説明

光コネクタ

【課題】 光ファイバの先端面を相手側コネクタハウジング内の光素子に光結合させる事ができ、且つ光ファイバの先端面を十分に保護できる光コネクタを提供する。
【解決手段】この光コネクタは、光ファイバ31の先端面31aを露出する様に光ファイバ31の端部を保持するコネクタハウジング32と、コネクタハウジング32に、光ファイバ31の端部をその筒内に内挿した状態で光ファイバ31に沿って突出後退自在に設けられ、その突出状態で、その先端開口面33bが光ファイバ31の先端面31aの前側に突出されてその筒内部に光ファイバ31の先端面31aを収容保護し、その後退状態で、その先端開口面33bが光ファイバ31の先端面31aの後側に後退されてその先端開口面33bから光ファイバ31の先端面31aを露出する可動筒部材33と備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば車両で用いられる通信用光コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、安全性装備、低燃費装備、乗員の快適装備の充実を図るため、車両の電装機器は増加の一途である。これにより車両内での通信情報量も増大しており、その対策として、車両内で用いられる情報伝達媒体を電線から高速情報伝達媒体である光ファイバに置き換える対策が取られ始めている。
【0003】
光ファイバの先端面に汚れや傷が付くと、光ファイバの情報伝達能力は低下するので、光ファイバの端部に取り付けられる光コネクタには、光ファイバの先端面を保護する為の端面保護構造が取られている。
【0004】
従来の光ファイバの端面保護構造では、コネクタハウジングに収容凹部を形成し、その収容凹部内に、その収容凹部の開口面付近に光ファイバの先端面が配置する様に光ファイバの端部を収容配設する構造が取られていた。この様に、光ファイバの先端面がコネクタハウジングの収容凹部の開口面付近に配置することで、コネクタハウジングが相手側コネクタハウジングと嵌合した際に、光ファイバの先端面が相手側コネクタハウジング内の光素子に近接して光結合する様になっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の従来の端面保護構造では、光ファイバの先端面がコネクタハウジングの収容凹部の開口面付近に配置するので、光ファイバの先端面に物や指が接触して光ファイバの先端面が汚れたり傷付いたりする場合があり、光ファイバの先端面を十分に保護できないという欠点があった。
【0006】
尚、この欠点を解決すべく、光ファイバの先端面に指や物が接触しない様に光ファイバの先端面を前記収容凹部の内部(奥)に配置すると、コネクタハウジングが相手側コネクタハウジングと嵌合した際に、光ファイバの先端面が相手側コネクタハウジング内の光素子に近接できなくなって光結合できなくなる欠点がある。
【0007】
また、光ファイバの端面保護構造は、部品点数が少なく簡易な構造である事が望ましい。
【0008】
そこで、この発明の課題は、第1に、光ファイバの先端面を相手側コネクタハウジング内の光素子に光結合させる事ができ、且つ光ファイバの先端面を十分に保護できる光コネクタを提供すること、第2に、部品点数が少なく簡易な構造の光コネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する為に、請求項1に記載の発明は、光ファイバの先端面を露出する様に前記光ファイバの端部を保持するコネクタハウジングと、前記コネクタハウジングに、前記光ファイバの端部をその筒内に内挿した状態で前記光ファイバに沿って突出後退自在に設けられ、その突出状態で、その先端開口面が前記光ファイバの前記先端面の前側に突出されてその筒内部に前記光ファイバの前記先端面を収容保護し、他方、その後退状態で、その先端開口面が前記光ファイバの前記先端面の後側に後退されてその先端開口面から前記光ファイバの前記先端面を露出する可動筒部材と、を備えるものである。
【0010】
請求項2に記載の発明は、前記コネクタハウジングは、その前面に露出窓を有する箱状に形成され、その内部に、前記露出窓付近に前記光ファイバの前記先端面が配置する様に前記光ファイバの端部を収容配設すると共に、前記可動筒部材を前記露出窓から突出自在に収容配設し、前記可動筒部材の外周面には、前記露出窓の内側周縁に係合可能なフランジ部が周設され、前記可動筒部材の前記後退状態で、前記コネクタハウジング内に前記可動筒部材が収容されて前記露出窓から前記光ファイバの前記先端面が露出され、他方、前記可動筒部材の前記突出状態で、前記露出窓から前記可動筒部材が突出して前記可動筒部材の内部に前記光ファイバの前記先端面が収容保護されると共に前記フランジ部が前記露出窓の内側周縁に係合して前記可動筒部材の前記コネクタハウジングからの脱離が防止されるものである。
【0011】
請求項3に記載の発明は、前記可動筒部材は、その外径がその基端開口面側からその先端開口面側に向けて縮径されて形成されるものである。
【0012】
請求項4に記載の発明は、前記可動筒部材を前記突出状態に自立復帰させる様に付勢する付勢手段を更に備えるものである。
【0013】
請求項5に記載の発明は、前記コネクタハウジングと嵌合する相手側コネクタハウジングを有し、前記相手側コネクタハウジングには、前記コネクタハウジングとの嵌合状態で、前記可動筒部材を前記後退状態とする様に係止するストッパ部が設けられるものである。
【0014】
請求項6に記載の発明は、前記コネクタハウジングと嵌合する相手側コネクタハウジングを有し、前記相手側コネクタハウジングには、前記コネクタハウジングとの嵌合状態で、前記可動筒部材の前記先端開口面を位置決めする為の係止部が設けられ、前記可動筒部材には、前記係止部と係合する被係止部が設けられるものである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の発明によれば、コネクタハウジングに、光ファイバの端部をその筒内に内挿した状態で前記光ファイバに沿って突出後退自在に設けられ、その突出状態で、その先端開口面が前記光ファイバの先端面の前側に突出されてその筒内部に前記光ファイバの先端面を収容保護し、他方、その後退状態で、その先端開口面が前記光ファイバの先端面の後側に後退されてその先端開口面から前記光ファイバの先端面を露出する可動筒部材を備えるので、前記コネクタハウジングを相手側コネクタハウジングに嵌合させる際には、可動筒部材を後退状態にすることで、光ファイバの先端面を相手側コネクタハウジング内の光素子に接近させて光結合させる事ができ、他方、前記コネクタハウジングを相手側コネクタハウジングに嵌合させない状態では、可動筒部材を突出状態にすることで、光コネクタの先端面を指や物に触れない様に可動筒部材の内部に収容保護でき、これにより光ファイバの先端面を相手側コネクタハウジング内の光素子に光結合させる事ができ、且つ光ファイバの先端面を十分に保護できる。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、コネクタハウジングは、その前面に露出窓を有する箱状に形成され、その内部に、可動筒部材を前記露出窓から突出自在に収容配設し、他方、可動筒部材の外周面には、前記露出窓の内側周縁に係合可能なフランジ部が周設されるので、部品点数が少なく簡易な構成で、可動筒部材がコネクタハウジングから脱離しない様に光コネクタを構成できる。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、可動筒部材は、その外径がその基端開口面側からその先端開口面側に向けて縮径されて形成されるので、可動筒部材の先端開口面を露出窓の内側周縁に引っ掛かる事なく滑らかに露出窓から突出させる事ができる。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、可動筒部材を突出状態に自立復帰させる様に付勢する付勢手段を備えるので、手作業で可動筒部材を突出状態にする手間を省ける。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、相手側コネクタハウジングに、コネクタハウジングとの嵌合状態で、可動筒部材を後退状態とする様に係止するストッパ部が設けられるので、手作業で可動筒部材を後退状態にする手間を省ける。
【0020】
請求項6に記載の発明によれば、相手側コネクタハウジングに、コネクタハウジングとの嵌合状態で、可動筒部材の先端開口面を位置決めする為の係止部が設けられ、可動筒部材に、前記係止部と係合する被係止部が設けられるので、コネクタハウジングと相手側コネクタハウジングとの嵌合状態で、可動筒部材の先端開口面を所定位置に位置決めでき、これにより光ファイバの先端面を光素子の正面に配置させて光素子と光結合させる事ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
この実施の形態に係る光コネクタは、図1および図2の様に、光プラグコネクタ3と、光プラグコネクタ3と着脱自在に嵌合結合するリセプタクルコネクタ5とから構成される。
【0022】
光プラグコネクタ3は、図1および図3の様に、光ファイバ31と、光ファイバ31の先端面31aを露出する様に光ファイバ31の端部を保持するコネクタハウジング32と、コネクタハウジング32に、光ファイバ31の端部をその筒内に内挿した状態で光ファイバ31に沿って突出後退自在に設けられた可動筒部材33と、可動筒部材33を突出状態に自立復帰させる様に付勢する巻きバネ(付勢手段)35とを備える。
【0023】
可動筒部材33は、その外径がその基端開口面33a側からその先端開口面33b側に向けて縮径された円筒部33cを有し、その円筒部33cの基端開口面33a側に光ファイバ31を挿通する為の挿通口33dを有する底部33eが形成され、且つその円筒部33cの外周面の基端開口面33a側にコネクタハウジング32の後述の露出窓32bの内側周縁に係合可能なフランジ部33fが周設され、且つその円筒部33cの先端開口面33bにリセプタクルコネクタ5の後述のガイド部53cと嵌合状に係合する切り欠き部(被係止部)33gが形成されてなる。
【0024】
尚、可動筒部材33の先端開口面33bと挿通口33dの各開口の直径はそれぞれ、光ファイバ31の直径と略同寸法の直径に形成される。また、フランジ部33fの外形は、コネクタハウジング32の内部に嵌合する形状および寸法に形成される。
【0025】
コネクタハウジング32は、例えば、その前面32aに露出窓32bを有する例えば直方体状の箱状に形成され、その内部に、光ファイバ31の端部、可動筒部材33および巻きバネ35を収容配設する。ここでは、光ファイバ31の端部は、その先端面31aがコネクタハウジング32の露出窓32b付近に配置されると共にその基端部分31bがコネクタハウジング32の後面壁部分32cに貫通固定される様にしてコネクタハウジング32内に収容配設される。また、可動筒部材33は、その先端開口面33b側をコネクタハウジング32の露出窓32b側に向けてその筒内に光ファイバ31の端部を内挿した状態で、露出窓32bから突出自在にコネクタハウジング32内に収容配設される。また、巻きバネ35は、その付勢力により自立復帰的に可動筒部材33をコネクタハウジング32の露出窓32bから突出させるべく、可動筒部材33の底部33eとコネクタハウジング32の後面壁部分32cとの間において光ファイバ31に外装される様にしてコネクタハウジング32内に収容配設される。
【0026】
また、コネクタハウジング32の両側の側面壁部分32dには、前面32a側から嵌合方向に沿って切り込まれる様にしてリセプタクルコネクタ5の後述のガイド部53cをガイドするガイド溝32eが形成される。
【0027】
また、コネクタハウジング32の上面には、リセプタクルコネクタ5の後述の係止孔53dに係合するロックアーム部32fが形成される。このロックアーム部32fは、その基端部分がコネクタハウジング32の上面の前縁に立設され、その基端部分から後方に屈曲する様に延設され、その延設部分の屈曲部分側の上面にリセプタクルコネクタ5の係止孔53dに係合する係止突起32gが突出形成されると共に、その先端部分の上面に指圧でロックアーム部32fを押下して係止突起32gを係止孔53dから外す為の指圧部32hが突出形成されてなる。
【0028】
尚、この光プラグコネクタ3では、可動筒部材33がコネクタハウジング32内に押し込まれた状態では、可動筒部材33の先端開口面33bの位置により光ファイバ31の先端面31aの位置が規制される様になっている。
【0029】
リセプタクルコネクタ5は、図2の様に、光プラグコネクタ3の光ファイバ31と光結合する光素子(図4参照)51と、光素子51を収容配設すると共に光プラグコネクタ3のコネクタハウジング32と着脱自在に嵌合するコネクタハウジング(相手側コネクタハウジング)53とを備える。
【0030】
コネクタハウジング53は、前面開放の矩形形状の箱状に形成されており、その前面53aに、その開放前面53aを挿入口(開口面)とする、光プラグコネクタ3のコネクタハウジング32が嵌合される収容凹部53bが形成されて成り、その奥面の所定位置に光素子51が配設されている。
【0031】
コネクタハウジング53の両側の内側面には、光プラグコネクタ3の切り欠き部33gおよびガイド溝32eと係合するガイド部(ストッパ部且つ係止部)53cが形成される。このガイド部53cは、コネクタハウジング53の内側面において嵌合方向に沿って凸条形成される。
【0032】
また、コネクタハウジング53の上面壁部分には、その後縁部分に光プラグコネクタ3のロックアーム部32fの係止突起32gが係合する係止孔53dが形成されると共に、その前縁部分にロックアーム部32fの指圧部32hが配置する切り込み部53eが形成されてなる。
【0033】
次に、光プラグコネクタ3のリセプタクルコネクタ5への嵌合結合のさせ方を説明する。
【0034】
まず、光プラグコネクタ3とリセプタクルコネクタ5は分離状態にある。この分離状態では、光プラグコネクタ3は、図1および図3の様に、その巻きバネ35の付勢力により自立復帰的にその可動筒部材33がそのコネクタハウジング32の露出窓32bから突出された状態にある。この突出状態では、可動筒部材33の先端開口面33bが光ファイバ31の先端面31aより前側に突出して可動筒部材33の筒内部(奥)に光ファイバ31の先端面31aが収容保護されると共に、可動筒部材33のフランジ部33fがコネクタハウジング32の露出窓32bの内側周縁に係合して可動筒部材33のコネクタハウジング32内からの脱離が防止された状態にある。
【0035】
そして、光プラグコネクタ3をリセプタクルコネクタ5に嵌合結合させるには、図4の様に、光プラグコネクタ3をその前面32a側からリセプタクルコネクタ5の収容凹部53b内に嵌挿する。
【0036】
すると、この嵌挿に伴って、光プラグコネクタ3の可動筒部材33の切り欠き部33gにリセプタクルコネクタ5のガイド部53cの先端部が嵌合して、ガイド部53cにより、可動筒部材33の先端開口面33bのコネクタハウジング53内での上下位置(従って光ファイバ31の先端面31aのコネクタハウジング53内での上下位置)が所定位置(光素子51の正面位置)に位置決めされた状態で、可動筒部材33がコネクタハウジング32内に押し込まれて行く。そして更に、光プラグコネクタ3のガイド溝32eにリセプタクルコネクタ5のガイド部53cが嵌合して、ガイド部53cにより、コネクタハウジング32のコネクタハウジング53内での上下位置(従って光ファイバ31の端部の基端部分31bのコネクタハウジング53内での上下位置)が所定位置(光素子51の正面位置)に位置決めされた状態で、光プラグコネクタ3のコネクタハウジング32がリセプタクルコネクタ5のコネクタハウジング53の収容凹部53b内に嵌挿されて行く。
【0037】
そして、光プラグコネクタ3のコネクタハウジング32がリセプタクルコネクタ5の収容凹部53bの奥まで嵌挿されると、光プラグコネクタ3の露出窓32bがリセプタクルコネクタ5内の光素子51の正面に近接配置されると共に、リセプタクルコネクタ5のガイド部53cにより光プラグコネクタ3の可動筒部材33がコネクタハウジング32の内部(奥)まで(即ち可動筒部材33の先端開口面33bが光ファイバ31の先端面31aより後側に後退するまで)押し込まれて露出窓32bから光ファイバ31の先端面31aが露出される。この露出状態では、光ファイバ31の先端面31aは、設計上露出窓32b付近に配置されていると共に可動筒部材33の先端開口面33bによる位置規制により所定位置(光素子51の正面位置)に規制されているので、光素子51の正面に近接して光素子51と光結合する。尚、この光結合状態では、光ファイバ31の先端面31aの上下位置および基端部分31bの上下位置が光素子51の正面位置に位置決めされるので、光ファイバ31の端部の光軸が光素子51の光軸と一致し、精度の高い光結合が達成されている。
【0038】
また、これに併行して、光プラグコネクタ3のロックアーム部32fがその基端側からリセプタクルコネクタ5の収容凹部53bの上面壁部分の下側に弾性復帰的に潜り込んで行き、光プラグコネクタ3のコネクタハウジング32がリセプタクルコネクタ5の収容凹部53bの奥まで嵌挿されると、ロックアーム部32fの係止突起32gがリセプタクルコネクタ5の係止孔53dに係合し、この係合により光プラグコネクタ3とリセプタクルコネク5とが抜け防止状に嵌合結合する。この様にして光プラグコネクタ3をリセプタクルコネクタ5に嵌合結合させる。
【0039】
そして、この嵌合状態から光プラグコネクタ3とリセプタクルコネクタ5を分離させるには、ロックアーム部32fの指圧部32hを指で上側から押圧しながら光プラグコネクタ3を後方側に引っ張る。すると、ロックアーム部32fの係止突起32gが係止孔53dから外れ、光プラグコネクタ3とリセプタクルコネクタ5が分離する。そして、この分離状態では、上述同様、光プラグコネクタ3は、その巻きバネ35の付勢力により自立復帰的にその可動筒部材33がそのコネクタハウジング32の露出窓32bから突出された状態に戻る。
【0040】
以上の様に構成された光コネクタによれば、コネクタハウジング32に、光ファイバ31の端部をその筒内に内挿した状態で光ファイバ31に沿って突出後退自在に設けられ、その突出状態で、その先端開口面33bが光ファイバ31の先端面31aの前側に突出されてその筒内部に光ファイバ31の先端面31aを収容保護し、他方、その後退状態で、その先端開口面33bが光ファイバ31の先端面31aの後側に後退されてその先端開口面33bから光ファイバ31の先端面31aを露出する可動筒部材33を備えるので、コネクタハウジング32を相手側コネクタハウジング53に嵌合させる際には、可動筒部材33を後退状態にすることで、光ファイバ31の先端面31aを相手側コネクタハウジング53内の光素子51に接近させて光結合させる事ができ、他方、コネクタハウジング32を相手側コネクタハウジング53に嵌合させない状態では、可動筒部材33を突出状態にすることで、光コネクタの先端面31aを指や物に触れない様に可動筒部材33の内部に収容保護でき、これにより光ファイバ31の先端面31aを相手側コネクタハウジング53内の光素子51に光結合させる事ができ、且つ光ファイバ31の先端面31aを十分に保護できる。
【0041】
また、コネクタハウジング32は、その前面32aに露出窓32bを有する箱状に形成され、その内部に、可動筒部材33を露出窓32bから突出自在に収容配設し、他方、可動筒部材33の外周面には、露出窓32bの内側周縁に係合可能なフランジ部33fが周設されるので、部品点数が少なく簡易な構成で、可動筒部材33がコネクタハウジング32から脱離しない様に光コネクタを構成できる。
【0042】
また、可動筒部材33は、その外径がその基端開口面33a側からその先端開口面33b側に向けて縮径されて形成されるので、可動筒部材33の先端開口面33bを露出窓32bの内側周縁に引っ掛かる事なく滑らかに露出窓32bから突出させる事ができる。
【0043】
また、可動筒部材33を突出状態に自立復帰させる様に付勢する付勢手段(ここでは巻きバネ)35を備えるので、手作業で可動筒部材33を突出状態にする手間を省ける。
【0044】
また、相手側コネクタハウジング53に、コネクタハウジング32との嵌合状態で、可動筒部材33を後退状態とする様に係止するストッパ部(ここではガイド部)53cが設けられるので、手作業で可動筒部材33を後退状態にする手間を省ける。
【0045】
また、相手側コネクタハウジング53に、コネクタハウジング32との嵌合状態で、可動筒部材33の先端開口面33bを位置決めする為の係止部(ここではガイド部)53cが設けられ、可動筒部材33に、係止部53cと係合する被係止部(ここでは切り欠き部)33gが設けられるので、コネクタハウジング32と相手側コネクタハウジング53との嵌合状態で、可動筒部材33の先端開口面33bを所定位置に位置決めでき、これにより光ファイバ31の先端面31aを光素子51の正面に配置させて光素子51と光結合させる事ができる。
【0046】
尚、この実施の形態では、付勢手段35として巻きバネを用いたが、巻きバネの代わりに、筒状または蛇腹状のゴムチューブ等の弾性部材を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施の形態に係る光コネクタの光プラグコネクタの斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る光コネクタのリセプタクルコネクタの斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る光コネクタの光プラグコネクタの断面図である。
【図4】光プラグコネクタとリセプタクルコネクタの嵌合途中の断面図である。
【図5】光プラグコネクタとリセプタクルコネクタの嵌合状態の断面図である。
【符号の説明】
【0048】
3 光プラグコネクタ
5 リセプタクルコネクタ
31 光ファイバ
31a 先端面
32 コネクタハウジング
32b 露出窓
32e ガイド溝
33 可動筒部材
33b 先端開口面
33f フランジ部
33g 切り欠き部
35 巻きバネ
51 光素子
53 コネクタハウジング
53b 収容凹部
53c ガイド部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバの先端面を露出する様に前記光ファイバの端部を保持するコネクタハウジングと、
前記コネクタハウジングに、前記光ファイバの端部をその筒内に内挿した状態で前記光ファイバに沿って突出後退自在に設けられ、その突出状態で、その先端開口面が前記光ファイバの前記先端面の前側に突出されてその筒内部に前記光ファイバの前記先端面を収容保護し、他方、その後退状態で、その先端開口面が前記光ファイバの前記先端面の後側に後退されてその先端開口面から前記光ファイバの前記先端面を露出する可動筒部材と、
を備えることを特徴とする光コネクタ。
【請求項2】
前記コネクタハウジングは、その前面に露出窓を有する箱状に形成され、その内部に、前記露出窓付近に前記光ファイバの前記先端面が配置する様に前記光ファイバの端部を収容配設すると共に、前記可動筒部材を前記露出窓から突出自在に収容配設し、
前記可動筒部材の外周面には、前記露出窓の内側周縁に係合可能なフランジ部が周設され、
前記可動筒部材の前記後退状態で、前記コネクタハウジング内に前記可動筒部材が収容されて前記露出窓から前記光ファイバの前記先端面が露出され、他方、前記可動筒部材の前記突出状態で、前記露出窓から前記可動筒部材が突出して前記可動筒部材の内部に前記光ファイバの前記先端面が収容保護されると共に前記フランジ部が前記露出窓の内側周縁に係合して前記可動筒部材の前記コネクタハウジングからの脱離が防止されることを特徴とする請求項1に記載の光コネクタ。
【請求項3】
前記可動筒部材は、その外径がその基端開口面側からその先端開口面側に向けて縮径されて形成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光コネクタ。
【請求項4】
前記可動筒部材を前記突出状態に自立復帰させる様に付勢する付勢手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の光コネクタ。
【請求項5】
前記コネクタハウジングと嵌合する相手側コネクタハウジングを有し、前記相手側コネクタハウジングには、前記コネクタハウジングとの嵌合状態で、前記可動筒部材を前記後退状態とする様に係止するストッパ部が設けられることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の光コネクタ。
【請求項6】
前記コネクタハウジングと嵌合する相手側コネクタハウジングを有し、前記相手側コネクタハウジングには、前記コネクタハウジングとの嵌合状態で、前記可動筒部材の前記先端開口面を位置決めする為の係止部が設けられ、
前記可動筒部材には、前記係止部と係合する被係止部が設けられることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れかに記載の光コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−98469(P2006−98469A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−281252(P2004−281252)
【出願日】平成16年9月28日(2004.9.28)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】