説明

充電システムおよび接続情報提供装置

【課題】
利用者が、事前に電子メールアドレスの登録等の処理を行うことなく、簡便な操作で電動車両のバッテリーの充電状況を確認することのできる充電システムおよび接続情報提供装置を提供する。
【解決手段】
充電装置1が充電状況を該充電装置1を識別する装置識別情報とともに充電状況管理装置2に通知し、接続情報提供部15が非接触通信により携帯電話機4から該携帯電話機4のID格納部42に記憶されている電話機識別情報を取得した場合に、取得した電話機識別情報を装置識別情報とともに充電状況管理装置2に通知し、電話機識別情報または電話機識別情報に基づいて生成した情報を含み、充電状況管理装置2へインターネット6を介して接続するための接続情報を非接触通信により携帯電話機4に提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電システムおよび接続情報提供装置に関し、特に、電動車両のバッテリーに対して充電を行う充電システムおよび接続情報提供装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境問題等を背景に、電気自動車、電動バイクならびに電動モータにより走行を補助する自転車などの電動車両が普及しつつある。電動車両は、その走行のためのエネルギー源となる電力をバッテリーから得るため、バッテリーに充電を行う必要がある。このバッテリーへの充電は、内燃機関を利用して走行する従来の自動車に対する燃料補給に比べて、長時間を要するものである。このため、バッテリーへの充電を効率良く行うことが、電動車両を普及させるための課題の1つとなっている。
【0003】
バッテリーへの充電を効率良く行う方法としては、例えば、ショッピングモール等で駐車場に電動車両が駐車された際に、その駐車時間を利用してバッテリーへの充電を行うことが考えられる。
【0004】
このような形態で、バッテリーへの充電を行う場合には、利用者から、その充電状況を確認したいといった要求が発生することが考えられる。
【0005】
このような要求に答えることのできる技術としては、例えば、電子メールを利用して、充電装置または電動車両自体から、利用者の携帯電話に充電状況を通知するようにしたものが考えられる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−249633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、バッテリーへの充電状況を、電子メールを利用して利用者に通知する場合には、事前に電子メールのメールアドレスを登録する必要があり、充電装置の提供者(運営企業等)が異なる場合には、その都度、電子メールのメールアドレスを登録する必要が生じることも考えられる。
【0008】
そこで、本発明は、利用者が、事前に電子メールアドレスの登録等の処理を行うことなく、簡便な操作で電動車両のバッテリーの充電状況を確認することのできる充電システムおよび接続情報提供装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目的を達成するため、請求項1の発明は、電動車両のバッテリーに充電を行う充電システムであって、電動車両のバッテリーに充電を行う充電装置と、前記充電装置による充電の状況を示す充電状況情報を管理する充電状況管理装置とを具備し、前記充電装置は、予め設定された装置識別情報と前記充電状況情報とを含む充電情報を前記充電状況管理装置に通知する充電状況通知手段と、携帯電話機との間で非接触通信を行い、該携帯電話機または該携帯電話機の非接触通信機能部に固有の情報を電話機識別情報として取得する取得手段と、前記取得手段が取得した電話機識別情報と前記装置識別情報とを関連付けて前記充電状況管理装置に通知する識別情報通知手段と、前記取得手段が取得した電話機識別情報または該電話機識別情報に基づいて生成した情報と、通信網を介して前記充電状況管理装置に接続するための情報とを含む接続情報を生成する生成手段と、前記携帯電話機との間で非接触通信を行い、該携帯電話機に前記生成手段が生成した接続情報を提供する提供手段とを具備し、前記充電状況管理装置は、前記充電装置から通知された充電情報を記憶する記憶手段と、前記通信網を介して前記携帯電話機から前記接続情報を利用した接続があった際に、該接続情報に基づいて前記電話機識別情報を特定し、該特定した電話機識別情報と関連付けられた装置識別情報を特定し、該特定した装置識別情報を含む充電情報を前記記憶手段から抽出する充電情報抽出手段と、前記充電情報抽出が抽出した充電情報に基づいて、該充電情報に含まれる充電状況情報を前記携帯電話機で閲覧可能な閲覧情報に加工して該携帯電話機に提供する閲覧情報提供手段とを具備することを特徴とする。
【0010】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記接続情報を提供する接続情報提供装置をさらに具備し、前記接続情報提供装置は、携帯電話機との間で非接触通信を行い、該携帯電話機または該携帯電話機の非接触通信機能部に固有の情報を電話機識別情報として取得する第2の取得手段と、前記第2の取得手段が取得した電話機識別情報または該電話機識別情報に基づいて生成した情報と、通信網を介して前記充電状況管理装置に接続するための情報とを含む接続情報を生成する第2の生成手段と、前記携帯電話機との間で非接触通信を行い、該携帯電話機に前記第2の生成手段が生成した接続情報を提供する提供手段とを具備することを特徴とする。
【0011】
また、請求項3の発明は、電動車両のバッテリーへの充電状況を、携帯電話機または該携帯電話機の非接触通信機能部に固有の情報に基づいて管理する充電状況管理装置に通信網を介して接続するための接続情報を提供する接続情報提供装置であって、携帯電話機との間で非接触通信を行い、該携帯電話機または該携帯電話機の非接触通信機能部に固有の情報を電話機識別情報として取得する取得手段と、前記取得手段が取得した電話機識別情報または該電話機識別情報に基づいて生成した情報と、前記通信網を介して前記充電状況管理装置に接続するための情報とを含む接続情報を生成する生成手段と、前記携帯電話機との間で非接触通信を行い、該携帯電話機に前記生成手段が生成した接続情報を提供する提供手段とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、電動車両のバッテリーに対する充電状況を、アドレス等の事前登録を行うことなく、遠隔地から確認することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】充電システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】充電システムの詳細を示すブロック図である。
【図3】充電システムの動作の流れを示した図である。
【図4】携帯電話機4に表示させる画面の例を示した図である。
【図5】実施例2で説明する充電システムの構成例を示した図である。
【図6】実施例2で説明する充電システムの動作の流れを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る充電システムおよび接続情報提供装置の一実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は、充電システムの構成例を示すブロック図である。充電システムは、複数の充電装置1−1〜1−nと、充電状況管理装置2により構成される。
【0016】
充電装置1−1〜1−nは、それぞれ、電気的に接続された電動車両3−1〜3−nに対して、そのバッテリーを充電するとともに、充電状況を充電状況管理装置2に定期的に通知する。また、充電装置1−1〜1−nは、携帯電話機4に対して、充電状況を確認するための接続情報を提供する。なお、当然のことであるが、充電装置1−1〜1−nと電動車両3−1〜3−nは、常に接続されているわけではなく、また、その接続の組み合わせも任意である。
【0017】
充電状況管理装置2は、充電装置1−1〜1−nのそれぞれと、通信可能に接続されるとともに、携帯電話機4から電話網5とインターネット6を介して通信が確立した際に、携帯電話機4に対してサーバとして動作して、充電状況を通知する。なお、充電装置1−1〜1−nのそれぞれと充電状況管理装置2との通信は、専用の通信線を用いて行ってもよく、インターネット6を介して行ってもよい。
【0018】
次に、充電装置1−1〜1−n、充電状況管理装置2、携帯電話機4の詳細について説明する。図2は、充電システムの詳細を示すブロック図である。
【0019】
同図に示すように、充電装置1は、制御部10と、記憶部11、通信部12、充電制御部13、充電部14、接続情報提供部15を有し、接続情報提供部15は、制御部16と記憶部17、RW部18、アンテナ部19を有している。なお、充電装置1は、充電装置1−1〜1−nのうち、任意の1つに相当するものである。
【0020】
制御部10は、充電装置1の全体を制御するもので、演算処理を行うプロセッサ等で構成され、プログラムに従って動作するものである。
【0021】
記憶部11は、制御部10が動作する際に必要な情報のほか、充電装置1を識別するための充電装置1に固有のID(識別情報)を記憶するもので、半導体を利用した記憶素子等で構成される。
【0022】
通信部12は、充電状況管理装置2と通信を行うもので、例えば、ネットワークアダプタにより構成されるものである。
【0023】
充電制御部13は、充電部14による電動車両3のバッテリーへの充電を制御するもので、演算処理を行うプロセッサ等で構成され、プログラムに従って動作するものである。
【0024】
充電部14は、電動車両3のバッテリーへ充電を行うための電気回路である。
【0025】
接続情報提供部15は、携帯電話機4との間で無線による非接触通信(短距離通信)を行い、携帯電話機4からの識別情報の取得を行い、携帯電話機4に対して充電状況管理装置2に接続するための情報を提供する。
【0026】
制御部16は、接続情報提供部15の全体を制御するもので、演算処理を行うプロセッサ等で構成され、プログラムに従って動作するものである。
【0027】
記憶部17は、制御部16が動作する際に必要な情報のほか、接続情報提供部15を識別するための接続情報提供部15に固有のID(識別情報)、充電状況管理装置2にインターネット6を経由して接続するための情報であるURL(Uniform Resource Locator)を記憶するもので、半導体を利用した記憶素子等で構成される。また、記憶部17は、充電装置1や携帯電話機4から取得した情報を必要に応じて一時記憶する。
【0028】
RW部18は、携帯電話機4との間で無線による非接触通信を行い、携帯電話機4からの識別情報の読み取り、携帯電話機4に対して充電状況管理装置2に接続するための情報の書き込みを行う。
【0029】
アンテナ部19は、RW部18が携帯電話機4との間で非接触通信を行うためのアンテナである。
【0030】
携帯電話機4は、制御部40とアンテナ部41、ID格納部42、表示部43、操作部44、通信部45、記憶部46を有している。
【0031】
制御部40は、携帯電話機4の全体を制御するものである。
【0032】
アンテナ部41は、接続情報提供部15との間で非接触通信を行うためのアンテナである。
【0033】
ID格納部42は、携帯電話機4またはID格納部42自体に固有となるID(識別情報)を格納するとともに、接続情報提供部15との間で非接触通信を行う部分である。例えば、接続情報提供部15との間で、Felica(登録商標)の規格を用いて非接触通信を行う場合には、このID格納部42は、Felicaチップに相当し、識別情報としては、Felicaチップの製造番号であるIDmが相当する。
【0034】
表示部43は、携帯電話機4の利用者に対して情報等を表示するものであり、液晶表示器等により構成される。
【0035】
操作部44は、携帯電話機4の利用者が情報の入力等を行うものであり、キーボード等により構成される。
【0036】
通信部45は、電話網5との通信を行う。
【0037】
記憶部46は、各種情報と記憶するほか、接続情報提供部15から取得したURLを一時的または消去が指示されるまでの間、これを記憶する。
【0038】
なお、携帯電話機4は、ID格納部42に相当するものを有するものであれば、汎用の携帯電話機を利用することができ、接続情報提供部15から取得したURLを用いて、電話網5、インターネット6を介して充電状況管理装置2に接続するためのプログラムを追加するだけでよく、ID格納部42に相当するものを利用してアドレス情報の授受を行うことができるものであれば、汎用の携帯電話機をそのまま利用することもできる。
【0039】
また、充電状況管理装置2は、制御部20と記憶部21、通信部22を有している。充電状況管理装置2は、サーバとして利用可能なコンピュータにより構成され、このコンピュータをプログラムに従って動作させることで、制御部20等を実現する。
【0040】
制御部20は、充電状況管理装置2の全体を制御するもので、充電装置1から通知された充電状況を管理するとともに、インターネット6を介して携帯電話機4から接続があった際に、対応する充電装置1の充電状況を通知する。なお、対応する充電装置1を特定する方法については後述する。
【0041】
記憶部21は、制御部20を動作させるプログラムのほか、各充電装置1から通知された充電状況を記憶する。この記憶部21は、例えば、磁気ディスクを用いた記憶装置等で構成される。
【0042】
通信部22は、充電装置1やインターネット6との間で通信を行うもので、例えば、ネットワークアダプタにより構成されるものである。
【0043】
次に、充電システムの動作の流れを説明する。図3は、充電システムの動作の流れを示した図である。
【0044】
まず、充電システムを動作させるため、充電装置1の電源をONにすると(ステップ101)、制御部10と接続情報提供部15の両者に電力が供給され、これらが動作を開始する。なお、充電状況管理装置2は、メンテナンス等で必要となる場合を除き、常時、電源ONの状態であり、ここでは、既に電源ONとなっているものとする。また、携帯電話機4については、各利用者が電源を操作するものであり、ここでは、電源ONの状態で利用されるものとする。
【0045】
制御部10と接続情報提供部15の両者が動作を開始すると、まず、制御部10が、記憶部11に記憶されている識別情報(以下、充電装置識別情報と称する)を、接続情報提供部15に通知し(ステップ102)、接続情報提供部15は、記憶部17に充電装置識別情報を記憶する。
【0046】
その後、電動車両3が駐車(駐輪を含む)され、充電装置1と接続される等の充電のための準備が整うと、制御部10は、充電制御部13を動作させ、電動車両3のバッテリーへの充電を開始する(ステップ103)。
【0047】
充電が開始されると、制御部10は、充電制御部13から定期的に充電状況を取得し、取得した充電状況と充電装置識別情報とを充電情報として通信部12を介して充電状況管理装置2に通知する(ステップ104−1〜104−m)。このとき、充電状況管理装置2は、通知された充電情報を記憶部21に記憶する。なお、充電状況管理装置2は、充電情報の通知があった際には、同じ充電装置識別情報を有する充電情報を削除し、最新の充電情報のみを記憶するようにしてもよい。
【0048】
また、制御部10は、充電が開始されたことを、接続情報提供部15にも通知する(ステップ105)。ただし、この接続情報提供部15への充電開始の通知は、行わなくてもよい。
【0049】
その後、充電を開始した電動車両3の利用者が、携帯電話機4を接続情報提供部15のアンテナ部19の近傍に翳すと、携帯電話機4と接続情報提供部15との間で非接触通信が行われ(ステップ106)、この非接触通信により、RW部18が携帯電話機のID格納部42に格納されている識別情報(以下、電話機識別情報と称する)を読み出し(ステップ107)、読み出した電話機識別情報を利用したURLを携帯電話機4に提供する(ステップ108)。携帯電話機4に提供するURLは、例えば、「http://www.xxx.xxx.jp/ABCDE/」のように、充電状況管理装置2のアドレス及び接続のためのプロトコルに対応する「http://www.xxx.xxx.jp」に、電話機識別情報またはこれを暗号化した「ABCDE」をパスとして加えたものや、「http://www.xxx.xxx.jp/Charge=ABCDE」のように、充電状況管理装置2のアドレス及び接続のためのプロトコルに対応する「http://www.xxx.xxx.jp」に、電話機識別情報またはこれを暗号化した「ABCDE」を引数として加えたもの等となる。また、携帯電話機4に提供するURLに、接続情報提供部15を識別するための情報を加えるようにしてもよい。
【0050】
また、接続情報提供部15は、携帯電話機4と接続情報提供部15との間で非接触通信が行われると、この非接触通信で取得した電話機識別情報と、記憶部17に記憶している充電装置識別情報をを組にして、充電状況管理装置2に通知する(ステップ109)。
【0051】
一方、接続情報提供部15との間で非接触通信を行った携帯電話機4は、提供されたURLに基づいて、充電状況管理装置2への接続指示を受け付けるための画面を表示部43に表示する。この画面は、例えば、図4(a)に示すようなものとなる。この画面が表示された状態で、利用者が携帯電話機4の操作部44から充電状況管理装置2への接続を指示、つまり、充電状況の閲覧を指示する操作を行うと(ステップ110)、携帯電話機4は、充電状況管理装置2への接続を確認するための画面を表示部43に表示する。この画面は、例えば、図4(b)に示すようなものとなる。そして、利用者が携帯電話機4の操作部44から確認の入力を行うと、携帯電話機4は、電話網5とインターネット6とを介して充電状況管理装置2に接続する(ステップ111)。このとき、接続情報提供部15から取得したURLに引数が含まれている場合には、充電状況管理装置2に引数を通知する。
【0052】
携帯電話機4からの接続があると、充電状況管理装置2は、その接続先(URLが示すパス)または通知された引数に基づいて、携帯電話機4に対応する電話機識別情報を特定し、先に接続情報提供部15から通知された(ステップ109で通知された)充電装置識別情報と電話機識別情報の組から、特定した電話機識別情報に対応する充電装置識別情報を特定し、特定した充電装置識別情報を含む充電情報(ステップ104−1〜で取得したもの)から、充電状況を特定する(ステップ112)。このとき、充電状況管理装置2は、特定した充電装置識別情報を含む充電情報が複数存在する場合には、最新の充電情報から充電状況を特定する。
【0053】
そして、充電状況を特定した充電状況管理装置2は、携帯電話機4に、特定した充電状況を通知し(ステップ113)、これを受けた携帯電話機4は、充電状況を示す画面を表示部43に表示する。この画面は、例えば、図4(c)に示すようなものとなる。
【0054】
なお、携帯電話機4からの接続先(URLが示すパス)または通知された引数に、接続情報提供部15を識別するための情報が含まれている場合には、充電状況管理装置2は、これを充電情報の特定に利用してもよい。
【0055】
また、制御部10は、充電装置1と電動車両3の電気的な接続が解除された場合、つまり、電動車両3のバッテリーへの充電が終了して電動車両3が移動した場合に、この旨を充電状況管理装置2に通知し(ステップ114)、当該通知に基づいて、充電状況管理装置2が関連する充電情報を記憶部21から削除するようにしてもよい(ステップ115)。ただし、充電状況管理装置2は、電話機識別情報から最新の充電情報を特定するため、ステップ114とステップ115の処理を行わなくとも、例えば、電動車両3が充電終了後に、別の充電装置1で充電を開始した場合でも、適切な充電状況を通知することができる。
【0056】
また、利用者は、接続情報提供部15から通知されたURLを携帯電話機4に、ブックマーク等として記憶しておくことで、充電状況の閲覧(ステップ110からステップ113に相当する処理)を繰り返して行うことも可能である。
【実施例2】
【0057】
実施例1で説明した例では、利用者が充電状況の閲覧を繰り返し行う場合には、接続情報提供部15から通知されたURLを携帯電話機4に記憶しておく必要があったが、実施例2では、URLの記憶を行うことなく、充電状況の閲覧を繰り返し行えるようにした例を説明する。
【0058】
図5は、実施例2で説明する充電システムの構成例を示した図である。同図に示す充電システムは、実施例1で説明した充電システム(図1参照)に、接続情報提供端末7を追加したものである。なお、同図中では、接続情報提供端末7を1台のみ示しているが、接続情報提供端末7は、複数台設置することも可能である。
【0059】
接続情報提供端末7は、充電装置1の接続端末提供部15の機能の一部を有するものであり、制御部70と記憶部71、RW部72、アンテナ部73を有している。
【0060】
制御部70は、接続情報提供端末7の全体を制御するもので、演算処理を行うプロセッサ等で構成され、プログラムに従って動作するものである。
【0061】
記憶部71は、制御部70が動作する際に必要な情報のほか、接続情報提供端末7を識別するための固有のID(識別情報)、充電状況管理装置2にインターネット6を経由して接続するための情報であるURL(Uniform Resource Locator)を記憶するもので、半導体を利用した記憶素子等で構成される。また、記憶部71は、携帯電話機4から取得した情報を必要に応じて一時記憶する。
【0062】
RW部72は、携帯電話機4との間で無線による非接触通信を行い、携帯電話機4からの識別情報の読み取り、携帯電話機4に対して充電状況管理装置2に接続するための情報の書き込みを行う。
【0063】
アンテナ部73は、RW部72が携帯電話機4との間で非接触通信を行うためのアンテナである。
【0064】
また、接続情報提供端末7は、充電装置1や充電状況管理装置2と通信を行う必要が無く、任意の場所に設置できるものである。
【0065】
この接続情報提供端末7は、充電装置1とは異なる場所に設置して利用するもので、例えば、充電装置1がショッピングモール等の駐車場に併設されているとすれば、当該ショッピングモールの店舗内または店舗近傍等に設置される。
【0066】
次に、充電システムの動作の流れを説明する。図6は、充電システムの動作の流れを示した図である。なお、ここで説明する動作は、実施例1で説明した動作と重複する部分もあるため、図3も参照して説明を行う。
【0067】
まず、充電システムを動作させるため、充電装置1の電源をONにすると(図3のステップ101)、制御部10と接続情報提供部15の両者に電力が供給され、これらが動作を開始する。また、接続情報提供端末7は、別途、電源がONにされ、電源ONの状態であるものとする。
【0068】
制御部10と接続情報提供部15の両者が動作を開始すると、まず、制御部10が、記憶部11に記憶されている識別情報(以下、充電装置識別情報と称する)を、接続情報提供部15に通知し(ステップ102)、接続情報提供部15は、記憶部17に充電装置識別情報を記憶する。
【0069】
その後、電動車両3が駐車(駐輪を含む)され、充電装置1と接続される等の充電のための準備が整うと、制御部10は、充電制御部13を動作させ、電動車両3のバッテリーへの充電を開始する(ステップ103)。
【0070】
充電が開始されると、制御部10は、充電制御部13から定期的に充電状況を取得し、取得した充電状況と充電装置識別情報とを充電情報として通信部12を介して充電状況管理装置2に通知する(ステップ104−1〜104−m、図6のステップ104−p、104−q)。このとき、充電状況管理装置2は、通知された充電情報を記憶部21に記憶する。なお、充電状況管理装置2は、充電情報の通知があった際には、同じ充電装置識別情報を有する充電情報を削除し、最新の充電情報のみを記憶するようにしてもよい。
【0071】
また、制御部10は、充電が開始されたことを、接続情報提供部15にも通知する(ステップ105)。ただし、この接続情報提供部15への充電開始の通知は、行わなくてもよい。
【0072】
その後、充電を開始した電動車両3の利用者が、携帯電話機4を接続情報提供部15のアンテナ部19の近傍に翳すと、携帯電話機4と接続情報提供部15との間で非接触通信が行われ(ステップ106)、この非接触通信により、RW部18が携帯電話機のID格納部42に格納されている電話機識別情報を読み出し(ステップ107)、読み出した電話機識別情報を利用したURLを携帯電話機4に提供する(ステップ108)。提供するURLは実施例1の場合と同様のものである。ただし、接続情報提供部15は、携帯電話機4に対するURLの提供を行わなくてもよい。
【0073】
また、接続情報提供部15は、携帯電話機4と接続情報提供部15との間で非接触通信が行われると、この非接触通信で取得した電話機識別情報と、記憶部17に記憶している充電装置識別情報をを組にして、充電状況管理装置2に通知する(ステップ109)。
【0074】
一方、携帯電話機4と接続情報提供部15との間で非接触通信が行われた後に、電動車両3の利用者が移動し、携帯電話機4を接続情報提供端末7アンテナ部73の近傍に翳すと、携帯電話機4と接続情報提供端末7との間で非接触通信が行われ(図6のステップ151)、この非接触通信により、RW部72が携帯電話機のID格納部42に格納されている電話機識別情報を読み出し(ステップ152)、読み出した電話機識別情報を利用したURLを携帯電話機4に提供する(ステップ153)。提供するURLは実施例1の場合と同様のもので、電話機識別情報に基づくものである。また、携帯電話機4に提供するURLに、接続情報提供端末7を識別するための情報を加えるようにしてもよい。
【0075】
接続情報提供端末7との間で非接触通信を行った携帯電話機4は、提供されたURLに基づいて、充電状況管理装置2への接続指示を受け付けるための画面を表示部43に表示する。この画面は、例えば、図4(a)に示すようなものとなる。この画面が表示された状態で、利用者が携帯電話機4の操作部44から充電状況管理装置2への接続を指示、つまり、充電状況の閲覧を指示する操作を行うと(ステップ154)、携帯電話機4は、充電状況管理装置2への接続を確認するための画面を表示部43に表示する。この画面は、例えば、図4(b)に示すようなものとなる。そして、利用者が携帯電話機4の操作部44から確認の入力を行うと、携帯電話機4は、電話網5とインターネット6とを介して充電状況管理装置2に接続する(ステップ155)。このとき、接続情報提供部15から取得したURLに引数が含まれている場合には、充電状況管理装置2に引数を通知する。
【0076】
携帯電話機4からの接続があると、充電状況管理装置2は、その接続先(URLが示すパス)または通知された引数に基づいて、携帯電話機4に対応する電話機識別情報を特定し、先に接続情報提供部15から通知された(図3のステップ109で通知された)充電装置識別情報と電話機識別情報の組から、特定した電話機識別情報に対応する充電装置識別情報を特定し、特定した充電装置識別情報を含む充電情報(ステップ104−1〜で取得したもの)から、充電状況を特定する(ステップ156)。このとき、充電状況管理装置2は、特定した充電装置識別情報を含む充電情報が複数存在する場合には、最新の充電情報から充電状況を特定する。
【0077】
そして、充電状況を特定した充電状況管理装置2は、携帯電話機4に、特定した充電状況を通知し(ステップ157)、これを受けた携帯電話機4は、充電状況を示す画面を表示部43に表示する。この画面は、例えば、図4(c)に示すようなものとなる。
【0078】
なお、携帯電話機4からの接続先(URLが示すパス)または通知された引数に、接続情報提供端末7を識別するための情報が含まれている場合には、充電状況管理装置2は、これを充電情報の特定に利用してもよい。例えば、充電状況管理装置2が、接続情報提供端末7を識別するための情報を接続情報提供端末7の周辺に設置された充電装置1の装置識別情報と関連付けて記憶しておき、この関係から充電情報の候補を特定し、特定した充電情報の候補から電話機識別情報に対応する充電情報を特定する。
【0079】
また、制御部10は、充電装置1と電動車両3の電気的な接続が解除された場合、つまり、電動車両3のバッテリーへの充電が終了して電動車両3が移動した場合に、この旨を充電状況管理装置2に通知し(図3のステップ114)、当該通知に基づいて、充電状況管理装置2が関連する充電情報を記憶部21から削除するようにしてもよい(ステップ115)。ただし、充電状況管理装置2は、電話機識別情報から最新の充電情報を特定するため、ステップ114とステップ115の処理を行わなくとも、例えば、電動車両3が充電終了後に、別の充電装置1で充電を開始した場合でも、適切な充電状況を通知することができる。
【0080】
なお、前述したように、実施例2の充電システムでは、接続情報提供部15は、携帯電話機4に対してURLを提供しなくてもよいため(ステップ108に相当する処理を行わない)、記憶部17へのURLの記憶等の携帯電話機4に対してURLを提供するための機能を省略することもできる。
【符号の説明】
【0081】
1、1−1〜1−n 充電装置
2 充電状況管理装置
3、3−1〜3−n 電動車両
4 携帯電話機
5 電話網
6 インターネット
7 接続情報提供端末
10 制御部
11 記憶部
12 通信部
13 充電制御部
14 充電部
15 接続情報提供部
16 制御部
17 記憶部
18 RW部
19 アンテナ部
20 制御部
21 記憶部
22 通信部
40 制御部
41 アンテナ部
42 ID格納部
43 表示部
44 操作部
45 通信部
46 記憶部
70 制御部
71 記憶部
72 RW部
73 アンテナ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動車両のバッテリーに充電を行う充電システムであって、
電動車両のバッテリーに充電を行う充電装置と、
前記充電装置による充電の状況を示す充電状況情報を管理する充電状況管理装置と
を具備し、
前記充電装置は、
予め設定された装置識別情報と前記充電状況情報とを含む充電情報を前記充電状況管理装置に通知する充電状況通知手段と、
携帯電話機との間で非接触通信を行い、該携帯電話機または該携帯電話機の非接触通信機能部に固有の情報を電話機識別情報として取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した電話機識別情報と前記装置識別情報とを関連付けて前記充電状況管理装置に通知する識別情報通知手段と、
前記取得手段が取得した電話機識別情報または該電話機識別情報に基づいて生成した情報と、通信網を介して前記充電状況管理装置に接続するための情報とを含む接続情報を生成する生成手段と、
前記携帯電話機との間で非接触通信を行い、該携帯電話機に前記生成手段が生成した接続情報を提供する提供手段と
を具備し、
前記充電状況管理装置は、
前記充電装置から通知された充電情報を記憶する記憶手段と、
前記通信網を介して前記携帯電話機から前記接続情報を利用した接続があった際に、該接続情報に基づいて前記電話機識別情報を特定し、該特定した電話機識別情報と関連付けられた装置識別情報を特定し、該特定した装置識別情報を含む充電情報を前記記憶手段から抽出する充電情報抽出手段と、
前記充電情報抽出が抽出した充電情報に基づいて、該充電情報に含まれる充電状況情報を前記携帯電話機で閲覧可能な閲覧情報に加工して該携帯電話機に提供する閲覧情報提供手段と
を具備する
ことを特徴とする充電システム。
【請求項2】
前記接続情報を提供する接続情報提供装置をさらに具備し、
前記接続情報提供装置は、
携帯電話機との間で非接触通信を行い、該携帯電話機または該携帯電話機の非接触通信機能部に固有の情報を電話機識別情報として取得する第2の取得手段と、
前記第2の取得手段が取得した電話機識別情報または該電話機識別情報に基づいて生成した情報と、通信網を介して前記充電状況管理装置に接続するための情報とを含む接続情報を生成する第2の生成手段と、
前記携帯電話機との間で非接触通信を行い、該携帯電話機に前記第2の生成手段が生成した接続情報を提供する提供手段と
を具備する
ことを特徴とする請求項1記載の充電システム。
【請求項3】
電動車両のバッテリーへの充電状況を、携帯電話機または該携帯電話機の非接触通信機能部に固有の情報に基づいて管理する充電状況管理装置に通信網を介して接続するための接続情報を提供する接続情報提供装置であって、
携帯電話機との間で非接触通信を行い、該携帯電話機または該携帯電話機の非接触通信機能部に固有の情報を電話機識別情報として取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した電話機識別情報または該電話機識別情報に基づいて生成した情報と、前記通信網を介して前記充電状況管理装置に接続するための情報とを含む接続情報を生成する生成手段と、
前記携帯電話機との間で非接触通信を行い、該携帯電話機に前記生成手段が生成した接続情報を提供する提供手段と
を具備することを特徴とする接続情報提供装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−135151(P2012−135151A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−286354(P2010−286354)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【出願人】(307003777)株式会社日本コンラックス (140)
【Fターム(参考)】