説明

偽造防止用紙

【課題】書類の真贋を簡単に判定可能な偽造防止用紙を提供。
【解決手段】偽造防止用紙1においては、用紙基材2と蛍光層4との間に、この蛍光層4の用紙基材2への密着性を低下させる密着性調整層3が設けられている。したがって、この偽造防止用紙1を使用して作成された書類P1を改ざんしようとして、偽造防止用紙1上に定着している文字の一部を削り取ると、蛍光層4も共に削り取られてしまう。蛍光層4の剥がれの有無は、書類P1に紫外線を照射して、蛍光を発しない領域が存在するか否かを確認することにより簡易に行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、偽造防止用紙に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、他人の身分証明書等の公的な証明書類を入手し、そこに記載されている個人情報を書き換えて偽の証明書類を作成して犯罪に利用するという事件が後を絶たない。特に、レーザプリンタにより印刷される書類は、印字に使用されるトナーが用紙基材に熱により定着しているだけであり、印刷インク等と比較して接着力が弱い。このため、用紙基材に定着しているトナーを削り取ってその後に別の文字等を印刷するという手法での書類の贋造が比較的容易であるという問題がある。
【0003】
このような問題を解決するために、例えば特許文献1に記載の偽造防止技術が提案されている。この技術は、印字される文字に反応して発色する感熱発色剤層を用紙に形成しておくことで、印字された文字を削ってその後に別の文字等を印刷することを難しくするものである。
【特許文献1】特開平7−225488公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記のような方法では、感熱発色剤層を設けた特殊な用紙を使用しなければならず、書類作成のコストがかさむという問題がある。特に、贋造の多発に悩む発展途上国で使用するには現実的でない。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、書類の真贋を簡単に判定可能な偽造防止用紙を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するための手段として、第1の発明の偽造防止用紙は、用紙基材と、この用紙基材において印刷が施される印刷面側に配され、可視光下では目視できない不可視波長領域の光の照射により目視可能となる蛍光性物質を含む蛍光層と、前記用紙基材と前記蛍光層との間に配されて前記蛍光層の前記用紙基材への密着性を低下させる密着性調整層と、を備えるものである。
【0007】
また、第2の発明の偽造防止用紙は、可視光下では目視できない不可視波長領域の光の照射下で目視可能な蛍光染料を含む用紙基材と、この用紙基材において印刷が施される印刷面側に配され、不可視波長領域の光の吸収剤を含む特定波長光吸収層と、前記用紙基材と前記特定波長光吸収層との間に配されて前記特定波長光吸収層の前記用紙基材への密着性を低下させる密着性調整層と、を備えるものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、用紙基材と蛍光層または特定波長光吸収層との間に、この蛍光層または特定波長光吸収層の用紙基材への密着性を低下させる密着性調整層が設けられている。したがって、この偽造防止用紙を使用して作成された書類を改ざんしようとして、偽造防止用紙上に定着している文字の一部を削り取ると、蛍光層または特定波長光吸収層も共に削り取られてしまう。蛍光層の剥がれの有無は、書類に紫外線等の特定の波長の光を照射して、蛍光を発しない領域が存在するか否かを確認することにより、簡易に行うことができる。また、特定波長光吸収層の剥がれの有無は、書類に紫外線等の特定波長の光を照射して、特定波長光吸収層による上記特定波長の光の遮断がなくなり用紙基材に含まれる蛍光性物質に由来する蛍光が発せられている領域が存在するか否かを確認することにより、簡易に行うことができる。このように、本発明の偽造防止用紙を使用して書類を作成すれば、特定の波長に光を照射して蛍光層または特定波長光吸収層の剥がれの有無を確認することにより、書類の真贋の判定が容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
<実施形態1>
以下、本発明の偽造防止用紙を具体化した実施形態1について、図1〜図6を参照しつつ詳細に説明する。
【0010】
図1には、本実施形態の偽造防止用紙1に印刷を行って作成された書類P1(本実施形態では一例として運転免許証を示す)を示す。本実施形態では、矩形状の偽造防止用紙1の表側面に黒枠で囲まれた個人情報記載領域Aが設けられている。この領域Aの内部はいくつかの区分に区分けされて、それぞれに氏名、生年月日、住所等の個人情報が記載され、あるいは写真が貼付されるようになっている。
【0011】
この偽造防止用紙1は用紙基材2と、この用紙基材2上に形成される密着性調整層3と、この密着性調整層3上に形成される蛍光層4とで構成されている。
用紙基材2としては、通常の印刷用紙を使用できるが、蛍光染料等の紫外光照射下で発光する物質を含まないものであることを要する。
【0012】
この用紙基材2において印刷が施される印刷面側には、ほぼ全面に渡って密着性調整層3が形成されている(図5を併せて参照)。密着性調整層3としては、例えば密着性調整剤としてシリコーン樹脂を配合した樹脂皮膜により構成させることができる。このような樹脂皮膜は、例えば紫外線硬化型メジウムに紫外線硬化型シリコーン樹脂を配合した樹脂組成物を用紙基材2上に塗布し、紫外線を照射して硬化させることにより形成することができる。メジウムとしては、印刷用インキに使用されるメジウムとして一般的なものを使用することができる。また、シリコーン樹脂の配合率は、樹脂皮膜を形成する組成物全体の重量に対して1〜30重量%とされることが好ましく、1〜5重量%とされることがより好ましい。この範囲内で、この密着性調整層3上に重ねられる蛍光層4(詳細は後述する)が、手などにより擦られる等、書類P1の取り扱い上通常に受ける程度の摩擦では剥離せず、カッターで削られる等の予想される偽造手段が施された場合には簡単に剥離するように調整することができる。
【0013】
この密着性調整層3上には、ほぼ全面に渡って蛍光層4が形成されている。この蛍光層4は、例えば蛍光層物質を含む蛍光インクを、プリンタを用いて印刷することにより構成することができる。蛍光性物質は、不可視波長領域の光を照射することによって特有の蛍光を発するものであればよい。蛍光層4を、可視光下で視認可能な顔料等を含まず、紫外線等の不可視波長領域の光を照射した場合において目視可能となるように構成すれば、書類P1を通常に使用する状態での印刷内容の視認を妨げないようにすることができる。また、書類P1に真贋を判定する手段が施されていることを偽造者に覚られないようにすることができ、偽造手段の巧妙化、複雑化を抑止することができる。
【0014】
また、蛍光層4は、本実施形態においては小さな文字および絵柄によって構成されている(図2参照)が、網点やメッシュ等の微細な地紋により構成されていても構わない。特に、模造を防止するという観点から、印刷にある程度の技術を要し、模倣されにくい微細文字・模様によって構成されることが好ましい。
【0015】
この偽造防止用紙1を用いた書類P1の作成は、偽造防止用紙1において密着性調整層3および蛍光層4が設けられた面に、例えばレーザプリンタを用いて情報を印刷することにより行われる。
【0016】
このようにして作成された書類P1が改ざんされていないかどうかを確認するには、図2に示すように、書類P1に、例えばブラックライトLを用いて紫外線を照射する。書類P1が、改ざんされていない真正のものであれば、印刷面の全面に渡って蛍光色の文字および絵柄が所定の模様で浮かび上がるのが確認される。
【0017】
一方、改ざんされた書類P1’(本実施形態では氏名・住所が書き換えられ、写真が貼り替えられている;図3参照)に紫外線を照射すると、改ざんが行われた領域A’においては蛍光色の文字および図柄が消えていることが確認される(図4参照)。すなわち、用紙基材2と蛍光層4との間に、この蛍光層4の用紙基材2への密着性を低下させる密着性調整層3が設けられているから、書類P1を改ざんしようとして、印刷された文字、すなわち偽造防止用紙1上に定着しているトナーTを削り取ると、蛍光層4も共に削り取られてしまう(図6参照)。したがって、紫外線を照射して蛍光層4に剥がれのあることが確認されれば、書類P1’が贋造されたものであると判定することができる。
【0018】
このように本実施形態においては、密着性調整層3の存在によって蛍光層4の用紙基材2への密着性が低下されているから、書類P1を改ざんしようとして、偽造防止用紙1上に定着している文字の一部を削り取ると、蛍光層4も共に削り取られてしまう。したがって、紫外線照射によって蛍光層4の脱落の有無を確認することで、書類P1の真贋を容易に確認することができる。
【0019】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図7〜図9によって説明する。本実施形態の偽造防止用紙11は、実施形態1と同様、用紙基材12と、この用紙基材12上に形成される密着性調整層13と、この密着性調整層13上に形成される蛍光層14とで構成されている。
【0020】
用紙基材12としては、実施形態1と同様、蛍光染料等の紫外光照射下で発光する物質を含まない印刷用紙を使用することができる。
【0021】
この用紙基材12において印刷が施される印刷面側には、密着性調整層13が形成されている(図8参照)。本実施形態においては、密着性調整層13が多数の小さな図柄により構成されている。このような密着性調整層13は、例えば紫外線硬化型メジウムに紫外線硬化型シリコーン樹脂を配合したインキを用いて用紙基材12上に図柄等を印刷し、紫外線を照射して硬化させることにより形成することができる。なお、密着性調整層13は網点、メッシュ等の地紋により構成されていても構わず、特に、模造を防止するという観点から、印刷にある程度の技術を用し、模倣されにくい微細文字によって構成されることが好ましい。
【0022】
この密着性調整層13上には、ほぼ全面に渡って蛍光層4が形成されている。このような蛍光層4は、例えば蛍光層物質を含む蛍光インクを、プリンタを用いてベタ印刷することにより構成することができる。蛍光層14の組成としては実施形態1と同様のもので構わない。
【0023】
この偽造防止用紙11を用いた書類P2の作成は、上記実施形態と同様、偽造防止用紙11において密着性調整層13および蛍光層14が設けられた面に、例えばレーザプリンタを用いて情報を印刷することにより行われる。
【0024】
このような偽造防止用紙11を用いた書類P2が改ざんされていないかどうかを確認するには、書類P2に、例えばブラックライトLを用いて紫外線を照射する。書類P2が、改ざんされていない真正のものであれば、蛍光層14が形成された印刷面の全面が蛍光色に光っていることが確認される。
【0025】
一方、改ざんされた書類P2’に紫外線を照射すると、改ざんが行われた領域A’においては一部の蛍光色が消え、白い図柄がネガ画像のように浮かび上がっていることが確認される(図7参照)。すなわち、用紙基材12と蛍光層14との間に、この蛍光層14の用紙基材12への密着性を低下させる密着性調整層13が設けられているから、書類P2を改ざんしようとして、印刷された文字、すなわち偽造防止用紙11上に定着しているトナーTを削り取ると、蛍光層14も共に削り取られてしまう。ここで、本実施形態では、密着性調整層13が多数の小さな図柄により構成されており、蛍光層14の密着性が低下しているのはこの密着性調整層13の図柄が存在している部分である。したがって、トナーTが削られると、蛍光層14において密着性調整層13の図柄上に形成されている部分のみがトナーTと共に脱落し、図柄の隙間部分については用紙基材12上に定着したまま残される(図9参照)。これにより、改ざんが行われた領域A’においては密着性調整層13の図柄に対応するネガ画像状の図柄が浮かび上がっているように見えるのである。このような場合、書類P2’が贋造されたものであると判定することができる。
【0026】
以上のように本実施形態においても、紫外線照射によって蛍光層14の脱落の有無を確認することで、書類P2の真贋を容易に確認することができる。
【0027】
<実施形態3>
次に、本発明の実施形態3を図10〜図12によって説明する。本実施形態の偽造防止用紙21は、実施形態1と同様、用紙基材22と、この用紙基材22上に形成された密着性調整層23および蛍光層24を備える。本実施形態の偽造防止用紙21は、蛍光層24が図柄等を施さないベタ塗りにより形成されている(図11参照)他は、実施形態1と同様である。この偽造防止用紙21を用いた書類P3の作成は、上記実施形態と同様、偽造防止用紙21において密着性調整層23および蛍光層24が設けられた面に、例えばレーザプリンタを用いて情報を印刷することにより行われる。
【0028】
本実施形態の偽造防止用紙21を用いて作成された書類P3が改ざんされていないかどうかを確認するには、図10に示すように、書類P3に、例えばブラックライトLを用いて紫外線を照射する。書類P3が、改ざんされていない真正のものであれば、蛍光層24が形成された印刷面の全面が蛍光色に光っていることが確認される。
【0029】
一方、改ざんされた書類P3’に紫外線を照射すると、改ざんが行われた領域A’においては蛍光色が消えていることが確認される。すなわち、用紙基材22と蛍光層24との間に、この蛍光層24の用紙基材22への密着性を低下させる密着性調整層23が設けられているから、書類P3を改ざんしようとして、印刷された文字、すなわち偽造防止用紙21上に定着しているトナーTを削り取ると、蛍光層24も共に削り取られてしまう(図12参照)。したがって、紫外線を照射して蛍光層24に剥がれのあることが確認されれば、書類P3’が贋造されたものであると判定することができる。
【0030】
以上のように本実施形態においても、紫外線照射によって蛍光層24の脱落の有無を確認することで、書類P3の真贋を容易に確認することができる。
【0031】
<実施形態4>
次に、本発明の実施形態4を図13〜図15によって説明する。本実施形態の偽造防止用紙31は、用紙基材32と、この用紙基材32上に形成される密着性調整層33と、この密着性調整層33上に形成される特定波長光吸収層34とで構成されている。
用紙基材32としては、通常の印刷用紙を使用できるが、蛍光染料等の紫外光照射下で発光する物質を含むものであることを要する。
【0032】
この用紙基材32上において印刷が施される印刷面側には、上記実施形態と同様、密着性調整層33が形成されている。密着性調整層33の組成および形成方法は実施形態1と同様でよい。
この密着性調整層33上には、ほぼ全面に渡って特定波長光吸収層34が形成されている。特定波長光吸収層34の組成および形成方法は、蛍光性物質の代わりに紫外線吸収剤が含まれる他は実施形態1の蛍光層4と同様でよい。
【0033】
この偽造防止用紙31を用いた書類P4の作成は、上記実施形態と同様、偽造防止用紙31において密着性調整層33および特定波長光吸収層34が設けられた面に、例えばレーザプリンタを用いて情報を印刷することにより行われる。
【0034】
本実施形態の偽造防止用紙31を用いて作成された書類P4が改ざんされていないかどうかを確認するには、図13に示すように、書類P4に、例えばブラックライトLを用いて紫外線を照射する。書類P4が、改ざんされていない真正のものであれば、紫外線を照射しても蛍光色は確認されない。これは、特定波長光吸収層34の存在により、照射された紫外線が吸収され、用紙基材32に含まれる蛍光性物質の発光が阻害されるためである。
【0035】
一方、改ざんされた書類P4’に紫外線を照射すると、改ざんが行われた領域A’が蛍光色に光っていることが確認される。すなわち、用紙基材32と特定波長光吸収層34との間に、この特定波長光吸収層34の用紙基材32への密着性を低下させる密着性調整層33が設けられているから、書類P4を改ざんしようとして、印刷された文字、偽造防止用紙31上に定着しているトナーTを削り取ると、特定波長光吸収層34も共に削り取られてしまう(図15参照)。このため、改ざんが行われた領域A’において用紙基材32に含まれる蛍光性物質に由来する蛍光色が確認されるのである。したがって、紫外線を照射して蛍光色に光る領域の存在が確認されれば、書類P4’が贋造されたものであると判定することができる。
【0036】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、密着性調整層に含まれる密着性調整剤としてシリコーン樹脂を使用したが、密着性調整剤の種類としては上記実施形態の限りではなく、例えばパラフィンワックスを使用することもできる。
【0037】
(2)例えば、蛍光層を微細文字により構成すると共に、可視光下で視認可能な着色インキを添加してもよい。このような構成によれば、偽造防止用紙に偽造防止技術が施されていることが改ざんしようとする者に分かるため、偽造抑止効果が期待できる。
【0038】
(3)実施形態4において、密着性調整層または特定波長光吸収層が網点や微細文字、微細模様等により構成されていても構わない。
【0039】
(4)本発明の偽造防止用紙には、ホログラム、DNAインク等の偽造防止手段を併せて採用することもできる。これにより、書類に偽造抑止効果を併せ持たせることが可能となる。
【0040】
(5)本発明の適用対象となる書類は、上記実施形態に例示したものに限るものではなく、例えば出生証明書、パスポート、戸籍謄本、住民票等の公的な書類はもちろん、契約書や企業の秘密情報が記載された書類など、改ざんの対象となりうる書類であればいかなるものであってもよい。
【0041】
(6)密着性調整層および蛍光層の形成領域は用紙全面でなくてもよく、少なくとも改ざんの対象となる情報が記載される領域に形成されていればよい。また、用紙の表裏両面に情報が記載される場合には、密着性調整層および蛍光層も表裏両面に施されていることが好ましい。
【0042】
(7)上記実施形態では、偽造防止用紙にレーザプリンタを用いて情報を印刷した例を示したが、インクジェットプリンタを用いて情報を印刷した場合、手書きで情報を記入した場合等においても上記と同様の効果が奏される。
【0043】
(8)上記各実施形態では、紫外線によって蛍光を発する紫外線蛍光物質や紫外線を吸収する特定波長吸収層を設けた例を示したが、これに限らず、赤外線によって蛍光を発する赤外蛍光物質や赤外線領域の光を吸収する特定波長吸収層を設けても良い。
【0044】
(9)上記各実施形態では、用紙基材1を単独で使用する構成としたが、これに限らず、用紙基材の印刷面とは反対側の面に例えば感圧型の粘着剤を塗布し、その粘着剤層にここから剥離可能な離型紙を重ねたいわゆるタックシール型の構成としてもよい。このようにすると、例えばカード型のプラスチックシートに粘着剤を介して用紙基材を重ねることで、硬質の証明書類を製造することができる。また、プラスチックシートに重ねるに限らず、より薄手のプラスチックフィルムや紙類に積層することで、様々な用途に適した厚さ・機能の偽造防止用紙を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】実施形態1において改ざんされていない書類の斜視図
【図2】実施形態1において改ざんされていない書類に紫外線を照射する様子を示す斜視図
【図3】実施形態1において改ざんされた書類の斜視図
【図4】実施形態1において改ざんされた書類に紫外線を照射する様子を示す斜視図
【図5】実施形態1において改ざんされていない書類の断面図
【図6】実施形態1において改ざんされた書類の断面図
【図7】実施形態2において改ざんされた書類に紫外線を照射する様子を示す斜視図
【図8】実施形態2において改ざんされていない書類の断面図
【図9】実施形態2において改ざんされた書類の断面図
【図10】実施形態3において改ざんされた書類に紫外線を照射する様子を示す斜視図
【図11】実施形態3において改ざんされていない書類の断面図
【図12】実施形態3において改ざんされた書類の断面図
【図13】実施形態4において改ざんされた書類に紫外線を照射する様子を示す斜視図
【図14】実施形態4において改ざんされていない書類の断面図
【図15】実施形態4において改ざんされた書類の断面図
【符号の説明】
【0046】
1、11、21、31…偽造防止用紙
2、12、22、32…用紙基材
3、13、23、33…密着性調整層
4、14、24…蛍光層
34…特定波長光吸収層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙基材と、この用紙基材において印刷が施される印刷面側に配され、可視光下では目視できない不可視波長領域の光の照射により目視可能となる蛍光性物質を含む蛍光層と、前記用紙基材と前記蛍光層との間に配されて前記蛍光層の前記用紙基材への密着性を低下させる密着性調整層とを備える偽造防止用紙。
【請求項2】
前記密着性調整層または前記蛍光層が網点又は微細文字・模様により構成されている請求項1に記載の偽造防止用紙。
【請求項3】
可視光下では目視できない不可視波長領域の光の照射下で目視可能な蛍光染料を含む用紙基材と、この用紙基材において印刷が施される印刷面側に配され不可視波長領域の光の吸収剤を含む特定波長光吸収層と、前記用紙基材と前記特定波長光吸収層との間に配されて前記特定波長光吸収層の前記用紙基材への密着性を低下させる密着性調整層とを備える偽造防止用紙。
【請求項4】
前記密着性調整層または前記特定波長光吸収層が網点又は微細文字・模様により構成されている請求項3に記載の偽造防止用紙。
【請求項5】
前記密着性調整層がシリコーン樹脂またはパラフィンワックスを含むものである請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の偽造防止用紙。
【請求項6】
前記シリコーン樹脂またはパラフィンワックスの含有率が、前記密着性調整層を構成する組成物全体に対して1重量%以上30重量%以下である請求項5に記載の偽造防止用紙。
【請求項7】
前記用紙基材の前記印刷面とは反対側の面に粘着剤層と、この粘着剤層に剥離可能に積層された剥離紙とを備える請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の偽造防止用紙。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−156060(P2010−156060A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−333278(P2008−333278)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(501244200)株式会社KALBAS (48)
【出願人】(000225267)内外カーボンインキ株式会社 (14)
【Fターム(参考)】