充電装置
【課題】電池が組み込まれた携帯端末を充電対象として端末内の電池を充電し得る充電装置であって、充電対象となる携帯端末の種類により適した出力電圧に調整しうる構成を提供する。
【解決手段】充電装置100に設けられた切替回路120は、接続端子T3、T4に対する装置外部からの電圧印加状態に基づいてスイッチング素子M1、M2のオンオフ状態が設定されるようになっており、その設定されたオンオフ状態に応じた電圧信号を生成して制御回路110(出力電圧制御手段)に与えている。そして、制御回路110は、その取得した電圧信号に基づいて出力端子T1から携帯端末1に与えられる出力電圧を制御している。
【解決手段】充電装置100に設けられた切替回路120は、接続端子T3、T4に対する装置外部からの電圧印加状態に基づいてスイッチング素子M1、M2のオンオフ状態が設定されるようになっており、その設定されたオンオフ状態に応じた電圧信号を生成して制御回路110(出力電圧制御手段)に与えている。そして、制御回路110は、その取得した電圧信号に基づいて出力端子T1から携帯端末1に与えられる出力電圧を制御している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末に組み込まれた電池を充電する充電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯型光学的情報読取装置などの携帯端末は、様々な場所で自由度高く用いるため、一般的には内部に充電可能な電池を収容した構成となっている。携帯端末で用いられる電池は、商用電源などからの電力供給を受けて充電電流を生成、出力する充電装置により、携帯端末を使用しない時間帯などに充電されるようになっている。
【0003】
ところで、携帯端末で用いられる電池としては様々な規格、仕様のものが提供されており、充電装置は、充電対象となる電池に適した出力電圧で電池を充電することが求められている。このような課題に関連する技術としては、特許文献1のようなものが提供されており、この特許文献1の技術では、充電用DC/DCコンバータ18の充電電圧V1が、充電制御ユニット22からの充電電圧制御信号E4によって、電池パック12の2セルまたは3セルに対応した充電電圧に切換制御されるようになっている。この構成では、電池パック12のセル数に合わせた充電電圧を印加しているため、セル数からかけ離れた充電電圧が印加されないようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−254698公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1のように単に電池のセル数に合わせて出力電圧を出力する構成では、単位セル数のときに出力される出力電圧の倍数のみでしか電圧を調整することができない。例えば、1セルなら3.6V、2セルならその2倍の7.2Vといった具合にセル数に合わせた大まかな調整は可能であるが、端末の種類毎に出力電圧を細かく調整することが難しいという問題がある。
【0006】
また、特許文献1の構成では、携帯端末内に組み込んだ状態で電池を充電することを想定しておらず、電池を一旦取り外して充電しなければならないため、充電時の作業負荷が大きくならざるを得ないという問題がある。一方、携帯端末内に電池を組み込んだ状態で端末内の電池を充電する方式では、充電時の作業負荷が大幅に軽減されるが、端末毎の微妙な影響を考慮して出力電圧を調整しなければならないという新たな問題が生じる。例えば、携帯端末内には様々な回路や電気部品が収容されており、充電装置から携帯端末に対して充電電圧が印加されたときには、これら回路等の影響により電池までの間にある程度の電圧ドロップが生じることになる。このような電圧ドロップは、携帯端末の種類毎に異なるため、電池に対して適切な充電電圧を印加するためには、充電装置から出力する出力電圧を、このような電圧ドロップを考慮して端末種毎に適切に設定する必要がある。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、電池が組み込まれた携帯端末を充電対象として端末内の電池を充電し得る充電装置であって、充電対象となる携帯端末の種類により適した出力電圧に調整しうる構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、電池が組み込まれ且つ複数の端末側端子を備えた携帯端末を充電対象とし、携帯端末が載置又は接続されたときに端末側端子を介して当該携帯端末の内部に収容された電池を充電する充電装置であって、
携帯端末に設けられた複数の端末側端子の接続対象となる3以上の接続端子を備え、少なくともいずれかの接続端子が充電用の出力電圧を出力する出力端子として構成される接続部と、
電圧信号を取得し得る構成をなし、且つその取得した前記電圧信号に基づいて前記出力端子から携帯端末に与えられる前記出力電圧を制御する出力電圧制御手段と、
入力部を備えると共に当該入力部に対する電圧印加状態に応じてオン状態とオフ状態とが切り替わるスイッチング素子が1又は複数設けられ、前記スイッチング素子のオンオフ状態を変化させることで前記出力電圧制御手段に与える前記電圧信号を切り替える切替手段と、
を備え、
前記スイッチング素子は、前記入力部に対して、当該入力部に対応する前記接続端子の電圧状態に応じた電圧が印加される構成をなしており、
前記切替手段は、少なくともいずれかの前記接続端子に対する装置外部からの電圧印加状態に基づいて1又は複数の前記スイッチング素子のオンオフ状態が設定され、その設定されたオンオフ状態に応じた前記電圧信号を生成して前記出力電圧制御手段に与えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明によれば、電池が組み込まれ且つ複数の端末側端子を備えた携帯端末を充電対象とし、携帯端末が載置又は接続されたときに端末側端子を介して当該携帯端末の内部に収容された電池を充電することができる。
また、切替手段では、少なくともいずれかの接続端子に対する装置外部からの電圧印加状態に基づいて1又は複数のスイッチング素子のオンオフ状態が設定されるようになっており、その設定されたオンオフ状態に応じた電圧信号を生成して出力電圧制御手段に与えている。そして、出力電圧制御手段は、切替手段から取得した電圧信号に基づいて出力端子から携帯端末に与えられる出力電圧を制御している。この構成では、携帯端末の種類毎に端末側端子に対する電圧印加状態を決めておきさえすれば、充電装置側では、携帯端末の種類に対応する電圧信号を生成し、出力電圧制御手段に与えることができるようになる。出力電圧制御手段側では、携帯端末の種類とそれに適した出力電圧とを対応付けておけば、特定された種類に適した出力電圧を生成し、充電対象に印加することができる。
【0010】
請求項2の発明では、切替手段において、1又は複数の抵抗手段を備えると共に一端側が高電位側に接続される第1抵抗部と、1又は複数の抵抗手段を備えると共に一端側が第1抵抗部側に接続され他端側が低電位側に接続される第2抵抗部とが設けられており、第1抵抗部及び第2抵抗部の間の電位を電圧信号として出力電圧制御手段に与える構成をなしており、第1抵抗部及び第2抵抗部の少なくともいずれかが、1又は複数のスイッチング素子のオンオフ状態に対応した抵抗状態に変化するように構成されている。
この構成では、接続端子の状態に応じてオンオフが変化するスイッチング素子により抵抗部の抵抗状態を変化させるという簡易な手法により、出力電圧制御手段に与える電圧信号を正確に変化させることができる。特に、複雑な電圧生成回路によって電圧信号を生成する構成等と比較すると装置構成の簡素化、小型化の面で一層有利となる。
【0011】
請求項3の発明では、第1抵抗部の一端側が出力電圧制御手段から出力端子に至るまでの電力供給路に電気的に接続され、第2抵抗部の他端側がグランドに電気的に接続されている。
この構成では、切替手段に設けられた分圧部(第1抵抗部及び第2抵抗部が接続されてなる部分)の高電位側を出力ライン(電力供給路)と共用することができるため、別途電源を用意する必要がなくなると共に、出力電圧制御手段の端子数を抑えやすくなる。
【0012】
請求項4の発明では、出力電圧制御手段は、所定の印加停止条件の成立に基づき出力電圧の印加を停止し、所定の印加開始条件の成立時には出力電圧の制御に先立ち、出力電圧制御手段から出力端子に至るまでの電力供給路を所定電圧レベルに設定可能とされており、切替手段は、電力供給路が所定電圧レベルに設定されるときの1又は複数のスイッチング素子のオンオフ状態に基づいて電圧信号を生成している。また、出力電圧制御手段は、電力供給路を所定電圧レベルに設定した後に切替手段から与えられる電圧信号に基づき、出力端子に印加される出力電圧を当該電圧信号に応じたレベルに制御するように構成されている。
この構成によれば、非充電時(印加停止条件の成立時)には出力電圧を停止させて電力消費を抑えることができる。一方、充電時(印加開始条件の成立時)には出力電圧の制御に先立って電力供給路が所定電圧レベルに設定されるため、特別な専用電源を用いずとも電圧信号を生成するための電源(切替手段用の電源)が確実に確保される。これにより、この期間は出力電圧制御手段に与える電圧信号を安定的に生成できるようになる。そして、出力電圧制御手段では、出力電圧を上記の暫定レベル(所定電圧レベル)から、生成された電圧信号に基づく適切なレベル(携帯端末に応じたレベル)に変化させてこのレベルで維持できるようになる。
【0013】
請求項5の発明では、第1抵抗部の一端側が所定の電源部に電気的に接続され、第2抵抗部の他端側がグランドに電気的に接続されている。
この構成では、切替手段に設けられた分圧部(第1抵抗部及び第2抵抗部が接続されてなる部分)の高電位側を一定電圧に維持しやすく、出力電圧制御手段に与える電圧信号もスイッチング素子のオンオフ状態に応じたレベルに正確に設定しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係る充電装置と、この充電装置に接続される携帯端末とを有してなる充電システムを概略的に説明する説明図である。
【図2】図2は、図1の充電装置における切替回路等の構成を概略的に例示する回路図である。
【図3】図3(A)は、第1実施形態に係る充電装置によって充電される携帯端末の電気的構成を例示するブロック図であり、図3(B)は、情報コード読取部の構成を概略的に例示する概略図である。
【図4】図4は、各種類の端末を充電するときのスイッチング素子のオンオフ状態と電圧信号との関係を説明する説明図である。
【図5】図5は、図1で充電される携帯端末とは異なる種類の携帯端末を充電する様子を説明する説明図である。
【図6】図6は、図1、図5で充電される携帯端末とは異なる種類の携帯端末を充電する様子を説明する説明図である。
【図7】図7は、図1、図5、図6で充電される携帯端末とは異なる種類の携帯端末を充電する様子を説明する説明図である。
【図8】図8は、第1実施形態の充電装置の制御回路における出力電圧制御の流れを例示するフローチャートである。
【図9】図9は、本発明の第2実施形態に係る充電装置と、この充電装置に接続される携帯端末とを有してなる充電システムを概略的に説明する説明図である。
【図10】図10は、図9の充電装置における切替回路等の構成を概略的に例示する回路図である。
【図11】図11は、他の実施形態に係る充電装置における切替回路等の構成を概略的に例示する回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[第1実施形態]
以下、本発明の充電装置を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
(充電システムの構成の概要)
本実施形態に係る充電装置100は、携帯端末1と共に充電システムSyを構成しており、以下では、まず、図1〜図3を参照し、充電システムSyの概要を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る充電装置と、この充電装置に接続される携帯端末とを有してなる充電システムを概略的に説明する説明図である。図2は、図1の充電装置における切替回路等の構成を概略的に例示する回路図である。図3(A)は、第1実施形態に係る充電装置によって充電される携帯端末の電気的構成を例示するブロック図であり、図3(B)は、情報コード読取部の構成を概略的に例示する概略図である。
【0016】
図1に示す充電システムSyは、充電装置100によって複数種類の携帯端末1(図1、図5、図6、図7に示す携帯端末1a、1b、1c、1d)の充電を可能とするシステムとして構成されている。そして、このシステムで用いられる充電装置100は、電池11が組み込まれ且つ複数の端末側端子(図1では、P11〜P14)を備えた携帯端末1を充電対象とし、携帯端末1が載置又は接続されたときに端末側端子を介して当該携帯端末1の内部に収容された電池11を充電するように構成されている。
【0017】
ここで、充電対象となる携帯端末1について説明する。
充電装置100によって充電される携帯端末1は、図1、図5〜図7に示す携帯端末1a〜1dのいずれも例えば図3のように構成されている。図3で例示される携帯端末1は、ユーザによって携帯されて様々な場所で用いられるものであり、バーコードや二次元コードなどの情報コードを読み取る情報コードリーダとしての機能を有している。この携帯端末1は、全体的に長手状の形態をなすと共に、長手状のケースによって外郭が構成され、このケースの内部に図3(A)(B)に示す各種部品(各種電気部品等)が収容されている。
【0018】
携帯端末1におけるケースの内部には、図3(A)に示すように、携帯端末1全体を制御する制御部2が設けられている。この制御部2は、マイコンを主体として構成されるものであり、CPU、システムバス、入出力インタフェース等を有しており、メモリ10と協働して情報処理手段として機能している。また、制御部2には、表示装置5、スピーカ6、トリガスイッチ7、キー操作部8、外部インタフェース9なども接続されている。
また、携帯端末1のケース内には、電源となる電池11や電源部12が設けられている。
【0019】
電池11は、本実施形態に係る充電装置100によって充電可能な二次電池(例えばリチウムイオン電池等)によって構成されている。また、電源部12は、公知の電源回路などによって構成されており、これらによって制御部2や各種電気部品に電力が供給されるようになっている。また、電池11の各端子は、携帯端末1が後述する接続部130に接続されたときに、その接続部130に設けられた端子T1(+端子)及び端子T2(−端子)に対応する通電ライン45及び接地ライン46がそれぞれ電気的に接続されるようになっており、端子T1(+端子)及び端子T2(−端子)を介して後述する制御回路(充電制御回路)110から充電電流が供給されるようになっている。
【0020】
また、制御部2には、情報コード読取部4が接続されている。この情報コード読取部4は、図3(B)に示すように、CCDエリアセンサ等の受光センサ15、結像レンズ16、複数個のLEDやレンズ等から構成される照明部14などを備えた構成をなしており、制御部2と協働して読取対象Rに付された情報コードC(バーコードや二次元コード)を読み取るように機能する。なお、情報コード読取部4には、受光センサ15からの信号を増幅する増幅回路や、その増幅された信号をデジタル信号に変換するAD変換回路等が設けられているがこれらの回路については図示を省略している。
【0021】
更に、制御部2には、通信部3が接続されている。この通信部3は、外部(例えば、充電装置100)との間で、規格化された公知の通信方式(例えば、規格化されたシリアル通信方式、赤外線通信方式、無線通信方式など)を用いて通信を行う公知のコントローラとして構成されており、制御部2と協働して通信処理を行う構成をなしている。
【0022】
(充電装置の構成)
次に、本実施形態に係る充電装置100の具体的構成について説明する。
図1、図2に示す充電装置100は、電池11が組み込まれ且つ複数の端末側端子(図1の例では端子P1〜P4)を備えた携帯端末1を充電対象とし、携帯端末1が載置又は接続されたときに端末側端子を介して当該携帯端末1の内部に収容された電池11を充電するように構成されている。この充電装置100は、主として制御回路110、切替回路(電圧切替部)120、接続部130によって構成されており、以下では、各部の構成を具体的に説明する。
【0023】
接続部130は、例えば携帯端末1と電気的に接続し得るコネクタとして構成されており、携帯端末1に設けられた複数の端末側端子(図1の例では端子P1〜P3)の接続対象となる4つの接続端子T1〜T4を備え、いずれかの接続端子(図1の例では端子T1)が充電用の出力電圧を出力する出力端子として構成されている。また、端子T2は、出力端子で印加される電位よりも低い基準電位(図1の例では例えばグランドレベル)で維持される低電位端子として構成されている。端子T1(出力端子)は、充電回路として構成される制御回路110からの出力ライン(通電ライン45)に接続され、制御回路110から出力される出力電圧が印加されるようになっている。また、端子T2は、充電装置100内に設けられた接地ライン46に接続されており、グランドレベルで維持されるようになっている。
【0024】
制御回路110は、例えばICとして構成され、図示しない基板に実装された構成をなしている。この制御回路110は、図2に示す所定の入力端子(FB端子)を介して切替回路120から電圧信号を取得し得る構成をなし、且つその取得した電圧信号に基づいて所定端子(OUT端子)からの出力電圧を所定レベルに制御しており、これにより、出力端子(端子T1)から携帯端末1に与えられる出力電圧を制御している。具体的には、制御回路110は、複数段階の定電圧を生成しうる機能を有しており、所定端子(OUT端子)からの出力電圧をいずれかの定電圧に設定するように構成されている。
なお、本構成では、制御回路110が出力電圧制御手段の一例に相当する。
【0025】
切替回路120は、「切替手段」の一例に相当するものであり、入力部を備えると共に当該入力部に対する電圧印加状態に応じてオン状態とオフ状態とが切り替わる複数のスイッチング素子M1、M2を備えており、接続端子T3、T4に対する装置外部からの電圧印加状態に基づいてスイッチング素子M1、M2のオンオフ状態が設定され、その設定されたオンオフ状態に応じた電圧信号を生成して制御回路110(出力電圧制御手段)に与えるように構成されている。また、接続端子T3、T4の各電圧状態の変化に応じてスイッチング素子M1、M2のそれぞれのオンオフ状態を変化させ、これにより制御回路110(出力電圧制御手段)に与える電圧信号を切り替えている。
【0026】
各スイッチング素子M1、M2は、例えばNPN型のMOSFETとして構成されており、ゲートが入力部として機能している。そして、各スイッチング素子M1、M2は、各々のゲート(入力部)に対応する接続端子の電圧状態に応じた電圧が印加されるように構成されている。具体的には、スイッチング素子M1のゲートには、接続端子T3が接続され、接続端子T3の電位に応じた電圧が印加されるように構成されており、スイッチング素子M1は外部から接続端子T3に対してHレベル信号が入力されるときにオン動作し、外部から接続端子T3に対してLレベル信号が入力されるときにオフ動作するようになっている。また、スイッチング素子M2のゲートには、接続端子T4が接続され、接続端子T4の電位に応じた電圧が印加されるように構成されており、スイッチング素子M2は外部から接続端子T4に対してHレベル信号が入力されるときにオン動作し、外部から接続端子T4に対してLレベル信号が入力されるときにオフ動作するようになっている。
【0027】
また、切替回路120には、複数の抵抗R1〜R4(抵抗手段)が設けられている。これら抵抗群(抵抗R1〜R4)は、一端側が高電位側に接続される第1抵抗部141と、一端側が第1抵抗部141側に接続され他端側が低電位側に接続される第2抵抗部142とによって構成されており、第1抵抗部141及び第2抵抗部142の間の電位を電圧信号として制御回路110(出力電圧制御手段)に与える構成をなしている。そして、第2抵抗部142が、スイッチング素子M1、M2のオンオフ状態に対応した抵抗状態に変化するように構成され、第2抵抗部142の抵抗状態の変化に応じて第1抵抗部141及び第2抵抗部142の間の電位(即ち、制御回路110のFB端子に入力される電圧信号)が変化するようになっている。
【0028】
第1抵抗部141は、抵抗R1によって構成されており、この抵抗R1の一端側が制御回路110(出力電圧制御手段)から出力端子T1に至るまでの通電ライン45(電力供給路)に電気的に接続され、抵抗R1の他端側は制御回路110のFB端子及び第2抵抗部142(具体的には、各抵抗R2、R3、R4の一端側)に電気的に接続されている。
【0029】
第2抵抗部142は、抵抗R2、R3、R4とこれらを接続する導電路とによって構成されており、抵抗R2、R3、R4がそれぞれ、抵抗R1とグランド(接地ライン)との間に並列に接続されている。抵抗R2は、一端側が抵抗R1(及び抵抗R3、R4)抵抗R3は、一端側が抵抗R1(及び抵抗R2、R4)に接続され、他端側がスイッチング素子M1を介してグランドに接続されている。抵抗R4は、一端側が抵抗R1(及び抵抗R2、R3)に接続され、他端側がスイッチング素子M2を介してグランドに接続されている。
【0030】
図2の構成では、第1抵抗部141と第2抵抗部142の分圧比に応じた電圧信号がFB端子に入力されるようになっており、第1抵抗部141の抵抗値は固定であり、第2抵抗部142の抵抗値が変動しうる構成となっているため、FB端子に入力される電圧信号は第2抵抗部142の抵抗値に応じた値となる。具体的には、スイッチング素子M1(FET1とも称する)がオフ状態となり、スイッチング素子M2(FET2とも称する)がオフ状態となるときには、抵抗R3にも抵抗R4にも電流が流れない構成となり、第2抵抗部142の抵抗値はほぼ抵抗R2の抵抗値となる。従って、切替回路120で生成される電圧信号(FB端子に入力される電圧)は、抵抗R1と抵抗R2の分圧による値となる(図4の端末Aを参照)。また、スイッチング素子M1がオン状態となり、スイッチング素子M2がオフ状態となるときには、抵抗R3には電流が流れるが、抵抗R4には電流が流れない状態となり、第2抵抗部142の抵抗値は、ほぼ並列に接続される抵抗R2と抵抗R3の合成抵抗値となる。従って、切替回路120で生成される電圧信号(FB端子に入力される電圧)は、抵抗R1と合成抵抗(抵抗R2と抵抗R3の合成抵抗)の分圧による値となる(図4の端末Bを参照)。また、スイッチング素子M1がオフ状態となり、スイッチング素子M2がオン状態となるときには、抵抗R3には電流が流れず、抵抗R4には電流が流れる状態となり、第2抵抗部142の抵抗値は、ほぼ並列に接続される抵抗R2と抵抗R4の合成抵抗値となる。従って、切替回路120で生成される電圧信号(FB端子に入力される電圧)は、抵抗R1と合成抵抗(抵抗R2と抵抗R4の合成抵抗)の分圧による値となる(図4の端末Cを参照)。また、スイッチング素子M1がオン状態となり、スイッチング素子M2がオン状態となるときには、抵抗R3にも抵抗R4にも電流が流れる状態となり、第2抵抗部142の抵抗値は、ほぼ並列に接続される抵抗R2、抵抗R3、抵抗R4の合成抵抗値となる。従って、切替回路120で生成される電圧信号(FB端子に入力される電圧)は、抵抗R1と合成抵抗(抵抗R2、抵抗R3、抵抗R4の合成抵抗)の分圧による値となる(図4の端末Dを参照)。
【0031】
上記のように構成される充電装置100は、例えば図1、図5、図6、図7のような4種類の携帯端末1a〜1dを識別し、各種類に応じた出力電圧を生成して出力端子T1に印加している。第1の種類の携帯端末1a(端末Dとも称する)は、図1のように端子T1、T2に接続される端子(電池11aへのラインに接続される端末側端子P11、P12)だけでなく、端子T3、T4にそれぞれ接続しうる端子(端末側端子)P13、P14を備えており、例えば制御部2aなどにより、これら端子P13,P14に対し、常時、或いは所定時期(例えば充電時期)に所定閾値を超えるHレベル信号が印加されるようになっている。従って、このような第1の種類の携帯端末1a(端末D)が接続部130に接続されるときには、図4のようにスイッチング素子M1(FET1)及びスイッチング素子M2(FET2)がいずれもオン状態となり、FB端子には、第4の電圧値(抵抗R1と合成抵抗(抵抗R2、抵抗R3、抵抗R4の合成抵抗)の分圧による値)が入力されることとなる。
【0032】
同様に、第2の種類の携帯端末1b(端末Bとも称する)は、図5のように端子T1、T2に接続される端子(電池11bへのラインに接続される端末側端子P21、P22)だけでなく、端子T3に接続しうる端子(端末側端子)P23を備えており、例えば制御部2bなどにより、この端子P23に対し、常時、或いは所定時期(例えば充電時期)に所定閾値を超えるHレベル信号が印加されるようになっている。従って、このような第2の種類の携帯端末1b(端末B)が接続部130に接続されるときには、図4のようにスイッチング素子M1(FET1)がオン状態となり、スイッチング素子M2(FET2)がオフ状態となり、FB端子には、第2の電圧値(抵抗R1と合成抵抗(抵抗R2、抵抗R3の合成抵抗)の分圧による値)が入力されることとなる。なお、図5の例では、第2の種類の携帯端末1b(端末B)には端子T4に接続される端子が設けられておらず、第2の種類の携帯端末1b(端末B)が接続部130に接続されるときには端子T4は常にLレベルで維持されるようになっているが、第2の種類の携帯端末1b(端末B)において端子T4に接続される端子を設けておき、携帯端末1b側で常時或いは所定時期(例えば充電時期)にこの端子をLレベルに維持するようにしてもよい。
【0033】
同様に、第3の種類の携帯端末1c(端末Cとも称する)は、図6のように端子T1、T2に接続される端子(電池11cへのラインに接続される端末側端子P31、P32)だけでなく、端子T4に接続しうる端子(端末側端子)P34を備えており、例えば制御部2cなどにより、この端子P34に対し、常時、或いは所定時期(例えば充電時期)に所定閾値を超えるHレベル信号が印加されるようになっている。従って、このような第3の種類の携帯端末1c(端末C)が接続部130に接続されるときには、図4のようにスイッチング素子M1(FET1)がオフ状態となり、スイッチング素子M2(FET2)がオン状態となり、FB端子には、第3の電圧値(抵抗R1と合成抵抗(抵抗R2、抵抗R4の合成抵抗)の分圧による値)が入力されることとなる。なお、図6の例では、第3の種類の携帯端末1c(端末C)には端子T3に接続される端子が設けられておらず、第3の種類の携帯端末1c(端末C)が接続部130に接続されるときには端子T3は常にLレベルで維持されるようになっているが、第3の種類の携帯端末1c(端末C)において端子T3に接続される端子を設けておき、携帯端末1c側で常時或いは所定時期(例えば充電時期)にこの端子をLレベルに維持するようにしてもよい。
【0034】
また、第4の種類の携帯端末1d(端末Aとも称する)は、図7のように端子T1、T2に接続される端子(電池11dへのラインに接続される端末側端子P41、P42)だけが設けられており、端子T3、T4に接続される端子が設けられていない構成となっている。従って、このような第4の種類の携帯端末1d(端末A)が接続部130に接続されるときには、図4のようにスイッチング素子M1(FET1)がオフ状態となり、スイッチング素子M2(FET2)もオフ状態となり、FB端子には、第1の電圧値(抵抗R1と抵抗R2の分圧による値)が入力されることとなる。なお、図7の例では、第4の種類の携帯端末1d(端末A)には端子T3、T4に接続される端子が設けられていないが、第4の種類の携帯端末1d(端末A)において端子T3、T4に接続される端子を設けておき、携帯端末1d側で常時或いは所定時期(例えば充電時期)にこれら端子をLレベルに維持するようにしてもよい。
【0035】
次に、制御回路110による出力電圧制御の流れの一例について説明する。
充電装置100には、携帯端末1の載置又は接続を検出する検出手段(例えば、携帯端末1の押圧を検出する接触検出センサ、携帯端末1の近接を検出する近接センサ、携帯端末1からの信号を検出する検出回路等)を設けておき、携帯端末1の載置又は接続をトリガとして充電を開始するように制御することができる。
【0036】
図8はこのような制御の一例を示しており、携帯端末1の載置又は接続が検出されない状態、或いは携帯端末1の充電を停止すべき状態(例えば携帯端末1が満充電のときなど)のときにはS1にてNoに進むようになっている。一方、携帯端末1の載置又は接続が検出されており、携帯端末1の充電を停止すべき状態でないときにはS1にてYesに進み、所定端子(OUT端子)からの出力電圧を所定のデフォルト電圧に維持している(S2)。そして、この状態で、FB端子から入力される電圧信号を検出し(S3)、その入力される電圧信号(FB端子の電圧)の値が端末A〜Dのいずれに対応するものかを判断する。そして、いずれの種類に対応する電圧信号であるか特定した後には、所定端子(OUT端子)からの出力電圧をその特定された種類に対応する出力電圧に切り替えて出力する。制御回路110内には、例えばFB端子の電圧値とOUT端子からの出力電圧を対応付けたテーブル(即ち、FB端子の電圧値に基づいてOUT端子からの出力電圧を定めるテーブル)、或いはFB端子の電圧値に基づいてOUT端子からの出力電圧を算出する演算式などを記憶するメモリが設けられており、S4ではFB端子の電圧値とこのようなメモリの記憶内容とに基づいて端末種に応じた出力電圧を決定する。そして、その決定後にはOUT端子からの出力電圧をその決定された電圧値に維持するように制御する(S5)。このような電圧出力は、所定の充電終了時期まで(接続部130に接続されている携帯端末1の満充電の到来、或いは携帯端末1の載置又は接続が検出されない状態となるまで)維持されるようになっており、充電終了時期となるまではS6でNoに進み、決定された出力電圧で維持されるようになっている。充電終了時期となったときにはS6でYesに進むことになる。なお、S6でYesに進むときにはOUT端子からの電圧出力を停止させることが望ましい。
【0037】
このように、本構成で用いられる制御回路110(出力電圧制御手段)は、S1、S6のように、所定の印加停止条件の成立に基づき出力電圧の印加を停止し、S1でYesに進むときのように所定の印加開始条件の成立時には、出力電圧の制御に先立ち、S2のように制御回路110(出力電圧制御手段)から出力端子に至るまでの通電ライン45(電力供給路)を所定電圧レベル(デフォルトの出力電圧)に設定している。そして、切替回路120は、通電ライン45(電力供給路)が所定電圧レベル(デフォルトの出力電圧)に設定されるときの複数のスイッチング素子M1、M2のオンオフ状態に基づいてFB端子に与える電圧信号を生成している。そして、制御回路110(出力電圧制御手段)は、S3、S4のように通電ライン45(電力供給路)を所定電圧レベル(デフォルトの出力電圧)に設定した後に切替回路120から与えられる電圧信号に基づき、出力端子に印加される出力電圧を当該電圧信号に応じたレベルに制御している。
【0038】
(上記構成の主な効果)
上記構成に係る充電装置100によれば、電池11が組み込まれ且つ複数の端末側端子を備えた複数種類の携帯端末1(1a〜1d)を充電対象とし、いずれかの種類の携帯端末1が載置又は接続されたときには、その携帯端末1の端末側端子を介して当該携帯端末1の内部に収容された電池11を充電することができる。
また、切替回路120では、接続端子T3、T4に対する装置外部からの電圧印加状態に基づいて複数のスイッチング素子M1、M2のオンオフ状態が設定されるようになっており、その設定されたオンオフ状態に応じた電圧信号を生成して制御回路110(出力電圧制御手段)に与えている。そして、制御回路110(出力電圧制御手段)は、切替回路120から取得した電圧信号に基づいて出力端子T1から携帯端末1に与えられる出力電圧を制御している。この構成では、携帯端末1の種類毎に端末側端子に対する電圧印加状態を決めておきさえすれば、充電装置100側では、携帯端末1の種類に対応する電圧信号を生成し、制御回路110(出力電圧制御手段)に与えることができるようになる。制御回路110(出力電圧制御手段)側では、携帯端末1の種類とそれに適した出力電圧とを対応付けておけば、特定された種類に適した出力電圧を生成し、充電対象に印加することができる。
【0039】
また、上記構成では、切替回路120において、抵抗R1(抵抗手段)を備えると共に一端側が高電位側に接続される第1抵抗部141と、抵抗R2、R3、R4(抵抗手段)を備えると共に一端側が第1抵抗部141側に接続され他端側が低電位側に接続される第2抵抗部142とが設けられており、切替回路120は、第1抵抗部141及び第2抵抗部142の間の電位を電圧信号として制御回路110(出力電圧制御手段)に与える構成をなしている。そして、第2抵抗部142は、複数のスイッチング素子M1、M2のオンオフ状態に対応した抵抗状態に変化するように構成されている。
この構成では、接続端子T3、T4の状態に応じてオンオフが変化するスイッチング素子M1、M2により抵抗部の抵抗状態を変化させるという簡易な手法により、制御回路110(出力電圧制御手段)に与える電圧信号を正確に変化させることができる。特に、複雑な電圧生成回路によって電圧信号を生成する構成等と比較すると装置構成の簡素化、小型化の面で一層有利となる。
【0040】
また、上記構成では、第1抵抗部141の一端側が制御回路110(出力電圧制御手段)から出力端子に至るまでの通電ライン45(電力供給路)に電気的に接続され、第2抵抗部142の他端側がグランドに電気的に接続されている。
この構成では、切替回路120に設けられた分圧部(第1抵抗部141及び第2抵抗部142が接続されてなる部分)の高電位側を出力ライン(電力供給路)と共用することができるため、別途電源を用意する必要がなくなると共に、制御回路110(出力電圧制御手段)の端子数を抑えやすくなる。
【0041】
更に上記構成では、制御回路110(出力電圧制御手段)は、所定の印加停止条件の成立に基づき出力電圧の印加を停止し、所定の印加開始条件の成立時には出力電圧の制御に先立ち、制御回路110(出力電圧制御手段)から出力端子T1に至るまでの通電ライン45(電力供給路)を所定電圧レベル(デフォルト値)に設定可能とされており、切替回路120は、電力供給路が所定電圧レベルに設定されるときの複数のスイッチング素子M1、M2のオンオフ状態に基づいて電圧信号を生成している。また、制御回路110(出力電圧制御手段)は、通電ライン45(電力供給路)を所定電圧レベルに設定した後に切替回路120から与えられる電圧信号に基づき、出力端子に印加される出力電圧を当該電圧信号に応じたレベルに制御するように構成されている。
この構成によれば、非充電時(印加停止条件の成立時)には出力電圧を停止させて電力消費を抑えることができる。一方、充電時(印加開始条件の成立時)には出力電圧の制御に先立って通電ライン45(電力供給路)が所定電圧レベルに設定されるため、特別な専用電源を用いずとも電圧信号を生成するための電源(切替回路120用の電源)が確実に確保される。これにより、この期間は制御回路110(出力電圧制御手段)に与える電圧信号を安定的に生成できるようになる。そして、制御回路110(出力電圧制御手段)では、出力電圧を上記の暫定レベル(所定電圧レベル)から、生成された電圧信号に基づく適切なレベル(携帯端末1に応じたレベル)に変化させてこのレベルで維持できるようになる。
【0042】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0043】
上記実施形態の説明では、充電対象として図3に示すような携帯型光学的情報読取装置を例示したが、携帯端末の構成は図3のような構成に限られない。例えば、RFIDタグやICカード等を読み取り可能な携帯型非接触通信端末として構成されるものであってもよく、光学的情報読取機能と非接触通信機能とを併せ持つ構成であってもよい。
【0044】
上記実施形態では、スイッチング素子に接続される接続端子として2つの端子(端子T3、T4)が設けられた例を示したが、スイッチング素子に接続される接続端子の数は3以上としてもよい。この場合、抵抗R3、スイッチング素子M1と同様の構成(即ち、抵抗R1とグランドとの間に抵抗とスイッチング素子とが直列に接続された構成)のものを、R2〜R4と並列に追加し、追加される接続端子を並列に追加されるスイッチング素子のゲートに接続するようにすればよい。
【0045】
上記実施形態では、スイッチング素子に接続される接続端子として2つの端子(端子T3、T4)が設けられた例を示したが、図9、図10のようにスイッチング素子に接続される接続端子の数は1つでもよい。図9、図10の例では、例えば第1実施形態で示した携帯端末1b(図5)が接続されるときには、スイッチング素子M1がオン状態となり、第2抵抗部242の抵抗値は、抵抗R2、R3の合成抵抗の抵抗値となる。一方、図7のような携帯端末1dが接続されるときには、スイッチング素子M1がオフ状態となり、第2抵抗部242の抵抗値は、抵抗R2の抵抗値となる。そして、第1抵抗部241の抵抗値は固定であるため、第2抵抗部242の抵抗値に応じた電圧信号がFB端子に入力されることとなり、制御回路110では、FB端子に入力される電圧信号に応じてOUT端子からの出力電圧を設定することとなる。
【0046】
上記構成では、図2のように第1抵抗部141の一端側が通電ライン45に接続された構成を例示したが、図11のように、第1抵抗部141の一端側が所定の電源部Vaに電気的に接続され、第2抵抗部142の他端側がグランドに電気的に接続されていてもよい。なお、図11の構成では、抵抗R1の接続先のみが第1実施形態と異なるだけで、その他の構成は第1実施形態と同様である。この場合、電源部Vaの電位は、制御回路110によって所定電位に保たれる構成であってもよく、制御回路110とは別手段によって所定電位に保たれる構成であってもよい。
この構成では、切替回路120に設けられた分圧部(第1抵抗部141及び第2抵抗部142が接続されてなる部分)の高電位側を一定電圧(電源Vaの電圧)に維持しやすく、第1抵抗部141の高電位側の電圧変動の影響を受けにくいため制御回路110(出力電圧制御手段)に与える電圧信号もスイッチング素子M1、M2のオンオフ状態に応じたレベルに正確に設定しやすくなる。また、この場合、図8のような制御から、S2の処理を省略することができる。
【符号の説明】
【0047】
1…携帯端末
11…電池
P11、P12、P13、P14、P21、P22、P23、P31,P32,P34…端末側端子
45…通電ライン(電力供給路)
100…充電装置
110…制御回路(出力電圧制御手段)
120…切替回路(切替手段)
130…接続部
141…第1抵抗部
142…第2抵抗部
Sy…充電システム
T1、T2、T3、T4…接続端子
M1、M2…スイッチング素子
R1…抵抗(抵抗手段)
R2、R3、R4…抵抗(抵抗手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末に組み込まれた電池を充電する充電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯型光学的情報読取装置などの携帯端末は、様々な場所で自由度高く用いるため、一般的には内部に充電可能な電池を収容した構成となっている。携帯端末で用いられる電池は、商用電源などからの電力供給を受けて充電電流を生成、出力する充電装置により、携帯端末を使用しない時間帯などに充電されるようになっている。
【0003】
ところで、携帯端末で用いられる電池としては様々な規格、仕様のものが提供されており、充電装置は、充電対象となる電池に適した出力電圧で電池を充電することが求められている。このような課題に関連する技術としては、特許文献1のようなものが提供されており、この特許文献1の技術では、充電用DC/DCコンバータ18の充電電圧V1が、充電制御ユニット22からの充電電圧制御信号E4によって、電池パック12の2セルまたは3セルに対応した充電電圧に切換制御されるようになっている。この構成では、電池パック12のセル数に合わせた充電電圧を印加しているため、セル数からかけ離れた充電電圧が印加されないようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−254698公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1のように単に電池のセル数に合わせて出力電圧を出力する構成では、単位セル数のときに出力される出力電圧の倍数のみでしか電圧を調整することができない。例えば、1セルなら3.6V、2セルならその2倍の7.2Vといった具合にセル数に合わせた大まかな調整は可能であるが、端末の種類毎に出力電圧を細かく調整することが難しいという問題がある。
【0006】
また、特許文献1の構成では、携帯端末内に組み込んだ状態で電池を充電することを想定しておらず、電池を一旦取り外して充電しなければならないため、充電時の作業負荷が大きくならざるを得ないという問題がある。一方、携帯端末内に電池を組み込んだ状態で端末内の電池を充電する方式では、充電時の作業負荷が大幅に軽減されるが、端末毎の微妙な影響を考慮して出力電圧を調整しなければならないという新たな問題が生じる。例えば、携帯端末内には様々な回路や電気部品が収容されており、充電装置から携帯端末に対して充電電圧が印加されたときには、これら回路等の影響により電池までの間にある程度の電圧ドロップが生じることになる。このような電圧ドロップは、携帯端末の種類毎に異なるため、電池に対して適切な充電電圧を印加するためには、充電装置から出力する出力電圧を、このような電圧ドロップを考慮して端末種毎に適切に設定する必要がある。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、電池が組み込まれた携帯端末を充電対象として端末内の電池を充電し得る充電装置であって、充電対象となる携帯端末の種類により適した出力電圧に調整しうる構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、電池が組み込まれ且つ複数の端末側端子を備えた携帯端末を充電対象とし、携帯端末が載置又は接続されたときに端末側端子を介して当該携帯端末の内部に収容された電池を充電する充電装置であって、
携帯端末に設けられた複数の端末側端子の接続対象となる3以上の接続端子を備え、少なくともいずれかの接続端子が充電用の出力電圧を出力する出力端子として構成される接続部と、
電圧信号を取得し得る構成をなし、且つその取得した前記電圧信号に基づいて前記出力端子から携帯端末に与えられる前記出力電圧を制御する出力電圧制御手段と、
入力部を備えると共に当該入力部に対する電圧印加状態に応じてオン状態とオフ状態とが切り替わるスイッチング素子が1又は複数設けられ、前記スイッチング素子のオンオフ状態を変化させることで前記出力電圧制御手段に与える前記電圧信号を切り替える切替手段と、
を備え、
前記スイッチング素子は、前記入力部に対して、当該入力部に対応する前記接続端子の電圧状態に応じた電圧が印加される構成をなしており、
前記切替手段は、少なくともいずれかの前記接続端子に対する装置外部からの電圧印加状態に基づいて1又は複数の前記スイッチング素子のオンオフ状態が設定され、その設定されたオンオフ状態に応じた前記電圧信号を生成して前記出力電圧制御手段に与えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明によれば、電池が組み込まれ且つ複数の端末側端子を備えた携帯端末を充電対象とし、携帯端末が載置又は接続されたときに端末側端子を介して当該携帯端末の内部に収容された電池を充電することができる。
また、切替手段では、少なくともいずれかの接続端子に対する装置外部からの電圧印加状態に基づいて1又は複数のスイッチング素子のオンオフ状態が設定されるようになっており、その設定されたオンオフ状態に応じた電圧信号を生成して出力電圧制御手段に与えている。そして、出力電圧制御手段は、切替手段から取得した電圧信号に基づいて出力端子から携帯端末に与えられる出力電圧を制御している。この構成では、携帯端末の種類毎に端末側端子に対する電圧印加状態を決めておきさえすれば、充電装置側では、携帯端末の種類に対応する電圧信号を生成し、出力電圧制御手段に与えることができるようになる。出力電圧制御手段側では、携帯端末の種類とそれに適した出力電圧とを対応付けておけば、特定された種類に適した出力電圧を生成し、充電対象に印加することができる。
【0010】
請求項2の発明では、切替手段において、1又は複数の抵抗手段を備えると共に一端側が高電位側に接続される第1抵抗部と、1又は複数の抵抗手段を備えると共に一端側が第1抵抗部側に接続され他端側が低電位側に接続される第2抵抗部とが設けられており、第1抵抗部及び第2抵抗部の間の電位を電圧信号として出力電圧制御手段に与える構成をなしており、第1抵抗部及び第2抵抗部の少なくともいずれかが、1又は複数のスイッチング素子のオンオフ状態に対応した抵抗状態に変化するように構成されている。
この構成では、接続端子の状態に応じてオンオフが変化するスイッチング素子により抵抗部の抵抗状態を変化させるという簡易な手法により、出力電圧制御手段に与える電圧信号を正確に変化させることができる。特に、複雑な電圧生成回路によって電圧信号を生成する構成等と比較すると装置構成の簡素化、小型化の面で一層有利となる。
【0011】
請求項3の発明では、第1抵抗部の一端側が出力電圧制御手段から出力端子に至るまでの電力供給路に電気的に接続され、第2抵抗部の他端側がグランドに電気的に接続されている。
この構成では、切替手段に設けられた分圧部(第1抵抗部及び第2抵抗部が接続されてなる部分)の高電位側を出力ライン(電力供給路)と共用することができるため、別途電源を用意する必要がなくなると共に、出力電圧制御手段の端子数を抑えやすくなる。
【0012】
請求項4の発明では、出力電圧制御手段は、所定の印加停止条件の成立に基づき出力電圧の印加を停止し、所定の印加開始条件の成立時には出力電圧の制御に先立ち、出力電圧制御手段から出力端子に至るまでの電力供給路を所定電圧レベルに設定可能とされており、切替手段は、電力供給路が所定電圧レベルに設定されるときの1又は複数のスイッチング素子のオンオフ状態に基づいて電圧信号を生成している。また、出力電圧制御手段は、電力供給路を所定電圧レベルに設定した後に切替手段から与えられる電圧信号に基づき、出力端子に印加される出力電圧を当該電圧信号に応じたレベルに制御するように構成されている。
この構成によれば、非充電時(印加停止条件の成立時)には出力電圧を停止させて電力消費を抑えることができる。一方、充電時(印加開始条件の成立時)には出力電圧の制御に先立って電力供給路が所定電圧レベルに設定されるため、特別な専用電源を用いずとも電圧信号を生成するための電源(切替手段用の電源)が確実に確保される。これにより、この期間は出力電圧制御手段に与える電圧信号を安定的に生成できるようになる。そして、出力電圧制御手段では、出力電圧を上記の暫定レベル(所定電圧レベル)から、生成された電圧信号に基づく適切なレベル(携帯端末に応じたレベル)に変化させてこのレベルで維持できるようになる。
【0013】
請求項5の発明では、第1抵抗部の一端側が所定の電源部に電気的に接続され、第2抵抗部の他端側がグランドに電気的に接続されている。
この構成では、切替手段に設けられた分圧部(第1抵抗部及び第2抵抗部が接続されてなる部分)の高電位側を一定電圧に維持しやすく、出力電圧制御手段に与える電圧信号もスイッチング素子のオンオフ状態に応じたレベルに正確に設定しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係る充電装置と、この充電装置に接続される携帯端末とを有してなる充電システムを概略的に説明する説明図である。
【図2】図2は、図1の充電装置における切替回路等の構成を概略的に例示する回路図である。
【図3】図3(A)は、第1実施形態に係る充電装置によって充電される携帯端末の電気的構成を例示するブロック図であり、図3(B)は、情報コード読取部の構成を概略的に例示する概略図である。
【図4】図4は、各種類の端末を充電するときのスイッチング素子のオンオフ状態と電圧信号との関係を説明する説明図である。
【図5】図5は、図1で充電される携帯端末とは異なる種類の携帯端末を充電する様子を説明する説明図である。
【図6】図6は、図1、図5で充電される携帯端末とは異なる種類の携帯端末を充電する様子を説明する説明図である。
【図7】図7は、図1、図5、図6で充電される携帯端末とは異なる種類の携帯端末を充電する様子を説明する説明図である。
【図8】図8は、第1実施形態の充電装置の制御回路における出力電圧制御の流れを例示するフローチャートである。
【図9】図9は、本発明の第2実施形態に係る充電装置と、この充電装置に接続される携帯端末とを有してなる充電システムを概略的に説明する説明図である。
【図10】図10は、図9の充電装置における切替回路等の構成を概略的に例示する回路図である。
【図11】図11は、他の実施形態に係る充電装置における切替回路等の構成を概略的に例示する回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[第1実施形態]
以下、本発明の充電装置を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
(充電システムの構成の概要)
本実施形態に係る充電装置100は、携帯端末1と共に充電システムSyを構成しており、以下では、まず、図1〜図3を参照し、充電システムSyの概要を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る充電装置と、この充電装置に接続される携帯端末とを有してなる充電システムを概略的に説明する説明図である。図2は、図1の充電装置における切替回路等の構成を概略的に例示する回路図である。図3(A)は、第1実施形態に係る充電装置によって充電される携帯端末の電気的構成を例示するブロック図であり、図3(B)は、情報コード読取部の構成を概略的に例示する概略図である。
【0016】
図1に示す充電システムSyは、充電装置100によって複数種類の携帯端末1(図1、図5、図6、図7に示す携帯端末1a、1b、1c、1d)の充電を可能とするシステムとして構成されている。そして、このシステムで用いられる充電装置100は、電池11が組み込まれ且つ複数の端末側端子(図1では、P11〜P14)を備えた携帯端末1を充電対象とし、携帯端末1が載置又は接続されたときに端末側端子を介して当該携帯端末1の内部に収容された電池11を充電するように構成されている。
【0017】
ここで、充電対象となる携帯端末1について説明する。
充電装置100によって充電される携帯端末1は、図1、図5〜図7に示す携帯端末1a〜1dのいずれも例えば図3のように構成されている。図3で例示される携帯端末1は、ユーザによって携帯されて様々な場所で用いられるものであり、バーコードや二次元コードなどの情報コードを読み取る情報コードリーダとしての機能を有している。この携帯端末1は、全体的に長手状の形態をなすと共に、長手状のケースによって外郭が構成され、このケースの内部に図3(A)(B)に示す各種部品(各種電気部品等)が収容されている。
【0018】
携帯端末1におけるケースの内部には、図3(A)に示すように、携帯端末1全体を制御する制御部2が設けられている。この制御部2は、マイコンを主体として構成されるものであり、CPU、システムバス、入出力インタフェース等を有しており、メモリ10と協働して情報処理手段として機能している。また、制御部2には、表示装置5、スピーカ6、トリガスイッチ7、キー操作部8、外部インタフェース9なども接続されている。
また、携帯端末1のケース内には、電源となる電池11や電源部12が設けられている。
【0019】
電池11は、本実施形態に係る充電装置100によって充電可能な二次電池(例えばリチウムイオン電池等)によって構成されている。また、電源部12は、公知の電源回路などによって構成されており、これらによって制御部2や各種電気部品に電力が供給されるようになっている。また、電池11の各端子は、携帯端末1が後述する接続部130に接続されたときに、その接続部130に設けられた端子T1(+端子)及び端子T2(−端子)に対応する通電ライン45及び接地ライン46がそれぞれ電気的に接続されるようになっており、端子T1(+端子)及び端子T2(−端子)を介して後述する制御回路(充電制御回路)110から充電電流が供給されるようになっている。
【0020】
また、制御部2には、情報コード読取部4が接続されている。この情報コード読取部4は、図3(B)に示すように、CCDエリアセンサ等の受光センサ15、結像レンズ16、複数個のLEDやレンズ等から構成される照明部14などを備えた構成をなしており、制御部2と協働して読取対象Rに付された情報コードC(バーコードや二次元コード)を読み取るように機能する。なお、情報コード読取部4には、受光センサ15からの信号を増幅する増幅回路や、その増幅された信号をデジタル信号に変換するAD変換回路等が設けられているがこれらの回路については図示を省略している。
【0021】
更に、制御部2には、通信部3が接続されている。この通信部3は、外部(例えば、充電装置100)との間で、規格化された公知の通信方式(例えば、規格化されたシリアル通信方式、赤外線通信方式、無線通信方式など)を用いて通信を行う公知のコントローラとして構成されており、制御部2と協働して通信処理を行う構成をなしている。
【0022】
(充電装置の構成)
次に、本実施形態に係る充電装置100の具体的構成について説明する。
図1、図2に示す充電装置100は、電池11が組み込まれ且つ複数の端末側端子(図1の例では端子P1〜P4)を備えた携帯端末1を充電対象とし、携帯端末1が載置又は接続されたときに端末側端子を介して当該携帯端末1の内部に収容された電池11を充電するように構成されている。この充電装置100は、主として制御回路110、切替回路(電圧切替部)120、接続部130によって構成されており、以下では、各部の構成を具体的に説明する。
【0023】
接続部130は、例えば携帯端末1と電気的に接続し得るコネクタとして構成されており、携帯端末1に設けられた複数の端末側端子(図1の例では端子P1〜P3)の接続対象となる4つの接続端子T1〜T4を備え、いずれかの接続端子(図1の例では端子T1)が充電用の出力電圧を出力する出力端子として構成されている。また、端子T2は、出力端子で印加される電位よりも低い基準電位(図1の例では例えばグランドレベル)で維持される低電位端子として構成されている。端子T1(出力端子)は、充電回路として構成される制御回路110からの出力ライン(通電ライン45)に接続され、制御回路110から出力される出力電圧が印加されるようになっている。また、端子T2は、充電装置100内に設けられた接地ライン46に接続されており、グランドレベルで維持されるようになっている。
【0024】
制御回路110は、例えばICとして構成され、図示しない基板に実装された構成をなしている。この制御回路110は、図2に示す所定の入力端子(FB端子)を介して切替回路120から電圧信号を取得し得る構成をなし、且つその取得した電圧信号に基づいて所定端子(OUT端子)からの出力電圧を所定レベルに制御しており、これにより、出力端子(端子T1)から携帯端末1に与えられる出力電圧を制御している。具体的には、制御回路110は、複数段階の定電圧を生成しうる機能を有しており、所定端子(OUT端子)からの出力電圧をいずれかの定電圧に設定するように構成されている。
なお、本構成では、制御回路110が出力電圧制御手段の一例に相当する。
【0025】
切替回路120は、「切替手段」の一例に相当するものであり、入力部を備えると共に当該入力部に対する電圧印加状態に応じてオン状態とオフ状態とが切り替わる複数のスイッチング素子M1、M2を備えており、接続端子T3、T4に対する装置外部からの電圧印加状態に基づいてスイッチング素子M1、M2のオンオフ状態が設定され、その設定されたオンオフ状態に応じた電圧信号を生成して制御回路110(出力電圧制御手段)に与えるように構成されている。また、接続端子T3、T4の各電圧状態の変化に応じてスイッチング素子M1、M2のそれぞれのオンオフ状態を変化させ、これにより制御回路110(出力電圧制御手段)に与える電圧信号を切り替えている。
【0026】
各スイッチング素子M1、M2は、例えばNPN型のMOSFETとして構成されており、ゲートが入力部として機能している。そして、各スイッチング素子M1、M2は、各々のゲート(入力部)に対応する接続端子の電圧状態に応じた電圧が印加されるように構成されている。具体的には、スイッチング素子M1のゲートには、接続端子T3が接続され、接続端子T3の電位に応じた電圧が印加されるように構成されており、スイッチング素子M1は外部から接続端子T3に対してHレベル信号が入力されるときにオン動作し、外部から接続端子T3に対してLレベル信号が入力されるときにオフ動作するようになっている。また、スイッチング素子M2のゲートには、接続端子T4が接続され、接続端子T4の電位に応じた電圧が印加されるように構成されており、スイッチング素子M2は外部から接続端子T4に対してHレベル信号が入力されるときにオン動作し、外部から接続端子T4に対してLレベル信号が入力されるときにオフ動作するようになっている。
【0027】
また、切替回路120には、複数の抵抗R1〜R4(抵抗手段)が設けられている。これら抵抗群(抵抗R1〜R4)は、一端側が高電位側に接続される第1抵抗部141と、一端側が第1抵抗部141側に接続され他端側が低電位側に接続される第2抵抗部142とによって構成されており、第1抵抗部141及び第2抵抗部142の間の電位を電圧信号として制御回路110(出力電圧制御手段)に与える構成をなしている。そして、第2抵抗部142が、スイッチング素子M1、M2のオンオフ状態に対応した抵抗状態に変化するように構成され、第2抵抗部142の抵抗状態の変化に応じて第1抵抗部141及び第2抵抗部142の間の電位(即ち、制御回路110のFB端子に入力される電圧信号)が変化するようになっている。
【0028】
第1抵抗部141は、抵抗R1によって構成されており、この抵抗R1の一端側が制御回路110(出力電圧制御手段)から出力端子T1に至るまでの通電ライン45(電力供給路)に電気的に接続され、抵抗R1の他端側は制御回路110のFB端子及び第2抵抗部142(具体的には、各抵抗R2、R3、R4の一端側)に電気的に接続されている。
【0029】
第2抵抗部142は、抵抗R2、R3、R4とこれらを接続する導電路とによって構成されており、抵抗R2、R3、R4がそれぞれ、抵抗R1とグランド(接地ライン)との間に並列に接続されている。抵抗R2は、一端側が抵抗R1(及び抵抗R3、R4)抵抗R3は、一端側が抵抗R1(及び抵抗R2、R4)に接続され、他端側がスイッチング素子M1を介してグランドに接続されている。抵抗R4は、一端側が抵抗R1(及び抵抗R2、R3)に接続され、他端側がスイッチング素子M2を介してグランドに接続されている。
【0030】
図2の構成では、第1抵抗部141と第2抵抗部142の分圧比に応じた電圧信号がFB端子に入力されるようになっており、第1抵抗部141の抵抗値は固定であり、第2抵抗部142の抵抗値が変動しうる構成となっているため、FB端子に入力される電圧信号は第2抵抗部142の抵抗値に応じた値となる。具体的には、スイッチング素子M1(FET1とも称する)がオフ状態となり、スイッチング素子M2(FET2とも称する)がオフ状態となるときには、抵抗R3にも抵抗R4にも電流が流れない構成となり、第2抵抗部142の抵抗値はほぼ抵抗R2の抵抗値となる。従って、切替回路120で生成される電圧信号(FB端子に入力される電圧)は、抵抗R1と抵抗R2の分圧による値となる(図4の端末Aを参照)。また、スイッチング素子M1がオン状態となり、スイッチング素子M2がオフ状態となるときには、抵抗R3には電流が流れるが、抵抗R4には電流が流れない状態となり、第2抵抗部142の抵抗値は、ほぼ並列に接続される抵抗R2と抵抗R3の合成抵抗値となる。従って、切替回路120で生成される電圧信号(FB端子に入力される電圧)は、抵抗R1と合成抵抗(抵抗R2と抵抗R3の合成抵抗)の分圧による値となる(図4の端末Bを参照)。また、スイッチング素子M1がオフ状態となり、スイッチング素子M2がオン状態となるときには、抵抗R3には電流が流れず、抵抗R4には電流が流れる状態となり、第2抵抗部142の抵抗値は、ほぼ並列に接続される抵抗R2と抵抗R4の合成抵抗値となる。従って、切替回路120で生成される電圧信号(FB端子に入力される電圧)は、抵抗R1と合成抵抗(抵抗R2と抵抗R4の合成抵抗)の分圧による値となる(図4の端末Cを参照)。また、スイッチング素子M1がオン状態となり、スイッチング素子M2がオン状態となるときには、抵抗R3にも抵抗R4にも電流が流れる状態となり、第2抵抗部142の抵抗値は、ほぼ並列に接続される抵抗R2、抵抗R3、抵抗R4の合成抵抗値となる。従って、切替回路120で生成される電圧信号(FB端子に入力される電圧)は、抵抗R1と合成抵抗(抵抗R2、抵抗R3、抵抗R4の合成抵抗)の分圧による値となる(図4の端末Dを参照)。
【0031】
上記のように構成される充電装置100は、例えば図1、図5、図6、図7のような4種類の携帯端末1a〜1dを識別し、各種類に応じた出力電圧を生成して出力端子T1に印加している。第1の種類の携帯端末1a(端末Dとも称する)は、図1のように端子T1、T2に接続される端子(電池11aへのラインに接続される端末側端子P11、P12)だけでなく、端子T3、T4にそれぞれ接続しうる端子(端末側端子)P13、P14を備えており、例えば制御部2aなどにより、これら端子P13,P14に対し、常時、或いは所定時期(例えば充電時期)に所定閾値を超えるHレベル信号が印加されるようになっている。従って、このような第1の種類の携帯端末1a(端末D)が接続部130に接続されるときには、図4のようにスイッチング素子M1(FET1)及びスイッチング素子M2(FET2)がいずれもオン状態となり、FB端子には、第4の電圧値(抵抗R1と合成抵抗(抵抗R2、抵抗R3、抵抗R4の合成抵抗)の分圧による値)が入力されることとなる。
【0032】
同様に、第2の種類の携帯端末1b(端末Bとも称する)は、図5のように端子T1、T2に接続される端子(電池11bへのラインに接続される端末側端子P21、P22)だけでなく、端子T3に接続しうる端子(端末側端子)P23を備えており、例えば制御部2bなどにより、この端子P23に対し、常時、或いは所定時期(例えば充電時期)に所定閾値を超えるHレベル信号が印加されるようになっている。従って、このような第2の種類の携帯端末1b(端末B)が接続部130に接続されるときには、図4のようにスイッチング素子M1(FET1)がオン状態となり、スイッチング素子M2(FET2)がオフ状態となり、FB端子には、第2の電圧値(抵抗R1と合成抵抗(抵抗R2、抵抗R3の合成抵抗)の分圧による値)が入力されることとなる。なお、図5の例では、第2の種類の携帯端末1b(端末B)には端子T4に接続される端子が設けられておらず、第2の種類の携帯端末1b(端末B)が接続部130に接続されるときには端子T4は常にLレベルで維持されるようになっているが、第2の種類の携帯端末1b(端末B)において端子T4に接続される端子を設けておき、携帯端末1b側で常時或いは所定時期(例えば充電時期)にこの端子をLレベルに維持するようにしてもよい。
【0033】
同様に、第3の種類の携帯端末1c(端末Cとも称する)は、図6のように端子T1、T2に接続される端子(電池11cへのラインに接続される端末側端子P31、P32)だけでなく、端子T4に接続しうる端子(端末側端子)P34を備えており、例えば制御部2cなどにより、この端子P34に対し、常時、或いは所定時期(例えば充電時期)に所定閾値を超えるHレベル信号が印加されるようになっている。従って、このような第3の種類の携帯端末1c(端末C)が接続部130に接続されるときには、図4のようにスイッチング素子M1(FET1)がオフ状態となり、スイッチング素子M2(FET2)がオン状態となり、FB端子には、第3の電圧値(抵抗R1と合成抵抗(抵抗R2、抵抗R4の合成抵抗)の分圧による値)が入力されることとなる。なお、図6の例では、第3の種類の携帯端末1c(端末C)には端子T3に接続される端子が設けられておらず、第3の種類の携帯端末1c(端末C)が接続部130に接続されるときには端子T3は常にLレベルで維持されるようになっているが、第3の種類の携帯端末1c(端末C)において端子T3に接続される端子を設けておき、携帯端末1c側で常時或いは所定時期(例えば充電時期)にこの端子をLレベルに維持するようにしてもよい。
【0034】
また、第4の種類の携帯端末1d(端末Aとも称する)は、図7のように端子T1、T2に接続される端子(電池11dへのラインに接続される端末側端子P41、P42)だけが設けられており、端子T3、T4に接続される端子が設けられていない構成となっている。従って、このような第4の種類の携帯端末1d(端末A)が接続部130に接続されるときには、図4のようにスイッチング素子M1(FET1)がオフ状態となり、スイッチング素子M2(FET2)もオフ状態となり、FB端子には、第1の電圧値(抵抗R1と抵抗R2の分圧による値)が入力されることとなる。なお、図7の例では、第4の種類の携帯端末1d(端末A)には端子T3、T4に接続される端子が設けられていないが、第4の種類の携帯端末1d(端末A)において端子T3、T4に接続される端子を設けておき、携帯端末1d側で常時或いは所定時期(例えば充電時期)にこれら端子をLレベルに維持するようにしてもよい。
【0035】
次に、制御回路110による出力電圧制御の流れの一例について説明する。
充電装置100には、携帯端末1の載置又は接続を検出する検出手段(例えば、携帯端末1の押圧を検出する接触検出センサ、携帯端末1の近接を検出する近接センサ、携帯端末1からの信号を検出する検出回路等)を設けておき、携帯端末1の載置又は接続をトリガとして充電を開始するように制御することができる。
【0036】
図8はこのような制御の一例を示しており、携帯端末1の載置又は接続が検出されない状態、或いは携帯端末1の充電を停止すべき状態(例えば携帯端末1が満充電のときなど)のときにはS1にてNoに進むようになっている。一方、携帯端末1の載置又は接続が検出されており、携帯端末1の充電を停止すべき状態でないときにはS1にてYesに進み、所定端子(OUT端子)からの出力電圧を所定のデフォルト電圧に維持している(S2)。そして、この状態で、FB端子から入力される電圧信号を検出し(S3)、その入力される電圧信号(FB端子の電圧)の値が端末A〜Dのいずれに対応するものかを判断する。そして、いずれの種類に対応する電圧信号であるか特定した後には、所定端子(OUT端子)からの出力電圧をその特定された種類に対応する出力電圧に切り替えて出力する。制御回路110内には、例えばFB端子の電圧値とOUT端子からの出力電圧を対応付けたテーブル(即ち、FB端子の電圧値に基づいてOUT端子からの出力電圧を定めるテーブル)、或いはFB端子の電圧値に基づいてOUT端子からの出力電圧を算出する演算式などを記憶するメモリが設けられており、S4ではFB端子の電圧値とこのようなメモリの記憶内容とに基づいて端末種に応じた出力電圧を決定する。そして、その決定後にはOUT端子からの出力電圧をその決定された電圧値に維持するように制御する(S5)。このような電圧出力は、所定の充電終了時期まで(接続部130に接続されている携帯端末1の満充電の到来、或いは携帯端末1の載置又は接続が検出されない状態となるまで)維持されるようになっており、充電終了時期となるまではS6でNoに進み、決定された出力電圧で維持されるようになっている。充電終了時期となったときにはS6でYesに進むことになる。なお、S6でYesに進むときにはOUT端子からの電圧出力を停止させることが望ましい。
【0037】
このように、本構成で用いられる制御回路110(出力電圧制御手段)は、S1、S6のように、所定の印加停止条件の成立に基づき出力電圧の印加を停止し、S1でYesに進むときのように所定の印加開始条件の成立時には、出力電圧の制御に先立ち、S2のように制御回路110(出力電圧制御手段)から出力端子に至るまでの通電ライン45(電力供給路)を所定電圧レベル(デフォルトの出力電圧)に設定している。そして、切替回路120は、通電ライン45(電力供給路)が所定電圧レベル(デフォルトの出力電圧)に設定されるときの複数のスイッチング素子M1、M2のオンオフ状態に基づいてFB端子に与える電圧信号を生成している。そして、制御回路110(出力電圧制御手段)は、S3、S4のように通電ライン45(電力供給路)を所定電圧レベル(デフォルトの出力電圧)に設定した後に切替回路120から与えられる電圧信号に基づき、出力端子に印加される出力電圧を当該電圧信号に応じたレベルに制御している。
【0038】
(上記構成の主な効果)
上記構成に係る充電装置100によれば、電池11が組み込まれ且つ複数の端末側端子を備えた複数種類の携帯端末1(1a〜1d)を充電対象とし、いずれかの種類の携帯端末1が載置又は接続されたときには、その携帯端末1の端末側端子を介して当該携帯端末1の内部に収容された電池11を充電することができる。
また、切替回路120では、接続端子T3、T4に対する装置外部からの電圧印加状態に基づいて複数のスイッチング素子M1、M2のオンオフ状態が設定されるようになっており、その設定されたオンオフ状態に応じた電圧信号を生成して制御回路110(出力電圧制御手段)に与えている。そして、制御回路110(出力電圧制御手段)は、切替回路120から取得した電圧信号に基づいて出力端子T1から携帯端末1に与えられる出力電圧を制御している。この構成では、携帯端末1の種類毎に端末側端子に対する電圧印加状態を決めておきさえすれば、充電装置100側では、携帯端末1の種類に対応する電圧信号を生成し、制御回路110(出力電圧制御手段)に与えることができるようになる。制御回路110(出力電圧制御手段)側では、携帯端末1の種類とそれに適した出力電圧とを対応付けておけば、特定された種類に適した出力電圧を生成し、充電対象に印加することができる。
【0039】
また、上記構成では、切替回路120において、抵抗R1(抵抗手段)を備えると共に一端側が高電位側に接続される第1抵抗部141と、抵抗R2、R3、R4(抵抗手段)を備えると共に一端側が第1抵抗部141側に接続され他端側が低電位側に接続される第2抵抗部142とが設けられており、切替回路120は、第1抵抗部141及び第2抵抗部142の間の電位を電圧信号として制御回路110(出力電圧制御手段)に与える構成をなしている。そして、第2抵抗部142は、複数のスイッチング素子M1、M2のオンオフ状態に対応した抵抗状態に変化するように構成されている。
この構成では、接続端子T3、T4の状態に応じてオンオフが変化するスイッチング素子M1、M2により抵抗部の抵抗状態を変化させるという簡易な手法により、制御回路110(出力電圧制御手段)に与える電圧信号を正確に変化させることができる。特に、複雑な電圧生成回路によって電圧信号を生成する構成等と比較すると装置構成の簡素化、小型化の面で一層有利となる。
【0040】
また、上記構成では、第1抵抗部141の一端側が制御回路110(出力電圧制御手段)から出力端子に至るまでの通電ライン45(電力供給路)に電気的に接続され、第2抵抗部142の他端側がグランドに電気的に接続されている。
この構成では、切替回路120に設けられた分圧部(第1抵抗部141及び第2抵抗部142が接続されてなる部分)の高電位側を出力ライン(電力供給路)と共用することができるため、別途電源を用意する必要がなくなると共に、制御回路110(出力電圧制御手段)の端子数を抑えやすくなる。
【0041】
更に上記構成では、制御回路110(出力電圧制御手段)は、所定の印加停止条件の成立に基づき出力電圧の印加を停止し、所定の印加開始条件の成立時には出力電圧の制御に先立ち、制御回路110(出力電圧制御手段)から出力端子T1に至るまでの通電ライン45(電力供給路)を所定電圧レベル(デフォルト値)に設定可能とされており、切替回路120は、電力供給路が所定電圧レベルに設定されるときの複数のスイッチング素子M1、M2のオンオフ状態に基づいて電圧信号を生成している。また、制御回路110(出力電圧制御手段)は、通電ライン45(電力供給路)を所定電圧レベルに設定した後に切替回路120から与えられる電圧信号に基づき、出力端子に印加される出力電圧を当該電圧信号に応じたレベルに制御するように構成されている。
この構成によれば、非充電時(印加停止条件の成立時)には出力電圧を停止させて電力消費を抑えることができる。一方、充電時(印加開始条件の成立時)には出力電圧の制御に先立って通電ライン45(電力供給路)が所定電圧レベルに設定されるため、特別な専用電源を用いずとも電圧信号を生成するための電源(切替回路120用の電源)が確実に確保される。これにより、この期間は制御回路110(出力電圧制御手段)に与える電圧信号を安定的に生成できるようになる。そして、制御回路110(出力電圧制御手段)では、出力電圧を上記の暫定レベル(所定電圧レベル)から、生成された電圧信号に基づく適切なレベル(携帯端末1に応じたレベル)に変化させてこのレベルで維持できるようになる。
【0042】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0043】
上記実施形態の説明では、充電対象として図3に示すような携帯型光学的情報読取装置を例示したが、携帯端末の構成は図3のような構成に限られない。例えば、RFIDタグやICカード等を読み取り可能な携帯型非接触通信端末として構成されるものであってもよく、光学的情報読取機能と非接触通信機能とを併せ持つ構成であってもよい。
【0044】
上記実施形態では、スイッチング素子に接続される接続端子として2つの端子(端子T3、T4)が設けられた例を示したが、スイッチング素子に接続される接続端子の数は3以上としてもよい。この場合、抵抗R3、スイッチング素子M1と同様の構成(即ち、抵抗R1とグランドとの間に抵抗とスイッチング素子とが直列に接続された構成)のものを、R2〜R4と並列に追加し、追加される接続端子を並列に追加されるスイッチング素子のゲートに接続するようにすればよい。
【0045】
上記実施形態では、スイッチング素子に接続される接続端子として2つの端子(端子T3、T4)が設けられた例を示したが、図9、図10のようにスイッチング素子に接続される接続端子の数は1つでもよい。図9、図10の例では、例えば第1実施形態で示した携帯端末1b(図5)が接続されるときには、スイッチング素子M1がオン状態となり、第2抵抗部242の抵抗値は、抵抗R2、R3の合成抵抗の抵抗値となる。一方、図7のような携帯端末1dが接続されるときには、スイッチング素子M1がオフ状態となり、第2抵抗部242の抵抗値は、抵抗R2の抵抗値となる。そして、第1抵抗部241の抵抗値は固定であるため、第2抵抗部242の抵抗値に応じた電圧信号がFB端子に入力されることとなり、制御回路110では、FB端子に入力される電圧信号に応じてOUT端子からの出力電圧を設定することとなる。
【0046】
上記構成では、図2のように第1抵抗部141の一端側が通電ライン45に接続された構成を例示したが、図11のように、第1抵抗部141の一端側が所定の電源部Vaに電気的に接続され、第2抵抗部142の他端側がグランドに電気的に接続されていてもよい。なお、図11の構成では、抵抗R1の接続先のみが第1実施形態と異なるだけで、その他の構成は第1実施形態と同様である。この場合、電源部Vaの電位は、制御回路110によって所定電位に保たれる構成であってもよく、制御回路110とは別手段によって所定電位に保たれる構成であってもよい。
この構成では、切替回路120に設けられた分圧部(第1抵抗部141及び第2抵抗部142が接続されてなる部分)の高電位側を一定電圧(電源Vaの電圧)に維持しやすく、第1抵抗部141の高電位側の電圧変動の影響を受けにくいため制御回路110(出力電圧制御手段)に与える電圧信号もスイッチング素子M1、M2のオンオフ状態に応じたレベルに正確に設定しやすくなる。また、この場合、図8のような制御から、S2の処理を省略することができる。
【符号の説明】
【0047】
1…携帯端末
11…電池
P11、P12、P13、P14、P21、P22、P23、P31,P32,P34…端末側端子
45…通電ライン(電力供給路)
100…充電装置
110…制御回路(出力電圧制御手段)
120…切替回路(切替手段)
130…接続部
141…第1抵抗部
142…第2抵抗部
Sy…充電システム
T1、T2、T3、T4…接続端子
M1、M2…スイッチング素子
R1…抵抗(抵抗手段)
R2、R3、R4…抵抗(抵抗手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池が組み込まれ且つ複数の端末側端子を備えた携帯端末を充電対象とし、携帯端末が載置又は接続されたときに端末側端子を介して当該携帯端末の内部に収容された電池を充電する充電装置であって、
携帯端末に設けられた複数の端末側端子の接続対象となる3以上の接続端子を備え、少なくともいずれかの接続端子が充電用の出力電圧を出力する出力端子として構成される接続部と、
電圧信号を取得し得る構成をなし、且つその取得した前記電圧信号に基づいて前記出力端子から携帯端末に与えられる前記出力電圧を制御する出力電圧制御手段と、
入力部を備えると共に当該入力部に対する電圧印加状態に応じてオン状態とオフ状態とが切り替わるスイッチング素子が1又は複数設けられ、前記スイッチング素子のオンオフ状態を変化させることで前記出力電圧制御手段に与える前記電圧信号を切り替える切替手段と、
を備え、
前記スイッチング素子は、前記入力部に対して、当該入力部に対応する前記接続端子の電圧状態に応じた電圧が印加される構成をなしており、
前記切替手段は、少なくともいずれかの前記接続端子に対する装置外部からの電圧印加状態に基づいて1又は複数の前記スイッチング素子のオンオフ状態が設定され、その設定されたオンオフ状態に応じた前記電圧信号を生成して前記出力電圧制御手段に与えることを特徴とする充電装置。
【請求項2】
前記切替手段は、1又は複数の抵抗手段を備えると共に一端側が高電位側に接続される第1抵抗部と、1又は複数の抵抗手段を備えると共に一端側が前記第1抵抗部側に接続され他端側が低電位側に接続される第2抵抗部とを備え、前記第1抵抗部及び前記第2抵抗部の間の電位を前記電圧信号として前記出力電圧制御手段に与える構成をなしており、前記第1抵抗部及び前記第2抵抗部の少なくともいずれかが、1又は複数の前記スイッチング素子のオンオフ状態に対応した抵抗状態に変化するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の充電装置。
【請求項3】
前記第1抵抗部の一端側は前記出力電圧制御手段から前記出力端子に至るまでの電力供給路に電気的に接続され、前記第2抵抗部の他端側はグランドに電気的に接続されていることを特徴とする請求項2に記載の充電装置。
【請求項4】
前記出力電圧制御手段は、所定の印加停止条件の成立に基づき前記出力電圧の印加を停止し、所定の印加開始条件の成立時には前記出力電圧の制御に先立ち、前記出力電圧制御手段から前記出力端子に至るまでの前記電力供給路を所定電圧レベルに設定可能とされており、
前記切替手段は、前記電力供給路が前記所定電圧レベルに設定されるときの1又は複数の前記スイッチング素子のオンオフ状態に基づいて前記電圧信号を生成し、
前記出力電圧制御手段は、前記電力供給路を前記所定電圧レベルに設定した後に前記切替手段から与えられる前記電圧信号に基づき、前記出力端子に印加される前記出力電圧を当該電圧信号に応じたレベルに制御することを特徴とする請求項3に記載の充電装置。
【請求項5】
前記第1抵抗部の一端側は所定の電源部に電気的に接続され、前記第2抵抗部の他端側はグランドに電気的に接続されていることを特徴とする請求項2に記載の充電装置。
【請求項1】
電池が組み込まれ且つ複数の端末側端子を備えた携帯端末を充電対象とし、携帯端末が載置又は接続されたときに端末側端子を介して当該携帯端末の内部に収容された電池を充電する充電装置であって、
携帯端末に設けられた複数の端末側端子の接続対象となる3以上の接続端子を備え、少なくともいずれかの接続端子が充電用の出力電圧を出力する出力端子として構成される接続部と、
電圧信号を取得し得る構成をなし、且つその取得した前記電圧信号に基づいて前記出力端子から携帯端末に与えられる前記出力電圧を制御する出力電圧制御手段と、
入力部を備えると共に当該入力部に対する電圧印加状態に応じてオン状態とオフ状態とが切り替わるスイッチング素子が1又は複数設けられ、前記スイッチング素子のオンオフ状態を変化させることで前記出力電圧制御手段に与える前記電圧信号を切り替える切替手段と、
を備え、
前記スイッチング素子は、前記入力部に対して、当該入力部に対応する前記接続端子の電圧状態に応じた電圧が印加される構成をなしており、
前記切替手段は、少なくともいずれかの前記接続端子に対する装置外部からの電圧印加状態に基づいて1又は複数の前記スイッチング素子のオンオフ状態が設定され、その設定されたオンオフ状態に応じた前記電圧信号を生成して前記出力電圧制御手段に与えることを特徴とする充電装置。
【請求項2】
前記切替手段は、1又は複数の抵抗手段を備えると共に一端側が高電位側に接続される第1抵抗部と、1又は複数の抵抗手段を備えると共に一端側が前記第1抵抗部側に接続され他端側が低電位側に接続される第2抵抗部とを備え、前記第1抵抗部及び前記第2抵抗部の間の電位を前記電圧信号として前記出力電圧制御手段に与える構成をなしており、前記第1抵抗部及び前記第2抵抗部の少なくともいずれかが、1又は複数の前記スイッチング素子のオンオフ状態に対応した抵抗状態に変化するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の充電装置。
【請求項3】
前記第1抵抗部の一端側は前記出力電圧制御手段から前記出力端子に至るまでの電力供給路に電気的に接続され、前記第2抵抗部の他端側はグランドに電気的に接続されていることを特徴とする請求項2に記載の充電装置。
【請求項4】
前記出力電圧制御手段は、所定の印加停止条件の成立に基づき前記出力電圧の印加を停止し、所定の印加開始条件の成立時には前記出力電圧の制御に先立ち、前記出力電圧制御手段から前記出力端子に至るまでの前記電力供給路を所定電圧レベルに設定可能とされており、
前記切替手段は、前記電力供給路が前記所定電圧レベルに設定されるときの1又は複数の前記スイッチング素子のオンオフ状態に基づいて前記電圧信号を生成し、
前記出力電圧制御手段は、前記電力供給路を前記所定電圧レベルに設定した後に前記切替手段から与えられる前記電圧信号に基づき、前記出力端子に印加される前記出力電圧を当該電圧信号に応じたレベルに制御することを特徴とする請求項3に記載の充電装置。
【請求項5】
前記第1抵抗部の一端側は所定の電源部に電気的に接続され、前記第2抵抗部の他端側はグランドに電気的に接続されていることを特徴とする請求項2に記載の充電装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−106459(P2013−106459A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−249550(P2011−249550)
【出願日】平成23年11月15日(2011.11.15)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月15日(2011.11.15)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
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