説明

充電スペース案内装置及び充電スペースの案内方法

【課題】充電スペースに駐車する自車両に進入方向を案内する。
【解決手段】
自車両の給電口の位置を取得する給電口位置取得機能と、自車両が利用する充電施設を特定する施設特定機能と、特定された充電施設に属する各充電スペースの充電器の位置を取得する充電器位置取得機能と、自車両の給電口の位置と各充電スペースの充電器の位置とに基づいて、自車両が充電スペースに駐車する際の進入方向を案内する案内機能とを有する手段とを有する充電スペース案内装置100を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車を充電スペースに駐車する際の進入方向を案内する充電スペース案内装置及び案内方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車を利用するユーザに対して情報を提供するナビゲーション装置に関し、施設の位置及び電気自動車用のバッテリ充電設備の有無を含む施設データを用いてエネルギー供給設備を備える施設の位置をユーザに提供する技術が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−215124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のナビゲーション装置ではバッテリ充電設備の有無をユーザに提供するだけであるので、ユーザは充電スペースにおける充電器の位置を知ることができず、充電スペースに車両を前進で駐車するべきか又は車両を後退で駐車するべきかを事前に判断することができない。このため、ユーザは充電をする度に充電器の配置を一々確認しなければならず、利便性に欠けるという問題がある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、ユーザが車両を前進で充電スペースに駐車すべきか又は後退で充電スペースに駐車すべきかを案内できる利便性の高い充電スペース案内装置及び案内方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、特定された充電施設に属する各充電スペースの充電器の位置と自車両の給電口の位置とに基づいて、自車両が充電スペースに駐車する際の進入方向を案内することにより上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明では、充電スペースに駐車する際に自車両の進入方向を案内するので、ユーザは充電スペースに駐車する度に給電口の位置や充電器の配置を確認しなくても、ユーザが車両を前進で充電スペースに駐車すべきか又は後退で充電スペースに駐車すべきかを知ることができる。このため、自車両のバッテリに充電を行う際の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係る本実施形態の案内装置100を含む車載装置1のブロック構成図である。
【図2】自車両の給電口の位置の一例を示す図である。
【図3】充電器の位置の一例を示す図である。
【図4】案内情報の一例を示す図である。
【図5】本実施形態に係る案内装置100の動作手順を説明するためのフローチャート図である。
【図6】案内情報の出力時の状況を示す図である。
【図7】利用する充電スペースの選択画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に基づいて、電気自動車に搭載された本実施形態に係る案内装置100について説明する。
【0010】
図1は、本実施形態に係る案内装置100を含む車載装置1のブロック構成図である。図1に示すように、本実施形態の車載装置1は、案内装置100の他に、ナビゲーション装置200と車両コントローラ300とを備えている。これらの各装置はCAN(Controller Area Network)その他の車載LANによって接続され、相互に情報の授受を行うことができる。また、車載装置1の案内装置100とナビゲーション装置200と車両コントローラ300は、ナビゲーション装置200の通信装置204を介して通信機能2Qを備える外部の情報提供装置2と相互に情報の授受を行うことができる。
【0011】
同図に示すように、本実施形態に係る案内装置100は、充電スペースに駐車する際の進入方向を案内する情報をディスプレイ21やスピーカ22を介して出力させる処理を実行するためのプログラムが格納されたROM(Read Only Memory)12と、このROM12に格納されたプログラムを実行することで、案内装置100として機能させる動作回路としてのCPU(Central Processing Unit)11と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)13と、を備えている。
【0012】
本実施形態に係る案内装置100の制御装置10は、給電口位置取得機能と、施設特定機能と、充電スペース特定機能と、充電器位置取得機能と、案内機能とを備えている。本実施形態の制御装置10は、上記機能を実現するためのソフトウェアと、上述したハードウェアの協働により各機能を実行することができる。
【0013】
以下に、この制御装置10が実現する各機能についてそれぞれ説明する。
【0014】
まず、制御装置10の給電口位置取得機能について説明する。本実施形態の制御装置10は、自車両の給電口の位置を取得する給電口位置取得機能を備えている。制御装置10はその内部のROM12,RAM13、車両コントローラ300の記憶装置が記憶する自車両の給電口の位置、又は情報提供装置2の記憶装置が記憶する自車両の給電口の位置を読み込んで取得することができる。また、給電口の位置は予め記憶されている情報を取得するほか、車載装置1が記憶する車種情報に基づいて、予め準備された車種情報と給油口位置との対応情報を参照して自車両の給油口の位置を取得することも可能である。例えば、案内装置100は、案内装置100又は車両コントローラ300が記憶する自車両の車種情報を外部の情報提供装置2に通信装置204を介して送出し、情報提供装置2が求めた自車両の給油口の位置を、通信装置204を介して取得することが可能である。このとき、情報提供装置2は予め準備された車種情報と給油口位置との対応情報を参照し、車載装置1から取得した車種情報に基づいて自車両の給油口の位置を求めることができる。
【0015】
図2は車両の給電口の位置の例を示す図である。給電口Kの位置(情報)は、給電口Kが車両のどの位置に設けられているかを示す情報であり、例えば、図2に示すように、前中央、後中央、前左、前右、後左、後右などの自車両の進行方向を前方とした場合の設置位置情報である。なお、図2は給電口Kを設けることができる位置の例を示すものであり、給電口Kは車両に少なくとも一つ設けられていればよい。
【0016】
続いて、制御装置10の施設特定機能について説明する。本実施形態の制御装置10は、ユーザからの入力情報に基づいて又は自車両の現在位置やバッテリ残量などの車両の状況に基づいて、自車両が利用する充電施設を特定する施設特定機能を備えている。例えば、本実施形態の制御装置10は、ナビゲーション装置200の経路探索装置202により探索される経路の目的地に基づいて充電施設を特定することができる。つまり、目的地として設定された地点が充電施設であれば、その充電施設を案内の対象として特定することができる。また、制御装置10は、充電施設が目的地として設定されない場合であっても、車両コントローラ300から取得したバッテリ残量が所定値未満である場合は、ナビゲーション装置200の現在位置検出装置201により検出された現在位置から所定距離以内(近傍)の充電施設を案内対象の充電施設として特定することができる。さらに、制御装置10は、経路探索を行っていない場合であっても、車両の現在位置が充電施設内にある場合は、その充電施設を案内対象の充電施設として特定することもできる。なお、ある地点を含む施設が充電施設であるか否かの施設の属性情報は、ナビゲーション装置200の地図情報2031又は充電施設情報2032に含まれている。
【0017】
本実施形態においては、充電施設の属性を含む地図情報2031又は充電施設の位置を含む充電施設情報2032がナビゲーション装置200の記憶装置203に格納されている例を説明するが、案内装置100の制御装置10に記憶させてもよいし、外部の情報提供装置2から通信装置204を介して取得することもできる。
【0018】
次に、制御装置10の充電器位置取得機能について説明する。本実施形態の制御装置10は、特定された充電施設に属する充電スペースの位置を含む充電スペース情報2023及び/又は各充電スペースの充電器の位置を含む充電器位置情報2034を取得する充電器位置取得機能を備えている。充電スペース情報2023、充電器位置情報2034は、ナビゲーション装置200の記憶装置203に充電施設情報2032と対応づけて記憶させてもよいし、外部の情報提供装置2内に充電スペース情報2b、充電器位置情報2cとして記憶させ、通信装置204を介して取得してもよい。
【0019】
図3は、充電施設情報2032,充電スペース情報2033,及び充電器位置情報2034を含む情報の一例を示している。図3に示すように、充電施設Pごとに充電施設ID(識別子)と位置情報(緯度及び経度)が付されるとともに、充電施設に属する各充電スペースSについても充電スペースID(識別子)と充電スペースIDの充電施設Pにおける配置情報(配置識別子)が付されている。また、各充電スペースにはその充電スペースにおける充電器Cの配置場所が付されている。この情報により、制御装置10は、多くの充電施設の中からある特定された充電施設Pを識別し、その充電施設Pに属する充電スペースSを識別するとともに、その充電スペースSにおける充電器Cの配置場所を特定することができる。
【0020】
ちなみに、充電施設Pに属するすべての充電スペースSにおいて充電器Cの位置が共通する場合には、充電施設PのIDと充電器Sの位置とを対応づけて記憶することが好ましい。また、充電施設Pに属する充電スペースSの充電器Cの位置がそれぞれ異なる場合は、各充電スペースSのIDと充電器Cの位置とを対応づけて記憶することが好ましい。
【0021】
さらに、制御装置10の案内機能について説明する。本実施形態の制御装置10は、自車両の給電口の位置と各充電スペースの充電器の位置とに基づいて、自車両が充電スペースに駐車する際の進入方向を案内する案内機能を備えている。
【0022】
制御装置10は、充電施設又は充電施設の充電スペース給電口の位置ごとに、自車両の給電口の位置に応じた進入方向を含む案内情報121を予めROM12内に記憶している。図4は案内情報121の一例を示す図である。図4に示すように、案内情報においては、各充電スペースにおける充電器の位置と自車両の給電口の位置との対応関係に応じて「後退」又は「前進」の案内情報の内容が定義されている。制御装置10は、自車両の給電口の位置に応じて図4に示す案内情報121の一部を記憶してもよい。このように、予め充電器の位置と給電口の位置との対応関係に応じて案内情報の内容を定義しておくことにより、複雑な演算が不要となり、処理能力の低い廉価なCPUを用いて制御装置10を構成することが可能となる。この結果、案内装置100にかかるコストを低減させることができる。なお、案内情報121の記憶領域は、案内装置100内に限定されず、ナビゲーション装置200内や外部の情報提供装置2内に設けることも可能である。
【0023】
制御装置10は、充電施設に属する各充電スペースの充電器の位置が共通である場合には、充電器の位置と給電口の位置とに応じた駐車方向が定義された案内情報121を参照し、充電施設のIDに対応づけられた充電器の位置と自車両の給電口の位置とに基づいて、自車両がその充電スペースに駐車する際の進入方向を案内することができる。このように、充電施設に属する充電スペースの充電器の位置が共通である場合には、充電施設ごとに充電器の位置を定義しておくことにより、案内情報121の内容を画一的に定義することができるため、案内情報121を求める処理に係るコストを低減させることができる。
【0024】
他方、充電施設に属する各充電スペースの充電器の位置が異なる場合において、制御装置10は、充電器の位置と給電口の位置とに応じた駐車方向が定義された案内情報を参照し、充電施設に属する各充電スペースの充電器の位置と自車両の給電口の位置とに基づいて、自車両が各充電スペースに駐車する際の進入方向を案内することができる。このように、充電スペースごとに充電器の位置が異なる場合であっても、充電スペースごとに充電器の位置を定義しておくことにより、各充電スペースに適した案内情報を出力することができるため、利便性を向上させることができる。
【0025】
このように同じ充電施設に属する各充電スペースの充電器の位置が異なり、前進で駐車できる充電スペースと後退で駐車できる充電スペースとの両方が存在する場合には、ユーザがどの充電スペースを利用するかを選択できるように構成することが好ましい。
【0026】
このため、本実施形態の制御装置10は、上述した施設特定機能により特定された充電施設に属する各充電スペースの中から、ユーザの選択操作に基づいて一つの充電スペースを特定する充電スペース特定機能をさらに備えている。具体的に、制御装置10は、ユーザが利用できる充電スペースの候補をタッチパネル型のディスプレイ21により提示するとともに、ユーザに充電スペースの選択操作を要求する。そして、制御装置10は、タッチパネル型のディスプレイ21を介して入力されたユーザの選択情報に基づいて、案内の対象となる充電スペースを特定することができる。なお、本例におけるタッチパネル型のディスプレイ21としては、ナビゲーション装置などに用いられている一般的なものを用いることができる。
【0027】
そして、制御装置10は、充電スペースにおける充電器の位置と給電口の位置とに応じた駐車方向が定義された案内情報121を参照し、特定された充電スペースの充電器の位置と自車両の給電口の位置とに基づいて、自車両がその各充電スペースに駐車する際の進入方向を案内する。このように、前進で駐車する充電スペースと後退で駐車する充電スペースとが存在する場合に、ユーザがいずれか一方を選択することができるので、ユーザの運転操作の嗜好に応じた充電スペースをユーザが選択し、選択された充電スペースに関する案内情報を提供することができる。
【0028】
本実施形態において、制御装置10は、自車両が充電スペースに駐車する際の進入方向を少なくとも含む案内情報を、ディスプレイ21を介して文字や図によって表示し、この表示とともに又は別にスピーカ22を介して音声によって出力する。案内情報の態様は特に限定されないが、「前進で駐車すると充電しやすいです」、「前進で駐車して下さい」、又は「充電器は右側奥にあります」などといった内容の文字や音声で構成することができる。もちろん、特定された充電スペースにおける充電器の位置を図示することや、充電スペースへの進入方向を矢印などの図形によって表示することや、充電スペースへ車両が前進又は後退で駐車する様子を画像によって表示することなども可能である。表示される図形や画像は静止画であってもよいし、動画であってもよい。
【0029】
本実施形態では、車両に搭載された案内装置100を例に説明するが、車両外部の情報提供装置2に、上述の給電口位置取得機能と施設特定機能と充電器位置取得機能と充電スペース特定機能と案内機能とを実行する制御装置10´を設けることができる。情報提供装置2の給電口位置取得機能は、車載装置1から給電口位置や給電口位置を特定できる車種情報を取得することができる。また、情報提供装置2の充電スペース特定機能は車載装置1から充電スペースの特定情報を取得することができる。これにより、車載装置1と情報の授受が可能な情報提供装置2により、本発明の実施形態に係る充電スペースの案内を実行することができる。
【0030】
続いて、図5〜図7に基づいて、本実施形態の案内装置100の動作を説明する。図5は、本発明に係る本実施形態の案内装置100の動作手順を示すフローチャート図、図6は案内情報の出力時の状況を示す図、図7は複数の充電スペースの候補がある場合にユーザに充電スペースの選択を求める画面表示の例である。
【0031】
まず、ステップS101において、制御装置10は、自車両の給電口の位置を車両コントローラ300から取得する。給電口の位置が案内装置100のROM12又はRAM13に記憶されている場合は、記憶された給電口の位置を読み込んで取得する。また、自車両の車種情報を情報提供装置2へ送出し、情報提供装置2が判断する車種に応じた給電口の位置を、車載された通信装置204を介して取得することも可能である。
【0032】
次に、ステップS102において、制御装置10は、ナビゲーション装置200の経路探索装置202を用いて目的地が設定されたか否かを判断する。目的地が設定されている場合はステップS103へ進み、目的地が設定されていない場合はステップS104へ進む。
【0033】
設定された目的地が充電施設である場合はステップS105へ進み、目的地として設定された充電施設を、本処理の案内対象としての充電施設として特定する。目的地が充電施設である場合は、ユーザがその充電施設に充電をしに行くと推測することができるからである。なお、地点が充電施設である旨などの地点の属性は予め地図情報2031に記憶されている。
【0034】
他方、ステップS102及びステップS103において、目的地が設定されなかった場合や、目的地が設定されたとしても充電施設を目的地としない場合は、ステップS104へ進む。
【0035】
ステップS104において、制御装置10は、ユーザが充電施設を利用するか否か、つまりユーザが充電施設を利用する可能性を判断する。たとえば、制御装置10は、車両コントローラ300から取得したバッテリ残量が所定値未満である場合は、ユーザが充電施設を利用する可能性が高いと判断する。また、制御装置10は、ユーザが経路探索を行っていない場合であっても、車両の現在位置が充電施設内にある場合は、ユーザが充電施設を利用する可能性が高いと判断する。ユーザが充電施設を利用すると判断された場合にはステップS105へ進む。
【0036】
このように、本実施形態の案内装置100は、ユーザによる目的地設定などの操作情報や車両のバッテリ残量や車両の現在位置に基づいて、案内情報の生成及び出力のトリガを自動的に判断し、実行することができる。
【0037】
次に、ステップS105において、制御装置10は、自車両が利用する充電施設を特定する。本実施形態の制御装置10は、ステップS102,S103で目的地として設定された充電施設を案内対象の充電施設として特定する。制御装置10は、バッテリ残量に基づいてステップS104の判断処理がされた場合には、バッテリ残量が所定値未満であると判断されたタイミングにおいて現在位置から所定距離以内(近傍)の充電施設を案内対象の充電施設として特定することができる。また、制御装置10は、自車両の現在位置と充電施設の位置情報に基づいてステップS104の判断処理がされた場合には、自車両の現在位置と所定距離X以内に存在する充電施設を案内対象の充電施設として特定することができる。
【0038】
続いて、ステップS106において、制御装置10は、自車両の現在位置と充電施設の位置とを比較して、自車両の現在位置と充電施設の位置(又は充電スペースが存在する領域の位置)との距離が所定値未満Y(Y<X)となった場合には、自車両が充電施設の充電スペースに接近乃至敷地内に駐車したと判断し、ステップS107へ進む。このタイミングで案内情報の作成処理を開始することができる。
【0039】
次のステップS107において、制御装置10は、ステップS105にて特定された充電施設に属する充電スペースの充電器の位置を取得する。充電施設に属する全ての充電スペースにおいて充電器の位置が同じである場合には、充電施設ごとに特定された充電器の位置を取得する。他方、充電施設に属する各充電スペースの充電器の位置が異なる場合には、各充電スペースの充電器の位置を取得する。図6は、充電施設に属する各充電スペースにおける充電器の配置例である。例えば、図6に示す例では、各充電スペースのIDと充電器の設置された位置(奥中央、左奥、右奥、手前左、手前右)の情報とを取得する。
【0040】
このとき、制御装置10は、特定された充電施設の充電スペース利用可否情報2dを外部の情報提供装置1からナビゲーション装置200の通信装置204を介して取得する。この充電スペース利用可否情報2dは、充電スペースのリアルタイムの駐車状況(駐車中又は空き状態の情報)を含んでいる。
【0041】
続くステップS108において、制御装置10は、特定された充電施設に属する充電スペースの中から利用可能な充電スペースを抽出する。そして抽出された利用可能な充電スペースの駐車方向が「前進」と「後退」の両方を含む場合、つまり、前進で駐車可能な充電スペース及び後退で駐車可能な充電スペースのいずれもが利用可能である場合は、ステップS109へ進む。
【0042】
ステップS109において、制御装置10はユーザに利用する充電スペースを選択するように要求する。具体的には、制御装置10は、利用可能な充電スペースの候補をディスプレイ21により提示させ、ユーザからの選択入力を待機する。
【0043】
図7は、ディスプレイ21における充電スペースの選択画面の一例を示す図である。図7に示すように、すでに他車両が駐車しており利用ができない充電スペースはグレーアウト表示されており、駐車されておらず利用可能な充電スペースはハイライト表示されている。また、同図に示すように、ディスプレイ21には、充電器との接続位置を示すアイコン(コンセントの図)が充電器の設けられている場所に対応づけて表示されている。
【0044】
続くステップS110において、制御装置10は、ユーザが利用する充電スペースの選択情報(充電スペースID)の入力を受け付ける。ユーザは、タッチパネル型のディスプレイ21で表示された充電スペースの中から自分が利用したい充電スペースを選択し、タッチ入力する。ちなみに、タッチパネル型のディスプレイ21は、駐車されていない充電スペースの選択入力のみを受け付け、駐車されていて利用できない充電スペースの選択入力は受け付けない。
【0045】
このように、ユーザが、自分の運転嗜好に応じて前進で駐車できる充電スペース又は後退で駐車できる充電スペースのいずれかを選択することができるので、案内装置100の利便性を向上させることができる。
【0046】
続くステップS111において、制御装置10は、充電器の位置と給電口の位置と駐車方向とが対応づけられた案内情報121を参照する。
【0047】
そして、ステップS112において、制御装置10は、利用可能な充電スペースの充電器の位置と自車両の給電口の位置とに基づいて、ユーザによって選択された充電スペースに自車両が駐車する際の進入方向を判断する。
【0048】
さらに、制御装置10は、ユーザが選択した充電スペースの案内情報をディスプレイ21及び/又はスピーカ22を介して出力する。
【0049】
他方、ステップS108において、前進で駐車可能な充電スペース及び後退で駐車可能な充電スペースのいずれもが利用可能でないと判断された場合は、制御装置10は、充電スペースにおける充電器の位置が共通すると判断する(ステップS113)。
【0050】
続くステップS114において、制御装置10は、充電器の位置と給電口の位置と駐車方向とが対応づけられた案内情報121を参照する。
【0051】
そして、制御装置10は、利用可能な充電スペースの充電器の位置と自車両の給電口の位置とに基づいて、利用可能な充電スペースに自車両が駐車する際の進入方向を判断する。
【0052】
さらに、ステップS115において、制御装置10は、利用可能と判断された充電スペースの案内情報をディスプレイ21及び/又はスピーカ22を介して出力する。
【0053】
本発明は以上のように構成され、以上のように作用するので、以下の効果を奏する。
【0054】
本発明に係る本実施形態の案内装置100又は案内方法によれば、特定された充電施設に属する各充電スペースの充電器の位置と自車両の給電口の位置とに基づいて、自車両が充電スペースに駐車する際の進入方向を案内するので、ユーザは充電スペースに駐車する度に給電口の位置や充電器の配置を一々確認しなくても、ユーザが車両を前進で充電スペースに駐車すべきか又は後退で充電スペースに駐車すべきかを判断することができる。この結果、充電操作における利便性を向上させることができる。
【0055】
一般に、車両の給電口の位置はメーカや車種によって異なり、また充電器の位置は充電施設や充電スペースごとに異なるため、ユーザは充電するために自車両の給電口の位置や駐車しようとする充電スペースの充電器の位置を確認してから充電スペースへの進入方向を一々判断しなければならない。これに対し、本実施形態の案内装置100又は案内方法によれば、駐車時において充電器の位置を確認する手間が省けるので、ユーザの負荷を低減させることができる。
【0056】
また、本実施形態の案内装置100によれば、ユーザが利用しようとする充電施設の充電スペースに駐車する際の進入方向を予め案内できるので、ユーザは駐車時において車両操作に集中することができる。さらに、駐車した後に、自車両の給電口と充電器とが離れていることに気づいて駐車をやり直すといった無駄なエネルギー消費も防止することができる。
【0057】
本実施形態の案内装置100は、充電施設に属する各充電スペースの充電器の位置が共通する場合には、充電施設ごとに記憶された充電器の位置と自車両の給電口の位置とに基づいて自車両が特定された充電スペースに駐車する際の進入方向を案内するので、充電スペースへの進入方向を充電施設ごとに一律に判断することができる。その結果、案内装置100が行う演算負荷を低減させることができる。
【0058】
一方、本実施形態の案内装置100は、充電施設に属する各充電スペースの充電器の位置が異なる場合には、充電施設に属する充電スペースごとに記憶された充電器の位置と自車両の給電口の位置とに基づいて、駐車する際の進入方向を特定された充電スペースごとに案内することができる。その結果、利便性の高い正確な案内情報を提供することができる。
【0059】
以上のように、本実施形態の案内装置100は、特定された充電施設に属する各充電スペースの充電器の位置が共通する場合には充電スペースへの駐車方向を充電施設ごとに一律に判断し、他方、特定された充電施設に属する各充電スペースの充電器の位置が異なる場合には、充電スペースへの駐車方向を充電スペースごとに判断することにより、充電施設の状況に応じて演算負荷を低減させつつ利便性の高い正確な案内情報を提供することができる。
【0060】
本実施形態の案内装置100は、特定された充電施設のうち、ユーザが利用する充電スペースを特定する情報を受け付け、ユーザから入力された情報によって特定された充電スペースの充電器の位置と自車両の給電口の位置とに基づいて、自車両が各充電スペースに駐車する際の進入方向を案内するので、ユーザは自身が駐車しようとする充電スペースを対象とした案内情報のみを出力させることができる。つまり、ユーザの意思に応じた的確な案内情報を提供することができる。また、ユーザが前方駐車による駐車と後退駐車による駐車において得意又は不得意といった運転操作の嗜好を持っている場合には、ユーザは自身の嗜好に応じた充電スペースを選択することができる。
【0061】
本実施形態の案内装置100は、充電施設ごと又は充電施設の充電スペースの充電器の位置ごとに、自車両の給電口の位置に応じた駐車方向を含む案内情報を予め記憶しているので、複雑な計算が不要となり、制御装置10のCPUの処理負荷を低減することができる。廉価のCPUを用いることができるので、案内装置100の製造コストを低減させることができる。
【0062】
他の観点において、車両と情報の授受が可能であり、車両のユーザに充電スペースの案内情報を提供することができる本発明に係る情報提供装置においては、自車両の給電口の位置を取得する給電口位置取得機能と、自車両が利用する充電施設を特定する施設特定機能と、特定された充電施設に属する各充電スペースの充電器の位置を取得する充電器位置取得機能と、自車両の給電口の位置と各充電スペースの充電器の位置とに基づいて、自車両が充電スペースに駐車する際の進入方向を案内する案内機能と、を有する制御装置10´を備えているので、上述の案内装置100と同様の効果を得ることができる。本実施形態の情報提供装置2は、車両の外部で上述の処理を行うことができるので、車載装置の処理負荷を低減させることができる。
【0063】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0064】
すなわち、本明細書では、本発明に係る充電スペース案内装置の一態様として案内装置100を例にして説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0065】
また、本明細書では、本発明に係る充電スペース案内装置の一態様として、CPU11、ROM12、RAM13を含む制御装置10及び入出力装置20を備える案内装置100を一例として説明するが、これに限定されるものではない。
【0066】
また、本明細書では、本願発明に係る給電位置取得手段と、施設特定手段と、充電器位置取得手段と、案内手段と、充電スペース特定手段を有する充電スペース案内装置の一態様として、給電位置取得機能と、施設特定機能と、充電器位置取得機能と、案内機能と、表示機能と、必要に応じて充電スペース特定機能とを有する案内装置100を例にして説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0067】
1…車載装置
100…案内装置
10…制御装置
11…CPU
12…ROM
13…RAM
20…入出力装置
21…タッチパネル型のディスプレイ
22…スピーカ
200…ナビゲーション装置
201…現在位置検出装置
202…経路探索装置
203…記憶装置
204…通信装置
300…車両コントローラ
2…情報提供装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の給電口の位置を取得する給電口位置取得手段と、
前記自車両が利用する充電施設を特定する施設特定手段と、
前記特定された充電施設に属する各充電スペースの充電器の位置を取得する充電器位置取得手段と、
前記自車両の給電口の位置と前記各充電スペースの充電器の位置とに基づいて、前記自車両が前記充電スペースに駐車する際の進入方向を案内する案内手段とを有する充電スペース案内装置。
【請求項2】
前記案内手段は、前記特定された充電施設に属する各充電スペースの充電器の位置が共通である場合には、前記充電施設の充電器の位置と前記自車両の給電口の位置とに基づいて、前記自車両が前記充電スペースに駐車する際の進入方向を案内する請求項1に記載の充電スペース案内装置。
【請求項3】
前記案内手段は、前記充電施設に属する各充電スペースの充電器の位置が異なる場合には、前記充電施設に属する各充電スペースの充電器の位置と前記自車両の給電口の位置とに基づいて、前記自車両が前記各充電スペースに駐車する際の進入方向を案内する請求項1又は2に記載の充電スペース案内装置。
案内装置。
【請求項4】
前記特定された充電施設に含まれる充電スペースの中から前記ユーザが利用する充電スペースを特定する充電スペース特定手段をさらに備え、
前記案内手段は、前記特定された充電スペースの充電器の位置と前記自車両の給電口の位置とに基づいて、前記自車両が前記各充電スペースに駐車する際の進入方向を案内する請求項3に記載の充電スペース案内装置。
【請求項5】
前記案内手段は、前記充電施設又は前記充電施設の充電スペースの充電器の位置ごとに、前記自車両の給電口の位置に応じた駐車方向を含む案内情報を予め記憶する請求項1〜4の何れか一項に記載の充電スペース案内装置。
【請求項6】
車両と情報の授受が可能であり、前記車両のユーザに充電スペースの案内情報を提供する情報提供装置であって、
自車両の給電口の位置を取得する給電口位置取得手段と、
前記自車両が利用する充電施設を特定する施設特定手段と、
前記特定された充電施設に属する各充電スペースの充電器の位置を取得する充電器位置取得手段と、
前記自車両の給電口の位置と前記各充電スペースの充電器の位置とに基づいて、前記自車両が前記充電スペースに駐車する際の進入方向を案内する案内手段と、を有する情報提供装置。
【請求項7】
前記自車両が利用する充電施設を特定するステップと、
前記特定された充電施設に属する各充電スペースの充電器の位置を取得するステップと、
前記自車両の給電口の位置と前記各充電スペースの充電器の位置とに基づいて、前記自車両が前記充電スペースに駐車する際の進入方向を案内するステップとを有する充電スペースの案内方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−242241(P2011−242241A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−114173(P2010−114173)
【出願日】平成22年5月18日(2010.5.18)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】