催事用テント
【課題】テント骨組を一体として折り畳むことが可能な催事用テントを提供する。
【解決手段】各支柱2の上に肩梁3と横梁4と傾斜梁5と頂梁6とによって切妻形屋根部9が構成される催事用テントであって、支柱2と横梁4と傾斜梁5とを互いに曲折可能に連結する隅部継手10と、各傾斜梁5と頂梁6とを折り畳み可能に連結する頂部継手11と、横梁4の中央部を曲折可能に連結する横梁中央部継手45と、肩梁3の中央部を曲折可能に連結する肩梁中央部継手35と、頂梁6の中央部を切り離し可能に連結する頂梁切り離し継手65と、を備え、頂梁6の中央部を切り離して支柱2と肩梁3と横梁4と頂梁6とがそれぞれ傾斜梁5に沿うように折り畳まれる構成とした。
【解決手段】各支柱2の上に肩梁3と横梁4と傾斜梁5と頂梁6とによって切妻形屋根部9が構成される催事用テントであって、支柱2と横梁4と傾斜梁5とを互いに曲折可能に連結する隅部継手10と、各傾斜梁5と頂梁6とを折り畳み可能に連結する頂部継手11と、横梁4の中央部を曲折可能に連結する横梁中央部継手45と、肩梁3の中央部を曲折可能に連結する肩梁中央部継手35と、頂梁6の中央部を切り離し可能に連結する頂梁切り離し継手65と、を備え、頂梁6の中央部を切り離して支柱2と肩梁3と横梁4と頂梁6とがそれぞれ傾斜梁5に沿うように折り畳まれる構成とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の集会や催物の際に日除け或いは雨除け用等として使用される催事用テントに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、この種の催事用テントは、各支柱の上に切妻形屋根部を構成するテント骨組を備えている。
【0003】
特許文献1に開示された催事用テントは、テント骨組を複数のユニットに分割して折り畳むようになっている。
【特許文献1】特開2001−303800号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来の催事用テントにあっては、折り畳まれたテント骨組は、複数のユニットに分割されるため、次回のテント骨組の組み立て作業をスムーズに行えないという問題点があった。
【0005】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、テント骨組を一体として折り畳むことが可能な催事用テントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、接地して上方向に延びる少なくとも4本の支柱と、各支柱の上端部間にて左右方向に延びる前後の肩梁と、各支柱の上端部間にて前後方向に延びる左右の横梁と、各支柱の上端部間にて前後斜め上方向に延びる少なくとも4本の傾斜梁と、この各傾斜梁の上端部を連結する頂部に渡って左右方向に延びる頂梁と備え、各支柱の上に各肩梁と各横梁と各傾斜梁と頂梁とによって切妻形屋根部が構成される催事用テントであって、支柱と横梁と傾斜梁とを互いに曲折可能に連結する隅部継手と、各傾斜梁と頂梁とを折り畳み可能に連結する頂部継手と、横梁の中央部を曲折可能に連結する横梁中央部継手と、肩梁の中央部を曲折可能に連結する肩梁中央部継手と、頂梁の中央部を切り離し可能に連結する頂梁切り離し継手とを備え、頂梁の中央部を切り離して支柱と肩梁と横梁と頂梁とがそれぞれ傾斜梁に沿うように折り畳まれる構成とした。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、テント骨組の折り畳み時、頂梁切り離し継手を介して頂梁の中央部を切り離す構造ため、横梁の中程と肩梁の中央部をそれぞれ切り離すことなく一体として折り畳むことが可能となる。このため、テント骨組を従来のように複数ユニットに分割する必要がなく、テント骨組の組み立て作業、収納作業等を容易に行える。
【0008】
テント骨組は、組み立てられた状態にて、頂梁が頂梁切り離し継手によって接続されるため、頂梁を介して各頂部継の位置及び姿勢が定まり、切妻形屋根部の骨組形状が維持され、雨、風等の外力に対抗する剛性が十分に確保される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0010】
図1は催事用テントに設けられるテント骨組1の概略構成を示す斜視図である。このテント骨組1は、接地する4本の支柱2を備え、この各支柱2の上に切妻形屋根部9が構成される。この切妻形屋根部9には、図示しないテントキャンバスが張設されて、日除け、雨除けの役目が果たされる。なお、各支柱2の間にテントキャンバスを張り巡らしても良い。
【0011】
テント骨組1の屋根部は、各支柱2の上端部間にて左右方向に延びる肩梁3と、各支柱2の上端部間にて前後方向に延びる横梁4と、各支柱2の上端部間にて前後斜め上方向に延びる4本の傾斜梁5と、これら傾斜梁5の上端部を連結する頂部に渡って左右方向に延びる1本の頂梁6と備える。肩梁3と横梁4は平面図上において矩形に配置され、頂梁6はこの矩形の中央に配置される。
【0012】
テント骨組1を構成する各支柱2、肩梁3、横梁4、傾斜梁5、頂梁6は、例えばアルミパイプ等の金属管によって形成される。
【0013】
図2の(a)〜(f)はテント骨組1が折り畳まれる手順を示す斜視図である。図3の(1)〜(5)はテント骨組1が折り畳まれる手順を示す側面図であり、図4〜8は図3の(1)〜(5)をそれぞれ拡大した図である。図3の(1′)〜(5′)は、テント骨組1が折り畳まれる手順を示す正面図であり、図9〜13は図3の(1′)〜(5′)をそれぞれ拡大した図である。
【0014】
これらの図に示すように、テント骨組1は、肩梁3、横梁4をそれぞれ曲折可能に2分割するとともに、頂梁6をその中程で切り離し可能に2分割し、各支柱2と肩梁3と横梁4と頂梁6とが傾斜梁5に対して沿うように一体として折り畳まれ、従来のように複数のユニットに分割する必要がない。
【0015】
図4、9は各支柱2が収縮した状態を示す。支柱2は、支柱上部21と支柱下部22とに伸縮可能に分割される。支柱上部21と支柱下部22とは、径が異なる金属管によって形成され、支柱上部21の内側に支柱下部22が摺動可能に嵌合している。支柱上部21と支柱下部22の伸縮は、図示しないクランプにより係止される。
【0016】
図4、9に示すように支柱2が立てられ状態にて、支柱2が倒れないように支持する係止手段として、支柱2と横梁4とに渡ってブレス8が斜めに掛け渡されるとともに、支柱2と肩梁3とに渡ってブレス7が斜めに掛け渡され、各ブレス8、7を介して支柱2が倒れないように支持される。
【0017】
ブレス8は、その下端部がピン23を介して支柱2に回動可能に連結され、その上端部が横梁4に取り付けられた金具25に対して着脱可能に連結される。
【0018】
ブレス7は、その下端部がピン26を介して支柱2に回動可能に連結され、その上端部が横梁4に取り付けられた金具27に対して着脱可能に連結される。
【0019】
なお、支柱2が倒れないように支持する係止手段は、上記した各ブレス8、7に限らず、他の機構を用いても良い。
【0020】
テント骨組1の屋根部の4隅には、各隅部継手10がそれぞれ設けられる。各隅部継手10には各傾斜梁5の下端部が固定され、隅部継手10を介して各支柱2と横梁4と肩梁3がそれぞれ傾斜梁5に沿うように折り畳まれる。
【0021】
図14の(a)、(b)は、図9の左側に設けられる隅部継手10の正面図と側面図である。この隅部継手10は、支柱2の延長上に設けられる断面U字形の支柱支持部10aと、傾斜梁5の延長上に設けられる断面U字形の傾斜梁支持部10bと、肩梁3の延長上に設けられる断面U字形の肩梁支持部10cとを有する。これらの支柱支持部10aと傾斜梁支持部10bと肩梁支持部10cとは、それぞれ断面U字形に曲げられた金属板によって形成され、円管状の支柱2、傾斜梁5、横梁4の各外周面に沿って半円弧状に湾曲している。
【0022】
隅部継手10の傾斜梁支持部10bには2対のボルト穴10eが形成され、各ボルト穴10eに挿通する2本のボルト10fを介して傾斜梁5が固定される(図4参照)。
【0023】
隅部継手10の支柱支持部10aには1対のヒンジ穴10gが形成され、各ヒンジ穴10gに挿通するピン10hを介して支柱2が回動可能に支持される(図4〜8参照)。
【0024】
図4に示すように、支柱2の上端部からテント内側に向けて突出するブラケット28が形成され、このブラケット28にピン10hが貫通する。これにより、支柱2が隅部継手10に対して所定の角度範囲で回動する。支柱2が略垂直に立てられた状態で、支柱2の外周面が支柱支持部10aに押し当てられ、支柱2のガタツキが抑えられる。
【0025】
隅部継手10の傾斜梁支持部10bには1対のヒンジ穴10iが形成され、各ヒンジ穴10iに挿通するピン10jを介して横梁4が回動可能に支持される(図4〜8参照)。
【0026】
図4に示すように、傾斜梁5の両端部から上方向に向けて突出するブラケット41が形成され、このブラケット41にピン10jが貫通する。
【0027】
隅部継手10の肩梁支持部10cには1対のヒンジ穴10kが形成され、各ヒンジ穴10kに挿通するピン10mを介して肩梁3が回動可能に支持される(図9〜13参照)。
【0028】
図9に示すように、肩梁3の両端部から上方向に向けて突出するブラケット31が形成され、このブラケット31にピン10mが貫通する。これにより、肩梁3が隅部継手10に対して所定の角度範囲で回動する。肩梁3が各支柱2に対して略直交する状態で、肩梁3の外周面が肩梁支持部10cに押し当てられ、肩梁3のガタツキが抑えられる。
【0029】
横梁4はその中程で第一、第二横梁43、44に分割され、この第一、第二横梁43、44は横梁中央部継手45を介して切り離し可能に連結される。
【0030】
図4に示すように、横梁中央部継手45は、第一、第二横梁43、44の端部に結合される継手管46、47を備え、この継手管46、47はピン48を介して回動可能に連結される。このピン48は隅部継手10のピン10jと平行に、かつ図9に示す正面図において支柱2と傾斜梁5と直交するように配置される。これにより、図5〜8に示すように、第一、第二横梁43、44は傾斜梁5と支柱2とに沿うように折り畳まれる。
【0031】
横梁中央部継手45の継手管47は、図4に示すように第一、第二横梁43、44が直線上に延びた状態で継手管46に当接するストッパレバー部47aを有し、第一、第二横梁43、44がそれ以上曲折しないように係止する。横梁中央部継手45は、重力が各ストッパレバー部47aを継手管46に当接させる方向に働き、横梁4の第一、第二横梁43、44が互いに軸方向に延びるように保持される。
【0032】
切妻形屋根部9の頂部には、その左右端に頂部継手11がそれぞれ設けられる。各頂部継手11を介して頂梁6と各傾斜梁5とが互いに沿うように折り畳まれる。
【0033】
頂部継手11は、傾斜梁5の延長上に設けられる断面U字形をした前後の傾斜梁支持部11bと、頂梁6の延長上に設けられる断面U字形をした頂梁支持部11cとを有する。これらの傾斜梁支持部11bと頂梁支持部11cとは、それぞれ断面U字形に曲げられた金属板によって形成され、円管状の傾斜梁5、頂梁6の各外周面に沿って断面半円弧状に湾曲している。
【0034】
頂部継手11の各傾斜梁支持部11bには、1対のヒンジ穴11gがそれぞれ形成され、各ヒンジ穴11gに挿通するピン11hを介して傾斜梁5が回動可能に支持される(図4〜8参照)。
【0035】
図4に示すように、傾斜梁5の上端部から突出するブラケット51が形成され、このブラケット51にピン11hが貫通する。これにより、左右の傾斜梁5が頂部継手11に対して所定の角度範囲で回動する。左右の傾斜梁5が所定角度で拡がった状態で、傾斜梁5の外周面が傾斜梁支持部11bに押し当てられ、傾斜梁5のガタツキが抑えられる。
【0036】
頂部継手11の頂梁支持部11cには1対のヒンジ穴11dが形成され、各ヒンジ穴11dに挿通するピン11eを介して頂梁6が回動可能に支持される(図9〜13参照)。
【0037】
図9に示すように、頂梁6の両端部から下方に突出するブラケット61が形成され、このブラケット61にピン11eが貫通する。これにより、頂梁6が頂部継手11に対して所定の角度範囲で回動する。頂梁6が略水平に延びた状態で、頂梁6の外周面が頂梁支持部11cに押し当てられ、頂梁6のガタツキが抑えられる。
【0038】
頂梁6はその中程で第一、第二頂梁63、64に分割され、この第一、第二頂梁63、64は頂梁切り離し継手65を介して切り離し可能に連結される。
【0039】
図16に示すように、頂梁切り離し継手65は、第一、第二頂梁63、64の端部に連結される継手管66、67を備え、継手管66の先端部が継手管67の先端部の内側に差し込まれる。継手管66の外周面から出没可能に突出するストッパピン68が設けられ、このストッパピン68が継手管67のピン穴69に嵌合することにより継手管66、67の抜け止めが行われる。ストッパピン68を突出方向に付勢するスプリング70が設けられる。
【0040】
頂梁切り離し継手65によって第一、第二頂梁63、64が連結された状態にて、第一、第二頂梁63、64は互いに直線上に延びるように保持される。
【0041】
第一、第二頂梁63、64を切り離す場合、スプリング70に抗してストッパピン68を継手管66の外周面から突出しないように押し込むことにより、継手管66の先端部が継手管67の先端部から抜き取られる。
【0042】
なお、頂梁切り離し継手65によって切り離された継手管66、67を結ぶ索具を設けて、テントの組立時に継手管66、67どうしの組み付けを案内するようにしても良い。
【0043】
肩梁3はその中程で第一、第二肩梁33、34に分割され、この第一、第二肩梁33、34は肩梁中央部継手35を介して折り畳み可能に連結される。
【0044】
図17の(a)、(b)、(c)は、肩梁中央部継手35の継手管36、37が折り畳まれる様子を示す図である。
【0045】
図17の(a)に示すように、肩梁中央部継手35は、第一、第二肩梁33、34の端部に連結される継手管36、37と、この継手管36、37に対してその両端部がピン38、39を介して回動可能に連結される対のリンク40とを備える。継手管36、37には固定ストッパピン78、79が取り付けられ、第一、第二肩梁33、34が直線上に延びた状態で、各リンク40が固定ストッパピン78、79に当接し、第一、第二肩梁33、34がそれ以上に曲折することを係止する。肩梁中央部継手35は、重力が各リンク40を固定ストッパピン78、79に当接させる方向に働き、肩梁3の第一、第二肩梁33、34が互いに軸方向に延びるように保持される。
【0046】
肩梁中央部継手35は、各ピン38、39を各傾斜梁5を含む平面に対して直交するように配置し、第一、第二肩梁33、34が各傾斜梁5を含む平面に沿って折り畳まれる構成とする。このため、ピン38、39と各ピン10mとは、図4に示す側面図上において、傾斜梁5と直交するように配置される。これにより、図17の(b)、(c)に示すように、第一、第二肩梁33、34が各傾斜梁5に沿うように折り畳まれる。
【0047】
図1に示すように、テント骨組1が組み立てられた状態にて、伸張した4本の支柱2が接地して立てられ、各支柱2の上に肩梁3と横梁4と傾斜梁5と頂梁6とによって切妻形屋根部9が構成され、この切妻形屋根部9に図示しないテントキャンバスが張設されて、日除け、雨除けの役目が果たされる。
【0048】
テント骨組1は、組み立てられた状態にて、頂梁6が頂梁切り離し継手65によって直線上に延びるように保持されるため、頂梁6を介して各頂部継手11の位置及び姿勢が定まる。そして、横梁4が横梁中央部継手45によって直線上に延びるように保持され、肩梁3が肩梁中央部継手35によって直線上に延びるように保持され、頂梁6が頂部継手11によって水平に延びるように保持されるとともに、各傾斜梁5が頂部継手11によって所定角度以上に拡がらないように保持される。また、支柱2と横梁4と肩梁3とが隅部継手10によって所定角度以上に拡がらないように保持される。これにより、テント骨組1は切妻形屋根部9の骨組形状が維持され、雨、風等の外力に対抗する剛性が十分に確保される。
【0049】
以下、テント骨組1が折り畳まれる手順について説明する。
【0050】
・図2の(a)(b)(c)に示すように、支柱2を収縮させるとともに、各ブレス7、8の上端を外し、支柱2を横梁4に沿うように折り畳む。なお、図2の(b)または(c)に示すように、テント骨組1の屋根部が低くなった状態にて、テント骨組1に張設されていたテントキャンバスが外される。
【0051】
・図2の(d)に示すように、頂梁切り離し継手65を介して頂梁6の第一、第二頂梁63、64を切り離す。
【0052】
・図2の(d)(e)(f)と図3の(2)〜(5)(2′)〜(5′)にそれぞれ示すように、肩梁3の第一、第二肩梁33、34、横梁4の第一、第二横梁43、44が隅部継手10を介して傾斜梁5に沿うように折り畳まれる。このとき、頂梁6は頂梁切り離し継手65によって第一、第二頂梁63、64が切り離されているため、各隅部継手10が接地した状態を維持しながら、第一、第二肩梁33、34、第一、第二横梁43、44を引き寄せ、テント骨組1を円滑に折り畳むことができる。
【0053】
これに対して、頂梁6の第一、第二頂梁63、64が切り離されず、頂梁切り離し継手によって曲折可能に連結されている場合、第一、第二肩梁33、34、第一、第二横梁43、44を引き寄せるのに伴って、第一、第二頂梁63、64が地面に突き当たってしまい、各隅部継手10が浮き上がり、テント骨組1を円滑に折り畳むことができない。
【0054】
・図2の(f)と図3の(5)(5′)に示すように、最終的にテント骨組1は、4本の傾斜梁5の内側に第一、第二肩梁33、34、第一、第二横梁43、44、第一、第二頂梁63、64が収まり、折り畳まれたテント骨組1のコンパクト化が図られる。
【0055】
本発明は、接地して上方向に延びる少なくとも4本の支柱2と、各支柱2の上端部間にて左右方向に延びる前後の肩梁3と、各支柱2の上端部間にて前後方向に延びる左右の横梁4と、各支柱2の上端部間にて前後斜め上方向に延びる少なくとも4本の傾斜梁5と、この各傾斜梁5の上端部を連結する頂部に渡って左右方向に延びる頂梁6と備え、各支柱2の上に肩梁3と横梁4と傾斜梁5と頂梁6とによって切妻形屋根部9が構成される催事用テントであって、支柱2と横梁4と傾斜梁5とを互いに曲折可能に連結する隅部継手10と、各傾斜梁5と頂梁6とを折り畳み可能に連結する頂部継手11と、横梁4の中央部を曲折可能に連結する横梁中央部継手45と、肩梁3の中央部を曲折可能に連結する肩梁中央部継手35と、頂梁6の中央部を切り離し可能に連結する頂梁切り離し継手65とを備え、頂梁6の中央部を切り離して支柱2と肩梁3と横梁4と頂梁6とがそれぞれ傾斜梁5に沿うように折り畳まれる構成とした。
【0056】
これにより、テント骨組1の折り畳み時、頂梁切り離し継手65を介して頂梁6の中央部を切り離す構造のため、横梁4の中程と肩梁3の中央部をそれぞれ切り離すことなく一体として折り畳むことが可能となる。このため、テント骨組1を従来のように複数ユニットに分割する必要がなく、テント骨組1の組み立て作業、収納作業等を容易に行える。
【0057】
テント骨組1は、組み立てられた状態にて、頂梁6が頂梁切り離し継手65によって直線上に延びるように保持されるため、頂梁6を介して各頂部継手11の位置及び姿勢が定まり、テント骨組1は切妻形屋根部9の骨組形状が維持され、雨、風等の外力に対抗する剛性が十分に確保される。
【0058】
本実施形態は、支柱2と肩梁3と横梁4と傾斜梁5とを折り畳み可能に連結する隅部継手10を備え、この各隅部継手10を傾斜梁5の下端部に固定し、隅部継手10を介して折り畳まれた支柱2と横梁4と肩梁3とが各傾斜梁5の内側に収まる構成とした。
【0059】
これにより、折り畳まれたテント骨組1のコンパクト化が図られ、収納スペースが小さくて済む。
【0060】
本実施形態は、肩梁3を第一、第二肩梁33、34に分割し、肩梁中央部継手35は第一、第二肩梁33、34を回動可能に支持するピン38、39を備え、各ピン38、39を各傾斜梁5を含む平面に対して直交するように配置し、第一、第二肩梁33、34が各傾斜梁5を含む平面に沿って折り畳まれる構成とする。
【0061】
これにより、第一、第二肩梁33、34が各傾斜梁5に沿うように折り畳まれ、折り畳まれたテント骨組1のコンパクト化が図られ、収納スペースが小さくて済む。
【0062】
他の実施の形態として、図18に示すように、テント骨組1は、接地して上方向に延びる6本の支柱2を備え、各支柱2の上に2つの切妻形屋根部9を設けても良い。
【0063】
この場合も、切妻形屋根部9の頂梁6の中央部を切り離すことにより、2つの切妻形屋根部9及び6本の支柱2をそれぞれ切り離すことなく一体として折り畳むことが可能となる。
【0064】
なお、テント骨組1は、これに限らず、3つ以上の切妻形屋根部9が並ぶ構成とすることもできる。
【0065】
本発明は上記の実施の形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の実施の形態を示すテント骨組の斜視図。
【図2】同じくテント骨組が折り畳まれる手順を示す斜視図。
【図3】同じくテント骨組が折り畳まれる手順を示す側面図と正面図。
【図4】同じくテント骨組の側面図。
【図5】同じくテント骨組の側面図。
【図6】同じくテント骨組の側面図。
【図7】同じくテント骨組の側面図。
【図8】同じくテント骨組の側面図。
【図9】同じくテント骨組の正面図。
【図10】同じくテント骨組の正面図。
【図11】同じくテント骨組の正面図。
【図12】同じくテント骨組の正面図。
【図13】同じくテント骨組の正面図。
【図14】同じくテント骨組の正面図。
【図15】同じく隅部継手の正面図と側面図。
【図16】同じく頂梁切り離し継手の正面図と側面図。
【図17】同じく肩梁中央部継手の正面図。
【図18】他の実施の形態を示すテント骨組の斜視図。
【符号の説明】
【0067】
1 テント骨組
2 支柱
3 横梁
4 横梁
5 傾斜梁
6 頂梁
9 切妻形屋根部
10 隅部継手
11 頂部継手
33、34 第一、第二肩梁
35 肩梁中央部継手
38、39 ピン
45 横梁中央部継手
65 頂梁切り離し継手
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の集会や催物の際に日除け或いは雨除け用等として使用される催事用テントに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、この種の催事用テントは、各支柱の上に切妻形屋根部を構成するテント骨組を備えている。
【0003】
特許文献1に開示された催事用テントは、テント骨組を複数のユニットに分割して折り畳むようになっている。
【特許文献1】特開2001−303800号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来の催事用テントにあっては、折り畳まれたテント骨組は、複数のユニットに分割されるため、次回のテント骨組の組み立て作業をスムーズに行えないという問題点があった。
【0005】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、テント骨組を一体として折り畳むことが可能な催事用テントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、接地して上方向に延びる少なくとも4本の支柱と、各支柱の上端部間にて左右方向に延びる前後の肩梁と、各支柱の上端部間にて前後方向に延びる左右の横梁と、各支柱の上端部間にて前後斜め上方向に延びる少なくとも4本の傾斜梁と、この各傾斜梁の上端部を連結する頂部に渡って左右方向に延びる頂梁と備え、各支柱の上に各肩梁と各横梁と各傾斜梁と頂梁とによって切妻形屋根部が構成される催事用テントであって、支柱と横梁と傾斜梁とを互いに曲折可能に連結する隅部継手と、各傾斜梁と頂梁とを折り畳み可能に連結する頂部継手と、横梁の中央部を曲折可能に連結する横梁中央部継手と、肩梁の中央部を曲折可能に連結する肩梁中央部継手と、頂梁の中央部を切り離し可能に連結する頂梁切り離し継手とを備え、頂梁の中央部を切り離して支柱と肩梁と横梁と頂梁とがそれぞれ傾斜梁に沿うように折り畳まれる構成とした。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、テント骨組の折り畳み時、頂梁切り離し継手を介して頂梁の中央部を切り離す構造ため、横梁の中程と肩梁の中央部をそれぞれ切り離すことなく一体として折り畳むことが可能となる。このため、テント骨組を従来のように複数ユニットに分割する必要がなく、テント骨組の組み立て作業、収納作業等を容易に行える。
【0008】
テント骨組は、組み立てられた状態にて、頂梁が頂梁切り離し継手によって接続されるため、頂梁を介して各頂部継の位置及び姿勢が定まり、切妻形屋根部の骨組形状が維持され、雨、風等の外力に対抗する剛性が十分に確保される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0010】
図1は催事用テントに設けられるテント骨組1の概略構成を示す斜視図である。このテント骨組1は、接地する4本の支柱2を備え、この各支柱2の上に切妻形屋根部9が構成される。この切妻形屋根部9には、図示しないテントキャンバスが張設されて、日除け、雨除けの役目が果たされる。なお、各支柱2の間にテントキャンバスを張り巡らしても良い。
【0011】
テント骨組1の屋根部は、各支柱2の上端部間にて左右方向に延びる肩梁3と、各支柱2の上端部間にて前後方向に延びる横梁4と、各支柱2の上端部間にて前後斜め上方向に延びる4本の傾斜梁5と、これら傾斜梁5の上端部を連結する頂部に渡って左右方向に延びる1本の頂梁6と備える。肩梁3と横梁4は平面図上において矩形に配置され、頂梁6はこの矩形の中央に配置される。
【0012】
テント骨組1を構成する各支柱2、肩梁3、横梁4、傾斜梁5、頂梁6は、例えばアルミパイプ等の金属管によって形成される。
【0013】
図2の(a)〜(f)はテント骨組1が折り畳まれる手順を示す斜視図である。図3の(1)〜(5)はテント骨組1が折り畳まれる手順を示す側面図であり、図4〜8は図3の(1)〜(5)をそれぞれ拡大した図である。図3の(1′)〜(5′)は、テント骨組1が折り畳まれる手順を示す正面図であり、図9〜13は図3の(1′)〜(5′)をそれぞれ拡大した図である。
【0014】
これらの図に示すように、テント骨組1は、肩梁3、横梁4をそれぞれ曲折可能に2分割するとともに、頂梁6をその中程で切り離し可能に2分割し、各支柱2と肩梁3と横梁4と頂梁6とが傾斜梁5に対して沿うように一体として折り畳まれ、従来のように複数のユニットに分割する必要がない。
【0015】
図4、9は各支柱2が収縮した状態を示す。支柱2は、支柱上部21と支柱下部22とに伸縮可能に分割される。支柱上部21と支柱下部22とは、径が異なる金属管によって形成され、支柱上部21の内側に支柱下部22が摺動可能に嵌合している。支柱上部21と支柱下部22の伸縮は、図示しないクランプにより係止される。
【0016】
図4、9に示すように支柱2が立てられ状態にて、支柱2が倒れないように支持する係止手段として、支柱2と横梁4とに渡ってブレス8が斜めに掛け渡されるとともに、支柱2と肩梁3とに渡ってブレス7が斜めに掛け渡され、各ブレス8、7を介して支柱2が倒れないように支持される。
【0017】
ブレス8は、その下端部がピン23を介して支柱2に回動可能に連結され、その上端部が横梁4に取り付けられた金具25に対して着脱可能に連結される。
【0018】
ブレス7は、その下端部がピン26を介して支柱2に回動可能に連結され、その上端部が横梁4に取り付けられた金具27に対して着脱可能に連結される。
【0019】
なお、支柱2が倒れないように支持する係止手段は、上記した各ブレス8、7に限らず、他の機構を用いても良い。
【0020】
テント骨組1の屋根部の4隅には、各隅部継手10がそれぞれ設けられる。各隅部継手10には各傾斜梁5の下端部が固定され、隅部継手10を介して各支柱2と横梁4と肩梁3がそれぞれ傾斜梁5に沿うように折り畳まれる。
【0021】
図14の(a)、(b)は、図9の左側に設けられる隅部継手10の正面図と側面図である。この隅部継手10は、支柱2の延長上に設けられる断面U字形の支柱支持部10aと、傾斜梁5の延長上に設けられる断面U字形の傾斜梁支持部10bと、肩梁3の延長上に設けられる断面U字形の肩梁支持部10cとを有する。これらの支柱支持部10aと傾斜梁支持部10bと肩梁支持部10cとは、それぞれ断面U字形に曲げられた金属板によって形成され、円管状の支柱2、傾斜梁5、横梁4の各外周面に沿って半円弧状に湾曲している。
【0022】
隅部継手10の傾斜梁支持部10bには2対のボルト穴10eが形成され、各ボルト穴10eに挿通する2本のボルト10fを介して傾斜梁5が固定される(図4参照)。
【0023】
隅部継手10の支柱支持部10aには1対のヒンジ穴10gが形成され、各ヒンジ穴10gに挿通するピン10hを介して支柱2が回動可能に支持される(図4〜8参照)。
【0024】
図4に示すように、支柱2の上端部からテント内側に向けて突出するブラケット28が形成され、このブラケット28にピン10hが貫通する。これにより、支柱2が隅部継手10に対して所定の角度範囲で回動する。支柱2が略垂直に立てられた状態で、支柱2の外周面が支柱支持部10aに押し当てられ、支柱2のガタツキが抑えられる。
【0025】
隅部継手10の傾斜梁支持部10bには1対のヒンジ穴10iが形成され、各ヒンジ穴10iに挿通するピン10jを介して横梁4が回動可能に支持される(図4〜8参照)。
【0026】
図4に示すように、傾斜梁5の両端部から上方向に向けて突出するブラケット41が形成され、このブラケット41にピン10jが貫通する。
【0027】
隅部継手10の肩梁支持部10cには1対のヒンジ穴10kが形成され、各ヒンジ穴10kに挿通するピン10mを介して肩梁3が回動可能に支持される(図9〜13参照)。
【0028】
図9に示すように、肩梁3の両端部から上方向に向けて突出するブラケット31が形成され、このブラケット31にピン10mが貫通する。これにより、肩梁3が隅部継手10に対して所定の角度範囲で回動する。肩梁3が各支柱2に対して略直交する状態で、肩梁3の外周面が肩梁支持部10cに押し当てられ、肩梁3のガタツキが抑えられる。
【0029】
横梁4はその中程で第一、第二横梁43、44に分割され、この第一、第二横梁43、44は横梁中央部継手45を介して切り離し可能に連結される。
【0030】
図4に示すように、横梁中央部継手45は、第一、第二横梁43、44の端部に結合される継手管46、47を備え、この継手管46、47はピン48を介して回動可能に連結される。このピン48は隅部継手10のピン10jと平行に、かつ図9に示す正面図において支柱2と傾斜梁5と直交するように配置される。これにより、図5〜8に示すように、第一、第二横梁43、44は傾斜梁5と支柱2とに沿うように折り畳まれる。
【0031】
横梁中央部継手45の継手管47は、図4に示すように第一、第二横梁43、44が直線上に延びた状態で継手管46に当接するストッパレバー部47aを有し、第一、第二横梁43、44がそれ以上曲折しないように係止する。横梁中央部継手45は、重力が各ストッパレバー部47aを継手管46に当接させる方向に働き、横梁4の第一、第二横梁43、44が互いに軸方向に延びるように保持される。
【0032】
切妻形屋根部9の頂部には、その左右端に頂部継手11がそれぞれ設けられる。各頂部継手11を介して頂梁6と各傾斜梁5とが互いに沿うように折り畳まれる。
【0033】
頂部継手11は、傾斜梁5の延長上に設けられる断面U字形をした前後の傾斜梁支持部11bと、頂梁6の延長上に設けられる断面U字形をした頂梁支持部11cとを有する。これらの傾斜梁支持部11bと頂梁支持部11cとは、それぞれ断面U字形に曲げられた金属板によって形成され、円管状の傾斜梁5、頂梁6の各外周面に沿って断面半円弧状に湾曲している。
【0034】
頂部継手11の各傾斜梁支持部11bには、1対のヒンジ穴11gがそれぞれ形成され、各ヒンジ穴11gに挿通するピン11hを介して傾斜梁5が回動可能に支持される(図4〜8参照)。
【0035】
図4に示すように、傾斜梁5の上端部から突出するブラケット51が形成され、このブラケット51にピン11hが貫通する。これにより、左右の傾斜梁5が頂部継手11に対して所定の角度範囲で回動する。左右の傾斜梁5が所定角度で拡がった状態で、傾斜梁5の外周面が傾斜梁支持部11bに押し当てられ、傾斜梁5のガタツキが抑えられる。
【0036】
頂部継手11の頂梁支持部11cには1対のヒンジ穴11dが形成され、各ヒンジ穴11dに挿通するピン11eを介して頂梁6が回動可能に支持される(図9〜13参照)。
【0037】
図9に示すように、頂梁6の両端部から下方に突出するブラケット61が形成され、このブラケット61にピン11eが貫通する。これにより、頂梁6が頂部継手11に対して所定の角度範囲で回動する。頂梁6が略水平に延びた状態で、頂梁6の外周面が頂梁支持部11cに押し当てられ、頂梁6のガタツキが抑えられる。
【0038】
頂梁6はその中程で第一、第二頂梁63、64に分割され、この第一、第二頂梁63、64は頂梁切り離し継手65を介して切り離し可能に連結される。
【0039】
図16に示すように、頂梁切り離し継手65は、第一、第二頂梁63、64の端部に連結される継手管66、67を備え、継手管66の先端部が継手管67の先端部の内側に差し込まれる。継手管66の外周面から出没可能に突出するストッパピン68が設けられ、このストッパピン68が継手管67のピン穴69に嵌合することにより継手管66、67の抜け止めが行われる。ストッパピン68を突出方向に付勢するスプリング70が設けられる。
【0040】
頂梁切り離し継手65によって第一、第二頂梁63、64が連結された状態にて、第一、第二頂梁63、64は互いに直線上に延びるように保持される。
【0041】
第一、第二頂梁63、64を切り離す場合、スプリング70に抗してストッパピン68を継手管66の外周面から突出しないように押し込むことにより、継手管66の先端部が継手管67の先端部から抜き取られる。
【0042】
なお、頂梁切り離し継手65によって切り離された継手管66、67を結ぶ索具を設けて、テントの組立時に継手管66、67どうしの組み付けを案内するようにしても良い。
【0043】
肩梁3はその中程で第一、第二肩梁33、34に分割され、この第一、第二肩梁33、34は肩梁中央部継手35を介して折り畳み可能に連結される。
【0044】
図17の(a)、(b)、(c)は、肩梁中央部継手35の継手管36、37が折り畳まれる様子を示す図である。
【0045】
図17の(a)に示すように、肩梁中央部継手35は、第一、第二肩梁33、34の端部に連結される継手管36、37と、この継手管36、37に対してその両端部がピン38、39を介して回動可能に連結される対のリンク40とを備える。継手管36、37には固定ストッパピン78、79が取り付けられ、第一、第二肩梁33、34が直線上に延びた状態で、各リンク40が固定ストッパピン78、79に当接し、第一、第二肩梁33、34がそれ以上に曲折することを係止する。肩梁中央部継手35は、重力が各リンク40を固定ストッパピン78、79に当接させる方向に働き、肩梁3の第一、第二肩梁33、34が互いに軸方向に延びるように保持される。
【0046】
肩梁中央部継手35は、各ピン38、39を各傾斜梁5を含む平面に対して直交するように配置し、第一、第二肩梁33、34が各傾斜梁5を含む平面に沿って折り畳まれる構成とする。このため、ピン38、39と各ピン10mとは、図4に示す側面図上において、傾斜梁5と直交するように配置される。これにより、図17の(b)、(c)に示すように、第一、第二肩梁33、34が各傾斜梁5に沿うように折り畳まれる。
【0047】
図1に示すように、テント骨組1が組み立てられた状態にて、伸張した4本の支柱2が接地して立てられ、各支柱2の上に肩梁3と横梁4と傾斜梁5と頂梁6とによって切妻形屋根部9が構成され、この切妻形屋根部9に図示しないテントキャンバスが張設されて、日除け、雨除けの役目が果たされる。
【0048】
テント骨組1は、組み立てられた状態にて、頂梁6が頂梁切り離し継手65によって直線上に延びるように保持されるため、頂梁6を介して各頂部継手11の位置及び姿勢が定まる。そして、横梁4が横梁中央部継手45によって直線上に延びるように保持され、肩梁3が肩梁中央部継手35によって直線上に延びるように保持され、頂梁6が頂部継手11によって水平に延びるように保持されるとともに、各傾斜梁5が頂部継手11によって所定角度以上に拡がらないように保持される。また、支柱2と横梁4と肩梁3とが隅部継手10によって所定角度以上に拡がらないように保持される。これにより、テント骨組1は切妻形屋根部9の骨組形状が維持され、雨、風等の外力に対抗する剛性が十分に確保される。
【0049】
以下、テント骨組1が折り畳まれる手順について説明する。
【0050】
・図2の(a)(b)(c)に示すように、支柱2を収縮させるとともに、各ブレス7、8の上端を外し、支柱2を横梁4に沿うように折り畳む。なお、図2の(b)または(c)に示すように、テント骨組1の屋根部が低くなった状態にて、テント骨組1に張設されていたテントキャンバスが外される。
【0051】
・図2の(d)に示すように、頂梁切り離し継手65を介して頂梁6の第一、第二頂梁63、64を切り離す。
【0052】
・図2の(d)(e)(f)と図3の(2)〜(5)(2′)〜(5′)にそれぞれ示すように、肩梁3の第一、第二肩梁33、34、横梁4の第一、第二横梁43、44が隅部継手10を介して傾斜梁5に沿うように折り畳まれる。このとき、頂梁6は頂梁切り離し継手65によって第一、第二頂梁63、64が切り離されているため、各隅部継手10が接地した状態を維持しながら、第一、第二肩梁33、34、第一、第二横梁43、44を引き寄せ、テント骨組1を円滑に折り畳むことができる。
【0053】
これに対して、頂梁6の第一、第二頂梁63、64が切り離されず、頂梁切り離し継手によって曲折可能に連結されている場合、第一、第二肩梁33、34、第一、第二横梁43、44を引き寄せるのに伴って、第一、第二頂梁63、64が地面に突き当たってしまい、各隅部継手10が浮き上がり、テント骨組1を円滑に折り畳むことができない。
【0054】
・図2の(f)と図3の(5)(5′)に示すように、最終的にテント骨組1は、4本の傾斜梁5の内側に第一、第二肩梁33、34、第一、第二横梁43、44、第一、第二頂梁63、64が収まり、折り畳まれたテント骨組1のコンパクト化が図られる。
【0055】
本発明は、接地して上方向に延びる少なくとも4本の支柱2と、各支柱2の上端部間にて左右方向に延びる前後の肩梁3と、各支柱2の上端部間にて前後方向に延びる左右の横梁4と、各支柱2の上端部間にて前後斜め上方向に延びる少なくとも4本の傾斜梁5と、この各傾斜梁5の上端部を連結する頂部に渡って左右方向に延びる頂梁6と備え、各支柱2の上に肩梁3と横梁4と傾斜梁5と頂梁6とによって切妻形屋根部9が構成される催事用テントであって、支柱2と横梁4と傾斜梁5とを互いに曲折可能に連結する隅部継手10と、各傾斜梁5と頂梁6とを折り畳み可能に連結する頂部継手11と、横梁4の中央部を曲折可能に連結する横梁中央部継手45と、肩梁3の中央部を曲折可能に連結する肩梁中央部継手35と、頂梁6の中央部を切り離し可能に連結する頂梁切り離し継手65とを備え、頂梁6の中央部を切り離して支柱2と肩梁3と横梁4と頂梁6とがそれぞれ傾斜梁5に沿うように折り畳まれる構成とした。
【0056】
これにより、テント骨組1の折り畳み時、頂梁切り離し継手65を介して頂梁6の中央部を切り離す構造のため、横梁4の中程と肩梁3の中央部をそれぞれ切り離すことなく一体として折り畳むことが可能となる。このため、テント骨組1を従来のように複数ユニットに分割する必要がなく、テント骨組1の組み立て作業、収納作業等を容易に行える。
【0057】
テント骨組1は、組み立てられた状態にて、頂梁6が頂梁切り離し継手65によって直線上に延びるように保持されるため、頂梁6を介して各頂部継手11の位置及び姿勢が定まり、テント骨組1は切妻形屋根部9の骨組形状が維持され、雨、風等の外力に対抗する剛性が十分に確保される。
【0058】
本実施形態は、支柱2と肩梁3と横梁4と傾斜梁5とを折り畳み可能に連結する隅部継手10を備え、この各隅部継手10を傾斜梁5の下端部に固定し、隅部継手10を介して折り畳まれた支柱2と横梁4と肩梁3とが各傾斜梁5の内側に収まる構成とした。
【0059】
これにより、折り畳まれたテント骨組1のコンパクト化が図られ、収納スペースが小さくて済む。
【0060】
本実施形態は、肩梁3を第一、第二肩梁33、34に分割し、肩梁中央部継手35は第一、第二肩梁33、34を回動可能に支持するピン38、39を備え、各ピン38、39を各傾斜梁5を含む平面に対して直交するように配置し、第一、第二肩梁33、34が各傾斜梁5を含む平面に沿って折り畳まれる構成とする。
【0061】
これにより、第一、第二肩梁33、34が各傾斜梁5に沿うように折り畳まれ、折り畳まれたテント骨組1のコンパクト化が図られ、収納スペースが小さくて済む。
【0062】
他の実施の形態として、図18に示すように、テント骨組1は、接地して上方向に延びる6本の支柱2を備え、各支柱2の上に2つの切妻形屋根部9を設けても良い。
【0063】
この場合も、切妻形屋根部9の頂梁6の中央部を切り離すことにより、2つの切妻形屋根部9及び6本の支柱2をそれぞれ切り離すことなく一体として折り畳むことが可能となる。
【0064】
なお、テント骨組1は、これに限らず、3つ以上の切妻形屋根部9が並ぶ構成とすることもできる。
【0065】
本発明は上記の実施の形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の実施の形態を示すテント骨組の斜視図。
【図2】同じくテント骨組が折り畳まれる手順を示す斜視図。
【図3】同じくテント骨組が折り畳まれる手順を示す側面図と正面図。
【図4】同じくテント骨組の側面図。
【図5】同じくテント骨組の側面図。
【図6】同じくテント骨組の側面図。
【図7】同じくテント骨組の側面図。
【図8】同じくテント骨組の側面図。
【図9】同じくテント骨組の正面図。
【図10】同じくテント骨組の正面図。
【図11】同じくテント骨組の正面図。
【図12】同じくテント骨組の正面図。
【図13】同じくテント骨組の正面図。
【図14】同じくテント骨組の正面図。
【図15】同じく隅部継手の正面図と側面図。
【図16】同じく頂梁切り離し継手の正面図と側面図。
【図17】同じく肩梁中央部継手の正面図。
【図18】他の実施の形態を示すテント骨組の斜視図。
【符号の説明】
【0067】
1 テント骨組
2 支柱
3 横梁
4 横梁
5 傾斜梁
6 頂梁
9 切妻形屋根部
10 隅部継手
11 頂部継手
33、34 第一、第二肩梁
35 肩梁中央部継手
38、39 ピン
45 横梁中央部継手
65 頂梁切り離し継手
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接地して上方向に延びる少なくとも4本の支柱と、
この各支柱の上端部間にて左右方向に延びる前後の肩梁と、
前記各支柱の上端部間にて前後方向に延びる左右の横梁と、
前記各支柱の上端部間にて前後斜め上方向に延びる少なくとも4本の傾斜梁と、
この各傾斜梁の上端部を連結する頂部に渡って左右方向に延びる頂梁と備え、
前記各支柱の上に前記各肩梁と前記各横梁と前記各傾斜梁と前記頂梁とによって切妻形屋根部が構成される催事用テントであって、
前記支柱と前記横梁と前記傾斜梁とを互いに曲折可能に連結する隅部継手と、
前記各傾斜梁と前記頂梁とを折り畳み可能に連結する頂部継手と、
前記横梁の中央部を曲折可能に連結する横梁中央部継手と、
前記肩梁の中央部を曲折可能に連結する肩梁中央部継手と、
前記頂梁の中央部を切り離し可能に連結する頂梁切り離し継手と、を備え、
前記頂梁の中央部を切り離して前記支柱と前記肩梁と前記横梁と前記頂梁とがそれぞれ前記傾斜梁に沿うように折り畳まれる構成としたことを特徴とする催事用テント。
【請求項2】
前記支柱と前記肩梁と前記横梁と前記傾斜梁とを折り畳み可能に連結する隅部継手を備え、
この各隅部継手を前記傾斜梁の下端部に固定し、
前記隅部継手を介して折り畳まれた前記支柱と前記横梁と前記肩梁とが前記各傾斜梁の内側に収まる構成としたことを特徴とする請求項1に記載の催事用テント。
【請求項3】
前記肩梁を第一、第二肩梁に分割し、
前記肩梁中央部継手は前記第一、第二肩梁を回動可能に支持するピンを備え、
このピンを前記各傾斜梁を含む平面に対して直交するように配置し、
前記第一、第二肩梁が前記各傾斜梁を含む平面に沿って折り畳まれる構成としたことを特徴とする請求項1または2に記載の催事用テント。
【請求項1】
接地して上方向に延びる少なくとも4本の支柱と、
この各支柱の上端部間にて左右方向に延びる前後の肩梁と、
前記各支柱の上端部間にて前後方向に延びる左右の横梁と、
前記各支柱の上端部間にて前後斜め上方向に延びる少なくとも4本の傾斜梁と、
この各傾斜梁の上端部を連結する頂部に渡って左右方向に延びる頂梁と備え、
前記各支柱の上に前記各肩梁と前記各横梁と前記各傾斜梁と前記頂梁とによって切妻形屋根部が構成される催事用テントであって、
前記支柱と前記横梁と前記傾斜梁とを互いに曲折可能に連結する隅部継手と、
前記各傾斜梁と前記頂梁とを折り畳み可能に連結する頂部継手と、
前記横梁の中央部を曲折可能に連結する横梁中央部継手と、
前記肩梁の中央部を曲折可能に連結する肩梁中央部継手と、
前記頂梁の中央部を切り離し可能に連結する頂梁切り離し継手と、を備え、
前記頂梁の中央部を切り離して前記支柱と前記肩梁と前記横梁と前記頂梁とがそれぞれ前記傾斜梁に沿うように折り畳まれる構成としたことを特徴とする催事用テント。
【請求項2】
前記支柱と前記肩梁と前記横梁と前記傾斜梁とを折り畳み可能に連結する隅部継手を備え、
この各隅部継手を前記傾斜梁の下端部に固定し、
前記隅部継手を介して折り畳まれた前記支柱と前記横梁と前記肩梁とが前記各傾斜梁の内側に収まる構成としたことを特徴とする請求項1に記載の催事用テント。
【請求項3】
前記肩梁を第一、第二肩梁に分割し、
前記肩梁中央部継手は前記第一、第二肩梁を回動可能に支持するピンを備え、
このピンを前記各傾斜梁を含む平面に対して直交するように配置し、
前記第一、第二肩梁が前記各傾斜梁を含む平面に沿って折り畳まれる構成としたことを特徴とする請求項1または2に記載の催事用テント。
【図1】
【図2】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図3】
【図2】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図3】
【公開番号】特開2009−91767(P2009−91767A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−262087(P2007−262087)
【出願日】平成19年10月5日(2007.10.5)
【出願人】(392022905)ゴトー工業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月5日(2007.10.5)
【出願人】(392022905)ゴトー工業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
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