説明

充電システム

【課題】ストラップが取り付けられた携帯機器を充電する充電システムにおいて、ストラップの挟み込みをより確実に防止しうる構成をより簡易に実現する。
【解決手段】充電システム1では、充電装置30の充電台31が、底壁部34の前端側から前壁部35が立ち上がり、底壁部34の後端側から後壁部36が立ち上がるように構成されている。また、前壁部35において切り欠き形状のストラップ案内部38が設けられている。更に、携帯機器10が充電台31に載置されたときに、ストラップ20をストラップ案内部38に通し且つ少なくともストラップ本体22を充電台31の外部に配置し得るように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯機器の充電システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年では、バーコード、QRコード等の情報コードを光学的に読み取る光学的情報読取装置やICカード等を読み取る非接触通信端末など、様々な携帯機器が広く提供されている。この種の携帯機器は、使用者が手に持った状態で使用されることが多く、機器本体には落下防止や携帯性の向上等を目的としてストラップが取り付けられることが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−60823公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のように携帯機器にストラップを取り付けて使用する場合、機器の充電時に、例えば図11に示すように、ストラップ920が携帯機器910側の充電端子914と充電装置930側の充電端子932との間で挟み込まれてしまうことがある。このような挟み込みが生じてしまうと、携帯機器側の充電端子と充電装置側の充電端子とが確実に接触していないことを気付かずに放置される可能性が高くなってしまい、充電のために折角機器を載置したにもかかわらず、次回の使用時に充電が全く行われていない事態が生じるという問題があった。
【0005】
特に、携帯機器では、一般的には、操作のし易さや把持性を考慮して機器が長手状に構成されており、機器の長手方向一端側に充電端子が設けられる場合が多い。例えば、光学的情報読取装置では、読取口を情報コード側に向けて当該情報コードから反射光を受光するという特性上、機器把持時の操作性(特に、読取口を情報コード側に向けつつ反射光を取り込む操作のし易さ等)を考慮して長手方向の片側に反射光を取り込む読取口を配置し、その反対側(当該機器の長手方向の一端側)に充電端子を設ける場合が多い。このような携帯機器では、読取口付近にストラップが干渉しないように、ストラップを読取口とは反対側の充電端子近傍に設ける必要があり、ストラップの挟み込みの問題がより顕著となってしまう。
【0006】
上記問題に関連する技術としては、例えば、下記特許文献1に示すものが知られている。この特許文献1には、携帯型コードリーダ(2)が所定のセット位置に載置された状態で当該携帯型コードリーダ(2)の受電面部(4)に対して電気的に接触することにより充電する充電台(1)が開示されている。この充電台(1)には、携帯型コードリーダ(2)がセット位置に載置されるのに応動して受電面部(4)の一方の端部から他方の端部に向かって移動する移動手段(ストラップ導入ステー(16))と、後方に向かって開口する開口部(25a)が形成されたストラップ収容部(25)とが設けられており、携帯型コードリーダ(2)が充電台(1)に載置されると、コ字形状に形成されたストラップ導入ステー(16)が回動するようになっている。そして、この回動に応じて携帯型コードリーダ(2)に取付けられているハンドストラップ(15)が充電台(1)の後方に誘い込まれ、後方から排出されるようになっている。しかしながら、上記特許文献1のように、充電台側に可動部分を設けてストラップを排出させる構成では、充電台側の構成が複雑になりコストが増大するといった問題があった。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、ストラップが取り付けられた携帯機器を充電する充電システムにおいて、ストラップの挟み込みをより確実に防止しうる構成をより簡易に実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、充電池によって駆動する携帯機器を充電装置によって充電する充電システムであって、前記携帯機器は、前記充電池を収容する筐体と、前記筐体の外部から前記充電池に電力を供給する経路となる外部端子と、前記筐体に取り付けられる第1可撓部と、前記第1可撓部を介在させて前記筐体に連結される連結部と、前記連結部に接続される第2可撓部と、を備えたストラップと、を有し、前記充電装置は、前記携帯機器の載置時に当該携帯機器の一端側を支持する底壁部と、前記底壁部から立ち上がる側壁部と、を備えた充電台と、前記充電台から露出して配置され、前記携帯機器が前記充電台に載置されたときに当該充電装置の前記外部端子と接触する充電端子と、を備えており、前記充電台は、前記底壁部及び前記側壁部の少なくともいずれかにおいて切り欠き形状のストラップ案内部が設けられており、前記携帯機器が前記充電台に載置されたときに、前記第1可撓部を前記ストラップ案内部に通し且つ前記連結部及び前記第2可撓部を前記充電台の外部に配置し得るように構成され、且つその配置状態で前記第1可撓部が前記充電台内部側に引かれた時に前記連結部と前記ストラップ案内部とが係合するように構成されていることを特徴とする。
【0009】
また、上記課題を解決するため、第2の発明は、充電池によって駆動する携帯機器を充電装置によって充電する充電システムであって、前記携帯機器は、前記充電池を収容する筐体と、前記筐体の外部から前記充電池に電力を供給する経路となる外部端子と、前記筐体に取り付けられる第1可撓部と、前記第1可撓部を介在させて前記筐体に連結される連結部と、前記連結部に接続される第2可撓部と、を備えたストラップと、を有し、前記充電装置は、前記携帯機器の載置時に当該携帯機器の一端側を支持する底壁部と、前記底壁部から立ち上がる側壁部と、を備えた充電台と、前記充電台から露出して配置され、前記携帯機器が前記充電台に載置されたときに当該充電装置の前記外部端子と接触する充電端子と、を備えており、前記充電台は、所定方向を前後方向とするときの前記底壁部の前端側から第1側壁部が立ち上がり、前記底壁部の後端側から第2側壁部が立ち上がる構成をなし、前記第1側壁部及び前記底壁部の少なくともいずれかにおいて孔形状又は切り欠き形状のストラップ案内部が設けられており、前記携帯機器が前記充電台に載置されたときに、前記ストラップを前記ストラップ案内部に通し且つ少なくとも前記第2可撓部を前記充電台の外部に配置し得るように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明では、充電台の底壁部及び側壁部の少なくともいずれかにおいて切り欠き形状のストラップ案内部が設けられている。そして、携帯機器が充電台に載置されたときに、第1可撓部をストラップ案内部に通し且つ連結部及び第2可撓部を充電台の外部に配置し得るように構成されている。この構成によれば、仮に無意識に載置操作を行った場合であっても従来構成と比較して連結部や第2可撓部が充電台の外部に配置され易くなり、意識的に連結部や第2可撓部を充電台の外部に配置するように機器を載置する場合には、連結部や第2可撓部をより確実に外部に配置することができ、これらが携帯機器と充電台の間に挟み込まれにくくなる。
その上、連結部や第2可撓部が充電台の外部に配置された配置状態で第1可撓部が充電台内部側に引かれた時には、連結部とストラップ案内部とが係合するようになっているため、一旦充電台の外部に配置された連結部及び第2可撓部が何らかの拍子に充電台の内部に引き戻されてしまうことを効果的に防ぐことができ、充電台と携帯機器の間にストラップが挟み込まれてしまうことを一層確実に防止することができる。
【0011】
請求項2の発明では、充電台において底壁部の前端側から第1側壁部が立ち上がり、底壁部の後端側から第2側壁部が立ち上がるように構成され、第1側壁部及び底壁部の少なくともいずれかにおいて孔形状又は切り欠き形状のストラップ案内部が設けられている。更に、携帯機器が充電台に載置されたときに、ストラップをストラップ案内部に通し且つ少なくとも第2可撓部を充電台の外部に配置し得るように構成されている。
この構成によれば、仮に無意識に載置操作を行った場合であっても従来構成と比較して連結部や第2可撓部が充電台の外部に配置され易くなり、意識的に連結部や第2可撓部を充電台の外部に配置するように機器を載置する場合には、連結部や第2可撓部をより確実に外部に配置することができ、これらが携帯機器と充電台の間に挟み込まれにくくなる。
また、連結部や第2可撓部を外部に引き出すためのストラップ案内部が前側の壁部(第1側壁部)、或いは下側の壁部(底壁部)に形成されており、連結部や第2可撓部が充電台の前側或いは下側に引き出されるため、充電台を前側から視認することが多い場合、或いは充電台の下方側の視認が容易な場合に、ストラップが確実に引き出されているかを容易に確認することができる。
【0012】
請求項3の発明では、連結部の厚さ及び幅のいずれかが、ストラップ案内部の切り欠きの幅よりも大きく構成されている。
この構成によれば、ストラップがストラップ案内部を介して引き出され、連結部が充電台の外部に配置された場合において、第1可撓部が充電台内部側に引かれた時に、連結部とストラップ案内部とがより一層確実に係合し、その係合が解除され難くなるため、一旦充電台の外部に配置された連結部及び第2可撓部が充電台側に引き戻されてしまうことをより確実に防止することができる。
【0013】
請求項4の発明では、連結部が、第1可撓部を送り出し可能且つ巻き取り可能なリールとして構成されている。そして、第1可撓部が連結部によって巻き取られたときに当該連結部とストラップ案内部とが係合するように構成されている。
この構成によれば第1可撓部の長さをリールによって調整することができるため、使用者が第1可撓部の長さを取扱いに適した長さに自由に設定できる。特に、充電の際には第1可撓部を巻き取ることができるため、連結部や第2可撓部だけでなく、第1可撓部の挟み込みも生じ難くすることができる。
更に、第1可撓部が連結部によって巻き取られたときに当該連結部とストラップ案内部とが係合するように構成されているため、リール部分により第1可撓部を短い長さに調整して第1可撓部自体の挟み込みを防止しつつ、そのリール部分(即ち連結部)をストラップ案内部との係合にも利用して連結部や第2可撓部が充電台内部に引き込まれないように機能させることができる。従って、リール部分と係合部分とを別々の部材によって構成する場合と比較して部品点数を抑え、部品構成を簡素化することができ、且つストラップの挟み込み対策をより万全とすることができる。
【0014】
請求項5の発明では、連結部は、第1可撓部を巻き取った巻き取り状態において携帯機器の筐体と隣接して位置保持されるようになっており、且つその巻き取り状態のときに携帯機器と隣接する側とは反対側の端部が先鋭状又は凸状に形成されている。また、携帯機器が充電台に載置された場合、連結部と筐体とが離れた状態で、筐体が底壁部に載置されたときに、外部端子と充電端子とが当接すると共に携帯機器が底壁部から所定方向に延びる構成で保持され、連結部と筐体とが隣接した状態で連結部が底壁部で支持されたときには、携帯機器が所定方向に対して傾斜して配置されるようになっている。
この構成では、連結部と筐体とが離れた状態で、筐体が底壁部に載置されたときに外部端子と充電端子とが当接し、このときに携帯機器が底壁部から所定方向に延びる構成で保持されるため、載置された携帯機器の姿勢を視認すれば、機器側の端子と充電台側の端子が正しく接触しているかを容易に確認できる。特に、連結部と筐体とが隣接した状態で連結部が底壁部で支持されたときには、携帯機器が所定方向(正常時の方向)に対して傾斜して配置されるため、正常に載置された時と不正常な時との差異が明確になり、簡易な視認作業でより正確なチェックが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1(A)は、本第1実施形態に係る充電システムを構成する充電装置の平面図であり、図1(B)は、図1(A)のA−A断面図であり、図1(C)は、図1(A)の正面図である。
【図2】図2は、携帯機器の載置操作を説明する図であり、図2(A)は、携帯機器が載置される直前の状態を示す説明図であり、図2(B)は、携帯機器が載置された直後の状態を示す説明図であり、図2(C)は、図2(B)の正面図である。
【図3】図3(A)は、第1実施形態における第1変形例に係る充電システムを構成する充電装置の平面図であり、図3(B)は、図3(A)のB−B断面図であり、図3(C)は、図3(A)の正面図である。
【図4】図4は、第1実施形態における第1変形例に係る携帯機器の載置操作を説明する図であり、図4(A)は、携帯機器が載置される直前の状態を示す説明図であり、図4(B)は、携帯機器が載置された直後の状態を示す説明図であり、図4(C)は、図4(B)の正面図である。
【図5】図5(A)は、第1実施形態における第2変形例に係る充電システムを構成する充電装置の平面図であり、図5(B)は、図5(A)のC−C断面図であり、図5(C)は、図5(A)の正面図である。
【図6】図6は、第1実施形態における第2変形例に係る携帯機器の載置操作を説明する図であり、図6(A)は、携帯機器が載置される直前の状態を示す説明図であり、図6(B)は、携帯機器が載置された直後の状態を示す説明図であり、図6(C)は、図6(B)の正面図である。
【図7】図7(A)は、第2実施形態に係る携帯機器の載置操作を説明する図であり、図7(B)は、図7(A)の正面図である。
【図8】図8(A)は、第2実施形態における第1変形例に係る連結部材の構成を説明する図であり、図8(B)は、図8(A)の右側面図である。
【図9】図9は、第2実施形態における第1変形例に係る携帯機器の載置操作を説明する図であり、図9(A)は、連結部材と携帯機器のケースとが隣接した状態で、携帯機器が充電装置に置かれた状態を説明する図であり、図9(B)は、連結部材と携帯機器のケースとが離れた状態で、携帯機器が充電装置に置かれた状態を説明する図である。
【図10】図10は、第2実施形態における第2変形例に係る携帯機器の載置操作を説明する図であり、図10(A)は、携帯機器が載置される直前の状態を示す説明図であり、図10(B)は、携帯機器が載置された直後の状態を示す説明図であり、図10(C)は、図10(B)の正面図である。
【図11】図11は、従来の充電システムの一例を説明する図であり、図11(A)は、従来の充電装置の平面図であり、図11(B)は、従来の充電装置に携帯機器が置かれた状態を説明する図であり、図11(C)は、図11(B)の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[第1実施形態]
以下、本発明の充電システムを具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
(全体構成)
まず、図1、図2を参照して本実施形態に係る充電システムの全体構成を説明する。図1(A)は、本第1実施形態に係る充電システムを構成する充電装置の平面図であり、図1(B)は、図1(A)のA−A断面図であり、図1(C)は、図1(A)の正面図である。図2は、携帯機器の載置操作を説明する図であり、図2(A)は、携帯機器が載置される直前の状態を示す説明図であり、図2(B)は、携帯機器が載置された直後の状態を示す説明図であり、図2(C)は、図2(B)の正面図である。
【0017】
本第1実施形態に係る充電システム1は、携帯型の光学的情報読取装置(例えばバーコードリーダや二次元コードリーダ等)などから構成され、充電池によって駆動する携帯機器10を充電装置30によって充電可能に構成されている。なお、本実施形態では、携帯機器10が光学的情報読取装置として構成される場合を例にとって説明する。
【0018】
まず、本充電システムの充電対象である携帯機器10について説明する。
携帯機器10は、図2に示すように、全体的に長手状に構成されており、長手状のケース12によって外郭が構成され、このケース12の内部に各種部品(各種電気部品等)が収容されている。ケース12は、主に第1ケース12aと第2ケース12bとから構成され、箱状形態をなしており、例えば樹脂材料などから形成されている。第2ケース12bには充電池を収容する電池収容部(図示略)を開閉するための着脱可能な電池蓋13が設けられている。また、第2ケース12bの一端側には、充電池を充電するための携帯機器10側の端子である1対の外部端子14が、第2ケース12bの外側に露出して配置されている。そして、この1対の外部端子14を介してケース12の外部から充電池に電力を供給する経路が形成されるようになっている。なお、ケース12は、「筐体」の一例に相当する。
【0019】
ケース12の他端側には、情報コードからの反射光を取り込む読取口15が形成されている。この読取口15は、ケース12の内部に光を取り込みうる開口形状となっており、その開口が透明部材(例えば透明の樹脂部材)によって閉塞された構成をなしている。また、携帯機器10には、ケース12から露出する形態で様々な部品が設けられている。例えば、第1ケース12aの他端側には、表示装置16が設けられている。表示装置16は、例えば液晶表示器として構成されており、CPU(図示略)等からの指令を受けて、様々な表示動作が行われるようになっている。また、図2に示すように、携帯機器10が充電装置30に収容された際には、この表示装置16の表示画面16aを外部から視認できるようになっている。また、第1ケース12aの一端側には、読取対象の情報や当該携帯機器10の操作に関する情報を入力可能な複数個の操作ボタン17a(数字キーや機能キー等)を有するキー操作部17が設けられている。
【0020】
さらに、第1ケース12aの一端側には、当該携帯機器10の落下を防止するためのストラップ20が、第1ケース12aに設けられる取付孔18を介して取り付けられている。このストラップ20は、ストラップ本体22と、ストラップ本体22を携帯機器10に取り付けるための取付紐24と、ストラップ本体22と取付紐24とを連結する連結部材26とから主に構成されている。なお、ストラップ本体22は、「第2可撓部」の一例に相当し、取付紐24は、「第1可撓部」の一例に相当する。また、連結部材26は、「連結部」の一例に相当する。
【0021】
ストラップ本体22は、紐状部材22aの一端側と他端側を連結部材26により接合されてなり、環状に構成されている。このストラップ本体22の輪の大きさ(紐状部材の長さ)は、使用者が携帯機器10を手に持った状態で手首に通すことができるぐらいに設定されている。ストラップ本体22の材質としては、例えば、ポリエステルなどの合成繊維や皮革などを挙げることができ、可撓性を有して構成されている。また、ストラップ本体22は、ステンレス系繊維やカーボン系繊維などの導電性を有する材質で構成されていてもよい。ストラップ本体22に導電性を付与することで、当該携帯機器10の使用者等に帯電した静電気を放電させることができる。
【0022】
取付紐24は、環状に構成されており、携帯機器10の取付孔18に取り付けられていると共に、ストラップ本体2と携帯機器10とを連結している。この取付紐24は、可撓性を有して構成されている。取付紐24の材質としては、例えば、ポリエステルやビニール等を例示することができるが、特にこれに限定されない。また、取付紐24の線径は、特に限定されないが、取付孔18の大きさ等との兼ね合いから適宜変更することができる。
【0023】
連結部材26は、ストラップ本体22と取付紐24とを連結すると共に、取付紐24を介在させてケース12に連結されている。この連結部材26は、例えば、樹脂材料などからなり、ストラップ本体22と取付紐24とを一体的に連結している。そして、本実施形態では、この連結部材26の大きさは、ストラップ案内部38の孔又は切欠きの幅よりも小さく構成されており、本第1実施形態では、ストラップ案内部内を通り抜けできる程度に設定されている。また、この連結部材26は、図2では、略直方形状に構成された例を示したが、特にこの形状に限定されない。例えば、連結部材26は、略円筒形状に構成されていてもよい。
【0024】
次に、充電装置30について説明する。
充電装置30は、携帯機器10が載置される充電台31と、携帯機器10が充電台31に載置されたときに携帯機器10に設けられる1対の外部端子14とそれぞれ接触する1対の充電端子32とを備えている。充電台31は、図1及び図2に示すように、携帯機器10を収容するための収容部33を備えて構成される。この収容部33は、携帯機器1の外郭よりも若干大きい寸法で形成されている。なお、本実施形態では、収容部33において、携帯機器10が、脱着される方向を上下方向とし、携帯機器10を収容部33に対して上方側から差し込むことで充電装置30に携帯機器10が装着されるようになっている。また、携帯機器10が収容部33に収容されたときに、この携帯機器10の長手方向と直交する方向(上下方向と直交する方向)を前後方向としており、携帯機器10の表示画面16aが向く側を前方側、それとは反対側を後方側としている。なお、携帯機器10の長手方向と直交する方向は、「所定方向」の一例に相当する。
【0025】
そして、収容部33は、携帯機器10の載置時に当該携帯機器10の一端側を支持する底壁部34と、この底壁部34から立ち上がるようそれぞれ設けられる前壁部35、後壁部36、側壁部37a、37bを備えている。なお、前壁部35は、「第1側壁部」の一例に相当し、後壁部36は、「第2側壁部」の一例に相当する。
【0026】
底壁部34には、外部に一部が露出すると共に、収容部33内に突出する構成で設けられる1対の充電端子32が備えられている。この充電端子32は、導電性を有する弾性部材からなり、一端部がコイルばね状に形成されるとともに他端部がL字状に屈曲されて形成されている。また、充電端子32は、コイルばね状の一端部(図示略)にて収容部33内に固定されている。そして、携帯機器10が収容部33に収容されると、この充電端子32は弾性変形によって突出具合が変化して、携帯機器10の外部端子14に接触するように構成されている。
【0027】
前壁部35は、底壁部34の前端側から立ち上がる構成をなしている。そして、前壁部35には、上端から下端にかけて切り欠き形状のストラップ案内部38が形成されている。また、ストラップ案内部38の幅は、連結部材26よりも大きく構成されている。後壁部36は、底壁部34の後端側から立ち上がる構成をなしている。そして、後壁部36の内壁側は、傾斜状に構成されており、図2(B)に示すように、携帯機器10が収容部33内に収容されたときに、表示画面16aが外部から視認しやすい角度になるように(斜め上面側を向くように)、構成されている。側壁部37a、37bは、底壁部34の前端と後端の間から立ち上がる構成をなしている。これら、底壁部34、前壁部35、後壁部36、側壁部37a、37bは、一体的に構成されていてもよく、それぞれ別体で構成されていてもよい。
【0028】
(携帯機器10の載置操作)
次に、上述のように構成される充電装置30の充電台31に携帯機器10を載置させる様子について、図2を用いて説明する。
まず、図2(A)に示すように、携帯機器10の表示画面16aを前方側に向けた状態で、外部端子14を下方側にして、収容部33に対して上方側から挿入する。このとき、ストラップ本体22を前壁部35に設けられたストラップ案内部38側へ逃がすようにする。携帯機器10がさらに移動されると、図2(B)に示すように、携帯機器10の外部端子14が充電装置30の充電端子32と接触した状態で、充電台31に載置される。そして、このように携帯機器10が充電台31に載置されたときに、図2(C)に示すように、ストラップ本体22がストラップ案内部38から外部に引き出されて配置されることとなる。
【0029】
なお、図2では、連結部材26は、ストラップ案内部38内に配置される構成を例示したが、ストラップ本体22と共に外部へ排出されるようになっていてもよい。また、携帯機器10が充電装置30に載置された後に、このストラップ本体22を案内部38から外部側へさらに引っ張り出すようにしてもよい。このように、ストラップ本体22を、意図的に外部側へ引っ張り出すことで、より確実に、ストラップ本体22の挟み込みを無くすことができる。
【0030】
以上説明したように、本第1実施形態に係る充電システム1では、充電台31において底壁部34の前端側から前壁部35が立ち上がり、底壁部34の後端側から後壁部36が立ち上がるように構成され、前壁部35において切り欠き形状のストラップ案内部38が設けられている。更に、携帯機器10が充電台31に載置されたときに、ストラップ20をストラップ案内部38に通し且つ少なくともストラップ本体22を充電台31の外部に配置し得るように構成されている。
この構成によれば、仮に無意識に載置操作を行った場合であっても従来構成と比較して連結部材26やストラップ本体22が充電台31の外部に配置され易くなり、意識的に連結部材26やストラップ本体22を充電台31の外部に配置するように携帯機器10を載置する場合には、連結部材26やストラップ本体22をより確実に外部に配置することができ、これらが携帯機器10と充電台31の間に挟み込まれにくくなる。
また、連結部材26やストラップ本体22を外部に引き出すためのストラップ案内部38が前壁部35に形成されており、連結部材26やストラップ本体22が充電台31の前側に引き出されるため、充電台31を前側から視認することが多い場合に、ストラップ20が確実に引き出されているかを容易に確認することができる。
【0031】
次に、本発明の第1実施形態における第1変形例に係る充電システム201について、図3及び図4を参照して説明する。図3及び図4に示すように、本第1実施形態における第1変形例では、ストラップ案内部の構成が異なる点以外は、上記第1実施形態と同様である。以下、これ以外の上記第1実施形態との相違点を中心に述べる。なお、上記第1実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0032】
図3(A)は、第1実施形態における第1変形例に係る充電システムを構成する充電装置の平面図であり、図3(B)は、図3(A)のB−B断面図であり、図3(C)は、図3(A)の正面図である。図4は、第1実施形態における第1変形例に係る携帯機器の載置操作を説明する図であり、図4(A)は、携帯機器が載置される直前の状態を示す説明図であり、図4(B)は、携帯機器が載置された直後の状態を示す説明図であり、図4(C)は、図4(B)の正面図である。
【0033】
本第1変形例では、図3に示すように、収容部33を構成する底壁部34に、孔形状のストラップ案内部138が設けられている。また、側壁部37a、37bには、携帯機器10が収容部33に収容された際に、携帯機器10を保持する保持部39a、39bが設けられている。なお、保持部39a、39bは底壁部34の一部を構成している。後壁部36には、充電端子32が収容部33内に突出する構成で設けられている。そして、携帯機器10が保持部39a、39bに保持された際に、充電端子32は携帯機器10に設けられる外部端子14と接触するように構成されている。このように、底壁部34にストラップ案内部138が設けられる充電装置130は、例えば、壁などに掛けて使用することができる。
【0034】
次に、本第1変形例における携帯機器10の載置操作について、図4を用いて説明する。まず、図4(A)に示すように、携帯機器10の表示画面16aを前方側に向けた状態で、外部端子14を下方側にして、収容部33に対して上方側から挿入する。このとき、携帯機器10を略垂直に(上下方向と略平行に)挿入することで、ストラップ本体22は、他部材と干渉することなく、ストラップ案内部38側へ自然と導かれる。携帯機器10がさらに移動されると、図4(B)に示すように、携帯機器10の外部端子14が充電装置30の充電端子32と接触した状態で、充電台31に載置される。そして、このように携帯機器10が充電台31に載置されたときに、図4(C)に示すように、ストラップ本体22がストラップ案内部138から外部に排出される。
【0035】
このように、第1実施形態における第1変形例では、底壁部34に孔形状のストラップ案内部138が設けられている。更に、携帯機器10が充電台31に載置されたときに、ストラップ20をストラップ案内部138に通し且つ少なくともストラップ本体22を充電台31の外部に配置し得るように構成されている。
この構成によれば、仮に無意識に載置操作を行った場合であっても従来構成と比較して連結部材26やストラップ本体22が充電台31の外部に配置され易くなり、意識的に連結部材26やストラップ本体22を充電台31の外部に配置するように携帯機器10を載置する場合には、連結部材26やストラップ本体22をより確実に外部に配置することができ、これらが携帯機器10と充電台31の間に挟み込まれにくくなる。
また、連結部材26やストラップ本体22を外部に引き出すためのストラップ案内部138が底壁部34に形成されており、連結部材26やストラップ本体22が充電台31の下側に引き出されるため、充電台31の下方側の視認が容易な場合に、ストラップ20が確実に引き出されているかを容易に確認することができる。さらに、底壁部34にストラップ案内部138を設ける本構成では、ストラップ本体22がストラップ案内部38から引き出される方向に重力が働くので、ストラップ20がより外部へ引き出され易くなる。
【0036】
次に、本発明の第1実施形態における第2変形例に係る充電システム301について、図5及び図6を参照して説明する。図5及び図6に示すように、本第1実施形態における第2変形例では、ストラップ案内部の構成が異なる点以外は、上記第1実施形態と同様である。以下、これ以外の上記第1実施形態との相違点を中心に述べる。なお、上記第1実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0037】
図5(A)は、第1実施形態における第2変形例に係る充電システムを構成する充電装置の平面図であり、図5(B)は、図5(A)のC−C断面図であり、図5(C)は、図5(A)の正面図である。図6は、第1実施形態における第2変形例に係る携帯機器の載置操作を説明する図であり、図6(A)は、携帯機器が載置される直前の状態を示す説明図であり、図6(B)は、携帯機器が載置された直後の状態を示す説明図であり、図6(C)は、図6(B)の正面図である。
【0038】
本第2変形例では、図5に示すように、収容部33を構成する底壁部34及び前壁部35の両方に、ストラップ案内部238が設けられている。ストラップ案内部238は、より具体的には、前壁部35から底壁部34にかけて連続的に、切欠き形状に構成されている。
【0039】
次に、本第2変形例における携帯機器10の載置操作について、図6を用いて説明する。なお、図6では、充電装置230を壁などに掛けて使用する場合を例に挙げる。まず、図6(A)に示すように、携帯機器10の表示画面16aを前方側に向けた状態で、外部端子14を下方側にして、収容部33に対して上方側から挿入する。携帯機器10がさらに移動されると、図6(B)に示すように、携帯機器10の外部端子14が充電装置30の充電端子32と接触した状態で、充電台31に載置される。そして、このように携帯機器10が充電台31に載置されたときに、図6(C)に示すように、ストラップ本体22が底壁部34及び前壁部35に設けられたストラップ案内部138から外部に排出される(図6(C)では、底壁部34からストラップ本体22が外部に排出される例を示している)。このように、底壁部34及び前壁部35の両方に、ストラップ案内部238が設けられる充電装置230は、壁などに掛けて使用することが望ましいが、机などの上に置いて使用することもできる。
【0040】
このように、第1実施形態における第2変形例では、前壁部35及び底壁部34の両方に、切り欠き形状のストラップ案内部が設けられている。更に、携帯機器10が充電台31に載置されたときに、ストラップ20をストラップ案内部238に通し且つ少なくともストラップ本体22を充電台31の外部に配置し得るように構成されている。
この構成によれば、仮に無意識に載置操作を行った場合であっても従来構成と比較して連結部材26やストラップ本体22が充電台31の外部に配置され易くなり、意識的に連結部材26やストラップ本体22を充電台31の外部に配置するように機器を載置する場合には、連結部材26やストラップ本体22をより確実に外部に配置することができ、これらが携帯機器10と充電台31の間に挟み込まれにくくなる。
また、連結部材26やストラップ本体22を外部に引き出すためのストラップ案内部238が前壁部35及び底壁部34の両方に形成されており、連結部材26やストラップ本体22が充電台31の前側或いは下側に引き出されるため、充電台31を前側から視認することが多い場合、或いは充電台31の下方側の視認が容易な場合に、ストラップが確実に引き出されているかを容易に確認することができる。
【0041】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る充電システム401について、図7を参照して説明する。本第2実施形態では、図7に示すように、ストラップ20の連結部材の構成が異なる点以外は、上記第1実施形態と同様である。以下、これ以外の上記第1実施形態との相違点を中心に述べる。なお、上記第1実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0042】
図7(A)は、第2実施形態に携帯機器の載置操作を説明する図であり、図7(B)は、図7(A)の正面図である。
本第2実施形態では、図7に示すように、ストラップ20の連結部材426は、取付紐24を送り出し可能且つ巻き取り可能なリール50として構成されている。リール50は、取付紐24を巻き取る巻き取り駆動部を備えており、この巻き取り駆動部の巻き取り力に抗して取付紐24が一方側から引かれたときに(ストラップ20が外部へ引っ張られたときに)、取付紐24を送り出し可能に構成されている。また、一方側からの取付紐24を引っ張る力が巻き取り力よりも小さくなると、巻き取り駆動部は、取付紐24を自動的に巻き取るように構成されている。この、巻き取り駆動部は、例えば、渦巻ばねやモータ等によって構成することができるが、小型・軽量化及び低コスト化等の面で、渦巻ばねを用いることが好ましい。さらに、本第2実施形態では、連結部材426は、幅(若しくは厚さ)が、ストラップ案内部38の切り欠きの幅よりも大きく構成されている。また、本第2実施形態の連結部材426は、略直方形状に構成されている。
【0043】
次に、このように構成される充電システム401における携帯機器10の載置操作について、図7を用いて説明する。なお、本第2実施形態では、上記第1実施形態で説明した充電装置30と同様のもの(前壁部35にストラップ案内部38が形成された充電装置30)を用いた場合を例に挙げて説明する。
【0044】
まず、携帯機器10の表示画面16aを前方側に向けた状態で、外部端子14を下方側にして、収容部33に対して上方側から挿入する。また、このとき、連結部材426が前壁部35の外面側に配置されるようにして、携帯機器10を収容部33に挿入する(すなわち、取付紐24をストラップ案内部38に通し且つ連結部材426及びストラップ本体22を充電台31の外部に配置する)。そして、このように取付紐24及び連結部材426が配置された状態で、図7(A)に示すように、ストラップ本体22を外部側へ引っ張った後、この引張り力を巻き取り駆動部の巻き取り力よりも弱めると、リール50によって、取付紐24が巻き取られる。すなわち、取付紐24が充電台31の内部側に引かれる。そして、図7(B)に示すように、連結部材426と、ストラップ案内部38とが係合する。このとき、取付紐24の弛みがリール50によって巻き取られることとなる。
【0045】
以上説明したように、本第2実施形態に係る充電システム401では、充電台31の前壁部35において、切り欠き形状のストラップ案内部38が設けられている。そして、携帯機器10が充電台31に載置されたときに、取付紐24をストラップ案内部38に通し且つ連結部材26及び第2可撓部を充電台31の外部に配置し得るように構成されている。この構成によれば、仮に無意識に載置操作を行った場合であっても従来構成と比較して連結部材26や第2可撓部が充電台31の外部に配置され易くなり、意識的に連結部材26やストラップ本体22を充電台31の外部に配置するように携帯機器10を載置する場合には、連結部材26やストラップ本体22をより確実に外部に配置することができ、これらが携帯機器10と充電台31の間に挟み込まれにくくなる。
その上、連結部材26やストラップ本体22が充電台31の外部に配置された配置状態で取付紐24が充電台31内部側に引かれた時には、連結部材26とストラップ案内部38とが係合するようになっているため、一旦充電台31の外部に配置された連結部材26及びストラップ本体22が何らかの拍子に充電台31の内部に引き戻されてしまうことを効果的に防ぐことができ、充電台31と携帯機器10の間にストラップ20が挟み込まれてしまうことを一層確実に防止することができる。
【0046】
また、連結部材26の厚さ及び幅のいずれかが、ストラップ案内部38の切り欠きの幅よりも大きく構成されている。
この構成によれば、ストラップ20がストラップ案内部38を介して引き出され、連結部材26が充電台31の外部に配置された場合において、取付紐24が充電台31内部側に引かれた時に、連結部材26とストラップ案内部38とがより一層確実に係合し、その係合が解除され難くなるため、一旦充電台31の外部に配置された連結部材26及びストラップ本体22が充電台31側に引き戻されてしまうことをより確実に防止することができる。
【0047】
また、連結部材26が、取付紐24を送り出し可能且つ巻き取り可能なリール50として構成されている。そして、取付紐24が連結部材26によって巻き取られたときに当該連結部材26とストラップ案内部38とが係合するように構成されている。
この構成によれば取付紐24の長さをリール50によって調整することができるため、使用者が取付紐24の長さを取扱いに適した長さに自由に設定できる。特に、充電の際には取付紐24を巻き取ることができるため、連結部材26やストラップ本体22だけでなく、取付紐24の挟み込みも生じ難くすることができる。
更に、取付紐24が連結部材26によって巻き取られたときに当該連結部材26とストラップ案内部38とが係合するように構成されているため、リール50部分により取付紐24を短い長さに調整して取付紐24自体の挟み込みを防止しつつ、そのリール50部分(即ち連結部材26)をストラップ案内部38との係合にも利用して連結部材26やストラップ本体22が充電台31内部に引き込まれないように機能させることができる。従って、リール50部分と係合部分とを別々の部材によって構成する場合と比較して部品点数を抑え、部品構成を簡素化することができ、且つストラップ20の挟み込み対策をより万全とすることができる。
【0048】
次に、本発明の第2実施形態における第1変形例に係る充電システム501について、図8及び図9を参照して説明する。図8及び図9に示すように、本第2実施形態における第1変形例では、ストラップ20の連結部材の形状が異なる点以外は、上記第2実施形態と同様である。以下、これ以外の上記第2実施形態との相違点を中心に述べる。なお、上記第2実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0049】
図8(A)は、第2実施形態における第1変形例に係る連結部材の構成を説明する図であり、図8(B)は、図8(A)の右側面図である。図9(A)は、連結部材と携帯機器のケースとが隣接した状態で、携帯機器が充電装置に置かれた状態を説明する図であり、図9(B)は、連結部材と携帯機器のケースとが離れた状態で、携帯機器が充電装置に置かれた状態を説明する図である。
【0050】
本第2実施形態における第1変形例では、ストラップ20の連結部材526は、図8に示すように、取付紐24を巻き取った巻き取り状態において、携帯機器10のケース12と隣接して位置保持されるようになっている。そして、この巻き取り状態のときに携帯機器10と隣接する側とは反対側の連結部材526の端部が、先鋭状に形成されている。
【0051】
そして、このように形成されたストラップ20が取り付けられた携帯機器10を充電台31に載置する際に、連結部材26とケース12とが隣接した状態で、連結部材26が底壁部34で支持されたときには、図9(A)に示すように、携帯機器10が上下方向に対して傾斜して配置されるようになっている。例えば、使用者が無意識に携帯機器10を充電台31に置いたときなどには、携帯機器10が正常に載置された時(図9(B)参照)とは異なる態様(不正常な時)となる。一方、取付紐24をストラップ案内部38に通し且つ連結部材526及びストラップ本体22を充電台31の外部に配置した状態で、使用者等によってストラップ本体22が外部側へ引かれると、連結部材26がケース12から離される。そして、連結部材26とケース12とが離れた状態で、ケース12が底壁部34に載置されたときに外部端子14と充電端子32とが当接し、図9(B)に示すように、携帯機器10が底壁部34から所定方向に延びる構成で保持されるようになる。そして、図9(B)に示す状態では、外部端子14と充電端子32とが確実に当接するため、正常な充電動作がなされることとなる。
【0052】
このように、第2実施形態における第1変形例では、連結部材526は、取付紐24を巻き取った巻き取り状態において携帯機器10のケース12と隣接して位置保持されるようになっており、且つその巻き取り状態のときに携帯機器10と隣接する側とは反対側の端部が先鋭状に形成されている。また、携帯機器10が充電台31に載置された場合、連結部材526とケース12とが離れた状態で、ケース12が底壁部34に載置されたときに、外部端子14と充電端子32とが当接すると共に携帯機器10が底壁部34から所定方向に延びる構成で保持され、連結部材526とケース12とが隣接した状態で連結部材526が底壁部34で支持されたときには、携帯機器10が所定方向に対して傾斜して配置されるようになっている。
この構成では、連結部材526とケース12とが離れた状態で、ケース12が底壁部34に載置されたときに外部端子14と充電端子32とが当接し、このときに携帯機器10が底壁部34から所定方向に延びる構成で保持されるため、載置された携帯機器10の姿勢を視認すれば、機器側の端子と充電台側の端子が正しく接触しているかを容易に確認できる。特に、連結部材526とケース12とが隣接した状態で連結部材526が底壁部34で支持されたときには、携帯機器10が所定方向(正常時の方向)に対して傾斜して配置されるため、正常に載置された時と不正常な時との差異が明確になり、簡易な視認作業でより正確なチェックが可能となる。
【0053】
次に、本発明の第2実施形態における第2変形例に係る充電システム601について、図10を参照して説明する。図10に示すように、本第2実施形態における第2変形例では、ストラップ20の連結部材の構成が異なる点以外は、上記第2実施形態と同様である。以下、これ以外の上記第2実施形態との相違点を中心に述べる。なお、上記第2実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0054】
図10は、第2実施形態における第2変形例に係る携帯機器の載置操作を説明する図であり、図10(A)は、携帯機器が載置される直前の状態を示す説明図であり、図10(B)は、携帯機器が載置された直後の状態を示す説明図であり、図10(C)は、図10(B)の正面図である。
【0055】
上述した第2実施形態では、ストラップ20の連結部材426は、取付紐24を送り出し可能且つ巻き取り可能なリール50として構成されていたが、本第2変形例では、ストラップ20の連結部材626は、リールの構造を有していない点が大きく異なる。なお、本第2変形例では、第2実施形態と同様に、ストラップ20の連結部材626の幅(若しくは厚さ)は、ストラップ案内部38の切り欠きの幅よりも大きく構成されている。また、この連結部材626は、図10では、略円筒形状に構成された例を示したが、特にこの形状に限定されず、略直方形状に構成されていてもよい。図10に示すように、連結部材626が略円筒形状に構成される場合は、連結部材626の円の直径は、ストラップ案内部38の切欠きの幅より大きく設定される。
【0056】
次に、本第2変形例における携帯機器10の載置操作について、図10を用いて説明する。まず、図10(A)に示すように、携帯機器10の表示画面16aを前方側に向けた状態で、外部端子14を下方側にして、収容部33に対して上方側から挿入する。このとき、連結部材626が前壁部35の外面側に配置されるようにし、取付紐24をストラップ案内部38に沿わせるようにして、携帯機器10を収容部33に挿入する。携帯機器10がさらに移動されると、図10(B)に示すように、携帯機器10の外部端子14が充電装置30の充電端子32と接触した状態で、充電台31に載置される。また、このように携帯機器10が充電台31に載置されたときに、図10(C)に示すように、ストラップ本体22及び連結部材626がストラップ案内部38から外部に排出された態様となる。
【0057】
この構成によれば、意識的に連結部材626やストラップ本体22を充電台31の外部に配置するように機器を載置する場合には、連結部材626やストラップ本体22をより確実に外部に配置することができ、これらが携帯機器10と充電台31の間に挟み込まれにくくなる。
【0058】
さらに、図10の構成において、取付紐24を弾性部材(例えばゴムなど)で構成することで、連結部材426がリール50として構成された第2実施形態の充電システム401と同様に、取付紐24が充電台31内部側に引かれた時に、連結部材626とストラップ案内部38とがより一層確実に係合することとなり、その係合が解除され難くなる。
【0059】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0060】
上記第2実施形態では、ストラップ案内部38が前壁部35に設けられた構成を例示したが、ストラップ案内部38が、前壁部35から底壁部34にかけて連続的に形成されていても同様の効果を奏することができる。
【0061】
上記第2実施形態の第1変形例では、取付紐24が巻き取り状態のときに、携帯機器10と隣接する側とは反対側の連結部材526の端部が、先鋭状に形成されている構成を例示したが、これに限定されず、凸状に形成された構成を採用してもよい。
【符号の説明】
【0062】
1、201、301、401、501、601…充電システム
10…携帯機器
12…ケース(筐体)
12a…第1ケース
12b…第2ケース
13…電池蓋
14…外部端子
15…読取口
16…表示装置
16a…表示画面
17…キー操作部
17a…操作ボタン
18…取付孔
20…ストラップ
22…ストラップ本体(第2可撓部)
22a…紐状部材
24…取付紐(第1可撓部)
26、426、526、626…連結部材(連結部)
30、130、230…充電装置
31…充電台
32…充電端子
33…収容部
34…底壁部
35…前壁部(第1側壁部)
36…後壁部(第2側壁部)
37a、37b…側壁部
38、138、238…ストラップ案内部
39a、39b…保持部
50…リール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電池によって駆動する携帯機器を充電装置によって充電する充電システムであって、
前記携帯機器は、
前記充電池を収容する筐体と、
前記筐体の外部から前記充電池に電力を供給する経路となる外部端子と、
前記筐体に取り付けられる第1可撓部と、前記第1可撓部を介在させて前記筐体に連結される連結部と、前記連結部に接続される第2可撓部と、を備えたストラップと、
を有し、
前記充電装置は、
前記携帯機器の載置時に当該携帯機器の一端側を支持する底壁部と、前記底壁部から立ち上がる側壁部と、を備えた充電台と、
前記充電台から露出して配置され、前記携帯機器が前記充電台に載置されたときに当該携帯機器の前記外部端子と接触する充電端子と、
を備えており、
前記充電台は、前記底壁部及び前記側壁部の少なくともいずれかにおいて切り欠き形状のストラップ案内部が設けられており、
前記携帯機器が前記充電台に載置されたときに、前記第1可撓部を前記ストラップ案内部に通し且つ前記連結部及び前記第2可撓部を前記充電台の外部に配置し得るように構成され、且つその配置状態で前記第1可撓部が前記充電台内部側に引かれた時に前記連結部と前記ストラップ案内部とが係合するように構成されていることを特徴とする充電システム。
【請求項2】
充電池によって駆動する携帯機器を充電装置によって充電する充電システムであって、
前記携帯機器は、
前記充電池を収容する筐体と、
前記筐体の外部から前記充電池に電力を供給する経路となる外部端子と、
前記筐体に取り付けられる第1可撓部と、前記第1可撓部を介在させて前記筐体に連結される連結部と、前記連結部に接続される第2可撓部と、を備えたストラップと、
を有し、
前記充電装置は、
前記携帯機器の載置時に当該携帯機器の一端側を支持する底壁部と、前記底壁部から立ち上がる側壁部と、を備えた充電台と、
前記充電台から露出して配置され、前記携帯機器が前記充電台に載置されたときに当該携帯機器の前記外部端子と接触する充電端子と、
を備えており、
前記充電台は、所定方向を前後方向とするときの前記底壁部の前端側から第1側壁部が立ち上がり、前記底壁部の後端側から第2側壁部が立ち上がる構成をなし、前記第1側壁部及び前記底壁部の少なくともいずれかにおいて孔形状又は切り欠き形状のストラップ案内部が設けられており、
前記携帯機器が前記充電台に載置されたときに、前記ストラップを前記ストラップ案内部に通し且つ少なくとも前記第2可撓部を前記充電台の外部に配置し得るように構成されていることを特徴とする充電システム。
【請求項3】
前記連結部の厚さ及び幅のいずれかが、前記ストラップ案内部の切り欠きの幅よりも大きく構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の充電システム。
【請求項4】
前記連結部は、前記第1可撓部を送り出し可能且つ巻き取り可能なリールとして構成されており、
前記第1可撓部が前記連結部によって巻き取られたときに当該連結部と前記ストラップ案内部とが係合することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の充電システム。
【請求項5】
前記連結部は、前記第1可撓部を巻き取った巻き取り状態において前記携帯機器の前記筐体と隣接して位置保持されるようになっており、且つその巻き取り状態のときに前記携帯機器と隣接する側とは反対側の端部が先鋭状又は凸状に形成されており、
前記携帯機器が前記充電台に載置された場合、前記連結部と前記筐体とが離れた状態で、前記筐体が前記底壁部に載置されたときに、前記外部端子と前記充電端子とが当接すると共に前記携帯機器が前記底壁部から所定方向に延びる構成で保持され、前記連結部と前記筐体とが隣接した状態で前記連結部が前記底壁部で支持されたときには、前記携帯機器が前記所定方向に対して傾斜して配置されるようになっていることを特徴とする請求項4に記載の充電システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−200054(P2012−200054A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−61149(P2011−61149)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】