説明

充電装置

【課題】電気自動車を充電する際に、作業員が充電用ケーブルを支え続ける必要がなく、かつ駐車位置、駐車方向を制約しない。
【解決手段】電気自動車が備えるバッテリを充電するための充電器が収容される筐体と、前記充電器と前記バッテリとの間に接続される充電ケーブルと、略水平方向に伸縮するアームと、前記アームが伸縮する長手方向における第1位置で前記充電ケーブルを支持する第1支持部と、前記アームが伸縮する長手方向における第2位置で前記充電ケーブルを支持する第2支持部と、を有し、前記アームが伸びると、前記充電ケーブルが前記アームの長手方向に沿うように前記第1支持部と前記第2支持部との間の距離が伸び、前記アームが縮むと、前記充電ケーブルが撓んで垂下するように前記第1支持部と前記第2支持部との間の距離が縮む第1支持体と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車が備えるバッテリ(以下、バッテリという)を充電する装置として、例えば特許文献1に開示される充電装置が知られている。
【0003】
充電装置は、急速充電器、受電端末、急速充電用ケーブルを備えて構成される。急速充電器は、バッテリを充電するための電力を供給する機器である。受電端末は、急速充電器から供給される電力を例えば電力ケーブルを介して受電して、受電した電力でバッテリを充電する機器である。急速充電用ケーブルは、受電端末とバッテリとを接続するために、一端が受電端末に接続され、他端がバッテリに着脱自在に接続されるケーブルである。
【0004】
よって、急速充電用ケーブルの他端がバッテリに接続されることにより、急速充電器から供給された電力によりバッテリは充電されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−28913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示される充電装置では、急速充電用ケーブルは一定の長さであり、バッテリを充電しない場合、急速充電用ケーブルが地面に接触しないように、例えばたたまれた状態で受電端末の側面に収納される。バッテリを充電する場合、受電端末とバッテリとが急速充電用ケーブルによってお互いに接続されるように、電気自動車を受電端末の周辺に駐車する必要があった。バッテリを充電する場合において、バッテリを充電するために電気自動車が受電端末から遠い位置に駐車されているとき、急速充電用ケーブルを撓むことなく伸ばした状態でバッテリに接続しなければならない場合がある。この場合、例えば作業員は急速充電用ケーブルを支える負担を強いられていた。一方、バッテリを充電する場合において、バッテリを充電するために電気自動車が受電端末から近い位置に駐車されているとき、急速充電用ケーブルを撓んだ状態でバッテリに接続しなければならない場合がある。この場合、急速充電用ケーブルが地面に擦られて損傷する虞があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した課題を解決する主たる本発明は、電気自動車が備えるバッテリを充電するための充電器が収容される筐体と、前記充電器と前記バッテリとの間に接続される充電ケーブルと、略水平方向に伸縮するアームと、前記アームが伸縮する長手方向における第1位置で前記充電ケーブルを支持する第1支持部と、前記アームが伸縮する長手方向における第2位置で前記充電ケーブルを支持する第2支持部と、を有し、前記アームが伸びると、前記充電ケーブルが前記アームの長手方向に沿うように前記第1支持部と前記第2支持部との間の距離が伸び、前記アームが縮むと、前記充電ケーブルが撓んで垂下するように前記第1支持部と前記第2支持部との間の距離が縮む第1支持体と、を備えたことを特徴とする充電装置である。
【0008】
本発明の他の特徴については、添付図面及び本明細書の記載により明らかとなる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、バッテリを充電する際に電気自動車を駐車する駐車位置、駐車方向の自由度を向上させることができる。また、本発明によれば、作業員が急速充電用ケーブルを支えることなく、バッテリを充電することができる。また、本発明によれば、急速充電用ケーブルが地面で擦られることなく、バッテリを充電することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1実施形態における充電装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態におけるアーム2が伸ばされた充電装置を示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態におけるアーム2が縮められた充電装置を示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態における伸縮アーム292の内部構造を示す図である。
【図5】本発明の第1実施形態における筐体1の内部を示す図である。
【図6】本発明の第1実施形態における昇降部材191の内部構造を示す図である。
【図7】本発明の第1実施形態におけるアーム2が高さ方向に回動された充電装置を示す図である。
【図8】本発明の第2実施形態における充電装置を示す斜視図である。
【図9】本発明の第3実施形態における充電装置を示す図である。
【図10】本発明の第4実施形態における充電装置を示す斜視図である。
【図11】本発明の第4実施形態におけるアームと充電ケーブルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0012】
[第1実施形態]
===充電装置===
図1は、本実施形態に係る充電装置を示す斜視図である。図5は、図1を+Y方向へ向かって見た、筐体1の内部を示す図である。尚、外管部材101の下側における充電器200と重なって見えない部分は点線で示されている。
【0013】
充電装置100は、電気自動車が備えたバッテリ(不図示)を充電するための装置である。
充電装置100は、筐体1、アーム2、充電ケーブル4を含んで構成される。尚、本実施形態においてアーム2はX軸に沿って伸縮し、アーム2が縮む方向を−X方向とし、アーム2が伸びる方向を+X方向とする。Y軸は、筐体1の両側面に対して直交する軸であり、一方の側面に向かう方向を−Y方向とし、他方の側面に向かう方向を+Y方向とする。Z軸は、筐体1に対して鉛直方向に沿う軸であり、下に向かう方向を−Z方向とし、上に向かう方向を+Z方向とする。
【0014】
筐体1は、電気自動車が備えたバッテリを充電するための充電器200を収容するケースである。尚、筐体1の詳細については後述する。充電ケーブル4は、筐体1に収容された充電器200と電気自動車が備えたバッテリとを接続する電力ケーブルである。尚、充電ケーブル4の詳細については後述する。アーム2は、アーム2の例えば下側(−Z側)で充電ケーブル4を支持するアームである。アーム2は、先端が筐体1の例えば正面から+X方向に向かって突出した状態で、X軸に沿って伸縮するアームである。尚、アーム2の詳細については後述する。
【0015】
===筐体===
筐体1は、電気自動車が備えたバッテリを充電するための充電器200を収容するケースである。
筐体1は、制御パネル11、孔12を備えて構成される。
筐体1は、例えば直方体形状であり、電気自動車が備えたバッテリを充電するための例えばサービスステーションに設置される。尚、筐体1は、筐体1の内部に充電器200、昇降部材191(第2支持体)を収容できるように中空構造となっているものとする。尚、昇降部材191の詳細については後述する。筐体1の例えば正面には、制御パネル11及び孔12が設けられる。孔12は、アーム2の先端が筐体1の内部から+X方向に向けて突出した状態で、アーム2が高さ方向(Z軸方向)に昇降できるように、筐体1の例えば正面に設けられた例えば高さ方向に沿った長孔である。尚、アーム2の先端が筐体1の内部から+X方向に向けて突出した状態で、アーム2を昇降させる昇降機構の詳細については後述する。制御パネル11は、例えば電動でアーム2を高さ方向に昇降させるための昇降ボタンが表示される例えば液晶タッチスクリーンである。
【0016】
===充電ケーブル===
充電ケーブル4は、筐体1に収容された充電器200と電気自動車が備えたバッテリとを接続する一定の長さの電力ケーブルである。充電ケーブル4の一端は充電器200に接続され、他端はプラグ5を介して電気自動車が備えたバッテリに接続される。尚、プラグ5は、充電ケーブル4の他端と電気的に接続された電力プラグである。プラグ5は、電気自動車の車外から供給される電力でバッテリを充電するために電気自動車の車体に設けられた受電口(不図示)に着脱自在に取り付けられる。
【0017】
===アーム===
以下、図1及び図2を参照して、本実施形態に係るアームの一例について説明する。
図2は、図1を+Y方向へ向かって見た、アーム2が伸ばされた充電装置を示す図である。
【0018】
アーム2は、充電ケーブル4を支持するアームである。
アーム2は、先端が筐体1の例えば正面から+X側に向かって突出した状態で、X軸に沿って伸縮するアームである。アーム2は、−X側の端部が連結体20に取り付けられる。尚、連結体20の詳細については後述する。アーム2は、アーム2の下側(−Z側)で充電ケーブル4を支持する。尚、アーム2が充電ケーブル4を支持する構成の詳細については後述する。
【0019】
アーム2は、回動部材26、伸縮アーム291、292を備えて構成される。
伸縮アーム291、292は、X軸に沿って伸縮するアームであり、伸縮アーム291と伸縮アーム292とは、回動部材26を介してお互いに連結される。尚、伸縮アーム291、292が伸縮する構成の詳細については後述する。
【0020】
伸縮アーム291は、端部材27、28、外管部材33、内管部材34、支持部材35、支持部材36を有する。端部材27は、伸縮アーム291を回動部材26に取り付けるための部材である。ここで、回動部材26は、例えば略円柱形状であり、径の中心に設けられた軸261が高さ方向(Z軸方向)に向いた状態で軸261を中心に伸縮アーム291を水平方向(XY平面方向)に回動させるための部材である。端部材27は、−X側の面が回動部材26に取り付けられるように回動部材26の外周面に沿う形状であり、+X側の面が例えば平面形状であるものとする。外管部材33は、例えば略円筒形状であり、径の中心軸がX軸に沿った状態で、−X側の端部が端部材27の+X側の面に取り付けられる。内管部材34は、例えば略円筒形状であり、径の中心軸がX軸に沿った状態で、−X側の端部が外管部材33の+X側の開口に挿入される。尚、内管部材34の外径は、内管部材34が外管部材33に挿入されるように、外管部材33の内径よりも短いものとする。端部材28は、伸縮アーム291の+X側の端部に支持部材35を取り付けるための例えば矩形柱形状の部材である。端部材28は、−X側の面が内管部材34の+X側の端部に取り付けられる。支持部材35、36は、伸縮アーム291の下側に取り付けられた状態で、充電ケーブル4を支持する部材である。支持部材35は、端部材28の下側に取り付けられた状態で、充電ケーブル4を支持する。支持部材35は、例えば充電ケーブル4が挿通される孔が設けられる。充電ケーブル4は、支持部材35の孔に挿通されてケーブル固定部材49によって固定される。ケーブル固定部材49は、充電ケーブル4が挿通された支持部材35を+X側及び−X側から挟むように充電ケーブル4に取り付けられる。ケーブル固定部材49は、充電ケーブル4の長手方向の所定位置で充電ケーブル4の外周に沿う例えば円筒形状の部材である。ケーブル固定部材49の外径は、支持部材35の孔の径よりも長いものとする。ケーブル固定部材49は、筒の中心軸を通りかつ筒の中心軸と平行な平面で半割された部材をお互いにネジ止めして充電ケーブル4に取り付けられるものとする。支持部材36は、支持部材35と同様な形状であり、端部材27の下側に取り付けられた状態で、充電ケーブル4を支持する。尚、充電ケーブル4は、支持部材35と同様に、ケーブル固定部材49によって支持部材36の孔に固定される。
【0021】
伸縮アーム292は、端部材24、25、外管部材31、内管部材32、支持部材37を有する。端部材24は、伸縮アーム292を連結体20の+X側に取り付けるための部材である。尚、連結体20の詳細については後述する。端部材24は、+X側の面が例えば平面形状であるものとする。外管部材31は、外管部材33と同様に例えば略円筒形状であり、径の中心軸がX軸に沿った状態で、−X側の端部が端部材24の+X側の面に取り付けられる。内管部材32は、内管部材34と同様に例えば略円筒形状であり、径の中心軸がX軸に沿った状態で、−X側の端部が外管部材31の+X側の開口に挿入される。尚、内管部材32の外径は、内管部材32が外管部材31に挿入されるように、外管部材31の内径よりも短いものとする。端部材25は、伸縮アーム292を回動部材26に取り付けるための部材である。尚、端部材25の+X側の面は回動部材26の外周面に沿う形状であり、端部材25の−X側の面は例えば平面形状であるものとする。端部材25は、−X側の面が内管部材32の+X側の端部に取り付けられる。支持部材37は、支持部材35と同様な形状であり、端部材24の下側に取り付けられた状態で、充電ケーブル4を支持する。尚、充電ケーブル4は、支持部材35と同様に、ケーブル固定部材49によって支持部材37の孔に固定される。
【0022】
===伸縮アーム===
以下、図1乃至図4を参照して、本実施形態に係る伸縮アームの一例について説明する。
図3は、図1を+Y方向へ向かって見た、アーム2が縮められた充電装置を示す図である。図4は、伸縮アーム292の内部構造を示す図である。
【0023】
伸縮アーム291がX軸に沿って伸縮する構造は、伸縮アーム292がX軸に沿って伸縮する構造と同様であるので、伸縮アーム292がX軸に沿って伸縮する構造について説明し、伸縮アーム291がX軸に沿って伸縮する構造の説明は省略するものとする。
【0024】
伸縮アーム292は、伸縮アーム292の例えば下側(−Z側)で充電ケーブル4を支持した状態で、X軸に沿って伸縮するアームである。伸縮アーム292は、内管部材32における外管部材31に挿入される長さを調整することによって伸縮される。
【0025】
伸縮アーム292は、伸縮アーム292の内部に軸部材301、ガイド部材302、ストッパ部材303(規制機構)を有する。軸部材301、ガイド部材302は、内管部材32が外管部材31に挿入された状態で、内管部材32がX軸に沿って移動するのを案内する部材である。軸部材301は、例えば略円柱形状であり、径の中心軸が外管部材31の径の中心軸と略平行となるように沿った状態で外管部材31の内部で端部材24に取り付けられる。尚、軸部材301は、径が内管部材32の内径よりも短く、長手方向の長さは外管部材31の長手方向の長さと例えば同様な長さであるものとする。軸部材301は、径の中心軸が外管部材31の径の中心軸と略並行となるように沿った状態で、軸部材301の−X側の端部が外管部材31の−X側の開口の略中心で端部材24の+X側の面に取り付けられる。ガイド部材302は、内管部材32の例えば−X側の開口の内部に取り付けられる例えば円筒形状の部材である。ガイド部材302は、外径が内管部材32の−X側の開口の内径よりも短く、ガイド部材302の中心軸がX軸に沿った状態で、ガイド部材302の外周面が内管部材32の−X側の開口の内部に例えば接着される。ガイド部材302の開口には軸部材301が挿通される。ストッパ部材303は、ガイド部材302の開口に挿通された軸部材301がガイド部材302から抜けるのを防止するための部材である。ストッパ部材303は、軸部材301の+X側の端部に取り付けられる例えば円筒形状の部材である。ストッパ部材303の外径は、ガイド部材302の内径よりも長く、内管部材32の内径よりも短いものとする。ストッパ部材303の内径は軸部材301の外径よりも長く、軸部材301の+X側の端部に例えば接着される。
【0026】
よって、例えば内管部材32が外管部材31に挿入された状態で、内管部材32が+X側に移動した場合、伸縮アーム292は伸びる。一方、例えば内管部材32が外管部材31に挿入された状態で、内管部材32が−X側に移動した場合、伸縮アーム292は縮む。
【0027】
===連結体===
以下、図1及び図7を参照して、本実施形態に係る連結体の一例について説明する。
図7は、図1を+Y方向へ向かって見た、アーム2が高さ方向に回動された充電装置を示す図である。
【0028】
連結体20は、アーム2がX軸に沿って伸縮するようにアーム2の−X側の端部を支持する部材である。又、連結体20は、アーム2を例えば高さ方向(Z軸方向)、水平方向(XY平面方向)に回動する部材である。
連結体20は、アーム支持部材21、連結部材22(第2回動機構)、回動部材23(第1回動機構)を備えて構成される。
【0029】
回動部材23は、軸231を中心にアーム2を水平方向に回動させる部材である。回動部材23は、例えば略円柱形状であり、径の中心に設けられた軸231が高さ方向に向いた状態で端部材24の−X側の面に取り付けられる。ここで、端部材24の−X側の面は、回動部材23が取り付けられるように回動部材23の外周面に沿う形状であるものとする。アーム支持部材21、連結部材22は、軸219を中心にアーム2を高さ方向に回動させる部材である。アーム支持部材21は、+X側の端部が筐体1の孔12から+X方向に向かって突出した状態で、−X側の端部が筐体1の内部で昇降部材191に支持される。尚、昇降部材191の詳細については後述する。アーム支持部材21は、+X側の端部が連結部材22と嵌りあう形状であるものとする。連結部材22は、アーム支持部材21と回動部材23とを連結するための部材である。連結部材22は、+X側の端部が回動部材23に取り付けられ、−X側の端部がアーム支持部材21の+X側の端部に取り付けられる。連結部材22の+X側の端部は、回動部材23が取り付けられるように回動部材23の外周面に沿う形状であるものとする。連結部材22の−X側の端部は、アーム支持部材21の+X側の端部と嵌りあった状態で、連結部材22の+X側の端部が上方向(+Z方向)に向けられるように軸219を中心に回動する形状であるものとする。
【0030】
ここで、連結部材22の+X側の端部が下方向(−Z方向)に向けられるように、連結部材22が回動するのを規制するために、水平ストッパ390がアーム支持部材21の下側(−Z側)に取り付けられるものとする。水平ストッパ390は、水平ストッパ本体310、雄ネジ311を備えて構成される。
【0031】
水平ストッパ本体310は、連結部材22の+X側の端部が例えば+X方向に向けられた際に、アーム支持部材21と連結部材22の下側に沿う例えば金具である。雄ネジ311は、水平ストッパ本体310をアーム支持部材21の下側に固定するためのネジである。尚、アーム支持部材21の下側の面には、雄ネジ311と嵌り合う雌ネジ(不図示)が設けられているものとする。
【0032】
よって、例えば上方向からみて軸231を中心に回動部材23を時計周りに回動させた場合、アーム2の先端が−Y方向に向けられるように、アーム2は回動する。一方、例えば上方向からみて軸231を中心に回動部材23を反時計周りに回動させた場合、アーム2の先端が+Y方向に向けられるように、アーム2は回動する。
【0033】
また、例えば連結部材22を連結部材22の+X側の端部が上方向を向くように軸219を中心に回動させた場合、アーム2の先端が上方向に向けられるように、アーム2は回動する。
【0034】
===ストッパ===
以下、図7を参照して、本実施形態に係るストッパの一例について説明する。
ストッパ290は、アーム2の先端が例えば上方向(+Z方向)に向けられた状態を保持するための部材である。ストッパ290は、ストッパ本体210、雄ネジ211、212を備えて構成される。
【0035】
ストッパ本体210は、アーム2の先端が例えば上方向に向けられた際に、アーム支持部材21の下側(−Z側)と連結部材22の+X側に沿う例えばL型金具である。雄ネジ211、212は夫々、アーム2の先端が例えば上方向に向けられた際に、ストッパ本体210をアーム支持部材21の下側、連結部材22の+X側に沿わせた状態で、ストッパ本体210をアーム支持部材21の下側、連結部材22+X側に固定するためのネジである。尚、アーム支持部材21の下側の面には、雄ネジ211と嵌り合う雌ネジ(不図示)が設けられているものとする。アーム2の先端が上方向に向けられた際の、連結部材22の+X側の面には、雄ネジ212と嵌り合う雌ネジ(不図示)が設けられているものとする。
【0036】
よって、例えば、アーム2の先端が例えば上方向に向けられた際に、ストッパ本体210を、アーム支持部材21、連結部材22に固定することより、アーム2の先端が例えば上方向に向けられた状態が保持される。尚、ストッパ本体210がアーム支持部材21、連結部材22に取り付けられる場合、水平ストッパ本体310はアーム支持部材21から取り外されているものとする。一方、例えば、ストッパ本体210を、アーム支持部材21、連結部材22から取り外すことにより、アーム2は軸219を中心に高さ方向に回動可能とされる。
【0037】
===昇降部材===
以下、図1、図5、図6を参照して、本実施形態に係る昇降部材の一例について説明する。
【0038】
図6は、昇降部材191の内部構造を示す図である。
昇降部材191は、昇降部材191の上側(+Z側)で連結体20を支持し、連結体20を例えば電動で高さ方向(Z軸方向)に昇降させる部材である。昇降部材191は、筐体1の内部に配設される。
昇降部材191は、外管部材101、内管部材102、モータ104、軸部材105、ストッパ部材106、108(規制機構)、ガイド部材107を備えて構成される。
【0039】
外管部材101は、例えば略円筒形状であり、径の中心軸が高さ方向に沿った状態で、下側(−Z側)の端部が筐体1の下側の面に取り付けられる。内管部材102は、例えば略円筒形状であり、径の中心軸が高さ方向に沿った状態で、下側の端部が外管部材101の上側の開口に挿入される。尚、内管部材102の外径は、内管部材102が外管部材101に挿入されるように、外管部材101の内径よりも短いものとする。内管部材102の上側の端部には、アーム支持部材21が取り付けられる。
【0040】
モータ104、軸部材105、ガイド部材107(昇降機構)は、内管部材102が外管部材101に挿入された状態で、内管部材102を高さ方向に例えば電動で昇降させるための構成である。
【0041】
モータ104は、軸部材105を回転させるためのモータであり、外管部材101の内部で筐体1の下側の面に取り付けられる。モータ104は、例えば筐体1の制御パネル11に表示された昇降ボタンによってモータ104の回転が制御されるものとする。軸部材105は、例えば略円柱形状であり、径の中心軸が外管部材101の径の中心軸と略平行となるように沿った状態で外管部材101の内部でモータ104に取り付けられる。軸部材105は、軸部材105の下側の端部がモータ104に取り付けられる。尚、軸部材105は、径が内管部材102の内径よりも短く、長手方向の長さは外管部材101の長手方向の長さと例えば同様な長さであるものとする。軸部材105の外周面には、ねじ山105aが設けられているものとする。軸部材105は、モータ104によって上側からみて例えば時計周り又は例えば反時計周りに回転されるものとする。ガイド部材107は、内管部材102の例えば下側の開口の内部に取り付けられる例えば円筒形状の部材である。ガイド部材107は、外径が内管部材102の下側の開口の内径よりも短く、ガイド部材107の中心軸が内管部材102の長手方向に沿った状態で、ガイド部材107の外周面が内管部材102の下側の開口の内部に例えば接着される。ガイド部材107の径の開口には軸部材105が挿通される。ガイド部材107の開口には、軸部材105のねじ山105aと嵌り合うねじ溝(不図示)が設けられているものとする。尚、ガイド部材107のねじ溝は、軸部材105が上側から見て例えば時計周りに回転した場合、ガイド部材107が上側に移動し、軸部材105が上側から見て例えば反時計周りに回転した場合、ガイド部材107が下側に移動するように設けられている。ストッパ部材106、108は、ガイド部材107が軸部材105に沿って高さ方向に移動する範囲を制限する部材である。ストッパ部材108は、ガイド部材107が上側に移動する範囲を制限し、ストッパ部材106は、ガイド部材107が下側に移動する範囲を制限する。ストッパ部材106、108は、軸部材105に取り付けられる例えば円筒形状の部材である。ストッパ部材106、108の外径は、ガイド部材107の内径よりも長く、内管部材102の内径よりも短いものとする。ストッパ部材106、108の内径は軸部材105の外径よりも短いものとする。ストッパ部材106は、例えば軸部材105の下側の端部とガイド部材107との間に例えば接着される。ストッパ部材108は、例えば軸部材105の上側の端部に例えば接着される。ここで、例えば制御パネル11の昇ボタンが押された場合、軸部材105はモータ104によって、上側からみて例えば時計周りに回転されるものとする。一方、例えば制御パネル11の降ボタンが押された場合、軸部材105はモータ104によって、上側からみて例えば反時計周りに回転されるものとする。
【0042】
従って、例えば制御パネル11の昇ボタンが押された場合、軸部材105はモータ104によって、上側からみて例えば時計周りに回転される。内管部材102に固定されたガイド部材107は上側に移動する。よって、連結体20を介して昇降部材191に支持されるアーム2は上側に移動される。一方、例えば制御パネル11の降ボタンが押された場合、軸部材105はモータ104によって、上側からみて例えば反時計周りに回転される。内管部材102に固定されたガイド部材107は下側に移動する。よって、連結体20を介して昇降部材191に支持されるアーム2は下側に移動される。
【0043】
===充電装置の動作===
以下、図1乃至図7を参照して、本実施形態に係る充電装置100の動作の一例について説明する。尚、筐体1から遠い位置に駐車された電気自動車のバッテリを充電する場合、筐体1から近い位置に駐車された電気自動車のバッテリ充電する場合、アーム2を収納する場合に分けて、充電装置100の動作について説明する。
【0044】
<筐体1から遠い位置に駐車された電気自動車のバッテリを充電する場合>
例えば、電気自動車が筐体1から遠い位置に駐車されている場合、アーム2が例えば伸ばされる。アーム2が伸ばされた場合、支持部材35、36の間の距離、支持部材36、37の間の距離は伸びるために、支持部材35、36、37に支持された充電ケーブル4は、アーム2が伸びる方向に沿った状態となる。充電する電気自動車の駐車位置、電気自動車の車体における受電口の位置に応じて、例えば回動部材23、26を回動させることにより、プラグ5が受電口に取り付けられるように、アーム2が水平方向(XY平面方向)に回動される。又、電気自動車の車体における受電口の高さに応じて、プラグ5が受電口に取り付けられるように、アーム2が昇降される。例えば、電気自動車の車体における受電口の高さが高い場合、筐体1の制御パネル11の昇ボタンが押される。この場合、筐体1に配設された昇降部材191の軸部材105はモータ104によって、上側(+Z側)からみて例えば時計周りに回転される。ガイド部材107は上側に移動するので、ガイド部材107と接着されている内管部材102は上側に移動する。アーム2は、内管部材102の上側で支持されているので、上側に移動する。従って、アーム2に支持された充電ケーブル4に取り付けられたプラグ5は上側に移動する。一方、例えば、電気自動車の車体における受電口の高さが低い場合、筐体1の制御パネル11の降ボタンが押される。この場合、筐体1に配設された昇降部材191の軸部材105はモータ104によって、上側からみて例えば反時計周りに回転される。ガイド部材107は下側(−Z側)に移動するので、ガイド部材107と接着されている内管部材102は下側に移動する。アーム2は、内管部材1の上側で支持されているので、下側に移動する。従って、アーム2に支持された充電ケーブル4に取り付けられたプラグ5は下側に移動する。プラグ5が電気自動車の受電口に取り付けられて、筐体1の充電器200と電気自動車のバッテリとが接続されることによって、電気自動車のバッテリは充電される。
【0045】
<筐体1から近い位置に駐車された電気自動車のバッテリを充電する場合>
例えば、電気自動車が筐体1から近い位置に駐車されている場合、アーム2が例えば縮められる。アーム2が縮められた場合、支持部材35、36の間の距離、支持部材36、37の間の距離は縮まるために、支持部材35、36、37に支持された充電ケーブル4は、撓んで垂下する。撓んで垂下した充電ケーブル4が地面に擦れて損傷しないように、例えばアーム2が上側に移動される。尚、アーム2が上側に移動される動作は前述と同様であるので、その説明は省略する。プラグ5が電気自動車の受電口に取り付けられるように、アーム2が水平方向に回動される。尚、アーム2が水平方向に回動される動作は前述と同様なので、その説明は省略する。又、プラグ5が電気自動車の受電口に取り付けられるように、アーム2が昇降される。尚、アーム2が昇降される動作は前述と同様なので、その説明は省略する。プラグ5が電気自動車の受電口に取り付けられて、筐体1の充電器200と電気自動車のバッテリとが接続されることによって、電気自動車のバッテリは充電される。
【0046】
<アーム2を収納する場合>
例えば、アーム2が縮められた状態で、アーム2の先端が例えば上側に向くように、軸219を中心にアーム2が例えば手動で回動される。ストッパ本体210が、アーム支持部材21、連結部材22に夫々雄ネジ211、212によって固定される。
【0047】
前述したように、アーム2はX軸方向に沿って伸縮する。筐体1は、電気自動車のバッテリを充電する充電器200を収容する。充電ケーブル4は、充電器200とバッテリとを接続する。支持部材35、36、37は充電ケーブル4を支持する。アーム2が伸びた場合、支持部材35、36の間の距離、支持部材36、37の間の距離が伸びて、充電ケーブル4はアーム2の長手方向に沿った状態となる。アーム2が縮んだ場合、支持部材35、36の間の距離、支持部材36、37の間の距離が縮んで、充電ケーブル4は撓んで垂下する。よって、バッテリを充電するために筐体1の周辺に駐車された電気自動車のバッテリと充電器200とが充電ケーブル4で接続されるように、アーム2を伸縮させてプラグ5を電気自動車の周辺まで移動させることができる。つまり、バッテリを充電する際に電気自動車を駐車する駐車位置、駐車方向の自由度を向上させることができる。また、充電ケーブル4は支持部材35、36、37に支持されるために、例えば作業員が充電ケーブル4を支えることなく、バッテリを充電することができる。また、アーム2が伸びた場合、充電ケーブル4はアーム2の長手方向に沿うので、充電ケーブル4が地面に触れないようにアーム2を伸ばすことによって、充電ケーブル4が地面で擦られることなく、バッテリを充電することができる。また、充電ケーブル4がアーム2に沿わされた状態でバッテリを充電した場合、充電中に例えば作業員が充電ケーブル4に躓くのを防止できるために、安全性の高い充電装置を提供できる。
【0048】
また、アーム2は、筐体1の内部に配設された昇降部材191に支持される。アーム2は、アーム2の先端が筐体1の内部から+X方向に突出した状態で、X軸に沿って伸縮する。よって、アーム2が筐体1と一体となっているために、充電装置100を例えばサービスステーションに設置する場合、筐体1の設置スペースのみを確保すればよい。従って、コンパクトで設置が容易な充電装置を提供できる。
【0049】
また、支持部材35、36、37は、アーム2の例えば下側(−Z側)に取り付けられる。よって、支持部材35、36、37を取り付けるための部材等を必要としないので、充電装置の部品点数及びコストを抑えることができる。
【0050】
また、アーム2と昇降部材191とは、連結体20によって連結される。アーム2は、連結体20の回動部材23によって、水平方向(XY平面方向)に回動される。よって、充電ケーブル4のプラグ5を正確に電気自動車の周辺に移動することができる。従って、バッテリを充電する際に電気自動車を駐車する駐車位置、駐車方向の自由度を向上させることができる。
【0051】
また、アーム2は、アーム支持部材21、連結部材22によって、アーム2の先端が上側(+Z側)を向くように回動される。よって、例えば充電しない場合、アーム2の先端が上側を向くようにアーム2が回動される。従って、収納性のよい充電装置を提供できる。
【0052】
また、アーム2を支持する昇降部材191は、アーム2を昇降する。よって、電気自動車の受電口の位置に応じてアーム2を昇降して、プラグ5を電気自動車の受電口付近に移動させることができる。また、撓んで垂下した充電ケーブル4が地面に触れないようにアーム2を上側に移動させることができる。従って、充電ケーブル4が地面で擦られることなく、バッテリを充電することができる使い勝手のよい充電装置を提供することができる。
【0053】
また、ストッパ部材303が、軸部材301に取り付けられる。アーム2が+X方向に伸ばされた場合、内管部材32、34が夫々、外管部材31、33から抜け落ちる虞がある。よって、内管部材32、34が夫々、外管部材31、33から抜け落ちるのを防止して、安全に利用できる充電装置を提供することができる。
【0054】
また、ストッパ部材106、108が、軸部材105に取り付けられる。昇降部材191のモータ104を回転させ続けると、例えばガイド部材107が軸部材105から抜け落ちて、内管部材102が外管部材101から抜け落ちる虞がある。よって、内管部材102が外管部材101から抜け落ちるのを防止して、安全に利用できる充電装置を提供することができる。
【0055】
[第2実施形態]
===充電装置===
図8は、本実施形態に係る充電装置を示す斜視図である。尚、図1に示された構成と同じ構成については同じ番号を付すのみで、その説明は省略する。
【0056】
充電装置100aは、筐体1、アーム2a、充電ケーブル4、アーム補助支持部6(支柱)を含んで構成される。尚、本実施形態においてアーム2はX軸に沿って伸縮し、アーム2が縮む方向を−X方向とし、アーム2が伸びる方向を+X方向とする。Y軸は、筐体1の両側面に対して直交する軸であり、一方の側面に向かう方向を−Y方向とし、他方の側面に向かう方向を+Y方向とする。Z軸は、筐体1に対して鉛直方向に沿う軸であり、下に向かう方向を−Z方向とし、上に向かう方向を+Z方向とする。
【0057】
アーム2aは、充電ケーブル4を支持するアームである。アーム2aは、例えば先端をアーム補助支持部6によって例えば下側(−Z側)から支持された状態で、X軸方向に沿って伸縮するアームである。アーム2aは、回動部材26、伸縮アーム291a、292を備えて構成される。
【0058】
伸縮アーム291aは、端部材27、28a、外管部材33、内管部材34、支持部材35aを有する。端部材28aは、伸縮アーム291aの+X側の端部に支持部材35a、支持脚61を取り付けるための例えば矩形柱形状の部材である。端部材28aは、−X側の面が内管部材34の+X側の端部に取り付けられる。尚、支持脚61の詳細については後述する。支持部材35aは、伸縮アーム291aの下側に取り付けられた状態で、充電ケーブル4を支持する部材である。支持部材35aは、端部材28aの下側に取り付けられた状態で、充電ケーブル4を支持する。
【0059】
支持部材35aは、例えば充電ケーブル4が挿通される孔が設けられる。充電ケーブル4は、支持部材35aの孔に挿通されてケーブル固定部材49によって固定される。
【0060】
===アーム補助支持部6===
アーム補助支持部6は、アーム2aの例えば先端を例えば下側(−Z側)から支持する部材である。
アーム補助支持部6は、例えば3本の支持脚61、台車62を備えて構成される。
支持脚61は、アーム2aが例えばX軸と略平行となるように、台車62と端部材28aとの間で、アーム2aを支持する部材である。台車62は、台車本体621、例えば4個の車輪622を備える。尚、図8では、車輪622は2個のみ図示されているが、+Y側の2個の車輪が台車本体621に重なって見えない状態となっている。台車本体621の下側には、台車62が例えば地面を走行するための例えば4個の車輪622が取り付けられる。
【0061】
===充電装置の動作===
例えばアーム2aが伸ばされた場合、アーム補助支持部6は、アーム2aの先端を下側から支持するべく+X方向に移動する。一方、例えばアーム2aが縮められた場合、アーム補助支持部6は、アーム2aの先端を下側から支持するべく−X方向に移動する。又、例えばアーム2aの先端が+Y方向へ向けられるようにアーム2aが回動された場合、アーム補助支持部6は、アーム2aの先端を下側から支持するべく+Y方向に移動する。一方、例えばアーム2aの先端が−Y方向へ向けられるようにアーム2aが回動された場合、アーム補助支持部6は、アーム2aの先端を下側から支持するべく−Y方向に移動する。
【0062】
前述したように、アーム2aの先端は、アーム2aがX方向に沿うように、アーム補助支持部6によって支持される。よって、アーム2aと昇降部材191とを連結する連結体20の負担を軽減できるために、耐久性に優れた充電装置を提供することができる。また、例えば作業員がアーム補助支持部6を例えばX軸方向に沿って移動させることによってアーム2aを伸縮することができるので、操作性のよい充電装置を提供することができる。
【0063】
[第3実施形態]
===充電装置===
図9は、本実施形態に係る充電装置を示す図である。尚、図1に示された構成と同じ構成については同じ番号を付すのみで、その説明は省略する。
【0064】
充電装置100bは、筐体1、アーム2b、充電ケーブル4b、レール7を含んで構成される。尚、本実施形態においてアーム2はX軸に沿って伸縮し、アーム2が縮む方向を−X方向とし、アーム2が伸びる方向を+X方向とする。Y軸は、筐体1の両側面に対して直交する軸であり、一方の側面に向かう方向を−Y方向とし、他方の側面に向かう方向を+Y方向とする。Z軸は、筐体1に対して鉛直方向に沿う軸であり、下に向かう方向を−Z方向とし、上に向かう方向を+Z方向とする。
【0065】
アーム2bは、アーム2bの例えば下側(−Z側)でレール7を支持するアームである。アーム2bは、先端が筐体1の例えば正面から+X側に向かって突出した状態で、X軸に沿って伸縮するアームである。尚、アーム2bの詳細については後述する。
【0066】
充電ケーブル4bは、筐体1に収容された充電器200と電気自動車が備えたバッテリとを接続する電力ケーブルである。
レール7は、レール7の例えば下側で充電ケーブル4bを支持するためのレールである。レール7は、アーム2bの伸縮に応じて伸縮する。尚、レール7の詳細については後述する。
【0067】
===アーム2b===
アーム2bは、アーム2bの例えば下側(−Z側)でレール7を支持するアームである。アーム2bは、先端が筐体1の例えば正面から+X側に向かって突出した状態で、X軸に沿って伸縮するアームである。
アーム2bは、回動部材26、伸縮アーム291b、292bを備えて構成される。
【0068】
伸縮アーム291bは、端部材27、28、外管部材33、内管部材34を有する。伸縮アーム291bの下側には、レール7を取り付けるための取り付け部材35b、37bが取り付けられる。尚、取り付け部材35b、37bの詳細については後述する。伸縮アーム292bは、端部材24、25、外管部材31、内管部材32を有する。伸縮アーム292bの下側には、レール7を取り付けるための取り付け部材39bが取り付けられる。尚、取り付け部材39bの詳細については後述する。
【0069】
===レール7===
レール7は、レール7の例えば下側(−Z側)で充電ケーブル4bを支持するためのレールである。
レール7は、例えば3つのレール部材711、712、713、レールストッパ714、715、例えば3つの支持部材75、76、77、例えば3つの取り付け部材35b、37b、39bを備えて構成される。
【0070】
レール部材711、712、713は、長手方向がX軸に沿った状態でお互いに連結されて長尺形状の例えば1本の連結レール(レール体)を形成する部材である。レール部材711、712、713は、長手方向がX軸に沿った状態の長尺形状のレールである。レール部材711は、+X側の端部からレール部材712の−X側の端部が挿入されるように、中空形状である。レール部材712は、+X側の端部からレール部材713の−X側の端部が挿入されるように、中空形状である。レール部材711、712、713の下側には、支持部材75、76、77が移動するレール溝が長手方向に沿って設けられる。尚、支持部材75、76、77の詳細については後述する。レール部材711、712、713のレール溝は、レール部材713がレール部材712に挿入され、レール部材712がレール部材711に挿入されて1本のレールが形成された際に、X軸に沿った1本のレール溝となるものとする。レール部材711、712、713は、レール部材711、712、713が連結された連結レールのレール溝がアーム2bと略平行となるように、アーム2bの下側に取り付け部材35b、37b、39bを介して取り付けられる。取り付け部材35b、37b、39bは、連結レールのレール溝がアーム2bと略平行となるように、アーム2bと連結レールとの間に取り付けられる例えばスペーサである。端部材28の下側とレール部材713の上側(+Z側)とは、取り付け部材35bを介して例えば接着される。端部材27の下側とレール部材712の上側とは、取り付け部材37bを介して例えば接着される。端部材24の下側とレール部材711の上側とは、取り付け部材39bを介して例えば接着される。支持部材75、76、77は、充電ケーブル4bを支持した状態で、レール部材711、712、713が連結された連結レールのレール溝に沿って移動する部材である。支持部材75は、例えば上側が連結レールのレール溝に嵌められてレール溝に沿って移動する形状である。支持部材75は、連結レールのレール溝に嵌められた状態で、充電ケーブル4bを支持する。支持部材75は、例えば充電ケーブル4bが挿通される孔が設けられる。充電ケーブル4bは、支持部材75の孔に挿通されてケーブル固定部材49によって固定される。支持部材76は、支持部材75と同様な形状であり、連結レールのレール溝における支持部材75が嵌められる位置よりも例えば−X側に嵌められる。支持部材77は、支持部材75と同様な形状であり、連結レールのレール溝における支持部材76が嵌められる位置よりも例えば−X側に嵌められる。レールストッパ714、715は、支持部材75、76、77が連結レールのレール溝から抜け落ちるのを防止するためにレール溝を塞ぐ部材である。レールストッパ714は、レール部材711の例えば−X側の端部に取り付けられる。レールストッパ715は、レール部材713の例えば+X側の端部に取り付けられる。
【0071】
===充電装置の動作===
例えばアーム2bが伸ばされた場合、レール部材711、712に夫々挿入されていたレール部材712、713が引き出されて連結レールが伸びる。一方、例えばアーム2bが縮められた場合、レール部材712、713が夫々レール部材711、712に挿入されて連結レールが縮む。また、例えば支持部材75、76、77をレール溝に沿って夫々連結アームの−X側の端部、−X側の端部と+X側の端部との中間の位置、+X側の端部へ移動させると、支持部材75、76の間の距離、支持部材76、77の間の距離は伸びる。よって、支持部材75、76、77に支持された充電ケーブル4bはレールに沿った状態となる。一方、例えば支持部材75、76、77をレール溝に沿って連結アームの−X側の端部に移動させると、支持部材75、76の間の距離、支持部材76、77の間の距離は縮まる。よって、支持部材75、76、77に支持された充電ケーブル4bは撓んで垂下する。
【0072】
前述したように、レール7は、連結レールのレール溝がアーム2bと略平行となるようにアーム2bの例えば下側に取り付けられる。支持部材75、76、77は、充電ケーブル4bを支持した状態でレール7のレール溝に沿って移動する。よって、アーム2bを伸縮することなく、支持部材75、76、77をレール7のレール溝に沿って移動させて、迅速にプラグ5bを電気自動車の周辺に移動させることができる。また、アーム2bを伸縮することなく、レール7における支持部材75、76、77の位置を調整できるので、例えば充電中に作業員が充電ケーブル4に躓かないように、例えば筐体1付近に充電ケーブル4bを撓ませてアーム2bの先端付近では充電ケーブル4bをレール7に沿わせることができる。従って、使い勝手のよい充電装置を提供することができる。
【0073】
[第4実施形態]
===充電装置===
図10は、本実施形態に係る充電装置を示す斜視図である。尚、図1に示された構成と同じ構成については同じ番号を付すのみで、その説明は省略する。図11は、図10を−X方向へ向かって見た、アームと充電ケーブルを示す図である。
【0074】
充電装置100cは、筐体1、アーム2c、充電ケーブル4cを含んで構成される。尚、本実施形態においてアーム2はX軸に沿って伸縮し、アーム2が縮む方向を−X方向とし、アーム2が伸びる方向を+X方向とする。Y軸は、筐体1の両側面に対して直交する軸であり、一方の側面に向かう方向を−Y方向とし、他方の側面に向かう方向を+Y方向とする。Z軸は、筐体1に対して鉛直方向に沿う軸であり、下に向かう方向を−Z方向とし、上に向かう方向を+Z方向とする。
【0075】
充電ケーブル4cは、筐体1に収容された充電器200と電気自動車が備えたバッテリとを接続する電力ケーブルである。
アーム2cは、充電ケーブル4cを支持するアームである。アーム2cは、先端が筐体1の例えば正面から+X方向に向かって突出した状態で、X軸に沿って伸縮するアームである。アーム2cは、−X側の端部が連結体20の+X側に取り付けられる。アーム2cは、端部材24c、外管部材31c、内管部材32c、支持部材35cを有する。
【0076】
端部材24cは、アーム2cを連結体20の+X側に取り付けるための部材である。外管部材31cは、溝が下側(−Z側)に向けられて長手方向がX軸に沿った状態の例えばC型鋼である。内管部材32cは、外管部材31cと同様に、溝が下側に向けられて長手方向がX軸に沿った状態の例えばC型鋼である。尚、内管部材32cは、外管部材の+X側の端部から外管部材31cに挿入されるように、内管部材32cの外周面は外管部材31cの内側の面に沿う形状であるものとする。内管部材32cは、外管部材31cに挿入された状態で、X軸に沿って移動するものとする。端部材24cは、−X側の面が回動部材23に取り付けられるように回動部材23の外周面に沿う形状であり、+X側の面が例えば平面形状であるものとする。支持部材35cは、内管部材35cの内部に取り付けられた状態で、充電ケーブル4cを支持する部材である。支持部材35cは、内管部材35cの+X側の端部に取り付けられるものとする。支持部材35cは、例えば充電ケーブル4cが挿通される孔が設けられる。充電ケーブル4cは、支持部材35cの孔に挿通されてケーブル固定部材49によって固定される。支持部材35cと同様な形状の支持部材(不図示)が、端部材24cの下側の面、外管部材31cの内部に取り付けられるものとする。端部材24cは、−X側の面が回動部材23に取り付けられる。外管部材31cは、外管部材31cの−X側の端部が端部材24cの+X側の面に取り付けられる。内管部材32cは、内管部材32cの−X側の端部が外管部材31cの+X側の端部から外管部材31cに挿入される。
【0077】
===充電装置の動作===
例えば内管部材32cが外管部材31cに挿入された状態で、内管部材32cが+X側に移動した場合、アーム2cは伸びる。よって、支持部材35cと外管部材31cの内部に取り付けられた支持部材との間の距離、外管部材31cの内部に取り付けられた支持部材と端部材24cの下側の面に取り付けられた支持部材との間の距離は伸びるので、充電ケーブル4cはアーム2cの内部でアーム2cに沿った状態となる。一方、例えば内管部材32cが外管部材31cに挿入された状態で、内管部材32が−X側に移動した場合、アーム2cは縮む。よって、支持部材35cと外管部材31cの内部に取り付けられた支持部材との間の距離、外管部材31cの内部に取り付けられた支持部材と端部材24cの下側の面に取り付けられた支持部材との間の距離は縮むので、充電ケーブル4cは撓んでアーム2cの溝から垂下する。
【0078】
前述したように、外管部材31c、内管部材32cとして、溝が下側(−Z側)に向けられて長手方向がX軸に沿った状態の例えばC型鋼が用いられる。支持部材35cは、内管部材32cの内部に取り付けられる。よって、例えばアーム2cが伸ばされた場合、充電ケーブル4cはアーム2cの内部でアーム2cに沿った状態となるので、充電ケーブル4cの通電電流による磁界が充電装置の周辺に印加されるのを抑制できる。
【0079】
尚、第1乃至第4実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【0080】
第1実施形態においては、連結体20を支持する昇降部材191が筐体1の内部に配設される場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、アーム2の伸縮する長手方向に沿ってアーム2が充電ケーブル4を支持するように、昇降部材191が筐体1と隣接した筐体1の外部に設置される構成としてもよい。この場合、充電ケーブル4は、アーム2の例えば下側に支持部材35、36、37によって例えば着脱自在に取り付けられる。更に、筐体1の外部に設置された昇降部材191の下側を例えば台車に載置して、昇降部材191が地面を走行できる構成としてもよい。この場合、充電ケーブル4をアーム2から例えば取り外した状態で、昇降部材191を走行させてアーム2を容易に収納することができる。
【符号の説明】
【0081】
1 筐体
2、2a、2b、2c アーム
4、4b、4c 充電ケーブル
5、5b、5c プラグ
6 アーム補助支持部
7 レール
20 連結体
35、36、37、75、76、77 支持部材
100、100a、100b、100c 充電装置
191 昇降部材
200 充電器
711、712、713 レール部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気自動車が備えるバッテリを充電するための充電器が収容される筐体と、
前記充電器と前記バッテリとの間に接続される充電ケーブルと、
略水平方向に伸縮するアームと、
前記アームが伸縮する長手方向における第1位置で前記充電ケーブルを支持する第1支持部と、前記アームが伸縮する長手方向における第2位置で前記充電ケーブルを支持する第2支持部と、を有し、前記アームが伸びると、前記充電ケーブルが前記アームの長手方向に沿うように前記第1支持部と前記第2支持部との間の距離が伸び、前記アームが縮むと、前記充電ケーブルが撓んで垂下するように前記第1支持部と前記第2支持部との間の距離が縮む第1支持体と、
を備えたことを特徴とする充電装置。
【請求項2】
前記アームが略水平方向に伸縮するように、前記アームを支持する第2支持体を備え、
前記第2支持体は、前記筐体の内部に配設され、
前記アームは、前記第2支持体に支持されつつ前記筐体から略水平方向に突出する
ことを特徴とする請求項1に記載の充電装置。
【請求項3】
前記第1支持部及び前記第2支持部は、夫々、前記充電ケーブルが支持されるように、前記アームに取り付けられる
ことを特徴とする請求項2に記載の充電装置。
【請求項4】
前記第1支持体は、前記アームの伸縮に合わせて伸縮するように、前記アームの長手方向に沿って配設されるレール体を有し、
前記第1支持部及び前記第2支持部は、夫々、前記レール体の伸縮に関わらず前記レール体の長手方向に沿って移動するように、前記レール体に取り付けられる
ことを特徴とする請求項2に記載の充電装置。
【請求項5】
前記アームの伸縮する方向が略水平となるように、前記アームの先端を支持する支柱
を備えたことを特徴とする請求項2乃至4の何れかに記載の充電装置。
【請求項6】
前記アームと前記第2支持体とを連結する連結体を備え、
前記連結体は、前記アームを略水平方向に回動させる第1回動機構を有する
ことを特徴とする請求項2乃至5の何れかに記載の充電装置。
【請求項7】
前記連結体は、前記アームを略垂直方向に回動させる第2回動機構を有する
ことを特徴とする請求項6に記載の充電装置。
【請求項8】
前記第2支持体は、前記アームを昇降させる昇降機構を有する
ことを特徴とする請求項2乃至7の何れかに記載の充電装置。
【請求項9】
前記アームは、前記アームが伸縮する距離を規制する規制機構を有する
ことを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の充電装置。
【請求項10】
前記昇降機構は、前記アームが昇降する距離を規制する規制機構を有する
ことを特徴とする請求項8に記載の充電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−120402(P2012−120402A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−270486(P2010−270486)
【出願日】平成22年12月3日(2010.12.3)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】