説明

傾斜地用の地上電設機器の支持台装置

【課題】例えば坂道や、水勾配によって傾斜した歩道等に地上電設機器を据え付け設置する際、設置現場の傾斜角度に対応してその場で調整設定して水平状態で設置できる。
【解決手段】地中埋設の電気設備施設Hの地上開口部に位置決め設置する支持台本体1と、電気設備施設Hの地上開口部の受枠H1上で出没自在に進退するアジャスター体15を有して支持台本体1に設ける傾斜調整機構10とを備える。傾斜調整機構10は、支持台本体1に固定されるベース体11に対し、下端がベース体11底部から出没自在になっているアジャスター体15を進退自在にねじ込み、このアジャスター体15に、電気設備施設Hの開口部に当接連繋される取付ボルト21をアジャスター体15の底部に傾動自在に係合挿入して成る。取付ボルト21は、アジャスター体15底部のボルト係合部18に湾曲したコロ体22を介して係合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば坂道や、水勾配が設定されることで僅かでも傾斜している歩道上に設置される各種の電設設備における地上電設機器を、その傾斜を矯正して鉛直方向に沿って垂直に支持調整して設置固定できるようにした傾斜地用の地上電設機器の支持台装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、電力、通信用の各種ケーブルを地中に埋設する地中化がすすみ、それに伴いケーブルの分岐、点検その他のために配設される各種機器を収納する埋設型のハンドホール上に縦長ボックス状の地上電設機器が地上、特に車道に近接した歩道縁上に設置されることが多い。ただ、歩道には、車道側に向かって僅かにでも例えば2%程度で下方傾斜している水勾配が付されているために、その傾斜した歩道面に沿って地上電設機器をそのまま設置すると、例えば歩道縁に鉛直方向に沿って立てられて配列されているガードレール等がある場合には、このガードレール等と比較すると地上電設機器の傾斜状態が一層顕著なものとなり、それが大きく目立ってしまう。
【0003】
こうした傾斜状態を解消するため、現状では、地上電設機器を鉛直方向に沿って設置するのに、設置前に現場調査を実施し、ハンドホールの地上開口部分を閉塞する蓋体と共に歩道面の傾斜に対応した架台を別に設計し、製作している。
【特許文献1】特になし
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような特別な架台の設計、製作は、現場における事前の調査が必要であり、また特注品となることで手間と時間とが掛かり、コスト高となる。また、何らかの事情で設置場所の工事状況その他に変更があって、実際に設置する設置部位の傾斜程度が当初と異なることになると、製作された架台に対して変更後に対応できるような再調整が、更に場合によっては再度の製作が必要となる。そればかりでなく、このような事情変更による再調整のみならず、事前調査に基づき、これに対応した架台を製作しても、実際の据付現場においてはそれがしっくりと据え付けられるように、仮置き調整を繰り返して行う必要があることに変わりはなかった。
【0005】
そこで本発明は叙上のような従来存した諸事情に鑑み創出されたもので、その目的は例えば坂道や、水勾配が付されている傾斜した歩道等に地上電設機器を据え付け設置するに際し、設置現場における傾斜角度に対応してその場で調整設定でき、従来存した事前の調査に基づく設計、個別の製作等を不要とし、設置現場における汎用性、作業の能率向上等を図ることができる傾斜地用の地上電設機器の支持台装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するため、本発明にあっては、地中埋設のハンドホールの如き電気設備施設Hの地上開口部に位置決め設置される支持台本体1と、電気設備施設Hの地上開口部の受枠H1上で出没自在に進退されるアジャスター体15を有して支持台本体1に設けられた傾斜調整機構10とを備えて成ることを特徴とする。
支持台本体1は、電気設備施設Hの地表面で開口している開口部分を施蓋するよう開口部分に設置され、地上電設機器Eの底面の周囲形状に対応している枠体2から成り、この枠体2は断面で矩形状を呈する周囲枠部内にコンクリート材の如き固形物を充填することで形成されている。
傾斜調整機構10は、内周面に送り雌ネジ12が形成されていて、支持台本体1に固定されるベース体11と、このベース体11に進退自在にねじ込まれるよう外周面に送り雄ネジ16が形成されていて、下端がベース体11底部から出没自在になっているアジャスター体15と、このアジャスター体15に挿入され、アジャスター体15の底部に傾動自在に係合して電気設備施設Hの開口部に当接連繋される取付ボルト21とから成る。
アジャスター体15の底部には、底部開口に至るに伴い次第に窄まり状となるボルト係合部18と、このボルト係合部18に連続させて底部開口に至るに伴い次第に拡開する傾斜調整部19とを備えている。
ボルト係合部18は湾曲上面を有し、このボルト係合部18と取付ボルト21頭部との間には、湾曲上面に対応して底面が湾曲しているコロ体22が介在されるようにして構成することができる。
取付ボルト21は、電気設備施設Hの受枠H1に装架される敷板25に、ネジ止め部位で形成してある湾曲面を介して当接させることで傾動自在にネジ止めして構成することができる。
【0007】
以上のように構成された本発明に係る傾斜地用の地上電設機器の支持台装置にあって、電気設備施設Hの地上開口部に位置決め設置された支持台本体1上に据え付けられる地上電設機器Eを、支持台本体1が傾斜調整機構10によって電気設備施設Hの開口部の受枠H1に対して支持部位が所定の高さ位置で調整されることで傾斜を矯正させ、水平状態で設置させる。
傾斜調整機構10は、ベース体11内にネジ送り可能にしてネジ止めされているアジャスター体15を回動操作することでベース体11底部から外出しているアジャスター体15の出没長さを変更させる。その結果、アジャスター体15に係合してハンドホール等の電気設備施設Hの受枠H1に連繋している取付ボルト21を介して受枠H1に対する高さ間隔を調整させ、傾斜調整機構10部位における支持台本体1の設置高さを調整させ、傾斜している支持台本体1自体を必要とする水平状態に設定させる。
アジャスター体15底部のボルト係合部18、傾斜調整部19は、鉛直方向に対して傾斜している電気設備施設Hの地表開口面に位置する受枠H1に対し、傾斜調整機構10のアジャスター体15がベース体11から所定長さで外出することで鉛直方向に対して次第に起立状になるとき、その起立傾斜を許容させる。
また、取付ボルト21とボルト係合部18との間で介在された底面が湾曲しているコロ体22、更に取付ボルト21を傾動自在にしてネジ止めしている敷板25は、傾斜状で装架される敷板25に対して鉛直方向に沿ってアジャスター体15を回動操作させ、その操作はベース体11上方からのみで可能とさせて作業を迅速化させると共に、一旦、設置後でも必要であればその微調整をも容易にさせる。
【発明の効果】
【0008】
本発明は以上説明したように構成されているため、例えば坂道や、水勾配が付されていることで車道側に傾斜している歩道等に地上電設機器Eを据え付け設置するに際し、設置現場における傾斜角度に対応してその場で水平状態に調整設定でき、体裁その他を考慮した設置形態とすることができる。そのため、従来存した設置場所の事前の調査に基づく設計、傾斜状態に応じた個別の製作等を不要とし、設置現場における汎用性、作業の能率向上等を図ることができる。
【0009】
すなわちこれは、本発明において、地中埋設の電気設備施設Hの地上開口部に位置決め設置される支持台本体1と、電気設備施設Hの地上開口部の受枠H1上で出没自在に進退されるアジャスター体15を有して支持台本体1に設けられた傾斜調整機構10とを備えて成るからであり、これによって、地上用の地上電設機器Eの水平設置、地上面からのアジャスター体15に対する回動操作のみの作業の簡易性、設置場所の傾斜程度に対応した調整設定の汎用性等が得られる。
【0010】
また、傾斜調整機構10は、支持台本体1に固定されるベース体11に対し、下端がベース体11底部から出没自在になっているアジャスター体15を進退自在にねじ込み、このアジャスター体15に、電気設備施設Hの開口部に当接連繋される取付ボルト21をアジャスター体15の底部に傾動自在に係合挿入して成るから、アジャスター体15の回動操作によって、ベース体11底部から外出しているアジャスター体15の出没長さを変更できる。そのため、電気設備施設H、例えばその受枠H1に対する高さ間隔を調整でき、傾斜調整機構10部位における支持台本体1の設置高さを調整させ、傾斜調整機構10部位でのそれぞれの調整で、電気設備施設Hの開口部で仮置きで傾斜している支持台本体1自体を必要とする水平状態に設定でき、支持台本体1上に載置される地上電設機器Eを鉛直方向に沿わせることができる。
【0011】
取付ボルト21が係合されるアジャスター体15は、その底部に底部開口に至るに伴い次第に窄まり状となるボルト係合部18と、底部開口に至るに伴い次第に拡開する傾斜調整部19とを連続させて成るから、アジャスター体15に対して取付ボルト21を所定の傾斜角度で連繋したままで係合しておくことができる。すなわち、鉛直方向に対して傾斜している電気設備施設Hの地表開口面に位置する受枠H1に対し、傾斜調整機構10のアジャスター体15が当接連繋した状態で、アジャスター体15の外出長さが変更されるに伴い、鉛直方向に対して次第に起立状になるとき、その起立傾斜状態を許容させて、傾斜した受枠H1に対してでもベース体11の鉛直状態を調整設定できる。
【0012】
しかも、このとき、底面が湾曲しているコロ体22が取付ボルト21とボルト係合部18との間で介在されており、また、取付ボルト21は敷板25に対して傾動自在にネジ止めしてあるから、傾斜状となっている敷板25に対してでも、鉛直方向に沿ってアジャスター体15を回動操作できる。更にその回動操作は、設置場所における支持台本体1におけるベース体11上方からで可能であり、しかも回動操作のみであるから設置作業を迅速化させると共に、一旦、設置後でも必要であればその微調整をも容易にさせる。
【0013】
また、支持台本体1においての傾斜調整機構10部位それぞれで、受枠H1に対する高さを調整変更できるから、設置現場で微妙に傾斜角度、範囲が異なっていても、現場においてそれぞれで微調整することで対応でき、極めて便利である。
【0014】
尚、上記の課題を解決するための手段、発明の効果の項それぞれにおいて付記した符号は、図面中に記載した構成各部を示す部分との参照を容易にするために付した。本発明は図面中の符号によって示された構造・形状等に限定されない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下図面を参照して本発明を実施するための最良の一形態を説明する。図において示される符号1は、地中に埋設される各種の電力、通信用のケーブル等の分岐、集約その他のために地中に埋設されるハンドホールの如き電気設備施設H等において、これの地表面で開口している開口部分を施蓋するよう、開口部分に設置される支持台本体である。尚、この支持台本体1は、電気設備施設H等の開口部分を閉塞する蓋体Cとは別にして設置されるも、場合によっては蓋体Cを兼用することも、蓋体C上に別個に配置されることもある。尚、電気設備施設H等は水勾配が付されている歩道や、坂道等のいずれにも設置されるから、本発明支持台装置はそのいずれにも適用可能であるのは勿論である。
【0016】
そして、この支持台本体1は、電気設備施設Hの傾斜している開口部分における受枠H1に連繋される敷板25に対して傾斜調整機構10を介して水平状に設置され、所定の例えば縦長ボックス状の地上電設機器Eが据え付けられる。
【0017】
支持台本体1は、地上電設機器Eを据え付けるに足りる前後左右方向に沿う横幅、奥行の幅員それぞれを有し、図示のように地上電設機器Eの底面の周囲形状、例えば矩形状であることに対応して平面で矩形状を呈する枠体2から成る。枠体2自体は、図2に示すように例えば断面で矩形状を呈する周囲枠部内にコンクリート材の如き固形物を充填することで形成されており、電気設備施設Hの開口部に設置されるときの傾斜方向に沿った上下部分の所定位置に傾斜調整機構10を配置してある。この支持台本体1自体は、地上電設機器Eが設置されるときの傾斜方向に沿って縦長あるいは横長にしていずれの方向でも現場に応じて選択的に設置されるようにしておくと良く、これに対応して、傾斜調整機構10は枠体2の対向する辺縁の端部それぞれに配置しておくと良い(図2参照)。
【0018】
傾斜調整機構10は、内周面に送り雌ネジ12が形成されていて、支持台本体1に固定されるベース体11と、このベース体11に進退自在にねじ込まれるよう外周面に送り雄ネジ16が形成されていて、ベース体11底部から出没自在になっているアジャスター体15と、このアジャスター体15に挿入され、アジャスター体15の底部に傾動自在に係合して、敷板25を介してハンドホールHの開口部に連繋される取付ボルト21とから成る(図3参照)。
【0019】
ベース体11は筒状を呈していて、外側面に例えば対称的に形成した凹溝状の係合部13が枠体2自体の側壁片と噛み合い状に係合することで、枠体2に対して回転することなくしっかりと固定されている(図5参照)。ベース体11における送り雌ネジ12は、断面でほぼ台形状を呈し、アジャスター体15における同様な台形状を呈する送り雄ネジが噛み合せられることで、ベース体11に対してアジャスター体15を進退自在に確実、円滑にネジ送りさせるようにしてある。
【0020】
また、ベース体11における送り雌ネジ12は、ベース体11内周面のほぼ上半部ではアジャスター体15の外径に比し大径に形成する共にネジを形成しない平坦面となしたフリー空間部14とし、下半部にのみ送り雌ネジ12が形成されているものとしてある。こうすることで、ベース体11における下半部の送り雌ネジ12部分にアジャスター体15が噛み合うことで、噛み合い時のベース体11とアジャスター体15との結合長さの調整を可能とさせ、またベース体11自体の充分な高さ(長さ)を確保しながら、アジャスター体15との噛み合い調整を円滑にさせる。
【0021】
アジャスター体15は筒状を呈し、外周面の断面でほぼ台形状を呈する送り雄ネジ16によって、ベース体11に対してベース体11の内部でネジ送りによって進退自在に結合されており、アジャスター体15の下端は、ベース体11にネジ止め状態でベース体11底部から出没自在になっている。そして、湾曲面を呈するアジャスター体15の内側面上部には、例えば左右対称的にして平坦面状に形成した回動操作端部17を備えており、この回動操作端部17に当接状にして嵌め入れられる所定の工具によってアジャスター体15自体を回動操作できるようにしてある。このときのベース体11からアジャスター体15が外出される調整範囲は、受枠H1あるいは敷板25の傾斜角度に対応して異なる高さで例えば45mm程度に設定されている(図4(a)、(b)参照)。
【0022】
このアジャスター体15の底部には、底部開口に至るに伴い次第に窄まり状となるボルト係合部18と、このボルト係合部18に連続させて底部開口に至るに伴い次第に拡開する傾斜調整部19とを備えている。ボルト係合部18は、その上面が湾曲状を呈し、取付ボルト21における軸部の頭部底面側に嵌め合わせる湾曲面を備えたコロ体22が湾曲上面に傾動自在に当接し、ボルト係合部18と取付ボルト21頭部との間にコロ体22が介在されることで、取付ボルト21自体が所定の角度の範囲内でアジャスター体15乃至ベース体11に対して傾くようにしてある。傾斜調整部19は、この傾斜調整部19内に挿通される取付ボルト21がアジャスター体15に対して所定の傾斜角度で設定されるときの傾きを許容する角度でラッパ状に拡開されており、中心線に対して例えば6度の拡開角度で形成されている。
【0023】
アジャスター体15の底面は湾曲面状に形成されており、アジャスター体15のボルト係合部18に係合している取付ボルト21を敷板25にネジ止め固定した状態で、敷板25に対して取付ボルト21が傾動するとき、傾斜配置される敷板25に対しての取付ボルト21の取付角度の自在性が得られるように配慮してある。
【0024】
また、取付ボルト21は、図示にあっては穴付き頭部を有するタイプのものとしてあって、アジャスター体15内に挿入された取付ボルト21がベース体11の上方から挿入する所定のねじ回し工具によって回動操作が行えるようにしてある。尚、この取付ボルト21の頭部底面を、ボルト係合部18の湾曲上面に対応した湾曲面状に形成することで、コロ体22を不要とすることもできる。
【0025】
コロ体22は、取付ボルト21のネジ軸部に嵌め合わせるようにドーナツ状を呈するワッシャとなっていて、底面はボルト係合部18の湾曲上面に対応した湾曲面に形成されており、取付ボルト21の頭部とボルト係合部18の湾曲上面との間に介在されることで取付ボルト21自体がアジャスター体15に対して円滑に傾斜されるようにしている。
【0026】
前記敷板25は、傾斜調整機構10の取付ボルト21を挿通固定させてねじ止めするネジ止め孔26が対状にして開穿された帯板状を呈し、ハンドホールHにおける受枠H1に連繋されるもので、例えば受枠H1における対向している辺縁部分相互間で掛け渡し、装架されることで配置される。傾斜している受枠H1に掛け渡されることで、敷板25が傾斜されても、傾斜調整機構10を介して支持台本体1自体を水平状に取付調整することで地上電設機器Eが水平設置されるようになっている。尚、取付ボルト21を受枠H1に直接にねじ止めすることで、支持台本体1が設置可能である場合には、敷板25が使用されないこともある。
【0027】
図中符号30は、支持台本体1自体をクレーン機器その他で吊り下げ支持するときの連繋ネジ部である。
【0028】
次にこれの使用の一例を説明する。例えば坂道や、水勾配がなされている歩道等で、地中に埋設されるハンドホールの如き電気設備施設Hの開口部を施蓋し、所定の地上電設機器Eを据え付けるとき、受枠H1上に仮に設置しておいた支持台本体1において、傾斜調整機構10のアジャスター体15をその回動操作端部17によって回動することで設置高さを調整し、傾斜を矯正して地上電設機器Eを水平状態で設置する。
【0029】
すなわち、枠体2に固定されているベース体11内に、取付ボルト21がボルト係合部18に挿通係合されている状態のアジャスター体15をネジ止めあるいはフリー空間部14に挿入しておく。それと共に、ベース体11あるいはアジャスター体15下方に外出している取付ボルト21先端を敷板25にねじ止め固定し、アジャスター体15底面をネジ止め孔26周辺縁にしっくりと当接させておく(図4参照)。こうしておいて、支持台本体1自体をハンドホールHにおける開口部分の受枠H1上に、例えば敷板25を受枠H1上に掛け渡すようにして、あるいは敷板25を介さずに取付ボルト21を受枠H1に直接にネジ止めすることで位置決めする。次いで、ベース体11内で、回動操作端部17面に当接する所定の工具の回動操作によってアジャスター体15をベース体11に対してネジ送りし、ベース体11下方に突出するアジャスター体15の出没長さを調整設定する。こうすることで、敷板25あるいは受枠H1に対して、その上面から離隔し、高さを設定することで支持台本体1自体を水平状にすればよい(図4(a)、(b)参照)。このとき、傾斜調整機構10は例えば支持台本体1の前後方向、左右方向の四隅にあることで水平レベル出しをかなりの程度で精確に調整でき、また、地上における作業員による回動作業のみで迅速に行える。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明を実施するための最良の形態を示す使用状態の断面図である。
【図2】同じく概略を示す分解斜視図である。
【図3】同じく傾斜調整機構の分解断面図である。
【図4】同じく傾斜調整機構の断面図で、その(a)は調整高さが高くなる場合、その(b)は高さが低くなる場合である。
【図5】同じく平面図である。
【符号の説明】
【0031】
C…蓋体 E…地上電設機器
H…電気設備施設 H1…受枠
1…支持台本体 2…枠体
10…傾斜調整機構 11…ベース体
12…送り雌ネジ 13…係合部
14…フリー空間部 15…アジャスター体
16…送り雄ネジ部 17…回動操作端部
18…ボルト係合部 19…傾斜調整部
21…取付ボルト 22…コロ体
25…敷板 26…ネジ止め孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地中埋設のハンドホールの如き電気設備施設の地上開口部に位置決め設置される支持台本体と、電気設備施設の地上開口部の受枠上で出没自在に進退されるアジャスター体を有して支持台本体に設けられた傾斜調整機構とを備えて成ることを特徴とする傾斜地用の地上電設機器の支持台装置。
【請求項2】
支持台本体は、電気設備施設の地表面で開口している開口部分を施蓋するよう開口部分に設置され、地上電設機器の底面の周囲形状に対応している枠体から成り、この枠体は断面で矩形状を呈する周囲枠部内にコンクリート材の如き固形物を充填することで形成されている請求項1に記載の傾斜地用の地上電設機器の支持台装置。
【請求項3】
傾斜調整機構は、内周面に送り雌ネジが形成されていて、支持台本体に固定されるベース体と、このベース体に進退自在にねじ込まれるよう外周面に送り雄ネジが形成されていて、下端がベース体底部から出没自在になっているアジャスター体と、このアジャスター体に挿入され、アジャスター体の底部に傾動自在に係合して電気設備施設の開口部に当接連繋される取付ボルトとから成る請求項1に記載の傾斜地用の地上電設機器の支持台装置。
【請求項4】
アジャスター体の底部には、底部開口に至るに伴い次第に窄まり状となるボルト係合部と、このボルト係合部に連続させて底部開口に至るに伴い次第に拡開する傾斜調整部とを備えている請求項3に記載の傾斜地用の地上電設機器の支持台装置。
【請求項5】
ボルト係合部は湾曲上面を有し、このボルト係合部と取付ボルト頭部との間には、湾曲上面に対応して底面が湾曲しているコロ体が介在されるようにしてある請求項3または4に記載の傾斜地用の地上電設機器の支持台装置。
【請求項6】
取付ボルトは、電気設備施設の受枠に装架される敷板に、ネジ止め部位で形成してある湾曲面を介して当接させることで傾動自在にネジ止めしてある請求項3乃至5のいずれかに記載の傾斜地用の地上電設機器の支持台装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−207216(P2009−207216A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−44066(P2008−44066)
【出願日】平成20年2月26日(2008.2.26)
【出願人】(000151184)株式会社土井製作所 (21)
【出願人】(000003687)東京電力株式会社 (2,580)
【Fターム(参考)】