光ディスク装置、スピンドルモータの回転速度制御方法及びプログラム
【課題】スピンドルモータの消費電流を低減する。
【解決手段】信号処理部13は、読み取った再生データをバッファメモリ14に格納する。システムコントローラ17は、ディスク情報読み取り時間毎に、最大ビットレートを取得し、バッファメモリ15に格納する。バッファメモリ14の全容量に対するデータ蓄積量が、予め設定された閾値を超えると、システムコントローラ17は、バッファメモリ15に格納された最大ビットレートの平均ビットレートを算出し、この平均ビットレートと回転速度との関係を示す回転速度テーブルを参照して、回転速度を取得する。そして、システムコントローラ17は、この回転速度となるような回転速度制御信号をドライバ16に供給する。平均ビットレートが低くなれば、回転速度も低減し、スピンドルモータ11の消費電流は低減する。
【解決手段】信号処理部13は、読み取った再生データをバッファメモリ14に格納する。システムコントローラ17は、ディスク情報読み取り時間毎に、最大ビットレートを取得し、バッファメモリ15に格納する。バッファメモリ14の全容量に対するデータ蓄積量が、予め設定された閾値を超えると、システムコントローラ17は、バッファメモリ15に格納された最大ビットレートの平均ビットレートを算出し、この平均ビットレートと回転速度との関係を示す回転速度テーブルを参照して、回転速度を取得する。そして、システムコントローラ17は、この回転速度となるような回転速度制御信号をドライバ16に供給する。平均ビットレートが低くなれば、回転速度も低減し、スピンドルモータ11の消費電流は低減する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスク装置、スピンドルモータの回転速度制御方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像データをCBR(Constant Bit Rate:固定ビットレート)で記録した場合、視覚的に良好な画質の画像データを記録することができる。しかし、この場合、光ディスクとしてのDVDに記録できるデータ量は、限られてしまう。一方、ビットレートを低減して画像データを記録した場合、画質は低下する。
【0003】
そこで、DVDに画像データを記録する場合、VBR(Variable Bit Rate:可変ビットレート)制御による圧縮技術が採用されている。
【0004】
この技術は、タイトルのように動きの少ない画像、即ち、圧縮しても画質に影響しない画像の場合は、低いビットレートを用い、動きが多く、圧縮率が高いと画質に影響を及ぼす画像の場合は、圧縮率を低くし高いビットレートを用いてデータを記録する技術である。
【0005】
このようなDVDに記録された画像データを再生する光ディスク装置として、光ディスクに記録されたコンテンツ、メディアを判別し、判別したコンテンツ、メディア毎に回転速度を制御するようにしたものがある(例えば、特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−357601号公報(第4頁、図1)
【特許文献2】特開2005−182852号公報(第3頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1,2に記載された光ディスク装置では、低ビットレートで記録されたコンテンツ、メディアに関しても、DVDの最大ビットレート(10.08Mbps)を常に保証するために、最低でも約1.5倍速(約900〜2400rpm)(CLV時)という高速回転数を用いてディスクデータの読込み処理を行うようにしている。
【0008】
また、これらの光ディスク装置は、様々な記録エリアに記述されたデータを途切れることなく再生し、ある一定以上の読取り速度を満たすようにするため、常に高速回転で読取り動作を行っている。
【0009】
さらに、DVD-Video/DivX/AVCREC/AVCHD等、各種VBR仕様を用いる様々なフォーマットに関し、そのフォーマット固有の最適な可変再生速度に設定することなく、一律の固定回転速あるいは可変回転速を用いて読取り処理を行っている。
【0010】
また、判別したコンテンツ、メディアにおいては、画像データが常に最大ビットレートで光ディスクに記録されていることを想定して、データの読込みを行うため、光ディスクを回転させるスピンドルモータを高速回転しなければならず、スピンドルモータの消費電流が多くなってしまう。このため、バッテリー・電池等の消費が早くなってしまう。
【0011】
また、ほとんどの場合において、必要以上に回転速度が速いため、スピンドルモータの回転音・風切り音等、ノイズも大きくなり、スピンドルモータのドライバ、機構部の発熱も大きくなって、スピンドルモータの寿命も短くなってしまう。
【0012】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、スピンドルモータの消費電流を低減することが可能な光ディスク装置、スピンドルモータの回転速度制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る光ディスク装置は、
光ディスクに記録された再生データを再生する光ディスク装置において、
前記光ディスクを回転させるスピンドルモータと、
前記光ディスクから読み取られた再生データを記憶する再生データ記憶部と、
前記再生データを読み取るときのビットレートを取得するビットレート取得部と、
前記再生データを読み取るときの前記スピンドルモータの読み取り回転速度を、前記ビットレート取得部が取得したビットレートに対応する回転速度となるように制御する回転速度制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
前記回転速度制御部は、前記スピンドルモータの読み取り回転速度を、前記ビットレート取得部が取得したビットレートが低くなるに従って、低減するように制御するようにしてもよい。
【0015】
前記ビットレートを記憶するビットレート記憶部を備え、
前記ビットレート取得部は、前記再生データの読み取りを開始してから、予め設定された一定時間毎に、最大ビットレートを取得して、順次、前記ビットレート記憶部に記憶し、前記再生データ記憶部の全容量に対する前記再生データのデータ蓄積量を監視して、前記データ蓄積量が、予め設定された閾値を超えたときに、前記ビットレート記憶部に記憶した複数の最大ビットレートの代表値を取得し、
前記回転速度制御部は、前記ビットレート取得部が取得した代表値に対応する回転速度となるように、前記スピンドルモータの読み取り回転速度を制御するようにしてもよい。
【0016】
前記回転速度制御部は、前記再生データ記憶部の前記データ蓄積量に対応する1よりも小さい回転速度係数を取得し、前記スピンドルモータの読み取り回転速度を、前記ビットレート取得部が取得したビットレートに対応する回転速度に前記回転速度係数を乗算した値となるように制御するようにしてもよい。
【0017】
前記回転速度制御部は、前記ビットレート取得部が取得した前記最大ビットレートの代表値が既に設定した値よりも大きくなったときは、予め設定された一定時間に前記回転速度係数の逆数を乗算した時間が経過したときに、前記スピンドルモータの読み取り回転速度を、前記ビットレート取得部が取得したビットレートに対応する回転速度に前記回転速度係数を乗算した値となるように制御するようにしてもよい。
【0018】
前記再生データは、複数の記録単位に区分されたデータであり、
前記ビットレート取得部は、前記ビットレート記憶部に記憶された最大ビットレートの取得数が予め設定された設定数になったとき、前記設定数の最大ビットレートの代表値を取得し、
前記回転速度制御部は、前記記録単位毎に、前記ビットレート取得部が取得した代表値に対応する回転速度となるように、前記スピンドルモータの読み取り回転速度を制御するようにしてもよい。
【0019】
前記光ディスクの記録フォーマット毎に、前記ビットレートと前記スピンドルモータの読み取り回転速度との関係を示す関係情報を記憶する関係情報記憶部を備え、
前記回転速度制御部は、前記光ディスクに記録された情報に基づいて前記光ディスクの記録フォーマットを判別し、判別した前記記録フォーマットに対応する前記関係情報を選択し、選択した前記関係情報を参照して、前記ビットレート取得部が取得したビットレートに対応する回転速度を取得し、前記スピンドルモータの読み取り回転速度を、取得した回転速度となるように制御するようにしてもよい。
【0020】
本発明の第2の観点に係るスピンドルモータの回転速度制御方法は、
記録された再生データを再生する光ディスクを回転させるスピンドルモータの回転速度を制御するスピンドルモータの回転速度制御方法であって、
前記光ディスクから読み取られた再生データを記憶するステップと、
前記再生データを読み取るときのビットレートを取得するステップと、
前記再生データを読み取るときの前記スピンドルモータの読み取り回転速度を、取得したビットレートに対応する回転速度となるように制御するステップと、を備えたことを特徴とする。
【0021】
本発明の第3の観点に係るプログラムは、
コンピュータに、
光ディスクから読み取られた再生データを記憶する手順、
前記再生データを読み取るときのビットレートを取得する手順、
前記光ディスクを回転させるスピンドルモータの前記再生データを読み取るときの読み取り回転速度を、取得したビットレートに対応する回転速度となるように制御する手順、
を実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、スピンドルモータの消費電流を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態1に係る光ディスク装置の構成を示すブロック図である。
【図2】光ディスクのリードインエリア、プログラムエリア、リードアウトエリアを示す図である。
【図3】ビットレート格納用のバッファメモリの構造を示す図である。
【図4】図1に示すシステムコントローラ内のROMが記憶する回転速度テーブルを示す図である。
【図5】システムコントローラが実行するバッファリング処理を示すフローチャートである。
【図6】システムコントローラが実行する速度制御処理(1)を示すフローチャートである。
【図7】速度制御処理(1)の具体的な動作(その1)を示す図である。
【図8】速度制御処理(1)の具体的な動作(その2)を示す図である。
【図9】本発明の実施形態2に係る光ディスク装置において、データ蓄積量と回転速度係数との関係情報を示す図である。
【図10】システムコントローラが実行する速度制御処理(2)を示すフローチャートである。
【図11】速度制御処理(2)の具体的な動作を示す図である。
【図12】本発明の実施形態3に係る光ディスク装置において、システムコントローラが実行する速度制御処理(3)を示すフローチャートである。
【図13】速度制御処理(3)の具体的な動作を示す図である。
【図14】本発明の実施形態4に係る光ディスク装置において、システムコントローラ内のROMが記憶するDivXの記録フォーマットの回転速度テーブルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態に係る光ディスク装置を図面を参照して説明する。
(実施形態1)
実施形態1に係る光ディスク装置1の構成を図1に示す。
本実施形態に係る光ディスク装置1は、スピンドルモータ11と、光ピックアップ(図中、「PU」と記す。)12と、信号処理部13と、バッファメモリ14,15と、ドライバ16と、システムコントローラ17と、を備える。
【0025】
光ディスク装置1は、光ディスク10に記録されたデータを再生するものである。尚、本実施形態1では、光ディスク10を、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)として説明する。この光ディスク10は、図2に示すように、内周側からリードインエリア、プログラムエリア、リードアウトエリアが形成されている。
【0026】
リードインエリアは、TOC(Table Of Contents)が記録される領域である。TOCは、トラックデータの記録位置情報を含むトラック情報であり、ディスク情報に相当する。
【0027】
プログラムエリアは、音楽データ等のユーザデータが主データとして記録されるデータ領域である。リードアウトエリアは、データの読み出しを終了させるための領域である。
【0028】
本実施形態1にかかる光ディスク装置1は、スピンドルモータ11の消費電流を低減するため、直前のビットレートをモニタしながら、平均ビットレートを算出し、算出した平均ビットレートが低ければ、スピンドルモータ11の読み取り回転速度(以後、単に「回転速度」と記す。)を低減させるように構成されている。
【0029】
回転速度が低減すれば、スピンドルモータ11の消費電流も低減する。また、バッファリング処理を利用することによって読取りタイムラグの影響をなくし、映像・音声が途切れることなく再生処理を行うことができる。
【0030】
スピンドルモータ11は、セットされた光ディスク10を回転させるためのモータである。
【0031】
光ピックアップ12は、光ディスク10に記録されたファイル情報を読み取るためのものである。光ピックアップ12は、ファイル情報に基づく光検出信号を出力する。
【0032】
光ピックアップ12は、レーザ、レンズ、アクチュエータ、ビームスプリッタ、受光素子等を備える(いずれも図示せず)。
【0033】
レーザは、レーザ光を発する発光源であり、レンズは、レーザが発したレーザ光を光ディスク10のディスク面上に集光するためのものである。ビームスプリッタは、レーザが発したレーザ光と、ディスク面から反射した反射光とを分離し、反射光を受光素子側へと導くためのものである。
【0034】
アクチュエータは、光ピックアップ12の姿勢、レンズの位置を制御するためのものであり、受光素子は、ビームスプリッタで分離された反射光を受光するものである。受光素子は、受光した反射光を電気信号である光検出信号に変換し、生成した光検出信号を信号処理部13に出力する。
【0035】
信号処理部13は、光ピックアップ12が出力した光検出信号に基づいて、RF(Radio Frequency)信号と、FE(フォーカスエラー)信号と、TE(トラッキングエラー)信号と、を生成するものである。
【0036】
信号処理部13は、生成したFE信号とTE信号をシステムコントローラ17に供給する。また、信号処理部13は、RF信号から再生データを取得し、取得した再生データをシステムコントローラ17に供給するとともに、バッファメモリ14に格納する。
【0037】
尚、信号処理部13は、再生データを取得するときのビットレートを読み取り、読み取ったビットレートをシステムコントローラ17に供給する。
【0038】
バッファメモリ14は、光ディスク10から読み取られた再生データを格納(記憶)するためのトラックバッファメモリである。バッファメモリ15は、再生データを読み取るときの最大ビットレートz_maxを格納するためのバッファメモリである。バッファメモリ15は、図3(a)に示すように、(n+1)(n;自然数)個のBuffer[0]〜Buffer[n]を備える。
【0039】
ドライバ16は、スピンドルモータ11を回転駆動するものである。ドライバ16は、システムコントローラ17から回転速度制御信号が供給され、この回転速度制御信号に従ってスピンドルモータ11の回転速度を制御する。
【0040】
システムコントローラ17は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えて(図示せず)、光ディスク装置1の各部を制御するものである。
【0041】
ROMは、各種データを記憶するものであり、RAMは、システムコントローラ17(CPU)が処理を実行するのに必要なデータを記憶するためのものである。
【0042】
ROMは、各種データとして、プログラムデータを記憶し、システムコントローラ17は、このプログラムに従って、各部を制御する。
【0043】
具体的に、システムコントローラ17は、回転速度制御信号をドライバ16に供給することにより、スピンドルモータ11を回転させる。
【0044】
また、システムコントローラ17は、信号処理部13から供給されたFE信号、TE信号に基づいて、光ピックアップ12の位置を制御し、光ピックアップ12のアクチュエータを介して、光ピックアップ12の姿勢とレンズの位置とを制御する。
【0045】
また、システムコントローラ17は、再生データを読み取るときの回転速度を、再生データの平均ビットレートz_avrに対応する回転速度となるように制御する。
【0046】
このような制御を行うため、システムコントローラ17は、信号処理部13から供給されたビットレートをモニタし、信号処理部13から供給された再生データの最大ビットレートz_max[p]を、一定時間毎に取得する。
【0047】
尚、この一定時間をディスク情報読み取り時間Xとして、システムコントローラ17は、ディスク情報読み取り時間Xを計時するタイマを有する。
【0048】
システムコントローラ17は、最大ビットレートz_maxを取得する毎に、バッファメモリ14に格納されたデータを更新する。
【0049】
即ち、図3(a)に示すように、Buffer[0]〜Buffer[n]に、それぞれ、最大ビットレートz_max[0]〜z_max[n]が格納されているとすると、システムコントローラ17は、図3(b)に示すように、最大ビットレートz_maxを取得する毎に、バッファメモリ15のBuffer[n-1]のデータz_max[n-1]をBuffer[n]に、・・・、Buffer[0]のデータz_max[0]をBuffer[1]に順次移し替え、Buffer[0]に新たに取得した最大ビットレートz_max[p]を格納する。
【0050】
このようにして、システムコントローラ17は、バッファメモリ15のBuffer[0]〜Buffer[n]のデータ(最大ビットレートz_max)を、ディスク情報読み取り時間X毎に更新する。
【0051】
尚、バッファメモリ15のBuffer[0]〜Buffer[n]に、ディスク情報読み取り時間Xにおける最大ビットレートz_maxがすべて格納されたか否かを判別するため、システムコントローラ17は、バッファ書き込みカウンタ(図示せず)を有し、データを更新する毎に、このカウント値iをインクリメントする。
【0052】
また、システムコントローラ17は、バッファメモリ14に蓄積された再生データのデータ蓄積量aを監視する。尚、データ蓄積量aは、バッファメモリ14の全容量を100とした場合の百分率で表するものとする。
【0053】
このデータ蓄積量aが予め設定された閾値a_thを超え、バッファメモリ15のBuffer[0]〜Buffer[n]に最大ビットレートz_maxがすべて格納されると、システムコントローラ17は、バッファメモリ15のBuffer[0]〜Buffer[n]にそれぞれ格納された最大ビットレートz_maxの代表値としての平均ビットレートz_avrを算出する。
【0054】
尚、代表値には、平均値だけでなく、最頻値、中央値もあり、システムコントローラ17は、この最頻値、中央値を代表値として用いてもよい。
【0055】
算出した平均ビットレートz_avrから、対応する回転速度Mを取得するため、システムコントローラ17が内蔵するROMは、各種データとして、図4に示すような、平均ビットレートz_avrとスピンドルモータ11の回転速度Mとの関係を示す回転速度テーブルを記憶する(M[0]<M[1]<M[2]<M[3]<M[4]<M[5])。
【0056】
そして、システムコントローラ17は、図4に示す回転速度テーブルを参照して、平均ビットレートz_avrに対応する回転速度Mを取得し、この回転速度Mとなるような回転速度制御信号をドライバ16に供給する。
【0057】
尚、システムコントローラ17は、スピンドルモータ11の回転速度をCAV[rpm]方式に従って制御するものとする。但し、システムコントローラ17は、CAV[rpm]方式の代わりに、線速度に応じて回転速度を制御するCLV[0.5x, 0.7x,・・・]方式に従って、回転速度を制御するようにしてもよい。
【0058】
次に実施形態1に係る光ディスク装置1の動作を説明する。
システムコントローラ17は、ROMからプログラムデータを読み出し、図5に示すフローチャートに従い、ビットレート格納用のバッファメモリ15に対するバッファリング処理を実行する。
【0059】
システムコントローラ17は、バッファ書き込みカウンタのカウント値iに0をセットしてカウント値iをクリアする(ステップS11)。
【0060】
システムコントローラ17は、バッファメモリ15のBuffer[1]〜Buffer[n]に全て0をセットしてBuffer[1]〜Buffer[n]をクリアする(ステップS12)。
【0061】
システムコントローラ17は、タイマのタイマ値をTimeとして、このタイマ値Timeをリセットして計時を開始する(ステップS13)。
【0062】
システムコントローラ17は、信号処理部13からビットレートを取得する(ステップS14)。
【0063】
システムコントローラ17は、タイマ値Timeがディスク情報読み取り時間Xに達したか否かを判定する(ステップS15)。
【0064】
タイマ値Timeがディスク情報読み取り時間X未満の場合(ステップS15;No)、システムコントローラ17は、再度、信号処理部13からビットレートを取得する(ステップS14)。
【0065】
タイマ値Timeがディスク情報読み取り時間Xに達した場合(ステップS15;Yes)、システムコントローラ17は、バッファメモリ15のBuffer[n-1]のデータz_max[n-1]をBuffer[n]に、・・・、Buffer[0]のデータz_max[0]をBuffer[1]に順次移し替える(ステップS16)。
【0066】
システムコントローラ17は、新たに取得した最大ビットレートz_max[p]をBuffer[0]に格納する(ステップS17)。
【0067】
システムコントローラ17は、取得したビットレート値zをクリアする(ステップS18)。
【0068】
システムコントローラ17は、バッファ書き込みカウンタのカウント値iをインクリメントし(ステップS19)、ステップS13に戻る。
【0069】
次に、システムコントローラ17は、図6に示すフローチャートに従い、速度制御処理(1)を実行する。
【0070】
システムコントローラ17は、各部を制御して再生処理を実行する(ステップS21)。
【0071】
システムコントローラ17は、回転速度をデフォルト値に設定する(ステップS22)。
【0072】
システムコントローラ17は、再生データを読み取るように各部を制御する(ステップS23)。
【0073】
システムコントローラ17は、バッファメモリ14のデータ蓄積量aを読み取る(ステップS24)。
【0074】
データ蓄積量aが閾値a_th以下の場合(ステップS25;No)、システムコントローラ17は、ステップS23に戻り、再度、再生データを読み取るように各部を制御する。
【0075】
データ蓄積量aが閾値a_thを超えた場合(ステップS25;Yes)、システムコントローラ17は、バッファ書き込みカウンタのカウント値iがnになったか否かを判定する(ステップS26)。
【0076】
バッファ書き込みカウンタのカウント値iがnになっていない場合(ステップS26;No)、システムコントローラ17は、再度、ステップS23〜S25を実行する。
【0077】
バッファ書き込みカウンタのカウント値iがnになった場合(ステップS26;Yes)、システムコントローラ17は、バッファメモリ15に蓄積したn個の最大ビットレートzの平均ビットレートz_avrを算出する(ステップS27)。
【0078】
システムコントローラ17は、図4に示す回転速度テーブルを参照し、平均ビットレートz_avrに対応した回転速度Mを取得する(ステップS28)。
【0079】
システムコントローラ17は、データ取得が可能か否かを判定する(ステップS29)。データ取得が可能な場合(ステップS29;Yes)、システムコントローラ17は、再度、ステップS23〜S28を実行し、データ取得が不可能な場合(ステップS29;No)、この速度制御処理(1)を終了させる。
【0080】
次に、この速度制御処理(1)を具体的に説明する。
尚、説明を簡略化するため、図7に示すように、バッファメモリ15をBuffer[0]〜Buffer[2]からなるものとする(n=2、i=0〜2)。
【0081】
回転速度のデフォルト値をM[2]として、時刻t10において、バッファメモリ15のBuffer[1]〜Buffer[n]は、システムコントローラ17によって、全て0をセットされ(ステップS12)、システムコントローラ17は、タイマ値Timeをリセットして計時を開始する(ステップS13)
【0082】
また、システムコントローラ17は、再生処理を開始し、回転速度Mをデフォルト値M[2]に設定すると(ステップS21,S22)、スピンドルモータ11は、ドライバ16に制御され、図8に示すように、デフォルト値M[2]の回転速度で回転する。
【0083】
信号処理部13は再生データを読み取り、読み取った再生データをバッファメモリ14に格納する(ステップS23)。
【0084】
時刻t11において、タイマ値Timeがディスク情報読み取り時間Xに達したときに(ステップS15;Yes)、新たに取得した最大ビットレートz_max[p]がz1になったものとする。
【0085】
システムコントローラ17は、最大ビットレートz1を読み取り、バッファメモリ15のBuffer[1]のデータ0をBuffer[2]に、Buffer[0]のデータ0をBuffer[1]に移し替え(ステップS16)、新たに読み取った最大ビットレートz1をBuffer[0]に格納する(ステップS17)。
【0086】
読み取ったデータ蓄積量aが閾値a_thを超えていなければ(ステップS25;No)、信号処理部13は、読み取った再生データを、順次、バッファメモリ14に格納する(ステップS23)。
【0087】
時刻t12において、タイマ値Timeがディスク情報読み取り時間Xに達すると、システムコントローラ17は、バッファメモリ15のBuffer[1]のデータ0をBuffer[2]に、Buffer[0]のデータz1をBuffer[1]に移し替え(ステップS16)、新たに取得した最大ビットレートz_max[p]=z2をBuffer[0]に格納する(ステップS17)。
【0088】
読み取ったデータ蓄積量aが閾値a_thを超えていなければ(ステップS25;No)、信号処理部13は、読み取った再生データを、順次、バッファメモリ14に格納する(ステップS23)。
【0089】
時刻t13において、タイマ値Timeがディスク情報読み取り時間Xに達すると、システムコントローラ17は、バッファメモリ15のBuffer[1]のデータ0をBuffer[2]に、Buffer[0]のデータz1をBuffer[1]に移し替え(ステップS16)、新たに取得した最大ビットレートz_max[p]=z2をBuffer[0]に格納する(ステップS17)。
【0090】
時刻t14において、読み取ったデータ蓄積量aが閾値a_thを超え(ステップS25;Yes)、バッファメモリ15にBuffer[0]〜Buffer[2]にすべてデータz1〜z3が格納されれば(ステップS26;Yes)、システムコントローラ17は、バッファメモリ15に格納された3個のBuffer[0]〜Buffer[2]のそれぞれのデータz1〜z3の平均値を算出し、平均ビットレートz_avr(t14)を取得する(ステップS27)。
【0091】
尚、バッファメモリ15にすべて最大ビットレートz_maxが格納されていなければ(ステップS26;No)、システムコントローラ17は、バッファメモリ15にすべて最大ビットレートz_maxが格納されてから、平均ビットレートz_avr(t14)を取得する
【0092】
この平均ビットレートz_avr(t14)を3とすると、システムコントローラ17は、回転速度テーブルを参照し、この平均ビットレートz_avr(t14)=3に対応する回転速度M[1]を取得する(ステップS28)。
【0093】
そして、システムコントローラ17が、この回転速度M[1]となるような回転速度制御信号をドライバ16に供給すると、スピンドルモータ11は、図8に示すように、時刻t14から、平均ビットレートz_avr(t14)=3に対応する回転速度M[1]で回転する。
【0094】
同様に、時刻t15において、平均ビットレートz_avr(t15)が7になった場合、この平均ビットレートz_avr(t15)=7に対応する回転速度MはM[3]となり(ステップS28)、スピンドルモータ11は、この時刻t15から、平均ビットレートz_avr(t15)=7に対応する回転速度M[3]で回転する。
【0095】
以上説明したように、本実施形態1によれば、光ディスク装置1は、スピンドルモータ11を、再生データの平均ビットレートz_avrに対応する回転速度で回転させるようにした。
【0096】
従って、コンテンツの種類に左右されず、より精緻な回転速度制御を行うことができ、常に最大ビットレートz_maxを満足するような回転速度Mでスピンドルモータ11を回転させる必要がなく、スピンドルモータ11を低速で回転させて消費電流が少なくすることができる。
【0097】
このため、バッテリー、電池等の消費を大幅に削減することができる。また、スピンドルモータ11の回転音、風切り音等のノイズも低減し、メカの振動も小さくなり、さらに、スピンドルモータ11、ドライバ16等、メカの発熱を低減させることができ、光ディスク装置1の寿命を延ばすことができる。
【0098】
(実施形態2)
実施形態2に係る光ディスク装置は、バッファメモリの全蓄積容量に対するデータ蓄積量に応じてさらに回転速度を低減するようにしたものである。
【0099】
バッファメモリ14の全蓄積容量に対するデータ蓄積量a(%)に対応する回転速度係数として、1よりも小さい回転速度係数k(k<1)を取得し、この回転速度係数kを回転速度Mに乗ずることにより、スピンドルモータ11の回転速度をさらに低減することができる。
【0100】
このため、システムコントローラ17が内蔵するROMは、図9に示すような全蓄積容量に対するデータ蓄積量aと回転速度係数kとの関係情報を予め格納する。
【0101】
この実施形態2に係る光ディスク装置1の動作を説明する。
システムコントローラ17は、図10に示フローチャートに従い、速度制御処理(2)を実行する。
【0102】
システムコントローラ17は、実施形態1と同様、ステップS11〜S18、S21〜をS24実行する。
【0103】
データ蓄積量aが閾値a_thを超えた場合(ステップS25;Yes)、システムコントローラ17は、図9に示す関係情報を参照し、データ蓄積量aに応じた回転速度係数kを取得する(ステップS31)。
【0104】
システムコントローラ17は、実施形態1と同様、ステップS26,S27を実行して、平均ビットレートz_avrを算出し、回転速度Mに回転速度係数kを乗算して回転速度kMを取得する(ステップS32)。
【0105】
データ取得が可能な場合(ステップS29;Yes)、システムコントローラ17は、再度、ステップS23〜S32を実行し、データ取得が不可能な場合は(ステップS29;No)、この速度制御処理(2)を終了させる。
【0106】
次に、この速度制御処理(2)を具体的に説明する。
図11に示すように、データ蓄積量aが閾値a_thを超え(ステップS25;Yes)、時刻t20において、例えば、60%になったものとする。
【0107】
データ蓄積量aが60%の場合、回転速度係数kは、図9に示すようにk5に設定されている。このため、スピンドルモータ11の回転速度は、図11に示すように、k5×M[3]となる。
【0108】
時刻t21において、データ蓄積量aが70%になった場合、ビットレートが短期間で高くなったために、データ蓄積量aが増えたものと考えられる。データ蓄積量a=70%に対応する回転速度係数kは、図9に示すように、k4である。
【0109】
システムコントローラ17がこの関係情報を参照し、k=k4に設定すると、図11に示すように、k4×M[3]となり、スピンドルモータ11の回転速度は、低下する。
【0110】
時刻t22において、データ蓄積量aがさらに増えてa=80%になった場合、この80%に対応する回転速度係数kは、図9に示すようにk3である。
【0111】
システムコントローラ17が図9に示す関係情報を参照し、k=k3に設定すると、図11に示すように、k3×M[3]となり、スピンドルモータ11の回転速度は、さらに低下する。
【0112】
時刻t23において、データ蓄積量aが減ってa=60%に戻った場合、システムコントローラ17が図9に示す関係情報を参照して、k=k5に設定すると、スピンドルモータ11の回転速度は、図11に示すように、元のk5×M[3]に戻る。
【0113】
以上説明したように、本実施形態2によれば、データ蓄積量aに基づいて、1よりも小さい回転速度係数kを設定し、この回転速度係数kを、回転速度Mに乗ずるようにした。従って、データ蓄積量aに応じて回転速度Mをさらに低減することができる。
【0114】
(実施形態3)
実施形態3に係る光ディスク装置は、回転速度が上昇したときに、スピンドルモータの回転速度の対応時間を遅らせるようにしたものである。
【0115】
回転速度Mを上げるときは、回転速度Mの上昇を出来るだけ遅らせ、回転速度を下げるときは、即座に回転速度Mを低減させることにより、スピンドルモータ11を出来るだけ低回転で動作させることができる。
【0116】
このため、システムコントローラ17は、平均ビットレートz_avrが直前の設定値(平均ビットレートz_avr)よりも大きくなったときは、回転速度Mの設定間隔をY(Y=X)として、この設定間隔Yに1/kを乗算する(k<1)。このようにすれば、回転速度Mを上げるとき、遅延してスピンドルモータ11の回転速度Mが上昇する。
【0117】
一方、平均ビットレートz_avrが直前の設定値よりも低くなったときは、実施形態1と同様に、時間遅延させることなく回転速度Mを低下させる。
【0118】
(実施形態4)
実施形態4に係る光ディスク装置は、ある記録単位毎に回転速度を制御するようにしたものである。
【0119】
例えば、ビットレートは、タイトル・チャプタ、トラック・ファイル等、記録コンテンツの記録単位毎に異なると考えられる。
【0120】
一般に、低ビットレートでオーサリング・記録されたコンテンツでは、その平均ビットレートも低く、高ビットレートでオーサリング・記録されたコンテンツでは、その平均ビットレートも高くなる。即ち、記録単位が同じであれば、その平均ビットレートは大きく変わるものではない。
【0121】
このため、システムコントローラ17は、このタイトル・チャプタ、トラック・ファイル等の記録単位として、記録セクションの先頭からディスク情報読み取り時間Xが経過するまでの最大ビットレートzをq(q≦n)回分記憶して平均ビットレ−トz_avrを算出する。
【0122】
そして、システムコントローラ17は、算出された平均ビットレ−トz_avrに対応する回転速度Mを、その記録セクションで一律に設定する。また新しい記録セクションのデータを再生するとき、システムコントローラ17は、再度、上記処理を行い、回転速度Mを新たに設定する。
【0123】
次に実施形態4に係る光ディスク装置1の動作を説明する。
システムコントローラ17は、図12に示フローチャートに従い、速度制御処理(3)を実行する。
【0124】
システムコントローラ17は、先頭ファイルから再生処理を実行し(ステップS41)、実施形態1と同様に、ステップS22〜S28を実行して、回転速度Mを取得する。
【0125】
システムコントローラ17は、次の記録セクションに移行したか否かを判定する(ステップS42)。
【0126】
次の記録セクションに移行した場合(ステップS42;Yes)、システムコントローラ17は、ステップS23〜S28を、再度、実行する。
【0127】
次の記録セクションに移行しない場合(ステップS42;No)、システムコントローラ17は、データ取得が可能か否かを判定する(ステップS29)。
【0128】
そして、システムコントローラ17は、データ取得が可能な場合(ステップS29;Yes)は、再度、次の記録セクションに移行するか否かを判定し(ステップS42)、データ取得が不可能な場合(ステップS29;No)は、この速度制御処理(3)を終了させる。
【0129】
次に、この速度制御処理(3)を具体的に説明する。
例えば、図13に示すように、セクションSec1の先頭からの平均ビットレートz_avrが3であった場合、システムコントローラ17は、図4に示す回転速度テーブルを参照し、回転速度M[3]を取得する(ステップS28)。
【0130】
システムコントローラ17は、次のセクションSec2に移行するまで、回転速度M[3]を設定する(ステップS28)。
【0131】
次に、セクションがセクションSec2に移行した場合(ステップS42;Yes)に、システムコントローラ17が回転速度M[2]を取得すると、システムコントローラ17は、セクションが次のセクションSec3に移行するまで、回転速度Mを、この回転速度M[2]に設定する(ステップS28)。
【0132】
次に、セクションがセクションSec3に移行した場合(ステップS42;Yes)に、システムコントローラ17が回転速度M[4]を取得すると、システムコントローラ17は、回転速度Mを、この回転速度M[4]に設定する(ステップS28)。
【0133】
以上説明したように、本実施形態4によれば、光ディスク装置1は、タイトル・チャプタ、トラック・ファイル等の記録セクションの先頭からディスク情報読み取り時間Xが経過するまでの最大ビットレートz_maxをq回分記憶し、算出した平均ビットレ−トz_avrに対応する回転速度Mを、そのセクションで一律に設定するようにした。従って、各セクションのビットレートに適した回転速度Mを設定することができる。
【0134】
(実施形態5)
実施形態4に係る光ディスク装置は、記録フォーマットに対応する回転速度を設定するようにしたものである。
【0135】
例えば、DivX等の記録フォーマットでは、圧縮率が高い。このような記録フォーマットでは、回転速度を下げることが可能となる。
【0136】
このため、システムコントローラ17が内蔵するROMは、記録フォーマット毎に、平均ビットレートz_avrと回転速度Mとの関係を示す関係情報としての回転速度テーブルを記憶する。
【0137】
例えば、図4に示す回転速度テーブルを、DVD−Videoの記録フォーマットにおける回転速度テーブルとして、システムコントローラ17が内蔵するROMは、さらに、図14に示すようなDivXの記録フォーマットにおける回転速度テーブルを予め記憶する。
【0138】
システムコントローラ17は、光ディスク10に記録された情報に基づいて、この光ディスク10の記録フォーマットを判別する。
【0139】
図2に示すリードインエリア内には、ファイルシステムに関する情報が記録されており、システムコントローラ17は、このリードインエリアから、この情報を読み取ってファイルシステムを判別し、記録フォーマットを判別する。
【0140】
そして、システムコントローラ17は、判別した記録フォーマットに対応する回転速度テーブルを選択し、選択した回転速度テーブルを参照して、平均ビットレートz_avrに対応する回転速度Mを取得する。
【0141】
尚、可変ビットレート(VBR)に限らず、固定ビットレート(CBR)においても同等な処理が可能である。 さらに、光ディスク10は、DVDに限らず、システムコントローラ17が内蔵するROMが、CD、BD(Blu-ray Disc)等用の回転速度テーブルを記憶することにより、これらの各記録フオーマットに関しても対応可能である。
【0142】
尚、本発明を実施するにあたっては、種々の形態が考えられ、上記実施形態に限られるものではない。
【0143】
例えば、上記実施形態1〜5では、ビットレートが低いときは、回転速度を低下させてスピンドルモータ11を連続駆動するようにした。しかし、ビットレートとバッファメモリ14のデータ蓄積量aに応じて間欠駆動を行ってもよい。
【0144】
即ち、バッファメモリ14の全容量が十分大きいときには、読取り動作を停止させ、バッファメモリ14の全容量に対するデータ蓄積量aに応じて、再度、読取り動作を開始する。これは、上記回転速度Mを0rpm(停止)に設定することで容易に実現可能である。
【0145】
また、上記実施形態1〜5では、平均ビットレートz_avrを算出するのに、ディスク情報読み取り時間X毎の最大ビットレートz_maxを用いた。しかし、最大ビットレートz_maxの代わりに、読込んだ全てのビットレートデータを用いて平均ビットレートz_avrを算出するようにしてもよい。
【0146】
さらに、上記実施形態1〜5では、データを読込みながら直前のビットレート値の算出を行うことでリアルタイムに対応する1パス構成として説明した。しかし、一度、再生処理を行って平均ビットレートz_avrを取得し、2度目以降、再生処理を行うときは、一度の再生処理時に取得した平均ビットレートz_avrを用いて回転速度Mを制御する2パス構成としてもよい。このようにすれば、より正確に回転速度を制御することができる。
【0147】
また、上記実施形態1〜5では、プログラムデータがメモリ等に予め記憶されているものとして説明した。しかし、光ディスク装置1を、装置の全部又は一部として動作させ、あるいは、上述の処理を実行させるためのプログラムを、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read-Only Memory)、DVD、MO(Magneto Optical disk)などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、これを別のコンピュータにインストールし、上述の手段として動作させ、あるいは、上述の工程を実行させてもよい。
【0148】
さらに、インターネット上のサーバ装置が有するディスク装置等にプログラムを格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、コンピュータにダウンロード等するものとしてもよい。
【符号の説明】
【0149】
1 光ディスク装置
10 光ディスク
11 スピンドルモータ
12 光ピックアップ
13 信号処理部
14 バッファメモリ(再生データ格納用)
15 バッファメモリ(ビットレート格納用)
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスク装置、スピンドルモータの回転速度制御方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像データをCBR(Constant Bit Rate:固定ビットレート)で記録した場合、視覚的に良好な画質の画像データを記録することができる。しかし、この場合、光ディスクとしてのDVDに記録できるデータ量は、限られてしまう。一方、ビットレートを低減して画像データを記録した場合、画質は低下する。
【0003】
そこで、DVDに画像データを記録する場合、VBR(Variable Bit Rate:可変ビットレート)制御による圧縮技術が採用されている。
【0004】
この技術は、タイトルのように動きの少ない画像、即ち、圧縮しても画質に影響しない画像の場合は、低いビットレートを用い、動きが多く、圧縮率が高いと画質に影響を及ぼす画像の場合は、圧縮率を低くし高いビットレートを用いてデータを記録する技術である。
【0005】
このようなDVDに記録された画像データを再生する光ディスク装置として、光ディスクに記録されたコンテンツ、メディアを判別し、判別したコンテンツ、メディア毎に回転速度を制御するようにしたものがある(例えば、特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−357601号公報(第4頁、図1)
【特許文献2】特開2005−182852号公報(第3頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1,2に記載された光ディスク装置では、低ビットレートで記録されたコンテンツ、メディアに関しても、DVDの最大ビットレート(10.08Mbps)を常に保証するために、最低でも約1.5倍速(約900〜2400rpm)(CLV時)という高速回転数を用いてディスクデータの読込み処理を行うようにしている。
【0008】
また、これらの光ディスク装置は、様々な記録エリアに記述されたデータを途切れることなく再生し、ある一定以上の読取り速度を満たすようにするため、常に高速回転で読取り動作を行っている。
【0009】
さらに、DVD-Video/DivX/AVCREC/AVCHD等、各種VBR仕様を用いる様々なフォーマットに関し、そのフォーマット固有の最適な可変再生速度に設定することなく、一律の固定回転速あるいは可変回転速を用いて読取り処理を行っている。
【0010】
また、判別したコンテンツ、メディアにおいては、画像データが常に最大ビットレートで光ディスクに記録されていることを想定して、データの読込みを行うため、光ディスクを回転させるスピンドルモータを高速回転しなければならず、スピンドルモータの消費電流が多くなってしまう。このため、バッテリー・電池等の消費が早くなってしまう。
【0011】
また、ほとんどの場合において、必要以上に回転速度が速いため、スピンドルモータの回転音・風切り音等、ノイズも大きくなり、スピンドルモータのドライバ、機構部の発熱も大きくなって、スピンドルモータの寿命も短くなってしまう。
【0012】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、スピンドルモータの消費電流を低減することが可能な光ディスク装置、スピンドルモータの回転速度制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る光ディスク装置は、
光ディスクに記録された再生データを再生する光ディスク装置において、
前記光ディスクを回転させるスピンドルモータと、
前記光ディスクから読み取られた再生データを記憶する再生データ記憶部と、
前記再生データを読み取るときのビットレートを取得するビットレート取得部と、
前記再生データを読み取るときの前記スピンドルモータの読み取り回転速度を、前記ビットレート取得部が取得したビットレートに対応する回転速度となるように制御する回転速度制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
前記回転速度制御部は、前記スピンドルモータの読み取り回転速度を、前記ビットレート取得部が取得したビットレートが低くなるに従って、低減するように制御するようにしてもよい。
【0015】
前記ビットレートを記憶するビットレート記憶部を備え、
前記ビットレート取得部は、前記再生データの読み取りを開始してから、予め設定された一定時間毎に、最大ビットレートを取得して、順次、前記ビットレート記憶部に記憶し、前記再生データ記憶部の全容量に対する前記再生データのデータ蓄積量を監視して、前記データ蓄積量が、予め設定された閾値を超えたときに、前記ビットレート記憶部に記憶した複数の最大ビットレートの代表値を取得し、
前記回転速度制御部は、前記ビットレート取得部が取得した代表値に対応する回転速度となるように、前記スピンドルモータの読み取り回転速度を制御するようにしてもよい。
【0016】
前記回転速度制御部は、前記再生データ記憶部の前記データ蓄積量に対応する1よりも小さい回転速度係数を取得し、前記スピンドルモータの読み取り回転速度を、前記ビットレート取得部が取得したビットレートに対応する回転速度に前記回転速度係数を乗算した値となるように制御するようにしてもよい。
【0017】
前記回転速度制御部は、前記ビットレート取得部が取得した前記最大ビットレートの代表値が既に設定した値よりも大きくなったときは、予め設定された一定時間に前記回転速度係数の逆数を乗算した時間が経過したときに、前記スピンドルモータの読み取り回転速度を、前記ビットレート取得部が取得したビットレートに対応する回転速度に前記回転速度係数を乗算した値となるように制御するようにしてもよい。
【0018】
前記再生データは、複数の記録単位に区分されたデータであり、
前記ビットレート取得部は、前記ビットレート記憶部に記憶された最大ビットレートの取得数が予め設定された設定数になったとき、前記設定数の最大ビットレートの代表値を取得し、
前記回転速度制御部は、前記記録単位毎に、前記ビットレート取得部が取得した代表値に対応する回転速度となるように、前記スピンドルモータの読み取り回転速度を制御するようにしてもよい。
【0019】
前記光ディスクの記録フォーマット毎に、前記ビットレートと前記スピンドルモータの読み取り回転速度との関係を示す関係情報を記憶する関係情報記憶部を備え、
前記回転速度制御部は、前記光ディスクに記録された情報に基づいて前記光ディスクの記録フォーマットを判別し、判別した前記記録フォーマットに対応する前記関係情報を選択し、選択した前記関係情報を参照して、前記ビットレート取得部が取得したビットレートに対応する回転速度を取得し、前記スピンドルモータの読み取り回転速度を、取得した回転速度となるように制御するようにしてもよい。
【0020】
本発明の第2の観点に係るスピンドルモータの回転速度制御方法は、
記録された再生データを再生する光ディスクを回転させるスピンドルモータの回転速度を制御するスピンドルモータの回転速度制御方法であって、
前記光ディスクから読み取られた再生データを記憶するステップと、
前記再生データを読み取るときのビットレートを取得するステップと、
前記再生データを読み取るときの前記スピンドルモータの読み取り回転速度を、取得したビットレートに対応する回転速度となるように制御するステップと、を備えたことを特徴とする。
【0021】
本発明の第3の観点に係るプログラムは、
コンピュータに、
光ディスクから読み取られた再生データを記憶する手順、
前記再生データを読み取るときのビットレートを取得する手順、
前記光ディスクを回転させるスピンドルモータの前記再生データを読み取るときの読み取り回転速度を、取得したビットレートに対応する回転速度となるように制御する手順、
を実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、スピンドルモータの消費電流を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態1に係る光ディスク装置の構成を示すブロック図である。
【図2】光ディスクのリードインエリア、プログラムエリア、リードアウトエリアを示す図である。
【図3】ビットレート格納用のバッファメモリの構造を示す図である。
【図4】図1に示すシステムコントローラ内のROMが記憶する回転速度テーブルを示す図である。
【図5】システムコントローラが実行するバッファリング処理を示すフローチャートである。
【図6】システムコントローラが実行する速度制御処理(1)を示すフローチャートである。
【図7】速度制御処理(1)の具体的な動作(その1)を示す図である。
【図8】速度制御処理(1)の具体的な動作(その2)を示す図である。
【図9】本発明の実施形態2に係る光ディスク装置において、データ蓄積量と回転速度係数との関係情報を示す図である。
【図10】システムコントローラが実行する速度制御処理(2)を示すフローチャートである。
【図11】速度制御処理(2)の具体的な動作を示す図である。
【図12】本発明の実施形態3に係る光ディスク装置において、システムコントローラが実行する速度制御処理(3)を示すフローチャートである。
【図13】速度制御処理(3)の具体的な動作を示す図である。
【図14】本発明の実施形態4に係る光ディスク装置において、システムコントローラ内のROMが記憶するDivXの記録フォーマットの回転速度テーブルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態に係る光ディスク装置を図面を参照して説明する。
(実施形態1)
実施形態1に係る光ディスク装置1の構成を図1に示す。
本実施形態に係る光ディスク装置1は、スピンドルモータ11と、光ピックアップ(図中、「PU」と記す。)12と、信号処理部13と、バッファメモリ14,15と、ドライバ16と、システムコントローラ17と、を備える。
【0025】
光ディスク装置1は、光ディスク10に記録されたデータを再生するものである。尚、本実施形態1では、光ディスク10を、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)として説明する。この光ディスク10は、図2に示すように、内周側からリードインエリア、プログラムエリア、リードアウトエリアが形成されている。
【0026】
リードインエリアは、TOC(Table Of Contents)が記録される領域である。TOCは、トラックデータの記録位置情報を含むトラック情報であり、ディスク情報に相当する。
【0027】
プログラムエリアは、音楽データ等のユーザデータが主データとして記録されるデータ領域である。リードアウトエリアは、データの読み出しを終了させるための領域である。
【0028】
本実施形態1にかかる光ディスク装置1は、スピンドルモータ11の消費電流を低減するため、直前のビットレートをモニタしながら、平均ビットレートを算出し、算出した平均ビットレートが低ければ、スピンドルモータ11の読み取り回転速度(以後、単に「回転速度」と記す。)を低減させるように構成されている。
【0029】
回転速度が低減すれば、スピンドルモータ11の消費電流も低減する。また、バッファリング処理を利用することによって読取りタイムラグの影響をなくし、映像・音声が途切れることなく再生処理を行うことができる。
【0030】
スピンドルモータ11は、セットされた光ディスク10を回転させるためのモータである。
【0031】
光ピックアップ12は、光ディスク10に記録されたファイル情報を読み取るためのものである。光ピックアップ12は、ファイル情報に基づく光検出信号を出力する。
【0032】
光ピックアップ12は、レーザ、レンズ、アクチュエータ、ビームスプリッタ、受光素子等を備える(いずれも図示せず)。
【0033】
レーザは、レーザ光を発する発光源であり、レンズは、レーザが発したレーザ光を光ディスク10のディスク面上に集光するためのものである。ビームスプリッタは、レーザが発したレーザ光と、ディスク面から反射した反射光とを分離し、反射光を受光素子側へと導くためのものである。
【0034】
アクチュエータは、光ピックアップ12の姿勢、レンズの位置を制御するためのものであり、受光素子は、ビームスプリッタで分離された反射光を受光するものである。受光素子は、受光した反射光を電気信号である光検出信号に変換し、生成した光検出信号を信号処理部13に出力する。
【0035】
信号処理部13は、光ピックアップ12が出力した光検出信号に基づいて、RF(Radio Frequency)信号と、FE(フォーカスエラー)信号と、TE(トラッキングエラー)信号と、を生成するものである。
【0036】
信号処理部13は、生成したFE信号とTE信号をシステムコントローラ17に供給する。また、信号処理部13は、RF信号から再生データを取得し、取得した再生データをシステムコントローラ17に供給するとともに、バッファメモリ14に格納する。
【0037】
尚、信号処理部13は、再生データを取得するときのビットレートを読み取り、読み取ったビットレートをシステムコントローラ17に供給する。
【0038】
バッファメモリ14は、光ディスク10から読み取られた再生データを格納(記憶)するためのトラックバッファメモリである。バッファメモリ15は、再生データを読み取るときの最大ビットレートz_maxを格納するためのバッファメモリである。バッファメモリ15は、図3(a)に示すように、(n+1)(n;自然数)個のBuffer[0]〜Buffer[n]を備える。
【0039】
ドライバ16は、スピンドルモータ11を回転駆動するものである。ドライバ16は、システムコントローラ17から回転速度制御信号が供給され、この回転速度制御信号に従ってスピンドルモータ11の回転速度を制御する。
【0040】
システムコントローラ17は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えて(図示せず)、光ディスク装置1の各部を制御するものである。
【0041】
ROMは、各種データを記憶するものであり、RAMは、システムコントローラ17(CPU)が処理を実行するのに必要なデータを記憶するためのものである。
【0042】
ROMは、各種データとして、プログラムデータを記憶し、システムコントローラ17は、このプログラムに従って、各部を制御する。
【0043】
具体的に、システムコントローラ17は、回転速度制御信号をドライバ16に供給することにより、スピンドルモータ11を回転させる。
【0044】
また、システムコントローラ17は、信号処理部13から供給されたFE信号、TE信号に基づいて、光ピックアップ12の位置を制御し、光ピックアップ12のアクチュエータを介して、光ピックアップ12の姿勢とレンズの位置とを制御する。
【0045】
また、システムコントローラ17は、再生データを読み取るときの回転速度を、再生データの平均ビットレートz_avrに対応する回転速度となるように制御する。
【0046】
このような制御を行うため、システムコントローラ17は、信号処理部13から供給されたビットレートをモニタし、信号処理部13から供給された再生データの最大ビットレートz_max[p]を、一定時間毎に取得する。
【0047】
尚、この一定時間をディスク情報読み取り時間Xとして、システムコントローラ17は、ディスク情報読み取り時間Xを計時するタイマを有する。
【0048】
システムコントローラ17は、最大ビットレートz_maxを取得する毎に、バッファメモリ14に格納されたデータを更新する。
【0049】
即ち、図3(a)に示すように、Buffer[0]〜Buffer[n]に、それぞれ、最大ビットレートz_max[0]〜z_max[n]が格納されているとすると、システムコントローラ17は、図3(b)に示すように、最大ビットレートz_maxを取得する毎に、バッファメモリ15のBuffer[n-1]のデータz_max[n-1]をBuffer[n]に、・・・、Buffer[0]のデータz_max[0]をBuffer[1]に順次移し替え、Buffer[0]に新たに取得した最大ビットレートz_max[p]を格納する。
【0050】
このようにして、システムコントローラ17は、バッファメモリ15のBuffer[0]〜Buffer[n]のデータ(最大ビットレートz_max)を、ディスク情報読み取り時間X毎に更新する。
【0051】
尚、バッファメモリ15のBuffer[0]〜Buffer[n]に、ディスク情報読み取り時間Xにおける最大ビットレートz_maxがすべて格納されたか否かを判別するため、システムコントローラ17は、バッファ書き込みカウンタ(図示せず)を有し、データを更新する毎に、このカウント値iをインクリメントする。
【0052】
また、システムコントローラ17は、バッファメモリ14に蓄積された再生データのデータ蓄積量aを監視する。尚、データ蓄積量aは、バッファメモリ14の全容量を100とした場合の百分率で表するものとする。
【0053】
このデータ蓄積量aが予め設定された閾値a_thを超え、バッファメモリ15のBuffer[0]〜Buffer[n]に最大ビットレートz_maxがすべて格納されると、システムコントローラ17は、バッファメモリ15のBuffer[0]〜Buffer[n]にそれぞれ格納された最大ビットレートz_maxの代表値としての平均ビットレートz_avrを算出する。
【0054】
尚、代表値には、平均値だけでなく、最頻値、中央値もあり、システムコントローラ17は、この最頻値、中央値を代表値として用いてもよい。
【0055】
算出した平均ビットレートz_avrから、対応する回転速度Mを取得するため、システムコントローラ17が内蔵するROMは、各種データとして、図4に示すような、平均ビットレートz_avrとスピンドルモータ11の回転速度Mとの関係を示す回転速度テーブルを記憶する(M[0]<M[1]<M[2]<M[3]<M[4]<M[5])。
【0056】
そして、システムコントローラ17は、図4に示す回転速度テーブルを参照して、平均ビットレートz_avrに対応する回転速度Mを取得し、この回転速度Mとなるような回転速度制御信号をドライバ16に供給する。
【0057】
尚、システムコントローラ17は、スピンドルモータ11の回転速度をCAV[rpm]方式に従って制御するものとする。但し、システムコントローラ17は、CAV[rpm]方式の代わりに、線速度に応じて回転速度を制御するCLV[0.5x, 0.7x,・・・]方式に従って、回転速度を制御するようにしてもよい。
【0058】
次に実施形態1に係る光ディスク装置1の動作を説明する。
システムコントローラ17は、ROMからプログラムデータを読み出し、図5に示すフローチャートに従い、ビットレート格納用のバッファメモリ15に対するバッファリング処理を実行する。
【0059】
システムコントローラ17は、バッファ書き込みカウンタのカウント値iに0をセットしてカウント値iをクリアする(ステップS11)。
【0060】
システムコントローラ17は、バッファメモリ15のBuffer[1]〜Buffer[n]に全て0をセットしてBuffer[1]〜Buffer[n]をクリアする(ステップS12)。
【0061】
システムコントローラ17は、タイマのタイマ値をTimeとして、このタイマ値Timeをリセットして計時を開始する(ステップS13)。
【0062】
システムコントローラ17は、信号処理部13からビットレートを取得する(ステップS14)。
【0063】
システムコントローラ17は、タイマ値Timeがディスク情報読み取り時間Xに達したか否かを判定する(ステップS15)。
【0064】
タイマ値Timeがディスク情報読み取り時間X未満の場合(ステップS15;No)、システムコントローラ17は、再度、信号処理部13からビットレートを取得する(ステップS14)。
【0065】
タイマ値Timeがディスク情報読み取り時間Xに達した場合(ステップS15;Yes)、システムコントローラ17は、バッファメモリ15のBuffer[n-1]のデータz_max[n-1]をBuffer[n]に、・・・、Buffer[0]のデータz_max[0]をBuffer[1]に順次移し替える(ステップS16)。
【0066】
システムコントローラ17は、新たに取得した最大ビットレートz_max[p]をBuffer[0]に格納する(ステップS17)。
【0067】
システムコントローラ17は、取得したビットレート値zをクリアする(ステップS18)。
【0068】
システムコントローラ17は、バッファ書き込みカウンタのカウント値iをインクリメントし(ステップS19)、ステップS13に戻る。
【0069】
次に、システムコントローラ17は、図6に示すフローチャートに従い、速度制御処理(1)を実行する。
【0070】
システムコントローラ17は、各部を制御して再生処理を実行する(ステップS21)。
【0071】
システムコントローラ17は、回転速度をデフォルト値に設定する(ステップS22)。
【0072】
システムコントローラ17は、再生データを読み取るように各部を制御する(ステップS23)。
【0073】
システムコントローラ17は、バッファメモリ14のデータ蓄積量aを読み取る(ステップS24)。
【0074】
データ蓄積量aが閾値a_th以下の場合(ステップS25;No)、システムコントローラ17は、ステップS23に戻り、再度、再生データを読み取るように各部を制御する。
【0075】
データ蓄積量aが閾値a_thを超えた場合(ステップS25;Yes)、システムコントローラ17は、バッファ書き込みカウンタのカウント値iがnになったか否かを判定する(ステップS26)。
【0076】
バッファ書き込みカウンタのカウント値iがnになっていない場合(ステップS26;No)、システムコントローラ17は、再度、ステップS23〜S25を実行する。
【0077】
バッファ書き込みカウンタのカウント値iがnになった場合(ステップS26;Yes)、システムコントローラ17は、バッファメモリ15に蓄積したn個の最大ビットレートzの平均ビットレートz_avrを算出する(ステップS27)。
【0078】
システムコントローラ17は、図4に示す回転速度テーブルを参照し、平均ビットレートz_avrに対応した回転速度Mを取得する(ステップS28)。
【0079】
システムコントローラ17は、データ取得が可能か否かを判定する(ステップS29)。データ取得が可能な場合(ステップS29;Yes)、システムコントローラ17は、再度、ステップS23〜S28を実行し、データ取得が不可能な場合(ステップS29;No)、この速度制御処理(1)を終了させる。
【0080】
次に、この速度制御処理(1)を具体的に説明する。
尚、説明を簡略化するため、図7に示すように、バッファメモリ15をBuffer[0]〜Buffer[2]からなるものとする(n=2、i=0〜2)。
【0081】
回転速度のデフォルト値をM[2]として、時刻t10において、バッファメモリ15のBuffer[1]〜Buffer[n]は、システムコントローラ17によって、全て0をセットされ(ステップS12)、システムコントローラ17は、タイマ値Timeをリセットして計時を開始する(ステップS13)
【0082】
また、システムコントローラ17は、再生処理を開始し、回転速度Mをデフォルト値M[2]に設定すると(ステップS21,S22)、スピンドルモータ11は、ドライバ16に制御され、図8に示すように、デフォルト値M[2]の回転速度で回転する。
【0083】
信号処理部13は再生データを読み取り、読み取った再生データをバッファメモリ14に格納する(ステップS23)。
【0084】
時刻t11において、タイマ値Timeがディスク情報読み取り時間Xに達したときに(ステップS15;Yes)、新たに取得した最大ビットレートz_max[p]がz1になったものとする。
【0085】
システムコントローラ17は、最大ビットレートz1を読み取り、バッファメモリ15のBuffer[1]のデータ0をBuffer[2]に、Buffer[0]のデータ0をBuffer[1]に移し替え(ステップS16)、新たに読み取った最大ビットレートz1をBuffer[0]に格納する(ステップS17)。
【0086】
読み取ったデータ蓄積量aが閾値a_thを超えていなければ(ステップS25;No)、信号処理部13は、読み取った再生データを、順次、バッファメモリ14に格納する(ステップS23)。
【0087】
時刻t12において、タイマ値Timeがディスク情報読み取り時間Xに達すると、システムコントローラ17は、バッファメモリ15のBuffer[1]のデータ0をBuffer[2]に、Buffer[0]のデータz1をBuffer[1]に移し替え(ステップS16)、新たに取得した最大ビットレートz_max[p]=z2をBuffer[0]に格納する(ステップS17)。
【0088】
読み取ったデータ蓄積量aが閾値a_thを超えていなければ(ステップS25;No)、信号処理部13は、読み取った再生データを、順次、バッファメモリ14に格納する(ステップS23)。
【0089】
時刻t13において、タイマ値Timeがディスク情報読み取り時間Xに達すると、システムコントローラ17は、バッファメモリ15のBuffer[1]のデータ0をBuffer[2]に、Buffer[0]のデータz1をBuffer[1]に移し替え(ステップS16)、新たに取得した最大ビットレートz_max[p]=z2をBuffer[0]に格納する(ステップS17)。
【0090】
時刻t14において、読み取ったデータ蓄積量aが閾値a_thを超え(ステップS25;Yes)、バッファメモリ15にBuffer[0]〜Buffer[2]にすべてデータz1〜z3が格納されれば(ステップS26;Yes)、システムコントローラ17は、バッファメモリ15に格納された3個のBuffer[0]〜Buffer[2]のそれぞれのデータz1〜z3の平均値を算出し、平均ビットレートz_avr(t14)を取得する(ステップS27)。
【0091】
尚、バッファメモリ15にすべて最大ビットレートz_maxが格納されていなければ(ステップS26;No)、システムコントローラ17は、バッファメモリ15にすべて最大ビットレートz_maxが格納されてから、平均ビットレートz_avr(t14)を取得する
【0092】
この平均ビットレートz_avr(t14)を3とすると、システムコントローラ17は、回転速度テーブルを参照し、この平均ビットレートz_avr(t14)=3に対応する回転速度M[1]を取得する(ステップS28)。
【0093】
そして、システムコントローラ17が、この回転速度M[1]となるような回転速度制御信号をドライバ16に供給すると、スピンドルモータ11は、図8に示すように、時刻t14から、平均ビットレートz_avr(t14)=3に対応する回転速度M[1]で回転する。
【0094】
同様に、時刻t15において、平均ビットレートz_avr(t15)が7になった場合、この平均ビットレートz_avr(t15)=7に対応する回転速度MはM[3]となり(ステップS28)、スピンドルモータ11は、この時刻t15から、平均ビットレートz_avr(t15)=7に対応する回転速度M[3]で回転する。
【0095】
以上説明したように、本実施形態1によれば、光ディスク装置1は、スピンドルモータ11を、再生データの平均ビットレートz_avrに対応する回転速度で回転させるようにした。
【0096】
従って、コンテンツの種類に左右されず、より精緻な回転速度制御を行うことができ、常に最大ビットレートz_maxを満足するような回転速度Mでスピンドルモータ11を回転させる必要がなく、スピンドルモータ11を低速で回転させて消費電流が少なくすることができる。
【0097】
このため、バッテリー、電池等の消費を大幅に削減することができる。また、スピンドルモータ11の回転音、風切り音等のノイズも低減し、メカの振動も小さくなり、さらに、スピンドルモータ11、ドライバ16等、メカの発熱を低減させることができ、光ディスク装置1の寿命を延ばすことができる。
【0098】
(実施形態2)
実施形態2に係る光ディスク装置は、バッファメモリの全蓄積容量に対するデータ蓄積量に応じてさらに回転速度を低減するようにしたものである。
【0099】
バッファメモリ14の全蓄積容量に対するデータ蓄積量a(%)に対応する回転速度係数として、1よりも小さい回転速度係数k(k<1)を取得し、この回転速度係数kを回転速度Mに乗ずることにより、スピンドルモータ11の回転速度をさらに低減することができる。
【0100】
このため、システムコントローラ17が内蔵するROMは、図9に示すような全蓄積容量に対するデータ蓄積量aと回転速度係数kとの関係情報を予め格納する。
【0101】
この実施形態2に係る光ディスク装置1の動作を説明する。
システムコントローラ17は、図10に示フローチャートに従い、速度制御処理(2)を実行する。
【0102】
システムコントローラ17は、実施形態1と同様、ステップS11〜S18、S21〜をS24実行する。
【0103】
データ蓄積量aが閾値a_thを超えた場合(ステップS25;Yes)、システムコントローラ17は、図9に示す関係情報を参照し、データ蓄積量aに応じた回転速度係数kを取得する(ステップS31)。
【0104】
システムコントローラ17は、実施形態1と同様、ステップS26,S27を実行して、平均ビットレートz_avrを算出し、回転速度Mに回転速度係数kを乗算して回転速度kMを取得する(ステップS32)。
【0105】
データ取得が可能な場合(ステップS29;Yes)、システムコントローラ17は、再度、ステップS23〜S32を実行し、データ取得が不可能な場合は(ステップS29;No)、この速度制御処理(2)を終了させる。
【0106】
次に、この速度制御処理(2)を具体的に説明する。
図11に示すように、データ蓄積量aが閾値a_thを超え(ステップS25;Yes)、時刻t20において、例えば、60%になったものとする。
【0107】
データ蓄積量aが60%の場合、回転速度係数kは、図9に示すようにk5に設定されている。このため、スピンドルモータ11の回転速度は、図11に示すように、k5×M[3]となる。
【0108】
時刻t21において、データ蓄積量aが70%になった場合、ビットレートが短期間で高くなったために、データ蓄積量aが増えたものと考えられる。データ蓄積量a=70%に対応する回転速度係数kは、図9に示すように、k4である。
【0109】
システムコントローラ17がこの関係情報を参照し、k=k4に設定すると、図11に示すように、k4×M[3]となり、スピンドルモータ11の回転速度は、低下する。
【0110】
時刻t22において、データ蓄積量aがさらに増えてa=80%になった場合、この80%に対応する回転速度係数kは、図9に示すようにk3である。
【0111】
システムコントローラ17が図9に示す関係情報を参照し、k=k3に設定すると、図11に示すように、k3×M[3]となり、スピンドルモータ11の回転速度は、さらに低下する。
【0112】
時刻t23において、データ蓄積量aが減ってa=60%に戻った場合、システムコントローラ17が図9に示す関係情報を参照して、k=k5に設定すると、スピンドルモータ11の回転速度は、図11に示すように、元のk5×M[3]に戻る。
【0113】
以上説明したように、本実施形態2によれば、データ蓄積量aに基づいて、1よりも小さい回転速度係数kを設定し、この回転速度係数kを、回転速度Mに乗ずるようにした。従って、データ蓄積量aに応じて回転速度Mをさらに低減することができる。
【0114】
(実施形態3)
実施形態3に係る光ディスク装置は、回転速度が上昇したときに、スピンドルモータの回転速度の対応時間を遅らせるようにしたものである。
【0115】
回転速度Mを上げるときは、回転速度Mの上昇を出来るだけ遅らせ、回転速度を下げるときは、即座に回転速度Mを低減させることにより、スピンドルモータ11を出来るだけ低回転で動作させることができる。
【0116】
このため、システムコントローラ17は、平均ビットレートz_avrが直前の設定値(平均ビットレートz_avr)よりも大きくなったときは、回転速度Mの設定間隔をY(Y=X)として、この設定間隔Yに1/kを乗算する(k<1)。このようにすれば、回転速度Mを上げるとき、遅延してスピンドルモータ11の回転速度Mが上昇する。
【0117】
一方、平均ビットレートz_avrが直前の設定値よりも低くなったときは、実施形態1と同様に、時間遅延させることなく回転速度Mを低下させる。
【0118】
(実施形態4)
実施形態4に係る光ディスク装置は、ある記録単位毎に回転速度を制御するようにしたものである。
【0119】
例えば、ビットレートは、タイトル・チャプタ、トラック・ファイル等、記録コンテンツの記録単位毎に異なると考えられる。
【0120】
一般に、低ビットレートでオーサリング・記録されたコンテンツでは、その平均ビットレートも低く、高ビットレートでオーサリング・記録されたコンテンツでは、その平均ビットレートも高くなる。即ち、記録単位が同じであれば、その平均ビットレートは大きく変わるものではない。
【0121】
このため、システムコントローラ17は、このタイトル・チャプタ、トラック・ファイル等の記録単位として、記録セクションの先頭からディスク情報読み取り時間Xが経過するまでの最大ビットレートzをq(q≦n)回分記憶して平均ビットレ−トz_avrを算出する。
【0122】
そして、システムコントローラ17は、算出された平均ビットレ−トz_avrに対応する回転速度Mを、その記録セクションで一律に設定する。また新しい記録セクションのデータを再生するとき、システムコントローラ17は、再度、上記処理を行い、回転速度Mを新たに設定する。
【0123】
次に実施形態4に係る光ディスク装置1の動作を説明する。
システムコントローラ17は、図12に示フローチャートに従い、速度制御処理(3)を実行する。
【0124】
システムコントローラ17は、先頭ファイルから再生処理を実行し(ステップS41)、実施形態1と同様に、ステップS22〜S28を実行して、回転速度Mを取得する。
【0125】
システムコントローラ17は、次の記録セクションに移行したか否かを判定する(ステップS42)。
【0126】
次の記録セクションに移行した場合(ステップS42;Yes)、システムコントローラ17は、ステップS23〜S28を、再度、実行する。
【0127】
次の記録セクションに移行しない場合(ステップS42;No)、システムコントローラ17は、データ取得が可能か否かを判定する(ステップS29)。
【0128】
そして、システムコントローラ17は、データ取得が可能な場合(ステップS29;Yes)は、再度、次の記録セクションに移行するか否かを判定し(ステップS42)、データ取得が不可能な場合(ステップS29;No)は、この速度制御処理(3)を終了させる。
【0129】
次に、この速度制御処理(3)を具体的に説明する。
例えば、図13に示すように、セクションSec1の先頭からの平均ビットレートz_avrが3であった場合、システムコントローラ17は、図4に示す回転速度テーブルを参照し、回転速度M[3]を取得する(ステップS28)。
【0130】
システムコントローラ17は、次のセクションSec2に移行するまで、回転速度M[3]を設定する(ステップS28)。
【0131】
次に、セクションがセクションSec2に移行した場合(ステップS42;Yes)に、システムコントローラ17が回転速度M[2]を取得すると、システムコントローラ17は、セクションが次のセクションSec3に移行するまで、回転速度Mを、この回転速度M[2]に設定する(ステップS28)。
【0132】
次に、セクションがセクションSec3に移行した場合(ステップS42;Yes)に、システムコントローラ17が回転速度M[4]を取得すると、システムコントローラ17は、回転速度Mを、この回転速度M[4]に設定する(ステップS28)。
【0133】
以上説明したように、本実施形態4によれば、光ディスク装置1は、タイトル・チャプタ、トラック・ファイル等の記録セクションの先頭からディスク情報読み取り時間Xが経過するまでの最大ビットレートz_maxをq回分記憶し、算出した平均ビットレ−トz_avrに対応する回転速度Mを、そのセクションで一律に設定するようにした。従って、各セクションのビットレートに適した回転速度Mを設定することができる。
【0134】
(実施形態5)
実施形態4に係る光ディスク装置は、記録フォーマットに対応する回転速度を設定するようにしたものである。
【0135】
例えば、DivX等の記録フォーマットでは、圧縮率が高い。このような記録フォーマットでは、回転速度を下げることが可能となる。
【0136】
このため、システムコントローラ17が内蔵するROMは、記録フォーマット毎に、平均ビットレートz_avrと回転速度Mとの関係を示す関係情報としての回転速度テーブルを記憶する。
【0137】
例えば、図4に示す回転速度テーブルを、DVD−Videoの記録フォーマットにおける回転速度テーブルとして、システムコントローラ17が内蔵するROMは、さらに、図14に示すようなDivXの記録フォーマットにおける回転速度テーブルを予め記憶する。
【0138】
システムコントローラ17は、光ディスク10に記録された情報に基づいて、この光ディスク10の記録フォーマットを判別する。
【0139】
図2に示すリードインエリア内には、ファイルシステムに関する情報が記録されており、システムコントローラ17は、このリードインエリアから、この情報を読み取ってファイルシステムを判別し、記録フォーマットを判別する。
【0140】
そして、システムコントローラ17は、判別した記録フォーマットに対応する回転速度テーブルを選択し、選択した回転速度テーブルを参照して、平均ビットレートz_avrに対応する回転速度Mを取得する。
【0141】
尚、可変ビットレート(VBR)に限らず、固定ビットレート(CBR)においても同等な処理が可能である。 さらに、光ディスク10は、DVDに限らず、システムコントローラ17が内蔵するROMが、CD、BD(Blu-ray Disc)等用の回転速度テーブルを記憶することにより、これらの各記録フオーマットに関しても対応可能である。
【0142】
尚、本発明を実施するにあたっては、種々の形態が考えられ、上記実施形態に限られるものではない。
【0143】
例えば、上記実施形態1〜5では、ビットレートが低いときは、回転速度を低下させてスピンドルモータ11を連続駆動するようにした。しかし、ビットレートとバッファメモリ14のデータ蓄積量aに応じて間欠駆動を行ってもよい。
【0144】
即ち、バッファメモリ14の全容量が十分大きいときには、読取り動作を停止させ、バッファメモリ14の全容量に対するデータ蓄積量aに応じて、再度、読取り動作を開始する。これは、上記回転速度Mを0rpm(停止)に設定することで容易に実現可能である。
【0145】
また、上記実施形態1〜5では、平均ビットレートz_avrを算出するのに、ディスク情報読み取り時間X毎の最大ビットレートz_maxを用いた。しかし、最大ビットレートz_maxの代わりに、読込んだ全てのビットレートデータを用いて平均ビットレートz_avrを算出するようにしてもよい。
【0146】
さらに、上記実施形態1〜5では、データを読込みながら直前のビットレート値の算出を行うことでリアルタイムに対応する1パス構成として説明した。しかし、一度、再生処理を行って平均ビットレートz_avrを取得し、2度目以降、再生処理を行うときは、一度の再生処理時に取得した平均ビットレートz_avrを用いて回転速度Mを制御する2パス構成としてもよい。このようにすれば、より正確に回転速度を制御することができる。
【0147】
また、上記実施形態1〜5では、プログラムデータがメモリ等に予め記憶されているものとして説明した。しかし、光ディスク装置1を、装置の全部又は一部として動作させ、あるいは、上述の処理を実行させるためのプログラムを、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read-Only Memory)、DVD、MO(Magneto Optical disk)などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、これを別のコンピュータにインストールし、上述の手段として動作させ、あるいは、上述の工程を実行させてもよい。
【0148】
さらに、インターネット上のサーバ装置が有するディスク装置等にプログラムを格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、コンピュータにダウンロード等するものとしてもよい。
【符号の説明】
【0149】
1 光ディスク装置
10 光ディスク
11 スピンドルモータ
12 光ピックアップ
13 信号処理部
14 バッファメモリ(再生データ格納用)
15 バッファメモリ(ビットレート格納用)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスクに記録された再生データを再生する光ディスク装置において、
前記光ディスクを回転させるスピンドルモータと、
前記光ディスクから読み取られた再生データを記憶する再生データ記憶部と、
前記再生データを読み取るときのビットレートを取得するビットレート取得部と、
前記再生データを読み取るときの前記スピンドルモータの読み取り回転速度を、前記ビットレート取得部が取得したビットレートに対応する回転速度となるように制御する回転速度制御部と、を備えた、
ことを特徴とする光ディスク装置。
【請求項2】
前記回転速度制御部は、前記スピンドルモータの読み取り回転速度を、前記ビットレート取得部が取得したビットレートが低くなるに従って、低減するように制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
【請求項3】
前記ビットレートを記憶するビットレート記憶部を備え、
前記ビットレート取得部は、前記再生データの読み取りを開始してから、予め設定された一定時間毎に、最大ビットレートを取得して、順次、前記ビットレート記憶部に記憶し、前記再生データ記憶部の全容量に対する前記再生データのデータ蓄積量を監視して、前記データ蓄積量が、予め設定された閾値を超えたときに、前記ビットレート記憶部に記憶した複数の最大ビットレートの代表値を取得し、
前記回転速度制御部は、前記ビットレート取得部が取得した代表値に対応する回転速度となるように、前記スピンドルモータの読み取り回転速度を制御する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の光ディスク装置。
【請求項4】
前記回転速度制御部は、前記再生データ記憶部の前記データ蓄積量に対応する1よりも小さい回転速度係数を取得し、前記スピンドルモータの読み取り回転速度を、前記ビットレート取得部が取得したビットレートに対応する回転速度に前記回転速度係数を乗算した値となるように制御する、
ことを特徴とする請求項3に記載の光ディスク装置。
【請求項5】
前記回転速度制御部は、前記ビットレート取得部が取得した前記最大ビットレートの代表値が既に設定した値よりも大きくなったときは、予め設定された一定時間に前記回転速度係数の逆数を乗算した時間が経過したときに、前記スピンドルモータの読み取り回転速度を、前記ビットレート取得部が取得したビットレートに対応する回転速度に前記回転速度係数を乗算した値となるように制御する、
ことを特徴とする請求項4に記載の光ディスク装置。
【請求項6】
前記再生データは、複数の記録単位に区分されたデータであり、
前記ビットレート取得部は、前記ビットレート記憶部に記憶された最大ビットレートの取得数が予め設定された設定数になったとき、前記設定数の最大ビットレートの代表値を取得し、
前記回転速度制御部は、前記記録単位毎に、前記ビットレート取得部が取得した代表値に対応する回転速度となるように、前記スピンドルモータの読み取り回転速度を制御する、
ことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の光ディスク装置。
【請求項7】
前記光ディスクの記録フォーマット毎に、前記ビットレートと前記スピンドルモータの読み取り回転速度との関係を示す関係情報を記憶する関係情報記憶部を備え、
前記回転速度制御部は、前記光ディスクに記録された情報に基づいて前記光ディスクの記録フォーマットを判別し、判別した前記記録フォーマットに対応する前記関係情報を選択し、選択した前記関係情報を参照して、前記ビットレート取得部が取得したビットレートに対応する回転速度を取得し、前記スピンドルモータの読み取り回転速度を、取得した回転速度となるように制御する、
ことを特徴とする請求項6に記載の光ディスク装置。
【請求項8】
記録された再生データを再生する光ディスクを回転させるスピンドルモータの回転速度を制御するスピンドルモータの回転速度制御方法であって、
前記光ディスクから読み取られた再生データを記憶するステップと、
前記再生データを読み取るときのビットレートを取得するステップと、
前記再生データを読み取るときの前記スピンドルモータの読み取り回転速度を、取得したビットレートに対応する回転速度となるように制御するステップと、を備えた、
ことを特徴とするスピンドルモータの回転速度制御方法。
【請求項9】
コンピュータに、
光ディスクから読み取られた再生データを記憶する手順、
前記再生データを読み取るときのビットレートを取得する手順、
前記光ディスクを回転させるスピンドルモータの前記再生データを読み取るときの読み取り回転速度を、取得したビットレートに対応する回転速度となるように制御する手順、
を実行させるためのプログラム。
【請求項1】
光ディスクに記録された再生データを再生する光ディスク装置において、
前記光ディスクを回転させるスピンドルモータと、
前記光ディスクから読み取られた再生データを記憶する再生データ記憶部と、
前記再生データを読み取るときのビットレートを取得するビットレート取得部と、
前記再生データを読み取るときの前記スピンドルモータの読み取り回転速度を、前記ビットレート取得部が取得したビットレートに対応する回転速度となるように制御する回転速度制御部と、を備えた、
ことを特徴とする光ディスク装置。
【請求項2】
前記回転速度制御部は、前記スピンドルモータの読み取り回転速度を、前記ビットレート取得部が取得したビットレートが低くなるに従って、低減するように制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
【請求項3】
前記ビットレートを記憶するビットレート記憶部を備え、
前記ビットレート取得部は、前記再生データの読み取りを開始してから、予め設定された一定時間毎に、最大ビットレートを取得して、順次、前記ビットレート記憶部に記憶し、前記再生データ記憶部の全容量に対する前記再生データのデータ蓄積量を監視して、前記データ蓄積量が、予め設定された閾値を超えたときに、前記ビットレート記憶部に記憶した複数の最大ビットレートの代表値を取得し、
前記回転速度制御部は、前記ビットレート取得部が取得した代表値に対応する回転速度となるように、前記スピンドルモータの読み取り回転速度を制御する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の光ディスク装置。
【請求項4】
前記回転速度制御部は、前記再生データ記憶部の前記データ蓄積量に対応する1よりも小さい回転速度係数を取得し、前記スピンドルモータの読み取り回転速度を、前記ビットレート取得部が取得したビットレートに対応する回転速度に前記回転速度係数を乗算した値となるように制御する、
ことを特徴とする請求項3に記載の光ディスク装置。
【請求項5】
前記回転速度制御部は、前記ビットレート取得部が取得した前記最大ビットレートの代表値が既に設定した値よりも大きくなったときは、予め設定された一定時間に前記回転速度係数の逆数を乗算した時間が経過したときに、前記スピンドルモータの読み取り回転速度を、前記ビットレート取得部が取得したビットレートに対応する回転速度に前記回転速度係数を乗算した値となるように制御する、
ことを特徴とする請求項4に記載の光ディスク装置。
【請求項6】
前記再生データは、複数の記録単位に区分されたデータであり、
前記ビットレート取得部は、前記ビットレート記憶部に記憶された最大ビットレートの取得数が予め設定された設定数になったとき、前記設定数の最大ビットレートの代表値を取得し、
前記回転速度制御部は、前記記録単位毎に、前記ビットレート取得部が取得した代表値に対応する回転速度となるように、前記スピンドルモータの読み取り回転速度を制御する、
ことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の光ディスク装置。
【請求項7】
前記光ディスクの記録フォーマット毎に、前記ビットレートと前記スピンドルモータの読み取り回転速度との関係を示す関係情報を記憶する関係情報記憶部を備え、
前記回転速度制御部は、前記光ディスクに記録された情報に基づいて前記光ディスクの記録フォーマットを判別し、判別した前記記録フォーマットに対応する前記関係情報を選択し、選択した前記関係情報を参照して、前記ビットレート取得部が取得したビットレートに対応する回転速度を取得し、前記スピンドルモータの読み取り回転速度を、取得した回転速度となるように制御する、
ことを特徴とする請求項6に記載の光ディスク装置。
【請求項8】
記録された再生データを再生する光ディスクを回転させるスピンドルモータの回転速度を制御するスピンドルモータの回転速度制御方法であって、
前記光ディスクから読み取られた再生データを記憶するステップと、
前記再生データを読み取るときのビットレートを取得するステップと、
前記再生データを読み取るときの前記スピンドルモータの読み取り回転速度を、取得したビットレートに対応する回転速度となるように制御するステップと、を備えた、
ことを特徴とするスピンドルモータの回転速度制御方法。
【請求項9】
コンピュータに、
光ディスクから読み取られた再生データを記憶する手順、
前記再生データを読み取るときのビットレートを取得する手順、
前記光ディスクを回転させるスピンドルモータの前記再生データを読み取るときの読み取り回転速度を、取得したビットレートに対応する回転速度となるように制御する手順、
を実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−48867(P2011−48867A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−194827(P2009−194827)
【出願日】平成21年8月25日(2009.8.25)
【出願人】(508209990)J&Kカーエレクトロニクス株式会社 (98)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月25日(2009.8.25)
【出願人】(508209990)J&Kカーエレクトロニクス株式会社 (98)
【Fターム(参考)】
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