説明

偽造防止媒体及びその判別方法

【課題】偽造防止効果が高く、迅速に真贋判別可能な偽造防止媒体、及びその判別方法を提供する。
【解決手段】偽造防止媒体は、その一部の領域の表面にサブミクロンの微細な周期構造からなるレリーフ型回折格子が形成されている。その偽造防止媒体を暗視野顕微鏡で観察した場合に、特徴的な色が発現する様なピッチの微細構造を形成しておき、この微細構造部を前記顕微鏡で観察し、その見え方によって判別を行う。目視や明視野照明下での観察では、回折格子周辺の平滑領域に比べて暗く見え、パターンのピッチによって余り差が無いのに対し、暗視野照明下での観察では、特定の格子ピッチで、青や黄などに領域が着色して見える。本発明にかかる偽造防止媒体の判別法は、この現象を利用して、パターンピッチの差を明確に判別するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、暗視野光学系を採用する顕微鏡で観察することにより、パターンの色や明るさが変化する微細パターンを有する媒体であって、偽造・変造等を困難にした偽造防止媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
クレジットカード・パスポート等の認証物品や、金券・商品券・株券などの有価証券は、その偽造物が行使された場合、本来の所有者の経済的損失を招くばかりでなく、大規模な社会的混乱の原因となる可能性も有ることから、偽造が困難であることが望まれる。
【0003】
また近年では、認証物品や有価証券等の物品以外であっても、少なくとも流通段階にて何らかの偽造防止技術を必要とする事例が増加している。例えば、高いブランドイメージを維持するために、粗悪な偽造品の流通を防止する必要性などが考え得る。
【0004】
また別の例としては、食料品の生産者や産地の偽装を防止することで、その品質や安全性を保証し、その結果として付加価値を高めるような場合が考えられる。これらはいずれも、偽造・偽装された場合の直接的な金銭的な損失も重要な問題ではあるが、むしろ社会的信用の失墜や風評被害によって被る被害の影響が甚大となるため、対策を必要としている。
【0005】
上記のような、偽造や偽装への対策が必要な物品には、偽造や模造が困難であると共に、仮に偽造品・模造品が製作されても、それらと正規品との区別が容易につけられるようなラベルが貼り付けられることが多い。ここでは、このような目的のラベル類を偽造防止媒体と総称する。
【0006】
特許文献1には、偽造防止媒体の一例として、複数の画素を配列してなる表示体が記載されている。この表示体において、各画素は、複数の溝を配置してなるレリーフ型回折格子を含んでいる。
【0007】
この表示体は、回折光を利用して画像を表示するため、印刷技術や電子写真技術を利用した偽造等は不可能である。したがって、この表示体を真偽判定用のラベルとして物品に取り付ければ、このラベルが表示する画像を見てその物品が真正品であることを確認することができる。それゆえ、このラベルを取り付けた物品は、このラベルを取り付けていない物品と比較して偽造され難い。
【0008】
しかしながら、先のレリーフ型回折格子は、レーザなどの装置があれば、比較的容易に形成することができる。また、先の表示体は、照明光の入射角、観察角度、又は表示体の方位を変化させることにより表示画像の変化を生じるが、その変化は多様性に富んでいる訳ではない。それゆえ、技術の発展に伴い、この表示体の偽造防止効果は低下しつつある。
なお、ここでは、偽造又は模造が困難であること、偽造品や模造品との区別が容易であることを偽造防止効果と呼ぶ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平2−72320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述したように、特許文献1のレリーフ型回折格子は、今日ではレーザなどの装置があれば比較的容易に同等な物品が形成できることが大きな問題であった。そこで、本発明における偽造防止媒体では、その媒体の製造にあたって、より高度な加工方法が必要となるものでなくてはならない。
【0011】
しかしながら、そのような高度な加工方法を採用することは、一般的にはその媒体の製造コストを著しく引き上げる結果につながるため、一般的には好ましくない。そこで、本発明の偽造防止媒体の製造にあたっては、ある種の非常に微細なパターンを形成するための原版を、非常に高度な加工技術によって製造する。この原版をそのまま偽造防止媒体として用いることも可能だが、上述の問題が存在するため、何らかの転写方法によって複製した媒体を、偽造防止媒体として用いる。なお、この複製は1回に限ったものではなく、例えば原版から作成した複製物を複製版として用い、更にこの複製版からもう一度複製したものを、偽造防止媒体として用いても良い。もちろん、可能であれば更に複製を繰り返しても差し支えない。
【0012】
一方で、このようにして作成した偽造防止媒体が、たとえその製造に高度な技術が必要で偽造が困難だとしても、正規品と偽造品が容易に識別できるものでなければ、偽造防止媒体としての価値は著しく損なわれてしまう。例えば、その識別に非常に高価な機械を必要とするようでは、その機械を設置する場所が限定されてしまうため、汎用的な偽造防止媒体として活用することが困難となる事は明らかである。
【0013】
また、仮に識別に必要な機械が非常に安価で、必要な場所に設置することが可能だとしても、その識別に長時間を要するようでは、やはり汎用的な偽造防止媒体として活用することは困難となる。これは、認証物品や有価証券の真贋判定は、それらを行使した人物がその場にいる間に行われる必要が有るためである。このため、真贋判定に要する時間は数秒程度から、長くても数分で行われる必要が有る。
【0014】
以上の理由より、最も理想的な識別手段は、肉眼で即時に確認することであることは明らかである。また、識別方法としては、例えば何らかのマークパターンの外形寸法を測る、といった定量的な方法よりは、マークの色や明暗によって判別する定性的な方法の方が、瞬時に判定できるという点で優れているといえる。現在広く用いられている、ホログラムに代表される各種の光学的可変デバイスは、このような識別手段の代表例と言える。
【0015】
一般的なホログラム等の光学的可変デバイスでは、樹脂フィルムの表面にミクロンオーダーのある種の微細なパターンを形成し、更に場合によってはその表面に光を反射するための金属等の薄膜を成膜することで、光の散乱や干渉を意図的に発生させ、明暗や色の変化を発現させる手法が採られる。この微細パターンを、何らかの絵や文字を表現するように配置することで、より肉眼で識別しやすくする手法が一般的である。
【0016】
しかしながら、近年の加工技術の進歩により、そのような微細パターンを容易に形成できるようになってきたため、そのような微細パターン自体を偽造される事例が増加しているものと考えられる。実際には、完全に同一の物を偽造することは困難であろうが、肉眼で定性的に判断している関係上、多少の差が有ったとしても、その違いを識別することは困難である。例えば、一般的なホログラムでは、見る角度によって色が虹色状に変化して見えることで判断しており、厳密に何度傾けてみたときに、どのような色に見えるかを判別しているわけではない場合が多い。このような場合では、偽造物に多少の差異が有ったとしても、識別するのは困難である。
【0017】
とは言え、そのような多少の差異を識別するため、高度な解析方法を用い、時間をかけて識別するようでは、最早偽造防止媒体としての用を成さないことは明らかである。つまり、より高度な偽造防止媒体として光学的可変デバイスを用いるには、より高度な加工技術を用いて、それ自体が偽造困難であるほど複雑・高度な微細パターンを有する媒体を形成した上で、偽造品のわずかな違いを、容易に検出できる手法を開発するといった対応が必要になる。
【0018】
このような媒体自体の高度化と、新規検出手法の開発は、各々単独で実施しても良いが、どちらかというと両者を関連付けて実施した方が良い結果が得られる場合が多い。ここで言う良い結果とは、偽造防止媒体としての性能が優れているだけではなく、その製造や判別に必要となるコストが低い等の理由から、総合的に判断されるものである。また、この「両者を関連付けて実施する」というのは、より具体的に言えば、
「より複雑・高度な微細パターンを有する媒体に固有の現象を用いて、その固有現象を容易に検出できる判別方法を採用する」
という事である。
【0019】
本発明は、以上のような観点からなされたものであり、媒体自体の偽造の難易度を飛躍的に向上させ、かつ、比較的安価なシステムで、ほぼリアルタイムに判別することを可能な偽造防止媒体の提供、及び偽造防止媒体の真贋判別方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、表面に、少なくとも1種類以上の微細な周期構造によるレリーフ型回折格子が形成された回折格子形成領域を有する偽造防止媒体であって、前記レリーフ型回折格子は、暗視野光学系判別装置を用いて観察した際に、前記回折格子形成領域が予め定めた色に着色して見えるようにピッチが設定されていることを特徴とする偽造防止媒体である。
【0021】
また、請求項2に係る発明は、前記レリーフ型回折格子のピッチが、2ミクロン以下であることを特徴とする請求項1に記載の偽造防止媒体である。
【0022】
また、請求項3に係る発明は、前記暗視野光学系判別装置は、暗視野光学系を有する顕微鏡であることを特徴とする請求項1又は2に記載の偽造防止媒体である。
【0023】
また、請求項4に係る発明は、表面に、少なくとも1種類以上の微細な周期構造によるレリーフ型回折格子が形成された回折格子形成領域を有する偽造防止媒体の真贋判別方法であって、前記レリーフ型回折格子は、暗視野光学系判別装置を用いて観察した際に、前記回折格子形成領域が予め定めた着色して見えるようにピッチを設定しておき、少なくとも1種類以上の暗視野光学系を用いて前記回折格子形成領域を観察し、前記予め定めた色に見えるか否かにより前記偽造防止媒体の真贋を判別することを特徴とする偽造防止媒体の真贋判別方法である。
【発明の効果】
【0024】
本発明にかかる偽造防止媒体においては、偽造防止媒体の微細パターンのピッチを2ミクロン以下にすることによって、偽造することの難易度が飛躍的に高くなる。
このような微細なパターンによって起こる光の散乱や干渉の内、肉眼では識別が難しい成分を、暗視野光学系を有する顕微鏡を用いて判別する事で、比較的安価なシステムで、ほぼリアルタイムに判別することが可能となる。
また、偽造防止媒体を製造する工程は、従来のホログラム等の偽造防止媒体を製造する方法と同様の工程で原版を作成し、複製することが可能であることから、製造の難易度やコストはそれほど変化しないと考えられる。
【0025】
また、本発明にかかる偽造防止媒体の判別方法によれば、落射暗視野顕微鏡を用いて、回折格子形成領域の色を確認することで、微細パターンのピッチが何nmか(或いは何nmから何nmまでの範囲か)」という事を、或る程度具体的に迅速に判別する事が可能となり、偽造防止効果を飛躍的に高める事が出来る。
更に、本発明にかかる偽造防止媒体の判別法では、落射暗視野顕微鏡を用いることにより、媒体上の2ミクロン以下の微細パターンピッチを、迅速に判別できることになる。
また、落射暗視野顕微鏡又はそれと同等な暗視野光学系判別装置を用いることで、より価格や規模を簡便化できた装置で真贋判別が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】落射暗視野光学顕微鏡の構成を示す概略図である。
【図2】偽造防止媒体の微細パターンの一例を暗視野観察した状態を示す模式図である。
【図3】偽造防止媒体の微細パターンの一例の構成を示す模式図(斜視図)である。
【図4】偽造防止媒体の微細パターンの他の例を暗視野観察した状態を示す模式図である。
【図5】複数種類の微細パターンを暗視野観察した状態を示す模式図である。
【図6】実施例における真贋判別用パターンの模式図である。
【図7】実施例における偽造防止媒体を貼付した金券の断面構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について、具体的に説明を行う。
本実施の形態に係る偽造防止媒体は、その一部の領域の表面にサブミクロンの微細な周期構造からなるレリーフ型回折格子が形成されている。互いにピッチが異なる複数種類の回折格子が複数の領域に形成されていてもよい。
【0028】
本実施の形態に係る偽造防止媒体は、微細パターンを有する原版を作成し、その原版を複製転写することにより製造される。
【0029】
原版のサブミクロン微細パターンを形成するには、先端の半導体を製造するのに必要なものと同等程度の性能を有する露光装置、または先端のフォトマスクを製造するのに必要なものと同等程度の性能を有する電子線描画装置が必要である。従来のミクロンレベルの微細パターンのように、容易に製造できるものではないため、偽造が格段に困難となることが期待できる。
【0030】
このような原版の製造コストは、従来のホログラム等の一般的な偽造防止媒体を製造するための原版と比べて高くなることが予想されるが、全体の製造コストに対して原版のコストが占める割合は、その偽造防止媒体が多数製造されるほど低下するので、必ずしも決定的に不利な要因になるとは言えない。
【0031】
以下、原版の製造について詳細に述べる。
原版の材料としては石英やシリコン、ニッケル等が使用できる。ナノインプリントやUV複製、ホットエンボス等のパターン複製に使用できる材料であれば、どのような材料を用いても良い。本発明においては、原版の材料や製造方法自体は限定する必要はなく、既知の手法を適宜用いてよい。
【0032】
原版の表面には、ピッチが2ミクロン以下の規則的な配列パターンを形成する。パターンピッチについては、これ以上の寸法でも同様の効果は得られる場合も有るが、その場合は偽造防止効果が薄れる懸念が有る。偽造防止効果を高めるためには、少なくとも2ミクロン以下とするのが望ましい。そのようなパターンを形成する方法としては、縮小投影露光によるフォトリソグラフィー、レーザ描画、電子線描画などが考えられる。
【0033】
規則的なパターンとしては、ライン&スペース、ホール、ドット、格子などが考えられる。パターンの形状及び配列ピッチについては、落射暗視野顕微鏡で観察する際に、特徴的な色が発現する様に合わせる必要が有る。
【0034】
この微細なパターンを、ある広さの領域に一様に敷き詰めるが、一般的にはこの領域が何らかの文字や絵を表現するように設計する。これは、真贋判定を行う際の判定領域を特定しやすくすることが主な目的であり、必ずしも偽造防止効果を高めることが目的ではない。
【0035】
上述の様にして形成したフォトレジストやEBレジストのパターンをそのまま原版として用いても良いし、それらのレジストパターンをマスクとして基板表面をドライエッチングした物を原版として用いても良い。また、それらのレジストパターンをニッケル電鋳のマスターとして用い、ニッケルに反転複製したものを原版として用いることも出来、適宜既知の方法を用いてよい。
【0036】
次に、上述の原版の微細パターンをフィルムやプレートに複製転写する手法について述べる。
複製転写は、ホットエンボスやUV複製等の、従来から存在する手法で十分可能である。これは、近年のナノインプリント等の様々な研究により明らかにされており、この部分では、従来の偽造防止デバイスと比べて、製造コストが増加する要因は見られない。敢えて言うならば、よりパターンが微細になることで、転写の歩留まりが低下する可能性が挙げられるが、これは工程条件の最適化で十分対応できるものと考えられる。
【0037】
以下、複製転写方法の例について述べる。
なお、転写方法は、原版の表面に形成されたパターンを反転して複製する事が出来る手法であれば、転写方法自体を限定するものではなく、その他の既知の手法を適宜用いても良い。
【0038】
一例として、透明なフィルム上にUV硬化樹脂を塗布した後、表面に前記原版を押し付け、透明フィルム面側から紫外光を照射し、UV硬化樹脂を固めた後に前期原版を剥離するような、UV複製、またはUVインプリントと呼ばれる方式を用いる事が出来る。
【0039】
また、別の例としては、熱可塑性のフィルムをガラス転移温度近辺あるいはそれ以上にまで加熱し、樹脂表面を変形しやすくした状態で、前記原版を押し付けた後、全体を冷却することでフィルムを固め、最後に前記原版を剥離するような、ホットエンボス、あるいは熱インプリントと呼ばれる手法を用いても良い。
【0040】
上記のような方法を用いて、原版のパターンを複製した複製物によって、十分な視覚的効果が得られれば、それ自体を偽造防止媒体として用いることができる。一方、例えば前記複製物が透明であって、大部分の光が透過してしまい、十分な視覚的効果が得られないような場合は、前記複製物のパターンを転写した表面に、光を反射させるためのアルミニウム膜等の金属膜などを成膜して、十分な視覚的効果を得られるようにしたものを偽造防止媒体として用いることもできる。この場合、媒体の判別は、十分な視覚的効果が得られさえすれば、アルミニウム膜等を成膜した側から行っても良いし、反対面から判別しても良い。
この場合の薄膜は、従来のホログラム等と同様の工程で成膜することが可能であり、偽造防止媒体としての使用方法(認証物品への貼付方法など)も、従来のそれと全く同様である。
【0041】
また、前記複製物、あるいは前記複製物表面にアルミニウム膜等を成膜した媒体の表面を保護する等の目的で、樹脂等の薄膜を成膜したものを偽造防止媒体として用いることも出来る。この場合も、媒体の判別は、十分な視覚的効果が得られさえすれば、アルミニウム膜等を成膜した側から行っても良いし、反対面から判別しても良い。
【0042】
以上のようにして製造された偽造防止媒体は、真贋判定の方法に特徴があり、従来のそれとは異なる方法で行われる。これは、本発明にかかる偽造媒体の判定方法においては、従来のホログラムのように、肉眼で見る角度をわずかに変えた時に、様々に色が変化するという曖昧な現象を用いるのではなく、より明確に媒体の微細パターンを識別するために、全く異なる判別原理を用いるためである。
【0043】
すなわち、偽造防止媒体には前記の製造方法によって、暗視野顕微鏡で観察した場合に、特徴的な色が発現する様な微細な構造を形成しておき。この微細構造部を前記顕微鏡で観察し、その見え方によって判別を行うと言うものである。
【0044】
偽造防止媒体に形成された微細パターン領域は、肉眼や一般的な明視野顕微鏡では概ね灰色に見える。これは、形成された微細パターンによって、光の一部が散乱されたり、吸収されたりするためである。パターンのピッチや密度によっては、若干青や緑がかった色に見える事も有るが、その色味の変化はごく僅かであり、それによって真贋の判別を行うのは相当に困難である。
【0045】
また、パターンのピッチによっては、パターンにて回折された光の影響で、見る角度によって虹色に見える色が変化する現象が見られる。これは、従来のレリーフ型回折格子で生じる現象と同一のものであるが、本特許の内容とは本質的に関係ないので、ここでは議論を省略する。
【0046】
一方、この偽造防止媒体を、適切に設計した暗視野光学系を有する顕微鏡を用いて観察すると、特定のピッチのパターン領域で、青や緑に色付いて見える。この特定の領域のサイズや形だけでなく、どのような色に見えるかを加えて判別するのが、本発明にかかる偽造防止媒体の真贋判別方法の特徴である。
【0047】
この判別に用いるのは、市販の暗視野光学顕微鏡でももちろん構わないが、高精度の顕微鏡は一般的に多機能で高価な物が多いので、本発明に係る偽造防止媒体の判別に用いるにはオーバースペックとなる場合が多い。そこで、本発明に係る偽造防止媒体判別を実用化する場合には、必要な機能のみを抽出することで機能を簡略化し、製造コストを低減した専用の暗視野光学系判別装置を製造することが望ましい。
【0048】
以下、本発明にかかる偽造防止媒体の判別に当たり、落射暗視野照明系を有する落射暗視野顕微鏡を使用する場合について図を用いて述べる。
落射暗視野顕微鏡の基本的な構造を示す概略図を図1に示す。落射暗視野照明系とは、照射する平行光101を、照明系内にリング絞り102とリング状ミラー103を配置することでリング状光束104とし、観察に用いる対物レンズ105が集光できる範囲より外側からのみ、斜めに試料108の表面を照射する照明系である。
【0049】
落射暗視野顕微鏡では、リング絞り102及びリング状ミラー103だけでなく、対物レンズ105の外側にリング状の集光レンズ106を有する、二重構造の特殊な明暗視野用対物レンズ107が必要となる。しかし、それ以外の顕微鏡の基本構造は、一般的な落射型の明視野顕微鏡と同様であることから、然程高価な物ではなく、現在では比較的幅広く使われている。
【0050】
落射暗視野顕微鏡は本来、明視野観察では見ることの出来ない、観察サンプル108表面の微細なパターンや傷などを強調して観察するために用いられる。なぜなら、この観察法では、試料表面で正反射される光が対物レンズ内に入らないため、試料表面の平面からの反射光は観察されず、段差や傷、異物などのエッジ部分での散乱光109の一部だけが対物レンズ105に集光されるためである。このように散乱光109のみを検出するため、パターンや傷の大きさが光学的な理論解像度より小さいものであっても、その存在位置をはっきりと観察することが出来る。
【0051】
以上のように、一般的には落射暗視野顕微鏡は、散乱光109のみを検出するための観察装置と考えられているが、より厳密に光学的な意味を考えると、「リング絞り102とリング状集光レンズ106によって、ある特定の角度範囲で試料表面に斜めに光を入射した時に、試料表面での散乱光109の内、対物レンズ105内に光が集光される特定の角度範囲内に到達した光の成分だけを観察することが出来る顕微鏡である」と見なすことが出来る。
【0052】
ここで、本実施の形態に係る偽造防止媒体を試料108として設置して観察する。すなわち、試料108には表面に規則的に配列した微細パターンが存在する。光の波長と同程度のピッチで規則的に配列されたパターンは一種の回折格子として作用し、白色光を入射すると、光の回折と干渉によってスペクトルが生じることは周知の事実である。
【0053】
更に、前述の「対物レンズ105内に光が集光される特定の角度範囲」内に、スペクトル状の干渉縞の内、特定の波長成分のみが含まれるような条件を満たす場合に、顕微鏡の視野がどのように見えるかを考える。この場合、照射したのが白色光であっても、前述の「特定の波長成分」に対応した色にパターン領域が着色して見えるはずである。実際にどのような色になるかは、パターンのピッチに加え、明暗視野用対物レンズの仕様等によっても変わると考えられる。
言い換えれば、本実施の形態に係る偽造防止媒体では、落射暗視野顕微鏡を用いて観察した際に、回折格子が形成されている領域が予め定めた色に着色して見えるようにピッチを設定する。
【0054】
実際に、暗視野顕微鏡観察によって、上述のような現象が起こる例を図2に示す。
なお、ここでは落射暗視野顕微鏡で観察した場合に、白い周辺領域の中に、特定の色(例えば青色)のパターン(絵・文字等)が見える例を挙げるが、本発明はこのような形態に限定されるものではない。
図2におけるこの2枚の図は、Leica社製のウェハ外観検査顕微鏡INM100を用いて、10倍の明暗視野用対物レンズによって、ある微細回折格子パターンの同一箇所を観察した場合に、どのように観察されるかを模式的に示したものである。(a)は落射明視野観察、(b)は落射暗視野観察の場合を示している。
【0055】
観察基板の表面には、図3に示したような、格子状の溝パターン301が形成されており、場所によってこの溝幅302とピッチ303が異なる。図2において、矩形領域201は溝幅302を100nm、溝ピッチ 303を600nmとした格子パターン配置したエリアであり、矩形領域202は溝幅302を同じく100nm、溝ピッチ303を1000nmとした格子パターン配置したエリアである。一方、矩形領域203は溝幅302を200nm、溝ピッチ303を600nmとした格子パターンを配置したエリアであり、矩形領域204は溝幅302を同じく200nm、溝ピッチ303を1200nmとした格子パターンを配置したエリアである。
【0056】
落射明視野像の(a)では、201〜204の各領域は全て周辺に比べて暗く見える。これは、各領域に形成されている回折格子によって表面への照射光が散乱され、その散乱光のごく一部しか対物レンズに入らないためである。各領域の暗さを比較すると若干の差は有るものの、その差は然程大きくないのに対し、周辺部の明領域との輝度差が極端に大きいので、201〜204の各領域の暗さは明瞭に判別できるものではない。
【0057】
一方、落射暗視野像の(b)では、周辺領域が暗く見えるのに対し、202、204の領域が白く見え、201、203の領域は青く着色して見えている。領域201と203がほぼ同じ色に観察されることから、溝幅ではなく、溝ピッチに依存することが分かる。この色の違いにより、201、203の領域の微細格子パターンのピッチが1000nmでも1200nmでもなく、600nmであることが明瞭に判別できるのである。
【0058】
更に別の例を、図4に示す。これらの図は、「TRI」という文字が3種類描かれている例を模式的に示しているが、それぞれの文字の内部領域は、やはり図3のような格子溝パターン301が形成されている。格子ピッチ303の種類は、領域401が550nm、領域402が800nm、領域403が1200nmとなっており、溝幅302は全て200nmである。これらのパターンを、やはりLeica社製のウェハ外観検査顕微鏡INM100を用いて観察した結果を模式的に示している。
【0059】
図4(a)は、通常の落射明視野照明で観察した画像である。領域401〜403は全て周辺に対して黒っぽく見えているが、その理由は上述の通りである。
【0060】
一方、図4(b)は、5倍の落射明暗視野用対物レンズを用い、落射暗視野照明で観察した図である。領域401は周辺の領域とほとんど同じように暗く見えたのに対し、領域402は明るい青色に、領域403はオレンジ色に観察された。
【0061】
更に図4(c)は落者暗視野照明での観察を、10倍の対物レンズで行った場合の図である。領域401は青色に、領域402は白っぽい水色に、領域403は白く観察された。
【0062】
このように、目視や落射明視野照明下での観察では、周辺の平滑領域に比べて暗く見え、パターンのピッチによって余り差が無いのに対し、落射暗視野照明下での観察では、特定の格子ピッチで、青や黄などに領域が着色して見える。本発明にかかる基本的な偽造防止媒体の判別法は、この現象を利用して、パターンピッチの差を明確に判別するものである。
【0063】
もちろん、格子パターンピッチの異なる複数の領域を適宜配置して、場所によって暗視野観察時の色が異なるように設計して、より偽造防止効果を高めても構わない。そのような例を図5に示す。この例では、「TRI」の文字自体はピッチ550nm、及び1200nmのパターンで形成し、その周囲をピッチ800nmのパターンで敷き詰めたものを、5倍の対物レンズを使って暗視野照明下で観察した場合を示している。周辺領域503は明るい青色に見えるのに対し、文字領域501は暗く黒っぽく見え、一方文字領域502はオレンジ色に観察される。このように、2種類以上のピッチのパターンを組み合わせることで、より複雑な色の表現が出来るようになり、偽造防止効果を高めることが出来る。
【0064】
また、上述の暗視野顕微鏡に変えて、専用の判別装置を製造する場合は、より判別を容易にするために工夫をする余地が有る。例えば、2系統のまったく同一な暗視野光学系を準備し、片方の系統で判別を行う偽造防止媒体を、もう片方の系統でリファレンス用に準備されている媒体を同時に観察し、両方の映像を同一の視野で参照できるように構成した装置が考えられる。このようにすることで、装置の製造コストは上昇するが、両者の画像を容易に、かつより正確に比較することが可能となり、結果として真贋判定の精度が向上することが期待できる。
【0065】
また、本発明に係る偽造防止効果をさらに高める一つの方法として、複数の異なる暗視野光学系を用いて判別を行い、それぞれの光学系での見え方の違いによって真贋判別を行う手法も考えられる。本発明に係る判別方法の原理では、偽造防止媒体に形成される微細パターンのピッチが異なっても、判別時に同じような色に見えるケースが有り得る。複数の異なる光学系を用いて判別することで、このようなケースでの誤認を防ぐことが出来る。この場合、偽造防止媒体の微細パターンは、各々の光学系で特徴的な色が発現する物である事が望ましい。
【0066】
なお、ここで言う「複数の異なる暗視野光学系を用いて」というのは、必ずしも2台の判別装置を用意することを意味するものではない。例えば、図1に示した落射暗視野光学系の模式図において、リング絞り102のスリット寸法を変更した物を交換して用いたり、明暗視野用対物レンズ107の倍率を変更したものに交換したりする等の方法で、装置の一部の部品を変更する事で、光学系を変更する手段も含まれる。このような手段を採る事によって、判別に必要なコストをそれほど増大させること無く、判別の精度を高めることが出来る。
【0067】
以上説明した実施の形態に係る偽造防止媒体によっては以下の効果が得られる。
【0068】
まず、本発明にかかる偽造防止媒体の微細パターンを形成するための原版は、その微細パターンのピッチを2ミクロン以下にすることによって、一般的なフォトリソグラフィー等ではパターン形成が不可能となる。このため、偽造防止媒体上の微細パターンを分析し、寸法が明らかになった場合でも、この原版自体を偽造することは容易ではない。
【0069】
また、原版を用いてフィルム状の媒体にパターンを複製し、偽造防止媒体を製造する工程は、従来のホログラム等の偽造防止媒体を製造する方法と同様の工程で可能であることから、製造の難易度やコストはそれほど変化しないと考えられる。
【0070】
一方、本発明にかかる偽造防止媒体の判別方法によれば、従来のホログラフィーのように「何らかの微細なパターンが形成されている」ということだけではなく、「形成されている微細パターンのピッチが何nmか(或いは何nmから何nmまでの範囲か)」という事を、或る程度具体的に判別する事が可能となり、偽造防止効果を飛躍的に高める事が出来る。
【0071】
更に、本発明にかかる偽造防止媒体の判別法では、落射暗視野顕微鏡を用いることにより、媒体上の2ミクロン以下の微細パターンピッチを、迅速に判別できることになる。この様な微細なピッチのパターンを識別する従来の方法として、例えば電子顕微鏡などが考えられるが、この場合は観察する媒体を真空チャンバーに導入して観察する必要があるので、判別に少なくとも数分以上の時間を要する上、偽造防止媒体及びそれを設置する認証物品自体の大きさが制限されるという問題点が生じる。
【0072】
また、同様に偽造防止媒体の微細なピッチのパターンを判別する従来の他の方法として、走査型プローブ顕微鏡が考えられる。この場合は、電子顕微鏡のような真空機器は必要としないが、測定に少なくとも十数分程度は要すると考えられるので、迅速な判別は不可能となる。このため、偽造防止媒体の判別に用いるのは非現実的である。
【0073】
これに対し、本発明にかかる判別法で用いる落射暗視野顕微鏡では、測定手順自体は一般的な落射型の光学顕微鏡と同一であるため、迅速に判別が行える。判別する媒体を顕微鏡のステージにセットし、観察位置を合わせ、フォーカス調整をする必要は有るため、肉眼での判別に比べると多少時間はかかるものの、その媒体に合わせた機構設計を行えば、十秒〜数十秒で判別できると考えられる。また、判別に用いる機器の価格や規模も、電子顕微鏡やプローブ顕微鏡に比べて非常に簡便である。実際に判別に用いる場合は、その媒体に合わせて機能を特化することで、より価格や規模を簡便化できると考えられる。
【実施例】
【0074】
ここでは、実施例の一つとして、図6に示すような、3種類の大きさの「TRI」という文字で形成されるパターンの偽造防止媒体について説明する。
【0075】
なお、もっとも大きな文字601の内部は、ピッチ1200nmの格子パターンで形成されている。同様に、中間の大きさの文字602の内部はピッチ800nm、もっとも小さな文字603の内部はピッチ550nmの格子パターンで形成されているものとする。
【0076】
まず、前記偽造防止媒体のパターンを樹脂に成型転写するための、ニッケル製原版を作成する。
【0077】
最初に、直径4インチのシリコンウェハを用意し、その表面に、日本ゼオン社のポジ型電子線レジストZEP520Aを、膜厚200nmでスピンコートした。
【0078】
次に、電子線描画機を用いて、3種類の大きさの「TRI」という文字パターンを、前記レジストに描画した。描画するパターンは図6に模式的に示したように、格子溝幅を全て200nmとして、領域601、602、603のそれぞれの大きさの文字の内側の領域を、ピッチ1200, 800, 550nmの3種類の微細格子パターンで敷き詰めるように設計した。
【0079】
描画が完了したら、引き続き専用の現像液で現像を行い、レジストパターンを得た。得られたレジストパターンは、電子顕微鏡を用いて観察し、601〜603の文字パターンの内側領域が、線幅、ピッチ共に前記設計通りに形成された格子状微細パターンとなっていることを確認した。
【0080】
次に、得られたレジストパターンの表面にごく薄い無電解ニッケルメッキを施した後、そのニッケル膜をシード層として電解メッキを行うことで、厚さ200ミクロンのニッケル層を形成した。続いて、ニッケル層を基板から剥がし、適当な大きさに切断した上で洗浄を行い、ニッケル製原版が完成した。
【0081】
次に、前記原版を用いて、ナノインプリント法により樹脂に成型転写を行い、偽造防止媒体を製作する。なお、本実施例では、完成した偽造防止媒体は金券に貼付して使用することとした。最終的に金券に貼付した状態の断面構造を図7に示す。以下、この構造を実現するための工程の例を説明する。
【0082】
最初に、支持体701として厚さ50ミクロンのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを用意した。この支持体701の表面に、東洋合成工業社製の紫外線効果樹脂であるPAK-01を塗布、または滴下した。
【0083】
次に、塗布したPAK-01の上に、ニッケル製原版を押し付け、PETフィルム側からブラックライト、あるいは高圧水銀灯などを用いて紫外光を照射し、PAK-01を硬化させた。硬化が完了したらニッケル製原版を剥離し、PAK-01に微細格子パターンで形成された文字パターンを転写した、樹脂複製構造体702を得た。
【0084】
次に、この複製構造体702の上に、スパッタリング法によってアルミニウム薄膜703を、膜厚50nmにて成膜した。更に、アルミニウム薄膜を成膜した複製構造体を適当な大きさに切断することで、偽造防止媒体704が完成した。
【0085】
完成した偽造防止媒体704は、アルミニウム薄膜上に接着剤705を塗布し、金券706に貼付した。
【0086】
以上のようにして製造した前記偽造防止媒体704を、特定の暗視野光学顕微鏡にて観察することにより、真贋の判定を行う。判定用の暗視野顕微鏡として、Leica社製顕微鏡INM100に、5倍及び10倍の明暗視野用対物レンズを組み合わせて使用した。
【0087】
まず、目視及び前記顕微鏡での明視野観察によって、3種類の大きさの「TRI」という文字パターンを確認した。目視では、角度によって見える色が異なる、通常のホログラムと同じような見え方であった。また、前記顕微鏡での明視野観察では、文字の大きさによって若干見え方が異なるが、概ね黒〜灰色に見えた。
【0088】
次に、5倍の対物レンズを用いて暗視野観察を行った。この時、ピッチ1200nmの格子パターンで形成された領域601に対応する領域はオレンジ色に見え、ピッチ800nmの格子パターンで形成された領域602に対応する領域はやや明るい青色に見えた。一方、ピッチ550nmの格子パターンで形成された領域603に対応する領域は、ほぼ周囲と同様に黒く見え、パターンを明確には確認できなかった。
【0089】
次に、対物レンズを10倍に切り替えて、更に暗視野観察を行った。この時、領域601に対応する領域は白色に見え、領域602に対応する領域は白っぽい水色に見え、領域603に対応する領域は青色に見えた。
【0090】
次に、別途参照用に用意されていた偽造防止媒体同等品を同様に観察し、3種類の文字の見え方が同等であったことから、今回判別を行った金券は偽造品ではなく、規定通りの偽造防止媒体が貼付された正規品であることと判定した。
【符号の説明】
【0091】
101…平行入射光
102…リング絞り
103…リング状ミラー
104…リング状光束
105…対物レンズ
106…リング状集光レンズ
107…落射明暗視野用対物レンズ
108…観察サンプル
109…散乱光
201〜204…矩形領域
301…格子パターン
302…格子パターンの溝幅
303…格子パターンの溝ピッチ
503…格子パターンの周辺領域
601…大サイズの文字パターン
602…中サイズの文字パターン
603…小サイズの文字パターン
701…基材
702…樹脂層
703…光反射層
704…偽造防止媒体
705…接着材層
706…金券

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に、少なくとも1種類以上の微細な周期構造によるレリーフ型回折格子が形成された回折格子形成領域を有する偽造防止媒体であって、
前記レリーフ型回折格子は、暗視野光学系判別装置を用いて観察した際に前記回折格子形成領域が予め定めた色に着色して見えるようにピッチが設定されている、
ことを特徴とする偽造防止媒体。
【請求項2】
前記レリーフ型回折格子のピッチが、2ミクロン以下であることを特徴とする請求項1に記載の偽造防止媒体。
【請求項3】
前記暗視野光学系判別装置は、暗視野光学系を有する顕微鏡であることを特徴とする請求項1又は2に記載の偽造防止媒体。
【請求項4】
表面に、少なくとも1種類以上の微細な周期構造によるレリーフ型回折格子が形成された回折格子形成領域を有する偽造防止媒体の真贋判別方法であって、
前記レリーフ型回折格子は、暗視野光学系判別装置を用いて観察した際に前記回折格子形成領域が予め定めた着色して見えるようにピッチを設定しておき、
少なくとも1種類以上の暗視野光学系を用いて前記回折格子形成領域を観察し、前記予め定めた色に見えるか否かにより前記偽造防止媒体の真贋を判別する、
ことを特徴とする偽造防止媒体の真贋判別方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−209522(P2011−209522A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−77440(P2010−77440)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】