説明

傷害を処置するための方法及び組成物

【発明の詳細な説明】
本発明は、傷害、特に放射線又は化学療法に起因する傷害の処置に関する。より詳細には、本発明は、癌及び他の増殖性疾患の処置に付随する他の健康組織の傷害、及び骨髄移植をする際の他の健康組織の傷害を改善することに関する。
脱毛症は、正常には毛髪が存在しているヒフ領域から毛髪が消失し、又は不足している。これには、男性形態の禿頭、炎症性毛髪喪失、薬物誘発性の毛髪喪失、放射線誘発性の毛髪喪失、及び種々の症候群が包含される。セラチア・マルセスセンス(Serratia marcescens)細菌によって引き起こされる生物学的応答の改質物質(modifier)、ImuVertはシトシン・アラビノシド及びドキソルビシンで処置された8日令ラットの脱毛症を予防するが、シクロホスファミドにより誘発される脱毛症は予防しないことが最近報告された[HusseinらのScience 249:1564−1566(1990年9月28日)]。
D−因子(以下、DFと呼ぶ)は既知の分子である。これは、培養されたラット交感神経ニューロンによって作成される神経伝達表現型の選択を指令することができ、胚幹細胞及び骨髄細胞の分化と増殖を調節し、また肝細胞における急性期タンパク質合成及び骨再構成を刺激する。これはDIA、DIF、DRF、HSFIII、ヒトインターロイキンDA(HILDA)及びLIF(白血病阻止因子)と呼ばれている。このサイトカインは単球細胞、巨核球、胚幹細胞、肝細胞、脂肪細胞、骨芽細胞及び神経細胞などの多くの組織並びに細胞タイプの機能、増殖及び分化を胎児及び成人において調節する点で、LI−6及びTGF−βに匹敵するものである。YamamoriらのScience 246:1412(1989)、LoweらのDNA8(5):351(1989)、及びAbeらのJ.Biol.Chem.264(15):8941(1989)を参照のこと。DFはまた、骨髄性白血病細胞の分化を誘導することが知られているので、当業界では骨髄性白血病の処置に有用であると提示されている。DFの精製は現在、大規模な商業的発展に寄与しえない複雑な方法によって行われている[HiltonらのAnalyt.Biochem.173:359(1988)]。
ヒト成長ホルモン(hGH)はヒト下垂体にて分泌される。その成熟型は191個のアミノ酸から構成され、約22,000の分子量を有している。そのアミノ酸の配列及び特性は例えば、Hormone Drugs,Geuriguianら,U.S.P.会合,ロックビルMd(1982)に記載されている。
hGHは下垂体機能低下性小人症の処置に使用されており、火傷、創傷治癒、ジストロフィー、骨ニッティング、広汎性胃出血、及び偽関節の処置が提示されている。hGHの主要な生物学的作用は成長の促進である。影響される器官系として、骨、結合組織、筋肉、並びに肝臓、腸管及び腎臓などの内蔵が挙げられる。成長ホルモンは細胞膜の特異的レセプターと相互作用することによりその作用を発揮する。肺不全及び人工呼吸器依存症の処置に成長ホルモンを投与することが提唱されている。
インターロイキン−1(IL−1)は活性化マクロファージによって産生される。少なくとも2つのタイプが存在し、α及びβと命名されている[MarchらのNature 315:641−647(1985)]。IL−1は広範な生物活性を媒介する。これは、線維芽細胞(フィブロブラスト)の増殖を刺激し、これらの細胞においてコラゲナーゼ、プロスタグランジンE2、及びインターフェロン−2の合成を誘導することにより、脂肪細胞におけるリポプロテイン・リパーゼの活性を減少させ、また破骨細胞を活性化することが見いだされている。
腫瘍壊死因子(TNF)は、マイトジェン刺激マクロファージ(TNF−α)又はリンパ球(TNF−β)によって産生されるポリペプチドであり、これらは特定の悪性トランスフォーム細胞に対して細胞毒性を示すが、ある種の正常細胞には毒性を示さない[E.A.DarswellらのProc.Natl.Acad.Sci.,U.S.A.72:3666,1975;B.J.SugarmanらのScience 230:942,1985;SchultzeらのJ.Immunol.140:3000,1988]。
TNF−αは、癌又は重篤な感染症の患者における消耗及びカヘキシーに関与すると示されており、TNF−α及びTNF−βはともに多くの他の生物学的作用を媒介する。TNFはMHC抗原を誘発することでも知られている。TNFが種々のトランスフォーム及び正常セルラインにMnSODを誘発するとの報告がなされた[WongらのScience 242:941,1988]。
TNFはある投与量では、反応性酸素種によって引き起こされた組織傷害を増大させると、文献において繰り返し示されている[例えば、ClarkらのJ.Cell Biochem.補12A,20頁,1988年1月;SullivanらのInfect.and Immunity 56(7):1722−1729,1988;及びTiegsらのBiochem.Pharmacol.38(4):627−631,1989]。
TNF−α及びIL−1などの他のサイトカイン類は、放射線療法により引き起こされるイオン化放射線の有害作用、例えば酵素の変性、脂質過酸化、及びDNA障害に対して保護作用を有するかもしれず[NetaらのJ.Immunol.136(7):2483,1987;NetaらのLymphokine Res.5ら,前掲;netaらのFed.Proc.46:1200(要約),1987;UrbaschekらのLymphokine Res.6:179,1987;米国特許第4,861,587号;NetaらのJ.Immunol.140:108,1988]、またTNF処置は致死量に近い細胞毒性物質又は照射によって障害された動物における造血を回復させることを促進する[NetaらのBlood 72(3):1093,1988]、と文献では報告されている。TNFによる前処置によりマウスが致死性の細菌感染から保護されたと報告されている[CrossらのJ.Exp.Med.169:2021−2027,1989]。さらに、有害量に近い量のTNF及び/又はIL−1を投与すると、以後のTNF及び/又はIL−1投与の有害作用が調整される場合のあることも示唆されている。この文献はさらに、イオン化放射線を感作物質として投与できることも示唆している[欧州特許出願EP 0 259 862 A2]。また、細胞をTNF又はIL−1のいずれかで前処理すると、以後のTNF−α及びシクロヘキシミドの併用の処置による死亡に対して耐性を付与できることも報告されている[Wallach,J.Immunol.132:2464,1984;HahnらのProc.Natl.Acad.Sci.,U.S.A.82:3814,1985;HoltamannらのJ.Immunol 139:1161,1987;WongらのCell 58:923,1989]。不適切なTNFの内生レベルは、糖尿病及び紅斑性狼瘡の発病に関連しているかもしれないと示唆されている[JacobらのNature 331:356−358,1988]。
イオン化放射線は、核酸及びタンパク質などの近接する組織成分と容易に反応する酸素フリーラジカルを生成させることにより大規模に組織を傷害する。しかし、イオン化放射線は、ある種の組織を他の組織とは異なって傷害を負わせる。具体的には、骨髄細胞などの迅速に増殖する細胞はイオン化放射線に対して特に感受性であるが、成熟した分化細胞から構成される組織は生存線量のイオン化放射線に対して最も感受性であるらしい。この異なる作用が、非新生物細胞よりも放射線に対して感受性である迅速に増殖する細胞としての癌の処置、及び骨髄移植の患者の準備に利用されているのである。同種骨髄移植は通常、白血病の処置に利用される。この操作では、患者自身の癌性骨髄を完全に死滅させるため、サイクロホスファミドなどの化学療法剤又は全身放射により患者を処置し、次いで(自家移植ドナー又は患者の緩解骨髄由来の)骨髄移植物をその患者に、最終的には骨髄の巣に注入する。移植物が機能するようになりその治療法が成功したとしても、重篤な場合には感染、非標的組織への放射線障害、及び脱毛症などのその治療法の副作用によって患者は悩まされる。他の癌の放射線療法も多くの同じ悪い反応、具体的には感染及び全身衰弱及び、このような傷害に抵抗できる状態にない患者において虚弱を伴う。
従って、所望の治療効果を失うことなく、放射線傷害をくい止めることができるよう、臨床医によって多大の努力が払われている。この努力は、多くの充実性腫瘍(solid tumors)に見いだされる低酸素状態を減少させ(例えば、高比重酸素呼吸によって)、及び細胞保護物質を投与することにより、放射線を腫瘍に集中させることに指向するものであった。
多くの活性物質が細胞保護物質(cytoprotector)として提唱されており、その幾つかは臨床に使用されている。RubinらのClinical Oncology p70(1983)は、システイン及びシステアミンなどのスルフヒドリル含有化合物は放射線保護的であることが長く知られていると示している。これらのスルフヒドリル化合物は、細胞に侵入し、そこで障害性のフリーラジカル量を減少させることにより放射線傷害から保護し、フリーラジカル捕獲物質として機能すると考えられる。細胞保護物質の幾つかは、正常細胞には取り込まれるが、新生物などの標的細胞には相当量に取り込まれないことにより作用を発揮すると仮定されているものがある。YuhasらのJ.Natl.Cancer Inst.42:331(1969)及びFletcher,Textbook of Radiotherapy(1980)を参照のこと。最近、TNFがHIV治療において正常組織を放射線保護できることが観察されたが、これは放射線の暴露前にTNFを投与したときだけである。
この目的から現在までに臨床的に使用されている既知の細胞保護物質が伴う根本的な弊害は、放射線の暴露後では死亡率及び罹患率を減少させる点でそれら細胞保護物質が比較的非能率的であることである。このことは、放射線の害悪の臨床作用は、放射線暴露の時点で生成される高い反応性の一時的フリーラジカル介在物質によって引き起こされる蓄積性細胞障害の単なる症状発現である、という理論と矛盾しないように思われる。この理論に基づくと、暴露後の処置は、傷害が細胞によって既に支持されてしまうので、有効でないおそれがあると考えられる。このことは特に、小さな分子でないタンパク質などの細胞保護物質を用いた場合に当たるので、細胞内事象を開始することにより、又は細胞への能動輸送によって、又はその両者によって働いているに違いない。これらの保護開始機能を営む細胞の能力は、障害性線量のイオン化放射線を照射した後では問題があろう。しかしながら、非常に有効な暴露後細胞保護物質を扱う処置管理法があれば、特定の患者にとって安全かつ有効なレベルの放射線量を予測するのが困難であることが多いことから、治療法を設定するに当たって極めて有用であろう。さらに、このような暴露後細胞保護物質は、健康な仕事人又はその人に偶発的に又は予想外に放射線が暴露した場合に有用となるであろう。
従って、本発明の目的は、放射線照射後において非常に有効である細胞保護物質及び処置法を提供することにある。
本発明の別の目的は、化学療法及び治療的処置、具体的にはHIV感染及び新生物に関して使用されるそれらの処置、における細胞障害を減少させるための方法及びそのための活性物質を提供することにある。
さらに、本発明は脱毛症の予防及び/又は処置のための活性物質を提供することも目的とする。
本発明のさらなる目的は、治療用のD−因子組成物を調製するための改良精製法に関する。
本発明のこれらの目的及び他の目的は、本明細書の記載から明らかであろう。
発明の要約 本発明の目的の幾つかは、被験者を放射線又は化学療法の傷害にさらす方法においてDF及び/又はGH単独の、又はそれらをTNF又はIL−1と組み合わせた活性物質又は活性物質群の細胞保護量を被験者に投与することを改良点とする方法によって達成される。
マウスに致死量のガンマ放射線を与えた1時間後にそのマウスにDFを投与することにより、意外にもそのマウスを死亡から完全に保護することができ、またその作用は投与したDFの量に相関した。また、放射前に、又は放射と同時にTNFを投与し、その後、放射線暴露後にDF又はGHを投与すると、保護の相乗レベルが得られ、またDF、GH、TNF及び/又はIL−1の単独、又はそれらの併用処置により放射線及び化学療法に付随する脱毛症が予防されることが見いだされた。
従って、これらの活性物質のこの予想外の作用は、化学療法又は放射線照射と協調して腫瘍を治療するにおいて、それら活性物質が脱毛症の処置に使用できることを示すものである。ある特定の場合には、患者を放射線照射し、又は化学療法にさらした後に少なくとも1つのDF又はGHを投与するのが好ましい。DF、GH、TNF及びIL−1は、化学療法又は放射線照射を除いた処置の際に、又は化学療法もしくは放射線照射の前及び/もしくは後に、化学療法又は放射線照射の際にこれまで使用されている他の薬物及び治療法と共に投与することができる。
本発明はさらに、改良されたDFの精製方法であって、DF及び夾雑タンパク質を含有する水溶液のpHを約2.0から4.8に、好ましくは約3.5から4.5に、夾雑タンパク質が沈殿するまで維持し、次いで可溶性のDFから沈殿したタンパク質を分離することを特徴とする方法を提供するものである。この改良により全DF調製物からすべの夾雑物が除かれるわけではないが、廉価でDFの純度が高められる。DFは、pH約3.5から4.8の水溶液(要すれば、緩衝化、滅菌及び等張性の水溶液)として保存するか、又はそのような水溶液の凍結乾燥調製物として保存する。
図面の簡単な説明 第1図は、照射後1時間目にDF7.5μg及びDF1μgで処置した照射マウスの20日生存率を示すものである。
第2図は、ヒト(H)(配列番号1)及びネズミ(M)(配列番号2)D−因子の成熟アミノ酸配列を示すものである。
第3図は、化学療法により処置したマウスの好中球回復に対するDFの保護作用を示すものである。
発明の詳細な説明 本発明で使用される腫瘍壊死因子、又はTNFは一般に、腫瘍細胞溶解、感染物質の阻害、MHC抗原誘導、及びTNF−α又はTNF−βに対する抗体では中和されるが、他のサイトカインに対する抗体では中和されない中和などの1つ又はそれ以上の腫瘍壊死の生物学的性質を示す種々の形態のTNFを意味する。γ−インターフェロンはTNFについての抗−腫瘍又は抗−ウイルス検定においてTNFと相乗作用を示すので、本発明を実施するにはそれをTNFと一緒に投与するのが望ましいと考えられる。
本発明にて有用である腫瘍壊死因子としてはTNF−α及びTNF−βが具体的に挙げられる。前者は同時係属中の欧州特許出願EP 0 168 214 A2にその組換え細胞培養における合成と共に記載されている。同様に、後者(以前はリンホトキシンと呼ばれていた)及び適当な組換え合成法は、同様係属中の欧州特許出願EP 0 164 965 A2に記載されている。これらの出願に記載されているTNF−α及びTNF−βには、本発明でも使用する細胞毒性アミノ酸配列及びグリコシル化変異体が包含される。当然ながら、非組換え供給源由来のTNF−α又はTNF−βも本発明を実施するうえで有用である。
本明細書にて使用している「成長ホルモン」又は「GH」なる用語は、天然起源の抽出及び精製により得られる成長ホルモン、及び組換え細胞培養系により得られる成長ホルモンを意味する。「hGH」はヒト成長ホルモンを意味する。例えば、米国特許第4,321,832号を参照のこと。これらの用語は同様に、生物学的に活性であるヒト成長ホルモン等価物、例えばその全配列の中の1つ又はそれ以上のアミノ酸(群)が異なるものをも包含している。本明細書で使用しているこの用語はさらに、hGHの置換、欠失及び挿入アミノ酸変異体、又は翻訳後修飾物をも包含する。
本明細書にて使用している「IL−1」は、天然起源の抽出及び精製、及び組換え細胞培養系によって得られるインターロイキン−1を意味する。例えば、MarchらのNature 315:641−646(1985)を参照のこと。この用語は同様に、生物学的に活性であるIL−1等価物、例えばその全配列の中の1つ又はそれ以上のアミノ酸(群)が異なるものをも包含している。本明細書で使用しているこの用語はさらに、IL−1の置換、欠失及び挿入アミノ酸変異体、又は翻訳後修飾物をも包含する。
第2図に示しているヒト(H)及びネズミ(M)DFの成熟アミノ酸配列は、1988年10月5日公開のEP 285,448の特に第26図に記載されており、こにはその組換え細胞培養における生産方法が包含されている。本発明の目的に沿って言えば、本明細書に記載のDFは、(a)次に規定する細胞保護活性、及び(b)第2図に記載のいずれかのアミノ酸配列と相同的であるアミノ酸配列を含有するポリペプチドであると規定される。
本発明の目的では、例えばDFに関して相同的とは、ポリペプチドの候補が、実験動物に細胞保護を付与するよう機能するDFのエピトープ、又は機能的に保存されたそのアミノ酸変異体を含有していることを意味する。最も典型的には、当業者ならば、細胞保護活性の減少又は削減を観察しつつ、DF分子全体の実質的な突然変異を行うことができよう。このことは、天然のDF配列の各残基を順次、アラニンと置換させることにより普通に行われる。好ましくは、置換する残基は、(1)動物種間で同一のものとして保存されており、(2)ジスルフィド結合ループに位置しており、また(3)本質的に親水性のものである。突然変異にとって好ましいものは、動物種間で同一のものとして保存されている残基を4以上含有し、かつグリコシル化部位の約3残基以内で見いだされないドメインである。突然変異に好ましい領域は第2図の配列における12−25、34−60及び121−143である。いずれの箇所も、DFの大きさのため、ほとんどの置換がDF活性に対して何ら作用を示さず、何らかの効果が認められるとしても、それは適度にアゴニスト又はアンタゴニストであろう。大多数のDF変異体は、特に置換が保存的であれば、少なくとも何らかの細胞保護活性を有している。保護的な置換とは、酸性(Asp、Glu)、ヒドロキシ様(Gys、Ser、Thr)、アミド(Asn、Gln)、塩基性(His、Lys、Arg)、脂肪族様(Met、Ile、Leu、Val、Gly、Ala、Pro)、及び芳香族(Phe、Tyr、Trp)として規定される同じクラス内での置換である。9個のC末端疎水性残基は、もし置換するとしても他の疎水性残基とのみ置換すべきである。最初の3つのN−末端残基は欠失させることができ、又は任意に置換可能であり、N−末端に挿入されるセリン残基を含有することができる。
あるいは、又は上記に加えて、無傷の天然DFに対する抗体を惹起せしめ、中和抗体に関してスクリーニングし、その中和抗体が結合する部位を決定することで、活性部位が同定される。DFに対する中和抗体は、DFの診断的免疫検定、特に別のDFエピトープに対する非中和抗体と共に使用するサンドウィッチ型の免疫検定に使用されよう。
相同的な配列とは一般に、第2図の天然配列のいずれかに関連し、相同性を決定するために候補分子からの挿入又は欠失を無視して同一のアミノ酸に基づいて言えば、約30%以上の相同性を示すものである。約50、70及び90%の相同性も、得られた分子が要件である細胞保護活性を保持している限り、本発明の範囲内に包含される。
本明細書に記載している細胞保護物質、例えばDF、hGH、TNF、IL−1にも、次に掲げる変異体が要件である細胞保持活性を保持している限り、その変異体、即ちグリコシル化変異体、及びそれらの活性物質の非グリコシル化体、それらの活性物質と異種のポリペプチドとの融合物、及びそれらの活性物質の断片が包含される。
細胞保護活性の定義として、放射線照射又は化学療法の約24時間後に又はそれ以前に投与した細胞保護物質DF及び/又はhGHの腹腔内投与量が被検動物の死亡率又は罹患率を減少させることのできる、統計学的に有意(P≧0.05)なその減少能と規定される。しかし、治療用途では、偶発的な過剰照射の場合を除き、DFが放射線の致死線量を改善させるために使用されることはありそうにないように思われる。而して、例えば種々のヒト腫瘍の典型的な線量は2週で2,000ラドから8週で8,000ラドの範囲であり、大多数の腫瘍には4,500から7,500ラドの放射線が照射される。これらの線量は通常は治療用線量である。これらは環境放射線を遥かに越えてはいるが、経時的に正しく投与する場合は一般に致死的でなく、死に至らしめる場合のある重篤な副作用が少ないことを特徴とする。DF及び/又はhGHの単独、又はTNF及び/又はIL−1で前処理を行うそれらの併用は、本質的に同じく毒性であるが治療面では有益であるという臨床的寛容性をもって正味の放射線照射線量又は化学療法量を増大させるのに使用されるか、又は従来からの用量を使用するが死亡率及び罹患率を改善させるためのいずれかに使用される。
化学療法とは、分化し成熟しゆっくりと増殖する細胞と比較すれば、急速に増殖する細胞に対して毒性を発揮することで知られている活性物質、を投与するものと規定される。このような活性物質は癌及び他の増殖性疾患の治療の分野では周知である。これらには例えば、アドリアマイシン、クロラムブシル、ダウノマイシン、サイクロホスファミド、メトトレキサート、シスプラチン、プロカルバジン、タンパク質合成阻害物質、例えばアクチノマイシンD、ブレオマイシン、5−アザシチジン、ビンクリスチンなど、アルキル化剤、ジカルバジン、フルオロウラシル、ヒドロキシ尿素、マイトマイシンC、ニトロソ尿素、ブスルファン、ミスラマイシン、ビンブラスチン、ビンデシン、並びにミトロソ尿素、シタラジン及びメルカプトプリンなどの代謝拮抗物質などが挙げられる。これらの細胞毒性物質は、悪心及び嘔吐、発熱、脱毛、悪寒及び不定愁訴及び疲労などを起こす。本発明が提供する細胞保護の管理による処置(DF及び/又はhGH単独又は、TNF及び/又はIL−1による処置との併用)では、このような細胞毒性物質の毒性が減少されるので、これは化学療法管理の前及び/又は後における伴処置(companion treatment)として有用である。
DF、GH、TNF及び/又はIL−1の使用量は、照射又は化学療法のプロトコール、患者の状態、使用する薬物の活性度、投与経路、及び当業者に認識されている他の影響因子によって変動する。マウスでは、DF約7.5μg ip/マウスの投与量が許容されており、1日当たり約0.5μgから20μgが細胞保護のために僅かに有効な下限から安全かつ適切な上限の範囲である。明らかに、この投与量は他の動物及びヒトでは相違し、投与経路に応じて変動する。マウスに投与するIL−1の前処置有効量は、マウス体重1g当たり約0.5から25ngの範囲である。
ヒト投与のために適切なhGHの投与量は、1日当たり体重1kgについて0.001mgから1日当たり体重1kgについて約0.2mgの範囲である。一般に、hGHの1日投与量は、体重1kg当たり約0.05mgからである。通常は、1日に1回又はそれ以上の適用により0.07から0.15mg/kgを投与するのが望ましい成績を得るのに有効である。特に徐放形態に製剤化したhGHは比較的少ない回数で投与でき、つまりは脱毛症などの特定の適応症については隔日に、又は3日毎に投与することができるので、これも別の適用法として挙げられる。本発明では、化学療法又は放射線照射の暴露後0から24時間以内にhGHを投与するのが好ましい。
ヒト患者又はヒト組織に投与されるべき治療学的有効量のTNFは一般に、1回投与当たり約1から250μg/m2の範囲であり、好ましくは約1−10μg/m2、最も好ましくは10μg/m2であるが、投与すべきTNFの投与量は(他の細胞保護物質と同様に)、通常の臨床医に明らかである患者の種、使用するTNFの性質、例えばその活性及び生物学的半減期、製剤中のTNFの濃度、投与速度、関連患者の臨床的耐用性、患者の生理学的状態などに左右される。特定のTNFについての臨床実験に沿えば、開業医はその治療量を調節し得ることは理解されよう。好ましくは、TNFは静脈内又は筋肉内に投与する。
上記と同様の投与量範囲及び管理は、放射線療法又は化学療法と一緒でなくても脱毛症の処置のために適用される。
DF、hGH、TNF及びIL−1は医薬品等級、即ちタンパク質重量が約95%純度以上であるものとすべきである。これは、通常、ボーラス注入についての数m■から静脈内注入による投与についての数百m■の範囲の妥当な量の担体内において、細胞保護量を供給するのに適した濃度にて等張性食塩水などの通常の担体中で製剤化する。
本発明では、白血病並びに、放射線処置(例えば、リンパ腫、セミノーム、未分化胚細胞腫、口腔咽頭、声門、膀胱、皮膚及び頚管上皮の扁平細胞癌、消化管の腺癌、並びに星状細胞腫)及び化学療法(例えば、ALL、ウィルムス腫瘍、ユーイング肉腫、網膜芽腫、横紋筋肉腫、ホジキン病、DHL、ブルキットリンパ腫(Burkitt's lymphomsa)、精巣腫瘍、絨毛癌、神経芽腫瘍、急性白血病、骨髄腫、リンパ腫類、小細胞肺癌、乳癌、胃癌、副腎癌、悪性膵島細胞腺腫、骨形成肉腫、CLL、CGL、前立腺腫瘍、子宮内膜腫瘍、頚管腫瘍、内分泌腺腫瘍、悪性類癌腫、肉腫、脳癌、非オート細胞腫瘍(non−oat cell carcinoma)、並びに頭部及び頚部、甲状腺、結腸、直腸、肝臓及び膀胱の腫瘍)に感受性であることが知られている他の癌を処置するに当たり、DF、hGH、TNF及び/又はIL−1を放射線照射及び/又は化学療法と共に使用する。
本明細書に記載している細胞保護物質の幾つかは放射線照射又は化学療法と共に個々に使用されること、又はこれらが骨髄白血病の処置に有用であることは知られているが、特許請求している活性物質の組合わせにより、放射線照射及び化学療法の毒性に対する相乗的かつ遥かに増大した保護という、予想外かつ驚くべき顕著な利益が提供される。さらに、特許請求している細胞保護物質及び管理は本発明により使用できるようになり、また非骨髄白血病癌の放射線照射又は化学療法、非治療(例えば偶発的)放射線照射、骨髄移植、及び普通の環境レベルよりも高い線量の放射線暴露が起こった場合又は化学療法が使用された場合の他の工程、において同じ利益が得られる。上述のように、本発明の顕著な利益とは、DF及び/又はhGHが放射線照射又は化学療法の後に投与でき、それでも細胞保護作用が達成されるということである。
DF及び/又はhGHは細胞毒の暴露前及び/又は後に投与する。化学療法又は放射線照射後にDF及びhGHを後期投与してそれでもなお治療という利益がどうして得られるのかは知られていないが、DF及びhGHは放射線照射又は化学療法の暴露後24時間までは有効であることが証明されている。これらの活性物質はそれぞれ、細胞毒の暴露後それよりも遅い又は早い時点に投与した場合にも有効であるように思われるが、その効能は化学療法又は放射線照射の線量及び経過時間、DF及び/又はhGHの量、供給経路及び活性、及び被験者の状態及び種によって変動する。活性物質の投与時間及び回数は上記の投与量及び投与経路と同様に臨床実験によって最適化される。
DFは、化学療法及び放射線療法にて通常使用されている他の薬物、例えばチオール治療剤と共に使用される。
DFは、天然起源(非組換えセルラインの培養)から回収することにより入手され、又はEP285,448又はLoweら(前掲)に記載されているように組換え細胞培養にて生産される。
実施例1 Loweらに従って調製したDFを含有する組織培養液をペリコン(Pellicon)濃縮装置を使用して約80倍に濃縮した。DFを含有するその濃縮組織培養液を25mMトリス−HClpH8.0(4℃)に対して透析した。次いで、25mMトリス−HClpH8.0で平衡化したDEAEセファロース・ファスト・フロー・カラムを使用し、DFを精製した。次に、DFをS−セファロース・ファスト・フローでさらに精製した。25mMスクシネートpH4.0中、0−0.4M NaCl勾配を使用し、S−セファロース・ファスト・フロー・カラムからDFを溶出させた。DFを含有する画分をプールし、濃縮し、25mMスクシネートpH4.0、0.1M NaCl中で透析濾過した。次いで、濃縮したDFプールを、25mMスクシネートpH4.0、0.1M NaCl中に平衡化したセファクリルS−300カラム上に載せた。DFを含有するセファクリルS−300画分をプールし、25mMビス−トリスプロパンpH6.5中で透析した。Q−セファロース・ファスト・フローによって内毒素(LAL)を除去した。DFを25mMスクシネートpH4.0中で透析し、濃度0.39mg/m■にて4℃で保存した。
実施例2 本実施例は、DFを精製するための改良方法を説明するものである。DF含有組織培養液を2リットル容量の撹拌セル濃縮装置又はペリコン濃縮装置のいずれかを使用して濃縮する。得られた濃縮組織培養液を25mMスクシネートpH4.0中で一晩透析した。アセトニトリル又はフェニル−シリカの不存在下にDF溶液に沈殿が生じた。遠心及び/又は上清のデカンテーションにより、沈殿タンパク質から上清を注意して取り出した。透析した上清をS−セファロース・ファスト・フローのクロマトグラフィーによりさらに精製した。25mMスクシネートpH4.0中、0−0.4M NaCl勾配を使用し、DFを溶出させた。DFを含有する画分(通常、約0.1−0.3M NaCl)をプールし、アミコン撹拌セル(Amicon stirred cell)にて約8倍に濃縮した。濃縮したDFプールを、25mMスクシネートpH4.0、0.1M NaClで平衡化したセファクリルS−300カラムでさらに精製した。D−因子を含有する画分(約40−45kD)をプールし、4℃で保存した。
実施例3 この試験は、米国軍放射線生物研究所(U.S.Armed Forces Radiobiology Institute)にてRuth Neta博士によって行われた。実施例1の方法によって調製したDFをリン酸緩衝化食塩水中、1μg/m■で製剤化した。C3H/HEJマウスを、ガンマ放射線源から750ラドで照射した。照射後1時間にDF7.5μg又は1μg投与量を各グループのマウスに腹腔内注射し、20日間にわたってマウスの死亡率を観察した。第1図から理解され得るように、対照マウスのすべては照射後17日までに死亡したが、1μgグループでは20日目に約半分しか死亡しておらず、7.5μgを投与したマウスは一匹も死亡しなかった。
実施例4 この試験は、メモリアル・スローン・ケッターリング・カンサー・センター(Memorial Sloan Kettering Cancer Center)にてMalcolm A.S.Moore博士によって行われた。DFを前注入又は後注入することによって得られる、高用量のシクロホスファミド[サイトキサン・ブランド(Cytoxan brand)]に対するマウスのインビボ血液生成保護を比較した。毎日、白血球及び絶対好中球(absolute neutrophil、ANC)をカウントし、骨髄抑制(myelosuppression)をモニターした。サイトキサンの使用した量(350mg/kg)は支持療法の不存在下、1用量後では50%マウスに致死的であり、2用量後では90%に致命的である。毎日の1L−1処置により、好中球の最下点への時間が有意に減少し、好中球再生が促進され、生存率が増大した。
24匹のBalb/cマウス(Jax−平均体重23g)を8グループに分け、以下のように処置した:A.2日目における0.2m■中350mg/kgサイトキサンの対照i.p注射B.1日目におけるDF5μgのi.p投与、その24時間後の350mg/kgサイトキサンのi.p投与C.2日目における350mg/kgサイトキサンのi.p注射、その6時間後のDF5μgのi.p投与を毎日4日間 この実験により得られたデータを第3図に示す。サイトキサン前に投与したDFは、好中球又はリンパ球のいずれに対しても有意な作用を示さなかった(おそらくはサイトキサン後6日目を除いて)。サイトキサン後のDF投与により、サイトキサン後の最初の5日目は好中球及びリンパ球の急速な低下が減少(又は減退)し、この意味から、DFはIL−1、G−CSF(データは示していない)よりも顕著に良好であった。DFはANCの絶対最下点を減少させるが、再生は促進させなかった。
実施例5 この実験は、マイアミ・スクール・オブ・メディシンにてAdel A.Yunis博士によって行われた。HussinらのScience 249:1564−1566(1990年9月28日)に記載されている手法に従って、雄性の若年ラットにおけるシトシン・アラビノシド(ARA−C)誘発脱毛症に対する保護を、ImuVert(セラチア・マルセスセンス細菌から誘導される生物応答改質物質)、組換えネズミTNF−α、ヒトIL−1β、ヒトDF及びhGHについて比較した。36匹の8日令ラットを無作為に6グループに分け、連続7日間処置した。各グループには1日当たり20mg/kg ARA−Cを毎日昼に投与した。さらに、及びARA−C投与前3時間目に、グループ1には緩衝液0.1m■、グループIIには25μg/日の1muVert、グループIIIには2.5μg/日のネズミTNF−α、グループIVには0.5μg/日ヒトIL−1β、グループVには10μg/日DF、及びグループVIには10μg/日hGH、をそれぞれ投与した。脱毛症データは実験の7日目に記録し、記載していないデータであるがそれにより10日目に同じ結果を確認した。
結果 6つの対照動物すべてについて、総毛髪喪失の程度の脱毛症を記録した。ImuVertで処置した6匹のラット、TNFで処置した1匹のラット、DFで処置した1匹のラット、及びIL−1で処置した6匹のラットには検出可能な脱毛症が認められなかった。DFで処置した4匹のラットでは、50%毛髪喪失以下として規定される軽度の脱毛症が、及び1匹のDF処置ラットには50%毛髪喪失以上の中等度の脱毛症として規定される中等度脱毛症が認められた。hGHで処置した1匹のラットは軽度脱毛症を、hGHで処置した1匹のラットは中等度の脱毛症を、及びhGHで処置した4匹のラットは重篤な脱毛症又は全毛髪喪失を有していた。このデータから、TNF、IL−1、DF又はhGH処置により化学療法脱毛症に対する保護が提供されることを認めることができる。
配列表(1)一般的情報 (i)特許出願人:ジェネンテク,インコーポレイテッド (ii)発明の名称:傷害を処置するための方法及び組成物 (iii)配列の数:2 (iv)連絡先: (A)名宛人:ジェネンテク,インコーポレイテッド (B)通り:ポイント・サン・ブルーノ・ブールバード460番 (C)市:サウス・サン・フランシスコ (D)州:カリフォルニア (E)国:アメリカ合衆国 (F)ZIP:94080 (v)コンピューター解読書式 (A)媒体型:5.25インチ,360Kbフロッピーディスク (B)コンピューター:IBM PC適合 (C)オペレーティング・システム:PC−DOS/MS−DOS (D)ソフトウエア:patin(ジェネンテク)
(vi)本出願のデータ: (A)出願番号: (B)出願日: (v)優先権主張出願のデータ: (A)出願番号:U.S.S.N 07/507,341、及び07/602,849 (B)出願日:1990年4月10日及び1990年10月25日 (viii)弁理士/代理人 情報 (A)氏名:アドレアー,キャロライン・アール (B)登録番号:32,324 (C)参照/整理番号:642P1 (ix)電話連絡先情報 (A)電話番号:415/266−2614 (B)ファックス番号:415/952−9881 (C)テレックス:910/371−7168(2)配列番号1の情報 (i)配列の特徴: (A)長さ:179アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (iv)配列:配列番号1:

(2)配列番号2の情報 (i)配列の特徴: (A)長さ:179アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (iv)配列:配列番号2:

【特許請求の範囲】
【請求項1】放射線傷害又は化学療法傷害にさらされる被験者の細胞保護用医薬組成物であって、必須成分としてD−因子の細胞保護量を含有する組成物。
【請求項2】被験者を放射線照射又は化学療法にさらした後に投与される請求項1に記載の組成物。
【請求項3】被験者が骨髄白血病である請求項1に記載の組成物。
【請求項4】被験者が非白血病腫瘍を有している請求項1に記載の組成物。
【請求項5】被験者が放射線照射又は化学療法の後に骨髄移植を受けるものである請求項1に記載の組成物。
【請求項6】被験者が腫瘍壊死因子及び/又はIL−1の細胞保護量を放射線照射又は化学療法の前に投与されるものである請求項1に記載の組成物。
【請求項7】連続注入によって投与される請求項1に記載の組成物。
【請求項8】pH3.5から4.8にてD−因子を含有する、水溶性である請求項1に記載の組成物。
【請求項9】pHが4.0から4.5である請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項10】D−因子がヒト由来である請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項11】請求項1から10記載の組成物を調製する方法であって、他のタンパク質が混入しているD−因子の水溶液からD−因子を精製するに当たり、D−因子から混入タンパク質が沈殿するまでD−因子調製物のpHを2.0から4.8に維持し、次いで沈殿タンパク質を可溶性D−因子と分離することを特徴とする方法。
【請求項12】D−因子調製物をpH3.5から4.5に維持させる請求項11に記載の方法。
【請求項13】D−因子調製物が、D−因子を発現するよう形質転換された宿主細胞培養から得られるものである請求項11に記載の方法。

【第3図】
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【第1図】
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【第2図】
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【特許番号】特許第3266248号(P3266248)
【登録日】平成14年1月11日(2002.1.11)
【発行日】平成14年3月18日(2002.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平3−508804
【出願日】平成3年4月9日(1991.4.9)
【公表番号】特表平5−506663
【公表日】平成5年9月30日(1993.9.30)
【国際出願番号】PCT/US91/02446
【国際公開番号】WO91/15227
【国際公開日】平成3年10月17日(1991.10.17)
【審査請求日】平成10年4月3日(1998.4.3)
【出願人】(999999999)ジェネンテク,インコーポレイテッド
【参考文献】
【文献】Cancer Res.,Vol.50,p.4216−4220
【文献】J.Immunol.,Vol.140,p.108−111