説明

光ケーブル用接続モジュール

【課題】分岐ケーブルを接続させる光ファイバ心線を長めに確保することが可能で、小型化が図れ、さらに、光ファイバ心線とテンションメンバをそれぞれ分けて内部に収納することで、敷設・メンテナンス作業の効率性を向上させることができる光ケーブル用接続モジュール。
【解決手段】光ケーブルAの任意の点から必要な光ファイバ心線18を切り出して接続コネクタ20に接続するとともに、残りの光ファイバ心線18は切断せずにそのまま収容しておく光ケーブル用接続モジュール10であって、光ケーブルを導出入する光ケーブル導出入部と、接続コネクタを収容する接続コネクタ収容部22と、接続コネクタ収容部を接続コネクタ収容部の背面側から支持固定して残りの光ファイバ心線の余長を収納する心線余長収納トレイ24と、心線余長収納トレイの背面側において光ケーブルのテンションメンバ16を収納係止するテンションメンバ収納係止部材26とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主にマンション等の集合住宅において、外部から引き込まれる光ケーブルの心線を分岐ケーブル等の心線に接続させることで各契約者宅へと分岐させる際に用いる光ケーブル用接続モジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、マンション等の集合住宅に引き込まれる光ケーブルの中間において分岐ケーブルを接続させる際には、光ケーブルの任意の点から必要な光ファイバ心線を切り出し、接続コネクタ等を介し、分岐ケーブルへと接続させ、残りの光ファイバ心線は、そのまま収容させるといった光ケーブル用接続モジュールが用いられてきている。また、残りの光ファイバ心線は、光ケーブル用接続モジュール内に設けられている心線余長収納部分において、収納させることが一般的なものとされている。
【0003】
例えば、特許文献1には、幹線ケーブルのシースを分岐接続に必要な長さだけ剥ぎ取って光りファイバ心線を露出させ、露出した光ファイバ心線のうち分岐する光ファイバ心線は、切断して、切断後の局側の光ファイバ心線を分岐ケーブル側の光ファイバ心線と接続すると共に、その心線接続部および心線余長部を分岐接続箱に収納し、露出した光ファイバ心線のうち分岐しない光ファイバ心線は、切断せずに、分岐接続箱を1方向に通過させて、分岐接続箱に収まらない部分を分岐接続箱に突設したダクトに収納したことを特徴とする光ケーブルの分岐接続構造が開示されている。
【0004】
この技術によると、シース剥ぎ取りにより露出している分岐しない光ファイバ心線は、分岐接続箱を1方向に通過するだけで、分岐接続箱内にその全部を収納する必要がなくなるため、分岐接続箱を小型化できると共に、分岐接続箱の内部も簡素化され、作業性が良くなるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−282360号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の技術や、特許文献1に開示されている技術は、光ファイバ心線を分岐ケーブルに接続させるために、ある程度分岐接続作業に余裕を持たせるため、長めに光ファイバ心線を切り出し、確保しなくてはならず、そのため、光ケーブル用接続モジュールや分岐接続箱内における光ケーブルを長めに確保しなくてはならない。従って、光ケーブル用接続モジュールや分岐接続箱を大型なものにしなくてはならず、設置やメンテナンス作業が、煩雑なものになると指摘されていた。
【0007】
本発明は、上述の問題を解決するためのもので、分岐ケーブルを接続させる光ファイバ心線を長めに確保することが可能で、小型化が図れ、さらに、光ファイバ心線とテンションメンバをそれぞれ分けて内部に収納することで、敷設・メンテナンス作業の効率性を向上させることができる光ケーブル用接続モジュールを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題に対応するため、本発明は、以下の技術的手段を講じている。
即ち、請求項1記載の発明は、複数本の光ファイバ心線を内部に有する光ケーブルの任意の点から必要な光ファイバ心線を切り出して接続コネクタに接続するとともに、残りの光ファイバ心線は切断せずにそのまま収容しておく光ケーブル用接続モジュールであって、前記光ケーブル用接続モジュールは、前記光ケーブルを導出入する光ケーブル導出入部と、前記切り出した光ファイバ心線を接続する接続コネクタを収容する接続コネクタ収容部と、前記接続コネクタ収容部を当該接続コネクタ収容部の背面側から所定の位置にて支持固定し、且つ、前記残りの光ファイバ心線の余長を前記接続コネクタ収容部との間に生じる空間に収納可能とする心線余長収納トレイと、前記心線余長収納トレイの背面側において前記光ケーブルのテンションメンバを収納係止可能とするテンションメンバ収納係止部材とを有することを特徴とする光ケーブル用接続モジュールである。
【0009】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の光ケーブル用接続モジュールであって、前記接続コネクタ収容部は、当該接続コネクタ収容部の背面に設けられた突起部を前記心線余長収納トレイに設けられた前記突起部に対応する嵌合孔に嵌合させることによって、前記心線余長収納トレイに支持固定されていることを特徴としている。
【0010】
そして、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の光ケーブル用接続モジュールであって、前記テンションメンバ収納係止部材は、前記光ケーブル接続コネクタ収納モジュールの内側壁に、前記心線余長収納トレイの背面に沿って、且つ、当該心線余長収納トレイとの間に所定の間隙が生じるよう設けられていることを特徴としている。
【0011】
さらに、請求項4記載の発明は、請求項1〜3いずれか1項記載の光ケーブル用接続モジュールであって、前記テンションメンバ収納係止部材は、フック部を有しており、当該フック部において、前記テンションメンバを収納係止することを特徴としている。そして、請求項5記載の発明は、請求項1〜4いずれか1項記載の光ケーブル用接続モジュールであって、前記テンションメンバ収納係止部材は、前記テンションメンバを湾曲させて収納係止可能となっていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、光ケーブルの任意の点から必要な光ファイバ心線を切り出して接続コネクタに接続する際に、残りの心線の余長を心線余長収納トレイによって、接続コネクタ収容部との間にできる空間に収納させるとともに、テンションメンバを心線余長収納トレイの背面側において係止することができるため、モジュール自体を小型なものとしても、分岐ケーブルへの接続・分岐に十分な長さの光ケーブル心線を確保することができ、また、残りの心線と、テンションメンバとを心線余長収納トレイを挟んで分離させることができるため、後の作業効率の向上やメンテナンス作業も行い易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る光ケーブル用接続モジュールの実施形態を示した図で、(a)は正面図、(b)左側面図、(c)は背面図を表している。
【図2】本発明に係る光ケーブル用接続モジュールの実施形態において、光ケーブル心線を接続させた状態を示した図で、(a)は正面図、(b)左側面図、(c)は背面図を表している。
【図3】本発明に係る光ケーブル用接続モジュールの実施形態のうち、光ケーブルを把持した状態で、当該光ケーブルを光ケーブル導出入部に導出入させる光ケーブル把持部材を示した図で、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は底面図を表している。
【図4】光ケーブルを把持した状態で、光ケーブル把持部材を光ケーブル用接続モジュールへ取り付ける流れを示す概念図である。
【図5】本発明に係る光ケーブル用接続モジュールの実施形態のうち、接続コネクタ収容部を示した図で、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図、(d)は底面図、(e)は平面図、(f)は背面図を表している。
【図6】本発明に係る光ケーブル用接続モジュールの実施形態のうち、接続コネクタ収容部を心線余長収納トレイから外した状態を示した図で、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は背面図を表している。
【図7】本発明に係る光ケーブル用接続モジュールの実施形態に取り付けるカバー体の一例を示した図で、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図、(d)は平面図、(e)は背面図を表している。
【図8】本発明に係る光ケーブル用接続モジュールの実施形態を配線板等に取り付ける際に用いるアタッチメントの一例を示した図で、(a)は正面図、(b)平面図、(c)は底面図、(d)右側面図、(e)はA−A断面図を表している。
【図9】カバー体を取り付けた光ケーブル用接続モジュールをアタッチメントに固定させた状態を示した一例図で、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は背面図を表している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係る光ケーブル用接続モジュールの実施形態について図1及び2を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る光ケーブル用接続モジュールのうち、カバー体を外した状態の一例で、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は背面図を示したものである。また、図2は、本発明に係る光ケーブル用接続モジュールのうち、カバー体を外し、光ケーブル心線を接続コネクタに接続させ、さらに、残りの光ケーブル心線及びテンションメンバを収納させている状態の一例で、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は背面図を示したものである。
【0015】
なお、10は光ケーブル用接続モジュール、12は光ケーブル導出入部、14は光ケーブル把持部材、16はテンションメンバ、18は光ケーブル心線、20は接続コネクタ、22は接続コネクタ収容部、24は心線余長収納トレイ、26はテンションメンバ収納係止部材、30は突状部、32はフック部、34は係止受部、Aは光ケーブルを示している。
【0016】
図1及び図2に示すように、本実施形態における光ケーブル用接続モジュール10は、まず、その背面側に形成された光ケーブルAを導出入させる光ケーブル導出入部12と、光ケーブルAを把持した状態で、光ケーブル導出入部12に導出入させる光ケーブル把持部材14を備えている。このように、光ケーブルAを光ケーブル把持部材14に把持させた状態で、背面側に形成された光ケーブル導出入部12に導出入させる構成となっていることで、施工時の光損失を無くすことができ、また、光ケーブルAを捻らず固定させることもできる。さらに、光ケーブルを把持させる作業における危険度が低くなるという利点もある。
【0017】
続いて、光ケーブル用接続モジュール10は、光ケーブルAに含まれる複数の光ケーブル心線18のうち、必要分として切り出された心線を接続させる接続コネクタ20を収容する接続コネクタ収容部22を備えている。なお、この接続コネクタ20には、予め分岐ケーブルBが接続されている。
【0018】
さらに、光ケーブル用接続モジュール10は、図1及び2に示すように、分岐接続に使われない残りの光ケーブル心線18(接続コネクタに接続しない)を接続コネクタ収容部22との間に生じる空間に収納可能とする心線余長収納トレイ24が備えられている(図1(b)、図2(b)参照)。このような構成とすることにより、使われない残りの光ケーブル心線18の保護及び管理がし易くなる。
【0019】
なお、接続コネクタ収容部22は、その背面側から心線余長収納トレイ24の所定位置において支持固定される構成となっている。また、例えば、心線余長収納トレイ24の接続コネクタ収容部22側の面に光ケーブル心線18を係止する係止部材を設けておけば、光ケーブル心線18の保護及び管理に有用である。
【0020】
次に、図1に示すように、光ケーブル用接続モジュール10の、心線余長収納トレイ24の背面側内壁には、心線余長収納トレイ24の背面側において、テンションメンバ16を収納係止可能とするテンションメンバ収納係止部材26が備えられており、図2に示すように、必要な光ケーブル心線18を切り出した部分に残るテンションメンバ16を湾曲させた状態で収納係止することができるようになっている。
【0021】
このような構成とすることによって、光ケーブル心線18と、テンションメンバ16とを心線余長収納トレイ24を隔てた状態でそれぞれ分離して収容することができるため、光ケーブル心線18及びテンションメンバ16の保護や、将来的に行われる分岐接続の際の作業効率を高めることが可能となってくるわけである。また、テンションメンバ16や光ケーブル心線18を湾曲させた状態で収容することができることは、光ケーブル心線18の分岐ケーブルへの分岐接続に余裕を持たせることに繋がり、結果、光ケーブル用接続モジュール10の小型化を図ることが可能となる。
【0022】
なお、テンションメンバ収納係止部材26は、光ケーブル用接続モジュール10の内壁から所定の長さ、心線余長収納トレイ24の背面に沿わせた状態で設けられており、さらに、心線余長収納トレイ24の背面と所定の間隙が生じるように構成されている。なお、上記所定の間隙は、テンションメンバ16が、容易に外れない程度の間隙であることが望ましい。
【0023】
また、テンションメンバ収納係止部材26は、その先端部分にフック部32が形成されており、このフック部32にテンションメンバ16を引っ掛けることによって、テンションメンバ16を係止することができるようになっている。またさらに、テンションメンバ収納係止部材26は、心線余長収納トレイ24の背面に対向する方向に向かって反れるある程度の柔軟性を持たせておくと、テンションメンバ16をテンションメンバ収納係止部材26に収納係止させる作業がし易くなる。
【0024】
さらに、テンションメンバ16が、湾曲し、心線余長収納トレイ24の背面側に収納係止できるよう、テンションメンバ収納係止部材26の長さを調整し、光ケーブル用接続モジュール10の内壁に設けておくことが、分岐接続に十分な長さの光ケーブル心線14の確保や、その管理を容易にすること、そして、光ケーブル用接続モジュールの小型化に繋がるため非常に好ましい。
【0025】
続いて、本発明に係る光ケーブル用接続モジュールの実施形態における光ケーブル把持部材14について図面を参照しながら、詳細に説明する。図3は、本発明に係る光ケーブル用接続モジュールの実施形態のうち、光ケーブルを把持した状態で、当該光ケーブルを光ケーブル導出入部に導出入させる光ケーブル把持部材を示した図で、(a)は正面図、(b)右側面図、(c)は底面図を表している。
【0026】
また、図4は、光ケーブルを把持した状態で、光ケーブル把持部材を光ケーブル用接続モジュールへ取り付ける流れを示す概念図である。そして、40は光ケーブル把持部、42は抑え部、44は留め部を示している。
【0027】
光ケーブル把持部材14は、図3(b)に一例として示すように、底面と両側壁により側面視コ字状を呈し、その内側の光ケーブル把持部40に光ケーブルを把持させ、その状態で光ケーブル用接続モジュール10の背面側の光ケーブル導出入部12に嵌め込むことにより、光ケーブルを光ケーブル用接続モジュールに導出入させる構成となっている。このような構成となっているため、施工時の光損失を無くすことができ、また、光ケーブルAを捻らず固定させることもできる。さらに、光ケーブルを把持させる作業における危険度が低くなるという利点もある。
【0028】
続いて、光ケーブル把持部材14を光ケーブル用接続モジュール10の背面側の光ケーブル導出入部12への嵌め込む流れについて説明する。まず、図4に示すように、光ケーブルAを把持した状態で、光ケーブル把持部材14を光ケーブル導出入部12に挿入し、光ケーブル把持部材14の外壁に形成されている留め部44を光ケーブル導出入部12の内壁に形成されている突状部30(図1(c)参照)にカチッと係合させることにより固定させる。
【0029】
さらに、図3(a)に一例として示すように、光ケーブル把持部40から正面視横方向へ板状に延設されている抑え部42によって、把持する光ケーブルを所定方向に確実に案内させ、光ケーブルの捻りや折り曲げ等の発生を防止することができるようになっている。また、光ケーブル把持部材14の取り外しは、簡便であるため、光ケーブルのメンテナンスに非常に有効なものとなる。
【0030】
次に、本発明に係る光ケーブル用接続モジュールの実施形態における接続コネクタ収容部22について図面を参照しながら、詳細に説明する。図5は、本発明に係る光ケーブル用接続モジュールの実施形態のうち、接続コネクタ収容部を示した図で、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図、(d)は底面図、(e)は平面図、(f)は背面図を表している。
【0031】
また、図6は、本発明に係る光ケーブル用接続モジュールの実施形態のうち、接続コネクタ収容部を心線余長収納トレイから外した状態を示した図で、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は背面図を表している。そして、符号については、50は収容枠、52は突起部、60は嵌合孔である以外は、図1に示したものと同様である。
【0032】
図5に一例として示すように、接続コネクタ収容部22は、光ケーブル心線を接続する接続コネクタ(図示せず)を収容する4つの収容枠50が設けられており、図5(a)の左側が、光ケーブル心線を接続させる側、右側が、分岐ケーブル側となっている。なお、本実施形態では、収容枠50は4つとなっているが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0033】
接続コネクタ20を収容する接続コネクタ収容部22は、図5(b)、(f)等に示すように、背面側に突起部52が4つ設けられており、図6に一例として示す光ケーブル用接続モジュール10の心線余長収納トレイ24に設けられている4つの嵌合孔60にこれらをそれぞれ嵌合させることによって、接続コネクタ収容部22を心線余長収納トレイ24に支持固定させる構成となっている。
【0034】
接続コネクタ収容部22は、心線余長収納トレイ24に支持固定されているので、光ケーブル用接続モジュールのメンテナンス作業の効率を向上させることができる。なお、本実施形態では、突起部52及び嵌合孔60は、それぞれ4つとしているが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0035】
続いて、図7は、本発明に係る光ケーブル用接続モジュールに取り付けるカバー体の一例で、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図、(d)は平面図、(e)は背面図を表しており、70はカバー体、72は蓋部、74は取付部、76は係止部、78は結合部を示している。また、図8は、カバー体を取り付けた光ケーブル用接続モジュールを配線板等に設置するために用いるアタッチメントの一例で、(a)は正面図、(b)平面図、(c)は底面図、(d)右側面図、(e)はA−A断面図を表しており、80はアタッチメント、82はモジュール固定部、84はネジ孔を示している。
【0036】
そして、図9は、カバー体を取り付けた光ケーブル用接続モジュールをアタッチメントに固定させた状態の一例で、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は背面図を表しており、符号は、上述の図面に付したものと同様である。
【0037】
まず、図7に一例として示すように、カバー体70は、図7(d)に示すように、側面視鉤形状を呈しており、蓋部72で図1に示す光ケーブル用接続モジュール10の前面側を覆うようにし、光ケーブル用接続モジュール10の光ケーブル把持部材14側の側部を取付部74の鉤部分内側に嵌め込むようにして取り付け、さらに、光ケーブル用接続モジュール10の他方側の側面に設けられている係止受部34に係止部76を引っ掛けることにより、光ケーブル用接続モジュール10に固定させる。
【0038】
そして、取付部74の外側に設けられた結合部78を図8に示すアタッチメント80のモジュール固定部82に嵌め込むことにより、カバー体70を取り付けた光ケーブル用接続モジュール10をアタッチメント80に固定させることができるようになっている。
【0039】
次に、図8に示すように、アタッチメント80は、底面と両側壁により側面視略コ字状に形成されており(図8(d)参照)、底面内側にカバー体70の結合部78を嵌め込むモジュール固定部82が側壁に沿う方向に設けられている(図8(e)参照)。上述の通り、カバー体70の結合部78をモジュール固定部82にカチッと嵌め込むことにより、カバー体70を取り付けた光ケーブル用接続モジュール10をアタッチメント80に固定させることができるようになっている。
【0040】
そして、アタッチメント80の底面であって、モジュール固定部82を挟んで両側には、ネジ孔84がそれぞれ設けられており、このネジ孔84を用いて、予めアタッチメント80を配線板等にネジ留めさせておき、カバー体70を取り付けた光ケーブル用接続モジュール10をアタッチメント80に固定させるようにする。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明に係る光ケーブル用接続モジュールは、光ファイバ心線を切り出して接続コネクタに接続する際に、残りの心線の余長を心線余長収納トレイによって、接続コネクタ収容部との間にできる空間に収納させるとともに、テンションメンバを心線余長収納トレイの背面側において係止することができることから、モジュール自体を小型なものとできるため、例えば、狭い場所での設置に好適であり、また、例えば、屋内への光ケーブルの引き込み側や、終端側においても好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0042】
10 光ケーブル用接続モジュール
12 光ケーブル導出入部
14 光ケーブル把持部材
16 テンションメンバ
18 光ケーブル心線
20 接続コネクタ
22 接続コネクタ収容部
24 心線余長収納トレイ
26 テンションメンバ収納係止部材
30 突状部
32 フック部
34 溝部
40 光ケーブル把持部
42 抑え部
44 留め部
50 収容枠
52 突起部
54 嵌合孔
70 カバー体
72 蓋部
74 取付部
76 ホック部
78 結合部
80 アタッチメント
82 モジュール固定部
84 ネジ孔
A 光ケーブル
B 分岐ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数本の光ファイバ心線を内部に有する光ケーブルの任意の点から必要な光ファイバ心線を切り出して接続コネクタに接続するとともに、残りの光ファイバ心線は切断せずにそのまま収容しておく光ケーブル用接続モジュールであって、
前記光ケーブル用接続モジュールは、
前記光ケーブルを導出入する光ケーブル導出入部と、
前記切り出した光ファイバ心線を接続する接続コネクタを収容する接続コネクタ収容部と、
前記接続コネクタ収容部を当該接続コネクタ収容部の背面側から所定の位置にて支持固定し、且つ、前記残りの光ファイバ心線の余長を前記接続コネクタ収容部との間に生じる空間に収納可能とする心線余長収納トレイと、
前記心線余長収納トレイの背面側において前記光ケーブルのテンションメンバを収納係止可能とするテンションメンバ収納係止部材と、
を有することを特徴とする光ケーブル用接続モジュール。
【請求項2】
前記接続コネクタ収容部は、当該接続コネクタ収容部の背面に設けられた突起部を前記心線余長収納トレイに設けられた前記突起部に対応する嵌合孔に嵌合させることによって、前記心線余長収納トレイに支持固定されていることを特徴とする請求項1記載の光ケーブル用接続モジュール。
【請求項3】
前記テンションメンバ収納係止部材は、前記光ケーブル接続コネクタ収納モジュールの内側壁に、前記心線余長収納トレイの背面に沿って、且つ、当該心線余長収納トレイとの間に所定の間隙が生じるよう設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の光ケーブル用接続モジュール。
【請求項4】
前記テンションメンバ収納係止部材は、フック部を有しており、当該フック部において、前記テンションメンバを係止することを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の光ケーブル用接続モジュール。
【請求項5】
前記テンションメンバ収納係止部材は、前記テンションメンバを湾曲させて収納係止可能に設けられていることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の光ケーブル用接続モジュール。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2013−113886(P2013−113886A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−257471(P2011−257471)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【出願人】(595083051)株式会社ジャパンリーコム (40)
【出願人】(591199590)株式会社正電社 (34)
【Fターム(参考)】