充電配車管理サーバ及び充電配車管理システム
【課題】複数の車両の運行管理を行う場合であっても、運行管理への影響を低減して、充電配車スケジュールを管理する。
【解決手段】車両駆動用のバッテリをそれぞれ搭載した複数の業務車両MVについて、業務車両MV毎のバッテリの残容量及び当該バッテリの容量の消費予定に基づいて、充電を行うべき充電スタンド及び時間帯を指定して充電のための配車を指示する充電配車スケジュールを設定する制御装置を備える。
【解決手段】車両駆動用のバッテリをそれぞれ搭載した複数の業務車両MVについて、業務車両MV毎のバッテリの残容量及び当該バッテリの容量の消費予定に基づいて、充電を行うべき充電スタンド及び時間帯を指定して充電のための配車を指示する充電配車スケジュールを設定する制御装置を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電配車管理サーバ及び充電配車管理システムに係り、特に複数の業務用車両の充電管理を行うための充電配車管理サーバ及び充電配車管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、動力用のバッテリを搭載し、当該バッテリに充電された電力を使用して走行する電気自動車に充電を行う充電スタンドが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載された充電スタンドは、車両バッテリよりも大容量の蓄電器を備え、当該蓄電器に商用電源からの電力によって充電を行うとともに、蓄電器から放電して車載バッテリに充電を行わせる。
【0003】
ところで、電気自動車のバッテリを充電するのは、ガソリン自動車に比較すれば、時間がかかるため、充電スタンドがあっても、他の電気自動車が充電中であれば、容易に充電を行うことができず、電気自動車の運行計画が立てづらいという不具合が生じる。
上記不具合を解決するために、特許文献2記載の技術は、電気自動車の現在位置周辺に存在する充電スタンドを抽出し、抽出された充電スタンドの位置および当該充電スタンドに設置されている充電器の利用可能情報を提供することにより、充電スタンドに到着後、直ちにまたは所定時間以内に充電を開始できる充電スタンドに関する情報を電気自動車のユーザに提供するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−115732号公報
【特許文献2】特開2003−262525号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献2記載の技術は、個人ユーザについては、現在の充電スタンドの利用状況に基づいて待ち時間が少ない充電スタンドを特定することができ、有効であると考えられるが、タクシー業者、レンタカー業者、カーシェアリング業者などの業務車両の運行を業とする事業者にとっては、車両の配車管理と充電管理とは表裏一体をなすものであり、いずれか一方に比重をおいても、運用がうまくいかなくなってしまう虞があった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、複数の車両の運行管理を行う場合であっても、運行管理への影響を低減して、充電配車スケジュールを管理することが可能な充電配車管理サーバ及び充電配車管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の第1態様は、車両駆動用のバッテリをそれぞれ搭載した複数の車両について、前記車両毎の前記バッテリの残容量及び当該バッテリの容量の消費予定に基づいて、充電を行うべき充電スタンド及び時間帯を指定して充電のための配車を指示する充電配車スケジュールを設定する制御装置を備えたことを特徴としている。
上記構成によれば、制御装置は、車両毎のバッテリの残容量及びバッテリの容量の消費予定に基づいて、充電を行うべき充電スタンド及び時間帯を指定して充電のための配車を指示する充電配車スケジュールを設定するので、設定される充電配車スケジュールは、バッテリの容量の消費予定に対応する最適なタイミングに沿ったものとなる。
【0008】
本発明の第2態様は、第1態様において、前記制御装置は、各前記車両について予め定められた走行スケジュールに基づいて当該車両における前記バッテリの容量の消費予定を算出することを特徴としている。
上記構成によれば、各車両について予め定められた走行スケジュールに基づいて当該車両におけるバッテリの容量の消費予定を算出するので、より正確にバッテリの消費予定を把握でき、より最適なタイミングで充電配車スケジュールを設定できる。
【0009】
本発明の第3態様は、第2態様において、前記複数の車両のそれぞれは、前記走行スケジュールおよび休憩を含む運行スケジュールの管理がなされている業務用車両であり、 前記制御装置は、前記運行スケジュールを取得し、取得した前記運行スケジュールに基づいて、前記バッテリの容量の消費予定を算出することを特徴としている。
上記構成によれば、制御装置は、走行スケジュールおよび休憩を含む運行スケジュールを取得し、取得した運行スケジュールに基づいて、バッテリの容量の消費予定を算出するので、走行スケジュールおよび休憩を考慮した最適なタイミングで充電配車スケジュールを設定でき、業務に伴う運行への影響を低減できる。
【0010】
本発明の第4態様は、第3態様において、前記制御装置は、いずれか一の車両の前記運行スケジュールが変更され、当該一の車両の充電配車スケジュールの変更が必要となった場合に、当該一の車両及び他の車両に対応する充電配車スケジュールを調整し、変更する、ことを特徴としている。
上記構成によれば、制御装置は、いずれか一の車両の運行スケジュールが変更され、当該一の車両の充電配車スケジュールの変更が必要となった場合に、当該車両及び他の車両に対応する充電配車スケジュールを調整し、変更するので、複数の車両全体で効率的に充電が行える。
【0011】
本発明の第5態様は、第1態様乃至第4態様のいずれかにおいて、前記充電スタンドは、充電スタンド管理サーバにより管理されており、前記制御装置は、前記充電スタンド管理サーバに対応する充電スタンドの利用状況を当該前記充電管理サーバに通信ネットワークを介して問い合わせ、充電を行うべき充電スタンド及び時間帯を指定する、ことを特徴としている。
上記構成によれば、充電スタンドへの配車スケジュールの設定に際しては、充電スタンドの充電配車スケジュールを考慮した確実なものとすることができる。
【0012】
本発明の第6態様は、第1態様乃至第5態様のいずれかにおいて、前記制御装置は、前記バッテリの容量の消費予定を、季節、天気あるいは時間帯等の走行条件、前記車両の装置構成、当該車両の乗務員あるいは走行ルートに基づいて算出する、ことを特徴としている。
上記構成によれば、制御装置は、季季節、天気あるいは時間帯等の走行条件、前記車両の装置構成、当該車両の乗務員あるいは走行ルートに基づいて算出するので、より正確にバッテリの容量の消費予定を算出でき、ひいては、設定される充電スタンドへの配車スケジュールは、より最適なタイミングに設定されることとなる。
【0013】
本発明の第7態様は、第1態様ないし第6態様のいずれかにおいて、前記制御装置は、前記車両が搭載している車載装置に対し、生成した無線通信ネットワークを介して、充電配車スケジュールを通知することを特徴としている。
上記構成によれば、制御装置は、車両が搭載している車載装置に対し、生成した無線通信ネットワークを介して、充電配車スケジュールを通知するので、各車両の運転手は、充電配車スケジュールに沿って充電を容易、かつ、確実に行うことができる。
【0014】
本発明の第8態様は、電気車両の車両駆動用のバッテリを充電するバッテリ充電器を有した複数の充電スタンドと、前記充電スタンドを管理する充電スタンド管理サーバと、前記充電スタンド管理サーバと通信ネットワークを介して接続され、前記電気車両を前記充電スタンドへ充電のために配車する配車指示を行う充電配車管理サーバと、を備え、前記充電配車管理サーバは、車両駆動用のバッテリをそれぞれ搭載した複数の電気車両について、前記電気車両毎の前記バッテリの残容量及び当該バッテリの容量の消費予定に基づいて、充電を行うべき充電スタンド及び時間帯を指定して充電のための配車を指示する充電配車スケジュールを設定する制御装置を備えた、ことを特徴としている。
【0015】
上記構成によれば、充電スタンド管理サーバは、充電スタンドを管理する。
一方、充電配車管理サーバは、充電スタンド管理サーバと通信ネットワークを介して接続され、電気車両を充電スタンドへ充電のために配車する充電配車スケジュールの管理を行うに際し、制御装置は、電気車両毎のバッテリの残容量及び当該バッテリの容量の消費予定に基づいて、充電を行うべき充電スタンド及び時間帯を指定して充電のための配車を指示する充電配車スケジュールを設定する。
したがって、バッテリの残容量及び当該バッテリの容量の消費予定に基づいて電気車両毎に充電を行うべき充電スタンド及び時間帯を指定した充電配車スケジュールを設定するので、設定される充電配車スケジュールは、バッテリの容量の消費予定に対応する最適なタイミングに沿ったものとなる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、設定される充電配車スケジュールは、バッテリの容量の消費予定に対応する最適なタイミングに沿ったものとなり、車両運行と充電との両立を図った、効率的な充電配車スケジュール管理が行えるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】車両運行管理システムの概要構成ブロック図である。
【図2】充電配車管理サーバの概要構成ブロック図である。
【図3】データベースの説明図である。
【図4】乗務データベースのデータフォーマットの説明図である。
【図5】車両電費データベースのデータフォーマットの説明図である。
【図6】乗務員電費データベースのデータフォーマットの説明図である。
【図7】ルート情報データベースのデータフォーマットの説明図である。
【図8】充電スタンドの概要構成ブロック図である。
【図9】充電スタンド管理サーバの概要構成ブロック図である。
【図10】ユーザデータベースのデータフォーマットの説明図である。
【図11】課金データベースのデータフォーマットの説明図である。
【図12】利用データベースのデータフォーマットの説明図である。
【図13】車載機器の概要構成ブロック図である。
【図14】充電配車管理処理のフローチャートである。
【図15】充電配車スケジュール作成処理のフローチャートである。
【図16】充電配車スケジュール設定処理のフローチャートである。
【図17】走行可能距離算出処理の処理フローチャートである。
【図18】充電予約のシーケンスフローチャートである。
【図19】充電スタンドの指定の説明図である。
【図20】充電スタンド管理サーバの予約処理の処理フローチャートである。
【図21】予測充電時間算出処理の処理フローチャートである。
【図22】充電配車スケジュールの作成例の説明図である。
【図23】充電配車スケジュール更新処理の処理フローチャートである。
【図24】充電配車スケジュールの変更処理の説明図である。
【図25】充電配車スケジュールの変更処理[新規予約]の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。
図1は、車両運行管理システムの概要構成ブロック図である。
充電配車スケジュール管理システム10は、大別すると、複数の業務車両MV(例えば、タクシー)の充電配車を行う充電配車管理システム11と、充電配車管理システム11と接続され、オペレータにより運行スケジュール、業務車両の充電配車以外の配車(業務配車)の管理および乗務員の勤務スケジュール管理などの運行スケジュール管理を行う運行管理端末13と、充電配車管理システム11とインターネット12を含む通信ネットワークを介して接続された複数の充電スタンド管理システム14−1、14−2と、を備えている。
【0019】
充電配車管理システム11は、複数の充電スタンド管理システム14−1、14−2と連携して、各充電スタンド管理システム14−1、14−2のそれぞれの管理下にある充電スタンドへ自己が管理している業務車両MVを向かわせて、当該充電スタンドにおいて、充電を行うように充電配車を管理している。この場合において、充電スタンドにおいて充電する車両の充電以外の他の運行にできる限り影響を与えないような時間帯に充電を行えるように充電スタンド管理システム14−1、14−2と調整を図って運行管理を行っている。
【0020】
充電配車管理システム11は、大別すると、無線通信装置21及びインターネット12に接続されるとともに、充電配車スケジュールの管理を行う充電配車管理サーバ23と、を備えている。
この場合に、無線通信装置21は、無線通信機能を有する業務車両MVに搭載された車載機器22と無線通信を行って、充電配車スケジュールを車載機器22に通知したり、業務車両MVに対し、運行管理端末13から充電配車管理サーバ23を介して入力される乗務配車スケジュールを受信して、乗務員に乗務配車先の情報(地図、名称等)を通知したりする。
一方、車載機器22は、図示しないGPSレシーバにより取得した自車両位置に基づいて業務車両MVの実際の運行状況を表す運行状況データを、無線通信装置21を介して、充電配車管理サーバ23あるいは運行管理端末13に通知する。
【0021】
図2は、充電配車管理サーバの概要構成ブロック図である。
充電配車管理サーバ23は、パーソナルコンピュータと同様に構成されており、充電配車管理サーバ23を中枢的に制御するMPU41と、MPU41が動作するためのプログラムなどを記憶しているROM42と、各種データを一時的に記憶するワークテーブルとしてのRAM43と、データ入力などを行うためのキーボード44と、各種情報を表示するディスプレイ45と、各種外部機器との間のインタフェース動作を行うインタフェース部46と、後述する各種データベースなどのデータを記憶するハードディスクドライブ装置などの外部記憶装置47と、各種情報をプリントアウトするプリンタ48と、無線通信装置21及びインターネット12に所定の通信プロトコルで接続される通信インタフェース部49と、を備えている。
【0022】
ここで、外部記憶装置47に記憶されている各種データベースについて説明する。
図3は、データベースの説明図である。
外部記憶装置47に記憶されているデータベースとしては、運行管理端末13から取得した乗務員に関する情報および乗務スケジュール、車両の運行状況などを記憶する乗務データベース(DB)51と、車両毎の単位バッテリ容量あたりの走行可能距離(電費)を記憶する車両電費データベース(DB)52と、乗務員毎の単位バッテリ容量あたりの走行可能距離(電費)を記憶する乗務員電費データベース(DB)53と、設定された走行ルートにおいて消費バッテリ容量を算出するための各種情報が格納されたルート情報データベース(DB)54と、が記憶されている。
ここで、ルート情報データベース54としては、例えば、途中に交叉点などの分岐点を含まず、その両端が分岐点である道路、あるいは、途中に交叉点などの分岐点を含まず、その一端が分岐点であり、他端が行き止まりである道路である単位道路毎、かつ、積載重量(乗員を含む)、時間帯(昼間、夜間等)、季節(エアコンの利用の有無など)、天候(ワイパーの使用の有無など)毎に消費バッテリ容量を記憶している。
この場合において、一の単位道路について、平地に設けられた道路のように、第1の方向(例えば、上り方向)に車両を走行させた場合と、第2の方向(例えば、下り方向)に車両を走行させた場合とで、消費バッテリ容量に実質的な差がない場合には、消費バッテリ容量を当該単位道路について一組記憶しているが、山間路や坂などのように走行方向で大きく消費バッテリ容量が変わる場合には、走行方向に応じて二組の消費バッテリ容量を記憶している。
【0023】
図4は、乗務データベースのデータフォーマットの説明図である。
乗務データベース51は、乗務員名あるいは乗務員名に対応する乗務員コードを格納した乗務員名テーブル51A、乗務スケジュールの基本パターンを格納した基本乗務スケジュールテーブル51B、乗務スケジュールの基本パターンをモディファイした乗務スケジュールを格納した乗務スケジュールテーブル51Cと、配車情報を含む車両の運行状況を随時格納する運行状況テーブル51Dと、を備えている。
【0024】
図5は、車両電費データベースのデータフォーマットの説明図である。
車両電費データベース52は、車種名あるいは車種に対応する車種コードを格納した車種名テーブル52Aと、単位バッテリ容量あたりの走行可能距離(電費)を道路の種類(一般道路あるいは高速道路)、道路の状態(平坦路、下り坂、上り坂、山間路など)、車両状態(エアコン使用の有無、ヘッドライト点灯の有無、ワイパー使用の有無、CDプレーヤなどの車載アクセサリ機器の使用の有無)、積載重量(乗員を含む)、時間帯(渋滞時間帯、バス優先レーン設定時間帯、特定道路の通行禁止時間帯など)、などの走行条件に対応づけて格納した車両電費テーブル52Bと、満充電時に走行可能な最大巡航距離を格納した最大巡航距離テーブル53と、を備えている。
【0025】
図6は、乗務員電費データベースのデータフォーマットの説明図である。
乗務員電費データベース53は、乗務員名あるいは乗務員名に対応する乗務員コードを格納した乗務員名テーブル53Aと、当該乗務員における単位バッテリ容量あたりの走行可能距離(電費)を道路の種類(一般道路あるいは高速道路)、道路の状態(平坦路、下り坂、上り坂、山間路など)、車両状態(エアコン使用の有無、ワイパー使用の有無、CDプレーヤなどの車載アクセサリ機器の使用の有無)などの走行条件に対応づけて格納した乗務員電費テーブル53Bと、を備えている。
【0026】
図7は、ルート情報データベースのデータフォーマットの説明図である。
ルート情報データベース54は、道路をノード及びリンクで表した場合に、ノードを特定するノード特定テーブル54Aと、道路の種類(一般道路あるいは高速道路)あるいは道路の状態(平坦路、下り坂、上り坂、山間路など)を格納するルート情報テーブル54Bと、を備えている。
この場合において、ルート情報テーブル54Bは、同一のリンク(道路あるいは経路)であっても、車両の進行方向により電費が異なるような条件下(例えば、同一の坂を登っている場合と、下っている場合等)においては、進行方向毎に道路の状態に対応するルート情報を格納している。すなわち、二つのノードNA、NB間を結ぶリンクに対して、車両がノードNAからノードNBに向かう場合と、車両がノードNBからノードNAに向かう場合とで、異なるルート情報を格納している。
【0027】
次に、充電スタンド管理システムについて説明する。
充電スタンド管理システム14−1は、図1に示すように、充電スタンド管理サーバ24−1と、充電スタンド管理サーバ24−1とインターネット12を介して接続され、充電スタンド管理サーバ24−1の管理下で実際の充電を行う充電スタンド15−1A〜15−1Cを備えている。
同様に、充電スタンド管理システム14−2は、充電スタンド管理サーバ24−2と、充電スタンド管理サーバ24−2とインターネット12を介して接続され、充電スタンド管理サーバ24−2の管理下で実際の充電を行う充電スタンド15−2A〜15−2Cを備えている。
【0028】
図8は、充電スタンドの概要構成ブロック図である。
ここで、充電スタンド15−1A〜15−1C、15−2A〜15−2Cは、同一構成であるので、充電スタンド15−1Aを例として説明する。
充電スタンド15−1Aは、充電時に電気車両(主として動力用バッテリ)に接続されて電力を供給する複数台の充電コネクタ(給電コネクタ)30を有するとともに、コントローラ31、操作パネル32およびディスプレイ33を内蔵した充電器34を一または複数(図8の例では3台)備えている。
ここで、充電コネクタ30としては、ロックアーム、ロックレバー、リリースレバーなどのロック機構付きの銃型コネクタや、家庭用コンセント用コネクタに近い形状を有するコネクタなどの複数種類が存在する。
【0029】
コントローラ31は、通信インタフェースを有するマイクロコンピュータとして構成されており、インターネット12を介した通信を行う通信機能と、充電開始タイミング、充電終了タイミング、充電電力量あるいは充電器の故障状態を検出する状態検出機能と、充電時のユーザ認証を行うユーザ認証機能と、を備え、状態検出機能により検出した状態およびユーザ認証機能により得られたユーザ認証情報を通信機能により充電スタンド管理サーバ24−1、24−2に通知することとなっている。
ここで、状態検出機能は、充電コネクタ30の接続状態、図示しない電力量計の計測状態あるいは充電器34の各部に設けられた図示しない各種センサ(電圧センサ、電流センサ、短絡センサなど)による検出状態に基づいて実現される。
また、ユーザ認証機能は、非接触型ICカードや携帯電話端末の通信機能などを用いて得られたユーザ認証情報(例えば、電話回線網から送られる電話番号情報、ユーザが入力したパスワード情報など)を用いて実現される。
【0030】
図9は、充電スタンド管理サーバの概要構成ブロック図である。
ここで、充電スタンド管理サーバ24−1、24−2は、同一構成であるので、充電スタンド管理サーバ24−1を例として説明する。
充電スタンド管理サーバ24−1は、図9に示すように、ユーザ情報を格納したユーザデータベース(DB)35、課金情報を格納した課金データベース(DB)36、充電スタンド15−1A〜15−1C、15−2A〜15−2Cの各ユーザの利用に関するデータを格納した利用データベース(DB)37、充電スタンド15−1A〜15−1C、15−2A〜15−2Cの管理を行う充電スタンド管理処理部38および充電スタンド情報表示処理を行う充電スタンド情報表示処理部39を備えており、各部はバスにより接続されている。
【0031】
図10は、ユーザデータベースのデータフォーマットの説明図である。
ユーザデータベース35は、充電スタンド15−1A〜15−1C、15−2A〜15−2Cを利用するユーザ(個人あるいは法人)に関する情報が格納されており、ユーザを特定するためのユーザIDデータが格納されたユーザIDテーブル35Aと、ユーザ認証を行うための認証情報データが格納された認証情報テーブル35Bと、ユーザの車種に基づいて充電対象のバッテリ、バッテリの充電方法(充電電圧、充電電流、充電方式など)を特定するための車種データが格納された車種テーブル35Cと、過去の充電履歴を表す充電履歴データが格納された充電履歴テーブル35Dと、を備えている。
【0032】
ここで、充電履歴テーブル35Dは、充電開始時のバッテリの残存容量を表す初期残存量データが格納された初期残容量テーブル、充電に要した時間を表す充電時間データが格納された充電時間テーブル、充電を行った日付を表す充電日データが格納された充電日データテーブル及び充電開始時刻を表す充電開始時刻データが格納された充電開始時刻テーブルを備えている。
この場合において、初期残存量データとしては、バッテリの初期電圧などが用いられる。また、充電時間データに代えて、充電完了時刻データを記憶することにより、充電開始時刻データおよび充電完了時刻データに基づいて充電時間をその都度算出するようにしても良い。
【0033】
図11は、課金データベースのデータフォーマットの説明図である。
本実施形態においては、充電料金の徴収を銀行口座からの引き落とし、クレジットカードによる決済、請求書の発行に伴う銀行振り込みなどにより課金を行っており、課金データを収集する必要があるので、充電スタンド管理サーバ24−1においては、課金データベース36を構築している。
課金データベース36は、ユーザを特定するためのユーザIDデータが格納されたユーザIDテーブル36A、充電スタンド15−1A〜15−1Cを利用した日時を表す利用日時データが格納された利用日時テーブル36B、利用した充電スタンド15−1A〜15−1Cを特定するための利用充電スタンドデータが格納された利用充電スタンドテーブル36C、課金データが格納された課金テーブル36Dと、を備えている。
【0034】
ここで、課金テーブル36Dには、充電に利用した電力量を表す利用電力量データが格納された利用電力量フィールド36D1と、利用時点における電力単価を表す電力単価データが格納された電力単価フィールド36D2と、利用電力量と電力単価との積の値となる利用料データが格納された利用料フィールド36D3と、当該ユーザの課金区分データが格納された課金区分フィールド36D4と、を備えている。
ここで、電力単価が時期により異なる場合には、利用電力量フィールド36D1に格納される利用電力量データおよび電力単価フィールド36D2に格納される電力単価データは、時期毎に区別して複数格納される。
なお、引き落とし口座などの実際の課金に必要な情報については、従前と同様の方法により、別途保持している。
したがって、利用料フィールド36D3に格納された利用量データに基づいて課金額を算出して引き落としなどを行うとともに、各ユーザに対し毎月利用報告書兼請求書を郵送し、あるいは図示しないインターネットのサイトにおいて各ユーザがアクセス可能な状態で公開するようになっている。
【0035】
図12は、利用データベースのデータフォーマットの説明図である。
利用データベース37は、複数のデータベースから構成されており、充電スタンドの所在地、充電器の設置台数、営業時間、営業日などのスタンド情報および充電スタンド毎(さらには、充電器毎)の充電配車スケジュールが格納されたスタンド情報データベース(DB)37Aと、車種毎の1回の充電に要した充電平均時間が、一日の時間帯毎、曜日毎、月毎、季節毎等に格納された車種充電情報データベース(DB)37Bと、各充電スタンドの時間帯毎の充電平均時間等の時間帯利用情報が格納された時間帯利用統計データベース(DB)37Cと、登録ユーザの利用状況の統計データを格納した利用統計データベース37Dと、を備えている。
【0036】
ここで、利用統計データベース37Dには、各登録ユーザについて、一日の時間帯毎、曜日毎、月毎、季節毎、充電スタンド毎等の充電平均時間のデータ(平均時間および標準偏差)が格納されており、予測充電時間が充電平均時間よりも大幅にずれる場合には、充電平均時間に近づくように補正を行い、更新するようにしている。
【0037】
図13は、車載機器の概要構成ブロック図である。
次に車載機器22の構成について説明する。
車載機器22は、GPS衛星からの測位用電波を受信して自車両位置を検出するGPSユニット22Aと、無線通信装置21との間で通信を行う無線通信ユニット22Bと、ドライバーである乗務員が各種操作を行うための操作部22Cと、音声による無線通信を行うためのハンディマイク22Dと、ナビゲーション画面、充電配車時刻や充電スタンド情報等の各種情報を表示するためのディスプレイ22Eと、車載バッテリBTの残容量を検出する容量検出部22Fを備え、車載装置全体を中枢的に制御するコントローラ22Gと、を備えている。
ここで、容量検出部22Fは、車載バッテリBTの電圧に基づいて、残容量を検出している。
【0038】
次に、充電配車管理サーバにおける充電配車管理処理について説明する。
図14は、充電配車管理処理のフローチャートである。
まず、充電配車管理処理の概要的な流れを説明する。
充電配車管理処理において、まず充電配車管理サーバ23は、運行管理端末13が運行管理を行っている全ての業務車両MVについての充電配車スケジュールを作成する(ステップS11)。
【0039】
次に運行管理端末13において、配車受付を行ったか否かを判別する(ステップS12)。
ステップS12の判別において、配車受付を行っていない場合には(ステップS12;No)、待機状態となる。
ステップS12の判別において、配車受付が行われた場合には(ステップS12;Yes)、配車に伴う業務車両MVの運行により予定していた充電配車の時間帯に充電を行えなくなるなどの状況が発生した場合など必要に応じて充電配車スケジュールを更新する(ステップS13)。
【0040】
続いて、充電配車管理サーバ23は、業務車両MVの実際の運行状況において、バッテリ残量の低下や、遠距離配車予定などが発生して、充電配車スケジュールの変更が必要となったか否かを判別する(ステップS14)。
ステップS14の判別において、充電配車スケジュールの変更が必要でない場合には(ステップS14;No)、再び処理をステップS12に移行して、以下同様の処理を行う。
一方、ステップS14の判別において、充電配車スケジュールの変更が必要となった場合には(ステップS14;Yes)、充電配車スケジュールを変更し(ステップS15)、変更後、再び処理をステップS12に移行して、以下同様の処理を行う。
これらの結果、本実施形態によれば、業務車両の運行をできる限り妨げることなく、充電を行うことができる。
【0041】
以下、充電配車管理処理の詳細について説明する。
図15は、充電配車スケジュール作成処理のフローチャートである。
充電配車管理処理のステップS11における充電配車スケジュール作成処理においては、充電配車管理サーバ23は、運行管理端末13から当日の乗務スケジュールを取得して乗務DB51に格納する(ステップS21)。
続いて、充電配車管理サーバ23は、取得した乗務スケジュールに基づいて、乗務員の勤務予定、車両状況(運行中、点検中等)に応じた、運行の空き時間や、乗務員の休憩時間を考慮して充電配車スケジュールを作成する(ステップS22)。
【0042】
具体的には、当日の乗務スケジュールを参照し、充電スタンド管理サーバ24−1、24−2に問い合わせを行い、可能な限り各業務車両MVの乗務員が休憩をとるであろうと予測される時間帯に充電が行えるように、充電スタンド管理サーバ24−1、24−2に対して充電予約を行って、充電配車スケジュールを作成することとなる。
【0043】
図16は、充電配車スケジュール設定処理のフローチャートである。
まず、充電配車管理サーバ23は、無線通信装置21を介して業務車両MVの車載機器22からバッテリ残容量及び位置情報を取得する(ステップS31)。
次に取得したバッテリ残容量に基づいて走行可能距離を算出する(ステップS32)。
【0044】
図17は、走行可能距離算出処理の処理フローチャートである。
まず、充電配車管理サーバ23は、車両電費データベース52を参照して、当該業務車両の単位バッテリ容量あたりの走行可能距離(電費)を道路の種類(一般道路あるいは高速道路)、道路の状態(平坦路、下り坂、上り坂、山間路など)、車両状態(エアコン使用の有無、ワイパー使用の有無、CDプレーヤなどの車載アクセサリ機器の使用の有無)などの走行条件に対応づけて格納した車両電費テーブル52Bを読み出す(ステップS41)。
【0045】
続いて充電配車管理サーバ23は、乗務員電費データベース53を参照して、当該乗務員における単位バッテリ容量あたりの走行可能距離(電費)を道路の種類(一般道路あるいは高速道路)、道路の状態(平坦路、下り坂、上り坂、山間路など)、車両状態(エアコン使用の有無、ワイパー使用の有無、CDプレーヤなどの車載アクセサリ機器の使用の有無)などの走行条件に対応づけて格納した乗務員電費テーブル53Bを読み出す(ステップS42)。
続いて充電配車管理サーバ23は、ルート情報DB54を参照して通常業務における平均的な道路条件を含む平均走行ルートを適宜設定し、車両電費テーブル52Bのデータおよび乗務員電費テーブル53Bのデータを参酌して当該ルートの電費を算出する(ステップS43)。すなわち、業務車両MVに当該乗務員が搭乗した場合の平均電費を算出することとなる。
【0046】
これにより、現在の電池残量から、平均走行ルートを走行した場合の走行可能距離を算出し(ステップS44)、処理をステップS33(図16参照)に移行する。
続いて充電配車管理サーバ23は、乗務員であるドライバーの勤務時間を取得する(ステップS33)。
次に充電配車管理サーバ23は、全車両MVについて走行可能距離の算出および乗務員勤務時間の取得処理が完了したか否かを判別する(ステップS33)。
ステップS33の判別において、いまだ全車両MVについて走行可能距離の算出および乗務員勤務時間の取得処理が完了していない場合には(ステップS33;No)、再び処理をステップS31に移行し、以下同様の処理を全車両MVについて走行可能距離の算出および乗務員勤務時間の取得処理が完了するまで繰り返す。
【0047】
一方、ステップS33の判別において、全業務車両MVについて走行可能距離の算出および乗務員勤務時間の取得処理が完了した場合には(ステップS33;Yes)、全業務車両について、いずれの業務車両が優先して充電を行わなければならないかを表す充電優先順位を算出する(ステップS35)。
この充電優先順位は、よりバッテリ残容量が少ない業務車両MV、より長距離走行の必要がある業務車両MVが優先され、同一のバッテリ残容量あるいは走行予定距離の業務車両である場合には、積載人員あるいは積載貨物量がより多いと想定される業務車両MVが優先され、エアコンやワイパーの利用が想定される地域に向かうと想定される業務車両MVが優先されて、これらの業務車両MVの充電優先順位が高く設定されることとなる。
そして、充電配車管理サーバは、充電優先順位の高い業務車両を優先して、充電スタンドの予約を行うこととなる(ステップS36)。
【0048】
ここで、充電スタンドの予約処理について説明する。
図18は、充電予約のシーケンスフローチャートである。
図18においては、充電配車管理サーバ23が、充電スタンド管理サーバ24−1に対して充電予約を行う場合を例として説明する。
まず、充電配車管理サーバ23は、インターネット12を介して充電スタンド管埋サーバ24−1にログイン要求を行う(ステップS51)。
【0049】
この場合において、ログイン要求は、予め発行されたユーザIDを用いる。ここで、充電スタンド管埋サーバ24−1側では、ユーザIDの他、充電配車管理サーバ23の電子署名などを用いてユーザ認証のための情報としている。
ログインが完了すると、充電スタンド管埋サーバ24−1は、ログイン完了応答を行い(ステップS52)。
これにより、充電配車管理サーバ23は、予約設定処理を行う(ステップS53)。
具体的には、充電配車管理サーバ23は、各業務車両MVのバッテリ残容量が必要以上に低下する前に充電が行えるように、ステップS35において算出した充電優先順位が高い順に早い時間に充電予約ができるように予約設定処理を行う。
【0050】
すなわち、予約設定処理においては、予約を希望する充電スタンド(あるいは充電スタンド群)、予約希望日時(時間帯)、予約対象の車両を特定する情報、充電時間、業務車両数などが設定される。この場合において、充電スタンドの指定は、第1希望充電スタンド、第2希望充電スタンドのように複数の希望を複数の地域にわたるものとしたりすることも可能である。
【0051】
図19は、充電スタンドの指定の説明図である。
充電配車管理サーバ23が配置されている営業所60において業務車両MVを運行させる業務エリアをARとし、充電スタンド管理サーバ24−1の管理下にある充電スタンド15−1A〜15−1C及び充電スタンド管理サーバ24−2の管理下にある充電スタンド15−2A〜15−2Cのうち、充電スタンド15−2A、15−2Bが業務エリアAR内に位置したとする場合には、充電配車管理サーバ23は、充電対象の業務車両MVが営業所60に位置している場合には、営業所60から充電スタンド15−1Aまでの道程R1、充電スタンド15−1Bまでの道程R2、充電スタンド15−2Aまでの道程R3、充電スタンド15−2Bまでの道程R4を比較し、例えば、
R1<R3<R4<R2
である場合には、第1希望充電スタンドを充電スタンド15−1Aとし、第2希望充電スタンドを充電スタンド15−2Aとする。
【0052】
この場合に原則的には、充電配車管理サーバ23は、業務エリアをAR内で充電可能な充電スタンドを探すこととなるが、業務エリアをAR内で電可能な充電スタンドが充電時間帯などの観点から見つからない場合には、できる限り現在の業務車両MVの位置に近い充電スタンドを既望充電スタンドに設定することとなる。
また、予約対象の車両を特定する情報については、全ての業務車両MVで共通とすることも可能である。これにより、充電予約後に実際に予約した充電スタンドへ向かう業務車両MVを充電配車管理サーバ23側で容易に変更することが可能となる。
【0053】
そして、この予約設定処理により、予約要求内容が確定し、受付要求が充電スタンド管埋サーバ24−1側に送信されることとなる(ステップS54)。
これにより、充電スタンド管理サーバ24は、予約処理に処理を移行する(ステップS55)。
【0054】
図20は、充電スタンド管理サーバの予約処理の処理フローチャートである。
予約要求を受信した充電スタンド管理サーバ24−1は、当該予約要求に対応する予約対象の充電スタンド14−1A〜14−1C(あるいは、当該充電スタンド14−1A〜14−1Cの充電器34毎)の充電スタンドスケジュールを対応するスタンド情報データベースから取得する(ステップS61)。
続いて充電スタンド管理サーバ24−1は、取得した予約対象の充電スタンド14−1A〜14−1Cの充電スタンドスケジュールに基づいて、予約希望日時以前に予約があるか否かを判別する(ステップS62)。
【0055】
ステップS62の判別において、予約がある場合には(ステップS62;Yes)、当該予約要求に対応する予約について充電配車管理サーバ23が充電時間を指定しているか否かを判別する(ステップS63)。
ステップS33の判別において、充電配車管理サーバ23が充電時間を指定している場合には(ステップS63;Yes)、処理をステップS65に移行する。
ステップS63の判別において、充電配車管理サーバ23が充電時間を指定していない場合には(ステップS63;No)、予測充電時間を算出する予測充電時間算出処理を行う(ステップS64)。
【0056】
ここで、予測充電時間算出処理について説明する。
図21は、予測充電時間算出処理の処理フローチャートである。
まず、充電スタンド管理サーバ24−1は、ユーザ登録がある充電配車管理サーバ23の予約であるか否かを判別する(ステップS75)。
ステップS75の判別において、当該充電配車管理サーバ23のユーザ登録がなされている場合には(ステップS75;Yes)、予約対象の車両を特定する情報に基づく車種による充電時間算出を行う(ステップS76)。
具体的には、充電スタンド管理サーバ24−1は、予め記憶していたユーザデータベースを参照して、充電配車管理サーバ23が予約して充電しようとしている車両に搭載されている車載バッテリの容量、種別、個数などを把握する。
これらの情報は、通常、車種(グレード、仕様)が定まれば、搭載しているバッテリの容量、種別、個数は定まるため、車種により判断することとなる。
【0057】
ところで、車載バッテリの充電に要する時間は、バッテリの充電状態、劣化度合いによって大きく異なることが知られている。例えば、経年劣化によれば、10年で容量が70%程度となってしまうため、充電に要する時間が大きく変動することとなる。また、バッテリの実容量(残容量)が大きければ、充電時間が比較的短くなり、バッテリの実容量(残容量)が小さければ、充電時間が比較的長くなる。
そこで、本実施形態においては、当該登録ユーザにおける充電対象の車両の過去の充電スタンド利用時の充電状況を統計的に処理して得られる利用統計データを格納した利用データベースを参照して車種による判断を補正することとしている。例えば、上述した経年劣化を考慮する場合には、バッテリ容量の移動平均値を用いて充電に要する時間を補正することとなる。
【0058】
また、充電対象の車両すなわち、ユーザによっては、バッテリ充電を行う状況(バッテリの充電状態、曜日、時間帯、季節、天気)などにある程度傾向がみられ、その時々の実際の充電時間と、予測充電時間との差である予測誤差の傾向が見いだされるので、利用統計データを利用して予測充電時間をより正確に算出することが可能となる。
具体的には、当該登録ユーザの当該時期(時間帯、曜日、季節、天気)における予測バッテリ残量を求め、当該登録ユーザの車種により指定される充電方法(充電電流、充電電圧などの設定に基づく充電パターン〉で充電した場合の充電予測時間を算出する。
【0059】
まず、時間帯について説明すると、通常利用する時間帯に要する充電時問と、通常利用しない時間帯に要する充電時間とは、異なる傾向がある。
これは、通常利用する時間帯は、余裕を持って充電を行っていると考えることができ、その電池残量もほぼ同様の傾向を示すと考えられるからである。
【0060】
同様に曜日についても、ある程度傾向が見られるので、例えば、土日などの渋滞が発生する可能性が高い曜日においては、消費電力量が増加し、予測充電時間が長くなるとして、例えば、5%増しとする。
また、時間帯については、夜間になればヘッドライトを含むライトを点灯させ、あるいは、渋滞時間帯などでは、消費電力量が増加し、予測充電時間が長くなるとして、例えば、5%増しとする。
また、季節については、電気車両の場合、エアコン(クーラー、ヒーター)等を利用する季節においては、通常よりも電力の消費が大きくなるため、充電頻度は高くなっているにも関わらず、充電時の電池残量もエアコンなどを利用しない場合と比較して電池残量が少なくなっている等の傾向を示す可能性が高く、これらの傾向を反映して充電時間を予測する必要があるからである。より詳細には、冬期はヒーターを使用しているので電池残量が少なくなり、予測充電時間が長くなるとして、例えば、20%増しとし、夏季はクーラーを使用しているので池残量が少なくなり、予測充電時間が長くなるとして、例えば、10%増しとする。
【0061】
また、天気については、雨などの場合にはワイパーを駆動する必要があるので、予測充電時間が長くなるとして、例えば、5%増しとする。
したがって、時間帯、曜日、季節等に基づいて利用統計データを取得しておくことで、より正確な充電時間を予測することが可能となるのである。
【0062】
一方、ステップS75の判別において、ユーザ登録がなされていない場合、例えば、新規のユーザには(ステップS75:No)、車種充電情報データベース37Bを参照して車種・仕様、充電スタンドの所在地、設置されている充電器の種類などに基づく充電時間算出(充電時間推定)を行う(ステップS77)。
具体的には、車種・仕様に基づいて対象となる車両に搭載されているバッテリの個数、容量、種類が定まるとともに、使用年数等の推定が可能であるので、当該バッテリの標準的な充電時間を算出する。そして、充電スタンドの所在地および設置されている充電器の種類に基づいて算出した充電時間を補正する。
【0063】
すなわち、バッテリの個数、容量、種類に基づいて、標準充電時間を車種充電情報データベース37Bを参照して求め、推定した使用年数に基づいた劣化を考慮し、さらに充電スタンドの所在地および設置されている充電器の種類に基づいて予測される充電時間を算出することとなる。
この場合において、車種・仕様のみしか分からない場合等には、予め記憶していた車種から定まる標準充電時間を用いて、充電時間の算出に代える。
続いて充電スタンド管理サーバ24−1は、ステップS77において算出した充電時間を時間帯別の平均充電時間を考慮して補正して、より正確な充電予測時間を算出し(ステップS78)、処理をステップS65に移行する。
【0064】
充電スタンド管理サーバ24−1は、全予約について処埋が終了したか否かを判別する(ステップS65)。
ステップS65の判別において、全予約について処理が終了していない場合には(ステップS65;No)、充電スタンド管理サーバ24−1は、処理を再びステップS63に移行して以下同様の処理を行い、充電時間が指定されていない全ての予約について予測充電時間の算出処理(ステップS64)を行うこととなる。
【0065】
ステップS62の判別において予約がない場合(ステップS62;No)、あるいはステップS65の判別において全予約について予測充電時間算出処理が終了した場合には(ステップS65;Yes)、充電スタンド管理サーバ24−1は、取得した予約対象の充電スタンド14−1A〜14−1Cの充電スタンドスケジュールに基づいて、予約希望日時として指定された予約希望日に、充電順番待ちを行っている待ちユーザがいるか否かを判別する(ステップS66)。なお、実際には、予約希望日が当日である場合にだけ、充電順番待ちを行っているユーザが存在するはずであるので、予約希望日が当日以外の場合には、充電順番待ちを行っているユーザは存在せず、常にステップS66の判別は、「No」となる。
【0066】
ステップS65の判別において、充電順番待ちユーザがいる場合には(ステップS66;Yes)、当該充電順番待ちユーザが所望の充電時間を指定しているか否かを判別する(ステップS67)。
ステップS67の判別において、充電順番待ちユーザが所望の充電時間を指定している場合には(ステップS67;Yes)、処理をステップS69に移行する。
ステップS67の判別において、充電順番待ちユーザが所望の充電時間を指定していない場合には(ステップS67;No)、当該充電順番待ちユーザについて予測充電時間を算出する予測充電時間算出処理を行う(ステップS68)。
【0067】
続いて充電スタンド管理サーバ24−1は、全ての充電順番待ちユーザについて処理が終了したか否かを判別する(ステップS69)。
ステップS69の判別において、全ての充電順番待ちユーザについて処理が終了していない場合には(ステップS69;No)、充電スタンド管理サーバ24−1は、処埋を再びステップS67に移行して以下同様の処理を行い、充電順番待ちユーザにより所望の充電時間が指定されていない全ての充電順番待ちユーザについて予測充電時間の算出処理(ステップS68)を行うこととなる。
ステップS66の判別において充電順番待ちユーザがいない場合(ステップS66;No)、あるいはステップS69の判別において全充電順番待ちユーザについて予測充電時間算出処理が終了した場合には(ステップS69;Yes),充電スタンド管埋サーバ24−1は、後述する受付結果を通知するための予約受付処理を行う(ステップS70)。
【0068】
これにより予約申込内容が確定し、充電スタンド管理サーバ24−1は、予約スケジュールを記憶しておくスタンド情報データベースにおける予約対象の充電スタンド14−1A〜14−1Cの充電スタンドスケジュールを更新して(ステップS71)、予約処理(ステップS55)を終了する。
【0069】
続いて、充電スタンド管理サーバ24−1は、充電配車管理サーバ23に対して予約を受け付けた旨及び充電スタンド予約情報を通知する受付結果通知処理を行う(ステップS56)。
これにより充電配車管理サーバ23は、受付結果通知に基づいて、受付結果画面表示を行い(ステップS57)、取得した充電スタンド予約情報を充電配車スケジュールとして組み込むこととなる(ステップS58)。
【0070】
図22は、充電配車スケジュールの作成例の説明図である。
図22においては、第1の乗務員DR1および第2の乗務員DR2の運行スケジュール(乗務配車スケジュール)を示している。
乗務員DR1の運行スケジュールにおいては、第1の乗務時間帯W11の後に、休憩時間帯R11を挟んで第2の乗務時間帯W12が配されている。さらに第2の乗務時間帯W12の後に、休憩時間帯R12を挟んで第3の乗務時間帯W13が配されている。
そして、現時点では、第1の乗務時間帯W11中に乗務配車予定D11、D12、…が組み込まれている。ここで、乗務配車予定とは、顧客からの配車依頼の電話による配車の予定等の突発的な配車予定や、介護施設への送り迎えなどの定期的に組み込まれた配車予定などが含まれる。
さらに休憩時間帯R11には、第1の充電配車スケジュールC11が組み込まれ、休憩時間帯R12には、第2の充電配車スケジュールC12が組み込まれている。
【0071】
乗務員DR1の運行スケジュールにおいては、第1の乗務時間帯W11の後に、休憩R11を挟んで第2の乗務時間帯W12が配されている。さらに第2の乗務時間帯W12の後に、休憩R12を挟んで第3の乗務時間帯W13が配されている。
そして、現時点では、第1の乗務時間帯W11中に配車予定D11、D12、…が組み込まれている。
さらに休憩時間帯R11には、第1の充電配車スケジュールC11が組み込まれ、休憩時間帯R12には、第2の充電配車スケジュールC12が組み込まれている。
【0072】
同様に、乗務員DR2の運行スケジュールにおいては、第1の乗務時間帯W21の後に、休憩R21を挟んで第2の乗務時間帯W22が配されている。さらに第2の乗務時間帯W22の後に、休憩R22を挟んで第3の乗務時間帯W23が配されている。
そして、現時点では、第1の乗務時間帯W21中に乗務配車予定D21、D22、…が組み込まれ、休憩時間帯R21には、第1の充電配車スケジュールC21が組み込まれ、休憩時間帯R22には、第2の充電配車スケジュールC22が組み込まれている。
これらの場合において、充電配車スケジュールC11、C12を乗務員DR1の休憩R11、R12に相当する時間帯に組み込むようにし、充電配車スケジュールC21、C22を乗務員DR2の休憩R21、R22に相当する時間帯に組み込むようにしているのは、車両の運用(運行)効率を向上させるためである。
【0073】
続いて、再び図14の処理に移行し、インターネット12を介した配車依頼あるいは電話を受けたオペレータの手入力による配車受付がなされたか否かを判別する(ステップS12)。
ステップS12の判別において、配車受付がなされていない場合には(ステップS12;No)、待機状態となる。
ステップS12の判別において、配車受付がなされた場合には(ステップS12;Yes)、現時点における乗務予定及び充電予定に基づいて必要に応じて充電配車スケジュールを更新し、充電配車スケジュールを当該配車受付に対応する配車予定に影響のない時間帯に変更する(ステップS13)。
【0074】
図23は、充電配車スケジュール更新処理の処理フローチャートである。
ここで、充電配車スケジュールの変更処理をより具体的に説明する。
まず、充電配車管理サーバ23は、既に充電スタンド管理サーバ24−1、24−2に対して予約を入れてある充電予約のうち、当該業務車両以外の他の業務車両に対応する充電予約であって、当該車両に対する充電予約に対応車両を変更可能な他の充電予約があるか否かを判別する(ステップS81)。
ステップS81の判別において、変更可能な他の充電予約がない場合には(ステップS81;No)、充電スタンド管理サーバ24−1、24−2に対して新規に充電予約処理を行う(ステップS82)。
【0075】
ステップS81の判別において、既に充電スタンド管理サーバに対して予約を入れてある充電予約のうち、当該車両以外の他の車両に対応する充電予約であって、当該車両に対する充電予約に対応車両を変更可能な他の充電予約がある場合には、充電予約の変更処理(対応車両の変更、あるいは対応乗務員の認証手続きの変更など)を行うとともに、自己で管理している乗務スケジュール及び充電配車スケジュールの変更処理を行う(ステップS83)。
続いて、充電配車管理サーバ23は、バッテリ残量低下や遠距離の乗務配車予定などにより充電配車スケジュールの変更が必要か否かを判別する(ステップS14)。
ステップS14の判別により充電配車スケジュールの変更が必要ない場合には(ステップS14;No)、処理を再びステップS12に移行し、以下、同様の処理を行う。
【0076】
図24は、充電配車スケジュールの変更処理の説明図である。
ここで、充電配車スケジュールの変更処理についてより具体的に説明する。
この場合において、初期状態においては、図23の上段に示すように、休憩時間帯R11には、第1の充電配車スケジュールC11が組み込まれ、休憩時間帯R12には、第2の充電配車スケジュールC12が組み込まれているものとする。
ここで、第2の乗務員DR2の運行スケジュールの第1の乗務時間帯W21の時刻t1において、充電が必要と判断される状況となった場合には、充電配車管理サーバ23は、既に充電スタンド管理サーバ24−1に対して予約を入れてある充電予約のうち、当該車両(一の車両)以外の他の車両に対応する充電予約であって、当該車両に対する充電予約に対応車両を変更可能な他の充電予約があるか否かを判別する(ステップS81)こととなる。
【0077】
この場合には、当該車両以外の他の車両に対応する充電予約であって、当該車両に対する充電予約に対応車両を変更可能な他の充電予約として乗務員DR1の乗務する車両の充電配車スケジュールC11(時刻t2)が存在している。そして、乗務員DR1の乗務する車両のバッテリの残容量は、多少充電配車スケジュールを変更しても問題がない容量となっているものとする。
したがって、充電配車管理サーバ23は、充電配車スケジュールC11を第2の乗務員DR2の運行スケジュールのうち休憩時間帯R21に変更する。
【0078】
これにより、第1の乗務員DR1の休憩時間帯R11を第2の乗務員DR2の運行スケジュールにおける充電配車スケジュールC21に対応する時間帯に変更し、時刻t3における充電配車スケジュールC21を第1の乗務員DR1の運行スケジュールのうち休憩時間帯R11を休憩時間帯R11’に変更する。
この結果、時刻t4における元の充電配車スケジュールC12についても、充電の必要がなくなった場合には、当該充電配車スケジュールC12をキャンセルし、その旨を充電スタンド管理サーバ24−1に通知することとなる。
【0079】
以上の説明のように、既に充電スタンド管理サーバ24−1に対して予約を入れてある充電予約のうち、当該車両以外の他の車両に対応する充電予約であって、当該車両に対する充電予約に対応車両を変更可能な他の充電予約がある場合には、それらを相互に変更することにより、新たに充電予約を行うことなく、充電配車スケジュールを融通し合って、効率的な充電が行えることとなる。
この場合においては、充電予約を行った車両と実際に充電を行う車両とは異なることとなるため、充電スタンド14−1A〜14−Cにおいて、実際に充電を行う場合の認証が問題なく行えるように、各業務車両MVを特定する情報を統一しておく必要がある。
【0080】
図25は、充電配車スケジュールの変更処理[新規予約]の説明図である。
この場合において、初期状態においては、図23の上段に示すように、乗務員DR1の休憩時間帯R12には、充電配車スケジュールC11が組み込まれているものとする。
ここで、乗務員DR1の運行スケジュールにおいて、第1の乗務時間帯W11において、充電が必要と判断される状況となった場合には、充電配車管理サーバ23は、既に充電スタンド管理サーバ24−1に対して予約を入れてある充電予約のうち、当該車両以外の他の車両に対応する充電予約であって、当該車両に対する充電予約に対応車両を変更可能な他の充電予約があるか否かを判別する(ステップS81)こととなるが、この場合には、当該車両以外の他の車両に対応する充電予約が存在しないので、充電配車管理サーバ23は、新たに時刻t12に充電予約を行うとともに、当該時刻t12に設定されていた休憩時間帯R11を休憩時間帯R13に変更し、当該休憩時間帯R13新たな充電配車スケジュールC13が含まれるようにする。
【0081】
この結果、時刻t13に設定されていた元の充電配車スケジュールC11についてはキャンセルし、その旨を充電スタンド管理サーバ24−1に通知することとなる。
以上の説明のように、既に充電スタンド管理サーバ24−1に対して予約を入れてある充電予約のうち、当該車両以外の他の車両に対応する充電予約であって、当該車両に対する充電予約に対応車両を変更可能な他の充電予約がない場合には、新規に充電予約を行い、既に存在する充電予約については、キャンセルすることにより、車両の運行に影響を与えることなく充電が行えることとなる。
【0082】
以上の説明のように、本実施形態によれば、複数の車両の運行管理を行う場合であっても、運行管理への影響を低減して、充電配車スケジュールを管理することができる。
したがって、待ち時間の少ない充電を行うことができるとともに、充電期間中あるいは充電切れによる営業機会損失を低減することができる。
また、電気車両(電気自動車)ではなく、プラグインハイブリッド車両に適用する場合には、ガソリンよりも安価な電力で走行できる機会を増加させることが可能となり、運行コストを低減することが可能となる。
以上の説明においては、充電配車管理サーバ23と、運行管理端末13とは、別体に設けていたが、充電配車管理サーバ23に運行管理機能を搭載するように構成することも可能である。
以上の説明においては、運行管理端末13は、直接インターネット12に接続されていなかったが、タクシーの配車申込をインターネット12を介してユーザが直接行えるように構成することも可能である。
以上の説明においては、タクシー業者において、運行管理下にある業務用車両の充電配車スケジュールの管理について説明したが、同様にレンタカー業者、カーシェアリング業者、バス業者、トラックなどの車両を用いた運送業者についても、運行管理下にある業務用車両の充電配車スケジュールの管理を行うように構成することも可能である。
また、タクシー業者、レンタカー業者に適用する場合においては、予め観光モデルコースを提供することにより、タクシーを利用しているユーザあるいは車両をレンタルしたユーザが車両を降りて観光している時間帯に充電配車スケジュールを設定することにより、これらのユーザに充電に要する時間をあまり意識させないように構成することも可能である。
【符号の説明】
【0083】
10 充電配車スケジュール管理システム
11 充電配車管理システム
12 インターネット(通信ネットワーク)
13 運行管理端末
14−1、14−2 充電スタンド管理システム
15−1A〜15−1C 充電スタンド
15−2A〜15−2C 充電スタンド
21 無線通信装置
22 車載機器
23 充電配車管理サーバ
24−1、24−2 充電スタンド管理サーバ
41 MPU(制御装置)
AR 業務エリア
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電配車管理サーバ及び充電配車管理システムに係り、特に複数の業務用車両の充電管理を行うための充電配車管理サーバ及び充電配車管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、動力用のバッテリを搭載し、当該バッテリに充電された電力を使用して走行する電気自動車に充電を行う充電スタンドが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載された充電スタンドは、車両バッテリよりも大容量の蓄電器を備え、当該蓄電器に商用電源からの電力によって充電を行うとともに、蓄電器から放電して車載バッテリに充電を行わせる。
【0003】
ところで、電気自動車のバッテリを充電するのは、ガソリン自動車に比較すれば、時間がかかるため、充電スタンドがあっても、他の電気自動車が充電中であれば、容易に充電を行うことができず、電気自動車の運行計画が立てづらいという不具合が生じる。
上記不具合を解決するために、特許文献2記載の技術は、電気自動車の現在位置周辺に存在する充電スタンドを抽出し、抽出された充電スタンドの位置および当該充電スタンドに設置されている充電器の利用可能情報を提供することにより、充電スタンドに到着後、直ちにまたは所定時間以内に充電を開始できる充電スタンドに関する情報を電気自動車のユーザに提供するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−115732号公報
【特許文献2】特開2003−262525号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献2記載の技術は、個人ユーザについては、現在の充電スタンドの利用状況に基づいて待ち時間が少ない充電スタンドを特定することができ、有効であると考えられるが、タクシー業者、レンタカー業者、カーシェアリング業者などの業務車両の運行を業とする事業者にとっては、車両の配車管理と充電管理とは表裏一体をなすものであり、いずれか一方に比重をおいても、運用がうまくいかなくなってしまう虞があった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、複数の車両の運行管理を行う場合であっても、運行管理への影響を低減して、充電配車スケジュールを管理することが可能な充電配車管理サーバ及び充電配車管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の第1態様は、車両駆動用のバッテリをそれぞれ搭載した複数の車両について、前記車両毎の前記バッテリの残容量及び当該バッテリの容量の消費予定に基づいて、充電を行うべき充電スタンド及び時間帯を指定して充電のための配車を指示する充電配車スケジュールを設定する制御装置を備えたことを特徴としている。
上記構成によれば、制御装置は、車両毎のバッテリの残容量及びバッテリの容量の消費予定に基づいて、充電を行うべき充電スタンド及び時間帯を指定して充電のための配車を指示する充電配車スケジュールを設定するので、設定される充電配車スケジュールは、バッテリの容量の消費予定に対応する最適なタイミングに沿ったものとなる。
【0008】
本発明の第2態様は、第1態様において、前記制御装置は、各前記車両について予め定められた走行スケジュールに基づいて当該車両における前記バッテリの容量の消費予定を算出することを特徴としている。
上記構成によれば、各車両について予め定められた走行スケジュールに基づいて当該車両におけるバッテリの容量の消費予定を算出するので、より正確にバッテリの消費予定を把握でき、より最適なタイミングで充電配車スケジュールを設定できる。
【0009】
本発明の第3態様は、第2態様において、前記複数の車両のそれぞれは、前記走行スケジュールおよび休憩を含む運行スケジュールの管理がなされている業務用車両であり、 前記制御装置は、前記運行スケジュールを取得し、取得した前記運行スケジュールに基づいて、前記バッテリの容量の消費予定を算出することを特徴としている。
上記構成によれば、制御装置は、走行スケジュールおよび休憩を含む運行スケジュールを取得し、取得した運行スケジュールに基づいて、バッテリの容量の消費予定を算出するので、走行スケジュールおよび休憩を考慮した最適なタイミングで充電配車スケジュールを設定でき、業務に伴う運行への影響を低減できる。
【0010】
本発明の第4態様は、第3態様において、前記制御装置は、いずれか一の車両の前記運行スケジュールが変更され、当該一の車両の充電配車スケジュールの変更が必要となった場合に、当該一の車両及び他の車両に対応する充電配車スケジュールを調整し、変更する、ことを特徴としている。
上記構成によれば、制御装置は、いずれか一の車両の運行スケジュールが変更され、当該一の車両の充電配車スケジュールの変更が必要となった場合に、当該車両及び他の車両に対応する充電配車スケジュールを調整し、変更するので、複数の車両全体で効率的に充電が行える。
【0011】
本発明の第5態様は、第1態様乃至第4態様のいずれかにおいて、前記充電スタンドは、充電スタンド管理サーバにより管理されており、前記制御装置は、前記充電スタンド管理サーバに対応する充電スタンドの利用状況を当該前記充電管理サーバに通信ネットワークを介して問い合わせ、充電を行うべき充電スタンド及び時間帯を指定する、ことを特徴としている。
上記構成によれば、充電スタンドへの配車スケジュールの設定に際しては、充電スタンドの充電配車スケジュールを考慮した確実なものとすることができる。
【0012】
本発明の第6態様は、第1態様乃至第5態様のいずれかにおいて、前記制御装置は、前記バッテリの容量の消費予定を、季節、天気あるいは時間帯等の走行条件、前記車両の装置構成、当該車両の乗務員あるいは走行ルートに基づいて算出する、ことを特徴としている。
上記構成によれば、制御装置は、季季節、天気あるいは時間帯等の走行条件、前記車両の装置構成、当該車両の乗務員あるいは走行ルートに基づいて算出するので、より正確にバッテリの容量の消費予定を算出でき、ひいては、設定される充電スタンドへの配車スケジュールは、より最適なタイミングに設定されることとなる。
【0013】
本発明の第7態様は、第1態様ないし第6態様のいずれかにおいて、前記制御装置は、前記車両が搭載している車載装置に対し、生成した無線通信ネットワークを介して、充電配車スケジュールを通知することを特徴としている。
上記構成によれば、制御装置は、車両が搭載している車載装置に対し、生成した無線通信ネットワークを介して、充電配車スケジュールを通知するので、各車両の運転手は、充電配車スケジュールに沿って充電を容易、かつ、確実に行うことができる。
【0014】
本発明の第8態様は、電気車両の車両駆動用のバッテリを充電するバッテリ充電器を有した複数の充電スタンドと、前記充電スタンドを管理する充電スタンド管理サーバと、前記充電スタンド管理サーバと通信ネットワークを介して接続され、前記電気車両を前記充電スタンドへ充電のために配車する配車指示を行う充電配車管理サーバと、を備え、前記充電配車管理サーバは、車両駆動用のバッテリをそれぞれ搭載した複数の電気車両について、前記電気車両毎の前記バッテリの残容量及び当該バッテリの容量の消費予定に基づいて、充電を行うべき充電スタンド及び時間帯を指定して充電のための配車を指示する充電配車スケジュールを設定する制御装置を備えた、ことを特徴としている。
【0015】
上記構成によれば、充電スタンド管理サーバは、充電スタンドを管理する。
一方、充電配車管理サーバは、充電スタンド管理サーバと通信ネットワークを介して接続され、電気車両を充電スタンドへ充電のために配車する充電配車スケジュールの管理を行うに際し、制御装置は、電気車両毎のバッテリの残容量及び当該バッテリの容量の消費予定に基づいて、充電を行うべき充電スタンド及び時間帯を指定して充電のための配車を指示する充電配車スケジュールを設定する。
したがって、バッテリの残容量及び当該バッテリの容量の消費予定に基づいて電気車両毎に充電を行うべき充電スタンド及び時間帯を指定した充電配車スケジュールを設定するので、設定される充電配車スケジュールは、バッテリの容量の消費予定に対応する最適なタイミングに沿ったものとなる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、設定される充電配車スケジュールは、バッテリの容量の消費予定に対応する最適なタイミングに沿ったものとなり、車両運行と充電との両立を図った、効率的な充電配車スケジュール管理が行えるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】車両運行管理システムの概要構成ブロック図である。
【図2】充電配車管理サーバの概要構成ブロック図である。
【図3】データベースの説明図である。
【図4】乗務データベースのデータフォーマットの説明図である。
【図5】車両電費データベースのデータフォーマットの説明図である。
【図6】乗務員電費データベースのデータフォーマットの説明図である。
【図7】ルート情報データベースのデータフォーマットの説明図である。
【図8】充電スタンドの概要構成ブロック図である。
【図9】充電スタンド管理サーバの概要構成ブロック図である。
【図10】ユーザデータベースのデータフォーマットの説明図である。
【図11】課金データベースのデータフォーマットの説明図である。
【図12】利用データベースのデータフォーマットの説明図である。
【図13】車載機器の概要構成ブロック図である。
【図14】充電配車管理処理のフローチャートである。
【図15】充電配車スケジュール作成処理のフローチャートである。
【図16】充電配車スケジュール設定処理のフローチャートである。
【図17】走行可能距離算出処理の処理フローチャートである。
【図18】充電予約のシーケンスフローチャートである。
【図19】充電スタンドの指定の説明図である。
【図20】充電スタンド管理サーバの予約処理の処理フローチャートである。
【図21】予測充電時間算出処理の処理フローチャートである。
【図22】充電配車スケジュールの作成例の説明図である。
【図23】充電配車スケジュール更新処理の処理フローチャートである。
【図24】充電配車スケジュールの変更処理の説明図である。
【図25】充電配車スケジュールの変更処理[新規予約]の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。
図1は、車両運行管理システムの概要構成ブロック図である。
充電配車スケジュール管理システム10は、大別すると、複数の業務車両MV(例えば、タクシー)の充電配車を行う充電配車管理システム11と、充電配車管理システム11と接続され、オペレータにより運行スケジュール、業務車両の充電配車以外の配車(業務配車)の管理および乗務員の勤務スケジュール管理などの運行スケジュール管理を行う運行管理端末13と、充電配車管理システム11とインターネット12を含む通信ネットワークを介して接続された複数の充電スタンド管理システム14−1、14−2と、を備えている。
【0019】
充電配車管理システム11は、複数の充電スタンド管理システム14−1、14−2と連携して、各充電スタンド管理システム14−1、14−2のそれぞれの管理下にある充電スタンドへ自己が管理している業務車両MVを向かわせて、当該充電スタンドにおいて、充電を行うように充電配車を管理している。この場合において、充電スタンドにおいて充電する車両の充電以外の他の運行にできる限り影響を与えないような時間帯に充電を行えるように充電スタンド管理システム14−1、14−2と調整を図って運行管理を行っている。
【0020】
充電配車管理システム11は、大別すると、無線通信装置21及びインターネット12に接続されるとともに、充電配車スケジュールの管理を行う充電配車管理サーバ23と、を備えている。
この場合に、無線通信装置21は、無線通信機能を有する業務車両MVに搭載された車載機器22と無線通信を行って、充電配車スケジュールを車載機器22に通知したり、業務車両MVに対し、運行管理端末13から充電配車管理サーバ23を介して入力される乗務配車スケジュールを受信して、乗務員に乗務配車先の情報(地図、名称等)を通知したりする。
一方、車載機器22は、図示しないGPSレシーバにより取得した自車両位置に基づいて業務車両MVの実際の運行状況を表す運行状況データを、無線通信装置21を介して、充電配車管理サーバ23あるいは運行管理端末13に通知する。
【0021】
図2は、充電配車管理サーバの概要構成ブロック図である。
充電配車管理サーバ23は、パーソナルコンピュータと同様に構成されており、充電配車管理サーバ23を中枢的に制御するMPU41と、MPU41が動作するためのプログラムなどを記憶しているROM42と、各種データを一時的に記憶するワークテーブルとしてのRAM43と、データ入力などを行うためのキーボード44と、各種情報を表示するディスプレイ45と、各種外部機器との間のインタフェース動作を行うインタフェース部46と、後述する各種データベースなどのデータを記憶するハードディスクドライブ装置などの外部記憶装置47と、各種情報をプリントアウトするプリンタ48と、無線通信装置21及びインターネット12に所定の通信プロトコルで接続される通信インタフェース部49と、を備えている。
【0022】
ここで、外部記憶装置47に記憶されている各種データベースについて説明する。
図3は、データベースの説明図である。
外部記憶装置47に記憶されているデータベースとしては、運行管理端末13から取得した乗務員に関する情報および乗務スケジュール、車両の運行状況などを記憶する乗務データベース(DB)51と、車両毎の単位バッテリ容量あたりの走行可能距離(電費)を記憶する車両電費データベース(DB)52と、乗務員毎の単位バッテリ容量あたりの走行可能距離(電費)を記憶する乗務員電費データベース(DB)53と、設定された走行ルートにおいて消費バッテリ容量を算出するための各種情報が格納されたルート情報データベース(DB)54と、が記憶されている。
ここで、ルート情報データベース54としては、例えば、途中に交叉点などの分岐点を含まず、その両端が分岐点である道路、あるいは、途中に交叉点などの分岐点を含まず、その一端が分岐点であり、他端が行き止まりである道路である単位道路毎、かつ、積載重量(乗員を含む)、時間帯(昼間、夜間等)、季節(エアコンの利用の有無など)、天候(ワイパーの使用の有無など)毎に消費バッテリ容量を記憶している。
この場合において、一の単位道路について、平地に設けられた道路のように、第1の方向(例えば、上り方向)に車両を走行させた場合と、第2の方向(例えば、下り方向)に車両を走行させた場合とで、消費バッテリ容量に実質的な差がない場合には、消費バッテリ容量を当該単位道路について一組記憶しているが、山間路や坂などのように走行方向で大きく消費バッテリ容量が変わる場合には、走行方向に応じて二組の消費バッテリ容量を記憶している。
【0023】
図4は、乗務データベースのデータフォーマットの説明図である。
乗務データベース51は、乗務員名あるいは乗務員名に対応する乗務員コードを格納した乗務員名テーブル51A、乗務スケジュールの基本パターンを格納した基本乗務スケジュールテーブル51B、乗務スケジュールの基本パターンをモディファイした乗務スケジュールを格納した乗務スケジュールテーブル51Cと、配車情報を含む車両の運行状況を随時格納する運行状況テーブル51Dと、を備えている。
【0024】
図5は、車両電費データベースのデータフォーマットの説明図である。
車両電費データベース52は、車種名あるいは車種に対応する車種コードを格納した車種名テーブル52Aと、単位バッテリ容量あたりの走行可能距離(電費)を道路の種類(一般道路あるいは高速道路)、道路の状態(平坦路、下り坂、上り坂、山間路など)、車両状態(エアコン使用の有無、ヘッドライト点灯の有無、ワイパー使用の有無、CDプレーヤなどの車載アクセサリ機器の使用の有無)、積載重量(乗員を含む)、時間帯(渋滞時間帯、バス優先レーン設定時間帯、特定道路の通行禁止時間帯など)、などの走行条件に対応づけて格納した車両電費テーブル52Bと、満充電時に走行可能な最大巡航距離を格納した最大巡航距離テーブル53と、を備えている。
【0025】
図6は、乗務員電費データベースのデータフォーマットの説明図である。
乗務員電費データベース53は、乗務員名あるいは乗務員名に対応する乗務員コードを格納した乗務員名テーブル53Aと、当該乗務員における単位バッテリ容量あたりの走行可能距離(電費)を道路の種類(一般道路あるいは高速道路)、道路の状態(平坦路、下り坂、上り坂、山間路など)、車両状態(エアコン使用の有無、ワイパー使用の有無、CDプレーヤなどの車載アクセサリ機器の使用の有無)などの走行条件に対応づけて格納した乗務員電費テーブル53Bと、を備えている。
【0026】
図7は、ルート情報データベースのデータフォーマットの説明図である。
ルート情報データベース54は、道路をノード及びリンクで表した場合に、ノードを特定するノード特定テーブル54Aと、道路の種類(一般道路あるいは高速道路)あるいは道路の状態(平坦路、下り坂、上り坂、山間路など)を格納するルート情報テーブル54Bと、を備えている。
この場合において、ルート情報テーブル54Bは、同一のリンク(道路あるいは経路)であっても、車両の進行方向により電費が異なるような条件下(例えば、同一の坂を登っている場合と、下っている場合等)においては、進行方向毎に道路の状態に対応するルート情報を格納している。すなわち、二つのノードNA、NB間を結ぶリンクに対して、車両がノードNAからノードNBに向かう場合と、車両がノードNBからノードNAに向かう場合とで、異なるルート情報を格納している。
【0027】
次に、充電スタンド管理システムについて説明する。
充電スタンド管理システム14−1は、図1に示すように、充電スタンド管理サーバ24−1と、充電スタンド管理サーバ24−1とインターネット12を介して接続され、充電スタンド管理サーバ24−1の管理下で実際の充電を行う充電スタンド15−1A〜15−1Cを備えている。
同様に、充電スタンド管理システム14−2は、充電スタンド管理サーバ24−2と、充電スタンド管理サーバ24−2とインターネット12を介して接続され、充電スタンド管理サーバ24−2の管理下で実際の充電を行う充電スタンド15−2A〜15−2Cを備えている。
【0028】
図8は、充電スタンドの概要構成ブロック図である。
ここで、充電スタンド15−1A〜15−1C、15−2A〜15−2Cは、同一構成であるので、充電スタンド15−1Aを例として説明する。
充電スタンド15−1Aは、充電時に電気車両(主として動力用バッテリ)に接続されて電力を供給する複数台の充電コネクタ(給電コネクタ)30を有するとともに、コントローラ31、操作パネル32およびディスプレイ33を内蔵した充電器34を一または複数(図8の例では3台)備えている。
ここで、充電コネクタ30としては、ロックアーム、ロックレバー、リリースレバーなどのロック機構付きの銃型コネクタや、家庭用コンセント用コネクタに近い形状を有するコネクタなどの複数種類が存在する。
【0029】
コントローラ31は、通信インタフェースを有するマイクロコンピュータとして構成されており、インターネット12を介した通信を行う通信機能と、充電開始タイミング、充電終了タイミング、充電電力量あるいは充電器の故障状態を検出する状態検出機能と、充電時のユーザ認証を行うユーザ認証機能と、を備え、状態検出機能により検出した状態およびユーザ認証機能により得られたユーザ認証情報を通信機能により充電スタンド管理サーバ24−1、24−2に通知することとなっている。
ここで、状態検出機能は、充電コネクタ30の接続状態、図示しない電力量計の計測状態あるいは充電器34の各部に設けられた図示しない各種センサ(電圧センサ、電流センサ、短絡センサなど)による検出状態に基づいて実現される。
また、ユーザ認証機能は、非接触型ICカードや携帯電話端末の通信機能などを用いて得られたユーザ認証情報(例えば、電話回線網から送られる電話番号情報、ユーザが入力したパスワード情報など)を用いて実現される。
【0030】
図9は、充電スタンド管理サーバの概要構成ブロック図である。
ここで、充電スタンド管理サーバ24−1、24−2は、同一構成であるので、充電スタンド管理サーバ24−1を例として説明する。
充電スタンド管理サーバ24−1は、図9に示すように、ユーザ情報を格納したユーザデータベース(DB)35、課金情報を格納した課金データベース(DB)36、充電スタンド15−1A〜15−1C、15−2A〜15−2Cの各ユーザの利用に関するデータを格納した利用データベース(DB)37、充電スタンド15−1A〜15−1C、15−2A〜15−2Cの管理を行う充電スタンド管理処理部38および充電スタンド情報表示処理を行う充電スタンド情報表示処理部39を備えており、各部はバスにより接続されている。
【0031】
図10は、ユーザデータベースのデータフォーマットの説明図である。
ユーザデータベース35は、充電スタンド15−1A〜15−1C、15−2A〜15−2Cを利用するユーザ(個人あるいは法人)に関する情報が格納されており、ユーザを特定するためのユーザIDデータが格納されたユーザIDテーブル35Aと、ユーザ認証を行うための認証情報データが格納された認証情報テーブル35Bと、ユーザの車種に基づいて充電対象のバッテリ、バッテリの充電方法(充電電圧、充電電流、充電方式など)を特定するための車種データが格納された車種テーブル35Cと、過去の充電履歴を表す充電履歴データが格納された充電履歴テーブル35Dと、を備えている。
【0032】
ここで、充電履歴テーブル35Dは、充電開始時のバッテリの残存容量を表す初期残存量データが格納された初期残容量テーブル、充電に要した時間を表す充電時間データが格納された充電時間テーブル、充電を行った日付を表す充電日データが格納された充電日データテーブル及び充電開始時刻を表す充電開始時刻データが格納された充電開始時刻テーブルを備えている。
この場合において、初期残存量データとしては、バッテリの初期電圧などが用いられる。また、充電時間データに代えて、充電完了時刻データを記憶することにより、充電開始時刻データおよび充電完了時刻データに基づいて充電時間をその都度算出するようにしても良い。
【0033】
図11は、課金データベースのデータフォーマットの説明図である。
本実施形態においては、充電料金の徴収を銀行口座からの引き落とし、クレジットカードによる決済、請求書の発行に伴う銀行振り込みなどにより課金を行っており、課金データを収集する必要があるので、充電スタンド管理サーバ24−1においては、課金データベース36を構築している。
課金データベース36は、ユーザを特定するためのユーザIDデータが格納されたユーザIDテーブル36A、充電スタンド15−1A〜15−1Cを利用した日時を表す利用日時データが格納された利用日時テーブル36B、利用した充電スタンド15−1A〜15−1Cを特定するための利用充電スタンドデータが格納された利用充電スタンドテーブル36C、課金データが格納された課金テーブル36Dと、を備えている。
【0034】
ここで、課金テーブル36Dには、充電に利用した電力量を表す利用電力量データが格納された利用電力量フィールド36D1と、利用時点における電力単価を表す電力単価データが格納された電力単価フィールド36D2と、利用電力量と電力単価との積の値となる利用料データが格納された利用料フィールド36D3と、当該ユーザの課金区分データが格納された課金区分フィールド36D4と、を備えている。
ここで、電力単価が時期により異なる場合には、利用電力量フィールド36D1に格納される利用電力量データおよび電力単価フィールド36D2に格納される電力単価データは、時期毎に区別して複数格納される。
なお、引き落とし口座などの実際の課金に必要な情報については、従前と同様の方法により、別途保持している。
したがって、利用料フィールド36D3に格納された利用量データに基づいて課金額を算出して引き落としなどを行うとともに、各ユーザに対し毎月利用報告書兼請求書を郵送し、あるいは図示しないインターネットのサイトにおいて各ユーザがアクセス可能な状態で公開するようになっている。
【0035】
図12は、利用データベースのデータフォーマットの説明図である。
利用データベース37は、複数のデータベースから構成されており、充電スタンドの所在地、充電器の設置台数、営業時間、営業日などのスタンド情報および充電スタンド毎(さらには、充電器毎)の充電配車スケジュールが格納されたスタンド情報データベース(DB)37Aと、車種毎の1回の充電に要した充電平均時間が、一日の時間帯毎、曜日毎、月毎、季節毎等に格納された車種充電情報データベース(DB)37Bと、各充電スタンドの時間帯毎の充電平均時間等の時間帯利用情報が格納された時間帯利用統計データベース(DB)37Cと、登録ユーザの利用状況の統計データを格納した利用統計データベース37Dと、を備えている。
【0036】
ここで、利用統計データベース37Dには、各登録ユーザについて、一日の時間帯毎、曜日毎、月毎、季節毎、充電スタンド毎等の充電平均時間のデータ(平均時間および標準偏差)が格納されており、予測充電時間が充電平均時間よりも大幅にずれる場合には、充電平均時間に近づくように補正を行い、更新するようにしている。
【0037】
図13は、車載機器の概要構成ブロック図である。
次に車載機器22の構成について説明する。
車載機器22は、GPS衛星からの測位用電波を受信して自車両位置を検出するGPSユニット22Aと、無線通信装置21との間で通信を行う無線通信ユニット22Bと、ドライバーである乗務員が各種操作を行うための操作部22Cと、音声による無線通信を行うためのハンディマイク22Dと、ナビゲーション画面、充電配車時刻や充電スタンド情報等の各種情報を表示するためのディスプレイ22Eと、車載バッテリBTの残容量を検出する容量検出部22Fを備え、車載装置全体を中枢的に制御するコントローラ22Gと、を備えている。
ここで、容量検出部22Fは、車載バッテリBTの電圧に基づいて、残容量を検出している。
【0038】
次に、充電配車管理サーバにおける充電配車管理処理について説明する。
図14は、充電配車管理処理のフローチャートである。
まず、充電配車管理処理の概要的な流れを説明する。
充電配車管理処理において、まず充電配車管理サーバ23は、運行管理端末13が運行管理を行っている全ての業務車両MVについての充電配車スケジュールを作成する(ステップS11)。
【0039】
次に運行管理端末13において、配車受付を行ったか否かを判別する(ステップS12)。
ステップS12の判別において、配車受付を行っていない場合には(ステップS12;No)、待機状態となる。
ステップS12の判別において、配車受付が行われた場合には(ステップS12;Yes)、配車に伴う業務車両MVの運行により予定していた充電配車の時間帯に充電を行えなくなるなどの状況が発生した場合など必要に応じて充電配車スケジュールを更新する(ステップS13)。
【0040】
続いて、充電配車管理サーバ23は、業務車両MVの実際の運行状況において、バッテリ残量の低下や、遠距離配車予定などが発生して、充電配車スケジュールの変更が必要となったか否かを判別する(ステップS14)。
ステップS14の判別において、充電配車スケジュールの変更が必要でない場合には(ステップS14;No)、再び処理をステップS12に移行して、以下同様の処理を行う。
一方、ステップS14の判別において、充電配車スケジュールの変更が必要となった場合には(ステップS14;Yes)、充電配車スケジュールを変更し(ステップS15)、変更後、再び処理をステップS12に移行して、以下同様の処理を行う。
これらの結果、本実施形態によれば、業務車両の運行をできる限り妨げることなく、充電を行うことができる。
【0041】
以下、充電配車管理処理の詳細について説明する。
図15は、充電配車スケジュール作成処理のフローチャートである。
充電配車管理処理のステップS11における充電配車スケジュール作成処理においては、充電配車管理サーバ23は、運行管理端末13から当日の乗務スケジュールを取得して乗務DB51に格納する(ステップS21)。
続いて、充電配車管理サーバ23は、取得した乗務スケジュールに基づいて、乗務員の勤務予定、車両状況(運行中、点検中等)に応じた、運行の空き時間や、乗務員の休憩時間を考慮して充電配車スケジュールを作成する(ステップS22)。
【0042】
具体的には、当日の乗務スケジュールを参照し、充電スタンド管理サーバ24−1、24−2に問い合わせを行い、可能な限り各業務車両MVの乗務員が休憩をとるであろうと予測される時間帯に充電が行えるように、充電スタンド管理サーバ24−1、24−2に対して充電予約を行って、充電配車スケジュールを作成することとなる。
【0043】
図16は、充電配車スケジュール設定処理のフローチャートである。
まず、充電配車管理サーバ23は、無線通信装置21を介して業務車両MVの車載機器22からバッテリ残容量及び位置情報を取得する(ステップS31)。
次に取得したバッテリ残容量に基づいて走行可能距離を算出する(ステップS32)。
【0044】
図17は、走行可能距離算出処理の処理フローチャートである。
まず、充電配車管理サーバ23は、車両電費データベース52を参照して、当該業務車両の単位バッテリ容量あたりの走行可能距離(電費)を道路の種類(一般道路あるいは高速道路)、道路の状態(平坦路、下り坂、上り坂、山間路など)、車両状態(エアコン使用の有無、ワイパー使用の有無、CDプレーヤなどの車載アクセサリ機器の使用の有無)などの走行条件に対応づけて格納した車両電費テーブル52Bを読み出す(ステップS41)。
【0045】
続いて充電配車管理サーバ23は、乗務員電費データベース53を参照して、当該乗務員における単位バッテリ容量あたりの走行可能距離(電費)を道路の種類(一般道路あるいは高速道路)、道路の状態(平坦路、下り坂、上り坂、山間路など)、車両状態(エアコン使用の有無、ワイパー使用の有無、CDプレーヤなどの車載アクセサリ機器の使用の有無)などの走行条件に対応づけて格納した乗務員電費テーブル53Bを読み出す(ステップS42)。
続いて充電配車管理サーバ23は、ルート情報DB54を参照して通常業務における平均的な道路条件を含む平均走行ルートを適宜設定し、車両電費テーブル52Bのデータおよび乗務員電費テーブル53Bのデータを参酌して当該ルートの電費を算出する(ステップS43)。すなわち、業務車両MVに当該乗務員が搭乗した場合の平均電費を算出することとなる。
【0046】
これにより、現在の電池残量から、平均走行ルートを走行した場合の走行可能距離を算出し(ステップS44)、処理をステップS33(図16参照)に移行する。
続いて充電配車管理サーバ23は、乗務員であるドライバーの勤務時間を取得する(ステップS33)。
次に充電配車管理サーバ23は、全車両MVについて走行可能距離の算出および乗務員勤務時間の取得処理が完了したか否かを判別する(ステップS33)。
ステップS33の判別において、いまだ全車両MVについて走行可能距離の算出および乗務員勤務時間の取得処理が完了していない場合には(ステップS33;No)、再び処理をステップS31に移行し、以下同様の処理を全車両MVについて走行可能距離の算出および乗務員勤務時間の取得処理が完了するまで繰り返す。
【0047】
一方、ステップS33の判別において、全業務車両MVについて走行可能距離の算出および乗務員勤務時間の取得処理が完了した場合には(ステップS33;Yes)、全業務車両について、いずれの業務車両が優先して充電を行わなければならないかを表す充電優先順位を算出する(ステップS35)。
この充電優先順位は、よりバッテリ残容量が少ない業務車両MV、より長距離走行の必要がある業務車両MVが優先され、同一のバッテリ残容量あるいは走行予定距離の業務車両である場合には、積載人員あるいは積載貨物量がより多いと想定される業務車両MVが優先され、エアコンやワイパーの利用が想定される地域に向かうと想定される業務車両MVが優先されて、これらの業務車両MVの充電優先順位が高く設定されることとなる。
そして、充電配車管理サーバは、充電優先順位の高い業務車両を優先して、充電スタンドの予約を行うこととなる(ステップS36)。
【0048】
ここで、充電スタンドの予約処理について説明する。
図18は、充電予約のシーケンスフローチャートである。
図18においては、充電配車管理サーバ23が、充電スタンド管理サーバ24−1に対して充電予約を行う場合を例として説明する。
まず、充電配車管理サーバ23は、インターネット12を介して充電スタンド管埋サーバ24−1にログイン要求を行う(ステップS51)。
【0049】
この場合において、ログイン要求は、予め発行されたユーザIDを用いる。ここで、充電スタンド管埋サーバ24−1側では、ユーザIDの他、充電配車管理サーバ23の電子署名などを用いてユーザ認証のための情報としている。
ログインが完了すると、充電スタンド管埋サーバ24−1は、ログイン完了応答を行い(ステップS52)。
これにより、充電配車管理サーバ23は、予約設定処理を行う(ステップS53)。
具体的には、充電配車管理サーバ23は、各業務車両MVのバッテリ残容量が必要以上に低下する前に充電が行えるように、ステップS35において算出した充電優先順位が高い順に早い時間に充電予約ができるように予約設定処理を行う。
【0050】
すなわち、予約設定処理においては、予約を希望する充電スタンド(あるいは充電スタンド群)、予約希望日時(時間帯)、予約対象の車両を特定する情報、充電時間、業務車両数などが設定される。この場合において、充電スタンドの指定は、第1希望充電スタンド、第2希望充電スタンドのように複数の希望を複数の地域にわたるものとしたりすることも可能である。
【0051】
図19は、充電スタンドの指定の説明図である。
充電配車管理サーバ23が配置されている営業所60において業務車両MVを運行させる業務エリアをARとし、充電スタンド管理サーバ24−1の管理下にある充電スタンド15−1A〜15−1C及び充電スタンド管理サーバ24−2の管理下にある充電スタンド15−2A〜15−2Cのうち、充電スタンド15−2A、15−2Bが業務エリアAR内に位置したとする場合には、充電配車管理サーバ23は、充電対象の業務車両MVが営業所60に位置している場合には、営業所60から充電スタンド15−1Aまでの道程R1、充電スタンド15−1Bまでの道程R2、充電スタンド15−2Aまでの道程R3、充電スタンド15−2Bまでの道程R4を比較し、例えば、
R1<R3<R4<R2
である場合には、第1希望充電スタンドを充電スタンド15−1Aとし、第2希望充電スタンドを充電スタンド15−2Aとする。
【0052】
この場合に原則的には、充電配車管理サーバ23は、業務エリアをAR内で充電可能な充電スタンドを探すこととなるが、業務エリアをAR内で電可能な充電スタンドが充電時間帯などの観点から見つからない場合には、できる限り現在の業務車両MVの位置に近い充電スタンドを既望充電スタンドに設定することとなる。
また、予約対象の車両を特定する情報については、全ての業務車両MVで共通とすることも可能である。これにより、充電予約後に実際に予約した充電スタンドへ向かう業務車両MVを充電配車管理サーバ23側で容易に変更することが可能となる。
【0053】
そして、この予約設定処理により、予約要求内容が確定し、受付要求が充電スタンド管埋サーバ24−1側に送信されることとなる(ステップS54)。
これにより、充電スタンド管理サーバ24は、予約処理に処理を移行する(ステップS55)。
【0054】
図20は、充電スタンド管理サーバの予約処理の処理フローチャートである。
予約要求を受信した充電スタンド管理サーバ24−1は、当該予約要求に対応する予約対象の充電スタンド14−1A〜14−1C(あるいは、当該充電スタンド14−1A〜14−1Cの充電器34毎)の充電スタンドスケジュールを対応するスタンド情報データベースから取得する(ステップS61)。
続いて充電スタンド管理サーバ24−1は、取得した予約対象の充電スタンド14−1A〜14−1Cの充電スタンドスケジュールに基づいて、予約希望日時以前に予約があるか否かを判別する(ステップS62)。
【0055】
ステップS62の判別において、予約がある場合には(ステップS62;Yes)、当該予約要求に対応する予約について充電配車管理サーバ23が充電時間を指定しているか否かを判別する(ステップS63)。
ステップS33の判別において、充電配車管理サーバ23が充電時間を指定している場合には(ステップS63;Yes)、処理をステップS65に移行する。
ステップS63の判別において、充電配車管理サーバ23が充電時間を指定していない場合には(ステップS63;No)、予測充電時間を算出する予測充電時間算出処理を行う(ステップS64)。
【0056】
ここで、予測充電時間算出処理について説明する。
図21は、予測充電時間算出処理の処理フローチャートである。
まず、充電スタンド管理サーバ24−1は、ユーザ登録がある充電配車管理サーバ23の予約であるか否かを判別する(ステップS75)。
ステップS75の判別において、当該充電配車管理サーバ23のユーザ登録がなされている場合には(ステップS75;Yes)、予約対象の車両を特定する情報に基づく車種による充電時間算出を行う(ステップS76)。
具体的には、充電スタンド管理サーバ24−1は、予め記憶していたユーザデータベースを参照して、充電配車管理サーバ23が予約して充電しようとしている車両に搭載されている車載バッテリの容量、種別、個数などを把握する。
これらの情報は、通常、車種(グレード、仕様)が定まれば、搭載しているバッテリの容量、種別、個数は定まるため、車種により判断することとなる。
【0057】
ところで、車載バッテリの充電に要する時間は、バッテリの充電状態、劣化度合いによって大きく異なることが知られている。例えば、経年劣化によれば、10年で容量が70%程度となってしまうため、充電に要する時間が大きく変動することとなる。また、バッテリの実容量(残容量)が大きければ、充電時間が比較的短くなり、バッテリの実容量(残容量)が小さければ、充電時間が比較的長くなる。
そこで、本実施形態においては、当該登録ユーザにおける充電対象の車両の過去の充電スタンド利用時の充電状況を統計的に処理して得られる利用統計データを格納した利用データベースを参照して車種による判断を補正することとしている。例えば、上述した経年劣化を考慮する場合には、バッテリ容量の移動平均値を用いて充電に要する時間を補正することとなる。
【0058】
また、充電対象の車両すなわち、ユーザによっては、バッテリ充電を行う状況(バッテリの充電状態、曜日、時間帯、季節、天気)などにある程度傾向がみられ、その時々の実際の充電時間と、予測充電時間との差である予測誤差の傾向が見いだされるので、利用統計データを利用して予測充電時間をより正確に算出することが可能となる。
具体的には、当該登録ユーザの当該時期(時間帯、曜日、季節、天気)における予測バッテリ残量を求め、当該登録ユーザの車種により指定される充電方法(充電電流、充電電圧などの設定に基づく充電パターン〉で充電した場合の充電予測時間を算出する。
【0059】
まず、時間帯について説明すると、通常利用する時間帯に要する充電時問と、通常利用しない時間帯に要する充電時間とは、異なる傾向がある。
これは、通常利用する時間帯は、余裕を持って充電を行っていると考えることができ、その電池残量もほぼ同様の傾向を示すと考えられるからである。
【0060】
同様に曜日についても、ある程度傾向が見られるので、例えば、土日などの渋滞が発生する可能性が高い曜日においては、消費電力量が増加し、予測充電時間が長くなるとして、例えば、5%増しとする。
また、時間帯については、夜間になればヘッドライトを含むライトを点灯させ、あるいは、渋滞時間帯などでは、消費電力量が増加し、予測充電時間が長くなるとして、例えば、5%増しとする。
また、季節については、電気車両の場合、エアコン(クーラー、ヒーター)等を利用する季節においては、通常よりも電力の消費が大きくなるため、充電頻度は高くなっているにも関わらず、充電時の電池残量もエアコンなどを利用しない場合と比較して電池残量が少なくなっている等の傾向を示す可能性が高く、これらの傾向を反映して充電時間を予測する必要があるからである。より詳細には、冬期はヒーターを使用しているので電池残量が少なくなり、予測充電時間が長くなるとして、例えば、20%増しとし、夏季はクーラーを使用しているので池残量が少なくなり、予測充電時間が長くなるとして、例えば、10%増しとする。
【0061】
また、天気については、雨などの場合にはワイパーを駆動する必要があるので、予測充電時間が長くなるとして、例えば、5%増しとする。
したがって、時間帯、曜日、季節等に基づいて利用統計データを取得しておくことで、より正確な充電時間を予測することが可能となるのである。
【0062】
一方、ステップS75の判別において、ユーザ登録がなされていない場合、例えば、新規のユーザには(ステップS75:No)、車種充電情報データベース37Bを参照して車種・仕様、充電スタンドの所在地、設置されている充電器の種類などに基づく充電時間算出(充電時間推定)を行う(ステップS77)。
具体的には、車種・仕様に基づいて対象となる車両に搭載されているバッテリの個数、容量、種類が定まるとともに、使用年数等の推定が可能であるので、当該バッテリの標準的な充電時間を算出する。そして、充電スタンドの所在地および設置されている充電器の種類に基づいて算出した充電時間を補正する。
【0063】
すなわち、バッテリの個数、容量、種類に基づいて、標準充電時間を車種充電情報データベース37Bを参照して求め、推定した使用年数に基づいた劣化を考慮し、さらに充電スタンドの所在地および設置されている充電器の種類に基づいて予測される充電時間を算出することとなる。
この場合において、車種・仕様のみしか分からない場合等には、予め記憶していた車種から定まる標準充電時間を用いて、充電時間の算出に代える。
続いて充電スタンド管理サーバ24−1は、ステップS77において算出した充電時間を時間帯別の平均充電時間を考慮して補正して、より正確な充電予測時間を算出し(ステップS78)、処理をステップS65に移行する。
【0064】
充電スタンド管理サーバ24−1は、全予約について処埋が終了したか否かを判別する(ステップS65)。
ステップS65の判別において、全予約について処理が終了していない場合には(ステップS65;No)、充電スタンド管理サーバ24−1は、処理を再びステップS63に移行して以下同様の処理を行い、充電時間が指定されていない全ての予約について予測充電時間の算出処理(ステップS64)を行うこととなる。
【0065】
ステップS62の判別において予約がない場合(ステップS62;No)、あるいはステップS65の判別において全予約について予測充電時間算出処理が終了した場合には(ステップS65;Yes)、充電スタンド管理サーバ24−1は、取得した予約対象の充電スタンド14−1A〜14−1Cの充電スタンドスケジュールに基づいて、予約希望日時として指定された予約希望日に、充電順番待ちを行っている待ちユーザがいるか否かを判別する(ステップS66)。なお、実際には、予約希望日が当日である場合にだけ、充電順番待ちを行っているユーザが存在するはずであるので、予約希望日が当日以外の場合には、充電順番待ちを行っているユーザは存在せず、常にステップS66の判別は、「No」となる。
【0066】
ステップS65の判別において、充電順番待ちユーザがいる場合には(ステップS66;Yes)、当該充電順番待ちユーザが所望の充電時間を指定しているか否かを判別する(ステップS67)。
ステップS67の判別において、充電順番待ちユーザが所望の充電時間を指定している場合には(ステップS67;Yes)、処理をステップS69に移行する。
ステップS67の判別において、充電順番待ちユーザが所望の充電時間を指定していない場合には(ステップS67;No)、当該充電順番待ちユーザについて予測充電時間を算出する予測充電時間算出処理を行う(ステップS68)。
【0067】
続いて充電スタンド管理サーバ24−1は、全ての充電順番待ちユーザについて処理が終了したか否かを判別する(ステップS69)。
ステップS69の判別において、全ての充電順番待ちユーザについて処理が終了していない場合には(ステップS69;No)、充電スタンド管理サーバ24−1は、処埋を再びステップS67に移行して以下同様の処理を行い、充電順番待ちユーザにより所望の充電時間が指定されていない全ての充電順番待ちユーザについて予測充電時間の算出処理(ステップS68)を行うこととなる。
ステップS66の判別において充電順番待ちユーザがいない場合(ステップS66;No)、あるいはステップS69の判別において全充電順番待ちユーザについて予測充電時間算出処理が終了した場合には(ステップS69;Yes),充電スタンド管埋サーバ24−1は、後述する受付結果を通知するための予約受付処理を行う(ステップS70)。
【0068】
これにより予約申込内容が確定し、充電スタンド管理サーバ24−1は、予約スケジュールを記憶しておくスタンド情報データベースにおける予約対象の充電スタンド14−1A〜14−1Cの充電スタンドスケジュールを更新して(ステップS71)、予約処理(ステップS55)を終了する。
【0069】
続いて、充電スタンド管理サーバ24−1は、充電配車管理サーバ23に対して予約を受け付けた旨及び充電スタンド予約情報を通知する受付結果通知処理を行う(ステップS56)。
これにより充電配車管理サーバ23は、受付結果通知に基づいて、受付結果画面表示を行い(ステップS57)、取得した充電スタンド予約情報を充電配車スケジュールとして組み込むこととなる(ステップS58)。
【0070】
図22は、充電配車スケジュールの作成例の説明図である。
図22においては、第1の乗務員DR1および第2の乗務員DR2の運行スケジュール(乗務配車スケジュール)を示している。
乗務員DR1の運行スケジュールにおいては、第1の乗務時間帯W11の後に、休憩時間帯R11を挟んで第2の乗務時間帯W12が配されている。さらに第2の乗務時間帯W12の後に、休憩時間帯R12を挟んで第3の乗務時間帯W13が配されている。
そして、現時点では、第1の乗務時間帯W11中に乗務配車予定D11、D12、…が組み込まれている。ここで、乗務配車予定とは、顧客からの配車依頼の電話による配車の予定等の突発的な配車予定や、介護施設への送り迎えなどの定期的に組み込まれた配車予定などが含まれる。
さらに休憩時間帯R11には、第1の充電配車スケジュールC11が組み込まれ、休憩時間帯R12には、第2の充電配車スケジュールC12が組み込まれている。
【0071】
乗務員DR1の運行スケジュールにおいては、第1の乗務時間帯W11の後に、休憩R11を挟んで第2の乗務時間帯W12が配されている。さらに第2の乗務時間帯W12の後に、休憩R12を挟んで第3の乗務時間帯W13が配されている。
そして、現時点では、第1の乗務時間帯W11中に配車予定D11、D12、…が組み込まれている。
さらに休憩時間帯R11には、第1の充電配車スケジュールC11が組み込まれ、休憩時間帯R12には、第2の充電配車スケジュールC12が組み込まれている。
【0072】
同様に、乗務員DR2の運行スケジュールにおいては、第1の乗務時間帯W21の後に、休憩R21を挟んで第2の乗務時間帯W22が配されている。さらに第2の乗務時間帯W22の後に、休憩R22を挟んで第3の乗務時間帯W23が配されている。
そして、現時点では、第1の乗務時間帯W21中に乗務配車予定D21、D22、…が組み込まれ、休憩時間帯R21には、第1の充電配車スケジュールC21が組み込まれ、休憩時間帯R22には、第2の充電配車スケジュールC22が組み込まれている。
これらの場合において、充電配車スケジュールC11、C12を乗務員DR1の休憩R11、R12に相当する時間帯に組み込むようにし、充電配車スケジュールC21、C22を乗務員DR2の休憩R21、R22に相当する時間帯に組み込むようにしているのは、車両の運用(運行)効率を向上させるためである。
【0073】
続いて、再び図14の処理に移行し、インターネット12を介した配車依頼あるいは電話を受けたオペレータの手入力による配車受付がなされたか否かを判別する(ステップS12)。
ステップS12の判別において、配車受付がなされていない場合には(ステップS12;No)、待機状態となる。
ステップS12の判別において、配車受付がなされた場合には(ステップS12;Yes)、現時点における乗務予定及び充電予定に基づいて必要に応じて充電配車スケジュールを更新し、充電配車スケジュールを当該配車受付に対応する配車予定に影響のない時間帯に変更する(ステップS13)。
【0074】
図23は、充電配車スケジュール更新処理の処理フローチャートである。
ここで、充電配車スケジュールの変更処理をより具体的に説明する。
まず、充電配車管理サーバ23は、既に充電スタンド管理サーバ24−1、24−2に対して予約を入れてある充電予約のうち、当該業務車両以外の他の業務車両に対応する充電予約であって、当該車両に対する充電予約に対応車両を変更可能な他の充電予約があるか否かを判別する(ステップS81)。
ステップS81の判別において、変更可能な他の充電予約がない場合には(ステップS81;No)、充電スタンド管理サーバ24−1、24−2に対して新規に充電予約処理を行う(ステップS82)。
【0075】
ステップS81の判別において、既に充電スタンド管理サーバに対して予約を入れてある充電予約のうち、当該車両以外の他の車両に対応する充電予約であって、当該車両に対する充電予約に対応車両を変更可能な他の充電予約がある場合には、充電予約の変更処理(対応車両の変更、あるいは対応乗務員の認証手続きの変更など)を行うとともに、自己で管理している乗務スケジュール及び充電配車スケジュールの変更処理を行う(ステップS83)。
続いて、充電配車管理サーバ23は、バッテリ残量低下や遠距離の乗務配車予定などにより充電配車スケジュールの変更が必要か否かを判別する(ステップS14)。
ステップS14の判別により充電配車スケジュールの変更が必要ない場合には(ステップS14;No)、処理を再びステップS12に移行し、以下、同様の処理を行う。
【0076】
図24は、充電配車スケジュールの変更処理の説明図である。
ここで、充電配車スケジュールの変更処理についてより具体的に説明する。
この場合において、初期状態においては、図23の上段に示すように、休憩時間帯R11には、第1の充電配車スケジュールC11が組み込まれ、休憩時間帯R12には、第2の充電配車スケジュールC12が組み込まれているものとする。
ここで、第2の乗務員DR2の運行スケジュールの第1の乗務時間帯W21の時刻t1において、充電が必要と判断される状況となった場合には、充電配車管理サーバ23は、既に充電スタンド管理サーバ24−1に対して予約を入れてある充電予約のうち、当該車両(一の車両)以外の他の車両に対応する充電予約であって、当該車両に対する充電予約に対応車両を変更可能な他の充電予約があるか否かを判別する(ステップS81)こととなる。
【0077】
この場合には、当該車両以外の他の車両に対応する充電予約であって、当該車両に対する充電予約に対応車両を変更可能な他の充電予約として乗務員DR1の乗務する車両の充電配車スケジュールC11(時刻t2)が存在している。そして、乗務員DR1の乗務する車両のバッテリの残容量は、多少充電配車スケジュールを変更しても問題がない容量となっているものとする。
したがって、充電配車管理サーバ23は、充電配車スケジュールC11を第2の乗務員DR2の運行スケジュールのうち休憩時間帯R21に変更する。
【0078】
これにより、第1の乗務員DR1の休憩時間帯R11を第2の乗務員DR2の運行スケジュールにおける充電配車スケジュールC21に対応する時間帯に変更し、時刻t3における充電配車スケジュールC21を第1の乗務員DR1の運行スケジュールのうち休憩時間帯R11を休憩時間帯R11’に変更する。
この結果、時刻t4における元の充電配車スケジュールC12についても、充電の必要がなくなった場合には、当該充電配車スケジュールC12をキャンセルし、その旨を充電スタンド管理サーバ24−1に通知することとなる。
【0079】
以上の説明のように、既に充電スタンド管理サーバ24−1に対して予約を入れてある充電予約のうち、当該車両以外の他の車両に対応する充電予約であって、当該車両に対する充電予約に対応車両を変更可能な他の充電予約がある場合には、それらを相互に変更することにより、新たに充電予約を行うことなく、充電配車スケジュールを融通し合って、効率的な充電が行えることとなる。
この場合においては、充電予約を行った車両と実際に充電を行う車両とは異なることとなるため、充電スタンド14−1A〜14−Cにおいて、実際に充電を行う場合の認証が問題なく行えるように、各業務車両MVを特定する情報を統一しておく必要がある。
【0080】
図25は、充電配車スケジュールの変更処理[新規予約]の説明図である。
この場合において、初期状態においては、図23の上段に示すように、乗務員DR1の休憩時間帯R12には、充電配車スケジュールC11が組み込まれているものとする。
ここで、乗務員DR1の運行スケジュールにおいて、第1の乗務時間帯W11において、充電が必要と判断される状況となった場合には、充電配車管理サーバ23は、既に充電スタンド管理サーバ24−1に対して予約を入れてある充電予約のうち、当該車両以外の他の車両に対応する充電予約であって、当該車両に対する充電予約に対応車両を変更可能な他の充電予約があるか否かを判別する(ステップS81)こととなるが、この場合には、当該車両以外の他の車両に対応する充電予約が存在しないので、充電配車管理サーバ23は、新たに時刻t12に充電予約を行うとともに、当該時刻t12に設定されていた休憩時間帯R11を休憩時間帯R13に変更し、当該休憩時間帯R13新たな充電配車スケジュールC13が含まれるようにする。
【0081】
この結果、時刻t13に設定されていた元の充電配車スケジュールC11についてはキャンセルし、その旨を充電スタンド管理サーバ24−1に通知することとなる。
以上の説明のように、既に充電スタンド管理サーバ24−1に対して予約を入れてある充電予約のうち、当該車両以外の他の車両に対応する充電予約であって、当該車両に対する充電予約に対応車両を変更可能な他の充電予約がない場合には、新規に充電予約を行い、既に存在する充電予約については、キャンセルすることにより、車両の運行に影響を与えることなく充電が行えることとなる。
【0082】
以上の説明のように、本実施形態によれば、複数の車両の運行管理を行う場合であっても、運行管理への影響を低減して、充電配車スケジュールを管理することができる。
したがって、待ち時間の少ない充電を行うことができるとともに、充電期間中あるいは充電切れによる営業機会損失を低減することができる。
また、電気車両(電気自動車)ではなく、プラグインハイブリッド車両に適用する場合には、ガソリンよりも安価な電力で走行できる機会を増加させることが可能となり、運行コストを低減することが可能となる。
以上の説明においては、充電配車管理サーバ23と、運行管理端末13とは、別体に設けていたが、充電配車管理サーバ23に運行管理機能を搭載するように構成することも可能である。
以上の説明においては、運行管理端末13は、直接インターネット12に接続されていなかったが、タクシーの配車申込をインターネット12を介してユーザが直接行えるように構成することも可能である。
以上の説明においては、タクシー業者において、運行管理下にある業務用車両の充電配車スケジュールの管理について説明したが、同様にレンタカー業者、カーシェアリング業者、バス業者、トラックなどの車両を用いた運送業者についても、運行管理下にある業務用車両の充電配車スケジュールの管理を行うように構成することも可能である。
また、タクシー業者、レンタカー業者に適用する場合においては、予め観光モデルコースを提供することにより、タクシーを利用しているユーザあるいは車両をレンタルしたユーザが車両を降りて観光している時間帯に充電配車スケジュールを設定することにより、これらのユーザに充電に要する時間をあまり意識させないように構成することも可能である。
【符号の説明】
【0083】
10 充電配車スケジュール管理システム
11 充電配車管理システム
12 インターネット(通信ネットワーク)
13 運行管理端末
14−1、14−2 充電スタンド管理システム
15−1A〜15−1C 充電スタンド
15−2A〜15−2C 充電スタンド
21 無線通信装置
22 車載機器
23 充電配車管理サーバ
24−1、24−2 充電スタンド管理サーバ
41 MPU(制御装置)
AR 業務エリア
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両駆動用のバッテリをそれぞれ搭載した複数の車両について、前記車両毎の前記バッテリの残容量及び当該バッテリの容量の消費予定に基づいて、充電を行うべき充電スタンド及び時間帯を指定して充電のための配車を指示する充電配車スケジュールを設定する制御装置を備えたことを特徴とする充電配車管理サーバ。
【請求項2】
請求項1記載の充電配車管理サーバにおいて、
前記制御装置は、各前記車両について予め定められた走行スケジュールに基づいて当該車両における前記バッテリの容量の消費予定を算出することを特徴とする充電配車管理サーバ。
【請求項3】
請求項2記載の充電配車管理サーバにおいて、
前記複数の車両のそれぞれは、前記走行スケジュールおよび休憩を含む運行スケジュールの管理がなされている業務用車両であり、
前記制御装置は、前記運行スケジュールを取得し、取得した前記運行スケジュールに基づいて、前記バッテリの容量の消費予定を算出することを特徴とする充電配車管理サーバ。
【請求項4】
請求項3記載の充電配車管理サーバにおいて、
前記制御装置は、いずれか一の車両の前記運行スケジュールが変更され、当該一の車両の充電配車スケジュールの変更が必要となった場合に、当該一の車両及び他の車両に対応する充電配車スケジュールを調整し、変更する、
ことを特徴とする充電配車管理サーバ。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の充電配車管理サーバにおいて、
前記充電スタンドは、充電スタンド管理サーバにより管理されており、
前記制御装置は、前記充電スタンド管理サーバに対応する充電スタンドの利用状況を当該前記充電管理サーバに通信ネットワークを介して問い合わせ、充電を行うべき充電スタンド及び時間帯を指定する、
ことを特徴とする充電配車管理サーバ。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の充電配車管理サーバにおいて、
前記制御装置は、前記バッテリの容量の消費予定を、季節、天気あるいは時間帯等の走行条件、前記車両の装置構成、当該車両の乗務員あるいは走行ルートに基づいて算出する、
ことを特徴とする充電配車管理サーバ。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の充電配車管理サーバにおいて、
前記制御装置は、前記車両が搭載している車載装置に対し、生成した無線通信ネットワークを介して、充電配車スケジュールを通知することを特徴とする充電配車管理サーバ。
【請求項8】
電気車両の車両駆動用のバッテリを充電するバッテリ充電器を有した複数の充電スタンドと、
前記充電スタンドを管理する充電スタンド管理サーバと、
前記充電スタンド管理サーバと通信ネットワークを介して接続され、前記電気車両を前記充電スタンドへ充電のために配車する配車指示を行う充電配車管理サーバと、を備え、
前記充電配車管理サーバは、車両駆動用のバッテリをそれぞれ搭載した複数の電気車両について、前記電気車両毎の前記バッテリの残容量及び当該バッテリの容量の消費予定に基づいて、充電を行うべき充電スタンド及び時間帯を指定して充電のための配車を指示する充電配車スケジュールを設定する制御装置を備えた、
ことを特徴とする充電配車管理システム。
【請求項1】
車両駆動用のバッテリをそれぞれ搭載した複数の車両について、前記車両毎の前記バッテリの残容量及び当該バッテリの容量の消費予定に基づいて、充電を行うべき充電スタンド及び時間帯を指定して充電のための配車を指示する充電配車スケジュールを設定する制御装置を備えたことを特徴とする充電配車管理サーバ。
【請求項2】
請求項1記載の充電配車管理サーバにおいて、
前記制御装置は、各前記車両について予め定められた走行スケジュールに基づいて当該車両における前記バッテリの容量の消費予定を算出することを特徴とする充電配車管理サーバ。
【請求項3】
請求項2記載の充電配車管理サーバにおいて、
前記複数の車両のそれぞれは、前記走行スケジュールおよび休憩を含む運行スケジュールの管理がなされている業務用車両であり、
前記制御装置は、前記運行スケジュールを取得し、取得した前記運行スケジュールに基づいて、前記バッテリの容量の消費予定を算出することを特徴とする充電配車管理サーバ。
【請求項4】
請求項3記載の充電配車管理サーバにおいて、
前記制御装置は、いずれか一の車両の前記運行スケジュールが変更され、当該一の車両の充電配車スケジュールの変更が必要となった場合に、当該一の車両及び他の車両に対応する充電配車スケジュールを調整し、変更する、
ことを特徴とする充電配車管理サーバ。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の充電配車管理サーバにおいて、
前記充電スタンドは、充電スタンド管理サーバにより管理されており、
前記制御装置は、前記充電スタンド管理サーバに対応する充電スタンドの利用状況を当該前記充電管理サーバに通信ネットワークを介して問い合わせ、充電を行うべき充電スタンド及び時間帯を指定する、
ことを特徴とする充電配車管理サーバ。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の充電配車管理サーバにおいて、
前記制御装置は、前記バッテリの容量の消費予定を、季節、天気あるいは時間帯等の走行条件、前記車両の装置構成、当該車両の乗務員あるいは走行ルートに基づいて算出する、
ことを特徴とする充電配車管理サーバ。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の充電配車管理サーバにおいて、
前記制御装置は、前記車両が搭載している車載装置に対し、生成した無線通信ネットワークを介して、充電配車スケジュールを通知することを特徴とする充電配車管理サーバ。
【請求項8】
電気車両の車両駆動用のバッテリを充電するバッテリ充電器を有した複数の充電スタンドと、
前記充電スタンドを管理する充電スタンド管理サーバと、
前記充電スタンド管理サーバと通信ネットワークを介して接続され、前記電気車両を前記充電スタンドへ充電のために配車する配車指示を行う充電配車管理サーバと、を備え、
前記充電配車管理サーバは、車両駆動用のバッテリをそれぞれ搭載した複数の電気車両について、前記電気車両毎の前記バッテリの残容量及び当該バッテリの容量の消費予定に基づいて、充電を行うべき充電スタンド及び時間帯を指定して充電のための配車を指示する充電配車スケジュールを設定する制御装置を備えた、
ことを特徴とする充電配車管理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2011−253257(P2011−253257A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−125281(P2010−125281)
【出願日】平成22年5月31日(2010.5.31)
【出願人】(399126673)株式会社モーション (5)
【出願人】(500428069)兼松コミュニケーションズ株式会社 (4)
【出願人】(000165376)兼松株式会社 (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月31日(2010.5.31)
【出願人】(399126673)株式会社モーション (5)
【出願人】(500428069)兼松コミュニケーションズ株式会社 (4)
【出願人】(000165376)兼松株式会社 (5)
【Fターム(参考)】
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