説明

元素金属を含む組成物およびその使用

本発明は、生物学的な場の効果を変化させるための組成物と装置および治療および農業適用におけるそれらの使用のための方法を提供する。特に、本発明は、1以上の非伝導性または半導性材料で被覆された1またはそれ以上の元素金属を含む組成物および動物(ヒトを含む)および/または植物へのそれらの適用のための方法を提供する。本発明の態様によれば、ある種の元素金属組成物は、生体生物系(たとえば細胞、組織、器官、生物等)に関連する電場(たとえば静電場および/または電磁場)と相互作用することができ、この相互作用はある種の生物学的過程を変化させるために使用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
この出願は、米国特許法§119(e)の下、2005年6月3日に出願された米国仮出願第60/687,179号(この全内容は、参考として本明細書に援用される)からの優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明の態様は、生物学的過程に影響を及ぼす局所組成物に関する。特に、本発明の態様は、ヒトを含む動物において損傷、疾患および疼痛を治療するための局所組成物に関する。また本発明の態様は、植物生理学のある種の特徴を変化させる局所組成物にも関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
ある種の金属を含有するクリームおよび軟膏は、保護材料(たとえば日焼け止めクリーム)として、および様々な疾病(たとえば発疹および感染)を治療するために、ヒトおよび他の動物に使用されてきた。たとえば、硫酸銅を含有するクリームなどである。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(要旨)
本発明の態様は、1以上の元素金属を含有する組成物および動物および/または植物において生物学的過程に影響を及ぼすためのそれらの使用方法を提供する。本発明の態様は、部分的には、特定立体配置の元素金属が多くの生物学的過程に驚くべき作用を及ぼすという発見に基づく。特に、1以上の非伝導性および/または半導性材料と混合された、および/またはそれらで被覆された1以上の元素金属構造を含む組成物は、重要な治療および/または農業用途を有し得る。本発明の態様によれば、ある種の元素金属組成物は、生体生物系(たとえば細胞、組織、器官、生物等)に関連する電場(たとえば静電場および/または電磁場)と相互作用することができ、この相互作用はある種の生物学的過程を変化させるために使用できる。生物学的過程および分子との直接の化学的相互作用のために金属イオンを送達する組成物と異なり、本発明の態様は、生物系との直接接触を必要としない静電場効果および/または電磁場効果を通して間接的に生物系に影響を及ぼし得る静電的および/または電磁的特性を備えた組成物を提供する。従って、本発明の組成物はクリームまたは軟膏の形態で生物表面(たとえば皮膚)に適用し得るが、本発明の組成物は、生物表面と極めて近接したときにも有効であり得る(たとえば組成物は、生物系上またはその近くに置かれる筐体または容器であり得る)。
【0005】
1つの態様では、本発明の組成物は、非伝導性または半導性材料のマトリックスによって互いから分離された複数の導電性元素金属粒子(たとえばボール、ビーズ、粉末、ナノ粒子等)を含む。1つの実施形態では、分離マトリックス材料は、元素金属粒子と混合された固体粒子の形態(たとえば乾燥混合物の形態)であり得る。別の実施形態では、分離マトリックス材料は、元素金属粒子と混合されるまたは元素金属粒子に適用することができる被覆物の形態であり得る。被覆物は、粘性、液体またはエーロゾル形態で混合または適用され得る。マトリックスは固体粒子と被覆物の組合せを含み得ることが認識されるべきである。生じる組成物は、意図する用途に依存して乾燥、粘性または湿潤組成物であり得る。たとえば組成物は、元素金属粒子を含み、それらの粒子の少なくとも一部が非伝導性および/または半導性材料のマトリックスによって互いから分離されている、固体、液体、粒状、半固体、ろう状、油性または水様組成物であり得る。本発明の1つの態様によれば、導電性元素金属粒子の分離は、生体生物系と相互作用して、ある種の生物学的過程の性質および/または程度(たとえば強度、速度等)を変化させることができる特定の電気(たとえば電気化学)特性を生じさせる。元素金属およびマトリックス材料の性質、寸法および相対量は組成物の電気特性を変化させることがあり、個々の生物学的適用のために最適化され得ることが認識されるべきである。
【0006】
従って、本発明の1つの態様は、非伝導性または半導性材料のマトリックス内に1以上の元素金属粒子を含む生物学的に活性な元素金属組成物を提供する。1つの実施形態では、マトリックスは、微粒子元素金属の表面積の少なくとも一部の周囲に配置された被覆材料であり得る。1つの実施形態では、マトリックスは、元素金属粒子と混合されており、元素金属粒子の少なくとも一部を互いから分離する微粒子材料であり得る。たとえば前記材料は半導性材料であり得る。マトリックス材料は、シリコンダスト、硫黄、ホウ素、ガラス繊維または他の適切な材料であり得る。
【0007】
別の態様では、本発明は、非伝導性および/または半導性材料の固体マトリックス内に分散した元素金属体積(elemental metal volume)を含む固体の生物学的に活性な元素金属組成物を提供する。
【0008】
本発明の態様は、1以上の生物学的過程に影響を及ぼすために1以上の元素金属組成物を使用することを含む。元素金属組成物は、特定の生物学的結果を得るために十分な量と時間で使用し得る。生物学的適用は、本書で述べる医学的、獣医学的および農業的適用を含む。異なる用途のためには異なる量および/または曝露時間が適切であり得ることは認識されるべきである。有効および/または最適組成物および曝露条件(曝露の量および/または時間を含む)は、本書で提供する説明と実施例に基づき任意の用途について決定され得る。
【0009】
一部の実施形態では、本発明は、特定身体部分に適合するように構築されており、かつ自然に生じる電場(たとえば神経および/または体組織の電場)に応答して共振するマイクロコンデンサ(microscopic capacitor)から成るように特に調製される化合物を含有する、体表面(体外)器具または装置を提供する。
【0010】
従って、本発明の態様は、疼痛/炎症/刺激を軽減する、疼痛/炎症/刺激の発現を遅延させる、疼痛/炎症/刺激の期間を短縮する、運動性を維持するまたは上昇させる、局所クリームまたは他の薬剤(たとえば鎮痛剤、抗炎症薬等、またはそれらの組合せ)の使用を低減するまたは予防する、患者のクオリティ・オブ・ライフ(たとえば活動性および/または運動性)を高める、および/または侵襲的外科処置(たとえば疼痛改善のため)を遅延または延期させるための、非侵襲的方法、組成物、および装置を含み得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(詳細な説明)
本発明の態様は、生物学的過程に影響を及ぼす、金属含有組成物および装置に関する。本発明の態様は、部分的には、1以上の元素金属を含むある種の組成物が、生体組織を前記組成物に曝露することにより、生物学的過程を変化させるために使用できるという発見に基づく。本発明は、部分的には、本書で元素金属組成物と称する1以上の元素金属を含む生物学的に活性な組成物を提供する。ある態様では、元素金属は微粒子形態で提供される。ある態様では、元素金属は1以上の非伝導性または半導性材料で被覆され得る。1つの態様では、本発明の元素金属組成物はコンデンサとして機能し得る。1つの態様では、元素金属組成物は生体組織への電場効果(たとえば静電場効果および/または電磁場効果)を有し得る。1つの態様では、元素金属組成物は、生体組織に曝露されたとき(たとえば表面曝露を通して)生物学的過程を安定化し得る。1つの態様では、元素金属組成物は、生体組織に曝露されたとき(たとえば表面曝露を通して)生物学的過程を変化させ得る。
【0012】
本発明のある態様は、粒子(またはその一部)がマトリックス材料によって互いから分離されるようにマトリックス内に包含された元素金属粒子を含む。1つの態様では、マトリックスは、組成物の生物学的作用を増強するために1以上の非金属被覆材料(たとえば元素金属粒子の表面上で被覆物またはフィルムを形成することができる材料)を含む。別の態様では、マトリックスは、組成物の生物学的作用を増強するために元素金属と混合することができる1以上の微粒子材料(たとえば粉末、粒子等)を含む。被覆物および/または微粒子マトリックス材料は元素金属粒子よりも低導電性でよい(たとえばマトリックス被覆物または粒子は非伝導性または半導性であり得る)。従って、本発明の組成物は、自身のコンデンサ特性および/または電場効果特性に資する非均一な導電性を有し得る。元素金属粒子の大きさは、生物学的に有効な組成物のコンデンサおよび/または電場効果特性に影響を及ぼし得る。組成物内の元素金属粒子間の平均距離も、生物学的に有効な組成物のコンデンサおよび/または電場効果特性に影響を及ぼし得る。1つの実施形態では、より小さい元素金属粒子を含有する組成物は、元素金属とマトリックス材料との間でより大きな表面接触面積を有し、より強力なコンデンサおよび/または電場効果を生じさせる。元素金属組成物のコンデンサおよび/または電場効果は、使用する元素金属およびマトリックス材料の種類によっても影響され得ることが認識されるべきである。加えて、湿気および/または酸化金属の存在もコンデンサおよび/または電場効果に影響し得る(たとえば低下させ得る)。従って、マトリックス材料(たとえば被覆物)は、湿気(たとえば水分)を排除するため、かつ/または元素金属を酸化から保護するためにも使用され得る。
【0013】
本発明の組成物は、動物(たとえばヒト)および/または植物における生理的過程に影響を及ぼすために使用され得る。従って、元素金属を含む組成物は、ヒトおよび/または他の動物においてある種の状態を治療するための治療目的に使用され得る。他の実施形態では、元素金属を含む組成物は、植物においてある種の生理的状態を促進するまたは安定化するための農業目的に使用され得る。
【0014】
1つの態様では、本発明の組成物は、生物学的表面(たとえば動物の皮膚または植物の表面)に適用するまたは接触させることができる局所調製物の形態で提供され得る。ある態様では、本発明の組成物は、生物学的表面に曝露するまたは接触するように適合された容器中で(たとえば表面が元素金属組成物に直接接触することなく)提供され得る。1つの実施形態では、元素金属組成物は、規定された形状(たとえば生物学的表面との接触に適合した形状)を有する固体装置に形成(たとえば成形)され得る。別の実施形態では、1以上の元素金属は、微粒子形態で提供され、装置内に包含され得る。たとえば元素金属は、マトリックス内または容器/シース内で提供され得る。1つの実施形態では、元素金属は単一固体構造を形成し得る。別の実施形態では、元素金属は、類似のまたは異なる形状を有する2以上の構造の形態であり得る。1つの実施形態では、元素金属は微粒子(たとえば球、やすり屑(filings)、粒子、顆粒、ナノ粒子等)である。粒子はすべてほぼ同じ大きさであり得る。あるいは、粒子は大きさが異なり得る。元素金属粒子の平均径は、マトリックス粒子の平均径より小さくても大きくてもよい(たとえば元素金属対マトリックス粒子の比率は1/100〜100/1、たとえば1/10〜10/1であり得る)。しかし、より高い、より低い、または中間の比率も使用し得る。同様に、元素金属対マトリックス材料(微粒子または非微粒子)の比率(たとえば重量比または体積比)は、約1/100〜100/1(たとえば1/10〜10/1、約1/5〜5/1、または約1/2〜2/1、または約1/1)であり得る。
【0015】
一部の態様では、元素金属組成物は生体組織への電場効果を有し得る(たとえば生体組織の静電場および/または電磁場を変化させ得る)。電場効果は、1以上の生物学的過程に影響を及ぼすために使用され得る。本書で使用する、生物学的過程は、それが何らかの方法で変化する場合、影響され得る。たとえば過程は増強され得る(たとえば過程の大きさ、程度、および/または速度が上昇し得る)。他の実施形態では、過程は抑制され得る(たとえば過程の大きさ、程度、および/または速度が低下し得る)。さらなる実施形態では、過程は確立、方向変更または終結され得る。
【0016】
1つの態様では、本発明の組成物は、動物(たとえばヒト、愛玩動物、農業用動物等)においてある種の状態を治療するために治療的に使用され得る。治療できる状態は、皮膚疾患、疼痛、損傷および本書で述べる他の状態を含む。
【0017】
別の態様では、本発明の組成物は、植物生理学のある態様を変化させるために農業および/または園芸において使用され得る。ある実施形態では、植物の成長、種子の発芽、果実および/または野菜の登熟、および/または植物生理学の他の態様が本書で述べるように改変され得る(たとえば果実または野菜を保存するため、種子の発芽を高めるため等)。
【0018】
本発明の元素金属組成物は、本書で述べるようなそれらの意図される用途に依存して種々の調製物および/または構成で調製および/または包装され得る。
【0019】
以下の説明は、本発明の種々の元素金属、被覆物および装置の詳細および例を、動物および植物のために有用な適用と共に提供する。本発明の種々の適用が種々の元素金属、被覆物、および/または容器を含み得ることは認識されるべきである。加えて、所定の静電場効果および/または電磁場効果が、特定の適用のために使用される金属、被覆物、および/または容器の種類に影響するまたは種類を決定する唯一の因子ではない場合があることは認識されるべきである。たとえば毒性、入手の可能性、費用、使用の容易さ、および本書で述べる他の特性などの特性、またはそれらの組合せが、適切な金属、被覆物、および/または容器の選択を指定し得る。
【0020】
元素金属:
本発明の態様は、特定の立体配置の1以上の元素金属を含む組成物および装置ならびにそれらの使用のための方法に関する。出願人は、特定の立体配置の元素金属が、生体組織表面に接触したとき治療的および/または生物学的作用を有し得ることを発見した。1つの実施形態において、かつ理論に束縛されることを望むことなく、治療的および/または生物学的作用は元素金属組成物のコンデンサおよび/または電場効果に関するものであり、元素金属と生体組織内の1以上の生体分子との間の特異的な化学的相互作用に関してではない。
【0021】
本書で使用するような元素金属は、遷移金属、半金属(metalloid)、または天然で遊離金属として安定であり得る他の金属であり得る。遷移金属は、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、水銀、ラザホジウム、ドブニウム、シーボーギウム、ボーリウム、ハッシウム、マイトネリウム、ウンウンニリウム、ウンウンウニウム、またはウンウンビウムであり得る。遷移金属は2以上の殻内に価電子を有し、種々の酸化状態で存在し得る。遷移金属は磁場を生じさせることができる金属(鉄、コバルト、およびニッケル)を含む。半金属は、ホウ素、ケイ素、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモン、テルル、またはポロニウムであり得る。一部の半金属は半導体である(ケイ素およびゲルマニウム)。遊離金属として存在し得る他の金属は、アルミニウム、ガリウム、インジウム、スズ、タリウム、鉛、およびビスマスを含む。これらの金属はそれらの外殻内に価電子を有するだけであり、2以上の酸化状態では存在しない。
【0022】
これに対し、アルカリ金属およびアルカリ土類金属は、自然界では遊離金属として存在せず、本書で使用する元素金属ではない。アルカリ金属は、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、およびフランシウムを含む。アルカリ金属はそれらの外殻に1個の電子を有する反応性金属であり、他の元素とのイオン結合において容易にこの電子を失う。アルカリ土類金属は、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、およびラジウムを含む。アルカリ土類金属は、極めて反応性の高い金属でもあり、自然界では遊離金属として安定ではない。
【0023】
本発明によれば、いかなる元素金属または元素金属の組合せも、組成物に適切なコンデンサおよび/または電場効果を与える場合(たとえば1以上の非金属材料で被覆されたとき)、生物学的に有効な組成物中に含まれ得る。しかし、組成物の生物学的有効性が元素金属と1以上の生体分子との間の特異的な化学的相互作用に依存しない場合でも、元素金属を選択するときにはある種の生化学的特性を考慮し、評価し得ることは認識されるべきである。たとえば組成物は、特に動物、植物、または環境を組成物への曝露から保護する物理的装置内に封じ込められていない場合は、好ましくは有害ではない(たとえば非毒性である)。本発明の1つの態様によれば、1以上の非有害金属を選択し得る。別の態様では、生体組織と接触したとき適切なコンデンサおよび/または電場効果を有する組成物を生成するために、種々の電気化学的特性を備える金属を組み合わせ得る。さらに別の態様では、元素金属組成物は、治療されている生体組織(動物または植物)中に天然に存在する元素金属だけを(または主として)含み得る。たとえばヒトに関する使用のための組成物は、鉄、銅、マグネシウム、およびセレンのうち1以上を含み得る。1つの実施形態では、組成物中の2以上の元素金属の相対量は、生体組織中のそれらの相対量と同様(たとえば同じかまたはほぼ同じ)であり得る。しかし、他の態様では、いかなる1以上の元素金属も本発明の組成物中に含まれ得る。1つの実施形態では、任意の2以上の異なる元素金属(たとえば2、3、4、5、6、7、8、9、10、10−15、15−20またはそれ以上)を組み合わせ得る。2以上の元素金属は、混合物としてまたは合金として含まれ得る。組成物は、1以上の元素金属と1以上の合金の組み合わせを含有し得る。あるいは、組成物は元素金属だけまたは合金だけを含有し得る。本発明の種々の組成物中の種々の金属の比率(たとえば混合物中または合金中)は、1:1000から1000:1までの範囲におよぶ。しかし、より高い、より低い、または中間の比率も使用し得る(たとえば100:1、50:1、10:1、5:1、1:1、1:5、1:10、1:50、1:100等)。2以上(たとえば3、4、5、6、7、8、9、10等)の異なる元素金属のいかなる組合せも使用し得ることは認識されるべきである。たとえば組成物は、鉄、亜鉛、銅、アルミニウム、ケイ素、またはそれらの2以上の組合せ(たとえばそれらのすべて)を含み得る。一部の実施形態では、組成物は鉄と亜鉛を含み得る。一部の実施形態では、組成物は鉄と銅を含み得る。一部の実施形態では、組成物は亜鉛と銅を含み得る。これらの組成物のいずれかもまた、アルミニウム、ケイ素、またはアルミニウムまたはケイ素の組合せを含み得る。一部の実施形態では、鉄対亜鉛の比率は、約10/1〜約1/1(たとえば10/1、5/1、2/1、1/1)またはより高い、より低い、または中間の比率であり得る。一部の実施形態では、亜鉛対銅の比率は、約10/1〜約1/1(たとえば10/1、5/1、2/1、1/1)またはより高い、より低い、または中間の比率であり得る。一部の実施形態では、銅対アルミニウムの比率は、約10/1〜約1/1(たとえば10/1、5/1、2/1、1/1)またはより高い、より低い、または中間の比率であり得る。一部の実施形態では、アルミニウム対ケイ素の比率は、約10/1〜約1/1(たとえば10/1、5/1、2/1、1/1)またはより高い、より低い、または中間の比率であり得る。上記比率のいかなる特定の組合せも、本発明の組成物において使用し得る。たとえば鉄、亜鉛、銅、アルミニウム、およびケイ素は、互いに対してこれら5個の元素の任意の比率で存在し得る(たとえば鉄/亜鉛/銅/アルミニウム/ケイ素の相対順序で、約10,000/1,000/100/10/1から約1/1/1/1/1まで、たとえば約16/8/4/2/1、約20/4/2/2/1、約8/4/2/2/1、約50/10/2/1/1、約50/50/25/25/1、約50/25/5/5/1、または本書で述べる比率の任意の他の組合せ)。
【0024】
ある態様では、組成物は、元素金属の酸化または還元形態を含み得る。しかし、一部の実施形態では、酸化および/または還元形態は、組成物中の元素金属の重量または体積の50%以下、たとえば25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、5%以下、1%以下、0.1%以下、または0.01%以下であるべきである。
【0025】
本発明のある態様では、組成物は、1以上の元素金属に加えて、非元素である金属を含み得る。しかし、一部の実施形態では、非元素金属は、組成物中の金属の重量または体積の50%以下、たとえば40%、30%、25%、20%、15%、10%、5%、1%、または0.1%以下を構成する。従って、元素金属は、組成物中の金属の重量または体積の50%より多く、たとえば60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、または99.9%より多くあり得る。しかし、総元素金属は、組成物の総重量または総体積の99%より多くから1%未満(たとえば約90%、75%、50%、25%、20%、15%、10%、5%、1%、またはそれ以上またはそれ以下)であり得る。
【0026】
従って、一部の実施形態では、本発明の組成物または装置は、わずかにまたは少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、またはそれ以上の非イオン金属を含む。一部の実施形態では、元素金属は、イオン金属(たとえばホウ酸塩、硫酸塩等)の生成を防ぐために不活性または非反応性マトリックスまたは被覆物(たとえば炭素質)中で提供される。
【0027】
微粒子形態
1つの態様では、本発明の組成物は微粒子形態の1以上の元素金属を含む。従って、一部の実施形態では、元素金属はマトリックス内の不溶性形態で提供される。金属粒子の直径は、数ミリメートル(たとえば1cm)から数ナノメートルに及び得る。しかし、ある実施形態ではより大きいまたはより小さい粒子を使用し得る。従って、金属粒子は、直径約1mm、直径約100ミクロン、直径約10ミクロン、直径約1ミクロン、直径約100nm、直径約10nm、直径約1nmであり得る。組成物は、単位堆積当たり1個から数ダース、数百、数千、数百万、数十億またはそれ以上の粒子を含有し得る。調製物中の粒子の大きさは均一であり得るか(たとえば全部がほぼ同じ直径を有する)または一定範囲の直径にわたって分布し得る(たとえば粒子の90%が直径サイズの2〜10倍の範囲内である狭い範囲、またはたとえば粒子の90%が直径サイズの100〜1,000倍の範囲内であるより広い範囲)。従って、本発明の組成物は、金属球、金属やすり屑、金属粉末、ナノ粒子(たとえば直径0.1〜10nmの粒子)を含み得る。1つの実施形態では、粒子は、約100ミクロン未満の直径、たとえば約50ミクロン未満、または約10ミクロン未満の直径を有する。たとえば約40ミクロン以下の直径を有する粒子は、約40ミクロンより大きい直径を有する粒子を排除する325メッシュふるいを用いて選択し得る。金属粒子の形状は必ずしも球でなくてもよいことが認識されるべきである。金属粒子は、一部の実施形態では球であってもよくまたは球に近似してもよい。しかし他の実施形態では、粒子は、卵形、長尺、長方形、不均整等であり得る。粒子に関して、直径への言及は粒子を横断する平均寸法に関することが了解されるべきである。球に関して、直径は球の直径である。より球体でないまたは非球体粒子に関しては、直径は粒子の平均寸法(たとえば粒子の2つの面の間の、最長距離の平均、最短距離の平均、またはすべての距離の平均)を指す。
【0028】
種々の大きさの粒子は、任意の適切な方法を用いて入手または調製され得る。1つの実施形態では、粒子サイズは、種々のメッシュ(たとえば200メッシュ、300メッシュ、325メッシュ等)を用いて元素金属粒子をふるいにかけることによって選択され得る。
【0029】
本発明に従って使用できる種々の元素金属のこれらや他の態様を以下でより詳細に説明する。
【0030】
マトリックス材料(たとえば被覆物):
本発明の1つの態様では、組成物および/または装置は、非金属材料の層(たとえば1以上の非伝導性または半導性材料の層)で被覆された少なくとも1つの元素金属を含む。本発明の別の態様では、組成物および/または装置は、非金属材料の調製物(たとえば1以上の非伝導性または半導性材料の粒子)と混合された少なくとも1つの元素金属を含む。本発明によれば、元素金属粒子の少なくとも一部(たとえば100%以下、たとえば約80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%またはそれ以下)を互いから分離するマトリックス(たとえば被覆物)は、元素金属調製物の静電容量(キャパシタンス)を増加させることによって本発明の1以上の静電的および/または電磁的特性を増強し得る。
【0031】
被覆物は、有機材料(たとえば有機ろう等)、合成材料またはそれらの組合せであり得る。適切な被覆材料の例は、ワセリン、石油ゼリー、油、蜜ろう、ラノリン等)を含む。ある種の材料は、i)元素組成物に適切な電気的特性(たとえば伝導性、電場効果、静電容量等)を与えるための被覆材料として、および/またはii)元素組成物に適切な物理的特性(たとえば粘度、展性等)を与えるための混合物成分として使用し得ることが認識されるべきである。たとえばラノリンは、被覆物としておよび/または乳化剤として使用し得る。一部の実施形態では、材料(たとえばラノリン)は、主として組成物へのその物理的作用(たとえば乳化剤)のために使用し得る。一部の実施形態では、油(たとえば鉱物油、動物油、および/または植物油)を、1以上の物理的特性を改変するため(たとえば粘着性を高めるため)に使用し得る。一部の実施形態では、動物脂肪を、マトリックスとして使用し得るかまたは1以上の物理的特性を改変するために異なるマトリックスに添加し得る。一部の実施形態では、1以上の他の材料または化合物を、組成物の展性、柔軟性、および/または粘着性を上昇または低下させるために使用し得る。しかし、組成物の電気的特性へのそれらの作用も考慮すべきである(たとえば実験的に評価すべきである)。
【0032】
1つの態様では、元素金属粒子の調製物を非伝導性または半導性材料(たとえばガラス、シリコーン、羊毛、綿等)の粒子と混合し得る。任意の適切な比率を使用し得る。1つの実施形態では、元素金属の粒子のサイズ範囲は非伝導性または半導性材料のサイズ範囲と同じであり得る。1つの実施形態では、元素金属の粒子のサイズ範囲は非伝導性または半導性材料のサイズ範囲と異なり得る。
【0033】
1つの態様では、組成物は、表面(たとえば皮膚)に塗布しやすいように室温(または使用環境に特徴的な他の温度)で粘性または半固体(たとえばろう状)であり得る。しかし、ある実施形態では、組成物は室温(または使用環境に特徴的な他の温度)で液体であり得る。さらに他の実施形態では、組成物は室温(または使用環境に特徴的な他の温度)で固体または粒状であり得る。液体溶液は、クリーム/軟膏の物理的拡散が実際的でない場合の表面への適用のため(たとえば比較的広い面積(たとえば農業地域)にわたる拡散/散布のため)に有用であり得る。しかし、大量の単位または体積の元素金属組成物を広い面積(たとえば農業地域)にわたって分散させ得る状況では、固体組成物も使用し得る。いかなる形態の組成物も筐体(たとえば固体容器、パウチ、サック等のような容器)内に含まれ得る。実施形態では、本発明の組成物は、エーロゾルとしてまたは対象領域に容易に分散させ得る他の形態(たとえば患者の皮膚に噴霧できるスプレーまたは温室または圃場で植物に散布できるスプレー)として提供され得る。
【0034】
1つの態様では、被覆物が元素金属表面の少なくとも一部を覆い、それによって元素金属と被覆材料との間に界面を形成するように、被覆物は、元素金属と混合するのに十分な展性を有する。1つの実施形態では、被覆物は、(たとえば目視検査したとき)元素金属の表面の1%〜100%、たとえば約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、または約99%を覆い得る。図1は、被覆材料で覆われたいくつかの金属粒子の例を示す。
【0035】
1つの実施形態では、元素金属は、元素金属またはその一部を覆う被覆材料との混合物を調製するのに適した条件下で被覆材料によって覆われ得る(たとえばろうは、ろうを溶融するのに十分な高さの温度で元素金属と混合し得る)。その結果もたらされた調製物は、その後、異なる条件下で(たとえばより低い温度で)使用し得る。
【0036】
元素金属に関して、適切な被覆材料を選択するとき種々の特性が考慮され得る。特性は、伝導性、毒性、使用可能性、展性、安定性等、またはそれらの2以上の組合せを含み得る。
【0037】
微粒子マトリックス(または微粒子材料および非微粒子被覆材料の両方を含むマトリックス)を有する組成物を調製するとき同様の成分および配慮を用い得ることが認識されるべきである。加えて、マトリックス粒子の平均サイズは、組成物中の元素金属粒子の平均サイズと同様であるかまたは異なり得る。さらに、元素金属粒子対マトリックス粒子の種々の比率を使用し得る(たとえば約1000:1、100:1、10:1、1:1、1:10、1:100、1:1000、またはより高い、またはより低い、または中間の比率)。
【0038】
従って、本発明の種々の態様では、マトリックス材料は固体、液体、微粒子、非微粒子、またはそれらの2以上の組合せであり得る。
【0039】
元素金属およびマトリックス材料(たとえば被覆材料)の特性:
本発明の態様は、毒性、使用可能性、費用等のような特定の特性に基づき種々の材料(たとえば元素金属および/またはマトリックス材料)を使用し得る。以下の段落は、元素金属を含む材料の種々の特性を説明し、特定の用途のために有用と考えられる特性に基づく元素金属および他の材料の分類をもたらす。個々の金属について本書で述べる種々の特性は、単一元素金属、2以上の元素金属の混合物、2以上の金属の合金、またはそれらの2以上の組合せを含む組成物に関して考慮され得ることが了解されるべきである。しかし、ある種の金属は、他の成分と組み合わせたときに毒性がより低くなることがある。たとえばある種の金属は、純金属として存在するときよりも合金であるときにより毒性または有害性が低くなり得る。
【0040】
1つの態様では、材料または成分を選択または使用するとき、安全性および健康上の配慮を考慮し得る。1つの実施形態では、組成物は、非有害性および/または非放射性金属のみを含み得る(すなわち有害性および/または放射性金属を含まない)。1つの実施形態では、組成物は、非有害性および/または非放射性合金のみを含み得る(たとえば本質的に有害および/または放射性である金属を含有しない合金)。
【0041】
金属の有害性はHMIS(危険有害性物質情報システム)に従って評価し得る。1つの実施形態では、非有害性金属は、2以下の健康有害性評価を有するものである(評価は、典型的には0〜4の範囲である)。
【0042】
1つの実施形態では、本発明の組成物は以下の放射性元素のいずれも含有しない。すなわちテクネチウム、ビスマス、(半金属)ポロニウムおよびアスタチン、アクチニウム、トリウム、プロトアクチニウム、ウラン、ネプツニウム、プルトニウム、アメリシウム、キュリウム、バークリウム、カリホルニウム、アインスタイニウム、フェルミウム、メンデレビウム、ノーベリウム、ローレンシウム、ラザホージウム、ドブニウム、シーボーギウム、ボーリウム、ハッシウム、マイトネリウム、ダルムスタチウム、ウンウンウニウム、ウンウンビウム、ウンウントリウム、ウンウンクアジウム、ウンウンペンチウム、ウンウンヘキシウムおよび周期表でより高い放射性元素である。しかし、1以上のそのような元素は、たとえばそれらを、放射線によって引き起こされ得る損傷の量を低減させる遮蔽容器または装置内で提供することにより、特定の実施形態で使用し得る。また、特定の放射性金属は低エネルギー放射線を放射し、遮蔽容器または装置なしで使用し得る。たとえばインジウムはごくわずかだけ放射性であり(β崩壊)、有害ではなく、本発明の組成物および方法において使用し得る。同様に、他のわずかに放射性の金属も使用し得る。
【0043】
1つの実施形態では、本発明の組成物は、自然発火性または爆発性固体成分または他の何らかの危険な物理的特性を有する成分を含有しない。たとえば引火性および他の健康有害性において3以上の危険有害性物質情報システム(HMIS)等級を有する個々の金属は本発明の組成物から除外され得る(物理的に危険ではない合金または混合物の形態を除く)。物理的に危険であり得る金属および合金の例は、ランタン、マンガン、ハフニウム(10ミクロ粒子は自然発火する)、オスミウム、およびリンを含む。
【0044】
同様に、ある実施形態では、一般に(概ね)毒性である金属は本発明の組成物から除外され得る。動物または植物の生命に対して毒性であり得る金属の例は、(特に高濃度の)ハフニウム、タングステン、マンガン、クロム、オスミウム、コバルト、タリウム、リン、水銀、ヒ素、および鉛を含む。しかし、1つの実施形態では、これらの金属はいずれも、安定な合金として使用するとき非毒性またはより低毒性であり得る(たとえばマンガン、クロム、またはリン合金)。また、これらの金属のうち特定のもの(たとえばマンガンおよびコバルト)は、一部の生物(たとえば植物)の成長にとって重要な金属であると考えられ、それ故適切な量で(たとえば比較的低い濃度)使用するときは非毒性であり得る。
【0045】
他の毒性金属は、労働安全衛生管理局(OSHA)および環境保護省によって決定された複数の毒性を有するもの、たとえばカドミウム、ハフニウム、アンチモン、水銀、ヒ素、鉛、オスミウム、およびコバルトを含む。他の実施形態では、吸入したとき有毒である金属は除外され得る(たとえばハフニウム、タングステン、マンガン、オスミウム、コバルト、カドミウム、タリウム、リン、アンチモン、ヒ素、および鉛)。他の実施形態では、経口摂取されると有毒な金属は除外され得る(たとえばコバルト、カドミウム、タリウム、リン、アンチモン、ヒ素、および鉛)。さらなる実施形態では、皮膚を通して吸収されたとき有毒である金属、および/または皮膚刺激物である金属、および/または潰瘍を引き起こす金属は除外され得る。そのような金属の例は、ハフニウム、マンガン、オスミウム、コバルト、タリウム、リン、およびヒ素を含む。さらなる実施形態では、CNS毒性成分またはこれらの成分を含む合金は除外され得る(たとえばタングステン、マンガン(パーキンソン病)、鉛、アンチモン、および水銀)。他の実施形態では、粘膜および/または皮膚を破壊する毒性金属および/または合金は除外され得る(たとえばクロム、オスミウム、タリウム、およびリン)。ある実施形態では、植物に対して有毒である金属は除外され得る(たとえば高濃度のアルミニウム)。他の実施形態では、発癌物質金属(たとえば労働安全衛生管理局、食品医薬品局、または他の機関によって規定される)は除外され得る(たとえばジルコニウム、クロム、タングステン、コバルト、ニッケル、カドミウム、タリウム、およびクロム−ニッケル−コバルトの合金)。しかし、これらの成分のいずれか1以上は、金属の望ましくない特性を、動物(たとえばヒト)および/または植物への予想される曝露に鑑みて許容されるレベルまで低下させる適切な容器または防護装置内で提供される場合は、使用し得ることが認識されるべきである。
【0046】
本発明の態様によれば、有害金属は除外され得る。しかし、多くの実施形態では、有害因子が予想されるまたは認められる生理的恩恵を上回らなければ、有害金属は使用され得る。有害金属は、人体曝露に関するHMIS等級2を有し得る。有害金属の非限定的な例は、スカンジウム(引火性2−粉末、健康障害1−吸入、反応性0);イットリウム(引火性3−粉末自然発火、健康障害1、反応性0);チタン(引火性3−粉末、健康障害1−吸入、反応性1);バナジウム(引火性0、健康障害2−長期吸入、反応性0)は医療装置において使用される;ニオブ(引火性0、健康障害0、反応性0);タンタル(引火性0、健康障害1−吸入、反応性0);モリブデン(引火性0、健康障害0、反応性0);レニウム(引火性0、健康障害0、反応性0);鉄(引火性0、健康障害−経口摂取2、反応性0);ルテニウム(引火性1、健康障害1、反応性0);ロジウム(引火性1、健康障害1、反応性0);イリジウム(引火性1、健康障害0、反応性0);ニッケル(経口摂取して発癌性となる場合を除いて低い全体的毒性、反応性は低い);パラジウム(引火性0、健康障害1−吸入、反応性0);白金(引火性0、健康障害1、反応性0);銅(引火性2−粉塵、健康障害1、反応性1);銀(引火性2−粉末、健康障害1−経皮吸収−銀沈着症、反応性1);金(引火性1−粉末、健康障害1−経口摂取、反応性0);亜鉛(引火性1−粉末、健康障害1−煙霧の経口摂取、反応性0);アルミニウム(引火性1−粉末、健康障害−経口摂取、反応性2−鉄および水により発熱性);ガリウム(引火性0、健康障害1−経口摂取、反応性0);インジウム(引火性0、健康障害1−経口摂取、反応性0);およびスズ(引火性3−粉末、健康障害2−吸入、反応性0)を含む。
【0047】
有害半金属の非限定的な例は、ホウ素(引火性3−粉末自然発火、健康障害2−燃焼および経口摂取の場合有毒な煙霧、反応性0);ケイ素(引火性0、健康障害1−吸入、反応性0);ゲルマニウム(引火性0、健康障害0、反応性0);およびテルル(引火性0、健康障害3−経口摂取、吸入、反応性0)を含む。有害半金属は、適切な保護手段が講じられる場合は特定の実施形態で使用し得ることが認識されるべきである。
【0048】
マトリックス(たとえば被覆物)として使用し得る有害非金属の非限定的な例は、炭素(引火性1−粉末、健康障害0、反応性0);硫黄(引火性1−粉末、健康障害1−経口摂取、反応性0);およびセレン(引火性1−粉末、健康障害1−吸入、反応性1)を含む。
【0049】
本発明の一部の態様では、組成物は、急性炎症を引き起こす材料または動物(たとえばヒト)の皮膚を通して容易に吸収される材料(たとえば金属)を除外し得る。しかし、そのような金属は、低量で使用される場合またはその金属との直接接触から皮膚を保護する容器または適切な装置内で提供される場合は、使用され得る。そのような金属の非限定的な例は、ルテニウム(皮膚を強力に染色する);ニッケルおよび銀(銀沈着症)を含む。
【0050】
本発明の態様によれば、微粒子形態でおよび妥当な費用で容易に入手可能である有用な成分(たとえば元素金属および合金)は、イットリウム、チタン、バナジウム、モリブデン、鉄、ニッケル、パラジウム、銅、銀、亜鉛、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム(粒状)、炭素、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、硫黄、セレン、およびテルルを含む。より高価であり得る他の有用な金属は、スカンジウム、ニオブ、タンタル、レニウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、白金、および金を含む。
【0051】
本発明の態様によれば、以下の有用な元素および合金は、微細に分割された形態で多少の/軽度の皮膚刺激(HMIS0または1)を引き起こし得る。すなわちイットリウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、レニウム、鉄、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、金、亜鉛、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、硫黄、セレン、およびテルルである。
【0052】
微粒子または微細分割粉末またはナノ粒子形態で容易に入手可能と考えられる元素は以下を含む。すなわちイットリウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、レニウム、鉄、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、金、亜鉛、ホウ素、アルミニウム、インジウム、炭素、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、硫黄、セレン、およびテルル(ガリウムは軟状/液体として入手可能であり得ることに留意すべきである)である。
【0053】
本発明の態様によれは、以下の元素は、動物(たとえばヒト)による経口摂取または環境への浸出を防ぐために慎重に使用すべきである。すなわちイットリウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、タンタル、モリブデン、レニウム、鉄、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、金、亜鉛、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、炭素、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、硫黄、セレン、およびテルルである。これらの元素のうちのあるものは、低量では非毒性であるかさらには有益であり得るが、より高い用量では毒性であり得る(たとえば、低量では一部の生体組織または下等無脊椎動物を含む生物にとって必要な必須元素であるが、より高い量ではしばしば毒性であるバナジウム)。ニオブも、動物において胎盤関門を越えることがあるので慎重に使用すべきである。
【0054】
本発明の他の態様では、以下の元素は農業用途のために特に有用であると考えられる。すなわちイットリウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、レニウム、鉄、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、金、亜鉛、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、炭素、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、硫黄、セレン、およびテルルである。たとえばナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、および硫黄は、特定の植物にとって必須多量養素であり得る。塩素、鉄、ホウ素、マンガン、亜鉛、銅、モリブデン、およびニッケルは、特定の植物にとって必須微量養分であり得る。加えて、ケイ素、ナトリウム、コバルト、およびセレンは、特定の植物にとって有益な元素であり得る。
【0055】
より安価で容易に入手可能な元素(たとえば金属)を選択し得るが、本書で述べる金属のいずれも本発明の態様において使用し得る。容易に入手可能と考えられ、かつ微細分割形態で比較的安価な元素の例は、チタン、バナジウム、モリブデン、鉄、ニッケル、パラジウム、銅、銀、亜鉛、ホウ素、アルミニウム、インジウム、炭素、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、硫黄、セレン、およびテルルを含む。使用し得るが、より入手しにくくかつ/またはより高価である他の元素の例は、イットリウム、スカンジウム、ニオブ、タンタル、レニウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、白金、金、およびガリウム(軟状)を含む。
【0056】
本発明の一部の態様では、FDAの認可を受けている元素および合金が特定のヒトへの適用のために選択され得る。たとえば、チタン(移植片および被覆物に関して承認);バナジウム(移植片および被覆物に関して承認);タンタル(移植片、歯科および外科手術器具に関して承認);モリブデン(人工補装具に関して承認、植物および動物における微量元素);鉄(必須元素、栄養補助食品に関して承認、および多数の承認を有する);イリジウム(手術用具に関して承認);パラジウム(合金として多数の用途に関して承認);白金(多数の用途に関して承認);銅(多数の用途に関して承認);銀(多数の用途に関して承認);金(多数の用途に関して承認);亜鉛(多数の用途に関して承認);炭素(多数の適用に関して承認);ケイ素(多数の用途に関して承認);ゲルマニウム(合金、種々の用途に関して承認);スズ(多数の用途に関して承認);硫黄(多数の用途に関して承認);およびセレン(多数の用途に関して承認)などである。本発明の組成物はこれらおよび/または他の用途のために使用し得ることが認識されるべきである。しかし、化合物が1つの用途に関して承認されているという事実は、それが他の用途のために適切であり得る(たとえば非毒性、非刺激性等)ことを示唆する。
【0057】
個々に毒性である特定の金属が、合金または混合物の形態であるとき低い毒性を有し得ることは認識されるべきである。当業者は相対的毒性を判定することができ、適切な合金はそれらの毒性プロフィールに基づいて選択され得る。
【0058】
1つの態様では、米国鉄鋼協会(AISA)でリストされる1以上の合金、たとえばアルミニウム、ケイ素、マンガン、クロム、バナジウム、モリブデン、ニオブ(コロンビウム)、セレン、チタン、リン、コバルト、タングステン、ホウ素との鉄合金、ケイ素、リン、硫黄、マンガン、ニッケル、クロム、モリブデン、銅、および/またはチタンとの鉄−炭素合金を使用し得る。
【0059】
1つの態様では、補てつ合金(prosthetic alloy)を使用し得る。たとえば、チタン基合金上の酸化チタン(TiO)およびコバルト基合金上の酸化クロム(Cr)などの、強度に接着性の不動態化表面オキシドを使用し得る。
【0060】
1つの態様では、合金鉄、コバルト基合金、またはチタン基合金を使用し得る。たとえば冷間加工されたステンレス鋼;鋳造ビタリウム;コバルト、ニッケル、クロム、モリブデン、およびチタンの鍛造合金;アルミニウムおよびバナジウムと合金されたチタン;および商業純度のチタンを使用し得る。
【0061】
1つの態様では、ある種の合金は、窒化処理または高い表面特性の表面層のイオン注入によって改変し得る。たとえば以下の合金のうち1以上を使用し得る。すなわち、鋳造Co−Cr−Mo合金;青銅:銅とスズプラス微量の他の元素;真ちゅう:銅と亜鉛;軸受合金:バビットメタル、スズ(Sn)、アンチモン(Sb)および銅(Cu)、銅、または銀(Ag);耐食合金:ステンレス鋼:オーステナイト処方(formula)、フェライト処方およびマルテンサイト処方;アルミニウム合金:Al−リチウム、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、モネル、ニッケルと銅との合金;インコネル:クロムと鉄(Fe)とを含む、鏡鉄:鉄−マンガン−炭素−ケイ素;歯科用合金;銀および水銀(Hg)アマルガム、スズ、銅、および亜鉛(Zn)、金基(Au)、銀、および銅、パラジウムおよび白金;ビタリウム:コバルト、クロム、モリブデン、およびニッケルの合金;ダイカスト合金:亜鉛基:アルミニウムと銅;アルミニウム基:ケイ素、銅、鉄、ケイ素;共融合金:銀と銅、コバルトリッチ合金のマトリックス中の炭化タンタル(TaC)繊維;易融合金:鉛、カドミウム、ビスマス、スズ、アンチモン、およびインジウム、ビスマス;および/または金属間化合物:Mu−金属(ニッケル−鉄−銅−モリブデン)である。
【0062】
1つの態様では、以下の1以上を含む、高温合金を使用し得る。すなわちステンレス鋼:Cr、Ni、およびモリブデン;ニッケル基およびコバルト基の両方の合金、ニクロム、クロムと鉄を含むニッケル基合金;Rene−41はクロム、アルミニウム、チタン(Ti)、コバルト(Co)、モリブデン、鉄、炭素(C)、ホウ素(B)、およびニッケルを含む;および/またはモリブデン基合金である。
【0063】
1つの態様では、接合合金を使用し得る。たとえば以下の1以上を使用し得る。すなわち銅−亜鉛、スズ黄銅、ケイ素−アルミニウム共融合金、アルミニウム含有マグネシウム、および/または鉛−スズ合金である。
【0064】
1つの態様では、軽金属合金を使用し得る。たとえば以下の1以上を使用し得る。すなわちアルミニウムとマグネシウム(Mg)、アルミニウムと銅、およびマグネシウムとアルミニウム;三元(三成分)および/またはそれ以上の錯体:アルミニウム−亜鉛−マグネシウム系である。
【0065】
他の態様では、以下の合金のいずれか1以上を使用し得る。すなわち低膨張合金(たとえばインバー(鉄−ニッケル)、コバール(5鉄−ニッケル−コバルト)等);磁性合金(たとえばケイ素−フェライト);パーマロイ(ニッケル−鉄)および一部の匹敵し得るコバルト基合金;セラミックフェライト;Alnicos、Alnico−4(鉄−ニッケル−アルミニウム−コバルト)、RCo5[Rはサマリウム(Sm)、ランタン(La)、セリウム(Ce)である];貴金属合金(たとえばAu−Ag−Cu合金であるイエローゴールド、Au−ニッケルであるホワイトゴールド、銀、または色を黄色から白色に変化させる亜鉛);白金(Pt)−ロジウム(Rh)−白金の合金;スターリングシルバー;形状記憶合金;カドミウムと合金された金;ニチナル(nitinal)として知られるニッケルとチタン;熱電対合金;クロメル:ニッケルとクロム;アルメル:ニッケル、アルミニウム、クロム、およびケイ素;広く使用されるクロメル−アルメル熱電対;超伝導合金(たとえばニオブとチタン、ニオブとスズ、バナジウムとガリウム、ニオブとゲルマニウム、ニオブとアルミニウム等);鉛−インジウム;鉛−金(PbAu);セラミック;酸化銅系材料;イットリウム−バリウム−銅−酸素;ビスマス−ストロンチウム−カルシウム−銅−酸素;タリウム−バリウム−カルシウム−銅−酸素等;または上記の2以上の組合せである。
【0066】
静電場効果および/または電磁場効果
本発明の組成物の電気化学的特性は、使用される元素金属に基づいて判定し得る。広範囲の電気化学的特性が有益であり得ると予想される。しかし、当業者は、種々の比率および含量を種々の生物系へのそれらの作用に関して試験することができる。従って、当業者は、本発明の組成物を特定の用途のために最適化することができる。
【0067】
どの金属または金属の混合物を使用するかを決定するとき、以下の非限定的な特性を考慮し得る。すなわち電子抵抗、電子−核「帯電特性」、還元または酸化電位、静電的性質、電気陰性度、電気陽性度である。これらや他の特徴を以下の段落においてより詳細に述べる。
【0068】
特定の電子抵抗(通常条件でのμΩ−cm)のゆえに本発明の元素金属組成物において有用であり得る元素は、高または低電子抵抗を有する元素を含む。種々の電子抵抗特性は、生物学的適用と所望生物学的作用(たとえば生物学的作用の所望強度)に依存して使用し得る。適切な電子抵抗は、組成物中の他の金属によっておよび被覆材料と最終組成物の形状(たとえば軟膏またはクリーム、または容器内に収められる等)によっても影響され得る。従って、一部の実施形態では、元素金属組成物は、低抵抗、半導体または高抵抗(電子不足および/または非金属)金属の1以上を含み得る。
【0069】
1つの態様では、低抵抗金属は以下を含む。すなわちイットリウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、レニウム、鉄、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、金、亜鉛、アルミニウム、ガリウム、インジウム、ケイ素、および/またはスズである。
【0070】
1つの態様では、半導体(半金属)は、ホウ素、ケイ素、ゲルマニウム、および/またはテルルを含む。
【0071】
1つの態様では、高抵抗元素は、ホウ素(電子不足)、炭素、ゲルマニウム、ケイ素、硫黄、セレン、および/またはテルルを含む。
【0072】
1つの態様では、電気陰性度(ポーリング)の形態の電子−核「帯電特性」のゆえに本発明の元素金属組成物において有用であり得る元素は、危険なほど反応性が高くないものを含む。しかし、高電気陰性度と低電気陰性度の組合せは高い「静電容量」を有する組成物を生じ得ることが認識されるべきである。種々の電気陰性度特性は、生物学的適用と所望生物学的作用(たとえば生物学的作用の所望強度)に依存して使用し得る。適切な電気陰性度は、組成物中の他の金属によっておよび被覆材料と最終組成物の形状(たとえば軟膏またはクリーム、または容器内に納められる等)によっても影響され得る。
【0073】
1つの実施形態では、組成物は、1.2〜2.56ポーリングの電気陰性度値を有する1以上の金属を含有する。たとえばモリブデン(1.16)、スカンジウム(1.3)、イットリウム(1.3)、アルミニウム(1.5)、チタン(1.5)、タンタル(1.5)、バナジウム(1.6)、ニオブ(1.6)、亜鉛(1.6)、ガリウム(1.6)、インジウム(1.7)、ケイ素(1.8)、鉄(1.8)、ニッケル(1.8)、スズ(1.8)、銅(1.9)、銀(1.9)、レニウム(1.9)、ゲルマニウム(2.01)、ホウ素(2.04)、テルル(2.1)、ロジウム(2.2)、白金(2.2)、パラジウム(2.2)、ルテニウム(2.2)、イリジウム(2.2)、金(2.4)、硫黄(2.5)、炭素(2.55)、および/またはセレン(2.55)。
【0074】
1つの態様では、比較的低い、中間または高い酸化電位のゆえに本発明の元素金属組成物において特に有用であり得る元素は、やはり本書で論じるような特別な取り扱い上の配慮を必要とすることがある。
【0075】
1つの態様では、低酸化電位金属は、ガリウム、インジウム、ケイ素、ニッケル、スズ、銅、銀、ルテニウム、ゲルマニウム、ホウ素、テルル、ロジウム、イリジウム(弱塩基性)、パラジウム、白金、金、炭素、および/またはセレンを含む。
【0076】
1つの態様では、中酸化電位金属(たとえば火炎、空気、酸素、または水に曝露したときある程度の不安定性を有する金属)は、アルミニウム、亜鉛、鉄、チタン、ニオブ(空気中で5ミクロン自然発火)、タンタル、および/またはレニウムを含む。
【0077】
1つの態様では、酸化−還元電位(溶液中の対水素電極)の結合極値(combined extremes)を有する元素は、ある種の組合せにおいて特に有用であり得る。
【0078】
1つの態様では、高い電気陽性電位を有する元素(化学的に反応性)は、イットリウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、ルテニウム、ニッケル、ニオブ、亜鉛、鉄、アルミニウム、ガリウム、インジウム、スズ、硫黄、セレン、および/またはテルルを含む。1つの実施形態では、高い電気陰性電位を有する元素(化学的に極めて低反応性)は、銅、銀、金、ロジウム、白金、および/またはパラジウムを含む。
【0079】
1つの態様では、中等度の負の還元電位(1.8〜2.0ポーリング)を有する元素は、ヒトでの使用のために本発明の一部の元素金属組成物において有用であり得る。たとえば亜鉛、ガリウム、インジウム、ケイ素、鉄、ニッケル、スズ、銅、および/または銀を使用し得る。1つの実施形態では、これらの元素は、電気化学列の両端からの元素と混合したとき特に有効なエネルギー化合物を形成する。たとえば中等度の負の還元電位を有する1以上の元素を、モリブデン(1.16)、スカンジウム(1.3)、イットリウム(1.3)、アルミニウム(1.5)、チタン(1.5)、タンタル(1.5)、バナジウム(1.6)、および/またはニオブ(1.6)などの1.6ポーリングより低い1以上の元素と混合し得る。別の例では、中等度の負の還元電位を有する1以上の元素を、レニウム(1.9)、ゲルマニウム(2.01)、ホウ素(2.04)、テルル(2.1)、ロジウム(2.2)、白金(2.2)、パラジウム(2.2)、ルテニウム(2.2)、イリジウム(2.2)、金(2.4)、硫黄(2.5)、炭素(2.55)、および/またはセレン(2.55)などの1.9ポーリングより上の1以上の元素と混合し得る。
【0080】
1つの態様では、特定の静電的性質を有する元素は本発明の元素金属組成物において有用であり得る。たとえばタンタルは、物質の体積当たり最大の静電容量を有するので、有用であり得る。ルテニウムは、多原子価状態および高静電容量を有するので、有用であり得る。ホウ素は、低い熱伝導性および導電率を有するので、一部の実施形態において有用であり得る。ガリウムは、「卑金属」であり、軟状/液体であるので、一部の実施形態において有用であり得る。インジウムは、電場に対して独特の反応を有するので、一部の実施形態において有用であり得る。炭素は、被覆剤または他のマトリックスとして一部の実施形態において有用であり得る。また炭素は、可変的な静電的性質を備える多数の形態を有するので、1以上の合金(たとえば炭素鋼)において使用し得る。ケイ素は、安定な半導体であるので、一部の実施形態において有用であり得る。ゲルマニウムは、半導体であり、赤外線に対して独特の反応を有するので、一部の実施形態において有用であり得る。硫黄は、多数の結晶形態を有するので、一部の実施形態において有用であり得る。セレンは、その整流機能のゆえにおよび電気エネルギーに対して放射性(radiant)であるので、一部の実施形態において有用であり得る。テルルは、わずかに感光性であるので、一部の実施形態において有用であり得る。
【0081】
1つの態様では、「卑金属」または「ポスト遷移金属」(多くの遷移金属よりも電気的陽性である、半金属と遷移金属との間に生じる金属)を使用し得る。たとえばアルミニウム、ガリウム、インジウム、および/またはスズを使用し得る。
【0082】
1つの態様では、ある種の元素および/または合金は本発明の元素金属組成物において特に有用であり得る。たとえば非化学結合および/または誘導的および/または変動的な静電「場効果」を有する金属は特に有用であり得る。1つの実施形態では、イットリウム、スカンジウム、モリブデン、パラジウム、銀、亜鉛、アルミニウム(「元素クラスタリング」)、鉄、銅、ガリウム、インジウム、炭素、ケイ素、ゲルマニウム、硫黄、セレン、および/またはテルルは特に有用であり得る。
【0083】
1つの態様では、強磁性ポテンシャルを有する元素および合金(強磁性群)は非毒性であり得、本発明の組成物のために有用であり得る。たとえば鉄、コバルト、ニッケル、白金、および/またはイットリウム(わずかな磁化率)を使用し得る。
【0084】
1つの態様では、白金金属群の金属、たとえば白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、および/またはイリジウムは有用であり得る。1つの実施形態では、オスミウムは使用されない。
【0085】
被覆された元素金属を含むコンデンサ組成物を調製するための方法
本発明によれば、ある種の金属粉末は単位質量当たり高い表面積を有するので、それらの金属粉末は酸素の存在下で熱的に不安定であり得る。非常に微細な金属粉末は空気中で燃焼する可能性があり(自然発火性)、潜在的に爆発性である。それゆえ粉末の清浄な取り扱いは重要であり得る。粉末を取り扱うための適切な方法は、通気、粒子表面を不動態化するための管理された酸化、表面被覆、火花または熱源の最小化等、またはそれらの組合せを含み得る。一部の呼吸域微細粉末は健康上の懸念をもたらし、疾患または肺機能不全を引き起こし得る。粒径が小さいほど潜在的な健康有害性は大きい。グローブボックス、呼吸器、マスク、エアハンドリング装置、フィルタ等のような保護具と安全な取扱いシステムの使用によって管理が行われる。
【0086】
1つの実施形態では、本発明の組成物は、元素金属の酸化および/または還元を防ぐまたは最小限に抑える(たとえば湿気および/または酸素への曝露(たとえば時間および/または量)を防ぐまたは最小限に抑える)条件下で調製し得る。
【0087】
本発明の元素金属組成物の調製物に有用である元素および合金(これらの元素を含有し得る)は、OSHA規制によって定められた微細分割形態での予防策に従った特別な取り扱いを必要とし得る。すべてが、微細分割形態に関してOSHAで定められた呼吸器曝露許容濃度を有し得る(高用量の微粒子または煙霧を除き、生物学的毒素のためではなく刺激のゆえに)。ある種の元素は、皮膚刺激、公知のアレルゲンのために特別な注意を必要とすることがあり、比較的低用量で、炎症を生じた皮膚を通して吸収され得るまたは皮膚を横断し得る(引火性に関するHMIS等級−熱源により粉末として発火し、健康障害作用、環境的および化学的反応性は一般に低く、HMIS等級1以下)。
【0088】
混合
本発明の組成物は、所望電場効果特性を発揮するために、十分な被覆材料で被覆された元素金属を得るための任意の適切な方法を用いて混合し得る。
【0089】
一部の実施形態では、特定の物理的特性(たとえば展性)を改善するために付加的な材料を元素金属組成物に添加し得る。たとえばラノリンなどの乳化剤を添加し得る。あるいは、他の種類の材料を、たとえば安定性のため、湿気を防ぐため、酸化を防ぐため、微生物の増殖を防ぐため等に添加し得る(たとえば硫黄、抗酸化剤、ビタミン、他の安定剤)。
【0090】
1つの実施形態では、組成物は、治療される被験体の解剖学的部位(たとえば関節、背部等)の個々の形状または植物の特徴などの特定の形状に合わせて成形するために適切に展性であるように調製され得る。組成物は、形態に適合させるために調整の間に成形され得る。あるいは組成物は、被験体または植物に適用するときに成形され得る。
【0091】
活性化
1つの態様では、本発明の組成物は、活性化組成物に曝露されたときに生体組織の応答性を高める活性化工程を含むことによって調製され得る。活性化の例は、加熱(たとえば混合中または混合後、またはその両方)、電磁放射線源(たとえばテスラコイル)への曝露;日光への曝露;空気への曝露;電離放射線源への曝露;電流への曝露(たとえば組成物に電極を挿入し、電極に交流または直流を引加することによって);陰イオン発生器への曝露等;または上記の2以上の組合せを含む。
【0092】
元素金属と被覆材料の比率
元素金属対被覆材料の比率は、重量または体積比で1:1,000から1,000:1にわたり得る。しかし、より高い、より低い、または中間の比率も使用し得る。たとえば100:1、50:1、10:1、5:1、1:1、1:5、1:10、1:50、または1:100の比率を使用し得る。適切な比率は、金属の性質(たとえば粒径)、被覆材料の性質(たとえばどの程度ろう状または油性であるか)、および意図される用途(たとえば組成物が皮膚に適用されるクリームとして意図されるかあるいは容器または密封装置中で提供されるか)に依存し得る。
【0093】
調製および処方:
本発明の元素組成物は、クリーム、軟膏等として調製され得る。1つの実施形態では、クリームまたは軟膏は、被覆された元素金属調剤に基づいて製造され得る。別の実施形態では、元素金属(たとえば微粒子元素金属)を既存のクリームまたは軟膏に添加し得る。元素金属は被覆された形態で添加され得る。あるいは、元素金属を被覆せずに添加してもよく、クリームまたは軟膏の成分が被覆物として機能し得る。
【0094】
軟膏混合物の適切な組成物パーセンテージは、最大の生物学的または治癒効果のために決定され得る。しかし、本書で列挙する金属の各々は、有機物質などの被覆材料と組み合わせて多くの濃度で生物学的に活性なコンデンサを独立して形成する能力を有し得る。それゆえ、有機物質で被覆されている鉄やすり屑および鉄金属板も生物学的に活性になり得、多くの異なる有用な用途に仕上げられる。金属/有機界面に関わる表面積および物質の総静電容量の全体的作用が、生物学的作用に影響を及ぼす(および一部の実施形態では生物学的作用を最大化する)ようである。
【0095】
本発明の1つの態様では、元素金属組成物は非線形または交流の特性(たとえば非線形または交流キャパシタンスおよび/または電場効果)を有し得る。1つの実施形態では、元素金属組成物は誘導的であり得る(たとえば静電場または電磁場に反復曝露されると、高い静電容量および/または電場効果を有し得る)。
【0096】
適切な調製物は、本発明の組成物の非線形、交流、誘導的性質を保存するおよび/または増強するように特定し、使用し得る。特定の調製物は、金属を酸化から保護するために使用し得る。
【0097】
一部の実施形態では、本発明の組成物は、元素金属およびマトリックス成分に加えて1以上の添加物(たとえば防腐剤、抗菌薬、抗炎症薬、乳化剤、増粘剤、硬化剤等、またはそれらの組合せ)と共に調製し得る。一部の実施形態では、組成物は、絶縁、耐食性、および/または疎水性または他の水排除材料(たとえばマトリックスの形態でまたはマトリックスに加えて)を含み得る。1以上の添加物の静電効果および/または電磁効果を考慮または評価すべきであり、望ましくない効果を防ぐために適切な量を使用すべきである。
【0098】
本発明の組成物は成分の均一な混合物(たとえば均等に分布した混合物)を含み得ることが認識されるべきである。しかし一部の実施形態では、成分の不均一な混合物(たとえば一様でない分布)が有効であり得る。分布は、たとえば顕微鏡を使用して評価し得る。
【0099】
容器:
ある態様では、本発明の組成物は、動物または植物表面に接触または曝露するように適合された容器中で提供され得る。容器は、屈曲性、展性、剛性であり得るか、または1以上の屈曲性および/または展性および/または剛性材または部分を含み得る。一部の実施形態では、容器は、サック、バッグ、または他の屈曲性容器であり得る。一部の実施形態では、本発明の元素金属組成物は支持材料(たとえば金属板、フィルム、布、ガラス等)内に包まれ得るかまたは畳み込まれ得る。
【0100】
1つの実施形態では、容器は生物学的構造(たとえば解剖学的特徴)に適合するように成形され得る。
【0101】
1つの実施形態では、容器は、生物学的構造への取付けに適した1以上の特徴を含み得る。取付け具の例は、ベルト、ひも、フック等を含む。選択的にまたは付加的に、容器は生物学的構造に付着するように成形され得る。たとえば容器は、円柱、鞘、手袋、靴下、帽子等として成形され得る。一部の実施形態では、容器は、衣料品(たとえば帽子、手袋、靴、コート等)に適合するように成形または設計され得る。
【0102】
一部の実施形態では、容器は円板または球体(たとえばボール)として成形され得る。一部の実施形態では、本発明の組成物は円板または球体(たとえばボール)として成形され得る。たとえば円板または球体は直径約1〜約5インチであり得る。しかし、より小さいまたはより大きい円板または球体も使用し得る(たとえば1インチ未満、0.5インチ未満等、または1インチより大きい、5インチより大きい、10インチより大きい等)。一部の実施形態では、円板は直径約2インチであり得る。円板は任意の適切な厚さでよい。たとえば円板は、厚さ1/10〜10インチ(たとえば約1/8、1/4、3/8、1/2、5/8、3/4、7/8、1、5インチ以上の厚さ)であり得る。しかし、より薄いまたはより厚い円板も使用し得る。多くの他の幾何学的形状(たとえば正方形、長方形、三角形、立方体等)が使用され得ることは認識されるべきである。また、本発明の組成物が幾何学的形状に略近似する形状で提供され得ることも認識されるべきである。一部の実施形態では、本発明の組成物はパッド中で提供され得る。ある実施形態では、本発明の組成物は、本書でより詳細に述べるように解剖学的特徴(たとえば植物または動物、たとえばヒトの)に適合するように成形され得る。
【0103】
1つの実施形態では、容器は、1以上の生物学的材料を受容するように適合され得る。ベルトまたは衣料品は、周囲の容器材料を伴ってまたは伴わずに、材料を受容するように適合され得る。材料は任意の形状で提供され得る。1以上の別々のパッケージ(たとえば周囲の容器材料を伴ってまたは伴わずに)をベルト、衣料品、家具(たとえば椅子、長いす、ベッド、自動車のシート)、シーツまたは他の任意の適切な支持体に付加し得る。たとえば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10以上のパッケージ(たとえば円板、球体、立方体等)を、ベルト、衣料品、家具、シーツ、または他の任意の適切な支持体の単一または個別の空間またはポケットに貼付または導入し得る。一部の実施形態では、元素金属組成物のいくつかの層(たとえば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10以上の層)を支持材料(たとえば鞘、たとえばガラス繊維スクリーン)の1以上の層によって分離し得る。一部の実施形態では、組成物の層を、電場効果の強度を変更するため(たとえば効果を増強するまたは低減させるため)に異なる材料(たとえば固体金属箔、非伝導性フェルト等、またはそれらの任意の組合せ)の層の間に含め得る。
【0104】
容器は、乾燥、粘性、ろう状、および/または湿潤元素組成物を含み得る。任意の適切な質量の元素金属組成物が使用でき、たとえば容器中に含まれ得る。たとえば1g未満、1〜10g、10〜100g、100〜500g、500g〜1kg、1〜10kg、10〜50kg、またはそれ以上の材料を使用し得る(たとえば周囲の容器を伴ってまたは伴わずに)。
【0105】
1つの実施形態では、容器は、生物学的材料と混合するように適合され得る(たとえば種子または果実または野菜または他の生物学的材料と混合できるポッドまたは小さな容器)。
【0106】
1つの実施形態では、元素金属組成物の静電荷および/または活性化状態を保存するまたは維持するために適切な保存容器を使用し得る。
【0107】
容器は任意の適切な材料(たとえばガラス、綿、羊毛、絹、金属、プラスチック、木、合成繊維、天然繊維、ポリマー材料、樹脂等)から製造され得る。
【0108】
一部の実施形態では、容器は、加工されていない(たとえば化学的添加物、漂白剤、防腐剤、染料、塗料、防火剤または他の化学的混和物で処理されていない、または元素金属組成物の静電的および/または電磁的性質を変化させ得る処理を受けていない)材料であり得る。たとえば一部の実施形態では、容器は、元素組成物の電気陰性度を低下させる(または電気的陽性をもたらす)材料を含まない(たとえば前記材料の有意の量を含まない、たとえば重量比または体積比で50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満、5%未満、1%未満)。一部の実施形態では、プラスチック容器(たとえばポリエチレンおよび/またはポリプロピレンプラスチック容器)は、本発明の医学的または治療的(たとえば鎮痛)組成物または装置には使用されない。ある種の容器が金属を酸化から保護するために使用され得る。一部の実施形態では、容器は乾燥剤を含み得る。ある実施形態では、容器は気密性であり得、かつ/または防湿バリアを提供し得る。
【0109】
適用:
動物適用
本発明の態様は、動物のための治療適用を含む。たとえばヒトにおける医学的適用は、皮膚状態(たとえば乾癬、皮膚癌または角質増殖性病変、黒色腫等のような前癌状態)の治療を含む。本書で使用するとき、治療すること、または治療、または治療する、は、疾患、状態または損傷に関連する症状の治療的予防、治癒、軽減(たとえば時間および/または強度)、および/または遅延を指す。従って、本発明の態様は、1以上の損傷(たとえば裂傷、挫傷、軟組織損傷、骨折、熱傷)および疼痛(たとえば関節痛、神経筋痛、および他の形態の疼痛)を治療するための方法を提供する。関節または結合痛は、以下の1以上における疼痛を含み得る。すなわち解剖学的特徴、関節、骨、脊椎またはそれらの部分(たとえば足、足首、手、手首、ひざ、肘、股関節部、肩、腰背部、上背部、すね、頸部等)である。本発明の組成物は、愛玩動物および家畜などの動物のための獣医学的医療における同様の用途のために使用し得る。動物は、鳥、魚、または哺乳動物、たとえばマウス、ネコ、イヌ、ラット、ハムスター、ウシ、ブタ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、ウサギ等のような脊椎動物であり得る。
【0110】
1つの実施形態では、本発明の組成物は、外科的に体内(たとえばヒトの体内)に挿入される移植片または他の装置と共に含まれ得る。組成物は、移植片/装置の表面に被覆され得るか、または装置の本体内あるいは移植片または装置に近接して体内に挿入される1以上の容器内に収容してもよい。たとえば本発明の組成物は、関節修復、非癒合性骨折修復等のためのインプラントと共に使用し得る。
【0111】
他の医学的および/または獣医学的用途は、抗掻痒薬;鎮痛薬;抗過形成薬;抗炎症薬;抗感染薬;抗真菌薬;抗菌薬;抗ウイルス薬;抗腫瘍薬;抗増殖薬;抗乾癬薬;抗光老化薬;抗リウマチ薬;抗関節炎薬;創傷治癒;グラフトおよびインプラントの増強;移植器官を保存するための容器内への封入;昆虫咬傷治癒;いぼの治療;熱傷の治療;日焼けの治療;擦過傷の治療;潰瘍の治療;外傷の治癒の改善;および/または他の任意の皮膚状態(たとえばざ瘡等)の改善または治療、を含み得る。本発明の態様は、環境、動物または植物曝露による炎症、腫脹および/またはかゆみを治療する(たとえば疼痛および/またはかゆみの強度および/または期間を低減する)ために使用し得る。たとえば本発明の態様は、アレルゲンまたは毒素に対する応答(たとえば動物の毛またはふけ、花粉、動物の毒液、植物または動物毒素、ツタウルシ、ウルシ等への曝露後の)を治療する、予防するまたは軽減するために使用し得る。本発明の態様は、疾患または状態(たとえば癌、炎症、組織変性、損傷、骨折、関節炎、関節リウマチ、変形性関節症、疼痛の変性性病因、椎間板起因の疾病(discogenic disease)等)に関連する疼痛または不快を治療するために使用し得る。一部の実施形態では、本発明の態様は、1以上の状態のための鎮痛緩和をもたらすために使用し得る。たとえばオズグッド‐シュラッター病、膝蓋骨−大腿骨症候群(Patella−Femeral syndrome)、および/または軟骨軟化症について鎮痛緩和をもたらし得る。一部の実施形態では、本発明の組成物および装置は、成長(たとえば小児における)に関連するまたは組織変性に関連する(たとえば老化に関連する)疼痛を緩和するために使用し得る。一部の実施形態では、本発明の組成物および装置は、規則性疼痛(たとえば月経痙攣に関連する疼痛)、季節的疼痛または炎症または刺激、または散発性疼痛または炎症または刺激を治療するために使用し得る。
【0112】
用途に応じて、元素金属組成物は種々の適切な形状(たとえばペースト、クリームまたは軟膏、層状構成、容器、鞘等)で使用し得る。組成物(たとえば容器内に収められた組成物)は、個々の身体部分に適合するように成形し得る。適用される組成物の量は特定の用途に合わせ得る。たとえばクリーム(またはペーストまたは軟膏)形態の組成物を、皮膚の罹患領域または治療の必要がある関節または他の骨または身体部分を含む領域を覆うのに十分な量で塗布し得る。組成物が容器内に収められている場合、材料の作用が所望治療領域に達することができるように十分な量を使用すべきである。材料の量は、部分的には、筐体の大きさによって決定され得る。従って、種々の量の材料が使用され得る(たとえば数グラムから数キログラムまで、たとえば約5g、10g、20g、30g、40g、50g、100g、250g、500g、または750g)。しかし、より少ないまたはより多い量も使用し得る。同様に、曝露の期間は個々の用途に合わせることができ、使用者によっても決定され得る。たとえば所望結果が得られれば(たとえば疼痛の緩和)、被験体は治療を中止してもよい。他の実施形態では、被験体は定期的に(たとえば毎日、週に1回等)適切な組成物に曝露され得る。1つの実施形態では、被験体は夜間に曝露され得る。たとえば適切な組成物を夜間に適用するかまたは寝具類(たとえば枕、毛布、マットレス、他の適切な筐体、動物の寝具等)に組み込んでもよい。加えてまたは選択的に、被験体は昼間に曝露され得る。たとえば適切な組成物を衣料品(たとえばズボン、シャツ、スカート、コート、手袋、帽子、靴、靴下等)に含め得る。1つの実施形態では、組成物は、衣料品に取り付けるまたは入れることができる(たとえば帽子、手袋、靴、ポケット等の中に)筐体中で提供され得る。
【0113】
他の実施形態では、本発明の組成物は、包帯(たとえばバンドエイドなどの包帯中のパッドに含められる)あるいは創傷または身体の疼痛領域を包むまたは覆うために使用される他の材料に含め得る。
【0114】
ある実施形態では、組成物は、容器、ポケットに挿入できる、あるいはベルトまたは他の支持体に縫い込むことができる1以上の別々の形状に成形し得る。たとえばベルトは、材料の1以上の円板(たとえば1〜5、5〜10またはそれ以上)を含み得る。
【0115】
動物表面(たとえば皮膚)は、任意の適切な期間(たとえば1〜5、5〜10、10〜30またはそれ以上)、1以上の時間(たとえば1〜5、5〜10、またはそれ以上)、1以上の日数(たとえば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上)、1以上の週数(たとえば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上)、1以上の月数(たとえば1〜5、5〜10、またはそれ以上)、あるいは1以上の年数(たとえば1、2、3、4、5等)、直接または間接的に(たとえば容器中でまたは衣服、寝具、または家具を通して)本発明の組成物に曝露され得る。一部の実施形態では、動物は、適用および/または治療される状態に依存して定期的および/または季節毎に(たとえば毎春、毎夏、毎秋、毎冬、またはそれらの組合せ)元素金属材料に曝露され得る。
【0116】
植物適用
本発明の態様は植物への適用を含む。本発明の組成物は、植物生理学(発芽、成長、開花、登熟、腐れ等)の1以上の態様を変化させるために使用し得る。本発明の組成物は、種子、根、枝、果実、野菜等をこれらに限定されることなく含む任意の植物組織に関連して使用し得る。一部の態様では、本発明の組成物は植物材料に直接適用し得る(たとえばクリーム、油または他の同様の物質の形態で)。他の態様では、本発明の組成物は、植物の組織、構造、または細胞(たとえば根、茎、枝、葉、種子、花等)と接触できる容器または鞘中で提供され得る。たとえば本発明の組成物は、発芽を促進する(たとえば発芽の速度を速める、発芽する種子のパーセンテージを高める等、またはそれらの組合せ)ために種子と共に含めることができる袋または固体容器(たとえば種子サイロ、サック等)中で提供され得る。1つの実施形態では、種子は本発明の装置と共に保存され得る。別の実施形態では、発芽を所望するときに(またはたとえば発芽の数週間前または種を蒔く前に)本発明の装置を種子の容器に付加し得る。1つの実施形態では、種子を本発明の組成物で直接被覆し得る。本発明の組成物は、種子または土壌「改良剤」として使用し得る。1つの実施形態では、被覆されているか(たとえば非伝導性または半導性材料で)または被覆されていなくてもよい1以上の元素金属(たとえば微粒子元素金属)を、1以上の他の有効成分を含有する既存の種子または土壌「改良剤」に添加し得る。1つの実施形態では、容器または表面(たとえばテーブル)は、本発明の被覆された元素金属の1以上の層(たとえば2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上の層)を含み得る。次に、植物材料(たとえば鱗茎、種子、実生、小型植物、大型植物、野菜、果実等)を、本発明の生物学的に活性な組成物を含む容器に入れる、テーブル上に置く、または他の任意の適切な装置の近くに置くことにより、その植物材料を生物学的に活性な組成物と接触させ得る。さらに他の実施形態では、装置(たとえば耐候性装置)を屋内(たとえば室内または温室内)または屋外(たとえば庭、圃場、または森林)または水中(たとえばタンク、池、湖、河川、海、海洋等)で生長する植物上にまたは植物の近くに置いてもよい。
【0117】
他の態様では、本発明の元素金属組成物を、土壌(たとえば表土)、根覆い、肥料、昆虫または他の害虫駆除組成物等のような農業/園芸製品に直接または適切な容器中で添加し得る。一部の実施形態では、本発明の元素金属組成物は、種子および/または他の植物材料を保存する、発芽させる、および/または成長させるために使用される容器(たとえばバイアル、ビーカー、つぼ、大桶、サイロ等、またはそれらの任意の組合せ)の内側表面に適用し得る。一部の実施形態では、本発明の調製物は、種子トレイ、生育プラットフォーム、または他の表面または容器に含め得る。一部の実施形態では、本発明の組成物は、材料の電気陰性度を低下させないまたは電気的陽性環境を生じさせない材料で覆い得るかまたは前記材料内に閉じ込め得る。一部の実施形態では、プラスチック(たとえばポリエチレンおよび/またはポリプロピレンプラスチック)は被覆または包み込みの材料としては使用されない。
【0118】
一部の実施形態では、植物に関する使用のための組成物は、植物栄養素(たとえば植物の成長のために必須の微量または多量養素)である1以上の元素金属を含み得る。多量養素の例は、N、K、Ca、Mg、P、およびSを含む。微量養素の例は、Cl、Fe、B、Mn、Zn、Cu、Mo、およびNiを含む。
【0119】
従って、本発明の態様は、食品の貯蔵および/または輸送を改善するため;種子および/または穀粒の発芽を改善するため;または果実、穀物および/または種子の収率を改善するために使用し得る。本発明の態様は、あらゆる植物または種子に関して、たとえばあらゆる農業植物または種子(たとえばオオムギ、トウモロコシ、綿、イネ、ダイズ、コムギ、レタス、トマト、ジャガイモ、リンゴ、オレンジ、西洋ナシ、バナナ等)またはあらゆる観花植物または種子に関して使用し得る。
【0120】
医学適用に関して上述したように、適用および所望の結果に応じて多量または少量の材料を使用してもよく、また植物材料に比較的短期間または長期間曝露し得る。一部の実施形態では、種子または植物は、1分間以上(たとえば1〜5、5〜10、10〜30分間、またはそれ以上)、1以上の時間(たとえば1〜5、5〜10、またはそれ以上)、1以上の日数(たとえば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上)、1以上の週数(たとえば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上)、1以上の月数(たとえば1〜5、5〜10、またはそれ以上)、あるいは1以上の年数(たとえば1、2、3、4、5、等)、元素金属組成物に曝露され得る。一部の実施形態では、種子または植物は、定期的および/または季節毎に(たとえば毎春、毎夏、毎秋、毎冬、またはそれらの任意の組合せ)元素金属材料に曝露され得る。
【0121】
材料の適切な量および/または曝露の期間は、容器を伴うまたは伴わない(たとえば1以上の異なる種類の容器を使用して)1以上の異なる種類の元素金属組成物の種々の量(たとえばプラセボ対照を含む)および/または期間に曝露した動物または植物についての結果を比較することによって最適化し得ることが認識されるべきである。曝露の有効性は統計的に評価し得る。一部の実施形態では、本発明の曝露(たとえば材料の種類と量、容器、および/または曝露の期間の組合せ)は、統計的に有意の作用を及ぼすために十分な量であるように設計される。一部の実施形態では、治療組成物の有効性を二重盲検プラセボ対照試験において評価し得る。一部の実施形態では、疼痛または炎症を治療する有効性を、毎日、週に1回、月に1回、または他の時間依存ベースで対照と比較した平均患者報告を入手し(たとえば疼痛尺度、たとえば0〜10のリッカート型尺度を使用して)、それらを1以上の統計検定を用いて検討することによって評価し得る。一部の実施形態では、患者の生活の質のスコア(たとえば活動および/または運動性に関する)を、有効性を評価するために使用し得る。一部の実施形態では、一定期間(たとえば1週間、1ヶ月、またはそれ以上)にわたって使用された薬剤の平均量を、治療が有効であるかどうかを判定するために評価し得る。
【0122】
医学、獣医学、および/または植物用途のために、本発明の組成物を、動物または植物の生物学的過程を治療するまたは増強するために使用される1以上の他の組成物または調製物と組み合わせ得ることが認識されるべきである。一部の実施形態では、本発明の組成物は滅菌され得る。1つの実施形態では、組成物は無菌材料から調製され得る。1つの実施形態では、組成物は製造後または製造中に滅菌され得る(たとえば加熱、照射等によって)。
【0123】
一部の実施形態では、本発明の組成物は限られた有効期間(たとえば有用な電気的陰性または電気的陽性効果が維持される期間)を有し得る。従って、本発明のある種の組成物は使い捨ておよび/または再充電可能であり得る。たとえば元素金属組成物は本書で述べるように再充電可能であり得る。一部の実施形態では、本書で述べる容器は再充填可能であり得る(たとえば新たに生産されたまたはリサイクルされた元素金属材料で)。
【0124】
また、本発明の組成物はエクスビボまたはインビボで生物学的材料の成長、分化、または他の性質を変化させるために有用であり得る(たとえばインビトロで植物、動物、または微生物細胞の増殖を増強するため、移植用の器官などの器官を保存するため、輸送のために植物または植物移植片を保存するため等)。
【0125】
本発明のこれらおよび他の態様を以下の非限定的実施例によって例示する。
【実施例】
【0126】
(実施例1)
金属含有皮膚軟膏の有効性を、乾癬、過角化症(前癌性皮膚病変)に関して、および関節痛と神経筋痛の管理について試験した。
【0127】
使用した材料:
鉄粉末(たとえばJ.T.Baker Ironからの、脱脂精製形態、Powder No.2226−01 Fe FW 55.85、検定純度97.0%[Mallinckrodt Baker,Inc.Phillipsburg,NJ 08865,PH.908−859−2151、ccas No.7439−89−6])は、鉄やすり屑よりも有効であることが認められた。
【0128】
亜鉛金属粉塵(たとえばPost Apple Scientific,Inc.,8893 Gulf Road,North East PA.,16428からの、たとえば研究室グレード、FW 65.39、高度微粉砕精製形態の粉末、ロット番号030701−15m)も、金属やすり屑よりも有効であることが認められた。
【0129】
防腐剤、香料または染料などの化学物質が添加されておらず、ろ過しただけであり、143°Fの融点を有する天然調製物である蜜ろう(たとえばYaley’s candle crafting enterprises,Inc.、ロット番号110016)を、元素金属を被覆するために使用した。
【0130】
香料、溶媒、防腐剤、または染料などの化学物質が添加されていない、羊毛由来の天然調製物である液体ラノリン(たとえばNow Foods,Bloomingdale,IL 60108,コード7730)を乳化剤として使用した。
【0131】
軟膏組成物(重量比):
以下の組成物を含む軟膏を調製し、試験した。
鉄 29.6%
亜鉛 25.6%
蜜ろう 25.6%
ラノリン 19.2%。
【0132】
軟膏混合物の調製:
使用した有機物質(たとえばろう)の量は、金属のすべての粒子を被覆するために必要な材料の最小量(調製物の目視分析に基づく)に基づいた。ろう金属混合物は室温では展性でないので、安定していて、ろう−金属界面に干渉しないまたは界面を破壊しないが、混合物が展性になり、湿気に対して安定なままであることを可能にする潤滑剤によってより使いやすくなる。
【0133】
試験した物質は、湿潤であるときそれらの生物学的反応性を失うと思われるが、再び乾燥したとき活性を回復する。
【0134】
使用したラノリンのパーセンテージは、ろう−金属混合物を展性にし、ペースト様の粘稠度にするのに十分であった。このパーセンテージは、使用したラノリンの粘度および生成物の所望粘稠度に強く依存し得る。ラノリンおよび蜜ろうは、間接的に防腐剤、皮膚軟化薬(石油ゼリーのような)、および抗炎症薬として機能する静菌作用ならびに酵素活性を有し得ることに留意すべきである。しかし、これらの付加的な作用は、本発明の治療特性には必要ない。たとえば、本発明の組成物を、被験体の皮膚または体組織と直接接触しない包帯または治療パッチ中で適用するときには、これらの付加的な作用は生物学的過程にさえ関与しないと考えられる。
【0135】
この実施例で述べる組成物は、非刺激性、非毒性であり、予想される副作用が、もしあるとしてもごくわずかな(蜜ろうおよび/またはラノリンに対する既知のアレルギーを除く)、見かけ上無害な物質である。天然形態の金属は、吸入した場合毒性であり得るが、本書で述べる調製物中では、その粘稠度および安定性のゆえに無害であると考えられる。
【0136】
調製方法:
鉄および亜鉛材料を重量で測定し、石工タンブラー(stone worker’s tumbler)または振動ミキサーにおいて、完全に混じり合うまで混合した。
【0137】
ろうとラノリンを測定し、金属物質と共にタンブラーに添加して、濃厚なペーストが形成されるまで混合した。この混合工程は、タンブラー装置の速度と有効性に依存して数日間かかることがある。
【0138】
適用:
この実施例で述べる軟膏は、乾癬のための治療としてヒトの皮膚に直接塗布できる。ペーストを皮膚上に置き、皮膚との接触を維持するために閉鎖包帯を軟膏を覆って配置するする。1日約6〜8時間の曝露時間で数週間まで有効な結果が認められた。ヒト皮膚の正常な完全性を回復するためには12〜16週間までの曝露が必要であり得る。乾癬病変により瘢痕化が起こった場合、皮膚に少なくともある程度瘢痕が残る。軟膏を毎日取り替え/新しくし、新しい覆いを適用して、皮膚表面を24時間/日の治療に毎日曝露したとき、治療は非常に有効であると思われた。これらの状況下で、治療の長さは数倍短縮され、おそらく4〜6週間に短縮された。状況によっては、正常な皮膚構造を保持するため、より長い期間にわたって(たとえば数ヶ月間、数年間または無期限に)、1日当たり少なくとも短い時間(たとえば所定の最小時間数)、継続する必要があり得ると予想される。
【0139】
閉鎖包帯:
軟膏を直接皮膚上に置いたとき、材料を皮膚表面に保持するために閉鎖包帯を使用した。これは、軟膏治療の有効性を低下させ得る湿気の浸透を予防する。羊毛(たとえば100%、天然フェルト、化学物質無添加物)は特に有効であった(負の静電荷を維持し得る)。綿はより有効でなかった。絹は、乾癬において試験したとき有意の効果を示さなかった。しかし、絹は種々の組成物および/または適用のために使用し得る。プラスチックは、使用し得るが、正電荷を保持する能力が低いゆえに、正電荷を所望する状況では布(羊毛または綿)包帯または鉄金属ほど有効ではないと考えられる。包帯を固定するためにアスレチックテープなどの接着テープを使用し得る。多くの入手可能な市販材料の1つを使用してあらかじめ製造されたバンドエイドは、有効であることが示された。
【0140】
別の包帯デザインは、外皮が開放病変で破壊されているとき、または個人が軟膏を直接皮膚に塗布するのを望まない場合(たとえば審美的理由から)、より適切であり得る。選択的デザインは、ステンレス鋼の箔で作られた軟膏含有パッチ(たとえば鋭いギザギザの先端を防ぐためにろうと接着アスレチックテープに包まれた先端を備える)を使用し得る。他の形状では、軟膏の薄層で覆われた金属箔の多数の層(たとえば15層までまたはそれ以上)は、単一層よりも有効であり得る。理論に縛られることなく、層状材料の高いエネルギー容量は高い治療効果を有し得ると予想される。
【0141】
この実施例で述べる組成物は、以下のステンレス鋼シートを使用した層状であるとき、有効であることが認められた。すなわち厚さ0.003”の焼きなましステンレス鋼であり、最小限12%のクロム、ならびに少量のチタンとニッケルも含む、オーステナイトグレードNo.321である。ステンレス鋼は、皮膚分泌物との相互作用が比較的不活性であることに基づいて選択された。加えて、ステンレス鋼は、i)汚れた場合は洗浄および/または滅菌できる、ii)錆びない(錆びは軟膏/ペーストを生物学的に不活性にする)、およびiii)電荷を保持すると思われる。多くの異なる化学的および結晶性組成物のシート鋼およびシートステンレス鋼の数多くの形態が使用され得ると予想される。No.302およびNo.303(硫黄含有)などのより高い炭素ステンレス鋼も生物学的に活性であり、No.321よりもさらに一層活性であり得ると予想される。
【0142】
潜在的軟膏/ペースト適用:
皮膚適用
多くの異なる皮膚状態を試験し、この実施例で述べる軟膏による治療から恩恵を受けることが認められた。
【0143】
乾癬は、直接軟膏塗布、あるいは単層または多層の羊毛、綿、またはステンレス鋼の箔の覆いを用いた閉鎖パッチ包帯に応答することが認められた。乾癬病変の目に見える変化が認められた。
【0144】
前癌性/角質増殖性病変は、直接軟膏塗布、あるいは単層または多層のフェルト(たとえば羊毛フェルト)、羊毛、またはステンレス鋼の覆いを用いた閉鎖パッチまたは包帯に応答することが認められた。角質増殖性病変の目に見える変化が認められた。
【0145】
この実施例で述べる組成物によって創傷治癒が促進されると思われた(たとえばこの実施例で述べる組成物に曝露したとき切り傷または挫傷がより速く治癒した)。
【0146】
いくつかのII度熱傷は、この実施例で述べる組成物への曝露に応答することが認められた。たとえば金属形態の閉鎖包帯で治療したとき、加圧下での水蒸気によって生じたII度熱傷に関して有意の疼痛緩和が得られた。調理火傷および高温の電球に触れた指先はすべて、閉鎖包帯、ステンレス鋼包帯、および/またはバンドエイド包帯を伴う直接軟膏に応答し、鎮痛作用および軽度の皮膚脱落を伴う明らかな治癒の促進を生じさせた。
【0147】
疼痛管理
筋骨格損傷および使いすぎ症候群における疼痛緩和を試験し、一晩の使用および1時間の治療期間のための、骨折領域の周りを包むフェルトで覆われたペーストでできた1/4インチの薄さのパッドに軟膏/ペーストを入れたとき、三重骨折の疼痛軽減によって緩和が実証された。上述した同じパッド/調製物による1時間の治療期間を用いて、腱板腱炎および側頭挫傷の神経筋痛における鎮痛緩和も試験し、有意の緩和が明らかにされた。そのようなパッドの数多くの形状および大きさが、種々の適用のため、たとえば関節または四肢用の整形外科副子および装具のために製造できる。
【0148】
関節炎(変形性関節症)における疼痛緩和を試験し、上述したステンレス鋼箔パッドの内側のペースト/軟膏で構成された全身用スリーピングパッドで治療された高齢のイヌにおいて、運動性、敏捷性および全体的活動レベルの上昇により、緩和が実証された。
【0149】
(実施例2)
鉄、亜鉛、アルミニウム、および/または銅のいくつかの混合物を含む組成物の有効性を試験した。
【0150】
組成物処方:
鉄、亜鉛、アルミニウムおよび銅の組合せを含む組成物を試験した。より微細な粉塵(200メッシュ以上)ほど、金属/有機物界面の表面積が大きいゆえにより高い生物学的効果を生じると予想される。より微細な金属粉塵(たとえば325メッシュを用いて生成した)を使用し、非常に有効であった。
【0151】
ほとんどの実験に関して、鉄と亜鉛をほぼ同じ比率で(鉄29.6%および亜鉛25.6%)使用し、アルミニウムと銅を、金属の総重量の10%まで添加した。鉄および亜鉛の重量の10%までの相対濃度のアルミニウムおよび銅の粉塵は、組成物の有効性に寄与することが認められた。他の濃度のアルミニウムおよび/または銅は、特定の適用(たとえば異なる条件および/または生物)に関してより有効であり得る。本明細書に基づき、当業者は、他の濃度を試験して、種々の適用のための種々の金属の有用なかつ/または最適の比率を特定することができる。
【0152】
金、銀、および/または白金の粉塵も、金属として使用したとき、または本書で述べる組成物中で他の金属と組み合わせたとき、生物学的に活性であり得ると予想される。
【0153】
ラノリンは、主として室温での化合物の柔軟性を促進するための有効な乳化剤であり、皮膚表面への適用のために特に有用であり得ることが認識されるべきである。しかし、ラノリンは、本書で述べる他の適用のためには適さないまたは最適でないと考えられる。ラノリンは、金属粒子を被覆するためにろうまたは他の何らかの炭素質材料を使用するとき、本発明の組成物の生物学的特性に有意の効果を及ぼさないと思われる。金属物質と共にろうおよび蜜ろうだけで有効な生物学的活性化合物を生じることが認められた。
【0154】
(実施例3)
生物学的に有効な組成物を製造する種々の方法を試験した。
【0155】
室温混合:
ろう、ラノリンおよび選択された金属の小片を混合するために岩石・鉱物タンブラーを使用した。この混合は、数日間継続された。この混合は、容易に成形しやすい油性混合物を生ぜしめた。この方法は金属物質の混合および被覆を最大化するものではない。しかし、この方法は簡単であり、生じる化合物は生物学的に活性であった。
【0156】
加熱と混合:
ろうを、過熱または化学分解を生じさせることなく、約145°Fで液体形態になるまで加熱した。各々の金属粉塵成分を、金属が白熱の高温に達するまで天然ガスまたはプロパン/アセチレントーチを用いて別々に加熱した。
【0157】
金属を、一度に1成分を液体ろうに漬けた。各々の金属は異なる温度で白熱に達し、各金属について温度を気化温度より低く保持したので、各々の金属を別々に加熱した。その後、ろうが沸騰温度に至らないように金属を冷却した。次に金属を溶融ろうと共に機械的に攪拌し、放置して室温まで冷却した。
【0158】
生じた材料が室温で容易に成形可能であれば、ラノリン(または石油ゼリー等)を添加し得る。ラノリンは、たとえば使用するろうの重量に等しい量で添加し得る。しかし、特定の所望生物学的特性を備えた組成物を生成するのに十分なパーセンテージの金属粒子を被覆するために十分な炭素質材料/ろうが存在する限り、異なる量のラノリンを使用してもよい。
【0159】
加熱と混合によって生成される本発明の組成物は、室温混合によって生成される組成物よりも生物学的に活性であることが認められた。
【0160】
理論に縛られるのは望むところではないが、金属粒子を白熱まで加熱することは、被覆のために使用可能なそれらの表面積を増大させるように表面構造を変化させ、また、静電容量を上昇させるようにそれらの電気的特性をも変化させ得ると思われる。しかし、金属粒子とろうの改善された混合は、加熱と混合によって作られる組成物の有効性を高めることに寄与し得る。
【0161】
従って、金属粒子の表面積を変化させる(たとえば増大させる)および/または被覆材料と金属粒子の混合および/または被覆材料による金属材料の被覆を変化させる(たとえば増大させる)他の方法は、本発明の組成物の生物学的特性を変化させる(たとえば上昇させる)と予想される。本明細書を用いて、当業者は、特定の適用および/または生物のために望ましい(たとえば最適の)特性を備えた本発明の組成物を調製するための適切な方法を特定し、選択することができる。
【0162】
(実施例4)
本発明の元素金属組成物は、適切な被覆材料との混合の前および/または後に元素金属を活性化することによって活性化し得る(たとえば帯電する能力を増大させるように処理し得る)。活性化は、たとえば以下の方法の1以上を用いて達成し得る。すなわち加熱(金属および/または組成物を白熱まで加熱する);金属および/または組成物を静電場(たとえばテスラコイル)に曝露する;金属および/または組成物を摩擦にさらす;金属および/または組成物を日光に曝露する;および/または空気または負イオン発生器に曝露するなどの他の適切な活性化方法である。
【0163】
活性化は、製造工程の間、および/または組成物を製造した後に実施し得る。たとえば帯電/活性化は、包装の前および/または後、かつ/または貯蔵の前および/または後、かつ/または最初の使用の前および/または後、かつ/またはその後の使用の前および/または後に実施し得る。
【0164】
(実施例5)
本発明の組成物を、遠位指端相対知覚脱失の合併症を伴う、頚椎の慢性変形性関節症、回旋腱板の慢性外傷後疼痛、および術後(脊椎狭窄)腰仙疼痛を治療するために使用した。
【0165】
78歳の女性(被験体)は、腰仙および頚椎ならびに左回旋腱板の両方に変性性関節疾患(変形性関節症)の5年の病歴を有し、後者は古い損傷によるものである。主観的症状は、左腕および左脚に放散する一日の終わりの慢性的疼痛、および遠位左足と足指ならびに左手の尺骨神経突起(最も小さい2本の指)の相対知覚脱失を含む。被験体は、疼痛の症状を軽減するために毎日の経口非ステロイド系抗炎症薬とTylenolならびに毎日の理学療法と運動を必要とする。知覚脱質は慢性的で、不変である。
【0166】
6インチ×12インチ、厚さ1/2インチの化合物のパッドを作製し(混合物成分:鉄30%、亜鉛20%、銅10%、アルミニウム10%、ろう25%、ワセリン5%)、アルミニウム遮蔽材(パッド構造を与え、導体として働く)と共に編み込んで、それをガラス繊維メッシュに収め、次に羊毛フェルトおよび梳毛羊毛の内層で覆った(油性材料が分解して「滲み出す(bleeding through)」のを防ぐため)。このパッドを、患者の座る椅子上の腰部の後ろに載置した。化合物のほかに、同じ金属およびろうだけ(石油もラノリンも含まないので室温では堅い)で「円板」を作製した。これらの「円板」は、厚さ1/2未満で、3インチ×6インチであり、その後患者の首と肩にぴったり合うように加熱パッドで温めることにより「成形」した。これらの適合された円板を綿スリーブに入れ、頸部部位と肩を覆った。
【0167】
通常の症状発現時間である午後4時に実験を開始した。驚くべきことに、被験体は、適用の45分以内に、通常は知覚麻痺した足指と手指に感覚が戻っていると非常に驚いて報告した(回復した感覚は、実験の開始以後被験体が装置の使用を続けている限り間欠的に持続した)。実験プロトコルを停止したとき、感覚は相対的知覚脱失に戻った。被験体はまた、腕よりも脚においてより大きな、一日の終わりの疼痛の遅延と軽減を報告した。患者はパッドを3〜4時間使用し続け、鎮痛薬服用のために薬品戸棚へ「走って」行かなかったことを認め、その後毎日最低3〜4時間の実験使用の数週間にわたって通常の薬剤量の半分しか服用しなかった。
【0168】
(実施例6)
本発明の組成物を、身体全体の骨転移性病変を有することが知られる転移性前立腺癌の10年間の病歴を有する85歳の男性を治療するために使用した。被験体は、6ヶ月間、腕への多少の放散を伴う後頸部の疼痛を訴えている。この疼痛源が癌によるものであるのか、または変性性関節炎によるのかまたは椎間板起因性であるのか、我々には不明である。患者は、毎日4時間、疼痛のある頸部部位を覆うために「綿布内円板」布の形態で上述した調製物の円板を置いた。患者は、2週間、疼痛症状または鎮痛薬使用の特別な変化を認めなかった。2週間の実験期間の終了時に、患者は、疼痛が2、3時間にわたって幾分迅速に消失することを認めた。報告によれば、少なくともその後8週間疼痛は戻らなかった。患者は頸部痛のための定期的な鎮痛薬使用を中止した。
【0169】
(実施例7)
本発明の組成物の物理的特性(たとえば静電容量;静電場効果;電磁場効果;電荷等)は任意の適切な方法を用いて測定し得る。測定された本発明の組成物の物理的特性は、その生物学的有効性を評価するためおよびそれがどのような適用に適し得るかを判定するために使用し得る。加えて、測定された組成物の物理的特性は、その物理的特性を変化させ、特定の生物学的適用に適合させるために組成物をどのように改変するかを決定するために使用し得る。
【0170】
本発明の特定の組成物の静電的性質を測定するために以下の非限定的な方法を使用した。
【0171】
検電器測定プロトコル:
コルベ型「剛性アームポインタ」検電器を、4mmプラグおよびケース接地のための交差ボアを備えた端子と共に使用した。ストップウォッチによるセグメント当たりの「放電時間」を時間指定して測定するために尺度セグメントにしるしを付けた。その時点での環境の条件について電荷を保持する検電器の能力と一致する各々のシリーズおよび比較測定のために個別セグメントを選択した。
【0172】
ストップウォッチ測定は、各々の個別セグメント時間測定の開始時と終了時に操作者には知らされていない経過時間で肉眼的に実施した。対照条件下でのこのプロトコルの実験的使用は、10%未満の実験誤差を生じた。
【0173】
ヒト頭髪で摩擦したプレキシガラス棒を「負の」静電荷の帯電源として使用した。
【0174】
検電器放電率に影響を及ぼす公知のパラメータは、1日のうちの時間(日内変動)、季節、周囲湿度や現在の気候条件などの環境条件ならびに局所電場を誘導し得る電子装置の電気力学的効果を含む。
【0175】
これらのパラメータによって引き起こされる実験誤差を最小限に抑えるために、以下の測定を連続的に得て、すべての試験化合物データ(たとえば不活性ろう、鉄、亜鉛および活性化合物等)を、別の時間または日のデータとではなく、各々の他の測定の直後に得た他のデータと比較した。
【0176】
測定データ:
間接静電場効果および直接静電場効果を化合物No.3と化合物No.5の2つの化合物に関して測定した。化合物No.3は、鉄29.6%、亜鉛25.6%、蜜ろう25.6%、およびラノリン19.2%(すべて重量%として)を含有した。化合物No.3は、室温で1週間タンブラー混合することによって調製した(細断されたろう及びその他の成分を使用して)。化合物No.5は、鉄30%、亜鉛25%、蜜ろう25%、およびラノリン20%(すべて重量%として)を含有した。化合物No.5は、蜜ろうを溶融し、ラノリンと鉄/亜鉛混合物を添加して、凝固するまで混合することによって調製した。
【0177】
間接静電「場効果」
本発明の組成物を、検電器本体を取り巻くフェルトで裏打ちした細線構造上に置き、その放電を環境放電と比較した。
【0178】
試験No.1.試験環境:試験材料(各々3回の読取りの平均):
試験材料を含まない環境:116秒
試験化合物No.3を含む環境:144秒
結果は、物質No.3の「電場効果」による放電時間の24%上昇を示す。
【0179】
試験No.2.試験環境条件:化合物No.3:不活性蜜ろう:
試験材料を含まない環境:627秒
試験化合物No.3を含む環境:1321秒
不活性蜜ろうを含む環境:740秒
結果は、化合物No.3の「電場効果」による放電時間の111%上昇を示す。
【0180】
「直接静電場効果」
アルミニウム電極を同じ体積の化合物または不活性材料中に「直接」置き(検電器電極との導電接触)、アルミニウム電極の他端をコルベ検電器の電極内に置いて、それにより同じセグメントの比較放電時間を連続して経時的に測定した。
【0181】
試験No.1.化合物No.3とNo.5の放電時間を比較する:
化合物No.3:64秒
化合物No.5:31秒
結果は、化合物No.3の放電時間が、化合物No.5が製造された直後の化合物No.5よりも106%大きいことを示す。
【0182】
試験No.2.純粋蜜ろうの多回試験帯電特性対化合物No.5の帯電特性を比較する:
ろうの放電時間は、多回(2回)の帯電および放電にわたって同じままである。
【0183】
化合物No.5は、2回目の帯電サイクルで放電時間が172%増加した。
【0184】
試験No.3.純粋蜜ろうの多回試験帯電特性対化合物No.5の帯電特性を比較する:
ろうの放電時間は、帯電と放電の多回(6回)試験にわたって、それ自体の放電時間の10%以内のままである。
【0185】
化合物No.5は、多回(6回)の帯電と放電により、それ自体の元の放電時間に比べて398%放電時間が増加する。
【0186】
試験No.4.純粋な鉄粉塵および亜鉛粉塵単独の帯電特性を比較する:
鉄粉塵(21秒)
亜鉛粉塵(43秒)
結果は、鉄が亜鉛よりも2倍早く放電することを示す。しかし、いずれの化合物の多回帯電および放電サイクルでも放電は安定である。
【0187】
これらの結果は、生物学的活性を有する化合物が、検電器放電時間を数量化したとき「静電張力」の上昇によって明らかにされるように、測定可能な電場効果によって特徴付けられることを示す。化合物No.3およびNo.5の「電気張力」は、自然環境および不活性蜜ろうの放電時間よりも大きい。これは、間接電場効果を通しておよびコルベ検電器との直接電気接続を通して実証できる。
【0188】
本発明のある実施形態では、化合物を、エネルギー効果を得るために製造後に「活性化」工程に曝露し得る。活性化は、二次静電荷の適用によりおよび/または生物系との相互作用を通して、経時的に自然に起こり得る。この「活性化」は、化合物No.3の放電時間が、化合物No.5が製造された直後の化合物No.5よりも52%大きいという直接静電測定を通して示された。製造直後に行った測定は(製造中の活性化工程なしで)、検電器の帯電特性に有意の差を示さなかった。従って、ある種の組成物は時間が経つと帯電し得る。
【0189】
結果は、本発明の化合物が、「帯電と放電」の一連のサイクルにより静電容量が「増加する」静電帯電特性を有し得ることをも示す。この特性は、活性組成物を調製するために使用した一次物質のいずれに関しても認められなかった。一次(不活性)物質は、「帯電と放電」の一連のサイクルで安定な静電容量を示した。
【0190】
(実施例8):
本発明の組成物は、治療効果を高めるためにパップ剤、軟膏、または他の調製物に添加し得る。
【0191】
1つの実施形態では、パップ剤は、身体に直接適用されるか(濡れた状態で身体に直接適用してよい)または清潔な布に入れて適用される生またはすりつぶしたハーブである。パップ剤は、たとえば挫傷、腐敗性潰瘍を治癒する、擦過傷を緩和する、または領域から毒素を回収するために使用し得る。パップ剤は、健康状態の必要に応じて高温または低温で適用し得る。低温パップ剤(および圧迫ガーゼ)は、炎症またはうっ血領域から熱をとるために使用し得る。高温パップ剤または圧迫ガーゼは、痙攣を弛緩させるためおよび一部の疼痛のために使用し得る。パップ剤を作製するには、柔らかくなるまで沸騰水に浸した新鮮なハーブまたは乾燥ハーブを使用し得る。それらを、パップ剤を固着させるために十分なアカニレ粉末と混合し得る。パップ剤を罹患身体部分上に置き、次に清潔な布で包む。本発明の態様によれば、本発明の元素金属および/または被覆物は、同時に治療的「電場効果」も有するパップ剤を生産するためにパップ剤の製造中および/または製造後にパップ剤と混合し得る。1つの実施形態では、パップ調製物自体が本発明の態様にかかる被覆物を提供するために十分であり得る。
【0192】
1つの実施形態では、軟膏は、治癒植物のエッセンスが溶解した緩和性、治癒性で、わずかに油性または脂質性の物質である。これは、植物と脂肪または油を、植物がその通常の色を失い、油または脂肪が治癒化学源を吸収するまで加熱することによって達成し得る。その後、植物をろ過して取り除き得る。安息香のチンキ、ポプラの芽のチンキ、またはグリセリンの滴などの防腐剤は選択的添加物である。軟膏は、小さなバッチで製造でき、分解しないようにパラフィンろうで固く密閉し得る。豚脂は、軟膏のための伝統的な民間療法、ハーブおよび医薬の基剤である。ぐつぐつ煮てろ過することによって精製し得る。多くの油脂のように、ハーブを添加しない場合でも治癒能力を有し得る。精製液化無水ラノリンも軟膏のための基剤として使用し得る。ラノリンはヒツジの毛から洗い流される物質である。多くのレベルの純度で入手可能であり、その特性は製品に依存して異なり得る。この油は皮脂に最も近いと考えられる。アーモンド油、ココアバター、コムギ胚芽、およびビタミンEは軟膏のための中性基剤として使用し得る。一部の実施形態では、ワセリンを使用し得る。本書で述べる油/脂肪のいずれもが、単独でまたは組み合わせて使用し得る。軟膏は、典型的には最終生成物を濃厚化できる少なくとも1つの物質を含有する。ラノリンは増粘剤として使用し得る。同様に、ココアバターは増粘剤として使用し得る。しかし、他の増粘剤も使用し得る。たとえば他の増粘剤は、グリセリン、蜂蜜、液体レシチン等であり得る。しかし、これらの増粘剤はラノリンまたはココアバターよりも粘着性である。選択的にまたは付加的に、様々な粉末樹脂および/またはゴムが、軟膏を濃厚化するために使用し得る。それらは、典型的には最初に冷水に浸し、その後穏やかに沸騰している水中でぐつぐつ煮たとき膨張する(その後それらを調製物に添加し得る)。他の増粘剤は、寒天、アイルランドゴケ、海藻増粘剤等であり得る。果実ペクチン(たとえば青リンゴ由来)も、たとえばクリームおよび軟膏を濃厚化するために使用し得る(たとえば単独でまたは1以上の他の増粘剤に加えて)。軟膏は、増粘剤に加えて1以上の硬化剤をも含み得る。蜜ろうは有用な硬化剤である。パラフィンろうも使用し得る(単独でまたは蜜ろうおよび/または他の硬化剤と組み合わせて)。本発明の態様によれば、本発明の元素金属および/または被覆物は、同時に治療的「電場効果」も有する軟膏を生産するために軟膏の製造中および/または製造後に軟膏と混合し得る。1つの実施形態では、軟膏調製物自体が本発明の態様にかかる被覆物を提供するために十分であり得る。
【0193】
上述したパップ剤または軟膏成分に加えて、またはその代わりに、本発明のパップ剤または軟膏を製造するために他の天然および/または合成成分を使用し得ることは認識されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0194】
【図1】図1は、非伝導性または半導性材料のマトリックス内に元素金属粒子を含む組成物を例示する(示されている組成物は空洞部分(エアポケット)を含むが、他の実施形態では、組成物はほとんどあるいは全く空洞部分を有さなくてもよい)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微粒子元素金属および被覆材料を含み、該被覆材料が該微粒子元素金属の表面積の少なくとも一部の周辺に配置されている、生物学的に活性な元素金属組成物。
【請求項2】
前記被覆材料が半導性材料である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記被覆材料がケイ素粉塵である、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記被覆材料が硫黄またはホウ素である、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記被覆材料がガラス繊維である、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記微粒子元素金属が1mm以下の平均粒径を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記微粒子元素金属が1ミクロン以下の平均粒径を有する、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記微粒子元素金属が約1nmの平均粒径を有する、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
元素金属および非伝導性材料を含み、該非伝導性材料が該元素金属の少なくとも一部の周辺に配置されている、生物学的に活性な元素金属組成物。
【請求項10】
前記元素金属が遷移金属である、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記元素金属が半金属である、請求項9に記載の組成物。
【請求項12】
前記元素金属が、天然で遊離金属として安定であり得る金属である、請求項9に記載の組成物。
【請求項13】
前記元素金属がヒトに対して非毒性である、請求項9に記載の組成物。
【請求項14】
前記元素金属が非放射性である、請求項9に記載の組成物。
【請求項15】
前記元素金属が非発癌性である、請求項9に記載の組成物。
【請求項16】
前記元素金属が環境的に非毒性である、請求項9に記載の組成物。
【請求項17】
前記元素金属が皮膚刺激原ではない、請求項9に記載の組成物。
【請求項18】
前記非伝導性材料が有機材料である、請求項9に記載の組成物。
【請求項19】
前記非伝導性材料が展性である、請求項9に記載の組成物。
【請求項20】
前記非伝導性材料がヒトに対して非毒性である、請求項9に記載の組成物。
【請求項21】
前記非伝導性材料が非発癌性である、請求項9に記載の組成物。
【請求項22】
前記非伝導性材料が環境的に非毒性である、請求項9に記載の組成物。
【請求項23】
前記元素金属が微粒子形態である、請求項9に記載の組成物。
【請求項24】
前記元素金属が金属粉末または粉塵形態である、請求項9に記載の組成物。
【請求項25】
前記微粒子形態の元素金属が約1mm、約1ミクロン、または約1nmの平均サイズ範囲を有する、請求項23に記載の組成物。
【請求項26】
2以上の元素金属を含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項27】
前記元素金属が、少なくとも1つの他の金属との合金である、請求項9に記載の組成物。
【請求項28】
少なくとも2つの元素金属が合金の形態である、請求項26に記載の組成物。
【請求項29】
鉄を含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項30】
亜鉛を含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項31】
アルミニウムを含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項32】
銅を含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項33】
亜鉛をさらに含む、請求項29に記載の組成物。
【請求項34】
鉄対亜鉛の比率が1000:1から1:1000の間である、請求項33に記載の組成物。
【請求項35】
アルミニウムをさらに含む、請求項29に記載の組成物。
【請求項36】
鉄対アルミニウムの比率が1000:1から1:1000の間である、請求項35に記載の組成物。
【請求項37】
銅をさらに含む、請求項29に記載の組成物。
【請求項38】
鉄対銅の比率が1000:1から1:1000の間である、請求項37に記載の組成物。
【請求項39】
鉄、亜鉛、銅、およびアルミニウムの混合物を含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項40】
前記有機材料がろうである、請求項18に記載の組成物。
【請求項41】
ラノリンをさらに含む、請求項40に記載の組成物。
【請求項42】
前記非伝導性材料が油である、請求項9に記載の組成物。
【請求項43】
前記非伝導性材料が合成である、請求項9に記載の組成物。
【請求項44】
前記非伝導性材料が室温で固体である、請求項9に記載の組成物。
【請求項45】
前記非伝導性材料が室温で粘性である、請求項9に記載の組成物。
【請求項46】
前記非伝導性材料がクリームである、請求項45に記載の組成物。
【請求項47】
元素金属対非伝導性材料の比率が1:1から100:1重量/重量の間である、請求項9に記載の組成物。
【請求項48】
前記組成物が、白熱まで加熱することによって活性化されており、静電荷で帯電しているか、および/またはテスラコイルおよび/または陰イオン発生器への曝露によって帯電されている、請求項9に記載の組成物。
【請求項49】
帯電されている、請求項9に記載の組成物。
【請求項50】
前記元素金属の表面積が、同様の重量のシート金属の表面積の少なくとも10倍である、請求項1または9に記載の組成物。
【請求項51】
生物学的に活性なコンデンサ組成物を製造するための方法であって、元素金属と被覆材料を混合する工程を含み、該混合が、該非伝導性材料が該元素金属の少なくとも一部を被覆するのに十分である、方法。
【請求項52】
前記混合物を加熱する工程をさらに含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記元素金属が微粒子形態である、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
前記元素金属と前記被覆材料を、該被覆材料が硬化して該金属と該被覆材料が均一に分布している組成物を生成する期間にわたって混合する、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記被覆材料が非伝導性材料である、請求項51に記載の方法。
【請求項56】
前記被覆材料が有機材料である、請求項51に記載の方法。
【請求項57】
クリームである、請求項1または9に記載の生物学的に活性なコンデンサ組成物を含む調製物。
【請求項58】
請求項1または9に記載の生物学的に活性なコンデンサ組成物を含む成形された装置。
【請求項59】
請求項1または9に記載の生物学的に活性なコンデンサ組成物を含むパウチ。
【請求項60】
帯電した材料から製造される、請求項58に記載の装置。
【請求項61】
正または負に帯電した材料から製造される、請求項59に記載のパウチ。
【請求項62】
ガラス、ガラス繊維、羊毛、絹、綿、またはプラスチックを含む材料から製造される、請求項61に記載のパウチ。
【請求項63】
容器である、請求項58に記載の装置。
【請求項64】
解剖学的特徴に適合するように成形されている、請求項58に記載の装置。
【請求項65】
前記解剖学的特徴が、関節、脛、または脊椎またはその部分である、請求項64に記載の装置。
【請求項66】
前記解剖学的特徴が、足、足首、手、手首、膝、肘、股関節部、肩、腰背部、上背部、または頸部である、請求項65に記載の装置。
【請求項67】
靴または手袋に入れるように成形されている、請求項58に記載の装置。
【請求項68】
解剖学的特徴上に置かれるように適合されている、請求項59に記載のパウチ。
【請求項69】
前記解剖学的特徴が、足、足首、手、手首、膝、肘、股関節部、肩、腰背部、上背部、または頸部である、請求項68に記載のパウチ。
【請求項70】
靴または手袋に入れるように適合されている、請求項68に記載のパウチ。
【請求項71】
請求項1または9に記載の生物学的に活性な元素金属組成物を含む医療用包帯。
【請求項72】
接着性細片および/または自己接着性材料をさらに含む、請求項71に記載の医療用包帯。
【請求項73】
前記生物学的に活性な元素金属組成物を含浸させたガーゼパッドを含む、請求項71に記載の医療用包帯。
【請求項74】
前記生物学的に活性な元素金属組成物が密封された区画中にある、請求項71に記載の医療用包帯。
【請求項75】
前記密封された区画が電気的に中性の材料から製造される、請求項74に記載の医療用包帯。
【請求項76】
前記密封された区画が、金属区画またはステンレス鋼箔区画である、請求項75に記載の医療用包帯。
【請求項77】
滅菌されている、請求項57に記載の調製物。
【請求項78】
滅菌されている、請求項58に記載の装置。
【請求項79】
滅菌されている、請求項59に記載のパウチ。
【請求項80】
滅菌されている、請求項71に記載の医療用包帯。
【請求項81】
前記生物学的に活性な元素金属組成物が滅菌されている、請求項57に記載の調製物。
【請求項82】
前記生物学的に活性な元素金属組成物が滅菌されている、請求項58に記載の装置。
【請求項83】
前記生物学的に活性な元素金属組成物が滅菌されている、請求項59に記載のパウチ。
【請求項84】
前記生物学的に活性な元素金属組成物が滅菌されている、請求項71に記載の医療用包帯。
【請求項85】
被験体において、請求項1または9に記載の生物学的に活性な元素金属組成物を皮膚状態によって冒された皮膚の部位に接触させる工程を含む、皮膚状態を治療する方法。
【請求項86】
前記皮膚状態が前癌性皮膚病変である、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
前記皮膚状態が癌性皮膚病変である、請求項85に記載の方法。
【請求項88】
前記皮膚状態が乾癬病変である、請求項85に記載の方法。
【請求項89】
前記皮膚状態が黒色腫に関連する、請求項85に記載の方法。
【請求項90】
前記生物学的に活性な元素金属組成物がクリームとして適用されるか、または装置、パウチ、または包帯中で提供される、請求項85に記載の方法。
【請求項91】
前記被験体がヒトである、請求項85に記載の方法。
【請求項92】
前記被験体が小児である、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
前記被験体が愛玩動物または農業用動物である、請求項85に記載の方法。
【請求項94】
被験体において、請求項1または9に記載の生物学的に活性な元素金属組成物を疼痛部位の近くの体表面に接触させることを含む、疼痛を治療する方法。
【請求項95】
前記疼痛部位が関節、脛、または脊椎部位である、請求項94に記載の方法。
【請求項96】
前記関節が、足、足首、手、手首、膝、股関節部、肘、または肩関節である、請求項95に記載の方法。
【請求項97】
前記疼痛部位が頸部または脊部部位である、請求項94に記載の方法。
【請求項98】
前記生物学的に活性な元素金属組成物がクリームとして適用されるか、または装置、パウチ、または包帯中で提供される、請求項94に記載の方法。
【請求項99】
前記被験体がヒトである、請求項94に記載の方法。
【請求項100】
前記被験体が小児である、請求項99に記載の方法。
【請求項101】
前記被験体が愛玩動物である、請求項94に記載の方法。
【請求項102】
前記皮膚状態が熱傷である、請求項85に記載の方法。
【請求項103】
前記疼痛部位が、挫傷を受けた部位である、請求項94に記載の方法。
【請求項104】
前記被験体が癌を有する、請求項94に記載の方法。
【請求項105】
前記被験体が、関節リウマチ、変形性関節症、疼痛の変性性病因、椎間板起因の疾病、または疼痛を生じさせる他の疾患または状態を有する、請求項94に記載の方法。
【請求項106】
前記被験体が手術から回復中である、請求項94に記載の方法。
【請求項107】
前記被験体が外傷後疼痛を有する、請求項94に記載の方法。
【請求項108】
前記被験体が骨折を有する、請求項107に記載の方法。
【請求項109】
前記被験体が1以上の裂傷または軟組織損傷を有する、請求項107に記載の方法。
【請求項110】
前記被験体がウマである、請求項85または94に記載の方法。
【請求項111】
種子を保存するための方法であって、該種子を、該種子の保存を高めるために十分な時間、元素金属組成物に曝露する工程を含む、方法。
【請求項112】
種子の発芽を促進するための方法であって、該種子を、発芽を促進するために十分な時間、元素金属組成物に曝露する工程を含む、方法。
【請求項113】
発芽の時期、発芽の速度、発芽の割合、または発芽の収率を改善する、請求項112に記載の方法。
【請求項114】
野菜を保存するための方法であって、該野菜を、該野菜の保存を高めるために十分な時間、元素金属組成物に曝露する工程を含む、方法。
【請求項115】
野菜を登熟させるための方法であって、該野菜を、該野菜の登熟を高めるために十分な時間、元素金属組成物に曝露する工程を含む、方法。
【請求項116】
果実を保存するための方法であって、該果実を、該果実の保存を高めるために十分な時間、元素金属組成物に曝露する工程を含む、方法。
【請求項117】
果実を登熟させるための方法であって、該果実を、該果実の登熟を高めるために十分な時間元素、金属組成物に曝露する工程を含む、方法。
【請求項118】
前記野菜を、輸送および/または貯蔵の間、前記元素金属組成物に曝露する、請求項114または115に記載の方法。
【請求項119】
前記果実を、輸送および/または貯蔵の間、前記元素金属組成物に曝露する、請求項116または117に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2008−545758(P2008−545758A)
【公表日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−514965(P2008−514965)
【出願日】平成18年6月5日(2006.6.5)
【国際出願番号】PCT/US2006/021823
【国際公開番号】WO2006/133134
【国際公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(507395094)プレザーコール, インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】