説明

充電装置

【課題】充電用コネクタの照明に加えて、差込プラグを操作するユーザーの足元を照明可能な充電装置を提供する。
【解決手段】充電装置10は、電動車両の車体外面BSに配設された充電口11と、充電口11の内部に形成された収容凹部14と、収容凹部14の内部に配設されて差込プラグが連結される充電用コネクタ15と、収容凹部14の上部周壁に埋設された照明用光源18とを備える。照明用光源18は収容凹部14の上部から下方へ向けて光を照射し、照明用光源18の光軸OAが、充電用コネクタ15の正面15aよりも手前側(収容凹部14の開口側)に位置し、光軸OAよりも手前側に照射される照射光Laが充電口11の斜め下方へ照射され、光軸OAよりも奥側(収容凹部14の底面側)に照射される照射光Lbが充電用コネクタ15に照射される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は充電装置に係り、詳しくは、電動車両に設けられた充電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
EV(Electric Vehicle)やPHV(Plug-in Hybrid Vehicle)などの電動車両(電動輸送機器)は、車載バッテリを充電するための充電装置を備えており、車体外面に配設された充電装置の充電用コネクタ(受電部)に対して、外部電源から伸びる差込プラグを連結して充電が行われる。
【0003】
特許文献1には、車体外面に形成された凹部である収容部に設けられた受電部と、受電部に光を照射する照明部と、受電部に雨水が浸入するのを防止する蓋部と、蓋部に設けられて照明部の光を透過する光透過部材とを備え、照明部によって照射される光の一部を光透過部材から車両外部へ導くことにより、差込プラグを操作するユーザーが受電部の位置を視認可能にした技術が開示されている。
特許文献2には、車載バッテリの満充電までに要する時間や既充電済容量をデジタル表示するデジタル表示部を、充電用コネクタのリッドにより覆われる室内(車体外面に形成された凹部)に設けた技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−254700号公報
【特許文献2】特開平9−285022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
差込プラグを充電用コネクタに連結する際に、差込プラグを操作するユーザーの足元に水溜りがあると感電の危険性があるため足元の確認は重要であり、車体の周囲が暗い状況では足元を照明する必要がある。
しかし、特許文献1の技術では、光透過部材から車両外部へ導かれた光が、差込プラグを操作するユーザーの足元に照射されないため、足元を照明できないという問題がある。
【0006】
特許文献2には、デジタル表示部の表示内容を示すランプ(残容量表示部40、充電残時間表示部42)を設けることが開示されているが(段落[0020]参照)、デジタル表示部を照明する照明部を設けることについては一切開示されていない。
そのため、特許文献2の技術では、車体の周囲が暗い状況において、デジタル表示部の表示を視認し辛いという問題がある。
【0007】
特許文献1と特許文献2の技術を組み合わせた場合には、特許文献1の照明部の配置箇所が不適切であると、照明部の光によってグレアが生じたり、照明部の光が特許文献2のデジタル表示部に直接照射されてデジタル表示部の光量よりも照明部の照射光の光量の方が大きくなることによる所謂「白飛び」が生じることがあり、デジタル表示部の表示が逆に視認し辛くなるおそれがある。
特許文献1には、『収容部208に光を照射できれば、照明部212をいずれの位置に配置してもよいが、………代表的に収容部208の上部に照明部212が設けられる………』との記載しか無い(段落[0049]参照)。
そのため、両特許文献1,2の記載内容に基づいて、デジタル表示部の視認性を高めることが可能な照明部の配置箇所を想到することは、たとえ当業者といえども困難である。
【0008】
本発明は前記問題を解決するためになされたものであって、以下の目的を有するものである。
(1)充電用コネクタの照明に加えて、差込プラグを操作するユーザーの足元を照明可能な充電装置を提供する。
(2)前記(1)に加えて、車載バッテリの充電状態を表示する表示部の視認性を高めるように照明可能な充電装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、下記のように本発明の各局面に想到した。
【0010】
<第1の局面>
第1の局面は、外部電源から伸びる差込プラグから供給された電源により、電動車両の車載バッテリを充電する充電装置であって、
電動車両の車体外面に配設された充電口と、
前記充電口の内部に形成された収容凹部と、
前記収容凹部の内部に配設され、前記差込プラグが連結される充電用コネクタと、
前記収容凹部の上部周壁に埋設された照明用光源と
を備え、
前記照明用光源は前記収容凹部の上部から下方へ向けて光を照射し、
前記照明用光源の光軸が、前記充電用コネクタの正面よりも前記収容凹部の開口側に位置し、
前記光軸よりも前記収容凹部の開口側に照射される第1照射光が、前記充電口の斜め下方へ向けて照射され、
前記光軸よりも前記収容凹部の底面側に照射される第2照射光が、前記充電用コネクタに照射される充電装置である。
【0011】
第1の局面では、充電口の斜め下方へ向けて照射される第1照射光が、差込プラグを操作するユーザーの足元を照明することができる。
ここで、照明用光源の光軸が充電用コネクタの正面よりも収容凹部の開口側に位置するため、充電用コネクタによって第1照射光が遮られることはなく、第1照射光を確実に充電口の斜め下方へ照射できる。
これにより、車体の周囲が暗い状況でも、差込プラグを充電用コネクタに連結する際に、差込プラグを操作するユーザーは足元を確認可能になり、差込プラグの操作を安全に行うことができる。
従って、第1の局面によれば、第2照射光による充電用コネクタの照明に加えて、第1照明光によりユーザーの足元を照明可能な充電装置を提供できる。
【0012】
<第2の局面>
第2の局面は、第1の局面において、
前記充電口の内部に配設され、前記車載バッテリの充電状態を表示する表示部と、
前記照明用光源の照射光を遮って前記表示部に直接照射されるのを防止する遮光部とを備え、
前記照明用光源の光軸が、前記表示部よりも前記収容凹部の底面側に位置する充電装置である。
【0013】
第2の局面では、照明用光源の光軸が表示部よりも収容凹部の底面側に位置するため、遮光部を設けたことと相俟って、照明用光源の照射光が表示部に直接照射されるのを確実に防止可能であることから、照明用光源の照射光によるグレアの発生を防止すると共に、表示部の光量よりも照明用光源の照射光の光量の方が大きくなることによる所謂「白飛び」の発生を防止することが可能になり、表示部の表示が視認し辛くなるのを防止できる。
従って、第2の局面によれば、車載バッテリの充電状態を表示する表示部の視認性を高めるように照明可能な充電装置を提供できる。
【0014】
<第3の局面>
第3の局面は、第2の局面において、前記照明用光源の発光色と、前記表示部の表示色とが異なる充電装置である。
第3の局面によれば、照明用光源の照射光と表示部の表示色とを確実に判別可能であるため、表示部の視認性を向上することができる。
【0015】
<第4の局面>
第4の局面は、第1〜3の局面において、
前記充電用コネクタの上部に突設され、前記差込プラグに嵌合して係止する係止部材と、
前記係止部材に取付固定された第1光学部材と
を備え、
前記第1光学部材は、前記第2照射光を反射する機能、前記第1照射光を蓄光する機能、前記第1照射光を導光して前記収容凹部の開口側へ放射する機能からなるグループから選択されたいずれか1つの機能を有する充電装置である。
【0016】
第4の局面では、差込プラグと充電用コネクタとの連結が係止部材によって確実に行われることに加え、第1光学部材によって係止部材の位置が確実に視認可能になるため、充電用コネクタに対する差込プラグの位置合わせを容易にすることができる。
【0017】
<第5の局面>
第5の局面は、第1〜4の局面において、
前記充電用コネクタの正面に配設された第2光学部材を備え、
前記第2光学部材は、前記第2照射光を反射する機能、前記第1照射光を蓄光する機能、前記第1照射光を導光して前記収容凹部の開口側へ放射する機能からなるグループから選択されたいずれか1つの機能を有する部材を備えた充電装置である。
【0018】
第5の局面では、第2光学部材によって充電用コネクタの正面が確実に視認可能になるため、充電用コネクタに対する差込プラグの位置合わせを更に容易にすることができる。
【0019】
<第6の局面>
第6の局面は、第1〜5の局面において、前記照明用光源の発光面が、前記収容凹部の上部周壁面である取付面と面一になるように配置されるか、または、当該取付面よりも奥側に位置するように配置されている充電装置である。
【0020】
従って、第6の局面によれば、照明用光源の発光面が収容凹部の取付面から突出している場合に比べて、照明用光源の照射光によるグレアの発生を防止可能になることに加え、差込プラグを充電用コネクタに連結する際に照明用光源が差込プラグに干渉するのを防止可能になり、差込プラグの連結が容易になる。
【0021】
<第7の局面>
第7の局面は、第1〜6の局面において、前記照明用光源の光軸が、前記収容凹部の外側方向へ傾斜している充電装置である。
第7の局面では、第1照射光が車体の外側方向へ照射され易いため、差込プラグを操作するユーザーの足元の広い範囲を照明可能になることから、第1の局面の作用・効果を高めることができる。
【0022】
<第8の局面>
第8の局面は、第1〜7の局面において、前記充電用コネクタの正面が、前記照明用光源の光軸と非平行であり、前記照明用光源の発光面を向いている充電装置である。
第8の局面では、第2照射光が被照射部材(充電用コネクタの正面、係止部材、第1光学部材、第2光学部材)に対して確実に照射されるため、第4,5の局面の作用・効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明を具体化した一実施形態の電動車両に設けられた充電装置10の正面図。
【図2】充電装置10の要部概略縦断面図であり、図1におけるX−X矢示断面図。
【図3】別の実施形態の充電装置10の要部概略縦断面図であり、図1におけるX−X矢示断面図。
【図4】別の実施形態の充電装置10の要部概略縦断面図であり、図1におけるX−X矢示断面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を具体化した一実施形態の電動車両に設けられた充電装置10について、図面を参照しながら説明する。
図1および図2に示すように、充電装置10は、充電口(給電部)11、ヒンジ12、リッド(開閉蓋)13、収容凹部14(底面14a、取付面14b、段差面14c、遮光部14d)、充電用コネクタ15(正面15a)、係止部材(ロック部材)16、反射部材17,18、照明用光源19(発光面19a)、表示部(インジケータ)20などから構成されている。
【0025】
充電装置10は、外部電源(図示略)から伸びる差込プラグ(図示略)から供給された電源により、EVやPHVなどの電動車両の車載バッテリ(図示略)を充電する。
尚、充電装置10と車載バッテリの接続状態や、充電装置10による車載バッテリの充電方法については、特許文献1および特許文献2に開示されているように、公知の技術であるため説明を省略する。
【0026】
円形状の充電口11は、電動車両の車体外面(ボディ)BSに配設されている。
充電口11の正面視右端部には、ヒンジ12を介してリッド13が開閉可能に取り付けられている。
リッド13を閉じた状態では、充電口11内に雨水が浸入するのを防止できる(図示略)。
図1および図2に示すように、リッド13を開いた状態では、充電口11の前面が開放され、充電口11内の部材が露出される。
【0027】
充電口11内には、車体外面BSから窪んだ凹部である収容凹部14が形成されている。
収容凹部14には、充電用コネクタ15、係止部材16、反射部材17,18、照明用光源19、表示部20が収容配置されている。
略円柱状の充電用コネクタ15は、充電口11の正面視中央から右寄りの箇所に配置されて収容凹部14の底面14aから突設し、充電用コネクタ15の正面15aは車体外面BSに対して略平行に形成されており、充電用コネクタ15の正面15aに差込プラグが挿入されて連結される。すなわち、充電用コネクタ15の正面15aは差込プラグの連結面となる。
【0028】
充電用コネクタ15の上部には、差込プラグの位置合わせを行いながら嵌合して係止するための爪状の係止部材16が突設されている。
係止部材16には反射部材17が取付固定されている。
充電用コネクタ15の正面15aの外周縁には、円環状の反射部材18が取付固定されている。尚、反射部材18は、差込プラグの連結を阻害しないように、寸法形状および配置箇所が設定されている。
【0029】
照明用光源19は、例えば、LEDランプ、有機ELランプ、白熱ランプなどから構成されており、収容凹部14の上部周壁に埋設されている。
照明用光源19の最外面である発光面19aは、収容凹部14の上部周壁面である取付面14bと面一になるように配置され、照明用光源19は収容凹部14の上部から下方へ向けて白色光を照射する。
【0030】
そして、照明用光源19の光軸OAが、充電用コネクタ15の正面15aよりも手前側(収容凹部14の開口側、車体外面BSの外方側)に位置するように、充電用コネクタ15に対する照明用光源19の配置箇所が設定されている。
また、充電用コネクタ15の正面15aの中心点OP上を照明用光源19の光軸OAが通るように、充電用コネクタ15に対する照明用光源19の配置箇所が設定されている。
【0031】
そのため、照明用光源19の光軸OAよりも手前側に照射される第1照射光Laが、充電口11の斜め下方へ向けて照射され、差込プラグを操作するユーザーの足元(図示略)を照明する。
また、照明用光源19の光軸OAよりも奥側(手前側の反対側、収容凹部14の底面14a側)に照射される第2照射光Lbが、充電用コネクタ15の正面15a、係止部材16、反射部材17,18にそれぞれ照射され、それら部材を照明する。
第1光学部材である反射部材17および第2光学部材である反射部材18は、照射光Lbを手前側へ反射する。
【0032】
表示部20は、特許文献2の表示パネルと同様に、充電装置10による車載バッテリの充電状態(例えば、車載バッテリの満充電までに要する時間、既充電済容量など)を適宜な表示方法(例えば、文字・数字・マークによる表示など)で表示する(図示略)。
尚、表示部20の表示色は、照明用光源19の発光色である白色に対して、確実に判別可能な色(例えば、赤色、青色、緑色など)に設定されている。
【0033】
矩形状の表示部20は、充電用コネクタ15の正面視左側に配置され、収容凹部14の底面14aから手前側に一段高く形成された段差面14cに取付固定されている。
そして、照明用光源19の光軸OAが、表示部20よりも奥側に位置するように、表示部20に対する照明用光源19の配置箇所が設定されている。
【0034】
照明用光源19の照射光には、光軸OAよりも手前側に照射されると共に、充電口11の正面視左側へ照射される照射光Lcがある。
収容凹部14の段差面14cは底面14aに対して略平行に形成されており、段差面14cと底面14aとを接続する壁面は、照明用光源19の照射光Lcを遮り、照射光Lcが表示部20に直接照射されるのを防止する遮光部14dとして機能する。
【0035】
[本実施形態の作用・効果]
本実施形態の充電装置10によれば、以下の作用・効果を得ることができる。
【0036】
[1]充電口11の斜め下方へ向けて照射される第1照射光Laが、差込プラグを操作するユーザーの足元を照明することができる。
ここで、照明用光源19の光軸OAが充電用コネクタ15の正面15aよりも手前側(収容凹部14の開口側)に位置するため、充電用コネクタ15によって照射光Laが遮られることはなく、照射光Laを確実に充電口11の斜め下方へ照射できる。
これにより、車体の周囲が暗い状況でも、差込プラグを充電用コネクタ15に連結する際に、差込プラグ15を操作するユーザーは足元を確認可能になり、差込プラグの操作を安全に行うことができる。
【0037】
[2]照明用光源19の発光面19aが、収容凹部14の取付面14bと面一になるように配置されている。
そのため、照明用光源19の発光面19aが、収容凹部14の取付面14bから突出している場合に比べて、照明用光源19の照射光によるグレアの発生を防止可能になることに加え、差込プラグを充電用コネクタ15に連結する際に照明用光源19が差込プラグに干渉するのを防止可能になり、差込プラグの連結が容易になる。
【0038】
[3]照明用光源19の光軸OAが表示部20よりも奥側(収容凹部14の底面14a側)に位置するため、遮光部14dを設けたことと相俟って、照明用光源19の照射光が表示部20に直接照射されるのを確実に防止可能であることから、照明用光源19の照射光によるグレアの発生を防止すると共に、表示部20の光量よりも照明用光源19の照射光の光量の方が大きくなることによる所謂「白飛び」の発生を防止することが可能になり、表示部20の表示が視認し辛くなるのを防止できる。
【0039】
[4]照明用光源19の発光色である白色と、表示部20の表示色とが異なっており、照明用光源19の照射光と表示部20の表示色とを確実に判別可能であるため、表示部20の視認性を向上することができる。
【0040】
[5]差込プラグと充電用コネクタ15との連結が係止部材16によって確実に行われることに加え、照明用光源19の照射光Lbを反射する反射部材17によって係止部材16の位置が確実に視認可能になるため、充電用コネクタ15に対する差込プラグの位置合わせを容易にすることができる。
【0041】
[6]照明用光源19の照射光Lbを反射する反射部材18によって充電用コネクタ15の正面15aが確実に視認可能になるため、充電用コネクタ15に対する差込プラグの位置合わせを更に容易にすることができる。
【0042】
[7]表示部20が充電用コネクタ15の正面視左側に配置されているため、ユーザーが右手で差込プラグを持って充電用コネクタ15に連結する際に、表示部20がユーザーの手で隠れて視認性が阻害されるおそれはない。
【0043】
<別の実施形態>
本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよく、その場合でも、前記実施形態と同等もしくはそれ以上の作用・効果を得ることができる。
【0044】
[A]図3に示すように、照明用光源19の発光面19aが、収容凹部14の取付面14bよりも奥側に位置するように配置してもよく、この場合でも前記[2]と同様の作用・効果が得られる。
【0045】
[B]図4に示すように、照明用光源19の光軸OAが収容凹部14の外側方向(車体の外側方向)へ適宜な角度を成して傾斜するように、照明用光源19を収容凹部14に取り付けてもよい。
この場合には、照明用光源19の光軸OAよりも手前側に照射される第1照射光Laが、図2に示す実施形態に比べて、車体の外側方向へ照射され易いため、差込プラグを操作するユーザーの足元の広い範囲を照明可能になることから、前記[1]の作用・効果を高めることができる。
尚、照明用光源19の光軸OAの傾斜角は、実験的に最適値を求めて設定すればよい。
【0046】
[C]図4に示すように、充電用コネクタ15の正面15aが、照明用光源19の光軸OAと非平行になって照明用光源19の発光面19aを向くように、充電用コネクタ15を形成してもよい。
この場合には、照明用光源19の光軸OAよりも奥側に照射される第2照射光Lbが、図2に示す実施形態に比べて、被照射部材(充電用コネクタ15の正面15a、係止部材16、反射部材17,18)に対して確実に照射されるため、前記[5][6]の作用・効果を高めることができる。
尚、充電用コネクタ15の正面15aの仰角は、実験的に最適値を求めて設定すればよい。
【0047】
[D]充電用コネクタ15は収容凹部14の内部に配設されていればよく、充電用コネクタ15の正面15aが、収容凹部14の底面14aと面一になるように配置するか、または、収容凹部14の底面14aよりも奥側に位置するように配置してもよい。
【0048】
[E]反射部材17,18を、照射光Lbを蓄光する光学部材である蓄光部材に置き換えてもよい。
また、反射部材17,18を、照射光Lbを導光して手前側へ放射する光学部材である導光部材に置き換えてもよい。
これらの場合でも、前記[5][6]と同様の作用・効果が得られる。
【0049】
[F]図1に示すように、充電用コネクタ15の正面15aの中心点OPの直上より、照明用光源19を正面視左右に45゜の範囲に配置してもよい。
【0050】
[G]照明用光源19は十分な照度が得られるならば、その発光色は白色に限らず何色にしてもよい。この場合には、照明用光源19の発光色と表示部20の表示色を異ならせ、表示部20の表示を確実に視認可能する必要がある。
【0051】
[H]前記各実施形態を適宜組み合わせて実施してもよく、その場合には組み合わせた実施形態の作用・効果を合わせもたせたり、相乗効果を得ることができる。
【0052】
本発明は、前記各局面および前記各実施形態の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様も本発明に含まれる。本明細書の中で明示した論文、公開特許公報、特許公報などの内容は、その全ての内容を援用によって引用することとする。
【符号の説明】
【0053】
10…充電装置
11…充電口
12…ヒンジ
13…リッド
14…収容凹部
14a…収容凹部14の底面
14b…収容凹部14の取付面
14c…収容凹部14の段差面
14d…収容凹部14の遮光部
15…充電用コネクタ
15a…充電用コネクタ15の正面
16…係止部材
17…反射部材(第1光学部材)
18…反射部材(第2光学部材)
19…照明用光源
19a…照明用光源19の発光面
20…表示部
BS…車体外面
OA…光軸
OP…充電用コネクタ15の正面15aの中心点
La…第1照射光
Lb…第2照射光
Lc…照射光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部電源から伸びる差込プラグから供給された電源により、電動車両の車載バッテリを充電する充電装置であって、
電動車両の車体外面に配設された充電口と、
前記充電口の内部に形成された収容凹部と、
前記収容凹部の内部に配設され、前記差込プラグが連結される充電用コネクタと、
前記収容凹部の上部周壁に埋設された照明用光源と
を備え、
前記照明用光源は前記収容凹部の上部から下方へ向けて光を照射し、
前記照明用光源の光軸が、前記充電用コネクタの正面よりも前記収容凹部の開口側に位置し、
前記光軸よりも前記収容凹部の開口側に照射される第1照射光が、前記充電口の斜め下方へ向けて照射され、
前記光軸よりも前記収容凹部の底面側に照射される第2照射光が、前記充電用コネクタに照射される充電装置。
【請求項2】
請求項1に記載の充電装置において、
前記充電口の内部に配設され、前記車載バッテリの充電状態を表示する表示部と、
前記照明用光源の照射光を遮って前記表示部に直接照射されるのを防止する遮光部と
を備え、
前記照明用光源の光軸が、前記表示部よりも前記収容凹部の底面側に位置する充電装置。
【請求項3】
請求項2に記載の充電装置において、
前記照明用光源の発光色と、前記表示部の表示色とが異なる充電装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の充電装置において、
前記充電用コネクタの上部に突設され、前記差込プラグに嵌合して係止する係止部材と、
前記係止部材に取付固定された第1光学部材と
を備え、
前記第1光学部材は、前記第2照射光を反射する機能、前記第1照射光を蓄光する機能、前記第1照射光を導光して前記収容凹部の開口側へ放射する機能からなるグループから選択されたいずれか1つの機能を有する充電装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の充電装置において、
前記充電用コネクタの正面に配設された第2光学部材を備え、
前記第2光学部材は、前記第2照射光を反射する機能、前記第1照射光を蓄光する機能、前記第1照射光を導光して前記収容凹部の開口側へ放射する機能からなるグループから選択されたいずれか1つの機能を有する部材を備えた充電装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の充電装置において、
前記照明用光源の発光面が、前記収容凹部の上部周壁面である取付面と面一になるように配置されるか、または、当該取付面よりも奥側に位置するように配置されている充電装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の充電装置において、
前記照明用光源の光軸が、前記収容凹部の外側方向へ傾斜している充電装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の充電装置において、
前記充電用コネクタの正面が、前記照明用光源の光軸と非平行であり、前記照明用光源の発光面を向いている充電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−115886(P2013−115886A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258596(P2011−258596)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【Fターム(参考)】