偽造防止媒体
【課題】真偽判別を行う場合に潜像が存在する領域を容易に認識する。
【解決手段】シート基材２の文字部１２となる領域にて、印刷万線１１と平行に延びた連続状の凸形状を具備し、該凸形状の一方の側の側面に印刷万線１１を含むように形成された凸状パターン１２ａと、シート基材２の背景部１３となる領域にて、印刷万線１１と平行に延びた連続状の凸形状を具備し、該凸形状の側面のうち凸状パターン１２ａの印刷万線１１が含まれた側とは反対側の側面に印刷万線１１を含むように形成された凸状パターン１３ａと、凸状パターン１２ａ，１３ａの凸形状における傾斜よりも緩やかな傾斜を具備し、凸状パターン１２ａ，１３ａの間に沿って連続状に形成された凸状パターン１４ａとを有する。
【解決手段】シート基材２の文字部１２となる領域にて、印刷万線１１と平行に延びた連続状の凸形状を具備し、該凸形状の一方の側の側面に印刷万線１１を含むように形成された凸状パターン１２ａと、シート基材２の背景部１３となる領域にて、印刷万線１１と平行に延びた連続状の凸形状を具備し、該凸形状の側面のうち凸状パターン１２ａの印刷万線１１が含まれた側とは反対側の側面に印刷万線１１を含むように形成された凸状パターン１３ａと、凸状パターン１２ａ，１３ａの凸形状における傾斜よりも緩やかな傾斜を具備し、凸状パターン１２ａ，１３ａの間に沿って連続状に形成された凸状パターン１４ａとを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、偽造防止シート等の偽造防止媒体に関し、特に、潜像を用いた偽造防止構造に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来より、プリペイドカードや各種入場券、商品券や株券等の有価証券においては、広く流通しており比較的容易に換金可能である等の理由から、偽造犯罪が頻発している。特に、近年ではカラーコピー機等の複写機の性能向上と普及に伴い、簡単には真正品と見分けられない偽造品が比較的容易に製造可能になってきており、偽造に対する対策が求められている。また、上述したような有価証券に限らず、紙幣においても偽造に対する対策が求められている。
【０００３】
このような偽造に対する対策の１つとして、潜像を用いて有価証券や紙幣の真偽判別を可能とする技術が考えられており、例えば、特許文献１に開示されている。
【０００４】
特許文献１に開示された技術は、印刷物の少なくとも一部に、有色のインキで印刷された万線状パターンからなる第１のパターンと、第１のパターンと平行な万線状の凹凸画素からなる第２のパターンとを形成し、観察方向によって、第２のパターンによる潜像を浮かび上がらせるものである。印刷物を正面から見た場合は全ての第１のパターンが視認可能な状態となっている。ところが、観察方向を第１及び第２のパターンと直交する方向に変化させていくと、第１のパターンの一部が第２のパターンの陰となって視認できなくなる。これにより、第２のパターンに応じた潜像を浮かび上がらせることができる。
【０００５】
このように、有色のインキで印刷された万線状パターンからなる第１のパターンに加えて、第１のパターンと平行な万線状の凹凸画素からなる第２のパターンを設けた印刷物においては、複写した場合、第１のパターンを含む印刷情報は複写されるものの、凹凸画素からなる第２のパターンの凹凸形状までは再現できない。そのため、複写物の観察方向を変化させていった場合であっても、潜像は浮かび上がらず、それにより、真偽判別を行うことが可能となる。
【特許文献１】特開２００６−１１１０１９号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
しかしながら、上述したように、有色のインキで印刷された万線状パターンからなる第１のパターンに加えて、第１のパターンと平行な万線状の凹凸画素からなる第２のパターンを設け、観察方向を第１及び第２のパターンと直交する方向に変化させていった場合に第２のパターンに応じた潜像を浮かび上がらせるものにおいては、潜像による真偽判別を行う場合、潜像がどの領域に存在するかがわかりにくいという問題点がある。
【０００７】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、真偽判別を行う場合に潜像が存在する領域を容易に認識することができる偽造防止媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
上記目的を達成するために本発明は、
基材表面に形成された印刷万線と、
前記基材表面の所定領域にて、前記印刷万線と平行に延びた連続状の凸形状を具備し、該凸形状の一方の側の側面に前記印刷万線を含むように形成された第１の凸状パターンと、
前記基材表面の前記所定領域以外の領域にて、前記印刷万線と平行に延びた連続状の凸形状を具備し、該凸形状の側面のうち前記第１の凸状パターンの前記印刷万線が含まれた側とは反対側の側面に前記印刷万線を含むように形成された第２の凸状パターンと、
前記第１及び第２の凸状パターンの凸形状における傾斜よりも緩やかな傾斜を具備し、前記第１の凸状パターンと前記第２の凸状パターンとの間に沿って連続状に形成された第３の凸状パターンとを有する。
【０００９】
上記のように構成された本発明においては、基材を正面から観察した場合、基材表面に形成された印刷万線が認識される。基材には連続状の第１、第２及び第３の凸状パターンが形成されているが、基材を正面から観察した場合は、この第１、第２及び第３の凸状パターンの凸形状における頂部側から底部側に向かって観察することになるため、印刷万線が認識されるだけであり、潜像は浮かび上がって見えてこない。この状態から観察方向を印刷万線に直交する方向について基材表面に対して鋭角をなす方向に変化させていくと、第１、第２及び第３の凸状パターンが認識されるようになっていくが、第３の凸状パターンの凸形状の傾斜が、第１及び第２の凸状パターンの凸形状における傾斜よりも緩やかであることから、まず、第３の凸状パターンの側面が観察方向に対向するようになり、第３の凸状パターンがその側面における光の反射によって認識される。この第３の凸状パターンは、第１の凸状パターンと第２の凸状パターンとの間に沿って連続状に形成されているため、第１の凸状パターンまたは第２の凸状パターンによる潜像が存在する領域が認識されることになる。その後、さらに観察方向を基材表面に対して鋭角をなす方向に変化させていくと、観察方向を第１の凸状パターンの印刷万線が含まれる側面側に変化させた場合は、第１の凸状パターンが形成された領域においては印刷万線が視認され、第２の凸状パターンが形成された領域においては印刷万線が第２の凸状パターンに隠れて見えなくなり、また、観察方向を第２の凸状パターンの印刷万線が含まれる側面側に変化させた場合は、第２の凸状パターンが形成された領域においては印刷万線が視認され、第１の凸状パターンが形成された領域においては印刷万線が第２の凸状パターンに隠れて見えなくなり、それにより、第１の凸状パターンまたは第２の凸状パターンによる潜像が浮かび上がって見えてくることになる。
【発明の効果】
【００１０】
以上説明したように本発明においては、印刷万線を用いて潜像を構成する第１の凸状パターンと第２の凸状パターンとの間に、第１及び第２の凸状パターンの凸形状における傾斜よりも緩やかな傾斜を具備し、第１の凸状パターンと第２の凸状パターンとの間に沿って連続状に形成された第３の凸状パターンとを有する構成としたため、観察方向を印刷万線に直交する方向について基材表面に対して鋭角をなす方向に変化させていくと、まず、第３の凸状パターンが認識されることになり、この第３の凸状パターンによって、第１の凸状パターンまたは第２の凸状パターンによる潜像が存在する領域を認識することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１１】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【００１２】
図１は、本発明の偽造防止媒体の実施の一形態となる偽造防止シートを示す図であり、（ａ）は全体の構成を示す図、（ｂ）は（ａ）に示した偽造防止構造１０の詳細な構成を示す図、（ｃ）は（ｂ）に示したＡ−Ａ’断面図、（ｄ）は（ｂ）に示したＢ−Ｂ’断面図、（ｅ）は（ｂ）に示した文字部１２と背景部１３との境界部分を詳細に示す図である。
【００１３】
本形態の偽造防止シート１は図１に示すように、紙からなるシート基材２の一部の領域に偽造防止構造１０が設けられて構成されている。シート基材２は、基材表面となる平面部３を有し、この平面部３の一部の領域に情報印刷領域４が設けられるとともに、他の領域に偽造防止構造１０が設けられている。このように構成された偽造防止シート１は、例えば、コンサート等の入場チケットとして用いることが考えられる。その場合、コンサートの内容や会場名、座席番号等が情報印刷領域４に印刷されることになる。また、シート基材２の情報印刷領域４に情報が印刷される前に、シート基材２に対してプレ印刷として地紋を印刷したり所定の色に着色したりすることも考えられるが、その場合、偽造防止構造１０による潜像が見にくくならないようにする必要がある。
【００１４】
シート基材２に設けられた偽造防止構造１０には、互いに平行となった複数本の印刷万線１１が形成されているとともに、この印刷万線１１と平行に延びた第１の凸状パターン１２ａ及び第２の凸状パターン１３ａが形成されている。凸状パターン１２ａは、偽造防止構造１０のうち潜像「Ｔ」が浮かび上がる所定領域となる文字部１２において、印刷万線１１と平行に延びた連続状の凸形状を有し、その凸形状の図中下側の側面に印刷万線１１を含むように形成されている。また、凸状パターン１３ａは、偽造防止構造１０のうち文字部１２以外の背景部１３において、印刷万線１１と平行に延びた連続状の凸形状を有し、その凸形状の図中上側の側面に印刷万線１１を含むように形成されている。すなわち、２つの凸状パターン１２ａ，１３ａは、配列方向に互いに１／２ピッチだけずれて形成されている。
【００１５】
さらに、文字部１２と背景部１３との間には、文字部１２と背景部１３との間に沿って連続状の第３の凸状パターン１４ａが形成されており、偽造防止構造１０において文字部１２の輪郭を示す輪郭部１４となっている。この凸状パターン１４ａは、高さが凸状パターン１２ａ，１３ａと等しいものの底部の幅が凸状パターン１２ａ，１３ａよりも広くなっていることから、その凸形状における傾斜が凸状パターン１２ａ，１３ａよりも緩やかになっている。そして、この凸状パターン１４ａの幅によって、２つの凸状パターン１２ａ，１３ａが配列方向に１／２ピッチだけずれ、これらの側面のうち、印刷万線１１を含む側面が互いに異なる側となっている。なお、凸状パターン１４ａの底部の幅は、凸状パターン１４ａの傾斜が凸状パターン１２ａ，１３ａよりも緩やかになり、かつ、２つの凸状パターン１２ａ，１３ａが配列方向に１／２ピッチだけずれるようなものであれば、任意に設定することができる。また、印刷万線１１に対して直交する方向に延びる領域においては、図１（ｄ），（ｅ）に示すように、凸状パターン１２ａ，１３ａがそれぞれ突き当たり、凸状パターン１２ａ，１３ａと凸状パターン１４ａとが一体化している。
【００１６】
以下に、上記のように構成された偽造防止シート１の製造方法について説明する。
【００１７】
まず、シート基材２の偽造防止構造１０が設けられる領域に、複数本の印刷万線１１を形成する。なお、この印刷万線１１の形成は、上述したようなプレ印刷と同時に行ってもよいし、上述したプレ印刷を行った後に行ってもよい。
【００１８】
次に、印刷万線１１が形成された領域に、シート基材２の平面部３側からエンボス版を押し付けることによって、印刷万線１１と平行に延びた凸状パターン１２ａ，１３ａ及びこの凸状パターン１２ａ，１３ａの間に延びた凸状パターン１４ａを形成する。このエンボス版によって、凸状パターン１２ａは、印刷万線１１と平行して図１中下側の側面に印刷万線１１を含むように形成され、凸状パターン１３ａは、印刷万線１１と平行して図１中上側の側面に印刷万線１１を含むように形成され、凸状パターン１４ａは、凸状パターン１２ａ，１３ａの間に形成されることになる。
【００１９】
上述したようにして偽造防止シート１が製造され、その後、用途に応じた情報がシート基材２の情報印刷領域４に印刷されて使用されることになる。
【００２０】
以下に、上述した偽造防止シート１の作用について説明する。
【００２１】
まず、図１に示した偽造防止シート１を正面、すなわち、シート基材２の平面部３の法線方向から観察した場合の作用について説明する。
【００２２】
図２は、図１に示した偽造防止シート１を正面から観察した場合の作用を説明するための図であり、偽造防止構造１０の見え方を示す。
【００２３】
図１に示した偽造防止シート１を、正面、すなわち平面部３の法線方向から観察した場合、図２に示すように、偽造防止構造１０においては印刷万線１１が認識される。この際、シート基材２には、潜像「Ｔ」を表現するための凸状パターン１２ａ，１３ａ及びその輪郭の凸状パターン１４ａが形成されているが、シート基材２を正面から観察した場合は、この凸状パターン１２ａ，１３ａ，１４ａの凸形状における頂部側から底部側に向かって観察することになるため、印刷万線１１が認識されるだけであり、潜像「Ｔ」は浮かび上がって見えてこない。
【００２４】
次に、図１に示した偽造防止シート１に対する観察方向を正面、すなわち、シート基材２の平面部３の法線方向から変化させていった場合の作用について説明する。
【００２５】
まず、図１に示した偽造防止シート１に対する観察方向を正面から図１中下側に変化させていった場合の作用について説明する。
【００２６】
図３は、図１に示した偽造防止シート１に対する観察方向を正面から図１中下側に変化させていった場合に生じる作用を説明するための図であり、（ａ）は凸状パターンにおける光の反射による作用を示す図、（ｂ），（ｃ）は偽造防止構造１０の見え方を示す図である。
【００２７】
図１に示した偽造防止シート１に対する観察方向を正面から図１中下側に変化させていくと、シート基材２の平面部３に対する観察方向のなす角度が鋭角になっていき、観察方向が、凸状パターン１２ａ，１３ａ，１４ａの側面と対向する方向になっていく。すると、上述したように、凸状パターン１４ａの凸形状の傾斜が、凸状パターン１２ａ，１３ａの凸形状における傾斜よりも緩やかであることから、まず、図３（ａ）に示すように、凸状パターン１４ａの側面が観察方向に対向するようになる。そのため、観察方向からの光が凸状パターン１４ａの側面にて観察方向に反射し、それにより、図３（ｂ）に示すように、凸状パターン１４ａのみが浮かび上がって見えてくる。この凸状パターン１４ａは、潜像「Ｔ」が浮かび上がる文字部１２と背景部１３との間に形成されているため、潜像「Ｔ」が存在する領域が認識されることになる。なおこの際、凸パターン１４ａにおいては、図３（ａ），（ｂ）に示すように、観察方向と直交する方向に延びた部分が側面における光の反射によって認識されやすくなるが、観察方向に平行となる部分についても、凸状パターン１４ａが連続状となっていることから他の領域との区別がつきやすく、それにより、潜像［Ｔ］の輪郭全体が視覚的に見えるようになる。
【００２８】
その後、観察方向をシート基材２に対して鋭角をなす方向に図１中下側に変化させていくと、凸状パターン１２ａ，１３ａがそれぞれ、図１中下側の側面のみが見える状態でその側面が観察方向に対向するようになる。凸状パターン１２ａは、上述したように、その側面のうち図１中下側の側面に印刷万線１１を含むものであることから、凸状パターン１２ａが形成された文字部１２においては、印刷万線１１が見えるようになり、また、凸状パターン１３ａは、上述したように、その側面のうち図１中上側の側面に印刷万線１１を含むものであることから、凸状パターン１３ａが形成された背景部１３においては、印刷万線１１が凸状パターン１３ａによって隠れて見えなくなり、それにより、図３（ｃ）に示すように、文字部１２に印刷万線１１による潜像「Ｔ」が浮かび上がって見えるようになる。
【００２９】
次に、図１に示した偽造防止シート１に対する観察方向を正面から図１中上側に変化させていった場合の作用について説明する。
【００３０】
図４は、図１に示した偽造防止シート１に対する観察方向を正面から図１中上側に変化させていった場合に生じる作用を説明するための図であり、（ａ）は凸状パターンにおける光の反射による作用を示す図、（ｂ），（ｃ）は偽造防止構造１０の見え方を示す図である。
【００３１】
図１に示した偽造防止シート１に対する観察方向を正面から図１中上側に変化させていくと、シート基材２の平面部３に対する観察方向のなす角度が鋭角になっていき、観察方向が、凸状パターン１２ａ，１３ａ，１４ａの側面と対向する方向になっていく。すると、上述したように、凸状パターン１４ａの凸形状の傾斜が、凸状パターン１２ａ，１３ａの凸形状における傾斜よりも緩やかであることから、まず、図４（ａ）に示すように、凸状パターン１４ａの側面が観察方向に対向するようになる。そのため、観察方向からの光が凸状パターン１４ａの側面にて観察方向に反射し、それにより、図４（ｂ）に示すように、凸状パターン１４ａのみが浮かび上がって見えてくる。この凸状パターン１４ａは、潜像「Ｔ」が浮かび上がる文字部１２と背景部１３との間に形成されているため、潜像「Ｔ」が存在する領域が認識されることになる。なおこの際、凸パターン１４ａにおいては、図４（ａ），（ｂ）に示すように、観察方向と直交する方向に延びた部分が側面における光の反射によって認識されやすくなるが、観察方向に平行となる部分についても、凸状パターン１４ａが連続状となっていることから他の領域との区別がつきやすく、それにより、潜像［Ｔ］の輪郭全体が視覚的に見えるようになる。
【００３２】
その後、観察方向をシート基材２に対して鋭角をなす方向に図１中上側に変化させていくと、凸状パターン１２ａ，１３ａがそれぞれ、図１中上側の側面のみが見える状態でその側面が観察方向に対向するようになる。凸状パターン１２ａは、上述したように、その側面のうち図１中下側の側面に印刷万線１１を含むものであることから、凸状パターン１２ａが形成された文字部１２においては、印刷万線１１が凸状パターン１２ａによって隠れて見えなくなり、また、凸状パターン１３ａは、上述したように、その側面のうち図１中上側の側面に印刷万線１１を含むものであることから、凸状パターン１３ａが形成された背景部１３においては、印刷万線１１が見えるようになり、それにより、図４（ｃ）に示すように、背景部１３に現れた印刷万線１１によって潜像「Ｔ」が浮かび上がって見えるようになる。
【００３３】
上述した偽造防止シート１は、複写した場合、シート基材２の情報印刷領域４に印刷された情報や、シート基材２に形成された印刷万線１１は複写されるものの、凸状パターン１２ａ，１３ａ，１４ａまでは再現できない。そのため、複写物の観察方向を変えていった場合であっても、凸状パターン１２ａ，１３ａを用いた潜像、あるいは凸状パターン１４ａによる潜像の輪郭は浮かび上がらず、それにより、真偽判別を行うことが可能となる。また、凸状パターン１２ａ，１３ａ，１４ａが、シート基材２の平面部３を窪ませることによって形成されているため、シート基材２を表裏から見た場合や、直接触れた場合において、凸状パターン１２ａ，１３ａ，１４ａが認識されにくく、凸状パターン１２ａ，１３ａ，１４ａが再現しにくいものとなり、偽造防止機能を向上させることができる。
【００３４】
なお、本形態においては、偽造防止媒体として、紙からなるシート基材２に偽造防止構造１０が設けられた偽造防止シート１を例に挙げて説明したが、本発明はこのような偽造防止シート１に限らず、フィルムからなるシート基材や複数の樹脂層が積層されてなるカード基材に上述したような偽造防止構造１０を設けたものにも適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【００３５】
【図１】本発明の偽造防止媒体の実施の一形態となる偽造防止シートを示す図であり、（ａ）は全体の構成を示す図、（ｂ）は（ａ）に示した偽造防止構造の詳細な構成を示す図、（ｃ）は（ｂ）に示したＡ−Ａ’断面図、（ｄ）は（ｂ）に示したＢ−Ｂ’断面図、（ｅ）は（ｂ）に示した文字部と背景部との境界部分を詳細に示す図である。
【図２】図１に示した偽造防止シートを正面から観察した場合の作用を説明するための図である。
【図３】図１に示した偽造防止シートに対する観察方向を正面から図１中下側に変化させていった場合に生じる作用を説明するための図であり、（ａ）は凸状パターンにおける光の反射による作用を示す図、（ｂ），（ｃ）は偽造防止構造の見え方を示す図である。
【図４】図１に示した偽造防止シートに対する観察方向を正面から図１中上側に変化させていった場合に生じる作用を説明するための図であり、（ａ）は凸状パターンにおける光の反射による作用を示す図、（ｂ），（ｃ）は偽造防止構造の見え方を示す図である。
【符号の説明】
【００３６】
１ 偽造防止シート
２ シート基材
３ 平面部
４ 情報印刷領域
１０ 偽造防止構造
１１ 印刷万線
１２ 文字部
１２ａ，１３ａ，１４ａ 凸状パターン
１３ 背景部
１４ 輪郭部
【技術分野】
【０００１】
本発明は、偽造防止シート等の偽造防止媒体に関し、特に、潜像を用いた偽造防止構造に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来より、プリペイドカードや各種入場券、商品券や株券等の有価証券においては、広く流通しており比較的容易に換金可能である等の理由から、偽造犯罪が頻発している。特に、近年ではカラーコピー機等の複写機の性能向上と普及に伴い、簡単には真正品と見分けられない偽造品が比較的容易に製造可能になってきており、偽造に対する対策が求められている。また、上述したような有価証券に限らず、紙幣においても偽造に対する対策が求められている。
【０００３】
このような偽造に対する対策の１つとして、潜像を用いて有価証券や紙幣の真偽判別を可能とする技術が考えられており、例えば、特許文献１に開示されている。
【０００４】
特許文献１に開示された技術は、印刷物の少なくとも一部に、有色のインキで印刷された万線状パターンからなる第１のパターンと、第１のパターンと平行な万線状の凹凸画素からなる第２のパターンとを形成し、観察方向によって、第２のパターンによる潜像を浮かび上がらせるものである。印刷物を正面から見た場合は全ての第１のパターンが視認可能な状態となっている。ところが、観察方向を第１及び第２のパターンと直交する方向に変化させていくと、第１のパターンの一部が第２のパターンの陰となって視認できなくなる。これにより、第２のパターンに応じた潜像を浮かび上がらせることができる。
【０００５】
このように、有色のインキで印刷された万線状パターンからなる第１のパターンに加えて、第１のパターンと平行な万線状の凹凸画素からなる第２のパターンを設けた印刷物においては、複写した場合、第１のパターンを含む印刷情報は複写されるものの、凹凸画素からなる第２のパターンの凹凸形状までは再現できない。そのため、複写物の観察方向を変化させていった場合であっても、潜像は浮かび上がらず、それにより、真偽判別を行うことが可能となる。
【特許文献１】特開２００６−１１１０１９号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
しかしながら、上述したように、有色のインキで印刷された万線状パターンからなる第１のパターンに加えて、第１のパターンと平行な万線状の凹凸画素からなる第２のパターンを設け、観察方向を第１及び第２のパターンと直交する方向に変化させていった場合に第２のパターンに応じた潜像を浮かび上がらせるものにおいては、潜像による真偽判別を行う場合、潜像がどの領域に存在するかがわかりにくいという問題点がある。
【０００７】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、真偽判別を行う場合に潜像が存在する領域を容易に認識することができる偽造防止媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
上記目的を達成するために本発明は、
基材表面に形成された印刷万線と、
前記基材表面の所定領域にて、前記印刷万線と平行に延びた連続状の凸形状を具備し、該凸形状の一方の側の側面に前記印刷万線を含むように形成された第１の凸状パターンと、
前記基材表面の前記所定領域以外の領域にて、前記印刷万線と平行に延びた連続状の凸形状を具備し、該凸形状の側面のうち前記第１の凸状パターンの前記印刷万線が含まれた側とは反対側の側面に前記印刷万線を含むように形成された第２の凸状パターンと、
前記第１及び第２の凸状パターンの凸形状における傾斜よりも緩やかな傾斜を具備し、前記第１の凸状パターンと前記第２の凸状パターンとの間に沿って連続状に形成された第３の凸状パターンとを有する。
【０００９】
上記のように構成された本発明においては、基材を正面から観察した場合、基材表面に形成された印刷万線が認識される。基材には連続状の第１、第２及び第３の凸状パターンが形成されているが、基材を正面から観察した場合は、この第１、第２及び第３の凸状パターンの凸形状における頂部側から底部側に向かって観察することになるため、印刷万線が認識されるだけであり、潜像は浮かび上がって見えてこない。この状態から観察方向を印刷万線に直交する方向について基材表面に対して鋭角をなす方向に変化させていくと、第１、第２及び第３の凸状パターンが認識されるようになっていくが、第３の凸状パターンの凸形状の傾斜が、第１及び第２の凸状パターンの凸形状における傾斜よりも緩やかであることから、まず、第３の凸状パターンの側面が観察方向に対向するようになり、第３の凸状パターンがその側面における光の反射によって認識される。この第３の凸状パターンは、第１の凸状パターンと第２の凸状パターンとの間に沿って連続状に形成されているため、第１の凸状パターンまたは第２の凸状パターンによる潜像が存在する領域が認識されることになる。その後、さらに観察方向を基材表面に対して鋭角をなす方向に変化させていくと、観察方向を第１の凸状パターンの印刷万線が含まれる側面側に変化させた場合は、第１の凸状パターンが形成された領域においては印刷万線が視認され、第２の凸状パターンが形成された領域においては印刷万線が第２の凸状パターンに隠れて見えなくなり、また、観察方向を第２の凸状パターンの印刷万線が含まれる側面側に変化させた場合は、第２の凸状パターンが形成された領域においては印刷万線が視認され、第１の凸状パターンが形成された領域においては印刷万線が第２の凸状パターンに隠れて見えなくなり、それにより、第１の凸状パターンまたは第２の凸状パターンによる潜像が浮かび上がって見えてくることになる。
【発明の効果】
【００１０】
以上説明したように本発明においては、印刷万線を用いて潜像を構成する第１の凸状パターンと第２の凸状パターンとの間に、第１及び第２の凸状パターンの凸形状における傾斜よりも緩やかな傾斜を具備し、第１の凸状パターンと第２の凸状パターンとの間に沿って連続状に形成された第３の凸状パターンとを有する構成としたため、観察方向を印刷万線に直交する方向について基材表面に対して鋭角をなす方向に変化させていくと、まず、第３の凸状パターンが認識されることになり、この第３の凸状パターンによって、第１の凸状パターンまたは第２の凸状パターンによる潜像が存在する領域を認識することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１１】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【００１２】
図１は、本発明の偽造防止媒体の実施の一形態となる偽造防止シートを示す図であり、（ａ）は全体の構成を示す図、（ｂ）は（ａ）に示した偽造防止構造１０の詳細な構成を示す図、（ｃ）は（ｂ）に示したＡ−Ａ’断面図、（ｄ）は（ｂ）に示したＢ−Ｂ’断面図、（ｅ）は（ｂ）に示した文字部１２と背景部１３との境界部分を詳細に示す図である。
【００１３】
本形態の偽造防止シート１は図１に示すように、紙からなるシート基材２の一部の領域に偽造防止構造１０が設けられて構成されている。シート基材２は、基材表面となる平面部３を有し、この平面部３の一部の領域に情報印刷領域４が設けられるとともに、他の領域に偽造防止構造１０が設けられている。このように構成された偽造防止シート１は、例えば、コンサート等の入場チケットとして用いることが考えられる。その場合、コンサートの内容や会場名、座席番号等が情報印刷領域４に印刷されることになる。また、シート基材２の情報印刷領域４に情報が印刷される前に、シート基材２に対してプレ印刷として地紋を印刷したり所定の色に着色したりすることも考えられるが、その場合、偽造防止構造１０による潜像が見にくくならないようにする必要がある。
【００１４】
シート基材２に設けられた偽造防止構造１０には、互いに平行となった複数本の印刷万線１１が形成されているとともに、この印刷万線１１と平行に延びた第１の凸状パターン１２ａ及び第２の凸状パターン１３ａが形成されている。凸状パターン１２ａは、偽造防止構造１０のうち潜像「Ｔ」が浮かび上がる所定領域となる文字部１２において、印刷万線１１と平行に延びた連続状の凸形状を有し、その凸形状の図中下側の側面に印刷万線１１を含むように形成されている。また、凸状パターン１３ａは、偽造防止構造１０のうち文字部１２以外の背景部１３において、印刷万線１１と平行に延びた連続状の凸形状を有し、その凸形状の図中上側の側面に印刷万線１１を含むように形成されている。すなわち、２つの凸状パターン１２ａ，１３ａは、配列方向に互いに１／２ピッチだけずれて形成されている。
【００１５】
さらに、文字部１２と背景部１３との間には、文字部１２と背景部１３との間に沿って連続状の第３の凸状パターン１４ａが形成されており、偽造防止構造１０において文字部１２の輪郭を示す輪郭部１４となっている。この凸状パターン１４ａは、高さが凸状パターン１２ａ，１３ａと等しいものの底部の幅が凸状パターン１２ａ，１３ａよりも広くなっていることから、その凸形状における傾斜が凸状パターン１２ａ，１３ａよりも緩やかになっている。そして、この凸状パターン１４ａの幅によって、２つの凸状パターン１２ａ，１３ａが配列方向に１／２ピッチだけずれ、これらの側面のうち、印刷万線１１を含む側面が互いに異なる側となっている。なお、凸状パターン１４ａの底部の幅は、凸状パターン１４ａの傾斜が凸状パターン１２ａ，１３ａよりも緩やかになり、かつ、２つの凸状パターン１２ａ，１３ａが配列方向に１／２ピッチだけずれるようなものであれば、任意に設定することができる。また、印刷万線１１に対して直交する方向に延びる領域においては、図１（ｄ），（ｅ）に示すように、凸状パターン１２ａ，１３ａがそれぞれ突き当たり、凸状パターン１２ａ，１３ａと凸状パターン１４ａとが一体化している。
【００１６】
以下に、上記のように構成された偽造防止シート１の製造方法について説明する。
【００１７】
まず、シート基材２の偽造防止構造１０が設けられる領域に、複数本の印刷万線１１を形成する。なお、この印刷万線１１の形成は、上述したようなプレ印刷と同時に行ってもよいし、上述したプレ印刷を行った後に行ってもよい。
【００１８】
次に、印刷万線１１が形成された領域に、シート基材２の平面部３側からエンボス版を押し付けることによって、印刷万線１１と平行に延びた凸状パターン１２ａ，１３ａ及びこの凸状パターン１２ａ，１３ａの間に延びた凸状パターン１４ａを形成する。このエンボス版によって、凸状パターン１２ａは、印刷万線１１と平行して図１中下側の側面に印刷万線１１を含むように形成され、凸状パターン１３ａは、印刷万線１１と平行して図１中上側の側面に印刷万線１１を含むように形成され、凸状パターン１４ａは、凸状パターン１２ａ，１３ａの間に形成されることになる。
【００１９】
上述したようにして偽造防止シート１が製造され、その後、用途に応じた情報がシート基材２の情報印刷領域４に印刷されて使用されることになる。
【００２０】
以下に、上述した偽造防止シート１の作用について説明する。
【００２１】
まず、図１に示した偽造防止シート１を正面、すなわち、シート基材２の平面部３の法線方向から観察した場合の作用について説明する。
【００２２】
図２は、図１に示した偽造防止シート１を正面から観察した場合の作用を説明するための図であり、偽造防止構造１０の見え方を示す。
【００２３】
図１に示した偽造防止シート１を、正面、すなわち平面部３の法線方向から観察した場合、図２に示すように、偽造防止構造１０においては印刷万線１１が認識される。この際、シート基材２には、潜像「Ｔ」を表現するための凸状パターン１２ａ，１３ａ及びその輪郭の凸状パターン１４ａが形成されているが、シート基材２を正面から観察した場合は、この凸状パターン１２ａ，１３ａ，１４ａの凸形状における頂部側から底部側に向かって観察することになるため、印刷万線１１が認識されるだけであり、潜像「Ｔ」は浮かび上がって見えてこない。
【００２４】
次に、図１に示した偽造防止シート１に対する観察方向を正面、すなわち、シート基材２の平面部３の法線方向から変化させていった場合の作用について説明する。
【００２５】
まず、図１に示した偽造防止シート１に対する観察方向を正面から図１中下側に変化させていった場合の作用について説明する。
【００２６】
図３は、図１に示した偽造防止シート１に対する観察方向を正面から図１中下側に変化させていった場合に生じる作用を説明するための図であり、（ａ）は凸状パターンにおける光の反射による作用を示す図、（ｂ），（ｃ）は偽造防止構造１０の見え方を示す図である。
【００２７】
図１に示した偽造防止シート１に対する観察方向を正面から図１中下側に変化させていくと、シート基材２の平面部３に対する観察方向のなす角度が鋭角になっていき、観察方向が、凸状パターン１２ａ，１３ａ，１４ａの側面と対向する方向になっていく。すると、上述したように、凸状パターン１４ａの凸形状の傾斜が、凸状パターン１２ａ，１３ａの凸形状における傾斜よりも緩やかであることから、まず、図３（ａ）に示すように、凸状パターン１４ａの側面が観察方向に対向するようになる。そのため、観察方向からの光が凸状パターン１４ａの側面にて観察方向に反射し、それにより、図３（ｂ）に示すように、凸状パターン１４ａのみが浮かび上がって見えてくる。この凸状パターン１４ａは、潜像「Ｔ」が浮かび上がる文字部１２と背景部１３との間に形成されているため、潜像「Ｔ」が存在する領域が認識されることになる。なおこの際、凸パターン１４ａにおいては、図３（ａ），（ｂ）に示すように、観察方向と直交する方向に延びた部分が側面における光の反射によって認識されやすくなるが、観察方向に平行となる部分についても、凸状パターン１４ａが連続状となっていることから他の領域との区別がつきやすく、それにより、潜像［Ｔ］の輪郭全体が視覚的に見えるようになる。
【００２８】
その後、観察方向をシート基材２に対して鋭角をなす方向に図１中下側に変化させていくと、凸状パターン１２ａ，１３ａがそれぞれ、図１中下側の側面のみが見える状態でその側面が観察方向に対向するようになる。凸状パターン１２ａは、上述したように、その側面のうち図１中下側の側面に印刷万線１１を含むものであることから、凸状パターン１２ａが形成された文字部１２においては、印刷万線１１が見えるようになり、また、凸状パターン１３ａは、上述したように、その側面のうち図１中上側の側面に印刷万線１１を含むものであることから、凸状パターン１３ａが形成された背景部１３においては、印刷万線１１が凸状パターン１３ａによって隠れて見えなくなり、それにより、図３（ｃ）に示すように、文字部１２に印刷万線１１による潜像「Ｔ」が浮かび上がって見えるようになる。
【００２９】
次に、図１に示した偽造防止シート１に対する観察方向を正面から図１中上側に変化させていった場合の作用について説明する。
【００３０】
図４は、図１に示した偽造防止シート１に対する観察方向を正面から図１中上側に変化させていった場合に生じる作用を説明するための図であり、（ａ）は凸状パターンにおける光の反射による作用を示す図、（ｂ），（ｃ）は偽造防止構造１０の見え方を示す図である。
【００３１】
図１に示した偽造防止シート１に対する観察方向を正面から図１中上側に変化させていくと、シート基材２の平面部３に対する観察方向のなす角度が鋭角になっていき、観察方向が、凸状パターン１２ａ，１３ａ，１４ａの側面と対向する方向になっていく。すると、上述したように、凸状パターン１４ａの凸形状の傾斜が、凸状パターン１２ａ，１３ａの凸形状における傾斜よりも緩やかであることから、まず、図４（ａ）に示すように、凸状パターン１４ａの側面が観察方向に対向するようになる。そのため、観察方向からの光が凸状パターン１４ａの側面にて観察方向に反射し、それにより、図４（ｂ）に示すように、凸状パターン１４ａのみが浮かび上がって見えてくる。この凸状パターン１４ａは、潜像「Ｔ」が浮かび上がる文字部１２と背景部１３との間に形成されているため、潜像「Ｔ」が存在する領域が認識されることになる。なおこの際、凸パターン１４ａにおいては、図４（ａ），（ｂ）に示すように、観察方向と直交する方向に延びた部分が側面における光の反射によって認識されやすくなるが、観察方向に平行となる部分についても、凸状パターン１４ａが連続状となっていることから他の領域との区別がつきやすく、それにより、潜像［Ｔ］の輪郭全体が視覚的に見えるようになる。
【００３２】
その後、観察方向をシート基材２に対して鋭角をなす方向に図１中上側に変化させていくと、凸状パターン１２ａ，１３ａがそれぞれ、図１中上側の側面のみが見える状態でその側面が観察方向に対向するようになる。凸状パターン１２ａは、上述したように、その側面のうち図１中下側の側面に印刷万線１１を含むものであることから、凸状パターン１２ａが形成された文字部１２においては、印刷万線１１が凸状パターン１２ａによって隠れて見えなくなり、また、凸状パターン１３ａは、上述したように、その側面のうち図１中上側の側面に印刷万線１１を含むものであることから、凸状パターン１３ａが形成された背景部１３においては、印刷万線１１が見えるようになり、それにより、図４（ｃ）に示すように、背景部１３に現れた印刷万線１１によって潜像「Ｔ」が浮かび上がって見えるようになる。
【００３３】
上述した偽造防止シート１は、複写した場合、シート基材２の情報印刷領域４に印刷された情報や、シート基材２に形成された印刷万線１１は複写されるものの、凸状パターン１２ａ，１３ａ，１４ａまでは再現できない。そのため、複写物の観察方向を変えていった場合であっても、凸状パターン１２ａ，１３ａを用いた潜像、あるいは凸状パターン１４ａによる潜像の輪郭は浮かび上がらず、それにより、真偽判別を行うことが可能となる。また、凸状パターン１２ａ，１３ａ，１４ａが、シート基材２の平面部３を窪ませることによって形成されているため、シート基材２を表裏から見た場合や、直接触れた場合において、凸状パターン１２ａ，１３ａ，１４ａが認識されにくく、凸状パターン１２ａ，１３ａ，１４ａが再現しにくいものとなり、偽造防止機能を向上させることができる。
【００３４】
なお、本形態においては、偽造防止媒体として、紙からなるシート基材２に偽造防止構造１０が設けられた偽造防止シート１を例に挙げて説明したが、本発明はこのような偽造防止シート１に限らず、フィルムからなるシート基材や複数の樹脂層が積層されてなるカード基材に上述したような偽造防止構造１０を設けたものにも適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【００３５】
【図１】本発明の偽造防止媒体の実施の一形態となる偽造防止シートを示す図であり、（ａ）は全体の構成を示す図、（ｂ）は（ａ）に示した偽造防止構造の詳細な構成を示す図、（ｃ）は（ｂ）に示したＡ−Ａ’断面図、（ｄ）は（ｂ）に示したＢ−Ｂ’断面図、（ｅ）は（ｂ）に示した文字部と背景部との境界部分を詳細に示す図である。
【図２】図１に示した偽造防止シートを正面から観察した場合の作用を説明するための図である。
【図３】図１に示した偽造防止シートに対する観察方向を正面から図１中下側に変化させていった場合に生じる作用を説明するための図であり、（ａ）は凸状パターンにおける光の反射による作用を示す図、（ｂ），（ｃ）は偽造防止構造の見え方を示す図である。
【図４】図１に示した偽造防止シートに対する観察方向を正面から図１中上側に変化させていった場合に生じる作用を説明するための図であり、（ａ）は凸状パターンにおける光の反射による作用を示す図、（ｂ），（ｃ）は偽造防止構造の見え方を示す図である。
【符号の説明】
【００３６】
１ 偽造防止シート
２ シート基材
３ 平面部
４ 情報印刷領域
１０ 偽造防止構造
１１ 印刷万線
１２ 文字部
１２ａ，１３ａ，１４ａ 凸状パターン
１３ 背景部
１４ 輪郭部
【特許請求の範囲】
【請求項１】
基材表面に形成された印刷万線と、
前記基材表面の所定領域にて、前記印刷万線と平行に延びた連続状の凸形状を具備し、該凸形状の一方の側の側面に前記印刷万線を含むように形成された第１の凸状パターンと、
前記基材表面の前記所定領域以外の領域にて、前記印刷万線と平行に延びた連続状の凸形状を具備し、該凸形状の側面のうち前記第１の凸状パターンの前記印刷万線が含まれた側とは反対側の側面に前記印刷万線を含むように形成された第２の凸状パターンと、
前記第１及び第２の凸状パターンの凸形状における傾斜よりも緩やかな傾斜を具備し、前記第１の凸状パターンと前記第２の凸状パターンとの間に沿って連続状に形成された第３の凸状パターンとを有する偽造防止媒体。
【請求項１】
基材表面に形成された印刷万線と、
前記基材表面の所定領域にて、前記印刷万線と平行に延びた連続状の凸形状を具備し、該凸形状の一方の側の側面に前記印刷万線を含むように形成された第１の凸状パターンと、
前記基材表面の前記所定領域以外の領域にて、前記印刷万線と平行に延びた連続状の凸形状を具備し、該凸形状の側面のうち前記第１の凸状パターンの前記印刷万線が含まれた側とは反対側の側面に前記印刷万線を含むように形成された第２の凸状パターンと、
前記第１及び第２の凸状パターンの凸形状における傾斜よりも緩やかな傾斜を具備し、前記第１の凸状パターンと前記第２の凸状パターンとの間に沿って連続状に形成された第３の凸状パターンとを有する偽造防止媒体。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図２】
【図３】
【図４】
【公開番号】特開２００８−２００９３５（Ｐ２００８−２００９３５Ａ）
【公開日】平成２０年９月４日（２００８．９．４）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００７−３７９０２（Ｐ２００７−３７９０２）
【出願日】平成１９年２月１９日（２００７．２．１９）
【出願人】（０００１１０２１７）トッパン・フォームズ株式会社 (989)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２０年９月４日（２００８．９．４）
【国際特許分類】
【出願日】平成１９年２月１９日（２００７．２．１９）
【出願人】（０００１１０２１７）トッパン・フォームズ株式会社 (989)
【Ｆターム（参考）】
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