説明

光ディスク装置とそれを用いた電子機器

【課題】本発明は、光ディスク装置とそれを用いた電子機器に関するものであり、ディスクからの読み出しあるいは書き込みの動作を安定化させる事を目的とするものである。
【解決手段】そしてこの目的を達成するために、本発明は、本体ケース1の外周に、電源供給用あるいは信号入出力用の少なくとも一方の機能を有するコネクター11を設け、このコネクター11のディスクの回転方向の上流側と下流側にそれぞれ通気口を設け、これらコネクター11両側の通気口のうちディスクの回転上流側の通気口を空気流出口12、ディスクの回転下流側の通気口を空気流入口13とし、この空気流入口13の近傍に、制御素子6を配置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスク装置とそれを用いた電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の光ディスク装置の構成は次のような構成となっていた。すなわち、本体ケースと、この本体ケース内に出没自在に設けたトレーと、このトレー上に配置されるディスクの回転駆動手段と、この回転駆動手段によって回転駆動されるディスクへの読み出しあるいは書き込みの少なくとも一方を行う光ピックアップと、この光ピックアップと前記回転駆動手段の少なくとも一方の制御を行う制御素子とを備えた構成となっていた(例えば、下記特許文献1)。
【特許文献1】特開2004−185804号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来の技術のおける課題は、ディスクからの読み出しあるいは書き込みの動作が不安定になるということであった。
【0004】
すなわち、読み込みあるいは書き込みの動作スピードを高めるために制御素子の動作も高速化しそれに伴ってこの制御素子が発熱し、その結果としてディスクからの読み出しあるいは書き込みの動作が不安定になるのであった。
【0005】
そこで本発明は、ディスクからの読み出しあるいは書き込みの動作を安定化させる事を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そしてこの目的を達成するために、本発明は、本体ケースと、この本体ケース内に出没自在に設けたトレーと、このトレー上に配置されるディスクの回転駆動手段と、この回転駆動手段によって回転駆動されるディスクへの読み出しあるいは書き込みの少なくとも一方を行う光ピックアップと、この光ピックアップと前記回転駆動手段の少なくとも一方の制御を行う制御素子と、を備え、前記本体ケースの外周に、電源供給用あるいは信号入出力用の少なくとも一方の機能を有するコネクターを設け、このコネクターのディスクの回転方向の上流側と下流側にそれぞれ通気口を設け、これらコネクター両側の通気口のうちディスクの回転上流側の通気口を空気流出口、ディスクの回転下流側の通気口を空気流入口とし、この空気流入口の近傍に、前記制御素子を配置し、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0007】
以上のように本発明は、本体ケースと、この本体ケース内に出没自在に設けたトレーと、このトレー上に配置されるディスクの回転駆動手段と、この回転駆動手段によって回転駆動されるディスクへの読み出しあるいは書き込みの少なくとも一方を行う光ピックアップと、この光ピックアップと前記回転駆動手段の少なくとも一方の制御を行う制御素子と、を備え、前記本体ケースの外周に、電源供給用あるいは信号入出力用の少なくとも一方の機能を有するコネクターを設け、このコネクターのディスクの回転方向の上流側と下流側にそれぞれ通気口を設け、これらコネクター両側の通気口のうちディスクの回転上流側の通気口を空気流出口、ディスクの回転下流側の通気口を空気流入口とし、この空気流入口の近傍に、前記制御素子を配置したものであるので、ディスクからの読み出しあるいは書き込みの動作を安定化させることができる。
【0008】
すなわち、本発明においては、前記本体ケースの外周に、電源供給用あるいは信号入出力用の少なくとも一方の機能を有するコネクターを設け、このコネクターのディスクの回転方向の上流側と下流側にそれぞれ通気口を設け、これらコネクター両側の通気口のうちディスクの回転上流側の通気口を空気流出口、ディスクの回転下流側の通気口を空気流入口とし、この空気流入口の近傍に、前記制御素子を配置したものであるので、コネクターのディスクの回転上流側の空気流出口から、高温空気を本体ケース外に、流出させ、また、コネクターのディスクの回転下流側の空気流入口から流入した低温空気で制御素子を冷却することが出来、その結果として、制御素子が、異常高温化することは無く、これにより、ディスクからの読み出しあるいは書き込みの動作を安定化させることができるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1は、電子機器の一例として用いたパーソナルコンピュータに活用される光ディスク装置を示し、矩形状で、薄い箱状となった本体ケース1と、この本体ケース1内に出没自在に設けた図2のトレー2と、このトレー2上に配置される円板状のディスク(図面の煩雑化を避けるために図示していないが、図2に示す円形の収納部3よりも若干小径の円板)の回転駆動手段4と、この回転駆動手段4によって回転駆動されるディスクへの読み出しあるいは書き込みの少なくとも一方を行う光ピックアップ5と、この光ピックアップ5と回転駆動手段4の両方の制御を行う制御素子6とを備えている。
【0010】
前記回転駆動手段4と前記光ピックアップ5は、図2に示すようにトレー2に搭載され、このトレー2とともに本体ケース1の前面の開口部7から本体ケース1外に移動し、またこのトレー2とともに図1の如く本体ケース1内に移動する構成となっている。
【0011】
一方、制御素子6はこの図2からも明らかなように、本体ケース1内の内部の背面側に設置されたものでありトレー2が本体ケース1内に移動した際には、図3の如くトレー2に形成した切欠き8内に存在する状態となっている。
【0012】
つまり、この図3に示すように切欠き8は、制御素子6よりも大きく切りかかれた状態となっているので、トレー2が本体ケース1内に移動した際にもこの制御素子6とトレー2が衝突することはない。
【0013】
また、このように切欠き8を設けることで、本体ケース1を図1の如く薄型化することもできる。
【0014】
また、制御素子6は、図2に示す如くその外周を枠体9で囲んだ状態としており、この枠体9の大きさは図3からも理解されるように、切欠き8よりも大きなものとしている。
【0015】
なお、この制御素子6と前記回転駆動手段4と光ピックアップ5は、フレキシブルケーズル10によって電気的に結合されている。
【0016】
また、このフレキシブルケーブル10を介して回転駆動手段4および光ピックアップ5への電源供給および信号の入出力を行うためのコネクター11は、本体ケース1の背面側に設けられている。
【0017】
つまり、コネクター11により制御素子6や回転駆動手段4や光ピックアップ5への電源供給が行われ、またこれらの制御素子6や回転駆動手段4や光ピックアップ5に対する信号の入出力もこのコネクター11を介して行われる。
【0018】
以上の説明で、基本的な構成および動作が理解されたところで、以下本実施の形態の特徴点について説明する。
【0019】
本実施の形態においては、図5、図6に示すように、コネクター11のディスクの回転方向(図3、図4においてディスクは時計回りの方向)上流側に空気流出口12、ディスクの回転方向下流側に空気流入口13を設けた。
【0020】
具体的には、コネクター11の両側に本体ケース1との間で隙間を形成し、この隙間により前記空気流出口12、前記空気流入口13を形成したものである。
【0021】
このうち、空気流出口12は、矩形形状の本体ケース1の背面側で、この背面に対してディスクの回転方向上流側の側辺1Aの近接する部分で、側辺1Aの延長直線方向に開口させている。
【0022】
この状態において、トレー2を図2の状態から、図5、図6のように本体ケース1内に移動(収納)させ、回転駆動手段4によりディスクを回転駆動すると光ピックアップ5で読み出しあるいは書き込みが行われるのであるが、このディスクの回転(図3、図4においてディスクは時計回りに回転)により、このディスクの上下面ともその中心部分から外周部分に向かって大きな空気流が発生する。
【0023】
このうち、ディスクの下面側においては、図5や図6に示すように、ディスクの外周面から吹きだされた高温の空気流は、このディスクの外周に接する方向に直線的に配置された前記本体ケース1の側辺1Aに沿って勢いよく空気流出口12から本体ケース1外へと流出することとなる。
【0024】
また、この空気流出口12から本体ケース1外への空気流出に伴って本体ケース1内が、負圧になるためか空気流入口13からは、本体ケース1外から低温の冷却用空気が本体ケース1内へと流入することになる。
【0025】
さて、空気流入口13のディスクの回転方向下流側には、図6の如く、制御素子6が配置されているので、前記冷却用空気によって、この制御素子6は効果的に冷却されることになる。
【0026】
以下、この冷却用空気についてさらに詳細に説明をする。図5に示すように、トレー2のコネクター11部分近傍には、通風孔14が設けられている。
【0027】
また、この通風孔14のディスクの回転方向下流側には、複数の通気口15が設けられている。これらの通気口15を設けるにあたり、切欠き8は、図4の破線に示す如く、回転駆動手段4の中心から所定の角度(好ましくは、25度〜50度の範囲の角度)の拡角状態で形成され、そのディスクの回転方向上流側は、図4の如く、空気流入口13よりも上流側にまで達するものとしている。
【0028】
そして、このように形成された切欠き8のディスクの回転方向上流部分のトレー2に前記複数の通気口15が、形成されている。このため、まず、トレー2の上面側でディスクの下面側の外周よりは少し内方に入った部分を流れる空気流は、通風孔14からトレー2の下面側へと進行し、次に図6の如く、空気流入口13から流入した冷却用空気とともに、制御素子6の外周を流れる冷却風となる。
【0029】
この冷却風は図6の如く、制御素子6の外周を回る如く、進行することとなるが、そのようにするために、この制御素子6の外周は、切欠き8よりも大きな枠体9で囲んだ状態としている。
【0030】
一方、通風孔14からトレー2の下面側に進行した空気流の一部は、図5に示す如く、通気口15からトレー2の上面側へと進行した後に、制御素子6の上面に沿う如く進行し、この上面側の冷却を行うこととなる。
【0031】
つまり、本実施の形態においては、空気流入口13から本体ケース1内に流入した冷却用空気と、ディスクの外周内方側を流れる空気流により、制御素子6を効果的に冷却し、この冷却により、温度上昇した空気流は、空気流出口12から本体ケース1外に積極的に流出させることとした。
【0032】
したがって、制御素子6は、十分に空気流によって冷却され、その結果として、この制御素子6による回転駆動手段4や光ピックアップ5の動作が極めて安定するものになる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
以上のように本発明は、本体ケースと、この本体ケース内に出没自在に設けたトレーと、このトレー上に配置されるディスクの回転駆動手段と、この回転駆動手段によって回転駆動されるディスクへの読み出しあるいは書き込みの少なくとも一方を行う光ピックアップと、この光ピックアップと前記回転駆動手段の少なくとも一方の制御を行う制御素子と、を備え、前記本体ケースの外周に、電源供給用あるいは信号入出力用の少なくとも一方の機能を有するコネクターを設け、このコネクターのディスクの回転方向の上流側と下流側にそれぞれ通気口を設け、これらコネクター両側の通気口のうちディスクの回転上流側の通気口を空気流出口、ディスクの回転下流側の通気口を空気流入口とし、この空気流入口の近傍に、前記制御素子を配置したものであるので、ディスクからの読み出しあるいは書き込みの動作を安定化させることができる。
【0034】
すなわち、本発明においては、前記本体ケースの外周に、電源供給用あるいは信号入出力用の少なくとも一方の機能を有するコネクターを設け、このコネクターのディスクの回転方向の上流側と下流側にそれぞれ通気口を設け、これらコネクター両側の通気口のうちディスクの回転上流側の通気口を空気流出口、ディスクの回転下流側の通気口を空気流入口とし、この空気流入口の近傍に、前記制御素子を配置したものであるので、コネクターのディスクの回転上流側の空気流出口から、高温空気を本体ケース外に、流出させ、また、コネクターのディスクの回転下流側の空気流入口から流入した低温空気で制御素子を冷却することが出来、その結果として、制御素子が、異常高温化することは無く、これにより、ディスクからの読み出しあるいは書き込みの動作を安定化させることができるのである。
【0035】
したがって、各種電子機器への適用が期待される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施の形態を示す斜視図
【図2】その光ディスク装置の平面図
【図3】その光ディスク装置の平面図
【図4】その光ディスク装置の平面図
【図5】その光ディスク装置の斜視図
【図6】その光ディスク装置の斜視図
【符号の説明】
【0037】
1 本体ケース
1A 側辺
2 トレー
3 収納部
4 回転駆動手段
5 光ピックアップ
6 制御素子
7 開口部
8 切欠き
9 枠体
10 フレキシブルケーブル
11 コネクター
12 空気流出口
13 空気流入口
14 通風孔
15 通気口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体ケースと、
この本体ケース内に出没自在に設けたトレーと、
このトレー上に配置されるディスクの回転駆動手段と、
この回転駆動手段によって回転駆動されるディスクへの読み出しあるいは書き込みの少なくとも一方を行う光ピックアップと、
この光ピックアップと前記回転駆動手段の少なくとも一方の制御を行う制御素子と、
を備え、
前記本体ケースの外周に、電源供給用あるいは信号入出力用の少なくとも一方の機能を有するコネクターを設け、このコネクターのディスクの回転方向の上流側と下流側にそれぞれ通気口を設け、これらコネクター両側の通気口のうちディスクの回転上流側の通気口を空気流出口、ディスクの回転下流側の通気口を空気流入口とし、この空気流入口の近傍に前記制御素子を配置し、前記制御素子に対応する前記トレー部分に、前記回転駆動手段の中心から所定の角度の略拡角状態でかつ前記制御素子よりも大きな切欠きを形成した光ディスク装置。
【請求項2】
トレーの切欠きは、コネクターの空気流入口よりもディスクの回転上流側まで切り欠かかれた構成とした請求項1に記載の光ディスク装置。
【請求項3】
トレーの切欠きのディスクの回転上流側近傍には、通気孔を設けた請求項1または2に記載の光ディスク装置。
【請求項4】
通気孔は、トレーの空気流出口と空気流入口の間で、空気流出口よりも空気流入側に複数個設けた請求項1から3いずれか一つに記載の光ディスク装置。
【請求項5】
制御素子は、トレーの切欠きよりも大きな枠体で囲った請求項1から4いずれか一つに記載の光ディスク装置。
【請求項6】
空気流出口は、ディスクの外周の接線方向で、このディスクの回転下流側に対応する本体ケース部分に設けた請求項1から5いずれか一つに記載の光ディスク装置。
【請求項7】
本体ケースは、矩形形状とし、その前面側をトレーの出没開口とし、この本体ケースの背面側で、この背面に対してディスクの回転上流側の側辺の近接する部分に、コネクターを設けた請求項1から6いずれか一つに記載の光ディスク装置。
【請求項8】
空気流出口は、側辺の延長直線方向に開口させた構成とした請求項7に記載の光ディスク装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一つの光ディスク装置を用いた電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−146657(P2010−146657A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−323696(P2008−323696)
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】