充填装置、アンカーの施工方法
【課題】カートリッジを用いずに、また、複数の材料を混合して製造される充填材でも均一に複数の材料を混合して充填可能な充填装置、及び、これを用いたアンカーの施工方法を提供する。
【解決手段】充填装置1は、内部に充填材を充填可能な筒体10と、筒体10内部の基端側に配され、筒体10の内部に充填される充填材Aを先端側に向けて押出し可能なピストン20と、ピストン20を、筒体10の基端側から先端側へ向けて進退させることが可能な操作部30と、筒体10の先端に取付可能で、筒体10に取付けた状態でピストン20によって押出された充填材Aを吐出させるノズルと、筒体10の先端に取付可能で、筒体10に取付けた状態で筒体内部に充填された充填材Aを攪拌可能な攪拌手段50とを備える。
【解決手段】充填装置1は、内部に充填材を充填可能な筒体10と、筒体10内部の基端側に配され、筒体10の内部に充填される充填材Aを先端側に向けて押出し可能なピストン20と、ピストン20を、筒体10の基端側から先端側へ向けて進退させることが可能な操作部30と、筒体10の先端に取付可能で、筒体10に取付けた状態でピストン20によって押出された充填材Aを吐出させるノズルと、筒体10の先端に取付可能で、筒体10に取付けた状態で筒体内部に充填された充填材Aを攪拌可能な攪拌手段50とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充填材を充填するための充填装置及び、充填装置を用いたアンカーの施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、液状の充填材を充填させるために充填装置が用いられる。例えば、充填材が内部に充填されたカートリッジを装填して用いられる充填装置が知られている。
このようなカートリッジは、内部に充填材が充填された円筒状の筒体の一端にノズルが設けられているとともに、他端には、筒体内部で摺動可能な栓が設けられ、内部の充填材は空気に触れないように密閉されている。そして、充填装置によって、装填されたカートリッジの栓を押し込むことによって、筒体内部の充填材がノズルから押し出されて、所望の施工位置に充填することができる(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第492142号公報
【特許文献2】特開2007−21401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような充填装置では、カートリッジを使用して充填材を充填後にカートリッジが廃棄物となってしまう問題があった。カートリッジを用いずに、充填装置に充填させる構造をもたせて、直接充填させることも考えられる。しかしながら、充填後に硬化させるためには、基材と硬化材とを混合させて充填材を製造する必要があるが、予め混合してから充填装置に充填させるのでは、別の容器を用意する必要があり、また、充填装置に移し替える手間が発生し、作業コストが増大してしまう問題があった。また、充填装置に基材と硬化材を単に投入しただけでは、均一に混合できない問題があった。さらに、直接充填孔に基材と硬化材とを投入して、充填孔内で混合する方法も考えられるが、施工条件の悪い場所では混合作業がやりづらい場合もあり、また、均一に混合されたか確認できる手段がなく、品質上問題があった。
【0005】
そこでなされた本発明の目的は、カートリッジを用いずに、また、複数の材料を混合して製造される充填材でも均一に複数の材料を混合して充填可能な充填装置、及び、これを用いたアンカーの施工方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
本発明の充填装置は、無機系粉体材料と液体とを混練してなる液状の充填材を内部に充填可能な筒体と、該筒体内部の基端側に配され、該筒体の内部に充填される充填材を先端側に向けて押出し可能なピストンと、該ピストンを、前記筒体の基端側から先端側へ向けて進退させることが可能な操作部と、前記筒体の先端に取付可能で、該筒体に取付けた状態で前記ピストンによって押出された充填材を吐出させるノズルと、前記筒体の先端に取付可能で、該筒体に取付けた状態で前記筒体内部に充填された充填材を攪拌可能な攪拌手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
また、上記充填装置において、前記攪拌手段は、筒体の先端に取付けられる栓体と、該栓体を貫通して設けられ、一端が前記筒体の内部に配され、他端が前記筒体の外部に配される軸部と、該軸部の一端に設けられて充填材を攪拌する攪拌翼とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、上記充填装置において、前記攪拌手段の前記軸部の他端には、該軸部を回転させる工具を取付可能であることを特徴とする。
【0009】
また、コンクリート構造物にアンカーを埋め込むアンカーの施工方法であって、コンクリート構造物のアンカーの施工位置に、所定深さの孔を設置する孔設置工程と、上記の充填装置の前記筒体の内部に基材と硬化材を投入する材料投入工程と、前記充填装置の前記筒体の先端に前記攪拌手段を取付けて無機系粉体材料である基材とその硬化材である液体とを混合させて充填材を製造する混合工程と、該混合工程で使用した前記充填装置の前記筒体の先端から、前記攪拌手段を取り外して前記ノズルを取付ける部材交換工程と、該部材交換工程で前記ノズルを取付けた前記充填装置を用いて、内部の充填材を前記孔設置工程で設置した前記孔に所定量充填する充填工程と、該充填工程の後に前記孔にアンカーを挿入するアンカー設置工程とを備える
【発明の効果】
【0010】
本発明の充填装置によれば、カートリッジを用いずに、また、複数の材料を混合して製造される充填材でも上記攪拌手段によって均一に複数の材料を混合して、施工位置に充填材を充填することができる。
また、本発明のアンカーの施工方法によれば、上記充填装置を用いて材料投入工程、混合工程、部材交換工程及び充填工程を実施することで、カートリッジを用いずに、また、複数の材料を混合して製造される充填材でも上記攪拌手段によって均一に複数の材料を混合して、施工位置に充填材を充填して、アンカーを設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態に係る充填装置の全体図である。
【図2】(a)は本実施形態に係る充填装置の攪拌手段の部品全体正面図、(b)は攪拌手段の攪拌翼を示す側面図である。
【図3】本実施形態のアンカーの施工方法における孔設置工程の説明図である。
【図4】本実施形態のアンカーの施工方法における孔設置工程の説明図である。
【図5】本実施形態のアンカーの施工方法における混合工程の説明図である。
【図6】本実施形態のアンカーの施工方法における混合工程の説明図である。
【図7】本実施形態のアンカーの施工方法における混合工程の説明図である。
【図8】本実施形態のアンカーの施工方法における部材交換工程の説明図である。
【図9】本実施形態のアンカーの施工方法における充填工程及びアンカー設置工程の説明図である。
【図10】本実施形態のアンカーの施工方法におけるアンカー設置工程の説明図である。
【図11】本実施形態のアンカーの施工方法におけるアンカー設置工程の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明による充填装置及びアンカーの施工方法を実施するための形態を説明する。しかし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0013】
図1、図2は、本実施形態の充填装置1を示している。図1に示すように、充填装置1は、内部に充填材Aを充填可能な筒体10と、筒体10内部の基端側に配され、筒体10の内部に充填される充填材Aを先端側に向けて押出し可能なピストン20と、ピストン20を、筒体10の基端側から先端側へ向けて進退させることが可能な操作部30と、筒体10の先端に取付可能で、筒体10に取付けた状態で前記ピストン20によって押出された充填材Aを吐出させるノズル40(図8参照)と、筒体10の先端に取付可能で、筒体10に取付けた状態で筒体10内部に充填された充填材Aを攪拌可能な攪拌手段50とを備える。
充填材Aは、例えばセメント粉等の無機系の粉体材料と水とを練り混ぜ(混練)たものなどの、無機系の硬化性液状物である。
【0014】
筒体10は、筒本体11と、筒本体11の基端を封止する蓋部材12とを有する。また、筒本体11の先端外周面には、ノズル40を螺合させるための雄ネジ部10aが形成されている。また、ピストン20は、筒体10内径よりも僅かに小さい外径を有する円盤状の本体部21と、本体部21の外周面に環状に形成された溝に嵌合されたOリング22とを有する。Oリング22は、本体部21の外周面と、筒体10内周面とに密着しており、これにより基端側と先端側との間の水密性を保っている。
【0015】
操作部30は、蓋部材12に形成された貫通孔を貫通して配され、先端が筒体10内部で本体部21に固定された操作軸31と、操作軸31を筒体10基端側から先端側へ前進させる前進機構32と、操作軸31を筒体10先端側から基端側へ後退させる後退機構33と、操作部30の進退を規制する規制機構34とを有する。
【0016】
前進機構32は、操作軸31の蓋部材12から筒体10外部に突出した基端側に外装され、一端が蓋部材12に支持された第一バネ321と、板状で、操作軸31が貫通する貫通孔322aを有し、第一バネ321の他端を支持する第一板部材322と、第一板部材322の一辺322b側を操作軸31の先端側へ向けて押圧するレバー323と、レバー323の基端部が枢軸324aを介して回転可能に取付けられるとともに、把持可能な把持部材324とを有する。把持部材324を把持しつつレバー323を把持部材324に近づけるように回転させると、レバー323基端部から枢軸324aを介してレバー323先端とは反対方向に突出する押圧突起323aによって第一板部材322の一辺322bが操作軸31先端側へ押圧される。これによって、第一板部材322は、一辺322b側のみが第一バネ321に抗して操作軸31の先端側へ移動するために、操作軸31に対して傾斜した状態となり、これにより操作軸31が第一板部材322の貫通孔322aに係止される。この状態で、さらにレバー323を回転させると、第一板部材322とともに係止された操作軸31を先端側へ前進させて操作軸31に取付けられたピストン20を進出させることができる。
また、後退機構33は、操作軸31の後端(基端)に取付けられて把持可能な部材であり、これを把持して操作軸31を基端側へ引き込むことで操作軸31を基端側へ移動させることが可能となっている。
【0017】
規制機構34は、操作軸31の基端側に外装され、一端341aが前進機構32の把持部材324に支持された第二バネ341と、板状で、操作軸31が貫通する貫通孔342aを有し、第二バネ341の他端341bを支持する第二板部材342と、第二板部材342の第二貫通孔342bに遊挿された支持補助片343と、第二板部材342を係合可能な係合部344とを有する。第二貫通孔342b内面と支持補助片343との間のクリアランスは、貫通孔342a内面と操作軸31とのクリアランスによる、第二板部材342の操作軸31に対する傾斜を制限しないように充分に大きく確保されている。第二バネ341は、他端341bが操作軸31に対して傾斜するように設けられており、これにより第二板部材342は、操作軸31に対して傾斜するようにして、かつ、操作軸31基端側に向けて付勢されている。このため、操作軸31は、第二板部材342の貫通孔342aに係止された状態となり、操作軸31は進退不能に規制する。第二板部材342は操作軸31に垂直となると操作軸31の進退動を規制しない。レバー323の操作によって操作軸31が前進するに伴い、これに追従した第二板部材342が操作軸31に垂直になると、操作軸31が進退動自在となる。
また、係合部344は、第二板部材342を操作軸31に垂直となる位置で係合可能である。このため、例えば、第二板部材342の操作軸31基端側に最も近い側の端部を作業者が手指などで操作軸31先端方向に押圧して係合部344に第二板部材342を係合することで、操作軸31を進退させることが可能となる。
【0018】
図8に示すように、ノズル40は、筒体10の雄ネジ部10aに螺合して筒体10の先端を封止可能な閉塞部41と、閉塞部41から先端側へ突出して設けられ、筒体10内部と連通する貫通孔が形成されたノズル本体42とを備える。このため、ノズル40は、閉塞部41の螺合により、筒体10に対して着脱可能に取付けることができる。
【0019】
図1及び図2に示すように、攪拌手段50(攪拌用ユニット)は、筒体10の先端に取付けられる栓体51と、該栓体51を貫通して設けられ、一端が前記筒体10の内部に配され、他端が前記筒体10の外部に配される軸部52と、該軸部52の一端に設けられて充填材Aを攪拌する攪拌翼53とを有する。栓体51は、筒体10の内径よりも僅かに小さな外径を有する円盤状の部材で、外側に張り出すフランジ51aを有する。このため、フランジ51aを筒体10の先端に係止させるようにして、筒体10の先端側に挿入することが可能である。また、栓体51の外周面には環状の溝が形成されていて、Oリング54が嵌合されている。Oリング54は、栓体51が筒体10に挿入された状態で、栓体51の外周面と筒体10の内周面とに密着して水密に封止可能であるとともに、無機系粉体材料の飛散を防止することができる。
【0020】
攪拌翼53は、軸部52の軸回りの回転によって筒体10内部で回転して充填材Aを攪拌可能な形状とされている。この攪拌翼53は、筒体10の内径よりも小さな回転外径を以て回転される。
【0021】
また、図2に例示するように、図示例の攪拌翼53は、四角枠状に形成されている。
この四角枠状の攪拌翼53は、充填材Aの攪拌を短時間で効率良く行える。この攪拌翼53は、セメント粉と水との練り混ぜのように、無機系の粉体材料と液体との練り混ぜ(混練)によって無機系の硬化性液状物である充填材を得ることを効率良く行える点で好適である。
また、この攪拌翼53は、その4隅が湾曲形状に形成されている。これにより、充填材Aを攪拌しても、充填材Aの性状に与える影響を極めて小さく抑えることができる。
【0022】
軸部52の他端部52aは、筒体10の先端から突出して配され、工具D(図7参照)を取り付け可能に形成されている。工具Dとしては、インパクトドライバー、電気ドリル、ドライバドリル等を挙げることができる。軸部52の他端部52aは、具体的には、断面が六角状に形成されており、断面六角状のアタッチメントが取り付け可能な工具Dが取付けられる。
【0023】
次に、本実施形態の充填装置1を用いて、コンクリート構造物CにアンカーTを埋め込むアンカーTの施工方法について、図3〜図11に基づいて説明する。ここで、アンカーTとしては、様々な材料が選択されるが、本実施形態では、鉄筋をアンカーTとして用いた例を説明する。
図3に示すように、まず、孔設置工程として、コンクリート構造物CのアンカーTの施工位置に所定深さの孔C1を設置する。設置する方法としては、既設のコンクリート構造物Cに対して、削孔機によって削孔していく方法や、コア抜き機によってコアを抜き取る方法などがある。また、新設のコンクリート構造物Cの場合は、シースを埋め込んでおく方法でも良く、これも本工程に含まれる。孔C1の形成が完了したら、図4に示すように、所定深さに形成されたか確認するため、必要な定着長となる位置にマーキングMをしたアンカーTを仮に挿入する。マーキングMの位置がコンクリート構造物Cの表面に位置するかどうかによって、所定深さの孔C1が形成されたかどうかの確認を行う。
【0024】
一方、図5に示すように、材料投入工程として、充填装置1の筒体10の内部に、充填材Aを構成する基材A1と硬化材A2を投入する。無機系粉体材料である基材A1と液体の硬化材A2を用いる場合は、まず、図5(a)に示すように、充填装置1の筒体10の内部に液体の硬化材A2を投入する。次に、図5(b)に示すように、充填装置1の筒体10の内部に粉体の基材A1を投入する。
ここで基材A1、硬化材A2の好適な組み合わせ例としては、例えば基材A1としてセメント粉、その硬化材A2として水を用いることを挙げることができる。
【0025】
次に、混合工程として、基材A1と硬化材A2とを混合させて充填材Aを製造する。具体的には、まず、図6に示すように、攪拌手段50の攪拌翼53及び軸部52を筒体10に挿入し、最後に栓体51を挿入し、筒体10先端側を密閉する。次に、図7に示すように、軸部52の他端部52aに、工具Dを装着する。この状態で、工具Dを駆動させて軸部52を軸回りに回転させると、軸部52一端に設けられた攪拌翼53が筒体10内部で回転し、これにより筒体10内部の基材A1と硬化材A2とが攪拌されて、均一に混合されて充填材Aが製造される。ここで、筒体10内部で混合することで、限られた空間の中で混合されることとなるので効率的かつ効果的に攪拌して均一な混合が実現できる。また、工具Dによって攪拌させることで、手動で軸部52を回転させるのに比較してより均一に混合させることができる。また、筒体10内部で混合することで、混合用の別の容器が不要であり、容器やその周囲を汚損することなく、また、製造した充填材Aの全てを筒体10の内部に充填させて使用可能な状態とすることができる。
【0026】
次に、部材交換工程として、攪拌手段50からノズル40に交換を行う。すなわち、まず、混合工程で使用した充填装置1の筒体10の先端から、攪拌手段50を取り外す。次に、図8に示すように、筒体10にノズル40を取付ける
そして、図9に示すように、充填工程として、部材交換工程でノズル40を取付けた充填装置1を用いて、内部の充填材Aを孔設置工程で設置した孔C1に所定量充填する。
【0027】
最後にアンカーT設置工程として、充填工程の後に孔にアンカーTを挿入する。アンカーTを挿入する際は、予めマーキングMした位置まで挿入することにより必要定着長を確保するようにする。また、アンカーTを挿入しながら、また、挿入した状態で軸回りに回転させることで、アンカーTの周囲に全体に亘って充填材Aが充填された状態にする。また、挿入後には、図10に示すように、充填された充填材Aの一部が漏れ出てしまう場合もある。この場合には、漏れ出た充填材A´を除去して、図11に示すような状態とする。そして、充填材Aが硬化するまで、アンカーTの突出部分を固定しておき、一定時間を経て充填材Aが硬化することより、施工が完了する。
【0028】
以上のように、本実施形態の充填装置1によれば、カートリッジを用いずに充填材Aの充填作業を行うことができる。このため、廃棄物を削減することが可能となる。また、複数の材料を混合して製造される充填材Aでも攪拌手段50によって均一に複数の材料を混合して、施工位置に充填材Aを充填することができる。特に、工具Dを取付可能となることで、工具Dを利用して攪拌することができるので、より均一な充填材Aを製造することができる。また、本実施形態のアンカーTの施工方法により、上記充填装置1を用いて材料投入工程、混合工程、部材交換工程及び充填工程を実施することで、上記のとおりカートリッジを用いずに、また、複数の材料を混合して製造される充填材Aでも上記攪拌手段50によって均一に複数の材料を混合して、施工位置に充填材Aを充填して、アンカーTを設置することができる。
【0029】
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、適宜組み合わせたり、他の構成に適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0030】
1 充填装置
10 筒体
20 ピストン
30 操作部
40 ノズル
50 攪拌手段(攪拌用ユニット)
51 栓体
52 軸部
53 攪拌翼
A 充填材
A1 基材(材料)
A2 硬化材(材料)
C コンクリート構造物
C1 孔
D 工具
【技術分野】
【0001】
本発明は、充填材を充填するための充填装置及び、充填装置を用いたアンカーの施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、液状の充填材を充填させるために充填装置が用いられる。例えば、充填材が内部に充填されたカートリッジを装填して用いられる充填装置が知られている。
このようなカートリッジは、内部に充填材が充填された円筒状の筒体の一端にノズルが設けられているとともに、他端には、筒体内部で摺動可能な栓が設けられ、内部の充填材は空気に触れないように密閉されている。そして、充填装置によって、装填されたカートリッジの栓を押し込むことによって、筒体内部の充填材がノズルから押し出されて、所望の施工位置に充填することができる(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第492142号公報
【特許文献2】特開2007−21401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような充填装置では、カートリッジを使用して充填材を充填後にカートリッジが廃棄物となってしまう問題があった。カートリッジを用いずに、充填装置に充填させる構造をもたせて、直接充填させることも考えられる。しかしながら、充填後に硬化させるためには、基材と硬化材とを混合させて充填材を製造する必要があるが、予め混合してから充填装置に充填させるのでは、別の容器を用意する必要があり、また、充填装置に移し替える手間が発生し、作業コストが増大してしまう問題があった。また、充填装置に基材と硬化材を単に投入しただけでは、均一に混合できない問題があった。さらに、直接充填孔に基材と硬化材とを投入して、充填孔内で混合する方法も考えられるが、施工条件の悪い場所では混合作業がやりづらい場合もあり、また、均一に混合されたか確認できる手段がなく、品質上問題があった。
【0005】
そこでなされた本発明の目的は、カートリッジを用いずに、また、複数の材料を混合して製造される充填材でも均一に複数の材料を混合して充填可能な充填装置、及び、これを用いたアンカーの施工方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
本発明の充填装置は、無機系粉体材料と液体とを混練してなる液状の充填材を内部に充填可能な筒体と、該筒体内部の基端側に配され、該筒体の内部に充填される充填材を先端側に向けて押出し可能なピストンと、該ピストンを、前記筒体の基端側から先端側へ向けて進退させることが可能な操作部と、前記筒体の先端に取付可能で、該筒体に取付けた状態で前記ピストンによって押出された充填材を吐出させるノズルと、前記筒体の先端に取付可能で、該筒体に取付けた状態で前記筒体内部に充填された充填材を攪拌可能な攪拌手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
また、上記充填装置において、前記攪拌手段は、筒体の先端に取付けられる栓体と、該栓体を貫通して設けられ、一端が前記筒体の内部に配され、他端が前記筒体の外部に配される軸部と、該軸部の一端に設けられて充填材を攪拌する攪拌翼とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、上記充填装置において、前記攪拌手段の前記軸部の他端には、該軸部を回転させる工具を取付可能であることを特徴とする。
【0009】
また、コンクリート構造物にアンカーを埋め込むアンカーの施工方法であって、コンクリート構造物のアンカーの施工位置に、所定深さの孔を設置する孔設置工程と、上記の充填装置の前記筒体の内部に基材と硬化材を投入する材料投入工程と、前記充填装置の前記筒体の先端に前記攪拌手段を取付けて無機系粉体材料である基材とその硬化材である液体とを混合させて充填材を製造する混合工程と、該混合工程で使用した前記充填装置の前記筒体の先端から、前記攪拌手段を取り外して前記ノズルを取付ける部材交換工程と、該部材交換工程で前記ノズルを取付けた前記充填装置を用いて、内部の充填材を前記孔設置工程で設置した前記孔に所定量充填する充填工程と、該充填工程の後に前記孔にアンカーを挿入するアンカー設置工程とを備える
【発明の効果】
【0010】
本発明の充填装置によれば、カートリッジを用いずに、また、複数の材料を混合して製造される充填材でも上記攪拌手段によって均一に複数の材料を混合して、施工位置に充填材を充填することができる。
また、本発明のアンカーの施工方法によれば、上記充填装置を用いて材料投入工程、混合工程、部材交換工程及び充填工程を実施することで、カートリッジを用いずに、また、複数の材料を混合して製造される充填材でも上記攪拌手段によって均一に複数の材料を混合して、施工位置に充填材を充填して、アンカーを設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態に係る充填装置の全体図である。
【図2】(a)は本実施形態に係る充填装置の攪拌手段の部品全体正面図、(b)は攪拌手段の攪拌翼を示す側面図である。
【図3】本実施形態のアンカーの施工方法における孔設置工程の説明図である。
【図4】本実施形態のアンカーの施工方法における孔設置工程の説明図である。
【図5】本実施形態のアンカーの施工方法における混合工程の説明図である。
【図6】本実施形態のアンカーの施工方法における混合工程の説明図である。
【図7】本実施形態のアンカーの施工方法における混合工程の説明図である。
【図8】本実施形態のアンカーの施工方法における部材交換工程の説明図である。
【図9】本実施形態のアンカーの施工方法における充填工程及びアンカー設置工程の説明図である。
【図10】本実施形態のアンカーの施工方法におけるアンカー設置工程の説明図である。
【図11】本実施形態のアンカーの施工方法におけるアンカー設置工程の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明による充填装置及びアンカーの施工方法を実施するための形態を説明する。しかし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0013】
図1、図2は、本実施形態の充填装置1を示している。図1に示すように、充填装置1は、内部に充填材Aを充填可能な筒体10と、筒体10内部の基端側に配され、筒体10の内部に充填される充填材Aを先端側に向けて押出し可能なピストン20と、ピストン20を、筒体10の基端側から先端側へ向けて進退させることが可能な操作部30と、筒体10の先端に取付可能で、筒体10に取付けた状態で前記ピストン20によって押出された充填材Aを吐出させるノズル40(図8参照)と、筒体10の先端に取付可能で、筒体10に取付けた状態で筒体10内部に充填された充填材Aを攪拌可能な攪拌手段50とを備える。
充填材Aは、例えばセメント粉等の無機系の粉体材料と水とを練り混ぜ(混練)たものなどの、無機系の硬化性液状物である。
【0014】
筒体10は、筒本体11と、筒本体11の基端を封止する蓋部材12とを有する。また、筒本体11の先端外周面には、ノズル40を螺合させるための雄ネジ部10aが形成されている。また、ピストン20は、筒体10内径よりも僅かに小さい外径を有する円盤状の本体部21と、本体部21の外周面に環状に形成された溝に嵌合されたOリング22とを有する。Oリング22は、本体部21の外周面と、筒体10内周面とに密着しており、これにより基端側と先端側との間の水密性を保っている。
【0015】
操作部30は、蓋部材12に形成された貫通孔を貫通して配され、先端が筒体10内部で本体部21に固定された操作軸31と、操作軸31を筒体10基端側から先端側へ前進させる前進機構32と、操作軸31を筒体10先端側から基端側へ後退させる後退機構33と、操作部30の進退を規制する規制機構34とを有する。
【0016】
前進機構32は、操作軸31の蓋部材12から筒体10外部に突出した基端側に外装され、一端が蓋部材12に支持された第一バネ321と、板状で、操作軸31が貫通する貫通孔322aを有し、第一バネ321の他端を支持する第一板部材322と、第一板部材322の一辺322b側を操作軸31の先端側へ向けて押圧するレバー323と、レバー323の基端部が枢軸324aを介して回転可能に取付けられるとともに、把持可能な把持部材324とを有する。把持部材324を把持しつつレバー323を把持部材324に近づけるように回転させると、レバー323基端部から枢軸324aを介してレバー323先端とは反対方向に突出する押圧突起323aによって第一板部材322の一辺322bが操作軸31先端側へ押圧される。これによって、第一板部材322は、一辺322b側のみが第一バネ321に抗して操作軸31の先端側へ移動するために、操作軸31に対して傾斜した状態となり、これにより操作軸31が第一板部材322の貫通孔322aに係止される。この状態で、さらにレバー323を回転させると、第一板部材322とともに係止された操作軸31を先端側へ前進させて操作軸31に取付けられたピストン20を進出させることができる。
また、後退機構33は、操作軸31の後端(基端)に取付けられて把持可能な部材であり、これを把持して操作軸31を基端側へ引き込むことで操作軸31を基端側へ移動させることが可能となっている。
【0017】
規制機構34は、操作軸31の基端側に外装され、一端341aが前進機構32の把持部材324に支持された第二バネ341と、板状で、操作軸31が貫通する貫通孔342aを有し、第二バネ341の他端341bを支持する第二板部材342と、第二板部材342の第二貫通孔342bに遊挿された支持補助片343と、第二板部材342を係合可能な係合部344とを有する。第二貫通孔342b内面と支持補助片343との間のクリアランスは、貫通孔342a内面と操作軸31とのクリアランスによる、第二板部材342の操作軸31に対する傾斜を制限しないように充分に大きく確保されている。第二バネ341は、他端341bが操作軸31に対して傾斜するように設けられており、これにより第二板部材342は、操作軸31に対して傾斜するようにして、かつ、操作軸31基端側に向けて付勢されている。このため、操作軸31は、第二板部材342の貫通孔342aに係止された状態となり、操作軸31は進退不能に規制する。第二板部材342は操作軸31に垂直となると操作軸31の進退動を規制しない。レバー323の操作によって操作軸31が前進するに伴い、これに追従した第二板部材342が操作軸31に垂直になると、操作軸31が進退動自在となる。
また、係合部344は、第二板部材342を操作軸31に垂直となる位置で係合可能である。このため、例えば、第二板部材342の操作軸31基端側に最も近い側の端部を作業者が手指などで操作軸31先端方向に押圧して係合部344に第二板部材342を係合することで、操作軸31を進退させることが可能となる。
【0018】
図8に示すように、ノズル40は、筒体10の雄ネジ部10aに螺合して筒体10の先端を封止可能な閉塞部41と、閉塞部41から先端側へ突出して設けられ、筒体10内部と連通する貫通孔が形成されたノズル本体42とを備える。このため、ノズル40は、閉塞部41の螺合により、筒体10に対して着脱可能に取付けることができる。
【0019】
図1及び図2に示すように、攪拌手段50(攪拌用ユニット)は、筒体10の先端に取付けられる栓体51と、該栓体51を貫通して設けられ、一端が前記筒体10の内部に配され、他端が前記筒体10の外部に配される軸部52と、該軸部52の一端に設けられて充填材Aを攪拌する攪拌翼53とを有する。栓体51は、筒体10の内径よりも僅かに小さな外径を有する円盤状の部材で、外側に張り出すフランジ51aを有する。このため、フランジ51aを筒体10の先端に係止させるようにして、筒体10の先端側に挿入することが可能である。また、栓体51の外周面には環状の溝が形成されていて、Oリング54が嵌合されている。Oリング54は、栓体51が筒体10に挿入された状態で、栓体51の外周面と筒体10の内周面とに密着して水密に封止可能であるとともに、無機系粉体材料の飛散を防止することができる。
【0020】
攪拌翼53は、軸部52の軸回りの回転によって筒体10内部で回転して充填材Aを攪拌可能な形状とされている。この攪拌翼53は、筒体10の内径よりも小さな回転外径を以て回転される。
【0021】
また、図2に例示するように、図示例の攪拌翼53は、四角枠状に形成されている。
この四角枠状の攪拌翼53は、充填材Aの攪拌を短時間で効率良く行える。この攪拌翼53は、セメント粉と水との練り混ぜのように、無機系の粉体材料と液体との練り混ぜ(混練)によって無機系の硬化性液状物である充填材を得ることを効率良く行える点で好適である。
また、この攪拌翼53は、その4隅が湾曲形状に形成されている。これにより、充填材Aを攪拌しても、充填材Aの性状に与える影響を極めて小さく抑えることができる。
【0022】
軸部52の他端部52aは、筒体10の先端から突出して配され、工具D(図7参照)を取り付け可能に形成されている。工具Dとしては、インパクトドライバー、電気ドリル、ドライバドリル等を挙げることができる。軸部52の他端部52aは、具体的には、断面が六角状に形成されており、断面六角状のアタッチメントが取り付け可能な工具Dが取付けられる。
【0023】
次に、本実施形態の充填装置1を用いて、コンクリート構造物CにアンカーTを埋め込むアンカーTの施工方法について、図3〜図11に基づいて説明する。ここで、アンカーTとしては、様々な材料が選択されるが、本実施形態では、鉄筋をアンカーTとして用いた例を説明する。
図3に示すように、まず、孔設置工程として、コンクリート構造物CのアンカーTの施工位置に所定深さの孔C1を設置する。設置する方法としては、既設のコンクリート構造物Cに対して、削孔機によって削孔していく方法や、コア抜き機によってコアを抜き取る方法などがある。また、新設のコンクリート構造物Cの場合は、シースを埋め込んでおく方法でも良く、これも本工程に含まれる。孔C1の形成が完了したら、図4に示すように、所定深さに形成されたか確認するため、必要な定着長となる位置にマーキングMをしたアンカーTを仮に挿入する。マーキングMの位置がコンクリート構造物Cの表面に位置するかどうかによって、所定深さの孔C1が形成されたかどうかの確認を行う。
【0024】
一方、図5に示すように、材料投入工程として、充填装置1の筒体10の内部に、充填材Aを構成する基材A1と硬化材A2を投入する。無機系粉体材料である基材A1と液体の硬化材A2を用いる場合は、まず、図5(a)に示すように、充填装置1の筒体10の内部に液体の硬化材A2を投入する。次に、図5(b)に示すように、充填装置1の筒体10の内部に粉体の基材A1を投入する。
ここで基材A1、硬化材A2の好適な組み合わせ例としては、例えば基材A1としてセメント粉、その硬化材A2として水を用いることを挙げることができる。
【0025】
次に、混合工程として、基材A1と硬化材A2とを混合させて充填材Aを製造する。具体的には、まず、図6に示すように、攪拌手段50の攪拌翼53及び軸部52を筒体10に挿入し、最後に栓体51を挿入し、筒体10先端側を密閉する。次に、図7に示すように、軸部52の他端部52aに、工具Dを装着する。この状態で、工具Dを駆動させて軸部52を軸回りに回転させると、軸部52一端に設けられた攪拌翼53が筒体10内部で回転し、これにより筒体10内部の基材A1と硬化材A2とが攪拌されて、均一に混合されて充填材Aが製造される。ここで、筒体10内部で混合することで、限られた空間の中で混合されることとなるので効率的かつ効果的に攪拌して均一な混合が実現できる。また、工具Dによって攪拌させることで、手動で軸部52を回転させるのに比較してより均一に混合させることができる。また、筒体10内部で混合することで、混合用の別の容器が不要であり、容器やその周囲を汚損することなく、また、製造した充填材Aの全てを筒体10の内部に充填させて使用可能な状態とすることができる。
【0026】
次に、部材交換工程として、攪拌手段50からノズル40に交換を行う。すなわち、まず、混合工程で使用した充填装置1の筒体10の先端から、攪拌手段50を取り外す。次に、図8に示すように、筒体10にノズル40を取付ける
そして、図9に示すように、充填工程として、部材交換工程でノズル40を取付けた充填装置1を用いて、内部の充填材Aを孔設置工程で設置した孔C1に所定量充填する。
【0027】
最後にアンカーT設置工程として、充填工程の後に孔にアンカーTを挿入する。アンカーTを挿入する際は、予めマーキングMした位置まで挿入することにより必要定着長を確保するようにする。また、アンカーTを挿入しながら、また、挿入した状態で軸回りに回転させることで、アンカーTの周囲に全体に亘って充填材Aが充填された状態にする。また、挿入後には、図10に示すように、充填された充填材Aの一部が漏れ出てしまう場合もある。この場合には、漏れ出た充填材A´を除去して、図11に示すような状態とする。そして、充填材Aが硬化するまで、アンカーTの突出部分を固定しておき、一定時間を経て充填材Aが硬化することより、施工が完了する。
【0028】
以上のように、本実施形態の充填装置1によれば、カートリッジを用いずに充填材Aの充填作業を行うことができる。このため、廃棄物を削減することが可能となる。また、複数の材料を混合して製造される充填材Aでも攪拌手段50によって均一に複数の材料を混合して、施工位置に充填材Aを充填することができる。特に、工具Dを取付可能となることで、工具Dを利用して攪拌することができるので、より均一な充填材Aを製造することができる。また、本実施形態のアンカーTの施工方法により、上記充填装置1を用いて材料投入工程、混合工程、部材交換工程及び充填工程を実施することで、上記のとおりカートリッジを用いずに、また、複数の材料を混合して製造される充填材Aでも上記攪拌手段50によって均一に複数の材料を混合して、施工位置に充填材Aを充填して、アンカーTを設置することができる。
【0029】
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、適宜組み合わせたり、他の構成に適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0030】
1 充填装置
10 筒体
20 ピストン
30 操作部
40 ノズル
50 攪拌手段(攪拌用ユニット)
51 栓体
52 軸部
53 攪拌翼
A 充填材
A1 基材(材料)
A2 硬化材(材料)
C コンクリート構造物
C1 孔
D 工具
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無機系粉体材料と液体とを混練してなる液状の充填材を内部に充填可能な筒体と、
該筒体内部の基端側に配され、該筒体の内部に充填される充填材を先端側に向けて押出し可能なピストンと、
該ピストンを、前記筒体の基端側から先端側へ向けて進退させることが可能な操作部と、
前記筒体の先端に取付可能で、該筒体に取付けた状態で前記ピストンによって押出された充填材を吐出させるノズルと、
前記筒体の先端に取付可能で、該筒体に取付けた状態で前記筒体内部に充填された充填材を攪拌可能な攪拌手段とを備えることを特徴とする充填装置。
【請求項2】
請求項1に記載の充填装置において、
前記攪拌手段は、筒体の先端に取付けられる栓体と、
該栓体を貫通して設けられ、一端が前記筒体の内部に配され、他端が前記筒体の外部に配される軸部と、
該軸部の一端に設けられて充填材を攪拌する攪拌翼とを備えることを特徴とする充填装置。
【請求項3】
請求項2に記載の充填装置において、
前記攪拌手段の前記軸部の他端には、該軸部を回転させる工具を取付可能であることを特徴とする充填装置。
【請求項4】
コンクリート構造物にアンカーを埋め込むアンカーの施工方法であって、
コンクリート構造物のアンカーの施工位置に、所定深さの孔を設置する孔設置工程と、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の充填装置の前記筒体の内部に基材と硬化材を投入する材料投入工程と、
前記充填装置の前記筒体の先端に前記攪拌手段を取付けて無機系粉体材料である基材とその硬化材である液体とを混合させて充填材を製造する混合工程と、
該混合工程で使用した前記充填装置の前記筒体の先端から、前記攪拌手段を取り外して前記ノズルを取付ける部材交換工程と、
該部材交換工程で前記ノズルを取付けた前記充填装置を用いて、内部の充填材を前記孔設置工程で設置した前記孔に所定量充填する充填工程と、
該充填工程の後に前記孔にアンカーを挿入するアンカー設置工程とを備えることを特徴とするアンカーの施工方法。
【請求項1】
無機系粉体材料と液体とを混練してなる液状の充填材を内部に充填可能な筒体と、
該筒体内部の基端側に配され、該筒体の内部に充填される充填材を先端側に向けて押出し可能なピストンと、
該ピストンを、前記筒体の基端側から先端側へ向けて進退させることが可能な操作部と、
前記筒体の先端に取付可能で、該筒体に取付けた状態で前記ピストンによって押出された充填材を吐出させるノズルと、
前記筒体の先端に取付可能で、該筒体に取付けた状態で前記筒体内部に充填された充填材を攪拌可能な攪拌手段とを備えることを特徴とする充填装置。
【請求項2】
請求項1に記載の充填装置において、
前記攪拌手段は、筒体の先端に取付けられる栓体と、
該栓体を貫通して設けられ、一端が前記筒体の内部に配され、他端が前記筒体の外部に配される軸部と、
該軸部の一端に設けられて充填材を攪拌する攪拌翼とを備えることを特徴とする充填装置。
【請求項3】
請求項2に記載の充填装置において、
前記攪拌手段の前記軸部の他端には、該軸部を回転させる工具を取付可能であることを特徴とする充填装置。
【請求項4】
コンクリート構造物にアンカーを埋め込むアンカーの施工方法であって、
コンクリート構造物のアンカーの施工位置に、所定深さの孔を設置する孔設置工程と、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の充填装置の前記筒体の内部に基材と硬化材を投入する材料投入工程と、
前記充填装置の前記筒体の先端に前記攪拌手段を取付けて無機系粉体材料である基材とその硬化材である液体とを混合させて充填材を製造する混合工程と、
該混合工程で使用した前記充填装置の前記筒体の先端から、前記攪拌手段を取り外して前記ノズルを取付ける部材交換工程と、
該部材交換工程で前記ノズルを取付けた前記充填装置を用いて、内部の充填材を前記孔設置工程で設置した前記孔に所定量充填する充填工程と、
該充填工程の後に前記孔にアンカーを挿入するアンカー設置工程とを備えることを特徴とするアンカーの施工方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−104210(P2013−104210A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248116(P2011−248116)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(390022389)サンコーテクノ株式会社 (52)
【出願人】(000003296)電気化学工業株式会社 (1,539)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(390022389)サンコーテクノ株式会社 (52)
【出願人】(000003296)電気化学工業株式会社 (1,539)
【Fターム(参考)】
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