説明

光ケーブル接続用クロージャ

【課題】分配する光ファイバ心線と分配しない光ファイバ心線の配線形態が整理し易く、施工及び保守点検作業が容易となる光ケーブル接続用クロージャを提供する。
【解決手段】
ケーブル接続用クロージャ10は、クロージャ本体20内に、スプリッタモジュール30が回動自在に枢着されて積層されている。また、同様に通過保留トレイ60と、保守用トレイ70が積層されている。スプリッタモジュール30は、1枚のドロップトレイ40と4枚の分岐ケーブル用トレイ50から構成されている。ドロップトレイ40にはドロップケーブル把持部材46が設けられており、ドロップトレイ40に直接ドロップケーブルHを把持させ、ケーブル内部のドロップ用心線Cを引き出して、主光ケーブルからの分岐するための心線と接続することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビル等の建物内特に地下部分に複数の光ケーブル心線を内包した光通信ケーブルを敷設して分配する際に用いられる光ケーブル接続用クロージャに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、光ケーブル等のケーブルの接続に際しては、コネクタ等を用いてケーブル心線の接続を行いコネクタ等をクロージャで保護する。このようなクロージャは心線接続部に容易にアクセスでき、作業性が良いことが望まれる。
【0003】
例えば、特許文献1の光ケーブル接続用クロージャのように、クロージャ内に複数のスプリッタトレイが積層されていて、個々のスプリッタトレイが作業面側へスライドすることによって光ケーブル心線の接続作業を行う構造となっている。また、それぞれのスプリッタトレイ内に接続部が内装されていて、トレイごとに接続作業と心線余長の収納が可能となっているので識別性が良く容易に心線の振り分けを行える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−147876号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の発明では、スプリッタトレイを引き出さなくては作業ができないため、トレイを引き出すための光ケーブル心線余長部分を長くする必要があり、当然のことながらトレイ引き出しの際には光ケーブル心線の断線に細心の注意が必要であり、作業の煩雑さを助長してしまう可能性があった。また、トレイを引き出して作業するためのスペースの確保も必要である。
【0006】
さらに、接続部がスプリッタトレイ内部に収納されているため、接続状態の確認作業ではいちいちトレイを引き出さなくてはならず、非常に不便で作業工数もかかってしまうことがあった。
【0007】
本発明は上述のような課題に鑑みなされたものであり、光ケーブル心線の配線形態が整理し易く、ドロップ心線との接続部と心線余長を効率的に収納し、施工及び保守点検作業が容易となり、追加の分配作業でも非常に簡便に作業を執り行える光ケーブル接続用クロージャを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決したものであって、請求項1の発明は、上流側の光ケーブル心線と下流側の光ケーブル心線とを接続するための光ケーブル接続用クロージャであって、前記クロージャ本体内には、前記上流側光ケーブル心線とドロップケーブルから引き出された下流側のドロップ用心線とを接続するためのドロップトレイと、前記上流側光ケーブル心線と分岐ケーブルから引き出された下流側の分岐ケーブル用心線とを接続するための分岐ケーブル用トレイと、を備えたスプリッタモジュールが設けられ、前記スプリッタモジュールが前記クロージャ本体に設けられた係止部に回動自在に枢着されて複数積層されていることを特徴とする光ケーブル接続用クロージャである。
【0009】
また、請求項2の発明は、前記ドロップトレイには、ドロップケーブルを把持するドロップケーブル把持部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の光ケーブル接続用クロージャである。
【0010】
また、請求項3の発明は、前記ドロップケーブル把持部材は、一方の面にドロップケーブルを把持する溝が形成された把持部と、該把持部を開閉自在に覆う蓋部とからなり、前記蓋部は、前記把持部に対向する面にリブが形成されており、前記ドロップケーブルを前記把持部の溝に嵌合させた状態で前記蓋部により前記把持部を覆うことで、前記リブが前記ドロップケーブルを押圧し、該ドロップケーブルを前記把持部に固定させる構成となっていることを特徴とする請求項2に記載の光ケーブル接続用クロージャである。
【0011】
また、請求項4の発明は、前記クロージャ本体内には、該クロージャ内で分岐せず通過する通過心線と、切断された上流側光ケーブル心線が下流側の光ケーブル心線と接続せずに保留された状態の保留心線とを収納する通過保留トレイが前記クロージャに設けられた係止部に回動自在に枢着されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光ケーブル接続用クロージャである。
【0012】
また、請求項5の発明は、前記クロージャ本体内には、浸水状態を検知する浸水検知モジュールと、該浸水検知モジュールに用いられる光ケーブル心線を収納する保守用心線トレイが設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光ケーブル接続用クロージャである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の光ケーブル接続用クロージャは、スプリッタモジュールがクロージャに設けられた係止部に回動自在に取り付けられているので、クロージャ内での心線の引き回し作業では、作業したいトレイを有するスプリッタモジュールと、その作業面に対向する他のスプリッタモジュールをお互い反対方向へ回動させれば作業スペースを確保することができ、作業の度にスプリッタモジュールを引き出す必要が無く、また、スプリッタモジュール内の各トレイの確認作業でも引き出す必要がないので非常に簡単に作業を行うことができる。
【0014】
さらに、従来のクロージャではスプリッタモジュールを引き出すためモジュールを外に露出される光ケーブル余長部分を長くする必要があり、当然のことながらモジュール引き出しの際には光ケーブルの断線に細心の注意が必要であったが、本発明のクロージャはモジュールを回動するだけでよいので、心線の露出部分が非常に少なく、心線の破断などの可能性が非常に低くなる利点がある。
【0015】
また、ドロップトレイにドロップケーブル把持部材が設けられていて、ドロップする心線がクロージャ内に露出する部分がほとんど無くなるため、心線の保護が確実となる利点がある。もちろん、保守作業や、新たに分岐作業を行う場合でも、心線の取り回しが非常に簡便となる。
【0016】
さらに、ドロップケーブル把持部材に形成された溝と、蓋部に形成されたリブによってドロップケーブルを把持する構造となっていて、ドロップケーブルを確実に固定することができる。特に、ドロップケーブルを溝に嵌合させるだけでなく、蓋部のリブによってケーブルを押圧するのでより強固に把持することができる。
【0017】
また、請求項4の発明では、通過心線と、保留心線を収納する通過保留トレイが設けられているので、クロージャ内で心線が散乱することもなく、また後にドロップケーブルや分岐ケーブルに接続する必要が出た場合、トレイ内の保留心線を取り出し接続するだけでよいため、作業が簡便に行える。
【0018】
また、請求項5の発明では、クロージャ内に浸水検知モジュールが設けられているので、シール部材の劣化による浸水や、クロージャの損傷による浸水が起こっても検知モジュールによって検知することができるので、補修などの作業を速やかに行うことができる。さらに、浸水検知モジュールに使用される光ケーブル心線を収納する保守用心線トレイが設けられているので、心線接続作業と区別して保守点検を行える利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の光ケーブル接続用クロージャの一実施形態のうちカバー部材を取り外した状態の平面図である。
【図2】図1の光ケーブル接続用クロージャのA−A線断面を示した図である。
【図3】本発明のスプリッタモジュールを示した図であり、(a)はその背面図、(b)はその左側面図である。
【図4】本実施形態におけるドロップトレイの図である。
【図5】本実施形態におけるドロップケーブル把持部材の図である。
【図6】本実施形態における分岐ケーブル用トレイの図である。
【図7】本実施形態における通過保留トレイの図である。
【図8】本実施形態における保守用心線トレイの図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る光ケーブル接続用クロージャについて、図面を参照して説明する。先ず、図1及び図2を参照し、本実施形態の光ケーブル接続用クロージャ10全体について説明する。なお、本実施例では、導入される上流側主光ケーブルをA1、導出される下流側主光ケーブルをA2、上流側光ケーブル心線をB、ドロップ用心線をC、分岐ケーブル用心線をD、通過心線をE、保留心線をF、保守用心線をG、ドロップケーブルをH、分岐ケーブルをJとする。
【0021】
図1は本発明の光ケーブル接続用クロージャ10の一実施形態のうち図示しないカバー部材を取り外した状態の平面図である。また、図2は図1の平面図のA−A断面線での図である。
【0022】
光ケーブル接続用クロージャ10のクロージャ本体20は横長の箱形状となっていて、内部に複数のスプリッタモジュール30が短手方向に積層されている。また、同様に通過保留トレイ60及び保守用心線トレイ70が積層されている。
【0023】
スプリッタモジュール30は、1枚のドロップトレイ40と、本実施例では4枚の分岐ケーブル用トレイ50で構成されている。分岐ケーブル用トレイ50は後述するトレイ係止部によってドロップトレイ40に回動可能に取り付けられている。
【0024】
また、スプリッタモジュール30とクロージャ本体20との取り付け構造は、図2のように、クロージャ本体20に設けられたトレイベース21に孔状の本体係止部22が複数設けられていて、スプリッタモジュール30に設けられた軸状のモジュール係止部41が本体係止部22に枢着されることによって回動可能に取り付けられている。このため、クロージャ内での心線の引き回し作業では、作業したいトレイを有するスプリッタモジュール30と、その作業面に対向する他のスプリッタモジュール30をお互い反対方向へ回動させれば作業スペースを確保することができ、作業の度にスプリッタモジュール30を引き出す必要が無く、また、スプリッタモジュール30内の各トレイの確認作業でも引き出す必要がないので非常に簡単に作業を行うことができる。
【0025】
次に図1のケーブルの配線状態を説明する。
上流側主光ケーブルA1は、図1によるとクロージャ本体20左側面から挿入固定される。上流側主光ケーブルA1から引き出された分岐予定の上流側光ケーブル心線Bは複数本ずつまとめられて、それぞれのスプリッタモジュール30に配線されていく。
【0026】
ドロップケーブルHは直接スプリッタモジュール30のドロップトレイ40まで引き回されて把持されて、ドロップトレイ40内部でドロップケーブルHからドロップ用心線Dが引き出されて上流側光ケーブル心線Bと接続される。ドロップケーブルHが直接ドロップトレイ40まで引き回されているので、ドロップ用心線Dがクロージャ内で露出することが無く、分岐作業や保守作業時に使用中のドロップ用心線Dを誤って切断してしまう可能性が非常に低いので、作業の効率化に貢献できる。なお、内部の接続状態は後述の図5の説明で述べる。
【0027】
また、装置右側からは分岐ケーブルJが挿入固定される。分岐ケーブルJから引き出された分岐ケーブル用心線Dは複数本ずつまとめられて、それぞれのスプリッタモジュール30の分岐ケーブル用トレイ50に配線されて内部で接続される。内部の接続状態は後述の図6の説明で述べる。
【0028】
また、通過心線Eと、保留心線Fは通過保留トレイ60に配線され、通過心線Fは通過保留トレイ60内部で余長収納したのち、図1のクロージャ本体20右側面から挿入固定された下流側主光ケーブルA2へと戻される。保留心線Fは心線全てを通過保留トレイ60内に収納されている。内部の接続状態は後述の図7の説明で述べる。
【0029】
次に、図3を参照して本発明の光ケーブル接続用クロージャの構成部材であるスプリッタモジュール30の説明をする。スプリッタモジュール30は、ドロップケーブルHへ分岐する心線を収納したドロップトレイ40と、分岐ケーブルJへ分岐する心線を収納した分岐ケーブル用トレイ50から構成されている。
本実施例では、ドロップトレイ40が1枚に、分岐ケーブル用トレイ50が4枚の計5枚トレイから成り立っている。分岐ケーブル用トレイ50はトレイ下部に設けられた係止部51を、ドロップトレイ40の下部に設けられたトレイ係止軸42に回動可能に取り付けられている。これによって、トレイを回動するだけで作業面を上方へ露出することができるので、スプリッタモジュール30を取り外す必要が無く作業が簡便となる。
【0030】
次に、図4及び図5を参照してスプリッタモジュール30の構成部材のひとつであるドロップトレイ40及びドロップケーブル把持部材46の説明をする。
ドロップトレイ40は図4の正面図のように、トレイの両側にドロップケーブルHを把持するドロップケーブル把持部材46が設けられている。これによって1つのモジュールでより多数のドロップケーブルHの処理をすることが可能となっている。また、クロージャ10の敷設場所によっては一方向のみにしかドロップケーブルHを敷設することができない場合にも両側にドロップケーブル把持部材50を設けることができるので対応可能となる利点もある。なお、図4では配線状態を示すためにドロップケーブル把持部材46の蓋部46cを取り外した状態となっている。
【0031】
ドロップトレイ40下部には、軸状のモジュール係止部41が一対設けられていて、このモジュール係止部41によってスプリッタモジュール30がクロージャ内に回動可能に枢着することが可能となっている。また、分岐ケーブル用トレイ50を回動可能に枢着するためのトレイ係止軸が左右4箇所ずつ対になるように設けられている。本実施例でのスプリッタモジュール30では4枚の分岐ケーブル用トレイ50を装備しているため、それぞれを回動可能に取り付けるためのものである。
【0032】
ドロップトレイ40両端に設けられたドロップケーブル把持部材46は、図5の側面図のように、ドロップケーブルHを把持する溝46bが形成された把持部46aと、リブ46dが設けられた蓋部46cが蝶番46eによって開閉自在に連結されており、
ドロップケーブルHを把持部46aの溝46bに嵌合させた状態で蓋部46cを閉めると、リブ46dがドロップケーブルHの上面を押圧しながら閉まるので確実に固定することができる。これによって、ドロップケーブルHの敷設作業や保守作業中にドロップケーブルHが引張られたりしても、ドロップトレイ40から引き抜かれてしまう心配が無く、つまり内部のドロップ用心線Cを確実に保護することができる利点がある。
【0033】
また、ドロップトレイ40には融着ホルダ43が取り付けられていて、融着スリーブ44を介して上流側光ケーブル心線Bとドロップ用心線Cを接続する構成となっている。なお、接続は融着スリーブ44による接続に限らずその他の方法で接続しても良い。
【0034】
ドロップトレイ40内部での心線の配線状態は、開口部45b又は開口部45cから心線を導入しても良いが、本実施例の図4のように、分岐ケーブル用トレイ50に収納されている上流側光ケーブル心線Bの一部を開口部45aより導入して接続する方法でも良い。本実施例の配線方法では、心線余長がドロップトレイ40内に纏められていないので、多数の融着作業が簡便に行える利点がある。また、舌片部47が設けられていて、心線を掛け留めることができるので、配線作業が簡便であるだけでなく、蓋が不要となる。
【0035】
次に、図6を参照してスプリッタモジュール30の構成部材のひとつである分岐ケーブル用トレイ50の説明をする。分岐ケーブル用トレイ50は下部にドロップトレイ30と回動可能に枢着するための係止部51が一対設けられている。なお、分岐ケーブル用トレイ50は積層されてそれぞれの係止部がドロップトレイと枢着されるので、図3のように対応する係止部51とトレイ係止軸41がずれて設けられている。
また、下部両端には、上流側光ケーブル心線Bを導入するための開口部52と、分岐ケーブルJから引き出された分岐ケーブル用心線Dを導入する開口部53が設けられている。
また、心線を接続するためのスプリッタ54が設けられているとともに、融着スリーブ55を取り付けられるような構造となっていても良い。
【0036】
分岐ケーブル用トレイ50内部での心線の配線状態は、開口部52から導入された上流側光ケーブル心線Bを舌片部56で掛け留めながら余長心線を収納し、スプリッタ54に接続する。また反対側の開口部53からは分岐ケーブル用心線Dが導入され、同様に舌片部56で掛け留めながら余長心線を収納し、スプリッタ54に接続する。
【0037】
導入された上流側光ケーブル心線Bの一部はドロップトレイ30へ配線されてドロップ用心線Cと接続される。
【0038】
また、一部の上流側光ケーブル心線Bを融着スリーブ55によってファンアウトし、積層されている他の分岐ケーブル用トレイ50へ配線することもできる。
【0039】
次に、図7を参照して通過保留トレイ60の説明をする。通過保留トレイ60は下部にクロージャ本体20の本体係止部22と回動可能に枢着するための係止部61が一対設けられている。また、下部両端には、通過心線E及び保留心線Fを導入するための開口部62と、通過心線Eを導出する開口部63が設けられている。保留心線Fはトレイ内部に収納されるため、開口部63が導出されることはない。通過保留トレイ60は本実施例では2枚取り付けられているが、心線の数量によって1枚だけ取り付けてもよいし、3枚以上取り付ける構造としてもよい。
【0040】
次に、図8を参照して保守用心線トレイ70の説明をする。保守用心線トレイ70は下部にクロージャ本体20と枢着するための係止部71が一対設けられている。保守用心線トレイ70は回動可能に枢着されていても良いし、単に脱着可能に取り付けられていても良い。
また、下部両端には、保守用心線Gを導出入するための開口部72及び73が設けられている。保守用心線Gは浸水検知モジュール74に接続されていて、装置内が浸水した場合、保守用心線Gを通じて外部にアラームを発信することができる構成となっている。
【符号の説明】
【0041】
A1 上流側主光ケーブル
A2 下流側主光ケーブル
B 上流側光ケーブル心線
C ドロップ用心線
D 分岐ケーブル用心線
E 通過心線
F 保留心線
G 保守用心線
H ドロップケーブル
J 分岐ケーブル
10 光ケーブル接続用クロージャ
20 クロージャ本体
21 トレイベース
22 本体係止部22
30 スプリッタモジュール
40 ドロップトレイ
41 モジュール係止部
42 トレイ係止軸
43 融着ホルダ
44 融着スリーブ
45a〜45c 開口部
46 ドロップケーブル把持部材
46a 把持部
46b 溝
46c 蓋部
46d リブ
47 舌片部
50 分岐ケーブル用トレイ
51 係止部
52、53 開口部
54 スプリッタ
55 融着スリーブ
56 舌片部
57 ファンアウト心線
60 通過保留トレイ
61 係止部
62、63 開口部
70 保守用心線トレイ
71 係止部
72、73 開口部
74 浸水検知モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流側の光ケーブル心線と下流側の光ケーブル心線とを接続するための光ケーブル接続用クロージャであって、
前記クロージャ本体内には、
前記上流側光ケーブル心線とドロップケーブルから引き出された下流側のドロップ用心線とを接続するためのドロップトレイと、
前記上流側光ケーブル心線と分岐ケーブルから引き出された下流側の分岐ケーブル用心線とを接続するための分岐ケーブル用トレイと、
を備えたスプリッタモジュールが設けられ、
前記スプリッタモジュールが前記クロージャ本体に設けられた係止部に回動自在に枢着されて複数積層されていることを特徴とする光ケーブル接続用クロージャ。
【請求項2】
前記ドロップトレイには、ドロップケーブルを把持するドロップケーブル把持部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の光ケーブル接続用クロージャ。
【請求項3】
前記ドロップケーブル把持部材は、一方の面にドロップケーブルを把持する溝が形成された把持部と、該把持部を開閉自在に覆う蓋部とからなり、
前記蓋部は、前記把持部に対向する面にリブが形成されており、
前記ドロップケーブルを前記把持部の溝に嵌合させた状態で前記蓋部により前記把持部を覆うことで、前記リブが前記ドロップケーブルを押圧し、該ドロップケーブルを前記把持部に固定させる構成となっていることを特徴とする請求項2に記載の光ケーブル接続用クロージャ。
【請求項4】
前記クロージャ本体内には、該クロージャ内で分岐せず通過する通過心線と、切断された上流側光ケーブル心線が下流側の光ケーブル心線と接続せずに保留された状態の保留心線とを収納する通過保留トレイが前記クロージャに設けられた係止部に回動自在に枢着されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光ケーブル接続用クロージャ。
【請求項5】
前記クロージャ本体内には、浸水状態を検知する浸水検知モジュールと、該浸水検知モジュールに用いられる光ケーブル心線を収納する保守用心線トレイが設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光ケーブル接続用クロージャ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2013−113892(P2013−113892A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−257501(P2011−257501)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【出願人】(595083051)株式会社ジャパンリーコム (40)
【出願人】(000231936)日本通信電材株式会社 (98)
【Fターム(参考)】