説明

充電台

【課題】携帯電話機を用いてインターネットに接続する場合やメールの送受信を行う場合に、利用者の視認性の向上と操作性の向上を図る。
【解決手段】充電台1に、携帯電話機2の表示部23より表示面積が大きくしたがって大きな文字等の画像情報が表示可能な表示部16と、携帯電話機2の操作部24の各キーより大きなサイズの各キーを持つ操作部17と、携帯電話機2との通信が可能な電話機I/F部14とを設け、充電台1よる携帯電話機2の充電中に、利用者による充電台1の操作部17の所定キーが操作されると、充電台1はこの操作情報を携帯電話機2へ送信し携帯電話機2にこの操作情報に基づくインターネットへの接続やメール通信を実行させるとともに、その実行結果の情報を携帯電話機2から取得して表示部16に表示する。この結果、インターネットへの接続やメール通信の際に利用者の視認性及び操作性が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非音声通信モード機能を有する携帯電話機に対して充電を行う充電台に関する。
【背景技術】
【0002】
充電台により充電が行われるこの種の非音声通信モード機能を有する携帯電話機として、特開2001−243146号公報に開示されている携帯電話機がある。
【0003】
この携帯電話機は、インターネットの動作モードを起動してインターネットに接続する際に、前回まで発信接続されたインターネットの接続先を示すURLを複数表示し、この発信履歴のある複数のURLのうち何れかのURLを選択することにより、発信履歴のあるインターネットのホームページに接続可能にしたものである(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2001−243146号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように従来の携帯電話機は、インターネットへの接続を可能にしている。また、従来の携帯電話機は、相手端末とメールの送受信も可能になっている。しかしながら、こうした携帯電話機においては、インターネットへの接続時やメールの送受信時には画面に表示される文字等の画像が小さいことから視認性が悪く、また、操作するキーも小さいことから、操作性が悪いという問題があった。
【0006】
したがって、本発明は、携帯電話機を用いてインターネットに接続する場合やメールの送受信を行う場合に、利用者の視認性の向上と操作性の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような課題を解決するために本発明は、インターネットへの接続機能及びメールの送受信機能を含む非音声通信機能を有するとともに、表示手段及び操作手段を有する携帯電話機の充電を行う充電台であって、前記充電台は、携帯電話機との通信を行う電話機I/F部と、携帯電話機の表示手段より表示面積が大きい表示部と、携帯電話機の操作手段を構成する各キーのサイズより大きいサイズの各キーからなる操作部と、携帯電話機の充電中に操作部が操作されるとこの操作情報を電話機I/F部を介して携帯電話機に送信し非音声通信を実行させるとともに、携帯電話機から返送されるこの非音声通信の実行結果の情報を電話機I/F部を介して受信すると、この受信情報を表示部に表示する制御部とを備える。
また、制御部は操作部の操作に基づく操作情報を携帯電話機の操作手段の操作による操作情報と同等の操作情報として送信する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、充電台による携帯電話機の充電中には、携帯電話機の表示部より表示面積の大きい表示部を有し、かつ、携帯電話機の操作部の各キーより大きなサイズの各キーを持つ充電台の操作部の操作によりインターネットへの接続が可能になり、かつ、インターネットから取得した情報が充電台の表示部に表示可能になるとともに、前記充電台の操作部の操作によりメールの送受信が可能になり、さらに送信メールや受信メールが充電台の表示部に表示可能になる。この結果、インターネットへの接続時やメールの送受信時に大きな文字等の画像情報が表示でき、利用者の視認性及び操作性を向上させることができる。したがって、年配者でも確実にインターネットに接続してインターネットから所望の情報を取得することができるとともに、確実に相手とメール通信を行うことができる。
【0009】
また、充電台の操作部が操作された場合、この操作情報は携帯電話機の操作手段の操作による操作情報と同等の操作情報として携帯電話機側へ送信される。その結果、携帯電話機側ではあたかも自身の操作手段が操作された場合と同等の処理を行うことができ、充電台から携帯電話機を介してインターネットの接続やメール通信を行う際に、携帯電話機のソフトウェアの改造を最小限に抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は、本発明に係る充電台の構成を示すブロック図である。この充電台1は、図1に示すように、AC100V電源を入力して充電台1の各部に電源電圧Vを供給する電源部11と、電源部11からの電源を携帯電話機2に給電して充電させる給電部12と、制御部13と、携帯電話機2とデータ伝送を行うための電話機I/F部14と、記憶部15と、LCDからなる表示部16と、テンキー17A,通話開始キー17B,電源/終了/保留キー17C,ナビゲーションキー17D及び機能キー17Eからなる操作部17とを備えている。
【0011】
また、この充電台1により充電される携帯電話機2は、図2に示すように、制御部21と、メモリ22と、表示部23と、テンキー24A,通話開始キー24B,電源/終了/保留キー24C,ナビゲーションキー24D及び機能キー24Eからなる操作部24と、無線部25と、アンテナ26と、通話部27と、マイク28と、スピーカ29と、充電台1とデータ伝送を行うための通信I/F部30と、携帯電話機2の各部に電源電圧V’を供給する電池31と、充電台1から給電電流を電池31に供給して充電する充電I/F部32とからなる。
【0012】
このような携帯電話機2は、通話を行うことができることは勿論、インターネットのホームページに接続して、そのホームページを介して所望のサイトの情報が取得可能になっている。すなわち、利用者がこの携帯電話機2をインターネットに接続するために、操作部24内のナビゲーションキー24Dによるインターネット接続操作を行うと、制御部21はこれを検出して無線部25及びアンテナ26を介し、インターネットのホームページに接続するとともに、そのホームページの情報をアンテナ26及び無線部25を介してダウンロードし表示部23に表示する。ここで、利用者が表示部23に表示されたホームページの情報の中から所望のサイトの情報を得るためにナビゲーションキー24Dによる選択操作を行うと、制御部21はこれを検出してその選択操作に応じたサイトの情報をインターネットからアンテナ26及び無線部25を介してダウンロードし表示部23に表示するようにしている。
【0013】
また、この携帯電話機2は、相手端末とメールの送受信も可能になっている。すなわち、利用者がこの携帯電話機2を用いて送信メールを作成するために、操作部24内のナビゲーションキー24Dを操作すると、制御部21はこれを検出してメールの作成モードに移行し、表示部23にメールの作成画面を表示する。ここで、メールの作成画面には、メールの宛先、メールの題名、及びメール文の各領域が設けられている。そして、利用者がテンキー24A及び機能キー24Eを操作することにより、メールの宛先入力、メールの題名入力、及びメール文の入力を行うと、制御部21はこれを検出して、表示部23のメール作成画面中の各領域に、それぞれ、入力したメールの宛先、メールの題名、及びメール文を表示する。利用者がメール作成画面の各領域に表示されているメールの宛先、メールの題名、及びメール文に間違いがないことを確認して、ナビゲーションキー24Dによるメール送信の選択操作を行うと、制御部21はこれを検出して、無線部25及びアンテナ26を介し、作成したメールの題名及びメール文を、その宛先に送信する。
【0014】
なお、アンテナ26及び無線部25を介して相手端末からの送信メールが到着すると、制御部21はこれを受信してメモリ22に記憶するとともに、表示部23に「新着メールあり」を表示する。この場合、利用者が所定の機能キー24Eを操作すると、制御部21はこれを検出して、メモリ22の中からその新着メールを取り出し、表示部23に表示する。
【0015】
図3は、充電台1による携帯電話機2の充電の状況を示す図である。充電台1には、図3に示すように、携帯電話機2の表示部23より表示面積が大の表示部16が設けられている。また、充電台1には、携帯電話機2の操作部24と同様構成の操作部17が設けられ、操作部17の各キーの大きさは図3に示すように携帯電話機2の操作部24の各キーの大きさより大きく構成されている。ここで、携帯電話機2が充電台1に載置されると、充電台1の給電部12と携帯電話機2の充電I/F部32とが接続されることにより、充電台1から携帯電話機2への充電が開始される。この場合、充電台1の電話機I/F部14と携帯電話機2の通信I/F部30とが同様に接続されることにより、充電台1の制御部13と携帯電話機2の制御部21間は、電話機I/F部14及び通信I/F部30を介してデータ伝送が可能な状態となる。
【0016】
充電台1により携帯電話機2が充電中に、利用者が充電台1の操作部17内のナビゲーションキー17Dによるインターネット接続操作を行うと、制御部13はこれを検出して携帯電話機2のナビゲーションキー24Dと同一のキーデータコードによる操作情報として電話機I/F部14を介し携帯電話機2側へ送信する。携帯電話機2の制御部21は通信I/F部30を介してその操作情報を受信すると、自身のナビゲーションキー24Dが操作された場合と同様の処理動作を行う。すなわち、制御部21はこの操作情報を受信すると無線部25及びアンテナ26を介し、インターネットのホームページに接続するとともに、そのホームページの情報をアンテナ26及び無線部25を介してダウンロードし表示部23に表示する。また、制御部21は、この場合、ダウンロードした情報を通信I/F部30を介して充電台1側へ送信する。充電台1の制御部13は携帯電話機2側から送信される前記ダウンロード情報を電話機I/F部14を介して受信すると、表示部16に表示する。
【0017】
そして、利用者が充電台1の表示部16に表示されたホームページの情報の中から所望のサイトの情報を得るためにナビゲーションキー17Dによる選択操作を行うと、制御部13はこれを検出して、携帯電話機2のナビゲーションキー24Dと同一のキーデータコードによる選択操作情報として携帯電話機2側へ送信する。携帯電話機2の制御部21はその選択操作情報を受信すると、自身のナビゲーションキー24Dによる選択操作が行われた場合と同様に、その選択操作情報に応じたサイトの情報をインターネットからアンテナ26及び無線部25を介してダウンロードし表示部23に表示するとともに、通信I/F部30を介して充電台1側へ送信する。充電台1の制御部13は携帯電話機2側から送信されるそのサイト情報を電話機I/F部14を介して受信すると、表示部16に表示する。
【0018】
また、携帯電話機2が充電台1により充電中に、利用者が送信メールを作成するために、充電台1の操作部17内のナビゲーションキー24Dを操作すると、制御部13はこれを検出して携帯電話機2のナビゲーションキー24Dと同一のキーデータコードによる操作情報として携帯電話機2側へ送信する。携帯電話機2の制御部21はその操作情報を受信すると、自身のナビゲーションキー24Dが操作されたときと同様の処理動作を行う。すなわち、制御部21はこの操作情報を受信すると、メールの作成モードに移行し、表示部23にメールの作成画面を表示する。また、制御部21はこのメール作成画面情報を充電台1側へ送信する。充電台1の制御部13はこのメール作成画面情報を受信すると、表示部16にメール作成画面として表示する。ここで、メールの作成画面には、メールの宛先、メールの題名、及びメール文の各領域が設けられている。
【0019】
そして、利用者が充電台1の操作部17内のテンキー17A及び機能キー17Eを操作することにより、メールの宛先入力、メールの題名入力、及びメール文の入力を行うと、制御部13はこれを検出して、これらの操作情報を、携帯電話機2のテンキー24A及び機能キー24Eと同一のキーデータコードによる操作情報として逐一携帯電話機2側に送信する。携帯電話機2の制御部21は、これらの操作情報を受信すると、あたかも自身のテンキー24A及び機能キー24Eが操作された場合と同様の処理動作を行い、表示部23のメール作成画面中の各領域に、それぞれ、メールの宛先、メールの題名、及びメール文を表す文字情報等を逐一表示する。また、このとき、携帯電話機2の制御部21はこのメールの宛先、メールの題名、及びメール文を表す文字情報等を逐一充電台1側へ送信して充電台1の制御部13に受信させ、制御部13により表示部16のメール作成画面の各領域に順次表示させる。
【0020】
ここで、利用者が充電台1の表示部16のメール作成画面中の各領域に表示されているメールの宛先、メールの題名、及びメール文に間違いがないことを確認して、ナビゲーションキー17Dによるメール送信の選択操作を行うと、制御部13はこれを検出して、携帯電話機2のナビゲーションキー24Dと同一のキーデータコードによる操作情報として携帯電話機2側へ送信する。携帯電話機2の制御部21はその操作情報を受信すると、あたかも自身のナビゲーションキー24Dが操作されたと同様の処理動作を行い、既に作成しメモリ22に格納しているメールの題名、メール文及び宛先の各情報をメモリ22から読み出し、読み出したメールの題名及びメール文を、無線部25及びアンテナ26を介してその宛先に送信する。
【0021】
なお、アンテナ26及び無線部25を介して相手端末からの送信メールが携帯電話機2に到着すると、携帯電話機2の制御部21はこれを受信してメモリ22に記憶するとともに、表示部23に「新着メールあり」を表示する。また、このとき、携帯電話機2の制御部21は、この新着メール情報を充電台1側へ送信する。充電台1の制御部13はこの新着メール情報を受信すると、記憶部15に記憶するとともに、表示部16に「新着メールあり」を表示する。この場合、利用者が充電台1の操作部17内の所定の機能キー17Eを操作すると、制御部13はこれを検出して、記憶部15の中からその新着メールを取り出し、表示部16に表示する。また、このとき、制御部13はその機能キー17Eの操作情報を、携帯電話機2の機能キー24Eと同一のキーデータコードの操作情報として携帯電話機2側へ送信する。携帯電話機2の制御部21は充電台1側から送信されるその操作情報を受信すると、自身のメモリ22から該当の新着メールを取り出し表示部23に表示する。
【0022】
このように、充電台1による携帯電話機2の充電中には、充電台1の操作部17の操作によりインターネットへの接続を可能にし、インターネットから取得した情報を充電台1の表示部16に表示可能にしたものである。また、充電台1の操作部17の操作によりメールの送受信を可能にするとともに、送信メールや受信メールを充電台1の表示部16に表示可能にしたものである。この結果、携帯電話機2の表示部23より表示面積が大きくしたがって大きな文字等の画像情報が表示可能な表示部16を有するとともに、携帯電話機2の操作部24の各キーより大きなサイズの各キーを持つ充電台1によりインターネットの接続やメールの送受信が可能になることから、インターネットへの接続時やメールの送受信時に利用者の視認性及び操作性を向上させることができる。これにより、年配者であっても確実にインターネットに接続してインターネットから所望の情報を取得することができるとともに、確実に相手とメール通信を行うことができる。
【0023】
また、充電台1の操作部17が操作された場合、この操作情報を携帯電話機2の操作部24の操作による操作情報と同等の操作情報として携帯電話機2に送信するようにしたので、携帯電話機2ではあたかも自身の操作部24が操作された場合と同等の処理を行うことができる。これにより、充電台1から携帯電話機2を介してインターネットの接続やメールの送受信を行う際に、携帯電話機2のソフトウェアの改造を最小限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係る充電台の構成を示すブロック図である。
【図2】充電台により充電される携帯電話機の構成を示すブロック図である。
【図3】携帯電話機が充電台により充電されている状況を示す図である。
【符号の説明】
【0025】
1…充電台、2…携帯電話機、11…電源部、12…給電部、13,21…制御部、14…電話機I/F部、15…記憶部、16,23…表示部、17,24…操作部、17A,24A…テンキー、17B,24B…通話開始キー、17C,24C…電源/終了/保留キー、17D,24D…ナビゲーションキー、17E,24E…機能キー、17B…ダイヤルキー、22…メモリ、25…無線部、26…アンテナ、27…通話部、30…通信I/F部、31…電池、32…充電I/F部。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネットへの接続機能及びメールの送受信機能を含む非音声通信機能を有するとともに、表示手段及び操作手段を有する携帯電話機の充電を行う充電台であって、
前記充電台は、
前記携帯電話機との通信を行う電話機I/F部と、
前記携帯電話機の表示手段より表示面積が大きい表示部と、
前記携帯電話機の操作手段を構成する各キーのサイズより大きいサイズの各キーからなる操作部と、
前記携帯電話機の充電中に前記操作部が操作されるとこの操作情報を前記電話機I/F部を介して前記携帯電話機に送信し非音声通信を実行させるとともに、前記携帯電話機から返送される前記携帯電話機の前記非音声通信の実行結果の情報を前記電話機I/F部を介して受信すると、この受信情報を前記表示部に表示する制御部と
を備えたことを特徴とする充電台。
【請求項2】
請求項1において、
前記充電台の制御部は前記操作部の操作に基づく操作情報を前記携帯電話機の操作手段の操作による操作情報と同等の操作情報として前記携帯電話機に送信することを特徴とする充電台。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−108782(P2006−108782A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−288951(P2004−288951)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(304020498)サクサ株式会社 (678)
【Fターム(参考)】