説明

光センサ制御装置及び光センサ制御方法

【課題】複数の光センサにおいて、製造バラツキに起因して、受光部の受光感度や発光部の輝度にバラツキがある場合や、或る光センサにおいて、経時劣化に起因して、受光部の受光感度や発光部の輝度が低下した場合に、物体の有無についての誤検知が発生し得る。
【解決手段】発光部と、受光量に応じた電圧を出力する受光部と、を有して検知対象物の有無を検知するための光センサを制御するための光センサ制御装置であって、受光部から出力される電圧の出力電圧値を読み取る読取部と、受光部の受光感度を調整することが可能な調整部と、を備え、読取部は、発光部の設置位置と受光部の設置位置とで定まる検出位置において、発光部から発せられる光の受光部での受光量が最大となる所定の条件下で、出力電圧値を読み取り、調整部は、読取部が所定の条件下で読み取った読み取り出力電圧値に基づき、前記受光感度を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光センサの制御技術に関し、特に、光センサを用いて物体の有無を検知する際の、誤検知を抑制するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、物体の有無を検知するために、発光部と受光部とを有する光センサが広く用いられている。この光センサにおいて受光部は、受光量に応じた大きさの電圧を出力する。そこで、この受光部における出力電圧値を読み取り、この出力電圧値が、予め設定されたしきい電圧値に達しているか否かを判定することで、物体の有無を検知することができる。
【0003】
具体的には、例えば、いわゆる透過型フォトインタラプタと呼ばれる光センサでは、発光部と受光部とが所定の間隔(以下、「検出ギャップ」と呼ぶ。)だけ離れて配置されている。そして、この検出ギャップに物体が存在すると、この物体によって発光部から射出される光が遮断されることとなる。その結果、受光部における受光量が少なくなり、出力電圧値が、予め設定されたしきい電圧値に達しないので、この場合、物体が有ると検知することができる。
【0004】
このように、発光部と受光部とを有し、物体の有無の検知に用いられる光センサとして、下記特許文献1に記載の光センサが挙げられる。
【0005】
【特許文献1】特開2000−131140号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
光センサの受光部における受光感度は、受光部の経時劣化によって低下することがある。そして、この受光感度の低下に起因して、受光部において、受光量と出力電圧値との対応関係(出力電圧特性)が変化することになる。そして、この出力電圧特性の変化の結果、物体の有無の誤検知が発生し得る。
【0007】
例えば、光センサが前述の透過型フォトインタラプタである場合、経時劣化により受光部の受光感度が低下すると、同じ受光量であっても出力電圧値が出荷前に比べて低くなってしまう。その結果、検出ギャップに物体が無いのにも関わらず、出力電圧値がしきい電圧値に達せず、物体が有ると誤検知してしまうことが起こり得る。
【0008】
かかる誤検知は、発光部の経時劣化によっても発生し得る。すなわち、経時劣化により発光部の輝度が出荷前に比べて低下したために、受光部における受光量が減少し、その結果、出力電圧値がしきい電圧値に達しなくなり、検出ギャップに物体が無いのにも関わらず、物体が有ると誤検知してしまうことが起こり得る。
【0009】
一方、前述の受光部の受光感度や、発光部の輝度は、製造バラツキによって複数の光センサ個々で異なる場合がある。かかる場合において、複数の光センサについて、同じしきい電圧値を設定すると、これら複数の光センサのうち、一部の光センサにおいて、検出ギャップに物体が無い場合の出力電圧値がしきい電圧値よりも下回り、物体が有ると誤検知したり、或いは、検出ギャップに物体が有る場合の出力電圧値がしきい電圧値よりも上回り、物体が無いと誤検知することが起こり得る。
【0010】
そこで、それぞれの光センサについて、検出ギャップに物体が無い場合の出力電圧値や、検出ギャップに物体が有る場合の出力電圧値を測定し、測定した出力電圧値に基づき、誤検知が起きないような適当なしきい電圧値を設定しなければならず、大変面倒であった。
【0011】
なお、上述した課題は、透過型フォトインタラプタに限らず、いわゆる反射型フォトインタラプタにおいても発生し得る。ここで、反射型フォトインタラプタとは、発光部及び受光部を有し、発光部から発せられた光が検知すべき物体によって反射された場合に、この反射光を受光部で受光する光センサである。従って、物体が存在する場合には、物体が存在しない場合に比べて受光部の受光量がより多くなる。
【0012】
本発明は、上述した課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、複数の光センサにおいて、製造バラツキに起因して、受光部の受光感度や発光部の輝度にバラツキがある場合や、或る光センサにおいて、経時劣化に起因して、受光部の受光感度や発光部の輝度が低下した場合に、物体の有無についての誤検知を簡便な方法で抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前述の課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の光センサ制御装置は、発光部と、受光量に応じた電圧を出力する受光部と、を有して検知対象物の有無を検知するための光センサを、制御するための光センサ制御装置であって、前記受光部から出力される電圧の出力電圧値を読み取る読取部と、前記受光部の受光感度を調整することが可能な調整部と、を備え、前記読取部は、前記発光部の設置位置と、前記受光部の設置位置と、で定まる検出位置において、前記発光部から発せられる光の前記受光部での受光量が最大となる所定の条件下で、前記出力電圧値を読み取り、前記調整部は、前記読取部が前記所定の条件下で読み取った読み取り出力電圧値に基づき、前記受光感度を調整することを要旨とする。
【0014】
このように、本発明の光センサ制御装置では、調整部は、検出位置において、発光部から発せられる光の受光部での受光量が最大となる所定の条件下で、読取部が読み取った読み取り出力電圧値に基づき、受光感度を調整するようにしている。ここで、経時劣化により受光部の受光感度が低下すると、受光部における受光量が変わらなくても出力電圧値は低下することとなり、読取部はより低い出力電圧値を読み取ることとなる。そして、読取部がより低い出力電圧値を読み取った場合に、調整部が受光感度を上昇させるように調整すると、出力電圧値は上昇するので、出力電圧値の低下に伴う検知対象物の有無についての誤検知を抑制することができる。また、経時劣化により発光部の輝度が低下した場合も、受光部における受光量が減少するために出力電圧値が低下することとなるが、この場合も同様にして、出力電圧値の低下に伴う検知対象物の有無についての誤検知を抑制することができる。
【0015】
また、製造バラツキにより、受光部の受光感度が比較的低い場合、或いは、発光部の輝度が比較的低い場合、読取部は比較的低い出力電圧値を読み取ることとなる。そして、読取部が比較的低い出力電圧値を読み取った場合に、調整部が受光感度を上昇させるように調整すると、出力電圧値は上昇することとなるので、出力電圧値が比較的低いことに伴う検知対象物の有無についての誤検知を抑制することができる。
【0016】
さらに、上記の構成とすることで、上記光センサが複数製造された場合に、それぞれの光センサについて、検知対象物が有る場合の出力電圧値や、検知対象物が無い場合の出力電圧値を予め測定すると共に、測定した出力電圧値に基づき、検知対象物の有無についての誤検知が起きないような適当なしきい電圧値を設定するといった作業を要しないので、簡便な方法で誤検知を抑制することができる。
【0017】
上記光センサ制御装置において、前記調整部は、前記読み取り出力電圧値を、予め設定された理想的な出力電圧値範囲の上限値及び下限値と比較すると共に、前記調整部は、前記読み取り出力電圧値が前記上限値よりも高い場合に、前記受光感度を低下させ、前記読み取り出力電圧値が前記下限値よりも低い場合に、前記受光感度を上昇させることが好ましい。
【0018】
このようにすることで、受光部の受光感度または発光部の輝度が低下すると、或いは、製造バラツキにより、受光部の受光感度または発光部の輝度が比較的低いと、読み取り出力電圧値は低下することとなるが、下限値よりも低い場合には、受光感度が上昇することとなるので、読み取り出力電圧値も上昇することとなる。また、製造バラツキにより、受光部の受光感度または発光部の輝度が比較的高い場合、読み取り出力電圧値は比較的高くなるが、上限値よりも高い場合には、受光感度が低下することとなるので、読み取り出力電圧値も低下することとなる。従って、読み取り出力電圧値は理想的な出力電圧範囲内に収まることとなり、検知対象物の有無についての誤検知を抑制することができる。
【0019】
上記光センサ制御装置において、前記受光部は、フォトトランジスタを有し、前記調整部は、前記フォトトランジスタに接続された負荷抵抗を有し、前記調整部は、前記読み取り出力電圧値が前記上限値よりも高い場合に、前記負荷抵抗の抵抗値をより小さな値に変化させ、前記読み取り出力電圧値が前記下限値よりも低い場合に、前記負荷抵抗の抵抗値をより大きな値に変化させるようにしてもよい。
【0020】
このようにすることで、読み取り出力電圧値が上限値よりも高い場合に、フォトトランジスタに接続された負荷抵抗の抵抗値をより小さな値に変化させるので、受光部の受光感度を低下させることができる。また、読み取り出力電圧値が下限値よりも低い場合に、フォトトランジスタに接続された負荷抵抗の抵抗値をより大きな値に変化させるので、受光部の受光感度を上昇させることができる。
【0021】
上記光センサ制御装置において、前記光センサは、透過型フォトインタラプタであり、前記所定の条件は、前記発光部と前記受光部との間の隙間において、前記検知対象物が無いとの条件であるようにしてもよい。
【0022】
このようにすることで、受光部の受光感度が低下し、その結果、同じ受光量における出力電圧値が低下した場合において、発光部と受光部との間の隙間に検知対象物が無いのにも関わらず検知対象物が有ると誤検知することを抑制することができる。また、発光部の輝度が低下し、その結果、出力電圧値が低下した場合も同様に、発光部と受光部との間の隙間に検知対象物が無いのにも関わらず検知対象物が有ると誤検知することを抑制することができる。
【0023】
また、製造バラツキにより、受光部の受光感度が比較的低い場合、或いは、発光部の輝度が比較的低い場合において、発光部と受光部との間の隙間に検知対象物が無いのにも関わらず検知対象物が有ると誤検知することを抑制することができる。
【0024】
また、製造バラツキにより、受光部の受光感度が比較的高い場合、或いは、発光部の輝度が比較的高い場合において、発光部と受光部との間の隙間に検知対象物が有るのにも関わらず検知対象物が無いと誤検知することを抑制することができる。
【0025】
なお、本発明は、上記光センサ制御装置といった装置発明の態様に限ることなく、光センサ制御方法といった方法発明として実現することも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明を実施するための最良の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.実施例:
A1.光センサ及び光センサ制御装置の概要構成:
A2.受光感度調整処理の概要:
A3.受光感度調整処理の詳細:
A4.実施例の効果:
B.変形例:
【0027】
A.実施例:
A1.光センサ及び光センサ制御装置の概要構成:
図1は、本発明の一実施例としての光センサ及び光センサ制御装置の概要構成を示す説明図である。
【0028】
図1に示す光センサ100は、主として、発光ダイオード111を有する発光部110と、フォトトランジスタ121を有する受光部120とを備える。
【0029】
発光ダイオード111は光を発し、フォトトランジスタ121では、この発光ダイオード111から発せられた光を受光することによりオンし、受光量に応じた電圧が端子P1に出力される。
【0030】
ここで、光センサ100は、透過型フォトインタラプタであり、前述の発光部110と受光部120とが検出ギャップG1だけ離れて配置され、この検出ギャップG1に物体が有るか否かによって、端子P1における出力電圧は変化することとなる。
【0031】
具体的には、検出ギャップG1に物体が有る場合、発光ダイオード111から発せられた光は、この物体によって反射されるために、フォトトランジスタ121における受光量は比較的少なくなり、その結果、端子P1における出力電圧は比較的低くなる。
【0032】
一方、検出ギャップG1に物体が無い場合、発光ダイオード111から発せられた光は、障害物により反射されることなくフォトトランジスタ121で受光されるので、フォトトランジスタ121における受光量は比較的多くなり、その結果、端子P1における出力電圧は比較的高くなる。
【0033】
かかる光センサ100の端子P1に検出部(図示省略)を接続し、この検出部において、端子P1における出力電圧値と、予め設定されているしきい電圧値と、を比較することで、検出ギャップG1における物体の有無を検出することができる。すなわち、出力電圧値がしきい電圧値よりも低ければ、物体が有ると検出することができ、一方、出力電圧値がしきい電圧値以上であれば、物体が無いと検出することができる。
【0034】
一方、光センサ制御装置200は、CPU230と、SRAM240と、FEPROM250と、を備え、それぞれ内部バス260に接続されている。また、光センサ制御装置200は、A/D変換部210と、受光感度調整回路220と、を備える。
【0035】
これらのうち、SRAM240は、調整設定値格納部240aを有し、FEPROM250は、運用設定値格納部250aを有する。また、CPU230は、FEPROM250に記憶されている光センサ100を制御するためのプログラムを実行することにより、制御部230aとして機能することとなる。
【0036】
A/D変換部210は、光センサ100における受光部120と、CPU230と、に接続されており、受光部120の出力電圧(アナログ)を入力し、デジタルデータ(出力電圧値)に変換してCPU230に出力する。受光感度調整回路220は、A/D変換部210と同様に、受光部120と、CPU230と、に接続されている。
【0037】
図2は、図1に示す受光感度調整回路220を示す説明図である。
【0038】
図2に示す受光感度調整回路220は、10個の抵抗(R1〜R10)と、それぞれの抵抗R1〜R10に直列に接続されたトランジスタTR1〜TR10と、を備えている。抵抗R1〜R10は、互いに並列に接続されており、それぞれ、対応するトランジスタTR1〜TR10がオンとなった場合に、光センサ100の受光部120に接続されることとなる。
【0039】
なお、抵抗R1〜R10の抵抗値は、抵抗R1が最も小さく、抵抗R1,抵抗R2,抵抗R3,・・・抵抗R10の順に大きくなっている。
【0040】
光センサ制御装置200では、受光感度調整回路220における抵抗R1〜R10のうち、いずれかの抵抗を選択的に受光部120に接続することにより、受光部120における受光感度を変化させることができる。
【0041】
フォトトランジスタでは、接続される抵抗(負荷抵抗)がより大きいほど、より少ない受光量でオンすることとなるので、受光感度がより高くなる。従って、抵抗値のより大きな抵抗を選択して受光部120に接続することで、受光部120の受光感度をより高くすることができる。
【0042】
ここで、受光部120に接続する抵抗を示す値として、「運用設定値」が設定されており、抵抗R1,R2,・・・,R10に対して、それぞれ、1,2,・・・,10が設定されている。そして、この運用設定値は、前述の運用設定値格納部250aに格納されている。なお、光センサ100の出荷時には、初期設定値として、「5」が設定されている。
【0043】
なお、上述した制御部230aが請求項における読取部及び調整部に、上述した受光感度調整回路220が請求項における負荷抵抗に、それぞれ相当する。
【0044】
以上説明した光センサ100及び光センサ制御装置200は、例えば、現金自動預け払い機(ATM:Automatic Teller Machine)において、投入された現金の有無の検知や、プリンタにおいて、印刷用紙の有無の検知や印刷ヘッドのホームポジションの検出等に用いることができる。
【0045】
ここで、光センサ100において、受光部120の受光感度が経時劣化により低下する場合がある。そして、この受光感度の低下に伴い受光部120の出力電圧特性も変化する。
【0046】
図3は、受光部120の出力電圧特性の一例を示す説明図である。図3において、横軸は受光量を、縦軸は受光部120における出力電圧値を、それぞれ示す。
【0047】
図3において、曲線Aは光センサ100の出荷前における受光部120の出力電圧特性を、曲線Bは光センサ100の出荷後における受光部120の出力電圧特性を、それぞれ示す。なお、破線で示す曲線C,S,T,Xについては、後ほど説明する。
【0048】
また、図3において、受光量Pは、検出ギャップG1に物体が無いときの受光量であり、受光量Qは、検出ギャップG1に物体が有るときの受光量である。また、図示せざる検出部において、物体の有無を判定するためのしきい電圧値が2Vに設定されているものとする。
【0049】
経時劣化により、受光部120の受光感度が低下すると、受光感度の低下前に比べて、同じ受光量での出力電圧値は低くなる。従って、図3に示すように、出荷前の受光部120の出力電圧特性が曲線Aであった場合に、出荷後における受光部120の経時劣化によって、出力電圧特性が曲線Bに変化することが起こり得る。
【0050】
そして、出力電圧特性が曲線Aから曲線Bに変化した場合、図3に示すように受光量Pでの出力電圧値は1.5Vとなり、しきい電圧値2Vよりも低くなる。その結果、検出ギャップG1に物体が無いのにも関わらず、図示せざる検出部では、物体が有ると誤検知してしまうこととなる。
【0051】
そこで、光センサ制御装置200では、後述する本発明の特徴部分である受光感度調整処理を行い、かかる誤検知を発生させないようにしている。
【0052】
A2.受光感度調整処理の概要:
本発明の特徴部分である受光感度調整処理の概要について、図3を用いて説明する。
【0053】
光センサ制御装置200では、受光部120の受光感度が低下して、出力電圧特性が図3に示す曲線Aから曲線Bに変化した場合、受光感度調整回路220において受光部120に接続する抵抗を変化させることにより、受光感度を上昇させるように調整する。
【0054】
ここで、光センサ制御装置200では、調整後の出力電圧特性が、図3に示す曲線Sから曲線Tの範囲に収まるように、受光感度を調整する。曲線Sにおいて、受光量Pでの出力電圧値は2.5Vであり、しきい電圧値(2V)よりも高くなる。従って、誤差(0.5V)を考慮すると、受光部120の受光感度が、曲線Sに対応する受光感度よりも低下した場合、受光量Pでの出力電圧値が2Vを下回って、図示せざる検出部は、物体が無いのにも関わらず物体が有ると誤検知するおそれがある。そこで、この曲線Sを、適切な出力電圧特性の最低レベルとしている。
【0055】
一方、曲線Tにおいて、受光量Qでの出力電圧値は1.5Vであり、しきい値電圧(2V)よりも低くなる。従って、若干の誤差(0.5V)を考慮すると、受光部120の受光感度が、曲線Tに対応する受光感度よりも上昇した場合、受光量Qでの出力電圧が2Vを上回って、図示せざる検出部は、物体が有るのにも関わらず物体が無いと誤検知するおそれがある。そこで、この曲線Tを、適切な出力電圧特性の最高レベルとしている。
【0056】
なお、受光感度を調整した結果、出力電圧特性が、曲線Sから曲線Tの範囲に収まったか否かは、受光量Pにおける出力電圧値で判定するようにする。すなわち、曲線Sにおける受光量Pでの出力電圧値は2.5Vであり、曲線Tにおける受光量Pでの出力電圧値は3.8Vであるので、受光量Pでの出力電圧値が2.5V〜3.8Vの範囲内となるように、受光感度を調整するようにする。
【0057】
ここで、受光部120が受光量Pだけ受光するのは、上述したように検出ギャップG1に物体が無いとの条件下においてである。そして、かかる条件が、請求項における「発光部から発せられる光の受光部での受光量が最大となる所定の条件」に相当する。
【0058】
また、上述した2.5V〜3.8Vの電圧範囲が、請求項における「予め定められた理想的な出力電圧値範囲」に相当し、3.8V及び2.5Vが、それぞれ上限値及び下限値に相当する。
【0059】
A3.受光感度調整処理の詳細:
本発明の特徴部分である受光感度調整処理の前提として、図1に示す運用設定値格納部250aには、運用設定値「5」が格納されており、図2に示すトランジスタTR5がオンされて抵抗R5が受光部120に接続されている。なお、受光部120の出荷前の出力電圧特性は、図3に示す曲線Aであるものとする。そして、経時劣化によって受光部120の受光感度が低下し、出力電圧特性が曲線Aから曲線Bに変化したものとする。なお、発光部110において発光ダイオード111の輝度の低下は生じていないものとする。
【0060】
ここで、図3に示すように、曲線Bにおいて受光量P(検出ギャップG1に物体が無いときの受光量)での出力電圧値は1.5Vである。また、図示せざる検出部では、しきい電圧値として2Vが設定されているものとする。従って、このままでは、上述したように、図示せざる検出部は、検出ギャップG1に物体が無いのにも関わらず、物体が有ると誤検知してしまう。
【0061】
なお、光センサ100及び光センサ制御装置200は、ユーザによって電源のオフ/オンがなされ得る。
【0062】
そして、以上の前提の下、ユーザによって光センサ100及び光センサ制御装置200の電源がオンされると、光センサ制御装置200において受光感度調整処理が実行される。なお、このとき、検出ギャップG1には物体が無いものとする。
【0063】
図4は、本実施例における受光感度調整処理の手順を示すフローチャートである。
【0064】
図4に示す受光感度調整処理が開始されると、図1に示す制御部230aは、運用設定値格納部250aに格納されている運用設定値を、調整設定値として調整設定値格納部240aに格納する(ステップS302)。
【0065】
調整設定値とは、受光感度調整処理において、受光部120に接続する抵抗を示す値である。そして、前述のように、運用設定値として「5」が格納されている場合には、この「5」が調整設定値として調整設定値格納部240aに格納される。
【0066】
次に、制御部230aは、A/D変換部210を介して入力される出力電圧値を読み取り(ステップS304)、出力電圧値が2.5Vよりも低いか否かを判定する(ステップS306)。
【0067】
前述のように、検出ギャップG1に物体が無いときの出力電圧値が1.5Vである場合、制御部230aは、この出力電圧値(1.5V)を読み取ることとなるので、出力電圧値が2.5Vよりも低いと判定することとなる。
【0068】
そして、このように、出力電圧値が2.5Vよりも低いと判定した場合、制御部230aは、調整設定値格納部240aから調整設定値を読み出し、この調整設定値が最高値「10」であるか否かを判定する(ステップS308)。前述のように、調整設定値として「5」が格納されている場合には、制御部230aは、最高値「10」でないと判定する。
【0069】
そして、調整設定値が最高値「10」でないと判定した場合、制御部230aは、現在の調整設定値に代えて、1つ上の調整設定値を調整設定値格納部240aに格納する(ステップS310)。前述のように、現在の調整設定値が「5」である場合には、新たな調整設定値として、「6」が調整設定値格納部240aに格納されることとなる。
【0070】
次に、制御部230aは、調整設定値格納部240aから調整設定値を読み出し、この設定調整値に対応するトランジスタをオンする(ステップS312)。
【0071】
前述のように、調整設定値として「6」が調整設定値格納部240aに新たに格納されているので、制御部230aはトランジスタTR6をオンすることとなる。そして、この場合、受光部120には、抵抗R6が接続されることとなる。上述したように、抵抗R5に比べて抵抗R6は抵抗値が大きいので、受光部120の受光感度は、抵抗R5が接続されていたときに比べてより高くなることとなる。その結果、出力電圧特性が変化して、出力電圧値がより高くなることとなる。
【0072】
そして、ステップS312の処理を実行した後、再びステップS306に戻る。そして、ステップS306において出力電圧値が2.5Vよりも低くないと判定するまで、制御部230aは、ステップS306〜ステップS312の処理を繰り返す。
【0073】
ステップS306〜ステップS312の処理を繰り返すことにより、1つずつ調整設定値は高くなる。それに伴い、受光部120には、より大きな抵抗値の抵抗が接続されることとなり、出力電圧値は、より高くなっていくこととなる。
【0074】
なお、ステップS306〜ステップS312の処理を繰り返した結果、調整設定値が「8」となり、受光部120に抵抗R8が接続された場合に、出力電圧特性が図4に示す曲線Aとなり、受光量Pでの出力電圧値が2.8Vに上昇したものとする。
【0075】
そして、この場合、制御部230aは、ステップS306の処理において、出力電圧値が2.5Vよりも低くないと判定し、次に、出力電圧値が3.8Vよりも高いか否かを判定する(ステップS314)。前述のように出力電圧値が2.8Vまで上昇した場合には、出力電圧値は3.8Vよりも低いので、制御部230aは、出力電圧値が3.8Vよりも高くないと判定する。
【0076】
そして、制御部230aは、出力電圧値が3.8Vよりも高くないと判定した場合、調整設定値格納部240aから調整設定値を読み出し、この調整設定値を運用設定値として運用設定値格納部250aに格納し(ステップS316)、受光感度調整処理を終了する。
【0077】
以上の受光感度調整処理の結果、運用設定値格納部250aには、運用設定値として「8」が格納される。そして、受光量Pでの出力電圧値が2.8Vに変化するので、しきい電圧値(2V)よりも高くなり、図示せざる検出部の誤検知を抑制することができる。
【0078】
なお、ステップS308の処理において、調整抵抗値が最高値「10」である場合には、これ以上、受光感度を高くすることができないので、ステップS316の処理において、運用設定値として「10」を格納して受光感度調整処理を終了する。
【0079】
以上は、経時劣化によって受光部120の受光感度が低下した場合について説明したが、製造バラツキに起因して、出荷前において受光部120の受光感度が比較的低く、出力電圧特性が図3に示す曲線Bである場合も、出荷後において、上述した受光感度調整処理を行うことで、図示せざる検出部の誤検知を抑制することができる。
【0080】
以下、製造バラツキに起因して、出荷前において受光部120の受光感度が比較的高く、出力電圧特性が図3に示す曲線Cである場合について説明する。
【0081】
図3に示すように、曲線Cにおいて受光量Pでの出力電圧値は4Vであり、受光量Qでの出力電圧値は2.1Vである。また、図示せざる検出部では、上述した受光感度が低下した場合と同様に、2Vが設定されているものとする。従って、このままでは、上述したように、検出ギャップG1に物体が有るのにも関わらず、図示せざる検出部は、物体が無いと誤検知してしまう。
【0082】
かかる場合も、上述した受光感度調整処理を実行することで、誤検知を抑制することができる。なお、以下に説明する受光感度調整処理の前提としては、受光部120の出力電圧特性が図3に示す曲線Cであること、及び受光部120の経時劣化が生じていないこと以外は、上述した受光部120の受光感度が低下した場合と同じであるので、説明を省略する。
【0083】
以上の前提の下、ユーザによって光センサ100及び光センサ制御装置200の電源がオンされると、受光感度調整処理が開始される。そして、上述したステップS302及びステップS304の処理が実行された後、ステップS306の処理において、制御部230aは、出力電圧が2.5Vよりも低くないと判定することとなる。従って、制御部230aは、出力電圧が3.8Vよりも高いか否かを判定する(ステップS314)。
【0084】
前述のように受光量Pでの出力電圧値が4Vであるので、制御部230aは、上述した受光部120の受光感度が低下した場合と異なり、出力電圧値が3Vよりも高いと判定することとなる。このように、ステップS314の処理において、出力電圧値が3Vよりも高いと判定した場合、制御部230aは、調整設定値格納部240aから調整設定値を読み出し、この調整設定値が最低値「1」であるか否かを判定する(ステップS318)。
【0085】
前述のように、調整設定値として「5」が格納されている場合には、制御部230aは、最低値「1」でないと判定する。そして、調整設定値が最低値「1」でないと判定した場合、制御部230aは、現在の調整設定値に代えて、1つ下の調整設定値を調整設定値格納部240aに格納する(ステップS320)。前述のように、現在の調整設定値が「5」である場合には、新たな調整設定値として、「4」が調整設定値格納部240aに格納されることとなる。
【0086】
次に、制御部230aは、調整設定値格納部240aから調整設定値を読み出し、この設定調整値に対応するトランジスタをオンする(ステップS322)。
【0087】
前述のように、調整設定値として「4」が調整設定値格納部240aに新たに格納されているので、制御部230aは、トランジスタTR4をオンすることとなる。そして、この場合、受光部120には、抵抗R4が接続されることとなる。上述したように、抵抗R5に比べて抵抗R4は抵抗値が小さいので、受光部120の受光感度は、抵抗R5が接続されていたときに比べて、より低くなることとなる。その結果、出力電圧特性が変化して、出力電圧値がより低くなることとなる。
【0088】
そして、ステップS322の処理を実行した後、再びステップS314に戻る。そして、ステップS314の処理において出力電圧値が3.8Vよりも高くないと判定するまで、制御部230aは、ステップS314,及びステップS318〜ステップS322の処理を繰り返す。
【0089】
ステップS314,ステップS318〜ステップS322の処理を繰り返すことにより、1つずつ調整設定値が低くなるので、それに伴い、受光部120には、より小さな抵抗値の抵抗が接続されることとなり、出力電圧値は、より低くなっていくこととなる。
【0090】
そして、ステップS314,ステップS318〜ステップS322の処理を繰り返した結果、調整設定値が「3」となり、受光部120に抵抗R3が接続された場合に、出力電圧値が3.8Vを下回ったものとする。この場合、上述したステップS316の処理が実行され、運用設定値として「3」が運用設定値格納部250aに格納されて受光感度調整処理が終了する。
【0091】
以上の受光感度調整処理の結果、運用設定値格納部250aには、運用設定値として「3」が格納される。そして、この場合、受光量Qでの出力電圧値はしきい電圧値(2V)よりも低くなるので、図示せざる検出部の誤検知を抑制することができる。
【0092】
なお、ステップS318の処理において、調整抵抗値が最低値「1」である場合には、これ以上、受光感度を低くすることができないので、ステップS316の処理において、運用設定値として「1」を格納して受光感度調整処理を終了する。
【0093】
A4.実施例の効果:
以上説明したように、光センサ制御装置200において制御部230aは、受光部120における出力電圧値を読み取り、出力電圧値が2.5Vよりも高い場合には、出力電圧値が2.5V〜3.8Vの範囲となるまで、より大きな抵抗値の抵抗を受光部120に接続させるようにしている。その結果、受光感度を上昇させることができ、検出ギャップG1に物体が無い場合の出力電圧値を2Vよりも高くすることができる。
【0094】
従って、経時劣化により受光部120の受光感度が低下した場合や、製造バラツキにより出荷当初から受光部120の受光感度が比較的低い場合において、検出ギャップG1に物体が無いのにも関わらず物体が有ると誤検知することを、簡便な方法で抑制することができる。
【0095】
一方、制御部230aは、読み取った出力電圧値が3.8Vよりも高い場合には、出力電圧値が2.5V〜3.8Vの範囲となるまで、より小さな抵抗値の抵抗を受光部120に接続させるようにしている。その結果、受光感度を低下させることができ、検出ギャップG1に物体が有る場合の出力電圧値を2Vよりも低くすることができる。
【0096】
従って、製造バラツキにより出荷当初から受光部120の受光感度が比較的高い場合において、検出ギャップG1に物体が有るのにも関わらず物体が無いと誤検知することを、簡便な方法で抑制することができる。
【0097】
なお、上述した受光感度調整処理を行うことで、発光部110側の経時劣化によって、発光ダイオード111の輝度が低下した場合や、製造バラツキにより出荷当初から発光ダイオード111の輝度が比較的低い(または比較的高い)場合においても、簡便な方法で誤検知を抑制することができる。
【0098】
例えば、経時劣化に起因して、発光ダイオード111の輝度が出荷前に比べて低下した場合、受光部120の受光量は減少することとなる。この場合、受光部120の受光感度が変化していないとすると、同じ受光量での出力電圧値は、出荷前に比べて低下することとなる。その結果、検出ギャップG1に物体が無い場合の出力電圧値がしきい電圧値よりも下回った場合、物体が有ると誤検知することとなる。
【0099】
そこで、上述した受光感度調整処理を実行することで、受光部120の受光感度が上昇し、検出ギャップG1に物体が無い場合の出力電圧値をしきい電圧値よりも上回るようにすることができ、かかる誤検知を簡便な方法で抑制することができる。
【0100】
ここで、上述した受光感度調整処理に代えて、図示せざる検出部において、出力電圧値に応じてしきい電圧値を変化させて、誤検知を抑制する方法も考えられる。
【0101】
例えば、受光部120の受光感度が低下して、受光部120の出力電圧特性が、図3に示す曲線Aから曲線Bに変化した場合、上述したように、検出ギャップG1に物体が無い場合の出力電圧値は、2.5Vから1.5Vに低下することとなる。この場合、例えば、図示せざる検出部において、しきい電圧値を2Vから1Vに低下することにより、検出ギャップG1に物体が無いのにも関わらず、物体が有ると誤検知することを抑制することができる。
【0102】
かかる方法に対し、本発明は以下の点で有利な効果を奏する。
【0103】
受光部120の受光感度が低下して、出力電圧特性が、図3に示す曲線Aから破線で示す曲線Xに変化した場合について考えてみる。この場合、図3に示すように、受光量Pにおける出力電圧値と受光量Qにおける出力電圧値とは、電圧値αでほぼ同程度となっている。
【0104】
従って、しきい電圧値を変化させる方法により、しきい電圧値を電圧値αよりも低い値に設定することで、検出ギャップG1に物体が無いのにも関わらず、物体が有ると誤検知することは抑制することができる。しかしながら、検出ギャップG1に物体が有る場合(受光量Qの場合)には、出力電圧値(電圧値α)がしきい電圧値よりも高くなるので、図示せざる検出部は、物体が無いと誤検知してしまうこととなる。
【0105】
一方、しきい電圧値を電圧値αよりも高い値に設定すると、検出ギャップG1に物体が無い場合に、出力電圧値(電圧値α)がしきい電圧値よりも低くなるので、図示せざる検出部は、物体が有ると誤検知してしまうこととなる。
【0106】
これに対して、本発明では、受光部120の受光感度が低下して、出力電圧特性が、曲線Aから曲線Xに変化したような場合には、上述した受光感度調整処理によって、受光部120の受光感度を上昇させて、受光部120の出力電圧特性を、曲線Sから曲線Tの範囲内となるようにするので、かかる誤検知を抑制することができる。
【0107】
B.変形例:
なお、本発明は、前述の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の態様において実施することが可能であり、例えば以下のような変形も可能である。
【0108】
B1.変形例1:
上述した実施例における受光感度調整処理では、制御部230aは、ステップS308の処理において調整設定値が最高値「10」であると判定した場合、ステップS316の処理においてこの最高値「10」を運用設定値として格納して受光感度調整処理を終了していたが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0109】
ステップS308の処理において最高値が「10」であると判定した場合、受光部120の受光感度が最高の状態にあるにも関わらず、受光量Pでの出力電圧値は2.5Vよりも小さい状態である。従って、これ以上受光感度を調整しても、誤検知を抑制することは不可能である。そこで、上述したステップS316の処理に代えて、光センサ制御装置200に接続された液晶パネル等の表示部(図示省略)に、光センサの交換を促すガイダンスを表示するようにしてもよい。
【0110】
なお、ステップS318の処理において調整設定値が最低値「1」であると判定した場合も同様な処理を行うようにすればよい。
【0111】
B2.変形例2:
上述した実施例において、光センサ制御装置200は、受光部120の出力電圧(アナログ)を、A/D変換部210によってデジタルデータに変換する構成であったが、本発明はこれに限定されるものではない。CPU230がA/D変換回路を備える構成とし、A/D変換部210に代えて、このA/D変換回路が、出力電圧をデジタルデータに変換する構成であっても構わない。
【0112】
B3.変形例3:
上述した実施例では、受光感度調整処理は、ユーザによって光センサ100及び光センサ制御装置200の電源がオンされた場合に実行される構成であったが、かかる場合に限らず、定期的(例えば、毎日定時等)に実行されるような構成であっても構わない。このようにすることで、より簡便な方法で誤検知を抑制することができる。
【0113】
B4.変形例4:
上述した実施例では、光センサ100は、透過型フォトインタラプタであったが、反射型フォトインタラプタであっても構わない。光センサが、反射側インタラプタであっても、本発明を適用することにより、経時劣化に起因して受光部の受光感度や発光部の輝度が変化した場合や、製造バラツキに起因して受光部の受光感度や発光部の輝度にバラツキがある場合において、物体の有無についての誤検知を抑制することができる。
【0114】
なお、光センサ100が反射型フォトインタラプタである場合には、物体の検出位置に光を透過しない物体が存在し、発光部から発せされた光がこの物体によって反射されて受光部で受光されるという条件下において、受光量は最大となる。従って、かかる条件が、請求項における「発光部から発せられる光の受光部での受光量が最大となる所定の条件」に相当する。
【0115】
B5.変形例5:
上述した実施例では、受光感度調整回路220は、10個の抵抗R1〜R10を備える構成であったが、負荷抵抗としてフォトトランジスタ121に接続可能であり、その抵抗値を変化させることが可能な構成であれば、抵抗の個数に限定されるものではない。例えば、1つの可変抵抗器を備える構成であっても構わない。
【0116】
B6.変形例6:
上述した実施例において、光センサ制御装置200の各部は、ソフトウェアで構成されているものを、ハードウェアで構成するようにしてもよいし、ソフトウェアで構成されているものを、ハードウェアで構成するようにしてもよい。例えば、前述の制御部230aをハードウェアで構成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】本発明の一実施例としての光センサ及び光センサ制御装置の概要構成を示す説明図である。
【図2】図1に示す受光感度調整回路220を示す説明図である。
【図3】受光部120の出力電圧特性の一例を示す説明図である。
【図4】本実施例における受光感度調整処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0118】
100…光センサ
110…発光部
111…発光ダイオード
120…受光部
121…フォトトランジスタ
200…光センサ制御装置
220…受光感度調整回路
230…CPU
230a…制御部
240…SRAM
240a…調整設定値格納部
250…FEPROM
250a…運用設定値格納部
260…内部バス
P1…端子
G1…検出ギャップ
TR1〜TR10…トランジスタ
R1〜R10…抵抗

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光部と、受光量に応じた電圧を出力する受光部と、を有して検知対象物の有無を検知するための光センサを、制御するための光センサ制御装置であって、
前記受光部から出力される電圧の出力電圧値を読み取る読取部と、
前記受光部の受光感度を調整することが可能な調整部と、
を備え、
前記読取部は、前記発光部の設置位置と、前記受光部の設置位置と、で定まる検出位置において、前記発光部から発せられる光の前記受光部での受光量が最大となる所定の条件下で、前記出力電圧値を読み取り、
前記調整部は、前記読取部が前記所定の条件下で読み取った読み取り出力電圧値に基づき、前記受光感度を調整することを特徴とする光センサ制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光センサ制御装置であって、
前記調整部は、前記読み取り出力電圧値を、予め設定された理想的な出力電圧値範囲の上限値及び下限値と比較すると共に、
前記調整部は、前記読み取り出力電圧値が前記上限値よりも高い場合に、前記受光感度を低下させ、前記読み取り出力電圧値が前記下限値よりも低い場合に、前記受光感度を上昇させる、
光センサ制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の光センサ制御装置であって、
前記受光部は、フォトトランジスタを有し、
前記調整部は、前記フォトトランジスタに接続された負荷抵抗を有し、
前記調整部は、前記読み取り出力電圧値が前記上限値よりも高い場合に、前記負荷抵抗の抵抗値をより小さな値に変化させ、前記読み取り出力電圧値が前記下限値よりも低い場合に、前記負荷抵抗の抵抗値をより大きな値に変化させる、
光センサ制御装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の光センサ制御装置であって、
前記光センサは、透過型フォトインタラプタであり、
前記所定の条件は、前記発光部と前記受光部との間の隙間において、前記検知対象物が無いとの条件である、
光センサ制御装置。
【請求項5】
発光部と、受光量に応じた電圧を出力する受光部と、を有して検知対象物の有無を検知するための光センサを、制御するための光センサ制御方法であって、
前記発光部の設置位置と、前記受光部の設置位置と、で定まる検出位置において、前記発光部から発せられる光の前記受光部での受光量が最大となる所定の条件下で、前記受光部から出力される電圧の出力電圧値を読み取る第1の工程と、
前記所定の条件下で読み取られた前記出力電圧値に基づき、前記受光部の受光感度を調整する第2の工程と、
を備える光センサ制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−127591(P2007−127591A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−322220(P2005−322220)
【出願日】平成17年11月7日(2005.11.7)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】