け低減処理を行ってもよい。
【0035】
すなわち、偽像領域内の各画素輝度値FakeLvと反射物を軸として対称となる位置の画素輝度値RealLvの比較を行い、低減後の画素輝度値をCancelledLvを以下のように決定する。
【0036】
【数1】

【0037】
つまり、図5(A)に示すように、偽像領域内の画素輝度値FakeLvが対称位置の画素輝度値RealLvよりも低い場合、偽像領域内のエコーが偽像である可能性が高いとして、画素輝度値を0とし、エコー画像を消す処理を行う。
【0038】
一方で、偽像領域内の画素輝度値FakeLvが対称位置の画素輝度値RealLvよりも高い場合、偽像領域内の画素輝度値FakeLvと対称位置の画素輝度値RealLvの差が小さいほど、低減量を大きくする態様となっている。つまり、同図(B)に示すように、偽像領域内の画素輝度値FakeLvと対称位置の画素輝度値RealLvの差が小さい場合、反射物の設定誤差や電磁波の送受信変動等により、偶発的に画素輝度値FakeLvが高くなったとして、画素輝度値を大きく下げるが、同図(C)に示すように、偽像領域内の画素輝度値FakeLvと対称位置の画素輝度値RealLvの差が大きい場合、真のエコーである可能性が高いとして、画素輝度値をあまり下げない態様とする(または画素輝度値をそのまま出力する)。これにより、偽像領域内に存在する真のエコーをある程度残すことができる。
【0039】
なお、偽像領域内の各画素輝度値について、反射物を対称軸とする位置の周辺画素を含めて対比を行ってもよい。例えば、周辺画素で最も高レベルの画素輝度値と比較してもよいし、周辺画素の平均値を算出して対比してもよい。
【0040】
図6を参照して、実際のエコー画像について説明する。同図(A)は、偽像低減処理を行う前の実際のエコー画像を示した図である。この例では、自船の周囲のうち、南方向、南西方向、および西方向に反射物が存在し、それぞれの反射物の後方に、自船北方の真のエコーに対する偽像が多数表示されている。
【0041】
偽像低減処理部17は、上述したように、反射物を設定し、偽像低減処理を行う。すなわち、同図(B)に示すように、自船南方向に反射物Aを設定して偽像領域を設定し、偽像領域(右欄)内の画素輝度値FakeLvと対称位置の画素輝度値RealLvを比較して低減処理を行う。自船南方向の反射物Aの後方には真のエコーが存在しないため、全てのエコーが消去され、偽像が消去されている。
【0042】
同様に、同図(C)に示すように、自船南西方向に反射物Bを設定して偽像領域を設定し、偽像領域(右欄)内の画素輝度値FakeLvと対称位置の画素輝度値RealLvを比較して低減処理を行う。自船南西方向の反射物Bの後方にも真のエコーが存在しないため、全てのエコーが消去され、偽像が消去されている。
【0043】
さらに、同図(D)に示すように、自船西方向に反射物Cを設定して偽像領域を設定し、偽像領域(右欄)内の画素輝度値FakeLvと対称位置の画素輝度値RealLvを比較して低減処理を行う。自船南西方向の反射物Cの後方には、画素輝度値FakeLvが対称位置の画素輝度値RealLvよりも高い箇所が存在するため、ある程度のエコーが残る態様となっている。よって、真のエコーをある程度残すことができるようになっている。
【0044】
以上のように、本実施形態のレーダ装置における偽像低減処理では、全ての物標について都度、偽像であるか否かを判定する必要なく、画像処理により、ある領域に存在する偽像を一括して低減することができる。また、上記反射物と対称位置のエコーレベルと対比して低減処理を行うことで、真のエコーをある程度残すことができる。
【0045】
なお、本実施形態のレーダ装置では、表示器18に画像データを表示する例を示しているが、画像データの表示とともに、各物標を補足、追尾する態様(衝突予防支援装置として用いること)も可能である。本実施形態の偽像低減処理により、偽像が補足されて追尾されてしまうことを防止することができ、衝突予防支援装置としても非常に好適である。
【符号の説明】
【0046】
11…アンテナ
12…受信部
13…A/D変換器
14…スイープメモリ
15…画像データ生成部
16…画像メモリ
17…偽像低減処理部
18…表示器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁波を送信してエコー信号を受信するアンテナから前記エコー信号を入力し、エコーレベルに応じた画像データを生成する測定手段と、
前記画像データから検出した物標に所定の反射物を設定する反射物設定手段と、
前記画像データにおいて、電磁波の送信位置から前記反射物に至るまでの距離および角度に応じて、偽像領域を設定する偽像領域設定手段と、
設定した偽像領域内にてエコーレベル低減処理を行う低減処理手段と、
を備えた偽像低減装置。
【請求項2】
請求項1に記載の偽像低減装置において、
前記反射物設定手段は、前記物標のうち、各方位について前記送信位置に最も近い物標を反射物として設定することを特徴とする偽像低減装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の偽像低減装置において、
前記反射物設定手段は、前記画像データから検出した物標に対応するエコー信号について、前記送信位置に最も近い物標を中心とする円周上の各位置におけるエコー信号との相関値を求め、当該相関値が所定の閾値以上である場合に、当該送信位置に最も近い物標を反射物として設定することを特徴とする偽像低減装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の偽像低減装置において、
各建造物の位置および高さ情報を含む地図データを入力する地図データ入力手段を備え、
前記反射物設定手段は、前記画像データから検出した物標の位置において、前記地図データに含まれる高さ情報が所定の高さ以上である場合、当該物標を反射物とすることを特徴とする偽像低減装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の偽像低減装置において、
前記偽像領域設定手段は、前記反射物を細線化し、前記アンテナの位置から前記細線化した反射物の端点を結ぶ複数の直線を設定し、前記細線化した反射物と前記複数の直線で囲まれる領域を前記偽像領域に設定することを特徴とする偽像低減装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の偽像低減装置において、
前記低減処理手段は、前記反射物を通る直線を対称軸として、前記偽像領域内の各物標のエコーレベルと対称位置のエコーレベルとに基づいて、偽像領域内の各物標のエコーレベルの低減量を設定することを特徴とする偽像低減装置。
【請求項7】
請求項6に記載の偽像低減装置において、
前記低減処理手段は、前記反射物の端点同士を結ぶ直線を対称軸として、前記偽像領域内のエコーレベルが対称位置のエコーレベルより高い場合、これらエコーレベルの差が小さいほど、前記低減量を大きくすることを特徴とする偽像低減装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の偽像低減装置において、
前記偽像領域設定手段は、前記偽像領域の境界を平均化処理することを特徴とする偽像低減装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の偽像低減装置において、
前記偽像領域設定手段は、前記偽像領域の境界をバイリニア補間することを特徴とする偽像低減装置。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の偽像低減装置と、
前記低減処理手段がエコーレベル低減処理を行った後の画像データを画像表示する表示手段と、を備えたレーダ装置。
【請求項11】
電磁波を送信してエコー信号を受信するアンテナから前記エコー信号を入力し、エコーレベルに応じた画像データを生成する測定ステップと、
前記画像データにおいて、前記エコー信号から検出した物標に所定の反射物を設定する反射物設定ステップと、
前記電磁波の送信位置から前記反射物に至るまでの距離および角度に応じて、偽像領域を設定する偽像領域設定ステップと、
設定した偽像領域内にてエコーレベル低減処理を行う低減処理ステップと、
を実行する偽像低減方法。
【請求項12】
請求項11に記載の偽像低減方法において、
前記反射物設定ステップは、前記物標のうち、各方位について前記送信位置に最も近い物標を反射物として設定することを特徴とする偽像低減方法。
【請求項13】
請求項11または請求項12に記載の偽像低減方法において、
前記反射物設定ステップは、前記画像データから検出した物標に対応するエコー信号について、前記送信位置に最も近い物標を中心とする円周上の各位置におけるエコー信号との相関値を求め、当該相関値が所定の閾値以上である場合に、当該送信位置に最も近い物標を反射物として設定することを特徴とする偽像低減方法。
【請求項14】
請求項11乃至請求項13のいずれかに記載の偽像低減方法において、
各建造物の位置および高さ情報を含む地図データを入力する地図データ入力ステップをさらに実行し、
前記反射物設定ステップは、前記画像データから検出した物標の位置において、前記地図データに含まれる高さ情報が所定の高さ以上である場合、当該物標を反射物とすることを特徴とする偽像低減方法。
【請求項15】
電磁波を送信してエコー信号を受信するアンテナから前記エコー信号を入力し、エコーレベルに応じた画像データを生成する測定ステップと、
前記画像データにおいて、前記エコー信号から検出した物標に所定の反射物を設定する反射物設定ステップと、
前記電磁波の送信位置から前記反射物に至るまでの距離および角度に応じて、偽像領域を設定する偽像領域設定ステップと、
設定した偽像領域内にてエコーレベル低減処理を行う低減処理ステップと、
をレーダ装置に実行させる偽像低減プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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