説明

充電式超微細気泡発生装置

【課題】装置を小型化することができ、少ない電力で超微細気泡を発生することができる充電式超微細気泡発生装置を提供する。
【解決手段】充電型超微細気泡発生装置1は、据置部2と、移動部3とを具備し、据置部2は、水素発生装置11と、据置部用水素タンク13と、電力ケーブル14と、第一圧力センサ16と、据置部用制御装置18と、を有し、移動部3は、移動部用水素タンク31と、超微細気泡発生装置32と、充電電源33と、第二圧力センサ34と、移動部用制御装置37と、を有し、超微細気泡発生装置32は、移動部用水素タンク31と連結した気泡発生媒体45と、充電電源33で駆動する、気泡発生媒体45の表面を流れる水流を作り出す水流発生装置46と、を含み、気泡発生媒体45は、炭素で構成され、多数の孔45bが設けられた高密度複合体で構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電式超微細気泡発生装置の技術に関し、特に、据置部と、前記据置部に載置可能に構成され、水中で水素気泡を発生させる移動部とからなる充電式超微細気泡発生装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、浴槽などの水槽内に配置し、水中で気体を噴出することにより気泡を発生させる気泡発生装置が公知となっている。一例として、ポンプにより浴槽の湯が循環する浴槽湯循環装置の循環回路に、酸素富化装置からの高濃度酸素空気を加圧溶解して混入させ、浴槽内へ多量の気泡として噴出させる装置が公知となっている(特許文献1参照)。
【0003】
また、従来、水中で噴出する気体として水素を使用した装置が公知となっている。このように、浴湯中に水素を供給した風呂、いわゆる水素風呂は、抗老化作用の他、美容効果を発揮する風呂として近年注目されている。一例として、水素を浴槽内の浴湯中に供給する水素供給手段を備え、水素供給手段により浴槽内に水素を供給し、浴室内の水素濃度を4%以下に調節する水素気泡浴槽装置が公知となっている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−245747号公報
【特許文献2】特開2008−036331号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の気泡発生装置は、高圧で噴射しなければ微細な気泡を作り出すことができず、必然的に大型のポンプが必要となり、装置の大型化の原因になっていた。また、ポンプやコンプレッサを駆動するための電源となるバッテリも必然的に大型のバッテリが必要となっており、装置の大型化の原因となっていた。さらに、主に水中で使用する気泡発生装置に取付ける場合、漏電を防ぐために厳重な防水加工を施す必要があり、大型化の原因となり、また、コストが高騰する原因となっていた。また、装置自体が大型化することにより、装置を移動させることが困難となり、複数の場所で使用することができなかった。
また、水素を使用した場合に、従来技術のように気泡のサイズが大きいと水中に留まることができず、空気中に放出されるため、常に水素を送り込む必要があり、多量の水素を必要としていた。
【0006】
そこで、本発明は係る課題に鑑み、装置を小型化することができ、少ない電力で超微細気泡を発生することができる充電式超微細気泡発生装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、据置部と、前記据置部に載置可能に構成され、水中で水素気泡を発生させる移動部とを具備し、前記据置部は、水素を発生させる水素発生装置と、前記水素発生装置と連結した据置部用水素タンクと、前記水素発生装置に電力を供給する外部電源と接続し、出力部を含む電力ケーブルと、前記据置部用水素タンク内の圧力を検出する第一の圧力検出手段と、前記水素発生装置及び前記第一の圧力検出手段と接続する据置部用制御装置と、を有し、前記移動部は、前記据置部に前記移動部を載置しているとき、前記据置部用水素タンクと連結可能な移動部用水素タンクと、前記移動部用水素タンクと連結した超微細気泡発生装置と、前記据置部に前記移動部を載置しているとき、前記超微細気泡発生装置に電力を供給する前記電力ケーブルの出力部と連結可能な充電電源と、前記据置部用水素タンク内の圧力を検出する第二の圧力検出手段と、前記超微細気泡発生装置及び第二の圧力検出手段と接続する移動部用制御装置と、を有し、前記超微細気泡発生装置は、前記移動部用水素タンクと連結した気泡発生媒体と、前記充電電源で駆動する、気泡発生媒体の表面を流れる水流を作り出す水流発生装置と、を含み、前記気泡発生媒体は、炭素で構成され、多数の孔が設けられた高密度複合体で構成されているものである。
【0009】
請求項2においては、前記気泡発生媒体の孔は、直径数μm〜数十μmの孔であるものである。
【0010】
請求項3においては、前記充電電源は、12V以下の低電圧電源であるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0012】
請求項1においては、高密度複合体の多数の孔から多数の超微細気泡を発生させることができ、超微細気泡が発生した瞬間に液流によって気泡発生媒体から離間することにより、合体して大きな気泡になることを防ぐことができるため、簡易な方法で超微細気泡を発生させることができる。また、移動部用水素タンク内の圧力で水素を圧送することができるので、コンプレッサを使用する必要がない。そのため、超微細気泡の発生に必要な電力は、水流発生装置に使用する僅かな電力で済む。したがって、装置を小型化することができ、少ない電力で超微細気泡を発生することができる。
【0013】
請求項2においては、直径数百nm〜数十μmの超微細気泡を発生させることができる。直径数百nm〜数十μmの超微細気泡は、浮力が小さく水中に対流して存在する。そのため、水素を常に送り込む必要がなく移動部用水素タンクを小さく構成することができる。したがって、装置を小型化することができ、少ない電力で超微細気泡を発生することができる。
【0014】
請求項3においては、低電圧の電源であるので簡易な防水加工を施すだけでよく、装置を小型化することができ、また、コストを省くことができる。したがって、装置を小型化することができ、少ない電力で超微細気泡を発生することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係る充電型超微細気泡発生装置の全体的な構成を示した斜視図。
【図2】移動部及び据置部を示す斜視図。
【図3】充電型超微細気泡発生装置の構成を示すブロック図。
【図4】据置部用制御装置及び異動部用制御装置を示すブロック図。
【図5】気泡発生媒体の断面一部拡大図。
【図6】気泡発生媒体の断面一部拡大図。
【図7】移動部の使用状態を示す斜視図。
【図8】据置部用制御装置の制御方法を示すフローチャート図。
【図9】移動部用制御装置の制御方法を示すフローチャート図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、発明の実施の形態を説明する。なお、図1の矢印で示すように前後方向、左右方向、上下方向を定め、以下に述べる各部材の位置や方向等を説明する。
【0017】
充電型超微細気泡発生装置1は、図1及び図2に示すように、据置部2と、据置部2に載置可能に構成され、水中で水素気泡を発生させる移動部3とを具備する。
【0018】
まず、据置部2について、図1から図4を用いて説明する。
据置部2は、図3に示すように、水素を発生させる水素発生装置11と、発生した水素を圧送するための据置部用コンプレッサ12と、水素発生装置11と連結した据置部用水素タンク13と、水素発生装置11及びコンプレッサ12に電力を供給する外部電源100と接続し、出力部としての充電プラグ15を含む電力ケーブル14と、据置部用水素タンク13内の圧力を検出する第一の圧力検出手段としての第一圧力センサ16と、据置部用表示手段17と、据置部用制御装置18(図4参照)と、を有する。
【0019】
据置部2は、図1及び図2に示すように、正面視略「L」字状に構成されており、地面と略平行に形成された台座部分2aと台座部分2aの一端(本実施形態では左端)上面から上方へ突出した直立部分2bとから構成されている。台座部分2a及び直立部分2bは中空に構成されており、台座部分2a及び直立部分2bの内部に、水素発生装置11、コンプレッサ12、据置部用水素タンク13、電力ケーブル14、充電プラグ15、第一圧力センサ16、及び据置部用制御装置18が配置されている。
【0020】
水素発生装置11は、図3に示すように、据置部2の台座部分2aに設けられている。水素発生装置11は、例えば、水を電気分解して陰極に集まった水素を収集する装置である。なお、水素発生装置11の構成は限定するものではなく、例えば、メタンなどの炭化水素を電気分解する装置であっても良いし、空気中の水分を電気分解する装置であっても良い。
水素発生装置11の水素を収集して貯留する貯留部分は、コンプレッサ12及び据置部用水素タンク13と連結している。
【0021】
コンプレッサ12は、水素発生装置11の側方に配置されており、据置部2の台座部分2aに設けられている。コンプレッサ12は後述する外部電源100からの電力によって駆動し、水素発生装置11の前記貯留部分に収集された水素を据置部用水素タンク13へと圧送する。
【0022】
据置部用水素タンク13は、水素発生装置11の上方であって、据置部2の直立部分2bに設けられている。据置部用水素タンク13は、円筒状に形成されており、アルミニウムなどの金属で構成されている。本実施形態においては据置部用水素タンク13は、容量が略3リットルである。据置部用水素タンク13の下端は、水素発生装置11の前記貯留部分と連結されており、水素発生装置11から圧送された水素は、据置部用水素タンク13に貯留される。また、据置部用水素タンク13の上部には、吐出通路19が連結されており、吐出通路19の一端は据置部2の直立部分2bの上部表面に露出している。吐出通路19の一端は、移動部3を据置部2に載置したときに、後述する移動部用水素タンク31の第二連通管42の一端と連結する位置に設けられている。吐出通路19の中途部には、開閉弁20が設けられている。開閉弁20は、吐出通路19の一端と第二連通管42の一端とが連結したときのみ開かれる構成となっている。開閉弁20は、第二連通管42の一端が吐出通路19の一端と連結すると機械的に開く構成となっている。なお、開閉弁20は、据置部用制御装置18によって電気的に制御されることも可能である。
【0023】
電力ケーブル14は、例えばプラグを有する銅線であり、外部電源100と接続することができる。外部電源100は、電力ケーブル14を介して、水素発生装置11、コンプレッサ12、及び充電プラグ15に電力を供給する。
【0024】
充電プラグ15は、据置部2の直立部分2bの上部に設けられており、その上面は据置部2の表面に露出している。充電プラグ15は、移動部3を据置部2に載置したときに、後述する充電電源33の接続プラグ48と連結する位置に設けられている。
【0025】
第一圧力センサ16は、据置部用水素タンク13の内部に設けられており、据置部用水素タンク13に貯留された水素の圧力を検出する。
据置部用表示手段17は、図1及び図2に示すように、例えば液晶画面で構成されており、第一圧力センサ16が検出した据置部用水素タンク13の圧力の情報や警告情報等を表示する。
【0026】
据置部用制御装置18はCPUで構成されており、図4に示すように、水素発生装置11、コンプレッサ12、第一圧力センサ16、及び据置部用表示手段17に接続されている。
【0027】
次に、移動部3について図1から図4を用いて説明する。
移動部3は、図3に示すように、据置部2に移動部3を載置しているとき、据置部用水素タンク13と連結可能な移動部用水素タンク31と、移動部用水素タンク31と連結した超微細気泡発生装置32と、据置部2に移動部3を載置しているとき、超微細気泡発生装置に電力を供給する電力ケーブル14の充電プラグ15と連結可能な充電電源33と、据置部用水素タンク31内の圧力を検出する第二の圧力検出手段としての第二圧力センサ34と、移動部用表示手段35と、移動部用入力手段36と、移動部用制御装置37(図4参照)と、を有する。
【0028】
移動部3は、図1及び図2に示すように、正面視略「L」字を180度回転させた状態に構成されており、地面と略平行に形成された天井部分3aと、天井部分3aの一端(本実施形態では右端)下面から下方へ突出した垂下部分3bとから構成されている。天井部分3a及び垂下部分3bは中空に構成されており、天井部分3a及び垂下部分3bの内部に、移動部用水素タンク31、超微細気泡発生装置32、充電電源33、第二圧力センサ34、及び移動部用制御装置37が配置されている。また、天井部分3aの他端(本実施形態では左端)下面から引っ掛け部分3cが突設している。
【0029】
移動部用水素タンク31は、図3に示すように、移動部3の垂下部分3b上部に設けられている。移動部用水素タンク31は、円筒状に形成されており、アルミニウムなどの金属で構成されている。本実施形態においては移動部用水素タンク31は、容量が略3リットルである。移動部用水素タンク31の下端は、第一連通管40を介して超微細気泡発生装置32と連結されており、第一連通管40の中途部には、制御弁41が設けられている。また、移動部用水素タンク31の上部には、第二連通管42が設けられている。第二連通管42の一端は、移動部3の垂下部分3b側面(本実施形態においては左側側面)に露出しており、移動部3を据置部2に載置したときに、吐出通路19の一端と連結する位置に設けられている。
【0030】
超微細気泡発生装置32は、移動部用水素タンク31と連結した気泡発生媒体45と、充電電源33で駆動し、気泡発生媒体45の表面を流れる水流を作り出す水流発生装置46と、を有する。
超微細気泡発生装置32は、移動部用水素タンク31の下方であって、垂下部分3bの下部に設けられている。また、垂下部分3bの下部側面(本実施形態では右側側面)には気泡及び水流が通過する複数の放出孔3dが設けられている。
気泡発生媒体45は、柱状の部材であり、その長手方向が地面と略平行になるように配置されている。本実施形態においては、円柱状に形成されている。気泡発生媒体45は、図5及び図6に示すように、内部に空間45aを有しており、第一連通管40の端部は空間45aに連結されている。空間45aは、気泡発生媒体45の長手方向中途部まで設けられている。
【0031】
また、気泡発生媒体45は、炭素で構成され、直径数μm〜数十μmの多数の孔45bが設けられた高密度複合体で構成されている。気泡発生媒体45を構成する高密度複合体は導電体である。
【0032】
水流発生装置46は、図3に示すように、気泡発生媒体45の表面部45cに沿って、気泡発生媒体45によって放出される超微細気泡の放出方向に対して略直交する方向に向けて水流を発生させる装置である。本実施形態においては、水流発生装置46はモータを具備する回転翼とノズルとで構成されており、モータを駆動することにより回転翼を回転させて水流を起こし、ノズルから水を噴出することにより水流を発生させる。水流発生装置46は、気泡発生媒体45の側方(本実施形態においては左側)に設けられており、反対側の放出孔3dに向けて水流を発生させる。
【0033】
水流発生装置46によって発生させた水流は、図6(a)に示すように超微細気泡が孔45bから発生した瞬間に、図6(b)に示すように、超微細気泡が放出されている表面部45cを高速で通過することによって表面部45cから離間させる。
【0034】
これにより、図6(c)に示すように、表面部45cの超微細気泡は、後から発生する超微細気泡や周辺の孔45bから発生する超微細気泡と合体することなく単独で液中へ移動することとなる。このように構成することにより、簡易な方法で超微細気泡を発生させることができる。直径数十μmの超微細気泡は、浮力が小さく水中に対流して存在する。そのため、水素を常に送り込む必要がなく移動部用水素タンク31を小さく構成することができる。
【0035】
充電電源33は、図3に示すように、移動部3の天井部分3aに設けられている。充電電源33は、12Vの低圧電源であり、水流発生装置46に電力を供給する。充電電源33は、接続プラグ48を有しており、接続プラグ48は、移動部3の天井部分3aの下面に露出している。接続プラグ48は、移動部3を据置部2に載置したときに、充電プラグ15と連結する位置に設けられている。
【0036】
第二圧力センサ34は、移動部用水素タンク31の内部に設けられており、移動部用水素タンク31に貯留された水素の圧力を検出する。
移動部用表示手段35は、図1及び図2に示すように、例えば液晶画面で構成されており、第二圧力センサ34が検出した移動部用水素タンク31内の圧力の情報や警告情報等を表示する。
移動部用入力手段36は、図1及び図2に示すように、例えばスイッチで構成されており、操作者が移動部用入力手段36を操作することにより、運転状態と停止状態の切り替えが行われる。
【0037】
移動部用制御装置37は、CPUで構成されており、図4に示すように、第二圧力センサ34、移動部用表示手段35、移動部用入力手段36、制御弁41及び水流発生装置46に接続されている。
【0038】
次に、浴槽101内における水素発生方法について説明する。
まず、移動部3を据置部2に載置する。移動部3を据置部2に載置している間、据置部2の充電プラグ15に、移動部3の接続プラグ48が接続されており、充電電源33が充電される。また、水素発生装置11で発生した水素は、水素発生装置11の前記貯留部分から、コンプレッサ12により据置部用水素タンク13に圧送され、据置部用水素タンク13に貯留される。据置部用水素タンク13の圧力は上限が10kgf/cm2である。
そして、移動部3を据置部2に載置している間、移動部3の第二連通管42が据置部の吐出通路19と連結することにより、開閉弁20が開かれ、据置部用水素タンク13内と移動部用水素タンク31内との間の差圧によって、据置部用水素タンク13から移動部用水素タンク31へと水素が流入する。水素の流入は、据置部用水素タンク13内と移動部用水素タンク31内との間の差圧がなくなるまで続く。例えば、据置部用水素タンク13内の圧力が10kgf/cm2であって、移動部用水素タンク31内の圧力が0kgf/cm2であった場合、水素の流入は、据置部用水素タンク13内及び移動部用水素タンク31内の圧力が5kgf/cm2となるまで続く。
【0039】
充電電源33が充電され、移動部用水素タンク31に水素が貯留された状態で、図7に示すように、移動部3を浴槽101の壁面に設置する。この際、引っ掛け部分3cが浴槽101の壁面反対側に接触することにより、移動部3が浴槽101の壁面に固定される。移動部3の垂下部分3bは下部、特に放出孔3dの設けられた部分が浴湯中に位置している。
移動部用入力手段36が操作されて運転状態が選択されると、移動部用制御装置37は制御弁41を開く。制御弁41が開かれると移動部用水素タンク31内の水素は、移動部用水素タンク31内の圧力によって第一連通管40を介して移動部用水素タンク31から気泡発生媒体45の空間45a内へと圧送される。ここで圧送される水素の量は50〜100cc/minであるように制御弁41の開放量を調整する。
【0040】
気泡発生媒体45の空間45a内の水素は多数の孔45bを通って気泡発生媒体45の表面部45cへ移動し超微細気泡となる。気泡発生媒体45の表面部45cに発生した気泡は水流発生装置46によって発生させた水流によって離間する。このように構成することにより、合体して大きな気泡になることを防ぐことができ、簡易な方法で超微細気泡を発生させることができる。離間した気泡は水流と共に放出孔3dから浴槽101の浴湯中へと放出される。
浴槽101内での移動部3の使用が終了した後、移動部3を据置部2に載置する。
【0041】
次に、据置部用制御装置18による制御について図8を用いて説明する。
まず、据置部用制御装置18は、水素発生装置11を駆動させ、コンプレッサ12を駆動させる(ステップS10)。次に、据置部用制御装置18は、第一圧力センサ16により検出された据置部用水素タンク13内の圧力p1が所定の値P1以上であるか否かについて判断する(ステップS20)。ここで、本実施形態においては、P1は10kgf/cm2である。圧力p1が所定の値P1以上であった場合には、据置部用表示手段17に警告画面を表示し(ステップS30)、水素発生装置11を停止し、コンプレッサ12を停止させる(ステップS40)。圧力p1が所定の値P1よりも小さかった場合には、引き続き水素発生装置11を駆動させ、コンプレッサ12を駆動させた状態で再びステップS20に戻る。
【0042】
次に、移動部用制御装置37による制御弁41の制御について図9を用いて説明する。
移動部用制御装置37は、制御弁41を開く(ステップS110)。次に、移動部用制御装置37は、第二圧力センサ34により検出された移動部用水素タンク31内の圧力p2が所定の値P2以下であるか否かについて判断する(ステップS120)。圧力p2が所定の値P2以下であった場合には、制御弁41を閉める(ステップS130)。圧力p2が所定の値P2よりも大きかった場合には引き続き制御弁41を開けた状態で再びステップS120に戻る。
【0043】
なお、気泡発生媒体45の形状は本実施形態に限定するものではなく、例えば板状に形成することや、錘状に形成することも可能である。
また、本発明においては水素を使用した充電式超微細気泡発生装置1について記載しているが、水素発生装置11を空気ポンプに置換することにより、空気を使用することも可能であるし、水素発生装置11をオゾン発生装置に置換することにより、オゾンを使用することも可能である。
【0044】
以上のように、充電型超微細気泡発生装置1は、据置部2と、据置部2に載置可能に構成され、水中で水素気泡を発生させる移動部3とを具備し、据置部2は、水素を発生させる水素発生装置11と、水素発生装置と連結した据置部用水素タンク13と、水素発生装置11に電力を供給する外部電源100と接続し、充電プラグ15を含む電力ケーブル14と、据置部用水素タンク13内の圧力を検出する第一圧力センサ16と、水素発生装置11及び第一圧力センサ16と接続する据置部用制御装置18と、を有し、移動部3は、据置部2に移動部3を載置しているとき、据置部用水素タンク13と連結可能な移動部用水素タンク31と、移動部用水素タンク31と連結した超微細気泡発生装置32と、据置部3に移動部2を載置しているとき、超微細気泡発生装置32に電力を供給する電力ケーブル14の充電プラグ15と連結可能な充電電源33と、据置部用水素タンク31内の圧力を検出する第二圧力センサ34と、超微細気泡発生装置32及び第二圧力センサ34と接続する移動部用制御装置37と、を有し、超微細気泡発生装置32は、移動部用水素タンク31と連結した気泡発生媒体45と、充電電源33で駆動する、気泡発生媒体45の表面を流れる水流を作り出す水流発生装置46と、を含み、気泡発生媒体45は、炭素で構成され、多数の孔45bが設けられた高密度複合体で構成されているものである。
このように構成することにより、高密度複合体の多数の孔45bから多数の超微細気泡を発生させることができ、超微細気泡が発生した瞬間に液流によって気泡発生媒体45から離間することにより、合体して大きな気泡になることを防ぐことができるため、簡易な方法で超微細気泡を発生させることができる。また、移動部用水素タンク31内の圧力で水素を圧送することができるので、コンプレッサを使用する必要がない。そのため、超微細気泡の発生に必要な電力は、水流発生装置46に使用する僅かな電力で済む。したがって、装置を小型化することができ、少ない電力で超微細気泡を発生することができる。
【0045】
また、気泡発生媒体45の孔45bは、直径数μm〜数十μmの孔である。
このように構成することにより、直径数十μmの超微細気泡を発生させることができる。直径数十μmの超微細気泡は、浮力が小さく浴湯中に対流して存在する。そのため、水素を常に送り込む必要がなく移動部用水素タンク31を小さく構成することができる。したがって、装置を小型化することができ、少ない電力で超微細気泡を発生することができる。また、装置を小型化したことにより、容易に移動させることが可能となり、一つの充電型超微細気泡発生装置を複数の浴槽に使用することが可能となる。
【0046】
また、充電電源33は、12V以下の低電圧電源である。
このように構成することにより、低電圧の電源であるので簡易な防水加工を施すだけでよく、装置を小型化することができ、また、コストを省くことができる。したがって、装置を小型化することができ、少ない電力で超微細気泡を発生することができる。
【符号の説明】
【0047】
1 充電型超微細気泡発生装置
2 載置部
3 移動部
11 水素発生装置
12 コンプレッサ
13 据置部用水素タンク
14 電力ケーブル
15 充電プラグ
16 第一圧力センサ
17 据置部用表示手段
18 据置部用制御装置
20 開閉弁
31 移動部用水素タンク
32 超微細気泡発生装置
33 充電電源
34 第二圧力センサ
35 移動部用表示手段
36 移動部用入力手段
37 移動部用制御装置
41 制御弁
45 気泡発生媒体
45b 孔
46 水流発生装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
据置部と、前記据置部に載置可能に構成され、水中で水素気泡を発生させる移動部とを具備し、
前記据置部は、
水素を発生させる水素発生装置と、
前記水素発生装置と連結した据置部用水素タンクと、
前記水素発生装置に電力を供給する外部電源と接続し、出力部を含む電力ケーブルと、
前記据置部用水素タンク内の圧力を検出する第一の圧力検出手段と、
前記水素発生装置及び前記第一の圧力検出手段と接続する据置部用制御装置と、を有し、
前記移動部は、
前記据置部に前記移動部を載置しているとき、前記据置部用水素タンクと連結可能な移動部用水素タンクと、
前記移動部用水素タンクと連結した超微細気泡発生装置と、
前記据置部に前記移動部を載置しているとき、前記超微細気泡発生装置に電力を供給する前記電力ケーブルの出力部と連結可能な充電電源と、
前記据置部用水素タンク内の圧力を検出する第二の圧力検出手段と、
前記超微細気泡発生装置及び第二の圧力検出手段と接続する移動部用制御装置と、を有し、
前記超微細気泡発生装置は、
前記移動部用水素タンクと連結した気泡発生媒体と、
前記充電電源で駆動する、気泡発生媒体の表面を流れる水流を作り出す水流発生装置と、を含み、
前記気泡発生媒体は、炭素で構成され、多数の孔が設けられた高密度複合体で構成されている
充電式超微細気泡発生装置。
【請求項2】
前記気泡発生媒体の孔は、直径数μm〜数十μmの孔である
請求項1に記載の充電式超微細気泡発生装置。
【請求項3】
前記充電電源は、12V以下の低電圧電源である
請求項1または請求項2に記載の充電式超微細気泡発生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−75744(P2012−75744A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−224962(P2010−224962)
【出願日】平成22年10月4日(2010.10.4)
【出願人】(508231256)株式会社西研デバイズ (8)
【出願人】(504077308)
【Fターム(参考)】