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優れた熱伝導度を持つ光硬化性樹脂組成物
説明

優れた熱伝導度を持つ光硬化性樹脂組成物

【課題】本発明は、熱伝導度及び水分に対するバリアー性が改善されることで、有機発光ダイオード(OLED)、液晶ディスプレイ(LCD)及びフレキシブルディスプレイのようなディスプレイ製造に有用な光硬化性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】本発明の光硬化性樹脂組成物は、(a)100重量部のエポキシ樹脂、(b)0.01〜20重量部の光重合開始剤、(c)0.01〜10重量部のカップリング剤、及び(d)0.01〜120重量部の無機充填剤を含み、(e)0.05〜10重量部の光酸発生剤をさらに含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光硬化性樹脂組成物に関し、特に、改善された熱伝導率により素子から発生した熱を容易に放出でき、水分に対するバリアー性に優れ、硬化時に発生する収縮を抑制することで、硬化物の接着強度などの物理的特性が低下されず、加熱なしに紫外線だけで硬化できる樹脂組成物であって、有機発光ダイオード(OLED)、液晶ディスプレイ(LCD)及びフレキシブルディスプレイ(flexible display)のようなディスプレイ製造に有用な光硬化性樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
エポキシ樹脂組成物は、金属等に対する接着力、せん断強度、引張強度等に優れるものの、エポキシ樹脂としての可溶性が不十分であり、剥離強度や耐衝撃強度が非常に低く、そのため亀裂、剥離等が発生しやすいという問題があり、これまで種々の改良がなされてきた。エポキシ樹脂組成物は、使用方法により、通常の一液型エポキシ樹脂組成物と、二液型エポキシ樹脂組成物とに大別される。一液型エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂に潜在性硬化剤を添加する方法であり、二液型エポキシ樹脂組成物は、ポリアミドアミン、脂肪族アミン等の硬化剤とエポキシ樹脂とを使用直前に混合して使用する方法である。このような二液型エポキシ樹脂組成物は、配合時の計量ミスによる硬化不良やポットライフが短いという問題がある。また、二液型エポキシ樹脂組成物にポリアミドアミン、脂肪族アミン等の硬化剤を用いる場合、硬化物の耐熱性が低く、不良が発生する恐れがある。よって、最近では、生産性の高い一液型エポキシ樹脂組成物の使用へと移行している。こうした一液型エポキシ樹脂は、特許文献1〜特許文献7等に開示されているが、これらは水分透過度が高くて樹脂の物性を低下させる恐れがあり、熱伝導度及び接着強度においても改善の余地がある。
【特許文献1】日本特開2005−239922号
【特許文献2】日本特開2000−204324号
【特許文献3】日本特開2005−36095号
【特許文献4】日本特開2004−352771号
【特許文献5】日本特開2005−105148号
【特許文献6】韓国特許公開2003−0007515号
【特許文献7】韓国特許公開2004−0077879号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
よって、本発明の目的は、優れた引張強度及び接着強度を持ち、水分透過度が低く、硬化時に発生する収縮を防止できる光硬化性樹脂組成物を提供することにある。
【0004】
本発明の他の目的は、熱伝導率を改善することで、素子から発生する熱の外部放出速度を増大させた光硬化性樹脂組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、(a)100重量部のエポキシ樹脂、(b)0.01〜20重量部の光重合開始剤、(c)0.01〜10重量部のカップリング剤、及び(d)0.01〜120重量部の無機充填剤を含む光硬化性樹脂組成物を提供する。また、本発明は、上記光硬化性樹脂組成物を光硬化して製造したディスプレイ材料を提供する。
【0006】
以下、本発明をより詳細に説明すれば、次の通りである。
本発明による光硬化性樹脂組成物は、主成分として(a)エポキシ樹脂を含む。エポキシ樹脂の非限定例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、上記エポキシ樹脂のプレポリマー(prepolymer)、ポリエーテル変性エポキシ樹脂、シリコン変性エポキシ樹脂及び脂環式エポキシ樹脂のような上記エポキシ樹脂と他のポリマーとの共重合体などが挙げられ、上記エポキシ樹脂は、単独又は2種以上を混合して使用できる。特に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂及びビフェニル型エポキシ樹脂は、耐熱性及び耐水性に優れるため好ましい。
【0007】
本発明による光硬化性樹脂組成物は、(b)光重合開始剤を含む。光重合開始剤の非限定例としては、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族ヨードニウムアルミニウム塩、芳香族スルホニウムアルミニウム塩、メタロセン化合物又は鉄アレーン系化合物等を用いることができる。その中でも、光硬化性の観点から、芳香族スルホニウム塩が好ましく、特に芳香族スルホニウム・ヘキサフルオロリン酸塩化合物、芳香族スルホニウム・ヘキサフルオロアンチモネート化合物又はこれらの混合物を使用すると、硬化性や接着性等を向上させるため好ましい。上記光重合開始剤の含有量は、エポキシ基合計量100重量部に対して0.01〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは1〜6重量部である。上記光重合開始剤の含有量が10重量部を超過すると、反応に参加しない剰余分量が発生することになり、20重量部を超過すると、上記剰余分量により組成物の物性が低下されるため好ましくない。また、本発明による光硬化性樹脂組成物の硬化物は、エポキシ変化率が85%以上であるのが好ましい。
【0008】
本発明の光硬化性樹脂組成物に含まれる(c)カップリング剤は、接着性を向上させるために用いられる。カップリング剤の非限定例としては、シラン系、チタン系のカップリング剤及びシリコン化合物などを単独又は2種以上を混合して使用できる。カップリング剤の含有量は、エポキシ樹脂100重量部に対して0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは0.1〜2重量部である。カップリング剤の含有量が2重量部を超過すると、反応に参加しない剰余分量が発生することになり、10重量部を超過すると、上記剰余分量により組成物の物性が低下されるため好ましくない。
【0009】
本発明による光硬化性樹脂組成物に含まれる(d)無機充填剤は、光透過性、水分に対するバリアー性及び熱伝導率を向上させ、硬化時の収縮防止のために添加するもので、シリカ、タルク、酸化マグネシウム(MgO)、マイカ、モンモリロナイト、アルミナ、グラファイト、酸化ベリリウム、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、ムライト、シリコンなどの板状又は球状の無機充填剤を使用でき、これらを単独又は混合して使用できる。特に、タルクは、水分に対するバリアー性及び光透過性に優れ、光硬化時に発生する収縮を防止する。アルミナ、グラファイト及びシリカは、熱伝導率が高いので、素子から発生する熱を外部に放出できる。よって、好ましくは、タルク、アルミナ、グラファイト及びシリカの中から選択された1種を単独に使用したり、例示した無機充填剤と混合して使用し、より好ましくは、アルミナ、グラファイト及びシリカの中から選択された1種とタルクとを混合して使用する。無機充填剤は、粒子サイズが0.1〜50μmであるものを使用でき、0.1〜10μmの小粒子及び5〜50μmの粒子等のような互いに異なるサイズを併用できる。無機充填剤の含有量は、エポキシ樹脂の100重量部に対して0.01〜120重量部、好ましくは0.1〜110重量部である。無機充填剤の含有量がエポキシ樹脂の120重量部を超過する場合、樹脂の重合反応を妨害して物性を低下させるため好ましくない。また、無機充填剤に置換基を導入して使用する場合、樹脂組成物の硬化物及びガラス間の接着力を増大させ、樹脂での分散特性及び接着力を増大させることができる。
【0010】
本発明による光硬化性樹脂組成物は、上記(b)光重合開始剤と共に(e)光酸発生剤を必要に応じてさらに添加できる。光酸発生剤は、露光によりルイス酸又はブレンステッド酸を生成して、化学増幅作用を誘導するもので、光により酸を発生できる化合物であればよい。この光酸発生剤として、好ましくは、有機スルホン酸等の硫化塩系化合物、オニウム塩等のオニウム塩系化合物又はこれらの混合物を使用できる。これらの非限定例としては、フタルイミドトリフルオロメタンスルホネート、ジニトロベンジルトシレート、n−デシルジスルホン、ナフチルイミドトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルパラメトキシフェニルスルホニウムトリプレート、ジフェニルパラトルエニルスルホニウムトリプレート、ジフェニルパライソブチルフェニルスルホニウムトリプレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムトリプレート、ジブチルナフチルスルホニウムトリプレート及びこれらの混合物が挙げられる。上記光酸発生剤の含有量は、上記エポキシ樹脂100重量部に対して0.05〜10重量部であるのが好ましい。上記光酸発生剤の含有量が10重量部を超過すると、組成物の遠紫外線の吸光度が増加し、酸が多量に発生するため、樹脂組成物の物性を低下させる恐れがある。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、光硬化性樹脂組成物は、優れた接着強度及び水分透過特性を持つと共に、熱硬化なしに光硬化だけで容易に硬化が行われるため、硬化時に発生する収縮を防止でき、特に、改善された熱伝導度により素子から発生する熱の外部放出速度を増大できるため、有機発光ダイオード、液晶ディスプレイ、フレキシブルディスプレイ等の製造に効果的に適用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、実施例及び比較例を介して本発明を具体的に説明するが、これに限定されるものではない。下記の実施例及び比較例において各成分の含有量の単位は重量部である。
【0013】
(実施例1〜8及び比較例)光硬化性樹脂組成物
下記の表1に示すような成分及び含有量により、実施例1〜8及び比較例の光硬化性樹脂組成物を製造した。まず、エポキシ樹脂に陽イオン光重合開始剤、カップリング剤及び無機充填剤を添加し、均一に撹はんした後、脱泡を経て樹脂組成物を製造した。
【0014】
エポキシ樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂として日本エポキシ社製のYL980を用い、陽イオン光重合開始剤は、芳香族スルホニウム塩として旭電化社製のSP−150を用い、カップリング剤は、シランカップリング剤として信越化学社製のKBM−403を用い、アルミナは、それぞれの粒度が異なる製品として住友化学社製のAES−11C(平均粒度0.4μm)、AL−M43(平均粒度2.7μm)、AL−M41(平均粒度1.6μm)及びAMS−9(平均粒度道0.6μm)を用い、タルクは、日本タルク社製のACE P−3を用いた。
【表1】

【0015】
(試験例1)水分透過度
バー塗工装置(bar applicator)を用いて異型処理されているPET(Polyethylene terephthalate)フィルムの異型処理面に、実施例及び比較例で製造した光硬化性樹脂組成物を、100mm*100mm*100μmのサイズで塗工した後、6000mJ/cmの紫外線(UV)を照射した。ASTM F1249の方法により、38℃の温度及び95%の相対湿度(RH)の条件において、24時間水分投湿度を水分透過度測定器(製品名:PERMATRAN−W 3/33)で測定し、その結果を下記表2に示した。
【0016】
(試験例2)熱伝導度
バー塗工装置を用いて異型処理されているポリエチレンテレフタレートフィルムの異型処理面に、実施例及び比較例で製造した光硬化性樹脂組成物を、100mm*50mm*100μmのサイズになるように塗工した。ここに、6000mJ/cmの紫外線を照射し、24時間経過した後、QTM(Quink Thermal Conductivity Meter)法を用いて熱伝導度測定器(製品名QTM−500)で測定し、その結果を下記表2に示した。
【0017】
(試験例3)接着強度
25mm*50mm*2.5mmのガラスに厚さ5mmで実施例及び比較例で製造した光硬化性樹脂組成物を塗工した後、その上に上記同じガラスを十字状に接着させた。ここに、6000mJ/cmの紫外線を照射し、24時間経過した後、接着強度測定器(製品名SEISHIN SS−30WD)で測定し、その結果を下記表2に示した。
【表2】

【0018】
上記表2を参照すれば、本発明による無機充填剤を一つ以上含む実施例は、無機充填剤を使用しない比較例に比べて、水分透過度が低くて水分に対するバリアー性に優れることが分かる。熱伝導度では、無機充填剤を20重量部使用した実施例1〜実施例3の場合は比較例と類似しているが、無機充填剤を40重量部以上使用した実施例4〜実施例8の場合は比較例よりも高い熱伝導度を示した。特に、無機充填剤として平均粒度が異なるアルミナを混合して90重量部以上使用した実施例6〜実施例8は、非常に優れた熱伝導度を示した。接着強度では、実施例1を除いた本発明による実施例は比較例よりも優れ、特にアルミナAL−M43、AL−M41、AMS−9を同時に使用した実施例7及び8の場合は接着強度に優れた。実施例7及び実施例8は、タルク以外の成分及び造成が一致する。よって、タルクの含有により水分透過度及び接着強度は多少向上するが、熱伝導度は多少低下されることが分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)100重量部のエポキシ樹脂
(b)0.01〜20重量部の光重合開始剤
(c)0.01〜10重量部のカップリング剤、及び
(d)0.01〜120重量部の無機充填剤を含む、光硬化性樹脂組成物。
【請求項2】
(e)0.05〜10重量部の光酸発生剤をさらに含む、請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
【請求項3】
(a)エポキシ樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、これらエポキシ樹脂のプレポリマー、ポリエーテル変性エポキシ樹脂、シリコン変性エポキシ樹脂及びこれらエポキシ樹脂と他のポリマーとの共重合体からなる群から選択された1種又は2種以上の混合物である、請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
【請求項4】
(b)光重合開始剤は、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族ヨードニウムアルミニウム塩、芳香族スルホニウムアルミニウム塩、メタロセン化合物及び鉄アレーン系化合物からなる群から選択されるものである、請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
【請求項5】
(c)カップリング剤は、シラン系のカップリング剤、チタン系のカップリング剤及びシリコン化合物からなる群から選択された1種又は2種以上の混合物である、請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
【請求項6】
(d)無機充填剤は、シリカ、タルク、酸化マグネシウム、マイカ、モンモリロナイト、アルミナ、グラファイト、酸化ベリリウム、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、ムライト及びシリコンからなる群から選択された1種又は2種以上の混合物である、請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
【請求項7】
(d)無機充填剤は、アルミナ、グラファイト及びシリカからなる群で選択された1種とタルクとの混合物である、請求項6に記載の光硬化性樹脂組成物。
【請求項8】
(e)光酸発生剤は、硫化塩系化合物又はオニウム塩系化合物である、請求項2に記載の光硬化性樹脂組成物。
【請求項9】
請求項1〜請求項8の何れか一つに記載の光硬化性樹脂組成物を光硬化して製造したディスプレイ材料。

【公開番号】特開2007−284680(P2007−284680A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−108866(P2007−108866)
【出願日】平成19年4月18日(2007.4.18)
【出願人】(502081871)ドンジン セミケム カンパニー リミテッド (62)
【Fターム(参考)】