偽造防止カードおよびその読み取り方法
【課題】本発明は、特に、偽造および盗用による複製を確実に回避して、信頼性および安全性を高めるとともに、より低コストに実施できる偽造防止カードの提供を目的とするものである。
【解決手段】基材シートを貫通する任意の位置に設けた開口部に、透明樹脂を結合剤としてビーズがランダムに充填されて表裏両面に透明オーバーシートが貼着されてなり、前記ビーズが視認可能なことを特徴とする偽造防止カードおよびその読み取り方法である。
【解決手段】基材シートを貫通する任意の位置に設けた開口部に、透明樹脂を結合剤としてビーズがランダムに充填されて表裏両面に透明オーバーシートが貼着されてなり、前記ビーズが視認可能なことを特徴とする偽造防止カードおよびその読み取り方法である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレジットカード、キャッシュカード、会員カード等カード類の偽造防止に付加ことができ、複写機やスキャナによる偽造を効果的に防止することが出来るとともに安価に製造することが出来るようにした、偽造防止カードおよびそれらの読み取り方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、認証情報を磁気的に書き込む磁気カードやデータメモリ機能を有するICカードは、偽造あるいは認証情報が盗用されるおそれがあることより、偽造あるいは盗用を確実に回避できる認証方式およびシステムの実用化が社会的に要求されている。
【0003】
以下に特許文献を記す。
【特許文献1】特開平10−44650号公報 従来、偽造あるいは盗用の回避を目的とした認証用タグとして、データキャリアが知られている。このデータキャリアは、使用者固有の認識情報としての認識情報部が付与されたデータキャリアであって、認識情報部を基体となる単色の熱可塑性樹脂のペレットおよびアットランダムに配列される金属粉を押出機により同時成形したものである(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、このような従来のデータキャリアはアットランダムな金属粉を用いることから偽造および複製は困難であるものの、ランダム模様を構成する金属粉が直接読み取られるため、例えばコピー機による識別情報のコピー等に対し、確実に回避出来ないおそれがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述の問題点に鑑みなされたものであって、このような従来の要請に応えたものであり、特に偽造および盗用による複製を確実に回避して、信頼性および安全性を高めるとともに、より低コストに実施できる偽造防止カードの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を達成するために、すなわち、請求項1に記載の発明は、基材シートを貫通する任意の位置に設けた開口部に、透明樹脂を結合剤としてビーズがランダムに充填されて表裏両面に透明オーバーシートが貼着されてなり、前記ビーズが視認可能なことを特徴とする偽造防止カードである。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の偽造防止カードにおいて、前記ビーズは、赤外線を照射することにより、赤外線を吸収する顔料、異なる波長の赤外線を発光する顔料、又は可視光線を発光する顔料が、単独もしくは複数混入されたものであることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の偽造防止カードにおいて、前記ビーズは、紫外線を照射することにより、可視光を発光する顔料、又は紫外線を吸収する材料が、単独もしくは複数混入されたものであることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の偽造防止カードにおいて、前記ビーズは、
請求項2に記載のビーズおよび請求項3に記載のビーズが全部もしくは何種類かの組合せで混入されたものであることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の偽造防止カードをイメージセンサにてビーズの位置を読み取り、イメージセンサの画像より認証を行うことを特徴とする偽造防止カードの読み取り方法である。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の偽造防止カードの読み取り方法において、照射角度の異なる少なくとも2個の光源から照射された光を請求項1乃至4のいずれかに記載の偽造防止カードに交互に照射し、それぞれの光が照射された状態の偽造防止カードをイメージセンサにてビーズの位置を読み取り、それぞれの光が照射された状態のイメージセンサの画像により認証を行うことを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項5に記載の偽造防止カードの読み取り方法において、照射角度の異なる少なくとも2個の光源のいずれか1個が赤外線光を照射することにより、前記請求項2に記載の偽造防止カードにおいて、可視光を発光するビーズの位置、赤外光を発光するビーズの位置、赤外線を吸収するビーズの位置を読み取り、各条件のイメージセンサの画像より認証を行うことを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項5に記載の偽造防止カードの読み取り方法において、照射角度の異なる少なくとも2個の光源のいずれか1個が紫外線を照射することにより、前記請求項3に記載の偽造防止カードにおいて可視光を発光するビーズの位置、紫外線を吸収するビーズの位置を読み取り、各条件のイメージセンサの画像より認証を行うことを特徴とする。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項7および請求項8に記載の偽造防止カードの読み取り方法を組み合わせることで請求項4に記載のカードの認証を行うことを特徴とする。
【0015】
請求項10に記載の発明は、請求項5に記載の偽造防止カードの読み取り方法において、撮影角度の異なる少なくとも2台のイメージセンサにて、前記請求項1乃至4のいずれかに記載の偽造防止カードのビーズの位置を読み取り、各イメージセンサの画像より認証を行うことを特徴とする。
【0016】
請求項11に記載の発明は、請求項5に記載の偽造防止カードの読み取り方法において、撮影角度の異なる少なくとも2台のイメージセンサにてカードに赤外線を照射することにより、前記請求項2に記載する偽造防止カードにおいて可視光を発光するビーズの位置、赤外光を発光するビーズの位置、赤外線光を吸収するビーズの位置を読み取り、各条件のイメージセンサの画像より認証を行うことを特徴とする。
【0017】
請求項12に記載の発明は、請求項5に記載の偽造防止カードの読み取り方法において、前記撮影角度の異なる少なくとも2台のイメージセンサにてカードに紫外線を照射することにより、前記請求項3に記載の偽造防止カードにおいて可視光を発光するビーズの位置、紫外線を吸収するビーズの位置を読み取り、各条件のイメージセンサの画像より認証を行うことを特徴とする。
【0018】
請求項13に記載の発明は、請求項11および請求項12に記載の偽造防止カードの読み取り方法を組み合わせることで請求項4に記載のカードの認証を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の偽造防止カードは、カード基材の一部に透明樹脂とビーズがランダムに混合されたものを埋め込み、前記ビーズが視認できる様に形成されたもので、角度が異なる少なくとも2つの光源もしくはイメージセンサにて前記ビーズ視認部分にランダムに配置されているビーズの位置を前記イメージセンサにて立体的にとらえることができ、そのイメージセンサの画像より真偽判定を行うことができる。
【0020】
この構成の偽造防止カードは、従来の偽造カードの製造方法のように、磁気カードもしくはICカードのように磁気データもしくはICのメモリデータを盗用し、このデータをあらかじめ大量に作製した磁気カードもしくはICカードにデータを書き込み偽造カードを作製する方法では偽造カードが作製できないことより、偽造防止効果、特にデータの盗用に対して非常に効果的である。
【0021】
さらに、ビーズの一部に赤外線を照射することにより、赤外線を吸収する顔料、異なる波長の赤外線を発光する顔料、又は可視光線を発光する顔料や紫外線を照射することにより、可視光を発光する顔料、又は紫外線を吸収する顔料をビーズ中に練り込みもしくは被覆し、それらのビーズを読み取ることで、より一層の偽造防止効果が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の偽造防止カードの一実施例を示す平面図であり、図2は、図1の偽造防止カードのX−X線における断面図である。また、図3〜5は、本発明の偽造防止カードの一実施例を示す平面図である。さらに、図6〜11は、本発明の偽造防止カードの読み取り方法を示した概略図である。また、図12は本発明の偽造防止カードの読み取り方法および真偽判定方法を示した概略図である。
【0023】
図1および図2の偽造防止カード1は、カード基材11の一部分が開口しており、透明窓部12を形成している。前記透明窓部12にはランダムに配置されたビーズ13と透明樹脂が充填されており、オーバーシート14にてカード基材11をラミネートした構成となっている。前記透明窓部12に設けられたビーズ13の配置は、個々の偽造防止カード1により異なる。さらにビーズ13はカード基材11の厚みの中任意の位置に透明樹脂にて固定されている。
【0024】
図3における偽造防止カード2は、図1および図2に示した偽造防止カード1と同じ構成でかつ、透明窓部22の中にビーズ23の他に赤外線吸収顔料が練り込まれたビーズ24、赤外可視蛍光顔料が練り込まれたビーズ25、および赤外赤外蛍光顔料が練り込まれたビーズ26がランダムに混入している。また、図4における偽造防止カード3は、図1および図2に示した偽造防止カード1と同じ構成でかつ、透明窓部32の中にビーズ33の他に紫外線蛍光顔料が練り込まれたビーズ37、および紫外線吸収剤が練り込まれたビーズ38がランダムに混入している。さらに、図5における偽造防止カード4は、図1および図2に示した偽造防止カード1と同じ構成でかつ、透明窓部42の中にビーズ43の他に赤外線吸収顔料が練り込まれたビーズ44、赤外可視蛍光顔料が練り込まれたビーズ45、赤外赤外蛍光顔料が練り込まれたビーズ46、紫外線蛍光顔料が練り込まれたビーズ47、および紫外線吸収剤が練り込まれたビーズ48がランダムに混入している。
【0025】
図6は、図1の偽造防止カード1の読み取り方法を示す概略図で、偽造防止カード1の透明窓部12の部分に、光源(可視光)51を照射し、偽造防止カード1の透明窓部12を透過させ、イメージセンサ53にて透明窓部12のイメージセンサ画像55を取り込む構成となっている。イメージセンサ画像55中に映し出されたビーズ画像57の位置を予め記録されている偽造防止カード1の透明窓部12のビーズ配置と比較して真偽判定を行う。
【0026】
図7は、図6と同様に図1の偽造防止カード1の読み取り方法を示す概略図であるが、互いの照射角度が異なる光源(可視光)61および62が設けられており、互いの光源61および62の照射時間をずらすことにより、イメージセンサ63に2種類のイメージセンサ画像65および66が取り込まれる構成となっている。これにより偽造防止カード1の透明窓部12のビーズ配置がより立体的に真偽判定を行うことができる。
【0027】
図8は、図3の偽造防止カード2の読み取り方法を示す概略図となっており、図7の構成と同じであるが異なる点は、光源(赤外光)72を設けた構成になっていることである。偽造防止カード2の透明窓部に可視光線の光源(可視光)71の他に光源(赤外光)72を照射することにより、イメージセンサ73にて取り込まれる画像は、図7と同様のイメージセンサ画像75と赤外光を照射したことによりビーズの状態が変化しているイメージセンサ画像76を得ることができる。イメージセンサ画像76は、偽造防止カード2の透明窓部22中に混入されている赤外線吸収顔料が練り込まれたビーズ24、赤外可視蛍光顔料が練り込まれたビーズ25、および赤外赤外蛍光顔料が練り込まれたビーズ26により、発光しているビーズ画像79および吸光しているビーズ画像80が観察できる。
【0028】
図9は、図5の偽造防止カード4の読み取り方法を示す概略図となっており、前記図8の構成に加えて光源(紫外光)91が設けられた構成になっている。偽造防止カード3の透明窓部に赤外光の光源(赤外光)92と紫外光の光源(紫外光)91を交互に照射することにより、イメージセンサ93にて取り込まれる画像は、図8と同様に赤外光を照射したことによりビーズの状態が変化しているイメージセンサ画像116と紫外光を照射したことによりビーズの状態が変化しているイメージセンサ画像115を得ることができる。イメージセンサ画像116は、偽造防止カード4の透明窓部42中に混入されている赤外線吸収顔料が練り込まれたビーズ44、赤外可視蛍光顔料が練り込まれたビーズ45、および赤外赤外蛍光顔料が練り込まれたビーズ46により、発光しているビーズ画像120および吸光しているビーズ画像119が観察できる。さらに、イメージセンサ画像115は、偽造防止カード4の透明窓部42中に混入されている紫外蛍光顔料が練り込まれたビーズ46、および紫外線吸収材が練り込まれたビーズ48により、発光しているビーズ画像118および吸光しているビーズ画像117が観察できる。
【0029】
図10は、図1の偽造防止カード1の読み取り方法を示す概略図で、偽造防止カード1の透明窓部12の部分に光源(可視光)101を照射し、偽造防止カード1の透明窓部12を透過させ、互いの撮影角度が異なるイメージセンサ103および104にてそれぞれイメージセンサ画像105および106を取り込む構成となっている。イメージセンサ画像105および106中に映し出されたビーズ画像107および108の位置を予め記録されている画像と比較して真偽判定を行う。
【0030】
図11は、図10の構成と同じであるが、赤外光を照射する光源(赤外光)111を設けることにより、赤外線に反応するビーズを特徴的にとらえることができる。さらにイメージセンサ114の手前に光学フィルター121を設けることにより、偽造防止カード4中の赤外可視蛍光顔料が練り込まれたビーズ45と赤外赤外蛍光顔料が練り込まれたビーズ46を判別できるようになる。具体的には光学フィルター121は可視光域をカットするフィルターとなっており、赤外赤外蛍光顔料が練り込まれたビーズ46のみがイメージセンサ画像において発光しているビーズ画像となり得える。
【0031】
図12は、図10の偽造防止カード1の真偽判定方法の1実施例を示す概略図で、偽造防止カード4の裏面から透明窓部12に向けて光源(可視光)を照射し、互いに撮影角度の異なるイメージセンサ103および104にイメージセンサ画像105および106を取り込む。真偽判定はデータ処理部131で行い、イメージセンサ画像105および10
6を合成132して暗号かおよびコード化133を行い、データベース134に予め記録されているコードと一致するかどうか真偽判定135を行い、一致した場合次の処理136を行い、一致しない場合排除137を行う。
【0032】
カード基材11、21、31、41は、0.05〜1.0mmの範囲のシートであれば特に限定するものではないが、例えばカード等の如く切断やエンボス加工性を考慮すると、プラスチックシートが好適で、上記カードの場合は、0.5mm程度の透明プラスチックで、塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)あるいはABSのシートなどが挙げられ、特にエンボス適性等から塩化ビニルが多くしようされ、近年では焼却における環境問題等から非晶性のPET等を含め前記の樹脂を工夫して使用するようになってきている。
【0033】
カード基材11、21、31、41の一部をくりぬいた部分に設けられた透明窓部12、22、32、42には、透明樹脂とビーズが混合されたビーズ入り樹脂が充填されており、カード基材と同じ厚さになるように調整されている。ここで使用される透明樹脂はビーズと異なる屈折率を持つものであれば特に限定するものではないが、カード基材と同様の組成である例えば、塩酢ビ系樹脂、ポリエステル系樹脂、オレフィン系樹脂等もしくはアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等が好ましい。
【0034】
ビーズ13、23、33、43は、偽造防止カード中に入れることのできる大きさのもの、すなわちカード基材の厚み以下の大きさであれば特に限定するものではなく、材質としてガラス、プラスチック等がある。
【0035】
赤外線吸収顔料が練り込まれたビーズ24、44は、前記ビーズ中に赤外線を吸収する顔料が練り込まれたものである。また、ビーズ表面に赤外線を吸収する顔料をコートしたものでも良い。
【0036】
赤外可視蛍光顔料が練り込まれたビーズ25、45は、前記ビーズ中にある赤外レーザー光を照射すると可視光領域に発光する顔料が練り込まれたものである。前記同様、ビーズ表面に前記赤外可視蛍光顔料をコートした形でも良い。
【0037】
赤外赤外蛍光顔料が練り込まれたビーズ26、46は、前記ビーズ中にある赤外レーザー光を照射すると照射した赤外波長よりも長波長側で発光する顔料が練り込まれたものである。前記同様、ビーズ表面に前記赤外赤外蛍光顔料をコートした形でも良い。
【0038】
紫外蛍光顔料が練り込まれたビーズ37、47は、前記ビーズ中に紫外光を照射すると可視光領域に発光する顔料が練り込まれたものである。前期同様、ビーズ表面に前記紫外形光顔料をコートした形でも良い。
【0039】
紫外線吸収剤が練り込まれたビーズ38、48は、前記ビーズ中に紫外光を吸収する材料が練り込まれたものである。前記同様、ビーズ表面に前記紫外線吸収剤をコートした形でも良い。
【0040】
本発明を、具体的な実施例を挙げて詳細に説明する。
【実施例1】
【0041】
0.54mm厚の白色塩ビ基材の一部を幅20mm、高さ15mmの大きさにくり抜き、前記白色塩ビ基材の下に0.1mm厚の透明塩ビ製オーバーシートを借り止めし、塩ビ基材をくり抜いた部分に大きさ直径0.1〜0.5mmのガラスビーズをエポキシ樹脂に
混合したものを充填し、その上に0.1mm厚の透明塩ビ製オーバーシートを重ね、カード表面に磁気ストライプテープを貼り、熱プレス法によりラミネートを行い、カードの大きさに抜き偽造防止カードを得た。
【0042】
上記偽造防止カードをスキャナーで読み込み、偽造カードを作製を作製したが、図12に示す読み取り装置にて判定を行ったところ、真券と一致しないため、偽造カードと判定された。
【実施例2】
【0043】
0.54mm厚の白色塩ビ基材の一部を幅20mm、高さ15mmの大きさにくり抜き、前記白色塩ビ基材の下に0.1mm厚の透明塩ビ製オーバーシートを借り止めし、塩ビ基材をくり抜いた部分に直径0.1〜0.5mmのガラスビーズ、赤外線吸収顔料が練り込まれたビーズ、赤外可視蛍光顔料が練り込まれたビーズ、および赤外赤外蛍光顔料が練り込まれたビーズをエポキシ樹脂に混合したものを充填し、その上に0.1mm厚の透明塩ビ製オーバーシートを重ね、カード表面に磁気ストライプテープを貼り、熱プレス法によりラミネートを行い、カードの大きさに抜き偽造防止カードを得た。
【0044】
上記偽造防止カードをスキャナーで読み込み、偽造カードを作製を作製したが、図8に示す読み取り装置にて判定を行ったところ、真券と一致しないため、偽造カードと判定された。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の偽造防止カードの一実施例を示す平面図である。
【図2】図1の偽造防止カードのX−X線における断面図である。
【図3】本発明の偽造防止カードの一実施例を示す平面図である。
【図4】本発明の偽造防止カードの一実施例を示す平面図である。
【図5】本発明の偽造防止カードの一実施例を示す平面図である。
【図6】図1の偽造防止カードの読み取り方法を示す概略図である。
【図7】図1の偽造防止カードの読み取り方法を示す概略図である。
【図8】図3の偽造防止カードの読み取り方法を示す概略図である。
【図9】図5の偽造防止カードの読み取り方法を示す概略図である。
【図10】図1の偽造防止カードの読み取り方法を示す概略図である。
【図11】図5の偽造防止カードの読み取り方法を示す概略図である。
【図12】図1の偽造防止カードの真偽判定方法を示す概略図である。
【符号の説明】
【0046】
1、2、3、4・・・偽造防止カード
11、21、31、41・・・カード基材
12、22、32、42・・・透明窓部
13、23、33、43・・・ビーズ
14・・・オーバーシート
24、44・・・赤外線吸収顔料が練り込まれたビーズ
25、45・・・赤外可視蛍光顔料が練り込まれたビーズ
26、46・・・赤外赤外蛍光顔料が練り込まれたビーズ
37、47・・・紫外蛍光顔料が練り込まれたビーズ
38、48・・・紫外線吸収剤が練り込まれたビーズ
51、61、62、71、101・・・光源(可視光)
72、92、111・・・光源(赤外光)
91・・・光源(紫外光)
53、63、73、93、103、104、113、114・・・イメージセンサ
55、65、66、75、76、95、96、105、106、115、116・・・イメージセンサ画像
57、67、68、77、78、107、108・・・ビーズ画像
79、97、99、118、120・・・発光しているビーズ画像
80、98、100、117、119・・・吸光しているビーズ画像
121・・・光学フィルター
131・・・データ処理部
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレジットカード、キャッシュカード、会員カード等カード類の偽造防止に付加ことができ、複写機やスキャナによる偽造を効果的に防止することが出来るとともに安価に製造することが出来るようにした、偽造防止カードおよびそれらの読み取り方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、認証情報を磁気的に書き込む磁気カードやデータメモリ機能を有するICカードは、偽造あるいは認証情報が盗用されるおそれがあることより、偽造あるいは盗用を確実に回避できる認証方式およびシステムの実用化が社会的に要求されている。
【0003】
以下に特許文献を記す。
【特許文献1】特開平10−44650号公報 従来、偽造あるいは盗用の回避を目的とした認証用タグとして、データキャリアが知られている。このデータキャリアは、使用者固有の認識情報としての認識情報部が付与されたデータキャリアであって、認識情報部を基体となる単色の熱可塑性樹脂のペレットおよびアットランダムに配列される金属粉を押出機により同時成形したものである(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、このような従来のデータキャリアはアットランダムな金属粉を用いることから偽造および複製は困難であるものの、ランダム模様を構成する金属粉が直接読み取られるため、例えばコピー機による識別情報のコピー等に対し、確実に回避出来ないおそれがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述の問題点に鑑みなされたものであって、このような従来の要請に応えたものであり、特に偽造および盗用による複製を確実に回避して、信頼性および安全性を高めるとともに、より低コストに実施できる偽造防止カードの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を達成するために、すなわち、請求項1に記載の発明は、基材シートを貫通する任意の位置に設けた開口部に、透明樹脂を結合剤としてビーズがランダムに充填されて表裏両面に透明オーバーシートが貼着されてなり、前記ビーズが視認可能なことを特徴とする偽造防止カードである。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の偽造防止カードにおいて、前記ビーズは、赤外線を照射することにより、赤外線を吸収する顔料、異なる波長の赤外線を発光する顔料、又は可視光線を発光する顔料が、単独もしくは複数混入されたものであることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の偽造防止カードにおいて、前記ビーズは、紫外線を照射することにより、可視光を発光する顔料、又は紫外線を吸収する材料が、単独もしくは複数混入されたものであることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の偽造防止カードにおいて、前記ビーズは、
請求項2に記載のビーズおよび請求項3に記載のビーズが全部もしくは何種類かの組合せで混入されたものであることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の偽造防止カードをイメージセンサにてビーズの位置を読み取り、イメージセンサの画像より認証を行うことを特徴とする偽造防止カードの読み取り方法である。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の偽造防止カードの読み取り方法において、照射角度の異なる少なくとも2個の光源から照射された光を請求項1乃至4のいずれかに記載の偽造防止カードに交互に照射し、それぞれの光が照射された状態の偽造防止カードをイメージセンサにてビーズの位置を読み取り、それぞれの光が照射された状態のイメージセンサの画像により認証を行うことを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項5に記載の偽造防止カードの読み取り方法において、照射角度の異なる少なくとも2個の光源のいずれか1個が赤外線光を照射することにより、前記請求項2に記載の偽造防止カードにおいて、可視光を発光するビーズの位置、赤外光を発光するビーズの位置、赤外線を吸収するビーズの位置を読み取り、各条件のイメージセンサの画像より認証を行うことを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項5に記載の偽造防止カードの読み取り方法において、照射角度の異なる少なくとも2個の光源のいずれか1個が紫外線を照射することにより、前記請求項3に記載の偽造防止カードにおいて可視光を発光するビーズの位置、紫外線を吸収するビーズの位置を読み取り、各条件のイメージセンサの画像より認証を行うことを特徴とする。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項7および請求項8に記載の偽造防止カードの読み取り方法を組み合わせることで請求項4に記載のカードの認証を行うことを特徴とする。
【0015】
請求項10に記載の発明は、請求項5に記載の偽造防止カードの読み取り方法において、撮影角度の異なる少なくとも2台のイメージセンサにて、前記請求項1乃至4のいずれかに記載の偽造防止カードのビーズの位置を読み取り、各イメージセンサの画像より認証を行うことを特徴とする。
【0016】
請求項11に記載の発明は、請求項5に記載の偽造防止カードの読み取り方法において、撮影角度の異なる少なくとも2台のイメージセンサにてカードに赤外線を照射することにより、前記請求項2に記載する偽造防止カードにおいて可視光を発光するビーズの位置、赤外光を発光するビーズの位置、赤外線光を吸収するビーズの位置を読み取り、各条件のイメージセンサの画像より認証を行うことを特徴とする。
【0017】
請求項12に記載の発明は、請求項5に記載の偽造防止カードの読み取り方法において、前記撮影角度の異なる少なくとも2台のイメージセンサにてカードに紫外線を照射することにより、前記請求項3に記載の偽造防止カードにおいて可視光を発光するビーズの位置、紫外線を吸収するビーズの位置を読み取り、各条件のイメージセンサの画像より認証を行うことを特徴とする。
【0018】
請求項13に記載の発明は、請求項11および請求項12に記載の偽造防止カードの読み取り方法を組み合わせることで請求項4に記載のカードの認証を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の偽造防止カードは、カード基材の一部に透明樹脂とビーズがランダムに混合されたものを埋め込み、前記ビーズが視認できる様に形成されたもので、角度が異なる少なくとも2つの光源もしくはイメージセンサにて前記ビーズ視認部分にランダムに配置されているビーズの位置を前記イメージセンサにて立体的にとらえることができ、そのイメージセンサの画像より真偽判定を行うことができる。
【0020】
この構成の偽造防止カードは、従来の偽造カードの製造方法のように、磁気カードもしくはICカードのように磁気データもしくはICのメモリデータを盗用し、このデータをあらかじめ大量に作製した磁気カードもしくはICカードにデータを書き込み偽造カードを作製する方法では偽造カードが作製できないことより、偽造防止効果、特にデータの盗用に対して非常に効果的である。
【0021】
さらに、ビーズの一部に赤外線を照射することにより、赤外線を吸収する顔料、異なる波長の赤外線を発光する顔料、又は可視光線を発光する顔料や紫外線を照射することにより、可視光を発光する顔料、又は紫外線を吸収する顔料をビーズ中に練り込みもしくは被覆し、それらのビーズを読み取ることで、より一層の偽造防止効果が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の偽造防止カードの一実施例を示す平面図であり、図2は、図1の偽造防止カードのX−X線における断面図である。また、図3〜5は、本発明の偽造防止カードの一実施例を示す平面図である。さらに、図6〜11は、本発明の偽造防止カードの読み取り方法を示した概略図である。また、図12は本発明の偽造防止カードの読み取り方法および真偽判定方法を示した概略図である。
【0023】
図1および図2の偽造防止カード1は、カード基材11の一部分が開口しており、透明窓部12を形成している。前記透明窓部12にはランダムに配置されたビーズ13と透明樹脂が充填されており、オーバーシート14にてカード基材11をラミネートした構成となっている。前記透明窓部12に設けられたビーズ13の配置は、個々の偽造防止カード1により異なる。さらにビーズ13はカード基材11の厚みの中任意の位置に透明樹脂にて固定されている。
【0024】
図3における偽造防止カード2は、図1および図2に示した偽造防止カード1と同じ構成でかつ、透明窓部22の中にビーズ23の他に赤外線吸収顔料が練り込まれたビーズ24、赤外可視蛍光顔料が練り込まれたビーズ25、および赤外赤外蛍光顔料が練り込まれたビーズ26がランダムに混入している。また、図4における偽造防止カード3は、図1および図2に示した偽造防止カード1と同じ構成でかつ、透明窓部32の中にビーズ33の他に紫外線蛍光顔料が練り込まれたビーズ37、および紫外線吸収剤が練り込まれたビーズ38がランダムに混入している。さらに、図5における偽造防止カード4は、図1および図2に示した偽造防止カード1と同じ構成でかつ、透明窓部42の中にビーズ43の他に赤外線吸収顔料が練り込まれたビーズ44、赤外可視蛍光顔料が練り込まれたビーズ45、赤外赤外蛍光顔料が練り込まれたビーズ46、紫外線蛍光顔料が練り込まれたビーズ47、および紫外線吸収剤が練り込まれたビーズ48がランダムに混入している。
【0025】
図6は、図1の偽造防止カード1の読み取り方法を示す概略図で、偽造防止カード1の透明窓部12の部分に、光源(可視光)51を照射し、偽造防止カード1の透明窓部12を透過させ、イメージセンサ53にて透明窓部12のイメージセンサ画像55を取り込む構成となっている。イメージセンサ画像55中に映し出されたビーズ画像57の位置を予め記録されている偽造防止カード1の透明窓部12のビーズ配置と比較して真偽判定を行う。
【0026】
図7は、図6と同様に図1の偽造防止カード1の読み取り方法を示す概略図であるが、互いの照射角度が異なる光源(可視光)61および62が設けられており、互いの光源61および62の照射時間をずらすことにより、イメージセンサ63に2種類のイメージセンサ画像65および66が取り込まれる構成となっている。これにより偽造防止カード1の透明窓部12のビーズ配置がより立体的に真偽判定を行うことができる。
【0027】
図8は、図3の偽造防止カード2の読み取り方法を示す概略図となっており、図7の構成と同じであるが異なる点は、光源(赤外光)72を設けた構成になっていることである。偽造防止カード2の透明窓部に可視光線の光源(可視光)71の他に光源(赤外光)72を照射することにより、イメージセンサ73にて取り込まれる画像は、図7と同様のイメージセンサ画像75と赤外光を照射したことによりビーズの状態が変化しているイメージセンサ画像76を得ることができる。イメージセンサ画像76は、偽造防止カード2の透明窓部22中に混入されている赤外線吸収顔料が練り込まれたビーズ24、赤外可視蛍光顔料が練り込まれたビーズ25、および赤外赤外蛍光顔料が練り込まれたビーズ26により、発光しているビーズ画像79および吸光しているビーズ画像80が観察できる。
【0028】
図9は、図5の偽造防止カード4の読み取り方法を示す概略図となっており、前記図8の構成に加えて光源(紫外光)91が設けられた構成になっている。偽造防止カード3の透明窓部に赤外光の光源(赤外光)92と紫外光の光源(紫外光)91を交互に照射することにより、イメージセンサ93にて取り込まれる画像は、図8と同様に赤外光を照射したことによりビーズの状態が変化しているイメージセンサ画像116と紫外光を照射したことによりビーズの状態が変化しているイメージセンサ画像115を得ることができる。イメージセンサ画像116は、偽造防止カード4の透明窓部42中に混入されている赤外線吸収顔料が練り込まれたビーズ44、赤外可視蛍光顔料が練り込まれたビーズ45、および赤外赤外蛍光顔料が練り込まれたビーズ46により、発光しているビーズ画像120および吸光しているビーズ画像119が観察できる。さらに、イメージセンサ画像115は、偽造防止カード4の透明窓部42中に混入されている紫外蛍光顔料が練り込まれたビーズ46、および紫外線吸収材が練り込まれたビーズ48により、発光しているビーズ画像118および吸光しているビーズ画像117が観察できる。
【0029】
図10は、図1の偽造防止カード1の読み取り方法を示す概略図で、偽造防止カード1の透明窓部12の部分に光源(可視光)101を照射し、偽造防止カード1の透明窓部12を透過させ、互いの撮影角度が異なるイメージセンサ103および104にてそれぞれイメージセンサ画像105および106を取り込む構成となっている。イメージセンサ画像105および106中に映し出されたビーズ画像107および108の位置を予め記録されている画像と比較して真偽判定を行う。
【0030】
図11は、図10の構成と同じであるが、赤外光を照射する光源(赤外光)111を設けることにより、赤外線に反応するビーズを特徴的にとらえることができる。さらにイメージセンサ114の手前に光学フィルター121を設けることにより、偽造防止カード4中の赤外可視蛍光顔料が練り込まれたビーズ45と赤外赤外蛍光顔料が練り込まれたビーズ46を判別できるようになる。具体的には光学フィルター121は可視光域をカットするフィルターとなっており、赤外赤外蛍光顔料が練り込まれたビーズ46のみがイメージセンサ画像において発光しているビーズ画像となり得える。
【0031】
図12は、図10の偽造防止カード1の真偽判定方法の1実施例を示す概略図で、偽造防止カード4の裏面から透明窓部12に向けて光源(可視光)を照射し、互いに撮影角度の異なるイメージセンサ103および104にイメージセンサ画像105および106を取り込む。真偽判定はデータ処理部131で行い、イメージセンサ画像105および10
6を合成132して暗号かおよびコード化133を行い、データベース134に予め記録されているコードと一致するかどうか真偽判定135を行い、一致した場合次の処理136を行い、一致しない場合排除137を行う。
【0032】
カード基材11、21、31、41は、0.05〜1.0mmの範囲のシートであれば特に限定するものではないが、例えばカード等の如く切断やエンボス加工性を考慮すると、プラスチックシートが好適で、上記カードの場合は、0.5mm程度の透明プラスチックで、塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)あるいはABSのシートなどが挙げられ、特にエンボス適性等から塩化ビニルが多くしようされ、近年では焼却における環境問題等から非晶性のPET等を含め前記の樹脂を工夫して使用するようになってきている。
【0033】
カード基材11、21、31、41の一部をくりぬいた部分に設けられた透明窓部12、22、32、42には、透明樹脂とビーズが混合されたビーズ入り樹脂が充填されており、カード基材と同じ厚さになるように調整されている。ここで使用される透明樹脂はビーズと異なる屈折率を持つものであれば特に限定するものではないが、カード基材と同様の組成である例えば、塩酢ビ系樹脂、ポリエステル系樹脂、オレフィン系樹脂等もしくはアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等が好ましい。
【0034】
ビーズ13、23、33、43は、偽造防止カード中に入れることのできる大きさのもの、すなわちカード基材の厚み以下の大きさであれば特に限定するものではなく、材質としてガラス、プラスチック等がある。
【0035】
赤外線吸収顔料が練り込まれたビーズ24、44は、前記ビーズ中に赤外線を吸収する顔料が練り込まれたものである。また、ビーズ表面に赤外線を吸収する顔料をコートしたものでも良い。
【0036】
赤外可視蛍光顔料が練り込まれたビーズ25、45は、前記ビーズ中にある赤外レーザー光を照射すると可視光領域に発光する顔料が練り込まれたものである。前記同様、ビーズ表面に前記赤外可視蛍光顔料をコートした形でも良い。
【0037】
赤外赤外蛍光顔料が練り込まれたビーズ26、46は、前記ビーズ中にある赤外レーザー光を照射すると照射した赤外波長よりも長波長側で発光する顔料が練り込まれたものである。前記同様、ビーズ表面に前記赤外赤外蛍光顔料をコートした形でも良い。
【0038】
紫外蛍光顔料が練り込まれたビーズ37、47は、前記ビーズ中に紫外光を照射すると可視光領域に発光する顔料が練り込まれたものである。前期同様、ビーズ表面に前記紫外形光顔料をコートした形でも良い。
【0039】
紫外線吸収剤が練り込まれたビーズ38、48は、前記ビーズ中に紫外光を吸収する材料が練り込まれたものである。前記同様、ビーズ表面に前記紫外線吸収剤をコートした形でも良い。
【0040】
本発明を、具体的な実施例を挙げて詳細に説明する。
【実施例1】
【0041】
0.54mm厚の白色塩ビ基材の一部を幅20mm、高さ15mmの大きさにくり抜き、前記白色塩ビ基材の下に0.1mm厚の透明塩ビ製オーバーシートを借り止めし、塩ビ基材をくり抜いた部分に大きさ直径0.1〜0.5mmのガラスビーズをエポキシ樹脂に
混合したものを充填し、その上に0.1mm厚の透明塩ビ製オーバーシートを重ね、カード表面に磁気ストライプテープを貼り、熱プレス法によりラミネートを行い、カードの大きさに抜き偽造防止カードを得た。
【0042】
上記偽造防止カードをスキャナーで読み込み、偽造カードを作製を作製したが、図12に示す読み取り装置にて判定を行ったところ、真券と一致しないため、偽造カードと判定された。
【実施例2】
【0043】
0.54mm厚の白色塩ビ基材の一部を幅20mm、高さ15mmの大きさにくり抜き、前記白色塩ビ基材の下に0.1mm厚の透明塩ビ製オーバーシートを借り止めし、塩ビ基材をくり抜いた部分に直径0.1〜0.5mmのガラスビーズ、赤外線吸収顔料が練り込まれたビーズ、赤外可視蛍光顔料が練り込まれたビーズ、および赤外赤外蛍光顔料が練り込まれたビーズをエポキシ樹脂に混合したものを充填し、その上に0.1mm厚の透明塩ビ製オーバーシートを重ね、カード表面に磁気ストライプテープを貼り、熱プレス法によりラミネートを行い、カードの大きさに抜き偽造防止カードを得た。
【0044】
上記偽造防止カードをスキャナーで読み込み、偽造カードを作製を作製したが、図8に示す読み取り装置にて判定を行ったところ、真券と一致しないため、偽造カードと判定された。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の偽造防止カードの一実施例を示す平面図である。
【図2】図1の偽造防止カードのX−X線における断面図である。
【図3】本発明の偽造防止カードの一実施例を示す平面図である。
【図4】本発明の偽造防止カードの一実施例を示す平面図である。
【図5】本発明の偽造防止カードの一実施例を示す平面図である。
【図6】図1の偽造防止カードの読み取り方法を示す概略図である。
【図7】図1の偽造防止カードの読み取り方法を示す概略図である。
【図8】図3の偽造防止カードの読み取り方法を示す概略図である。
【図9】図5の偽造防止カードの読み取り方法を示す概略図である。
【図10】図1の偽造防止カードの読み取り方法を示す概略図である。
【図11】図5の偽造防止カードの読み取り方法を示す概略図である。
【図12】図1の偽造防止カードの真偽判定方法を示す概略図である。
【符号の説明】
【0046】
1、2、3、4・・・偽造防止カード
11、21、31、41・・・カード基材
12、22、32、42・・・透明窓部
13、23、33、43・・・ビーズ
14・・・オーバーシート
24、44・・・赤外線吸収顔料が練り込まれたビーズ
25、45・・・赤外可視蛍光顔料が練り込まれたビーズ
26、46・・・赤外赤外蛍光顔料が練り込まれたビーズ
37、47・・・紫外蛍光顔料が練り込まれたビーズ
38、48・・・紫外線吸収剤が練り込まれたビーズ
51、61、62、71、101・・・光源(可視光)
72、92、111・・・光源(赤外光)
91・・・光源(紫外光)
53、63、73、93、103、104、113、114・・・イメージセンサ
55、65、66、75、76、95、96、105、106、115、116・・・イメージセンサ画像
57、67、68、77、78、107、108・・・ビーズ画像
79、97、99、118、120・・・発光しているビーズ画像
80、98、100、117、119・・・吸光しているビーズ画像
121・・・光学フィルター
131・・・データ処理部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材シートを貫通する任意の位置に設けた開口部に、透明樹脂を結合剤としてビーズがランダムに充填されて表裏両面に透明オーバーシートが貼着されてなり、前記ビーズが視認可能なことを特徴とする偽造防止カード。
【請求項2】
前記ビーズは、赤外線を照射することにより、赤外線を吸収する顔料、異なる波長の赤外線を発光する顔料、又は可視光線を発光する顔料が、単独もしくは複数混入されたものであることを特徴とする請求項1に記載の偽造防止カード。
【請求項3】
前記ビーズは、紫外線を照射することにより、可視光を発光する顔料、又は紫外線を吸収する材料が、単独もしくは複数混入されたものであることを特徴とする請求項1に記載の偽造防止カード。
【請求項4】
前記ビーズは、請求項2に記載のビーズおよび請求項3に記載のビーズが全部もしくは何種類かの組合せで混入されたものであることを特徴とする請求項1に記載の偽造防止カード。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の偽造防止カードをイメージセンサにてビーズの位置を読み取り、イメージセンサの画像より認証を行うことを特徴とする偽造防止カードの読み取り方法。
【請求項6】
照射角度の異なる少なくとも2個の光源から照射された光を請求項1乃至4のいずれかに記載の偽造防止カードに交互に照射し、それぞれの光が照射された状態の偽造防止カードをイメージセンサにてビーズの位置を読み取り、それぞれの光が照射された状態のイメージセンサの画像により認証を行うことを特徴とする請求項5に記載の偽造防止カードの読み取り方法。
【請求項7】
照射角度の異なる少なくとも2個の光源のいずれか1個が赤外線光を照射することにより、前記請求項2に記載の偽造防止カードにおいて、可視光を発光するビーズの位置、赤外光を発光するビーズの位置、赤外線を吸収するビーズの位置を読み取り、各条件のイメージセンサの画像より認証を行うことを特徴とする請求項5に記載の偽造防止カードの読み取り方法。
【請求項8】
照射角度の異なる少なくとも2個の光源のいずれか1個が紫外線を照射することにより、前記請求項3に記載の偽造防止カードにおいて可視光を発光するビーズの位置、紫外線を吸収するビーズの位置を読み取り、各条件のイメージセンサの画像より認証を行うことを特徴とする請求項5に記載の偽造防止カードの読み取り方法。
【請求項9】
請求項7および請求項8に記載の偽造防止カードの読み取り方法を組み合わせることで請求項4に記載のカードの認証を行うことを特徴とする偽造防止カードの読み取り方法。
【請求項10】
撮影角度の異なる少なくとも2台のイメージセンサにて、前記請求項1乃至4のいずれかに記載の偽造防止カードのビーズの位置を読み取り、各イメージセンサの画像より認証を行うことを特徴とする請求項5に記載の偽造防止カードの読み取り方法。
【請求項11】
撮影角度の異なる少なくとも2台のイメージセンサにてカードに赤外線を照射することにより、前記請求項2に記載する偽造防止カードにおいて可視光を発光するビーズの位置、赤外光を発光するビーズの位置、赤外線光を吸収するビーズの位置を読み取り、各条件のイメージセンサの画像より認証を行うことを特徴とする請求項5に記載の偽造防止カー
ドの読み取り方法。
【請求項12】
前記撮影角度の異なる少なくとも2台のイメージセンサにてカードに紫外線を照射することにより、前記請求項3に記載の偽造防止カードにおいて可視光を発光するビーズの位置、紫外線を吸収するビーズの位置を読み取り、各条件のイメージセンサの画像より認証を行うことを特徴とする請求項5に記載の偽造防止カードの読み取り方法。
【請求項13】
請求項11および請求項12に記載の偽造防止カードの読み取り方法を組み合わせることで請求項4に記載のカードの認証を行うことを特徴とする偽造防止カードの読み取り方法。
【請求項1】
基材シートを貫通する任意の位置に設けた開口部に、透明樹脂を結合剤としてビーズがランダムに充填されて表裏両面に透明オーバーシートが貼着されてなり、前記ビーズが視認可能なことを特徴とする偽造防止カード。
【請求項2】
前記ビーズは、赤外線を照射することにより、赤外線を吸収する顔料、異なる波長の赤外線を発光する顔料、又は可視光線を発光する顔料が、単独もしくは複数混入されたものであることを特徴とする請求項1に記載の偽造防止カード。
【請求項3】
前記ビーズは、紫外線を照射することにより、可視光を発光する顔料、又は紫外線を吸収する材料が、単独もしくは複数混入されたものであることを特徴とする請求項1に記載の偽造防止カード。
【請求項4】
前記ビーズは、請求項2に記載のビーズおよび請求項3に記載のビーズが全部もしくは何種類かの組合せで混入されたものであることを特徴とする請求項1に記載の偽造防止カード。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の偽造防止カードをイメージセンサにてビーズの位置を読み取り、イメージセンサの画像より認証を行うことを特徴とする偽造防止カードの読み取り方法。
【請求項6】
照射角度の異なる少なくとも2個の光源から照射された光を請求項1乃至4のいずれかに記載の偽造防止カードに交互に照射し、それぞれの光が照射された状態の偽造防止カードをイメージセンサにてビーズの位置を読み取り、それぞれの光が照射された状態のイメージセンサの画像により認証を行うことを特徴とする請求項5に記載の偽造防止カードの読み取り方法。
【請求項7】
照射角度の異なる少なくとも2個の光源のいずれか1個が赤外線光を照射することにより、前記請求項2に記載の偽造防止カードにおいて、可視光を発光するビーズの位置、赤外光を発光するビーズの位置、赤外線を吸収するビーズの位置を読み取り、各条件のイメージセンサの画像より認証を行うことを特徴とする請求項5に記載の偽造防止カードの読み取り方法。
【請求項8】
照射角度の異なる少なくとも2個の光源のいずれか1個が紫外線を照射することにより、前記請求項3に記載の偽造防止カードにおいて可視光を発光するビーズの位置、紫外線を吸収するビーズの位置を読み取り、各条件のイメージセンサの画像より認証を行うことを特徴とする請求項5に記載の偽造防止カードの読み取り方法。
【請求項9】
請求項7および請求項8に記載の偽造防止カードの読み取り方法を組み合わせることで請求項4に記載のカードの認証を行うことを特徴とする偽造防止カードの読み取り方法。
【請求項10】
撮影角度の異なる少なくとも2台のイメージセンサにて、前記請求項1乃至4のいずれかに記載の偽造防止カードのビーズの位置を読み取り、各イメージセンサの画像より認証を行うことを特徴とする請求項5に記載の偽造防止カードの読み取り方法。
【請求項11】
撮影角度の異なる少なくとも2台のイメージセンサにてカードに赤外線を照射することにより、前記請求項2に記載する偽造防止カードにおいて可視光を発光するビーズの位置、赤外光を発光するビーズの位置、赤外線光を吸収するビーズの位置を読み取り、各条件のイメージセンサの画像より認証を行うことを特徴とする請求項5に記載の偽造防止カー
ドの読み取り方法。
【請求項12】
前記撮影角度の異なる少なくとも2台のイメージセンサにてカードに紫外線を照射することにより、前記請求項3に記載の偽造防止カードにおいて可視光を発光するビーズの位置、紫外線を吸収するビーズの位置を読み取り、各条件のイメージセンサの画像より認証を行うことを特徴とする請求項5に記載の偽造防止カードの読み取り方法。
【請求項13】
請求項11および請求項12に記載の偽造防止カードの読み取り方法を組み合わせることで請求項4に記載のカードの認証を行うことを特徴とする偽造防止カードの読み取り方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−123382(P2006−123382A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−315414(P2004−315414)
【出願日】平成16年10月29日(2004.10.29)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月29日(2004.10.29)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
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