説明

光センサーアレイ、光センサーアレイデバイス、撮像装置、及び光センサーアレイの検出方法

【課題】本発明は、改善された性能、たとえば、改善された応答時間、改善された混合問題、改善されたダイナミックレンジ、改善された低光量の光学像の検出能力、改善された信号対雑音比のうちの少なくとも1つを有する2次元光センサーアレイを実現するために成される。
【解決手段】これらの目的を果たすために、新規の検出方法を用いる光センサーアレイが提案されている。アレイ内の各光センサーを検出するために、選択されたグループの複数接続手段の一つが選択され、第1電位から第2電位に駆動される一方、選択されたグループの複数接続手段の残りは第1電位に維持されており、その後、選択されていないグループの複数接続手段の各々一つを第3電位から第4電位に、その後、第4電位から第3電位に逐次駆動することによって、選択されたグループの複数接続手段の選択された一つを通して、おおよそ第2電位において、選択されたグループの複数接続手段の選択された一つに接続されている光センサーからの光電電流が逐次検出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学像を、電流若しくは電圧又はデジタルデータを含む電気情報に変換する光センサーアレイに関し、特に、性能が改善された光センサーアレイに関する。本発明は更に、本発明の光センサーアレイに適用することができる駆動又は検出方法及び当該方法のための回路に関し、更に、光センサーアレイ及びその周辺回路による光アレイデバイス、及び光アレイデバイス及び結像手段を用いる撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1(非特許文献1の図5)に示されるようなフォトトランジスタの従来の2次元アレイでは、フォトトランジスタのエミッタがワード線に接続され、フォトトランジスタのコレクタが列線に接続されており、ワード線を駆動してフォトトランジスタが選択され、選択されたフォトトランジスタ(1つのセンサー素子)からの信号が、各列線に接続されている負荷抵抗の両端における電圧変化として読み出される。この光センサーアレイでは、コレクタ時定数に起因する信号遅延が著しい。コレクタ時定数は、負荷抵抗と、ミラー効果によるコレクタ−ベース間容量との積、並びに負荷抵抗とコレクタ−基板及びコレクタ−分離領域容量との積を含む。コレクタ−ベース間容量の効果は、フォトトランジスタの電圧増幅率が掛け算され、この現象はミラー効果として既知である。更に、コレクタ−基板及びコレクタ−分離領域接合部におけるリーク電流がコレクタ−ベースリーク電流に加わり、これにより、フォトトランジスタの暗電流が等価的に増加する。
【0003】
更に、1つの列に同時に接続されているフォトトランジスタのコレクタは、その列に取り付けられる負荷抵抗における共通の出力電圧変動を受ける。これは、各フォトトランジスタに記憶されている電気的なデータを混合し、結果として、アレイのダイナミックレンジ又は読み出される電気画像のコントラストを低減する。更に、光学像の光量が小さくなると、結果としてフォトトランジスタから出力される電流が小さくなり、適度な電圧出力を得るには、負荷抵抗の抵抗値を大きくする必要がある。その際、出力電圧の時間応答は遅くなり、各フォトトランジスタの選択をする際に生ずるスイッチング雑音が出力信号に重畳する。
【0004】
こうして、光学像の光量が小さくなるほど、適度な時間内で、かつ適度な雑音で光学像を取り込むのが難しくなる。
【0005】
一方、図2(特許文献1の図5)に示されるような1次元フォトトランジスタアレイが開示されている。上記の引用文献1とは異なり、コレクタ駆動・エミッタ検出方法が採用されている。こうして、上述されたコレクタ容量による遅延は避けられるが、更に高い応答、又は更に小さなスイッチング雑音を得るための2次元アレイを選択するいかなる方法も教示されない。更に、コレクタが選択されていないとき、それらのコレクタは電気的に浮遊状態のままである。引用文献2の隣り合う1次元アレイのコレクタの一つを互いに接続することによって、複数の1次元フォトトランジスタアレイから1つの2次元アレイがレイアウトされる場合であっても、接続されたコレクタが選択されていないときに、それらのコレクタは電気的に浮遊状態のままになり、検出される光強度の関数である、コレクタ−ベース接合部に蓄積される電荷は、コレクタで接続されているフォトトランジスタ間の接続を通して混合されるであろう。したがって、広いダイナミックレンジを有する2次元光学像は得られないであろう。引用文献2では、2次元アレイのためのいかなる検出方法も開示されず、参照電位と、エミッタが接続されている線との間に、引用文献1のような負荷抵抗が接続されている場合には、適度な電圧出力で、より暗い光学像を読み取るのに、結果として高い抵抗値が採用されることになり、それにより、応答が遅くなり、信号対雑音比が劣化するであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭60−198959号公報(イメージセンサ)
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】J. S. Brugler他著「Integrated Electronics for a Reading Aid for the Blind」(IEEE Journal of Solid-State Circuits, Vol. SC-4, No.6, p. 304-312, December, 1969)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、2次元光センサーアレイにおいて、応答時間(検出速度)若しくは混合問題を改善すること、又はより低い光量の光学像を(より高感度で)検出する能力若しくは信号対雑音比を改善することである。本発明の別の目的は、改善された性能、たとえば、改善された応答時間、改善された混合問題、改善されたダイナミックレンジ、改善された低光量の光学像の検出能力、及び改善された信号対雑音比のうちの少なくとも1つを有する2次元光センサーアレイを実現することである。本発明の更に別の目的は、光センサーアレイ及びその周辺回路によって改善された光センサーアレイデバイスを提供すること、並びに、光センサーアレイデバイス及び結像手段を用いる改善された撮像装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決すると共に、以下の目的を果たすために、本発明において以下の原理及び解決策が提供される。
【0010】
上記の目的の一つを果たすために、本発明の解決策の一つとして、以下のような、1つの検出方法を用いる光センサーアレイが提供される。光センサーアレイが、第1グループ複数接続手段と、第2グループ複数接続手段と、複数の光センサーとを備え、光センサーは各々第1方向及び第2方向に配置され、第1グループ複数接続手段と第2グループ複数接続手段とは互いに絶縁されかつ互いに交差し、第1グループ複数接続手段の一つ及び第2グループ複数接続手段の一つに接続され、第1グループ複数接続手段の選択された一つと、第2グループ複数接続手段の選択された一つとの交差位置において、複数の光センサーから1つの光センサーが選択され、
1つのグループの複数接続手段が第1グループ複数接続手段及び第2グループ複数接続手段から選択され、選択されたグループの複数接続手段の一つが更に選択され、第1電位から第2電位に駆動され、一方、選択されたグループの複数接続手段の残りは第1電位に維持され、選択されていないグループの複数接続手段を各々一つを第3電位から第4電位に駆動して後第4電位から第3電位に逐次駆動する一方、選択されていないグループの複数接続手段の残りを第3電位に維持することによって、選択されたグループの複数接続手段の選択された一つに接続されている光センサーからの光電電流が、選択されたグループの複数接続手段の選択された一つを通して、おおよそ第2電位において逐次検出される。
【0011】
本発明において、用語「光電電流」は、光センサー上に照射される光の強度を反映する電流として用いられる。光電電流は、光センサーにおいて生成される通常の光電流、或る時間期間中に光電流を蓄積することによって光センサー内に蓄積される電荷を放電することによって得られる放電電流、又は放電電流または光電流を増幅した電流とすることができる。
【0012】
選択されていないグループの複数接続手段の一つを通して光センサーに供給される第4電位と、選択されたグループの複数接続手段の選択された一つを通して光センサーに供給される第2電位との組み合わせによって、光センサーからの光電電流が読み出せるようになる。選択されていないグループの複数接続手段の一つを通して光センサーに供給される第3電位と、選択されたグループの複数接続手段の一つを通して光センサーに供給される第1電位との組み合わせによって、リーク電流以外の、光センサーからの光電電流を読み出せないようにする。
【0013】
選択されていないグループの複数接続手段の一つを通して光センサーに供給される第4電位と、選択されたグループの複数接続手段の一つを通して光センサーに供給される第1電位との組み合わせによって、それらの電位差によっては、光センサーからのリーク電流、又は光センサーからの光電電流の全体ではなく、一部が読み出せるようになる。
【0014】
第1、第2、第3及び第4電位の間の相対的な極性、及びその間の値の差は、光センサーのタイプ又は構造による。それらの実施形態は後に記述される。
【0015】
本発明の光センサーアレイのための光センサーとして、
その一方において光電変換が行なわれる一対のバック・ツー・バックダイオード、
フォトトランジスタ、
光電変換効果を有し、ダイオード又は付加的な電界効果トランジスタのような選択素子を有する電界効果トランジスタ、
選択素子を有する光伝導体、
後に記述される、新提案のセンサー等、
を用いることができる。
【0016】
上記の目的の一つを果たすために、本発明の解決策のうちの他の1つの解決策として、像の光量が低い場合であっても、時間応答を短縮し、信号対雑音比を改善するために、後に記述する、高利得の光センサーを用いる2次元光センサーアレイが提供される。そして、この高利得光センサーは、広いダイナミックレンジを実現するために、2次元光センサーアレイの素子としても用いられる。
【0017】
上記の目的の一つを果たすために、本発明の解決策のうちの他の1つの解決策として、以下に特徴付けられる検出方法又は駆動方法が、以下のように提供される。
【0018】
複数の光センサーと、第1グループ複数接続手段及び第2グループ複数接続手段を備え、第1グループ複数接続手段と第2グループ複数接続手段とは互いに絶縁されかつ互いに交差した光センサーアレイにおいて、
第1グループ複数接続手段の選択された一つと、第2グループ複数接続手段の選択された一つとの交差位置によって、複数の光センサーから1つの光センサーが選択され、
第1グループ複数接続手段及び第2グループ複数接続手段から、1つのグループの複数接続手段を選択し、
選択されたグループの複数接続手段から、1つの接続手段を更に選択し、
選択されたグループの接続手段の選択された一つを第1電位から第2電位に駆動する一方で、選択されたグループの複数接続手段の残りは第1電位に維持され、
選択されていないグループの複数接続手段の各々一つを第3電位から第4電位に駆動して後第4電位から第3電位に逐次駆動する一方、選択されていないグループの複数接続手段の残りを第3電位に維持することによって、選択されたグループの複数接続手段の選択された一つを通して、おおよそ第2電位において、選択されたグループの複数接続手段の選択された一つに接続されている光センサーからの光電電流を逐次検出する。第1、第2、第3及び第4電位の間の関係は前述のように特徴付けられている。
【0019】
本発明の駆動又は検出方法では、選択されたグループの複数接続手段及び選択されていないグループの複数接続手段のうちの選択されていない接続手段が各々の電位に維持され、浮遊状態にはされず、選択されたグループの複数接続手段の選択された一つの電位を、大きな電圧の変化を生じることなく、おおよそ第2電位に維持して、選択された光センサーからの光電電流が検出される。列の電圧が大きく変化することは、従来技術における問題の一つであった。
【0020】
上記の駆動又は検出方法は、以下のような第1駆動手段によって具現される。
第1駆動手段であって、選択されたグループの複数接続手段の一つを第1電位から第2電位に駆動し、そして、第2電位から第1電位に駆動する一方、選択されたグループの複数接続手段の当該一つ以外の接続手段の電位は第1電位に維持し、
選択されたグループの複数接続手段の一つを第1電位から第2電位に駆動した後、第1駆動手段は選択された複数の光センサーからの光電電流が検出されている間は電気的に高インピーダンスである、第1駆動手段。
【0021】
上記の検出方法は更に、以下のような電流検出手段によって具現される。
電流検出手段であって、非反転入力及び反転入力を有し、
非反転入力は第2電位に接続され、反転入力は選択されたグループの複数接続手段の選択された接続手段にスイッチされ、選択された光センサーからの光電電流は、第1駆動手段が電気的に高インピーダンスである間に検出される、電流検出手段。電流検出手段が差動増幅器からなるときに、反転入力における電位は、電流検出手段のフィードバック効果によって、おおよそ第2電位に維持される。
【0022】
上記の検出方法は更に、以下のような第2駆動手段によって具現される。
第2駆動手段であって、上記の電流検出手段が選択された光センサーからの光電電流を検出する間に、選択されていないグループの複数接続手段の各々一つを第3電位から第4電位に、そして第4電位から第3電位に逐次駆動する一方、選択されていないグループの複数接続手段の残りを第3電位に維持する、第2駆動手段。
【0023】
上記の一般的な光センサーアレイを更に具現するための構造の一つとして、本発明において以下の第1構造が提供される。
【0024】
各々第1厚さと第1表面を持ち、第1方向と第2方向に配置され、かつ、各々が少なくとも第1方向において離間している第1導電形の第1半導体領域と、
第1方向と第2方向とは互いに交差しており、
各々第2厚さと第2表面を持ち、各々の第1半導体領域と接し、かつ、互いに離間して設けられている逆導電形の第2半導体領域と、
各々第3厚さと第3表面を持ち、各々の第2半導体領域と接して設けられている第1導電形の第3半導体領域とから構成され、
第3半導体領域は第1方向と第2方向に配置されており、
第1半導体領域とも、第2半導体領域とも絶縁されており、かつ、第1方向に配置された第3半導体領域とは各々接続されており、更に、互いに絶縁されている第1グループ複数接続手段と、
第2半導体領域とも、第3半導体領域とも絶縁されており、かつ、第2方向に配置された第1半導体領域とは各々接続されており、かつ、互いに絶縁されておりかつ第1グループ複数接続手段とも絶縁されている第2グループ複数接続手段と、
から構成される光センサーアレイであって、第1半導体領域、第2半導体領域及び第3半導体領域を有する光センサーが、第1グループ複数接続手段の選択された一つと第2グループ複数接続手段の選択された一つとの交差位置で選択される光センサーアレイ。
【0025】
選択された光センサーから光電電流を効率的に読み出すために好ましい、第1電位と第3電位との間の関係、及び第2電位と第4電位との間の関係からなる1番目の関係が以下のように特徴付けられる。
【0026】
第2電位に対して第4電位は第2半導体領域を第3半導体領域に対して順バイアスとする極性である。また、第1電位に対して第3電位は第3半導体領域から第2半導体領域に対して逆バイアス又はゼロバイアスとする極性である。
【0027】
選択された光センサーから光電電流を効率的に読み出すために好ましい、第1電位と第3電位との間の関係、及び第2電位と第4電位との間の関係からなる2番目の関係が以下のように特徴付けられる。
【0028】
第2電位に対して第4電位は第2半導体領域を第1半導体領域に対して順バイアスとする極性である。また、第1電位に対して第3電位は第1半導体領域を第2半導体領域に対して逆バイアス又はゼロバイアスとする極性である。
【0029】
本発明では、「〜と接している」という言い回しは、「中にある(in)」又は「上にある(on)」ことを含む包括的な言い回しとして用いられる。たとえば、「第1導電形の第3半導体領域が第2半導体領域の各々と接して配置される」は、第1導電形の第3半導体領域が、第2半導体領域の各々の上に、又は第2半導体領域の各々の中に配置されることを意味する。
【0030】
本発明の上記の第1構造及び他の構造において、以下の第1変更によって、第2接続手段のうちの少なくとも一部、より特定的には、全てをなくすことができる。
【0031】
第2方向において配置される第1半導体領域が第2方向において互いに接し、相互接続することにより、第2接続手段の一つの少なくとも一部として機能する。
【0032】
上記の第1構造では、入射光が、主に第1半導体領域及び第2半導体領域において電流に変換される場合に、第2半導体領域及び第3半導体領域が光センサー内の選択ダイオード又はデカップリングダイオードを形成する。第3及び第2領域の接合部付近において、第3領域の不純物濃度が第2領域の不純物濃度よりも高いとき、コレクタとして第1半導体領域、ベースとして第2半導体領域、及びエミッタとして第3半導体領域を用いるバイポーラトランジスタ動作が得られる。
【0033】
上記の第1構造では、入射光が、主に第3半導体利領域及び第2半導体領域において電流に変換される場合に、第2半導体領域及び第1半導体領域が光センサー内の選択ダイオード又はデカップリングダイオードを形成する。第1及び第2領域の接合部付近において、第1領域の不純物濃度が第2領域の不純物濃度よりも高いとき、コレクタとして第3半導体領域、ベースとして第2半導体領域、及びエミッタとして第1半導体領域を用いるバイポーラトランジスタ動作が得られる。この事例の一例の詳細を「実施形態11」において記述する。
【0034】
高利得光センサーとして後に記述される構造も、上述の一般的な光センサーアレイを更に具現するための構造として用いることができる。
【0035】
第1構造において高利得光センサーを得るために、第2及び第3半導体領域の接合部付近において、第2半導体領域の不純物濃度に対する第3半導体領域の不純物濃度の比が1000よりも大きくされる。しかしながら、通常の技術によって、アレイ内の全ての光センサーにわたって均一にこの高い比を実現するのは難しく、半導体ウェーハ全体で実現することは更に難しい。
【0036】
上記の目的の一つを果たすために、この困難を解決すると共に、更に高い利得又は広いダイナミックレンジを得ることによる本発明の解決策の一つとして、以下の第2構造が提供される。
【0037】
光センサーアレイであって、
各々第1厚さと第1表面を持ち、第1方向と第2方向に配置され、かつ、各々が少なくとも前記第1方向において離間している第1導電形の第1半導体領域と、
各々第2厚さと第2表面を持ち、各々の第1半導体領域と接して設けられ、かつ、互いに離間して配置されている逆導電形の第2半導体領域と、
各々第3厚さと第3表面を持ち、各々の前記第2半導体領域と接して設けられている第1導電形の第3半導体領域と、
各々前記第2半導体領域とは近いが離間して配置され、かつ、各々の前記第2半導体領域と接した第3半導体領域と接続され、更に、各々前記第1半導体領域と接して設けられた逆導電形の第4半導体領域と、
各々の前記第4半導体領域と接して設けられた第1導電形の第5半導体領域と、
前記第4半導体領域と前記第5半導体領域は前記第1方向と前記第2方向に配置されており、
各々絶縁され、かつ、第1半導体領域、第2半導体領域、第3半導体領域及び第4半導体領域とも絶縁され、更に、前記複数の第3半導体領域の代わりに第1方向に配置された前記第5半導体領域と各々接続している第1グループ複数接続手段と、
各々が絶縁され、前記第1グループ複数接続手段と絶縁され、そして、第2半導体領域、第3半導体領域、第4半導体領域及び第5半導体領域と絶縁され、そして、各々が第2方向に配置された前記第1半導体領域と接続している第2グループ複数接続手段とを備え、
第1グループ複数接続手段の一つと第2グループ複数接続手段の一つの交差位置において、第1、第2、第3、第4及び第5半導体領域を含む1つの光センサーが選択される、光センサーアレイ。
【0038】
第2構造を採用することによって、第1構造よりも感度が高く、ダイナミックレンジが広い光センサーアレイが得られる。第2半導体領域及び第3半導体領域によって形成される第1選択ダイオード又はデカップリングダイオード、第4半導体領域及び第5半導体領域によって形成される第2選択又はデカップリングダイオードが光センサー素子において直列に接続され、それゆえ、第1選択又はデカップリングダイオードのブレークダウン電圧によって制限されるダイナミックレンジを2倍にすることができる。第4及び第5領域の接合部付近において、第5領域の不純物濃度が第4領域の不純物濃度よりも高いとき、コレクタとして第1半導体領域、ベースとして第4半導体領域、及びエミッタとして第5半導体領域を用いるバイポーラトランジスタ動作が得られ、光センサーからの光電電流が更に増幅され、第1グループ接続手段に、増幅された光電電流が供給される。
【0039】
第2グループ複数接続手段の一部又は全部をなくすために、第2構造を以下のように変更することができる。
【0040】
第2方向に配置された第1半導体領域が第2方向において各々接して第2接続手段の一つの少なくとも一部の代わりに相互接続する。
【0041】
上記の目的の一つを果たすために、更に高い利得又は広いダイナミックレンジによる本発明の解決策の一つとして、以下の第3構造が提供される。
【0042】
第2構造による光センサーアレイであって、更に、
第2及び第4半導体領域の各々とは近いが離間して各々配置され、かつ、第4半導体領域の各々と接して設けられた第5半導体領域と各々接続され、更に、第1半導体領域の各々と各々接して設けられた逆導電形の第6半導体領域と、
各々の第6半導体領域と各々接して設けられた第1導電形の第7半導体領域とから構成され、
第6半導体領域と第7半導体領域が第1方向と第2方向に配置され、
第1グループ複数接続手段は、各々絶縁され、かつ、第1、第2、第3、第4、第5と第6半導体領域とも絶縁され、更に、第5半導体領域の代わりに第1方向に配置された第7半導体領域と各々接続している、光センサーアレイ。
【0043】
第1グループ複数接続手段の一つと第2グループ複数接続手段の一つの交差位置において、第1、第2、第3、第4、第5、第6及び第7半導体領域を含む1つの光センサーが選択される。
【0044】
第3構造を採用することによって、第2構造よりも感度が高く、ダイナミックレンジが広い光センサーアレイが得られる。第2半導体領域及び第3半導体領域によって形成される第1選択ダイオード又はデカップリングダイオード、並びに第4半導体領域及び第5半導体領域によって形成される第2選択又はデカップリングダイオードに加えて、第6半導体領域及び第7半導体領域によって形成される第3選択又はデカップリングダイオードが光センサーにおいて直列に接続され、それゆえ、第1選択又はデカップリングダイオードのブレークダウン電圧によって制限されるダイナミックレンジを第1構造の3倍にすることができる。第6及び第7領域の接合部付近において、第7領域の不純物濃度が第6領域の不純物濃度よりも高いとき、コレクタとして第1半導体領域、ベースとして第6半導体領域、及びエミッタとして第7半導体領域を用いるバイポーラトランジスタ動作が得られ、光センサーからの光電電流が更に増幅され、第1グループ接続手段に、増幅された光電電流が供給される。
【0045】
上記の目的の一つを果たすために、更に高い利得又は広いダイナミックレンジによる本発明の解決策の一つとして、以下の第4構造が提供される。
【0046】
第3構造による光センサーアレイであって、更に、
前記第2、第4と第6半導体領域の各々とは離間して各々配置され、かつ、前記第6半導体領域の前記各々と接して設けられた各々の第7半導体領域と各々接続され、更に、前記第1半導体領域と各々接して設けられた逆導電形の第8半導体領域と、
各々の前記第8半導体領域と各々接して設けられた第1導電形の第9半導体領域とから構成され、
前記第8半導体領域と前記第9半導体領域が前記第1方向と前記第2方向に配置され、
前記第1グループ複数接続手段は、各々絶縁され、かつ、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7と第8半導体領域とも絶縁され、更に、前記第7半導体領域の代わりに第1方向に配置された複数の第9半導体領域と各々接続している、光センサーアレイ。
【0047】
第4構造を採用することによって、第3構造よりも感度が高く、ダイナミックレンジが広い光センサーアレイが得られる。第2半導体領域及び第3半導体領域によって形成される第1選択ダイオード又はデカップリングダイオード、第4半導体領域及び第5半導体領域によって形成される第2選択又はデカップリングダイオード、並びに第6半導体領域及び第7半導体領域によって形成される第3選択又はデカップリングダイオードに加えて、第8半導体領域及び第9半導体領域によって形成される第4選択又はデカップリングダイオードが光センサー素子のために直列に接続され、それゆえ、第1選択又はデカップリングダイオードのブレークダウン電圧によって制限されるダイナミックレンジを第1構造の4倍にすることができる。第8及び第9領域の接合部付近において、第9領域の不純物濃度が第8領域の不純物濃度よりも高いとき、コレクタとして第1半導体領域、ベースとして第8半導体領域、及びエミッタとして第9半導体領域を用いるバイポーラトランジスタ動作が得られ、光センサー素子からの光電電流が更に増幅され、第1グループ複数接続手段に、増幅された光電電流が供給される。
【0048】
更に一般的な表現によって、第3、第4、...、第(n/2)構造を以下のように説明することができる。
【0049】
第2構造による光センサーアレイであって、更に、
一対又は複数対の半導体領域とから構成され、
一対又は複数対の半導体領域は、
第2及び第4半導体領域の各々と離間して配置され、第1半導体領域の各々と接して設けられた逆導電形の第6から第n半導体領域、及び、第6から第n半導体領域とそれぞれ接して設けられた第1導電形の第7から第(n+1)半導体領域と、
「n」は6以上の偶数を示し、対の数はnが6に等しい時に1、nが8に等しい時に2、nが10に等しい時に3、nが12に等しい時に4となり、
第3半導体領域は第4半導体領域に代わって第6半導体領域と接続され、
第4半導体領域は第3半導体領域に代わって第(n+1)半導体領域と接続され、
半導体領域の複数対の一対からなる奇数番目の半導体領域は半導体領域の複数対の他の一対からなる偶数番目の半導体領域と各々接続されている、光センサーアレイ。
【0050】
上述の光センサーアレイにおいて、第1半導体領域を第2グループ複数接続手段の少なくとも一部として使用するために、以下の変更を行うことができる。
【0051】
第2方向に配置された第1半導体領域が第2方向において各々接し、かつ、第2グループ複数接続手段の一つの少なくとも一部の代わりに各々が接続する光センサーアレイ。
【0052】
綿密で、適切な工程設計が行われない場合には、上記の増幅率は、1つの光センサーアレイ内の全ての光センサーにわたって必ずしも均一にはならない。本発明では、光センサーアレイ内の各光センサーから検出される光電電流の不均一性を以下によって校正することができる。
【0053】
光センサーアレイデバイスであって、
光センサーアレイと、
光センサーアレイ内の各々光センサーを駆動し、各々の光センサーからの各電気情報を検出する周辺回路と、
参照光像の下で、光センサーアレイ内の各々の光センサーからの各々の参照電気情報を記憶するメモリーブロックと、
各電気情報をメモリーに記憶される各々の参照電気情報で割り算して、各々の割り算された各値を出力する校正回路とを備え、
各々の割り算された値は、光センサーの校正された電気情報として各々用いられる、光センサーアレイデバイス。
【0054】
こうして、光センサーアレイの不均一性が重畳されることなく、より忠実度が高い画像情報を得ることができる。上記の各々の電気情報は、各々の光センサーからの各々の光電電流そのもの、又は各々の光電電流から変換される各々の電圧とすることができる。上記の参照電気情報は、各々の光センサーからの各参照光電電流そのものまたは、各々の参照光電電流から変換された参照電圧、でもよいが通常、各々の参照光電電流又は各参照電圧から変換された各々の参照デジタルデータとしてメモリーブロックに記憶される各々の参照電圧とすることができる。
【0055】
割り算は、各々の参照デジタルデータと、目標光学像下で光センサーからの各々の光電電流又は各電圧から変換された各々のデジタルデータとを用いて、校正回路の一部としてのデジタル演算ユニットによって処理されることができる。
【0056】
参照光像は、均一な光像、又は或るパターンを有する光像とすることができる。
暗電流補償は下記の光センサーアレイデバイスで実現することが出来る。
【0057】
光センサーアレイと、
光センサーアレイ内の各々の光センサーを駆動し、各々の光センサーからの各々の電気情報を検出する周辺回路と、
照明しない場合の光センサーアレイ内の各々の光センサーからの各々の暗電気情報を記憶するメモリーブロックと、
各電気情報からメモリーに記憶されている各暗電気情報を引き算し、引き算された各々の値を出力する校正回路とを備え、
各々の引き算された値は、光センサーアレイの補償された電気情報として各々用いられる。
【0058】
上記の2つの光センサーアレイデバイスを組み合わせることによって、利得の不均一性が校正され、かつ暗電流が補償されている電気画像出力を得ることができる。
【0059】
光センサーの非線形性は、参照光像の数を複数にし、複数組の参照デジタルデータをメモリーブロックに記憶し、各々の光センサーからの各デジタルデータを、各々の光センサーからの各々のデジタルデータに最も近い参照水準を有する各々の光センサーからの参照デジタルデータで割り算することによって校正することもでき、複数の参照光像は各々の光量水準を有し、割り算されたデータは更に、光量水準を掛け算される。
【0060】
メモリーブロック内のメモリー素子として不揮発性メモリー素子が用いられるとき、光センサーアレイデバイスを出荷する前の工場校正が可能である。
【0061】
第1電位から第2電位に駆動されるときに、選択されたグループの複数接続手段の選択された一つを通って過渡電流が流れ、その電流は、選択された光センサーから検出される光電電流に重畳するであろう。差動増幅器の入力にその電気情報を与え、差動増幅器の別の入力に選択された光センサーからの電気情報を与えることによって、過渡電流の影響を相殺することができる。過渡電流情報と混合された、選択された光センサーの電気情報は、第1電流検出手段の出力から得られ、その入力は、選択されたグループの複数接続手段の選択された一つに接続されている。過渡電流の電気情報は、その入力に過渡電流が結合された第2電流検出手段の出力から得ることができる。
【0062】
実際に相殺するために、ダミー接続手段であって、ダミー光センサーが接続されていると共に、選択されたグループの複数接続手段の選択された一つが駆動されるときに、同時に第1電位から第2電位に駆動される少なくとも1つのダミー接続手段が、第2電流検出手段の入力に電気的に接続されている。ダミー光センサーが、それを覆う遮断フィルムによって光源から遮断されるときに、上記の構成は暗電流を相殺するのにも有効である。
【0063】
更に、過渡電流の望ましくない影響を避けるための別の方法がある。たとえば、選択された光センサーからの電流検出が、選択されたグループの複数接続手段の選択された一つが第1電位から第2電位に駆動される時刻から、或る時間だけ遅延されて行われる。
【0064】
この過渡電流の減衰を更に迅速にするために、最初に、選択されたグループの複数接続手段の選択された一つが第2電位を有する低インピーダンス電位ノードにスイッチされ、次に、低インピーダンス電位ノードから切り離されるべきである。その後、その時間だけ遅らせて、選択された光センサーからの電流検出が、その非反転入力に第2電位が供給されている電流検出増幅器によって実行される。この時系列において、電流検出を開始するための時間遅延は、選択されたグループの複数接続手段の選択された一つの第1電位から第2電位への駆動と、選択されていないグループの複数接続手段の第3電位から第4電位への駆動との間に設定することができる。
【0065】
第1、第2、第3又は第4構造において、第1半導体領域を基板上に形成することができる。
【0066】
第1半導体領域は、少なくとも第1方向において、第21半導体領域によって互いに離間されていることができる。更に、第2半導体領域のうちの2つの間に第22領域を配置して、近接するピクセルにおいて、光で生成されるキャリアが混合するのを防ぐことができる。基板は、逆導電形の半導体からなることができる。更に、基板は、極性の制限をなくすために、又は第1半導体領域と基板との間の静電容量を減らすために、半絶縁性の半導体又は絶縁性材料とすることができる。第21領域は逆導電形の半導体とすることができ、更に、極性の制限をなくすために、又は第1半導体領域と第21領域との間の静電容量を減らすために、半絶縁性の半導体若しくは絶縁性材料又は空気間隙とすることができる。第22領域は逆導電形の半導体とすることができ、更に、極性の制限をなくすために、又は第1半導体領域と第22領域との間の静電容量を減らすために、半絶縁性の半導体若しくは絶縁性材料又は空気間隙とすることができる。
【発明の効果】
【0067】
本発明によれば、光センサーアレイ、デバイス又はそれによる装置において、以下の結果のうちの少なくとも1つが得られるであろう。
1.改善された応答時間(検出速度)
2.改善された混合問題
3.低光量の光学像を検出する改善された能力(より高い感度)
4.2次元光センサーアレイにおける改善された信号対雑音比
本発明によれば、改善された性能、たとえば、改善された応答時間、改善された混合問題、改善されたダイナミックレンジ、低光量の光学像を検出する改善された能力、及び改善された信号対雑音比のうちの少なくとも1つを有する2次元光センサーアレイが得られる。更に、光アレイ及びその周辺回路によって改善された光アレイデバイスが得られ、光アレイデバイス及び結像手段を用いる改善された撮像装置が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】従来技術であって、列フォトトランジスタのコレクタが接続されている列線に負荷抵抗器が取り付けられているフォトトランジスタの従来の2次元のアレイの回路図である。
【図2】従来技術であって、コレクタ駆動回路を備え、選択されていないコレクタが浮遊状態にある、フォトトランジスタの従来の1次元のアレイの回路図である。
【図3】本発明による、光センサーアレイデバイスを示す図である。
【図4】本発明による、メモリーブロックを備える光センサーアレイデバイスを示す図である。
【図5】本発明による、別の光センサーアレイデバイスを示す図である。
【図6a】本発明の第1構造の第1例を示す図であり、第1例の平面図である。
【図6b】本発明の第1構造の第1例を示す図であり、図6aの横断線3−3に沿った第1例の断面図である。
【図6c】本発明の第1構造の第1例を示す図であり、図6aの横断線4−4に沿った第1例の断面図である。
【図7a】第1駆動手段のためのFET(電界効果トランジスタ)回路の第1例の回路図である。
【図7b】第1駆動手段のためのFET(電界効果トランジスタ)回路の第2例の回路図である。
【図8】本発明の第2構造の一例を示す図である。
【図9】本発明の第3構造の一例を示す図である。
【図10】本発明の第4構造の一例を示す図である。
【図11a】本発明による第5構造の一例を製造するための工程ステップを示す図である。
【図11b】本発明による第5構造の一例を製造するための工程ステップを示す図である。
【図11c】本発明による第5構造の一例を製造するための工程ステップを示す図である。
【図11d】こうして得られた第5構造の断面を示し、図11fの線4−4に沿った第5構造の断面図である。
【図11e】こうして得られた第5構造の断面を示し、図11fの線3−3に沿った第5構造の断面図である。
【図11f】こうして得られた第5構造の平面図である。
【図12】本発明による撮像装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0069】
以下の好ましい実施形態及び例を通して、詳細な説明が与えられる。しかしながら、本発明は、以下に説明される内容には限定されない。
【0070】
[実施形態1](高感度、及び/又はより良好な信号対雑音比を有する光センサーアレイデバイス)
図3は、光センサーアレイ10と、第1駆動手段20−1、第2駆動手段20−2及び電流検出手段20−3を含む周辺回路20とを備える、本発明による光センサーアレイデバイスを示す。
【0071】
光センサーアレイ10は、第1方向と第2方向に配置される複数の光センサーと、第1グループ複数接続手段1000−1、1000−2、−−−、1000−k、−−−、1000−nと、第2グループ複数接続手段2000−1、2000−2、−−−、2000−j、−−−、2000−mとを備える。光センサーは各々、第1グループ複数接続手段の一つ、及び第2グループ複数接続手段の一つに接続され、第1グループ複数接続手段の選択された一つ1000−kと、第2グループ複数接続手段の選択された一つ2000-jとの交差位置において、複数の光センサーから光センサー10−j−kが選択される。図3は、選択されたグループの複数接続手段が第1グループ複数接続手段である事例を示す。その図では、符号1を有する矢印は、第1グループ複数接続手段が延在する第1方向を示しており、一方、符号2を有する矢印は、第2グループ複数接続手段が延在する第2方向を示す。第1方向及び第2方向は互いに交差する。
【0072】
光センサーアレイ内の各光センサーの電気情報は、以下の検出方法に従って検出される。
【0073】
1つのグループの複数接続手段が、第1グループ複数接続手段及び第2グループ複数接続手段から選択され(この実施形態では、第1グループ)、更に、選択されたグループ(この実施形態では、第1グループ)の複数接続手段から1つの接続手段が選択され、第1駆動手段20−1によって、第1電位から第2電位に駆動される一方、選択されたグループ(この実施形態では、第1グループ)の複数接続手段のうちの残りは第1電位に維持され、その後、第1駆動手段は、高インピーダンス出力状態に切り替わる。
【0074】
第2駆動手段によって、選択されていないグループ(この実施形態では、第2グループ)の複数接続手段の各々一つずつを第3電位から第4電位に駆動した後第4電位から第3電位に逐次駆動する一方、選択されていないグループ(この実施形態では、第2グループ)の複数接続手段の残りを第3電位に維持することによって、選択されたグループ(この実施形態では、第1グループ)の複数接続手段の選択された一つに接続されている光センサーからの光電電流が、選択されたグループ(この実施形態では、第1グループ)の複数接続手段の選択された一つを通して、おおよそ第2電位において、電流検出手段20−3によって逐次検出される。
【0075】
選択されていないグループの複数接続手段の一つを通して光センサーに供給される第4電位と、選択されたグループの複数接続手段の選択された一つを通して光センサーに供給される第2電位との組み合わせによって、光センサーからの光電電流が得られるようになる。選択されていないグループの複数接続手段の一つを通して光センサーに供給される第3電位と、選択されたグループの複数接続手段の選択された一つを通して光センサーに供給される第1電位との組み合わせによって、リーク電流以外の、光センサーからの光電電流が遮断される。
【0076】
こうして、目標光学像の下で、光センサーアレイ10内の各光センサーからの各電気情報(たとえば、電圧信号として)が、電流検出手段20−3の出力端子20−3−3から逐次得られる。
【0077】
電流検出の開始時に、電流検出手段20−3の入力端子の電位が、可能な限り第2電位に近い値に維持される。おおよそ第2電位において光センサーからの光電電流を検出することは、図3に示されるような、反転入力20−3−1及び非反転入力20−3−2のような差動入力を有する電流検出増幅器20−3によって実現することができる。非反転入力20−3−2に第2電位が供給され、一方、反転入力20−3−1は、選択されたグループの複数接続手段の選択された一つにスイッチされる。
【0078】
本発明では、赤(R)、緑(G)及び青(B)のようなカラーフィルタフィルムの組み合わせを、光センサー上に配置することができる。カラーフィルタが選択されたグループの複数接続手段に沿って配置されるとき、選択されていないグループの接続手段を逐次駆動することによって、光センサーアレイ上の画像のR、G、B情報を逐次読み出すことができる。
【0079】
[実施形態2](高忠実度及び/又は高感度及び/又はより良好な信号対雑音比を有する光センサーアレイデバイス)
高忠実度の画像情報が要求される用途の場合、図3に示されるアーキテクチャに加えて、アナログ−デジタルコンバータ23と、メモリーブロック30と、校正回路40とを更に含む光センサーアレイデバイスが提供される。図4に示されるように、電流検出手段の出力端子20−3−3が、アナログ−デジタルコンバータの入力端子23−0−1に接続され、アナログ−デジタルコンバータの出力端子23−0−3がメモリーブロックの入力端子30−0−1及び校正回路の入力端子40−0−2に接続されている。メモリーブロックの出力端子30−0−3が校正回路の入力端子40−0−1に接続されている。端子40−0−3は校正回路の出力端子である。
【0080】
最初に、実施形態1において述べられた上記の検出方法を用いて、参照光像の下で、光センサーアレイ10内の各光センサーからの各参照電気情報が検出される。検出された各参照電気情報は、アナログ−デジタルコンバータ23によって各参照デジタルデータに変換され、メモリーブロック30に記憶される。その後、上記の検出方法を用いて、目標光学像の下で、光センサーアレイ10内の各光センサーからの各電気情報が検出される。検出された各電気情報は、アナログ−デジタルコンバータによって各デジタルデータに変換され、校正回路40において、メモリーブロック30に記憶されている各参照デジタルデータで割り算される。校正回路は、各参照デジタルデータで割り算された各デジタルデータを、高忠実度の電気画像データのためのデータとして出力する。
【0081】
光センサーの非線形性は、参照光像の数を複数にし、こうして得られた複数組の参照デジタルデータをメモリーブロックに記憶し、各光センサーからの各デジタルデータを、目標光学像の下で、各光センサーからの各デジタルデータに最も近い参照水準を有する各光センサーからの参照デジタルデータで割り算することによって校正することができ、複数の参照光像は各光量水準を有し、割り算されたデータは更に、光量水準を掛け算される。
【0082】
上記のシステムを用いる各光センサーのいわゆる「暗電流」を補償するために、「暗」環境におけるアレイ10の各光センサーからの各「暗」電気情報が検出される。検出された各「暗」電気情報は、アナログ−デジタルコンバータによって各「暗」デジタルデータに変換され、メモリーブロック30に記憶される。こうして、上述の検出方法を用いて、目標光学像の下で、アレイ10内の各光センサーからの各電気情報が検出される。検出された各電気情報は、アナログ−デジタルコンバータによって各デジタルデータに変換され、校正回路40において、メモリーブロック30に記憶されている各「暗」デジタルデータだけ引き算される。校正回路は、各「暗」デジタルデータを引き算した各デジタルデータを、低光量画像及びより高い信号対雑音比のための高感度電気画像データとして出力する。
【0083】
メモリーブロック内のメモリー素子は、スタティックメモリー素子、又はダイナミックメモリー素子、又は不揮発性メモリー素子とすることができる。メモリーブロック内のメモリー素子として不揮発性メモリー素子が用いられるとき、光センサーアレイデバイスの出荷前に工場校正が可能である。
【0084】
[実施形態3]
図5は、光センサーアレイ10と、第1駆動手段20−1、第2駆動手段20−2、電流検出回路20−3、ダミー電流検出回路20−4及び差動増幅器20−5を含む周辺回路20とを備える、本発明による別の光センサーアレイデバイスを示す。
【0085】
光センサーアレイ10は、第1グループ複数接続手段1000−1、1000−2、−−−、1000−k、−−−、1000−nと、ダミー光センサー10−1−0、10−2−0、−−−、10−j−0、−−−、10−m−0が接続されている少なくとも1つのダミー接続手段1000−0と、第2グループ複数接続手段2000−1、2000−2、−−−、2000−j、−−−、2000−mと、第1グループ複数接続手段の選択された一つ1000−kと、第2グループ複数接続手段の選択された一つ1000−jとの交差位置によって選択される光センサー10−j−kとを備える。図4は、選択されたグループの複数接続手段が第1グループ複数接続手段である事例を示す。
【0086】
非常に低い光量の画像情報が要求されない用途の場合に、ダミー光センサーを有するダミー接続手段、ダミー電流検出手段及び差動増幅器は必ずしも必要とは限らない。
【0087】
光センサーアレイ内の各光センサーの電気情報は、以下の検出方法に従って検出される。1つのグループの複数接続手段が、第1グループ複数接続手段及び第2グループ複数接続手段から選択され(この実施形態では、第1グループ)、選択されたグループ(この実施形態では、第1グループ)の複数接続手段から1つの接続手段が更に選択され、第1駆動手段20−1によって第1電位から第2電位に駆動される一方、選択されたグループ(この実施形態では、第1グループ)の複数接続手段の残りが第1電位に維持され、その後、第1駆動手段が高インピーダンス出力状態にされるのに応じて、電気的に浮遊状態にされる。同時に、選択されたグループの複数接続手段に並列に配置されるダミー接続手段が、第1駆動手段20−1によって第1電位から第2電位に駆動され、その後、第1駆動手段が高インピーダンス出力状態にされるのに応じて、電気的に浮遊状態にされる。第2駆動手段によって、選択されていないグループの複数接続手段を第3電位から第4電位に駆動した後第4電位から第3電位に逐次駆動する一方、選択されていないグループ(この実施形態では、第2グループ)の複数接続手段の残りを第3電位に維持することによって、選択されたグループ(この実施形態では、第1グループ)の複数接続手段の選択された一つに接続されている光センサーからの光電電流が、選択されたグループ(この実施形態では、第1グループ)の複数接続手段の選択された一つを通しておおよそ第2電位において電流検出手段20−3によって逐次検出され、ダミー接続手段に接続されているダミー光センサーからのダミー電流が、ダミー接続手段を通しておおよそ第2電位においてダミー電流検出手段20−4によって逐次検出される。
【0088】
差動増幅器20−5の出力から各々の光センサーの補償済みの電気情報が得られ、差動増幅器の入力のうちの一方には、電流検出手段20−3からの電気情報が供給され、その入力のうちの他方には、ダミー電流検出手段20−4からの電気情報が供給される。補償済みの電気信号は、光センサーの暗電流を補償されており、かつ第1及び第2駆動手段による過渡雑音を補償される。
【0089】
ダミー光センサーに接続されている各々のダミー接続手段は、選択されたグループの複数接続手段の各々に近く設けることができ、選択されたグループの複数接続手段の各々に近く設けられる光センサー及びダミー接続手段によって、選択されたグループの複数接続手段の各々の中の暗電流及び過渡雑音の補償を実行することができる。近接するダミー接続手段を選択し、接続し駆動するために、第1駆動手段が、それを選択し、第1電位から第2電位に駆動し、ダミー電流検出手段に接続するように設計される。
【0090】
[実施形態4]
図6は、本発明の第1構造の第1例を示す。図6aは、第1例の平面図を示す。図6bは、図6aの横断線3−3に沿った第1例の断面図を示し、図6cは、図6aの横断線4−4に沿った第1例の断面図を示す。その図では、第1導電形(たとえば、n形)の第1半導体領域が基板110上に配置される。第1半導体領域は、第1方向において並んで配置され、第21領域210によって互いに離間される。第2方向では、第1半導体領域の表面領域が、第22領域220によって分離される。なお、第22領域は、各光センサー間の光発生キャリアの混合が問題にならない場合は必ずしも必要でない。
【0091】
第1半導体領域
100−1−1、100−1−2、−−−、100−1−k、−−−、100−1−n、100−2−1、100−2−2、−−−、100−2−k、−−−、100−2−n、−−−、
100−j−1、100−j−2、−−−、100−j−k、−−−、100−j−n、
−−−、
100−m−1、100−m−2、−−−、100−m−k、−−−、100−m−n、
は各々第1表面及び第1厚みを有する。ここで、100−j−kの文字j及びkは任意の数を表す。100−m−kの文字mは、第1方向に向かって配置される領域100の全数を表し、100−j−n、101−j−n、103−j−nの文字nは、第2方向に向かって配置される領域100の全数を表す。文字j、k、m及びnは本発明において他実施形態でも同じように用いられる。
【0092】
この実施形態では、第1半導体領域100−j−1、100−j−2、−−−、100−j−k、−−−、100−j−nは、第2方向に延在し、その底部領域102jにおいて互いに接し、結果として、図6b及び図6cにおいて示されるように、100−1、100−2、−−−、100−j、−−−、100−mのような1つの連続した領域が形成される。底部領域(102−j)は、第2相互接続の代わりに用いるための低抵抗率の第1半導体領域を形成するために高い不純物濃度を有することができ、光によって生成されるキャリアの混合を防ぐために、光によって生成されるキャリアに対して低い拡散係数を有することができる。これらの連続した第1半導体領域は、第2グループ複数接続手段(図6には示されない)としての役割も果たすが、それらがこの実施形態において、及び他の関連する実施形態において、第2グループ複数接続手段として用いられるときであっても、単に「第1半導体領域」として参照される。キャリア拡散長が、近接する第2半導体領域間の距離よりも短いとき、第22領域は必ずしも必要とされない。基板、第21領域及び第22領域は、逆導電形(たとえば、p形)の半導体領域とすることができるか、又は絶縁性材料、若しくは半絶縁性インジウムリン(InP)若しくは半絶縁性ガリウムヒ素(GaAs)のような半絶縁性半導体領域とすることができる。第21及び第22領域は、空気間隙とすることもできる。更に、第1領域は第2方向に互いに接続されているが、光によって生成されたキャリアの混合は避けられるべきであるため、第22領域は、高い不純物濃度を有する第1導電形の半導体領域又は金属領域とすることができる。
【0093】
100−1−1、−−−、100−j−k、−−−、100−m−nのようなハイフンがある複数の符号を代表するものとして、これ以降、100のようなハイフンのない符号を用いる。
【0094】
第1半導体領域100の各々と接して、逆導電形の第2半導体領域200が配置される。第2半導体領域200−j−1、200−j−2、−−−、200−j−k、−−−、200−j−nは、第22領域間に、互いに離間して、そして各々第1半導体領域100−j−1、100−j−2、−−−、100−j−k、−−−、100−j−nと接して配置される。第2半導体領域
200−1−1、200−1−2、−−−、200−1−k、−−−、200−1−n、200−2−1、200−2−2、−−−、200−2−k、−−−、200−2−n、−−−、
200−j−1、200−j−2、−−−、200−j−k、−−−、200−j−n、
−−−、
200−m−1、200−m−2、−−−、200−m−k、−−−、200−m−n、
は各々第2表面及び第2厚みを有する。
【0095】
第2半導体領域200−j−kと接して、第1導電形の第3半導体領域300−j−kが配置される。第3半導体領域
300−1−1、300−1−2、−−−、300−1−k、−−−、300−1−n、300−2−1、300−2−2、−−−、300−2−k、−−−、300−2−n、−−−、
300−j−1、300−j−2、−−−、300−j−k、−−−、300−j−n、
−−−、
300−m−1、300−m−2、−−−、300−m−k、−−−、300−m−n、
は各々第3表面及び第3厚みを有する。
【0096】
更に、第2半導体領域と第21又は第22領域との間の表面リークを防ぐために、第1半導体領域の表面内に、第1導電形で、かつ高い不純物濃度を有する第1表面領域が配置され、第1表面領域101は、図6bに示されるように、第2半導体領域と第21領域との間に、かつ第2半導体領域と第22領域との間に配置される。
【0097】
絶縁層123が、第1、第2及び第3半導体領域の表面と、必要に応じて、第21及び第22領域の表面とを覆う。第1グループ複数接続手段1000−kの一つが、絶縁層123内のコンタクトホール303−1−k、303−2−k、−−−、303−j−k、−−−、303−m−kを通して、第1方向に配列される1つのグループの第3半導体領域300−1−k、300−2−k、−−−、300−m−kを相互接続する。
【0098】
導電性電極105−1、105−2、−−−、105−j、−−−、105−mが、コンタクトホール103−1、103−2、−−−、103−j、−−−、103−mを通して、第1半導体領域に設けられる。
【0099】
第1半導体領域内、及び第2半導体領域内の一部において光によって生成されるキャリアは、第1半導体領域と第2半導体領域との間の第1接合部を通して収集され、結果として、第1接合部の中に第1光電電流Iph1が生成される。第3半導体領域内、及び第2半導体領域内の他の部分において光によって生成されるキャリアは、第2半導体領域と第3半導体領域との間の第2接合部を通して収集され、結果として、第2光電電流Iph2が生成される。第2半導体が浮遊状態である場合の定常状態条件において、第3半導体の中の結果として生成される電流I3は、第1接合部が逆バイアスであり、かつ第2接合部が順バイアスであるときに、βIph2−(1+β)Iph1であり、第1接合部が順バイアスであり、かつ第2接合部が逆バイアスであるときに、(1+βr)Iph2−βrIph1である。ただし、β及びβrは上記の各バイアス条件の場合の、第1、第2及び第3半導体領域を含むトランジスタの電流増幅率である。第1及び第2両方の接合部が逆バイアスであるバイアス条件では、第1領域の中の電流I1はIph1であり、第3半導体領域の中の電流I3はIph2である。
【0100】
しかしながら、本発明では、第1、第2及び第3半導体領域は、必ずしもバイポーラトランジスタを構成する必要はなく、光センサーアレイから1つのセンサーを選択するのに第1及び第2接合部のうちの一方が用いられるとき、1組のバック・ツー・バック接続のダイオードにすることもできる。この場合、β及びβrはおおよそ0である。
【0101】
光センサーが照明されないとき、すなわち暗い場所にあるとき、各接合部の逆バイアス下で、第1接合部を渡る暗電流Id1及び第2接合部を渡る暗電流Id2が流れる。第1グループ複数接続手段を通して光電電流を検出するために、各々絶対値が小さい、小さなIph2、小さなId2、小さなβrかつ小さなId1が好ましい。
【0102】
第1、第2及び第3領域が化合物半導体からなるとき、各半導体領域のエネルギーバンドギャップは、上記の要件を満たすように設計することができる。小さなIph2かつ小さなId2の場合、第3半導体領域のエネルギーバンドギャップは、第2半導体領域のエネルギーバンドギャップ以上であり、かつ/又は第2半導体領域のエネルギーバンドギャップは第1半導体領域のエネルギーバンドギャップよりも大きいことが好ましい。これらの条件は、半絶縁性半導体基板上に成長する、InGaAsSbのようなInPのヘテロエピタキシャル系によって実現することができる。ただし、x、y、z、q及びrは0から1の実数である。1.1マイクロメートルよりも長い光学波長を有する光学像を検出するために、第1半導体領域は、1.1エレクトロンボルトよりも小さなエネルギーバンドギャップを有する材料からなる。
【0103】
上記の条件は、選択されたグループの複数接続手段が第1グループ複数接続手段である事例に当てはまる。選択されたグループの複数接続手段が第2グループ複数接続手段である事例の場合の条件は、小さなIph1、小さなId1、小さなβかつ小さなId2であり、各々絶対値が小さい。
【0104】
第1、第2及び第3領域が化合物半導体からなるとき、各半導体領域のエネルギーバンドギャップは、上記の要件を満たすように設計することができる。小さなIph1の場合、第1半導体領域のエネルギーバンドギャップは、第2半導体領域のエネルギーバンドギャップ以上であり、かつ/又は第2半導体領域のエネルギーバンドギャップは第3半導体領域のエネルギーバンドギャップよりも大きいことが好ましい。これらの条件は、半絶縁性InP基板上のInP上に成長するInGaAsSbのヘテロエピタキシャル系によって実現することができる。ただし、x、y、z、q及びrは0から1の実数である。1.1マイクロメートルよりも長い光学波長を有する光学像を検出するために、第3半導体領域は、1.1エレクトロンボルトよりも小さなエネルギーバンドギャップを有する材料からなる。
【0105】
[実施形態5、電気的な駆動シーケンスの第1例]
以下の記述は、選択されたグループの複数接続手段が第1グループ複数接続手段である場合の、本発明の光センサーアレイの光センサー内の光学情報から変換される1組の光電電流を読み出すための電気的な駆動シーケンスの一例である。最初に、第2グループ複数接続手段(実施形態4の第1半導体領域)が全て第3電位に設定され、第1グループ複数接続手段が全て第1電位に設定される。次に、第1グループ複数接続手段の選択された一つが第2電位に駆動され、第1グループ複数接続手段の選択された一つの中の過渡電流が減らされた後に、第2グループ複数接続手段(実施形態4では第1半導体領域が相当)の各々が、第4電位に駆動された後再び第3電位に逐次駆動される。第2グループ複数接続手段(実施形態4では第1半導体領域が相当)が各々第4電位に駆動されている間に、各々の駆動された第1半導体領域を有し、かつ第1グループ複数接続手段の選択された一つに接続されている各々の光センサーからの光電電流が、第1グループ複数接続手段の選択された一つを通して検出される。
【0106】
電流検出手段の入力端子の電位は、電流検出の開始時に、可能な限り第2電位に近い値に維持される。これは、反転入力20−3−1及び非反転入力20−3−2のような差動入力を有する電流検出増幅器20−3によって実現することができる。非反転入力20−3−2には第2電位が供給され、一方、反転入力20−3−1は第1グループ接続手段の選択された一つにスイッチされる。
【0107】
第1、第2、第3及び第4電位の間の関係に関しては、以下の2組の関係が好ましい。
選択された光センサーからの光電電流を効率的に読み出すために好ましい、第1電位と第3電位との間の関係、及び第2電位と第4電位との間の関係からなる1番目の関係は以下のように特徴付けられる。第2電位に関して第4電位は、第2半導体領域を第3半導体領域に対して順バイアスとする極性である。そして、第1電位に関して第3電位は、第3半導体領域を第2半導体領域に対して逆バイアス又はゼロバイアスとする極性である。この第1組の関係は、第3及び第2領域が選択ダイオード又はトランジスタのエミッタ・ベースを形成する事例に相当する。
【0108】
選択された光センサーからの光電電流を効率的に読み出すために好ましい、第1電位と第3電位との間の関係、及び第2電位と第4電位との間の関係からなる2番目の関係は以下のように特徴付けられる。第2電位に関して第4電位は、第2半導体領域を第1半導体領域に対して順バイアスとする極性である。そして、第1電位に関して第3電位は、第1半導体領域を第2半導体領域に対して逆バイアス又はゼロバイアスとする極性である。この第2組の関係は、第1及び第2領域が選択ダイオード又はトランジスタのエミッタ・ベースを形成する事例に相当する。
【0109】
[実施形態6、電気的な駆動シーケンスの第2例]
以下の記述は、選択されたグループの複数接続手段が第2グループ複数接続手段である場合の、本発明の光センサーアレイの光センサー内の光学情報から変換される1組の光電電流を読み出すための電気的な駆動シーケンスの別の例である。最初に、第2グループ複数接続手段(実施形態4の第1半導体領域)が全て第1電位に設定され、第1グループ複数接続手段が全て第3電位に設定される。次に、第2複数のグループの接続手段の選択された一つ(実施形態4の第1半導体領域のうちの選択された一つ)が第2電位に駆動され、第2グループ複数接続手段の選択された一つ(実施形態4の第1半導体領域の選択された一つ)の中の過渡電流が減らされた後に、第1グループ複数接続手段の各々が、第4電位に逐次駆動され、その後、再び第3電位に駆動される。第1グループ複数接続手段の各々が第4電位に駆動されている間に、第2グループ複数接続手段の選択された一つに接続され(実施形態4において第1半導体領域のうちの選択された一つと接して配置され)、かつ駆動された第1グループ複数接続手段の各々に接続されている各々の光センサーからの光電電流が、第2グループ複数接続手段の選択された一つを通して検出される。
【0110】
電流検出手段の入力端子の電位は、電流検出の開始時に、可能な限り第2電位に近い値に維持される。これは、反転入力20−3−1及び非反転入力20−3−2のような差動入力を有する電流検出増幅器20−3によって実現することができる。非反転入力20−3−2には第2電位が供給され、一方、反転入力20−3−1は第2グループ接続手段の選択された一つにスイッチされる。
【0111】
第1、第2、第3及び第4電位の間の関係に関しては、以下の2組の関係が好ましい。
選択された光センサーからの光電電流を効率的に読み出すために好ましい、第1電位と第3電位との間の関係、及び第2電位と第4電位との間の関係からなる1番目の関係は以下のように特徴付けられる。第2電位に関して第4電位は、第2半導体領域を第3半導体領域に対して順バイアスとする極性である。そして、第1電位に関して第3電位は、第3半導体領域から第2半導体領域に対して逆バイアス又はゼロバイアスとする極性である。この第1組の関係は、第3及び第2領域が選択ダイオード又はトランジスタのエミッタ・ベースを形成する事例に相当する。
【0112】
選択された光センサーからの光電電流を効率的に読み出すために好ましい、第1電位と第3電位との間の関係、及び第2電位と第4電位との間の関係からなる2番目の関係は以下のように特徴付けられる。第2電位に関して第4電位は、第2半導体領域を第1半導体領域に対して順バイアスとする極性である。そして、第1電位に関して第3電位は、第1半導体領域から第2半導体領域に対して逆バイアス又はゼロバイアスとする極性である。この第2組の関係は、第1及び第2領域が選択ダイオード又はトランジスタのエミッタ・ベースを形成する事例に相当する。
【0113】
[実施形態7、FETによる第1駆動手段]
第1駆動手段は、1番目の例として、図7aに示されるようなFET(電界効果トランジスタ)回路によって実現することができる。それは、
第1グループFET5100−1、−−−、5100−i、−−−、5100−pであって、各々のFETのソース及びドレインのうちの一方には第1電位91が供給され、各々のFETのソース及びドレインの他方は、選択されたグループの複数接続手段4000−1、−−−、4000−i、−−−、4000−pに接続されている、第1グループFETと、
第2グループFET5200−1、−−−、5200−i、−−−、5200−pであって、各々のFETのソース及びドレインのうちの一方には第2電位92が供給され、各FETのソース及びドレインの他方は、選択されたグループの複数接続手段に各々接続されている、第2グループFETと、
第3グループFET5300−1、−−−、5300−i、−−−、5300−pであって、各FETのソース及びドレインのうちの一方は電流検出手段20−3の反転入力20−3−1に接続され、各々のFETのソース及びドレインのうちの他方は選択されたグループの複数接続手段の各々に接続されている、第3グループFETとを備えている。
【0114】
選択されたグループの複数接続手段の一つ(4000−i)の選択は、第1グループFETの選択された一つ(5100−i)を「オン」から「オフ」にすることによって開始される。このとき、他の(選択されていない)第1グループFETは「オン」である。
次に、
選択されたグループの複数接続手段の選択された一つ(4000−i)に接続されている第2グループFETの一つ(5200−i)が「オフ」から「オン」にされる一方、他の第2グループFETは「オフ」とされ、
その後、選択されたグループの複数接続手段の選択された一つ(4000−i)に接続されている第3グループFETの一つ(5300−i)が「オフ」から「オン」にされる一方、他の第3グループFETは「オフ」とされ、
選択されたグループの複数接続手段の選択された一つ(4000−i)に接続されている第2グループFETの一つ(5200−i)が「オン」から「オフ」にされ、
その後、選択されていないグループの複数接続手段の各々1つを第3電位から第4電位に駆動した後再び第4電位から第3電位に逐次駆動する一方、選択されていないグループの複数接続手段の残りを第3電位に維持することによって、選択されたグループの複数接続手段の選択された一つに接続されている光センサーからの光電電流の検出が開始される。
【0115】
第1駆動手段のための回路の2番目の例では、第1駆動手段のための回路の1番目の例における第2グループFETを以下のように1つのFETによって置き換える。図7bに示されるように、第2グループFETの代わりに、1つの第4FETが用いられ、そのソース及びドレインのうちの一方には第2電位が供給され、ソース及びドレインのうちの他方は電流検出手段の反転入力に接続される。
【0116】
選択されたグループの複数接続手段の一つ(4000−i)の選択は、第1グループFETの選択された一つ(5100−i)を「オン」から「オフ」にすることによって開始される。このとき、他の(選択されていない)第1グループFETは「オン」であり、
第4FET5400は「オフ」から「オン」にされ、
選択されたグループの複数接続手段の選択された一つ(4000−i)に接続されている第3グループFETの一つ(5300−i)が「オフ」から「オン」にされる一方、他の第3グループFETは「オフ」とされ、
第4トランジスタを「オフ」にした後に、選択されていないグループの複数接続手段の各々1つを第3電位から第4電位に駆動した後第4電位から第3電位に逐次駆動する一方、選択されていないグループの複数接続手段の残りを第3電位に維持することによって、選択されたグループの複数接続手段の選択された一つに接続されている光センサーからの光電電流の検出が開始される。
【0117】
この回路では、選択されたグループの複数接続手段の選択された一つ(4000−i)に接続されている第3グループFETの一つが「オフ」から「オン」にされるときに、大きな過渡電流が、選択されたグループの複数接続手段の選択された一つを通して、第4FETと、電流検出手段の反転入力との間の接続点に流れ、過渡電流が十分に小さくなるまで待つために、第4FETを「オン」から「オフ」にするのに、或る時間が必要とされる。第1例の場合であっても、第2グループFETの一つ(5200−i)が「オフ」から「オン」にされるときに、選択されたグループの複数接続手段の選択された一つを通して、この過渡電流が第2グループFETの一つ(5200−i)に流れ込むため、しばらくの間、第2グループFETの一つ(5200−i)を「オン」にしておく必要がある。過渡電流が減少した後に光センサーからの光電電流を検出することは、本発明において、時間遅延のある検出と呼ばれる。
【0118】
[実施形態8]
図8は、本発明の第2構造の一例を示す。図6に示される領域に加えて、第4半導体領域及び第5半導体領域が更に設けられる。
【0119】
逆導電形の第4半導体領域400−1−1、−−−、400−j−k、−−−、400−m−nは各々の第1半導体領域100−1−1、−−−、100−j−k、−−−、100−m−nに各々接して設けられ、各々の第2半導体領域200−1−1、−−−、200−j−k、−−−、200−m−nに近いが離間して各々配置され、各々の導電性薄膜340−1−1、−−−、340−j−k、−−−、340−m−nによって、絶縁層123(図8には示されない)内の各々のコンタクトホール303−1−1及び403−1−1、−−−、303−j−k及び403−j−k、−−−、303−m−n及び403−m−nを通して、近接する第2半導体領域200−1−1、−−−、200−j−k、−−−、200−m−nの各々と接している各々の第3半導体領域300−1−1、−−−、300−j−k、−−−、300−m−nに相互接続されている。そして、第1導電形の第5半導体領域500−1−1、−−−、500−j−k、−−−、500−m−nが、各々の第4半導体領域400−1−1、−−−、400−j−k、−−−、400−m−nと接して配置される。
【0120】
更に、第1導電形で、高い不純物濃度を有する第1表面領域110(図8に示されない)が、第1半導体領域の表面内に配置され、第1表面領域は、第2半導体領域、第4半導体領域、第21領域及び第22領域の間に配置される。
【0121】
絶縁層が、第1、第2、第3、第4、第5半導体領域の表面、そして必要に応じて、第21及び第22領域の表面を覆う。第1グループ複数接続手段1000−kは各々、第3半導体領域の代わりに、絶縁層123(図8には示されない)内のコンタクトホール503−1−k、−−−、503−j−k、−−−、503−m−kを通して、第1方向に配列される第5半導体領域500−1−k、−−−、500−j−k、−−−、500−m−kを相互接続する。第2グループ複数接続手段2000−jは、絶縁層123(図8には示されない)内のコンタクトホール103−j−1、−−−、103−j−k、−−−、103−j−nを通して、第2方向に配列される第1半導体領域100−j−1、−−−、100−j−k、−−−、100−j−nを相互接続する。
【0122】
第1グループ複数接続手段の一つ及び第2グループ複数接続手段の一つからなる1組の接続手段が、選択された光センサーから情報を読み出すために、電気的な駆動シーケンスのための実施形態5又は6において述べられるように選択され、駆動される。
【0123】
第2構造のためのこの実施形態によって、第1電位と第3電位との間に、実施形態4よりも大きな電位差を与えることができる。したがって、大きなダイナミックレンジが実現される。
【0124】
第1半導体領域、第4半導体領域及び第5半導体領域が増幅トランジスタを構成するときに、実施形態4よりも大きな電流利得も実現される。したがって、より高い感度及び改善された信号対雑音比が得られる。
【0125】
[実施形態9]
図9は、本発明の第3構造の一例を示す。図8に示される領域に加えて、第6半導体領域及び第7半導体領域が更に設けられる。
【0126】
逆導電形の第6半導体領域600−1−1、−−−、600−j−k(図9に示されない)、−−−、600−m−nは第1半導体領域100−1−1、−−−、100−j−k(図9に示されない)、−−−、100−m−nと接して設けられ、各々の第2半導体領域200−1−1、−−−、200−j−k(図9に示されない)、−−−、200−m−n、各々の第4半導体領域400−1−1、−−−、400−j−k(図9に示されない)、−−−、400−m−nに近いが離間して各々配置され、各々の導電性薄膜560−1−1、−−−、560−j−k(図9に示されない)、−−−、560−m−nによって、各コンタクトホール503−1−1及び603−1−1、−−−、503−j−k(図9には示されない)及び603−j−k(図9には示されない)、−−−、503−m−n及び603−m−nを通して、各々に近い第4半導体領域400−1−1、−−−、400−j−k(図9に示されない)、−−−、400−m−nと接している各々の第5半導体領域500−1−1、−−−、500−j−k(図9に示されない)、−−−、500−m−nに各々の相互接続されている。そして、第1導電形の第7半導体領域700−1−1、−−−、700−j−k(図9に示されない)、−−−、700−m−nが、各々の第6各半導体領域600−1−1、−−−、600−j−k(図9に示されない)、−−−、600−m−nと接して配置される。
【0127】
第1導電形で、高い不純物濃度を有する第1表面領域110(図9に示されない)が、第1半導体領域の表面内に配置され、第1表面領域は、第2半導体領域、第4半導体領域、第6半導体領域、第21領域及び第22領域の間に配置される。
【0128】
絶縁層123(図9には示されない)が、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7半導体領域の表面、そして必要に応じて、第21及び第22領域の表面を覆う。第1グループ複数接続手段1000−kは、第5半導体領域の代わりに、絶縁層123内のコンタクトホール703−1−k、−−−、703−j−k、−−−、703−m−kを通して、第1方向に配列される第7半導体領域700−1−k(図9には示されない)、−−−、700−j−k(図9には示されない)、−−−、700−m−k(図9には示されない)を相互接続する。第2グループ複数接続手段2000−jは、絶縁層123(図9には示されない)内のコンタクトホール103−j−1、−−−、103−j−k、−−−、103−j-nを通して、第2方向に配列される第1半導体領域100−j−1(図9には示されない)、−−−、100−j−k(図9には示されない)、−−−、100−j−n(図9には示されない)を相互接続する。
【0129】
第1グループ複数接続手段の一つ及び第2グループ複数接続手段の一つからなる1組の接続手段が、選択された光センサーから情報を読み出すために、電気的な駆動シーケンスのための実施形態5又は6において述べられるように選択され、駆動される。
【0130】
第3構造のためのこの実施形態によって、第1電位と第3電位との間に、実施形態8よりも大きな電位圧差を与えることができる。したがって、更に大きなダイナミックレンジが実現される。
【0131】
第1半導体領域、第6半導体領域及び第7半導体領域が増幅トランジスタを構成するときに、実施形態8よりも大きな電流利得も実現される。したがって、より高い感度及び改善された信号対雑音比が得られる。
【0132】
[実施形態10]
図10は、本発明の第4構造の一例を示す。図9に示される領域に加えて、第8半導体領域及び第9半導体領域が更に設けられる。
【0133】
逆導電形の第8半導体領域800−1−1、−−−、800−j−k(図10に示されない)、−−−、800−m−nは第1半導体領域100−1−1、−−−、100−j−k(図10に示されない)、−−−、100−m−nと接して設けられ、各々第2半導体領域200−1−1、−−−、200−j−k(図10に示されない)、−−−、200−m−n、各々第4半導体領域400−1−1、−−−、400−j−k(図10に示されない)、−−−、400−m−n、及び各々第6半導体領域600−1−1、−−−、600−j−k(図10に示されない)、−−−、600−m−nに近いが離間して各々配置され、各々の導電性薄膜780−1−1、−−−、780−j−k(図10に示されない)、−−−、780−m−nによって、各コンタクトホール703−1−1及び803−1−1、−−−、703−j−k(図10には示されない)及び803−j−k(図10には示されない)、−−−、703−m−n及び803−m−nを通して、各々の近接する第6半導体領域600−1−1、−−−、600−j−k(図10に示されない)、−−−、600−m−nと接している各々の第7半導体領域700−1−1、−−−、700−j−k(図10に示されない)、−−−、700−m−nに各々相互接続されている。そして、第1導電形の第9半導体領域900−1−1、−−−、900−j−k(図10に示されない)、−−−、900−m−nが、各々の第8半導体領域800−1−1、−−−、800−j−k(図10に示されない)、−−−、800−m−nと接して配置される。
【0134】
第1導電形で、高い不純物濃度を有する第1表面領域110(図10に示されない)が、第1半導体領域の表面内に配置され、第1表面領域は、第2半導体領域、第4半導体領域、第6半導体領域、第8半導体領域、第21領域及び第22領域の間に配置される。
【0135】
絶縁層123(図10には示されない)が、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9半導体領域の表面、そして必要に応じて、第21及び第22領域の表面を覆う。第1グループ複数接続手段1000−kは、第7半導体領域の代わりに、絶縁層123内のコンタクトホール903−1−k、−−−、903−j−k、−−−、903−m−kを通して、第1方向に配列される第9半導体領域900−1−k(図10には示されない)、−−−、900−j−k(図10には示されない)、−−−、900−m−k(図10には示されない)を相互接続する。第2グループ複数接続手段2000−jは、絶縁層123内のコンタクトホール103−j−1、−−−、103−j−k、−−−、103−j−nを通して、第2方向に配列される第1半導体領域100−j−1(図10には示されない)、−−−、100−j−k(図10には示されない)、−−−、100−j−n(図10には示されない)を相互接続する。
【0136】
第1グループ複数接続手段の一つ及び第2グループ複数接続手段の一つからなる1組の接続手段が、選択された光センサーを読み出すために、電気的な駆動シーケンスのための実施形態5又は6において述べられるように選択され、駆動される。
【0137】
第4構造のためのこの実施形態によって、第1電位と第3電位との間に、実施形態9よりも大きな電位差を与えることができる。したがって、更に大きなダイナミックレンジが実現される。
【0138】
第1半導体領域、第8半導体領域及び第9半導体領域が増幅トランジスタを構成するときに、実施形態9よりも大きな電流利得も実現される。したがって、より高い感度及び改善された信号対雑音比が得られる。
【0139】
[実施形態11]
上記の構造は、検出される光学像の波長、並びに利用可能な製造工程及び製造コストに応じて、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、Si1−xGe、ガリウムヒ素(GaAs)及びその格子整合ファミリ(GaAlAs等)、インジウムリン(InP)及びその格子整合ファミリ(InGaAsSb、ただし、x、y、z、q及びrは0から1の実数である)を用いることによって形成することができる。図11a、図11b及び図11cは、本発明による第5構造の一例を製造するための工程ステップを示しており、図11d、図11e及び図11fは、こうして得られた第5構造の断面図及び平面図を示す。この実施形態では、以下のような、小さなフォトリソグラフィ工程ステップの少ない製造工程で得られる長波長光の光センサーアレイが開示される。
【0140】
1.半絶縁性のInPウェーハ(複数可)を洗浄し、下処理する。
2.厚さが5〜7マイクロメートルで、第1導電形の高い不純物濃度(たとえば、5×1018atoms/cc)のInP層(100−0)をウェーハ110上にエピタキシャル成長させる。
3.サブマイクロメートルの厚みを有し、中程度から低い不純物濃度(たとえば、1×1017atoms/cc)の逆導電形を有する第1In0.53Ga0.47As層200−0のエピタキシャル成長を続ける。
【0141】
4.上記の第1In0.53Ga0.47As層を成長させる前に、低い不純物濃度のバッファ層(InP等)を成長させてもよい。
5.数マイクロメートルの厚みを有し、不純物濃度が低い(たとえば、2〜5×1016atoms/cc)が、最終段階では高い不純物濃度(たとえば、2×1018atoms/cc)の第1導電形を有する第2In0.53Ga0.47As層300−0のエピタキシャル成長を更に続ける(図11aを参照)。
【0142】
6.エピタキシャル成長させたウェーハ上にフォトレジスト層を被着し、第1分離パターンを露出させる。
7.パターニングされたフォトレジスト層をエッチングマスクとして用いて、第1及び第2In0.53Ga0.47As層を選択的にエッチングし(たとえば、リン酸及び過酸化水素の混合物によるか、又はドライエッチングによる)、In0.53Ga0.47As/InP界面においてエッチングを停止し、トレンチ321を形成する(図11bを参照)。
8.上記のフォトレジスト層を除去し、ウェーハ表面を洗浄する。
【0143】
9.エピタキシャル成長させたウェーハ上にフォトレジスト層を被着し、第2分離パターンを露出させる。
10.パターニングされたフォトレジスト層をエッチングマスクとして用いて、エピタキシャル成長したInP層を基板の表面まで下方にエッチングし(たとえば、塩酸及びリン酸の希薄混合物による)、第21領域のためのトレンチ3210を形成する。
11.上記のフォトレジスト層を除去し、ウェーハ表面を洗浄する。
12.ウェーハ上に半絶縁性InP層を成長させるか、又は絶縁層(ポリイミド若しくはエポキシ化合物、又は窒化シリコン等の有機薄膜)を被着する。
13.上記のウェーハ上にフォトレジスト層を被着し、コンタクトパターンを露出させる。
【0144】
14.パターニングされたフォトレジスト層をエッチングマスクとして用いて、半絶縁層又は絶縁層123を貫通するコンタクトホール(303、103)をエッチングする(図11cを参照)。
15.上記のフォトレジスト層を除去し、ウェーハ表面を洗浄する。
16.コンタクトホールを有するウェーハ上に金属層(複数可)(たとえば、Al/Ti)を堆積する。
17.上記の堆積されたウェーハ上にフォトレジスト層を被着し、相互接続パターンを露出させる。
【0145】
18.パターニングされたフォトレジスト層をエッチングマスクとして用いて、金属層の不要な部分をエッチングし、第1グループ複数接続手段1000−1、−−−、1000−k、−−−、1000−nと、導電性電極105−1、−−−、105−j、−−−、105−mとを形成し、第2グループ複数接続手段の一部としてInP層をエピタキシャル成長させる。
19.上記のフォトレジスト層を除去し、ウェーハ表面を洗浄する。
【0146】
結果として、図11d、図11e及び図11fに示される光センサーアレイの構造が得られる。図11eは、図11f上の線3−3に沿った光センサーアレイの断面図を示しており、図11dは、図11fの線4−4に沿った光センサーアレイの断面図を示す。エピタキシャル成長したInP層をトレンチ3210によって分離することによって、第1半導体領域100−1、−−−、100−j、−−−、100−mが形成される。エピタキシャル成長した第1In0.53Ga0.47As層をトレンチ321及び3210によって分離することによって、第2半導体領域200−1−1、−−−、200−1−k、−−−、200−j−1、−−−、200−j−k、−−−、200−m−k(図11−fには示されず)、−−−、200−j−n、−−−、200−m−nが形成され、エピタキシャル成長した第1In0.53Ga0.47As層をトレンチ321及び3210によって分離することによって、第3半導体領域300−1−1、−−−、300−1−k、−−−、300−j−1、−−−、300−j−k、−−−、300−m−k(図11−fには示されず)、−−−、300−j−n、−−−、300−m−nが形成される。半絶縁性InP又は絶縁体薄膜で満たされるか、又は覆われるトレンチ321及び3210は、領域220及び210を形成する。この光センサーアレイは、1.7マイクロメートル以下の光波長を有する光学像を検出することができる。第2及び第3半導体領域は必ずしもIn0.53Ga0.47As層ではなく、第1半導体領域上にエピタキシャル成長する能力を有する、GaAsSb、更に一般的にはInGaAsSb層のような任意の半導体層とすることができる。ただし、x、y、z及びrは0から1の実数である。第1半導体領域は、必ずしも基板上にエピタキシャル成長するとは限らず、基板と格子不整合にすることができる。
【0147】
一般的に、この構造は以下のように特徴付けられる。
光センサーアレイは、
半絶縁性基板と、
基板上に成長した第1導電形の第1半導体領域であって、第1方向において互いに離間して配置される、第1半導体領域と、
第1半導体領域上にエピタキシャル成長し、互いに交差する第1方向及び第2方向に配置される逆導電形の第2半導体領域と、
第2半導体領域の各々の上に各々エピタキシャル成長し、第1方向及び第2方向に配置される第3半導体領域と、
第1方向において第3半導体領域を相互接続する第1接続手段とを備える。
【0148】
実施形態5又は6に記述される駆動方法は、この実施形態11にも適用することができる。
【0149】
[実施形態12]
実施形態4及び11では第2及び第3領域を各々有する第1半導体領域のグループ、実施形態8では第2、第3、第4及び第5領域を各々有する第1半導体領域のグループ、実施形態9では、第2、第3、第4、第5、第6及び第7領域を各々有する第1半導体領域のグループ、又は実施形態10では、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8及び第9領域を各々有する第1半導体領域のグループが形成される半導体ウェーハが、絶縁性基板に付着され、基板まで貫通してダイシングされ、基板上で互いに離間し、互いに絶縁される各々の第1半導体領域が分離される。更に、第1半導体領域は、第1表面と対向する第1対向表面を有し、第1対向表面上の第1半導体領域に導電層が付着される。第1半導体領域は各々、絶縁性基板上に互いに離間して配置される各導電層にも付着させることができる。
【0150】
[実施形態13]
第1、第2、第3又は第4構造では、複数接続手段は、導電性薄膜層又は金属ワイヤーとすることができる。少ないピクセル数を有するアレイを少数のフォトマスク若しくは工程ステップで、又はワイヤーボンディング技術による任意のワイヤリングで完成させるのに、金属ワイヤーは好都合である。
【0151】
[実施形態14]
シリコンによって形成される上記の構造及び暗電流補償を用いることによって、表1に示されるように、各光センサーの以下の感度が得られる。
【0152】
【表1】

【0153】
上記の表では、測定において用いられる光の波長は632.8nmであり、測定における環境温度は室温である。
【0154】
上記の光センサーのための各半導体領域の厚み、導電形及び不純物濃度が表2に記載される。
【0155】
【表2】

【0156】
更に、
第1電位=3.5ボルト
第2電位=0ボルト
第3電位=0ボルト
第4電位=3ボルト、かつ
第2駆動手段によって第2複数接続手段を第3電位から第4電位に駆動し、再び第3電位に駆動する本発明の駆動方法において、パルス幅が20マイクロ秒の短いパルスを用いることによって、1ピコワットの光強度であっても、長いパルス又は静的な検出方法に対して30倍感度が改善されることがわかり、実施形態3のような光アレイセンサーによって、9E−17W/Hz1/2以下の雑音等価電力(NEP)が達成された。
【0157】
したがって、本発明によれば、高感度、高い信号対雑音比又は高速検出の光センサーアレイが得られる。
【0158】
[実施形態15]
実施形態1、実施形態2、実施形態3及びそれらの変形形態から選択されたものよる光センサーアレイデバイスを用いて、撮像装置が提供される。図12に示されるように、その装置は、少なくとも撮像デバイス4000と、撮像デバイス上に対象物6000の光学像を合焦する結像手段5000とを備える。その装置は、電流検出手段又は校正回路若しくは差動回路からのデータに従って画像を表示する表示手段7000を更に備えることができる。
【0159】
結像手段は、光センサーアレイデバイス上に対象物の光学像を合焦するための光学レンズアセンブリ5100又は凹面鏡アセンブリを備え、必要に応じて、シャッタ5001を更に備える。凹面鏡アセンブリは、天体望遠鏡のような高感度のシステムの場合に用いられる。非発光対象物の場合には、適度な光波長を有する光源8000が必要になるであろう。表示装置は、LCDディスプレイ又はエレクトロルミネッセントディスプレイとすることができる。この目的を果たすために、パーソナルコンピュータ用のディスプレイを用いることもできる。
【符号の説明】
【0160】
10 光センサーアレイ
10−j−k(ただし、j=1〜m、k=1〜n) 光センサー
20 周辺回路
20−1 第1駆動手段
20−2 第2駆動手段
20−3 電流検出手段
20−4 ダミー電流検出手段
20−5 差動増幅器
20−3−1 電流検出手段20−3の反転入力
20−3−2 電流検出手段20−3の非反転入力
20−3−3 電流検出手段20−3の出力端子
23 アナログ−デジタルコンバータ
23−0−1 アナログ−デジタルコンバータ23の入力端子
23−0−3 アナログ−デジタルコンバータ23の出力端子
30 メモリーブロック
30−0−1 メモリーブロック30の入力端子
30−0−3 メモリーブロック30の出力端子
40 校正回路
40−0−1 校正回路の入力端子
40−0−2 校正回路の入力端子
40−0−3 校正回路の出力端子
91 第1電位
92 第2電位
1000−k(ただし、k=1〜n) 第1グループ接続手段
2000−j(ただし、j=1〜m) 第2グループ接続手段
100−j−k(ただし、j=1〜m、k=1〜n) 第1半導体領域
101 第1表面領域
103−j−k 第1半導体領域へのコンタクトホール
105j(ただし、j=1〜m) 導電性電極
110 基板
123 絶縁層
200−j−k(ただし、j=1〜m、k=1〜n) 第2半導体領域
210 第21領域
220 第22領域
300−j−k(ただし、j=1〜m、k=1〜n) 第3半導体領域
321 トレンチ
303−j−k(ただし、j=1〜m、k=1〜n) 第3半導体領域へのコンタクトホール
400−j−k(ただし、j=1〜m、k=1〜n) 第4半導体領域
403−j−k(ただし、j=1〜m、k=1〜n) 第4半導体領域へのコンタクトホール
500−j−k(ただし、j=1〜m、k=1〜n) 第5半導体領域
503−j−k(ただし、j=1〜m、k=1〜n) 第5半導体領域へのコンタクトホール
600−j−k(ただし、j=1〜m、k=1〜n) 第6半導体領域
603−j−k(ただし、j=1〜m、k=1〜n) 第6半導体領域へのコンタクトホール
700−j−k(ただし、j=1〜m、k=1〜n) 第7半導体領域
703−j−k(ただし、j=1〜m、k=1〜n) 第7半導体領域へのコンタクトホール
800−j−k(ただし、j=1〜m、k=1〜n) 第8半導体領域
800−j−k(ただし、j=1〜m、k=1〜n) 第8半導体領域へのコンタクトホール
3210 トレンチ
4000 結像手段
4000−i(ただし、i=1〜p) 複数接続手段
5000 結像手段
5100−i(ただし、i=1〜p) 第1グループFET
5200−i(ただし、i=1〜p) 第2グループFET
5300−i(ただし、i=1〜p) 第3グループFET
5400 第4グループFET
6000 対象物
7000 表示手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向と第2方向に配置される複数の光センサーと;
前記第1方向に延在する第1グループ複数接続手段と;
前記第2方向に延在する第2グループ複数接続手段とから構成され;
前記第1グループ複数接続手段と前記第2グループ複数接続手段は互いに絶縁され、互いに交差しており;
前記複数の光センサーの各々は前記第1グループ複数接続手段の一つと前記第2グループ複数接続手段の一つとに接続され;
前記前記第1グループ複数接続手段の選択された一つと前記第2グループ複数接続手段の選択された一つの交差位置において、1つの光センサーが前記複数の光センサーから選択される、光センサーアレイであって;
前記第1グループ複数接続手段と前記複数第2グループ複数接続手段から一つのグループの複数接続手段が選択され、前記選択されたグループの複数接続手段から一つがさらに選択され、第1電位から第2電位に駆動される一方、前記選択されたグループの複数接続手段の残りが第1電位に維持され;
前記選択されていないグループの複数接続手段の各々一つを、前記第3電位から第4電位に駆動した後前記第4電位から前記第3電位に逐次駆動する一方、選択されていないグループの複数接続手段の残りを第3電位に維持することによって、前記選択されたグループの複数接続手段の前記選択された一つに接続されている光センサーからの光電電流は、前記選択されたグループの複数接続手段の前記選択された一つを通して、おおよそ前記第2電位において逐次検出され;
前記選択されていないグループの複数接続手段の前記一つを通じて前記光センサーに供給される前記第4電位と前記選択されたグループの複数接続手段の前記選択された一つの接続手段を通じて前記選択された光センサーに供給される前記第2電位とにより前記選択された光センサーからの前記光電電流を読み出せるようにし;
前記選択されていないグループの複数接続手段の前記一つを通じて前記光センサーに供給される前記第3電位と前記選択されたグループの複数接続手段の前記選択された一つを通じて前記選択された光センサーに供給される前期第1電位とで、前記選択された光センサーからの光電電流はリーク電流以外は読み出せないようにした
ことを特徴とする光センサーアレイ。
【請求項2】
請求項1記載の光センサーアレイは更に第1駆動手段からなり、
該第1駆動手段は前記選択されたグループの複数接続手段の一つを第1電位から第2電位に駆動し、そして、前記第2電位から前記第1電位に駆動する一方、前記選択されたグループの複数接続手段の該一つ以外の接続手段の電位は前記第1電位に維持し;前記選択されたグループの複数の接続手段の前記一つを前記第1電位から前記第2電位に駆動した後、前記第1駆動手段は前記選択された複数の光センサーからの光電電流が検出されている間は電気的に高インピーダンスである;
ことを特徴とする請求項1記載の光センサーアレイ。
【請求項3】
各々第1厚さと第1表面を持ち、第1方向と第2方向に配置され、かつ、各々が前記第1方向と前記第2方向の少なくとも一方向において離間している第1導電形の第1半導体領域と;
前記第1方向と前記第2方向とは互いに交差しており;
各々第2厚さと第2表面を持ち、各々の第1半導体領域と接し、かつ、互いに離間して設けられている逆導電形の第2半導体領域と;
各々第3厚さと第3表面を持ち、各々の前記第2半導体領域と接して設けられている第1導電形の第3半導体領域と;
前記第3半導体領域は前記第1方向と第2方向に配置されており;
第1半導体領域とも、第2半導体領域とも絶縁されており、かつ、第1方向に配置された前記第3半導体領域とは各々接続されており、更に、互いに絶縁されている第1グループ複数接続手段と;
第2半導体領域とも、第3半導体領域とも絶縁されており、かつ、第2方向に配置された前記第1半導体領域とは各々接続されており、かつ、互いに絶縁されておりかつ前記第1グループ複数接続手段とも絶縁されている第2グループ複数接続手段と;
から構成され、
光センサーが前記第1グループ複数接続手段の一つと前記第2グループ複数接続手段の一つとの交差位置で選択され;
前記第1グループ複数接続手段と前記第2グループ複数接続手段から一つのグループの複数接続手段が選択され、かつ、前記選択された一つのグループの複数接続手段からさらに一つの接続手段が選択され、第1電位から第2電位に駆動される一方、前記選択されたグループの複数接続手段の残余の接続手段が前記第1電位に維持され;
前記選択されていないグループの複数接続手段の各々一つを、前記第3電位から第4電位に駆動した後前記第4電位から前記第3電位に逐次駆動する一方、選択されていないグループの複数接続手段の残余の接続手段を第3電位に維持することによって、
前記選択されたグループの複数接続手段の前記選択された一つに接続されている光センサーからの光電電流は、前記選択されたグループの複数接続手段の前記選択された一つを通して、おおよそ前記第2電位において逐次検出され;
前記第2電位に関して前記第4電位は第2半導体領域を第3半導体領域に対して順バイアスとする極性であり、かつ、前記第1電位に関して前記第3電位は第3半導体領域から第2半導体領域に対して逆バイアスまたはゼロバイアスとする極性であり;
又は、
前記第2電位に関して前記第4電位は第2半導体領域を第1半導体領域に対して順バイアスとする極性であり、かつ、前記第1電位に関して前記第3電位は第1半導体領域から第2半導体領域に対して逆バイアスまたはゼロバイアスとする極性である;
ことを特徴とする光センサーアレイ。
【請求項4】
請求項3記載の光センサーアレイはさらに第1駆動手段からなり、
該第1駆動手段は前記選択されたグループの複数接続手段の一つを第1電位から第2電位に、そして、前記第2電位から前記第1電位に駆動する一方、前記選択されたグループの複数接続手段の残余の接続手段の電位を前記第1電位に維持し;
前記選択されたグループの複数接続手段の前記選択された一つが前記第1電位から第2電位に駆動された後、前記第1駆動手段は前記選択されたグループの複数接続手段の前記選択された一つから光電電流が検出されている間は電気的に高インピーダンスである;
ことを特徴とする請求項3記載の光センサーアレイ。
【請求項5】
第2方向に配置された前記第1半導体領域が第2方向において各々接して、少なくとも前記第2グループ複数接続手段の一つの少なくとも一部として各々が相互接続している;
ことを特徴とする請求項3記載の光センサーアレイ。
【請求項6】
請求項3記載の光センサーアレイは更に、
各々前記第2半導体領域とは近いが離間して配置され、かつ、各々の前記第2半導体領域と接した第3半導体領域と接続され、さらに、各々前記第1半導体領域と接して設けられた逆導電型の第4半導体領域と;
各々の前記第4半導体領域と接して設けられた第1導電形の第5半導体領域とから構成され;
前記第4半導体領域と前記第5半導体領域は前記第1方向と前記第2方向に配置され;
前記光センサーは更に
前記第1半導体領域と接して設けられた前記第4半導体領域と、前記第4半導体領域と接して設けられた前記第5半導体領域とから構成され;
前記第1グループ複数接続手段は、各々絶縁され、かつ、第1、第2、第3と第4半導体領域とも絶縁され、さらに、前記複数の第3半導体領域の代わりに第1方向に配置された前記第5半導体領域と各々接続している
ことを特徴とする請求項3記載の光センサーアレイ。
【請求項7】
第2方向に配置された前記第1半導体領域が第2方向において各々接して、少なくとも前記第2グループ複数接続手段の一つの少なくとも一部として各々が相互接続している;
ことを特徴とする請求項6記載の光センサーアレイ。
【請求項8】
請求項6記載の光センサーアレイは更に、
各々の前記第2および第4半導体領域とは離間して各々配置され、かつ、各々の前記第4半導体領域と接して設けられた各々の第5半導体領域と接続され、さらに、前記第1半導体領域と接して設けられた逆導電形の第6半導体領域と;
各々の前記第6半導体領域と接して設けられた第1導電型の第7半導体領域とから構成され;
前記第6半導体領域と前記第7半導体領域が前記第1方向と前記第2方向に配置され、;
前記第1グループ複数接続手段は、各々絶縁され、かつ、前記第1、第2、第3、第4、第5と第6半導体領域とも絶縁され、さらに、前記第5半導体領域の代わりに第1方向に配置された複数の第7半導体領域と各々接続している;
ことを特徴とする請求項6記載の光センサーアレイ。
【請求項9】
第2方向に配置された前記第1半導体領域が第2方向において各々接して、少なくとも前記第2グループ複数接続手段の一つの少なくとも一部として各々が相互接続している;
ことを特徴とする請求項8記載の光センサーアレイ。
【請求項10】
請求項8記載の光センサーアレイは更に、
前記第2、第4と第6半導体領域の各々とは離間して各々配置され、かつ、前記第6半導体領域の前記各々と接して設けられた各々の第7半導体領域と接続され、さらに、前記第1半導体領域と接して設けられた逆導電形の第8半導体領域と;
各々の前記第8半導体領域と接して設けられた第1導電型の第9半導体領域とから構成され;
前記第8半導体領域と前記第9半導体領域が前記第1方向と前記第2方向に配置され;
前記第1グループ複数接続手段は、各々絶縁され、かつ、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7と第8半導体領域とも絶縁され、さらに、前記第7半導体領域の代わりに第1方向に配置された複数の第9半導体領域と各々接続している;
ことを特徴とする請求項8記載の光センサーアレイ。
【請求項11】
第2方向に配置された前記第1半導体領域が第2方向において各々接して、少なくとも前記第2グループ複数接続手段の一つの少なくとも一部として各々が相互接続している;
ことを特徴とする請求項10記載の光センサーアレイ。
【請求項12】
請求項2記載の光センサーアレイは更に
非反転入力と反転入力とを有する電流検出手段とから構成され;
前記非反転入力は前記第2電位に接続され、かつ、前記反転入力は前記選択されたグループの複数接続手段の前記選択された一つに切り替えて接続され、そして、前記第1駆動手段が電気的に高インピーダンスである間に選択された光センサーからの光電電流が検出される;
ことを特徴とする請求項2記載の光センサーアレイ。
【請求項13】
請求項4記載の光センサーアレイは更に
非反転入力と反転入力とを有する電流検出手段とから構成され;
前記非反転入力は前記第2電位に接続され、かつ、前記反転入力は前記選択されたグループの複数接続手段の前記選択された一つに切り替えて接続され、そして、前記第1駆動手段が電気的に高インピーダンスである間に選択された光センサーからの光電電流が検出される;
ことを特徴とする請求項4記載の光センサーアレイ。
【請求項14】
選択されたグループの接続手段の前記一つの電位が前記第1電位から前記第2電位へ電位遷移した後に、前記電流検出手段が前記選択されたグループの複数接続手段の前記一つに遅延して切り替えて接続されて、選択された光センサーからの光電電流の検出を開始する;
ことを特徴とする請求項12記載の光センサーアレイ。
【請求項15】
選択されたグループの接続手段の前記一つの電位が前記第1電位から前記第2電位へ電位遷移した後に、前記電流検出手段が前記選択されたグループの複数接続手段の前記一つに遅延して切り替えて接続されて、選択された光センサーからの光電電流の検出を開始する;
ことを特徴とする請求項13記載の光センサーアレイ。
【請求項16】
各々のソースとドレインの一つに前記第1電位が印加され、そして、各々のソースとドレインの他の一つが前記選択されたグループの複数接続手段の各々と接続されている第1グループ電界効果トランジスタと;
各々のソースとドレインの一つに前記第2電位が印加され、そして、各々のソースとドレインの他の一つが前記選択されたグループの複数接続手段各々と接続されている第2グループ電界効果トランジスタと;
各々のソースとドレインの一つが前記電流検出手段の反転入力に接続され、そして、各々のソースとドレインの他の一つが前記選択されたグループの複数接続手段各々と接続されている第3グループ電界効果トランジスタとから構成され;
選択されたグループの複数接続手段の一つの選択が第1電界効果トランジスタの選択された一つを「オン」から「オフ」にすることによって行われる一方、他の(選択されていない)第1グループ電界効果トランジスタは「オン」であり;
そして、選択されたグループの複数接続手段の前記選択された一つに接続されている第2グループ電界効果トランジスタの一つを「オフ」から「オン」とする一方、他の(選択されていない)第2グループ電界効果トランジスタは「オフ」であり;
更に、選択されたグループの複数接続手段の前記選択された一つに接続されている第3グループ電界効果トランジスタの選択された一つを「オフ」から「オン」にする一方、他の(選択されていない)第3グループ電界効果トランジスタは「オフ」であり;
選択されたグループの複数接続手段の前記選択された一つに接続されている第2グループ電界効果トランジスタの選択された前記一つが「オン」から「オフ」になり;(8)
その後、選択されていないグループの複数接続手段の各々を第3電位から第4電位に駆動した後前記第4電位から前記第3電位に逐次駆動する一方、前記選択されていないグループの複数接続手段の残り第3電位に維持することによって、選択されたグループの複数接続手段の選択された一つに接続された複数の光センサーからの光電電流の検出が開始される;
ことを特徴とする請求項1または3記載の光センサーアレイの駆動手段。
【請求項17】
請求項16記載の駆動手段はさらに、
第2グループ電界効果トランジスタに代わって、ソースとドレインの一つに前記第2電位が印加され、そして、ソースとドレインの他の一つが電流検出手段の反転入力に接続されている第4グループ電界効果トランジスタから構成され;
第1グループ電界効果トランジスタの選択された一つを「オン」から「オフ」にする一方、他の(選択されていない)第1グループ電界効果トランジスタは「オン」であり;
それから、第4トランジスタを「オフ」から「オン」にし;
更に、前期選択されたグループの複数接続手段の前記選択された一つに接続されている第3グループ電界効果トランジスタの一つを「オフ」から「オン」にする一方、他の第3グループ電界効果トランジスタは「オフ」であり;(5)
前記第4グループ電界効果トランジスタを「オフ」にした後に、選択されていないグループの複数接続手段の各々を第3電位から第4電位に駆動した後前記第4電位から前記第3電位に逐次駆動する一方、前記選択されていないグループの複数接続手段の残りを第3電位に維持することによって、選択されたグループの複数接続手段の選択された一つに接続された複数の光センサーからの光電電流の検出が開始される;
ことを特徴とする請求項16記載の駆動手段。
【請求項18】
各々第1厚さと第1表面を持ち、第1方向と第2方向に配置され、かつ、各々が前記第1方向と前記第2方向の少なくとも一方向において離間している第1導電形の第1半導体領域と;
前記第1方向と前記第2方向とは互いに交差しており;
各々第2厚さと第2表面を持ち、各々の第1半導体領域と接して設けられ、かつ、互いに離間して配置されている逆導電形の第2半導体領域と;
各々第3厚さと第3表面を持ち、各々の前記第2半導体領域と接して設けられた第1導電形の第3半導体領域と;
前記第3半導体領域は前記第1方向と第2方向に配置されており;
各々前記第1半導体領域の各々と接して設けられ、各々は前記第2半導体領域の各々と近いがは離間して配置され、かつ、各々が前記第2半導体領域の各々と接して設けられている前記第3半導体領域の各々と接続されている逆導電形の第4半導体領域と;
各々が前記第4半導体領域の各々と接して設けられている第1導電形の第5半導体領域と;
前記第5半導体領域は前記第1方向と前記第2方向に配置されており;
各々が絶縁され、第1半導体領域、第2半導体領域、第3半導体領域及び第4半導体領域と絶縁され、そして、各々が第1方向に配置された第5半導体領域と接続している第1グループ複数接続手段と;
各々が絶縁され、前記第1グループ複数接続手段と絶縁され、そして、第2半導体領域、第3半導体領域、第4半導体領域及び第5半導体領域と絶縁され、そして、各々が第2方向に配置された前記第1半導体領域と接続している第2グループ複数接続手段とから構成される;
ことを特徴とする光センサーアレイ。
【請求項19】
第2方向に配置された前記第1半導体領域が第2方向において各々接して、少なくとも前記第2グループ複数接続手段の一つの少なくとも一部として各々が相互接続している;
ことを特徴とする請求項18記載の光センサーアレイ。
【請求項20】
請求項18記載の光センサーアレイは更に、
一対又は複数対の半導体領域とから構成され;
前記一対又は複数対の半導体領域は;
前記第2及び第3半導体領域の各々と離間して配置され、前記第1半導体領域の各々と接して設けられた逆導電形の第6から第n半導体領域、及び、前記第6から第n半導体領域と順次接して設けられた第7から(n+1)半導体領域と;
前記「n」は6以上の偶数を示し、前記対の数はnが6に等しい時に1、nが8に等しい時に2、nが10に等しい時に3、nが12に等しい時に4等々となり;
前記第3半導体領域は前記第4半導体領域に代わって第6半導体領域と接続され;
前記第4半導体領域は前記第3半導体領域に代わって前記第(n+1)半導体領域と接続され;
前記半導体の複数対の一対からなる奇数番目の半導体領域は前記半導体の複数対の他の一対からなる偶数番目の半導体領域と各々接続される;
ことを特徴とする請求項18記載の光センサーアレイ。
【請求項21】
第2方向に配置された前記第1半導体領域が第2方向において各々接して、少なくとも前記第2グループ複数接続手段の一つの少なくとも一部として各々が相互接続している;
ことを特徴とする請求項20記載の光センサーアレイ。
【請求項22】
前記第3半導体領域のエネルギーバンドギャップが前記第2半導体領域のエネルギーバンドギャップよりも大きいことを特徴とする請求項3記載の光センサーアレイ。
【請求項23】
前記第3半導体領域のエネルギーバンドギャップが前記第2半導体領域のエネルギーバンドギャップよりも大きいことを特徴とする請求項18記載の光センサーアレイ。
【請求項24】
前記第2半導体領域のエネルギーバンドギャップが前記第1半導体領域のエネルギーバンドギャップよりも大きいことを特徴とする請求項3記載の光センサーアレイ。
【請求項25】
前記第2半導体領域のエネルギーバンドギャップが前記第1半導体領域のエネルギーバンドギャップよりも大きいことを特徴とする請求項18記載の光センサーアレイ。
【請求項26】
前記第1半導体領域が1.1エレクトロンボルトより小さいエネルギーバンドギャップを持つ半導体材料であることを特徴とする請求項3記載の光センサーアレイ。
【請求項27】
前記第1半導体領域が1.1エレクトロンボルトより小さいエネルギーバンドギャップを持つ半導体材料であることを特徴とする請求項18記載の光センサーアレイ。
【請求項28】
前記第1半導体領域が半絶縁性半導体基板上で成長したInGaAsSbr,、但し、x、y、z、qとrは0から1の実数、であることを特徴とする請求項3記載の光センサーアレイ。
【請求項29】
前記第1半導体領域が半絶縁性半導体基板上で成長したInGaAsSbr,、但し、x、y、z、qとrは0から1の実数、であることを特徴とする請求項18記載の光センサーアレイ。
【請求項30】
前記第1半導体領域が化合物半導体であり、そして、第3領域半導体がInGaAsSbr,、但し、x、y、z、qとrは0から1の実数、であることを特徴とする請求項3記載の光センサーアレイ。
【請求項31】
前記第3半導体領域の厚さが検出される光の光吸収係数の逆数の3倍以上であることを特徴とする請求項30記載の光センサーアレイ。
【請求項32】
前記第1半導体領域が基板表面と接触して配置され、そして、各々が第21領域によって分離されている;
ことを特徴とする請求項3記載の光センサーアレイ。
【請求項33】
前記第1半導体領域が基板表面と接触して配置され、そして、各々が第21領域によって分離されている;
ことを特徴とする請求項18記載の光センサーアレイ。
【請求項34】
第22領域が2つの前記第2半導体領域の間に配置されている;
ことを特徴とする請求項3記載の光センサーアレイ。
【請求項35】
第22領域が2つの前記第2半導体領域の間に配置されている;
ことを特徴とする請求項18記載の光センサーアレイ。
【請求項36】
前記第1半導体領域は第1表面と対向する第1対向表面を持ち、そして、導電層が前記第1対向表面上の第1半導体領域に付着されている;
ことを特徴とする請求項4記載の光センサーアレイ。
【請求項37】
前記第1半導体領域は第1表面と対向する第1対向表面を持ち、そして、導電層が前記第1対向表面上の第1半導体領域に付着されている;
ことを特徴とする請求項19記載の光センサーアレイ。
【請求項38】
前記第1グループ複数接続手段と第2グループ複数接続手段の一方が導電性薄膜である;
ことを特徴とする請求項3記載の光センサーアレイ。
【請求項39】
前記第1グループ複数接続手段と第2グループ複数接続手段の一方が導電性薄膜である;
ことを特徴とする請求項18記載の光センサーアレイ。
【請求項40】
前記第1グループ複数接続手段と第2グループ複数接続手段の一方が金属ワイヤーである;
ことを特徴とする請求項3記載の光センサーアレイ。
【請求項41】
前記第1グループ複数接続手段と第2グループ複数接続手段の一方が金属ワイヤーである;
ことを特徴とする請求項18記載の光センサーアレイ。
【請求項42】
半絶縁性の半導体基板と;
前記基板上に成長した第1導電形の第1半導体領域と;
前記第1半導体領域上にエピタキシャル成長され、そして、前記第1方向と第2方向に配置された逆導電形の第2半導体領域と;
前記第2半導体領域の各々の上にエピタキシャル成長され、そして、第1及び第2方向に配置されている第3半導体領域と;
第1方向に前記第3半導体領域を接続している第1接続手段とからなり;
該第1半導体領域は第1方向に各々離間して配置され;
前記第1方向と前記第2方向が互いに交差した、
ことを特徴とする光センサーアレイ。
【請求項43】
前記基板は半絶縁性のInPからなり;
前記第1半導体領域はInPからなり;
前記第3半導体領域はInGaAsSbr,、但し、x、y、zとrは0以上1以下の実数、からなる;
ことを特徴とする請求項42記載の光センサーアレイ。
【請求項44】
光センサーアレイと;
第1駆動手段、第2駆動手段及び電流検出手段からなる周辺回路と;
複数の光センサー、第1グループ複数接続手段、第2グループ複数接続手段からなる前記光センサーアレイと;
前記光センサーアレイは、前記第1グループ複数接続手段と前記第2グループ複数接続手段と前記複数の光センサーとから構成され;
前記複数の光センサーの各々1つは前記第1グループ複数接続手段の1つと前記第2グループ複数接続手段の1つと接続され、
前記第1グループ複数接続手段から選択された一つと前記第2グループ複数接続手段の選択された一つとの交点で前記複数の光センサーから一つの光センサーが選択され;
前記第1グループ複数接続手段と前記第2グループ複数接続手段から複数接続手段の一つが選択され、そして、前記選択されたグループの複数接続手段から一つがさらに選択され;
前記第1駆動手段が選択された一つの接続手段を第1電位から第2電位に駆動する一方、前記選択されたグループの複数接続手段の残りが前記第1電位に維持され、その後、前記第1駆動手段は高インピーダンス出力状態とされ;
逐次検出のために、前記第2駆動手段は選択されていないグループの複数接続手段を第3電位から第4電位に駆動した後前記第4電位から前記第3電位に逐次駆動する一方、前記選択されていないグループの複数接続手段の残りは前記第3電位に維持され;
前記電流検出手段が前記選択されたグループの複数接続手段の前記選択された一つに接続された複数の光センサーからの光電電流を前記選択されたグループの複数接続手段の前記選択された一つを通して、おおよそ前記第2電位で逐次検出し;
前記選択されていないグループの複数接続手段の前記一つを通じて前記光センサーに供給される前記第4電位と、前記選択されたグループの複数接続手段の前記選択された一つの接続手段を通じて前記選択された光センサーに供給される前記第2電位とにより前記選択された光センサーからの前記光電電流を読み出せるようにし;
前記選択されていないグループの複数接続手段の前記一つを通じて前記光センサーに供給される前記第3電位と前記選択されたグループの複数接続手段の前記選択された一つを通じて前記選択された光センサーに供給される前期第1電位とで、前記選択された光センサーからの光電電流はリーク電流を除いて読み出せないようにした;
ことを特徴とする光センサーアレイデバイス。
【請求項45】
アナログ―デジタルコンバータ、メモリーブロック及び校正回路を更に備え;
最初に、前記逐次検出を用いて、参照光像の下で、光センサーアレイ内の各々の光センサーからの各々の参照電気情報が検出され;
検出された前記各々の参照電気情報は前記アナログ―デジタルコンバータによって各々のデジタルデータに変換され、そして、前記メモリーブロックに参照デジタルデータとして記憶され;
次に、前記逐次検出を用いて、目標光学像の下で、光センサーアレイ内の各々の光センサーからの各々の電気情報が検出され;
検出された各々の電気情報は前記アナログ―デジタルコンバータによって各々のデジタルデータに変換され、そして、前記校正回路においてメモリーブロックに記憶されている各々の参照デジタルデータで割り算が行われ;(6)
前記校正回路が各々の参照デジタルデータで割り算した値を各々のデジタルデータとして出力する;
ことを特徴とする請求項44記載の光センサーアレイデバイス。
【請求項46】
前記参照光像の数が複数であり、そして、前記複数の参照光像が各々の光量の水準を持ち、参照デジタルデータの複数の組が前記メモリーブロックに記憶されており;
各々の光センサーからの前記各々のデジタルデータが前記各々のデジタルデータに最も近い参照水準を持つ前記光センサーからの参照デジタルデータによって割り算され;
前記割り算されたデータが更に前記光量水準を掛け算される;
ことを特徴とする請求項45記載の光センサーアレイデバイス。
【請求項47】
メモリーブロック及び校正回路を更に備え;
最初に、前記逐次検出を用いて、「暗」環境下で、光センサーアレイ内の各々の光センサーからの各々の「暗」電気情報が検出され;
検出された各々の「暗」電気情報はアナログ―デジタルコンバータによって各々の「暗」デジタルデータに変換されて前記メモリーブロックに記憶され;
次に、前記逐次検出を用いて、目標光学像の下で、光センサーアレイ内の各々の光センサーからの各々の電気情報が検出され;
検出された各々の電気情報はアナログ―デジタルコンバータによって各々のデジタルデータに変換され、該各々のデジタルデータからメモリーブロックに記憶されている各々の「暗」デジタルデータを校正回路において引き算し;
前記校正回路が各々の「暗」デジタルデータを引き算した値を各々のデジタルデータとして出力する;
ことを特徴とする請求項44記載の光センサーアレイデバイス。
【請求項48】
前記メモリーブロックのメモリー素子が不揮発性メモリーであることを特徴とする請求項45記載の光センサーアレイデバイス。
【請求項49】
前記メモリーブロックのメモリー素子が不揮発性メモリーであることを特徴とする請求項47記載の光センサーアレイデバイス。
【請求項50】
光センサーアレイと;
第1駆動手段、第2駆動手段;電流検出手段;ダミー電流検出手段及び差動増幅器からなる周辺回路とから構成され;
前記光センサーアレイは
複数の光センサー、
第1グループ複数接続手段、
複数のダミー光センサーが接続されている少なくとも一つのダミー接続手段、及び、
第2グループ複数接続手段とから構成され;
前記複数の光センサーの各々が前記第1グループ複数接続手段の一つ、及び、前記第2複数接続手段に接続されていて;
前記光センサーアレイの光センサーは前記第1グループ複数接続手段の選択された一つと前記第2グループ複数接続手段の選択された一つの交点で選択され;
前記第1グループ複数接続手段、及び、前記第2グループ複数接続手段から一つのグループの複数接続手段が選択され;
更に一つの接続手段が前記選択されたグループの複数接続手段から選択され、第1駆動手段によって第1電位から第2電位に駆動され、一方、前記選択されたグループの複数接続手段の残りが前記第1電位に維持され、その後、前記第1駆動手段が高インピーダンス出力状態になり;
前記ダミー接続手段は前記選択されたグループの複数接続手段に平行に配置され、そして、前記と同時に第1駆動手段によって第1電位から第2電位に駆動され、その後、前記第1駆動手段が高インピーダンス出力状態になり;
選択されていないグループの複数接続手段が前記第2駆動手段によって、第3電位から第4電位に駆動された後第4電位から該第3電位に逐次駆動される一方、前記選択されていないグループの複数接続手段の残りが前記第3電位に維持され;
前記選択されたグループの複数接続手段の選択された一つに接続されている複数の光センサーからの光電電流が前記選択されたグループの複数接続手段の前記選択された一つを通して、前記電流検出手段によっておおよそ前記第2電位で逐次検出され、
そして、前記ダミー接続手段と接続している複数のダミー光センサーからの光電電流が前記ダミー接続手段を通して、前記ダミー電流検出手段によっておおよそ前記第2電位で逐次検出され、
前記選択されていないグループの複数接続手段の前記一つを通して、前記第4電位が前記光センサーに供給され、そして、前記選択されたグループの複数接続手段の前記一つを通して、前記第2電位が前記光センサーに供給されることにより、前記選択された光センサーから前記光電電流を読み出せるようにし;
前記選択されていないグループの複数接続手段の前記一つを通して、前記第3電位が前記光センサーに供給され、前記選択されたグループの複数接続手段の前記選択された一つを通して、前記第1電位が前記選択された光センサーへ供給されることにより、前記選択された光センサーからの漏れ電流以外の前記光電電流を読み出せないようにし;
一つの入力へ前記電流検出手段からの電子情報が供給され、他方の入力へ前記ダミー電流検出手段からの電子情報が供給された差動増幅器の出力から補償された電子情報がえられる、
ことを特徴とする光センサーアレイデバイス。
【請求項51】
各々のソースとドレインの一方に前記第1電位が印加され、そして、各々のソースとドレインの他方が前記選択されたグループの複数接続手段の各々と接続されている第1グループ電界効果トランジスタと;
各々のソースとドレインの一方に前記第2電位が印加され、そして、各々のソースとドレインの他方が前記選択されたグループの複数接続手段の各々と接続されている第2グループ電界効果トランジスタと;
各々のソースとドレインの一方が前記電流検出手段の反転入力に接続され、そして、各々のソースとドレインの他方が前記選択されたグループの複数接続手段の各々と接続されている第3グループ電界効果トランジスタとから構成され;
選択されたグループの複数接続手段の一つの選択が前記第1グループ電界効果トランジスタの選択された一つを「オン」から「オフ」にすることによって行われる一方、他の(選択されていない)第1グループ電界効果トランジスタは「オン」であり;
そして、選択されたグループの複数接続手段の前記選択された一つに接続されている第2グループ電界効果トランジスタの前記一つが「オフ」から「オン」になる一方、他の(選択されていない)第2グループ電界効果トランジスタは「オフ」であり;
更に、選択されたグループの複数接続手段の前記選択された一つに接続されている第3グループ電界効果トランジスタの選択された一つを「オフ」から「オン」にする一方、他の(選択されていない)第3グループ電界効果トランジスタは「オフ」であり;
そして、選択されたグループの複数接続手段の前記選択された一つに接続されている第2グループ電界効果トランジスタの選択された前記一つを「オン」から「オフ」とし;
その後、選択されていないグループの複数接続手段の各々を第3電位から第4電位に駆動した後前記第4電位から前記第3電位に逐次駆動する一方、前記選択されていないグループの複数接続手段の残り第3電位に維持することによって、選択されたグループの複数接続手段の選択された一つに接続された複数の光センサーからの光電電流の読み出しが開始される;
ことを特徴とする請求項44記載の光センサーアレイデバイス用第1駆動手段。
【請求項52】
各々のソースとドレインの一方に前記第1電位が印加され、そして、各々のソースとドレインの他方が前記選択されたグループの複数接続手段の各々と接続されている第1グループ電界効果トランジスタと;
各々のソースとドレインの一方に前記第2電位が印加され、そして、各々のソースとドレインの他方が前記選択されたグループの複数接続手段の各々と接続されている第2グループ電界効果トランジスタと;
各々のソースとドレインの一方が前記電流検出手段の反転入力に接続され、そして、各々のソースとドレインの他方が前記選択されたグループの複数接続手段の各々と接続されている第3グループ電界効果トランジスタとから構成され;
選択されたグループの複数接続手段の一つの選択が前記第1グループ電界効果トランジスタの選択された一つを「オン」から「オフ」にすることによって行われる一方、他の(選択されていない)第1グループ電界効果トランジスタは「オン」であり;(5)
そして、選択されたグループの複数接続手段の前記選択された一つに接続されている第2グループ電界効果トランジスタの一つが「オフ」から「オン」になる一方、他の(選択されていない)第2グループ電界効果トランジスタは「オフ」であり;(6)
更に、選択されたグループの複数接続手段の前記選択された一つに接続されている第3グループ電界効果トランジスタの選択された一つを「オフ」から「オン」にする一方、他の(選択されていない)第3グループ電界効果トランジスタは「オフ」であり;(7)
そして、選択されたグループの複数接続手段の前記選択された一つに接続されている第2グループ電界効果トランジスタの選択された前記一つを「オン」から「オフ」とし;
その後、選択されていないグループの複数接続手段の各々を第3電位から第4電位に駆動して後前記第4電位から前記第3電位に逐次駆動する一方、前記選択されていないグループの複数接続手段の残りを第3電位に維持することによって、選択されたグループの複数接続手段の選択された一つに接続された複数の光センサーからの光電電流の読み出しが開始される;
ことを特徴とする請求項50記載の光センサーアレイデバイス用第1駆動手段。
【請求項53】
第2グループ電界効果トランジスタに代わって、ソースとドレインの一方に前記第2電位が印加され、そして、ソースとドレインの他方が電流検出手段の反転入力に接続されている第4グループ電界効果トランジスタから構成され;
第1電界効果トランジスタの選択された一つを「オン」から「オフ」にする一方、他の(選択されていない)第1グループ電界効果トランジスタは「オン」とすることにより、前記選択されたグループの複数接続手段から1つを選択し;
それから、第4トランジスタを「オフ」から「オン」にし;
更に、選択されたグループの複数接続手段の前記選択された一つに接続されている第3グループ電界効果トランジスタの一つを「オフ」から「オン」とする一方、他の第3グループ電界効果トランジスタは「オフ」であり;
第4トランジスタを「オフ」にした後に、選択されていないグループの複数接続手段の各々を第3電位から第4電位に駆動した後前記第4電位から前記第3電位に逐次駆動する一方、前記選択されていないグループの複数接続手段の残りを第3電位に維持することによって、選択されたグループの複数接続手段の選択された一つに接続された複数の光センサーからの光電電流の読み出しが開始される;
ことを特徴とする請求項51記載の第1駆動手段。
【請求項54】
第2グループ電界効果トランジスタに代わって、ソースとドレインの一つに前記第2電位が印加され、そして、ソースとドレインの他の一つが電流検出手段の反転入力に接続されている第4グループ電界効果トランジスタから構成され;
第1電界効果トランジスタの選択された一つを「オン」から「オフ」にする一方、他の(選択されていない)第1グループ電界効果トランジスタは「オン」とすることにより、前記選択されたグループの複数接続手段から1つを選択し;
それから、第4トランジスタを「オフ」から「オン」にし;
更に、選択されたグループの複数接続手段の前記選択された一つに接続されている第3グループ電界効果トランジスタの一つを「オフ」から「オン」にする一方、他の第3グループ電界効果トランジスタは「オフ」であり;
第4トランジスタを「オフ」にした後に、選択されていないグループの複数接続手段の各々を第3電位から第4電位に駆動して後それから、前記第4電位から前記第3電位に逐次駆動する一方、前記選択されていないグループの複数接続手段の残りを第3電位に維持することによって、選択されたグループの複数接続手段の選択された一つに接続された複数の光センサーからの光電電流の検出が開始される;(6)
ことを特徴とする請求項52記載の第1駆動手段。(1)
【請求項55】
請求項44記載の光センサーアレイデバイスと;
前記光センサーアレイデバイス上に対象物の光学像を結ぶための結像手段とから構成される;
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項56】
請求項45記載の光センサーアレイデバイスと;
前記光センサーアレイデバイス上に対象物の光学像を結ぶための結像手段とから構成される;
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項57】
請求項47記載の光センサーアレイデバイスと;
前記光センサーアレイデバイス上に対象物の光学像を結ぶための結像手段とから構成される;
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項58】
請求項50記載の光センサーアレイデバイスと;
前記光センサーアレイデバイス上に対象物の光学像を結ぶための結像手段とから構成される;
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項59】
更に前記電流検出手段からの出力に従って像を表示する表示手段から構成される;
ことを特徴とする請求項55記載の撮像装置。
【請求項60】
更に前記校正回路からのデータに従って像を表示する表示手段から構成される;
ことを特徴とする請求項56記載の撮像装置。
【請求項61】
更に前記校正回路からのデータに従って像を表示する表示手段から構成される;
ことを特徴とする請求項57記載の撮像装置。
【請求項62】
更に前記差動回路からのデータに従って像を表示する表示手段から構成される;(2)
ことを特徴とする請求項58記載の撮像装置。
【請求項63】
複数の光センサー、第1グループ複数接続手段、第2グループ複数接続手段から構成された光センサーアレイの検出法であって;
前記光センサーの各々は前記第1グループ複数接続手段の各々と前記第2グループ複数接続手段の各々と接続され;
前記光センサーは前記第1グループ複数接続手段と前記第2グループ複数接続手段との交点で前記複数の光センサーから選択され;
前記第1グループ複数接続手段と前記複数第2グループ複数接続手段から一つのグループの複数接続手段が選択され、そして、前記選択されたグループの複数接続手段から一つの接続手段がさらに選択され、第1電位から第2電位に駆動される一方、前記選択されたグループの複数接続手段の残りが第1電位に維持され;
前記選択されていないグループの複数接続手段の各々一つを、前記第3電位から第4電位に駆動した後前記第4電位から前記第3電位に逐次駆動する一方、選択されていないグループの複数接続手段の残りを第3電位に維持ことによって;
前記選択されたグループの複数接続手段の前記選択された一つに接続されている複数の光センサーからの光電電流は、前記選択されたグループの複数接続手段の前記選択された一つを通して、おおよそ前記第2電位において逐次検出され;
前記選択されていないグループの複数接続手段の前記一つを通じて前記光センサーに供給される前記第4電位と前記選択されたグループの複数接続手段の前記選択された一つの接続手段を通じて前記選択された光センサーに供給される前記第2電位とにより前記選択された光センサーからの前記光電電流を読み出せるようにし;
前記選択されていないグループの複数接続手段の前記一つを通じて前記光センサーに供給される前記第3電位と前記選択されたグループの複数接続手段の前記選択された一つを通じて前記選択された光センサーに供給される前期第1電位とで、前記選択された光センサーからの光電電流はリーク電流以外は読み出せないようにした
ことを特徴とする光センサーアレイの検出方法。
【請求項64】
前記選択されたグループの複数接続手段の前記一つが第1駆動手段によって前記第1電位から第2電位に駆動され、そして、前記第2電位から第1電位に駆動される一方、前記選択されたグループの複数接続手段の残余の接続手段の電位は前記第1電位に維持され;
前記選択されたグループの複数接続手段の前記一つを前記第1電位から前記第2電位に駆動した後、前記第1駆動手段は前記選択された複数の光センサーからの光電電流が読み出されている間は電気的に高インピーダンスである;
ことを特徴とする請求項63記載の光センサーアレイの検出方法。
【請求項65】
前記電流検出手段は非反転入力と反転入力とを有し;
前記非反転入力は前記第2電位に接続され、かつ、前記反転入力は前記選択されたグループの複数接続手段の前記選択された一つに切り換えられ、そして、前記第1駆動手段が電気的に高インピーダンスである間に選択された光センサーからの光電電流が読み出される;
ことを特徴とする請求項64記載の光センサーアレイの検出方法。
【請求項66】
前記選択されたグループの複数接続手段の前記一つの電圧が前記第1電位から前記第2電位へ遷移した後に、前記電流検出手段が前記選択されたグループの複数接続手段の前記一つに前記電流検出手段の反転入力が遅延して切り換えられ、前記選択された光センサーからの光電電流の読み出しを開始する;
ことを特徴とする請求項65記載の光センサーアレイの検出方法。
【請求項67】
前記第2電位に関して前記第4電位は第2半導体領域を第3半導体領域に対して順バイアスとする極性であり、かつ、前記第1電位に関して前記第3電位は第3半導体領域を第2半導体領域に対して逆バイアスまたはゼロバイアスとする極性である;
ことを特徴とする請求項3記載の光センサーアレイ。
【請求項68】
前記第2電位に関して前記第4電位は第2半導体領域を第1半導体領域に対して順バイアスとする極性であり、かつ、前記第1電位に関して前記第3電位は第1半導体領域を第2半導体領域に対して逆バイアスまたはゼロバイアスとする極性である;
ことを特徴とする請求項3記載の光センサーアレイ。
【請求項69】
前記基板が逆導電形の半導体であることを特徴とする請求項32記載の光センサーアレイ。
【請求項70】
前記基板が逆導電形の半導体であることを特徴とする請求項33記載の光センサーアレイ。
【請求項71】
前記第21領域が逆導電形の半導体であることを特徴とする請求項32記載の光センサーアレイ。
【請求項72】
前記第21領域が逆導電形の半導体であることを特徴とする請求項33記載の光センサーアレイ。
【請求項73】
前記第22領域が逆導電形の半導体であることを特徴とする請求項34記載の光センサーアレイ。
【請求項74】
前記第22領域が逆導電形の半導体であることを特徴とする請求項35記載の光センサーアレイ。
【請求項75】
前記基板が半絶縁性半導体であることを特徴とする請求項32記載の光センサーアレイ。
【請求項76】
前記基板が半絶縁性半導体であることを特徴とする請求項33記載の光センサーアレイ。
【請求項77】
前記第21領域が半絶縁性半導体であることを特徴とする請求項32記載の光センサーアレイ。
【請求項78】
前記第21領域が半絶縁性半導体であることを特徴とする請求項33記載の光センサーアレイ。
【請求項79】
前記第22領域が半絶縁性半導体であることを特徴とする請求項34記載の光センサーアレイ。
【請求項80】
前記第22領域が半絶縁性半導体であることを特徴とする請求項35記載の光センサーアレイ。
【請求項81】
前記基板が絶縁体であることを特徴とする請求項32記載の光センサーアレイ。
【請求項82】
前記基板が絶縁体であることを特徴とする請求項33記載の光センサーアレイ。
【請求項83】
前記第21領域が絶縁体であることを特徴とする請求項32記載の光センサーアレイ。
【請求項84】
前記第21領域が絶縁体であることを特徴とする請求項33記載の光センサーアレイ。
【請求項85】
前記第22領域が絶縁体であることを特徴とする請求項34記載の光センサーアレイ。
【請求項86】
前記第22領域が絶縁体であることを特徴とする請求項35記載の光センサーアレイ。
【請求項87】
前記第21領域が空気間隙であることを特徴とする請求項32記載の光センサーアレイ。
【請求項88】
前記第21領域が空気間隙であることを特徴とする請求項33記載の光センサーアレイ。
【請求項89】
前記第22領域が空気間隙であることを特徴とする請求項34記載の光センサーアレイ。
【請求項90】
前記第22領域が空気間隙であることを特徴とする請求項35記載の光センサーアレイ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11a】
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【図11b】
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【図11c】
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【図11d】
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【図11e】
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【図11f】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−34872(P2010−34872A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−195200(P2008−195200)
【出願日】平成20年7月29日(2008.7.29)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】