説明

光ディスク再生装置

【課題】装置本体のキー操作やリモートコントローラのキー操作を低減して光ディスクの再生が行える光ディスク再生装置を提供する。
【解決手段】光ディスク再生装置1は、装置本体に対して出し入れ自在に設けられ、光ディスクが載置されるトレイと、物体(例えばユーザの体の一部)が所定の範囲内に存在するか否かを検知する物体検知手段17と、を備え、物体検知手段17による検知結果を利用して、トレイの出し入れを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクの再生を行うために用いられる光ディスク再生装置に関し、特にユーザのキー操作を低減して光ディスクの再生が行えるように構成された光ディスク再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報を記録する媒体として、ブルーレイディスク(以下ではBDと表現する)やデジタル多用途ディスク(以下ではDVDと表現する)等の光ディスクが使用される。このような光ディスクを再生する装置として、BDプレーヤやDVDプレーヤ等の光ディスク再生装置が用いられる。
【0003】
従来の光ディスク再生装置を用いて光ディスクの再生を行う場合、ユーザは装置本体の操作キーやリモートコントローラを用いて、いくつかのキー操作を行う必要がある。例えば、ユーザは、まず光ディスクを光ディスク再生装置にセットするために、光ディスクを載置するトレイの開閉操作(出し入れ)を行う必要がある。また、光ディスク再生装置に光ディスクがセットされた後には、例えば光ディスク再生装置に接続されるモニタ装置に表示される再生リスト(メニュー)を見て、再生したい内容(コンテンツ)をキー操作によって選択する必要がある。
【0004】
このようなキー操作は、例えば光ディスク再生装置に不慣れな人にとっては、非常に煩わしく、面倒なものに感じられる場合がある。また、装置に不慣れでなくても、キー操作を極力行わないで光ディスクの再生を行えた方が便利であると考えるユーザもいる。例えば、映画のBDやDVDを再生する場合、ユーザは基本的には映画の本編を見ることを意図している場合が多い。このために、メニュー画面を見ながら「本編再生」という項目を選択する作業は省略して、本編の再生を開始したいと感じる場合がある。
【0005】
この点、特許文献1には、DVDが装置内に挿入されるか、もしくはユーザによって再生の指示がなされると、予め初期値として設定されているメニューに対応するコンテンツを自動的に選択して再生する光ディスク再生装置が開示されている。これによれば、ユーザはメニューからコンテンツの選択するためのキー操作を行わなくて良い。
【特許文献1】特開2005−302104号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示される構成においては、コンテンツの選択を行うためのキー操作を省略できるだけである。このために、装置本体のキー操作やリモートコントローラのキー操作を極力低減するという観点からは、更に改善が望まれるところである。
【0007】
以上の点を鑑みて、本発明の目的は、装置本体のキー操作やリモートコントローラのキー操作を低減して光ディスクの再生が行える光ディスク再生装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明は、光ディスクに記録された情報を再生する光ディスク再生装置であって、装置本体に対して出し入れ自在に設けられ、前記光ディスクが載置されるトレイと、物体が所定の範囲内に存在するか否かを検知する物体検知手段と、を備え、前記物体検知手段による検知結果を利用して、前記トレイの出し入れを行うことを特徴としている。
【0009】
この構成によれば、ユーザが例えば手を近づけたり遠ざけたりする動作を、物体検知手段によって検知することができる。このために、例えばユーザが手を近づけたり遠ざけたりする動作によって、トレイの出し入れを行うことが可能となる。したがって、装置本体のキー操作やリモートコントローラのキー操作を行うことなくして、光ディスク再生装置に光ディスクをセットすることが可能となる。すなわち、装置本体のキー操作やリモートコントローラのキー操作を低減して光ディスクの再生が行うことが可能となる。
【0010】
また、本発明は、上記構成の光ディスク再生装置において、前記トレイに前記光ディスクが載置されているか否かを検知する光ディスク検知手段が更に備えられることとしても良い。
【0011】
この構成によれば、物体検知手段と光ディスク検知手段の2つを用いて、トレイの出し入れを管理することが可能となる。したがって、光ディスク再生装置への光ディスクのセットが行い易くなる。
【0012】
上記構成の光ディスク再生装置の具体的な構成として、前記物体検知手段によって前記物体が前記所定の範囲内に存在すると判断される場合には、前記トレイは排出され、前記トレイが排出された状態においては、前記光ディスク検知手段によって前記トレイに前記光ディスクが載置されていると検知され、且つ、前記物体検知手段によって前記物体が前記所定の範囲内に存在しないと検知される場合には、前記トレイは収容されることとしても良い。
【0013】
また、本発明は、上記構成の光ディスク再生装置において、前記光ディスク検知手段は赤外線センサであることとしても良い。これによれば、装置を大型化することがなく、更に、光ディスク検知手段の取り付けが容易である。
【0014】
また、本発明は、上記構成の光ディスク再生装置において、前記物体検知手段は赤外線センサであることとしても構わない。この構成によれば、例えばユーザの体の一部(例えば手)を検知する構成が簡易な構成で実現できる。
【0015】
また、本発明は、上記構成の光ディスク再生装置において、前記トレイに前記光ディスクが載置されて前記トレイが収容されると、前記光ディスクに記録される所定のコンテンツが自動的に再生されることとしても良い。これにより、ユーザは、光ディスクに記録される複数のコンテンツから1つのコンテンツを選択する作業を省略することが可能となり、光ディスクを再生する際のキー操作を更に低減することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、装置本体のキー操作やリモートコントローラのキー操作を低減して光ディスクの再生が行える光ディスク再生装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の光ディスク再生装置について実施形態を示して、図面を参照しながら詳細に説明する。ここで、光ディスク再生装置は、BD、DVD、CD(コンパクトディスク)等の光ディスクに記録された情報を再生するために使用される装置である。
【0018】
まず、本実施形態の光ディスク再生装置の構成について、図1、図2及び図3を参照しながら説明する。図1は、本実施形態の光ディスク再生装置の構成を示すブロック図である。図2は、本実施形態の光ディスク再生装置を正面から見た場合の概略平面図である。図3は、本実施形態の光ディスク再生装置が備えるトレイの構成を示す概略平面図である。
【0019】
図1に示すように本実施形態の光ディスク再生装置1は、全体制御部11と、ディスクドライブ部12と、再生処理部13と、表示部14と、操作部15と、リモコン受信部16と、ユーザ検知部17と、光ディスク検知部18と、を備える。
【0020】
全体制御部11は、CPU111とメモリ112などの周辺部品を備え、光ディスク再生装置1を構成する各部の制御を行う。
【0021】
ディスクドライブ部12は、光ディスクを光ディスク再生装置にセットする際に、光ディスクが載置されるトレイ20(図3参照)を備える。トレイ20は、光ディスク再生装置1の正面に設けられるイジェクト部19(図2参照)から出し入れ自在となっている。トレイ20の出し入れは、ディスクドライブ部12に設けられるトレイ駆動機構(図示せず)によって行われる。
【0022】
また、ディスクドライブ部12には、光ディスクの回転を行うためのスピンドルモータや、光ディスクに記録される情報の読み取りを行う光ピックアップ(図示せず)が備えられる。スピンドルモータの駆動や、光ピックアップのラジアル方向(光ディスクの半径方向)への移動、サーボ機構の駆動、光源の駆動等は、ディスクドライブ部12によって制御される。
【0023】
再生処理部13は、ディスクドライブ部13の光ピックアップによって読み出された信号を処理する。再生処理部13には、デコーダやエラー訂正部などが備えられる。再生処理部13によって生成された映像信号及び音声信号は、光ディスク再生装置1にケーブルで接続されるモニタ装置へと出力される。
【0024】
表示部14は、図2に示すように光ディスク再生装置1の正面から見えるように取り付けられる。表示部14は、例えば蛍光表示管(FL管)を用いて形成され、現在時刻、光ディスクの再生位置を示すカウンタ、光ディスク再生装置1の動作状態等を表示(FLD表示)できるようになっている。
【0025】
操作部15は、ユーザが光ディスク再生装置1に対して各種の命令(コマンド)を入力するためのものである。図2に示すように、操作部15には、例えば再生ボタン、停止ボタン、早送りボタン、巻き戻しボタン、トレイ20の出し入れ(オープン、クローズ)用のボタン、メニュー選択用のボタン等、複数のボタンが設けられている。各種ボタンが押されることによって、対応するコマンドが全体制御部11に出力される。
【0026】
リモコン受信部16は、ユーザが光ディスク再生装置1に直接触れることなく遠隔操作するためのリモートコントローラ(以下、リモコンと省略して記載する)から送信される操作信号(例えば赤外線などによる信号)を受信する受信部である。本実施形態の光ディスク再生装置1においては、図2に示すように光ディスク再生装置1の前面部分に取り付けられている。リモコン受信部16は、受信した操作信号を変換してユーザが入力したコマンドを全体制御部11に出力する。
【0027】
ユーザ検知部17は、ユーザの体の一部(これは物体に含まれる)が所定の範囲内に存在するか否かを検知するための手段として設けられている。ユーザ検知部17は、図2に示すように光ディスク再生装置1の前面部分に取り付けられる。また、イジェクタ部19近傍に設けられる。このような位置にユーザ検知部17を設ける理由は、ユーザがトレイ20に光ディスクを載置したり、トレイ20から光ディスクを除去したりする場合に、ユーザが作業のためにその手を光ディスク再生装置1に近づけている間はそのことを検知できるようにするためである。また、前述の作業の終了によってユーザの手が光ディスク再生装置1から離れた場合にはそのことを検知できるようにするためである。
【0028】
ユーザ検知部17は、ユーザの体の一部が所定の範囲内に存在するか否かを検知することができる手段であればいずれの手段でも構わないが、例えば、焦電型赤外線センサ等を利用することができる。なお、焦電型赤外線センサには、人の体のみを検知するように特定の波長帯域のみ通過させるバンドパスフィルタが取り付けられる。
【0029】
なお、ユーザ検知部17による検知範囲があまりに広いと、誤動作を引き起こす可能性がある。また、逆にユーザ検知部17による検知範囲があまりにも狭いと、ユーザからの指令を検出しにくくなる可能性がある。このような点を考えて、ユーザ検知部17がユーザの体の一部が所定の範囲内に存在するか否かを検知する範囲は定められる。
【0030】
光ディスク検知部18は、トレイ20に光ディスクが載置されているか否かを検知するための手段として設けられる。本実施形態においては、光ディスク検知部18は、図3に示すようにトレイ20に取り付けられる。また、光ディスク検知部18は、発光部と受光部とを有する光反射型のフォトインタラプタからなっている。なお、本実施形態のフォトインタラプタは、近赤外線を発光する発光ダイオード(発光部)と、光を受光するフォトトランジスタ或いはフォトIC(受光部)と、の組み合わせから成っており、赤外線センサの一種である。
【0031】
本実施形態の光ディスク検知部18においては、光ディスクがトレイ20に載置されると、発光部から光ディスクに照射される光が光ディスクによって反射され、受光部で検出されるようになる。一方、光ディスクがトレイ20に載置されていない場合には、発光部からの光は受光部には受光されないようになっている。このため、光ディスク検知部18は、トレイ20に光ディスクが載置されているか否かを検知できる。
【0032】
なお、本実施形態においては、光ディスク検知部18が赤外線センサである構成としているが、これに限定される趣旨ではない。すなわち、トレイ20に光ディスクが載置されているか否かを検知できれば良く、例えば、トレイ20に加わる荷重の変化によって光ディスクがトレイ20に載置されているか否かを検知する構成等としても構わない。
【0033】
本実施形態の光ディスク再生装置1の概略構成は以上のようである。次に、ユーザ検知部17と光ディスク検知部18を用いた全体制御部11の動作について説明する。ユーザ検知部17は、ユーザが光ディスク再生装置1に光ディスクをセットする際に、ユーザが行うキー操作を低減できるように設けられる。また、光ディスク検知部18は、ユーザ検知部17を用いて光ディスクをセットする構成において、ユーザがトレイ20に光ディスクを載置する作業を行い易いように設けられる。このため、光ディスク検知部18は、ユーザが行うキー操作を低減するという目的のみにおいては、必ずしも必要でないが、設けた方が好ましい。
【0034】
全体制御部11は、ユーザ検知部17によってユーザの体の一部が所定の範囲内に存在することを知らされると、ディスクドライブ部12に命令してトレイ20を排出させる。また、全体制御部11は、トレイ20が排出されている状態において、光ディスク検出部18によってトレイ20に光ディスクが載置されていると知らされ、且つ、ユーザ検知部17によってユーザの体の一部が所定の範囲内に存在すると知らされない(すなわち、ユーザの体の一部が所定の範囲内に存在しないと判断される)場合には、ディスクドライブ部12に命令してトレイ20を収容させる。
【0035】
このように構成した場合、トレイ20が排出された時点で光ディスクがトレイ20に既に載置されていても、ユーザは容易に光ディスクの交換を行える。すなわち、例えば、トレイ20が排出された時点で手(ユーザの体の一部)を近づけたままとして、トレイ20に載置されている光ディスクを取り除く。そうすれば、光ディスク検知部18の作用によって、ユーザが手を遠ざけてもトレイ20は排出された状態のままとなる。このために、ユーザは無理な姿勢をとることなく、容易に光ディスクの交換を行える。
【0036】
図4は、ユーザが光ディスクを光ディスク再生装置1内にセットする場合の光ディスク再生装置1の動作を示すフローチャートである。ユーザは、光ディスクを光ディスク再生装置1にセットしようとする場合、例えば、手(ユーザの体の一部)を光ディスク再生装置1(正確にはユーザ検知部17)に近づける。上述のように、ユーザ検知部17は、焦電型赤外線センサで構成されており、ユーザの手が所定の範囲内に近づくと、そのことを検知する(ステップS1)。なお、ユーザ検知部17は、ユーザの手が所定の範囲内に近づいたことを検知すると、全体制御部11にそのことを知らせる。
【0037】
全体制御部11は、ユーザ検知部17からの信号が入力されると、ディスクドライブ部12にトレイ20を排出(イジェクト)するように命令する。これにより、トレイ駆動機構(図示せず)が駆動し、トレイ20が排出される(ステップS2)。トレイ20が排出されると、光ディスク検知部18によって、トレイ20に光ディスクが載置されているか否かが確認される(ステップS3)。
【0038】
トレイ20に光ディスクが載置されていない場合には、光ディスク再生装置1は、トレイ20が排出された状態で待機する(ステップS4)。なお、この間にユーザが手を所定の範囲から遠ざけても、トレイ20に光ディスクが載置されていないために、トレイ20は排出されたままである。そして、再びトレイ20に光ディスクが載置されているか否かが確認される。光ディスクがトレイ20に載置されるまでこの動作が繰り返され、光ディスクが載置されると、次にユーザ検知部17の検知結果に基づいて、ユーザの手が所定の範囲内に無いか否かが確認される(ステップS5)。
【0039】
ユーザの手が所定の範囲内に無い(ユーザが近づけていた手を遠ざけた(離した))と判断される場合には、全体制御部11はディスクドライブ部12にトレイ20を収容するように命令し、トレイ駆動機構の命令によってトレイ20が収容される(ステップS6)。これにより、キー操作を行わずに、ユーザは再生予定の光ディスクを光ディスク再生装置1にセットできる。
【0040】
なお、ステップS2でトレイ20を排出した時点で光ディスクが載置されている場合もある。この場合は、ステップS3で、光ディスク検知部18によって、トレイ20に光ディスクが存在すると検知されることになる。このために、ステップS5に進んで、ユーザの手が所定の範囲内に無いか否かが確認されることになる。しかしながら、この場合には、光ディスクの交換を行う必要があるために、ユーザは所定の範囲内に手を近づけた状態のままとする。このために、ステップS3に戻るが、光ディスクが一旦取り除かれるために、ステップS3からステップS4に進み、上述の場合と同様の経過で、再生予定の光ディスクがトレイ20に載置されて、トレイ20が収容されることになる。
【0041】
本実施形態の光ディスク再生装置1においては、以上のようにしてユーザが再生したい光ディスクが光ディスク再生装置1にセットされると、光ディスクに記録される所定のコンテンツが自動的に再生されるように構成されている。これについて、図5を参照しながら説明する。なお、図5は、本実施形態の光ディスク再生装置1における自動再生のフローを示すフローチャートである。
【0042】
光ディスクが載置されたトレイ20が装置内に収容されると、全体制御部11の命令により、スピンドルモータが回転されて、光ディスクの管理情報領域に記録された内容にしたがって光ディスクの再生が開始される(ステップS11)。そして、メニュー画面がモニタ装置に表示される(ステップS12)。なお、映画が記録される光ディスク等では、コマーシャル映像が自動的に流れた後に、メニュー画面が表示される場合がある。メニュー画面が表示されると、ユーザはメニューの中から再生したいコンテンツを選択する必要があるが、本実施形態の光ディスク再生装置では、このコンテンツの選択を自動で行い、再生を行うようになっている。すなわち、光ディスクの再生にあたって、キー操作を低減できる構成となっている。
【0043】
なお、本実施形態においては、メニュー画面の表示は、ユーザがその内容を確認できるように十分な時間行う構成としている。
【0044】
モニタ装置に表示されるメニュー画面においては、メニューの一部が点滅或いは高輝度等となってハイライトされる画面が表示される。初期値としてハイライトされるメニューは、メニューの一番上の項目であることが一般的である。そして、映画が記録される光ディスク等においては、「本編再生」メニューが一番上の項目とされるのが一般的である。このため、本実施形態の光ディスク再生装置1では、初期値としてハイライトされる項目のコンテンツを自動再生することとしている。
【0045】
すなわち、メニュー画面が表示されると、全体制御部11は初期値としてハイライトされる項目に関するハイライト情報を光ディスクから取得する(ステップS13)。そして、ハイライト情報からハイライトされているメニューに対応するボタンコマンドを取得し(ステップS14)、ボタンコマンドの実行(所定のコンテンツの再生)を行う(ステップS15)。
【0046】
以上のように、本実施形態の光ディスク再生装置1によれば、ユーザは操作部15やリモコンのキー操作を行うことなく、ユーザが再生したい光ディスクを光ディスク再生装置1にセットでき、所定のコンテンツを自動的に再生できる。
【0047】
なお、本発明は以上に示した実施形態に限定される趣旨ではなく、本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0048】
例えば、本実施形態においては、ユーザ検知部17によって、ユーザの体の一部を検知する構成としている。しかし、この構成に限らず、広く物体(人体の一部を含むより上位の概念)が所定の範囲内に存在するか否かを検知して、トレイ20の出し入れを制御する構成としても構わない。この場合には、検知部の構成として例えば発光部と受光部とを設ける構成とし、物体が所定の範囲内に存在する場合には受光部で受光される光量が変化することを利用して、物体の存在を検知するようにしても良い。
【0049】
また、本実施形態においては、光ディスクが光ディスク再生装置1にセットされると、所定のコンテンツが自動再生される構成とした。しかし、例えばユーザがメニュー画面に従ってキー操作を行いたいと考える場合も十分あり得る。このために、例えば、所定のコンテンツの再生が始まるまでに(場合によって、再生が始まってからでも構わない)、ユーザが操作部15やリモコンを用いてキー操作した場合には、所定のコンテンツの自動再生を停止するように構成しても構わない。
【0050】
また、本実施形態の構成によると、例えば再生中にユーザの体の一部(例えば手)が所定の範囲内に存在する場合には、トレイ20が排出されてしまう。このために、例えば再生中は、ユーザ検知部17からの信号があった場合でもトレイ20の排出は行わないようにするのが好ましい。すなわち、ユーザ検知部17や光ディスク検知部18に基づくトレイ20の出し入れについては、一定の制限を設けて行うのが好ましい。
【0051】
また、本実施形態においては、ユーザ検知部17及び光ディスク検知部18を、光ディスクを光ディスク再生装置1にセットする場合にのみ使用する構成とした。しかしながら、光ディスクをトレイ20から取り出す際にも使用可能である。すなわち、光ディスク検知部18によれば、光ディスクの有無が変化したか否かも判断できる。したがって、光ディスクの有無が変化したと判断される場合であって、ユーザ検知部17によってユーザの体の一部が所定の範囲内に存在しないと判断される場合には、トレイ20が収容される構成とすれば、トレイ20から光ディスクを取り出す場合にも、操作部15やリモコンのキー操作を行わない構成とできる。
【0052】
例えば、この構成を使って、光ディスクがトレイ20から取り出されて、トレイ20が光ディスク再生装置1に収容された場合には、更に電源オフを自動的に行う構成とすることもできる。これにより、ユーザが行うキー操作を更に低減できる。
【0053】
本実施形態においては、光ディスク再生装置は、モニタ装置とは別装置である構成とした。しかし、本発明は、モニタ装置と一体型の光ディスク再生装置にも勿論適用可能である。また、本発明は、光ディスクに情報を記録する機能も併せ持つ光ディスク記録再生装置にも勿論適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明の光ディスク再生装置は、装置本体キーやリモートコントローラのキー操作を低減して光ディスクの再生が行える。このために、光ディスクの再生に好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】は、本実施形態の光ディスク再生装置の構成を示すブロック図である。
【図2】は、本実施形態の光ディスク再生装置を正面から見た場合の概略平面図である。
【図3】は、本実施形態の光ディスク再生装置が備えるトレイの構成を示す概略平面図である。
【図4】は、ユーザが光ディスクを光ディスク再生装置内にセットする場合における、本実施形態の光ディスク再生装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】は、本実施形態の光ディスク再生装置における自動再生のフローを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0056】
1 光ディスク再生装置
17 ユーザ検知部(物体検知手段)
18 光ディスク検知部(光ディスク検知手段)
20 トレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスクに記録された情報を再生する光ディスク再生装置であって、
装置本体に対して出し入れ自在に設けられ、前記光ディスクが載置されるトレイと、
物体が所定の範囲内に存在するか否かを検知する物体検知手段と、を備え、
前記物体検知手段による検知結果を利用して、前記トレイの出し入れを行うことを特徴とする光ディスク再生装置。
【請求項2】
前記トレイに前記光ディスクが載置されているか否かを検知する光ディスク検知手段が更に備えられることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク再生装置。
【請求項3】
前記物体検知手段によって前記物体が前記所定の範囲内に存在すると判断される場合には、前記トレイは排出され、
前記トレイが排出された状態においては、前記光ディスク検知手段によって前記トレイに前記光ディスクが載置されていると検知され、且つ、前記物体検知手段によって前記物体が前記所定の範囲内に存在しないと検知される場合には、前記トレイは収容されることを特徴とする請求項2に記載の光ディスク再生装置。
【請求項4】
前記光ディスク検知手段は赤外線センサであることを特徴とする請求項2又は3に記載の光ディスク再生装置。
【請求項5】
前記物体検知手段は赤外線センサであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の光ディスク再生装置。
【請求項6】
前記トレイに前記光ディスクが載置されて前記トレイが収容されると、前記光ディスクに記録される所定のコンテンツが自動的に再生されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の光ディスク再生装置。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−271995(P2009−271995A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−121181(P2008−121181)
【出願日】平成20年5月7日(2008.5.7)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】