説明

偽装材料

【課題】軽量かつ裏が透けるような外層材料の裏側へ内層材料を積層させた場合には、積層生地全体での赤外線反射率が高くなり赤外線領域での迷彩性能が損なわれる問題があった。赤外線吸収能を付与した内層材料を配置させることにより、赤外線領域での反射率上昇を抑制し、迷彩性能を損なわない偽装材料を提供する。
【解決手段】4段階の迷彩色で構成された迷彩模様を有する外層材料1と赤外線吸収能を付与した内層材料2の少なくとも2層以上の積層構造体からなる偽装材料であって、外層材料と内層材料を積層した場合の赤外線波長領域600nmから1200nmにおける反射率曲線の積分面積値が、外層材料単独の反射率曲線の積分面積値と比較した場合、面積増加率が外層材料の全ての色相において10%以下である偽装材料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可視光線および近赤外線波長領域において、一般的な山野にとけ込むことが可能な優れた偽装性能を有する偽装材料に関する。詳細には、戦車用、航空機用、艦船用等に使用されるシェルター、カバー、個人用の衣服、手袋、靴下、靴、オーバーシューズ、ヘルメット等に使用される偽装材料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、軍需施設や軍隊等の存在を識別する為に赤外線が利用され、迷彩識別用眼鏡(600nm以上の赤外線領域)、赤外線写真(800nm以上850nm以下の赤外線領域)、夜間赤外線探査装置(900nm以上1200nm以下の赤外線領域)等が使用されている。この赤外線探知から偽装するためには、この赤外線領域の反射率を可視領域の色、模様などの変化に合わせるため、段階的に変化させた迷彩模様が必要となっている。これらの赤外線による識別方法から逃れるため、自然界と同じような赤外線反射性を有するシェルター、カバー、シートおよびそれらを使用した衣服等に使用される偽装材料が求められている。
【0003】
さらに、高度な赤外線探査法に対抗する方法として、可視光線および赤外線領域ともに、任意にその反射率を制御することが望まれている。従来の可視光線および赤外線領域の反射率を制御する偽装材料として次のようなものが提案されている。
【0004】
ビニロン系織物に建染染料および硫化染料を用いて、600nm以上1200nm以下の赤外線領域において、20%以下、20〜40%、40%以上の3段階の異なる赤外線反射率を有する迷彩プリント加工方法が例示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、綿系編物に建染染料を用いて、600nm〜1200nmの赤外線領域において、600nm〜660nm、700nm〜720nm、740nm〜760nm、1000nm〜1200nmの4段階の異なる赤外線反射率を示す迷彩加工を施す迷彩綿系織物の製造方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、ポリアミド(ナイロン)系織物にアニオン(直接染料、酸性染料、含金属染料)染料、建染染料、硫化染料および顔料を用いて、プリント(捺染)する際、織物総面積の70%〜95%がアニオン染料および/または建染染料で着色され、織物総面積の5%〜30%が顔料でプリントされ、3段階以上の異なる赤外線反射率を示す迷彩加工布帛が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
さらに、ポリエステル、またはポリアミド(ナイロン)生地に色材が該繊維に対して親和力が有り、特定の赤外線波長領域において特定の赤外線反射能を有する染料1〜10重量%と該繊維に対し親和性を有しない顔料0.1〜10重量%とからなることを特徴とする布帛が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
しかしながら、上記に記載されている技術は、表生地により可視光線、赤外線領域への迷彩性能を付与したものであり、厚地で密度の高い織物、編物が使用されている。
【0005】
芳香族ポリアミド(ナイロン)生地に色材が特定の赤外波長域において赤外線反射能の大きい色材と赤外線反射能の小さい色材とからなる迷彩加工を施した布帛が提案されている(例えば、特許文献5参照)。
また、ポリアミド(ナイロン)生地に酸性染料を主体とする染料を用いる染色により600nm〜1400nmの赤外線波長領域において5%以上、60%以下の多段階の赤外線反射率を示す迷彩模様を施し、同生地の片面に透湿防水加工を施したことを特徴とする迷彩加工ポリアミド生地が提案されている(例えば、特許文献6参照)。
しかしながら、いずれの従来技術も、単繊維繊度の小さいポリアミド繊維(ナイロン)織物を使用し、該織物の裏側(肌側)に赤外線吸収層を有していないため、赤外線透過率が高くなり好ましくない。
【0006】
単繊維繊度が5デニール〜11デニールの合成繊維からなり、かつ近赤外線透過率が50%以上である高透過性の織物に、染料、または、染料と顔料のいずれかで着色されてなり、かつ該着色高透過性織物の近赤外反射率が5%〜70%の範囲に有り、かつ少なくとも4段階以上の多段階の迷彩色で構成された迷彩模様を有し、その裏面に、顔料および赤外線吸収剤から選ばれた少なくとも1種を含有する低赤外反射樹脂膜が形成されていることを特徴とする迷彩加工生地が提案されている(例えば、特許文献7参照)。
しかし、高透過性の織物の裏側に配置する赤外線吸収層の規定も無く、汎用的に、偽装材料を提供することが出来ない。
【0007】
カーボンブラック5〜40重量%、およびイソフタル酸成分が全酸性成分を基準として5〜20モル%共重合されたポリエチレンテレフタレート系共重合ポリエステル95〜60重量%からなるマスターバッチとカーボンブラックを含有しないポリエチレンテレフタレートからなるマトリックスポリマーとを混合、溶融紡糸してなる黒原着ポリエステル繊維であって、該繊維中のカーボンブラックの含有量および前記共重合ポリエステルの含有量が、繊維重量を基準としてそれぞれ0.5〜2.0重量%および2〜10重量%である防炎性黒原着ポリエステル繊維が提案されている(例えば、特許文献8参照)。
また、平均一次粒子径が5〜25μm、吸油量が30〜80ml/100g、および比表面積が150〜300m/gの特性を有するカーボンブラックを0.3〜1.0重量%含有してなる黒原着ポリエステル繊維が提案されている(例えば、特許文献9参照)。
さらに、チャンネルタイプのカーボンブラック顔料を0.1〜1.5重量%、銅化合物を0.01〜0.1重量%、イミダゾール化合物を0.05〜0.5重量%を含有し、かつ耐侯試験後の強力保持率が90%以上であることを特徴とする黒原着ポリアミド繊維が提案されている(例えば、特許文献10参照)。
しかしながら、カーボンブラック等を含有する黒原着合成繊維を本発明のように、偽装材料として使用する用途についての記載は無い。
【0008】
【特許文献1】特開平02−154084号公報
【特許文献2】特開平07−157980号公報
【特許文献3】特開平05−060496号公報
【特許文献4】特開平05−132879号公報
【特許文献5】特開昭63−066385号公報
【特許文献6】特開平05−222682号公報
【特許文献7】特開2001−055669号公報
【特許文献8】特開平08−013248号公報
【特許文献9】特開平09−250026号公報
【特許文献10】特開2000−226730号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は従来技術の課題を背景になされたもので、軽量かつ裏が透けるような外層材料の裏側へ内層材料を積層させた場合には、積層生地全体での赤外線反射率が高くなり赤外線領域での迷彩性能が損なわれる問題があったが、赤外線吸収能を付与した内層材料を配置させることにより、赤外線領域での反射率上昇を抑制し、迷彩性能を損なわない偽装材料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記課題を解決するため、鋭意研究した結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の通りである。
1.4段階の迷彩色で構成された迷彩模様を有する外層材料と、赤外線吸収能を付与した内層材料の、少なくとも2層以上の積層構造体からなる偽装材料であって、外層材料と内層材料を積層した積層構造体の赤外線波長領域600nmから1200nmにおける反射率曲線の積分面積値が、外層材料単独の反射率曲線の積分面積値に対し、外層材料の全ての色相において面積値増加率が10%以下である偽装材料。
2.赤外線吸収能を付与した内層材料が、カーボンブラックを固着もしくは練り込んだ構造体、または活性炭を含む構造体からなる上記1に記載の偽装材料
【発明の効果】
【0011】
本発明は、軽量かつ裏が透けるような外層材料の裏側へ、赤外線吸収能を付与した内層材料層を配置させることで、可視光線領域での迷彩機能および赤外線領域での迷彩性能に優れた偽装材料を提供することで、赤外線探知から偽装することができるうえ、内層材料を配置する付加的な機能の一例として、外部からの微粒子等の侵入も同時に抑制できる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を詳細に説明する。
赤外線波長領域における反射率について説明する。自然環境の赤外線波長領域における反射率に、偽装材料の赤外線波長領域における反射率を近づけることが必要であり、通常、草花、濶葉樹の葉、針葉樹の葉、乾燥砂、湿潤砂、岩土の赤外線波長領域である600nm以上1200nm以下の反射率は、表1の通りであり、迷彩加工を施した偽装材料のブラック部は、自然環境に存在する湿潤砂および岩土に相当し、ライトグリーン部、ダークグリーン部、ブラウン部は、湿潤砂、岩土を除いたものに相当する。
【0013】
【表1】

【0014】
したがって、外層材料と内層材料を積層した場合においても、積層構造体の赤外線波長領域の600nm以上1200nm以下の反射率が変化しないことが望まれる。反射率の変化が大きな場合、自然環境と異なる赤外線波長領域での反射率となり、探知波長領域にもよるが、赤外線探知で発見される可能性が高く、偽装の意味が無くなってしまう。
【0015】
赤外線探知法は、赤外フィルター法、赤外写真法、赤外夜間鏡法等の手法があり、さらに新しい探知方法が開発される可能性も高い。これらの探知方法はいずれも遠距離で、かつ、霧がかかっている場合や夜間などの場合にも有効に探知可能であるため、近年、広く使用されており、一般的に600nm以上760nm以下、あるいは、1000nm以上1200nm以下の赤外線を使用して探知している。この赤外線領域の探知に対して防御するには、この赤外線領域の反射率を可視光線領域の色、模様などの変化と融合させて段階的に変化させた迷彩模様が必要となる。
【0016】
本発明に使用される外層材料について説明する。外層材料の素材は、綿、毛、麻(リネン、ラミー)類等の天然繊維、レーヨン、キュプラ、ポリノジック、精製セルロース等の再生セルロース繊維、ポリエチレンテレフタレート、カチオン可染ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等のポリエステル類、その他の合成繊維(ポリアミド、アクリルニトリル、アセテート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリイミド、フッ素、ポリベンザゾール、ポリ乳酸等)が挙げられる。これらの繊維を単独もしくは2つ以上の均一混合(混紡、混繊)、群混合(交撚、精紡交撚)、2層構造および3層構造(シースコア、コアスパン)からなる織物、編物および不織布であっても構わないが、引張強さ、摩耗強さ等の機械的強度に優れた織物が好ましい。
【0017】
次に、外層材料の2次加工について説明する。外層材料は、必要に応じて、下晒加工、染色加工、仕上加工が施される。下晒加工は、必要に応じて、糊抜き加工、精錬加工、漂白加工およびマーセライズ加工が施される。糊抜き加工は、織物の整経工程で織物についた糊を取り除くことを糊抜きと言い、酵素剤、酸化剤等を用いて水溶性にし、水洗によって取り除く。精錬加工は、無機精錬剤、界面活性剤を用いて、溶解、分解等の化学的な作用と、機械的な作用によって取り除く。漂白加工は、精錬で残った微量の色素を漂白剤の酸化、還元等に作用によって分解し、綿繊維を多く含有する場合、水酸化ナトリウム水溶液を用いて、緊張して処理し、綿の光沢の向上、防縮性の付与、染色性の向上等の目的として行う。機械の特徴によって、加工された外層材料の特性が異なるため、アルカリ水溶液、加工温度は、特に限定されない。
【0018】
次いで、染色加工について説明する。可視光線領域の迷彩加工における一例とし、4色相(ライトグリーン色、ダークグリーン色、ブラウン色およびブラック色)の偽装材料を製造する技術について説明する。なお、色相の数に関しては、使用環境に応じて適宜選定し、使用することが可能である。
【0019】
ライトグリーン色、ダークグリーン色、ブラウン色およびブラック色の4色相の迷彩パターンを有する製造方法は、まず、染料でライトグリーン色に浸染染色し、ついで、顔料もしくは、染料および捺染元糊で材料表面をダークグリーン色、ブラウン色およびブラック色に捺染染色する。もし、捺染染色したブラック部の材料が脱落しても、ライトグリーン色に浸染染色された材料で偽装性能低下を防止することが出来る。
【0020】
ライトグリーン色、ダークグリーン色およびブラウン色の色相、所定の赤外線反射率に設定する製造方法は、一般的に、Red系、Blue系、Yellow系、Green系、Brown系、Orange系等の3種類以上の色材が用いられる。最も一般的には、原色として、Red系、Blue系、Yellow系が用いられる3原色を用いて得られた染色物は、その配合比率によって特定の赤外線反射率を有することが出来る。しかし、ブラック色の赤外線反射率の設定は、ライトグリーン色、ダークグリーン色、ブラウン色の色相、赤外線反射率と異なり、一般的に1種類の色材が用いられる。最も、一般的な原色として、Red系、Blue系、Yellow系および他のBlack系が併用することが出来るが、極めて微量である。
【0021】
ブラック色のBlack系の染料は、セルロース系、ビニロン系繊維には、反応染料、酸性染料、建染染料、硫化染料、好ましくは、建染染料、硫化染料が、ポリエステル系繊維には、分散染料が、羊毛、ポリアミド系繊維には、酸性染料が、含金属繊維、アクリロニトリル系(アクリル系)繊維には、カチオン染料が用いられる。これらの染料は、これに捺染元糊を加えた水で練り込んで捺染染色することが出来る。また、カーボンブラックの固形物を固着することが出来る。また、必要に応じて、顔料と染料を併用することが出来るが、染料単独使用に比べて、顔料を使用すると、質量が大きくなり、移染する恐れがあり、染料が使用されることが好ましいが、特に限定されるものではない。
【0022】
ブラック色のBlack系の顔料は、有機顔料、無機顔料が用いられ、特に、カーボンブラック系顔料、ペリレンブラック系顔料等を用いることが出来る。平均粒径は、特に限定されないが、200nm以下の粒子径であることが好ましく、繊維表面を被覆した、赤外線吸収能に優れた生地を得ることが出来る。
【0023】
カーボンブラックは、ファーネス式不完全燃焼法、チャンネル式不完全燃焼法、熱分解法、アセチレン法等の製造方法から得られることが知られているが、製造方法としては、特に限定されない。
【0024】
顔料、カーボンブラック、有機炭化物等を繊維の表面に被覆する製造方法は、固着剤(バインダー、樹脂剤)が使用されるが、その固着剤には、アクリロニトリル(アクリル)系、ウレタン系、ポリエチレン系、ポリアミド(ナイロン)系が挙げられるが、単独使用でも良く、配合して使用することも可能である。また必要に応じて、防炎性を有する固着剤を用いることが出来る。
【0025】
次いで、仕上加工について説明する。用途に応じて、柔軟加工、防水加工、撥水・撥油加工、抗菌・防臭加工、吸水・吸汗加工、抗ピル加工、光反射加工、防汚加工、防炎加工等の機能加工を施すことが可能である。
【0026】
次に、外層材料の裏側に配置する赤外線吸収能を付与した内層材料について説明する。
【0027】
本発明に用いられる内層材料単独の赤外線波長領域の600nm以上1200nm以下の反射率は、35%以下であることが好ましい。赤外線波長領域の600nm以上1200nm以下の反射率が35%を超える場合、外層材料と内層材料を積層した際、赤外線波長領域の600nm以上1200nm以下での反射率が高くなり、偽装効果が損なわれる。
【0028】
本発明に用いられる内層材料は、樹脂構造体(フィルム、膜)または繊維構造体が挙げられる。樹脂構造体の素材は、皮膜形成可能な樹脂であれば、特に限定はなく、ポリエステル、共重合ポリエステル、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリウレタン、シリコン、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリオレフィン、エチレン−ビニルアルコール系共重合体、ポリビニルアルコール、セルロース、セルロース誘導体等の皮膜形成性を有するポリマーで構わない。
【0029】
また、樹脂構造体(フィルム、膜)の厚みは、特に限定されないが、以下に示す赤外線波長領域の600nm以上1200nm以下で吸収を示す赤外線吸収剤を付与する加工性を考慮し、5μm以上、より好ましくは10μm以上であり、5μm未満の厚みでは、赤外線吸収剤を固着、もしくは練り込んだ場合、脱落することが懸念される。
【0030】
また、樹脂構造体(フィルム、膜)の目付は、特に限定されないが、偽装材料としてシェルター、カバー、衣服等への使用を考慮すると、800g/m以下、より好ましくは700g/m以下である。
【0031】
また、樹脂構造体(フィルム、膜)においては、偽装材料としてシェルター、カバー、衣服等への使用を考慮すると、透湿性の機能が備わっていても良い。透湿性能は、特に限定されないが、快適性を考慮すると、30g/m・h以上、より好ましくは50g/m・h以上である。
【0032】
繊維構造体の素材は、綿、毛、麻(リネン、ラミー)類等の天然繊維、レーヨン、キュプラ、ポリノジック、精製セルロース等の再生セルロース繊維、ポリエチレンテレフタレート、カチオン可染ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等のポリエステル類、その他合成繊維(ポリアミド、ポリアクリルニトリル、ポリウレタン、アセテート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド、フッ素、ポリベンザゾール、ポリ乳酸等)が挙げられる。単独、2種以上の均一混合(混紡、混繊)、群混合(交撚、精紡交撚)および2層構造ならびに多層構造(シースコア、コアスパン)からなる織物、編物および不織布であっても構わない。
【0033】
また、繊維構造物の繊維径は、特に限定されないが、赤外線波長領域の600nm以上1200nm以下で吸収を示す赤外線吸収剤を付与する加工性を考慮して、30nm以上、より好ましくは50nm以上である。
【0034】
さらに、繊維構造物の目付は、特に限定されないが、赤外線吸収能を有する繊維構造物はある程度の織(編)密度が必要とされるため、10g/m以上、より好ましくは15g/m以上である。
【0035】
本発明に用いられる内層材料が、赤外線波長領域の600nm以上1200nm以下で吸収を示さない層(以下、赤外線反射層という)である場合についても、赤外線吸収剤を練り込みもしくは固着して使用しても良い。
【0036】
赤外線吸収剤は、赤外線波長領域の600nm以上1200nm以下で吸収を示す物質であれば特に限定されないが、前記に記載するカーボンブラック、ブラック色のBlack系の顔料、染料、もしくは、赤外線領域に吸収をもつアゾ系化合物、アミニウム系化合物および色素等を単独、もしくは併用して使用しても良い。
【0037】
赤外線吸収剤の平均粒子径は、内層材料への固着、練り込み等の加工性を考慮すると、200nm以下であることが好ましい。
【0038】
本発明においては、例えば、赤外線吸収剤が練り込み可能な樹脂構造体(フィルム、膜)または繊維構造体に練り込まれた構造1と、赤外線吸収剤が樹脂(例えば、バインダー樹脂等)を介して樹脂構造体(フィルム、膜)または繊維構造体に固着されている構造2がある。
【0039】
本発明における樹脂構造体(フィルム、膜)や繊維構造体を形成する樹脂が、赤外線吸収剤の練り込みが可能である樹脂の場合、構造1が有効である。カーボンブラック等の赤外線吸収剤が練り込み可能樹脂としては、ポリエステル、共重合ポリエステル、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリウレタン、シリコン、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリオレフィン、エチレン−ビニルアルコール系共重合体、ポリビニルアルコール、セルロース、セルロース誘導体樹脂等が挙げられる。このような赤外線吸収剤が練り込まれた樹脂を用いることにより、本発明の赤外線吸収能を付与した内層材料が得られる。赤外線吸収剤を練り込む量としては、通常0.2〜10重量%含まれていることが好ましい。赤外線吸収剤の含有量が0.2重量%未満である場合には、十分な赤外線吸収性能が発現できず、逆に10重量%を超える場合には構造体成形性が悪くなる傾向がある。
【0040】
また、赤外線吸収剤の練り込みが不可能な素材である場合、構造2が有効である。赤外線吸収剤の練り込みが不可能な素材としては、例えば、綿、麻、羊毛、絹等の天然繊維等が挙げられる。当該素材を繊維構造体に成形した後、バインダー樹脂等を介して、赤外線吸収剤を固着させることにより、本発明の赤外線吸収層が得られる。なお、赤外線吸収剤が練り込み可能な素材についても、バインダー等を介して赤外線吸収剤を固着させてもよい。
【0041】
構造1において、赤外線吸収剤の樹脂構造体、繊維構造体への練り込みは当該分野で公知の手段により行うことが出来る。例えば、赤外線吸収剤を繊維に練り込む方法としては、赤外線吸収剤を公知の手段で練り込んだ樹脂を、溶融紡糸、湿式紡糸、乾式紡糸等の従来公知の方法で繊維、樹脂層に加工する方法が挙げられる。
【0042】
構造2において、赤外線吸収剤を固着させることが出来る限り、特に限定されないが、固着させる接着剤には、例えば、ポリウレタン系架橋型樹脂、アクリル系架橋型樹脂(例えば、自己架橋型アクリル酸エステル系バインダー樹脂等)、シリコン系架橋型樹脂、エポキシ系架橋型樹脂、ポリアミド系架橋型樹脂、ポリエステル系架橋型樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等が挙げられ、これらは単独で使用しても2種類以上組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、洗濯耐久性の固着効果を有するもの、特に耐熱性および洗濯耐久性の両方を兼ね備えている点から、シリコン系架橋型樹脂、もしくは自己架橋型アクリル酸エステル系樹脂が好ましい。
【0043】
赤外線吸収剤を固着させる方法としては、赤外線吸収剤を含有する加工液を、パディング法、含浸法、スプレー法、コーティング法等の方法により付与し、次いで乾燥、キュアリングする方法が挙げられる。乾燥は、約80℃以上200℃以下で30秒以上60分以下、特に約95℃以上120℃以下で、1分以上30分以下で実施することが好ましい。
また、乾燥後には、強固に固着させるためにキュアリングを実施することが好ましい。キュアリングは約130℃以上180℃以下で30秒以上10分以下で実施することが好ましい。
【0044】
上記加工樹脂中には、柔軟剤、風合い調整剤、触媒、pH調整剤、機能加工剤、増粘剤等を配合してもよく、これらはそれぞれの用途に応じて単独で使用しても、2種類以上併用しても良い。
【0045】
上記機能加工剤には、消臭剤、抗菌防臭剤、防汚剤、防虫剤、紫外線吸収剤、撥水・撥油剤等が挙げられる。これらはそれぞれ用途に応じて単独で使用しても2種類以上併用しても良い。
【0046】
さらに、赤外線吸収能を付与した内層材料として、活性炭を含む樹脂構造体もしくは繊維構造体、粒子状活性炭、および繊維状活性炭を単独もしくは併用して使用しても構わない。
【0047】
例えば、繊維状活性炭の原料は、綿、麻といった天然セルロース繊維の他、レーヨン、ポリノジックといった溶剤紡糸法による再生セルロース繊維、さらには、ポリビニルアルコール繊維、アクリル系繊維、芳香族ポリアミド繊維、リグニン繊維、フェノール繊維、石油ピッチ繊維等の合成繊維が挙げられるが、得られる繊維状活性炭の物性(特に強度等)や吸着性能から再生セルロース繊維、フェノール系繊維、アクリル系繊維が好ましい。これらの原料繊維の短繊維あるいは長繊維を用いて製織、製編、不織布化した生地を必要に応じて適当な耐炎化剤を含有させた後、450℃以下の温度で耐炎化処理を施し、次いで500℃以上1000℃以下の温度で炭化賦活する公知の方法によって繊維状活性炭を製造することが出来る。
【0048】
繊維状活性炭をシート化する方法は、シート基材にガス吸着性物質をバインダーにより接着する方法、あるいは吸着剤を適当なパルプおよびバインダーを含めスラリー状とし、湿式抄紙機により抄造する方法、あるいは活性炭素繊維の原料繊維をあらかじめ製織、製編、不織布化し、必要に応じて耐炎化処理した後、炭化・賦活する公知の方法等が挙げられる。繊維状活性炭シートの形態は、織物状、編物状、不織布状、フェルト状、紙状、フィルム状などが挙げられるが、柔軟性、耐久性、積層の容易性から織物状、編物状であることが好ましい。
【0049】
また、粒子状活性炭(粒状活性炭)は、通常1g当たり数100m、あるいは、それ以上の大きな比表面積を有し、高い吸着性を示す炭素材料であれば広範囲に使用できる。活性炭の原料は、通常ヤシ殻または木材等の炭化物あるいは石炭が使用され、そのいずれでも良い。しかし、偽装材料の繊維組織の内部に担持されて使用される場合には、使用中に活性炭粒子相互の摩擦により微粒子が発生する場合があり、好ましくない。このため、活性炭粒子相互の摩擦による微粒子の発生を防ぐためには活性炭の硬度が高い物が好ましい。
【0050】
粒子状活性炭シートの形態は、シート状の繊維組織の内部に担持して使用するため粉末状である必要がある。その粒度は活性炭粉末を担持させた織物状、編物状、不織布状、フェルト状、紙状およびフィルム状を屈曲、伸縮させた場合の粉末粒子相互の摩擦による微粒子の発生、手および指への接触感がソフトタッチであることが好ましいので、粒度は細かいことが好ましい。また、粒度が細かいことは着用した場合の接触感が優れていることの他に、重量当たりの表面積が大きくなるため化学薬品あるいは農薬等の吸着速度が高くなるメリットもある。また、これらの有害成分の除去効果を高めるためには、担持量を大きくすることが好ましいが、担持量を高めると編物または不織布等の屈伸性が低下して手や指との接触感が硬くなる。使用量を少なくして効果を高めるにも表面積が大きい、すなわち粒度が細かい微粒子が好ましく、また微粒子は繊維組織に均一に担持させ易い利点もある。
【0051】
外層材料と内層材料を積層させた場合の、赤外線波長領域600nmから1200nmにおける反射率曲線の積分面積値が、外層材料単独の反射率曲線の積分面積値と比較した場合、反射率曲線の積分面積値の増加率が、外層材料の全ての色相において10%以下であることが好ましく、より好ましくは、ブラック部で1%以下、ブラウン部で5%以下、ダークグリーン部で9%以下、ライトグリーン部で10%以下である。各色相の面積増加率が上記を超える場合には、所望とする反射率を有する材料とは成り得ない。
【実施例】
【0052】
次に、実施例および比較例を用いて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。なお、実施例、比較例に記載の評価は以下に示す方法である。
【0053】
(番手)
JIS L 1096(1999) 8.8による。
(厚さ)
JIS L 1096(1999) 8.5による。
(質量)
JIS L 1096(1999) 8.4による。
(混用率)
JIS L 1030−1(1998)およびJIS L 1030−2(2005)による。
(密度)
JIS L 1096(1999) 8.6による。
(赤外線反射率)
UV−3101(島津製作所社製)による。
反射率曲線の積分面積値の増加率は、数式1用いて計算した。
反射率曲線の積分面積値の増加率=(B/A−1)×100(%)・・・数式1
A:外層材料単独の600nmから1200nmにおける反射率曲線の積分面積値
B:外層材料と赤外線吸収層の積層構造体の600nmから1200nmにおける反射率曲線の積分面積値
(偽装性能)
外層材料と内層材料を重ね合わせることにより赤外線波長領域600nmから1200nmにおける赤外線反射率の積分面積値を測定し、外層材料単独の反射率曲線の積分面積値と比較し、偽装性能を判定した。なお、面積増加率が、10%以下である場合に偽装性能を良とし、それ以外を不良とした。
【0054】
<外層材料の製造方法>
スピーマ綿(東洋紡績株式会社製)95%と8デシテックス5フィラメントのナイロンフィラメント(タイプT−880:東洋紡績株式会社製)5%を混繊した複合紡績糸40/1綿番手を用いて、エアジェット織機を用いて製織し、2/1綾織物を得た。次いで、常法で、毛焼、糊抜、精錬、漂白、シルケット加工を施した。さらに、ライトグリーン色の浸染染色加工を以下の表2に示す条件で行い、パッドケミカルスチーム処理、酸化、ソーピング、湯洗を行い、発色を行った。
【0055】
【表2】

【0056】
次いで、フラットスクリーンによる捺染染色加工を以下の表3に示す条件で行い、水洗を行った。
【0057】
【表3】

【0058】
次いで、染色処理された織物を、N−メチロールジメチルホスホノプロピオン酸アミドを有効成分とする(Pyrovatex CP new、Ciba Specialty Chemicals K.K.)40%、塩化アンモニウム0.5%を含む水溶液に浸漬し、さらに、メイカテックスHP600(明成化学社製)30g/Lを含む水溶液に浸漬し、ウエットピックアップが65%になるように絞り、乾燥・熱処理し、たて密度が140本/2.54cm、よこ密度が110本/2.54cm、質量が170g/mの外層材料の織物を得た。
【0059】
<黒原着ポリエステル織物の製造方法>
55デシテックス22フィラメントのテトロン黒原着糸(帝人株式会社製)を用いて、ウォータージェット織機を用いて製織し、平織物を得た。次いで、常法で、精錬加工、ヒートセットを施し、たて密度が180本/2.54cm、よこ密度が112本/2.54cm、質量が70g/mの黒原着ポリエステル織物を得た。
【0060】
<黒原着ポリウレタン生地の製造方法>
78デシテックス96フィラメントのナイロンフィラメントからなる質量60g/mの平織物に、カーボンブラック(平均粒子径35nm)3.5重量%を均一に混合したポリウレタン樹脂をコーティングした。これを、20℃の水中に導き、3分間凝固させた後、130℃のオーブンで乾燥し、樹脂層厚み40μmのカーボンブラックを添加した黒原着のポリウレタン膜を得た。得られた黒原着ポリウレタン生地の厚みは、0.16mm、質量98g/mであった。
【0061】
<黒原着酢酸セルロース膜生地の製造方法>
酢化度55%、6%粘度70×10−3Pa・Sの酢酸セルロース(ダイセル化学工業株式会社製L-30)を使用し、溶媒はメチルエチルケトンとN、Nジメチルホルムアミドの1:1混合溶液を使用し固形分濃度15重量%の酢酸セルロース溶液を作製した。その後、カーボンブラック(平均粒子径35nm)3.5重量%となるよう、室温で混合撹拌することで、酢酸セルロース溶液を作製した。この溶液を離型紙(リンテック株式会社製)上に流延し、コーティングナイフにより膜厚を調節しながら塗工し、オーブン中で乾燥を行った。70℃で1分間乾燥させた後、130℃で2分間乾燥を行った。その後、得られた酢酸セルロース膜とポリプロピレン製スパンボンド不織布(2.2デシテックス、50g/m)を不織布状ホットメルト接着剤(呉羽テック株式会社製ダイナック)により接着した。得られた酢酸セルロース膜生地の厚さは0.25mm、質量57g/mであった。
【0062】
<カーボンブラック固着不織布の製造方法>
ポリエステル製スパンレース不織布(2.2デシテックス、30g/m)を、アクリル系バインダー15L、カーボンブラック15kg、消泡剤6.0g、水85kgのペースト浴に含浸後、ウエットピックアップが250%となるように絞り、100℃で乾燥・熱処理を行い、カーボンブラック固着不織布を得た。得られたカーボンブラック固着不織布の厚さは、0.28mm、質量41g/mであった。
【0063】
<活性炭シートの製造方法>
単繊維繊度が2.2デシテックス、20/1綿番手のノボラック系フェノール樹脂繊維紡績糸からなる質量220g/mの編物を、400℃の不活性雰囲気中で30分間加熱し、次に890℃まで20分間、不活性雰囲気中で加熱し炭化を進行させ、次に水蒸気を12重量%含有する雰囲気中、890℃の温度で2時間加熱賦活し、質量が120g/m、比表面積が1400m/g、厚さが0.80mmの活性炭シートを得た。
【0064】
<ポリエステル織物の製造方法>
55デシテックス24フィラメントのレギュラーポリエステル糸(東洋紡績株式会社製)を用いて、ウォータージェット織機を用いて製織し、平織物を得た。次いで、常法で、精錬加工、ヒートセットを施し、たて密度が181本/2.54cm、よこ密度が111本/2.54cm、厚さが0.11mm、質量が72g/mのポリエステル織物を得た。
【0065】
<スパンレース不織布の製造方法>
ポリエステル繊維(繊度1.9デシテックス、繊維長45mm)のカードウェブを形成し、ウォーターパンチで40g/mの不織布を乾燥し作製した。得られた、不織布の厚みは、0.31mmであった。
【0066】
<実施例1>
外層材料と黒原着ポリエステル織物を重ね合わせることにより偽装材料を得た。得られた偽装材料の反射率曲線の積分面積値の増加率および偽装性能を表4に示した。
【0067】
<実施例2>
外層材料と黒原着ポリウレタン生地を重ね合わせることにより偽装材料を得た。得られた偽装材料の反射率曲線の積分面積値の増加率および偽装性能を表4に示した。
【0068】
<実施例3>
外層材料と黒原着酢酸セルロース膜生地を重ね合わせることにより偽装材料を得た。得られた偽装材料の反射率曲線の積分面積値の増加率および偽装性能を表4に示した。
【0069】
<実施例4>
外層材料とカーボンブラック固着不織布を重ね合わせることにより偽装材料を得た。得られた偽装材料の反射率曲線の積分面積値の増加率および偽装性能を表4に示した。
【0070】
<実施例5>
外層材料と活性炭シートを重ね合わせることにより偽装材料を得た。得られた偽装材料の反射率曲線の積分面積値の増加率および偽装性能を表4に示した。
【0071】
<比較例1>
外層材料とポリエステル織物を重ね合わせることにより偽装材料を得た。得られた偽装材料の反射率曲線の積分面積値の増加率および偽装性能を表4に示した。
【0072】
<比較例2>
外層材料とカーボンブラックを添加していない酢酸セルロース樹脂を使用し、黒原着酢酸セルロース膜と同様の作製処方により作製した、酢酸セルロース膜生地を重ね合わせることにより偽装材料を得た。得られた偽装材料の反射率曲線の積分面積値の増加率および偽装性能を表4に示した。
【0073】
<比較例3>
外層材料とスパンレース不織布を重ね合わせることにより偽装材料を得た。得られた偽装材料の反射率曲線の積分面積値の増加率および偽装性能を表4に示した。
【0074】
【表4】

【0075】
実施例の積層構造体は、外層材料単独の反射率曲線の積分面積値と比較し、全ての迷彩色において反射率曲線の積分面積値の増加率が10%以下であり、反射率の変化が小さく良好な偽装材料であるのに対し、比較例の積層構造体は、反射率曲線の積分面積値の変化率が大きくなる結果であり、所望とする材料となり得ない結果であった。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明の偽装シートは、外層材料と赤外線吸収能を付与した内層材料の少なくとも2層以上の積層構造体からなる材料であり、内層材料を配置させた場合においても赤外線反射率の変化が小さく、優れた偽装性能を得ることができ、戦車用、航空機用、艦船用等に使用されるシェルター、カバー、個人用の衣服、手袋、靴下、靴、オーバーシューズ、ヘルメット等に利用することができ、産業界に寄与することが大である。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の構造1の積層構造体の一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明の構造2の積層構造体の一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0078】
1: 外層材料
2: 内層材料(赤外線吸収剤練り込み樹脂構造体または繊維構造体)
3: 外層材料
4: 赤外線吸収剤固着層
5: 内層材料(樹脂構造体もしくは繊維構造体)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
4段階の迷彩色で構成された迷彩模様を有する外層材料と、赤外線吸収能を付与した内層材料の、少なくとも2層以上の積層構造体からなる偽装材料であって、外層材料と内層材料を積層した積層構造体の赤外線波長領域600nmから1200nmにおける反射率曲線の積分面積値が、外層材料単独の反射率曲線の積分面積値に対し、外層材料の全ての色相において面積値増加率が10%以下である偽装材料。
【請求項2】
赤外線吸収能を付与した内層材料が、カーボンブラックを固着もしくは練り込んだ構造体、または活性炭を含む構造体からなる請求項1に記載の偽装材料。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−32114(P2010−32114A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−194467(P2008−194467)
【出願日】平成20年7月29日(2008.7.29)
【出願人】(000003160)東洋紡績株式会社 (3,622)
【Fターム(参考)】