充電器情報配信装置
【課題】二次電池を搭載した乗り物用充電器遠隔管理において、充電中に次回どこで充電するか、混雑していないと想像される充電器の情報をユーザに提供する。
【解決手段】充電器の状態監視、利用者認証を行う充電器管理装置は充電器の利用者識別番号と、充電器設置場所を識別するための充電スポットIDと、充電開始時刻と、充電開始時電池残量と、充電終了時電池残量と、の少なくともいずれか1の項目を有する充電データを取得する充電データ取得部と、前記充電データを並び替え・分離(ソート)する充電データ並び替え分離部と、項目別にどの順で充電スポットが利用されているかを算出する充電スポットID利用順序算出部と、充電スポットがどの順番で連続して使用されているかを演算する充電スポット連続利用傾向演算部と、演算結果をユーザの保持する利用者端末に配信する連続利用傾向配信部と、を有する。
【解決手段】充電器の状態監視、利用者認証を行う充電器管理装置は充電器の利用者識別番号と、充電器設置場所を識別するための充電スポットIDと、充電開始時刻と、充電開始時電池残量と、充電終了時電池残量と、の少なくともいずれか1の項目を有する充電データを取得する充電データ取得部と、前記充電データを並び替え・分離(ソート)する充電データ並び替え分離部と、項目別にどの順で充電スポットが利用されているかを算出する充電スポットID利用順序算出部と、充電スポットがどの順番で連続して使用されているかを演算する充電スポット連続利用傾向演算部と、演算結果をユーザの保持する利用者端末に配信する連続利用傾向配信部と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池を搭載した乗り物、例えば、電気自動車向けの充電器の状態監視、認証を行う充電器管理システムであって、利用すべき充電器の検討に役立つ情報を配信する充電器管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話や電気自動車に搭載の二次電池を充電する装置が、特許文献1などで開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−189466号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】http://www.c-nexco.co.jp/guide/ev_quick.html
【0005】
日本の電気自動車の充電方式は、普通充電と急速充電の2方式に大別される。前者は車に内蔵された充電機能を使用する方式であり、車以外には、単に家庭用コンセントとケーブルのみがあれば良く、本明細書が対象とする充電器管理システムは現状普及していない。一方、後者は外部の充電設備側から制御を行うため、充電器管理システムが考案されており、実際のサービスとして利用されている。本明細書では、主に後者の充電方式を前提に記述する。ただし、前者の充電方式を対象としないわけではない。
また、電気自動車の充電器の管理システムは、上記非特許文献1で開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般的なガソリン車等では、ガソリン等を入れるだけであるため、給油所側から燃料残量などの車載情報を通常取得できないし取得してもあまりメリットがないのに対し、デジタル化され充電時に車と通信を行う電気自動車の場合は、電池の残量等のデータを容易に取得可能である。このような充電スポットで取得されるデータ(以下「充電データ」と称する。)を元にユーザに次回の充電スポット等に関する情報を配信する仕組みは、充電スポット数が限定されており、航続距離も比較的短いことから、電気自動車のユーザにとってきわめて有益であると考えられる。
【0007】
しかしながら、充電器の管理システムで現在知られている技術は、充電器の状態監視や認証の仕組みなどであり、充電スポットをナビゲートするような仕組みは知られていない。
【0008】
本発明の目的は、充電スポットをナビゲートすることで、ユーザの利便性向上、管理下にある充電器利用促進に貢献することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、充電スポットの利用傾向、特に連続した利用傾向を、充電中などにおいて、次回にどこの充電スポットで充電するかを知りたいユーザや、混雑していないと予想される充電器を探そうとするユーザに配信することを特徴とする。充電時に得られるデータに即した情報を配信する仕組み、特に充電スポットとしてA地点の次はB地点が利用されやすいというような連続した充電スポットの利用傾向を、充電中等に次回はどこで充電するか検討するユーザや、ある充電器が渋滞もしくは故障していることを目の当たりもしくは何らかの手段で知り、混雑していないと想像される充電器を探そうとするユーザにとって有効である。
【0010】
本発明の一観点によれば、二次電池(充電式電池)搭載の乗り物向けの充電器の状態監視、利用者認証を行う充電器管理装置であって、充電器の利用者識別番号と、充電器設置場所を識別するための充電スポットIDと、充電開始時刻と、充電開始時電池残量と、充電終了時電池残量と、の少なくともいずれか1の項目を有する充電データを取得する充電データ取得部と、前記充電データを、前記少なくとも1つの項目により並び替え・分離(ソート)する充電データ並び替え分離部と、項目別にどの順で充電スポットが利用されているかを算出する充電スポットID利用順序算出部と、前記充電スポットID利用順序算出部の算出結果に基づいて、充電スポットがどの順番で連続して使用されているかを演算する充電スポット連続利用傾向演算部と、演算結果をユーザの保持する利用者端末に配信する連続利用傾向配信部と、を有することを特徴とする充電器管理装置が提供される。
【0011】
充電データのうちの任意の1以上の項目に選択して、ソートを行い、そのデータに基づいて連続利用傾向を算出することで、その選択した項目に着目した連続利用傾向を求めることができる。
【0012】
また、項目として、時間帯、季節、特殊要因、残量、利用者ID等を考慮することができる。項目は、UIなどにより入力することも可能である。
【0013】
前記充電データ並び替え分離部は、あらかじめ定めた一定時間ごとに、前記充電データを前記利用者識別番号ごとに分離し、充電開始時刻で並び替え、前記充電スポットID利用順序算出部は、どの順で充電スポットIDが利用されているかを全ての前記分離済みの充電データで計算し、充電スポット連続利用傾向演算部は、ある場所で充電した後次にどの場所で充電されることが多いかを表す充電スポット連続利用傾向を導出することを特徴とする。
【0014】
これにより、充電器の利用者識別番号ごとに並び替えれば、自己の乗り物に適した連続利用傾向を抽出することができる(最も一般的なものである)。
【0015】
さらに、充電スポット間の距離を取得する充電スポット間距離取得部を有し、前記充電スポット連続利用傾向を導出する際に、一つ前の充電時の終了時電池残量と現在充電を行っている最中の開始時電池残量との差である第1の容量値と、充電器により走行できる最長航続距離と前記充電スポット間距離とから算出される充電スポット間最低必要電池容量である第2の容量値との比較を行い、前記第2の容量値が前記第1の容量値よりも大きい場合は充電データから除外する充電スポット除外部を有するようにしても良い。
【0016】
実際にはあり得ない距離を走行している場合には、管理していない充電器による充電が行われたと推定できる。そこで、その管理外充電器のデータを連続利用傾向の演算のベースから除外することにより正確なデータを配信することができる。
【0017】
また他方で、このような管理していない充電器による充電が行われた場合、該当する充電レコードを、例えば2つの充電スポットを結ぶ充電スポット区間全ての組合せ別に分類して、件数などの統計データを取得し、管理者端末装置に送信することによって、より多角的な管理に役立てることができる。
【0018】
前記連続利用傾向配信部は、現在充電中か否かに関わらず、前記利用者端末に対し、管理対象の充電スポット全てについての連続利用傾向を配信することが好ましい。これにより、全充電スポットの流れの傾向を知ることができる。
【0019】
また、前記連続利用傾向配信部は、現在充電中か否かに関わらず、前記利用者端末に対し、管理対象の充電スポット全てについての連続利用傾向と同時に各充電スポットの充電時間間隔を配信することが好ましい。これにより、全充電スポットの流れの傾向と充電間隔とを知ることができる。
【0020】
前記連続利用傾向配信部は、前記利用者端末に代わりに、充電器を遠隔から管理する被遠隔管理装置に配信を行うことが好ましい。さらに、充電サービス以外に付加的に情報配信を行う付加サービス実行手段を有することが好ましい。連続利用傾向と合わせて、事前登録済みの周辺情報を配信することで、ユーザに充電時の利用施設などを通知することで、充電時に行えるイベントなどを知らせることができるため、充電器の選択をしやすくなる。
【0021】
前記付加サービス実行手段が、OSGiフレームワーク上のバンドルソフトウェアとして実現されているようにしても良い。付加サービス実行手段を含む構成をモジュール化して、機能の追加をシステムを求めることなく実現することが可能である。
【0022】
本発明の他の観点によれば、二次電池(充電式電池)搭載の乗り物向けの充電器の状態監視、利用者認証を行う充電器管理方法であって、充電器の利用者識別番号と、充電器設置場所を識別するための充電スポットIDと、充電開始時刻と、充電開始時電池残量と、充電終了時電池残量と、の少なくともいずれか1の項目を有する充電データを取得する充電データ取得ステップと、前記充電データを、前記少なくとも1つの項目により並び替え・分離(ソート)する充電データ並び替え分離ステップと、項目別にどの順で充電スポットが利用されているかを算出する充電スポットID利用順序算出ステップと、前記充電スポットID利用順序算出ステップの算出結果に基づいて、充電スポットがどの順番で連続して使用されているかを演算する充電スポット連続利用傾向演算ステップと、演算結果をユーザの保持する利用者端末に配信する連続利用傾向配信ステップと、を有することを特徴とする充電器管理方法が提供される。
【0023】
前記充電データ並び替え分離ステップは、あらかじめ定めた一定時間ごとに、前記充電データを前記利用者識別番号ごとに分離し、充電開始時刻で並び替え、前記充電スポットID利用順序算出ステップは、どの順で充電スポットIDが利用されているかを全ての前記分離済みの充電データで計算し、充電スポット連続利用傾向演算ステップは、ある場所で充電した後次にどの場所で充電されることが多いかを表す充電スポット連続利用傾向を導出することが好ましい。
【0024】
さらに、充電スポット間の距離を取得する充電スポット間距離取得ステップを有し、前記充電スポット連続利用傾向を導出する際に、一つ前の充電時の終了時電池残量と現在充電を行っている最中の開始時電池残量との差である第1の容量値と、充電器により走行できる最長航続距離と前記充電スポット間距離とから算出される充電スポット間最低必要電池容量である第2の容量値との比較を行い、前記第2の容量値が前記第1の容量値よりも大きい場合は充電データから除外する充電スポット除外ステップを有することが好ましい。
【0025】
本発明は、上記に記載の充電器管理方法を、コンピュータに実行させるためのプログラムであっても良く、当該プログラムを記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体であっても良い。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、充電中に次回利用可能な充電器を探す際や、混雑していないと想像される充電器を探す際に有用な情報を得ることが出来る。従って、ユーザの利便性向上や、管理下にある充電器利用促進に繋がる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1A】本発明の第1の実施の形態による充電器管理システムの一構成例を示す機能ブロック図である。
【図1B】本実施の形態による充電器管理システムの充電データ履歴解析手段の一構成例を示す機能ブロック図である。
【図2】本実施の形態による充電器管理システムの充電データ履歴の一例を示す図である。
【図3】図3(a)は、本実施の形態による充電器管理システムの充電スポット情報の一例を示す図であり、図3(b)は、充電スポット間距離情報の一例を示す図である。
【図4】本実施の形態による充電器管理システムの充電データ一覧表示のシーケンス図である。
【図5】本実施の形態による充電器管理システムの遠隔操作命令のシーケンス図である。
【図6】本実施の形態による充電器管理システムの充電器利用時の状態監視と、情報配信のシーケンス図である。
【図7】本実施の形態による充電器管理システムの連続回数2の連続利用傾向の導出手順を示すフローチャート図である。
【図8】(a)は、図6のステップ602直後の利用者ID=1の利用者ID別充電データ履歴の一例を示す図であり、(b)は、ステップ602直後の利用者ID=22の利用者ID別充電データ履歴の一例を示す図である。
【図9】本実施の形態による充電器管理システムの連続回数2の連続利用傾向の一例を示す図である。
【図10】本実施の形態による充電器管理システムの充電スポットID=1利用時の配信内容の一例を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施形態の連続利用傾向情報の配信処理のシーケンス図である。
【図12】図12(a)は、本発明の第2の実施形態の第二の実施形態の第1の配信内容例を示す図であり、図12(b)は、第2の配信内容例を示す図である。
【図13】本発明の第3の実施形態の充電器管理システムのシステム構成例を示す機能ブロック図である。
【図14】本発明の第3の実施形態の充電器管理システムのシーケンス図である。
【図15】連続回数3の連続利用傾向の導出手順を示すシーケンス図である。
【図16】連続回数3の連続利用傾向の例を示す図である。
【図17】図2に基づいて、終了時残量が80(5)の場合のみをソートして連続利用傾向を求めるベースとなる図である。
【図18】図2に基づいて、充電開始時間が午前中の場合のみをソートして連続利用傾向を求めるベースとなる図である。
【図19】図2に基づいて、正月元旦(1月1日)のみをソートして連続利用傾向を求めるベースとなる図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
まず、本発明の第1の実施形態による充電器管理技術について、図面を参照しながら説明を行う。本実施の形態では、充電中に次回利用可能な充電器を探すユーザをターゲットとし、充電器利用中に、利用中の充電スポットに関する連続利用傾向を利用者端末に配信するものである。
【0029】
図1Aは本発明の第1の実施形態における充電器管理システムの一構成例を示す機能ブロック図である。図1Aに示すように、充電器管理システムにおいて、利用者が所持し、使用する利用者端末装置1は、インターネットなどのネットワーク7を介し、管理者端末装置2、サービス提供装置3、遠隔管理装置4、被遠隔管理装置5、充電器6と接続している。
【0030】
利用者端末装置1は、CPU11A、メモリ11Bからなる端末装置11と、通信ポート12と、外部記憶装置13から構成されている。外部記憶装置13は、インターネット7を通じてサービス提供装置3から情報を受信するための通信手段13Aと受信内容の表示を行う表示手段13Bとを有する。利用者端末装置1は、例えば、充電器利用者の携帯電話であり、通信手段13Aは、メール機能等、表示手段13Bは携帯電話のディスプレイ等を利用することができる。
【0031】
管理者端末装置2は、CPU21A、メモリ21Bからなる端末装置21と、通信ポート22と、外部記憶装置23と、から構成されている。外部記憶装置23は、インターネット7を通じてサービス提供装置3および遠隔管理装置4と通信するための通信手段23Aと、管理者操作手段23Bと、表示手段23Cと、を有する。
【0032】
サービス提供装置3は、CPU31A、メモリ31Bからなる端末装置31と、通信ポート32と、外部記憶装置33から構成されている。外部記憶装置33は、インターネット7を通じて利用者端末装置1および管理者端末装置2および遠隔管理装置4と通信するための通信手段33Aと、一定の期間中に収集された充電データを解析するための充電データ履歴解析手段33Bと、充電サービス以外に付加的に情報配信を行う付加サービス実行手段33Cと、から成る。充電データ履歴解析手段33Bには、記憶部33B−2が設けられていても良い。充電データ履歴解析手段33Bを保持することで、サービス提供装置3は、充電器管理装置として機能する。
【0033】
遠隔管理装置4は、CPU41A、メモリ41Bからなる端末装置41と、通信ポート42と、外部記憶装置43から構成されている。外部記憶装置43は、管理者端末装置、サービス提供装置、被遠隔管理装置と通信を行うための通信手段43Aと、充電時に被遠隔管理装置から通知される充電データを該記憶装置内に保存すると共にサービス提供装置に転送するための通知データ管理手段43Bと、被遠隔管理装置からの依頼を受けて充電器利用者の認証を行う認証手段43Cと、管理者端末からの操作を受け付けるための管理者操作受付手段43Dから成る。
【0034】
被遠隔管理装置5は、CPU51A、メモリ51Bからなる端末装置51と、通信ポート52と、外部記憶装置53と、から構成されている。外部記憶装置53は、遠隔管理装置4、充電器6と通信するための通信手段53Aと、充電器6を管理するための充電器管理手段53B、認証に必要な利用者識別番号を利用者から取得するためのユーザ入力受信手段53C、利用者に充電器の操作手順や状態を通知するための表示手段53Dから成る。被遠隔管理装置5は、複数存在し、符号5−1から5−N(Nは1以上の整数)からなり、充電器も、同様に、符号6−1から6−Mよりなる。
【0035】
充電器6は、CPU61A、メモリ61Bからなる端末装置61と、通信ポート62と、被遠隔管理装置とネットワーク8を通じて通信する通信手段を格納する外部記憶装置63、充電を行う充電手段64、充電用の電力を電力会社などから取得する電力取得手段65から構成されている。充電手段64は、充電器と電気自動車を繋ぐためのケーブルおよびコネクタを指す。
【0036】
図1Bは、充電データ履歴解析手段33Bの一構成例を示す機能ブロック図である。図1Bに示すように、充電データ履歴解析手段33Bは、充電データを取得する充電データ取得部35−1と、充電スポット間の距離を取得する充電スポット間距離取得部35−2と、充電データの並び替えと並び替えした項目毎等の並び替えを行ってデータを分離する充電データ並び替え分離部35−3と、項目別にどの順で充電スポットが利用されているかを算出する充電スポットID利用順序算出部35−4と、充電スポットID利用順序算出部35−4の算出結果に基づいて、充電スポットがどの順番で連続して使用されているかを演算する充電スポット連続利用傾向演算部35−5と、演算結果を配信する連続利用傾向配信部35−6と、主として途中で管理外の充電器により充電した場合における統計を取得する統計取得部35−7と、を有している。充電スポットID利用順序算出部35−4は、充電スポット除外部35−4aを、連続利用傾向配信部35−6は、充電時間間隔配信部35−6aと、事前登録済み情報配信部35−6bと、を有している。尚、充電データの並び替えと分離は、一般的には、項目とは充電データ中の、充電器の利用者識別番号と、充電器設置場所を識別するための充電スポットIDと、充電開始時刻と、充電開始時電池残量と、充電終了時電池残量と、の少なくともいずれか1の項目でソートする処理を指す。尚、図2は、ある期間中に収集された充電データ履歴の例を示す図である。項番201、利用者名(ID)202、充電スポットID203、充電開始時刻204、充電開始時残量205、充電終了時残量206とを有している。利用者IDは、被遠隔管理装置5で付加され、それ以外は充電器6が生成する。充電器6が生成するもので、図には示していないものとして、充電器6を識別するための充電器IDや充電状態を示すための充電器状態がある。
【0037】
この図より、利用者がどの充電スポットで、いつから充電を開始し、開始した時の充電池の残量と終了時の残量とが示されている。これより、利用者別、充電スポット別、開始時間帯毎などの所望の項目でソートを行って、必要なデータのみを抽出したり、注目する項目をベースにした推奨充電スポットを提案させたりすることができる。
【0038】
図3(a)は、充電スポット情報の例を示す図である。充電データ履歴解析手段33Bの記憶部33B−2が内部に保有する。項番301、充電スポットID302、充電スポット名303、充電スポットの周辺情報(関連情報)304から成る。
【0039】
図3(b)は、充電スポット間距離情報の例を示す図である。充電データ履歴解析手段33Bの記憶部33B−2が内部に保有する。項番301、第1の充電スポットID302、第2の充電スポットID303、第1の充電スポットと第2の充電スポットとの間の距離304、電気自動車の最長航続距離が200kmであると仮定した時の充電池の最低必要容量から成る。
【0040】
ここで、符号301から305までの情報を保持する図3(b)のテーブルが、次の2つのテーブルに分割されており、充電データ履歴(図2)に追加で含まれる、EVの種類を識別するための例えば電池総容量といった情報をキーに図3(b)の305と同じレコードを取得するようにしても良い。すなわち、301から304までの充電スポット間の実距離テーブルと、新たにEVの種類を識別するための例えば電池総容量といった情報と、そのEVの最長航続距離を記載したEV最長航続距離とを格納するEV最長航続距離テーブルに分割されていても良い。この場合、充電データ履歴(図2)に、情報、例えば電池総容量の列がある前提である。
【0041】
図4は、本実施の形態による充電器管理システムにおける充電データ一覧表示のシーケンス図である。管理者端末装置2が充電データ一覧表示の命令を遠隔管理装置4に送付し(ステップ401)、遠隔管理装置4は充電データ一覧を管理者端末装置2に返す(ステップ402)。
【0042】
図5は、本実施の形態による充電器管理システムにおける遠隔操作命令のシーケンス図である。ここで、遠隔操作命令とは、例えば、充電器6の起動や停止などの命令である。
【0043】
管理者端末装置2は、遠隔管理装置4に対し、操作内容を指定し、遠隔操作命令を送付する(ステップ501)。遠隔管理装置4は、指定の命令の呼び出し要求を被遠隔管理装置5に送付する(ステップ502)。被遠隔管理装置5は、指定の命令を実行する(ステップ503)。例えば指定の命令が充電器の停止であれば、充電器6とも通信を行う。また、指定の命令が充電データの即時通知要求であれば、充電器6の状態や利用者IDなどの充電データを遠隔管理装置4に通知する。
【0044】
成功か失敗かから成る命令の呼び出しの結果を遠隔管理装置に返却する(ステップ504)。
遠隔管理装置4は呼び出し結果を管理者端末装置2の、例えばWEBブラウザに表示させる(ステップ505)。
【0045】
図6は、本実施の形態による充電器管理システム前提の充電器利用時の状態監視と、本発明の中心となる情報配信のシーケンス図である。以下では、充電開始時と終了時に充電内容に即した情報を配信するように記述しているが、どちらか一方でも良い。充電器6の充電手段64が、電気自動車などの充電対象機器に接続された状態を想定している。充電器6は、充電器管理手段53Bにより管理されており、これにより、充電器状態が変わった時、もしくはさらに一定時間ごとに被遠隔管理装置5に充電器6に関する充電データを被遠隔管理装置5に送付するように制御されている。充電器状態は充電器6の外部記憶装置63および、充電器管理手段53Bが管理する外部記憶装置53内の領域に保存されるものとする。
【0046】
まず、認証情報を入力要請を被遠隔管理装置5の表示画面に表示する(ステップ601)。利用者は、利用者IDをユーザ入力受信手段に渡す。この方法としては、例えば、事前登録した利用者に配られている非接触型IDカードを被遠隔管理装置5のユーザ入力受信手段53Cにかざすことで、利用者IDを送付する(ステップ602)。被遠隔管理装置5は、認証要求を遠隔管理装置4に送付する(ステップ603)。遠隔管理装置4は、結果を被遠隔管理装置5に返す(ステップ604)。次に、充電を開始しますか、と被遠隔管理装置5の表示画面に表示する(ステップ605)。利用者がYESと答える(ステップ606)と、充電開始命令を充電器に送付する(ステップ607)。
なお、利用者がNOと答えた場合は、被遠隔管理装置5の処理は、最初のステップ601に戻る。
【0047】
YESと答えた場合、充電器6は状態を充電中に設定し(ステップ608)、前述のように状態に変更があった場合または定期的に充電データを被遠隔管理装置5に送付するように充電器管理手段に制御されているため、充電データを通知し(ステップ609)、被遠隔管理装置5は利用者IDを付加し(ステップ610)、遠隔管理装置4に送付する(ステップ611)。遠隔管理装置4はこれを遠隔管理装置4内に保存すると共にサービス提供装置3に転送する(ステップ612)。サービス提供装置3は、該当する命令を実行する。ここでは、事前登録時にサービス提供装置3の外部記憶装置33に登録された利用者のアドレス、充電データに即した次回充電スポット情報を取得し(ステップ613)、利用者端末装置1に例えばメールで配信する(ステップ614)。
【0048】
充電が終了すると、充電器6は状態を待ち状態に設定し(ステップ615)、ステップ609からステップ614までと同じ処理をした後、次の処理に移りますか?という表示を行う(ステップ622)。この後にOKが入力されれば、ステップ601に戻り、入力されるまでは待ち続ける。
【0049】
図7は、充電データ履歴解析手段33Bにより、例えば定期的に実行される連続利用傾向の導出手順を示すシーケンス図である。図1Bを参照しながら説明する。
【0050】
まず、充電データ取得部35−1、充電スポット間距離取得部35−2が、充電データ履歴(図2)・充電スポット間距離(図3(b))を読み込む (ステップ701)。次いで、充電データ並び替え分離部35−3が、充電データ履歴を時系列に並べ、利用者ID別に分離する(ステップ702)。全ての利用者ID別データについて以下の処理を行ったか否かを判定し(ステップ703)、YESの場合は、ステップ710に進む。NOの場合は、未処理の利用者ID別データに対し、直前他手段充電フラグの列を追加、1行目の直前他手段充電フラグ=0 とする(ステップ704)。最終行かの判定を行い(ステップ705)、YESの場合、ステップ703に戻る。NOの場合、処理対象行を一行進め(ステップ706)、残量差分が最低必要容量以上か判定し(ステップ707)、YESの場合、直前他手段充電フラグ=0 とし(ステップ708)、NOの場合、直前他手段充電フラグ=1とし、ステップ705に戻る。直前他手段充電フラグを付与し、後述する直前他手段充電フラグに基づく件数カウントの要否を判定するのが充電スポット除外部35−4aに相当する。
【0051】
ステップ710では、全ての利用者ID別データについて以下の処理を行ったか否かを判定し、YESの場合は、終了し、NOの場合は、未処理の利用者ID別データに対し、対象充電スポットIDを表すためのi=1と設定し、次回充電スポットIDを表すj=1と設定する(ステップ711)。 次に、全ての利用者ID別データから、直前他手段充電フラグ=1となっていないデータのうち、iの後jを使用の件数をカウントする(ステップ712)。jが最大値かを判定し(ステップ713)、違う場合はインクリメントし(ステップ714)、ステップ712に戻る。iが最大値かを判定し(ステップ715)、違う場合はインクリメントし(ステップ716)、ステップ712に戻る。
【0052】
図8(a)は、ステップ602直後の利用者ID=1の利用者ID別充電データ履歴を示す図である。項番6のみ直前他手段充電フラグが1である。これは、項番5の終了時残量と項番6の開始時残量の差が0%であるのに対し、図3(b)から項番6の充電スポット1と項番5の充電スポット2の間で最低80%分の容量が必要であるのと矛盾する。これは、管理外の充電器により途中で充電されたものと予想されるため、以後の連続利用傾向導出時に除外するために直前他手段充電フラグを立てている。その他の例えば項番2の直前他手段充電フラグが0である理由は、項番1の終了時残量と項番2の開始時残量の差が50%であるのに対し、図3(b)から項番2の充電スポット3と項番1の充電スポット1の間で最低50%分の容量が必要であり、矛盾したとはいえないためである。
【0053】
図8(b)は、ステップ602直後の利用者ID=22の利用者ID別充電データ履歴である。項番4のみ直前他手段充電フラグが1である。これは、項番3の終了時残量と項番4の開始時残量の差が10であるのに対し、図3(b)から項番6の充電スポット1と項番5の充電スポット2の間で最低80%分の容量が必要であるのと矛盾する。これは、管理外の充電器により途中で充電したと予想されるため、以後の連続利用傾向導出時に除外するために直前他手段充電フラグを立てる。その他の直前他手段充電フラグが0である理由は図8(a)において説明したのと同様に矛盾したといえないためである。
【0054】
図9は、図1Bの充電スポット連続利用傾向演算部35−5により、図2の充電データ履歴から導出された連続回数2の連続利用傾向を演算した結果の例を示す図である。1から3までの値を採る今回の充電スポットID901と、次回充電スポットIDが1の場合902と、次回充電スポットIDが2の場合903と、次回充電スポットIDが3の場合904とから成る。各数字は、件数を表す。このような連続利用傾向により、充電スポットが“1”の場合には、次回は“#”、今回が“2”の場合には次回が“3”、今回が“3”の場合には、次回が“2”であるとうい演算結果が得られる。
【0055】
図10は、図1Bの充電スポット連続利用傾向配信部35−5充電スポットID=1利用時の配信内容例である。具体的には、ステップ612またはステップ619で通知される充電スポットIDを元に、既に作成済みの図9から該当する充電スポットID=1のデータ、すなわち次に充電スポットID=3が最も利用されやすいという傾向を抜き出し、図3(a)の情報を参照し作成した画面である。
【0056】
このように、現在の充電スポットが、充電スポットID=1である場合に、次回に充電スポットとしては、充電スポットID=22より、ID=3が推奨される。
【0057】
また、事前登録済み情報配信部35−6bが、図6の620、621のように、該当する利用者端末、該当する充電スポットの情報を取得し、その情報を配信することで、図10のように、次回充電スポットと周辺情報等(または充電スポットのクーポン情報など)を配信することができる。
【0058】
以上に説明したように、充電中に次回利用可能な充電器を探す際や、混雑していないと想像される充電器を探す際に有用な情報を得ることが出来る。従って、ユーザの利便性向上や、管理下にある充電器利用促進に繋がるという利点がある。
なお、第1の実施形態に関し、サービス提供装置と遠隔管理装置が同一でも良い。
【0059】
(第2の実施の形態)
第2の実施形態は、混雑していないと想像される充電器を探そうとするユーザなどをターゲットとし、任意のタイミングで、全充電スポットの連続利用傾向を配信するものである。
【0060】
図11は、第二の実施形態のシーケンス図である。第二の実施形態は、第一の実施形態とシステム構成は同一である。利用者端末装置1は任意のタイミングで、サービス提供装置3に連続利用傾向情報の要求を行い(ステップ1101)、サービス提供装置3は、連続利用傾向情報を配信する(ステップ1102)。尚、利用者端末装置1から要求を行うのではなく、逆にサービス提供装置3から利用者端末装置1にプッシュ型で配信するようにしても良い。
【0061】
第二の実施形態の別の形態として、図11のステップ1102で、連続利用傾向だけでなく、図1Bの充電時間間隔配信部35−6aが、充電スポット毎のある一定期間で測定した充電時間間隔を併せて配信してもよい。充電時間間隔は、一定期間の間に得られた充電データ履歴から算出した、図8(b)に示すように、充電スポットID803毎の開始時刻804の平均間隔である。充電時間間隔が短いと充電待ちの渋滞が発生している恐れがあることを意味する。なお、充電時間間隔の代わりに一定期間内の充電実績数を用いても良い。メンテナンス等で停止中である場合はそのことを配信するようにしても良い。
【0062】
図12(a)は、本実施形態によるシステムの配信内容例を示す図である。既に作成済みの図9に示す連続回数2の連続利用傾向から、全充電スポット間の連続利用傾向を図示したものである。ここでは、矢印が太い程、実績数が多いように表示している。従って、この表示により、ユーザは、どの充電スポットに向かえば良いかを正確に判断することができる。
【0063】
図12(b)は、前述の第二の実施形態の別の形態の配信内容の例である。全充電スポット間の連続利用傾向に加えて、充電スポット毎の充電時間間隔の情報も併せて配信している。充電間隔が5分であれば、ほとんど混雑していて充電ができないことから、充電スポットID=3を飛ばして充電スポットID=2に向かうことが推奨される。
【0064】
なお、第二の実施形態の別の形態に関して、ある充電スポットで急に、故障や、充電間隔が短くなり渋滞の兆候の発生が判明した場合に、これらを契機として、連続利用傾向を基に、他のどの充電スポットがどの程度影響を受け混雑するかを解析し、任意のタイミングで利用者に配信するようにしても良い。このようにすれば、充電スポットに関する利用状況に応じてリアルタイムに推奨スポットを提案することができる。
【0065】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図13は、第3の実施形態の充電器管理システムの一構成例を示す図である。
【0066】
第1の実施形態のシステム構成のうち、サービス提供装置3内にあった充電データ履歴解析手段33Bが、遠隔管理装置4に、同じくサービス提供装置3内にあった付加サービス実行手段33Cが、被遠隔管理装置5内に設けられている。また、サービス提供装置3は設けられない。それ以外は他の実施の形態と同じである。付加サービス実行手段33Hは、例えば事前に一定時間間隔で、充電データ履歴解析手段43Eにより得られる解析結果データを取得しておく。
【0067】
図14は、第3の実施形態の充電器管理システムのシーケンス図である。これは、図6とほぼ同じであり、異なる点は、ステップ613と614の代わりにステップ1411において、同様に、ステップ620と621の代わりにステップ1416において、同装置内の付加サービス提供手段33Hが、同装置への情報配信を実行する点である。これにより、システム構成がシンプルになるという利点がある。
【0068】
(第4の実施の形態)
図15は、本発明の第4の実施の形態であって、連続利用3回の連続利用傾向の導出手順を示す図である。図15は図7とほぼ同じであり、710から716の代わりに、1510から1518のように3連続の利用傾向を導出している点が異なる。
【0069】
図16は、図2の充電データ履歴から導出された連続回数3の連続利用傾向である。1から3までの値を採る前回の充電スポットID1601と、1から3までの値を採る今回の充電スポットID1602と、次回充電スポットIDが1の場合1603と、次回充電スポットIDが2の場合1604と、次回充電スポットIDが3の場合1605とから成る。各数字は、件数を表す。この方法によれば、今回の次の充電スポット候補として3つの充電スポットを挙げることができる。同様に、3以上の候補を推奨するようにすることも可能である。
【0070】
(第5の実施の形態)
本発明の第5の実施形態は、第1の実施形態の配信先を、利用者端末ではなく、被遠隔管理装置に変更したものである。
【0071】
第三の実施形態で、被遠隔管理装置5に外部記憶装置53にさらに非特許文献2 (http://www.osgi.org)のOSGiフレームワークがあり、上述の付加サービス実行手段33Hが、本フレームワーク上のバンドルとして動作する構成であっても良い。すなわち、構成をモジュール化して、機能の追加をシステムを求めることなく実現することが可能である。
【0072】
以下に、各実施の形態における、応用例や変形例について説明する。
1)各実施形態において、情報配信を電子メールによって行わずに、サービス提供装置と利用者端末装置とのそれぞれに、通信手段を通じてお互いに通信を行うアプリケーションが配備されている構成とし、サービス提供装置から利用者端末装置に情報を配信するようにしても良い。例えば、図6の情報配信614、621を、電子メールではなく、通信手段を通じてお互いに通信を行うアプリケーション、例えば、一般的な情報通信により行うようにして、添付メールを開くなどの動作を行わなくても情報が通知されるようにしても良い。
【0073】
2)連続利用傾向の演算の応用例
図13を参照して、連続利用傾向の応用例について図2と図13とを参照して説明する。上記図8の例では、図8(a)では、利用者IDという項目毎にソートして、その利用者ID=1で特定される充電池を搭載した自動車等の連続利用傾向を求めた。図8(b)では、利用者IDという項目毎にソートして、その利用者ID=22で特定される充電池を搭載した自動車等の連続利用傾向を求めた。
【0074】
図17から図19までは、以下に説明する、利用者IDという項目以外の項目によりソートして、自動車等の連続利用傾向を求める例を示す図である。図17は、図2に基づいて、終了時残量が80(5)の場合のみをソートして連続利用傾向を求めるベースとなる図である。図18は、図2に基づいて、充電開始時間が午前中の場合のみをソートして連続利用傾向を求めるベースとなる図である。図19は、図2に基づいて、正月元旦(1月1日)のみをソートして連続利用傾向を求めるベースとなる図である。これらの項目は、利用者端末からのユーザ入力に基づいて、どの項目でソートするかに関してサービス提供装置に対して指令が送信されるようにしても良いし、管理者端末を介して指令が行くようにしても良い。
【0075】
2−1)図17に示すように、連続利用傾向を演算する際に、残量50%以下と50%以上など、終了時電池残量に依存する無給電で走行可能な距離に基づいて、図2の分類をする場合に、終了時電池残量別に分類する手順を含んでも良い。この結果得られる終了時残量別連続利用傾向のうち、第一の実施形態のように充電時に配信する場合で、該当する終了時残量の分類に適した連続利用傾向を配信しても良い。すなわち、無給電で走行可能な距離をベースに連続利用傾向を求め、推奨する充電スポットを提案するようにしても良い。
【0076】
2−2)図18に示すように、連続利用傾向を出す際、午前中と午後など、充電開始時間帯別に分類する手順を含んでも良い(図8の時間帯を参照)。時間帯により、推奨すべき充電スポットが変化する可能性が高いからである。上りと下りで、午前と午後では渋滞する方向が異なることが一般的だからである。
【0077】
この結果として得られる充電開始時間帯別連続利用傾向のうち、第一の実施形態のように充電時に配信する場合で、該当する充電開始時間帯の分類に適した連続利用傾向を配信するようにしても良い。
【0078】
2−3)図19に示すように、連続利用傾向を出す際、正月元旦、夏季休暇期間やGW期間などの特殊期間を考慮して、充電開始日の期間別に分類する手順を含んでも良い。正月元旦では、神社へ向かう方向の道が渋滞する事を考慮する。また、図には示さないが、例えば、GW期間であれば、前半は下り、後半は上りが渋滞するからである。この結果得られる充電開始時期別連続利用傾向のうち、第一の実施形態のように充電時に配信する場合で、該当する充電開始時期の分類に即した連続利用傾向を配信しても良い。
【0079】
もちろん、項目は少なくとも1であるが複数の項目でソートしても良い。項目とは充電データ中の、充電器の利用者識別番号と、充電器設置場所を識別するための充電スポットIDと、充電開始時刻と、充電開始時電池残量と、充電終了時電池残量と、の少なくともいずれか1の項目であれば良い。
尚、ここでのソート項目は、一般的な意味では検索条件として理解することができる。
【0080】
3)端末装置の応用例
なお、利用者端末装置が、自動車に備え付けられた、データを受信する機能を有する、カーナビゲーション装置であってもよい。カーナビゲーション機能を有する携帯端末でも良い。
【0081】
また、上記の実施の形態において、添付図面に図示されている構成等については、これらに限定されるものではなく、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
【0082】
また、ハイブリッド車なども対象とすることができる。その場合には、平均的なガソリンのみでの燃費と、ガソリン残量を考慮し、これらが全て消費されたことを前提として同様の計算をすると良い。
【0083】
4)管理外充電そのものを配信する応用例
なお、以上の実施形態は、途中で管理外の充電器により充電した充電レコードを除去することにより、連続利用傾向をより正確に求めるという趣旨で記述しているが、管理者が、充電器の追加配備スポットの検討に活用できるように、そもそも途中で管理外の充電器により充電したレコードに関する情報自体を、管理者に提供しても良い。
【0084】
具体的な処理手順としては、図1Bの統計取得部35−7において、途中で管理外の充電器により充電したか否かを、図7のステップ703〜709と同じ処理で判断し、この後、直前他手段充電フラグ=1のレコードとその直前のレコードを抽出し、例えば2つの充電スポットを結ぶ充電スポット区間全ての組合せ別に分類して、件数などの統計データを取得し、通信手段33Aを介して管理者端末装置に送信する。
【0085】
5)変形例
以上の実施形態で、自分(自車)の履歴のみを元とした情報を配信するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明は、充電器管理装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0087】
1・・・利用者端末装置
11A、21A、31A、41A、51A、61A・・・CPU
11B、21B、31B、41B、51B、61B・・・メモリ
13、23、33、43、53、63・・・外部記憶装置
33B・・・記憶部
2・・・管理者端末装置
3・・・サービス提供装置
4・・・遠隔管理装置
5−1〜N・・・被遠隔管理装置
6−1〜M・・・充電器
7・・・インターネット
8・・・ネットワーク
13A、23A、33A、43A、53A、63A・・・通信手段
13B、23C、53D・・・表示手段
23B・・・管理者操作手段
33B・・・充電データ履歴解析手段
33C・・・付加サービス実行手段
35−1・・・充電データ取得部
35−2・・・充電スポット間距離取得部
35−3・・・充電データ並び替え分離部
35−4・・・充電スポットID利用順序算出部
35−4a・・・充電スポット除外部
35−5・・・充電スポット連続利用傾向演算部
35−6・・・連続利用傾向配信部
35−6a・・・充電時間間隔配信部
35−6b・・事前登録済み情報配信部
35−7・・・統計取得部
43B・・・通知データ管理手段
43C・・・認証手段
43D・・・管理者操作受付手段
53B・・・充電器管理手段
53C・・・ユーザ入力受信手段
64・・・充電手段
65・・・電力取得手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池を搭載した乗り物、例えば、電気自動車向けの充電器の状態監視、認証を行う充電器管理システムであって、利用すべき充電器の検討に役立つ情報を配信する充電器管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話や電気自動車に搭載の二次電池を充電する装置が、特許文献1などで開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−189466号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】http://www.c-nexco.co.jp/guide/ev_quick.html
【0005】
日本の電気自動車の充電方式は、普通充電と急速充電の2方式に大別される。前者は車に内蔵された充電機能を使用する方式であり、車以外には、単に家庭用コンセントとケーブルのみがあれば良く、本明細書が対象とする充電器管理システムは現状普及していない。一方、後者は外部の充電設備側から制御を行うため、充電器管理システムが考案されており、実際のサービスとして利用されている。本明細書では、主に後者の充電方式を前提に記述する。ただし、前者の充電方式を対象としないわけではない。
また、電気自動車の充電器の管理システムは、上記非特許文献1で開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般的なガソリン車等では、ガソリン等を入れるだけであるため、給油所側から燃料残量などの車載情報を通常取得できないし取得してもあまりメリットがないのに対し、デジタル化され充電時に車と通信を行う電気自動車の場合は、電池の残量等のデータを容易に取得可能である。このような充電スポットで取得されるデータ(以下「充電データ」と称する。)を元にユーザに次回の充電スポット等に関する情報を配信する仕組みは、充電スポット数が限定されており、航続距離も比較的短いことから、電気自動車のユーザにとってきわめて有益であると考えられる。
【0007】
しかしながら、充電器の管理システムで現在知られている技術は、充電器の状態監視や認証の仕組みなどであり、充電スポットをナビゲートするような仕組みは知られていない。
【0008】
本発明の目的は、充電スポットをナビゲートすることで、ユーザの利便性向上、管理下にある充電器利用促進に貢献することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、充電スポットの利用傾向、特に連続した利用傾向を、充電中などにおいて、次回にどこの充電スポットで充電するかを知りたいユーザや、混雑していないと予想される充電器を探そうとするユーザに配信することを特徴とする。充電時に得られるデータに即した情報を配信する仕組み、特に充電スポットとしてA地点の次はB地点が利用されやすいというような連続した充電スポットの利用傾向を、充電中等に次回はどこで充電するか検討するユーザや、ある充電器が渋滞もしくは故障していることを目の当たりもしくは何らかの手段で知り、混雑していないと想像される充電器を探そうとするユーザにとって有効である。
【0010】
本発明の一観点によれば、二次電池(充電式電池)搭載の乗り物向けの充電器の状態監視、利用者認証を行う充電器管理装置であって、充電器の利用者識別番号と、充電器設置場所を識別するための充電スポットIDと、充電開始時刻と、充電開始時電池残量と、充電終了時電池残量と、の少なくともいずれか1の項目を有する充電データを取得する充電データ取得部と、前記充電データを、前記少なくとも1つの項目により並び替え・分離(ソート)する充電データ並び替え分離部と、項目別にどの順で充電スポットが利用されているかを算出する充電スポットID利用順序算出部と、前記充電スポットID利用順序算出部の算出結果に基づいて、充電スポットがどの順番で連続して使用されているかを演算する充電スポット連続利用傾向演算部と、演算結果をユーザの保持する利用者端末に配信する連続利用傾向配信部と、を有することを特徴とする充電器管理装置が提供される。
【0011】
充電データのうちの任意の1以上の項目に選択して、ソートを行い、そのデータに基づいて連続利用傾向を算出することで、その選択した項目に着目した連続利用傾向を求めることができる。
【0012】
また、項目として、時間帯、季節、特殊要因、残量、利用者ID等を考慮することができる。項目は、UIなどにより入力することも可能である。
【0013】
前記充電データ並び替え分離部は、あらかじめ定めた一定時間ごとに、前記充電データを前記利用者識別番号ごとに分離し、充電開始時刻で並び替え、前記充電スポットID利用順序算出部は、どの順で充電スポットIDが利用されているかを全ての前記分離済みの充電データで計算し、充電スポット連続利用傾向演算部は、ある場所で充電した後次にどの場所で充電されることが多いかを表す充電スポット連続利用傾向を導出することを特徴とする。
【0014】
これにより、充電器の利用者識別番号ごとに並び替えれば、自己の乗り物に適した連続利用傾向を抽出することができる(最も一般的なものである)。
【0015】
さらに、充電スポット間の距離を取得する充電スポット間距離取得部を有し、前記充電スポット連続利用傾向を導出する際に、一つ前の充電時の終了時電池残量と現在充電を行っている最中の開始時電池残量との差である第1の容量値と、充電器により走行できる最長航続距離と前記充電スポット間距離とから算出される充電スポット間最低必要電池容量である第2の容量値との比較を行い、前記第2の容量値が前記第1の容量値よりも大きい場合は充電データから除外する充電スポット除外部を有するようにしても良い。
【0016】
実際にはあり得ない距離を走行している場合には、管理していない充電器による充電が行われたと推定できる。そこで、その管理外充電器のデータを連続利用傾向の演算のベースから除外することにより正確なデータを配信することができる。
【0017】
また他方で、このような管理していない充電器による充電が行われた場合、該当する充電レコードを、例えば2つの充電スポットを結ぶ充電スポット区間全ての組合せ別に分類して、件数などの統計データを取得し、管理者端末装置に送信することによって、より多角的な管理に役立てることができる。
【0018】
前記連続利用傾向配信部は、現在充電中か否かに関わらず、前記利用者端末に対し、管理対象の充電スポット全てについての連続利用傾向を配信することが好ましい。これにより、全充電スポットの流れの傾向を知ることができる。
【0019】
また、前記連続利用傾向配信部は、現在充電中か否かに関わらず、前記利用者端末に対し、管理対象の充電スポット全てについての連続利用傾向と同時に各充電スポットの充電時間間隔を配信することが好ましい。これにより、全充電スポットの流れの傾向と充電間隔とを知ることができる。
【0020】
前記連続利用傾向配信部は、前記利用者端末に代わりに、充電器を遠隔から管理する被遠隔管理装置に配信を行うことが好ましい。さらに、充電サービス以外に付加的に情報配信を行う付加サービス実行手段を有することが好ましい。連続利用傾向と合わせて、事前登録済みの周辺情報を配信することで、ユーザに充電時の利用施設などを通知することで、充電時に行えるイベントなどを知らせることができるため、充電器の選択をしやすくなる。
【0021】
前記付加サービス実行手段が、OSGiフレームワーク上のバンドルソフトウェアとして実現されているようにしても良い。付加サービス実行手段を含む構成をモジュール化して、機能の追加をシステムを求めることなく実現することが可能である。
【0022】
本発明の他の観点によれば、二次電池(充電式電池)搭載の乗り物向けの充電器の状態監視、利用者認証を行う充電器管理方法であって、充電器の利用者識別番号と、充電器設置場所を識別するための充電スポットIDと、充電開始時刻と、充電開始時電池残量と、充電終了時電池残量と、の少なくともいずれか1の項目を有する充電データを取得する充電データ取得ステップと、前記充電データを、前記少なくとも1つの項目により並び替え・分離(ソート)する充電データ並び替え分離ステップと、項目別にどの順で充電スポットが利用されているかを算出する充電スポットID利用順序算出ステップと、前記充電スポットID利用順序算出ステップの算出結果に基づいて、充電スポットがどの順番で連続して使用されているかを演算する充電スポット連続利用傾向演算ステップと、演算結果をユーザの保持する利用者端末に配信する連続利用傾向配信ステップと、を有することを特徴とする充電器管理方法が提供される。
【0023】
前記充電データ並び替え分離ステップは、あらかじめ定めた一定時間ごとに、前記充電データを前記利用者識別番号ごとに分離し、充電開始時刻で並び替え、前記充電スポットID利用順序算出ステップは、どの順で充電スポットIDが利用されているかを全ての前記分離済みの充電データで計算し、充電スポット連続利用傾向演算ステップは、ある場所で充電した後次にどの場所で充電されることが多いかを表す充電スポット連続利用傾向を導出することが好ましい。
【0024】
さらに、充電スポット間の距離を取得する充電スポット間距離取得ステップを有し、前記充電スポット連続利用傾向を導出する際に、一つ前の充電時の終了時電池残量と現在充電を行っている最中の開始時電池残量との差である第1の容量値と、充電器により走行できる最長航続距離と前記充電スポット間距離とから算出される充電スポット間最低必要電池容量である第2の容量値との比較を行い、前記第2の容量値が前記第1の容量値よりも大きい場合は充電データから除外する充電スポット除外ステップを有することが好ましい。
【0025】
本発明は、上記に記載の充電器管理方法を、コンピュータに実行させるためのプログラムであっても良く、当該プログラムを記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体であっても良い。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、充電中に次回利用可能な充電器を探す際や、混雑していないと想像される充電器を探す際に有用な情報を得ることが出来る。従って、ユーザの利便性向上や、管理下にある充電器利用促進に繋がる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1A】本発明の第1の実施の形態による充電器管理システムの一構成例を示す機能ブロック図である。
【図1B】本実施の形態による充電器管理システムの充電データ履歴解析手段の一構成例を示す機能ブロック図である。
【図2】本実施の形態による充電器管理システムの充電データ履歴の一例を示す図である。
【図3】図3(a)は、本実施の形態による充電器管理システムの充電スポット情報の一例を示す図であり、図3(b)は、充電スポット間距離情報の一例を示す図である。
【図4】本実施の形態による充電器管理システムの充電データ一覧表示のシーケンス図である。
【図5】本実施の形態による充電器管理システムの遠隔操作命令のシーケンス図である。
【図6】本実施の形態による充電器管理システムの充電器利用時の状態監視と、情報配信のシーケンス図である。
【図7】本実施の形態による充電器管理システムの連続回数2の連続利用傾向の導出手順を示すフローチャート図である。
【図8】(a)は、図6のステップ602直後の利用者ID=1の利用者ID別充電データ履歴の一例を示す図であり、(b)は、ステップ602直後の利用者ID=22の利用者ID別充電データ履歴の一例を示す図である。
【図9】本実施の形態による充電器管理システムの連続回数2の連続利用傾向の一例を示す図である。
【図10】本実施の形態による充電器管理システムの充電スポットID=1利用時の配信内容の一例を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施形態の連続利用傾向情報の配信処理のシーケンス図である。
【図12】図12(a)は、本発明の第2の実施形態の第二の実施形態の第1の配信内容例を示す図であり、図12(b)は、第2の配信内容例を示す図である。
【図13】本発明の第3の実施形態の充電器管理システムのシステム構成例を示す機能ブロック図である。
【図14】本発明の第3の実施形態の充電器管理システムのシーケンス図である。
【図15】連続回数3の連続利用傾向の導出手順を示すシーケンス図である。
【図16】連続回数3の連続利用傾向の例を示す図である。
【図17】図2に基づいて、終了時残量が80(5)の場合のみをソートして連続利用傾向を求めるベースとなる図である。
【図18】図2に基づいて、充電開始時間が午前中の場合のみをソートして連続利用傾向を求めるベースとなる図である。
【図19】図2に基づいて、正月元旦(1月1日)のみをソートして連続利用傾向を求めるベースとなる図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
まず、本発明の第1の実施形態による充電器管理技術について、図面を参照しながら説明を行う。本実施の形態では、充電中に次回利用可能な充電器を探すユーザをターゲットとし、充電器利用中に、利用中の充電スポットに関する連続利用傾向を利用者端末に配信するものである。
【0029】
図1Aは本発明の第1の実施形態における充電器管理システムの一構成例を示す機能ブロック図である。図1Aに示すように、充電器管理システムにおいて、利用者が所持し、使用する利用者端末装置1は、インターネットなどのネットワーク7を介し、管理者端末装置2、サービス提供装置3、遠隔管理装置4、被遠隔管理装置5、充電器6と接続している。
【0030】
利用者端末装置1は、CPU11A、メモリ11Bからなる端末装置11と、通信ポート12と、外部記憶装置13から構成されている。外部記憶装置13は、インターネット7を通じてサービス提供装置3から情報を受信するための通信手段13Aと受信内容の表示を行う表示手段13Bとを有する。利用者端末装置1は、例えば、充電器利用者の携帯電話であり、通信手段13Aは、メール機能等、表示手段13Bは携帯電話のディスプレイ等を利用することができる。
【0031】
管理者端末装置2は、CPU21A、メモリ21Bからなる端末装置21と、通信ポート22と、外部記憶装置23と、から構成されている。外部記憶装置23は、インターネット7を通じてサービス提供装置3および遠隔管理装置4と通信するための通信手段23Aと、管理者操作手段23Bと、表示手段23Cと、を有する。
【0032】
サービス提供装置3は、CPU31A、メモリ31Bからなる端末装置31と、通信ポート32と、外部記憶装置33から構成されている。外部記憶装置33は、インターネット7を通じて利用者端末装置1および管理者端末装置2および遠隔管理装置4と通信するための通信手段33Aと、一定の期間中に収集された充電データを解析するための充電データ履歴解析手段33Bと、充電サービス以外に付加的に情報配信を行う付加サービス実行手段33Cと、から成る。充電データ履歴解析手段33Bには、記憶部33B−2が設けられていても良い。充電データ履歴解析手段33Bを保持することで、サービス提供装置3は、充電器管理装置として機能する。
【0033】
遠隔管理装置4は、CPU41A、メモリ41Bからなる端末装置41と、通信ポート42と、外部記憶装置43から構成されている。外部記憶装置43は、管理者端末装置、サービス提供装置、被遠隔管理装置と通信を行うための通信手段43Aと、充電時に被遠隔管理装置から通知される充電データを該記憶装置内に保存すると共にサービス提供装置に転送するための通知データ管理手段43Bと、被遠隔管理装置からの依頼を受けて充電器利用者の認証を行う認証手段43Cと、管理者端末からの操作を受け付けるための管理者操作受付手段43Dから成る。
【0034】
被遠隔管理装置5は、CPU51A、メモリ51Bからなる端末装置51と、通信ポート52と、外部記憶装置53と、から構成されている。外部記憶装置53は、遠隔管理装置4、充電器6と通信するための通信手段53Aと、充電器6を管理するための充電器管理手段53B、認証に必要な利用者識別番号を利用者から取得するためのユーザ入力受信手段53C、利用者に充電器の操作手順や状態を通知するための表示手段53Dから成る。被遠隔管理装置5は、複数存在し、符号5−1から5−N(Nは1以上の整数)からなり、充電器も、同様に、符号6−1から6−Mよりなる。
【0035】
充電器6は、CPU61A、メモリ61Bからなる端末装置61と、通信ポート62と、被遠隔管理装置とネットワーク8を通じて通信する通信手段を格納する外部記憶装置63、充電を行う充電手段64、充電用の電力を電力会社などから取得する電力取得手段65から構成されている。充電手段64は、充電器と電気自動車を繋ぐためのケーブルおよびコネクタを指す。
【0036】
図1Bは、充電データ履歴解析手段33Bの一構成例を示す機能ブロック図である。図1Bに示すように、充電データ履歴解析手段33Bは、充電データを取得する充電データ取得部35−1と、充電スポット間の距離を取得する充電スポット間距離取得部35−2と、充電データの並び替えと並び替えした項目毎等の並び替えを行ってデータを分離する充電データ並び替え分離部35−3と、項目別にどの順で充電スポットが利用されているかを算出する充電スポットID利用順序算出部35−4と、充電スポットID利用順序算出部35−4の算出結果に基づいて、充電スポットがどの順番で連続して使用されているかを演算する充電スポット連続利用傾向演算部35−5と、演算結果を配信する連続利用傾向配信部35−6と、主として途中で管理外の充電器により充電した場合における統計を取得する統計取得部35−7と、を有している。充電スポットID利用順序算出部35−4は、充電スポット除外部35−4aを、連続利用傾向配信部35−6は、充電時間間隔配信部35−6aと、事前登録済み情報配信部35−6bと、を有している。尚、充電データの並び替えと分離は、一般的には、項目とは充電データ中の、充電器の利用者識別番号と、充電器設置場所を識別するための充電スポットIDと、充電開始時刻と、充電開始時電池残量と、充電終了時電池残量と、の少なくともいずれか1の項目でソートする処理を指す。尚、図2は、ある期間中に収集された充電データ履歴の例を示す図である。項番201、利用者名(ID)202、充電スポットID203、充電開始時刻204、充電開始時残量205、充電終了時残量206とを有している。利用者IDは、被遠隔管理装置5で付加され、それ以外は充電器6が生成する。充電器6が生成するもので、図には示していないものとして、充電器6を識別するための充電器IDや充電状態を示すための充電器状態がある。
【0037】
この図より、利用者がどの充電スポットで、いつから充電を開始し、開始した時の充電池の残量と終了時の残量とが示されている。これより、利用者別、充電スポット別、開始時間帯毎などの所望の項目でソートを行って、必要なデータのみを抽出したり、注目する項目をベースにした推奨充電スポットを提案させたりすることができる。
【0038】
図3(a)は、充電スポット情報の例を示す図である。充電データ履歴解析手段33Bの記憶部33B−2が内部に保有する。項番301、充電スポットID302、充電スポット名303、充電スポットの周辺情報(関連情報)304から成る。
【0039】
図3(b)は、充電スポット間距離情報の例を示す図である。充電データ履歴解析手段33Bの記憶部33B−2が内部に保有する。項番301、第1の充電スポットID302、第2の充電スポットID303、第1の充電スポットと第2の充電スポットとの間の距離304、電気自動車の最長航続距離が200kmであると仮定した時の充電池の最低必要容量から成る。
【0040】
ここで、符号301から305までの情報を保持する図3(b)のテーブルが、次の2つのテーブルに分割されており、充電データ履歴(図2)に追加で含まれる、EVの種類を識別するための例えば電池総容量といった情報をキーに図3(b)の305と同じレコードを取得するようにしても良い。すなわち、301から304までの充電スポット間の実距離テーブルと、新たにEVの種類を識別するための例えば電池総容量といった情報と、そのEVの最長航続距離を記載したEV最長航続距離とを格納するEV最長航続距離テーブルに分割されていても良い。この場合、充電データ履歴(図2)に、情報、例えば電池総容量の列がある前提である。
【0041】
図4は、本実施の形態による充電器管理システムにおける充電データ一覧表示のシーケンス図である。管理者端末装置2が充電データ一覧表示の命令を遠隔管理装置4に送付し(ステップ401)、遠隔管理装置4は充電データ一覧を管理者端末装置2に返す(ステップ402)。
【0042】
図5は、本実施の形態による充電器管理システムにおける遠隔操作命令のシーケンス図である。ここで、遠隔操作命令とは、例えば、充電器6の起動や停止などの命令である。
【0043】
管理者端末装置2は、遠隔管理装置4に対し、操作内容を指定し、遠隔操作命令を送付する(ステップ501)。遠隔管理装置4は、指定の命令の呼び出し要求を被遠隔管理装置5に送付する(ステップ502)。被遠隔管理装置5は、指定の命令を実行する(ステップ503)。例えば指定の命令が充電器の停止であれば、充電器6とも通信を行う。また、指定の命令が充電データの即時通知要求であれば、充電器6の状態や利用者IDなどの充電データを遠隔管理装置4に通知する。
【0044】
成功か失敗かから成る命令の呼び出しの結果を遠隔管理装置に返却する(ステップ504)。
遠隔管理装置4は呼び出し結果を管理者端末装置2の、例えばWEBブラウザに表示させる(ステップ505)。
【0045】
図6は、本実施の形態による充電器管理システム前提の充電器利用時の状態監視と、本発明の中心となる情報配信のシーケンス図である。以下では、充電開始時と終了時に充電内容に即した情報を配信するように記述しているが、どちらか一方でも良い。充電器6の充電手段64が、電気自動車などの充電対象機器に接続された状態を想定している。充電器6は、充電器管理手段53Bにより管理されており、これにより、充電器状態が変わった時、もしくはさらに一定時間ごとに被遠隔管理装置5に充電器6に関する充電データを被遠隔管理装置5に送付するように制御されている。充電器状態は充電器6の外部記憶装置63および、充電器管理手段53Bが管理する外部記憶装置53内の領域に保存されるものとする。
【0046】
まず、認証情報を入力要請を被遠隔管理装置5の表示画面に表示する(ステップ601)。利用者は、利用者IDをユーザ入力受信手段に渡す。この方法としては、例えば、事前登録した利用者に配られている非接触型IDカードを被遠隔管理装置5のユーザ入力受信手段53Cにかざすことで、利用者IDを送付する(ステップ602)。被遠隔管理装置5は、認証要求を遠隔管理装置4に送付する(ステップ603)。遠隔管理装置4は、結果を被遠隔管理装置5に返す(ステップ604)。次に、充電を開始しますか、と被遠隔管理装置5の表示画面に表示する(ステップ605)。利用者がYESと答える(ステップ606)と、充電開始命令を充電器に送付する(ステップ607)。
なお、利用者がNOと答えた場合は、被遠隔管理装置5の処理は、最初のステップ601に戻る。
【0047】
YESと答えた場合、充電器6は状態を充電中に設定し(ステップ608)、前述のように状態に変更があった場合または定期的に充電データを被遠隔管理装置5に送付するように充電器管理手段に制御されているため、充電データを通知し(ステップ609)、被遠隔管理装置5は利用者IDを付加し(ステップ610)、遠隔管理装置4に送付する(ステップ611)。遠隔管理装置4はこれを遠隔管理装置4内に保存すると共にサービス提供装置3に転送する(ステップ612)。サービス提供装置3は、該当する命令を実行する。ここでは、事前登録時にサービス提供装置3の外部記憶装置33に登録された利用者のアドレス、充電データに即した次回充電スポット情報を取得し(ステップ613)、利用者端末装置1に例えばメールで配信する(ステップ614)。
【0048】
充電が終了すると、充電器6は状態を待ち状態に設定し(ステップ615)、ステップ609からステップ614までと同じ処理をした後、次の処理に移りますか?という表示を行う(ステップ622)。この後にOKが入力されれば、ステップ601に戻り、入力されるまでは待ち続ける。
【0049】
図7は、充電データ履歴解析手段33Bにより、例えば定期的に実行される連続利用傾向の導出手順を示すシーケンス図である。図1Bを参照しながら説明する。
【0050】
まず、充電データ取得部35−1、充電スポット間距離取得部35−2が、充電データ履歴(図2)・充電スポット間距離(図3(b))を読み込む (ステップ701)。次いで、充電データ並び替え分離部35−3が、充電データ履歴を時系列に並べ、利用者ID別に分離する(ステップ702)。全ての利用者ID別データについて以下の処理を行ったか否かを判定し(ステップ703)、YESの場合は、ステップ710に進む。NOの場合は、未処理の利用者ID別データに対し、直前他手段充電フラグの列を追加、1行目の直前他手段充電フラグ=0 とする(ステップ704)。最終行かの判定を行い(ステップ705)、YESの場合、ステップ703に戻る。NOの場合、処理対象行を一行進め(ステップ706)、残量差分が最低必要容量以上か判定し(ステップ707)、YESの場合、直前他手段充電フラグ=0 とし(ステップ708)、NOの場合、直前他手段充電フラグ=1とし、ステップ705に戻る。直前他手段充電フラグを付与し、後述する直前他手段充電フラグに基づく件数カウントの要否を判定するのが充電スポット除外部35−4aに相当する。
【0051】
ステップ710では、全ての利用者ID別データについて以下の処理を行ったか否かを判定し、YESの場合は、終了し、NOの場合は、未処理の利用者ID別データに対し、対象充電スポットIDを表すためのi=1と設定し、次回充電スポットIDを表すj=1と設定する(ステップ711)。 次に、全ての利用者ID別データから、直前他手段充電フラグ=1となっていないデータのうち、iの後jを使用の件数をカウントする(ステップ712)。jが最大値かを判定し(ステップ713)、違う場合はインクリメントし(ステップ714)、ステップ712に戻る。iが最大値かを判定し(ステップ715)、違う場合はインクリメントし(ステップ716)、ステップ712に戻る。
【0052】
図8(a)は、ステップ602直後の利用者ID=1の利用者ID別充電データ履歴を示す図である。項番6のみ直前他手段充電フラグが1である。これは、項番5の終了時残量と項番6の開始時残量の差が0%であるのに対し、図3(b)から項番6の充電スポット1と項番5の充電スポット2の間で最低80%分の容量が必要であるのと矛盾する。これは、管理外の充電器により途中で充電されたものと予想されるため、以後の連続利用傾向導出時に除外するために直前他手段充電フラグを立てている。その他の例えば項番2の直前他手段充電フラグが0である理由は、項番1の終了時残量と項番2の開始時残量の差が50%であるのに対し、図3(b)から項番2の充電スポット3と項番1の充電スポット1の間で最低50%分の容量が必要であり、矛盾したとはいえないためである。
【0053】
図8(b)は、ステップ602直後の利用者ID=22の利用者ID別充電データ履歴である。項番4のみ直前他手段充電フラグが1である。これは、項番3の終了時残量と項番4の開始時残量の差が10であるのに対し、図3(b)から項番6の充電スポット1と項番5の充電スポット2の間で最低80%分の容量が必要であるのと矛盾する。これは、管理外の充電器により途中で充電したと予想されるため、以後の連続利用傾向導出時に除外するために直前他手段充電フラグを立てる。その他の直前他手段充電フラグが0である理由は図8(a)において説明したのと同様に矛盾したといえないためである。
【0054】
図9は、図1Bの充電スポット連続利用傾向演算部35−5により、図2の充電データ履歴から導出された連続回数2の連続利用傾向を演算した結果の例を示す図である。1から3までの値を採る今回の充電スポットID901と、次回充電スポットIDが1の場合902と、次回充電スポットIDが2の場合903と、次回充電スポットIDが3の場合904とから成る。各数字は、件数を表す。このような連続利用傾向により、充電スポットが“1”の場合には、次回は“#”、今回が“2”の場合には次回が“3”、今回が“3”の場合には、次回が“2”であるとうい演算結果が得られる。
【0055】
図10は、図1Bの充電スポット連続利用傾向配信部35−5充電スポットID=1利用時の配信内容例である。具体的には、ステップ612またはステップ619で通知される充電スポットIDを元に、既に作成済みの図9から該当する充電スポットID=1のデータ、すなわち次に充電スポットID=3が最も利用されやすいという傾向を抜き出し、図3(a)の情報を参照し作成した画面である。
【0056】
このように、現在の充電スポットが、充電スポットID=1である場合に、次回に充電スポットとしては、充電スポットID=22より、ID=3が推奨される。
【0057】
また、事前登録済み情報配信部35−6bが、図6の620、621のように、該当する利用者端末、該当する充電スポットの情報を取得し、その情報を配信することで、図10のように、次回充電スポットと周辺情報等(または充電スポットのクーポン情報など)を配信することができる。
【0058】
以上に説明したように、充電中に次回利用可能な充電器を探す際や、混雑していないと想像される充電器を探す際に有用な情報を得ることが出来る。従って、ユーザの利便性向上や、管理下にある充電器利用促進に繋がるという利点がある。
なお、第1の実施形態に関し、サービス提供装置と遠隔管理装置が同一でも良い。
【0059】
(第2の実施の形態)
第2の実施形態は、混雑していないと想像される充電器を探そうとするユーザなどをターゲットとし、任意のタイミングで、全充電スポットの連続利用傾向を配信するものである。
【0060】
図11は、第二の実施形態のシーケンス図である。第二の実施形態は、第一の実施形態とシステム構成は同一である。利用者端末装置1は任意のタイミングで、サービス提供装置3に連続利用傾向情報の要求を行い(ステップ1101)、サービス提供装置3は、連続利用傾向情報を配信する(ステップ1102)。尚、利用者端末装置1から要求を行うのではなく、逆にサービス提供装置3から利用者端末装置1にプッシュ型で配信するようにしても良い。
【0061】
第二の実施形態の別の形態として、図11のステップ1102で、連続利用傾向だけでなく、図1Bの充電時間間隔配信部35−6aが、充電スポット毎のある一定期間で測定した充電時間間隔を併せて配信してもよい。充電時間間隔は、一定期間の間に得られた充電データ履歴から算出した、図8(b)に示すように、充電スポットID803毎の開始時刻804の平均間隔である。充電時間間隔が短いと充電待ちの渋滞が発生している恐れがあることを意味する。なお、充電時間間隔の代わりに一定期間内の充電実績数を用いても良い。メンテナンス等で停止中である場合はそのことを配信するようにしても良い。
【0062】
図12(a)は、本実施形態によるシステムの配信内容例を示す図である。既に作成済みの図9に示す連続回数2の連続利用傾向から、全充電スポット間の連続利用傾向を図示したものである。ここでは、矢印が太い程、実績数が多いように表示している。従って、この表示により、ユーザは、どの充電スポットに向かえば良いかを正確に判断することができる。
【0063】
図12(b)は、前述の第二の実施形態の別の形態の配信内容の例である。全充電スポット間の連続利用傾向に加えて、充電スポット毎の充電時間間隔の情報も併せて配信している。充電間隔が5分であれば、ほとんど混雑していて充電ができないことから、充電スポットID=3を飛ばして充電スポットID=2に向かうことが推奨される。
【0064】
なお、第二の実施形態の別の形態に関して、ある充電スポットで急に、故障や、充電間隔が短くなり渋滞の兆候の発生が判明した場合に、これらを契機として、連続利用傾向を基に、他のどの充電スポットがどの程度影響を受け混雑するかを解析し、任意のタイミングで利用者に配信するようにしても良い。このようにすれば、充電スポットに関する利用状況に応じてリアルタイムに推奨スポットを提案することができる。
【0065】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図13は、第3の実施形態の充電器管理システムの一構成例を示す図である。
【0066】
第1の実施形態のシステム構成のうち、サービス提供装置3内にあった充電データ履歴解析手段33Bが、遠隔管理装置4に、同じくサービス提供装置3内にあった付加サービス実行手段33Cが、被遠隔管理装置5内に設けられている。また、サービス提供装置3は設けられない。それ以外は他の実施の形態と同じである。付加サービス実行手段33Hは、例えば事前に一定時間間隔で、充電データ履歴解析手段43Eにより得られる解析結果データを取得しておく。
【0067】
図14は、第3の実施形態の充電器管理システムのシーケンス図である。これは、図6とほぼ同じであり、異なる点は、ステップ613と614の代わりにステップ1411において、同様に、ステップ620と621の代わりにステップ1416において、同装置内の付加サービス提供手段33Hが、同装置への情報配信を実行する点である。これにより、システム構成がシンプルになるという利点がある。
【0068】
(第4の実施の形態)
図15は、本発明の第4の実施の形態であって、連続利用3回の連続利用傾向の導出手順を示す図である。図15は図7とほぼ同じであり、710から716の代わりに、1510から1518のように3連続の利用傾向を導出している点が異なる。
【0069】
図16は、図2の充電データ履歴から導出された連続回数3の連続利用傾向である。1から3までの値を採る前回の充電スポットID1601と、1から3までの値を採る今回の充電スポットID1602と、次回充電スポットIDが1の場合1603と、次回充電スポットIDが2の場合1604と、次回充電スポットIDが3の場合1605とから成る。各数字は、件数を表す。この方法によれば、今回の次の充電スポット候補として3つの充電スポットを挙げることができる。同様に、3以上の候補を推奨するようにすることも可能である。
【0070】
(第5の実施の形態)
本発明の第5の実施形態は、第1の実施形態の配信先を、利用者端末ではなく、被遠隔管理装置に変更したものである。
【0071】
第三の実施形態で、被遠隔管理装置5に外部記憶装置53にさらに非特許文献2 (http://www.osgi.org)のOSGiフレームワークがあり、上述の付加サービス実行手段33Hが、本フレームワーク上のバンドルとして動作する構成であっても良い。すなわち、構成をモジュール化して、機能の追加をシステムを求めることなく実現することが可能である。
【0072】
以下に、各実施の形態における、応用例や変形例について説明する。
1)各実施形態において、情報配信を電子メールによって行わずに、サービス提供装置と利用者端末装置とのそれぞれに、通信手段を通じてお互いに通信を行うアプリケーションが配備されている構成とし、サービス提供装置から利用者端末装置に情報を配信するようにしても良い。例えば、図6の情報配信614、621を、電子メールではなく、通信手段を通じてお互いに通信を行うアプリケーション、例えば、一般的な情報通信により行うようにして、添付メールを開くなどの動作を行わなくても情報が通知されるようにしても良い。
【0073】
2)連続利用傾向の演算の応用例
図13を参照して、連続利用傾向の応用例について図2と図13とを参照して説明する。上記図8の例では、図8(a)では、利用者IDという項目毎にソートして、その利用者ID=1で特定される充電池を搭載した自動車等の連続利用傾向を求めた。図8(b)では、利用者IDという項目毎にソートして、その利用者ID=22で特定される充電池を搭載した自動車等の連続利用傾向を求めた。
【0074】
図17から図19までは、以下に説明する、利用者IDという項目以外の項目によりソートして、自動車等の連続利用傾向を求める例を示す図である。図17は、図2に基づいて、終了時残量が80(5)の場合のみをソートして連続利用傾向を求めるベースとなる図である。図18は、図2に基づいて、充電開始時間が午前中の場合のみをソートして連続利用傾向を求めるベースとなる図である。図19は、図2に基づいて、正月元旦(1月1日)のみをソートして連続利用傾向を求めるベースとなる図である。これらの項目は、利用者端末からのユーザ入力に基づいて、どの項目でソートするかに関してサービス提供装置に対して指令が送信されるようにしても良いし、管理者端末を介して指令が行くようにしても良い。
【0075】
2−1)図17に示すように、連続利用傾向を演算する際に、残量50%以下と50%以上など、終了時電池残量に依存する無給電で走行可能な距離に基づいて、図2の分類をする場合に、終了時電池残量別に分類する手順を含んでも良い。この結果得られる終了時残量別連続利用傾向のうち、第一の実施形態のように充電時に配信する場合で、該当する終了時残量の分類に適した連続利用傾向を配信しても良い。すなわち、無給電で走行可能な距離をベースに連続利用傾向を求め、推奨する充電スポットを提案するようにしても良い。
【0076】
2−2)図18に示すように、連続利用傾向を出す際、午前中と午後など、充電開始時間帯別に分類する手順を含んでも良い(図8の時間帯を参照)。時間帯により、推奨すべき充電スポットが変化する可能性が高いからである。上りと下りで、午前と午後では渋滞する方向が異なることが一般的だからである。
【0077】
この結果として得られる充電開始時間帯別連続利用傾向のうち、第一の実施形態のように充電時に配信する場合で、該当する充電開始時間帯の分類に適した連続利用傾向を配信するようにしても良い。
【0078】
2−3)図19に示すように、連続利用傾向を出す際、正月元旦、夏季休暇期間やGW期間などの特殊期間を考慮して、充電開始日の期間別に分類する手順を含んでも良い。正月元旦では、神社へ向かう方向の道が渋滞する事を考慮する。また、図には示さないが、例えば、GW期間であれば、前半は下り、後半は上りが渋滞するからである。この結果得られる充電開始時期別連続利用傾向のうち、第一の実施形態のように充電時に配信する場合で、該当する充電開始時期の分類に即した連続利用傾向を配信しても良い。
【0079】
もちろん、項目は少なくとも1であるが複数の項目でソートしても良い。項目とは充電データ中の、充電器の利用者識別番号と、充電器設置場所を識別するための充電スポットIDと、充電開始時刻と、充電開始時電池残量と、充電終了時電池残量と、の少なくともいずれか1の項目であれば良い。
尚、ここでのソート項目は、一般的な意味では検索条件として理解することができる。
【0080】
3)端末装置の応用例
なお、利用者端末装置が、自動車に備え付けられた、データを受信する機能を有する、カーナビゲーション装置であってもよい。カーナビゲーション機能を有する携帯端末でも良い。
【0081】
また、上記の実施の形態において、添付図面に図示されている構成等については、これらに限定されるものではなく、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
【0082】
また、ハイブリッド車なども対象とすることができる。その場合には、平均的なガソリンのみでの燃費と、ガソリン残量を考慮し、これらが全て消費されたことを前提として同様の計算をすると良い。
【0083】
4)管理外充電そのものを配信する応用例
なお、以上の実施形態は、途中で管理外の充電器により充電した充電レコードを除去することにより、連続利用傾向をより正確に求めるという趣旨で記述しているが、管理者が、充電器の追加配備スポットの検討に活用できるように、そもそも途中で管理外の充電器により充電したレコードに関する情報自体を、管理者に提供しても良い。
【0084】
具体的な処理手順としては、図1Bの統計取得部35−7において、途中で管理外の充電器により充電したか否かを、図7のステップ703〜709と同じ処理で判断し、この後、直前他手段充電フラグ=1のレコードとその直前のレコードを抽出し、例えば2つの充電スポットを結ぶ充電スポット区間全ての組合せ別に分類して、件数などの統計データを取得し、通信手段33Aを介して管理者端末装置に送信する。
【0085】
5)変形例
以上の実施形態で、自分(自車)の履歴のみを元とした情報を配信するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明は、充電器管理装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0087】
1・・・利用者端末装置
11A、21A、31A、41A、51A、61A・・・CPU
11B、21B、31B、41B、51B、61B・・・メモリ
13、23、33、43、53、63・・・外部記憶装置
33B・・・記憶部
2・・・管理者端末装置
3・・・サービス提供装置
4・・・遠隔管理装置
5−1〜N・・・被遠隔管理装置
6−1〜M・・・充電器
7・・・インターネット
8・・・ネットワーク
13A、23A、33A、43A、53A、63A・・・通信手段
13B、23C、53D・・・表示手段
23B・・・管理者操作手段
33B・・・充電データ履歴解析手段
33C・・・付加サービス実行手段
35−1・・・充電データ取得部
35−2・・・充電スポット間距離取得部
35−3・・・充電データ並び替え分離部
35−4・・・充電スポットID利用順序算出部
35−4a・・・充電スポット除外部
35−5・・・充電スポット連続利用傾向演算部
35−6・・・連続利用傾向配信部
35−6a・・・充電時間間隔配信部
35−6b・・事前登録済み情報配信部
35−7・・・統計取得部
43B・・・通知データ管理手段
43C・・・認証手段
43D・・・管理者操作受付手段
53B・・・充電器管理手段
53C・・・ユーザ入力受信手段
64・・・充電手段
65・・・電力取得手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池(充電式電池)搭載の乗り物向けの充電器の状態監視、利用者認証を行う充電器管理装置であって、
充電器の利用者識別番号と、充電器設置場所を識別するための充電スポットIDと、充電開始時刻と、充電開始時電池残量と、充電終了時電池残量と、の少なくともいずれか1の項目を有する充電データを取得する充電データ取得部と、
前記充電データを、前記少なくとも1つの項目により並び替え・分離(ソート)する充電データ並び替え分離部と、
項目別にどの順で充電スポットが利用されているかを算出する充電スポットID利用順序算出部と、
前記充電スポットID利用順序算出部の算出結果に基づいて、充電スポットがどの順番で連続して使用されているかを演算する充電スポット連続利用傾向演算部と、
演算結果をユーザの保持する利用者端末に配信する連続利用傾向配信部と、
を有することを特徴とする充電器管理装置。
【請求項2】
前記充電データ並び替え分離部は、
あらかじめ定めた一定時間ごとに、前記充電データを前記利用者識別番号ごとに分離し、充電開始時刻で並び替え、
前記充電スポットID利用順序算出部は、
どの順で充電スポットIDが利用されているかを全ての前記分離済みの充電データで計算し、
充電スポット連続利用傾向演算部は、
ある場所で充電した後次にどの場所で充電されることが多いかを表す充電スポット連続利用傾向を導出することを特徴とする請求項1に記載の充電器管理装置。
【請求項3】
さらに、充電スポット間の距離を取得する充電スポット間距離取得部を有し、
前記充電スポット連続利用傾向を導出する際に、一つ前の充電時の終了時電池残量と現在充電を行っている最中の開始時電池残量との差である第1の容量値と、充電器により走行できる最長航続距離と前記充電スポット間距離とから算出される充電スポット間最低必要電池容量である第2の容量値との比較を行い、前記第2の容量値が前記第1の容量値よりも大きい場合は充電データから除外する充電スポット除外部を有する
ことを特徴とする請求項2に記載の充電器管理装置。
【請求項4】
前記連続利用傾向配信部は、
現在充電中か否かに関わらず、前記利用者端末に対し、管理対象の充電スポット全てについての連続利用傾向を配信することを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の充電器管理装置。
【請求項5】
前記連続利用傾向配信部は、
現在充電中か否かに関わらず、前記利用者端末に対し、管理対象の充電スポット全てについての連続利用傾向と同時に各充電スポットの充電時間間隔を配信することを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の充電器管理装置。
【請求項6】
前記連続利用傾向配信部は、前記利用者端末に代わりに、充電器を遠隔から管理する被遠隔管理装置に配信を行うことを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載の充電器管理装置。
【請求項7】
さらに、充電サービス以外に付加的に情報配信を行う付加サービス実行手段を有することを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載の充電器管理装置。
【請求項8】
前記付加サービス実行手段が、OSGiフレームワーク上のバンドルソフトウェアとして実現されていることを特徴とする請求項7に記載の充電器管理装置。
【請求項9】
前記第2の容量値が前記第1の容量値よりも大きい充電データについて統計データを取得する統計取得手段と、
前記統計データを管理者端末装置に送信する通信手段を有することを特徴とする請求項3に記載の充電器管理装置。
【請求項10】
二次電池(充電式電池)搭載の乗り物向けの充電器の状態監視、利用者認証を行う充電器管理方法であって、
充電器の利用者識別番号と、充電器設置場所を識別するための充電スポットIDと、充電開始時刻と、充電開始時電池残量と、充電終了時電池残量と、の少なくともいずれか1の項目を有する充電データを取得する充電データ取得ステップと、
前記充電データを、前記少なくとも1つの項目により並び替え・分離(ソート)する充電データ並び替え分離ステップと、
項目別にどの順で充電スポットが利用されているかを算出する充電スポットID利用順序算出ステップと、
前記充電スポットID利用順序算出ステップの算出結果に基づいて、充電スポットがどの順番で連続して使用されているかを演算する充電スポット連続利用傾向演算ステップと、
演算結果をユーザの保持する利用者端末に配信する連続利用傾向配信ステップと、
を有することを特徴とする充電器管理方法。
【請求項11】
前記充電データ並び替え分離ステップは、
あらかじめ定めた一定時間ごとに、前記充電データを前記利用者識別番号ごとに分離し、充電開始時刻で並び替え、
前記充電スポットID利用順序算出ステップは、
どの順で充電スポットIDが利用されているかを全ての前記分離済みの充電データで計算し、
充電スポット連続利用傾向演算ステップは、
ある場所で充電した後次にどの場所で充電されることが多いかを表す充電スポット連続利用傾向を導出することを特徴とする請求項10に記載の充電器管理方法。
【請求項12】
さらに、充電スポット間の距離を取得する充電スポット間距離取得ステップを有し、
前記充電スポット連続利用傾向を導出する際に、一つ前の充電時の終了時電池残量と現在充電を行っている最中の開始時電池残量との差である第1の容量値と、充電器により走行できる最長航続距離と前記充電スポット間距離とから算出される充電スポット間最低必要電池容量である第2の容量値との比較を行い、前記第2の容量値が前記第1の容量値よりも大きい場合は充電データから除外する充電スポット除外ステップを有する
ことを特徴とする請求項10又は11に記載の充電器管理方法。
【請求項13】
前記第2の容量値が前記第1の容量値よりも大きい充電データについて統計データを取得する統計取得ステップと、
前記統計データを管理者端末装置に送信する通信ステップを有することを特徴とする請求項12に記載の充電器管理方法。
【請求項14】
請求項10から13までのいずれか1項に記載の充電器管理方法を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項1】
二次電池(充電式電池)搭載の乗り物向けの充電器の状態監視、利用者認証を行う充電器管理装置であって、
充電器の利用者識別番号と、充電器設置場所を識別するための充電スポットIDと、充電開始時刻と、充電開始時電池残量と、充電終了時電池残量と、の少なくともいずれか1の項目を有する充電データを取得する充電データ取得部と、
前記充電データを、前記少なくとも1つの項目により並び替え・分離(ソート)する充電データ並び替え分離部と、
項目別にどの順で充電スポットが利用されているかを算出する充電スポットID利用順序算出部と、
前記充電スポットID利用順序算出部の算出結果に基づいて、充電スポットがどの順番で連続して使用されているかを演算する充電スポット連続利用傾向演算部と、
演算結果をユーザの保持する利用者端末に配信する連続利用傾向配信部と、
を有することを特徴とする充電器管理装置。
【請求項2】
前記充電データ並び替え分離部は、
あらかじめ定めた一定時間ごとに、前記充電データを前記利用者識別番号ごとに分離し、充電開始時刻で並び替え、
前記充電スポットID利用順序算出部は、
どの順で充電スポットIDが利用されているかを全ての前記分離済みの充電データで計算し、
充電スポット連続利用傾向演算部は、
ある場所で充電した後次にどの場所で充電されることが多いかを表す充電スポット連続利用傾向を導出することを特徴とする請求項1に記載の充電器管理装置。
【請求項3】
さらに、充電スポット間の距離を取得する充電スポット間距離取得部を有し、
前記充電スポット連続利用傾向を導出する際に、一つ前の充電時の終了時電池残量と現在充電を行っている最中の開始時電池残量との差である第1の容量値と、充電器により走行できる最長航続距離と前記充電スポット間距離とから算出される充電スポット間最低必要電池容量である第2の容量値との比較を行い、前記第2の容量値が前記第1の容量値よりも大きい場合は充電データから除外する充電スポット除外部を有する
ことを特徴とする請求項2に記載の充電器管理装置。
【請求項4】
前記連続利用傾向配信部は、
現在充電中か否かに関わらず、前記利用者端末に対し、管理対象の充電スポット全てについての連続利用傾向を配信することを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の充電器管理装置。
【請求項5】
前記連続利用傾向配信部は、
現在充電中か否かに関わらず、前記利用者端末に対し、管理対象の充電スポット全てについての連続利用傾向と同時に各充電スポットの充電時間間隔を配信することを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の充電器管理装置。
【請求項6】
前記連続利用傾向配信部は、前記利用者端末に代わりに、充電器を遠隔から管理する被遠隔管理装置に配信を行うことを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載の充電器管理装置。
【請求項7】
さらに、充電サービス以外に付加的に情報配信を行う付加サービス実行手段を有することを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載の充電器管理装置。
【請求項8】
前記付加サービス実行手段が、OSGiフレームワーク上のバンドルソフトウェアとして実現されていることを特徴とする請求項7に記載の充電器管理装置。
【請求項9】
前記第2の容量値が前記第1の容量値よりも大きい充電データについて統計データを取得する統計取得手段と、
前記統計データを管理者端末装置に送信する通信手段を有することを特徴とする請求項3に記載の充電器管理装置。
【請求項10】
二次電池(充電式電池)搭載の乗り物向けの充電器の状態監視、利用者認証を行う充電器管理方法であって、
充電器の利用者識別番号と、充電器設置場所を識別するための充電スポットIDと、充電開始時刻と、充電開始時電池残量と、充電終了時電池残量と、の少なくともいずれか1の項目を有する充電データを取得する充電データ取得ステップと、
前記充電データを、前記少なくとも1つの項目により並び替え・分離(ソート)する充電データ並び替え分離ステップと、
項目別にどの順で充電スポットが利用されているかを算出する充電スポットID利用順序算出ステップと、
前記充電スポットID利用順序算出ステップの算出結果に基づいて、充電スポットがどの順番で連続して使用されているかを演算する充電スポット連続利用傾向演算ステップと、
演算結果をユーザの保持する利用者端末に配信する連続利用傾向配信ステップと、
を有することを特徴とする充電器管理方法。
【請求項11】
前記充電データ並び替え分離ステップは、
あらかじめ定めた一定時間ごとに、前記充電データを前記利用者識別番号ごとに分離し、充電開始時刻で並び替え、
前記充電スポットID利用順序算出ステップは、
どの順で充電スポットIDが利用されているかを全ての前記分離済みの充電データで計算し、
充電スポット連続利用傾向演算ステップは、
ある場所で充電した後次にどの場所で充電されることが多いかを表す充電スポット連続利用傾向を導出することを特徴とする請求項10に記載の充電器管理方法。
【請求項12】
さらに、充電スポット間の距離を取得する充電スポット間距離取得ステップを有し、
前記充電スポット連続利用傾向を導出する際に、一つ前の充電時の終了時電池残量と現在充電を行っている最中の開始時電池残量との差である第1の容量値と、充電器により走行できる最長航続距離と前記充電スポット間距離とから算出される充電スポット間最低必要電池容量である第2の容量値との比較を行い、前記第2の容量値が前記第1の容量値よりも大きい場合は充電データから除外する充電スポット除外ステップを有する
ことを特徴とする請求項10又は11に記載の充電器管理方法。
【請求項13】
前記第2の容量値が前記第1の容量値よりも大きい充電データについて統計データを取得する統計取得ステップと、
前記統計データを管理者端末装置に送信する通信ステップを有することを特徴とする請求項12に記載の充電器管理方法。
【請求項14】
請求項10から13までのいずれか1項に記載の充電器管理方法を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2013−37640(P2013−37640A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−175415(P2011−175415)
【出願日】平成23年8月10日(2011.8.10)
【出願人】(000233055)株式会社日立ソリューションズ (1,610)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月10日(2011.8.10)
【出願人】(000233055)株式会社日立ソリューションズ (1,610)
【Fターム(参考)】
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