説明

光スペクトラム測定装置及び光スペクトラム測定方法

【課題】本発明は、波長可変エタロンフィルタに光を2回通す光スペクトラムアナライザにおいて、PDL性能を向上することを目的とする。
【解決手段】本願発明の光スペクトラム測定装置は、被測定光を予め定められた偏波方向にする偏波コントローラ(15)と、偏波コントローラからの被測定光を通過し、予め定められた偏波方向と直交する方向の光を分離するPBS(11)と、PBSを通過した被測定光から設定波長の光を抽出するとともに、抽出後の光の偏波方向が90°回転された偏波回転光から設定波長の光を抽出する波長可変エタロンフィルタ(12)と、波長可変エタロンフィルタによって抽出された被測定光の偏波方向を90°回転させ、当該回転後の光を偏波回転光として波長可変エタロンフィルタに入射させる偏波回転部(13)と、波長可変エタロンフィルタによって抽出されかつPBSで分離された偏波回転光を受光する受光器(14)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、波長可変エタロンフィルタを用いる光スペクトラム測定装置及び光スペクトラム測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
波長可変エタロンフィルタを用いた光スペクトラムアナライザは市販されており、可動部がなく、小型にすることが可能である。ところが、ダイナミックレンジが狭いという欠点がある。ダイナミックレンジを改善するため、図6に示すような波長可変エタロンフィルタに光を2回通す手法が検討されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1の光スペクトラムアナライザは、波長可変エタロンフィルタ112を通過させた被測定光L14を変調ミラー113で変調しながら波長可変エタロンフィルタ112へ反射し、当該反射光L15を再度波長可変エタロンフィルタ112に通過させた後、当該通過光L16をサーキュレータ111で分離して受光器114で受光する。
【0004】
図7(a)に示すような被測定光L11が入力され、波長可変エタロンフィルタ112を1度だけ通過させた被測定光L14が図7(b)に示すようなダイナミックレンジであったとする。この被測定光L14を再度波長可変エタロンフィルタ112に通過させた通過光L16は、図7(c)に示すように、ダイナミックレンジが広くなる。
【0005】
しかし、受光器114には、通過光L16だけでなく、波長可変エタロンフィルタ112で反射された被測定光L11も含まれる。受光器114の受光信号からこの被測定光L11を除去するため、特許文献1では、被測定光L14を変調ミラー113において変調する。そして、演算部116は、変調ミラー113で変調した変調信号を用いて受光器114の信号から通過光L16の信号を抽出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】US7391970
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の光スペクトラムアナライザでは偏波依存については考慮されていない。市販されている波長可変エタロンフィルタ112のPDL(Polarization−Dependent−Loss)性能は約0.2dB未満と市場要求の±0.05dBよりも悪い値となっている。このため、特許文献1の光スペクトラムアナライザは、波長可変エタロンフィルタ112のPDL性能によってスペクトラムを正確に測定できなくなる場合がある。
【0008】
そこで、本発明は、波長可変エタロンフィルタに光を2回通す光スペクトラムアナライザにおいて、PDL性能を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本願発明の光スペクトラム測定装置は、入力された被測定光を予め定められた偏波方向にする偏波コントローラ(15)と、前記偏波コントローラからの前記被測定光を通過し、前記偏波方向と直交する方向の光を分離するPBS(11)と、前記PBSを通過した前記被測定光から設定波長の光を抽出するとともに、抽出後の光の偏波方向が90°回転された偏波回転光から前記設定波長の光を抽出する波長可変エタロンフィルタ(12)と、前記波長可変エタロンフィルタによって抽出された前記被測定光の偏波方向を90°回転させ、当該回転後の光を前記偏波回転光として前記波長可変エタロンフィルタに入射させる偏波回転部(13)と、前記波長可変エタロンフィルタによって抽出されかつ前記PBSで分離された前記偏波回転光を受光する受光器(14)と、前記受光器の受光した前記偏波回転光の光強度を前記設定波長と関連付けて記憶する演算部(16)と、前記波長可変エタロンフィルタの抽出する前記波長を変化させる制御部(17)と、を備える。
【0010】
本願発明の光スペクトラム測定装置は、波長可変エタロンフィルタ(12)と、受光器(14)と、制御部(17)と、を備えるため、被測定光の光スペクトラムを測定することができる。本願発明の光スペクトラム測定装置は、偏波回転部(13)を備えるため、被測定光を波長可変エタロンフィルタ(12)に2回通過させることができる。ここで、偏波回転部(13)が被測定光の偏波方向を直交する方向にするため、波長可変エタロンフィルタ(12)に2回通過した後の偏波回転光の偏波方向は被測定光と直交している。このため、PBS(11)を用いて波長可変エタロンフィルタ(12)に2回通過した後の偏波回転光のみを受光器(14)に入射させることができる。さらに、本願発明の光スペクトラム測定装置は、偏波コントローラ(15)と、PBS(11)と、偏波回転部(13)と、を備えるため、予め定められた偏波方向の光が波長可変エタロンフィルタ(12)に通過させることができる。このため、本願発明の光スペクトラム測定装置は、PDL性能を向上することができる。
【0011】
本願発明の光スペクトラム測定装置では、前記偏波コントローラは、前記被測定光を前記予め定められた偏波方向の光と前記偏波方向と直交する方向の光とに分離する被測定光分離部(21)と、前記被測定光分離部の分離した前記偏波方向と直交する方向の光を前記予め定められた偏波方向の光に変換する偏波方向変換部(22)と、前記被測定光分離部によって分離された前記予め定められた偏波方向の光又は前記偏波方向変換部によって変換された前記予め定められた偏波方向の光を、前記PBSに出力する光スイッチ(23)と、を備え、前記演算部は、前記被測定光分離部によって分離された前記予め定められた偏波方向の光を前記光スイッチから出力したときに前記受光器が受光した前記偏波回転光の光強度と、前記偏波方向変換部によって変換された前記予め定められた偏波方向の光を前記光スイッチから出力したときに前記受光器が受光した前記偏波回転光の光強度と、を加算した光強度を前記設定波長と関連付けて記憶してもよい。
【0012】
本願発明の光スペクトラム測定装置では、前記偏波コントローラは、前記被測定光を前記予め定められた偏波方向の光と前記偏波方向と直交する方向の光とに分離する被測定光分離部(21)と、前記被測定光分離部の分離した前記偏波方向と直交する方向の光を前記予め定められた偏波方向の光に変換する偏波方向変換部(22)と、前記被測定光分離部によって分離された前記予め定められた偏波方向の光と前記偏波方向変換部によって変換された前記予め定められた偏波方向の光とを合波して、前記PBSに出力する光カプラ(24)と、を備えてもよい。
【0013】
上記目的を達成するために、本願発明の光スペクトラム測定方法は、入力された被測定光を予め定められた偏波方向にする偏波調整手順と、予め定められた偏波方向の被測定光を前記波長可変エタロンフィルタに通過させた後に、通過光の偏波方向を90°回転させた偏波回転光を前記波長可変エタロンフィルタに再度通過させ、前記波長可変エタロンフィルタに再度通過させた前記偏波回転光を受光して前記偏波回転光の光強度を前記設定波長と関連付けて記憶する偏波回転光受光手順と、を順に有し、前記波長可変エタロンフィルタの前記設定波長を変化させながら前記偏波調整手順及び前記偏波回転光受光手順を順次行う。
【0014】
本願発明の光スペクトラム測定方法は、偏波回転光受光手順を波長可変エタロンフィルタの設定波長を変化させながら順次行うため、被測定光の光スペクトラムを測定することができる。本願発明の光スペクトラム測定方法は、被測定光を波長可変エタロンフィルタ(12)に通過させた後に偏波回転光を波長可変エタロンフィルタ(12)に再度通過させるため、被測定光を波長可変エタロンフィルタ(12)に2回通過させることができる。ここで、偏波調整手順を有し、偏波回転光受光手順において波長可変エタロンフィルタ(12)に2回通過させた後の偏波回転光の偏波方向は被測定光と直交している。このため、偏波回転光のみを受光することができる。さらに、本願発明の光スペクトラム測定方法は、偏波調整手順を有するため、予め定められた偏波方向の光を波長可変エタロンフィルタ(12)に通過させることができる。このため、本願発明の光スペクトラム測定装置は、PDL性能を向上することができる。
【0015】
本願発明の光スペクトラム測定方法では、前記偏波調整手順において、前記被測定光を前記予め定められた偏波方向の光と前記偏波方向と直交する方向の光とに分離し、分離した前記偏波方向と直交する方向の光を前記予め定められた偏波方向の光に変換し、前記分離によって得られた前記予め定められた偏波方向の光か又は前記変換によって得られた前記予め定められた偏波方向の光のうちのいずれか一方を出力し、前記偏波回転光受光手順において、前記分離によって得られた前記予め定められた偏波方向の光を出力したときに受光した前記偏波回転光の光強度と、前記変換によって得られた前記予め定められた偏波方向の光を出力したときに受光した前記偏波回転光の光強度と、を加算した光強度を前記設定波長と関連付けて記憶してもよい。
【0016】
本願発明の光スペクトラム測定方法では、前記偏波調整手順において、前記被測定光を前記予め定められた偏波方向の光と前記偏波方向と直交する方向の光とに分離し、分離した前記偏波方向と直交する方向の光を前記予め定められた偏波方向の光に変換し、前記分離によって得られた前記予め定められた偏波方向の光と前記変換によって得られた前記予め定められた偏波方向の光とを合波してもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、波長可変エタロンフィルタに光を2回通す光スペクトラムアナライザにおいて、PDL性能を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施形態1に係る光スペクトラム測定装置の一例を示す。
【図2】偏波コントローラ15の第1形態例を示す。
【図3】偏波コントローラ15の第2形態例を示す。
【図4】偏波回転部13の第2の形態例を示す。
【図5】偏波回転部13の第3の形態例を示す。
【図6】特許文献1の光スペクトラムアナライザの構成を示す。
【図7】特許文献1の光スペクトラムアナライザにおける波形の一例を示し、(a)は被測定光L11を示し、(b)は被測定光L14を示し、(c)は通過光L16を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施の例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
【0020】
(実施形態1)
図1に、実施形態1に係る光スペクトラム測定装置の一例を示す。本実施形態に係る光スペクトラム測定装置は、光入力端子18と、偏波コントローラ15と、PBS11と、波長可変エタロンフィルタ12と、偏波回転部13と、受光器14と、演算部16と、制御部17と、を備える。
【0021】
本実施形態に係る光スペクトラム測定方法は、偏波調整手順と、偏波回転光受光手順と、を順に有する。偏波調整手順では、偏波コントローラ15に被測定光L1が入力され、偏波コントローラ15が予め定められた偏波方向の被測定光L2を通過させる。予め定められた偏波方向は、例えばP波又はS波である。以下、予め定められた偏波方向をP波、予め定められた偏波方向を90°回転させた偏波方向をS波として説明する。
【0022】
偏波回転光受光手順では、P波の被測定光L2を波長可変エタロンフィルタ12に通過させた後に、通過光L4の偏波方向を90°回転させた偏波回転光L5を波長可変エタロンフィルタ12に再度通過させ、通過後の偏波回転光L6を受光して偏波回転光L6の光強度を設定波長と関連付けて記憶する。以下、偏波回転光受光手順について具体的に説明する。
【0023】
PBS11は、P波を通過させ、S波を分離する。偏波コントローラ15からの被測定光L2はP波であるため、PBS11を通過して波長可変エタロンフィルタ12に入力される。波長可変エタロンフィルタ12は、PBS11を通過した被測定光L2から設定波長の光を抽出する。これによって、被測定光L1のうちのP波を波長可変エタロンフィルタ12に1回通過させる。
【0024】
偏波回転部13は、波長可変エタロンフィルタ12によって抽出された通過光L4の偏波方向を90°回転させ、当該回転後の光を偏波回転光L5として波長可変エタロンフィルタ12に入射させる。偏波回転部13は、例えば、ファラデーミラーである。偏波回転光L5はP波の偏波方向を90°回転させる。このため、偏波回転光L5はS波となる。波長可変エタロンフィルタ12は、偏波回転光L5から設定波長の光を抽出する。これによって、被測定光L1のうちのP波を波長可変エタロンフィルタ12に2回通過させる。
【0025】
波長可変エタロンフィルタ12からの偏波回転光L6はS波であるため、PBS11は、偏波回転光L6を分離する。受光器14は、PBS11の分離した偏波回転光L6を受光する。
【0026】
ここで、波長可変エタロンフィルタ12で反射された被測定光L2はP波であるため、受光器14には被測定光L2が入射されない。このため、本実施形態に係る光スペクトラム測定装置及び光スペクトラム測定方法は、偏波回転部13において変調することなく偏波回転光L6と被測定光L2を分離することができる。このため、構成が簡単になり、装置を小型化することができる。
【0027】
演算部16は、受光器14の受光した偏波回転光L6の光強度を設定波長と関連付けて記憶する。制御部17は、波長可変エタロンフィルタ12の抽出する設定波長を変更し、変更後の波長における偏波回転光L6の光強度を変更後の設定波長と関連付けて記憶していく。
【0028】
以上が偏波回転光受光手順である。上記の偏波調整手順及び偏波回転光受光手順を、波長可変エタロンフィルタ12の設定波長を変化させながら順次行うことで、光スペクトラムを測定することができる。
【0029】
波長可変エタロンフィルタ12に入力される被測定光L2及び偏波回転光L5は、それぞれ偏光方向がP波とS波というように予め定められている。このため、本実施形態に係る光スペクトラム測定装置及び光スペクトラム測定方法は、PDL性能を向上することができる。なお、本実施形態に係る光スペクトラム測定装置における各構成の光学配置については限定しないが、偏波状態を維持するため、各構成は偏波保持ファイバで接続されていることが好ましい。
【0030】
(実施形態2)
本実施形態では、偏波調整手順において、偏波コントローラ15の第1形態を用いる。図2に、偏波コントローラ15の第1形態例を示す。偏波コントローラ15の第1形態は、被測定光分離部としてのPBS21と、偏波方向変換部22と、光スイッチ23と、を備える。
【0031】
PBS21は、被測定光L1をP波の光とS波とに分離する。偏波方向変換部22は、S波の光をP波の光に変換する。光スイッチ23は、PBS21からのP波の光と偏波方向変換部22からのP波が入力され、これらのいずれかを被測定光L2として出力する。
【0032】
ここで、偏波方向変換部22は、90度移相器又はハーフミラーを用いることができる。また、PBS21と光スイッチ23を偏波保持ファイバで接続し、PBS21の接続部分と光スイッチ23の接続部分とが90度回転するように接続してもよい。
【0033】
本実施形態では、光スイッチ23の切り替え前後の偏波回転光L6を受光する。例えば、まず、光スイッチ23にPBS21からのP波の光を出力させ、このときの偏波回転光L6を受光器14が受光する。そして、演算部16が偏波回転光L6の光強度を設定波長と関連付けて記憶する。この後、光スイッチ23の出力ポートを切り替え、光スイッチ23に偏波方向変換部22からのP波の光を出力させ、このときの偏波回転光L6を受光器14が受光する。そして、演算部16が偏波回転光L6の光強度を設定波長と関連付けて記憶する。
【0034】
そして、演算部16は、PBS21によって分離されたP波を光スイッチ23から出力したときに受光器14が受光した偏波回転光L6の光強度と、偏波方向変換部22によって変換されたP波の光を光スイッチ23から出力したときに受光器14が受光した偏波回転光L6の光強度と、を加算した光強度を設定波長と関連付けて記憶する。これにより、演算部16は、被測定光L1のP波の光強度と被測定光L1のS波の光強度とが加算された光スペクトラムを求めることができる。
【0035】
(実施形態3)
本実施形態では、偏波調整手順において、偏波コントローラ15の第2形態を用いる。図3に、偏波コントローラ15の第2形態例を示す。偏波コントローラ15の第2形態は、前述の実施形態2で説明した光スイッチ23に代えて光カプラ24を備える。光カプラ24は、PBS21からのP波の光と偏波方向変換部22からのP波の光が入力され、これらを合波して被測定光L2として出力する。
【0036】
本実施形態では、光カプラ24が被測定光L1のP波とS波を合波した光を被測定光L2としてPBS11に入力することができる。これにより、受光器14は、被測定光L1のP波の光強度と被測定光L1のS波の光強度とが加算された光強度を有する偏波回転光L6を受光することができる。
【0037】
(実施形態4)
実施形態1では、偏波回転部13の第1形態としてファラデーミラーを例示した。実施形態では、偏波回転部13の他の形態例について説明する。
【0038】
図4に、偏波回転部13の第2の形態例を示す。偏波回転部13の第2の形態は、45度移相器34とミラー32と、を備える。通過光L4を45度移相器34に通過させた後にミラー32に入射させ、ミラー32によって反射された通過光L4を再度45度移相器34に通過させる。これにより、通過光L4の位相を90度回転させる。
【0039】
偏波回転部13の第2の形態例では、ミラー32に入射時と反射時の両時において45度移相器34を通過させるため、ミラー32への入出力の光路を共通化することができる。
【0040】
図5に、偏波回転部13の第3の形態例を示す。偏波回転部13の第3の形態は、サーキュレータ31と90度移相器33とを偏波保持の光導波路で接続した構成となっている。偏波保持の光導波路は、例えば偏波保持ファイバである。本構成を採用することで、ミラー32を省略することができる。さらに、偏波保持の光導波路に偏波保持ファイバを用い、偏波保持ファイバの接続角度を90度回転させれば、90度移相器33を省略することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は情報通信産業に適用することができる。
【符号の説明】
【0042】
11:PBS
12:波長可変エタロンフィルタ
13:偏波回転部
14:受光器
15:偏波コントローラ
16:演算部
17:制御部
18:光入力端子
21:PBS
22:偏波方向変換部
23:光スイッチ
24:光カプラ
31:サーキュレータ
32:ミラー
33:90度移相器
34:45度移相器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された被測定光を予め定められた偏波方向にする偏波コントローラ(15)と、
前記偏波コントローラからの前記被測定光を通過し、前記偏波方向と直交する方向の光を分離するPBS(11)と、
前記PBSを通過した前記被測定光から設定波長の光を抽出するとともに、抽出後の光の偏波方向が90°回転された偏波回転光から前記設定波長の光を抽出する波長可変エタロンフィルタ(12)と、
前記波長可変エタロンフィルタによって抽出された前記被測定光の偏波方向を90°回転させ、当該回転後の光を前記偏波回転光として前記波長可変エタロンフィルタに入射させる偏波回転部(13)と、
前記波長可変エタロンフィルタによって抽出されかつ前記PBSで分離された前記偏波回転光を受光する受光器(14)と、
前記受光器の受光した前記偏波回転光の光強度を前記設定波長と関連付けて記憶する演算部(16)と、
前記波長可変エタロンフィルタの抽出する前記波長を変化させる制御部(17)と、
を備える光スペクトラム測定装置。
【請求項2】
前記偏波コントローラは、
前記被測定光を前記予め定められた偏波方向の光と前記偏波方向と直交する方向の光とに分離する被測定光分離部(21)と、
前記被測定光分離部の分離した前記偏波方向と直交する方向の光を前記予め定められた偏波方向の光に変換する偏波方向変換部(22)と、
前記被測定光分離部によって分離された前記予め定められた偏波方向の光又は前記偏波方向変換部によって変換された前記予め定められた偏波方向の光を、前記PBSに出力する光スイッチ(23)と、を備え、
前記演算部は、前記被測定光分離部によって分離された前記予め定められた偏波方向の光を前記光スイッチから出力したときに前記受光器が受光した前記偏波回転光の光強度と、前記偏波方向変換部によって変換された前記予め定められた偏波方向の光を前記光スイッチから出力したときに前記受光器が受光した前記偏波回転光の光強度と、を加算した光強度を前記設定波長と関連付けて記憶する
ことを特徴とする請求項1に記載の光スペクトラム測定装置。
【請求項3】
前記偏波コントローラは、
前記被測定光を前記予め定められた偏波方向の光と前記偏波方向と直交する方向の光とに分離する被測定光分離部(21)と、
前記被測定光分離部の分離した前記偏波方向と直交する方向の光を前記予め定められた偏波方向の光に変換する偏波方向変換部(22)と、
前記被測定光分離部によって分離された前記予め定められた偏波方向の光と前記偏波方向変換部によって変換された前記予め定められた偏波方向の光とを合波して、前記PBSに出力する光カプラ(24)と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の光スペクトラム測定装置。
【請求項4】
被測定光から設定波長の光を抽出する波長可変エタロンフィルタ(12)を用いた光スペクトラム測定方法において、
入力された被測定光を予め定められた偏波方向にする偏波調整手順と、
予め定められた偏波方向の被測定光を前記波長可変エタロンフィルタに通過させた後に、通過光の偏波方向を90°回転させた偏波回転光を前記波長可変エタロンフィルタに再度通過させ、前記波長可変エタロンフィルタに再度通過させた前記偏波回転光を受光して前記偏波回転光の光強度を前記設定波長と関連付けて記憶する偏波回転光受光手順と、
を順に有し、
前記波長可変エタロンフィルタの前記設定波長を変化させながら前記偏波調整手順及び前記偏波回転光受光手順を順次行う光スペクトラム測定方法。
【請求項5】
前記偏波調整手順において、前記被測定光を前記予め定められた偏波方向の光と前記偏波方向と直交する方向の光とに分離し、分離した前記偏波方向と直交する方向の光を前記予め定められた偏波方向の光に変換し、前記分離によって得られた前記予め定められた偏波方向の光か又は前記変換によって得られた前記予め定められた偏波方向の光のうちのいずれか一方を出力し、
前記偏波回転光受光手順において、前記分離によって得られた前記予め定められた偏波方向の光を出力したときに受光した前記偏波回転光の光強度と、前記変換によって得られた前記予め定められた偏波方向の光を出力したときに受光した前記偏波回転光の光強度と、を加算した光強度を前記設定波長と関連付けて記憶する、
ことを特徴とする請求項4に記載の光スペクトラム測定方法。
【請求項6】
前記偏波調整手順において、前記被測定光を前記予め定められた偏波方向の光と前記偏波方向と直交する方向の光とに分離し、分離した前記偏波方向と直交する方向の光を前記予め定められた偏波方向の光に変換し、前記分離によって得られた前記予め定められた偏波方向の光と前記変換によって得られた前記予め定められた偏波方向の光とを合波する、
ことを特徴とする請求項4に記載の光スペクトラム測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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