光ディスク装置における不具合の対処方法
【課題】光ディスク装置において、光ディスクのロード時やイジェクト時の制御信号を生成するスイッチに不具合があったとしても、正常なロード動作やイジェクト動作を行う。
【解決手段】光ディスク装置を製作し出荷する際に、各スイッチが生成する制御信号のタイミングを測定して記憶部に格納する。その後、スイッチに不具合が発生し制御信号が生成されない場合には、制御部は記憶部に格納したタイミング情報に基づき前記制御信号を生成し、ロード時やイジェクト時の動作を制御する。またスイッチ動作の確認ステップを有し、スイッチの不具合が分かった場合にはその情報を記憶部に格納する。ディスクインサートスイッチに不具合があり、或いは複数のスイッチに不具合がある場合には、光ディスクをイジェクトしてスロットを閉鎖し、スイッチを修理するまでは光ディスクを挿入できないようにする。
【解決手段】光ディスク装置を製作し出荷する際に、各スイッチが生成する制御信号のタイミングを測定して記憶部に格納する。その後、スイッチに不具合が発生し制御信号が生成されない場合には、制御部は記憶部に格納したタイミング情報に基づき前記制御信号を生成し、ロード時やイジェクト時の動作を制御する。またスイッチ動作の確認ステップを有し、スイッチの不具合が分かった場合にはその情報を記憶部に格納する。ディスクインサートスイッチに不具合があり、或いは複数のスイッチに不具合がある場合には、光ディスクをイジェクトしてスロットを閉鎖し、スイッチを修理するまでは光ディスクを挿入できないようにする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスロットローディング機構を有する光ディスク装置における不具合の対処方法に係り、特にスイッチの不具合に対する対処方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
取出しが可能な光ディスクを記録媒体とするスロットローディング機構を有する光ディスク装置においては、光ディスクを光ディスク装置の内部へ挿入(インサート、またはロード)し、また光ディスクを光ディスク装置の外部へ排出(イジェクト、またはアンロード)する動作が必要である。ユーザが光ディスクを挿入することでスロットローディング機構が起動し、またイジェクトスイッチを操作する、あるいはホストPCからイジェクト要求を受けることでスロットローディング機構が起動した際に、該機構の動作状態を示す論理信号を生成するために、複数のスイッチが光ディスク装置に設けられている。
【0003】
特許文献1においては、ユーザが操作する単一のイジェクトスイッチを有し、ノーマルモードとエマジェンシーモードの二つの動作モードを備えた記録媒体イジェクト制御装置が開示されている。
特許文献2においては、緊急時における光ディスクの排出方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−173600号公報
【特許文献2】特開2009−283110号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記したスロットローディング機構の動作状態を示す論理信号を生成するための複数のスイッチについては、故障発生における対処方法が特に開示されることはなかった。例えばスイッチが故障した際の光ディスクのロードやイジェクトを行う方法などは開示されなかった。
本発明の目的は前記した状況に鑑み、光ディスク装置におけるスロットローディング機構用のスイッチの不具合発生における対処方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため本発明は、記録媒体である光ディスクをロードする際の光ディスク装置が有する制御信号を生成するためのスイッチに起因する光ディスク装置における不具合の対処方法であって、前記光ディスクを前記光ディスク装置にロードする場合には、前記光ディスク装置が製作され出荷される際の調整中であるか否かを判定するロード状況判定ステップと、該ロード状況判定ステップでの判定の結果、前記光ディスク装置が製作され出荷される際の調整中であると判定された場合には、前記光ディスク装置が有する前記スイッチの動作タイミングを取得するロード時スイッチタイミング取得ステップと、前記ロード状況判定ステップでの判定の結果、前記光ディスク装置が製作され出荷される際の調整中ではないと判定された場合には、前記スイッチの動作タイミングを確認して前記ロード時スイッチタイミング取得ステップで取得された前記スイッチの動作タイミングに基づいて、スロットローディング機構の動作を補正するロード時スイッチタイミング確認ステップを有することを特徴としている。
【0007】
また本発明は、記録媒体である光ディスクをイジェクトする際の光ディスク装置が有する制御信号を生成するためのスイッチに起因する光ディスク装置における不具合の対処方法であって、前記光ディスクを前記光ディスク装置からイジェクトする場合には、前記光ディスク装置が製作され出荷される際の調整中であるか否かを判定するイジェクト状況判定ステップと、該イジェクト状況判定ステップでの判定の結果、前記光ディスク装置が製作され出荷される際の調整中であると判定された場合には、前記光ディスク装置が有する前記スイッチの動作タイミングを取得するイジェクト時スイッチタイミング取得ステップと、前記イジェクト状況判定ステップでの判定の結果、前記光ディスク装置が製作され出荷される際の調整中ではないと判定された場合には、前記スイッチの動作タイミングを確認して前記イジェクト時スイッチタイミング取得ステップで取得された前記スイッチの動作タイミングに基づいて、スロットローディング機構の動作を補正するイジェクト時スイッチタイミング確認ステップを有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、光ディスク装置におけるスイッチの不具合に対する対処方法を提供でき、故障に対する備えを向上できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施例におけるロード時のタイミング図である。
【図2】本発明の一実施例における故障時のロード時のタイミング図である。
【図3】本発明の一実施例におけるイジェクト時のタイミング図である。
【図4】本発明の一実施例における記憶部に格納するタイミング値を示す図である。
【図5】本発明の一実施例におけるロード処理方法を示す第1のフロー図である。
【図6】本発明の一実施例におけるロード処理方法を示す第2のフロー図である。
【図7】本発明の一実施例におけるロード処理方法を示す第3のフロー図である。
【図8】本発明の一実施例におけるイジェクト処理方法を示す第1のフロー図である。
【図9】本発明の一実施例におけるイジェクト処理方法を示す第2のフロー図である。
【図10】本発明の一実施例におけるイジェクト処理方法を示す第3のフロー図である。
【図11】本発明の一実施例におけるスイッチ動作確認方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施例につき図面を用いて説明する。
まずスロットローディング機構を有する光ディスク装置の光ディスクのロード時、及びイジェクト時におけるスイッチの動作について説明する。スロットローディング機構では、複数のスイッチを用いて光ディスクの挿入状態やスロットローディング機構の動作状態を検出している。
【0011】
前記特許文献2の図1(a)には、スロット(同図の101、以下同様)から挿入された光ディスク(100)がロードされ、インサートローラ(108A)、イジェクトローラ(109A)とディスクローラ(110A)により支持された状態を示している。各ローラは順にインサートアーム(108)、イジェクトアーム(109)とディスクレバー(110)の一端に搭載されている。
【0012】
光ディスクがロードされない状態においてディスクレバー(110)は、ディスクローラ(110A)を光ディスク装置の中央付近に位置させているが、光ディスク(100)がスロット(101)から挿入されロードされるに伴い図示するような、例えば光ディスク装置の右奥に移動させる。この際、ディスクレバー(110)の近傍に設けられたディスクインサートスイッチは、ディスクローラ(110A)を所定の距離以上移動させたことを示す論理信号を発生する。例えば光ディスクが光ディスク装置に挿入されていない場合にはHigh、挿入されていればLowとなるような論理信号を発生する。以下で説明する論理信号も含め、HighとLowの極性は一例であり、例えば逆であっても良い。
【0013】
イジェクトローラ(109A)は、通常は図示するような、例えば光ディスク装置の左奥に位置する。ロードされた光ディスクをイジェクトする際は、イジェクトアーム(109)はイジェクトローラ(109A)を光ディスク装置の中央側へ移動させて、光ディスク(100)をスロット(101)から外部へ排出する。この際、イジェクトアーム(109)の近傍に設けられたイジェクトスイッチは、イジェクトローラ(109A)を所定の距離以上移動させたことを示す論理信号を発生する。例えばイジェクトローラ(109A)が図示した位置にある場合にはHigh、光ディスクの中央側へ移動して光ディスクを排出する際はLowとなるような論理信号を発生する。
インサートアーム(108)は、光ディスク(100)がロードされない状態においては、インサートローラ(108A)を図示よりも右側の初期位置に退避させているが、ロード時にはインサートローラ(108A)を、図示するような光ディスク(100)の右手前側の所定位置(プレイ位置とも言う)に移動させ、またイジェクト時にはインサートローラ(108A)を初期位置に退避させる。この際、インサートアーム(108)の近傍に設けられたイニシャルスイッチは、インサートローラ(108A)が初期位置から移動したことを示す論理信号を発生する。例えばインサートローラ(108A)が初期位置にない場合にはHigh、初期位置にあればLowとなるような論理信号を発生する。
【0014】
また、インサートアーム(108)の近傍に設けられたプレイスイッチは、インサートローラ(108A)が前記所定位置に到達したことを示す論理信号を発生する。例えばインサートローラ(108A)が前記所定位置にない場合にはHigh、前記所定位置にあればLowとなるような論理信号を発生する。以下、各スイッチについて、論理信号Highを生成している時はスイッチがOFFであり、論理信号Lowを生成している時はスイッチがONであると表現することがある。
【0015】
図1は、本発明の一実施例におけるロード時のタイミング図である。
スロットから光ディスクが手動で挿入され、ディスクローラが所定の距離以上移動されると、これまでOFFであったディスクインサートスイッチ(Disc Insert SW)がONとなる。これに応じてローディングモータが図示する駆動信号(Loading Motor 駆動信号)により正方向(光ディスクを挿入する方向)に回転起動されて、前記光ディスクは自動で光ディスク装置の内部に移動される。次いで、インサートローラが初期位置から移動を始めることで、これまでONであったイニシャルスイッチ(Initial SW)がOFFとなる。
【0016】
インサートローラが所定位置に到達すると、これまでOFFであったプレイスイッチ(Play SW)がONとなる。これに応じてローディングモータに供給されていた駆動信号の供給が停止されてインサートローラは移動を停止する。次いでローディングモータには、前記とは逆の方向に回転するための駆動信号が供給される。インサートローラは初期位置の方向に向けて戻るため、プレイスイッチは再度OFFとなる。
【0017】
その後、再度ローディングモータには正方向に回転するための駆動信号が供給される。インサートローラは再度方向を変えて移動されプレイスイッチは再度ONとなる。次いでローディングモータへの駆動信号の供給が停止される。この時、インサートローラは、ディスクローラやイジェクトローラとともに所定の位置で光ディスクを支持しており、ロードの動作が完了する。
【0018】
前記したようなローディングモータへの駆動信号の切替え動作は、光ディスクの位置を微調整して、所定位置に近い位置に支持するための動作である。
なお、ロード時にはイジェクトローラは初期位置にあれば良いので、イジェクトスイッチ(Eject SW)はOFF状態のままである。
【0019】
図2は、本発明の一実施例における故障時のロード時のタイミング図である。ここでは一例として、プレイスイッチが故障した場合を例にとっている。イニシャルスイッチ、ディスクインサートスイッチとイジェクトスイッチは、図1と同様な動作をしているが、プレイスイッチはOFFのままであり、図1と同様な動作はできていない。この場合、従来はローディングモータへの駆動信号が、ローディングモータを正方向に回転させたままとなり、正常な動作を行うことはできない。
【0020】
本実施例においては、光ディスク装置を製作し出荷する際に次のようにする。まず、図1に示したように、ローディングモータに最初に駆動信号が供給されてからプレイスイッチがOFFからONに変わるまでの時間TA、ローディングモータに逆方向の駆動信号が供給されてからプレイスイッチがONからOFFに変わるまでの時間TB、ローディングモータに再度正方向の駆動信号が供給されてからプレイスイッチがOFFからONに変わるまでの時間TCを、それぞれ測定し、光ディスク装置内の記憶部(例えばEEPROM)に格納する。
【0021】
光ディスク装置を出荷した後、いずれかのスイッチが切替らない場合には、スイッチに不具合があるのかどうかを確認するため、また、いずれのスイッチに不具合があるのかを特定するため、前記記憶部に格納された切替え時間(例えばプレイスイッチならば前記TA、TB、TC)に基づき、スイッチ動作確認を行う。スイッチ動作確認により、いずれのスイッチに不具合があるのかを特定して前記記憶部に登録する。例えばプレイスイッチの不具合が登録された場合には、以後は記憶部に格納された前記TA、TB、TCの時間を参照してローディングモータの駆動信号を制御する。このようにして、スイッチを直ちに修理しなくとも光ディスク装置が引続き機能できるようにしたことに、本実施例の一つの特徴がある。
【0022】
例えば図1において、ローディングモータに最初に駆動信号が供給されてから時間TAを経てもプレイスイッチがOFFからONに切替らない場合においても、図示の時間X1においてローディングモータへの駆動信号の供給を停止する。次に所定の時間経過後にローディングモータに逆方向の駆動信号を供給する。さらに時間TBを経たY1においてプレイスイッチがONからOFFに切替らない場合においても、所定の時間経過後に(図中の定時間Wait)ローディングモータへの駆動信号の供給を停止する。次に所定の時間経過後にローディングモータに正方向の駆動信号を供給し、さらに時間TCを経てもプレイスイッチがOFFからONに切替らない場合においても、図示の時間Z1においてローディングモータへの駆動信号の供給を停止する。
以上のようにすることで、いずれかのスイッチの動作に不具合があっても、正常なロードの動作を行えるようにしたことに、本実施例の一つの特徴がある。
【0023】
また、プレイスイッチ以外でも、例えばイニシャルスイッチの動作に不具合がある場合にも、前記と同様な動作を行っても良い。しかし、ディスクインサートスイッチが生成する信号はロード動作の起点となるため、これに不具合がある場合には、後記するように別な動作を行うと良い。また、複数のスイッチに不具合がある場合には前記したような方法での故障解析が困難となるため、後記するように別な動作を行うと良い。
【0024】
次にロードされた光ディスクをイジェクトする場合について説明する。
図3は、本発明の一実施例におけるイジェクト時のタイミング図である。
イジェクト動作は、ユーザが光ディスク装置の外装に設けられた操作スイッチを押すことにより開始される。まずローディングモータにはイジェクト方向に回転させるための駆動信号が供給される。引続きインサートアームがインサートローラを初期位置に移動させるため、プレイスイッチがONからOFFに切替る。次いで、ディスクレバーがディスクローラをロード時とは逆の方向に移動させるため、ディスクインサートスイッチがONからOFFに切替る。またインサートローラがさらに移動するに伴い、イニシャルスイッチがOFFからONに切替る。
【0025】
この時点で光ディスクをイジェクトするうえで障害となる構成要素がなくなるため、イジェクトアームはイジェクトローラを移動させ、光ディスクをスロットに向けて移動する。イジェクトローラが所定の位置まで移動すると、イジェクトスイッチはOFFからONに切替る。その後、光ディスクが所定量だけスロットから突出した状態で停止するよう、ロード時と類似したローディングモータの駆動信号の切替えが行われ、これに伴いイジェクトスイッチとイニシャルスイッチは、図示のように切替る。
【0026】
ここで、イジェクトスイッチに不具合があって、OFFの状態のまま切替らない場合について述べる。
本実施例においては、光ディスク装置を製作し出荷する際に次のようにする。まず、図3のように、ローディングモータに逆方向の駆動信号が供給されてからイジェクトスイッチがOFFからONに変わるまでの時間TD、ローディングモータに正方向の駆動信号が供給されてからイニシャルスイッチがONからOFFに変わるまでの時間TE、ローディングモータに再度逆方向の駆動信号が供給されてからイニシャルスイッチがOFFからONに変わるまでの時間TFをそれぞれ測定し、光ディスク装置内の記憶部に格納する。
【0027】
光ディスク装置を出荷した後、いずれかのスイッチが切替らない場合には、スイッチに不具合があるのかどうか確認するため、また、いずれのスイッチに不具合があるのかを特定するため、前記記憶部に格納された切替え時間(例えば前記TD、TE、TF)に基づき、スイッチ動作確認を行う。スイッチ動作確認により、いずれのスイッチに不具合があるのかを特定して前記記憶部に登録する。例えばイジェクトスイッチの不具合が登録された場合には、以後は記憶部に格納された前記TDの時間を参照してローディングモータの駆動信号を制御する。イニシャルスイッチの不具合が登録された場合には、以後は記憶部に格納された前記TE、TFの時間を参照してローディングモータの駆動信号を制御する。このようにして、スイッチを直ちに修理しなくとも光ディスク装置が引続き機能できるようにしたことに、本実施例の一つの特徴がある。
【0028】
例えば図3において、ローディングモータに逆方向の駆動信号が供給されてから時間 TDを経てもイジェクトスイッチがOFFからONに切替らない場合においても、図示の時間X2においてローディングモータへの駆動信号の供給を停止する。次に所定の時間経過後にローディングモータに正方向の駆動信号を供給し、さらに時間TEを経てもイニシャルスイッチがONからOFFに切替らない場合においても、図示のY2においてローディングモータへの駆動信号の供給を停止する。次に所定の時間後にローディングモータに逆方向の駆動信号を供給し、さらに時間TFを経てもイニシャルスイッチがOFFからONに切替らない場合においても、図示の時間Z2においてローディングモータへの駆動信号の供給を停止する。
【0029】
先の図1で示したロード時の動作では、イジェクトスイッチは切替らないために不具合が検出されないが、図3のイジェクト時の動作では、イジェクトスイッチの不具合も検出することができる。
以上のようにすることで、イジェクトスイッチやイニシャルスイッチの動作に不具合があっても、正常なイジェクトの動作を行えるようにしたことに、本実施例の一つの特徴がある。
【0030】
図4は、本発明の一実施例における記憶部に格納するタイミング値を示す図である。ここでは、ロード時のTA〜TC、イジェクト時のTD〜TFに同じ初期値FFhが格納された状態を示している。これらの値は、光ディスク装置を製作して出荷する際に測定され、前記初期値に代えて格納され、前記したスイッチの不具合時に備えている。
【0031】
次にロード時の動作に戻り、図5〜図7を用いて動作フローを説明する。
図5は、本発明の一実施例におけるロード処理方法を示す第1のフロー図である。
図6は、本発明の一実施例におけるロード処理方法を示す第2のフロー図であって、図5のステップS51の内部を示している。
図7は、本発明の一実施例におけるロード処理方法を示す第3のフロー図であって、図5のステップS52の内部を示している。
【0032】
図5において、ステップS501では光ディスク装置の制御部は(以下、特に断りがない限り光ディスク装置の制御部が動作の主語とする)、行われる調整が出荷時の調整であるか否かを判定する。判定の結果がyesである場合には、ステップS51に進んで図6で示すフローが実施される。判定の結果がnoである場合には(即ち出荷後の動作である場合には)、ステップS52に進んで図7で示すフローが実施される。即ち図5においては、出荷時のフローと出荷後のフローを別に有することが一つの特徴となっている。
【0033】
ステップS501の判定がyesである場合につき、図6を用いて説明する。
光ディスク装置に光ディスクが挿入されるに伴い、ステップS5101でローディングモータに正方向(図1のHigh方向)の駆動信号を供給する。直ちに光ディスク装置の有するタイマは、ステップS5102でタイムカウントを開始する。ステップS5103ではプレイスイッチがOFFからONに切替ったか否かを判定する。
【0034】
ステップS5103での判定の結果がnoである場合には、ステップS5104でタイマが予め定められた時間(ローディングモータに駆動信号が供給された後、プレイスイッチが切替るまでの時間のバラツキ最大値に基づき定めると良い)を経過したことを示すか否かを判定する。ステップS5104での判定の結果がnoである場合には、まだ次の動作に進むだけ時間を経過していないので、ステップS5103に戻る。
ステップS5104での判定の結果がyesである場合には、ステップS5127に到ってローディングモータを停止させ、ステップS5128で光ディスクのイジェクト要求を発行して、動作を終了する。これは、製作して出荷する段階でスロットローディング機構に不具合があるため、光ディスク装置の不良と判断されて出荷を停止する場合である。従い不具合のある箇所を修理したうえで、再度図6のフローを行うことになる。
【0035】
ステップS5103での判定の結果がyesである場合は、前記時間TAによる切替え動作には、初期からの不具合はないと考えられる。そこで、ステップS5105で前記タイマを停止した後、ステップS5106で、ステップS5105でタイマを停止した時間に基づき時間TAを取得し、ステップS5107で記憶部にTAを格納する。
その後、ステップS5108では、図1の時間X1においてローディングモータへの駆動信号の供給を停止する。次にステップS5109では光ディスクを回転させるスピンドルモータを所定の時間だけ回転駆動する。
【0036】
ステップS5110で、ローディングモータを逆方向に回転させる駆動信号を供給し、ステップS5111で、前記タイマはリセットされた後に再度タイムカウントを開始する。
次にステップS5112で、プレイスイッチがONからOFFに切替ったか否かを判定する。
ステップS5112での判定の結果がnoである場合には、ステップS5113でタイマが予め定められた時間(ローディングモータに逆方向の駆動信号が供給された後、プレイスイッチが切替るまでの時間のバラツキ最大値に基づき定めると良い)を経過したことを示すか否かを判定する。ステップS5113での判定の結果がnoである場合には、まだ次の動作に進むだけ時間を経過していないので、ステップS5112に戻る。
ステップS5113での判定の結果がyesである場合には、ステップS5127に到ってローディングモータを停止させ、ステップS5128で光ディスクのイジェクト要求を発行して、動作を終了する。これは、製作して出荷する段階でスロットローディング機構に不具合があるため、光ディスク装置の不良と判断されて出荷を停止する場合である。従い不具合のある箇所を修理したうえで、再度図6のフローを行うことになる。
【0037】
ステップS5112での判定の結果がyesである場合は、前記時間TBによる切替え動作には、初期からの不具合はないと考えられる。そこで、ステップS5114で前記タイマを停止した後、ステップS5115で、ステップS5114でタイマを停止した時間に基づき時間TBを取得し、ステップS5116で記憶部にTBを格納する。
その後、ステップS5117では、図1の定時間Waitで示した時間だけ時間の経過を待ち、ステップS5118においてローディングモータへの駆動信号の供給を停止する。
ステップS5119でローディングモータを正方向に回転させる駆動信号を供給し、ステップS5120で、前記タイマはリセットされた後に再度タイムカウントを開始する。
次にステップS5121で、プレイスイッチがOFFからONに切替ったか否かを判定する。
ステップS5121での判定の結果がnoである場合には、ステップS5122でタイマが予め定められた時間(ローディングモータに正方向の駆動信号が供給された後、プレイスイッチが切替るまでの時間のバラツキ最大値に基づき定めると良い)を経過したことを示すか否かを判定する。ステップS5121での判定の結果がnoである場合には、まだ次の動作に進むだけ時間を経過していないので、ステップS5121に戻る。
【0038】
ステップS5122での判定の結果がyesである場合には、ステップS5127に到ってローディングモータを停止させ、ステップS5128で光ディスクのイジェクト要求を発行して、動作を終了する。これは、製作して出荷する段階でスロットローディング機構に不具合があるため、光ディスク装置の不良と判断されて出荷を停止する場合である。従い不具合のある箇所を修理したうえで、再度図6のフローを行うことになる。
【0039】
ステップS5121での判定の結果がyesである場合は、前記時間TCによる切替え動作には、初期からの不具合はないと考えられる。そこで、ステップS5123で前記タイマを停止した後、ステップS5124では、ステップS5123でタイマを停止した時間に基づき時間TCを取得し、ステップS5125で記憶部にTCを格納する。ステップS5126でローディングモータへの駆動信号の供給が停止されたうえで、フローを終了する。
以上のようにして、光ディスク装置を製作して出荷する際に、前記した時間TA〜TCが測定され記憶部に格納される。
【0040】
先の図5におけるステップS501の判定がnoである場合につき、図7を用いて説明する。図7は図6と異なり、出荷する際のロード時のフローではなく、出荷後のロード時のフローを示している。
光ディスク装置に光ディスクが挿入されるに伴い、ステップS5201でローディングモータに正方向(図2のHigh方向)の駆動信号を供給する。
【0041】
ステップS5202では、プレイスイッチの不具合が既に知れており、その旨が格納部に登録されているか否かを判定する。スイッチの不具合の登録に関しては、後に詳しく説明する。
ステップS5202での判定の結果がnoである場合には、以下に示すようなプレイスイッチには現在でも不具合がないことを確認する動作を行う。
ステップS5203ではプレイスイッチがOFFからONに切替ったか否かを判定する。
【0042】
ステップS5203での判定の結果がnoである場合には、ステップS5204でタイマが予め定められた時間(前記した時間TAに基づき温度特性なども考慮して定めると良い)を経過したことを示すか否かを判定する。
ステップS5204での判定の結果がnoである場合には、まだ次の動作に進むだけ時間を経過していないので、ステップS5203に戻る。
ステップS5204での判定の結果がyesである場合には、ステップS5216に到ってローディングモータを停止させ、ステップS5217で各スイッチの動作確認を行うよう要求を発行し、ステップS5218で光ディスクのイジェクト要求を発行して、動作を終了する。これは、出荷した後の段階でスロットローディング機構に不具合が発生した場合である。ステップS5217で動作確認要求が発行された際の動作フローは、後に図11を用いて説明する。なお、前記したステップS5202で述べたプレイスイッチの不具合の登録は、前記スイッチの動作確認結果に基づいて行われる。
【0043】
ステップS5203での判定の結果がyesである場合は、前記時間TAによる切替え動作には、不具合はないと考えられる。次に、ステップS5205でローディングモータへの駆動信号の供給を停止する。次にステップS5206では光ディスクを回転させるスピンドルモータを所定の時間だけ回転駆動する。
【0044】
ステップS5207で、ローディングモータを逆方向に回転させる駆動信号を供給する。 次にステップS5208で、プレイスイッチがONからOFFに切替ったか否かを判定する。
【0045】
ステップS5208での判定の結果がnoである場合には、ステップS5209でタイマが予め定められた時間(前記した時間TBに基づき温度特性なども考慮して定めると良い)を経過したことを示すか否かを判定する。ステップS5209での判定の結果がnoである場合には、まだ次の動作に進むだけ時間を経過していないので、ステップS5208に戻る。
ステップS5209での判定の結果がyesである場合には、ステップS5216に到ってローディングモータを停止させ、ステップS5217でスイッチの動作確認を行うよう要求を発行し、ステップS5218で光ディスクのイジェクト要求を発行して、動作を終了する。これは、出荷した後の段階でスロットローディング機構に不具合が発生した場合である。ステップS5217で前記した動作確認要求が発行された際の動作フローは、後に図11を用いて説明する。
【0046】
ステップS5208での判定の結果がyesである場合は、前記時間TBによる切替え動作には、不具合はないと考えられる。そこで、ステップS5210では、図1の定時間Waitで示した時間だけ時間の経過を待ち、ステップS5211においてローディングモータへの駆動信号の供給を停止する。次にステップS5212でローディングモータに正方向の駆動信号を供給する。
次にステップS5213で、プレイスイッチがOFFからONに切替ったか否かを判定する。
【0047】
ステップS5213での判定の結果がnoである場合には、ステップS5214でタイマが予め定められた時間(前記した時間TCに基づき温度特性なども考慮して定めると良い)を経過したことを示すか否かを判定する。ステップS5214での判定の結果がnoである場合には、まだ次の動作に進むだけ時間を経過していないので、ステップS5213に戻る。
【0048】
ステップS5214での判定の結果がyesである場合には、ステップS5216に到ってローディングモータを停止させ、ステップS5217でスイッチの動作確認を行うよう要求を発行し、ステップS5218で光ディスクのイジェクト要求を発行して、動作を終了する。これは、出荷した後の段階でスロットローディング機構に不具合が発生した場合である。ステップS5217で前記した動作確認要求が発行された際の動作フローは、後に図11を用いて説明する。
ステップS5213での判定の結果がyesである場合は、前記時間TCによる切替え動作には、不具合はないと考えられる。そこで、ステップS5215でローディングモータへの駆動信号の供給を停止したうえで、フローを終了する。即ち、スイッチに不具合がないために、ローディング動作は記憶部に格納された時間TA〜TCを用いなくとも、ステップS52の内部において正常に行われる。
【0049】
次に、先のステップS5202での判定の結果がyesであり、プレイスイッチの不具合が既に知れており、その旨が格納部に登録されている場合について説明する。この場合、光ディスクの制御部は、前記した出荷時に測定され記憶部に格納された時間TA、TB、TCを用いてローディングモータに供給する駆動信号を生成すると良い。
【0050】
即ち、ステップS5201でローディングモータに正方向の駆動信号を供給した後、ステップS5219で前記時間TAだけ待機した後、ステップS5220でローディングモータへの駆動信号の供給を停止する。次にステップS5221では光ディスクを回転させるスピンドルモータを所定の時間だけ回転駆動する。
【0051】
ステップS5222で、ローディングモータを逆方向に回転させる駆動信号を供給する。 次にステップS5223で前記時間TBだけ待機した後、ステップS5224では、図1の定時間Waitで示した時間だけ時間の経過を待ち、ステップS5225においてローディングモータへの駆動信号の供給を停止する。次にステップS5226でローディングモータに正方向の駆動信号を供給する。
【0052】
ステップS5227で前記時間TCだけ待機した後、ステップS5215でローディングモータへの駆動信号の供給を停止して、フローを終了する。即ち、既にプレイスイッチの不具合が知れている場合には、出荷時に記憶部に格納された時間TA〜TCを用いてローディングモータに供給する駆動信号が生成され、ローディング動作が行われる。
【0053】
次にイジェクト時の動作に関し、図8〜図11を用いて動作フローを説明する。
図8は、本発明の一実施例におけるイジェクト処理方法を示す第1のフロー図である。
図9は、本発明の一実施例におけるイジェクト処理方法を示す第2のフロー図であって、図8のステップS81の内部を示している。
図10は、本発明の一実施例におけるイジェクト処理方法を示す第3のフロー図であって、図8のステップS82の内部を示している。
図11は、本発明の一実施例におけるスイッチ動作確認方法を示すフロー図であって、図8のステップS83の内部を示している。
【0054】
図8において、ステップS801では光ディスク装置の制御部は、行われる調整が出荷時の調整であるか否かを判定する。判定の結果がyesである場合には、ステップS81に進んで図9で示すフローが実施される。判定の結果がnoである場合には(即ち出荷後の動作である場合には)、ステップS82に進んで図10で示すフローが実施される。
【0055】
その後、ステップS802において、図10のステップS8217で発行されるようなスイッチ動作の確認要求が有るか否かを判定する。
ステップS802でnoと判定された場合には、そのままフローを終了する。ステップS802でyesと判定された場合には、ステップS803に到る。
【0056】
ステップS803において、光ディスク装置の内部に光ディスクがあるか否かを判定する。この判定は、光ピックアップを光ディスクの内周部に移動させて発光させ、反射光の強度を測定することで実施できる。ステップS803でyesと判定された場合には、ステップS804で光ディスクを再度イジェクトするための要求を発行してフローを終了する。
【0057】
ステップS803でnoと判定された場合には、ステップS83に進んで図11で示すフローが実施される。
その後、ステップS805でディスクインサートスイッチの不具合が登録されているか否かを判定する。
ステップS805でnoと判定された場合には、ステップS806で他のスイッチ、即ちインサートスイッチ、イジェクトスイッチやプレイスイッチのうち、2個以上の不具合が登録されているか否かを判定する。
【0058】
ステップS806でnoと判定された場合には、そのままフローを終了する。
ステップS805、またはステップS806でyesと判定された場合には、ステップS807でステップS803と同様に、光ディスク装置の内部に光ディスクがあるか否かを判定する。
ステップS807でyesと判定された場合には、ステップS808で光ディスクを再度イジェクトするための要求を発行してフローを終了する。ステップS807でnoと判定された場合には、ステップS809で光ディスクを挿入するスロットのシャッタを閉鎖して、スイッチの適切な修理が行われるまでは、光ディスク装置に光ディスクを挿入できないようにする。前記したように、ディスクインサートスイッチに不具合がある場合や、それ以外のスイッチでも2個以上に不具合がある場合には、修理せずに使いこなすことは難しい。このため、光ディスクをイジェクトするように試み、イジェクトできた場合には、スイッチの修理を行うまでは光ディスクを挿入できないようにする。
【0059】
即ち図8においては、出荷時のフローと出荷後のフローを別に有すること、さらにはスイッチの動作確認ステップを有し、場合によっては光ディスクを排出し、また挿入できないようにするステップを有することが一つの特徴となっている。
【0060】
次に、ステップS801の判定がyesである場合、即ち行われる調整が出荷時の調整である場合のイジェクト動作につき、図9を用いて説明する。
ユーザが光ディスク装置の外装に設けられた操作スイッチを押すことにより、ステップS8101でローディングモータに逆方向(図3のLow方向)の駆動信号を供給する。直ちに光ディスク装置の有するタイマは、ステップS8102でタイムカウントを開始する。ステップS8103ではイジェクトスイッチがOFFからONに切替ったか否かを判定する。
【0061】
ステップS8103での判定の結果がnoである場合には、ステップS8104でタイマが予め定められた時間(ローディングモータに駆動信号が供給された後、イジェクトスイッチが切替るまでの時間のバラツキ最大値に基づき定めると良い)を経過したことを示すか否かを判定する。ステップS8104での判定の結果がnoである場合には、まだ次の動作に進むだけ時間を経過していないので、ステップS8103に戻る。
ステップS8104での判定の結果がyesである場合には、ステップS8125に到ってローディングモータを停止させ、ステップS8126でスロットローディング機構を初期状態に戻して、動作を終了する。これは、製作した後の出荷時の段階でスロットローディング機構に不具合があるため、光ディスク装置の不良と判断されて出荷を停止する場合である。従い不具合のある箇所を修理したうえで、再度図9のフローを行うことになる。
【0062】
ステップS8103での判定の結果がyesである場合は、イジェクトスイッチが良品であって、初期からの不具合はないと考えられる。そこで、ステップS8105で前記タイマを停止した後、ステップS8106で、ステップS8105でタイマを停止した時間に基づき時間TDを取得し、ステップS8107で記憶部にTDを格納する。
その後、ステップS8108では、図3の時間X2においてローディングモータへの駆動信号の供給を停止する。
次にステップS8109で、ローディングモータを正方向に回転させる駆動信号を供給し、ステップS8110で、前記タイマはリセットされた後に再度タイムカウントを開始する。
次にステップS8111で、イニシャルスイッチがONからOFFに切替ったか否かを判定する。
【0063】
ステップS8111での判定の結果がnoである場合には、ステップS8112でタイマが予め定められた時間(ローディングモータに正方向の駆動信号が供給された後、イニシャルスイッチが切替るまでの時間のバラツキ最大値に基づき定めると良い)を経過したことを示すか否かを判定する。ステップS8112での判定の結果がnoである場合には、まだ次の動作に進むだけ時間を経過していないので、ステップS8111に戻る。
ステップS8112での判定の結果がyesである場合には、ステップS8125に到ってローディングモータを停止させ、ステップS8126でスロットローディング機構を初期状態に戻して、動作を終了する。これは、製作した後の出荷時の段階でスロットローディング機構に不具合があるため、光ディスク装置の不良と判断されて出荷を停止する場合である。従い不具合のある箇所を修理したうえで、再度図9のフローを行うことになる。
【0064】
ステップS8111での判定の結果がyesである場合は、イニシャルスイッチが良品であって、初期からの不具合はないと考えられる。そこで、ステップS8113で前記タイマを停止した後、ステップS8114で、ステップS8113でタイマを停止した時間に基づき時間TEを取得し、ステップS8115で記憶部にTEを格納する。
その後、ステップS8116においてローディングモータへの駆動信号の供給を停止する。次に、ステップS8117でローディングモータに逆方向の駆動信号を再度供給する。
【0065】
ステップS8118で、前記タイマはリセットされた後に再度タイムカウントを開始する。
次にステップS8119で、イニシャルスイッチがOFFからONに切替ったか否かを判定する。
【0066】
ステップS8119での判定の結果がnoである場合には、ステップS8120でタイマが予め定められた時間(ローディングモータに逆方向の駆動信号が供給された後、イニシャルスイッチが切替るまでの時間のバラツキ最大値に基づき定めると良い)を経過したことを示すか否かを判定する。ステップS8120での判定の結果がnoである場合には、まだ次の動作に進むだけ時間を経過していないので、ステップS8119に戻る。
【0067】
ステップS8120での判定の結果がyesである場合には、ステップS8125に到ってローディングモータを停止させ、ステップS8126でスロットローディング機構を初期状態に戻して、動作を終了する。これは、製作した後の出荷時の段階でスロットローディング機構に不具合があるため、光ディスク装置の不良と判断されて出荷を停止する場合である。従い不具合のある箇所を修理したうえで、再度図9のフローを行うことになる。
【0068】
ステップS8119での判定の結果がyesである場合は、イニシャルスイッチが良品であって、初期からの不具合はないと考えられる。そこで、ステップS8121で前記タイマを停止した後、ステップS8122では、ステップS8121でタイマを停止した時間に基づき時間TFを取得し、ステップS8123で記憶部にTFを格納する。ステップS8124でローディングモータへの駆動信号の供給を停止したうえで、フローを終了する。
以上のようにして、光ディスク装置を製作して出荷する際に、前記した時間TD〜TFが測定され記憶部に格納される。
その後、先の図8のステップS802に到る。
【0069】
次に、図8のステップS801の判定がnoである場合、即ち出荷後のイジェクト時のフローにつき、図10を用いて説明する。
ユーザが光ディスク装置の外装に設けられた操作スイッチを押すことにより、ステップS8201でローディングモータに逆方向(図3のLow方向)の駆動信号を供給する。
【0070】
ステップS8202では、イジェクトスイッチの不具合が既に知れており、その旨が格納部に登録されているか否かを判定する。
ステップS8202での判定の結果がnoである場合には、以下に示すようなイジェクトスイッチには現在でも不具合がないことを確認する動作を行う。
ステップS8203ではイジェクトスイッチがOFFからONに切替ったか否かを判定する。
【0071】
ステップS8203での判定の結果がnoである場合には、ステップS8204でタイマが予め定められた時間(前記した時間TDに基づき温度特性なども考慮して定めると良い)を経過したことを示すか否かを判定する。ステップS8204での判定の結果がnoである場合には、まだ次の動作に進むだけ時間を経過していないので、ステップS8203に戻る。
ステップS8204での判定の結果がyesである場合には、ステップS8215に到ってローディングモータを停止させ、ステップS8216でスロットローディング機構を初期状態に戻し、ステップS8217でスイッチの動作確認を行うよう要求を発行し、動作を終了する。これは、出荷した後の段階でスロットローディング機構に不具合が発生した場合である。ステップS8217で動作確認要求が発行された際の動作フローついては、後に図11を用いて説明する。
ステップS8203での判定の結果がyesである場合は、イジェクトスイッチが良品であって、不具合はないと考えられるので後記するステップS8205に到る。即ち、スイッチに不具合がないために、イジェクト動作は記憶部に格納された時間TDを用いなくとも、ステップS82の内部において正常に行われる。
【0072】
先のステップS8202での判定の結果がyesであり、イジェクトスイッチの不具合が既に知れており、その旨が格納部に登録されている場合について説明する。この場合、光ディスクの制御部は、前記した出荷時に測定され記憶部に格納された時間TDだけ待機すると良い。即ち、ステップS8201でローディングモータに逆方向の駆動信号を供給した後、ステップS8218で前記時間TDだけ待機する。
その後、先のステップS8203での判定がyesである場合も含め、ステップS8205でローディングモータへの駆動信号の供給を停止し、さらにステップS8206でローディングモータに正方向(図3のHigh方向)の駆動信号を供給する。
【0073】
次にステップS8207では、イニシャルスイッチの不具合が既に知れており、その旨が格納部に登録されているか否かを判定する。
ステップS8207での判定の結果がnoである場合には、以下に示すようなイニシャルスイッチには現在でも不具合がないことを確認する動作を行う。
ステップS8208ではイニシャルスイッチがONからOFFに切替ったか否かを判定する。
【0074】
ステップS8208での判定の結果がnoである場合には、ステップS8209でタイマが予め定められた時間(前記した時間TEに基づき温度特性なども考慮して定めると良い)を経過したことを示すか否かを判定する。ステップS8209での判定の結果がnoである場合には、まだ次の動作に進むだけ時間を経過していないので、ステップS8208に戻る。
ステップS8209での判定の結果がyesである場合には、ステップS8215に到ってローディングモータを停止させ、ステップS8216でスロットローディング機構を初期状態に戻し、ステップS8217でスイッチの動作確認を行うよう要求を発行し、動作を終了する。これは、出荷した後の段階でスロットローディング機構に不具合が発生した場合である。ステップS8217で動作確認要求が発行された際の動作フローついては、後に図11を用いて説明する。
【0075】
ステップS8208での判定の結果がyesである場合は、イニシャルスイッチの前記時間TEにおける動作に不具合はないと考えられる。そこで、ステップS8210では、ローディングモータへの駆動信号の供給を停止する。次にステップS8211でローディングモータに逆方向の駆動信号を供給する。
次にステップS8212で、イニシャルスイッチがOFFからONに切替ったか否かを判定する。
【0076】
ステップS8212での判定の結果がnoである場合には、ステップS8213でタイマが予め定められた時間(前記した時間TFに基づき温度特性なども考慮して定めると良い)を経過したことを示すか否かを判定する。ステップS8213での判定の結果がnoである場合には、まだ次の動作に進むだけ時間を経過していないので、ステップS8212に戻る。
【0077】
ステップS8213での判定の結果がyesである場合には、ステップS8215に到ってローディングモータを停止させ、ステップS8216でスロットローディング機構を初期状態に戻し、ステップS8217でスイッチの動作確認を行うよう要求を発行し、動作を終了する。これは、出荷した後の段階でスロットローディング機構に不具合が発生した場合である。ステップS8217で動作確認要求が発行された際の動作フローついては、後に図11を用いて説明する。
ステップS8212での判定の結果がyesである場合は、イニシャルスイッチが良品であって、不具合はないと考えられる。そこで、ステップS8214でローディングモータへの駆動信号の供給を停止したうえで、フローを終了する。即ち、イニシャルスイッチに不具合がないために、イジェクト動作は記憶部に格納された時間TE、TFを用いなくとも、正常に行われる。
【0078】
次に、先のステップS8207での判定の結果がyesであり、イニシャルスイッチの不具合が既に知れており、その旨が格納部に登録されている場合について説明する。この場合、光ディスクの制御部は、前記した出荷時に測定され記憶部に格納された時間TEとTFを用いて、ローディングモータに供給する駆動信号を生成すると良い。
【0079】
即ち、ステップS8206でローディングモータに正方向の駆動信号を供給した後、ステップS8219で前記時間TEだけ待機した後、ステップS8220でローディングモータへの駆動信号の供給を停止する。次にステップS8221では、ローディングモータを逆方向に回転させる駆動信号を供給する。
次にステップS8222で前記時間TFだけ待機した後、ステップS8214においてローディングモータへの駆動信号の供給を停止して、フローを終了する。即ち、既にイニシャルスイッチの不具合が知れている場合には、出荷時に記憶部に格納された時間TEとTFを用いてローディングモータに供給する駆動信号が生成され、イジェクト動作が行われる。
その後、先の図8のステップS802に到る。
【0080】
次に、図8のステップS803の判定がnoである場合、即ち光ディスク装置の内部に光ディスクがない場合につき、図11を用いて説明する。
ここでは、例えば図10のステップS8217で発行されたスイッチ動作確認要求に応じた動作確認が行われる。図8のステップS803を経て実施されるため、スイッチ動作の確認は光ディスクが光ディスク装置内に無い状態で行われる。これにより、例えば光ディスクの変形や破損により異常な負荷がかかるなど、光ディスク装置の外的要因によるスイッチ動作の不良を切り分けて動作確認をすることができる。なお、先に述べたロード時において、図7のステップS5217で発行されたスイッチ動作確認要求に対しても、同様なフローで動作確認をすることができる。
【0081】
図11において、ステップS8302とS8303はプレイスイッチがOFFからONに切替るか否かを確認するステップである。同様に、ステップS8306とS8307はプレイスイッチがONからOFFに切替るか否かを確認するステップ、ステップS8309とS8310はディスクインサートスイッチがONからOFFに切替るか否かを確認するステップ、ステップS8312とS8313はイニシャルスイッチがOFFからONに切替るか否かを確認するステップ、ステップS8315とS8316はイジェクトスイッチがOFFからONに切替るか否かを確認するステップ、ステップS8319とS8320はイジェクトスイッチがONからOFFに切替るか否かを確認するステップ、ステップS8322とS8323はイニシャルスイッチがONからOFFに切替るか否かを確認するステップである。これら二つのステップの組合せについては、これまで同様の組合せ(例えば図9のステップS8119とS8120)において動作説明をしたので、ここでは省略する。
【0082】
ステップS8302、S8306、S8309、S8312、S8315、S8319、S8322での判定がyesであるならば、各々のステップで確認したスイッチ動作は正常であるので、次のステップへ進む。ステップS8303、S8307、S8310、S8313、S8316、S8320、S8323での判定がyesであるならば、各々のステップで確認したスイッチ動作には不具合があるので、図示したようにステップS8308、S8311、S8314、S8321、S8324のいずれかにおいて、光ディスク装置の記憶部に該当するスイッチに不具合がある旨を登録する。
【0083】
まずステップS8301において、ローディングモータを正方向に回転させる駆動信号を供給して、ロード時の状況を作る。
次いでステップS8302とS8303において、プレイスイッチがOFFからONに切替るか否かを確認する。図1に示したロード時のタイミング図に基づき、例えばローディングモータの起動後、プレイスイッチが切替ることを確認する。
【0084】
次に、ステップS8304でローディングモータに対する駆動信号を停止し、ステップS8305でローディングモータを逆方向に回転させる駆動信号を供給して、イジェクト時の状況を作る。
図3に示したイジェクト時のタイミング図に基づき、各スイッチの動作を時系列で確認する。まず、ステップS8306とS8307でプレイスイッチがONからOFFに切替ることを、次にステップS8309とS8310でディスクインサートスイッチがONからOFFに切替ることを、次にステップS8312とS8313でイニシャルスイッチがOFFからONに切替ることを、さらにステップS8315とS8316でイジェクトスイッチがOFFからONに切替ることを確認する。
【0085】
次に、ステップS8317でローディングモータに対する駆動信号を停止し、ステップS8318でローディングモータを再び正方向に回転させる駆動信号を供給する。
ステップS8319とS8320でイジェクトスイッチがONからOFFに切替ることを、次にステップS8322とS8323でイニシャルスイッチがONからOFFに切替ることを確認する。
【0086】
その後、先の図8のステップS805に到る。前記したようにS83で示したスイッチ動作確認ステップにおいて、ディスクインサートスイッチに不具合がある旨を登録され(S805)、或いは2個以上のスイッチに不具合がある旨を登録された(S806)場合には、記憶部に格納された時間TA〜TFを用いてスイッチ動作の不具合を補うことは困難であるため、光ディスクを排出したうえで、不具合が修理されるまでは光ディスクが挿入されないように、スロットのシャッタを閉鎖する(S809)。不具合のあるスイッチが1個以内で、かつ、ディスクインサートスイッチに不具合がある旨が登録されていなければ、記憶部に格納された時間TA〜TFを用いて該スイッチが生成すべき信号を制御部が生成して、正常なロードやイジェクトの動作を行う。
【0087】
ここまで示した実施形態は一例であって、本発明を限定するものではない。例えば図5から図11に示したフロー図においては、変更を加えた他の例を用いることもできる。その他にも本発明の趣旨に基づきながら異なる実施形態を考えられるが、いずれも本発明の範疇にある。
【符号の説明】
【0088】
S51:出荷時のロード動作の調整フロー、S52:出荷後のロード動作のフロー、S81:出荷時のイジェクト動作の調整フロー、S82:出荷後のイジェクト動作のフロー、S83:スイッチ動作確認のフロー。
【技術分野】
【0001】
本発明はスロットローディング機構を有する光ディスク装置における不具合の対処方法に係り、特にスイッチの不具合に対する対処方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
取出しが可能な光ディスクを記録媒体とするスロットローディング機構を有する光ディスク装置においては、光ディスクを光ディスク装置の内部へ挿入(インサート、またはロード)し、また光ディスクを光ディスク装置の外部へ排出(イジェクト、またはアンロード)する動作が必要である。ユーザが光ディスクを挿入することでスロットローディング機構が起動し、またイジェクトスイッチを操作する、あるいはホストPCからイジェクト要求を受けることでスロットローディング機構が起動した際に、該機構の動作状態を示す論理信号を生成するために、複数のスイッチが光ディスク装置に設けられている。
【0003】
特許文献1においては、ユーザが操作する単一のイジェクトスイッチを有し、ノーマルモードとエマジェンシーモードの二つの動作モードを備えた記録媒体イジェクト制御装置が開示されている。
特許文献2においては、緊急時における光ディスクの排出方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−173600号公報
【特許文献2】特開2009−283110号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記したスロットローディング機構の動作状態を示す論理信号を生成するための複数のスイッチについては、故障発生における対処方法が特に開示されることはなかった。例えばスイッチが故障した際の光ディスクのロードやイジェクトを行う方法などは開示されなかった。
本発明の目的は前記した状況に鑑み、光ディスク装置におけるスロットローディング機構用のスイッチの不具合発生における対処方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため本発明は、記録媒体である光ディスクをロードする際の光ディスク装置が有する制御信号を生成するためのスイッチに起因する光ディスク装置における不具合の対処方法であって、前記光ディスクを前記光ディスク装置にロードする場合には、前記光ディスク装置が製作され出荷される際の調整中であるか否かを判定するロード状況判定ステップと、該ロード状況判定ステップでの判定の結果、前記光ディスク装置が製作され出荷される際の調整中であると判定された場合には、前記光ディスク装置が有する前記スイッチの動作タイミングを取得するロード時スイッチタイミング取得ステップと、前記ロード状況判定ステップでの判定の結果、前記光ディスク装置が製作され出荷される際の調整中ではないと判定された場合には、前記スイッチの動作タイミングを確認して前記ロード時スイッチタイミング取得ステップで取得された前記スイッチの動作タイミングに基づいて、スロットローディング機構の動作を補正するロード時スイッチタイミング確認ステップを有することを特徴としている。
【0007】
また本発明は、記録媒体である光ディスクをイジェクトする際の光ディスク装置が有する制御信号を生成するためのスイッチに起因する光ディスク装置における不具合の対処方法であって、前記光ディスクを前記光ディスク装置からイジェクトする場合には、前記光ディスク装置が製作され出荷される際の調整中であるか否かを判定するイジェクト状況判定ステップと、該イジェクト状況判定ステップでの判定の結果、前記光ディスク装置が製作され出荷される際の調整中であると判定された場合には、前記光ディスク装置が有する前記スイッチの動作タイミングを取得するイジェクト時スイッチタイミング取得ステップと、前記イジェクト状況判定ステップでの判定の結果、前記光ディスク装置が製作され出荷される際の調整中ではないと判定された場合には、前記スイッチの動作タイミングを確認して前記イジェクト時スイッチタイミング取得ステップで取得された前記スイッチの動作タイミングに基づいて、スロットローディング機構の動作を補正するイジェクト時スイッチタイミング確認ステップを有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、光ディスク装置におけるスイッチの不具合に対する対処方法を提供でき、故障に対する備えを向上できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施例におけるロード時のタイミング図である。
【図2】本発明の一実施例における故障時のロード時のタイミング図である。
【図3】本発明の一実施例におけるイジェクト時のタイミング図である。
【図4】本発明の一実施例における記憶部に格納するタイミング値を示す図である。
【図5】本発明の一実施例におけるロード処理方法を示す第1のフロー図である。
【図6】本発明の一実施例におけるロード処理方法を示す第2のフロー図である。
【図7】本発明の一実施例におけるロード処理方法を示す第3のフロー図である。
【図8】本発明の一実施例におけるイジェクト処理方法を示す第1のフロー図である。
【図9】本発明の一実施例におけるイジェクト処理方法を示す第2のフロー図である。
【図10】本発明の一実施例におけるイジェクト処理方法を示す第3のフロー図である。
【図11】本発明の一実施例におけるスイッチ動作確認方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施例につき図面を用いて説明する。
まずスロットローディング機構を有する光ディスク装置の光ディスクのロード時、及びイジェクト時におけるスイッチの動作について説明する。スロットローディング機構では、複数のスイッチを用いて光ディスクの挿入状態やスロットローディング機構の動作状態を検出している。
【0011】
前記特許文献2の図1(a)には、スロット(同図の101、以下同様)から挿入された光ディスク(100)がロードされ、インサートローラ(108A)、イジェクトローラ(109A)とディスクローラ(110A)により支持された状態を示している。各ローラは順にインサートアーム(108)、イジェクトアーム(109)とディスクレバー(110)の一端に搭載されている。
【0012】
光ディスクがロードされない状態においてディスクレバー(110)は、ディスクローラ(110A)を光ディスク装置の中央付近に位置させているが、光ディスク(100)がスロット(101)から挿入されロードされるに伴い図示するような、例えば光ディスク装置の右奥に移動させる。この際、ディスクレバー(110)の近傍に設けられたディスクインサートスイッチは、ディスクローラ(110A)を所定の距離以上移動させたことを示す論理信号を発生する。例えば光ディスクが光ディスク装置に挿入されていない場合にはHigh、挿入されていればLowとなるような論理信号を発生する。以下で説明する論理信号も含め、HighとLowの極性は一例であり、例えば逆であっても良い。
【0013】
イジェクトローラ(109A)は、通常は図示するような、例えば光ディスク装置の左奥に位置する。ロードされた光ディスクをイジェクトする際は、イジェクトアーム(109)はイジェクトローラ(109A)を光ディスク装置の中央側へ移動させて、光ディスク(100)をスロット(101)から外部へ排出する。この際、イジェクトアーム(109)の近傍に設けられたイジェクトスイッチは、イジェクトローラ(109A)を所定の距離以上移動させたことを示す論理信号を発生する。例えばイジェクトローラ(109A)が図示した位置にある場合にはHigh、光ディスクの中央側へ移動して光ディスクを排出する際はLowとなるような論理信号を発生する。
インサートアーム(108)は、光ディスク(100)がロードされない状態においては、インサートローラ(108A)を図示よりも右側の初期位置に退避させているが、ロード時にはインサートローラ(108A)を、図示するような光ディスク(100)の右手前側の所定位置(プレイ位置とも言う)に移動させ、またイジェクト時にはインサートローラ(108A)を初期位置に退避させる。この際、インサートアーム(108)の近傍に設けられたイニシャルスイッチは、インサートローラ(108A)が初期位置から移動したことを示す論理信号を発生する。例えばインサートローラ(108A)が初期位置にない場合にはHigh、初期位置にあればLowとなるような論理信号を発生する。
【0014】
また、インサートアーム(108)の近傍に設けられたプレイスイッチは、インサートローラ(108A)が前記所定位置に到達したことを示す論理信号を発生する。例えばインサートローラ(108A)が前記所定位置にない場合にはHigh、前記所定位置にあればLowとなるような論理信号を発生する。以下、各スイッチについて、論理信号Highを生成している時はスイッチがOFFであり、論理信号Lowを生成している時はスイッチがONであると表現することがある。
【0015】
図1は、本発明の一実施例におけるロード時のタイミング図である。
スロットから光ディスクが手動で挿入され、ディスクローラが所定の距離以上移動されると、これまでOFFであったディスクインサートスイッチ(Disc Insert SW)がONとなる。これに応じてローディングモータが図示する駆動信号(Loading Motor 駆動信号)により正方向(光ディスクを挿入する方向)に回転起動されて、前記光ディスクは自動で光ディスク装置の内部に移動される。次いで、インサートローラが初期位置から移動を始めることで、これまでONであったイニシャルスイッチ(Initial SW)がOFFとなる。
【0016】
インサートローラが所定位置に到達すると、これまでOFFであったプレイスイッチ(Play SW)がONとなる。これに応じてローディングモータに供給されていた駆動信号の供給が停止されてインサートローラは移動を停止する。次いでローディングモータには、前記とは逆の方向に回転するための駆動信号が供給される。インサートローラは初期位置の方向に向けて戻るため、プレイスイッチは再度OFFとなる。
【0017】
その後、再度ローディングモータには正方向に回転するための駆動信号が供給される。インサートローラは再度方向を変えて移動されプレイスイッチは再度ONとなる。次いでローディングモータへの駆動信号の供給が停止される。この時、インサートローラは、ディスクローラやイジェクトローラとともに所定の位置で光ディスクを支持しており、ロードの動作が完了する。
【0018】
前記したようなローディングモータへの駆動信号の切替え動作は、光ディスクの位置を微調整して、所定位置に近い位置に支持するための動作である。
なお、ロード時にはイジェクトローラは初期位置にあれば良いので、イジェクトスイッチ(Eject SW)はOFF状態のままである。
【0019】
図2は、本発明の一実施例における故障時のロード時のタイミング図である。ここでは一例として、プレイスイッチが故障した場合を例にとっている。イニシャルスイッチ、ディスクインサートスイッチとイジェクトスイッチは、図1と同様な動作をしているが、プレイスイッチはOFFのままであり、図1と同様な動作はできていない。この場合、従来はローディングモータへの駆動信号が、ローディングモータを正方向に回転させたままとなり、正常な動作を行うことはできない。
【0020】
本実施例においては、光ディスク装置を製作し出荷する際に次のようにする。まず、図1に示したように、ローディングモータに最初に駆動信号が供給されてからプレイスイッチがOFFからONに変わるまでの時間TA、ローディングモータに逆方向の駆動信号が供給されてからプレイスイッチがONからOFFに変わるまでの時間TB、ローディングモータに再度正方向の駆動信号が供給されてからプレイスイッチがOFFからONに変わるまでの時間TCを、それぞれ測定し、光ディスク装置内の記憶部(例えばEEPROM)に格納する。
【0021】
光ディスク装置を出荷した後、いずれかのスイッチが切替らない場合には、スイッチに不具合があるのかどうかを確認するため、また、いずれのスイッチに不具合があるのかを特定するため、前記記憶部に格納された切替え時間(例えばプレイスイッチならば前記TA、TB、TC)に基づき、スイッチ動作確認を行う。スイッチ動作確認により、いずれのスイッチに不具合があるのかを特定して前記記憶部に登録する。例えばプレイスイッチの不具合が登録された場合には、以後は記憶部に格納された前記TA、TB、TCの時間を参照してローディングモータの駆動信号を制御する。このようにして、スイッチを直ちに修理しなくとも光ディスク装置が引続き機能できるようにしたことに、本実施例の一つの特徴がある。
【0022】
例えば図1において、ローディングモータに最初に駆動信号が供給されてから時間TAを経てもプレイスイッチがOFFからONに切替らない場合においても、図示の時間X1においてローディングモータへの駆動信号の供給を停止する。次に所定の時間経過後にローディングモータに逆方向の駆動信号を供給する。さらに時間TBを経たY1においてプレイスイッチがONからOFFに切替らない場合においても、所定の時間経過後に(図中の定時間Wait)ローディングモータへの駆動信号の供給を停止する。次に所定の時間経過後にローディングモータに正方向の駆動信号を供給し、さらに時間TCを経てもプレイスイッチがOFFからONに切替らない場合においても、図示の時間Z1においてローディングモータへの駆動信号の供給を停止する。
以上のようにすることで、いずれかのスイッチの動作に不具合があっても、正常なロードの動作を行えるようにしたことに、本実施例の一つの特徴がある。
【0023】
また、プレイスイッチ以外でも、例えばイニシャルスイッチの動作に不具合がある場合にも、前記と同様な動作を行っても良い。しかし、ディスクインサートスイッチが生成する信号はロード動作の起点となるため、これに不具合がある場合には、後記するように別な動作を行うと良い。また、複数のスイッチに不具合がある場合には前記したような方法での故障解析が困難となるため、後記するように別な動作を行うと良い。
【0024】
次にロードされた光ディスクをイジェクトする場合について説明する。
図3は、本発明の一実施例におけるイジェクト時のタイミング図である。
イジェクト動作は、ユーザが光ディスク装置の外装に設けられた操作スイッチを押すことにより開始される。まずローディングモータにはイジェクト方向に回転させるための駆動信号が供給される。引続きインサートアームがインサートローラを初期位置に移動させるため、プレイスイッチがONからOFFに切替る。次いで、ディスクレバーがディスクローラをロード時とは逆の方向に移動させるため、ディスクインサートスイッチがONからOFFに切替る。またインサートローラがさらに移動するに伴い、イニシャルスイッチがOFFからONに切替る。
【0025】
この時点で光ディスクをイジェクトするうえで障害となる構成要素がなくなるため、イジェクトアームはイジェクトローラを移動させ、光ディスクをスロットに向けて移動する。イジェクトローラが所定の位置まで移動すると、イジェクトスイッチはOFFからONに切替る。その後、光ディスクが所定量だけスロットから突出した状態で停止するよう、ロード時と類似したローディングモータの駆動信号の切替えが行われ、これに伴いイジェクトスイッチとイニシャルスイッチは、図示のように切替る。
【0026】
ここで、イジェクトスイッチに不具合があって、OFFの状態のまま切替らない場合について述べる。
本実施例においては、光ディスク装置を製作し出荷する際に次のようにする。まず、図3のように、ローディングモータに逆方向の駆動信号が供給されてからイジェクトスイッチがOFFからONに変わるまでの時間TD、ローディングモータに正方向の駆動信号が供給されてからイニシャルスイッチがONからOFFに変わるまでの時間TE、ローディングモータに再度逆方向の駆動信号が供給されてからイニシャルスイッチがOFFからONに変わるまでの時間TFをそれぞれ測定し、光ディスク装置内の記憶部に格納する。
【0027】
光ディスク装置を出荷した後、いずれかのスイッチが切替らない場合には、スイッチに不具合があるのかどうか確認するため、また、いずれのスイッチに不具合があるのかを特定するため、前記記憶部に格納された切替え時間(例えば前記TD、TE、TF)に基づき、スイッチ動作確認を行う。スイッチ動作確認により、いずれのスイッチに不具合があるのかを特定して前記記憶部に登録する。例えばイジェクトスイッチの不具合が登録された場合には、以後は記憶部に格納された前記TDの時間を参照してローディングモータの駆動信号を制御する。イニシャルスイッチの不具合が登録された場合には、以後は記憶部に格納された前記TE、TFの時間を参照してローディングモータの駆動信号を制御する。このようにして、スイッチを直ちに修理しなくとも光ディスク装置が引続き機能できるようにしたことに、本実施例の一つの特徴がある。
【0028】
例えば図3において、ローディングモータに逆方向の駆動信号が供給されてから時間 TDを経てもイジェクトスイッチがOFFからONに切替らない場合においても、図示の時間X2においてローディングモータへの駆動信号の供給を停止する。次に所定の時間経過後にローディングモータに正方向の駆動信号を供給し、さらに時間TEを経てもイニシャルスイッチがONからOFFに切替らない場合においても、図示のY2においてローディングモータへの駆動信号の供給を停止する。次に所定の時間後にローディングモータに逆方向の駆動信号を供給し、さらに時間TFを経てもイニシャルスイッチがOFFからONに切替らない場合においても、図示の時間Z2においてローディングモータへの駆動信号の供給を停止する。
【0029】
先の図1で示したロード時の動作では、イジェクトスイッチは切替らないために不具合が検出されないが、図3のイジェクト時の動作では、イジェクトスイッチの不具合も検出することができる。
以上のようにすることで、イジェクトスイッチやイニシャルスイッチの動作に不具合があっても、正常なイジェクトの動作を行えるようにしたことに、本実施例の一つの特徴がある。
【0030】
図4は、本発明の一実施例における記憶部に格納するタイミング値を示す図である。ここでは、ロード時のTA〜TC、イジェクト時のTD〜TFに同じ初期値FFhが格納された状態を示している。これらの値は、光ディスク装置を製作して出荷する際に測定され、前記初期値に代えて格納され、前記したスイッチの不具合時に備えている。
【0031】
次にロード時の動作に戻り、図5〜図7を用いて動作フローを説明する。
図5は、本発明の一実施例におけるロード処理方法を示す第1のフロー図である。
図6は、本発明の一実施例におけるロード処理方法を示す第2のフロー図であって、図5のステップS51の内部を示している。
図7は、本発明の一実施例におけるロード処理方法を示す第3のフロー図であって、図5のステップS52の内部を示している。
【0032】
図5において、ステップS501では光ディスク装置の制御部は(以下、特に断りがない限り光ディスク装置の制御部が動作の主語とする)、行われる調整が出荷時の調整であるか否かを判定する。判定の結果がyesである場合には、ステップS51に進んで図6で示すフローが実施される。判定の結果がnoである場合には(即ち出荷後の動作である場合には)、ステップS52に進んで図7で示すフローが実施される。即ち図5においては、出荷時のフローと出荷後のフローを別に有することが一つの特徴となっている。
【0033】
ステップS501の判定がyesである場合につき、図6を用いて説明する。
光ディスク装置に光ディスクが挿入されるに伴い、ステップS5101でローディングモータに正方向(図1のHigh方向)の駆動信号を供給する。直ちに光ディスク装置の有するタイマは、ステップS5102でタイムカウントを開始する。ステップS5103ではプレイスイッチがOFFからONに切替ったか否かを判定する。
【0034】
ステップS5103での判定の結果がnoである場合には、ステップS5104でタイマが予め定められた時間(ローディングモータに駆動信号が供給された後、プレイスイッチが切替るまでの時間のバラツキ最大値に基づき定めると良い)を経過したことを示すか否かを判定する。ステップS5104での判定の結果がnoである場合には、まだ次の動作に進むだけ時間を経過していないので、ステップS5103に戻る。
ステップS5104での判定の結果がyesである場合には、ステップS5127に到ってローディングモータを停止させ、ステップS5128で光ディスクのイジェクト要求を発行して、動作を終了する。これは、製作して出荷する段階でスロットローディング機構に不具合があるため、光ディスク装置の不良と判断されて出荷を停止する場合である。従い不具合のある箇所を修理したうえで、再度図6のフローを行うことになる。
【0035】
ステップS5103での判定の結果がyesである場合は、前記時間TAによる切替え動作には、初期からの不具合はないと考えられる。そこで、ステップS5105で前記タイマを停止した後、ステップS5106で、ステップS5105でタイマを停止した時間に基づき時間TAを取得し、ステップS5107で記憶部にTAを格納する。
その後、ステップS5108では、図1の時間X1においてローディングモータへの駆動信号の供給を停止する。次にステップS5109では光ディスクを回転させるスピンドルモータを所定の時間だけ回転駆動する。
【0036】
ステップS5110で、ローディングモータを逆方向に回転させる駆動信号を供給し、ステップS5111で、前記タイマはリセットされた後に再度タイムカウントを開始する。
次にステップS5112で、プレイスイッチがONからOFFに切替ったか否かを判定する。
ステップS5112での判定の結果がnoである場合には、ステップS5113でタイマが予め定められた時間(ローディングモータに逆方向の駆動信号が供給された後、プレイスイッチが切替るまでの時間のバラツキ最大値に基づき定めると良い)を経過したことを示すか否かを判定する。ステップS5113での判定の結果がnoである場合には、まだ次の動作に進むだけ時間を経過していないので、ステップS5112に戻る。
ステップS5113での判定の結果がyesである場合には、ステップS5127に到ってローディングモータを停止させ、ステップS5128で光ディスクのイジェクト要求を発行して、動作を終了する。これは、製作して出荷する段階でスロットローディング機構に不具合があるため、光ディスク装置の不良と判断されて出荷を停止する場合である。従い不具合のある箇所を修理したうえで、再度図6のフローを行うことになる。
【0037】
ステップS5112での判定の結果がyesである場合は、前記時間TBによる切替え動作には、初期からの不具合はないと考えられる。そこで、ステップS5114で前記タイマを停止した後、ステップS5115で、ステップS5114でタイマを停止した時間に基づき時間TBを取得し、ステップS5116で記憶部にTBを格納する。
その後、ステップS5117では、図1の定時間Waitで示した時間だけ時間の経過を待ち、ステップS5118においてローディングモータへの駆動信号の供給を停止する。
ステップS5119でローディングモータを正方向に回転させる駆動信号を供給し、ステップS5120で、前記タイマはリセットされた後に再度タイムカウントを開始する。
次にステップS5121で、プレイスイッチがOFFからONに切替ったか否かを判定する。
ステップS5121での判定の結果がnoである場合には、ステップS5122でタイマが予め定められた時間(ローディングモータに正方向の駆動信号が供給された後、プレイスイッチが切替るまでの時間のバラツキ最大値に基づき定めると良い)を経過したことを示すか否かを判定する。ステップS5121での判定の結果がnoである場合には、まだ次の動作に進むだけ時間を経過していないので、ステップS5121に戻る。
【0038】
ステップS5122での判定の結果がyesである場合には、ステップS5127に到ってローディングモータを停止させ、ステップS5128で光ディスクのイジェクト要求を発行して、動作を終了する。これは、製作して出荷する段階でスロットローディング機構に不具合があるため、光ディスク装置の不良と判断されて出荷を停止する場合である。従い不具合のある箇所を修理したうえで、再度図6のフローを行うことになる。
【0039】
ステップS5121での判定の結果がyesである場合は、前記時間TCによる切替え動作には、初期からの不具合はないと考えられる。そこで、ステップS5123で前記タイマを停止した後、ステップS5124では、ステップS5123でタイマを停止した時間に基づき時間TCを取得し、ステップS5125で記憶部にTCを格納する。ステップS5126でローディングモータへの駆動信号の供給が停止されたうえで、フローを終了する。
以上のようにして、光ディスク装置を製作して出荷する際に、前記した時間TA〜TCが測定され記憶部に格納される。
【0040】
先の図5におけるステップS501の判定がnoである場合につき、図7を用いて説明する。図7は図6と異なり、出荷する際のロード時のフローではなく、出荷後のロード時のフローを示している。
光ディスク装置に光ディスクが挿入されるに伴い、ステップS5201でローディングモータに正方向(図2のHigh方向)の駆動信号を供給する。
【0041】
ステップS5202では、プレイスイッチの不具合が既に知れており、その旨が格納部に登録されているか否かを判定する。スイッチの不具合の登録に関しては、後に詳しく説明する。
ステップS5202での判定の結果がnoである場合には、以下に示すようなプレイスイッチには現在でも不具合がないことを確認する動作を行う。
ステップS5203ではプレイスイッチがOFFからONに切替ったか否かを判定する。
【0042】
ステップS5203での判定の結果がnoである場合には、ステップS5204でタイマが予め定められた時間(前記した時間TAに基づき温度特性なども考慮して定めると良い)を経過したことを示すか否かを判定する。
ステップS5204での判定の結果がnoである場合には、まだ次の動作に進むだけ時間を経過していないので、ステップS5203に戻る。
ステップS5204での判定の結果がyesである場合には、ステップS5216に到ってローディングモータを停止させ、ステップS5217で各スイッチの動作確認を行うよう要求を発行し、ステップS5218で光ディスクのイジェクト要求を発行して、動作を終了する。これは、出荷した後の段階でスロットローディング機構に不具合が発生した場合である。ステップS5217で動作確認要求が発行された際の動作フローは、後に図11を用いて説明する。なお、前記したステップS5202で述べたプレイスイッチの不具合の登録は、前記スイッチの動作確認結果に基づいて行われる。
【0043】
ステップS5203での判定の結果がyesである場合は、前記時間TAによる切替え動作には、不具合はないと考えられる。次に、ステップS5205でローディングモータへの駆動信号の供給を停止する。次にステップS5206では光ディスクを回転させるスピンドルモータを所定の時間だけ回転駆動する。
【0044】
ステップS5207で、ローディングモータを逆方向に回転させる駆動信号を供給する。 次にステップS5208で、プレイスイッチがONからOFFに切替ったか否かを判定する。
【0045】
ステップS5208での判定の結果がnoである場合には、ステップS5209でタイマが予め定められた時間(前記した時間TBに基づき温度特性なども考慮して定めると良い)を経過したことを示すか否かを判定する。ステップS5209での判定の結果がnoである場合には、まだ次の動作に進むだけ時間を経過していないので、ステップS5208に戻る。
ステップS5209での判定の結果がyesである場合には、ステップS5216に到ってローディングモータを停止させ、ステップS5217でスイッチの動作確認を行うよう要求を発行し、ステップS5218で光ディスクのイジェクト要求を発行して、動作を終了する。これは、出荷した後の段階でスロットローディング機構に不具合が発生した場合である。ステップS5217で前記した動作確認要求が発行された際の動作フローは、後に図11を用いて説明する。
【0046】
ステップS5208での判定の結果がyesである場合は、前記時間TBによる切替え動作には、不具合はないと考えられる。そこで、ステップS5210では、図1の定時間Waitで示した時間だけ時間の経過を待ち、ステップS5211においてローディングモータへの駆動信号の供給を停止する。次にステップS5212でローディングモータに正方向の駆動信号を供給する。
次にステップS5213で、プレイスイッチがOFFからONに切替ったか否かを判定する。
【0047】
ステップS5213での判定の結果がnoである場合には、ステップS5214でタイマが予め定められた時間(前記した時間TCに基づき温度特性なども考慮して定めると良い)を経過したことを示すか否かを判定する。ステップS5214での判定の結果がnoである場合には、まだ次の動作に進むだけ時間を経過していないので、ステップS5213に戻る。
【0048】
ステップS5214での判定の結果がyesである場合には、ステップS5216に到ってローディングモータを停止させ、ステップS5217でスイッチの動作確認を行うよう要求を発行し、ステップS5218で光ディスクのイジェクト要求を発行して、動作を終了する。これは、出荷した後の段階でスロットローディング機構に不具合が発生した場合である。ステップS5217で前記した動作確認要求が発行された際の動作フローは、後に図11を用いて説明する。
ステップS5213での判定の結果がyesである場合は、前記時間TCによる切替え動作には、不具合はないと考えられる。そこで、ステップS5215でローディングモータへの駆動信号の供給を停止したうえで、フローを終了する。即ち、スイッチに不具合がないために、ローディング動作は記憶部に格納された時間TA〜TCを用いなくとも、ステップS52の内部において正常に行われる。
【0049】
次に、先のステップS5202での判定の結果がyesであり、プレイスイッチの不具合が既に知れており、その旨が格納部に登録されている場合について説明する。この場合、光ディスクの制御部は、前記した出荷時に測定され記憶部に格納された時間TA、TB、TCを用いてローディングモータに供給する駆動信号を生成すると良い。
【0050】
即ち、ステップS5201でローディングモータに正方向の駆動信号を供給した後、ステップS5219で前記時間TAだけ待機した後、ステップS5220でローディングモータへの駆動信号の供給を停止する。次にステップS5221では光ディスクを回転させるスピンドルモータを所定の時間だけ回転駆動する。
【0051】
ステップS5222で、ローディングモータを逆方向に回転させる駆動信号を供給する。 次にステップS5223で前記時間TBだけ待機した後、ステップS5224では、図1の定時間Waitで示した時間だけ時間の経過を待ち、ステップS5225においてローディングモータへの駆動信号の供給を停止する。次にステップS5226でローディングモータに正方向の駆動信号を供給する。
【0052】
ステップS5227で前記時間TCだけ待機した後、ステップS5215でローディングモータへの駆動信号の供給を停止して、フローを終了する。即ち、既にプレイスイッチの不具合が知れている場合には、出荷時に記憶部に格納された時間TA〜TCを用いてローディングモータに供給する駆動信号が生成され、ローディング動作が行われる。
【0053】
次にイジェクト時の動作に関し、図8〜図11を用いて動作フローを説明する。
図8は、本発明の一実施例におけるイジェクト処理方法を示す第1のフロー図である。
図9は、本発明の一実施例におけるイジェクト処理方法を示す第2のフロー図であって、図8のステップS81の内部を示している。
図10は、本発明の一実施例におけるイジェクト処理方法を示す第3のフロー図であって、図8のステップS82の内部を示している。
図11は、本発明の一実施例におけるスイッチ動作確認方法を示すフロー図であって、図8のステップS83の内部を示している。
【0054】
図8において、ステップS801では光ディスク装置の制御部は、行われる調整が出荷時の調整であるか否かを判定する。判定の結果がyesである場合には、ステップS81に進んで図9で示すフローが実施される。判定の結果がnoである場合には(即ち出荷後の動作である場合には)、ステップS82に進んで図10で示すフローが実施される。
【0055】
その後、ステップS802において、図10のステップS8217で発行されるようなスイッチ動作の確認要求が有るか否かを判定する。
ステップS802でnoと判定された場合には、そのままフローを終了する。ステップS802でyesと判定された場合には、ステップS803に到る。
【0056】
ステップS803において、光ディスク装置の内部に光ディスクがあるか否かを判定する。この判定は、光ピックアップを光ディスクの内周部に移動させて発光させ、反射光の強度を測定することで実施できる。ステップS803でyesと判定された場合には、ステップS804で光ディスクを再度イジェクトするための要求を発行してフローを終了する。
【0057】
ステップS803でnoと判定された場合には、ステップS83に進んで図11で示すフローが実施される。
その後、ステップS805でディスクインサートスイッチの不具合が登録されているか否かを判定する。
ステップS805でnoと判定された場合には、ステップS806で他のスイッチ、即ちインサートスイッチ、イジェクトスイッチやプレイスイッチのうち、2個以上の不具合が登録されているか否かを判定する。
【0058】
ステップS806でnoと判定された場合には、そのままフローを終了する。
ステップS805、またはステップS806でyesと判定された場合には、ステップS807でステップS803と同様に、光ディスク装置の内部に光ディスクがあるか否かを判定する。
ステップS807でyesと判定された場合には、ステップS808で光ディスクを再度イジェクトするための要求を発行してフローを終了する。ステップS807でnoと判定された場合には、ステップS809で光ディスクを挿入するスロットのシャッタを閉鎖して、スイッチの適切な修理が行われるまでは、光ディスク装置に光ディスクを挿入できないようにする。前記したように、ディスクインサートスイッチに不具合がある場合や、それ以外のスイッチでも2個以上に不具合がある場合には、修理せずに使いこなすことは難しい。このため、光ディスクをイジェクトするように試み、イジェクトできた場合には、スイッチの修理を行うまでは光ディスクを挿入できないようにする。
【0059】
即ち図8においては、出荷時のフローと出荷後のフローを別に有すること、さらにはスイッチの動作確認ステップを有し、場合によっては光ディスクを排出し、また挿入できないようにするステップを有することが一つの特徴となっている。
【0060】
次に、ステップS801の判定がyesである場合、即ち行われる調整が出荷時の調整である場合のイジェクト動作につき、図9を用いて説明する。
ユーザが光ディスク装置の外装に設けられた操作スイッチを押すことにより、ステップS8101でローディングモータに逆方向(図3のLow方向)の駆動信号を供給する。直ちに光ディスク装置の有するタイマは、ステップS8102でタイムカウントを開始する。ステップS8103ではイジェクトスイッチがOFFからONに切替ったか否かを判定する。
【0061】
ステップS8103での判定の結果がnoである場合には、ステップS8104でタイマが予め定められた時間(ローディングモータに駆動信号が供給された後、イジェクトスイッチが切替るまでの時間のバラツキ最大値に基づき定めると良い)を経過したことを示すか否かを判定する。ステップS8104での判定の結果がnoである場合には、まだ次の動作に進むだけ時間を経過していないので、ステップS8103に戻る。
ステップS8104での判定の結果がyesである場合には、ステップS8125に到ってローディングモータを停止させ、ステップS8126でスロットローディング機構を初期状態に戻して、動作を終了する。これは、製作した後の出荷時の段階でスロットローディング機構に不具合があるため、光ディスク装置の不良と判断されて出荷を停止する場合である。従い不具合のある箇所を修理したうえで、再度図9のフローを行うことになる。
【0062】
ステップS8103での判定の結果がyesである場合は、イジェクトスイッチが良品であって、初期からの不具合はないと考えられる。そこで、ステップS8105で前記タイマを停止した後、ステップS8106で、ステップS8105でタイマを停止した時間に基づき時間TDを取得し、ステップS8107で記憶部にTDを格納する。
その後、ステップS8108では、図3の時間X2においてローディングモータへの駆動信号の供給を停止する。
次にステップS8109で、ローディングモータを正方向に回転させる駆動信号を供給し、ステップS8110で、前記タイマはリセットされた後に再度タイムカウントを開始する。
次にステップS8111で、イニシャルスイッチがONからOFFに切替ったか否かを判定する。
【0063】
ステップS8111での判定の結果がnoである場合には、ステップS8112でタイマが予め定められた時間(ローディングモータに正方向の駆動信号が供給された後、イニシャルスイッチが切替るまでの時間のバラツキ最大値に基づき定めると良い)を経過したことを示すか否かを判定する。ステップS8112での判定の結果がnoである場合には、まだ次の動作に進むだけ時間を経過していないので、ステップS8111に戻る。
ステップS8112での判定の結果がyesである場合には、ステップS8125に到ってローディングモータを停止させ、ステップS8126でスロットローディング機構を初期状態に戻して、動作を終了する。これは、製作した後の出荷時の段階でスロットローディング機構に不具合があるため、光ディスク装置の不良と判断されて出荷を停止する場合である。従い不具合のある箇所を修理したうえで、再度図9のフローを行うことになる。
【0064】
ステップS8111での判定の結果がyesである場合は、イニシャルスイッチが良品であって、初期からの不具合はないと考えられる。そこで、ステップS8113で前記タイマを停止した後、ステップS8114で、ステップS8113でタイマを停止した時間に基づき時間TEを取得し、ステップS8115で記憶部にTEを格納する。
その後、ステップS8116においてローディングモータへの駆動信号の供給を停止する。次に、ステップS8117でローディングモータに逆方向の駆動信号を再度供給する。
【0065】
ステップS8118で、前記タイマはリセットされた後に再度タイムカウントを開始する。
次にステップS8119で、イニシャルスイッチがOFFからONに切替ったか否かを判定する。
【0066】
ステップS8119での判定の結果がnoである場合には、ステップS8120でタイマが予め定められた時間(ローディングモータに逆方向の駆動信号が供給された後、イニシャルスイッチが切替るまでの時間のバラツキ最大値に基づき定めると良い)を経過したことを示すか否かを判定する。ステップS8120での判定の結果がnoである場合には、まだ次の動作に進むだけ時間を経過していないので、ステップS8119に戻る。
【0067】
ステップS8120での判定の結果がyesである場合には、ステップS8125に到ってローディングモータを停止させ、ステップS8126でスロットローディング機構を初期状態に戻して、動作を終了する。これは、製作した後の出荷時の段階でスロットローディング機構に不具合があるため、光ディスク装置の不良と判断されて出荷を停止する場合である。従い不具合のある箇所を修理したうえで、再度図9のフローを行うことになる。
【0068】
ステップS8119での判定の結果がyesである場合は、イニシャルスイッチが良品であって、初期からの不具合はないと考えられる。そこで、ステップS8121で前記タイマを停止した後、ステップS8122では、ステップS8121でタイマを停止した時間に基づき時間TFを取得し、ステップS8123で記憶部にTFを格納する。ステップS8124でローディングモータへの駆動信号の供給を停止したうえで、フローを終了する。
以上のようにして、光ディスク装置を製作して出荷する際に、前記した時間TD〜TFが測定され記憶部に格納される。
その後、先の図8のステップS802に到る。
【0069】
次に、図8のステップS801の判定がnoである場合、即ち出荷後のイジェクト時のフローにつき、図10を用いて説明する。
ユーザが光ディスク装置の外装に設けられた操作スイッチを押すことにより、ステップS8201でローディングモータに逆方向(図3のLow方向)の駆動信号を供給する。
【0070】
ステップS8202では、イジェクトスイッチの不具合が既に知れており、その旨が格納部に登録されているか否かを判定する。
ステップS8202での判定の結果がnoである場合には、以下に示すようなイジェクトスイッチには現在でも不具合がないことを確認する動作を行う。
ステップS8203ではイジェクトスイッチがOFFからONに切替ったか否かを判定する。
【0071】
ステップS8203での判定の結果がnoである場合には、ステップS8204でタイマが予め定められた時間(前記した時間TDに基づき温度特性なども考慮して定めると良い)を経過したことを示すか否かを判定する。ステップS8204での判定の結果がnoである場合には、まだ次の動作に進むだけ時間を経過していないので、ステップS8203に戻る。
ステップS8204での判定の結果がyesである場合には、ステップS8215に到ってローディングモータを停止させ、ステップS8216でスロットローディング機構を初期状態に戻し、ステップS8217でスイッチの動作確認を行うよう要求を発行し、動作を終了する。これは、出荷した後の段階でスロットローディング機構に不具合が発生した場合である。ステップS8217で動作確認要求が発行された際の動作フローついては、後に図11を用いて説明する。
ステップS8203での判定の結果がyesである場合は、イジェクトスイッチが良品であって、不具合はないと考えられるので後記するステップS8205に到る。即ち、スイッチに不具合がないために、イジェクト動作は記憶部に格納された時間TDを用いなくとも、ステップS82の内部において正常に行われる。
【0072】
先のステップS8202での判定の結果がyesであり、イジェクトスイッチの不具合が既に知れており、その旨が格納部に登録されている場合について説明する。この場合、光ディスクの制御部は、前記した出荷時に測定され記憶部に格納された時間TDだけ待機すると良い。即ち、ステップS8201でローディングモータに逆方向の駆動信号を供給した後、ステップS8218で前記時間TDだけ待機する。
その後、先のステップS8203での判定がyesである場合も含め、ステップS8205でローディングモータへの駆動信号の供給を停止し、さらにステップS8206でローディングモータに正方向(図3のHigh方向)の駆動信号を供給する。
【0073】
次にステップS8207では、イニシャルスイッチの不具合が既に知れており、その旨が格納部に登録されているか否かを判定する。
ステップS8207での判定の結果がnoである場合には、以下に示すようなイニシャルスイッチには現在でも不具合がないことを確認する動作を行う。
ステップS8208ではイニシャルスイッチがONからOFFに切替ったか否かを判定する。
【0074】
ステップS8208での判定の結果がnoである場合には、ステップS8209でタイマが予め定められた時間(前記した時間TEに基づき温度特性なども考慮して定めると良い)を経過したことを示すか否かを判定する。ステップS8209での判定の結果がnoである場合には、まだ次の動作に進むだけ時間を経過していないので、ステップS8208に戻る。
ステップS8209での判定の結果がyesである場合には、ステップS8215に到ってローディングモータを停止させ、ステップS8216でスロットローディング機構を初期状態に戻し、ステップS8217でスイッチの動作確認を行うよう要求を発行し、動作を終了する。これは、出荷した後の段階でスロットローディング機構に不具合が発生した場合である。ステップS8217で動作確認要求が発行された際の動作フローついては、後に図11を用いて説明する。
【0075】
ステップS8208での判定の結果がyesである場合は、イニシャルスイッチの前記時間TEにおける動作に不具合はないと考えられる。そこで、ステップS8210では、ローディングモータへの駆動信号の供給を停止する。次にステップS8211でローディングモータに逆方向の駆動信号を供給する。
次にステップS8212で、イニシャルスイッチがOFFからONに切替ったか否かを判定する。
【0076】
ステップS8212での判定の結果がnoである場合には、ステップS8213でタイマが予め定められた時間(前記した時間TFに基づき温度特性なども考慮して定めると良い)を経過したことを示すか否かを判定する。ステップS8213での判定の結果がnoである場合には、まだ次の動作に進むだけ時間を経過していないので、ステップS8212に戻る。
【0077】
ステップS8213での判定の結果がyesである場合には、ステップS8215に到ってローディングモータを停止させ、ステップS8216でスロットローディング機構を初期状態に戻し、ステップS8217でスイッチの動作確認を行うよう要求を発行し、動作を終了する。これは、出荷した後の段階でスロットローディング機構に不具合が発生した場合である。ステップS8217で動作確認要求が発行された際の動作フローついては、後に図11を用いて説明する。
ステップS8212での判定の結果がyesである場合は、イニシャルスイッチが良品であって、不具合はないと考えられる。そこで、ステップS8214でローディングモータへの駆動信号の供給を停止したうえで、フローを終了する。即ち、イニシャルスイッチに不具合がないために、イジェクト動作は記憶部に格納された時間TE、TFを用いなくとも、正常に行われる。
【0078】
次に、先のステップS8207での判定の結果がyesであり、イニシャルスイッチの不具合が既に知れており、その旨が格納部に登録されている場合について説明する。この場合、光ディスクの制御部は、前記した出荷時に測定され記憶部に格納された時間TEとTFを用いて、ローディングモータに供給する駆動信号を生成すると良い。
【0079】
即ち、ステップS8206でローディングモータに正方向の駆動信号を供給した後、ステップS8219で前記時間TEだけ待機した後、ステップS8220でローディングモータへの駆動信号の供給を停止する。次にステップS8221では、ローディングモータを逆方向に回転させる駆動信号を供給する。
次にステップS8222で前記時間TFだけ待機した後、ステップS8214においてローディングモータへの駆動信号の供給を停止して、フローを終了する。即ち、既にイニシャルスイッチの不具合が知れている場合には、出荷時に記憶部に格納された時間TEとTFを用いてローディングモータに供給する駆動信号が生成され、イジェクト動作が行われる。
その後、先の図8のステップS802に到る。
【0080】
次に、図8のステップS803の判定がnoである場合、即ち光ディスク装置の内部に光ディスクがない場合につき、図11を用いて説明する。
ここでは、例えば図10のステップS8217で発行されたスイッチ動作確認要求に応じた動作確認が行われる。図8のステップS803を経て実施されるため、スイッチ動作の確認は光ディスクが光ディスク装置内に無い状態で行われる。これにより、例えば光ディスクの変形や破損により異常な負荷がかかるなど、光ディスク装置の外的要因によるスイッチ動作の不良を切り分けて動作確認をすることができる。なお、先に述べたロード時において、図7のステップS5217で発行されたスイッチ動作確認要求に対しても、同様なフローで動作確認をすることができる。
【0081】
図11において、ステップS8302とS8303はプレイスイッチがOFFからONに切替るか否かを確認するステップである。同様に、ステップS8306とS8307はプレイスイッチがONからOFFに切替るか否かを確認するステップ、ステップS8309とS8310はディスクインサートスイッチがONからOFFに切替るか否かを確認するステップ、ステップS8312とS8313はイニシャルスイッチがOFFからONに切替るか否かを確認するステップ、ステップS8315とS8316はイジェクトスイッチがOFFからONに切替るか否かを確認するステップ、ステップS8319とS8320はイジェクトスイッチがONからOFFに切替るか否かを確認するステップ、ステップS8322とS8323はイニシャルスイッチがONからOFFに切替るか否かを確認するステップである。これら二つのステップの組合せについては、これまで同様の組合せ(例えば図9のステップS8119とS8120)において動作説明をしたので、ここでは省略する。
【0082】
ステップS8302、S8306、S8309、S8312、S8315、S8319、S8322での判定がyesであるならば、各々のステップで確認したスイッチ動作は正常であるので、次のステップへ進む。ステップS8303、S8307、S8310、S8313、S8316、S8320、S8323での判定がyesであるならば、各々のステップで確認したスイッチ動作には不具合があるので、図示したようにステップS8308、S8311、S8314、S8321、S8324のいずれかにおいて、光ディスク装置の記憶部に該当するスイッチに不具合がある旨を登録する。
【0083】
まずステップS8301において、ローディングモータを正方向に回転させる駆動信号を供給して、ロード時の状況を作る。
次いでステップS8302とS8303において、プレイスイッチがOFFからONに切替るか否かを確認する。図1に示したロード時のタイミング図に基づき、例えばローディングモータの起動後、プレイスイッチが切替ることを確認する。
【0084】
次に、ステップS8304でローディングモータに対する駆動信号を停止し、ステップS8305でローディングモータを逆方向に回転させる駆動信号を供給して、イジェクト時の状況を作る。
図3に示したイジェクト時のタイミング図に基づき、各スイッチの動作を時系列で確認する。まず、ステップS8306とS8307でプレイスイッチがONからOFFに切替ることを、次にステップS8309とS8310でディスクインサートスイッチがONからOFFに切替ることを、次にステップS8312とS8313でイニシャルスイッチがOFFからONに切替ることを、さらにステップS8315とS8316でイジェクトスイッチがOFFからONに切替ることを確認する。
【0085】
次に、ステップS8317でローディングモータに対する駆動信号を停止し、ステップS8318でローディングモータを再び正方向に回転させる駆動信号を供給する。
ステップS8319とS8320でイジェクトスイッチがONからOFFに切替ることを、次にステップS8322とS8323でイニシャルスイッチがONからOFFに切替ることを確認する。
【0086】
その後、先の図8のステップS805に到る。前記したようにS83で示したスイッチ動作確認ステップにおいて、ディスクインサートスイッチに不具合がある旨を登録され(S805)、或いは2個以上のスイッチに不具合がある旨を登録された(S806)場合には、記憶部に格納された時間TA〜TFを用いてスイッチ動作の不具合を補うことは困難であるため、光ディスクを排出したうえで、不具合が修理されるまでは光ディスクが挿入されないように、スロットのシャッタを閉鎖する(S809)。不具合のあるスイッチが1個以内で、かつ、ディスクインサートスイッチに不具合がある旨が登録されていなければ、記憶部に格納された時間TA〜TFを用いて該スイッチが生成すべき信号を制御部が生成して、正常なロードやイジェクトの動作を行う。
【0087】
ここまで示した実施形態は一例であって、本発明を限定するものではない。例えば図5から図11に示したフロー図においては、変更を加えた他の例を用いることもできる。その他にも本発明の趣旨に基づきながら異なる実施形態を考えられるが、いずれも本発明の範疇にある。
【符号の説明】
【0088】
S51:出荷時のロード動作の調整フロー、S52:出荷後のロード動作のフロー、S81:出荷時のイジェクト動作の調整フロー、S82:出荷後のイジェクト動作のフロー、S83:スイッチ動作確認のフロー。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体である光ディスクをロードする際の光ディスク装置が有する制御信号を生成するためのスイッチに起因する光ディスク装置における不具合の対処方法であって、
前記光ディスクを前記光ディスク装置にロードする場合には、前記光ディスク装置が製作され出荷される際の調整中であるか否かを判定するロード状況判定ステップと、
該ロード状況判定ステップでの判定の結果、前記光ディスク装置が製作され出荷される際の調整中であると判定された場合には、前記光ディスク装置が有する前記スイッチの動作タイミングを取得するロード時スイッチタイミング取得ステップと、
前記ロード状況判定ステップでの判定の結果、前記光ディスク装置が製作され出荷される際の調整中ではないと判定された場合には、前記スイッチの動作タイミングを確認して前記ロード時スイッチタイミング取得ステップで取得された前記スイッチの動作タイミングに基づいて補正するロード時スイッチタイミング確認ステップ
を有することを特徴とする光ディスク装置における不具合の対処方法。
【請求項2】
請求項1に記載の光ディスク装置における不具合の対処方法において、
前記ロードスイッチタイミング取得ステップは、前記光ディスクが前記光ディスク装置にロードされた後に前記光ディスクを支持するインサートローラを搭載したインサートアームの移動により切替るプレイスイッチのロード時のスイッチタイミングを取得するステップであり、
前記光ディスクを前記光ディスク装置にロードする際には、前記光ディスクは、光ディスク装置の内部に向けて移動する第1のロード期間と、該第1のロード期間の後に光ディスク装置の外部に向けて移動する第2のロード期間と、該第2のロード期間の後に再度光ディスク装置の内部に向けて移動する第3のロード期間を経た後に前記光ディスク装置の内部にロードされ、
前記ロードスイッチタイミング取得ステップは、
前記第1のロード期間の起点から前記プレイスイッチが切替る時点までの時間TAと、前記第2のロード期間の起点から前記プレイスイッチが切替る時点までの時間TBと、前記第3のロード期間の起点から前記プレイスイッチが切替る時点までの時間TC
を取得することを特徴とする光ディスク装置における不具合の対処方法。
【請求項3】
請求項2に記載の光ディスク装置における不具合の対処方法において、
前記ロード時スイッチタイミング確認ステップは、
前記プレイスイッチに不具合がある場合には、前記ロードスイッチタイミング取得ステップが取得した時間TA、TB、TCに基づき前記プレイスイッチが生成すべき制御信号
を生成することを特徴とする光ディスク装置における不具合の対処方法。
【請求項4】
記録媒体である光ディスクをイジェクトする際の光ディスク装置が有する制御信号を生成するためのスイッチに起因する光ディスク装置における不具合の対処方法であって、
前記光ディスクを前記光ディスク装置からイジェクトするよう指示された場合には、前記光ディスク装置が製作され出荷される際の調整中であるか否かを判定するイジェクト状況判定ステップと、
該イジェクト状況判定ステップでの判定の結果、前記光ディスク装置が製作され出荷される際の調整中であると判定された場合には、前記光ディスク装置が有する前記スイッチの動作タイミングを取得するイジェクト時スイッチタイミング取得ステップと、
前記イジェクト状況判定ステップでの判定の結果、前記光ディスク装置が製作され出荷される際の調整中ではないと判定された場合には、前記スイッチの動作タイミングを確認して前記イジェクト時スイッチタイミング取得ステップで取得された前記スイッチの動作タイミングに基づいて補正するイジェクト時スイッチタイミング確認ステップ
を有することを特徴とする光ディスク装置における不具合の対処方法。
【請求項5】
請求項4に記載の光ディスク装置における不具合の対処方法において、
前記スイッチのうち少なくも一つの切替え動作が不良である場合には、
該スイッチに不具合がある旨の情報を記憶部に格納する不具合情報格納ステップ
を有することを特徴とする光ディスク装置における不具合の対処方法。
【請求項6】
請求項5に記載の光ディスク装置における不具合の対処方法において、
前記不具合情報格納ステップで格納された不具合情報が複数のスイッチに係る場合には、
前記光ディスクの前記光ディスク装置へのロード動作を拒否することを特徴とする光ディスク装置における不具合の対処方法。
【請求項7】
請求項5に記載の光ディスク装置における不具合の対処方法において、
前記不具合情報格納ステップで格納された不具合情報が、前記光ディスクが前記光ディスク装置にロードされた後に前記光ディスクを支持するディスクローラを搭載したディスクレバーの移動により切替るディスクインサートスイッチに係る場合には、
前記光ディスクの前記光ディスク装置へのロード動作を拒否することを特徴とする光ディスク装置における不具合の対処方法。
【請求項8】
請求項4に記載の光ディスク装置における不具合の対処方法において、
前記イジェクトスイッチタイミング取得ステップは、
前記光ディスクが前記光ディスク装置にロードされた後に前記光ディスクを支持するインサートローラを搭載したインサートアームの移動により前記プレイスイッチとは異なるタイミングで切替るイニシャルスイッチのイジェクト時のスイッチタイミングを取得し、
さらに前記光ディスクが前記光ディスク装置にロードされた後に前記光ディスクを支持するイジェクトローラを搭載したイジェクトアームの移動により切替るイジェクトスイッチのイジェクト時のスイッチタイミングを取得するステップであり、
前記光ディスクを前記光ディスク装置からイジェクトするよう指示された際には、前記光ディスクは、光ディスク装置の外部に向けて移動する第1のイジェクト期間と、該第1のイジェクト期間の後に光ディスク装置の内部に向けて移動する第2のイジェクト期間と、該第2のイジェクト期間の後に再度光ディスク装置の外部に向けて移動する第3のイジェクト期間を経た後に前記光ディスク装置の外部にイジェクトされ、
前記イジェクトスイッチタイミング取得ステップは、
前記第1のイジェクト期間の起点から前記イジェクトスイッチが切替る時点までの時間TDと、前記第2のイジェクト期間の起点から前記イニシャルスイッチが切替る時点までの時間TEと、前記第3のイジェクト期間の起点から前記イニシャルスイッチが切替る時点までの時間TF
を取得することを特徴とする光ディスク装置における不具合の対処方法。
【請求項9】
請求項8に記載の光ディスク装置における不具合の対処方法において、
前記イジェクト時スイッチタイミング確認ステップは、
前記イジェクトスイッチに不具合がある場合には、前記イジェクトスイッチタイミング取得ステップが取得した時間TDに基づき前記イジェクトスイッチが生成すべき制御信号を、
前記イニシャルスイッチに不具合がある場合には、前記イジェクトスイッチタイミング取得ステップが取得した時間TEとTFに基づき前記イニシャルスイッチが生成すべき制御信号
を生成することを特徴とする光ディスク装置における不具合の対処方法。
【請求項1】
記録媒体である光ディスクをロードする際の光ディスク装置が有する制御信号を生成するためのスイッチに起因する光ディスク装置における不具合の対処方法であって、
前記光ディスクを前記光ディスク装置にロードする場合には、前記光ディスク装置が製作され出荷される際の調整中であるか否かを判定するロード状況判定ステップと、
該ロード状況判定ステップでの判定の結果、前記光ディスク装置が製作され出荷される際の調整中であると判定された場合には、前記光ディスク装置が有する前記スイッチの動作タイミングを取得するロード時スイッチタイミング取得ステップと、
前記ロード状況判定ステップでの判定の結果、前記光ディスク装置が製作され出荷される際の調整中ではないと判定された場合には、前記スイッチの動作タイミングを確認して前記ロード時スイッチタイミング取得ステップで取得された前記スイッチの動作タイミングに基づいて補正するロード時スイッチタイミング確認ステップ
を有することを特徴とする光ディスク装置における不具合の対処方法。
【請求項2】
請求項1に記載の光ディスク装置における不具合の対処方法において、
前記ロードスイッチタイミング取得ステップは、前記光ディスクが前記光ディスク装置にロードされた後に前記光ディスクを支持するインサートローラを搭載したインサートアームの移動により切替るプレイスイッチのロード時のスイッチタイミングを取得するステップであり、
前記光ディスクを前記光ディスク装置にロードする際には、前記光ディスクは、光ディスク装置の内部に向けて移動する第1のロード期間と、該第1のロード期間の後に光ディスク装置の外部に向けて移動する第2のロード期間と、該第2のロード期間の後に再度光ディスク装置の内部に向けて移動する第3のロード期間を経た後に前記光ディスク装置の内部にロードされ、
前記ロードスイッチタイミング取得ステップは、
前記第1のロード期間の起点から前記プレイスイッチが切替る時点までの時間TAと、前記第2のロード期間の起点から前記プレイスイッチが切替る時点までの時間TBと、前記第3のロード期間の起点から前記プレイスイッチが切替る時点までの時間TC
を取得することを特徴とする光ディスク装置における不具合の対処方法。
【請求項3】
請求項2に記載の光ディスク装置における不具合の対処方法において、
前記ロード時スイッチタイミング確認ステップは、
前記プレイスイッチに不具合がある場合には、前記ロードスイッチタイミング取得ステップが取得した時間TA、TB、TCに基づき前記プレイスイッチが生成すべき制御信号
を生成することを特徴とする光ディスク装置における不具合の対処方法。
【請求項4】
記録媒体である光ディスクをイジェクトする際の光ディスク装置が有する制御信号を生成するためのスイッチに起因する光ディスク装置における不具合の対処方法であって、
前記光ディスクを前記光ディスク装置からイジェクトするよう指示された場合には、前記光ディスク装置が製作され出荷される際の調整中であるか否かを判定するイジェクト状況判定ステップと、
該イジェクト状況判定ステップでの判定の結果、前記光ディスク装置が製作され出荷される際の調整中であると判定された場合には、前記光ディスク装置が有する前記スイッチの動作タイミングを取得するイジェクト時スイッチタイミング取得ステップと、
前記イジェクト状況判定ステップでの判定の結果、前記光ディスク装置が製作され出荷される際の調整中ではないと判定された場合には、前記スイッチの動作タイミングを確認して前記イジェクト時スイッチタイミング取得ステップで取得された前記スイッチの動作タイミングに基づいて補正するイジェクト時スイッチタイミング確認ステップ
を有することを特徴とする光ディスク装置における不具合の対処方法。
【請求項5】
請求項4に記載の光ディスク装置における不具合の対処方法において、
前記スイッチのうち少なくも一つの切替え動作が不良である場合には、
該スイッチに不具合がある旨の情報を記憶部に格納する不具合情報格納ステップ
を有することを特徴とする光ディスク装置における不具合の対処方法。
【請求項6】
請求項5に記載の光ディスク装置における不具合の対処方法において、
前記不具合情報格納ステップで格納された不具合情報が複数のスイッチに係る場合には、
前記光ディスクの前記光ディスク装置へのロード動作を拒否することを特徴とする光ディスク装置における不具合の対処方法。
【請求項7】
請求項5に記載の光ディスク装置における不具合の対処方法において、
前記不具合情報格納ステップで格納された不具合情報が、前記光ディスクが前記光ディスク装置にロードされた後に前記光ディスクを支持するディスクローラを搭載したディスクレバーの移動により切替るディスクインサートスイッチに係る場合には、
前記光ディスクの前記光ディスク装置へのロード動作を拒否することを特徴とする光ディスク装置における不具合の対処方法。
【請求項8】
請求項4に記載の光ディスク装置における不具合の対処方法において、
前記イジェクトスイッチタイミング取得ステップは、
前記光ディスクが前記光ディスク装置にロードされた後に前記光ディスクを支持するインサートローラを搭載したインサートアームの移動により前記プレイスイッチとは異なるタイミングで切替るイニシャルスイッチのイジェクト時のスイッチタイミングを取得し、
さらに前記光ディスクが前記光ディスク装置にロードされた後に前記光ディスクを支持するイジェクトローラを搭載したイジェクトアームの移動により切替るイジェクトスイッチのイジェクト時のスイッチタイミングを取得するステップであり、
前記光ディスクを前記光ディスク装置からイジェクトするよう指示された際には、前記光ディスクは、光ディスク装置の外部に向けて移動する第1のイジェクト期間と、該第1のイジェクト期間の後に光ディスク装置の内部に向けて移動する第2のイジェクト期間と、該第2のイジェクト期間の後に再度光ディスク装置の外部に向けて移動する第3のイジェクト期間を経た後に前記光ディスク装置の外部にイジェクトされ、
前記イジェクトスイッチタイミング取得ステップは、
前記第1のイジェクト期間の起点から前記イジェクトスイッチが切替る時点までの時間TDと、前記第2のイジェクト期間の起点から前記イニシャルスイッチが切替る時点までの時間TEと、前記第3のイジェクト期間の起点から前記イニシャルスイッチが切替る時点までの時間TF
を取得することを特徴とする光ディスク装置における不具合の対処方法。
【請求項9】
請求項8に記載の光ディスク装置における不具合の対処方法において、
前記イジェクト時スイッチタイミング確認ステップは、
前記イジェクトスイッチに不具合がある場合には、前記イジェクトスイッチタイミング取得ステップが取得した時間TDに基づき前記イジェクトスイッチが生成すべき制御信号を、
前記イニシャルスイッチに不具合がある場合には、前記イジェクトスイッチタイミング取得ステップが取得した時間TEとTFに基づき前記イニシャルスイッチが生成すべき制御信号
を生成することを特徴とする光ディスク装置における不具合の対処方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−233189(P2011−233189A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−100852(P2010−100852)
【出願日】平成22年4月26日(2010.4.26)
【出願人】(501009849)株式会社日立エルジーデータストレージ (646)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月26日(2010.4.26)
【出願人】(501009849)株式会社日立エルジーデータストレージ (646)
【Fターム(参考)】
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