説明

充電施設利用支援装置及び方法、車両ナビゲーション装置及び方法

【課題】個々の充電施設の利用率の偏りを低減させる。
【解決手段】管理サーバの記憶部に記憶されている充電施設DBには、個々の充電施設毎に、場所や利用率、併設施設の情報、充電施設を利用した場合に利用者に適用される優遇の内容等の情報が登録されており、優遇の内容については、より利用率の低い充電施設が利用されるに従い、優遇の度合いが高くなるように定められている。充電施設DBの情報は、VICSシステムを介して個々の車両の車両ナビゲーション装置へ送信され、車両ナビゲーション装置では、受信した情報に基づき、最短ルートに対して所定距離以内に存在し、利用率が低い(優遇の度合いが高い)充電装置を経由する推奨ルートを探索し、探索で得られた推奨ルートを表示部に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は充電施設利用支援装置及び方法、車両ナビゲーション装置及び方法に係り、特に、利用者による充電施設の利用を支援する情報を提供する充電施設利用支援装置、該充電施設利用支援装置に適用可能な充電施設利用支援方法、利用者による充電施設の利用を支援する情報を表示部に表示する車両ナビゲーション装置、及び、車両ナビゲーション装置に適用可能な車両ナビゲーション方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ある車両から充電場所を予約しようとした場合に、最新の交通情報を用いて充電スタンドの到着予定時刻および到着するためのルートを計算し、到着するためのルートを車載情報システムを用いてユーザに提示し、実際の到着時刻が到着予定時刻と大きく異なることが判明した場合に予約時刻の修正もしくは予約取り消し処理を行うことで、充電スタンドの効率的な運用を可能にしつつ車両から充電スタンドの予約を可能とする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−230615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、COの更なる削減のために電気自動車の普及が期待されている。但し、充電施設はインフラとして広く普及するに至っておらず、現状の技術では航続距離が比較的短い電気自動車を普及させるためには、充電施設がガソリンスタンドを上回る密度で多数設置されることが必要不可欠である。しかしながら、充電施設の利用率はガソリンスタンドと同様に立地に左右され、特定の充電施設(例えば幹線道路沿いに設置された充電施設)に利用が集中することが予想される。そして、特定の充電施設に利用が集中することが予想される場合、充電施設の新設が進まないという懸念がある。また、現状の技術では電気自動車の蓄電池の充電に比較的長い時間を要することから、特定の充電施設に利用が集中した場合、利用が集中した充電施設が非常に混雑することで利用者の利便性が損なわれる恐れも生ずる。
【0005】
これに対して特許文献1に記載の技術は、充電施設の利用の予約及び予約取り消しを車両から行うことを可能とすることで、充電施設の効率的な運用を可能とするものであり、個々の充電施設の利用率の偏りを低減させることについて何ら考慮されていない。
【0006】
本発明は上記事実を考慮して成されたもので、充電施設のネットワーク連携により、利用者が利用した充電施設の利用率に応じた特典を利用者に付与することによって、利用率の低い充電施設の活用及び利用率が高い充電施設の混雑を抑制できる充電施設利用支援装置、充電施設利用支援方法、車両ナビゲーション装置及び車両ナビゲーション方法を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明に係る充電施設利用支援装置は、車両に搭載された蓄電池を充電する充電装置が各々設置された複数の充電施設の情報として、少なくとも、個々の前記充電施設の場所及び利用率と、前記充電施設の利用率が低くなるに従って優遇の度合いが高くなるように設定された、個々の前記充電施設が利用された場合の前記充電施設、或いは、前記充電施設と提携している施設又はサービスの利用における優遇の内容と、を含む充電施設情報を記憶する第1記憶手段と、少なくとも、個々の前記充電施設の場所及び個々の前記充電施設が利用された場合の前記優遇の内容が、利用者側の装置の表示部に表示されるように、前記第1記憶手段に記憶された前記充電施設情報を前記利用者側の装置へ配信する配信手段と、複数の前記充電施設のうちの何れかが利用者によって利用される度に、前記利用者が利用した前記充電施設に対応する内容の前記優遇を受ける権利を前記利用者が有することを表す優遇情報を、前記利用者の識別情報と対応付けて第2記憶手段に記憶させる処理を行う処理手段と、を含んで構成されている。
【0008】
請求項1記載の発明では、車両に搭載された蓄電池を充電する充電装置が各々設置された複数の充電施設の情報として、少なくとも、個々の充電施設の場所及び利用率と、充電施設の利用率が低くなるに従って優遇の度合いが高くなるように設定された、個々の充電施設が利用された場合の充電施設、或いは、充電施設と提携している施設又はサービスの利用における優遇の内容と、を含む充電施設情報が第1記憶手段に記憶されている。また配信手段は、少なくとも、個々の充電施設の場所及び個々の充電施設が利用された場合の前記優遇の内容が利用者側の装置の表示部に表示されるように、第1記憶手段に記憶された充電施設情報を利用者側の装置へ配信する。
【0009】
これにより、利用者は、表示部に表示された情報を視認することで、個々の充電施設の場所を認識できると共に、個々の充電施設が利用された場合に、充電施設、或いは、充電施設と提携している施設又はサービスの利用における優遇の内容を認識できる。なお、利用者側の装置は、表示部を備え充電施設情報を受信する機能を備えた装置であればよく、請求項2に記載した車両ナビゲーション装置、利用者が所持している携帯端末やPC(Personal Computer)等の何れであってもよい。また、充電施設と提携している施設としては、例えば充電施設に併設された商業施設が好適であり、充電施設と提携しているサービスとしては、例えばポイントサービスが好適である。
【0010】
そして処理手段は、複数の充電施設のうちの何れかが利用者によって利用される度に、前記利用者が利用した充電施設に対応する内容の前記優遇を受ける権利を前記利用者が有することを表す優遇情報を、前記利用者の識別情報と対応付けて第2記憶手段に記憶させる処理を行う。これにより、利用者が、充電施設、或いは、充電施設と提携している施設又はサービスを利用する際には、利用者が先に利用した充電施設に対応する内容の優遇が適用されることになる。
【0011】
上記のように、請求項1記載の発明では、個々の充電施設が利用された場合の充電施設、或いは、充電施設と提携している施設又はサービスの利用における優遇の内容が、充電施設の利用率が低くなるに従って優遇の度合いが高くなるように設定されている。このため、前記優遇の度合いを充電施設の利用率に拘わらず一定とした場合や、前記優遇を行わない場合と比較して、優遇の度合いがより高い優遇を受けることを目的として、利用率の低い充電施設の利用を所望する利用者の割合を増加させることができる。従って、請求項1記載の発明によれば、充電施設のネットワーク連携により、利用者が利用した充電施設の利用率に応じた特典を利用者に付与することによって、利用率の低い充電施設の活用及び利用率が高い充電施設の混雑を抑制できる。
【0012】
なお、請求項1記載の発明において、配信手段は、例えば請求項2に記載したように、少なくとも個々の充電施設の場所及び個々の充電施設が利用された場合の前記優遇の内容が、利用者側の装置としての、充電施設の利用者が乗車する車両に搭載された車両ナビゲーション装置の表示部に表示されるように、充電施設情報を車両ナビゲーション装置へ配信する構成を採用してもよい。既存の車両ナビゲーション装置は、その殆どがVICS(Vehicle Information and Communication System)の情報を受信する機能を備えており、配信手段を、VICSの情報に付加して充電施設情報を車両へ配信する構成とすることで、利用者側の装置としての車両ナビゲーション装置の構成変更を殆ど必要とすることなく、車両ナビゲーション装置へ充電施設情報を配信することができる。
【0013】
また、請求項1又は請求項2記載の発明において、例えば請求項3に記載したように、優遇情報は、前記優遇の度合いを得点で表し、複数の充電施設のうちの何れかが利用者によって利用される度に、利用者によって利用された充電施設の利用率に応じて設定された得点が、利用者の識別情報と対応付けて既に記憶されている優遇情報が表す得点に積算される情報であり、第2記憶手段に記憶された優遇情報は、充電施設、或いは、充電施設と提携している施設又はサービスが利用者によって利用される際に参照され、優遇情報が表す得点の大きさに応じて前記利用が優遇されるようにしてもよい。この場合、優遇度合いを表す得点が、個々の利用者による充電施設の利用実績及び利用した個々の充電施設の利用率に応じて積算されることになる。このため、個々の利用者による充電施設、或いは、充電施設と提携している施設又はサービスの利用を、個々の利用者による充電施設の利用実績も考慮した優遇の度合いで優遇することができる。
【0014】
また、請求項1〜請求項3の何れか1項記載の発明において、例えば請求項4に記載したように、第1記憶手段に記憶されている充電施設情報には、個々の充電施設の充電能力、時間帯毎の混雑予想及び商業施設併設の有無のうちの少なくとも1つも含まれており、個々の充電施設の充電能力、時間帯毎の混雑予想及び商業施設併設の有無のうちの少なくとも1つも利用者側の装置の表示部に表示されるように構成してもよい。この場合、利用者は、利用者側の装置の表示部に表示された個々の充電施設の充電能力、時間帯毎の混雑予想及び商業施設併設の有無のうちの少なくとも1つも考慮して、利用する充電施設を選択することが可能となる。
【0015】
また、請求項2記載の発明において、例えば請求項5に記載したように、利用者側の装置から情報を受信する第1受信手段と、充電施設情報として第1記憶手段に情報が記憶されている複数の充電施設のうち、利用率が所定値以下で、かつ第1受信手段が利用者側の装置より各々受信した車両の出発地位置又は現在地位置から車両の目的地位置へ至る最短ルートに対して所定距離以内の充電施設を選択し、選択した充電施設を経由して出発地位置又は現在地位置から目的地位置へ至る推奨ルートを探索する第1探索手段を更に備え、配信手段は、第1探索手段によって探索された推奨ルートが利用者側の装置の表示部に表示されるように、推奨ルートを表す情報も利用者側の装置へ配信するように構成してもよい。
【0016】
これにより、利用者は、出発地位置又は現在地位置と目的地位置とが比較的離れている場合にも、利用者側の装置の表示部を参照することで、利用率が所定値以下の充電施設を経由して出発地位置又は現在地位置から目的地位置へ至る推奨ルートを認識することができる。この推奨ルートで経由する充電施設は利用率が所定値以下の充電施設であるので、利用者は、当該充電施設を利用した場合、充電施設、或いは、充電施設と提携している施設又はサービスの利用において比較的高い優遇の度合いで優遇を受けられる。また、上記の推奨ルートで経由する充電施設は最短ルートに対して所定距離以内の充電施設であるので、推奨ルートに沿って車両を走行させた場合に走行距離が過度に増大することも抑制される。
【0017】
請求項6記載の発明に係る車両ナビゲーション装置は、請求項1〜請求項4の何れか1項記載の充電施設利用支援装置の前記配信手段から配信された前記充電施設情報を受信する第2受信手段と、前記第2受信手段によって受信された前記充電施設情報に基づき、個々の前記充電施設の場所及び個々の前記充電施設が利用された場合の前記優遇の内容を表示部に表示させる表示制御手段と、を含んで構成されている。
【0018】
請求項6記載の発明では、請求項1〜請求項4の何れか1項記載の充電施設利用支援装置の配信手段から配信された充電施設情報が第2受信手段によって受信され、個々の充電施設の場所及び個々の充電施設が利用された場合の前記優遇の内容が表示制御手段によって表示部に表示される。これにより、請求項1記載の発明と同様に、利用率の低い充電施設の利用を所望する利用者の割合を増加させることができ、充電施設のネットワーク連携により、利用者が利用した充電施設の利用率に応じた特典を利用者に付与することによって、利用率の低い充電施設の活用及び利用率が高い充電施設の混雑を抑制できる。
【0019】
また、請求項6記載の発明において、例えば請求項7に記載したように、車両の現在位置を検出する検出手段と、第2受信手段によって受信された充電施設情報に情報が含まれる複数の充電施設のうち、利用率が所定値以下で、かつ検出手段によって検出された現在位置から入力部を介して入力された車両の目的地位置へ至る最短ルートに対して所定距離以内の充電施設を選択し、選択した充電施設を経由して現在地位置から目的地位置へ至る推奨ルートを探索する第2探索手段と、を更に備え、表示制御手段は、第2探索手段によって探索された推奨ルートを表示部に表示させるように構成してもよい。
【0020】
これにより、請求項5記載の発明と同様に、利用者は、現在地位置と目的地位置とが比較的離れている場合にも、利用者側の装置の表示部を参照することで、利用率が所定値以下の充電施設を経由して現在地位置から目的地位置へ至る推奨ルートを認識することができる。この推奨ルートで経由する充電施設は利用率が所定値以下の充電施設であるので、利用者は、当該充電施設を利用した場合、充電施設、或いは、充電施設と提携している施設又はサービスの利用において比較的高い優遇の度合いで優遇を受けられる。また、上記の推奨ルートで経由する充電施設は最短ルートに対して所定距離以内の充電施設であるので、推奨ルートに沿って車両を走行させた場合に走行距離が過度に増大することも抑制される。
【0021】
請求項8記載の発明に係る充電施設利用支援方法は、第1記憶手段は、車両に搭載された蓄電池を充電する充電装置が各々設置された複数の充電施設の情報として、少なくとも、個々の前記充電施設の場所及び利用率と、前記充電施設の利用率が低くなるに従って優遇の度合いが高くなるように設定された、個々の前記充電施設が利用された場合の前記充電施設、或いは、前記充電施設と提携している施設又はサービスの利用における優遇の内容と、を含む充電施設情報を記憶し、配信手段は、少なくとも、個々の前記充電施設の場所及び個々の前記充電施設が利用された場合の前記優遇の内容が前記利用者側の装置の表示部に表示されるように、前記第1記憶手段に記憶された前記充電施設情報を前記利用者側の装置へ配信し、処理手段は、複数の前記充電施設のうちの何れかが利用者によって利用される度に、前記利用者が利用した前記充電施設に対応する内容の前記優遇を受ける権利を前記利用者が有することを表す優遇情報を、前記利用者の識別情報と対応付けて第2記憶手段に記憶させる処理を行うので、請求項1記載の発明と同様に、充電施設のネットワーク連携により、利用者が利用した充電施設の利用率に応じた特典を利用者に付与することによって、利用率の低い充電施設の活用及び利用率が高い充電施設の混雑を抑制できる。
【0022】
請求項9記載の発明に係る車両ナビゲーション方法は、第2受信手段は、請求項1〜請求項4の何れか1項記載の充電施設利用支援装置の前記配信手段から配信された前記充電施設情報を受信し、表示制御手段は、前記第2受信手段によって受信された前記充電施設情報に基づき、個々の前記充電施設の場所及び個々の前記充電施設が利用された場合の前記優遇の内容を表示部に表示させるので、請求項6記載の発明と同様に、充電施設のネットワーク連携により、利用者が利用した充電施設の利用率に応じた特典を利用者に付与することによって、利用率の低い充電施設の活用及び利用率が高い充電施設の混雑を抑制できる。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように本発明は、複数の充電施設の情報として、少なくとも、個々の充電施設の場所及び利用率と、充電施設の利用率が低くなるに従って優遇の度合いが高くなるように設定された、個々の充電施設が利用された場合の充電施設、或いは、充電施設と提携している施設又はサービスの利用における優遇の内容と、を含む充電施設情報を記憶し、少なくとも、個々の充電施設の場所及び個々の充電施設が利用された場合の前記優遇の内容が利用者側の装置の表示部に表示されるように充電施設情報を利用者側の装置へ配信し、複数の充電施設のうちの何れかが利用者によって利用される度に、利用者が利用した充電施設に対応する内容の優遇を受ける権利を利用者が有することを表す優遇情報を利用者の識別情報と対応付けて記憶させるので、充電施設のネットワーク連携により、利用者が利用した充電施設の利用率に応じた特典を利用者に付与することによって、利用率の低い充電施設の活用及び利用率が高い充電施設の混雑を抑制できる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】実施形態で説明した充電施設管理システムの概略構成を示すブロックである。
【図2】管理サーバによる充電施設情報配信処理の内容を示すフローチャートである。
【図3】車両ナビゲーション装置によるルート探索処理の内容を示すフローチャートである。
【図4】車両ナビゲーション装置における推奨ルート、推奨ルート上及びその周辺の充電施設の情報の表示例を示すイメージ図である。
【図5】管理サーバによるルート問い合わせ時処理の内容を示すフローチャートである。
【図6】管理サーバによる優遇情報管理処理の内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。図1には本実施形態に係る充電施設管理システム10が示されている。充電施設管理システム10はネットワーク14に接続された管理サーバ12を備えている。
【0026】
管理サーバ12はCPU12A、メモリ12B、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリから成る不揮発性の記憶部12C及び通信I/F(インタフェース)部12Dを備えており、通信I/F部12Dがネットワーク14に接続されている。記憶部12Cには充電施設DB(データベース)16及び優遇情報DB18が予め記憶されている。充電施設DB16には、車両に搭載された蓄電池を充電する充電装置が各々設置された複数の充電施設20の情報が各々登録されている。また優遇情報DB18には、充電施設20を利用する個々の利用者毎に優遇情報が登録されている。なお、記憶部12Cは第1記憶手段の一例である。
【0027】
記憶部12Cには、管理サーバ12で後述する充電施設情報配信処理やルート問い合わせ時処理、優遇情報管理処理の各処理を行うための充電施設利用管理プログラムも予め記憶されている。管理サーバ12は、CPU12Aが充電施設利用管理プログラムを実行することで、本発明に係る充電施設利用支援装置の一例として機能する。
【0028】
充電施設DB16に情報が登録された充電施設20には端末装置22が設置され、この端末装置22もネットワーク14に接続されている。また、充電施設DB16に情報が登録された充電施設20の中には、例えばレストランやコンビニエンス・ストア、スーパーマーケット、デパート等の商業施設等のように、利用者が利用可能な他の施設が併設された充電施設20が存在している。図1はこのような他の施設を併設施設24として示している。充電施設20に併設された併設施設24にも端末装置26が設置されており、この端末装置26もネットワーク14に接続されている。端末装置22,26としては、例えばPCやPOS(Point Of Sales system)端末等が適用される。端末装置22,26はネットワーク14を介して管理サーバ12と通信可能とされている。
【0029】
また、充電施設20を利用する利用者が乗車し、充電施設20で蓄電池が充電される車両(例えば電気自動車)には車両ナビゲーション装置30が搭載されている。車両ナビゲーション装置30は制御部32を備え、制御部32はCPU32A、メモリ32B、不揮発性の記憶部32Cを備えている。記憶部32Cには、制御部32で後述するルート探索処理等の処理を行うためのナビゲーション・プログラムと、ルート探索処理等で参照される地図情報と、が予め各々記憶されている。
【0030】
また、車両ナビゲーション装置30は、VICS情報受信部34、GPS(Global Positioning System)情報受信部36、ジャイロセンサ38及び表示部40を備えている。VICS情報受信部34は、後述するVICSシステム42のビーコン44から送信されたVICS情報(後述)を受信する。GPS情報受信部36は車両の現在位置(緯度・経度・高度)を検出するためのGPS情報をGPS衛星から受信する。ジャイロセンサ38は車両の角速度を検出する。ジャイロセンサ38の検出結果は、GPS情報受信部36がGPS情報を受信できない状況での車両の現在位置の検出(自立航法)に用いられる。また、表示部40は制御部32によって各種の情報が表示される。
【0031】
なお、車両ナビゲーション装置30は、本発明に係る車両ナビゲーション装置及び請求項1等に記載の利用者側の装置の一例である。また、VICS情報受信部34は第2受信手段の一例である。なお、GPS情報又はジャイロセンサ38の検出結果に基づく車両の現在位置の検出は、請求項7記載の検出手段による車両の現在位置の検出の一例である。
【0032】
また、ネットワーク14にはVICSシステム42が接続されている。VICSシステム42は、道路上の多数箇所に設置され道路を通行する車両へ電波又は光によって情報を送信する多数台のビーコン44(図1ではビーコン群44と表記)を備えている。VICSシステム42は、渋滞や通行止めの有無や区間、所要時間等の交通状況を収集し、収集した情報をビーコン44を介してVICS情報として送信する。ビーコン44から送信されたVICS情報は車両ナビゲーション装置30のVICS情報受信部34で受信される。
【0033】
また、充電施設20を利用する利用者によって所持される携帯端末46は、制御部46A、表示部46B及び送受信部46Cを備えている。携帯端末46はネットワーク14を介して管理サーバ12と通信可能とされている。また、携帯端末46も請求項1等に記載の利用者側の装置の一例である。
【0034】
次に本実施形態の作用を説明する。先にも述べたように、航続距離が比較的短い電気自動車の普及のために、多数の充電施設20が新設されることが望まれている。
【0035】
ここで、例えばレストラン等の商業施設については、充電施設20を併設することで、充電施設20の利用者が商業施設も利用することにより、商業施設の利用者が増加する可能性がある。また、例えば工場については、夜間等の時間帯に使用されていない駐車場等に充電施設20を設置し、不特定の利用者による利用を可能とすることで、夜間等の時間帯に駐車場等を有効に活用することが可能となる。更に、例えば居住者による利用を目的として充電施設20が設置されたマンション等の集合住宅についても、居住者が充電施設20を利用していない空き時間に不特定の利用者による充電施設20の利用を可能とすることで、充電施設20の有効活用が可能となる。
【0036】
一方、行政の側からしても、不特定の利用者が利用可能な充電施設20が地域に多数設置されていることは、地域住民の利便性向上、地域の活性化に繋がる。このため、本実施形態において、行政は、既存の商業施設や工場、集合住宅等の施設を経営する経営者に対し、充電施設20を新設したり、特定の利用者のための充電施設20を不特定の利用者に開放するようにした場合に、例えば税金面で優遇する等の施策を講ずる。これにより、既存施設に新たに充電施設20が併設されたり、特定の利用者のために設置された充電施設20が不特定の利用者に開放されることが促進される。
【0037】
また行政は、商業施設や工場、集合住宅等の施設を地域に新たに設置しようとしている経営者に対しても、充電施設20の併設を要請すると共に、その目標容量を通知し、通知した目標容量の充電施設20が併設された場合には、例えば税金面で優遇する等の施策を講ずる。これにより、地域に新たな施設が設置される場合に、比較的容量の大きな充電施設20が併設されることが促進される。
【0038】
但し、充電施設20の利用率はガソリンスタンドと同様に立地によって左右され、例えば幹線道路沿いに設置された充電施設20等の一部の充電施設20に利用が集中することが予想される。そして、一部の充電施設20への利用集中が予想されることで、充電施設20の建設費用を回収できない可能性があったり、収益が上がらない可能性があることから、充電施設の新設や不特定の利用者への充電施設20の開放が進まないのではないかとの懸念が生ずる。
【0039】
本実施形態に係る充電施設管理システム10は、上記の懸念に鑑み、個々の充電施設20の利用率の偏りを低減させることを目的として設置されており、管理サーバ12の記憶部12Cに記憶されている充電施設DB16には、各地の行政が把握している、不特定の利用者が利用可能な全ての充電施設20の情報が登録されている。以下、管理サーバ12や車両ナビゲーション装置30で行われる各種処理について、順に説明する。
【0040】
管理サーバ12は、例えば充電施設20の新設等に伴って充電施設DB16に登録されている充電施設情報が更新される度に、図2に示す充電施設情報配信処理を行う。なお、この充電施設情報配信処理は、配信手段による処理の一例である。充電施設情報配信処理のステップ50において、管理サーバ12は、充電施設DB16に登録されている充電施設情報を記憶部12Cから読み出す。なお、充電施設DB16に登録されている充電施設情報は、個々の充電施設20毎に、次の表1に示すように、場所、充電容量、充電装置台数、利用条件、平均利用率、時間帯毎の利用率、併設施設情報、利用時適用優遇内容等の各項目の情報を含んでいる。
【0041】
【表1】

【0042】
なお、表1に示す充電施設情報のうちの「利用時適用優遇内容」には、充電施設20を利用した利用者に対する優遇の内容を表す情報が設定される。本実施形態では、充電施設20を利用した利用者に対し、充電施設20と提携する他の施設(例えば併設施設24)で利用可能なポイントを付与することで、充電施設20の利用を優遇している。本実施形態では、個々の充電施設20の「利用時適用優遇内容」として、利用する充電施設20の利用率が低くなるに従って利用者に対する優遇の度合いが高く(付与ポイントが高く)なるように、ポイント付与割合(例えば係数)が設定されている。
【0043】
次のステップ52において、管理サーバ12は、記憶部12Cから読み出した充電施設情報を、VICSシステム42の個々のビーコン44で送信する充電施設情報へ分割して編集する。VICSシステム42の個々のビーコン44は、個々のビーコン44からVICS情報として送信される交通状況の地域範囲が予め定められている。管理サーバ12は、個々のビーコン44から送信されるVICS情報に、当該VICS情報の対象地域範囲と同一の地域範囲内に存在する充電施設20の情報が付加されて個々のビーコン44から送信されるように、充電施設情報の分割・編集を行う。
【0044】
そしてステップ54において、管理サーバ12は、個々のビーコン44から送信するための充電施設情報をVICSシステム42へ送信する。これにより、VICSシステム42の個々のビーコン44からは、予め定められた地域範囲の交通状況を表すVICS情報と、前記地域範囲内に存在する各充電施設20の充電施設情報と、が各々送信される。そして、個々のビーコン44から送信されたVICS情報及び充電施設情報は、個々のビーコン44の設置箇所を通過した車両に搭載された車両ナビゲーション装置30のVICS情報受信部34で各々受信され、記憶部32Cに記憶される。
【0045】
なお、VICSシステム42では、VICS情報をビーコン44から送信する以外に、FM(Frequency Modulation)多重放送でも送信しており、充電施設情報はVICS情報と共にFM多重放送で送信させるようにしてもよい。
【0046】
ビーコン44からVICS情報及び充電施設情報を受信した車両ナビゲーション装置30は、車両に乗車している利用者から走行ルートの探索が指示されると、図3に示すルート探索処理を行う。なお、このルート探索処理は第2探索手段及び表示制御手段による処理の一例である。
【0047】
ルート探索処理のステップ60において、車両ナビゲーション装置30の制御部32は、GPS情報受信部36がGPS衛星から受信したGPS情報又はジャイロセンサ38が検出した車両の角速度に基づいて自装置で検出した、自車両の現在位置を表す情報を取得する。次のステップ62において、制御部32は、ステップ60で取得した自車両の現在位置から、利用者によって設定された自車両の目的地位置へ至る最短ルートを、記憶部32Cに記憶されている地図情報を参照して探索する。なお、上記の最短ルートは、走行距離最小のルートでもよいし、VICS情報も加味して判定される所要時間最短のルートでもよい。
【0048】
ステップ64において、制御部32は、車両ナビゲーション装置30の走行ルート表示モードが推奨ルート表示モードか否か判定する。車両ナビゲーション装置30は、走行ルート表示モードとして、目的地への最短ルートを表示する最短ルート表示モードと、推奨ルートを表示する推奨ルート表示モードと、を選択可能とされている。走行ルート表示モードとして最短ルート表示モードが選択されている場合、ステップ64の判定が否定されてステップ66へ移行し、制御部32は、ステップ62の探索で得られた最短ルートを表示部40に表示させる。そして次のステップ80において、制御部32は、自車両の現在位置を繰り返し検出し、表示部40に表示させたルートに沿って自車両が走行するように案内するナビゲーション処理を開始する。
【0049】
また、走行ルート表示モードが推奨ルート表示モードの場合、ステップ64の判定が肯定されてステップ68へ移行する。ステップ68において、制御部32は、ビーコン44から受信した充電施設情報に情報が含まれている充電施設20の中から、先に得られた最短ルートから所定距離以内に位置し、かつ利用率が所定値以下の充電施設20を全て抽出する。
【0050】
またステップ70において、制御部32は、ステップ68で抽出した充電施設20の中から、推奨ルートで経由対象とする充電施設20を更に選択する。経由対象の充電施設20の選択は、例えば以下のように行われる。
【0051】
すなわち、まず自車両の現在位置を起点として設定し、起点からの走行距離が予め設定された距離範囲内(この距離範囲は自車両の航続可能距離等に基づいて設定される)の充電施設20を候補として選択する。次に、候補として選択した充電施設20の中から、予め設定された条件に合致する充電施設20を経由対象として選択する。予め設定された条件としては、例えば特定の施設(例えば飲食施設等)が併設され、利用率が最小(すなわち優遇度合いが最大)で利用時間帯に利用可能な充電施設20、等が挙げられる。そして、経由対象として選択した充電施設20を起点として設定し、起点から目的地までの走行距離が予め設定された距離範囲内以内になる迄、上記処理により次の経由対象の充電施設20を選択することを繰り返す。これにより、経由対象の充電施設20が選択される。
【0052】
次のステップ72において、制御部32は、ステップ60で取得した自車両の現在位置から、ステップ70で選択した経由対象の充電施設20を順に経由して利用者によって設定された自車両の目的地位置へ至る推奨ルートを、地図情報を参照して探索する。そしてステップ74において、制御部32は、例として図4に示すように、ステップ72の探索によって得られた推奨ルートと、当該推奨ルート上及びその周辺に存在している充電施設20の属性情報を表示部40に表示させる。なお、各充電施設20の属性情報は、ビーコン44から受信した充電施設情報より必要な情報を抽出することで生成される。
【0053】
次のステップ76において、制御部32は、表示部40に表示させた推奨ルートが利用者によって承認されたか否か判定する。利用者は、表示部40に表示された推奨ルートや、推奨ルート上の経由対象の充電施設20の属性情報等を参照し、表示された推奨ルートを承認するか、経由対象の充電施設20を変更するかを判断する。利用者によって経由対象の充電施設20の変更が指示された場合には、ステップ76の判定が否定されてステップ78へ移行し、制御部32は、経由対象の充電施設20を指示に応じて修正する処理を行う。ステップ78の処理を行った後はステップ72に戻り、制御部32は、新たな充電施設20を経由対象として推奨ルートの探索・表示を行う。
【0054】
また、推奨ルートが利用者によって承認された場合には、ステップ76の判定が肯定されてステップ80へ移行し、制御部32は、自車両の現在位置を繰り返し検出し、推奨ルートに沿って自車両が走行するように案内するナビゲーション処理を開始する。この場合、車両は、経由対象に設定された充電施設20を順に経由し、各充電施設20で充電を繰り返しながら推奨ルートに沿って走行される。推奨ルートで経由対象とされている充電施設20は利用率が所定値以下であるので、充電施設20の利用率の偏りが低減される。
【0055】
また、充電施設20の利用者の中には、車両に車両ナビゲーション装置30を搭載しておらず、自身が所持する携帯端末46を用いて車両の走行ルートの問い合わせを行う利用者も存在している。管理サーバ12は、車両の走行ルートを問い合わせる情報をネットワーク14経由で携帯端末46から受信した場合、図5に示すルート問い合わせ時処理を行う。なお、このルート問い合わせ時処理は、請求項5に記載の第1探索手段及び配信手段による処理の一例であり、携帯端末46から情報を受信する通信I/F部12Dは第1受信手段の一例である。
【0056】
ルート問い合わせ時処理のステップ100において、管理サーバ12は、問い合わせのあった走行ルートにおける出発地位置及び目的地位置を表す情報をネットワーク14経由で携帯端末46から受信する。またステップ102において、管理サーバ12は、充電施設DB16に登録されている充電施設情報を記憶部12Cから読み出す。ステップ104において、管理サーバ12は、ステップ100で受信した出発地位置からステップ100で受信した目的地位置へ至る最短ルートを探索する。
【0057】
またステップ106において、制御部32は、ステップ102で読み出した充電施設情報に含まれる充電施設20の中から、ステップ104の探索で得られた最短ルートから所定距離以内に位置し、かつ利用率が所定値以下の充電施設20を全て抽出する。またステップ108において、制御部32は、ステップ106で抽出した充電施設20の中から、先に説明したルート探索処理(図3)のステップ70と同様にして、経由対象とする充電施設20を更に選択する。
【0058】
またステップ110において、制御部32は、出発地位置から、ステップ108で選択した経由対象の充電施設20を順に経由して目的地位置へ至る推奨ルートを探索する。またステップ112において、管理サーバ12は、ステップ110の探索で得られた推奨ルート、当該推奨ルート上の充電施設20の属性情報を地図と重ねて携帯端末46の表示部46Bに表示させるための配信情報を生成する。そしてステップ114において、管理サーバ12は、ステップ112で生成した配信情報を走行ルート問い合わせ元の携帯端末46へ送信し、処理を終了する。
【0059】
この場合、配信情報を受信した携帯端末46の制御部46Aは、受信した配信情報に基づき、例として図4に示すように、推奨ルートと、当該推奨ルート上に存在している充電施設20の属性情報を表示部46Bに表示させる。これにより、車両は、表示部46Bに表示された各充電施設20で充電を繰り返しながら表示部46Bに表示された推奨ルートに沿って走行されるので、充電施設20の利用率の偏りが低減される。
【0060】
また、管理サーバ12は、充電施設20の端末装置22又は併設施設24の端末装置から情報を受信した場合、図6に示す優遇情報管理処理を行う。この優遇情報管理処理は処理手段による処理の一例である。優遇情報管理処理のステップ120において、管理サーバ12は、受信した情報が、充電施設20の端末装置22からの充電施設20の利用通知か否か判定する。充電施設DB16に情報が登録された個々の充電施設20の端末装置22は、利用者によって充電施設20が利用される度に、充電施設20が利用されたことを表す利用通知を管理サーバへ送信する。
【0061】
管理サーバ12が充電施設20の端末装置22から充電施設20の利用通知を受信した場合、ステップ120の判定が肯定されてステップ122へ移行し、管理サーバ12は、充電施設20を利用した利用者の利用者IDと利用電力量を各々受信する。またステップ124において、管理サーバ12は、利用通知を送信した充電施設20の利用率及び利用時適用優遇内容(ポイント付与割合)を充電施設DB16から読み出す。次のステップ126において、管理サーバ12は、ステップ124で読み出した充電施設20の利用率及びポイント付与割合、ステップ122で受信した利用電力量に基づいて、今回の充電施設20の利用で利用者が獲得したポイントを演算する。
【0062】
次のステップ128において、管理サーバ12は、ステップ122で受信した利用者IDと対応付けて優遇情報DB18に記憶されている優遇情報(利用者が保有しているポイントを表す情報)を優遇情報DB18から読み出す。そしてステップ130において、管理サーバ12は、ステップ128で読み出した優遇情報が表す保有ポイントに、ステップ126で演算した今回の獲得ポイントを加算し、加算後のポイントを表す優遇情報を優遇情報DB18に登録し、処理を終了する。これにより、充電施設20を利用した利用者に対しては、利用率がより低い充電施設20を利用するに従い、保有ポイントの増加分がより大きくなるように保有ポイントが更新される。
【0063】
また、ステップ120の判定が否定された場合はステップ132へ移行し、管理サーバ12は、受信した情報が、併設施設24の端末装置26からのポイント照会通知か否か判定する。充電施設DB16に情報が登録された個々の充電施設20に併設された併設施設24の端末装置26は、利用者によって併設施設24が利用される際に、まず利用者の保有ポイントを管理サーバへ照会する。また、併設施設24において、利用者の保有ポイントを使用したサービスが利用者に提供された場合、併設施設24の端末装置26は、使用されたポイントを管理サーバ12へ通知する。
【0064】
管理サーバ12が併設施設24の端末装置26からポイント照会を受信した場合、ステップ132の判定が肯定されてステップ134へ移行し、管理サーバ12は、併設施設24の端末装置26は、照会対象の利用者の利用者IDを受信する。またステップ136において、管理サーバ12は、ステップ134で受信した利用者IDをキーにして優遇情報DB18を検索し、照会対象の利用者に対応する優遇情報を記憶部12Cから読み出す。そしてステップ138において、管理サーバ12は、読み出した優遇情報が表す利用者の保有ポイントを照会元の端末装置26へ通知し、処理を終了する。これにより、併設施設24を利用しようとしている利用者の保有ポイントが併設施設24側で認識され、併設施設24において、利用者の保有ポイントを使用したサービス(例えば利用料金の割引等)が利用者に提供される。
【0065】
また、管理サーバ12が併設施設24の端末装置26から使用ポイント通知を受信した場合には、ステップ132の判定が否定されてステップ140へ移行する。ステップ140において、管理サーバ12は、併設施設24を利用した利用者(ポイント更新対象の利用者)の利用者IDと、当該利用者によって使用されたポイントと、を端末装置26から受信する。またステップ142において、管理サーバ12は、ステップ140で受信した利用者IDをキーにして優遇情報DB18を検索し、ポイント更新対象の利用者に対応する優遇情報を記憶部12Cから読み出す。
【0066】
そしてステップ144において、管理サーバ12は、ステップ142で読み出した優遇情報が表す保有ポイントから、ステップ140で受信した使用ポイントを減算し、減算後のポイントを表す優遇情報を優遇情報DB18に登録し、処理を終了する。これにより、併設施設24を利用した利用者の保有ポイントが、併設施設24における保有ポイントの使用に応じて更新されることになる。
【0067】
なお、上記では管理サーバ12から車両ナビゲーション装置30への充電施設情報の送信を、VICSシステム42のビーコン44を経由して行う態様を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、利用者が所持する携帯端末46等を経由することで、管理サーバ12と車両ナビゲーション装置30との間で双方向の通信が可能な構成を採用してもよい。
【0068】
また、上記では充電施設20の利用に伴って利用者が獲得したポイントが、充電施設20に併設された併設施設24で使用可能な態様を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、充電施設20の利用に伴って利用者が獲得したポイントが、充電施設20と提携するポイントサービスのポイントに振り替えられるようにしてもよい。
【0069】
また、上記では充電施設20を利用した利用者に対する優遇の内容としてポイントを付与する態様を説明したが、これに限定されるものでもない。例えば、利用者に対する優遇の内容は、物品の進呈や籤に参加する権利の進呈等であってもよい。この場合、利用者が利用率のより低い充電施設20を利用するに従い、より高額の物品を進呈したり、籤をより多数回引く権利を進呈するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0070】
10 充電施設管理システム
12 管理サーバ
12C 記憶部
12D 通信I/F部
16 充電施設DB
18 優遇情報DB
20 充電施設
22 端末装置
24 併設施設
26 端末装置
30 車両ナビゲーション装置
32 制御部
34 VICS情報受信部
40 表示部
42 VICSシステム
44 ビーコン
46 携帯端末
46B 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された蓄電池を充電する充電装置が各々設置された複数の充電施設の情報として、少なくとも、個々の前記充電施設の場所及び利用率と、前記充電施設の利用率が低くなるに従って優遇の度合いが高くなるように設定された、個々の前記充電施設が利用された場合の前記充電施設、或いは、前記充電施設と提携している施設又はサービスの利用における優遇の内容と、を含む充電施設情報を記憶する第1記憶手段と、
少なくとも、個々の前記充電施設の場所及び個々の前記充電施設が利用された場合の前記優遇の内容が利用者側の装置の表示部に表示されるように、前記第1記憶手段に記憶された前記充電施設情報を前記利用者側の装置へ配信する配信手段と、
複数の前記充電施設のうちの何れかが利用者によって利用される度に、前記利用者が利用した前記充電施設に対応する内容の前記優遇を受ける権利を前記利用者が有することを表す優遇情報を、前記利用者の識別情報と対応付けて第2記憶手段に記憶させる処理を行う処理手段と、
を含む充電施設利用支援装置。
【請求項2】
前記配信手段は、少なくとも個々の前記充電施設の場所及び個々の前記充電施設が利用された場合の前記優遇の内容が、前記利用者側の装置としての、前記充電施設の利用者が乗車する車両に搭載された車両ナビゲーション装置の表示部に表示されるように、前記充電施設情報を前記車両ナビゲーション装置へ配信する請求項1記載の充電施設利用支援装置。
【請求項3】
前記優遇情報は、前記優遇の度合いを得点で表し、複数の前記充電施設のうちの何れかが利用者によって利用される度に、前記利用者によって利用された前記充電施設の利用率に応じて設定された得点が、前記利用者の識別情報と対応付けて既に記憶されている前記優遇情報が表す得点に積算される情報であり、
前記第2記憶手段に記憶された前記優遇情報は、前記充電施設、或いは、前記充電施設と提携している施設又はサービスが利用者によって利用される際に参照され、前記優遇情報が表す得点の大きさに応じて前記利用が優遇される請求項1又は請求項2記載の充電施設利用支援装置。
【請求項4】
前記第1記憶手段に記憶されている前記充電施設情報には、個々の前記充電施設の充電能力、時間帯毎の混雑予想及び商業施設併設の有無のうちの少なくとも1つも含まれており、
個々の前記充電施設の充電能力、時間帯毎の混雑予想及び商業施設併設の有無のうちの少なくとも1つも前記利用者側の装置の前記表示部に表示される請求項1〜請求項3の何れか1項記載の充電施設利用支援装置。
【請求項5】
前記利用者側の装置から情報を受信する第1受信手段と、
前記充電施設情報として前記第1記憶手段に情報が記憶されている複数の前記充電施設のうち、利用率が所定値以下で、かつ前記第1受信手段が前記利用者側の装置より各々受信した車両の出発地位置又は現在地位置から車両の目的地位置へ至る最短ルートに対して所定距離以内の前記充電施設を選択し、選択した前記充電施設を経由して前記出発地位置又は前記現在地位置から前記目的地位置へ至る推奨ルートを探索する第1探索手段を更に備え、
前記配信手段は、前記第1探索手段によって探索された前記推奨ルートが前記利用者側の装置の表示部に表示されるように、前記推奨ルートを表す情報も前記利用者側の装置へ配信する請求項2記載の充電施設利用支援装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項4の何れか1項記載の充電施設利用支援装置の前記配信手段から配信された前記充電施設情報を受信する第2受信手段と、
前記第2受信手段によって受信された前記充電施設情報に基づき、個々の前記充電施設の場所及び個々の前記充電施設が利用された場合の前記優遇の内容を表示部に表示させる表示制御手段と、
を含む車両ナビゲーション装置。
【請求項7】
車両の現在位置を検出する検出手段と、
前記第2受信手段によって受信された前記充電施設情報に情報が含まれる複数の前記充電施設のうち、利用率が所定値以下で、かつ前記検出手段によって検出された前記現在位置から入力部を介して入力された車両の目的地位置へ至る最短ルートに対して所定距離以内の前記充電施設を選択し、選択した前記充電施設を経由して前記現在地位置から前記目的地位置へ至る推奨ルートを探索する第2探索手段と、
を更に備え、
前記表示制御手段は、前記第2探索手段によって探索された前記推奨ルートを前記表示部に表示させる請求項6記載の車両ナビゲーション装置。
【請求項8】
第1記憶手段は、車両に搭載された蓄電池を充電する充電装置が各々設置された複数の充電施設の情報として、少なくとも、個々の前記充電施設の場所及び利用率と、前記充電施設の利用率が低くなるに従って優遇の度合いが高くなるように設定された、個々の前記充電施設が利用された場合の前記充電施設、或いは、前記充電施設と提携している施設又はサービスの利用における優遇の内容と、を含む充電施設情報を記憶し、
配信手段は、少なくとも、個々の前記充電施設の場所及び個々の前記充電施設が利用された場合の前記優遇の内容が利用者側の装置の表示部に表示されるように、前記第1記憶手段に記憶された前記充電施設情報を前記利用者側の装置へ配信し、
処理手段は、複数の前記充電施設のうちの何れかが利用者によって利用される度に、前記利用者が利用した前記充電施設に対応する内容の前記優遇を受ける権利を前記利用者が有することを表す優遇情報を、前記利用者の識別情報と対応付けて第2記憶手段に記憶させる処理を行う充電施設利用支援方法。
【請求項9】
第2受信手段は、請求項1〜請求項4の何れか1項記載の充電施設利用支援装置の前記配信手段から配信された前記充電施設情報を受信し、
表示制御手段は、前記第2受信手段によって受信された前記充電施設情報に基づき、個々の前記充電施設の場所及び個々の前記充電施設が利用された場合の前記優遇の内容を表示部に表示させる車両ナビゲーション方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2013−2917(P2013−2917A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−133396(P2011−133396)
【出願日】平成23年6月15日(2011.6.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(504093467)トヨタホーム株式会社 (391)
【Fターム(参考)】