説明

光ディスク装置、及び光ディスク装置のスピンドルモータ回転停止方法

【課題】光ディスク装置において、光ディスクの回転停止要求を受付けた後、次の動作要求があった際の応答時間を高速化する。
【解決手段】回転停止のコマンドパケットに、次の動作要求は早い応答を要する要求であるか否かをImmedビットで判断する。Immedビットに応じて、例えば二つの回転停止処理方法が切換えて用いられる。速い応答を要さない場合は、そのまま回転停止して終了する。早い応答を要する場合は、回転停止しない段階でホスト装置との通信状態を解放した後、回転速度を所定時間ごとに切換えて低速化する。これにより、次の動作要求に対する応答時間が高速化される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光ディスク装置、及び光ディスク装置のスピンドルモータ回転停止方法に係り、特にコマンド応答時間を短縮した光ディスク装置、及び光ディスク装置のスピンドルモータ回転停止方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光ディスク装置、ハードディスク装置などのデータストレージ装置においては、これを内蔵するPC(Personal Computer)や映像コンテンツ記録再生装置に対する薄型化、軽量化、応答高速化などの要求に応えるための技術開発が進められている。
特許文献1では、ハードディスク装置のような記録再生装置において、起動を高速化するための技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−310948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年は、例えば光ディスク装置においても薄型化の要求が強くなっている。このため、光ディスクを回転駆動するためのスピンドルモータ(ディスクモータ)の薄型化が進められている。スピンドルモータは一般に、薄型化によってトルクが低下するため、光ディスクの回転を加速、または減速するために要する時間は増大する方向となる。これにより、特に、光ディスクの回転の起動、停止動作を伴うコマンドに対する応答時間が増大し、光ディスク装置の応答速度が低下する問題がある。
【0005】
例えばスピンドルモータの回転停止要求コマンドを受信し、回転停止処理開始直後に光ディスクの再生記録要求コマンドを受信する場合、応答時間を改善するためには、光ディスクの回転の急激な減速、再加速を避けるために、あらかじめ光ディスクの回転をあまり減速させない方がよい。しかし、回転停止要求コマンドであっても、ディスク排出のためなど緊急性の高い場合もあり、その場合は早急に光ディスクの回転を停止させる必要がある。
本発明の目的は前記した問題に鑑み、回転停止要求コマンドについて、光ディスクの回転停止の緊急度に応じて、回転停止方法を切り替えることにより、回転停止要求コマンド以後のコマンド応答時間を短縮した光ディスク装置、及び光ディスク装置のスピンドルモータ停止方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため本発明は、光ディスクを記録媒体とする光ディスク装置であって、前記光ディスクを回転させるスピンドルモータと、該スピンドルモータを回転制御するサーボ部と、前記光ディスク装置の上位装置からの指令を受信し、これに応じて前記サーボ部を制御する制御部を有し、
該制御部は、前記スピンドルモータが回転中である際に前記上位装置から回転停止を要する指令を受信した場合には、前記指令が含む所定の制御ビットに基づき次のコマンドに期待される応答時間を判定し、
前記次のコマンドが早い応答時間を期待されると判定された場合には、前記指令を受信した後に前記上位装置との通信を再開し、前記スピンドルモータの回転速度を所定時間おきに段階的に低減するよう前記サーボ部を制御することを特徴としている。
【0007】
また本発明は、光ディスクを記録媒体とする光ディスク装置のスピンドルモータ停止方法であって、
前記スピンドルモータが回転中である際に回転停止を要する指令を受信した場合には、前記指令が含む所定の制御ビットに基づき次のコマンドに期待される応答時間を判定する応答時間判定ステップと、該応答時間判定ステップでの判定の結果、前記次のコマンドが早い応答時間を期待されると判定された場合には、前記次の動作を要求するコマンドが受信されたか否かを判定する受信判定ステップと、該受信判定ステップでの判定の結果、前記次の動作を要求するコマンドが受信されていないと判定された場合には、前記スピンドルモータの回転が停止しているか否かを判定する回転停止判定ステップを有し、
該判定停止ステップでの判定の結果、前記スピンドルモータが回転していると判定された場合には、前記スピンドルモータの回転速度を所定時間おきに段階的に減速しながら停止させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、コマンド応答時間を短縮した光ディスク装置、及び光ディスク装置のスピンドルモータ停止方法を提供でき、光ディスク装置の使い勝手の向上に寄与できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】一実施例における光ディスク装置のブロック図である。
【図2】一実施例におけるディスク回転停止コマンドのパケット構造図である。
【図3】一実施例におけるディスク回転停止動作のタイミング図である。
【図4】一実施例における光ディスク装置の回転停止方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施例につき図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例における光ディスク装置1のブロック図である。記録媒体である光ディスク101は、例えばDVDのディスクである。もちろん、DVD−Rのように一回のみ記録が可能な追記型、DVD−RAMのような書換え型、DVD−ROMのような読取り専用型のいずれであっても良い。 装着された光ディスク101は、スピンドルモータ105により所定の回転速度(例えば、データを記録再生する位置において所定の線速度となる回転速度)で回転駆動される。そのためのスピンドルモータ制御信号115は、DSP(Digital Signal Processor)109が含むサーボ部113で生成され、増幅器108で電力増幅されたうえでスピンドルモータ105に供給される。なお、サーボ部113が前記スピンドルモータ制御信号115を生成するために、回転数検出回路106が設けられており、回転数検出回路106が発生するスピンドルモータ105の回転数を示す信号がDSP109に供給されている。
【0011】
光ピックアップ102は対物レンズ104を介して、レーザ光束を光ディスク101の記録面に照射し、データを記録または再生する。
光ピックアップ102は、スレッド機構に搭載されており、スレッドモータ103の回転に伴い、光ディスク101上の半径方向に移動して所定のトラック位置においてデータの記録再生を行う。このためのスレッドモータ制御信号118はサーボ部113で生成され、増幅器108で電力増幅されてスレッドモータ103に供給される。
また、対物レンズ104は電磁力を用いたトラッキングアクチュエータ119とフォーカスアクチュエータ120(図1では煩雑化を避けるため、119と120は対物レンズ104を駆動する方向のみ示す)に搭載されている。
【0012】
トラッキングアクチュエータ119には、サーボ部113で生成され増幅器108で電力増幅されたトラッキングアクチュエータ制御信号116が供給され、これに基づき対物レンズ104は、レーザ光束が光ディスク101の所定の記録トラック上を正しくトレースするよう、光ディスク101に対する半径方向(トラッキング方向)の位置を微調整される。また、フォーカスアクチュエータ120には、サーボ部113で生成され増幅器108で電力増幅されたフォーカスアクチュエータ制御信号117が供給され、これに基づき対物レンズ104は、レーザ光束が光ディスク101の所定の記録トラック上に正しくフォーカスするよう、光ディスク101に対する垂直方向(フォーカス方向)の位置を微調整される。
【0013】
光ピックアップ102が含む光検出器121は、前記レーザ光束の光ディスク101からの反射光を検出し、光ディスク101に記録されていた情報信号を検出して電気信号に変換する。検出された情報信号は信号処理部107に供給される。信号処理部107は、AFE(Analog Front End)回路とも呼ばれ、ディジタル記録であっても本質的にはアナログ信号として扱うべき段階における前記情報信号の処理を行う。即ち信号処理部107は、前記情報信号を演算処理して、例えばトラッキング制御信号とフォーカス制御信号を生成し、DSP109が含むサーボ部113に供給する。サーボ部113は、供給されたトラッキング制御信号とフォーカス制御信号に基づきトラッキング用とフォーカス用のサーボ信号、即ち先のトラッキングアクチュエータ制御信号116とフォーカスアクチュエータ制御信号117を生成し、増幅器108を介して光ピックアップ102に供給し、前記したトラッキング動作とフォーカス動作を制御する。
【0014】
また信号処理部107は、光ディスク101に対してデータを記録再生した際の振幅や位相の周波数特性を等化したうえで、等化されたデータをDSP109が含むデコーダ部112に供給する。デコーダ部112は、光ディスク101に記録されていた情報信号の再生処理を行う。例えば、光ディスク101に記録する以前に情報信号に施されたデータ圧縮処理とは逆の伸張処理を行い、元の情報信号をデコードする。なお、先の信号処理部107は、DSP109と同じ半導体チップ上に集積されることがある。
【0015】
以上述べた光ディスク装置1の動作は、マイコン(マイクロコンピュータ)111が生成する制御信号に基づいて行われる。なお、マイコン111もDSP109と同じ半導体チップ上に集積されることがある。以下では、マイコン111を制御部111と記述することがある。
また、例えばユーザからの動作指令などは、光ディスク装置1の上位装置が有するホストコンピュータ2で生成される。ホストコンピュータ2で生成された指令信号は、DSP109が含むI/F(インタフェース)部110が上位装置と光ディスク装置1の間の通信を仲介することで伝達される。
【0016】
前記したように近年は、例えばスピンドルモータ105の薄型化に伴って、その起動や停止に要する時間が増大する方向にある。例えば光ディスク101にデータを記録または再生している際に、ホストコンピュータ2がこの動作を停止するための回転停止要求コマンドを発生したとする。或いは、ホストコンピュータが動作モードをデータの再生モードから、スピンドルモータ105を停止させたうえで他の動作モード(例えば光ディスク101を光ディスク装置1から取外すためのイジェクトモード)に切換えるための回転停止要求コマンドを発生したとする。光ディスク装置1の制御部111は、インタフェース部110から前記コマンドを受けた際に、DSP109が含むサーボ部113に対し、スピンドルモータ105を停止させるための指示を発生することでスピンドルモータ105は停止する。
【0017】
例えば制御部111が、前に発生した回転停止要求コマンドに応じた回転停止処理が完了するまでは、インタフェース部110が、ホストコンピュータ2がインタフェース部110を介してコマンドを供給できない状態を保たなければならない場合、該コマンドに対する応答時間が比較的長くなるという弱点がある。以下で述べるように本実施例は、この弱点に対して更なる悪化の影響を与えないことも一つの特徴としている。
【0018】
図2は、本発明の一実施例におけるディスク回転停止コマンドのパケット構造図である。ホスト装置(ホストコンピュータ)と光ディスク装置のインタフェース規格の一つとしてATAPI(Advanced Technology Attachment Parallel Interface)があり、図2ではそのうち、回転停止要求コマンドのパケットの内容を示している。全体は8ビット(図の横方向にある0〜7ビット)を1バイトとして12バイト(図の縦方向にある0〜11バイト)のデータで構成されているおり、第4バイトの1,0ビットがOFFの場合、回転停止要求コマンドを意味する。
【0019】
このうち、第1バイトの0〜4ビット、第2バイトと第3バイトの0〜7ビット、第4バイトの2〜3ビット、第5バイトの3〜5ビットはReservedとされており、前記コマンドに機能を加える際に、ここに新たな制御情報(制御ビット)を追加できるようにしている。本実施例では、第1バイトの0ビットをImmedビット(Immediateビット)とし、制御部111が、その回転停止コマンドの種類を判別するようにしている。もちろん、図2でReservedとされた他のビットを使用しても良い。また、例えばSATA(Serial Advanced Technology Attachment)規格にも同様な手法を適用することができる。
【0020】
前記した回転停止コマンドの種類は、前記Immedビットにより区別される。
(1)ImmedビットをOFF(論理信号では例えばLOW)の場合、スピンドルモータ105の回転が実際に停止した後に応答する。即ちスピンドルモータ105の回転が実際に停止するまでは、インタフェース部110はホストコンピュータ2との間の通信を開放せず、ホストコンピュータ2は新たな要求ができない。
(2)ImmedビットをON(論理信号では例えばHIGH)の場合、スピンドルモータ105の回転の停止が終了しない段階であっても応答を開始する。即ちスピンドルモータ105が回転していても、インタフェース部110とホストコンピュータ2の間の通信を開放し、ホストコンピュータ2は新たな要求ができ、また制御部111は要求に対して応答可能である。
【0021】
前記した(1)の回転停止要求コマンドの場合、例えば前記したイジェクトの動作に伴う場合など、次の動作要求に対する応答時間が長くなるが、むしろ確実に素早く回転を停止したい場合であるとする。すなわち回転停止の緊急度が高いと判断される。
【0022】
前記した(2)の回転停止要求コマンドの場合、単にスピンドルモータ105を一旦、回転停止させるだけであって、例えばその後に記録再生動作が伴う場合など、むしろ次の動作要求がすぐに受付可能として、次の動作要求に対する応答時間を短くするなど、応答時間が重要視されている場合であるとする。すなわち回転停止の緊急度が低いと判断される。
以上のようにすることで、制御部111が回転停止コマンドを受信した際に、前記した回転停止コマンドの種類を判別できるようにしている。これにより、前記した種類を判別することで、以下で述べるように回転停止動作を切換えることができる。
【0023】
図3は、一実施例におけるディスク回転停止動作のタイミング図である。前記した種類に応じて(1)と(2)の二つの動作を示している。
(1)では、回転停止要求コマンドを受信した後、次の動作要求に対する応答時間が長くとも確実に素早く回転を停止させることが望まれる場合の動作を示す。まず、制御部111が回転停止コマンドを受信すると、ホストコンピュータ2との“通信状態”を開放(FREE)から非開放(BUSY)に変える。制御部111からの停止要求に応じて、DSP109はスピンドルモータ105の停止処理を行い、これが完了するまでの間は“Drive状態”は、動作中(BUSY)となる。スピンドルモータ105の停止処理が完了すると、“Drive状態”は、休止中(FREE)となり、その後、制御部111がホストコンピュータ2との“通信状態”を非開放(BUSY)から開放(FREE)に変えることにより、次の動作要求に対して応答することができる。
【0024】
(2)は、回転停止コマンドを受信した後であっても、次の動作要求に対する応答時間は短いことが望まれる場合の動作を示す。まず、制御部111が回転停止コマンドを受信すると、ホストコンピュータ2との“通信状態”を開放(FREE)から非開放(BUSY)に変える。制御部111からの停止要求に応じて、DSP109はスピンドルモータ105の停止処理を行うが、これが完了する前、すなわち“Drive状態”が動作中(BUSY)である間に、制御部111がホストコンピュータ2との“通信状態”を非開放(BUSY)から開放(FREE)し、次の要求が受付可能な状態となる。
【0025】
本実施例では、この場合に、スピンドルモータ105の停止処理において、回転速度を段階的に低速化しながら停止処理を行うことに特徴がある。周知のとおり、スピンドルモータ105は所定の速度の回転モードに対する、複数の倍速回転モードを有している。回転停止コマンドを受信するまで、高速な倍速Aの回転モードで回転していた場合には、所定時間T1の後、DSP110はスピンドルモータ105を、これより低速な倍速Bの回転モードに切換え、所定時間T2の後に、さらに低速な倍速Cの回転モードに切換え、さらに所定時間T3(T1、T2、T3は同じでも良い。以下Tで総称することがある)の後に、停止させる。もちろん、回転速度を3段階で切換えることに限定するものではなく、これより多くとも少なくとも良い。
これにより、(1)に対して“通信状態”が開放(FREE)された後の光ディスク101の回転速度は高く保たれており、この間は記録再生動作の要求に高速に応答でき、またその後、より高い倍速への切り替え時間も短くなり、さらに応答時間の高速化に寄与する。
【0026】
次に、本実施例における回転停止処理の動作フローを説明する。
図4は、本発明の一実施例における光ディスク装置1の回転停止方法のフロー図である。フローは、光ディスク装置1の制御部111が、ホストコンピュータ2から回転停止要求コマンドを受信することで開始される。
【0027】
ステップS41では、制御部111は図2で示したImmedビットがONであるか否かを判定する。
ステップS41での判定の結果、ImmedビットがOFFである(図中のNO)と判定された場合には、ステップS46に移行する。この場合は、確実に回転を停止することが望まれているが、ホストコンピュータ2はスピンドルモータ105の回転が停止するまで次の要求ができないため、光ディスク装置1の応答速度が低下してしまう。そこでDSP109は、例えば図3の(1)で示すようにディスク回転をなるべく早く停止し(スピンドルモータ105を停止させて)、フローを終了する。この時、“通信状態”も開放(FREE)する。
【0028】
ステップS41での判定の結果、ImmedビットがONである(図中のYES)と判定された場合には、すみやかに次のホストコンピュータ2からのコマンドが受付けられるように“通信状態”を開放(FREE)して、ステップS42に移行する。この場合は、回転停止コマンド以降の、次の動作要求に対する応答時間は短いことが望まれる。そこで例えば図3の(2)で示す動作がステップS42を含む以下のステップで行われる。
【0029】
ステップS42では、制御部111は、ホストコンピュータ2から、光ディスク101への情報の書き込み(WRITE)や読み出し(READ)、またはシーク(SEEK)などの、スピンドルモータ105への回転速度が高速であるほど応答時間が速くなるコマンドを受付けたか否かを判定する。ステップS42での判定の結果、前記のコマンドを受付けたと判定された場合には(図中のYES)、そのままフローを終了する。即ち、回転停止処理を終了して次のコマンドに応じた動作を行う。ステップS42での判定の結果、前記のコマンドを受付けていないと判定された場合には(図中のNO)、ステップS43に移行する。
【0030】
ステップS43では、制御部111は、ディスク回転は既に停止しているか、即ちスピンドルモータ105の回転は既に停止しているか否かを判定する。ステップS43での判定の結果、既に回転が停止していると判定された場合には(図中のYes)、そのままフローを終了する。ステップS43での判定の結果、まだ回転が停止していないと判定された場合には(図中のNo)、ステップS44に移行する。
【0031】
ステップS44では、制御部111は、回転停止要求コマンドを受信してからの所定の時間T(図3のT1、T2、T3を総称する)を既に経過したか否かを判定する。ステップS44での判定の結果、時間Tをまだ経過していないと判定された場合には(図中のNO)、ステップS42に戻り改めて判定を繰返す。ステップS44での判定の結果、時間Tを既に経過したと判定された場合には(図中のYES)、ステップS45に移行する。
【0032】
ステップS45では、DSP109は制御部111からの指示を受けて、スピンドルモータ105の回転速度を低速化する。例えば回転速度が図3で示した倍速Bであれば倍速Cに、倍速Cであれば0(停止)に切換える。その後、ステップS42に戻るが、少なくもステップS43で、スピンドルモータ105の回転が停止されたと判定された際には、フローを終了する。
【0033】
以上、図4で一例を示したフローにより、図3で示した本実施例の動作が実現される。
ここまで示した実施形態は一例であって、例えば図1のブロック図や図4のフロー図は、本発明を限定するものではない。また、光ディスク装置に限らず、例えばハードディスク装置のような他の装置にも適用することができる。このほかにも本発明の趣旨に基づきながら異なる実施形態を考えられるが、いずれも本発明の範疇にある。
【符号の説明】
【0034】
1:光ディスク装置、2:ホストコンピュータ、101:光ディスク、105:スピンドルモータ、110:インタフェース部、111:制御部、113:サーボ部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスクを記録媒体とする光ディスク装置であって、
前記光ディスクを回転させるスピンドルモータと、
該スピンドルモータを回転制御するサーボ部と、
前記光ディスク装置の上位装置からの指令を受信し、これに応じて前記サーボ部を制御する制御部を有し、
該制御部は、前記スピンドルモータが回転中である際に前記上位装置から回転停止を要する指令を受信した場合には、
前記指令が含む所定の制御ビットに基づき次のコマンドに期待される応答時間を判定し、
前記次のコマンドが早い応答時間を期待されると判定された場合には、
前記指令を受信した後に前記上位装置との通信を再開し、
前記スピンドルモータの回転速度を所定時間おきに段階的に低減するよう前記サーボ部を制御することを特徴とする光ディスク装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光ディスク装置において、前記指令が含む所定の制御ビットは所定の指令パケットが含む予備ビットを用いて設けられたことを特徴とする光ディスク装置。
【請求項3】
光ディスクを記録媒体とする光ディスク装置のスピンドルモータ回転停止方法であって、
前記スピンドルモータが回転中である際に回転停止を要する指令を受信した場合には、前記指令が含む所定の制御ビットに基づき次のコマンドに期待される応答時間を判定する応答時間判定ステップと、
該応答時間判定ステップでの判定の結果、前記次のコマンドが早い応答時間を期待されると判定された場合には、前記次の動作を要求するコマンドが受信されたか否かを判定する受信判定ステップと、
該受信判定ステップでの判定の結果、前記次の動作を要求するコマンドが受信されていないと判定された場合には、前記スピンドルモータの回転が停止しているか否かを判定する回転停止判定ステップを有し、
該判定停止ステップでの判定の結果、前記スピンドルモータが回転していると判定された場合には、前記スピンドルモータの回転速度を所定時間おきに段階的に減速しながら停止させることを特徴とする光ディスク装置のスピンドルモータ回転停止方法。
【請求項4】
請求項3に記載の光ディスク装置のスピンドルモータ回転停止方法において、前記指令が含む所定の制御ビットは所定の指令パケットが含む予備ビットを用いて設けられたことを特徴とする光ディスク装置のスピンドルモータ回転停止方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−89213(P2012−89213A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−236558(P2010−236558)
【出願日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(501009849)株式会社日立エルジーデータストレージ (646)
【Fターム(参考)】